JP7407049B2 - 水硬性硬化体用材料の製造方法、及びセメント硬化体の製造方法 - Google Patents

水硬性硬化体用材料の製造方法、及びセメント硬化体の製造方法 Download PDF

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本発明は水硬性硬化体用材料に関し、特にセメントクリンカ骨材を含む材料に関する。また、本発明は、水硬性硬化体用材料の製造方法及びセメント硬化体の製造方法に関する。
近年、セメントクリンカを製造するに際しては、その原料として処理困難な多様な廃棄物が利用されている。これにより、産業廃棄物の処理とセメントの生産の両立が行われている。
しかしながら、セメントの需要が低下してくると、セメントの生産量は低下してしまう。この場合、セメント製造工場において受け入れることのできる産業廃棄物の量も減少してしまい、循環型社会を構築する観点からは好ましくない。
そこで、セメントクリンカを骨材として使用することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。骨材は、コンクリートやモルタルなどのセメント硬化物を製造する際に、セメントと共に導入される。このため、セメントクリンカを骨材として利用できれば、セメントクリンカの消費量を増やすことができるため、セメントクリンカの生産量を増加できる。
また、本発明者らの鋭意研究により、セメントクリンカを細骨材に使用することで、コンクリートの圧縮強度などの物性や中性化抵抗性などの耐久性を向上できることが確認されている(下記非特許文献1参照)。
特開平8-231255号公報
林 他、『クリンカー骨材を使用したモルタルの物性ならびに遷移帯改善効果に関する研究』、太平洋セメント研究報告 第173号(2017)
しかし、セメントクリンカは水硬性を有するため、貯蔵時に大気中の湿分と反応し、水和物を生成する。セメントクリンカからなる骨材は、屋根があったとしても屋外で長期にわたって保管されると、水和物が生成されることで強度が低下したり、減水剤の所要量が増加してしまう。
更に、セメントクリンカは黒色から灰色であるが、若干の水和反応によって白色化が生じる。このため、大きな劣化でなくてもユーザに品質異常を疑われやすく、普及が阻害される可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑み、セメントクリンカを骨材に利用しながらも、セメントクリンカの保管中に水和反応の進行を抑制できる、水硬性硬化体用材料を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる水硬性硬化体用材料の製造方法、及びこの水硬性硬化体用材料を用いたセメント硬化体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の水硬性硬化体用材料は、セメントクリンカ骨材と、非潜在水硬性の鉱物質粉末とが混合されてなることを特徴とする。
本明細書において、「非潜在水硬性の鉱物質粉末」とは、水硬性を有さない又は潜在水硬性を有さない無機物の粉末を指し、具体的にはポゾラン、石灰石粉末、γ-C2S、又は建設発生土などである。ポゾランには、火山灰、凝石灰、ケイ藻土、フライアッシュ、焼却灰、焼成した粘土等が含まれる。
鉱物質粉末の粒径は、0.6mm以下であるのが好ましく、0.3mm以下であるのがより好ましく、0.15mm以下であるのが特に好ましい。鉱物質粉末の粒径が0.6mmより大きくなると、セメントクリンカに付着する面積が小さくなり、水和反応を抑制する効果が充分に得られない場合がある。
また、鉱物質粉末のブレーン比表面積は、1500cm2/g以上、30000cm2/g以下であるのが好ましく、2000cm2/g以上、20000cm2/g以下であるのがより好ましく、2500cm2/g以上、10000cm2/g以下であるのが特に好ましい。鉱物質粉末のブレーン比表面積が1500cm2/gを下回る程度に鉱物質粉末の粒径が大きい場合には、前述のようにセメントクリンカに付着する面積が小さくなり、水和反応を抑制する効果が充分に得られない場合がある。他方、鉱物質粉末のブレーン比表面積が10000cm2/gを超えるほど細かい粉末になると、粉末同士が凝集しやすくなりセメントクリンカと混合する際に分散しにくくなる可能性がある。
上記の水硬性硬化体用材料によれば、非潜在水硬性の鉱物質粉末がセメントクリンカに混在されるため、保管時において大気中の水分を吸収して水和反応が進展することが抑制される。また、セメントクリンカ骨材を単独で長期間の保管する場合に生じていた、変色の課題も生じない。
前記鉱物質粉末は、前記セメントクリンカ骨材100質量部に対して、5質量部以上、30質量部以下で混合されているものとしても構わない。
