JP7412297B2 - 工作機械のタッチプローブの校正方法及び幾何誤差同定方法 - Google Patents

工作機械のタッチプローブの校正方法及び幾何誤差同定方法 Download PDF

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Description

本発明は、工作機械のタッチプローブの校正方法及び幾何誤差同定方法に関するものである。
テーブルに取り付けた工作物に対する、主軸に装着して回転する工具の相対位置を、送り軸により制御して加工を行う工作機械では、工作物や治具の位置や寸法を計測するために、例えば、図2に示すようなタッチプローブ20が用いられることが一般的である。
タッチプローブ20は、先端のスタイラス球11が対象物に接触するとトリガー信号を出力するセンサである。主軸2にタッチプローブ20を装着し、送り軸によりタッチプローブ20を工作物に接触させ、その際にタッチプローブ20が出力したトリガー信号を工作機械の制御装置が検知して、信号を受けた時点もしくは遅れを考慮した時点での送り軸の位置を取得する。工作機械では、位置の基準が主軸の回転軸線となるため、主軸軸線に対するタッチプローブのスタイラスの先端の形状や振れ回り量およびトリガー出力時のスタイラスの動作量などに対する補正値を用いて位置検出値を補正する。これにより、主軸軸線を基準とした対象物の位置計測を行うことができる。したがって、タッチプローブの補正値を校正することは、タッチプローブの計測精度を確保する上で重要である。
タッチプローブの校正方法として、特許文献1や特許文献2に開示されている方法が知られている。
特許文献1には、図2に示すように、主軸2の軸線に対してスタイラス軸線が平行であるストレート形のタッチプローブ20における基準球12を用いた自動校正方法が記載されている。スタイラス球11を、テーブル3上の基準球12の水平方向に接触させる際に、スタイラス球11の同一点で基準球12に接触するように主軸2を割り出して基準球12の4方向を測定することで、タッチプローブ20の振れ回りやセンサの異方性の影響を排除することができ、赤道面を決定するための垂直方向の2点の測定も含めた計8点の測定により基準球12の中心に対する主軸軸線の芯合わせを行う。その後、任意のプローブ径方向に接触させて補正値を取得することで校正を行う。
特許文献2では、図3に示すように、主軸2の軸線に対してスタイラス軸線がオフセットしているオフセット形のタッチプローブ10の校正方法が記載されている。基準球12の水平方向にタッチプローブ10を接触させる際に、主軸2を基準角度に割り出した状態で直交4方向に接触を行わせて4点測定し、主軸2を基準角度+180°割り出した状態で同様に4点測定し、赤道面を決定するための垂直方向の2点の測定とスタイラス球11の径の推定のための2点の測定とを含めた計12点の測定により基準球12の中心に対する主軸軸線の芯合わせを行う。この方法ではタッチプローブ10のオフセット量も同時に算出するため、オフセット量が正確にわかっていないオフセット形のタッチプローブ10の校正にも適用することができる。
特開2017-194451号公報 特開2017-61012号公報
特許文献1の方法では、基準球の中心に対する主軸軸線の芯合わせの際に、8点の測定と6回の主軸割出とを行う。一方、特許文献2の方法では、基準球の中心に対する主軸軸線の芯合わせの際に、12点の測定と2回の主軸割出とを行う。したがって、特許文献2の方法では、オフセット形のタッチプローブの校正ができる利点はあるが、測定点数が多くなるため測定時間が長くなるという課題がある。
そこで、本発明は、オフセット形のタッチプローブであっても短時間で校正が可能となるタッチプローブの校正方法及び幾何誤差同定方法を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、本発明は、3軸以上の並進軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、工作物および治具を固定可能なテーブルと、前記並進軸および前記主軸を制御する制御装置とを有する工作機械において、基準球を用いて前記主軸に装着したタッチプローブを校正する方法であって、
