JP7409459B2 - ポリプロピレン系積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートシール性を有するポリプロピレン系積層フィルムに関する。更に詳しくは、包装用途として使用するのに優れたヒートシール強度を有するポリプロピレン系積層フィルムに関するものである。特に詳しくは、高温での寸法安定性や高い剛性が求められる様々な分野で好適に用いることができ、耐熱性、機械特性にも優れたヒートシール性に優れたポリプロピレン系積層フィルムに関する。
従来、ポリプロピレンを用いた延伸フィルムは食品や様々な商品の包装用、電気絶縁用、表面保護フィルムなど広範囲な用途で汎用的に用いられていたが、その一つにヒートシール性が必要な用途がある。従来から、ヒートシール性を有するポリプロピレン系積層フィルムとしては、ポリプロピレン系樹脂に低融点のポリオレフィン系樹脂を積層した共押出し積層ポリプロピレン系樹脂フィルムが多く用いられてきた。
このようなヒートシーラブルフィルムの一つとして、150℃でPETに匹敵する低収縮率を有し、高温でヒートシール可能な延伸ポリプロピレン積層フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このフィルムも機械特性に改善の余地があった。
WO2015/0126165号パンフレット
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、包装用途として使用するのに優れたヒートシール強度を有するポリプロピレン系積層フィルムを提供することにある。
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。すなわち本発明は、層を構成するポリプロピレン樹脂が下記1)~4)の条件を満たす基材層(A)と、この基材層の片面または両面に積層されるポリオレフィン系樹脂から構成されるヒートシール層(B)とからなり、フィルムの面配向係数の下限が0.0125であるポリプロピレン系積層フィルムである。
1)メソペンタッド分率の下限が96%である。
2)プロピレン以外の共重合モノマー量の上限が0.1mol%である。
3)質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が3.0以上、5.4以下である。
4)230℃、2.16kgfで測定されるメルトフローレート(MFR)が6.2g/10min以上、9.0g/10min以下である。
この場合において、フィルムの縦方向および横方向の150℃での熱収縮率が8%以下であることが好適である。
また、この場合において、MD方向のヤング率が、2.1GPa以上、TD方向のヤング率が、3.7GPa以上であることが好適である。
さらにまた、ヒートシール層(B)面同士を重ね合わせて140℃で1秒間熱板シールを行って得た10mm幅の試験片試験片の180度剥離強度が8.0N/15mm以上であることが好適である。
さらにまた、この場合において、ヒートシール樹脂(B)構成するポリオレフィン系樹脂が、プロピレンランダム共重合体および/またはプロピレンブロック共重合体であることが好適である。
本発明により、包装用途として使用するのに優れ、またヒートシール加工に非常に適したものであった。
さらに、例えば、ヒートシール温度を高く設定することにより、製袋加工におけるライン速度を大きくすることなどが可能となり、生産性が向上する。また、ヒートシール温度を高くすることで、ヒートシール強度も向上させることができる。
さらには、高温での寸法安定性や高い剛性が求められる様々な分野で好適に用いることができ、例えば、レトルトなど高温処理を行う際にも、袋の変形量を抑えることができる。ひいては薄膜化が可能である。
本発明は、ヒートシール性を有するポリプロピレン系積層フィルムに関する。更に詳しくは、包装用途として使用するのに優れた十分なヒートシール強度を有するポリプロピレン系積層フィルムに関するものである。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの特徴は基材層(A)に用いるポリプロピレン樹脂の分子量分布状態にある。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、層を構成するポリプロピレン樹脂が下記1)~4)の条件を満たす基材層(A)と、この基材層の片面または両面に積層されるポリオレフィン系樹脂から構成されるヒートシール層(B)とからなり、フィルムの面配向係数の下限が0.0125であるポリプロピレン系積層フィルムである。
1)メソペンタッド分率の下限が96%である。
2)プロピレン以外の共重合モノマー量の上限が0.1mol%である。
3)質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が3.0以上、5.4以下である。
