図1はレーザシステム1の構成の一例を示す概略図である。レーザシステム1は、例えば、照明光L3を空間に放射する照明システムである。レーザシステム1が放射する照明光L3は、室内で利用されてもよい、屋外で利用されてもよい。
図1に示されるように、レーザシステム1は、例えば、レーザ装置2と、波長変換装置3と、放射部4と、光ファイバケーブル5と、光ファイバケーブル6とを備える。レーザ装置2と波長変換装置3とは光ファイバケーブル5で接続され、波長変換装置3と放射部4とは光ファイバケーブル6で接続されている。
レーザ装置2は、レーザ光L1を生成して光ファイバケーブル5に出射することが可能である。レーザ装置2は、例えば、外装ケース20、光源21及びコネクタ22を備える。光源21及びコネクタ22は外装ケース20に収容されている。コネクタ22は、相手側のコネクタが接続されるように、例えば、外装ケース20から部分的に露出している。コネクタ22には光ファイバケーブル5が接続される。レーザ装置2のレーザ光L1の出力電力は、例えば、数W以上10W以下である。レーザ光L1の出力電力はこの限りではない。複数の光源21が用いられる場合には、レーザ装置2のレーザ光L1の出力電力は、例えば10W以上であってもよい。
光源21はレーザ光L1を生成して出力することが可能である。光源21は例えばレーザダイオード(laser diode:LD)である。レーザダイオードは半導体レーザとも呼ばれる。光源21が出力するレーザ光L1としては、例えば、波長が460nm以下の短波長レーザ光が採用される。レーザ光L1は、440nm以下の短波長レーザ光であってもよい。この場合、レーザ光L1は、例えば405nmの紫色のレーザ光であってもよい。
コネクタ22は、レーザ装置2におけるレーザ光L1の出射部に設けられている。コネクタ22は、光源21が出力するレーザ光L1をレーザ装置2の外部に出射する。コネクタ22から出射されたレーザ光L1は光ファイバケーブル5に入射する。光源21が出力するレーザ光L1は、例えば、レンズ等を含む光学系を通じてコネクタ22に入射してもよい。コネクタ22は例えばメス型コネクタである。
光ファイバケーブル5は、レーザ装置2のコネクタ22から出射されるレーザ光L1を波長変換装置3まで伝送することが可能である。光ファイバケーブル5は、ケーブル本体50と、ケーブル本体50の一方端に設けられたコネクタ51と、ケーブル本体50の他方端に設けられたコネクタ52とを備える。ケーブル本体50は、例えば、レーザ光L1を伝送するコアと、当該コアの周囲を覆うクラッドとを備える。ケーブル本体50は、クラッドの周囲を覆う部材を備えてもよい。クラッドの周囲を覆う部材は、1層で構成されてもよいし、複数層で構成されてもよい。クラッドの周囲を覆う部材には保護層が含まれてもよい。
コネクタ51は、光ファイバケーブル5における、レーザ光L1の入射側の端部に設けられている。言い換えれば。コネクタ51は、光ファイバケーブル5におけるレーザ光L1の入射部に設けられている。コネクタ51は、例えばオス型コネクタであって、レーザ装置2のメス型のコネクタ22に対して着脱可能である。コネクタ51には、コネクタ22から出射されるレーザ光L1が入射される。
コネクタ52は、光ファイバケーブル5における、レーザ光L1の出射側の端部に設けられている。言い換えれば。コネクタ52は、光ファイバケーブル5におけるレーザ光L1の出射部に設けられている。コネクタ51に入射されたレーザ光L1は、ケーブル本体50を伝搬してコネクタ52から出射される。コネクタ52から出射されたレーザ光L1は波長変換装置3に入射する。コネクタ52は例えばメス型コネクタである。
波長変換装置3は、光ファイバケーブル5から入射されたレーザ光L1を、当該レーザ光L1の波長スペクトルとは異なる波長スペクトルを有する光L2(第1光ともいう)に変換して出射することが可能である。光L2は例えば可視光である。波長変換装置3は、例えば、外装ケース30と、波長変換部31(第1波長変換部ともいう)と、コネクタ32と、コネクタ33とを備える。波長変換部31、コネクタ32及びコネクタ33は外装ケース30内に収容されている。コネクタ32及び33のそれぞれは、例えば外装ケース30から部分的に露出している。
コネクタ32は、波長変換装置3におけるレーザ光L1の入射部に設けられている。コネクタ32は、例えばオス型コネクタであって、光ファイバケーブル5のメス型のコネクタ52に対して着脱可能である。コネクタ32には、コネクタ52から出射されるレーザ光L1が入射する。
コネクタ32に入射されたレーザ光L1は波長変換部31に照射される。波長変換部31は、レーザ光L1の照射に応じてレーザ光L1の波長スペクトルとは異なる波長スペクトルを有する光L2を発することが可能である。波長変換部31は、例えば平板状を成しており、レーザ光L1が照射される被照射面31a(第2被照射面ともいう)を有している。被照射面31aは、レーザ光L1が照射される面状の被照射領域であると言える。以後、光L2を変換光L2と呼ぶことがある。
波長変換部31としては、例えば、多数の蛍光体を含む蛍光体部分310が採用される。蛍光体部分310が含む蛍光体は、レーザ光L1の照射に応じて蛍光を発することができる。蛍光体が発する蛍光の波長スペクトルにおけるピークを示す波長(ピーク波長ともいう)は、レーザ光L1の波長スペクトルのピーク波長よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。本例では、蛍光体部分310が含む蛍光体が発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長は、例えば、レーザ光L1の波長スペクトルのピーク波長よりも大きいものとする。
蛍光体部分310に含まれる多数の蛍光体には、例えば1種類以上の蛍光体が含まれる。蛍光体部分310には、互いに異なるピーク波長を有する複数種類の蛍光体が含まれてもよい。この場合、蛍光体部分310には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて赤色(R)の蛍光を発する蛍光体(赤色蛍光体ともいう)と、レーザ光L1の照射に応じて緑色(G)の蛍光を発する蛍光体(緑色蛍光体ともいう)と、レーザ光L1の照射に応じて青色(B)の蛍光を発する蛍光体(青色蛍光体ともいう)とが含まれてもよい。赤色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が620nmから750nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。緑色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が495nmから570nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。青色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が450nmから495nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。
蛍光体部分310に複数種類の蛍光体が含まれる場合には、当該複数種類の蛍光体が発する蛍光が、蛍光体部分310が発する変換光L2を構成する。つまり、変換光L2は複数種類の色成分で構成される。蛍光体部分310に、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が含まれる場合には、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が発する蛍光が変換光L2を構成する。
蛍光体部分310に複数種類の蛍光体が含まれる場合には、変換光L2の波長スペクトルは、互いに異なる複数の波長ピークを有する。例えば、蛍光体部分310に3種類以上の蛍光体が含まれる場合には、変換光L2の波長スペクトルは、互いに異なる3つ以上の波長ピークを有する。蛍光体部分310に、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が含まれる場合には、変換光L2の波長スペクトルは、赤色蛍光体が発する蛍光の波長ピークと、緑色蛍光体が発する蛍光の波長ピークと、青色蛍光体が発する蛍光の波長ピークとが含まれる。変換光L2は、疑似的な白色光であってもよいし、他の色温度の可視光であってもよい。
なお、蛍光体部分310には、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体以外の蛍光体が含まれてもよい。蛍光体部分310には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて青緑色の蛍光を発する蛍光体(青緑色蛍光体ともいう)が含まれてもよい。また、蛍光体部分310には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて黄色の蛍光を発する蛍光体(黄色蛍光体ともいう)が含まれてもよい。蛍光体部分310には、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体、青緑色蛍光体及び黄色蛍光体の少なくとも1種類の蛍光体が含まれてもよい。
青緑色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が495nm程度の蛍光体が適用される。黄色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が570nmから590nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。
コネクタ33は、波長変換装置3における変換光L2の出射部に設けられている。波長変換部31が発する変換光L2はコネクタ33から出射される。コネクタ33から出射された変換光L2は光ファイバケーブル6に入射する。コネクタ33は例えばメス型コネクタである。
