JP7415816B2 - インク、インクセット、印刷用セット、印刷装置、及び印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インク、インクセット、印刷用セット、印刷装置、及び印刷方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は、可変印刷や幅広いメディア対応可能といった利点から、商用印刷としても拡大している。商用印刷においては、多種多様な紙に対して印刷を行っており、その紙は大きく分けて普通紙とコート紙に分けられ、普通紙の光学濃度(OD)の確保とコート紙の光沢性の確保とでは、必要とされるインクの機能が異なっている。
そのため、画像の色再現性、耐擦過性、耐久性、耐光性、画像の乾燥性、文字にじみ(フェザリング)、色境界にじみ(カラーブリード)、ビーディング、両面印刷性、吐出安定性などの要求される全ての特性を満足することは非常に難しく、用途に応じて優先される特性により用いるインクが選択されている。
例えば、記録媒体表面にインクによる画像が形成された際にインク中の色材を定着するための材料を予め塗工した記録媒体や、表面に白色顔料や水溶性ポリマーを塗工した記録媒体が提案されている。しかし、これらの提案は上記のような特殊な処理を施す必要があることから高価であり、写真画像出力等の特殊な用途に限定され、広く普及するには至っていない。
そこで、一般的な記録媒体にも対応するため、記録媒体上に予め色材の凝集性を有する処理液を付与し、その部分にインクを付与して印刷することにより、普通紙やコート紙においても画像濃度や彩度を高くすることができるインクジェット記録方法が提案されている。
一方、産業印刷や産業印刷分野では、民生用印刷に比べて、高い生産性が求められ、高速印刷が行われている。この高速印刷に対応するため、ラインヘッド方式の印刷ヘッドが開発されている。従来のシリアルヘッド方式ではヘッドを複数回動作させて印刷するのに対し、ラインヘッド方式では、ヘッドを固定し、記録媒体だけを走査させるので高速印刷が可能となる。
例えば、ラインヘッド方式用インクとして、ノズルの吐出不良の対策と、低コストと高生産性を目的として、特定の界面活性剤を2種以上、特定量併用したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、色ムラの発生を防止でき、高い画像濃度を確保できるインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、色材、有機溶剤、下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物を含有する。
Figure 0007415816000001
ただし、前記一般式(1)中、nは4~10の整数を表す。
Figure 0007415816000002
ただし、前記一般式(2)中、n1は1~2の整数、n2は1~2の整数を表す。
本発明によると、色ムラの発生を防止でき、高い画像濃度を確保できるインクを提供することができる。
図1は、印刷装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、印刷装置におけるメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(インク)
本発明のインクは、色材、有機溶剤、下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物を含有し、ポリエーテル変性ポリシロキサンを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
Figure 0007415816000003
ただし、前記一般式(1)中、nは4~10の整数を表す。
Figure 0007415816000004
ただし、前記一般式(2)中、n1は1~2の整数、n2は1~2の整数を表す。
従来技術では、インクが横に薄く広がり乾燥する際に乾燥によるインクの対流で顔料が偏在してしまい、ビーディングが発生する。また、顔料の偏在によるビーディングの発生により画像濃度が低下してしまい明瞭な画像が得られないという問題がある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、色材、有機溶剤、上記一般式(1)で表される化合物、及び上記一般式(2)で表される化合物を含有するインクが、上記2種類の化合物を組み合わせることによって、オフセットコート紙に対してのインクの濡れ広がりとレベリング性が制御でき、その結果、色ムラ(ビーディング)の発生が抑制できることを見出した。このことは、ラインヘッド方式において顕著に認められる。
<一般式(1)で表される化合物>
上記一般式(1)で表される化合物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤である。インク中に上記一般式(1)で表される化合物を含むことによって、記録媒体等にインクが付与されることにより形成されるインクドットが濡れ広がりやすくなる。これにより、記録媒体等の表面にインクが均一に薄く広がることで、記録媒体に付与されたインクが乾燥するまでの時間が短くなり、付与されたインクが乾燥して定着するまでの間にインク中の色材の分布が不均一化することが抑制される。その結果、インクにより形成されるベタ画像において、色ムラ(ビーディング)の発生が抑制でき、画像濃度を上げることができる。
上記一般式(1)において、nは4~10の整数を表し、6~9の整数であることが好ましい。nが4~10の整数であることによって、記録媒体等にインクが付与されることにより形成されるインクドットが濡れ広がりやすくなり、色ムラ(ビーディング)の発生が抑制される。
上記一般式(1)で表される化合物のHLB値は10以上であることが好ましく、10以上12以下がより好ましい。HLB値が10以上であると、水との親和性が高くなるという利点がある。