4)230℃、2.16kgfで測定されるメルトフローレート(MFR)が6.2g/10min以上、9.0g/10min以下である。
さらに下記で詳細に説明する。
(基材層(A))
本発明の基材層(A)に用いるポリプロピレン樹脂は、エチレンおよび/または炭素数4以上のα-オレフィンを0.5モル%以下で共重合したポリプロピレン樹脂を用いることができる。このような共重合ポリプロピレン樹脂も本発明のポリプロピレン樹脂(以下、ポリプロピレン樹脂)に含まれるものとする。共重合成分は0.3モル%以下が好ましく、0.1モル%以下がより好ましく、共重合成分を含まない完全ホモポリプロピレン樹脂が最も好ましい。
エチレンおよび/または炭素数4以上のα-オレフィンは、0.5モル%を超えて共重合すると、結晶性や剛性が低下し過ぎて、高温での熱収縮率が大きくなることがある。この様な樹脂をブレンドして用いても良い。
ポリプロピレン樹脂の立体規則性の指標である13C-NMRで測定されるメソペンタッド分率([mmmm]%)は、96~99.5%であることが好ましい。より好ましくは、97%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。基材層(A)のポリプロピレンのメソペンタッド分率が小さいと、結晶の融点が低くなり、弾性率および高温での耐熱性が不充分となるおそれがある。99.5%が現実的な上限である。
また、分子量分布の指標であるMw/Mnは、ポリプロピレン樹脂では3.0~5.4が好ましい。より好ましくは3.0~5.0、さらに好ましくは3.2~4.5であり、特に好ましくは3.3~4.0である。
基材層(A)を構成するポリプロピレン樹脂全体のMw/Mnが5.4以下であると、高分子量成分は存在するが、その量は少なくなり、熱収縮率が小さくなる傾向がある。高分子量成分が存在すると、低分子量成分の結晶化を促進する面があるが、分子同士の絡み合いが強くなり、結晶性が高くても熱収縮率が大きくする要因ともなるからである。
また、基材層(A)を構成するポリプロピレン樹脂全体のMw/Mnが5.4以下であると、かなり分子量の低い低分子量成分が多くなり、弾性率が小さくなる傾向がある。かなり分子量の低い低分子量成分が存在すると、分子同士の絡み合いが弱くなり、低い延伸応力での延伸が可能となり、結晶性が高くなるが、弾性率を低下させる要因ともなるからである。
本発明の基材層(A)を構成するポリプロピレン樹脂全体のMw/Mnが3.0未満であると、製膜が困難になる。Mwは質量平均分子量を意味し、Mnは数平均分子量を意味する。
ポリプロピレン樹脂の質量平均分子量(Mw)は、180,000~500,000が好ましい。より好ましいMwの下限は190,000、さらに好ましくは200,000であり、より好ましいMwの上限は320,000、さらに好ましくは300,000、特に好ましくは250,000である。
ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)は、20,000~200,000が好ましい。より好ましいMnの下限は30,000、さらに好ましくは40,000、特に好ましくは50,000であり、より好ましいMnの上限は80,000、さらに好ましくは70,000、特に好ましくは60,000である。
基材層(A)を構成するポリプロピレン樹脂全体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)積算カーブを測定した場合、分子量10万以下の成分の量の下限は好ましくは35質量%であり、より好ましくは38質量%であり、さらに好ましくは40質量%であり、特に好ましくは41質量%であり、最も好ましくは42質量%である。
一方、GPC積算カーブでの分子量10万以下の成分の量の上限は好ましくは65質量%であり、より好ましくは60質量%であり、さらに好ましくは58質量%であり、特に好ましくは56質量%であり、最も好ましくは55質量%である。上記範囲であると延伸が容易となったり、厚み斑が小さくなったり、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率をより低く抑えることができる。
基材層(A)を構成するポリプロピレン樹脂全体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)積算カーブを測定した場合、分子量1万以下の成分の量の下限は好ましくは1質量%であり、より好ましくは1.5質量%である。
一方、GPC積算カーブでの分子量1万以下の成分の量の上限は好ましくは5質量%であり、より好ましくは4質量%であり、さらに好ましくは3.5質量%であり、特に好ましくは3重量%である。
このときのポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR;230℃、2.16kgf)が6.2g/10分~10.0g/10分であることが好ましい。