光ファイバケーブル6は、波長変換装置3のコネクタ33から出射される変換光L2を放射部4まで伝送することが可能である。光ファイバケーブル6は、ケーブル本体60と、ケーブル本体60の一方端に設けられたコネクタ61と、ケーブル本体60の他方端に設けられたコネクタ62とを備える。ケーブル本体60は、例えば、変換光L2を伝送するコアと、当該コアの周囲を覆うクラッドとを備える。ケーブル本体60は、クラッドの周囲を覆う部材を備えてもよい。クラッドの周囲を覆う部材は、1層で構成されてもよいし、複数層で構成されてもよい。クラッドの周囲を覆う部材には保護層が含まれてもよい。
コネクタ61は、光ファイバケーブル6における変換光L2の入射側の端部に設けられている。コネクタ61は、例えばオス型コネクタであって、波長変換装置3のメス型のコネクタ33に対して着脱可能である。コネクタ61には、コネクタ33から出射される変換光L2が入射する。
コネクタ62は、光ファイバケーブル6における変換光L2の出射側の端部に設けられている。コネクタ61に入射した変換光L2は、ケーブル本体60を伝搬してコネクタ62から出射される。コネクタ62から出射された変換光L2は放射部4に入射する。コネクタ51は例えばメス型コネクタである。
放射部4は、光ファイバケーブル6から入射される変換光L2を照明光L3として空間に放射する。放射部4は、例えばコネクタ40を備える。コネクタ40は、放射部4における変換光L2の入射部に設けられている。コネクタ40は、例えばオス型コネクタであって、光ファイバケーブル6のメス型のコネクタ62に着脱可能である。コネクタ40には、コネクタ62から出射される変換光L2が入射する。放射部4は、コネクタ62に入射した変換光L2を照明光L3として放射する。
放射部4は、例えば、一端にコネクタ40を有する光ファイバケーブルで構成されてもよい。この場合、当該光ファイバケーブルの他端の端面から照明光L3が放射される。また、放射部4は、コネクタ40に入射した変換光L2が入射する光学系を備えてもよい。この光学系には、レンズ、拡散板及びリフレクタの少なくとも一つが含まれてもよい。放射部4が光学系を備える場合には、放射部4は、照明光L3の配光を調整する機能を有してもよい。
なお、コネクタ22は例えばオス型コネクタであってもよい。この場合、コネクタ22と接続されるコネクタ51はメス型コネクタとなる。また、コネクタ52は例えばオス型コネクタであってもよい。この場合、コネクタ52と接続されるコネクタ32はメス型コネクタとなる。また、コネクタ33は例えばオス型コネクタであってもよい。この場合、コネクタ33と接続されるコネクタ61はメス型コネクタとなる。また、コネクタ62は例えばオス型コネクタであってもよい。この場合、コネクタ62と接続されるコネクタ40はメス型コネクタとなる。
以上のような構成を有するレーザシステム1では、波長変換部31に照射されるレーザ光L1の一部は、光L2に変換されずに波長変換部31を透過してコネクタ33から出射される。例えば、波長変換部31に照射されるレーザ光L1の数十%程度が波長変換部31を透過する。コネクタ33は、波長変換部31が発する変換光L2だけではなく、波長変換部31を透過したレーザ光L1を出射する。コネクタ33から出射されたレーザ光L1は、光ファイバケーブル6のコネクタ61に入射する。コネクタ61に入射したレーザ光L1は、ケーブル本体60を伝搬してコネクタ62から出射される。コネクタ62から出射されたレーザ光L1は放射部4のコネクタ40に入射する。
このように、本例のレーザシステム1では、コネクタ22,52,33,62のそれぞれからレーザ光L1が出射される。以後、コネクタ22,32,33,40,51,52,61,62を特に区別する必要がないときには、それぞれをコネクタ100と呼ぶことがある。
レーザ光L1の出射部に設けられたコネクタ100には、レーザ光L1が出射される出射端が位置する。具体的には、レーザ光L1の出射部に設けられたコネクタ22,52,33,62のそれぞれには、レーザ光L1が出射される出射端を有する。以後、レーザ光L1の出射部に設けられたコネクタ100をコネクタ100aと呼ぶことがある。また、コネクタ100aに接続されるコネクタ100を相手コネクタ100bと呼ぶことがある。例えば、コネクタ22と接続される相手コネクタ100bはコネクタ51となる。
図2はコネクタ100aの一例を示す概略図である。図2では、コネクタ100aの断面構造が模式的に示されている。コネクタ100aは、例えば箱型を成している。箱型のコネクタ100aの内部には、レーザ光L1が出射される出射端101が位置する。コネクタ33及び62に位置する出射端101からは、変換光L2と、波長変換部31を透過したレーザ光L1とが出射される。
メス型のコネクタ100aは、その前面に向かって開口する開口部102を備える。オス型の相手コネクタ100bは開口部102に挿入される。開口部102に挿入された相手コネクタ100bの先端に位置するレーザ光L1の入射端は、出射端101と対向する。出射端101から出射されたレーザ光L1は、相手コネクタ100bの先端の入射端に入射する。コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない場合にレーザ装置2がレーザ光L1を出射するときには、開口部102から、コネクタ100aの外部に向けてレーザ光L1が出射される。コネクタ100aは、例えば、金属などのレーザ光L1が透過しにくい材料で構成される。
出射端101は、例えば、光ファイバケーブルのクラッドの出射端面で構成されてもよい。例えば、光ファイバケーブル5のケーブル本体50がコネクタ52内に延びる場合には、ケーブル本体50のクラッドの出射端面が、コネクタ52内の出射端101を構成してもよい。また、光ファイバケーブル6のケーブル本体60がコネクタ62内に延びる場合には、ケーブル本体60のクラッドの出射端面が、コネクタ62内の出射端101を構成してもよい。この場合、コネクタ62内の出射端101からは、変換光L2とレーザ光L1が出射される。また、レーザ装置2の外装ケース20内からコネクタ22内に、レーザ光L1を伝送する光ファイバケーブルが延びる場合、当該光ファイバケーブルのクラッドの出射端面が、コネクタ22内の出射端101を構成してもよい。また、波長変換装置3の外装ケース30内からコネクタ33内に、変換光L2を伝送する光ファイバケーブルが延びる場合、当該光ファイバケーブルのクラッドの出射端面が、コネクタ33内の出射端101を構成してもよい。この場合、波長変換部31を透過したレーザ光L1は当該光ファイバケーブルを伝搬し、コネクタ33内の出射端101からは、変換光L2とレーザ光L1が出射される。
他の例としては、出射端101は中空の導波管の出射開口で構成されてもよい。レーザ装置2の外装ケース20内からコネクタ22内に、レーザ光L1を伝送する導波管が延びる場合、当該導波管の出射開口が、コネクタ22内の出射端101を構成してもよい。また、波長変換装置3の外装ケース30内からコネクタ33内に、変換光L2を伝送する導波管が延びる場合、当該導波管の出射開口が、コネクタ33内の出射端101を構成してもよい。この場合、波長変換部31を透過したレーザ光L1は導波管を伝搬し、コネクタ33内の出射端101からは、変換光L2とレーザ光L1が出射される。
他の例としては、コネクタ100aの一部の構造が出射端101を構成してもよい。例えば、レーザ装置2の外装ケース20内に、レーザ光L1を集光してコネクタ22に入射する光学系が設けられている場合を考える。この光学系には、例えば、集光レンズ及びリフレクタの少なくとも一方が含まれてもよい。このような場合、コネクタ22には、光学系で集光されたレーザ光L1を通過させて開口部102に導く通過孔を有する壁部が設けられることがある。この通過孔における、レーザ光L1の出射側の開口(言い換えれば、出射開口)が出射端101を構成してもよい。オス型の相手コネクタ100bの先端部は、例えば、コネクタ22の壁部の通過孔に挿入される。あるいは、オス型の相手コネクタ100bの先端部は、例えば、コネクタ22の壁部の通過孔の出射開口と対向するように開口部102に挿入される。他の例として、波長変換装置3の外装ケース30内に、変換光L2を集光してコネクタ33に入射する光学系が設けられている場合を考える。この光学系には、例えば、集光レンズ及びリフレクタの少なくとも一方が含まれてもよい。このような場合、コネクタ33には、光学系で集光された変換光L2を通過させて開口部102に導く通過孔を有する壁部が設けられることがある。この通過孔における、レーザ光L1の出射側の開口(言い換えれば、出射開口)が出射端101を構成してもよい。オス型の相手コネクタ100bの先端部は、例えば、コネクタ33の壁部の通過孔に挿入される。あるいは、オス型の相手コネクタ100bの先端部は、例えば、コネクタ33の壁部の通過孔の出射開口と対向するように開口部102に挿入される。
他の例としては、出射端101は集光レンズの出射面で構成されてもよい。例えば、レーザ装置2のコネクタ22内に、レーザ光L1を集光する集光レンズが設けられる場合を考える。この場合、集光レンズにおけるレーザ光L1の出射面が出射端101を構成してもよい。集光レンズにおけるレーザ光L1の出射面は、当該集光レンズの表面のうち、レーザ光L1が出射される領域である。他の例として、波長変換装置3のコネクタ33内に、変換光L2を集光する集光レンズが設けられる場合を考える。この場合、波長変換部31を透過したレーザ光L1は、コネクタ33内の集光レンズで集光される。コネクタ33内の集光レンズにおけるレーザ光L1の出射面が出射端101を構成してもよい。
複数のコネクタ22,52,33,62の出射端101の構成は同じであってもよい。また、複数のコネクタ22,52,33,62には、出射端101の構成が互いに異なる複数のコネクタ100aが含まれてもよい。