前記基準球の中心からZ方向に離れたおおよその位置に前記タッチプローブを位置決めさせた状態から、前記基準球のZ方向の少なくとも1点に前記タッチプローブを接触させて測定し、X,Y,Z方向の前記基準球の中心の目標座標値をそれぞれ決定する中心目標値決定ステップと、
前記主軸を第1基準角度に割り出して、前記基準球の赤道上のX方向の2点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のX方向の座標値である第1X中心座標値を算出して、該第1X中心座標値を用いてX方向の前記目標座標値を更新する第1X中心目標値更新ステップと、
前記主軸を前記第1基準角度に割り出した状態で、前記基準球の赤道上のY方向の2点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のY方向の座標値である第1Y中心座標値を算出して、該第1Y中心座標値を用いてY方向の前記目標座標値を更新する第1Y中心目標値更新ステップと、
前記主軸を第2基準角度に割り出して、前記基準球の赤道上のX方向の2点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のX方向の座標値である第2X中心座標値を算出して、該第2X中心座標値を用いて、前記第1X中心目標値更新ステップで更新されたX方向の前記目標座標値を更新する第2X中心目標値更新ステップと、
前記主軸を前記第2基準角度に割り出した状態で、前記基準球の赤道上のY方向の2点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のY方向の座標値である第2Y中心座標値を算出するY中心座標値計測ステップと、
前記第1X中心座標値と、前記第2X中心座標値と、前記第1Y中心座標値と、前記第2Y中心座標値とから、前記基準球の中心のX方向の座標値およびY方向の座標値である第3X中心座標値および第3Y中心座標値を算出すると共に、前記タッチプローブのオフセット量と、前記タッチプローブの先端に設けたスタイラス球の半径とを算出して、前記第3X中心座標値および前記第3Y中心座標値を用いて、前記第2X中心目標値更新ステップで更新されたX方向の前記目標座標値と、前記第1Y中心目標値更新ステップで更新されたY方向の前記目標座標値とを更新するXY中心目標値更新ステップと、
前記主軸を計測用角度に割り出すと共に、前記XY中心目標値更新ステップで更新されたX方向およびY方向の各前記目標座標値に前記主軸を位置決めした状態で、前記基準球のZ方向の少なくとも1点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のZ方向の座標値であるZ中心座標値を算出して、該Z中心座標値を用いてZ方向の前記目標座標値を更新するZ中心目標値更新ステップと、
前記タッチプローブを前記基準球の複数の任意の点に接触させて測定し、該測定の測定値と、前記XY中心目標値更新ステップおよび前記Z中心目標値更新ステップでそれぞれ更新されたX,Y,Z方向の各前記目標座標値をもとにそれぞれの点での補正値を算出する補正値算出ステップと、
を実行することを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記構成において、前記第2基準角度が前記第1基準角度に対して180°オフセットした角度であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明は、3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、工作物および治具を固定可能なテーブルと、前記並進軸および前記回転軸および前記主軸を制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着したタッチプローブと基準球とを用いて、任意の姿勢及び/又は角度に割り出した前記基準球の中心位置を計測し、得られた計測値群と、前記基準球の中心指令位置とに基づいて、前記工作機械の幾何学的な誤差を同定する工作機械の幾何誤差同定方法であって、
