JP7415892B2 - 歩行支援システム - Google Patents

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Description

本発明は歩行支援システムに係る。特に、本発明は、歩行者に自転車等の移動体が接触することを回避する信頼性を高めるための対策に関する。
歩行者に自転車等の移動体が接触することを回避するシステムとして特許文献1に開示されているものが知られている。この特許文献1には、歩行者が身に付けた安全対応器に備えられた赤外線発信器および赤外線受信器により、歩行者と該歩行者に接近してくる移動体(自転車)との距離を定期的に検知し、その距離dが予め定めた許容距離Dよりも小さな値となったとき、警報機構が作動して音或いは点滅光を発して歩行者に注意喚起を行い、歩行者が非常時に備えて身構えることを可能にすることが開示されている。
特開2011-106978号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているシステムは、基本的には歩行者に注意喚起を行うものである。このため、歩行者に注意喚起を行ったとしても、例えば歩行者の後方から移動体が接近してくる場合等にあっては、移動体の乗員(運転者)が歩行者を回避する運転を行わなければ歩行者に接触してしまう可能性がある。つまり、特許文献1に開示されている技術にあっては、歩行者に注意喚起を行うことで、歩行者が非常時に備えて身構えることを可能にするものの(特許文献1における段落[0007]の記載)、それだけでは移動体が歩行者に接触することを回避することはできない。
本発明の発明者らは、この点に鑑み、歩行者に移動体が接触することを回避する信頼性を高めるためには、歩行者に注意喚起を行うよりも移動体の乗員に注意喚起を行って、当該移動体の乗員に接触回避行動(歩行者に接触しない移動体の運転)を取らせることが有効である点に着目した。特に、歩行者が視覚障碍者である場合、当該視覚障碍者は、移動体が前方から接近してくる場合であっても当該移動体の接近を認識することが困難であるため、歩行者が健常者である場合に比べて、移動体の乗員に接触回避行動を取らせることは有効である。
そして、本発明の発明者らは、移動体の乗員に接触回避行動を取らせるためには、この移動体の乗員が歩行者の存在に気付いている(歩行者に接近していることに気付いている)ことが条件である点に鑑みた。また、移動体の乗員が既に歩行者の存在に気付いている場合には、この乗員による接触回避行動が期待できるため、この乗員に対する注意喚起の必要性は低いのに対し、移動体の乗員が歩行者の存在に気付いていない場合には、この乗員による接触回避行動を取らせるために、当該乗員に歩行者の存在を気付かせるための強い注意喚起を行う必要があるといった新たな知見を得た。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移動体の乗員が歩行者の存在に気付いていない場合には、当該乗員に歩行者の存在を気付かせるための強い注意喚起を行い、これによって歩行者に移動体が接触することを回避する信頼性を高める歩行支援システムを提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、歩行者に対して移動体が接近する際、前記歩行者に前記移動体が接触することを回避するための動作を行う歩行支援システムを前提とする。そして、この歩行支援システムは、前記歩行者に移動体が接近する状況において当該移動体を検出した移動体検出手段からの情報が入力可能であり、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いているか否かを判定する判定部と、前記判定部によって、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いていないと判定された場合、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いていると判定された場合に比べて、前記移動体または前記移動体の乗員への注意喚起のための動作を行う注意喚起手段による当該動作の注意喚起レベルを高く設定する情報を出力する注意喚起レベル設定部と、を含み、前記移動体検出手段、前記注意喚起手段、前記判定部および前記注意喚起レベル設定部それぞれは、前記歩行者の使用物または前記歩行者の携帯物或いは前記歩行者の装着物のうちの一つに備えられている
また、前記の目的を達成するための本発明の他の解決手段としては、歩行者に対して移動体が接近する際、前記歩行者に前記移動体が接触することを回避するための動作を行う歩行支援システムを前提とする。そして、この歩行支援システムは、移動体検出手段、注意喚起手段、判定部および注意喚起レベル設定部を備えている。移動体検出手段は、前記歩行者に接近する移動体を検出する。注意喚起手段は、前記移動体または前記移動体の乗員への注意喚起のための動作を行う。判定部は、前記移動体検出手段からの情報が入力され、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いているか否かを判定する。注意喚起レベル設定部は、前記判定部によって、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いていないと判定された場合、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いていると判定された場合に比べて、前記注意喚起手段による前記注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高く設定する情報を出力する。そして、前記移動体検出手段、前記注意喚起手段、前記判定部および前記注意喚起レベル設定部それぞれは、前記歩行者の使用物または前記歩行者の携帯物或いは前記歩行者の装着物のうちの一つに備えられている
これらの特定事項における移動体の乗員の例としては、自転車の運転者、自動車の運転者、電車の運転者等が挙げられる。また、移動体の例としては、人、動物等が挙げられる。また、ここでいう歩行者(移動体が接近している歩行者)の使用物としては、歩行者が視覚障碍者である場合の白杖や、歩行者が高齢者である場合の杖や手押し車等が挙げられる。歩行者の携帯物としては携帯端末(携帯電話等)や鞄等が挙げられる。歩行者の装着物としては眼鏡やベルトや帽子や靴等が挙げられる。
前述した各特定事項により、歩行者に移動体が接近する状況になると、その移動体を移動体検出手段が検出する。そして、その移動体または移動体の乗員が当該歩行者の存在に気付いているか否かを判定部が判定する。歩行者に移動体が接近する状況では、移動体または移動体の乗員への注意喚起のための動作を注意喚起手段が行うことになるが、前記判定部によって、移動体または移動体の乗員が歩行者の存在に気付いていないと判定された場合には、移動体または移動体の乗員が歩行者の存在に気付いていると判定された場合に比べて、前記注意喚起手段による注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高く設定する。このように、移動体または移動体の乗員が歩行者の存在に気付いていないと判定された場合に注意喚起レベルを高く設定することにより、移動体または移動体の乗員に歩行者の存在を気付かせる(歩行者に接近していることを気付かせる)ことの可能性が高まる。その結果、移動体または移動体の乗員が接触回避行動を取る可能性が高まり、歩行者に移動体が接触することを回避する信頼性を高めることができる。
また、前記移動体検出手段は、前記歩行者の周辺を撮影するカメラであり、前記判定部は、前記カメラから送信された画像の情報に基づいて、前記移動体の移動状態または前記移動体の乗員の状態を認識することによって、当該移動体または移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いているか否かを判定するものとなっている。
