JP7417334B1 - 塗装方法および塗装キッド - Google Patents

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Abstract

【課題】有機顔料を含む塗装において、設置物(特に、屋外に設置された設置物)において、着色面を長期間退色させない塗装方法を提供する。【解決手段】基材の着色面に、第1有機顔料を含むカラークリヤー塗料を塗布する工程を含み、着色面が、マンセル表色系において4.0以上の彩度を有し、カラークリヤー塗料が、乾燥後に、着色面と同系色で、かつ下記の式(I)を満足する彩度を有するカラークリヤー層を形成する塗料である、塗装方法。A≦B≦A+2 ・・・(I)A:着色面の彩度B:カラークリヤー層の彩度【選択図】なし

Description

本発明は、塗装方法および塗装キッドに関する。
例えば、看板、標識など視覚を通じて認識させる必要がある設置物には、用途を考慮すると、高い視認性、すなわち鮮やかな発色性が要求される。このような設置物は、屋外に設置されることが多く、紫外線、排気ガスなどに曝されることが多い。そのため、このような設置物には、長期間、屋外に設置していても退色しないような耐候性が要求される。
着色には、一般的に染料および顔料が使用される。染料は、優れた発色性を有するものの、耐候性に乏しく、比較的短い期間で退色する。そのため、屋外に設置する設置物を着色するために、染料は不向きである。
一方、顔料は、染料よりも優れた耐候性を有しているものの、染料よりも発色性に乏しい。特に、無機顔料は、鮮やかに発色させることが困難である。そのため、看板、標識など高い視認性が要求される設置物に、発色性を目的とする無機顔料の使用は不向きである。したがって、無機顔料は、特許文献1に記載のように、建築物の外壁塗装など視認性が要求されにくい用途に使用されることが多い。
有機顔料は、無機顔料よりも耐候性に乏しいものの、無機顔料よりも鮮やかに発色させることができる。例えば、自動車塗装の分野では、有機顔料を含む塗料で着色塗装した後に、紫外線吸収剤を含む塗料で着色塗装を被覆する方法が採用されている。しかし、紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾールなど不飽和結合を有する化合物である。そのため、紫外線によって経時的に分解されやすく、鮮やかな色を長期間維持するのが困難である。
特開2021-3826号公報
本発明の課題は、設置物(特に、屋外に設置された設置物)において、着色面を長期間退色させない塗装方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)基材の着色面に、第1有機顔料を含むカラークリヤー塗料を塗布する工程を含み、着色面が、マンセル表色系において4.0以上の彩度を有し、カラークリヤー塗料が、乾燥後に、着色面と同系色で、かつ下記の式(I)を満足する彩度を有するカラークリヤー層を形成する塗料である、塗装方法。
A≦B≦A+2 ・・・(I)
A:着色面の彩度
B:カラークリヤー層の彩度
(2)第1有機顔料が、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種である、上記(1)に記載の塗装方法。
(3)第2有機顔料を含む着色塗料を基材の少なくとも1つの面に塗布して、着色面を得る工程を、さらに含み、第2有機顔料が、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種である、上記(1)または(2)に記載の塗装方法。
(4)第1有機顔料を含有するカラークリヤー塗料と、第2有機顔料を含有する着色塗料と、を含む塗装キットであって、着色塗料が、基材の着色面の彩度を、マンセル表色系において4.0以上とする塗料であり、カラークリヤー塗料が、乾燥後に、着色面と同系色で、かつ下記の式(I)を満足する彩度を有するカラークリヤー層を形成する塗料であり、第1有機顔料が、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種であり、第2有機顔料が、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種である、塗装キット。
A≦B≦A+2 ・・・(I)
A:着色面の彩度
B:カラークリヤー層の彩度
本発明に係る塗装方法によれば、設置物(特に屋外に設置された設置物)において、着色面が長期間退色しない。