上記一般式(1)で表される化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、Triton HW-1000、TMN-3、TMN-6、TMN-100X、TMN-10(いずれもダウ・ケミカル社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(1)で表される化合物の含有量は、インクの全量に対して、0.05質量%以上1.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.5質量%以下であることがより好ましい。含有量が0.05質量%以上1.5質量%以下であることで、記録媒体等にインクが付与されることにより形成されるインクドットが濡れ広がりやすくなり、ビーディングの発生が抑制される。
<一般式(2)で表される化合物>
上記一般式(2)で表される化合物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤である。上記一般式(2)で表される化合物は、蒸発過程でのインクのレベリングと固形分の分散安定性を確保する。水分が蒸発し溶剤成分が多くなった時に対しての濡れ性を付与することで、インク膜のレベリング性を上げ、更に疎水になることで本来は分散性が失われる固形成分も上記一般式(2)で表される化合物の影響により分散性を保てるため、色ムラの発生を抑えることができる。
上記一般式(2)におけるn1は1~2の整数、n2は1~2の整数を表す。
上記一般式(2)で表される化合物のHLB値は8以下であることが好ましく、6以上8以下がより好ましい。HLB値が8以下であると、疎水系有機溶剤との相溶性が高くなるという利点がある。
上記一般式(2)で表される化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、LFE-1410、LFE-635(ダウ・ケミカル社製)などが挙げられる。
上記一般式(2)で表される化合物の含有量は、インクの全量に対して、0.1質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下であることがより好ましい。0.1質量%以上2.0質量%以下であることで、蒸発過程でのインクのレベリングと固形分の分散安定性を確保することができる。
上記一般式(1)で表される化合物の含有量をA(質量%)とし、上記一般式(2)で表される化合物の含有量をB(質量%)とすると、次式、1≦A/B≦15、を充たすことが好ましく、次式、1.5≦A/B≦5、を充たすことがより好ましい。
次式、1≦A/B≦15、を充たすことにより、色ムラの発生が防止でき、高い画像濃度を確保することができる。
<ポリエーテル変性ポリシロキサン>
ポリエーテル変性ポリシロキサンは、画像表面に配向されることで、画像面の摩擦係数を低減させ乾燥後の膜の定着性を更に向上させる効果がある。その反面、インクの表面張力を低下させインクの泡が消えにくい作用を発現する。しかし、ポリエーテル変性ポリシロキサンは、上記一般式(2)で表される化合物と併用をすることで、親水/疎水で相容れなくなり泡の膜厚が不安定になることによって泡が消えやすくなる。
ポリエーテル変性ポリシロキサンはポリシロキサンの末端にポリエーテル変性がある構造であり、ポリシロキサンの長さにより、レベリング性や定着性を発現するスリップ性を調整することができる。
ポリエーテル変性の量により、各種溶剤に対する相溶性を調整することができる。そのため、ポリエーテル変性ポリシロキサンは1種類だけでなく、複数を組み合わせることも可能である。
ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量は、インクの全量に対して、0.1質量%以上2質量%以下が好ましく、0.5質量%以上1質量%以下がより好ましい。含有量が0.1質量%以上であると、画像表面に配向するSiの量が適切になり定着性が好適になる。また、含有量が2質量%以下であると、インクの保存安定性が好適となる。
上記一般式(2)で表される化合物の含有量をB(質量%)とし、上記ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量をC(質量%)とすると、次式、1≦C/B≦2、を充たすことが好ましい。
次式、1≦C/B≦2、を充たすことにより、界面活性剤の分離を抑えて保存安定性を確保することができる。
ポリエーテル変性ポリシロキサンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、TEGO Rad 2010、TEGO Rad 2011、TEGO Rad 2200N、TEGO Rad 2250、TEGO Rad 2300、TEGO Rad 2500、TEGO Rad 2700、TEGO Rad 2800、TEGO Flow 425、TEGO Glide 100、TEGO Glide 110、TEGO Glide 130、TEGO Glide 440、TEGO Glide 450、TEGO Glide 410、TEGO Glide 496、TEGO Glide 494、TEGO Glide 415、TEGO Glide 432、TEGO Glide 435、TEGO Glide B 1484、TEGO Glide ZG400(いずれも、EVONIK社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル-スチレン系樹脂、アクリル-シリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性及びインクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、インク中の固形分の粒径の最大頻度が最大個数換算で20nm以上1,000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<色材>
色材としては、特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、顔料として、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35などが挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