この場合、移動体検出手段であるカメラによって、歩行者に接近してくる移動体または移動体の乗員を撮影し、その画像の情報を判定部に送信する。判定部では、歩行者に移動体が接近する状況であることを認識すると共に、その画像の情報に基づいて、移動体または移動体の乗員が歩行者の存在に気付いているか否かを判定する。例えば、移動体の進行方向や速度を前記画像の情報から取得することにより、当該移動体が歩行者の存在に気付いているか否かを判定する。また、移動体の乗員の顔の向きを前記画像の情報から認識することにより、当該移動体の乗員が歩行者の存在に気付いているか否かを判定する。このように、カメラによって撮影された画像の情報に基づいて、移動体または移動体の乗員が歩行者の存在に気付いているか否かを判定するようにしているため、その判定の信頼性を高く得ることができる。
また、前記移動体は自転車であり、前記判定部は、前記自転車の乗員である運転者が前記歩行者の存在に気付いているか否かを判定するものであり、前記注意喚起手段は、前記自転車の運転者への注意喚起のための動作を行うものである。
この場合、移動体検出手段によって、歩行者に接近してくる自転車およびその運転者を検出し、その情報を判定部に送信する。判定部では、歩行者に自転車が接近する状況であることを認識すると共に、前記情報に基づいて、自転車の運転者が歩行者の存在に気付いているか否かを判定する。例えば、前述したように移動体検出手段がカメラである場合、撮影した画像から、自転車の運転者の顔が歩行者の位置に向いていると認定された場合には自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていると判定し、自転車の運転者の顔が歩行者の位置に向いていないと認定された場合には自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていないと判定する。そして、自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていないと判定された場合には、注意喚起手段による注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高く設定する。これにより、自転車の運転者に歩行者の存在を気付かせる(歩行者に接近していることを気付かせる)ことの可能性が高まる。その結果、自転車の運転者が接触回避行動を取る可能性が高まり、歩行者に自転車が接触することを回避する信頼性を高めることができる。
また、前記注意喚起手段は、前記移動体または前記移動体の乗員への注意喚起のための動作として、前記歩行者の位置の周辺の路面への光の照射を行うものであって、前記注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高くする動作としては、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記光の光量を増加させる動作、注意喚起レベルが低い動作として前記光を点滅させないのに対して、前記光を点滅させる動作、前記注意喚起のための動作として前記光を点滅させる場合に、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記光の点滅速度を高める動作、前記注意喚起のための動作として前記光を前記歩行者の位置の周辺で走査させる場合に、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記光の走査速度を高める動作、注意喚起レベルが低い動作に比べて波長が長い色の光を照射する動作、のうち少なくとも一つとしている。
移動体または移動体の乗員が歩行者の存在に気付いていないと判定された場合に、これらの手段によって注意喚起レベルを高くすることにより、移動体または移動体の乗員に歩行者の存在を気付かせることの可能性を高めることができる。
また、前記注意喚起手段は、前記移動体または前記移動体の乗員への注意喚起のための動作として、前記移動体または前記移動体の乗員に向けての警報音の発報を行うものであって、前記注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高くする動作としては、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の音量を増加させる動作、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の周波数を高くする動作、のうち少なくとも一つとしている。
これらの手段によって注意喚起レベルを高くすることによっても、移動体または移動体の乗員に歩行者の存在を気付かせることの可能性を高めることができる。
歩行者(移動体が接近している歩行者)の使用物として、歩行者が視覚障碍者である場合の白杖である場合、視覚障碍者は、移動体が前方から接近してくる場合であっても当該移動体の接近を認識することが困難であるため、歩行者が健常者である場合に比べて、移動体の乗員等に接触回避行動を取らせることは有効である。そして、この視覚障碍者が使用する白杖に、前記移動体検出手段、前記注意喚起手段、前記判定部および前記注意喚起レベル設定部を内蔵した場合には、移動体の乗員の携帯物等が当該歩行支援システムに対応していなくても、この移動体の乗員に歩行者の存在を気付かせることの可能性を高めることができ、歩行者に移動体が接触することを回避する信頼性を高めることができる。つまり、白杖のみで歩行支援システムを実現しているため、実用性の高い歩行支援システムを提供することができる。
また、前記移動体検出手段として具体的には、前記視覚障碍者が把持する前記白杖のグリップ部に内蔵された前方カメラと後方カメラとを備えた第1カメラユニット、および、前記白杖において前記グリップ部に繋がるシャフト部に内蔵された前方カメラと後方カメラとを備えた第2カメラユニットが挙げられる。
また、前記注意喚起手段は、前記視覚障碍者が把持する前記白杖のグリップ部から斜め下方に向けて光を照射することにより、前記白杖の周囲の路面に前記視覚障碍者を囲む円環状の照射エリアを生成する光照射ユニットである。
本発明では、歩行者に接近する移動体または移動体の乗員が当該歩行者の存在に気付いていないと判定された場合には、歩行者の存在に気付いていると判定された場合に比べて、当該移動体または移動体の乗員への注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高く設定するようにしている。これにより、移動体または移動体の乗員が歩行者の存在に気付いていない場合に、歩行者の存在を気付かせる(歩行者に接近していることを気付かせる)ことの可能性を高めることができる。その結果、移動体または移動体の乗員が接触回避行動を取る可能性が高まり、歩行者に移動体が接触することを回避する信頼性を高めることができる。
実施形態に係る歩行支援システムを内蔵した白杖を示す図である。 白杖のグリップ部の内部およびシャフト部の内部を示す概略図である。 歩行支援システムの制御系の概略構成を示すブロック図である。 歩行支援システムによる歩行支援動作の手順を示すフローチャート図である。 白杖を持った視覚障碍者に自転車が接近した際の動作を説明するための図である。 路面へのレーザ光の照射形態の各変形例を示す図である。 2つの機器や設備によって歩行支援システムが構築される各変形例の概略構成を示すブロック図である。 3つの機器や設備によって歩行支援システムが構築される各変形例の概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る歩行支援システムを、視覚障碍者が使用する白杖に内蔵した場合について説明する。また、本実施形態では、移動体を自転車とした場合を例に挙げて説明する。尚、本発明における歩行者としては視覚障碍者に限定されるものではなく、移動体は自転車に限定されるものではない。
-白杖の概略構成-
図1は、本実施形態に係る歩行支援システム10を内蔵した白杖1を示す図である。この図1に示すように、白杖1は、シャフト部2、グリップ部3、チップ部(石突き)4を備えている。
シャフト部2は、中空の略円形断面を有するロッド状であって、アルミニウム合金やガラス繊維強化樹脂、炭素繊維強化樹脂等で形成されている。
グリップ部3は、シャフト部2の基端部(上端部)にゴム等の弾性体で成るカバー31が装着されて構成されている。また、本実施形態における白杖1のグリップ部3は、視覚障碍者が把持する際の持ち易さと滑り難さを考慮し、先端側(図1における上側)に向かって僅かに湾曲した形状となっている。
