JP7421793B2 - 粒子状物質除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子状物質除去装置に関する。
ディーゼルエンジンは、発電機用エンジン、船舶用エンジン、大型自動車用エンジンなどとして広く使用されている。このディーゼルエンジンでは、燃料を液滴のまま燃やす噴霧燃焼を利用するため、燃料の燃え残りとして粒子状物質(PM)が発生する。また、火力発電所の燃焼ボイラ、民間の燃焼装置などでもPMが発生する。排ガス中のPMは、フィルタにより捕らえられ、フィルタに付着した触媒により二酸化炭素などへ酸化される。
しかし、排ガス中のPMをフィルタで集塵する方式では、フィルタの圧力損失が大きい。さらに、触媒活性の低下や目詰まりが生じるため、フィルタの定期的な交換が必要となる。
また、電極間にパルス電圧を印加することにより空間放電プラズマを発生させて排ガス中のPMを酸化除去するプラズマリアクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。プラズマを利用して排ガス中のPMを酸化除去することにより、圧力損失を小さくすることができる。さらにフィルタの定期的な交換や再生が不要になる。
特開2019-181409号公報
しかし、空間放電プラズマを発生させるためには、電極間に大きな電圧を印加する必要がある。このため、出力の大きい電源装置が必要となる。また、プラズマリアクタの消費電力も大きくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、消費電力を小さくすることができ、かつ、出力が比較的小さい電力供給部を利用することができ、気中で粒子状物質を除去できる粒子状物質除去装置を提供する。またフィルタを使用しないため,さらにフィルタの定期的な交換や再生が不要になる。
本発明は、プラズマリアクタと、電力供給部とを備え、前記プラズマリアクタは、内部流路と、第1電極と、第2電極と、絶縁層と、酸素ガス及び粒子状物質を含む気体を前記内部流路に注入するように設けられた注入口とを含み、第1電極及び第2電極は、前記内部流路を囲むように配置され、第1電極は、前記絶縁層により第2電極から電気的に分離され、前記電力供給部は、第1電極又は第2電極に電気的に接続され、第1及び第2電極並びに前記電力供給部は、前記電力供給部により第1又は第2電極に電圧を印加することにより前記内部流路を囲む内壁面に沿って沿面放電プラズマを発生させるように設けられたことを特徴とする粒子状物質除去装置を提供する。
本発明の粒子状物質除去装置に含まれる第1電極及び第2電極は、プラズマリアクタの内部流路を囲むように配置される。また、第1及び第2電極並びに電力供給部は、電力供給部により第1又は第2電極に電圧を印加することにより内部流路を囲む内壁面に沿って沿面放電プラズマを発生させるように設けられる。このため、プラズマリアクタの内部流路を流れる酸素ガスなどからオゾン、OH、O2 -、HO2、Oなどのラジカルなどの酸化活性種を生成することができ、内部流路を流れる粒子状物質を酸化除去することができる。
第1電極及び第2電極が内部流路を囲むように配置されるため、第1電極と第2電極との間隔を狭くすることができる。また、沿面放電プラズマを利用して酸化活性種を生成する。このため、第1電極と第2電極との間に印加する電圧を小さくすることができ、消費電力を小さくすることができる。また、出力が比較的小さい電力供給部を利用することが可能になる。
本発明の一実施形態の粒子状物質除去装置の概略断面図である。 図1の破線A-Aにおける粒子状物質除去装置の概略断面図である。 本発明の一実施形態の粒子状物質除去装置の部分断面図である。 本発明の一実施形態の粒子状物質除去装置の概略断面図である。 本発明の一実施形態の粒子状物質除去装置の概略断面図である。 図5の破線B-Bにおける粒子状物質除去装置の概略断面図である。 粒子状物質除去実験で用いた装置の概略構成図である。 粒子状物質除去実験におけるSMPSの測定結果を示すグラフである。 粒子状物質除去実験におけるSMPSの測定結果から算出したPMの除去効率を示すグラフである。 粒子状物質除去実験におけるガス分析結果を示すグラフである。 粒子状物質除去実験におけるガス分析結果を示すグラフである。