セメントクリンカ骨材を100質量部に対して、鉱物質粉末を5質量部以上混合することで、水和反応が抑制される。なお、鉱物質粉末を30質量部を超える量だけ混合すると、この水硬性硬化体用材料を骨材としてコンクリートを製造する場合にコンクリートの粘性が大幅に増加してしまうおそれがある。かかる観点から、セメントクリンカ骨材を100質量部に対して、鉱物質粉末を30質量部以下の量だけ混合するのが好ましい。
本発明に係る水硬性硬化体用材料の製造方法は、
セメントクリンカを所定の分級点で分級して、微粉を取り除く工程(a)と、
前記工程(a)の後、非潜在水硬性の鉱物質粉末を混合する工程(b)とを含むことを特徴とする。
上記方法によれば、鉱物質粉末を混合する前後で粒度分布を同等にすることができ、骨材として要求される粒度分布を充足する水硬性硬化体用材料が得られる。
本発明に係るセメント硬化体の製造方法は、前記水硬性硬化体用材料、セメント、及び水を混合してセメント硬化体を得ることを特徴とする。
本発明によれば、セメントクリンカを骨材に利用しながらも、セメントクリンカの保管中に水和反応の進行を抑制できる、水硬性硬化体用材料が提供される。更には、セメントクリンカ同士の固結が防止される水硬性硬化体用材料が提供される。
以下、本発明を実施形態に則して説明する。
本発明の水硬性硬化体用材料は、セメントクリンカ骨材と、非潜在水硬性の鉱物質粉末とが混合されてなる。この水硬性硬化体用材料の製造方法の一例を説明する。
(クリンカ生成処理工程S1)
一般的な方法により、供給されるセメント原料M1からセメントクリンカC1(以下、適宜「クリンカC1」と略記する。)が得られる。例えば、セメント原料M1をロータリーキルンで焼成後、クリンカクーラによって冷却することにより、クリンカC1が得られる。
(分級・粗砕処理工程S2)
クリンカC1を、骨材として利用可能な粒径になるように、分級及び粗砕処理を必要に応じて複数回繰り返し行う。例えば、このクリンカC1を細骨材として利用する場合、粗骨材と細骨材を区別するための分級点を基準として、篩やエアセパレータ等からなる分級機を用いて、粗粒CC1と微粒FC1に分級される。この粗粒CC1は、粗砕処理が行われることで、粒径が細かくされ、微粒FC1に変化する。
分級・粗砕処理工程S2が繰り返し実行されることで、微粒FC1は、例えばJIS5005:2009 「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定された粒度分布を充足するように、粒度分布を有する状態となる。
(混合処理工程S3)
クリンカC1が粗骨材CCAとして利用される場合には、粗粒CC1が利用され、クリンカC1が細骨材CFAとして利用される場合には、微粒FC1が利用される。ここでは、クリンカC1を用いて細骨材CFAが生成される場合を例に挙げて説明する。
クリンカC1から分級された微粒FC1に対し、非潜在水硬性の鉱物質粉末A1を混合する。このとき、分級・粗砕処理工程S2において、粒度の極めて細かい粒径(例えば粒径0.15mm未満)の微粒FC1を除去した上で、この除去した粒径と同等の粒径を示す鉱物質粉末A1を混合することで、細骨材CFAとして規定される粒度分布を満足した状態で鉱物質粉末A1が混合される。このとき、除去された粒度の極めて細かい粒径の微粒FC1は、セメントCMとして利用できる。なお、細骨材CFAとして規定される粒度分布を満たす限りにおいて、一部の粒径の微粒FC1を除去することなく、鉱物質粉末A1を混合するものとしても構わない。
鉱物質粉末A1としては、火山灰、凝石灰、ケイ藻土、フライアッシュ、焼却灰、焼成した粘土等のポゾランや、石灰石粉末、γ-C2S、又は建設発生土などが利用可能である。特に、鉱物質粉末A1としてγ-C2Sを利用した場合、クリンカに含まれるビーライト(β-C2S)と同一の化学組成でありながら、非潜在水硬性を示すことから、回収後に原料調合処理を行うことなく焼成するのみでセメントクリンカとなり、再度セメント原料M1として利用できるため好適である。
クリンカC1が普通ポルトランドセメントクリンカである場合には、鉱物質粉末A1としてフライアッシュ及び石灰石粉末を用いることで、回収後にセメント原料M1と同等の成分分布を示すことができる。これにより、コンクリートやモルタルとして利用された後の廃コンクリートや廃モルタルを回収後、原料調合処理を行うことなく、再度セメント原料M1として利用できるため好適である。
クリンカC1が、Ca含有量の高い早強ポルトランドセメントクリンカである場合には、鉱物質粉末A1として、Si源となるフライアッシュを用いることで、回収後にセメント原料M1と同等の成分分布を示すことができる。また、クリンカC1がCa含有量の低い中庸熱ポルトランドセメントクリンカ、低熱ポルトランドセメントクリンカ等である場合には、鉱物質粉末A1としてCa源となる石灰石粉末を用いることで、回収後にセメント原料M1と同等の成分分布を示すことができる。