ポリプロピレン樹脂のMFRの下限は、6.5g/10分であることがより好ましく、7g/10分であることがさらに好ましく、7.5g/10分であることが特に好ましい。ポリプロピレン樹脂のMFRの上限は、9g/10分であることがより好ましく、8.5g/10分であることがさらに好ましく、8.2g/10分であることが特に好ましい。
メルトフローレート(MFR;230℃、2.16kgf)が6.2g/10分以上であると、高温での熱収縮率もより小さくすることができる。さらに、延伸により生じるフィルムの結晶化の程度が強くなるため、フィルムの剛性、特に幅(TD)方向の引張弾性率(ヤング率)が高くなる。また、メルトフローレート(MFR;230℃、2.16kgf)が9.0g/10分以下であると破断なく製膜を行いやすい。
なお、ポリプロピレン樹脂の分子量分布は、異なる分子量の成分を多段階に一連のプラントで重合したり、異なる分子量の成分をオフラインで混錬機でブレンドしたり、異なる性能をもつ触媒をブレンドして重合したり、所望の分子量分布を実現できる触媒を用いたりすることで調整することが可能である。
本発明で用いるポリプロピレン樹脂は、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒等の公知の触媒を用いて、原料のプロピレンを重合させることにより得られる。中でも、異種結合をなくすためにはチーグラー・ナッタ触媒を用い、立体規則性の高い重合が可能な触媒を用いることが好ましい。
プロピレンの重合方法としては、公知の方法を採用すればよく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性溶剤中で重合する方法、液状のモノマー中で重合する方法、気体のモノマーに触媒を添加し、気相状態で重合する方法、または、これらを組み合わせて重合する方法等が挙げられる。
ポリプロピレン樹脂には、添加剤やその他の樹脂を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、造核剤、粘着剤、防曇剤、難燃剤、無機または有機の充填剤等が挙げられる。その他の樹脂としては、本発明で用いられるポリプロピレン樹脂以外のポリプロピレン樹脂、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体であるランダムコポリマーや、各種エラストマー等が挙げられる。これらは、多段の反応器を用いて逐次重合するか、ポリプロピレン樹脂とヘンシェルミキサーでブレンドするか、事前に溶融混錬機を用いて作製したマスターペレットを所定の濃度になるようにポリプロピレンで希釈するか、予め全量を溶融混練して使用してもよい。
(ヒートシール層(B))
また、本発明において、ヒートシール層(B)に用いる樹脂は、融点が150℃以下の低融点のプロピレンランダム共重合体、またはコモノマーを含有するエラストマー成分が分散したプロピレンブロック共重合体が好ましく、また、これらを単独または混合して使用することができる。コモノマーとしては、エチレン、または、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン等の炭素数が3~10のα-オレフィンから選ばれた1種以上を用いることが好ましい。
さらにまた、ヒートシール層(B)を形成するプロピレンランダム共重合体の融点は、好ましくは60~150℃にすることが望ましい。これにより、延伸ポリプロピレン系樹脂積層フィルムに十分なヒートシール強度を与えることができる。ヒートシール層(B)を形成するプロピレンランダム共重合体の融点が60℃未満ではヒートシール部の耐熱性が乏しく、150℃を越えるとヒートシール強度の向上が期待できない。また、プロピレンブロック共重合体中に含まれるエラストマー成分の融点も150℃以下であることが好ましい。
また、MFRは0.1~100g/10min、好ましくは0.5~20g/10min、さらに好ましくは、1.0~10g/10minの範囲のものを例示することができる。
ヒートシール層(B)で用いるポリプロピレン樹脂は、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒等の公知の触媒を用いて、原料となるプロピレンを重合させて得られる。中でも異種結合をなくすためにはチーグラー・ナッタ触媒を用い、かつ、規則性の高い重合が可能な触媒を用いることが好ましい。
プロピレンの重合方法としては、公知の方法でよく、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性溶剤中で重合する方法、液状のプロピレンやエチレン中で重合する方法、気体であるプロピレンやエチレン中に触媒を添加し、気相状態で重合する方法、または、これらを組み合わせて重合する方法等が挙げられる。