本発明の粒子状物質除去装置は、プラズマリアクタと、電力供給部とを備え、前記プラズマリアクタは、内部流路と、第1電極と、第2電極と、誘電体による絶縁層と、酸素ガス及び粒子状物質を含む気体を前記内部流路に注入するように設けられた注入口とを含み、第1電極及び第2電極は、前記内部流路を囲むように配置され、第1電極は、前記絶縁層により第2電極から電気的に分離され、前記電力供給部は、第1電極又は第2電極に電気的に接続され、第1及び第2電極並びに前記電力供給部は、前記電力供給部により第1又は第2電極に電圧を印加することにより前記内部流路を囲む内壁面に沿って沿面放電プラズマを発生させるように設けられたことを特徴とする。
前記注入口は、内部流路を囲む内壁面に沿って旋回する旋回流が生じるように酸素ガス及び粒子状物質を含む気体を内部流路に吹き込むように設けられることが好ましい。この旋回流により粒子状物質に遠心力がかかり、粒子状物質を旋回流の外側、すなわち内壁面に向かって移動させることができる。この内壁面に向かって移動した粒子状物質は、内壁面に沿って発生させた沿面放電プラズマで生じた酸化活性種により酸化除去される。このように、旋回流を発生させることにより、粒子状物質の除去効率を向上させることができる。また,粒子のプラズマリアクタ内での滞留時間を大きくすることができ、より効率の高い粒子除去効果を気中で実現することができる。
本発明の粒子状物質除去装置は、プラズマリアクタの内部に配置された第3電極を備えることが好ましい。前記電力供給部は、内部流路を囲む内壁面と第3電極との間の空間に電界が形成されるように第1、第2又は第3電極に電圧を印加するように設けられることが好ましく、前記電界は、帯電した粒子状物質が第3電極側から内壁面側へ移動し電気集塵効果を実現するような電界であることが好ましい。このような電界により帯電した粒子状物質を内部流路を囲む内壁面に向かって移動させることができる。この内壁面に向かって移動した粒子状物質は、内壁面に沿って発生させた沿面放電プラズマで生じた酸化活性種により酸化除去される。このように、内壁面と、第3電極との間に電界を形成することにより、粒子状物質の除去効率を向上させることができる。
第1電極は内部流路を囲む内壁面に配置されることが好ましく、第2電極は内部流路を囲む壁の内部に配置されることが好ましく、前記絶縁層は第1電極と第2電極との間に配置されることが好ましい。このような構成により、内部流路を囲む内壁面に沿って沿面放電プラズマを発生させることができる。また第3電極により、プラズマが発生する領域を流路内にさらに拡張することができる。
以下、複数の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
第1実施形態
図1は本実施形態の粒子状物質除去装置の概略断面図であり、図2は図1の破線A-Aにおける粒子状物質除去装置の概略断面図である。また、図3は、粒子状物質除去装置の部分断面図である。
本実施形態の粒子状物質除去装置25は、プラズマリアクタ20と、電力供給部5とを備え、プラズマリアクタ20は、内部流路3と、第1電極6と、第2電極7と、絶縁層8と、酸素ガス及び粒子状物質を含む気体を内部流路3に注入するように設けられた注入口4とを含み、第1電極6及び第2電極7は、内部流路3を囲むように配置され、第1電極6は、絶縁層8により第2電極7から電気的に分離され、電力供給部5は、第1電極6又は第2電極7に電気的に接続され、第1電極6、第2電極7及び電力供給部5は、電力供給部5により第1電極6又は第2電極7に電圧を印加することにより内部流路3を囲む内壁面10に沿って沿面放電プラズマを発生させるように設けられたことを特徴とする。
粒子状物質除去装置25は、燃焼で生じた煤(粒子状物質、PM)を除去する装置である。粒子状物質(可燃性粒子状物質)は、例えばディーゼルエンジン、燃焼ボイラ、燃焼装置などにおける燃焼に伴い生じる。粒子状物質除去装置25は、燃焼排ガスの処理装置に組み込まれてもよい。また、粒子状物質除去装置25は、大気中を浮遊する粒子状物質を吸い込んで除去する装置であってもよい。
プラズマリアクタ20は、その内部に発生させたプラズマを利用して粒子状物質を気相から除去するための部材である。プラズマリアクタ20は、内部流路3と、第1電極6と、第2電極7と、絶縁層8とを含む。
プラズマリアクタ20は、内部流路3を有する流路管2(内部流路3の管壁)を含むことができる。流路管2は、円管であってもよく、矩形管であってもよい。また、プラズマリアクタ20は、二重管構造を有してもよい。また、流路管2は、第1電極6と、第2電極7と、絶縁層8とを含んでもよい。