チップ部4は、硬質の合成樹脂などで形成された略有底筒状の部材であって、シャフト部2の先端部に外挿されて接着やねじ止めなどの手段で固定されている。尚、チップ部4は、安全のために、先端側の端面が半球状となっている。
本実施形態に係る白杖1は、折り畳み不能な直杖であるが、シャフト部2の中間の一箇所または複数箇所で折り畳み可能或いは伸縮可能とされたものであってもよい。
-歩行支援システムの構成-
本実施形態の特徴は、前記白杖1に内蔵された歩行支援システム10にある。以下、この歩行支援システム10について説明する。
先ず、本実施形態における歩行支援システム10の基本的な技術的思想について説明する。前述したように、歩行者に自転車等の移動体が接触することを回避する信頼性を高めるためには、歩行者(視覚障碍者等)に注意喚起を行うよりも自転車の運転者(移動体の乗員)に注意喚起を行って、当該自転車の運転者に接触回避行動(歩行者に接触しない自転車の運転)を取らせることが有効である。特に、歩行者が視覚障碍者である場合、当該視覚障碍者は、自転車が前方から接近してくる場合であっても当該自転車の接近を認識することが困難であるため、自転車の運転者に注意喚起を行うことは有効である。そして、自転車の運転者に接触回避行動を取らせるためには、当該自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていることが条件となる。また、自転車の運転者が既に歩行者の存在に気付いている場合には、この自転車の運転者による接触回避行動が期待できるため、この運転者に対する注意喚起の必要性は低いのに対し、自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていない場合には、この運転者による接触回避行動を取らせるために、当該運転者に歩行者の存在を気付かせるための強い注意喚起を行う必要がある。
本実施形態は、かかる点に鑑みてなされたものであり、自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていない場合には、当該運転者に歩行者の存在を気付かせるための強い注意喚起を行い、これによって歩行者に自転車が接触することを回避する信頼性を高めるようにしている。
以下、歩行支援システム10の具体構成について説明する。図2は、白杖1のグリップ部3の内部およびシャフト部2の内部を示す概略図である。この図2に示すように、本実施形態に係る歩行支援システム10は、白杖1に内蔵されている。また、図3は、歩行支援システム10の制御系の概略構成を示すブロック図である。
これらの図に示すように、歩行支援システム10は、第1カメラユニット20、第2カメラユニット30、近距離無線通信機40、レーザ光照射ユニット50、バッテリ60、充電ソケット70、制御装置80等を備えている。
第1カメラユニット20は、グリップ部3に内蔵された前方カメラ21と後方カメラ22とを備えている。これらカメラ21,22は、白杖1を使用している視覚障碍者の周辺を撮影するためのものである。前方カメラ21は、グリップ部3の根元部における当該グリップ部3の前面(視覚障碍者の進行方向に向く面)に埋め込まれ、視覚障碍者の進行方向前側を撮影する。一方、後方カメラ22は、グリップ部3の上端部における当該グリップ部3の後面(視覚障碍者の進行方向とは反対側に向く面)に埋め込まれ、視覚障碍者の進行方向後側を撮影する。また、各カメラ21,22の水平方向における視野はそれぞれ180°以上となっており、これら2台のカメラ21,22によって水平方向の360°(全方位)の画像を取得することが可能となっている。また、これらカメラ21,22は周辺に存在する物体までの距離の計測が可能な構成とされている。例えばステレオカメラで構成されて、周辺に存在する物体までの距離の計測が可能となっている。
第2カメラユニット30は、シャフト部2に内蔵された前方カメラ31と後方カメラ32とを備えている。これらカメラ31,32も、白杖1を使用している視覚障碍者の周辺を撮影するためのものである。前方カメラ31は、シャフト部2の前面(視覚障碍者の進行方向に向く面)に埋め込まれ、視覚障碍者の進行方向前側を撮影する。一方、後方カメラ32は、シャフト部2の後面(視覚障碍者の進行方向とは反対側に向く面)に埋め込まれ、視覚障碍者の進行方向後側を撮影する。また、各カメラ31,32の水平方向における視野もそれぞれ180°以上となっており、これら2台のカメラ31,32によって、水平方向の360°(全方位)の画像を取得することが可能となっている。また、これらカメラ31,32も周辺に存在する物体までの距離の計測が可能な構成とされている。
各カメラ21,22,31,32は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で成る。これに限らず赤外線カメラ等で構成されていてもよい。また、各カメラユニット20,30の構成や配設位置や個数は前述したものには限定されない。例えば、1台のカメラを鉛直軸周りに回転させる動力源(電動モータ等)を備えさせ、この回転によって水平方向の360°(全方位)の画像を取得することが可能な構成となっていてもよい。また、各カメラ21,22,31,32に距離計測の機能を備えさせることなく、白杖1に距離センサ(例えば光学式距離センサや超音波式距離センサ)を備えさせて、周辺に存在する物体までの距離の計測が可能な構成とされていてもよい。
近距離無線通信機40は、前記各カメラユニット20,30の各カメラ21,22,31,32と、制御装置80との間で近距離無線通信を行うための無線通信装置である。例えば、周知のBluetooth(登録商標)等の通信手段によって、各カメラ21,22,31,32と制御装置80との間で近距離無線通信を行い、各カメラ21,22,31,32が撮影した画像の情報を制御装置80に向けて無線送信する構成となっている。
レーザ光照射ユニット50は、グリップ部3の根元部における前記前方カメラ21の上側に配設されている。このレーザ光照射ユニット50は、図示しない複数のレーザ光源を備えている。この光源(レーザ光源)としては半導体レーザやLED等が適用可能である。図1に示すようにグリップ部3には、その周方向の全体に亘って投光窓32が設けられており、この投光窓32の全周囲に亘って前記レーザ光源が並べられている。また、各レーザ光源は、グリップ部3から斜め下方に向けて光(レーザ光)を発光(照射)するように配設されている。このため、各レーザ光源が発光した場合には、グリップ部3の全周囲から斜め下方に向けてレーザ光が発光されることになり、白杖1の周囲(白杖1を持つ視覚障碍者の周囲)の路面には円環状の照射エリアが生成されるようになっている(図5を参照)。例えば、各レーザ光源からのレーザ光の発光角度(路面に向かう照射角度)を適宜設定することによって、視覚障碍者の周囲に半径1.5m程度の円環状の照射エリアが生成されるようになっている
バッテリ60は、前記各カメラ21,22,31,32、近距離無線通信機40、レーザ光照射ユニット50、制御装置80のための電力を蓄電する二次電池で構成されている。
充電ソケット70は、バッテリ60に電力を蓄える際に充電ケーブルが接続される部分である。例えば、視覚障碍者が在宅中に家庭用電源からバッテリ60を充電する際に充電ケーブルが接続される。
制御装置80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、制御プログラムを記憶するROM(Read-Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random-Access Memory)、および、入出力ポート等を備えている。
そして、この制御装置80は、その機能部として、情報受信部81、判定部82、注意喚起レベル設定部83、情報送信部84を備えている。
情報受信部81は、前記各カメラ21,22,31,32が撮影した画像の情報を、当該カメラ21,22,31,32から近距離無線通信機40を介して所定時間間隔をもって受信する。