前記基準球の初期位置を前記タッチプローブで計測すると同時に、請求項1又は2に記載のタッチプローブの校正方法を用いて補正値を算出し、前記補正値に基づいて前記初期位置を補正することを特徴とする。
本発明によれば、オフセット形のタッチプローブであっても、少なくとも計10点の測定で基準球の中心に対する主軸軸線の芯合わせを行うことができ、特許文献2に開示の方法より短時間でオフセット形のタッチプローブの校正が可能となる。
本発明は、オフセット形のタッチプローブだけでなく、ストレート形のタッチプローブにも適用できる。特に、主軸割出時間が長い工作機械でのストレート形のタッチプローブを校正する場合、主軸割出回数が2回と少なくなるため、特許文献1の方法に対して短時間な校正が可能となる。
5軸制御マシニングセンタの模式図である。 ターゲット球とストレート形のタッチプローブとの模式図である。 ターゲット球とオフセット形のタッチプローブとの模式図である。 タッチプローブの校正方法のフローチャートである。 タッチプローブによるX方向の1回目の計測状態を示す模式図である。 タッチプローブによるY方向の1回目の計測状態を示す模式図である。 タッチプローブによるX方向の2回目の計測状態を示す模式図である。 タッチプローブによるY方向の2回目の計測状態を示す模式図である。 幾何誤差同定方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、工作機械の一形態であり、3つの互いに直交する並進軸と2つの互いに直交する回転軸とを有する5軸制御マシニングセンタの模式図である。
主軸2は、並進軸であり互いに直交するX軸、Z軸によってベッド1に対して並進2自由度の運動が可能である。テーブル3は、回転軸であるC軸によってクレードル4に対して回転1自由度の運動が可能である。クレードル4は、回転軸でありC軸に対して直交するA軸によってトラニオン5に対して回転1自由度の運動が可能である。トラニオン5は、並進軸でありX軸およびZ軸に直交するY軸によりベッド1に対して並進1自由度の運動が可能である。したがって、主軸2は、テーブル3に対して並進3自由度および回転2自由度の運動が可能である。各送り軸は、図示していない数値制御装置により制御されるサーボモータにより駆動され、工作物をテーブル3に固定し、主軸2に工具を装着して回転させ、工作物と工具の相対位置および相対姿勢を制御することで、工作物の加工を行うことができる。
なお、本発明に関わる機械としては、マシニングセンタに限らず旋盤や複合加工機、研削盤などの工作機械でもよい。また、軸数は5軸に限らず、3軸、4軸、6軸でもよい。回転軸が0、1、2、3軸でもよい。さらにまた、回転軸によりテーブル3が回転2自由度以上を持つ機構に限らず、主軸2を備える主軸頭が回転2自由度以上を持つ機構や、主軸頭とテーブル3とがそれぞれ回転1自由度以上を持つ機構でもよい。
次に、タッチプローブの校正方法について、図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の説明で述べるタッチプローブの移動方向であるX,Y,Z方向は互いに直交関係にあり、それぞれX,Y,Z軸と平行であり、Z方向とタッチプローブのスタイラス軸方向および主軸の軸線方向は平行であるとする。ただし、この関係に限定するものではなく、X,Y,Z方向とX,Y,Z軸方向とは平行ではなく傾いた関係であってもよい。また、スタイラス軸方向が別の並進軸の軸方向と平行であったり傾いていたりしていてもよい。
ステップ(以下「S」と表記する)1では、図3に示すように、主軸2にオフセット形のタッチプローブ10を装着し、テーブル3に基準球12を取り付け、主軸2を計測用角度0°に割り出した状態で、タッチプローブ10のスタイラス球11が、基準球12の中心位置に対してZプラス方向のおよその位置に位置決めされた状態から、Zマイナス方向に移動させ、スタイラス球11を基準球12に接触させてZ軸位置zp1を検出する。Z軸位置zp1、タッチプローブ10の長補正値Tz、基準球12の半径Rを用いて、以下の数1により、Z方向での基準球12の中心位置の仮の座標値(以下「仮Z中心座標値」という。)Ziを算出する。