第1電極6及び第2電極7は、電極となりうる導電性材料から構成される。絶縁層8は、絶縁性物質から構成される。絶縁層8の材料は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、ガラス、窒化アルミニウム、フッ素樹脂などである。
電力供給部5は、プラズマリアクタ20へ電力を供給する部分又は装置である。電力供給部5は、直流電源部であってもよく、低周波電源部であってもよく、高周波電源部であってもよい。
電力供給部5は、第1電極6及び第2電極7の少なくとも一方に電気的に接続し、電圧を印加することができる。このことにより第1電極6と第2電極7との間に電位差を生じさせることができる。電力供給部5を用いて第1電極6と第2電極7との間に電位差を生じさせる場合、第1電極6及び第2電極7のうち一方を接地接続し、電力供給部5により他方と接地接続との間に電圧を印加してもよい。また、電力供給部5により第1電極6と第2電極7との間に直接電圧を印加してもよい。
第1電極6は、絶縁層8により第2電極7から電気的に分離される。このため、電力供給部5を用いて第1電極6と第2電極7との間に電位差を生じさせることにより、第1電極6と第2電極7との間に沿面放電プラズマを発生させることができる。
沿面放電プラズマとは、第1電極6と第2電極7との電位差により誘電体(絶縁層8又はコーティング層9)の表面に沿って生じる放電現象である。沿面放電プラズマは、空間放電プラズマよりも低い電圧で発生させることができる。
第1電極6及び第2電極7は、内部流路3を囲むように配置される。また、第1電極6、第2電極7及び電力供給部5は、電力供給部5により第1電極6又は第2電極7に電圧を印加することにより内部流路3を囲む内壁面10に沿って沿面放電プラズマを発生させるように設けられる。
例えば、第2電極7は、流路管2を構成する絶縁層8に埋め込まれた埋め込み電極とすることができ、内部流路3を囲むチューブ状の電極とすることができる。
第1電極6は、内部流路3を囲む内壁面10(流路管2の内側表面)に配置することができる。また、第1電極6は、内部流路3の流れの方向に沿った細長い形状を有することができる。また、複数の第1電極6が内部流路3を囲むように複数の第1電極6を配置することができる。また、第1電極6の長さは、第2電極7の長さと実質的に同じにすることができる。また、第1電極6は、コーティング層9で覆われていてもよい。コーティング層9は、絶縁体層であってもよい。コーティング層9は、第1電極6を覆うように設けられてもよく、内部流路3の内壁面の全体を覆うように設けられてもよい。
例えば、図1、2に示した粒子状物質除去装置25のように、第1電極6、第2電極7及び絶縁層8を配置することができる。この粒子状物質除去装置25では、内部流路3の内壁面10に細長い形状を有する第1電極6a~6pが設けられ、内部流路3を囲む壁内部にチューブ状の第2電極7が設けられている。また、絶縁層8は、第1電極6と第2電極7との間に配置される。
このような粒子状物質除去装置25において、電力供給部5を用いて第1電極6と第2電極7との間に電位差を生じさせると、第1電極6と第2電極7との間に電界が生じる。この電界により電界中の電荷が加速され気体分子の電離が生じ、気体イオンと電子とを含む沿面放電プラズマ11が生じる。沿面放電プラズマ11は、例えば、図3に示したように、内部流路3を囲む内壁面10に沿って生じる。内壁面10は、絶縁層8の表面であってもよく、コーティング層9の表面であってもよい。
また、電力供給部5により第1電極6又は第2電極7、或いは第1電極6と第2電極7との間に高周波電圧を印加することにより沿面放電プラズマ11を発生させることが好ましい。このことにより、沿面放電プラズマ11が発生しやすくなる。
このような沿面放電プラズマ11を発生させると、内部流路3を流れる酸素ガスからオゾン、OH、O2 -、HO2、Oなどのラジカルなどの酸化活性種を生成することができる。そして、この酸化活性種により内部流路3を流れる粒子状物質を酸化除去することができる。また、内部流路3を囲むように沿面放電プラズマ11を発生させることができるため、粒子状物質が酸化活性種により酸化除去される確率を高くすることができる。
プラズマリアクタ20は、酸素ガス及び粒子状物質を含む気体を内部流路3に注入するように設けられた注入口4と、内部流路3が流れた後の気体がプラズマリアクタ20から排出される排出口17とを有することができる。このことにより、酸素ガス及び粒子状物質を含む気体を内部流路3に流すことができ、沿面放電プラズマ11により発生させた酸化活性種により粒子状物質を酸化除去することができる。