判定部82は、前記情報受信部81が受信した各画像の情報を受け取り、これら画像の情報に基づいて、歩行者に自転車が接近する状況において、その自転車の運転者が歩行者の存在に気付いているか否かを判定する。具体的には、各カメラ21,22,31,32から受信した各画像の情報に基づき、AI(人工知能)を利用して、歩行者の周囲に存在する物体のうち、移動している物体(本実施形態の場合は自転車)を特定し、その自転車の所定時間毎の位置から当該自転車の移動方向および移動速度を算出する。そして、これら移動方向および移動速度から、当該自転車が歩行者に近づいているか否かを判定すると共に、歩行者に近づいている場合には、自転車の運転者の顔の向きを認識することにより、当該自転車の運転者が歩行者の存在に気付いているか否かを判定する。例えば各カメラ21,22,31,32から受信した各画像の情報に基づき、自転車の運転者の顔が歩行者の位置に向いていると認定された場合には自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていると判定し、自転車の運転者の顔が歩行者の位置に向いていないと認定された場合には自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていないと判定することになる。
注意喚起レベル設定部83は、判定部82によって、自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていないと判定された場合には、自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていると判定された場合に比べて、自転車の運転者への注意喚起のための動作を行うレーザ光照射ユニット50による当該動作の注意喚起レベルを高く設定する。具体的には、前記レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源が発する光の光量を大きくするための指示信号を情報送信部84に向けて出力する。
情報送信部84は、注意喚起レベル設定部83から注意喚起レベルの設定信号を受信すると共に、その情報をレーザ光照射ユニット50に送信する。これにより、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源は、受信した情報(注意喚起レベルの設定信号)に従った光量で発光する。つまり、自転車の運転者が歩行者の存在に気付いていると判定されている場合には各レーザ光源が発する光の光量は比較的小さく(少ない光量に)設定される。つまり、図5で示す円環状の照射エリア(白杖1を持つ視覚障碍者Hの周囲に生成される照射エリア)Laの明るさが比較的低く設定される。これに対し、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定されている場合には各レーザ光源が発する光の光量は比較的大きく(多い光量に)設定されることになる。つまり、図5で示す円環状の照射エリアLaの明るさが比較的高く設定される。
-歩行支援動作-
次に、前述の如く構成された歩行支援システム10による歩行支援動作について説明する。図4は、この歩行支援動作の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図5に示すように歩行者(視覚障碍者)Hが路上を歩行している状況において、所定時間間隔を存して実施される。
先ず、ステップST1において、各カメラ21,22,31,32が撮影した周辺画像の情報が近距離無線通信機40を介して制御装置80に送信され(情報受信部81が周辺画像の情報を受信し)、この情報が情報受信部81を経て判定部82に入力される。
ステップST2では、この入力された周辺画像が蓄積される。例えば、制御装置80に備えられたRAMに記憶される。この蓄積される情報は、時刻の情報に関連付けられて蓄積される。
ステップST3では、自転車Bi等の移動体が歩行者Hに接近しているか否かが判定される。前述したように、蓄積されていく周辺画像の情報には時刻の情報が関連付けられているため、各時刻の周辺画像を比較することによって、この周辺画像内に存在する各物体のうち、移動している物体(例えば自転車Bi)を特定することができる。そして、自転車Biの所定時間毎の位置から当該自転車Biの移動方向および移動速度を算出する。そして、これら移動方向および移動速度から、当該自転車Biが歩行者Hに近づいているか否かを判定することができる。例えば、自転車Biが歩行者Hに近づいている状況では、何れかのカメラ22,32,(21,31)によって撮影された画像中における自転車Biの占有面積が急速に拡大することになるため、これを認識することによって、自転車Biが歩行者Hに近づいていると判定することができる。
自転車Bi等の移動体が歩行者Hに接近しておらず、ステップST3でNO判定された場合にはステップST4に移り、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源からのレーザ光の照射が実行中であるか否かを判定する。つまり、前回のルーチンにおいて、自転車Bi等の移動体が歩行者Hに接近しておらず、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源からのレーザ光の照射が実行されていない場合には、このステップST4でNO判定され、そのままリターンされる。
一方、自転車Bi等の移動体が歩行者Hに接近しており、ステップST3でYES判定された場合にはステップST5に移り、移動体の乗員(自転車Biの運転者Dr)が歩行者Hに気付いているか否かを判定する。この判定動作では、前述したように、各カメラ21,22,31,32から受信した各画像の情報に基づき、自転車Biの運転者Drの顔が歩行者Hの位置に向いていると認定された場合には自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていると判定し、自転車Biの運転者Drの顔が歩行者Hの位置に向いていないと認定された場合には自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定することになる。
自転車Biの運転者Drの顔が歩行者Hの位置に向いており、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていると判定された場合にはステップST5でYES判定されてステップST6に移り、注意喚起レベル設定部83において設定される注意喚起レベルをLoに設定する。注意喚起レベルの設定としてLoとは、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源からのレーザ光の光量が比較的小さく設定されることである。
一方、自転車Biの運転者Drの顔が歩行者Hの位置に向いておらず、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定された場合にはステップST5でNO判定されてステップST7に移り、注意喚起レベル設定部83において設定される注意喚起レベルをHiに設定する。注意喚起レベルの設定としてHiとは、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源からのレーザ光の光量が比較的大きく設定されることである。
このようにして注意喚起レベルが設定された後、ステップST8に移り、この設定された注意喚起レベルの情報を情報送信部84からレーザ光照射ユニット50に送信する。そして、ステップST9では、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源が、受信した情報(注意喚起レベルの設定信号)に従った光量で発光する。つまり、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていると判定されている場合には各レーザ光源が発する光の光量は比較的小さく設定されるのに対し、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定されている場合には各レーザ光源が発する光の光量は比較的大きく設定されることになる。