本発明に係る塗装方法は、基材の着色面に、第1有機顔料を含むカラークリヤー塗料を塗布する工程を含む。基材の着色面とは、例えば看板、標識など屋外に設置される設置物において、図柄、文字などが描かれている面を意味する。基材は、看板、標識など屋外に設置される設置物に使用される材質で形成されたものであれば限定されない。このような基材の材質としては、金属、木、コンクリート、石材、セラミックス、樹脂などが挙げられる。
着色面は、マンセル表色系において4.0以上の彩度を有していれば、限定されない。マンセル表色系は、色彩の表示方法であり、有彩色の場合は、色相、明度および彩度によって、色味、色の明るさ、および色の鮮やかさが決定される。無彩色(白、灰色および黒)の場合は、明度が0に近いほど黒味を呈し、明度が10に近いほど白味を呈することを意味する。
着色面は、種々の色彩を有することもあるため、色相および明度は限定されない。本発明に係る塗装方法が適用される着色面は、視認性の観点で鮮やかさが求められる。そのため、着色面は、マンセル表色系において4.0以上の彩度を有している。以下、マンセル表色系における彩度を、単に「彩度」と記載する場合がある。
彩度は無彩色からの乖離の程度を示す指標であり、彩度の値が高いほど、鮮やかで目を惹きやすい色彩であることを意味する。無彩色の彩度は0であり、色相などによって異なるものの、最大値は8~14程度である。4.0以上の彩度を有していれば、着色面は、例えば顔料(有機顔料および無機顔料)で着色されていてもよく、染料で着色されていてもよい。看板や表示板を含む外装分野では、専ら有機顔料が採用されることが多い。有機顔料は、高彩色を現出させることができるものの、一般的に無機顔料に比べて退色しやすいとされる。
着色面に塗布されるカラークリヤー塗料は、着色されるものの下地が透けて見える膜を形成する塗料である。本発明に係る塗装方法に使用されるカラークリヤー塗料は、乾燥後に、着色面と同系色で、かつ下記の式(I)を満足する彩度を有するカラークリヤー層を形成する塗料である。
A≦B≦A+2 ・・・(I)
A:着色面の彩度
B:カラークリヤー層の彩度
具体的には、カラークリヤー層が下地層である着色面と同系色を有し、カラークリヤー層の彩度が着色面の彩度とほぼ同じとなるカラークリヤー塗料が使用される。このようなカラークリヤー塗料を使用することによって、着色面の色彩および彩度にほとんど影響を及ぼすことなく、カラークリヤー層が形成される。カラークリヤー層は、好ましくは下記の式(II)を満足する彩度を有する。
A≦B≦A+1 ・・・(II)
A:着色面の彩度
B:カラークリヤー層の彩度
同系色とは、青、赤、緑、黄などの色彩を視認した場合に、色相および明度が同程度であると認識できる色調を意味する。例えば、マンセル表色系における色相および明度に基づいて、色彩が同系色か否かを判断すればよい。
本発明に係る塗装方法に使用されるカラークリヤー塗料には、第1有機顔料が含まれている。第1有機顔料は、上述のカラークリヤー層の形成を阻害しない範囲であれば限定されない。第1有機顔料が含まれていることによって、下地層である着色面が長期間退色しない。
具体的には、光(紫外線)による光触媒反応によって、カラークリヤー層に分散している第1有機顔料が退色する。すなわち、第1有機顔料が紫外線を遮蔽する(捕捉する)ような作用を有することによって、着色面への紫外線の影響が低減される。その結果、着色面が長期間退色しない。本明細書において「紫外線」とは、太陽光に含まれる250nm以上390nm以下の波長を有する光線を意味する。さらに、カラークリヤー層で被覆されていることによって、着色面は、風雨による劣化、ガス(例えば、NO、SO、オゾンなど)による劣化なども低減される。
第1有機顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー(青)、キナクリドン(赤)、フタロシアニングリーン(緑)、イソインドリノン(黄)などの有機顔料が挙げられる。これらの有機顔料は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。着色面をより長期間退色させない点で、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種を含むカラークリヤー塗料を使用するのが好ましい。
第1有機顔料は、着色目的というよりも、上記のように紫外線を遮蔽するために使用される。そのため、第1有機顔料の平均粒子径は、小さい方が好ましい。平均粒子径が小さいほど、着色力は乏しくなるものの、紫外線遮蔽する効果は向上する。第1有機顔料は、好ましくは100nm以下の平均粒子径を有し、より好ましくは80nm以下の平均粒子径を有する。平均粒子径は、二次粒子の平均粒子径を意味する。