顔料を分散してインクを得る方法としては、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤として、竹本油脂株式会社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオールなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
有機溶剤として、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。
炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
-界面活性剤-
インク中に含まれる界面活性剤としては、上述したように、上記一般式(1)及び(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤が用いられる。
また、目的に応じて更にシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤を併用することもできる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表される、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 0007415816000005
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表し、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4~16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)のいずれかで表されるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 0007415816000006
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。
[一般式(F-2)]
2n+-CHCH(OH)CH-O-(CHCHO)-Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はC2m+1でmは1~6の整数、又はCH2CH(OH)CH-C2m+1でmは4~6の整数、又はC2P+1でpは1~19の整数である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、FS-31、FS-3100、FS-34、FS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N、及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
-消泡剤-
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
-防腐防黴剤-
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
-防錆剤-
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
-pH調整剤-
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
ではない。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業株式会社製、RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
(インクセット)
本発明のインクセットは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクから選ばれる少なくとも2つのインクを有するインクセットであって、
前記インクセットを構成するインクは、本発明の前記インクである。
上記のうち2色以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
(印刷用セット)
本発明の印刷用セットは、本発明のインク又は本発明のインクセットにおける各インクと、凝集剤を含む処理液と、を有する。
処理液には、前処理液と後処理液とがある。
<前処理液>
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有してもよい。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
<後処理液>
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布してもよいし、インク像が形成された領域のみに塗布してもよい。
処理液は凝集剤として多価金属塩、有機溶剤、水を含有し必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有してもよい。有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、上記インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
-多価金属塩-
使用可能な多価金属塩としては、2価以上の特定の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンから構成される。カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、ホウ素塩、亜鉛塩から選択されるが、より好ましくはカルシウム塩、マグネシウム塩が含まれるが、マグネシウム塩が特に好ましいが、他の金属塩との組み合わせも可能で、これらに限定されるものではない。
-無機金属塩-
無機金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられる。