ここで、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない場合に、誤ってレーザ装置2からレーザ光L1が出射されると、コネクタ100aからレーザ光L1が漏れてしまい、レーザシステム1の安全性が低下する可能がある。
そこで、本例のレーザシステム1は、コネクタ100aに取り付けられる蓋部8であって、コネクタ100aからレーザ光L1を漏れにくくするための蓋部8を備えている。以下に、蓋部8について詳細に説明する。
レーザシステム1は、コネクタ100aに位置する出射端101を覆うようにコネクタ100aに取り付けられる蓋部8を備える。コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない場合には、コネクタ100aに位置する出射端101は蓋部8によって覆われる。
図3は、コネクタ100a及び蓋部8の一例を示す概略図である。図3では、コネクタ100a及び蓋部8の断面構造が模式的に示されている。図3に示されるように、蓋部8は、例えば、基材80と、基材80に設けられた波長変換部81(第2波長変換部ともいう)とを備える。基材80及び波長変換部81のそれぞれは、例えば平板状を成している。基材80の中央部には貫通穴が設けられており、当該貫通穴に波長変換部81が配置されている。基材80は、平板状の波長変換部81の周方向に沿って波長変換部81を取り囲んでいる。波長変換部81は基材80に埋め込まれているとも言える。蓋部8は開口部102を覆い、蓋部8の波長変換部81は出射端101と対向する。
波長変換部81は、出射端101から出射されるレーザ光L1を、当該レーザ光L1の波長スペクトルとは異なる波長スペクトルを有する光L4(第2光ともいう)に変換して出射することが可能である。波長変換部81には、出射端101から出射されるレーザ光L1が照射される。波長変換部81は、レーザ光L1の照射に応じてレーザ光L1の波長スペクトルとは異なる波長スペクトルを有する光L4を発する。光L4は例えば可視光である。以後、光L4を変換光L4と呼ぶことがある。
波長変換部81としては、例えば、多数の蛍光体を含む蛍光体部分810が採用される。蛍光体部分810が含む蛍光体は、レーザ光L1の照射に応じて蛍光を発することができる。蛍光体が発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長は、レーザ光L1の波長スペクトルのピーク波長よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。本例では、蛍光体部分810が含む蛍光体が発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長は、例えば、レーザ光L1の波長スペクトルのピーク波長よりも大きいものとする。
蛍光体部分810に含まれる多数の蛍光体には、例えば1種類以上の蛍光体が含まれる。蛍光体部分810には、例えば、赤色蛍光体が含まれてもよいし、緑色蛍光体が含まれてもよいし、青色蛍光体が含まれてもよい。また、蛍光体部分810には、青緑色蛍光体が含まれてもよいし、黄色蛍光体が含まれてもよい。また、蛍光体部分810には、互いに異なるピーク波長を有する複数種類の蛍光体が含まれてもよい。この場合、蛍光体部分810には、例えば、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体、青緑色蛍光体及び黄色蛍光体の少なくとも2種類以上の蛍光体が含まれてもよい。
蛍光体部分810に複数種類の蛍光体が含まれる場合には、当該複数種類の蛍光体が発する蛍光が、蛍光体部分810が発する変換光L4を構成する。蛍光体部分810に複数種類の蛍光体が含まれる場合には、変換光L4の波長スペクトルは、互いに異なる複数の波長ピークを有する。例えば、蛍光体部分810に3種類以上の蛍光体が含まれる場合には、変換光L4の波長スペクトルは、互いに異なる3つ以上の波長ピークを有する。
波長変換部81(言い換えれば蛍光体部分810)の内側の面(言い換えれば出射端101と対向する面)81aには、出射端101から出射されるレーザ光L1が照射される被照射面81aa(弟1被照射面ともいう)が含まれる。被照射面81aaは、レーザ光L1が照射される面状の被照射領域であると言える。被照射面81aaは、基材80の内側の面80aから露出している。波長変換部81の外側の面81bは、基材80の外側の面80bから露出している。蓋部8の波長変換部81が発する変換光L4は、波長変換部81の外側の面81bからコネクタ100a及び蓋部8の外側に出射される。なお、変換光L4は、被照射面81aaからも出射される。
蓋部8はコネクタ100aに対して着脱可能であってもよい。この場合、相手コネクタ100bは、蓋部8が取り外されたコネクタ100aに接続される。また、蓋部8は、ヒンジ部等によって開閉可能にコネクタ100aに連結されてもよい。この場合、蓋部8は、ユーザによって開閉されてもよい。あるいは、蓋部8は、コネクタ100aに対する相手コネクタ100bの接続動作に連動して開き、コネクタ100aからの相手コネクタ100bの離脱動作に連動して閉じるように構成されてもよい。接続動作とは、コネクタ100aに対して相手コネクタ100bが接続される動作である。離脱動作とは、コネクタ100aに接続された相手コネクタ100bが、コネクタ100aから離れてコネクタ100aに接続されなくなる動作である。図4及び5は、この場合のコネクタ100a及び蓋部8の構成の一例を示す概略図である。図4には、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない様子の一例が模試的に示されている。図5には、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されている様子の一例が模試的に示されている。
図4及び5の例では、基材80は、例えば、蓋部8を閉じる側に付勢する弾性部材を有するヒンジ部80cを備える。蓋部8はヒンジ部80cを起点にして回動して内側に開くことが可能である。相手コネクタ100bがコネクタ100aに接続されていない状態では、ヒンジ部80cの付勢力によって、図4に示されるように、蓋部8が閉じた状態となっており、蓋部8は出射端101を覆っている。相手コネクタ100bがコネクタ100aに接続される場合には、図5に示されるように、相手コネクタ100bが蓋部8を内側に押しながら開口部102に挿入される。このとき、蓋部8がヒンジ部80cを起点にして開く方向に回動し、蓋部8は自動的に開いた状態となる。相手コネクタ100bがコネクタ100aから離脱する場合には、ヒンジ部80cの付勢力によって、相手コネクタ100bの外側への移動に応じて蓋部8がヒンジ部80cを起点にして閉じる方向に回動する。そして、相手コネクタ100bが開口部102から離脱した場合には、図4に示されるように蓋部8は自動的に閉じた状態となる。なお、蓋部8は、図4及び5に示される構成を有する場合であっても、コネクタ100aに対して着脱可能であってもよい。
以上のように、本例では、コネクタ100aに取り付けられる蓋部8には、当該コネクタ100aに位置する出射端101から出射されるレーザ光L1が照射され、レーザ光L1の照射に応じて変換光L4を発する波長変換部81が設けられている。コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない場合に、出射端101が蓋部8で覆われる際には、出射端101からレーザ光L1が出射されたとしても、当該レーザ光L1は波長変換部81によって変換光L4に変換される。これにより、レーザ光L1がコネクタ100aの外側に漏れにくくなる。よって、レーザシステム1の安全性が向上する。
例えば、図6に示されるように、レーザ装置2のコネクタ22に光ファイバケーブル5のコネクタ51が接続されていない場合に、コネクタ22に位置する出射端101が蓋部8で覆われる場合を考える。この場合には、コネクタ22に位置する出射端101からレーザ光L1が出射されたとしても、当該レーザ光L1はコネクタ22の外側に漏れにくくなる。
他の例として、図7に示されるように、光ファイバケーブル5のコネクタ52に波長変換装置3のコネクタ32が接続されていない場合に、コネクタ52に位置する出射端101が蓋部8で覆われる場合を考える。この場合には、コネクタ52に位置する出射端101からレーザ光L1が出射されたとしても、当該レーザ光L1はコネクタ52の外側に漏れにくくなる。
他の例として、図8に示されるように、波長変換装置3のコネクタ33に光ファイバケーブル6のコネクタ61が接続されていない場合に、コネクタ33に位置する出射端101が蓋部8で覆われる場合を考える。この場合には、コネクタ33の出射端101からレーザ光L1が出射されたとしても、当該レーザ光L1はコネクタ33の外側に漏れにくくなる。波長変換装置3が、部屋の天井裏など、人に近い場所に配置される場合に、波長変換装置3のコネクタ33に位置する出射端101が蓋部8で覆われることによって、レーザ光L1がコネクタ33から漏れて人に悪影響を与える可能性を低減することができる。
他の例として、図9に示されるように、光ファイバケーブル6のコネクタ62に放射部4のコネクタ40が接続されていない場合に、コネクタ62に位置する出射端101が蓋部8で覆われる場合を考える。この場合には、コネクタ62に位置する出射端101からレーザ光L1が出射されたとしても、当該レーザ光L1はコネクタ62の外側に漏れにくくなる。
なお、コネクタ22には蓋部8が取り付けられなくてよい。また、コネクタ52には蓋部8が取り付けられなくてよい。また、コネクタ33には蓋部8が取り付けられなくてよい。また、コネクタ62には蓋部8が取り付けられなくてよい。