カラークリヤー塗料によって形成されるカラークリヤー層の厚みは、着色面を被覆し得る厚みであれば、限定されない。カラークリヤー層は、好ましくは5μm以上50μm以下の厚みを有し、より好ましくは10μm以上30μm以下の厚みを有する。
カラークリヤー層に含まれる第1有機顔料の量は、紫外線を効率よく遮蔽することができ、着色面の視認性を確保し得る量であれば、限定されない。カラークリヤー層は、95%以上の紫外線遮蔽率を有するのが好ましく、70%以上の可視光透過率を有するのが好ましい。
カラークリヤー層には、第1有機顔料が、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上3質量%以下の割合で含まれる。すなわち、カラークリヤー塗料の固形分(不揮発分)中に、第1有機顔料は、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上3質量%以下の割合で含まれる。第1有機顔料が、このような割合で含まれることによって、95%以上の紫外線遮蔽率を有し、70%以上の可視光透過率を有するカラークリヤー層が形成されやすくなる。
カラークリヤー塗料には、層を形成するための樹脂が含まれる。カラークリヤー層を形成し得る樹脂であれば、樹脂は限定されないが外装で長期間の耐候性を示すためにはそれに適した樹脂であることが必要である。このような樹脂としては、アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリルウレタン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
カラークリヤー塗料には、固形分を希釈して塗布しやすくするために、溶剤が含まれていてもよい。溶剤は、樹脂を溶解し、第1有機顔料を分散し得る溶剤であれば限定されない。このような溶剤としては、例えば、水、炭素数が1~4のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどの酢酸エステル類などが挙げられる。
カラークリヤー塗料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、塗料に使用される添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、可塑剤、沈降防止剤、タレ防止剤などが挙げられる。
看板、標識などの設置物において、着色面は2色以上に着色されている場合がある。このように2色以上に着色されている場合、各色に応じたカラークリヤー塗料を塗布すればよい。カラークリヤー塗料を塗布する部分以外はマスキングを行い、塗布するカラークリヤー塗料が付着しないようにすればよい。塗布および乾燥を繰り返して行い、着色面の全色にカラークリヤー層が形成される。着色されていない下地部分には、カラークリヤー層は形成されない。このような部分には、例えば、無色のクリヤー塗料が塗布され、クリヤー層が形成されてもよい。
着色されていない下地部分とは、着色されていない基材表面が露出している部分のことを意味する。具体的には、基材表面が白色または黒色のような無彩色に加工されている部分、木製の基材における木目部分、金属製の基材における金属表面部分などが、着色されていない下地部分に相当する。さらに、面を均一にするために、カラークリヤー層が形成された着色面の全面に、無色のクリヤー塗料が塗布され、クリヤー層が形成されてもよい。
カラークリヤー塗料の塗布方法は限定されず、例えば、ローラー、刷毛などを用いて塗布してもよく、スプレーによって塗布してもよい。
上記のように、4.0以上の彩度を有していれば、着色面は、顔料(有機顔料および無機顔料)で着色されていてもよく、染料で着色されていてもよい。例えば、第2有機顔料を含む着色塗料を被着色面に塗布して、着色面を得てもよい。すなわち、本発明に係る塗装方法は、第2有機顔料を含む着色塗料を被着色面に塗布して、着色面を得る工程を、さらに含んでいてもよい。
具体的には、看板、標識などの設置物を作製する際に、第2有機顔料を含む着色塗料を用いて、図柄、文字などが描かれて、基材の少なくとも1つの面に着色面が形成されればよい。得られた塗布面に、上述のように、第1有機顔料を含むカラークリヤー塗料が塗布されればよい。