-有機酸金属塩-
有機酸金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パントテン酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、酢酸、及び乳酸のカルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
<記録物>
本発明に用いられる記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明においては、高速印刷の点から、ラインヘッド方式の記録装置が好適に用いられる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。更に、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(顔料分散液の調製例1)
-ブラック顔料分散液の調製-
CTAB比表面積が150m/g、DBP吸油量100mL/100gのカーボンブラック90gを、2.5規定の硫酸ナトリウム溶液3,000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。得られた反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。得られたカーボンブラックを水洗し、乾燥させて、顔料濃度が15質量%となるように純水中に分散させ、ブラック顔料分散液を得た。
(顔料分散液の調製例2>
-イエロー顔料分散液の調製-
イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー128を低温プラズマ処理しカルボン酸基を導入したイエロー顔料を作製した。これをイオン交換水に分散したものを限外濾過膜により脱塩濃縮して、顔料濃度15質量%のイエロー顔料分散液を得た。
(顔料分散液の調製例3>
-マゼンタ顔料分散液の調製-
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を低温プラズマ処理しカルボン酸基を導入したマゼンタ顔料を作製した。これをイオン交換水に分散したものを限外濾過膜により脱塩濃縮して、顔料濃度15質量%のマゼンタ顔料分散液を得た。
(顔料分散液の調製例4>
-シアン顔料分散液の調製-
シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を低温プラズマ処理しカルボン酸基を導入したシアン顔料を作製した。これをイオン交換水に分散したものを限外濾過膜により脱塩濃縮して、顔料濃度15質量%のシアン顔料分散液を得た。
(実施例1~8及び比較例1~8)
表1~表8の組成及び含有量にしたがって、常法により、各インクからなる実施例1~8及び比較例1~8のインクセットを作製した。
なお、色材としては上記顔料分散液を用いた。顔料濃度15質量%の顔料分散液を20質量部配合した(インク中の顔料濃度は6質量%)。
次に、各インクセットを用い、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1~表8に示した。
<色ムラ>
各インクセットを用い、ラインヘッド方式に改造したインクジェットプリンタ(GXe5500、株式会社リコー製)改造機を用いて、記録媒体としてのLumi Art Gross130(Stora Enso社製)に光沢紙-きれいモード、色補正なしを選択し、ベタ画像を印刷し、下記の基準により、色ムラ(ビーディング)の目視判定を行った。なお、B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
AA:全く無し
A:15cm離れたところから色ムラが僅かに確認できる
B:30cm離れたところから色ムラが僅かに確認できる
C:1m離れたところからでも色ムラが確認できる
D:1.5m以上離れたところからでも色ムラが確認できる
<ブラックの光学濃度(OD)の測定>
各インクセットのブラックインク(Bk)を用い、ラインヘッド方式に改造したインクジェットプリンタ(GXe5500、株式会社リコー製)改造機を用いて、記録媒体としてのLumi Art Gross130(Stora Enso社製)に光沢紙-きれいモード、色補正なしを選択し、100%付着量ベタの3/5倍付着量のチャートを印字し、ブラックの光学濃度(OD)を分光測色濃度計(装置名:X-Rite939、X-Rite社製)で測定を行い、以下の基準で評価した。なお、B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
A:1.0以上
B:0.9以上1.0未満
C:0.8以上0.9未満
D:0.8未満
<彩度>
各インクセットを用い、ラインヘッド方式に改造したインクジェットプリンタ(GXe5500、株式会社リコー製)改造機を用いて、記録媒体としてのLumi Art Gross130(Stora Enso社製)に光沢紙-きれいモード、色補正なしを選択し、ジャパンカラー測定チャートを印刷し、ジャパンカラーカバー率を測定し、下記基準により彩度を評価した。なお、ジャパンカラーカバー率が高いほど彩度が高いことを示す。B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
A:ジャパンカラーカバー率が99%以上
B:ジャパンカラーカバー率が98%以上99%未満
C:ジャパンカラーカバー率が95%以上98%未満
D:ジャパンカラーカバー率が95%未満
<インクの保存安定性>
各インクを50gガラス瓶に取り分け、50℃で1か月の恒温保存を実施した。その際の初期からの粘度変化率を下記式により算出し、下記基準により保存安定性を評価した。なお、B以上が実使用可能レベルである。
各インクについて、コーンプレート型回転粘度計(装置名:VISCOMETER TV-22、東機産業株式会社製)を用いて、恒温循環水の温度が25℃、回転数が50rpm、及びせん断速度が191.4sec-1の条件で、保存前後の粘度の測定を行った。