混合処理工程S3は、分級・粗砕処理工程S2で得られた微粒FC1と、鉱物質粉末A1とを、例えばミキサ等の混合機で混合することで、クリンカC1から分級された微粒FC1と鉱物質粉末A1とが混合された、細骨材CFAとして利用可能な混合物D1を得る工程である。
なお、分級・粗砕処理工程S2で得られた粗粒CC1と、鉱物質粉末A1とを、例えばミキサ等の混合機で混合することで、粗骨材CCAとして利用可能な混合物D2を生成することも可能である。
これらの混合物(D1,D2)によって生成された、骨材(CFA,CCA)によれば、クリンカC1からなる粒子(微粒FC1/粗粒CC1)に対して、当該粒子よりも粒径の細かい非潜在水硬性の鉱物質粉末A1が混合されている。この結果、骨材(CFA,CCA)が長期間にわたって保管されていても、クリンカC1からなる粒子に対して水和反応が進行することが抑制される。これにより、クリンカC1からなる粒子同士の固結も抑制される。また、保管中に変色するという課題も生じない。
また、クリンカC1は十分強度が高いため、鉱物質粉末A1が混合されてなる混合物(D1,D2)によって得られる骨材(CFA,CCA)は、骨材として求められる強度を満たすことができる。
(コンクリート化/モルタル化処理S4)
細骨材CFAとして利用可能な混合物D1は、セメントCM、及び粗骨材CAと共に水と混合されることでコンクリート化される。この混合時に利用される粗骨材CAとしては、上記の方法で得られたクリンカC1から生成された、粗骨材CCAとして利用可能な混合物D2を用いても構わないし、他の粗骨材を用いても構わない。
また、この混合物D1がモルタルとして利用される場合には、セメントCM及び水と混合されることで、モルタル化される。コンクリート又はモルタルが、セメント硬化体に対応する。
また、粗骨材CCAとして利用可能な混合物D2は、セメントCM、及び細骨材FAと共に水と混合されることでコンクリート化される。この混合時に利用される細骨材FAとしては、上記の方法で得られたクリンカC1から生成された、細骨材CFAとして利用可能な混合物D1を用いても構わないし、他の細骨材を用いても構わない。
(共用工程S5)
上記方法で得られたコンクリート又はモルタルが、現場において利用される。
(リサイクル工程S6)
利用後のコンクリートは、粗骨材が分離される。コンクリートにおいて、混合物D1が細骨材として利用されていた場合、粗骨材が分離された後の回収物である、細骨材CFA及びペースト部分によって、セメント用のリサイクル原料RMが得られる。また、コンクリートにおいて、混合物D2が粗骨材として利用されていた場合には、分離された粗骨材CCAについても、セメント用のリサイクル原料RMとして利用できる。
このクリンカC1と鉱物質粉末A1が混合されてなる骨材を回収後に得られるリサイクル原料RMは、セメント原料M1として焼成されることで、加熱時にCO2を排出する石灰石原料の利用量を低下できる。これにより、クリンカ生成処理工程S1時に発生するCO2の発生量が減少すると共に、この処理に要するエネルギー量も削減できるため、地球温暖化の抑制に寄与する効果が得られる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されない。
[1.使用材料]
(セメントクリンカC1)
セメントクリンカC1として、太平洋セメント社製、普通ポルトランドセメントクリンカが利用された。この普通ポルトランドセメントクリンカの、蛍光X線分析(XRF)法の定量分析により求めた化学組成を表1に、粉末X線回折(XRD)リートベルト法により求めた鉱物組成を表2に、それぞれ示す。
なお、本明細書において、「C3S」、「C2S」、「C3A」、「C4AF」なる表記は、いずれもセメント化学分野で汎用的に用いられている略記号であり、それぞれは、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2、3CaO・Al23、4CaO・Al23・Fe23に対応する。
Figure 0007407049000001
Figure 0007407049000002
(鉱物質粉末A1)
鉱物質粉末A1としては、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」のII種規格を充足する、フライアッシュII種が用いられた。利用されたフライアッシュII種の、鉱物組成を表3に、密度、粒径、ブレーン比表面積、及び強熱減量(Ig.loss)の値を表4に示す。