[数1]
Zi=zp1-Tz-R
S2では、S1で得た仮Z中心座標値Ziを、Z方向での基準球12の中心位置の目標座標値(以下「Z中心目標値」という。)Zoとする。さらに、以下の数2に示すように、それぞれX,Y軸の現在値Xi,Yiにタッチプローブ10のX,Y方向のオフセット量想定値Tx,Tyを加味して、X,Y方向での基準球12の中心位置のそれぞれの目標座標値(以下「X中心目標値」「Y中心目標値」という。)Xo,Yoを決定する。
スタイラス球11の位置を基準球12に対しておおよその位置から計測を開始したため、X,Y,Z中心目標値Xo,Yo,Zoは、実際の中心位置からずれた位置となる。
[数2]
Xo=Xi+Tx
Yo=Yi+Ty
Zo=Zi
S3では、主軸2を基準角度0°に割り出した状態で、予め設定したスタイラス球11の想定半径riとZ中心目標値Zoとを用いて、スタイラス球11の中心位置が基準球12の赤道面になるZ座標値を決定し、該Z座標値に位置決めし、X,Y中心目標値Xo,Yo、基準球12の半径R、プローブオフセット量想定値Tx,Tyを考慮して、図5に示すように、Xプラス方向からスタイラス球11を基準球12に接触させてXプラス方向位置xp1を検出する。
なお、主軸2の基準角度が計測用角度と異なる場合は、主軸2を割り出してから計測を行う。
さらに、Xマイナス方向からスタイラス球11を基準球12に接触させてXマイナス方向位置xm1を検出する。
これらの検出値xp1,xm1を用いて、以下の数3に基づき、X方向の主軸0°での中心位置の座標値(以下「0°X中心座標値」という。)Xc1を算出する。
[数3]
Xc1=(xp1+xm1)/2
S4では、S3で求めた0°X中心座標値Xc1およびプローブオフセット量想定値Txを用いて、以下の数4に基づき、X中心目標値Xoを更新する。
[数4]
Xo=Xc1+Tx
S5では、主軸2を基準角度0°に割り出した状態のまま、S3と同様に、図6に示すようにYプラス方向からスタイラス球11を基準球12に接触させてYプラス方向位置yp1を検出し、さらに、Yマイナス方向からスタイラス球11を基準球12に接触させてYマイナス方向位置ym1を検出する。
ここで、S4で更新したX中心目標値Xoを目標に計測することで、スタイラス球11の中心を基準球12のY方向の頂点に正確に接触させることができる。
これらの検出値yp1,ym1を用いて、以下の数5に基づき、Y方向の主軸0°での中心位置の座標値(以下「0°Y中心座標値」という。)Yc1、Y方向幅Yw1を算出する。
[数5]
Yc1=(yp1+ym1)/2
Yw1=(yp1-ym1)/2
S6では、S5で求めた0°Y中心座標値Yc1およびプローブオフセット量想定値Tyを用いて、以下の数6に基づき、Y中心目標値Yoを更新する。
[数6]
Yo=Yc1+Ty
S7では、主軸2を基準角度に対して180°の角度、すなわち180°に割り出し、S3と同様に、図7に示すようにXプラス方向およびXマイナス方向からスタイラス球11を基準球12に接触させて、それぞれXプラス方向位置xp2、Xマイナス方向位置xm2を検出する。
ここで、S6で更新したY中心目標値Yoを目標に計測することで、オフセット量Tyの誤差の影響は残るが、スタイラス球11の中心を基準球12のX方向の頂点に正確に接触させることができる。
これらの検出値xp2,xm2を用いて、以下の数7に基づき、X方向の主軸180°での中心位置の座標値(以下「180°X中心座標値」という。)Xc2を算出する。
[数7]
Xc2=(xp2+xm2)/2
S8では、S7で求めた180°X中心座標値Xc2(第2X中心座標値)を用いて、以下の数8に基づき、X中心目標値Xoを更新する。
[数8]
Xo=Xc2-Tx
S9では、主軸2を基準角度180°に割り出した状態のまま、S3と同様に、図8に示すようにYプラス方向およびYマイナス方向からスタイラス球11を基準球12に接触させて、それぞれYプラス方向位置yp2、Yマイナス方向位置ym2を検出する。