第2有機顔料としては、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種の有機顔料が挙げられる。これらの有機顔料は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。第2有機顔料を含む着色塗料で着色された着色面であれば、カラークリヤー層との色調の差異がより小さくなり、着色面の視認性をより向上させることができる。例えば、着色塗料に含まれる第2有機顔料は、好ましくは、カラークリヤー塗料に含まれる第1有機顔料と同じである。
着色塗料は、被着色面への着色が目的である。したがって、着色塗料に含まれる第2有機顔料の量は、カラークリヤー塗料に含まれる第1有機顔料の量よりも多い。着色塗料の固形分(不揮発分)中に、第2有機顔料は、好ましくは1質量%以上20質量%以下、より好ましくは2質量%以上10質量%以下の割合で含まれる。第2有機顔料が着色塗料中にこのような割合で含まれていると、基材の少なくとも1つの面を十分に着色することができる。
着色塗料の塗布量は、視認性を確保できるように塗布できれば限定されない。乾燥後の着色面が、好ましくは20μm以上200μm以下の厚みを有し、より好ましくは60μm以上150μm以下の厚みを有するように、着色塗料を塗布すればよい。
次に、本発明に係る塗装キットは、第1有機顔料を含有するカラークリヤー塗料と第2有機顔料を含有する着色塗料とを含む。第1有機顔料を含有するカラークリヤー塗料および第2有機顔料を含有する着色塗料については上述の通りであり、詳細な説明は省略する。
本発明に係る塗装キットには、1色の着色塗料、およびこの着色塗料に対応するカラークリヤー塗料が含まれていてもよく、2色以上の着色塗料、およびそれぞれの着色塗料に対応するカラークリヤー塗料が含まれていてもよい。着色塗料およびカラークリヤー塗料は、予め溶剤で希釈された形態であってもよく、使用時に必要に応じて溶剤で希釈する形態であってもよい。
塗装キットの使用方法は限定されず、例えば、次のように使用される。まず、看板、標識などの設置物となる基材を準備する。次いで、基材表面の少なくとも一面に、着色塗料で図柄、文字などを描く。
着色塗料で図柄、文字などを描いた後、乾燥させて着色面を得る。次いで、着色面に、それぞれの着色塗料に対応するカラークリヤー塗料を塗布して乾燥させ、カラークリヤー層を形成する。着色されていない基材表面が露出している部分には、無色のクリヤー塗料を塗布してもよい。もちろん、クリヤー塗料は、カラークリヤー層の表面に塗布してもよい。着色塗料およびカラークリヤー塗料は、必要に応じて、溶剤で希釈して使用してもよい。
以上のように、本発明に係る塗装方法によって、基材の着色面にカラークリヤー層を形成すると、着色面の視認性に影響を及ぼすことなく、着色面の退色を低減することができる。特に、屋外に設置されるような設置物において、着色面を長期間(例えば、10年以上)退色させない。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、着色塗料を次の手順で調製した。フタロシアニン顔料として「ファーストゲンブルーRSE(DIC株式会社製)」1.9g、キナクリドン顔料として「シンカシャマゼンタK4535(BASF社製)」1.1g、分散剤として「ノプコール5200(サンノプコ株式会社製)」0.6g、および水10.0gを混合し、混合物を得た。得られた混合物を、顔料の平均粒子径(二次粒子の平均粒子径)が100nm以下になるまで、強分散した。分散後、塗料用フッ素樹脂(ルミフロンFE4500(AGC株式会社製))70.0g、造膜助剤として「ブチルセロソルブ」5.0g、および水11.4gを添加して十分に撹拌した。このようにして、100gの青紫色水性塗料を得た。ルミフロンFE4500の不揮発分は50質量%であり、得られた青紫色水性塗料の不揮発分は38g(ルミフロンFE4500の不揮発分35gおよび顔料3g)である。したがって、得られた青紫色水性塗料のPWC(顔料重量濃度)は7.9%((3/38)×100)である。
次に、カラークリヤー塗料を次の手順で調製した。塗料用フッ素樹脂(ルミフロンFE4500)70.0g、造膜助剤として「ブチルセロソルブ」5.0g、および水25.0gを混合して、混合物を得た。得られた混合物に、上記の青紫色水性塗料10.0gを添加して十分に撹拌した。このようにして、110gの青紫色水性クリヤー塗料を得た。青紫色水性クリヤー塗料に含まれる全不揮発分は38.8g(ルミフロンFE4500の不揮発分38.5gおよび顔料0.3g)である。したがって、得られた青紫色水性クリヤー塗料のPWCは0.77%((0.3/38.8)×100)である。