また、本例では、波長変換部81が発する変換光L4は可視光であって、変換光L4はコネクタ100aの外側に出射される。これにより、ユーザは、可視光である変換光L4を確認することによって、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない状態でレーザ装置2がレーザ光L1を出射していることをすぐに特定することができる。よって、ユーザは、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止する等、適切な対処をすぐに行うことができる。その結果、レーザシステム1の安全性が向上する。
また、図4及び5の例のように、蓋部8が、コネクタ100aに対する相手コネクタ100bの接続動作に連動して開き、コネクタ100aからの相手コネクタ100bの離脱動作に連動して閉じるように構成される場合には、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない場合に出射端101を蓋部8で確実に覆うことができる。また、レーザ装置2がレーザ光L1を出射している場合に、コネクタ100aから相手コネクタ100bが外れた場合に、当該コネクタ100aに位置する出射端101を蓋部8で自動的に覆うことができる。よって、レーザシステム1の安全性がさらに向上する。
蓋部8が発する変換光L4の色温度は、波長変換装置3が発する変換光L2(言い換えれば照明光L3)の色温度と同じであってもよいし、異なっていてもよい。変換光L4の色温度が変換光L2の色温度と異なる場合には、言い換えれば、変換光L4の色が変換光L2の色と異なる場合には、ユーザは、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない状態でレーザ装置2がレーザ光L1を出射していることを特定し易くなる。変換光L2が、例えば疑似的な白色である場合には、変換光L4は、例えば、赤色、緑色、青色、青緑色あるいは黄色であってもよい。変換光L4が赤色である場合には、ユーザは、好ましくない状態が発生していることを直感的に認識することができる。
蓋部8の波長変換部81の厚みは、波長変換装置3の波長変換部31の厚みと同じであってもよい。あるいは、波長変換部81の厚みは、波長変換装置3の波長変換部31の厚みよりも小さくてもよい。あるいは、波長変換部81の厚みは、波長変換部31の厚みよりも大きくてもよい。この場合、波長変換部81が発する変換光L4の光量を大きくすることができることから、ユーザは、変換光L4を認識し易くなる。よって、ユーザは、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない状態でレーザ装置2がレーザ光L1を出射していることを特定し易くなる。また、波長変換部81の厚みが大きい場合には、レーザ光L1の照射によって波長変換部81の性能が劣化する可能性が低減する。
蓋部8の波長変換部81の被照射面81aaの面積は、波長変換装置3の波長変換部31の被照射面31aの面積と同じであってもよい。あるいは、被照射面81aaの面積は、被照射面31aの面積よりも小さくてもよい。あるいは、被照射面81aaの面積は、被照射面31aの面積よりも大きくてもよい。この場合、波長変換部81が発する変換光L4の光量を大きくすることができることから、ユーザは、変換光L4を認識し易くなる。よって、ユーザは、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない状態でレーザ装置2がレーザ光L1を出射していることを特定し易くなる。また、被照射面81aaの面積が大きい場合には、被照射面81aaに対するレーザ光L1の照射エネルギー密度(言い換えれば照射光強度)を小さくすることができる。これにより、波長変換部81の性能が劣化しにくくなる。
蓋部8の波長変換部81の被照射面81aaの面積は、出射端101の出射面積と同じであってもよい。出射端101が、光ファイバケーブルのクラッドの出射端面で構成される場合には、当該出射端面の面積が出射端101の出射面積となる。また、出射端101が、導波管等の出射開口で構成される場合には、当該出射開口の面積が出射端101の出射面積となる。また、出射端101が、集光レンズの表面に含まれる出射面で構成される場合には、当該出射面の面積が出射端101の出射面積となる。
被照射面81aaの面積は、出射端101の出射面積よりも小さくてもよい。あるいは、被照射面81aaの面積は、出射端101の出射面積よりも大きくてもよい。この場合、波長変換部81が発する変換光L4の光量を大きくすることができることから、ユーザは、変換光L4を認識し易くなる。よって、ユーザは、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない状態でレーザ装置2がレーザ光L1を出射していることを特定し易くなる。また、被照射面81aaの面積が大きい場合には、被照射面81aaに対するレーザ光L1の照射エネルギー密度を小さくすることができる。これにより、波長変換部81の性能が劣化しにくくなる。
蓋部8の基材80の少なくとも一部は、放熱性の高い材料で構成されてもよい。これにより、波長変換部81にレーザ光L1が照射されることによって波長変換部81に発生する熱を基材80から外部に放出し易くなる。その結果、波長変換部81で発生する熱によって波長変換部81の性能が劣化する可能性が低減する。放熱性の高い材料としては、例えば、アルミニウム合金及び銅合金が考えられる。また、基材80の少なくとも一部が、放熱性の高い材料で構成されることによって、基材80にレーザ光L1が照射される場合であっても、基材80が損傷しにくくなる。
また、蓋部8が取り付けられるコネクタ100aの少なくとも一部は、放熱性の高い材料で構成されてもよい。これにより、波長変換部81に発生する熱をコネクタ100aから外部に放出し易くなる。その結果、波長変換部81に発生する熱によって波長変換部81の性能が劣化する可能性が低減する。また、コネクタ100aの少なくとも一部が、放熱性の高い材料で構成されることによって、コネクタ100aにレーザ光L1が照射される場合であっても、コネクタ100aが損傷しにくくなる。
図10に示されるように、蓋部8は、波長変換部81の外側の面81b上に位置する、変換光L4を拡散する拡散部82を備えてもよい。拡散部82は例えば板状である。板状の拡散部82は拡散板82とも言える。拡散部82は、例えば、波長変換部の外側の面81b上と基材80の外側の面80b上とに位置する。拡散部82は、波長変換部81の外側の面81b上だけに位置してもよい。波長変換部81の外側の面81bから出射する変換光L4は、拡散部82を透過するときに拡散して拡散部82の外側に出射される。拡散部82は、例えば、表面に凹凸を有する透明の部材で構成されてもよい。当該部材は、例えば、ガラスで構成されてもよいし、樹脂で構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。また、拡散部82は、ガラスあるいは樹脂等から成る第1基材と、当該第1基材に含まれる、変換光L4を拡散するための複数の第1拡散粒子とで構成されてもよい。第1拡散粒子としては、変換光L4を反射する反射粒子が採用されてもよい。また、第1拡散粒子としては、反射粒子よりも透過率が大きく、第1基材よりも透過率が小さい粒子(第1低透過率粒子ともいう)が採用されてもよい。第1基材には、反射粒子及び第1低透過率粒子の少なくとも一方が含まれてもよい。
図10の例のように、蓋部8が、波長変換部81の外側の面81b上に位置する拡散部82を備える場合には、蓋部8から出射される変換光L4の広がりを大きくすることができる。これにより、ユーザは、変換光L4を認識し易くなる。よって、ユーザは、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない状態でレーザ装置2がレーザ光L1を出射していることを特定し易くなる。
コネクタ100a内に、出射端101を構成する集光レンズ103が設けられる場合、図11に示されるように、蓋部8の被照射面81aaは、集光レンズ103によって集光されたレーザ光L1の集光点Pから離れて位置してもよい。被照射面81aaが、レーザ光L1の集光点Pに位置する場合には、被照射面81aaに対するレーザ光L1の照射エネルギー密度が大きくなり、波長変換部81の性能が劣化する可能性がある。図11の例のように、被照射面81aaが、レーザ光L1の集光点Pから離れて位置する場合には、被照射面81aaに対するレーザ光L1の照射エネルギー密度を小さくすることができる。よって、波長変換部81の性能が劣化しにくくなる。
コネクタ100aに集光レンズ103が設けられる場合、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されたときには、相手コネクタ100bの先端に位置する入射端は、例えば集光点Pに位置してもよい。これにより、レーザ光L1が適切に相手コネクタ100bに入射される。
被照射面81aaでのレーザ光L1のスポット径d2は、集光レンズ103でのレーザ光L1の出射ビーム径d1と一致してもよい。あるいは、スポット径d2は出射ビーム径d1よりも小さくてもよい。あるいは、図12に示されるように、スポット径d2は出射ビーム径d1よりも大きくてもよい。この場合、波長変換部81が発する変換光L4の光量を大きくすることができることから、ユーザは、変換光L4を認識し易くなる。よって、ユーザは、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない状態でレーザ装置2がレーザ光L1を出射していることを特定し易くなる。また、スポット径d2が大きい場合には、被照射面81aaに対するレーザ光L1の照射エネルギー密度を小さくすることができる。よって、波長変換部81の性能が劣化しにくくなる。