具体的には、図5に示すように、歩行者(視覚障碍者)Hに自転車Biが接近した際には、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源が発光することにより、白杖1の周囲の路面に円環状の照射エリアLaが生成されることになる。そして、この路面における照射エリアLaの明るさ(各レーザ光源からの光の光量に起因する明るさ)は、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定されている場合には、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていると判定されている場合に比べて明るくなっている。これにより、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定された場合に注意喚起レベルを高く設定することになり、自転車Biの運転者Drに歩行者Hの存在を気付かせる(歩行者Hに接近していることを気付かせる)ことの可能性が高まる。その結果、自転車Biの運転者Drが接触回避行動を取る可能性が高まり、歩行者Hに自転車Biが接触することを回避する信頼性を高めることができる。
自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていない状況でレーザ光照射ユニット50の各レーザ光源が発光している状況において、次回のルーチンで、依然として、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定されている場合には、ステップST1~ST3、ST5、ST7~ST9の動作が繰り返され、各レーザ光源が発する光の光量が比較的大きく設定された状態が維持される。また、この状態で、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いたと判定された場合(それまで歩行者Hの存在に気付いていなかった自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いた場合)には、ステップST5でYES判定されることになり、この場合、ステップST1~ST3、ST5、ST6、ST8、ST9の動作に切り替わり、各レーザ光源が発する光の光量が比較的小さく設定されることになる。
また、このようにしてレーザ光照射ユニット50の各レーザ光源が発光している状況において、自転車Biが歩行者Hの周辺を通過した場合には、自転車Biが歩行者Hに接近している状況が解除されることになり、ステップST3でNO判定されてステップST4に移る。そして、この場合、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源が発光しているため、ステップST4でYES判定され、ステップST10に移る。このステップST10では、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源の発光が停止され、路面に生成されていた円環状の照射エリアLaも解除されることになる。
以上の動作が繰り返される。
-実施形態の効果-
以上説明したように、本実施形態では、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定された場合には、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていると判定された場合に比べて、注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高く設定するようにしている。具体的には、レーザ光照射ユニット50の各レーザ光源からのレーザ光の光量を比較的大きく設定している。このように、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定された場合に注意喚起レベルを高く設定することにより、自転車Biの運転者Drに歩行者Hの存在を気付かせることの可能性が高まる。その結果、自転車Biの運転者Drが接触回避行動を取る可能性が高まり、歩行者Hに自転車Biが接触することを回避する信頼性を高めることができる。
また、本実施形態では、第1カメラユニット20と第2カメラユニット30とを併用して視覚障碍者Hの周辺を撮影するようにしている。視覚障碍者Hは、白杖1を把持して該白杖1を左右に振りながら歩行するため、カメラ21,22のレンズが手で覆われてしまったり撮影された画像が乱れてしまったりする可能性があるが、2つのカメラユニット20,30を備えさせたことにより、周辺の画像の取得の信頼性を高めることができる。また、これらカメラユニット20,30により、自転車Bi等の移動体の継続的な捕捉および移動速度の算出を精度良く行うことができる。特に、本実施形態では、複数のカメラ21,22,31,32で撮影した画像とAIとによって歩行者Hに接近してくる移動体(自転車Bi)を検出するようにしているため、移動体の速度の検出精度を高く得ることができると共に、外乱による悪影響も殆ど無くすことが可能である。
(レーザ光の照射形態の変形例)
前述した実施形態では、自転車Biの運転者Drへの注意喚起を行うレーザ光の照射形態として、路面に円環状の照射エリアLaを生成していた。これに限らず、その他のレーザ光の照射形態として、以下のものが挙げられる。
図6(a)は路面に生成される円形の照射エリアLaの内側全体に光を照射したものである。この図6(a)において破線の斜線を付した領域に光が照射されるようになっている。また、この図におけるHは歩行者の位置である。この場合にも、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていると判定されている場合には光の光量は比較的小さく設定されるのに対し、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定されている場合には光の光量は比較的大きく設定されることになる。
図6(b)は歩行者Hを囲む円形の走査軌跡に沿って小径の光(スポットライト)Laを走査するものである。この図6(b)における矢印は小径の光Laの走査方向を示している。この場合にも、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていると判定されている場合には光の光量は比較的小さく設定されるのに対し、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定されている場合には光の光量は比較的大きく設定されることになる。
図6(c)は路面に照射される光として、歩行者Hを回避する走行ルートとなる矢印を示したものである。この場合にも、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていると判定されている場合には光の光量は比較的小さく設定されるのに対し、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定されている場合には光の光量は比較的大きく設定されることになる。
路面に照射される光の形態としてはこれらに限定されるものではなく任意に設定可能である。
(注意喚起レベルを高く設定する光の変形例)
前述した実施形態では、注意喚起レベルを高くする動作として、各レーザ光源が発する光の光量を比較的大きく設定することとしていた。これに代えて、または、これに加えて、以下のように各レーザ光源が発する光を設定することによって注意喚起レベルを高くするようにしてもよい。
先ず、注意喚起レベルが低い動作として各レーザ光源が発する光を点滅させないのに対して、注意喚起レベルが高い動作として光を点滅させる動作が挙げられる。つまり、前記実施形態の場合および図6で示す各場合のそれぞれにおいて、光を点滅させることによって注意喚起レベルを高くして、自転車Biの運転者Drに歩行者Hの存在を気付かせることの可能性を高めるものである。
また、注意喚起のための動作として光を点滅させる場合に、注意喚起レベルが高い動作として、注意喚起レベルが低い動作に比べて光の点滅速度を高める動作も挙げられる。この光の点滅速度を高めることにより、自転車Biの運転者Drに歩行者Hの存在を気付かせることの可能性を高めることができる。
また、注意喚起のための動作として光を歩行者Hの位置の周辺で走査させる場合に、注意喚起レベルが高い動作として、注意喚起レベルが低い動作に比べて光の走査速度を高める動作も挙げられる。例えば、図6(b)で示したように、小径の光Laを走査する場合に、その走査速度を高めることにより、自転車Biの運転者Drに歩行者Hの存在を気付かせることの可能性を高めることができる。