高分子量成分、低分子量成分は別々に重合した後に混合しても良く、多段階の反応器で一連のプラントで製造しても良い。特に、多段階の反応器を持つプラントを用い、高分子量成分を最初に重合した後にその存在下で低分子量成分を重合する方法が好ましい。
(ポリプロピレンフィルムの製造方法)
本発明のポリプロピレン系積層フィルムとしては長手方向(MD方向)もしくは横方向(TD方向)の一軸延伸フィルムでも良いが、二軸延伸フィルムであることが好ましい。二軸延伸の場合は逐次二軸延伸であっても同時二軸延伸であっても良い。
延伸フィルムとすることで、従来のポリプロピレン系積層フィルムでは予想できなかった150℃でも熱収縮率が低いフィルムを得ることができる。
以下に最も好ましい例である縦延伸-横延伸の逐次二軸延伸のフィルムの製造方法を説明する。
まず、一方の押し出し機より基材層(A)を溶融押し出しし、もう一方の押し出し機によりヒートシール層(B)を溶融押し出しし、Tダイ内にて、ポリプロピレン系樹脂層(A)とヒートシール層(B)となるように積層し、冷却ロールにて冷却固化し未延伸シートを得る。溶融押出し条件としては、樹脂温度として200~280℃となるようにして、Tダイよりシート状に押出し、10~100℃の温度の冷却ロールで冷却固化する。ついで、120~165℃の延伸ロールでフィルムを長さ(MD)方向に3~7倍に延伸し、引き続き幅(TD)方向に155℃~175℃、好ましくは158℃~170℃の温度で6~12倍延伸を行う。
さらに、165~175℃、好ましくは166~173℃の雰囲気温度で1~15%のリラックスを許しながら熱処理を施す。
必要であれば、少なくとも片面にコロナ放電処理を施した後、ワインダーで巻取ることによりロールサンプルを得ることができる。
MDの延伸倍率の下限は好ましくは3倍であり、より好ましくは3.5倍である。上記未満であると膜厚ムラとなることがある。
MDの延伸倍率の上限は好ましくは8倍であり、より好ましくは7倍である。上記を越えると引き続き行うTD延伸がしにくくなることがある。
MDの延伸温度の下限は好ましくは120℃であり、より好ましくは122℃である。上記未満であると機械的負荷が大きくなったり、厚みムラが大きくなったり、フィルムの表面粗れが起こることがある。
MDの延伸温度の上限は好ましくは150℃であり、より好ましくは145℃であり、さらに好ましくは135℃であり、特に好ましくは130℃である。温度が高い方が熱収縮率の低下には好ましいが、ロールに付着し延伸できなくなることがある。
TDの延伸倍率の下限は好ましくは4倍であり、より好ましくは5倍であり、さらに好ましくは6倍である。上記未満であると厚みムラとなることがある。
TD延伸倍率の上限は好ましくは20倍であり、より好ましくは17倍であり、さらに好ましくは15倍である。上記を越えると熱収縮率が高くなったり、延伸時に破断することがある。
TD延伸での予熱温度は速やかに延伸温度付近にフィルム温度を上げるため、好ましくは延伸温度より10~15℃高く設定する。
TDの延伸では従来のヒートシール性ポリプロピレン積層延伸フィルムより高温で行う。
TDの延伸温度の下限は好ましくは157℃であり、より好ましくは158℃である。上記未満であると十分に軟化せずに破断したり、熱収縮率が高くなることがある。
TD延伸温度の上限は好ましくは170℃であり、より好ましくは168℃である。熱収縮率を低くするためには温度は高い方が好ましいが、上記を越えると低分子成分が融解、再結晶化して表面粗れやフィルムが白化することがある。
延伸後のフィルムは熱固定される。熱固定は従来のポリプロピレンフィルムより高温で行うことが可能である。熱固定温度の下限は好ましくは165℃であり、より好ましくは166℃である。上記未満であると熱収縮率が高くなることがある。また、熱収縮率を低くするために長時間が必要になり、生産性が劣ることがある。
熱固定温度の上限は好ましくは175℃であり、より好ましくは173℃である。上記を越えると低分子成分が融解、再結晶化して表面粗れやフィルムが白化することがある。
熱固定時にリラックス(緩和)させることが好ましい。リラックスの下限は好ましくは2%であり、より好ましくは3%である。上記未満であると熱収縮率が高くなることがある。
リラックスの上限は好ましくは10%であり、より好ましくは8%である。上記を越えると厚みムラが大きくなることがある。
さらに、熱収縮率を低下させるためには上記の工程で製造されたフィルムを一旦ロール状に巻き取った後、オフラインでアニールさせることもできる。
オフラインアニール温度の下限は好ましくは160℃であり、より好ましくは162℃であり、さらに好ましくは163℃である。上記未満であるとアニールの効果が得られないことがある。
オフラインアニール温度の上限は好ましくは175℃であり、より好ましくは174℃であり、さらに好ましくは173℃である。上記を越えると透明性が低下したり、厚みムラがおおきくなったりすることがある。