ここで、S8で更新したX中心目標値Xoを目標に計測することで、スタイラス球11の中心を基準球12のX方向の頂点に正確に接触させることができる。
これらの検出値yp2,ym2を用いて、以下の数9に基づき、Y方向の主軸180°での中心位置の座標値(以下「180°Y中心座標値」という。)Yc2、Y方向幅Yw2を算出する。
[数9]
Yc2=(yp2+ym2)/2
Yw2=(yp2-ym2)/2
S10では、S3,S5,S7,S9で求めた0°X,Y中心座標値Xc1,Yc1および180°X,Y中心座標値Xc2,Yc2を用いて、以下の数10に基づき、基準球12のX,Y中心座標値Xs,Ys、およびプローブオフセット量Fx,Fyを算出する。
[数10]
Xs=(Xc1+Xc2)/2
Ys=(Yc1+Yc2)/2
Fx=(Xc1-Xc2)/2
Fy=(Yc1-Yc2)/2
さらに、算出したXs,Ys,Fx,Fyを用いて、以下の数11に基づき、X,Y中心目標値Xo,Yo、プローブオフセット量想定値Tx,Tyを更新する。
[数11]
Xo=Xs+Fx
Yo=Ys+Fy
Tx=Fx
Ty=Fy
さらに、S10では、Y方向幅Yw1,Yw2のどちらかもしくは平均値、基準球12の半径Rを用いて、以下の数12に基づき、スタイラス球11の半径roを推定する。
[数12]
rw=(Yw1+Yw2)/2
ro=(rw^2-R^2+ri^2)/2/(R+ri)
S11では、S10で更新したX,Y中心目標値Xo,YoにX,Y軸を位置決めして、主軸2を計測用角度0°に割り出した状態で、タッチプローブ10をZマイナス方向に移動して基準球12に接触させてZ軸位置zp2を検出し、タッチプローブ10の長補正値Tzおよび基準球12の半径Rを考慮して、以下の数13に基づき、Z方向の基準球12の中心位置の座標値(以下「Z中心座標値」という。)Zsを算出する。
[数13]
Zs=zp2-Tz-R
S12では、S11で得たZ中心座標値Zsを用いて、以下の数14に基づき、基準球12のZ中心目標値Zoを更新する。
[数14]
Zo=Zs
S13では、基準球12の半径R、X,Y,Z中心目標値Xo,Yo,Zo、スタイラス球11の半径ro、プローブオフセット量想定値Tx,Ty,長補正値Tzを考慮して、タッチプローブ10を任意の方向から移動させて基準球12に接触させて各軸の位置を検出し、基準球12の半径Rを考慮して、該方向に対する補正値を取得する。
なお、上述の説明では、図3のオフセット形のタッチプローブ10を用いたが、図2のストレート形のタッチプローブ20でもよい。その場合、タッチプローブ20のX,Y方向オフセット量想定値Tx,Tyはともに0として考える、もしくはTx,Ty自体を考慮しない。また、プローブオフセット量Fx,Fyの計算も行わなくてよい。
このように、上記形態のタッチプローブ10の校正方法では、基準球12の中心からZ方向に離れたおおよその位置にタッチプローブ10を位置決めさせた状態から、基準球12のZ方向の1点にタッチプローブ10を接触させて測定し、X,Y,Z中心目標値Xo,Yo,Zoをそれぞれ決定するS1,S2(中心目標値決定ステップ)と、
主軸2を0°(第1基準角度)に割り出して、基準球12の赤道上のX方向の2点にタッチプローブ10を接触させて測定し、該測定の測定値から0°X中心座標値Xc1(第1X中心座標値)を算出して、0°X中心座標値Xc1を用いてX中心目標値Xoを更新するS3,S4(第1X中心目標値更新ステップ)と、
主軸2を0°に割り出した状態で、基準球12の赤道上のY方向の2点にタッチプローブ10を接触させて測定し、該測定の測定値から0°Y中心座標値Yc1(第1Y中心座標値)を算出して、0°Y中心座標値Yc1を用いてY中心目標値Yoを更新するS5,S6(第1Y中心目標値更新ステップ)と、
主軸2を180°(第2基準角度)に割り出して、基準球12の赤道上のX方向の2点にタッチプローブ10を接触させて測定し、該測定の測定値から180°X中心座標値Xc2(第2X中心座標値)を算出して、180°X中心座標値Xc2を用いてX中心目標値Xoを更新するS7,S8(第2X中心目標値更新ステップ)と、