注入口4は、内部流路3を囲む内壁面10に沿って旋回する旋回流が生じるように酸素ガス及び粒子状物質を含む気体を内部流路3に吹き込むように設けることができる。この旋回流により粒子状物質に遠心力がかかり、粒子状物質を旋回流の外側、すなわち内壁面10に向かって移動させることができる。また、粒子のプラズマリアクタ内での滞留時間を大きくすることができ、より効率の高い粒子除去効果を気中で実現することができる。この内壁面10に向かって移動した粒子状物質は、内壁面10に沿って発生させた沿面放電プラズマ11で生じた酸化活性種により酸化除去される。このように、旋回流を発生させることにより、粒子状物質の除去効率を向上させることができる。また、内壁面10に向かって移動した粒子状物質は、沿面放電プラズマにより帯電する。
内部流路3は、円形の流路断面を有することができ、注入口4は内部流路3の円周方向に気体を吹き込むように設けることができる。このことにより、内部流路3を囲む内壁面10に沿って旋回する旋回流を生じさせることができる。この旋回流は、旋回しながら内部流路3の軸方向に向かって流れ、プラズマリアクタ20の端に近づくと反転し排出口17に向かって流れる。
プラズマリアクタ20は、二重管構造を有することができ、内管を排出管19とすることができる。この場合、内部流路3を流れる気体の旋回流は、排出管19の周りを回るように旋回する。
また、排出口17は、注入口4を配置した端と逆側の端に円周方向に沿うように設けてもよい。
図1、2に示したプラズマリアクタ20では、内部流路3の軸方向を横向きにしているが、内部流路3の軸方向を縦向きにしてもよい。このことにより、比較的大きな粒子状物質を重力を利用して分離することができる。
また、プラズマリアクタ20は、内部流路3の内壁の半径が旋回流の進行方向(軸方向)に向かうにつれ徐々に小さくなるように設けることができる。このことにより、気体の流速を速くすることができる。また、反転流が生じる箇所を調節することができる。
プラズマリアクタ20は、プラズマリアクタ20の内部に配置された第3電極12を備えることができる。また、電力供給部5は、内部流路3を囲む内壁面10と第3電極12との間の空間に電界が形成されるように第1電極6、第2電極7又は第3電極12に電圧を印加するように設けられる。この電界は、帯電した粒子状物質が第3電極12側から内壁面10側へ移動するような電界である。第3電極12は、内部流路3を囲むように設けられた複数の第1電極6から第3電極12までの距離が実質的に等しくなるように設けることができる。
第3電極12は、例えば、図1、2に示したプラズマリアクタ20のように、流路管2中の排出管19とすることができる。この場合、排出管19の材料は金属などの導電性物質とすることができる。
例えば、粒子状物質が沿面放電プラズマによりプラスに帯電する場合、電力供給部5は、第3電極12の電位が第1電極6及び第2電極7の電位よりも高くなるように、第1電極6、第2電極7又は第3電極12に電圧を印加するように設けられる。この電圧印加により第1電極6及び第2電極7と、第3電極12との間に電位勾配を形成することができ、この電位勾配により粒子状物質を内部流路3を囲む内壁面10(第1電極6及び第2電極7)に向かって移動させることができる。この内壁面10に向かって移動した粒子状物質は、内壁面10に沿って発生させた沿面放電プラズマ11で生じた酸化活性種により酸化除去される。
このように、第1電極6及び第2電極7と、第3電極12との間に電位勾配を形成することにより、粒子状物質の除去効率を向上させることができる。また第3電極12により,プラズマが発生する領域を流路内にさらに拡張することができる。
第2実施形態
図4は、第2実施形態の粒子状物質除去装置25に含まれるプラズマリアクタ20の概略断面図である。図4の断面図は、図2に示した第1実施形態の粒子状物質除去装置25の断面図に相当する。
第2実施形態では、プラズマリアクタ20は、複数の第1電極6a~6hと複数の第2電極7a~7hとを有する。第1電極6a~6hと第2電極7a~7hの両方は、内部流路3を囲む内壁面10(流路管2の内側表面)に配置することができる。また、第1電極6a~6hと第2電極7a~7hのそれぞれは、内部流路3の流れの進行方向(旋回流の軸方向)に沿った細長い形状を有することができる。このような第1電極6a~6hと第2電極7a~7hとが内部流路3を囲み交互に並ぶように内壁面10に配置される。また、第1電極6a~6h及び第2電極7a~7hのそれぞれは、絶縁性物質からなるコーティング層9で覆われていてもよい。