Figure 0007415816000007
[評価基準]
A:粘度変化率が2%未満
B:粘度変化率が2%以上4%以下
C:粘度変化率が4%より大きく6%以下
D:粘度変化率が6%より大きい
Figure 0007415816000008
Figure 0007415816000009
Figure 0007415816000010
Figure 0007415816000011
Figure 0007415816000012
Figure 0007415816000013
Figure 0007415816000014
Figure 0007415816000015
(実施例9~12及び比較例9~12)
表9~表12の組成及び含有量にしたがって、常法により、各インクからなる実施例9~12及び比較例9~12のインクセットを作製した。
なお、色材としては上記顔料分散液を用いた。顔料濃度15質量%の顔料分散液を20質量部配合した(インク中の顔料濃度は6質量%)。
次に、各インクセットを用い、実施例1~8及び比較例1~8と同様にして、「色ムラ」、「ブラックの光学濃度(OD)」、「彩度」、及び「インクの保存安定性」を評価した。また、以下のようにして、定着性、起泡性及び消泡性を評価した。結果を表9~表12に示した。
<定着性>
各インクを用い、ラインヘッド方式に改造したインクジェットプリンタ(GXe5500、株式会社リコー製)改造機を用い、記録媒体としてのLumi Art Gross130(Stora Enso社製)に光沢紙-きれいモード、色補正なしを選択し、ベタ画像を印刷し、80℃の恒温槽(小型インキュベーター IC-150MA ASONE社製)に5秒間静置させ、取り出した。その後、摩擦用試験紙(Lumi Art Gross130)を張り付けたクロックメーター(DAIEI KAGAKU SEIKI社製、型式C-1)で、ベタ画像を20往復擦過させた。摩擦用試験紙にインクで汚染された画像濃度を測定し、下記の基準で定着性を評価した。なお、B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
A:画像濃度が0.02未満
B:画像濃度が0.02以上0.05未満
C:画像濃度が0.05以上0.10未満
D:画像濃度が0.10以上
<起泡性及び消泡性>
ラボランスクリュー管瓶110mLに各インクを20g入れ、25℃の実験室環境で24時間放置した。その後、手で30回、ラボランスクリュー管瓶を上下に振った後、30秒間静置させた。液面からの泡の高さから、下記の基準で起泡性及び消泡性を評価した。なお、B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
A:1mm未満
B:1mm以上5mm未満
C:5mm以上20mm未満
D:20mm以上
Figure 0007415816000016
Figure 0007415816000017
Figure 0007415816000018
Figure 0007415816000019
(前処理液の製造例1)
<前処理液1の調製>
下記表13に記載の処方を調合後、混合撹拌し、平均孔径5μmのフィルター(ザルトリウス社製、ミニザルト)で濾過し、前処理液1を調製した。
Figure 0007415816000020
(実施例13)
記録媒体としてのLumi Art Gross130(Stora Enso社製)に、予め、バーコーターNo.1で前処理液1を40mg/A4サイズになるように塗工した後、90℃にて30秒間乾燥させた。次に、表14に記載の各インクセットを用い、ラインヘッド方式に改造したインクジェットプリンタ(GXe5500、株式会社リコー製)改造機を用いて、光沢紙-きれいモード、色補正なしを選択し、ベタ画像を印刷した。
次に、実施例1~8及び比較例1~8と同様にして、「色ムラ」、「ブラックの光学濃度(OD)」、「彩度」、及び「インクの保存安定性」を評価した。結果を表14に示した。
Figure 0007415816000021
表1~表12、表14における各成分の詳細な内容については、以下のとおりである。
*上記一般式(1)で表される化合物(n=4~10):ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤、Triton HW-1000、ダウ・ケミカル社製、HLB値:10
*上記一般式(2)で表される化合物(n1=2、n2=2):ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤、LFE-1410、ダウ・ケミカル社製、HLB値:8
*スーパーフレックス150:ポリウレタン樹脂、第一工業製薬株式会社(体積平均粒径:100nm)
*モビニール5450:スチレン-アクリル樹脂、日本合成化学工業株式会社(体積平均粒径:50nm)
*プロキセルLV:アビシア社製
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 色材、有機溶剤、下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とするインクである。
Figure 0007415816000022
ただし、前記一般式(1)中、nは4~10の整数を表す。
Figure 0007415816000023
ただし、前記一般式(2)中、n1は1~2の整数、n2は1~2の整数を表す。
<2> 前記一般式(1)において、nは6~9の数を表す、前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記一般式(1)で表される化合物のHLB値が10以上である、前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記一般式(2)で表される化合物のHLB値が8以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクである。