主軸2を180°に割り出した状態で、基準球12の赤道上のY方向の2点にタッチプローブ10を接触させて測定し、該測定の測定値から180°Y中心座標値(第2Y中心座標値)Yc2を算出するS9(Y中心座標値計測ステップ)と、
0°X中心座標値Xc1と、180°X中心座標値Xc2と、0°Y中心座標値Yc1と、180°Y中心座標値Yc2とから、X中心座標値Xs(第3X中心座標値)およびY中心座標値Ys(第3Y中心座標値)を算出すると共に、タッチプローブ10のオフセット量Tx,Tyと、スタイラス球11の半径roとを算出して、X,Y中心座標値Xs,Ysを用いて、X中心目標値XoとY中心目標値Yoとを更新するS10(XY中心目標値更新ステップ)と、
主軸2を0°(計測用角度)に割り出すと共に、更新されたX,Y中心目標値Xo,Yoに主軸2を位置決めした状態で、基準球12のZ方向の1点にタッチプローブ10を接触させて測定し、該測定の測定値からZ中心座標値Zsを算出して、該Z中心座標値Zsを用いてZ中心目標値Zoを更新するS11,S12(Z中心目標値更新ステップ)と、
タッチプローブ10を基準球12の複数の任意の点に接触させて測定し、該測定の測定値と、XY中心目標値更新ステップおよびZ中心目標値更新ステップでそれぞれ更新されたX,Y,Z方向の各中心目標値Xo,Yo,Zoをもとにそれぞれの点での補正値を算出するS13(補正値算出ステップ)と、を実行する。
この方法の採用により、オフセット形のタッチプローブ10であっても、少なくとも計10点の測定で基準球12の中心に対する主軸軸線の芯合わせを行うことができる。よって、短時間でタッチプローブ10の校正が可能となる。
また、オフセット形のタッチプローブ10だけでなく、ストレート形のタッチプローブ20にも適用できる。特に、主軸2の割出時間が長い工作機械でのストレート形のタッチプローブ20を校正する場合、主軸割出回数が2回と少なくなるため、短時間な校正が可能となる。
次に、本発明の工作機械の誤差同定方法の一実施形態について説明する。
対象となる工作機械は、図1に示す5軸制御マシニングセンタである。よって、重複する説明は省略する。
図9は、誤差同定方法のフローチャートである。
S21では、テーブル3上に基準球12を取り付け、主軸2にタッチプローブ10を装着し、タッチプローブ10を基準球12のほぼ真上の位置に位置決めした状態から、タッチプローブ10を用いて基準球12の中心位置を計測する。この基準球12の初期位置の計測において、図4で説明したタッチプローブ10の校正方法を用いる。最終的な基準球12のX,Y,Z中心目標値Xo,Yo,Zoが基準球12の初期の中心位置として取得でき、補正値をもとにタッチプローブ10の校正も行われる。
S22では、C軸、A軸を複数の組合せの角度に割り出し、それぞれの状態で基準球12の中心位置を計測する。
S23では、S22において計測した基準球12の中心位置計測値群を用いて、5軸制御マシニングセンタの幾何誤差を同定する。同定は、例えば特許文献1,2に開示されるような公知の方法で行う。
1・・ベッド、2・・主軸、3・・テーブル、10・・オフセット形のタッチプローブ、11・・スタイラス球、12・・基準球、20・・ストレート形のタッチプローブ。

Claims (3)

  1. 3軸以上の並進軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、工作物および治具を固定可能なテーブルと、前記並進軸および前記主軸を制御する制御装置とを有する工作機械において、基準球を用いて前記主軸に装着したタッチプローブを校正する方法であって、
    前記基準球の中心からZ方向に離れたおおよその位置に前記タッチプローブを位置決めさせた状態から、前記基準球のZ方向の少なくとも1点に前記タッチプローブを接触させて測定し、X,Y,Z方向の前記基準球の中心の目標座標値をそれぞれ決定する中心目標値決定ステップと、