オフラインアニール時間の下限は好ましくは0.1分であり、より好ましくは0.5分であり、さらに好ましくは1分である。上記未満であるとアニールの効果が得られないことがある。
オフラインアニール時間の上限は好ましくは30分であり、より好ましくは25分であり、さらに好ましくは20分である。上記を越えると生産性が低下することがある。
フィルムの厚みは各用途に合わせて設定されるが、フィルム厚みの下限は好ましくは2μmであり、より好ましくは3μmであり、さらに好ましくは4μmである。フィルム厚みの上限は好ましくは300μmであり、より好ましくは250μmであり、さらに好ましくは200μmであり、特に好ましくは100μmであり、最も好ましくは50μmである。
このようにして得られたポリプロピレン系積層フィルムは通常、幅2000~12000mm、長さ1000~50000m程度のロールとして製膜され、ロール状に巻き取られる。
さらに、各用途に合わせてスリットされ幅300~2000mm、長さ500~5000m程度のスリットロールとして供される。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは上記の様な従来にはない優れた特性を有する。
包装フィルムとしても用いた場合には、高剛性であるため薄肉化が可能であり、コストダウン、軽量化ができる。
また、耐熱性が高いため、コートや印刷の乾燥時に高温乾燥か可能となり、生産の効率化や従来用いられにくかったコート剤やインキ、ラミネート接着剤などを用いることができる。有機溶剤等を使用するラミネート工程の必要がないため、経済的にも地球環境に与える影響の面からも好ましい。
(フィルム特性)
本発明のポリプロピレン系積層フィルムのMD方向およびTD方向の150℃熱収縮率の下限は好ましくは0.5%であり、より好ましくは1%であり、さらに好ましくは1.5%であり、特に好ましくは2%であり、最も好ましくは2.5%である。上記範囲であるとコスト面などで現実的な製造が容易となったり、厚みムラが小さくなったりすることがある。
MD方向の150℃熱収縮率の上限は好ましくは7%であり、より好ましくは6%であり、さらに好ましくは5%である。上記範囲であると150℃程度の高温に晒される可能性のある用途で使用がより容易なる。なお、150℃熱収縮率は2.5%程度までなら、例えば低分子量成分を多くする、延伸条件、固定条件を調整することで可能であるが、それ以下はオフラインでアニール処理をすることが好ましい。
従来の延伸ポリプロピレン積層フィルムでは、MD方向の150℃熱収縮率は15%以上であり、120℃熱収縮率は3%程度である。熱収縮率を上記の範囲とすることで、耐熱性の優れたポリプロピレン系積層フィルムを得ることができる。
TD方向の150℃熱収縮率の上限は好ましくは8%であり、より好ましくは7%であり、さらに好ましくは7%である。上記範囲であると150℃程度の高温に晒される可能性のある用途で使用がより容易なる。なお、150℃熱収縮率は2.5%程度までなら、例えば低分子量成分を多くする、延伸条件、固定条件を調整することで可能であるが、それ以下はオフラインでアニール処理をすることが好ましい。
従来の延伸ポリプロピレン積層フィルムでは、TD方向の150℃熱収縮率は15%以上であり、120℃熱収縮率は3%程度である。熱収縮率を上記の範囲とすることで、耐熱性の優れたポリプロピレン系積層フィルムを得ることができる。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムが二軸延伸フィルムである場合、MD方向のヤング率(23℃)の下限は好ましくは1.8GPaであり、より好ましくは1.9GPaであり、さらに好ましくは2.0GPaであり、特に好ましくは2.1GPaであり、最も好ましくは2.2GPaである。
MD方向のヤング率の上限は好ましくは3.7GPaであり、より好ましくは3.6GPaであり、さらに好ましくは3.5GPaであり、特に好ましくは3.4GPaであり、最も好ましくは3.3GPaである。上記範囲ではと現実的な製造が容易であったり、MD-TDバランスが良化することがある。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムが二軸延伸フィルムである場合、TD方向のヤング率(23℃)の下限は好ましくは4.4GPaであり、より好ましくは4.5GPaであり、さらに好ましくは4.6GPaであり、特に好ましくは4.7GPaである。
TD方向のヤング率の上限は好ましくは8GPaであり、より好ましくは7.5GPaであり、さらに好ましくは7GPaであり、特に好ましくは6.5GPaである。上記範囲だと現実的な製造が容易であったり、MD-TDバランスが良化することがある。