また、注意喚起レベルが高い動作として、注意喚起レベルが低い動作に比べて波長が長い色の光を照射する動作も挙げられる。例えば、注意喚起レベルが低い動作として黄色の光を路面に照射するのに対し、注意喚起レベルが高い動作として赤色の光を路面に照射することが挙げられる。波長が長い色の光は視認性が高いため、波長が長い色の光を照射することにより、自転車Biの運転者Drに歩行者Hの存在を気付かせることの可能性を高めることができる。
尚、前述した点滅状態、走査速度、光の波長を変更する動作においても、これらを互いに組み合わせるようにしてもよい。
(レーザ光以外の変形例)
前述した実施形態では、注意喚起レベルを高くする動作として、各レーザ光源が発する光を使用していた。これに代えて、または、これに加えて、以下のような動作によって注意喚起レベルを高くするようにしてもよい。
先ず、白杖1にスピーカを備えさせ、歩行者Hに自転車Biが接近している場合に、自転車Biの運転者Drに向けて警報音の発報を行うものである。この場合、注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高くする動作としては、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の音量を増加させる動作、または、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の周波数を高くする動作が挙げられる。また、これらを組み合わせたり、前述した光の照射状態を変更するものと組み合わせるようにしてもよい。尚、警報音の発報を行う場合における注意喚起レベルを高くする動作としては、これらに限定されるものではない。
(白杖以外の機器や設備を使用する変形例)
前述した実施形態では、歩行支援システム10を構成する全ての構成要素が白杖1に内蔵されたものとしていた。つまり、視覚障碍者(歩行者)Hに接近する自転車(移動体)Biを検出する手段(移動体検出手段)としてのカメラ21,22,31,32、自転車Biの運転者Drが視覚障碍者Hの存在に気付いているか否かを判定する判定部82および該判定部82によって自転車Biの運転者Drが視覚障碍者Hの存在に気付いていないと判定された場合に注意喚起レベルを高く設定する注意喚起レベル設定部83を備えた制御装置80、自転車Biの運転者Drへの注意喚起のための動作を行うレーザ光照射ユニット50(注意喚起手段)が白杖1に内蔵されたものとしていた。
歩行支援システム10としては、これに限定されることなく、複数の機器や設備によって構築されたものとなっていてもよい。例えば、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末(スマートフォン)や、路上に設置された街路灯や信号機や電柱等の設備等を利用して歩行支援システム10が構築されたものとなっていてもよい。
例えば、前記移動体検出手段、前記注意喚起手段、前記制御装置80それぞれが自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末に内蔵されたものとして歩行支援システム10が構築されていてもよい。この場合、移動体検出手段としては携帯端末のカメラが相当する。また、この携帯端末によって、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いているか否かを判定する動作としては、携帯端末のカメラによって自転車Biの運転者Drの顔の向きを認識するようにしてもよいし、携帯端末が操作されている場合には自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていないと判定するようにしてもよい。また、注意喚起手段としては、例えば携帯端末に内蔵された振動装置(バイブレータ)が相当し、自転車Biの運転者Drへの注意喚起のための動作としては当該振動装置が振動することになる。そして、注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高くする動作としては、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記振動の振幅を増加させる動作、または、前記振動を間欠的に行う場合に、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記振動の間隔を短くする動作が挙げられる。また、これらを組み合わせるようにしてもよい。尚、携帯端末を振動させる場合における注意喚起レベルを高くする動作としては、これらに限定されるものではない。
また、注意喚起手段として、携帯端末のスピーカを利用することも挙げられる。つまり、自転車Biの運転者Drへの注意喚起のための動作としては当該スピーカから警報音が発報されることになる。そして、注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高くする動作としては、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の音量を増加させる動作、または、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の周波数を高くする動作が挙げられる。また、これらを組み合わせるようにしてもよい。尚、携帯端末から警報音の発報を行う場合における注意喚起レベルを高くする動作としては、これらに限定されるものではない。
また、注意喚起手段として、携帯端末に匂い発生装置を搭載することも挙げられる。つまり、自転車Biの運転者Drへの注意喚起のための動作としては当該匂い発生装置から匂いが発生することになる。そして、注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高くする動作としては、注意喚起レベルが低い動作に比べて匂いの強さを増大させる動作が挙げられる。
また、前記移動体検出手段、前記注意喚起手段、前記制御装置80それぞれが前記設備(街路灯や信号機や電柱等)に搭載されたものとして歩行支援システム10が構築されていてもよい。この場合、移動体検出手段としては設備に搭載されたカメラが相当する。また、注意喚起手段としては、設備にスピーカを搭載し、自転車Biの運転者Drに向けて警報音の発報を行うことになる。そして、注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高くする動作としては、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の音量を増加させる動作、または、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の周波数を高くする動作が挙げられる。また、これらを組み合わせるようにしてもよい。尚、設備に搭載したスピーカから警報音の発報を行う場合における注意喚起レベルを高くする動作としては、これらに限定されるものではない。
(複数の機器や設備を組み合わせる変形例)
また、歩行支援システム10は複数の機器や設備が組み合わされて構築されていてもよい。つまり、前述した白杖1、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末、路上に設置された設備それぞれに歩行支援システム10の機能部が配設され、これら機器や設備によって歩行支援システム10が構築されたものとなっていてもよい。以下、この場合の代表的な例について説明する。
図7は、2つの機器や設備によって歩行支援システム10が構築される各変形例の概略構成を示すブロック図である。
図7(a)は白杖1と自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末とが組み合わされて歩行支援システム10が構築される例を示している。例えば、白杖1に注意喚起手段(前述したレーザ光照射ユニット等;図7では符号50を付す)が内蔵され、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末に移動体検出手段(携帯端末のカメラ等;図7では符号20を付す)および制御装置80が内蔵された構成である。この場合、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末によって、自転車(運転者Dr自身が運転している自転車)Biが歩行者Hに接近していることを検知すると共に、制御装置80において注意喚起レベルが設定され、その設定された注意喚起レベルの情報が白杖1に送信され、白杖1の注意喚起手段50が、設定された注意喚起レベルに応じて作動する(例えばレーザ光照射ユニット50から路面へのレーザ光の照射を行う)ことになる。