スポット径d2は、出射ビーム径d1の2倍以上であってもよい。この場合、波長変換部81が発する変換光L4の光量をさらに大きくすることができることから、ユーザは、変換光L4をさらに認識し易くなる。よって、ユーザは、コネクタ100aに相手コネクタ100bが接続されていない状態でレーザ装置2がレーザ光L1を出射していることをさらに特定し易くなる。また、被照射面81aaに対するレーザ光L1の照射エネルギー密度を小さくすることができることから、波長変換部81の性能が劣化しにくくなる。
蓋部8は、被照射面81aa上に位置する、レーザ光L1を減衰する減衰フィルタ83及びレーザ光L1を拡散する拡散部84の少なくとも一方を備えてもよい。図13は被照射面81aa上に減衰フィルタ83が設けられている様子の一例を示す概略図である。図14は被照射面81aa上に拡散部84が設けられている様子の一例を示す概略図である。
図13に示されるように、減衰フィルタ83は、例えば平板状であって、出射端101と対向している。減衰フィルタ83には、出射端101から出射されるレーザ光L1が照射される。減衰フィルタ83は、照射されるレーザ光L1を吸収して減衰し、減衰後のレーザ光L1を被照射面81aaに出射する。減衰フィルタ83は、ガラスで構成されてもよいし、樹脂で構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。
図14に示されるように、拡散部84は、例えば平板状であって、出射端101と対向している。拡散部84には、出射端101から出射されるレーザ光L1が照射される。拡散部84は、照射されるレーザ光L1を拡散して被照射面81aaに出射する。拡散部84は、例えば、表面に凹凸を有する部材で構成されてもよい。当該部材は、例えば、ガラスで構成されてもよいし、樹脂で構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。また、拡散部84は、ガラスあるいは樹脂等から成る第2基材と、当該第2基材に含まれる、レーザ光L1を拡散するための複数の第2拡散粒子とで構成されてもよい。第2拡散粒子としては、レーザ光L1を反射する反射粒子が採用されてもよい。また、第2拡散粒子としては、反射粒子よりも透過率が大きく、第2基材よりも透過率が小さい粒子(第2低透過率粒子ともいう)が採用されてもよい。第2基材には、反射粒子及び第2低透過率粒子の少なくとも一方が含まれてもよい。
蓋部8は、図15に示されるように、減衰フィルタ83及び拡散部84の両方を備えてもよい。図15の例では、被照射面81aa上に減衰フィルタ83及び拡散部84が積層されている。図15の例では、減衰フィルタ83は被照射面81aa上に設けられ、拡散部84は減衰フィルタ83上に設けられている。なお、拡散部84が被照射面81aa上に設けられ、減衰フィルタ83が拡散部84上に設けられてもよい。また、図13~15に示される蓋部8は、図10に示される拡散部82を備えてもよい。
このように、被照射面81aa上に、減衰フィルタ83及び拡散部84の少なくとも一方が設けられる場合には、被照射面81aaに対するレーザ光L1の照射エネルギー密度を小さくすることができる。よって、波長変換部81の性能が劣化しにくくなる。
また、出射端101から出射されるレーザ光L1の一部は、変換光L4に変換されずに被照射面81aaで反射する。例えば、被照射面81aaに照射されたレーザ光L1の数%程度が被照射面81aaで反射する。被照射面81aaで反射したレーザ光L1は、レーザ装置2の光源21まで戻る戻り光成分となることがある。被照射面81aa上に、減衰フィルタ83及び拡散部84の少なくとも一方が設けられる場合には、レーザ光L1の戻り光成分の光強度を低減することができる。これにより、戻り光成分によって光源21が壊れたり、光源21の性能が低下したりする可能性を低減することができる。
上記の例では、基材80とは別に波長変換部81が設けられているが、基材80が波長変換部81を構成してもよい。また、波長変換部81は、基材80の内側の面80a上に設けられてもよい。図16~19は、波長変換部81が基材80の内側の面80a上に設けられている様子の一例を示す概略図である。図16及び17は上述の図3及び12にそれぞれ対応しており、図18は上述の図13及び14に対応しており、図19は上述の図15に対応している。図17には、コネクタ100a内に集光レンズ103が設けられている様子の一例が示されている。図18には、波長変換部81の被照射面81aa上に減衰フィルタ83あるいは拡散部84が設けられている様子の一例が示されている。図19には、波長変換部81の被照射面81aa上に減衰フィルタ83及び拡散部84が積層されている様子の一例が示されている。
図16~19の例において、基材80が、波長変換部81が発する変換光L4が透過しない材料で構成される場合、変換光L4は蓋部8から外部に出射されない。一方で、基材80が、変換光L4が透過する材料で構成される場合には、変換光L4は蓋部8から外部に出射される。
図16~19に示されるように、波長変換部81が基材80の内側の面80a上に設けられている場合であっても、出射端101から出力されるレーザ光L1は波長変換部81によって変換光L4に変換されることから、レーザ光L1がコネクタ100aの外側に漏れにくくなる。よって、レーザシステム1の安全性が向上する。
蓋部8では、波長変換部81の替わりに、出射端101から出射されるレーザ光L1を反射するミラー部85が設けられてもよい。図20は、蓋部8にミラー部85が設けられている様子の一例を示す概略図である。図20の例では、ミラー部85は、例えば平板状を成しており、基材80の内側の面80a上に設けられている。ミラー部85の内側の面85aは、レーザ光L1を反射する反射面85aを構成している。反射面85aは、金属で構成されてもよいし、誘電体で構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。
このように、蓋部8が、出射端101から出射されるレーザ光L1を反射するミラー部85を備える場合には、レーザ光L1がコネクタ100aの外側に漏れにくくなる。よって、レーザシステム1の安全性が向上する。
ミラー部85は、図3等に示される波長変換部81のように基材80に埋め込まれてもよい。また、基材80とは別にミラー部85を設けるのではなく、基材80がミラー部85を構成してもよい。
図21に示されるように、ミラー部85の反射面85aは凹凸を有していてもよい。この場合、反射面85aの算術平均粗さ(Ra)は、0.8μm以上であってもよいし、それ以外の値であってもよい。反射面85aが凹凸を有する場合、レーザ光L1を反射面85aで拡散することができる。これにより、反射面85aで反射して光源21に戻るレーザ光L1の光強度を低減することができる。その結果、光源21が壊れたり、光源21の性能が低下したりする可能性を低減することができる。
蓋部8は、反射面85a上に位置する減衰フィルタ83及び拡散部84の少なくとも一方を有してもよい。この場合、反射面85aは、図21に示されるように凹凸を有してもよい。図22及び23は、反射面85a上に減衰フィルタ83及び拡散部84の少なくとも一方が設けられている様子の一例を示す概略図である。図22には、反射面85a上に減衰フィルタ83あるいは拡散部84が設けられている様子の一例が示されている。図23には、反射面85a上に減衰フィルタ83及び拡散部84が積層されている様子の一例が示されている。
図22の例のように、反射面85a上に減衰フィルタ83が設けられる場合、減衰フィルタ83は、照射されるレーザ光L1を吸収して減衰し、減衰後のレーザ光L1を反射面85aに出射する。また、反射面85a上の拡散部84は、照射されるレーザ光L1を拡散して反射面85aに出射する。図23の例のように、反射面85a上の減衰フィルタ83の上に拡散部84が設けられている場合には、拡散部84は、照射されるレーザ光L1を拡散して減衰フィルタ83に出射する。減衰フィルタ83は、照射されるレーザ光L1を吸収して減衰し、減衰後のレーザ光L1を反射面85aに出射する。また、反射面85a上の拡散部84の上に減衰フィルタ83が設けられている場合には、減衰フィルタ83は、照射されるレーザ光L1を吸収して減衰し、減衰後のレーザ光L1を拡散部84に出射する。拡散部84は、照射されるレーザ光L1を拡散して反射面85aに出射する。
このように、反射面85a上に、減衰フィルタ83及び拡散部84の少なくとも一方が設けられる場合には、反射面85aで反射して光源21に戻るレーザ光L1の光強度を低減することができる。その結果、光源21が壊れたり、光源21の性能が低下したりする可能性を低減することができる。
図24に示されるように、ミラー部85の反射面85aは、レーザ光L1の光軸Aに垂直な面に対して傾斜してもよい。言い換えれば、反射面85aは、光軸Aに垂直な面と平行をなさなくてもよい。この場合、反射面85aは、図21に示されるように凹凸を有してもよい。
反射面85aが、光軸Aに垂直な面に対して傾斜している場合には、反射面85aで反射して光源21に戻るレーザ光L1の光強度を低減することができ。これにより、光源21が壊れたり、光源21の性能が低下したりする可能性を低減することができる。以後、レーザ光L1の光軸Aに垂直な面に対して傾斜している反射面85aを傾斜反射面85aと呼ぶことがある。
傾斜反射面85a上には、減衰フィルタ83及び拡散部84の少なくとも一方が設けられてもよい。図25及び26は、傾斜反射面85a上に減衰フィルタ83及び拡散部84の少なくとも一方が設けられている様子の一例を示す概略図である。図25には、傾斜反射面85a上に減衰フィルタ83あるいは拡散部84が設けられている様子の一例が示されている。図26には、傾斜反射面85a上に減衰フィルタ83及び拡散部84が積層されている様子の一例が示されている。