なお、ヤング率は延伸倍率を高くすることで高めることができ、MD-TD延伸の場合はMD延伸倍率を低めに設定し、TD延伸倍率を高くすることでTD方向のヤング率を大きくすることができる。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの面配向係数の下限は、好ましくは0.0125であり、より好ましくは0.0126であり、さらに好ましくは0.0127であり、特に好ましくは0.0128である。面配向係数の上限は、現実的な値として、好ましくは0.0155であり、より好ましくは0.0150であり、さらに好ましくは0.0148であり、特に好ましくは0.0145であり、より特に好ましくは0.0140である。面配向係数は、延伸倍率の調整により範囲内とすることができる。面配向係数がこの範囲であると、フィルムの厚みムラも良好である。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムのヒートシール強度は140℃においては8.0N/15mm以上であることが好ましく、9.0N/15mm以上であることがより好ましく、10N/15mm以上であることがさらに好ましい。
また、本発明のポリプロピレン系積層フィルムのヒートシール強度は110℃においては1.5N/15mm以上であることが好ましく、2.0N/15mm以上であることがより好ましく、2.2N/15mm以上であることがさらに好ましい。
本発明の延伸ポリプロピレンフィルムの耐衝撃性(23℃)の下限は好ましくは0.6Jであり、より好ましくは0.7Jである。上記範囲であるとフィルムとして十分な強靱性があり、取り扱い時に破断したりすることがない。
耐衝撃性の上限は現実的な面から好ましくは3Jであり、より好ましくは2.5Jであり、さらに好ましくは2.2Jであり、特に好ましくは2Jである。耐衝撃性は例えば低分子量成分が多い場合全体での分子量が低い場合、高分子量成分が少ない場合や高分子量成分の分子量が低い場合に耐衝撃性が低下する傾向となるため、用途に合わせてこれら成分を調整して範囲内とすることが出来る。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムのヘイズは現実的値として下限は好ましくは0.1%であり、より好ましくは0.2%であり、さらに好ましくは0.3%であり、特に好ましくは0.4%であり、最も好ましくは0.5%である。
ヘイズの上限は好ましくは6%であり、より好ましくは5%であり、さらに好ましくは4.5%であり、特に好ましくは4%であり、最も好ましくは3.5%である。上記範囲であると透明が要求される用途で使いやすくなることがある。ヘイズは例えば延伸温度、熱固定温度が高すぎる場合、冷却ロール(CR)温度が高く冷却速度が遅い場合、低分子量が多すぎる場合に悪くなる傾向があり、これらを調節することで範囲内とすることが出来る。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの厚み均一性の下限は好ましくは0%であり、より好ましくは0.1%であり、さらに好ましくは0.5%であり、特に好ましくは1%である。
厚み均一性の上限は好ましくは20%であり、より好ましくは17%であり、さらに好ましくは15%であり、特に好ましくは12%であり、最も好ましくは10%である。上記範囲だとコートや印刷などの後加工時に不良が生じにくく、精密性を要求される用途に用いやすい。
以下に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。実施例における物性の測定方法は次のとおりである。
1)メルトフローレート(MFR、g/10分)
JIS K7210に準拠し、温度230℃で測定した。
2)分子量および分子量分布
分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて単分散ポリスチレン基準により求めた。
GPC測定での使用カラム、溶媒は以下のとおりである。
溶媒:1,2,4-トリクロロベンゼン
カラム:TSKgel GMH HR-H(20)HT×3
流量:1.0ml/min
検出器:RI
測定温度:140℃
数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)、Z+1平均分子量(Mz+1)はそれぞれ、分子量校正曲線を介して得られたGPC曲線の各溶出位置の分子量(Mi)の分子数(Ni)により次式で定義される。
数平均分子量:Mn=Σ(Ni・Mi)/ΣNi
質量平均分子量:Mw=Σ(Ni・Mi)/Σ(Ni・Mi)
Z+1平均分子量:Mz+1=Σ(Ni・Mi)/Σ(Ni・Mi
分子量分布:Mw/Mn、Mz+1/Mn
また、GPC曲線のピーク位置の分子量をMpとした。
ベースラインが明確でないときは、標準物質の溶出ピークに最も近い高分子量側の溶出ピークの高分子量側のすそ野の最も低い位置までの範囲でベースラインを設定することとする。