電力供給部5を用いて第1電極6a~6hと第2電極7a~7hとの間に電位差を生じさせることにより、第1電極6a~6hと第2電極7a~7hとの間の絶縁層8上(又はコーティング層9上)に沿面放電プラズマを発生させることができる。
プラズマリアクタ20がこのような構成を有することにより、構成が単純になり製造コストを低減することができる。
その他の構成は第1実施形態と同様である。また、第1実施形態についての記載は矛盾がない限り第2実施形態についても当てはまる。
第3実施形態
図5は第3実施形態の粒子状物質除去装置25の概略断面図であり、図6は図5の破線B-Bにおけるプラズマリアクタ20の概略断面図である。
第3実施形態では、プラズマリアクタ20は、内部流路3の中心部にワイヤ電極(又は棒電極)である第3電極12を有している。第3電極12は、内部流路3を囲むように設けられた複数の第1電極6a~6pから第3電極12までの距離が実質的に等しくなるように設けることができる。
例えば、粒子状物質が沿面放電プラズマによりプラスに帯電する場合、電力供給部5は、第3電極12の電位が第1電極6及び第2電極7の電位よりも高くなるように、第1電極6、第2電極7又は第3電極12に電圧を印加するように設けられる。この電圧印加により第1電極6及び第2電極7と、第3電極12との間に電位勾配を形成することができ、この電位勾配により粒子状物質を内部流路3を囲む内壁面10(第1電極6及び第2電極7)に向かって移動させることができる。この内壁面10に向かって移動した粒子状物質は、内壁面10に沿って発生させた沿面放電プラズマ11で生じた酸化活性種により酸化除去される。また第3電極12により,プラズマが発生する領域を流路内にさらに拡張することができる。
図5、6では、第1電極6及び第2電極7を第1実施形態の粒子状物質除去装置25と同様に設けているが、第3実施形態では、第1電極6及び第2電極7を第2実施形態の粒子状物質除去装置25と同様に設けてもよい。
また、図5、6に示した粒子状物質除去装置25では、内部流路3に旋回流は生じさせていないが、第1実施形態と同様に内部流路3に旋回流を生じさせてもよい。
その他の構成は第1又は第2実施形態と同様である。また、第1又は第2実施形態についての記載は矛盾がない限り第3実施形態についても当てはまる。
粒子状物質(PM)除去実験
図7は実験装置の概略構成図である。PMの発生源にはディーゼルエンジン30を用いた。実験ではディーゼルエンジンへの負荷を0%とした。ディーゼルエンジン30の排ガスをサンプリングバルブ32aでサンプリングし(0.5L/min)、サンプリングガスを窒素ガス90%、酸素ガス10%の合成空気(最大4.5L/min)で希釈し(最大10倍希釈)、PMを含む処理対象ガス(5.0L/min)とした。この処理対象ガスをプラズマリアクタ20中に注入した。
プラズマリアクタ20には、株式会社増田研究所製の沿面放電発生装置(HCII-OC70x12x2)を用いた。この装置では、高純度アルミナ基板(絶縁層8)中に第2電極7(誘導電極)が埋め込まれており、内部流路3の内壁面に細長い第1電極6(放電極)が複数配置されている。また、電力供給部5には、株式会社増田研究所製の高電圧高周波電源(HCII-70/2)を用いた。なお、内部流路3内では旋回流は生じさせていない。
実験では、プラズマリアクタ20への入力電力を、0W(未処理)、100W、200W、300W又は400Wとして、それぞれ実験を行った。
プラズマリアクタ20の排出口17から排出された排出ガスを、オゾンガスを熱分解するためのヒーター40を通過させた後、その一部を分析対象ガスとしてサンプリングした(0.5L/min)。サンプリングした分析対象ガスを窒素ガス(4.5L/min)で希釈した後(10倍希釈)、微分型静電分級器(differential mobility analyzer, DMA)と凝縮粒子カウンタ(condensation particle counter, CPC)を組み合わせたSMPS (scanning mobility particle sizer)を用いて粒子濃度(dN/dlogDp,ここでNは粒子個数,Dpは粒径)を測定した。また、測定された粒子濃度からPMの除去効率を算出した。また、ガス分析器41を用いて、プラズマリアクタ20の排出口17から排出された排出ガスに含まれるNOx、NO、CO、O2、CO2の濃度を測定した。