図25及び26の例のように、傾斜反射面85a上に、減衰フィルタ83及び拡散部84の少なくとも一方が設けられる場合には、反射面85aで反射して光源21に戻るレーザ光L1の光強度をさらに低減することができる。その結果、光源21が壊れたり、光源21の性能が低下したりする可能性をさらに低減することができる。
以後、図3~5,10~19のように、波長変換部81を備える蓋部8を第1蓋部8と呼ぶことがある。また、図20~26のように、ミラー部85を備える蓋部8を第2蓋部8と呼ぶことがある。
レーザシステム1が第1蓋部8を備える場合、レーザシステム1は、第1蓋部8の波長変換部81が発する変換光L4のうち、レーザ装置2まで伝搬する成分を検出したとき、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止してもよい。図27は、この場合のレーザシステム1(レーザシステム1Aともいう)の一部の構成の一例を示す概略図である。
図27に示されるように、レーザシステム1Aは、レーザ装置2の出力電力を制御することが可能な制御部9を備える。レーザシステム1Aが備えるレーザ装置2は、外装ケース20、光源21及びコネクタ22以外に、回折部23、フィルタ24及び光電変換部25を備える。回折部23、フィルタ24及び光電変換部25は、外装ケース20内に収容されている。図27ではコネクタ22の図示は省略されている。後述する図29,31,33においてもコネクタ22の図示は省略されている。
ここで、レーザシステム1Aでは、レーザ装置2から出射されたレーザ光L1のうち、レーザ装置2まで戻ってくる戻り光成分L1aが存在する。レーザ装置2と波長変換装置3が光ファイバケーブル5で接続されている場合、戻り光成分L1aには、波長変換装置3の波長変換部31で反射してレーザ装置2まで戻ってくるレーザ光L1が含まれる。また、コネクタ100aに位置する出射端101が第1蓋部8で覆われている場合には、戻り光成分L1aには、第1蓋部8の波長変換部81で反射してレーザ装置2まで戻ってくるレーザ光L1が含まれることがある。
また、レーザ装置2と波長変換装置3が光ファイバケーブル5で接続されている場合には、波長変換装置3の波長変換部31が発した変換光L2のうち、光ファイバケーブル5を伝ってレーザ装置2まで伝搬する成分L2a(第1伝搬成分L2aともいう)が存在する。
また、コネクタ100aに位置する出射端101が第1蓋部8で覆われている場合には、第1蓋部8の波長変換部81が発する変換光L4のうち、レーザ装置2まで伝搬する成分L4a(第2伝搬成分L4aともいう)が存在する。
例えば、上述の図6に示されるように、コネクタ22の出射端101が第1蓋部8で覆われている場合を考える。この場合、第1蓋部8の波長変換部81が発する変換光L4のうち、コネクタ22を通じて外装ケース20内に入る成分が第2伝搬成分L4aとなる。この場合には、第1伝搬成分L2aは存在しない。
他の例として、上述の図7に示されるように、レーザ装置2に接続された光ファイバケーブル5のコネクタ52に位置する出射端101が第1蓋部8で覆われている場合を考える。この場合、第1蓋部8の波長変換部81が発する変換光L4のうち、光ファイバケーブル5を伝搬してレーザ装置2に入射する成分が第2伝搬成分L4aとなる。この場合には、第1伝搬成分L2aは存在しない。
他の例として、上述の図8に示されるように、レーザ装置2と光ファイバケーブル5で接続された波長変換装置3のコネクタ33に位置する出射端101が第1蓋部8で覆われている場合を考える。この場合、第1蓋部8の波長変換部81が発する変換光L4のうち、波長変換部31を透過し、その後、光ファイバケーブル5を伝搬してレーザ装置2に入射する成分が第2伝搬成分L4aとなる。この場合には、第2伝搬成分L4aだけではなく、第1伝搬成分L2aも存在する。
他の例として、上述の図9に示されるように、レーザ装置2と光ファイバケーブル5で接続された波長変換装置3に接続された光ファイバケーブル6のコネクタ62に位置する出射端101が第1蓋部8で覆われている場合を考える。この場合、第1蓋部8の波長変換部81が発する変換光L4のうち、光ファイバケーブル6を伝搬した後に波長変換部31を透過し、その後光ファイバケーブル5を伝搬してレーザ装置2に入射する成分が第2伝搬成分L4aとなる。この場合には、第2伝搬成分L4aだけではなく、第1伝搬成分L2aも存在する。
なお、図1のように、コネクタ22,52,33,62に対してコネクタ51,32,61,40がそれぞれ接続されている場合には、第1伝搬成分L2aは存在するものの、第2伝搬成分L4aは存在しない。
レーザ装置2が備える回折部23には、光源21が出力するレーザ光L1が入力される。回折部23を透過したレーザ光L1は、コネクタ22からレーザ装置2の外部に出射される。このとき、レーザ光L1の数%程度の成分L1bが回折部23で分岐してフィルタ24に入力される。以後、成分L1bを分岐成分L1bと呼ぶことがある。
回折部23は、レーザ装置2に入射される戻り光成分L1aをフィルタ24まで導光する。また、回折部23は、レーザ装置2に入射される第1伝搬成分L2aをフィルタ24まで導光する。また、回折部23は、レーザ装置2に入射される第2伝搬成分L4aをフィルタ24まで導光する。
本例のレーザシステム1Aでは、変換光L2の第1伝搬成分L2a及び変換光L4の第2伝搬成分L4aの波長スペクトルのピーク波長は、レーザ光L1の戻り光成分L1a及び分岐成分L1bの波長スペクトルのピーク波長よりも大きくなっている。
フィルタ24は、例えばロングパスフィルタである。フィルタ24は、入力される戻り光成分L1a、分岐成分L1b、第1伝搬成分L2a及び第2伝搬成分L4aのうち、ピーク波長が大きい第1伝搬成分L2a及び第2伝搬成分L4aだけを透過させる。光電変換部25は、フィルタ24から出力される光成分F1(第1フィルタ出力成分F1ともいう)を電気信号ES1に変換して出力する。図6及び7のような構成の場合には、第1フィルタ出力成分F1には、第2伝搬成分L4aは含まれるものの、第1伝搬成分L2aは含まれない。また、図8及び9のような構成の場合には、第1フィルタ出力成分F1には、第1伝搬成分L2a及び第2伝搬成分L4aの両方が含まれる。そして、図1のような構成の場合には、第1フィルタ出力成分F1には、第1伝搬成分L2aは含まれるものの、第2伝搬成分L4aは含まれない。なお、フィルタ24は、入力される光のうち、特定の波長の成分のみを通過させるバンドパスフィルタであってもよい。
制御部9は、第1フィルタ出力成分F1に基づいて、レーザ装置2のレーザ光L1の出力電力を制御することが可能である。制御部9は制御回路とも言える。制御部9は、光源21用の電源(言い換えれば電力)を生成して光源21に供給する電源部90と、電源部90を制御する電源制御部91と、強度判定部92とを備える。光源21は、電源部90から供給される電源に基づいて動作を行う。
強度判定部92は、光電変換部25から出力される電気信号ES1に基づいて、第1フィルタ出力成分F1の光強度(第1光強度ともいう)が大きいか否かを判定する。電源制御部91は、強度判定部92での判定結果に基づいて電源部90を制御する。
電源制御部91及び強度判定部92から成る構成の少なくとも一部の機能は、例えば、その機能の実現のためにソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。また、電源制御部91及び強度判定部92から成る構成は、例えば、少なくとも一つのプロセッサを備えてもよい。この場合、当該少なくとも一つのプロセッサがプログラムを実行することによって、電源制御部91及び強度判定部92から成る構成の少なくとも一部の機能が実現されてもよい。
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、または複数の通信可能に接続された集積回路(IC)及び/またはディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、または他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。少なくとも一つのプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)が含まれてもよい。
図28は制御部9の動作の一例を示すフローチャートである。ステップs1において、強度判定部92は、光電変換部25から出力される電気信号ES1に基づいて、第1光強度が大きいか否かを判定する。強度判定部92は、例えば、電気信号ES1の信号レベルが第1しきい値以上の場合、第1光強度が大きいと判定する。強度判定部92は、電気信号ES1の信号レベルが第1しきい値よりも大きい場合、第1光強度が大きいと判定してもよい。
ここで、本例のレーザシステム1Aは、第2伝搬成分L4aの光強度が、第1伝搬成分L2aの光強度よりも大きくなるように構成されている。例えば、波長変換部81の厚みと被照射面81aaの面積を、波長変換部31の厚みと被照射面31aの面積よりもそれぞれ十分に大きくすることによって、第2伝搬成分L4aの光強度を、第1伝搬成分L2aの光強度よりも大きくすることができる。
本例では、第2伝搬成分L4aの光強度が、第1伝搬成分L2aの光強度よりも大きいことから、第1フィルタ出力成分に第1伝搬成分L2aが含まれているか否かにかかわらず、第1フィルタ出力成分に第2伝搬成分L4aが含まれている場合の第1光強度は、第1フィルタ出力成分F1に第2伝搬成分L4aが含まれていない場合の第1光強度よりも必ず大きくなる。したがって、第1光強度が大きい場合に、第1フィルタ出力成分F1に第2伝搬成分L4aが含まれると言える。よって、制御部9は、第1光強度が大きい場合に、第2伝搬成分L4aを検出したと判定することができる。