ピーク分離は、得られたGPC曲線から、分子量の異なる2つ以上の成分にピーク分離を行った。各成分の分子量分布はガウス関数を仮定し、通常のポリプロピレンの分子量分布と同様になるようにMw/Mn=4とした。得られた各成分のカーブから、各平均分子量を計算した。
3)立体規則性
メソペンタッド分率([mmmm]%)およびメソ平均連鎖長の測定は、13C-NMRを用いて行った。メソペンタッド分率は、Zambelliら、Macromolecules,第6巻,925頁(1973)に記載の方法に従い、メソ平均連鎖長は、J.C.Randallによる、“Polymer Sequence Distribution”第2章(1977年)(Academic Press,New York)に記載の方法に従って算出した。
13C-NMR測定は、BRUKER社製AVANCE500を用い、試料200mgをo-ジクロロベンゼンと重ベンゼンの8:2の混合液に135℃で溶解し、110℃で行った。
4)冷キシレン可溶部(CXS、質量%)
ポリプロピレン試料1gを沸騰キシレン200mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶化させ、ろ過液に溶解している質量の、元の試料量に対する割合をCXS(質量%)とした。
5)熱収縮率(%)
JIS Z1712に準拠して測定した。
(延伸フィルムを20mm巾で200mmの長さでMD、TD方向にそれぞれカットし、150℃の熱風オーブン中に吊るして5分間加熱した。加熱後の長さを測定し、元の長さに対する収縮した長さの割合で熱収縮率を求めた。)
6)耐衝撃性
東洋精機製フィルムインパクトテスターを用いて、23℃にて測定した。
7)ヤング率(単位:GPa)
JIS K7127に準拠してMDおよびTD方向のヤング率を23℃で測定した。
8)ヘイズ(単位:%)
JIS K7105に従って測定した。
9)面配向係数(ΔP)
JIS K7142-1996 5.1(A法)により、アタゴ製アッベ屈折計を用いて測定した。MD、TD方向に沿った屈折率をそれぞれNx、Nyとし、厚み方向の屈折率をNzとした。面配向係数(ΔP)は、(Nx+Ny)/2-Nzで求めた。
シール層が片面の場合:シール層と反対側の面を3回測定し、それらの平均値とした。
シール層が両面の場合:シール層の面を両側とも3回ずつ測定し、それらの平均値とした。
10)ヒートシール強度
ヒートシール温度140℃及び110℃で、圧力1kg/cm、ヒートシール時間1秒の条件で、積層延伸フィルムのヒートシール層(B)面同士を重ね合わせて熱板シールを行い、10mm幅の試験片を作製した。この試験片の180度剥離強度を測定し、ヒートシール強度(N/15mm)とした。
11)カール性
10)の評価で得られたフィルムの積層延伸フィルムのカールの程度をカールの程度を目視で測定した。
○:カール性なし
△:ややカール性あり
×:著しいカール性あり
12)厚み斑
巻き取ったフィルムロールから長さが1mの正方形のサンプルを切り出し、MD方向およびTD方向にそれぞれ10等分して測定用サンプルを100枚用意した。測定用サンプルのほぼ中央部を接触式のフィルム厚み計で厚みを測定した。
得られた100点のデータの平均値を求め、また最小値と最大値の差(絶対値)を求め、最小値と最大値の差の絶対値を平均値で除した値をフィルムの厚み斑とした。
13)ヒートシール外観
作製したフィルムと東洋紡績株式会社製パイレンフィルム-CT P1128を重ねて、西部機械株式会社製テストシーラーを用いて、170℃、荷重2kgで1秒間保持することによりヒートシールを行った。ヒートシール後のフィルムの収縮による外観の変化の具合を目視により評価した。ヒートシール部の変形量が小さく、使用に影響しない範囲のものを○、ヒートシールによる収縮が大きく、変形量が大きいものを×とした。
(実施例1)
2台の溶融押出機を用い、第1の押出機にて、ポリプロピレン樹脂として、表1に示すポリプロピレン単独重合体PP-1を基材層(A)とし、第2の押出機にて、プロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体(PP-7:Pr-Et-Bu、密度0.89g/cm、MFR4.6g/10分、融点128℃)を85重量%、プロピレン-ブテンランダム共重合体(PP-8:Pr-Bu、密度0.89g/cm、MFR9.0g/10分、融点130℃)を15重量%とした混合樹脂をヒートシール層(B)として、ダイス内にて基材層(A)/ヒートシール層(B)とるように、基材層(A)、ヒートシール層(B)の順にTダイ方式にて250℃でTダイよりシート状に溶融共押出し後、30℃の冷却ロールで冷却固化した後、125℃で長さ方向に4.5倍に延伸し、ついで両端をクリップで挟み、熱風オーブン中に導いて、175℃で予熱後、160℃で横方向に8.2倍に延伸し、ついでリラックスを6.7%させながら170℃で熱処理した。その後、フィルムの片面にコロナ処理を行い、ワインダーで巻き取った。こうして得られたフィルムの厚みは20μmであり、基材層、ヒートシール層の厚みがそれぞれ順に18μm、2μmである積層延伸フィルムを得た。表1、表2、表3に示すとおり、得られた積層延伸フィルムは本発明の要件を満足するものであり、熱収縮率が低く、剛性が高く、しかもヒートシール強度、腰感及びカール性も優れるものであった。