図8は各実験におけるSMPSの測定結果を示すグラフであり、図9は各実験におけるSMPSの測定結果から算出したPMの除去効率を示すグラフである。プラズマリアクタ20でプラズマ処理を施していない場合(未処理)、約70nmの粒径において粒子濃度dN/dlogDpの値が2.5×105となった。プラズマリアクタ20への入力電力を200W以上とすると、粒子濃度dN/dlogDpは約0.2×105以下となり、除去効率は約90%以上となった。
図10及び図11は、各実験におけるガス分析結果を示すグラフである。CO2濃度及びO2濃度はほぼ一定であった。これは、排出ガスのCO2濃度及びO2濃度は高いためと考えられる。NOx濃度及びNO濃度は、入力電力が200W以下の場合、約100ppm以下と低かったが、入力電力が300Wを超えるとNOx濃度及びNO濃度は高くなった。これは、プラズマリアクタ20で発生させた沿面放電プラズマにより窒素ガス及び酸素ガスからNOxが合成されるためと考えられる。このNOxは粒子を燃焼除去する効果を有する。
CO濃度は、入力電力が100W以下であると約400ppm程度であったが、入力電力が200Wを超えるとCO濃度は徐々に高くなった。また、図9に示したように、入力電力が200Wを超えると粒子除去効率が88%以上となる。これらの結果から、このCO濃度の上昇は、プラズマリアクタ20おいて沿面放電プラズマにより発生したOH、O2 -、HO2、Oなどのラジカルあるいは、NO2などの酸化活性種によるPMの酸化に起因していると考えられる。
2:流路管 3:内部流路 4:注入口 5:電力供給部 6、6a~6p:第1電極 7、7a~7h:第2電極 8:絶縁層 9:コーティング層 10:内部流路を囲む内壁面(流路管の内側表面) 11:沿面放電プラズマ 12:第3電極 15:流路部材 16:注入管 17:排出口 19:排出管 20:プラズマリアクタ 25:粒子状物質除去装置
30:ディーゼルエンジン 31:温度計 32a、32b:サンプリングバルブ 33a~33d:バルブ 34:ポンプ 35a~35e:流量計 36a、36b:ガスボンベ 37:電流プローブ 38:高電圧プローブ 39:オシロスコープ 40:ヒーター 41:ガス分析器

Claims (3)

  1. プラズマリアクタと、電力供給部とを備え、
    前記プラズマリアクタは、内部流路と、複数の第1電極と、第2電極と、絶縁層と、酸素ガス及び粒子状物質を含む気体を前記内部流路に注入するように設けられた注入口とを含み、
    第1電極及び第2電極は、前記内部流路を囲むように配置され、
    第1電極は、前記絶縁層により第2電極から電気的に分離され、
    前記電力供給部は、第1電極又は第2電極に電気的に接続され、
    第2電極は、前記内部流路を囲むチューブ状の電極であり、
    前記絶縁層は、第2電極の内側の面を覆うように設けられ、
    各第1電極は、前記絶縁層の内側の面上において前記内部流路の流路方向に沿って伸びるように配置され、
    第1及び第2電極並びに前記電力供給部は、前記電力供給部により第1又は第2電極に電圧を印加することにより前記内部流路を囲む内壁面に沿って沿面放電プラズマを発生させるように設けられ
    前記注入口は、前記内部流路を囲む内壁面に沿って旋回する旋回流が生じるように酸素ガス及び粒子状物質を含む気体を前記内部流路に吹き込むように設けられたことを特徴とする粒子状物質除去装置。
  2. 前記プラズマリアクタの内部に配置された第3電極をさらに備え、
    前記電力供給部は、前記内部流路を囲む内壁面と第3電極との間の空間に電界が形成されるように第1、第2又は第3電極に電圧を印加するように設けられ、
    前記電界は、帯電した粒子状物質が第3電極側から前記内壁面側へ移動するような電界である請求項に記載の粒子状物質除去装置。
  3. 第1電極は、前記内部流路を囲む内壁面に配置され、
    第2電極は、前記内部流路を囲む壁の内部に配置され、
    前記絶縁層は、第1電極と第2電極との間に配置された請求項1又は2に記載の粒子状物質除去装置。
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