そこで、本例では、ステップs1において、第1光強度が大きいと判定されると、ステップs2において、電源制御部91は、制御部9が第2伝搬成分L4aを検出したと判定する。そして、ステップs3において、電源制御部91は、電源部90を制御して、光源21に対する電源の供給を電源部90に停止させる。これにより、レーザ装置2からのレーザ光L1の出射が停止される。一方で、ステップs1において、第1光強度が大きくないと判定されると、再度ステップs1が実行され、以後、制御部9は同様に動作する。
このように、制御部9は、第1蓋部8の波長変換部81が発する変換光L4のうち、レーザ装置2まで伝搬する成分、つまり第2伝搬成分L4aを検出した場合、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止する。相手コネクタ100bが接続されてないコネクタ100aに位置する出射端101からレーザ光L1が出射されており、当該出射端101が第1蓋部8で覆われている場合には、制御部9において第2伝搬成分L4aが検出される。したがって、制御部9が、第2伝搬成分L4aを検出した場合に、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止することによって、相手コネクタ100bが接続されていないコネクタ100aに位置する出射端101からレーザ光L1が出射される可能性を低減することができる。よって、レーザ光L1がコネクタ100aの外側に漏れにくくなり、レーザシステム1の安全性が向上する。
また、図4及び5の例のように、第1蓋部8が、コネクタ100aに対する相手コネクタ100bの接続動作に連動して開き、コネクタ100aからの相手コネクタ100bの離脱動作に連動して閉じるように構成される場合には、コネクタ100aから相手コネクタ100bが外れたときに、レーザ装置2のレーザ光L1の出射が自動的に停止する。よって、レーザシステム1の安全性がさらに向上する。
なお、第2伝搬成分L4aが、第1伝搬成分L2aには含まれない色成分だけで構成される場合には、フィルタ24は、戻り光成分L1a、分岐成分L1b、第1伝搬成分L2a及び第2伝搬成分L4aのうち、第2伝搬成分L4aだけを透過させるバンドパスフィルタであってもよい。この場合であっても、制御部9は、上記と同様に動作することによって、第2伝搬成分L4aを検出した場合に、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止することができる。変換光L2が、例えば、赤色の蛍光、緑色の蛍光及び青色の蛍光で構成され、変換光L4が例えば黄色の蛍光で構成される場合、変換光L4の第2伝搬成分L4aは、変換光L2の第1伝搬成分L2aには含まれない色成分だけで構成されることになる。
また、レーザシステム1Aは、波長変換装置3の波長変換部31が発する変換光L2のうち、レーザ装置まで伝達される成分、つまり第1伝搬成分L2aを検出できない場合、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止してもよい。図29は、この場合のレーザシステム1A(レーザシステム1AAともいう)の一部の構成の一例を示す概略図である。
図29に示されるように、レーザシステム1AAのレーザ装置2の構成は、レーザシステム1Aのレーザ装置2の構成にフィルタ26及び光電変換部27を追加したものである。また、レーザシステム1AAは上述の制御部9を備える。
本例の回折部23は、戻り光成分L1a、分岐成分L1b、第1伝搬成分L2a及び第2伝搬成分L4aを、フィルタ24及び27のそれぞれまで導光する。
本例のレーザシステム1AAでは、第1伝搬成分L2aには、第2伝搬成分L4aには含まれない色成分(特定色成分ともいう)が含まれている。例えば、変換光L4が赤色の蛍光で構成され、変換光L2が、赤色の蛍光、緑色の蛍光及び青色の蛍光で構成される場合には、緑色の蛍光及び青色の蛍光のそれぞれが特定色成分となる。
フィルタ26は、例えばバンドパスフィルタである。フィルタ26は、入力される戻り光成分L1a、分岐成分L1b、第1伝搬成分L2a及び第2伝搬成分L4aのうち、特定色成分だけを透過させる。例えば、変換光L4が赤色の蛍光で構成され、変換光L2が、赤色の蛍光、緑色の蛍光及び青色の蛍光で構成される場合、フィルタ26は、例えば青色の蛍光だけを透過させる。光電変換部27は、フィルタ26から出力される光成分F2(第2フィルタ出力成分F2ともいう)を電気信号ES2に変換して出力する。
本例の制御部9は、第1フィルタ出力成分F1及び第2フィルタ出力成分F2に基づいて、レーザ装置2のレーザ光L1の出力電力を制御することが可能である。本例の制御部9の強度判定部92は、光電変換部25から出力される電気信号ES1に基づいて、第1光強度が大きいか否かを判定する。また、強度判定部92は、光電変換部27から出力される電気信号ES2に基づいて、第2フィルタ出力成分F2の光強度(第2光強度ともいう)が小さいか否かを判定する。本例の制御部9の電源制御部91は、強度判定部92での判定結果に基づいて電源部90を制御する。
図30は本例の制御部9の動作の一例を示すフローチャートである。図30に示されるように、上述のステップs1が実行される。ステップs1においてYESと判定されると、上述のステップs2及びs3が順次実行される。これにより、上記と同様に、第2伝搬成分L4aが検出された場合、レーザ装置2のレーザ光L1の出射が停止される。
一方で、ステップs2においてNoと判定されると、ステップs11が実行される。ステップs11では、強度判定部92が、電気信号ES2に基づいて、第2フィルタ出力成分F2の光強度、つまり第2光強度が小さいか否かを判定する。強度判定部92は、例えば、電気信号ES2の信号レベルが第2しきい値以下の場合、第2光強度が小さいと判定する。強度判定部92は、電気信号ES2の信号レベルが第2しきい値未満の場合、第2光強度が小さいと判定してもよい。
ここで、図6及び7のように、レーザ装置2に波長変換装置3が接続されておらず、第1伝搬成分L2aが存在しない場合には、第2フィルタ出力成分F2には特定色成分が含まれない。したがって、第2光強度は小さくなる。一方で、図1,8及び9のように、レーザ装置2に波長変換装置3が接続されており、第1伝搬成分L2aが存在する場合には、第2フィルタ出力成分F2に特定色成分が含まれる。したがって、第2光強度は大きく成る。
そこで、本例では、ステップs11において、第2光強度が小さいと判定されると、ステップs12において、電源制御部91は、制御部9が第1伝搬成分L2aを検出できないと判定する。その後、上述のステップs3が実行され、レーザ装置2からのレーザ光L1の出射が停止される。一方で、ステップs11において、第2光強度が小さくないと判定されると、再度ステップs1が実行され、以後、制御部9は同様に動作する。
このように、レーザシステム1AAでは、制御部9が、波長変換装置3が発する変換光L2のうち、レーザ装置2まで伝搬する成分、つまり第1伝搬成分L2aを検出できない場合、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止する。レーザ装置2に波長変換装置3が接続されていない場合には、制御部9は第1伝搬成分L2aを検出できない。したがって、制御部9が第1伝搬成分L2aを検出できない場合にレーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止することによって、レーザ装置2に波長変換装置3が接続されていないときに、レーザ装置2がレーザ光L1を出射する可能性を低減することができる。よって、コネクタ100aからレーザ光L1が漏れにくくなり、その結果、レーザシステム1の安全性が向上する。
なお、制御部9は、まずステップs11を実行し、ステップs11においてNOと判定したときにステップs1を実行してもよい。この場合、ステップs1においてNOと判定されると、ステップs11が再度実行される。また制御部9は、ステップs1及びs2を実行しなくてもよい。この場合には、ステップs11においてNoと判定されるとステップs11が再度実行される。また、この場合には、レーザシステム1AAでは、フィルタ24及び光電変換部25が不要となる。
レーザシステム1が第2蓋部8を備える場合、レーザシステム1は、第2蓋部8のミラー部85で反射されたレーザ光L1のうち、レーザ装置2まで伝搬する成分を検出したとき、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止してもよい。図31は、この場合のレーザシステム1(レーザシステム1Bともいう)の一部の構成の一例を示す概略図である。
図31に示されるように、レーザシステム1Bのレーザ装置2は、外装ケース20、光源21及びコネクタ22以外に、上述の回折部23及び光電変換部25と、フィルタ28とを備えている。また、レーザシステム1Bは上述の制御部9を備える。
レーザシステム1Bでは、上述の第2伝搬成分L4aは存在しない。レーザ装置2と波長変換装置3が光ファイバケーブル5で接続されている場合、レーザシステム1Bでの戻り光成分L1aには、波長変換装置3の波長変換部31で反射してレーザ装置2まで戻ってくるレーザ光L1(波長変換部31からの戻り光成分ともいう)が含まれる。また、コネクタ100aに位置する出射端101が第2蓋部8で覆われている場合、レーザシステム1Bでの戻り光成分L1aには、第2蓋部8のミラー部85で反射してレーザ装置2まで戻ってくるレーザ光L1(ミラー部85からの戻り光成分ともいう)が含まれることがある。