図7(b)は白杖1と設備とが組み合わされて歩行支援システム10が構築される例を示している。例えば、白杖1に注意喚起手段(前述したレーザ光照射ユニット等)50が内蔵され、設備に移動体検出手段(カメラ等)20および制御装置80が搭載された構成である。この場合、設備の移動体検出手段20によって、自転車Biが歩行者Hに接近していることを検知すると共に、制御装置80において注意喚起レベルが設定され、その設定された注意喚起レベルの情報が白杖1に送信され、白杖1の注意喚起手段50が、設定された注意喚起レベルに応じて作動する(例えばレーザ光照射ユニット50から路面へのレーザ光の照射を行う)ことになる。
図7(c)は白杖1と自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末とが組み合わされて歩行支援システム10が構築される別の例を示している。例えば、白杖1に移動体検出手段(カメラ等)20および制御装置80が内蔵され、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末に注意喚起手段(前述した振動装置やスピーカ等)50が内蔵された構成である。この場合、白杖1の移動体検出手段20によって、自転車Biが歩行者Hに接近していることを検知すると共に、制御装置80において注意喚起レベルが設定され、その設定された注意喚起レベルの情報が自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末に送信され、この携帯端末の注意喚起手段50が、設定された注意喚起レベルに応じて作動する(例えば振動装置による振動やスピーカからの警報音の発報を行う)ことになる。
図7(d)は白杖1と設備とが組み合わされて歩行支援システム10が構築される別の例を示している。例えば、白杖1に移動体検出手段(カメラ等)20および制御装置80が内蔵され、設備に注意喚起手段(前述したスピーカ等)50が搭載された構成である。この場合、白杖1の移動体検出手段20によって、自転車Biが歩行者Hに接近していることを検知すると共に、制御装置80において注意喚起レベルが設定され、その設定された注意喚起レベルの情報が設備に送信され、この設備の注意喚起手段50が、設定された注意喚起レベルに応じて作動する(例えばスピーカからの警報音の発報を行う)ことになる。
図7(e)は自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末と設備が組み合わされて歩行支援システム10が構築される例を示している。例えば、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末に移動体検出手段(携帯端末のカメラ等)20および注意喚起手段(前述した振動装置やスピーカ等)50が内蔵され、設備に制御装置80が搭載された構成である。この場合、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末によって、自転車(運転者Dr自身が運転している自転車)Biが歩行者Hに接近していることを検知し、その情報を設備に送信する。そして、設備の制御装置80において注意喚起レベルが設定され、その設定された注意喚起レベルの情報が自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末に送信され、この携帯端末の注意喚起手段50が、設定された注意喚起レベルに応じて作動する(例えば振動装置による振動やスピーカからの警報音の発報を行う)ことになる。
2つの機器や設備によって歩行支援システム10が構築される例としては前述したものには限定されず、任意の組み合わせによって歩行支援システム10を構築することが可能である。
図8は、3つの機器や設備によって歩行支援システム10が構築される各変形例の概略構成を示すブロック図である。
図8(a)は、白杖1に注意喚起手段(前述したレーザ光照射ユニット等)50が内蔵され、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末に移動体検出手段(携帯端末のカメラ等)20が内蔵され、設備に制御装置80が搭載された構成である。この場合、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末によって、自転車(運転者Dr自身が運転している自転車)Biが歩行者Hに接近していることを検知し、その情報を設備の制御装置80に送信する。そして、この制御装置80において注意喚起レベルが設定され、その設定された注意喚起レベルの情報が白杖1に送信され、白杖1の注意喚起手段50が、設定された注意喚起レベルに応じて作動する(例えばレーザ光照射ユニット50から路面へのレーザ光の照射を行う)ことになる。
図8(b)は、白杖1に移動体検出手段(カメラ等)20が内蔵され、設備に制御装置80が搭載され、自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末に注意喚起手段(前述した振動装置やスピーカ等)50が内蔵された構成である。この場合、白杖1の移動体検出手段20によって、自転車Biが歩行者Hに接近していることを検知し、その情報を設備の制御装置80に送信する。そして、この制御装置80において注意喚起レベルが設定され、その設定された注意喚起レベルの情報が自転車Biの運転者Drが携帯する携帯端末に送信され、この携帯端末の注意喚起手段50が、設定された注意喚起レベルに応じて作動する(例えば振動装置による振動やスピーカからの警報音の発報を行う)ことになる。
3つの機器や設備によって歩行支援システム10が構築される例としても前述したものには限定されず、任意の組み合わせによって歩行支援システム10を構築することが可能である。
-他の実施形態-
尚、本発明は、前記実施形態および前記各変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態および前記各変形例では、自転車Biの運転者Drに対して注意喚起を行うものとしていたが、これに加えて歩行者Hにも注意喚起を行うようにしてもよい。例えば、白杖1に振動装置を備えさせ、歩行者Hに自転車Biが接近している場合に、この振動装置による振動を発生させることが挙げられる。
また、前記実施形態および前記各変形例では、白杖1に充電ソケット70を備えさせ、家庭用電源からバッテリ(二次電池)60を充電するようにしていた。本発明はこれに限らず、白杖1の表面に太陽光発電シートを貼り付けておき、当該太陽光発電シートで発電した電力によってバッテリ60を充電するようにしてもよい。また、二次電池に代えて一次電池を使用するようになっていてもよい。また、白杖1に振り子式発電機を内蔵し、該振り子式発電機を利用してバッテリ60を充電するようにしてもよい。
また、前記実施形態および前記各変形例では、一般道(公道)において使用される歩行支援システム10を想定したものとしていた。本発明はこれに限らず、私道や屋内で使用される歩行支援システム10として適用することも可能である。
また、前記実施形態および前記各変形例では、歩行者Hに対して1台の自転車Biが接近してくる場合を例に挙げて説明したが、歩行者Hに対して複数台の自転車Biが接近してくる場合にもそれぞれの自転車Biを対象として前述した注意喚起レベルの設定動作を行うようにしてもよい。
また、前記実施形態および前記各変形例では、歩行者Hに自転車Biが接近している状況で、自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いている場合および自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いていない場合の何れにおいても注意喚起のための動作(各レーザ光源からのレーザ光の発光等)を行うようにしていた。前述したように自転車Biの運転者Drが歩行者Hの存在に気付いている場合には、この運転者Drによる接触回避行動が期待できるため、この場合には注意喚起のための動作を行わないようにしてもよい。