なお、鉱物組成は、X線回折/リートベルト解析による方法に準拠して、結晶質相の含有率(質量%)を求めた後、該含有率を100(質量%)から引いて得た値をフライアッシュ全体の非晶質相(glass)量とした。粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置による計測値に基づくメディアン径(50%粒子径)が採用された。ブレーン比表面積は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠した方法で測定した。密度及びIg.loss値は、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」に準拠した方法で測定した。
Figure 0007407049000003
Figure 0007407049000004
[2.製造方法]
上記セメントクリンカC1を分級・粗砕することで、下記表5に示す粒度分布を示す細骨材CFAを製造した。分級装置としては、網ふるいが用いられ、粗砕装置としては、ジョークラッシャ―及びトップグラインダーが用いられた。なお、「粒体の粒度」とは、粒体における最大寸法(例えば、断面が楕円である粒体においては、長軸の寸法をいう。)をいう。
Figure 0007407049000005
また、各細骨材CFAに対して、JIS A 1109「細骨材の密度及び吸水率試験方法」に準拠した方法で測定・算定した、絶乾密度、表乾密度、及び吸水率の値を下記表6に示す。
Figure 0007407049000006
(実施例1)
上記表5に示す粒度分布を満たす細骨材CFA100質量部に対し、上記表3及び表4に示す性質を有する鉱物質粉末A1を5質量部混合し、混合物D1からなるクリンカ骨材X1を作製した。
(実施例2~実施例3)
鉱物質粉末A1の混合比率を変化した点以外は、実施例1と同様の方法で製造し、混合物D1からなるクリンカ骨材を作製した。
(比較例1)
鉱物質粉末A1を混合せずに上記表5に示す粒度分布を満たす細骨材CFAにより、クリンカ骨材を作製した。
[3.実験内容]
実施例1~3及び比較例1の各クリンカ骨材を、40℃、98%RHの恒温恒湿槽に7日間保存した。その後、各クリンカ骨材を恒温恒湿槽から取り出した後、粉砕し、熱重量分析装置を用いて550℃時における質量変化量を測定した。この変化量は、水和物からの脱水量とみなすことができる。
また、この水分はセメントクリンカの水和反応に使用された結合水であると判断できるため、比較例1の質量減少率を基準としたときの、各実施例1~3における結合水の減少率(%)を算出した。
[4.結果]
結果を表7に示す。
Figure 0007407049000007
表7によれば、実施例1~3は、いずれも比較例1と比べて結合水が減少しており、このことは、セメントクリンカ骨材に、非潜在水硬性の鉱物質粉末であるフライアッシュ粉末が混合されることで、水和反応が抑制できていることを示している。
仮に、フライアッシュの混合が水硬性成分の希釈のみの効果しか奏さないとすれば、鉱物質粉末A1を骨材100質量部に対して10質量部だけ混合した(混合率9.1%)実施例2の場合には、結合水減少率は9.1%程度を示すはずである。しかし、表7の結果から、結合水減少率は約43%と大きな値を示している。このことは、フライアッシュ粉末の混合によって、セメントクリンカの水和反応が抑制できていることを示唆するものである。
なお、表7によれば、セメントクリンカ骨材100質量部に対して、5質量部以上のフライアッシュ粉末を混合することで、セメントクリンカの水和反応が抑制できることが分かる。また、混合比率を高めることで、その水和反応の抑制効果が高められることも確認される。
また、各クリンカ骨材は初期時には灰色を示していたが、フライアッシュ粉末を混合しなかった比較例1では、恒温恒湿槽から取り出した後、やや白色に変化していた。これに対し、実施例1~3では色の変化が確認されなかった。

Claims (2)

  1. セメントクリンカを所定の分級点で粗骨材用の粗粒と細骨材用の微粒に分級した後、分級後に得られた前記微粒から粒径0.15mm未満の微粉を取り除く工程(a)と、
    前記工程(a)の後、前記微粒に対して粒径0.15mm未満の鉱物質粉末を混合する工程(b)とを含み、
    前記鉱物質粉末は、火山灰、凝石灰、ケイ藻土、フライアッシュ、焼却灰、焼成した粘土、石灰石粉末、γ-C2S、及び建設発生土からなる群に属する1種以上であり、
    前記工程(b)は、前記セメントクリンカの質量100部に対して5部以上、30部以下で前記鉱物質粉末を混合する工程であることを特徴とする、水硬性硬化体用材料の製造方法。
  2. 請求項に記載の製造方法で得られた水硬性硬化体用材料、セメント、及び水を混合してセメント硬化体を得ることを特徴とする、セメント硬化体の製造方法。
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