<5> 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、0.05質量%以上1.5質量%以下である、前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記一般式(1)で表される化合物の含有量をA(質量%)とし、前記一般式(2)で表される化合物の含有量をB(質量%)とすると、次式、1≦A/B≦15、を充たす、前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 更にポリエーテル変性ポリシロキサンを含有し、前記ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量が0.1質量%以上2質量%以下である、前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記一般式(2)で表される化合物の含有量をB(質量%)とし、前記ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量をC(質量%)とすると、次式、1≦C/B≦2、を充たす、前記<7>に記載のインクである。
<9> シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクから選ばれる少なくとも2つのインクを有するインクセットであって、
前記インクセットを構成するインクは、前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクであるインクセットである。
<10> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインク又は前記<9>に記載のインクセットと、
凝集剤を含む処理液と、
を有することを特徴とする印刷用セットである。
<11> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインク又は前記<9>に記載のインクセットと、
前記インク又は前記インクセットにおける各インクを収容する収容部と、
前記インク又は前記インクセットにおける各インクを付与するインク付与手段と、
を有することを特徴とする印刷装置である。
<12> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインク又は前記<9>に記載のインクセットにおける各インクをインク付与手段から付与することを特徴とする印刷方法である。
前記<1>から<8>のいずれかに記載のインク、前記<9>に記載のインクセット、前記<10>に記載の印刷用セット、前記<11>に記載の印刷装置、及び前記<12>に記載の印刷方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2018-104490号公報

Claims (12)

  1. 色材、有機溶剤、下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とするインク。
    Figure 0007415816000024
    ただし、前記一般式(1)中、nは4~10の整数を表す。
    Figure 0007415816000025
    ただし、前記一般式(2)中、n1は1~2の整数、n2は1~2の整数を表す。
  2. 前記一般式(1)において、nは6~9の数を表す、請求項1に記載のインク。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物のHLB値が10以上である、請求項1から2のいずれかに記載のインク。
  4. 前記一般式(2)で表される化合物のHLB値が8以下である、請求項1から3のいずれかに記載のインク。
  5. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、0.05質量%以上1.5質量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載のインク。
  6. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量をA(質量%)とし、前記一般式(2)で表される化合物の含有量をB(質量%)とすると、次式、1≦A/B≦15、を充たす、請求項1から5のいずれかに記載のインク。
  7. 更にポリエーテル変性ポリシロキサンを含有し、前記ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量が0.1質量%以上2質量%以下である、請求項1から6のいずれかに記載のインク。
  8. 前記一般式(2)で表される化合物の含有量をB(質量%)とし、前記ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量をC(質量%)とすると、次式、1≦C/B≦2、を充たす、請求項7に記載のインク。
  9. シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクから選ばれる少なくとも2つのインクを有するインクセットであって、
    前記インクセットを構成するインクは、請求項1から8のいずれかに記載のインクであるインクセット。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載のインク又は請求項9に記載のインクセットと、
    凝集剤を含む処理液と、
    を有することを特徴とする印刷用セット。
  11. 請求項1から8のいずれかに記載のインク又は請求項9に記載のインクセットと、
    前記インク又は前記インクセットにおける各インクを収容する収容部と、
    前記インク又は前記インクセットにおける各インクを付与するインク付与手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項1から8のいずれかに記載のインク又は請求項9に記載のインクセットにおける各インクをインク付与手段から付与することを特徴とする印刷方法。

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