得られた青紫色水性塗料および青紫色水性クリヤー塗料を、基材(アルミ板、70mm×150mm)に塗布した。具体的には、乾燥後の膜厚が約50μmとなるように、バーコーターを用いて基材の一方の表面に青紫色水性塗料を塗布した。塗布後、常温で乾燥させることによって、基材の表面に青紫色の塗膜を形成した。青紫色の塗膜は、マンセル表色系において5.0~6.0程度の彩度を有していた。
次いで、乾燥後の膜厚が約20μmとなるように、バーコーターを用いて青紫色の塗膜の表面に、青紫色水性クリヤー塗料を塗布した。塗布後、常温で乾燥させることによって、青紫色の塗膜の表面にカラークリヤー層を形成した。このようにして、試験用試料を得た。
カラークリヤー層は99%以上の紫外線遮蔽率を有していた。紫外線遮蔽率は、次の手順で測定した。まず、乾燥後の膜厚が約20μmとなるように、バーコーターを用いてガラス板に、青紫色水性クリヤー塗料を塗布した。塗布後、常温で乾燥させることによって、紫外線透過率測定用の試料を得た。得られた試料について、350nm以下の紫外線の透過率を測定し、紫外線遮蔽率を求めた。
(比較例1)
カラークリヤー層を形成しなかった以外は、実施例1と同様の手順で、試験用試料を得た。すなわち、実施例1の試験用試料において、カラークリヤー層を形成していないものを、比較例1の試験用試料とした。
実施例1の試験用試料および比較例1の試験用試料について、超高速の耐候性試験機を用いて、メタルウェザー試験を行った。メタルウェザー試験は、JISA1501:2021に準拠して行った。この試験は、理論上、4日間の試験で1年分の耐候性を検証したことに相当するとされている。
メタルウェザー試験開始から40日後、実施例1の試験用試料および比較例1の試験用試料について、色差ΔL、ΔaおよびΔbを測定した。実施例1の試験用試料のΔLは0.1、Δaは0.0、Δbは0.1であった。一方、比較例1の試験用試料のΔLは4.0、Δaは2.0、Δbは1.1であった。したがって、実施例1の試験用試料はほとんど退色していないのに対し、比較例1の試験用試料は顕著に退色していることがわかる。試験前後のハンター色差L*a*b*値を表1に示す。
Figure 0007417334000001

Claims (4)

  1. 基材の着色面に、第1有機顔料を含むカラークリヤー塗料を塗布する工程を含み、
    前記着色面が、マンセル表色系において4.0以上の彩度を有し、
    前記第1有機顔料が、100nm以下の平均粒子径を有し、
    前記カラークリヤー塗料が、乾燥後に、前記着色面と同系色で、かつ下記の式(I)を満足する彩度を有するカラークリヤー層を形成する塗料である、
    塗装方法。
    A≦B≦A+2 ・・・(I)
    A:着色面の彩度
    B:カラークリヤー層の彩度
  2. 前記第1有機顔料が、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の塗装方法。
  3. 第2有機顔料を含む着色塗料を前記基材の少なくとも1つの面に塗布して、前記着色面を得る工程を、さらに含み、
    前記第2有機顔料が、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種である、
    請求項1または2に記載の塗装方法。
  4. 第1有機顔料を含有するカラークリヤー塗料と、
    第2有機顔料を含有する着色塗料と、
    を含む塗装キットであって、
    前記着色塗料が、基材の着色面の彩度を、マンセル表色系において4.0以上とする塗料であり、
    前記第1有機顔料が、100nm以下の平均粒子径を有し、
    前記カラークリヤー塗料が、乾燥後に、前記着色面と同系色で、かつ下記の式(I)を満足する彩度を有するカラークリヤー層を形成する塗料であり、
    前記第1有機顔料が、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記第2有機顔料が、フタロシアニンブルー、キナクリドン、フタロシアニングリーンおよびイソインドリノンからなる群より選択される少なくとも1種である、
    塗装キット。
    A≦B≦A+2 ・・・(I)
    A:着色面の彩度
    B:カラークリヤー層の彩度
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