    前記主軸を第1基準角度に割り出して、前記基準球の赤道上のX方向の2点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のX方向の座標値である第1X中心座標値を算出して、該第1X中心座標値を用いてX方向の前記目標座標値を更新する第1X中心目標値更新ステップと、
    前記主軸を前記第1基準角度に割り出した状態で、前記基準球の赤道上のY方向の2点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のY方向の座標値である第1Y中心座標値を算出して、該第1Y中心座標値を用いてY方向の前記目標座標値を更新する第1Y中心目標値更新ステップと、
    前記主軸を第2基準角度に割り出して、前記基準球の赤道上のX方向の2点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のX方向の座標値である第2X中心座標値を算出して、該第2X中心座標値を用いて、前記第1X中心目標値更新ステップで更新されたX方向の前記目標座標値を更新する第2X中心目標値更新ステップと、
    前記主軸を前記第2基準角度に割り出した状態で、前記基準球の赤道上のY方向の2点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のY方向の座標値である第2Y中心座標値を算出するY中心座標値計測ステップと、
    前記第1X中心座標値と、前記第2X中心座標値と、前記第1Y中心座標値と、前記第2Y中心座標値とから、前記基準球の中心のX方向の座標値およびY方向の座標値である第3X中心座標値および第3Y中心座標値を算出すると共に、前記タッチプローブのオフセット量と、前記タッチプローブの先端に設けたスタイラス球の半径とを算出して、前記第3X中心座標値および前記第3Y中心座標値を用いて、前記第2X中心目標値更新ステップで更新されたX方向の前記目標座標値と、前記第1Y中心目標値更新ステップで更新されたY方向の前記目標座標値とを更新するXY中心目標値更新ステップと、
    前記主軸を計測用角度に割り出すと共に、前記XY中心目標値更新ステップで更新されたX方向およびY方向の各前記目標座標値に前記主軸を位置決めした状態で、前記基準球のZ方向の少なくとも1点に前記タッチプローブを接触させて測定し、該測定の測定値から前記基準球の中心のZ方向の座標値であるZ中心座標値を算出して、該Z中心座標値を用いてZ方向の前記目標座標値を更新するZ中心目標値更新ステップと、
    前記タッチプローブを前記基準球の複数の任意の点に接触させて測定し、該測定の測定値と、前記XY中心目標値更新ステップおよび前記Z中心目標値更新ステップでそれぞれ更新されたX,Y,Z方向の各前記目標座標値をもとにそれぞれの点での補正値を算出する補正値算出ステップと、
    を実行することを特徴とする工作機械のタッチプローブの校正方法。
  2. 前記第2基準角度が前記第1基準角度に対して180°オフセットした角度であること
    を特徴とする請求項1に記載の工作機械のタッチプローブの校正方法。
  3. 3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、工作物および治具を固定可能なテーブルと、前記並進軸および前記回転軸および前記主軸を制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着したタッチプローブと基準球とを用いて、任意の姿勢及び/又は角度に割り出した前記基準球の中心位置を計測し、得られた計測値群と、前記基準球の中心指令位置とに基づいて、前記工作機械の幾何学的な誤差を同定する工作機械の幾何誤差同定方法であって、
    前記基準球の初期位置を前記タッチプローブで計測すると同時に、請求項1又は2に記載のタッチプローブの校正方法を用いて補正値を算出し、前記補正値に基づいて前記初期位置を補正することを特徴とする工作機械の幾何誤差同定方法。
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