レーザシステム1Bの回折部23は、戻り光成分L1a、分岐成分L1b及び第1伝搬成分L2aをフィルタ28まで導光する。フィルタ28は、例えばショーパスフィルタである。フィルタ28は、入力される戻り光成分L1a、分岐成分L1b及び第1伝搬成分L2aのうち、戻り光成分L1a及び分岐成分L1bだけを透過させる。本例の光電変換部25は、フィルタ28から出力される光成分F3(第3フィルタ出力成分F3ともいう)を電気信号ES3に変換して出力する。図6及び7のような構成の場合には、第3フィルタ出力成分F3には、ミラー部85からの戻り光成分は含まれるものの、波長変換部31からの戻り光成分は含まれない。また、図8及び9のような構成の場合には、第3フィルタ出力成分F3には、ミラー部85からの戻り光成分と、波長変換部31からの戻り光成分の両方が含まれる。そして、図1のような構成の場合には、第3フィルタ出力成分F3には、波長変換部31からの戻り光成分は含まれるものの、ミラー部85からの戻り光成分は含まれない。
本例の制御部9は、第3フィルタ出力成分F3に基づいて、レーザ装置2のレーザ光L1の出力電力を制御することが可能である。本例の制御部9の強度判定部92は、光電変換部25から出力される電気信号ES3に基づいて、第3フィルタ出力成分F3の光強度(第3光強度ともいう)が大きいか否かを判定する。本例の制御部9の電源制御部91は、強度判定部92での判定結果に基づいて電源部90を制御する。
図32は本例の制御部9の動作の一例を示すフローチャートである。ステップs21において、強度判定部92は、電気信号ES3に基づいて、第3フィルタ出力成分F3の光強度、つまり第3光強度が大きいか否かを判定する。強度判定部92は、例えば、電気信号ES3の信号レベルが第3しきい値以上の場合、第3光強度が大きいと判定する。強度判定部92は、電気信号ES3の信号レベルが第3しきい値よりも大きい場合、第3光強度が大きいと判定してもよい。
ここで、本例のレーザシステム1Bは、ミラー部85からの戻り光成分の光強度が、波長変換部31からの戻り光成分の光強度よりも大きくなるように構成されている。これにより、戻り光成分L1aに波長変換部31からの戻り光成分が含まれているか否かにかかわらず、戻り光成分L1aにミラー部85からの戻り光成分が含まれている場合の第3光強度は、戻り光成分L1aにミラー部85からの戻り光成分が含まれていない場合の第3光強度よりも必ず大きくなる。したがって、第3光強度が大きい場合に、第3フィルタ出力成分F3にミラー部85からの戻り光成分が含まれると言える。よって、制御部9は、第3光強度が大きい場合に、ミラー部85からの戻り光成分を検出したと判定することができる。
そこで、本例では、ステップs21において、第3光強度が大きいと判定されると、ステップs22において、電源制御部91は、制御部9がミラー部85からの戻り光成分を検出したと判定する。その後、上述のステップs3が実行され、レーザ装置2からのレーザ光L1の出射が停止される。一方で、ステップs21において、第3光強度が大きくないと判定されると、再度ステップs21が実行され、以後、制御部9は同様に動作する。
このように、制御部9は、第2蓋部8のミラー部85で反射されたレーザ光L1のうち、レーザ装置2まで伝搬する成分、つまりミラー部85からの戻り光成分を検出した場合、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止する。相手コネクタ100bが接続されてないコネクタ100aに位置する出射端101からレーザ光L1が出射されており、当該出射端101が第2蓋部8で覆われている場合には、制御部9においてミラー部85からの戻り光成分が検出される。したがって、制御部9が、ミラー部85からの戻り光成分を検出した場合に、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止することによって、相手コネクタ100bが接続されていないコネクタ100aに位置する出射端101からレーザ光L1が出射される可能性を低減することができる。よって、レーザ光L1がコネクタ100aの外側に漏れにくくなり、レーザシステム1の安全性が向上する。
また、図4及び5の例のように、第2蓋部8が、コネクタ100aに対する相手コネクタ100bの接続動作に連動して開き、コネクタ100aからの相手コネクタ100bの離脱動作に連動して閉じるように構成される場合には、コネクタ100aから相手コネクタ100bが外れたときに、レーザ装置2のレーザ光L1の出射が自動的に停止する。よって、レーザシステム1の安全性がさらに向上する。
レーザシステム1Bは、レーザシステム1AAと同様に、第1伝搬成分L2aを検出できない場合、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止してもよい。図33は、この場合のレーザシステム1B(レーザシステム1BBともいう)の一部の構成の一例を示す概略図である。
本例のレーザシステム1BBでは、レーザシステム1AAと同様に、第1伝搬成分L2aには、第2伝搬成分L4aには含まれない色成分(つまり特定色成分)が含まれている。例えば、変換光L4が赤色の蛍光で構成され、変換光L2が、赤色の蛍光、緑色の蛍光及び青色の蛍光で構成される場合には、緑色の蛍光及び青色の蛍光のそれぞれが特定色成分となる。
図33に示されるように、レーザシステム1BBのレーザ装置2の構成は、レーザシステム1Bのレーザ装置2の構成において、上述のフィルタ26及び光電変換部27を追加したものである。また、レーザシステム1BBは上述の制御部9を備える。
本例の回折部23は、戻り光成分L1a、分岐成分L1b及び第1伝搬成分L2aを、フィルタ26及び28のそれぞれまで導光する。本例のフィルタ26は、入力される戻り光成分L1a、分岐成分L1b及び第1伝搬成分L2aのうち、特定色成分だけを透過させる。例えば、変換光L4が赤色の蛍光で構成され、変換光L2が、赤色の蛍光、緑色の蛍光及び青色の蛍光で構成される場合、フィルタ26は、例えば青色の蛍光だけを透過させる。本例の光電変換部27は、フィルタ26から出力される光成分F2、つまり第2フィルタ出力成分F2を電気信号ES2に変換して出力する。
本例の制御部9は、第2フィルタ出力成分F2及び第3フィルタ出力成分F3に基づいて、レーザ装置2のレーザ光L1の出力電力を制御することが可能である。本例の制御部9の強度判定部92は、光電変換部25から出力される電気信号ES3に基づいて、第3光強度が大きいか否かを判定する。また、強度判定部92は、光電変換部27から出力される電気信号ES2に基づいて、第2フィルタ出力成分F2の光強度、つまり第2光強度が小さいか否かを判定する。本例の制御部9の電源制御部91は、強度判定部92での判定結果に基づいて電源部90を制御する。
図34は本例の制御部9の動作の一例を示すフローチャートである。図34に示されるように、上述のステップs21が実行される。ステップs21においてYESと判定されると、上述のステップs22及びs3が順次実行される。これにより、上記と同様に、ミラー部85からの戻り光成分が検出された場合、レーザ装置2のレーザ光L1の出射が停止される。
一方で、ステップs21においてNoと判定されると、上述のステップs11が実行される。ステップs11においてYESと判定されると、上述のステップs12及びs3が順次実行される。これにより、制御部9は、第1伝搬成分L2aが検出できない場合に、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止する。一方で、ステップs12においてNOと判定されると、再度ステップs21が実行され、以後、制御部9は同様に動作する。
このように、レーザシステム1BBでは、制御部9が、第1伝搬成分L2aを検出できない場合、レーザ装置2のレーザ光L1の出射を停止する。これにより、レーザ装置2に波長変換装置3が接続されていないときに、レーザ装置2がレーザ光L1を出射する可能性を低減することができる。よって、コネクタ100aからレーザ光L1が漏れにくくなり、その結果、レーザシステム1の安全性が向上する。
なお、制御部9は、まずステップs11を実行し、ステップs11においてNOと判定したときにステップs21を実行してもよい。この場合、ステップs21においてNOと判定されると、ステップs11が再度実行される。また制御部9は、ステップs21及びs22を実行しなくてもよい。この場合には、ステップs11においてNoと判定されるとステップs11が再度実行される。また、この場合には、レーザシステム1BBでは、フィルタ28及び光電変換部25が不要となる。
上記の例では、波長変換装置3に接続された放射部4が照明光L3を放射しているが、図35に示されるように、波長変換装置3が、波長変換部31が発する変換光L2を照明光L3として放射してもよい。この場合、レーザシステム1では、コネクタ33、光ファイバケーブル6及び放射部4が不要となる。
上記の例では、レーザ装置2と波長変換装置3とが光ファイバケーブル5で接続されているが、図36に示されるように、レーザ装置2と波長変換装置3とは互いに直接接続されてもよい。図36の例では、レーザ装置2のコネクタ22と波長変換装置3のコネクタ32とが接続されている。
上記の例では、波長変換装置3と放射部4が光ファイバケーブル6で接続されているが、図37に示されるように、波長変換装置3と放射部4とは互いに直接接続されてもよい。図37の例では、波長変換装置3のコネクタ33と放射部4のコネクタ40とが接続されている。
上記の例では、レーザ光L1の出射部に設けられたコネクタ100aはメス型であったが、オス型であってもよい。この場合、蓋部8は、オス型のコネクタ100aの先端に位置する出射端101を覆ってもよい。
また、レーザシステム1は、例えば、内視鏡システムにおいて利用されてもよい。この場合、レーザシステム1が放射する照明光L3は、胃腸内等の体内を照らす照明光として利用される。
また、レーザシステム1は、照明光L3を放射しなくてもよい。この場合、例えば、プロジェクタの光源としてレーザシステム1が使用され、レーザシステム1の波長変換装置3が発する変換光L2が、プロジェクタの光源の光として利用されてもよい。
以上のように、レーザシステム1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。