(実施例2)
基材層(A)に使用する原料を表1に示すポリプロピレン単独重合体PP-2に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系積層フィルムを得た。表1、表2、表3に示すとおり、得られた積層延伸フィルムは本発明の要件を満足するものであり、熱収縮率が低く、剛性が高く、しかもヒートシール強度、腰感及びカール性も優れるものであった。
Figure 0007409459000001
Figure 0007409459000002
Figure 0007409459000003
(比較例1)
基材層(A)に使用する原料を表1に示すポリプロピレン単独重合体PP-3に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系積層フィルムを得た。表1、表2、表3に示すとおり、得られた積層延伸フィルムはヒートシール強度、腰感及びカール性に優れるものであったが、熱収縮率が大きかった。
(比較例2)
基材層(A)に使用する原料を表1に示すポリプロピレン単独重合体PP-4に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系積層フィルムを得ようとしたが、途中でフィルムが破れて、サンプルが得られなかった。
(比較例3)
基材層(A)に使用する原料を表1に示すポリプロピレン単独重合体PP-5に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系積層フィルムを得た。表1、表2、表3に示すとおり、得られた積層延伸フィルムはヒートシール強度、腰感及びカール性に優れるものであったが、熱収縮率が大きかった。
(比較例4)
基材層(A)に使用する原料を表1に示すポリプロピレン単独重合体PP-6に変更し、幅方向延伸予熱温度を170℃に、幅方向延伸温度を158℃に、熱固定温度を165℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系積層フィルムを得た。表1、表2、表3に示すとおり、得られた積層延伸フィルムはヒートシール強度、腰感及びカール性に優れるものであったが、熱収縮率が非常に大きかった。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、包装用途として使用するのに優れ、ヒートシール加工を行うのに非常に適したものであった。
さらに、例えば、ヒートシール温度を高く設定することにより、製袋加工におけるライン速度を大きくすることなどが可能となり、生産性が向上する。また、ヒートシール温度を高くすることで、ヒートシール強度も向上させることができる。

Claims (4)

  1. 層を構成するポリプロピレン樹脂が下記1)~4)の条件を満たす基材層(A)と、この基材層の片面または両面に積層されるポリオレフィン系樹脂から構成されるヒートシール層(B)とからなり、フィルムのMD方向、TD方向、及び厚み方向の屈折率をそれぞれNx、Ny、及びNzとしたとき(Nx+Ny)/2-Nzで得られるフィルムの面配向係数の下限が0.0125であり、MD方向のヤング率が、2.1GPa以上、TD方向のヤング率が、3.7GPa以上であるポリプロピレン系積層フィルム。
    1)メソペンタッド分率の下限が96%である。
    2)プロピレン以外の共重合モノマー量の上限が0.1mol%である。
    3)質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が3.0以上、5.4以下である。
    4)230℃、2.16kgfで測定されるメルトフローレート(MFR)が6.2g/10min以上、9.0g/10min以下である。
  2. フィルムの縦方向および横方向の150℃での熱収縮率が8%以下である請求項1に記載のポリプロピレン系積層フィルム。
  3. ヒートシール層(B)面同士を重ね合わせて140℃で1秒間熱板シールを行って得た10mm幅の試験片の180度剥離強度が8.0N/15mm以上である請求項1または2に記載のポリプロピレン系積層フィルム。
  4. ヒートシール樹脂(B)を構成するポリオレフィン系樹脂が、プロピレンランダム共重合体および/またはプロピレンブロック共重合体である請求項1~3のいずれかに記載のポリプロピレン系積層フィルム。
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