また、前記実施形態および前記各変形例では、移動体の乗員の例として自転車Biの運転者Drを挙げたが、これに限らず、移動体の乗員の概念としては自動車の運転者や電車の運転者等も含まれる。また、歩行者Hに接近する移動体の概念としては人や動物等も含まれる。
また、前記実施形態および前記各変形例では、歩行者Hの使用物として白杖1を例に挙げたが、これに限らず、歩行者が高齢者である場合の杖や手押し車等であってもよい。また、歩行者Hの携帯物を利用して歩行支援システム10を構築する場合の当該歩行者Hの携帯物としては、携帯端末や鞄等が挙げられる。また、路面に向けて光を照射する携帯物としては、携帯照明機器等であってもよい。また、歩行者Hの装着物を利用して歩行支援システム10を構築する場合の当該歩行者Hの装着物としては、眼鏡やベルトや帽子や靴等が挙げられる
また、歩行者Hが横断歩道を横断歩行している際には、それ以外の場合とは異なる警告(警報)動作が行われるようになっていてもよい。例えば、歩行者Hが横断歩道を横断歩行している際に自転車Biが接近している状況で、前記注意喚起レベルを更に高く設定するようにしたり、白杖1に備えられた振動装置による振動等によって歩行者Hに警告を与えたりするようにしてもよい。また、歩行者Hが横断歩道を横断歩行している際に信号機が青から赤に切り替わった場合にあっても、前記注意喚起レベルを更に高く設定するようにしたり、白杖1に備えられた振動装置による振動等によって歩行者Hに警告を与えたりするようにしてもよい。
本発明は、歩行する視覚障碍者に対して自転車が接近する際、視覚障碍者に自転車が接触することを回避するための歩行支援システムに適用可能である。
1 白杖
10 歩行支援システム
21,31 前方カメラ(移動体検出手段)
22,32 後方カメラ(移動体検出手段)
50 レーザ光照射ユニット(注意喚起手段)
80 制御装置
82 判定部
83 注意喚起レベル設定部
H 歩行者
Bi 自転車(移動体)
Dr 自転車の運転者(移動体の乗員)

Claims (9)

  1. 歩行者に対して移動体が接近する際、前記歩行者に前記移動体が接触することを回避するための動作を行う歩行支援システムであって、
    前記歩行者に移動体が接近する状況において当該移動体を検出した移動体検出手段からの情報が入力可能であり、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いていないと判定された場合、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いていると判定された場合に比べて、前記移動体または前記移動体の乗員への注意喚起のための動作を行う注意喚起手段による当該動作の注意喚起レベルを高く設定する情報を出力する注意喚起レベル設定部と、
    を含み、
    前記移動体検出手段、前記注意喚起手段、前記判定部および前記注意喚起レベル設定部それぞれは、前記歩行者の使用物または前記歩行者の携帯物或いは前記歩行者の装着物のうちの一つに備えられていることを特徴とする歩行支援システム。
  2. 歩行者に対して移動体が接近する際、前記歩行者に前記移動体が接触することを回避するための動作を行う歩行支援システムであって、
    前記歩行者に接近する移動体を検出する移動体検出手段と、
    前記移動体または前記移動体の乗員への注意喚起のための動作を行う注意喚起手段と、
    前記移動体検出手段からの情報が入力され、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いていないと判定された場合、前記移動体または前記移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いていると判定された場合に比べて、前記注意喚起手段による前記注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高く設定する情報を出力する注意喚起レベル設定部と、
    を備え、
    前記移動体検出手段、前記注意喚起手段、前記判定部および前記注意喚起レベル設定部それぞれは、前記歩行者の使用物または前記歩行者の携帯物或いは前記歩行者の装着物のうちの一つに備えられていることを特徴とする歩行支援システム。
  3. 請求項1または2記載の歩行支援システムにおいて、
    前記移動体検出手段は、前記歩行者の周辺を撮影するカメラであり、
    前記判定部は、前記カメラから送信された画像の情報に基づいて、前記移動体の移動状態または前記移動体の乗員の状態を認識することによって、当該移動体または移動体の乗員が前記歩行者の存在に気付いているか否かを判定することを特徴とする歩行支援システム。
  4. 請求項1、2または3記載の歩行支援システムにおいて、
    前記移動体は自転車であり、
    前記判定部は、前記自転車の乗員である運転者が前記歩行者の存在に気付いているか否かを判定するものであり、
    前記注意喚起手段は、前記自転車の運転者への注意喚起のための動作を行うものであることを特徴とする歩行支援システム。
  5. 請求項1~4のうち何れか一つに記載の歩行支援システムにおいて、
    前記注意喚起手段は、前記移動体または前記移動体の乗員への注意喚起のための動作として、前記歩行者の位置の周辺の路面への光の照射を行うものであって、
    前記注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高くする動作は、
    注意喚起レベルが低い動作に比べて前記光の光量を増加させる動作、
    注意喚起レベルが低い動作として前記光を点滅させないのに対して、前記光を点滅させる動作、
    前記注意喚起のための動作として前記光を点滅させる場合に、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記光の点滅速度を高める動作、
    前記注意喚起のための動作として前記光を前記歩行者の位置の周辺で走査させる場合に、注意喚起レベルが低い動作に比べて前記光の走査速度を高める動作、
    注意喚起レベルが低い動作に比べて波長が長い色の光を照射する動作、
    のうち少なくとも一つであることを特徴とする歩行支援システム。
  6. 請求項1~4のうち何れか一つに記載の歩行支援システムにおいて、
    前記注意喚起手段は、前記移動体または前記移動体の乗員への注意喚起のための動作として、前記移動体または前記移動体の乗員に向けての警報音の発報を行うものであって、
    前記注意喚起のための動作の注意喚起レベルを高くする動作は、
    注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の音量を増加させる動作、
    注意喚起レベルが低い動作に比べて前記警報音の周波数を高くする動作、
    のうち少なくとも一つであることを特徴とする歩行支援システム。
  7. 請求項1~6のうち何れか一つに記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行者の使用物は、視覚障碍者が使用する白杖であって、前記移動体検出手段、前記注意喚起手段、前記判定部および前記注意喚起レベル設定部は、当該白杖に内蔵されていることを特徴とする歩行支援システム。
  8. 請求項7記載の歩行支援システムにおいて、
    前記移動体検出手段は、前記視覚障碍者が把持する前記白杖のグリップ部に内蔵された前方カメラと後方カメラとを備えた第1カメラユニット、および、前記白杖において前記グリップ部に繋がるシャフト部に内蔵された前方カメラと後方カメラとを備えた第2カメラユニットであることを特徴とする歩行支援システム。
  9. 請求項7または8記載の歩行支援システムにおいて、
    前記注意喚起手段は、前記視覚障碍者が把持する前記白杖のグリップ部から斜め下方に向けて光を照射することにより、前記白杖の周囲の路面に前記視覚障碍者を囲む円環状の照射エリアを生成する光照射ユニットであることを特徴とする歩行支援システム。
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