JP7405705B2 - 船舶 - Google Patents

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Description

本発明は舶用二重反転プロペラを備える船舶に関する。
二重反転プロペラは2つのプロペラを前後に同軸配置し、相互に逆回転させるプロペラである。二重反転プロペラはカウンタートルクを相殺できることや、前方のプロペラのプロペラ後流の旋回流を後方のプロペラの推進に利用でき推進効率に優れることから、主に航空機に使用されている。
一方で船舶への二重反転プロペラの適用は、航空機ほど進んでいない。これは、駆動機構が複雑になりやすく、機械的信頼性に問題があることが大きな理由である。
例えば公知の二重反転プロペラは、一方のプロペラを駆動する中空の駆動軸を他方のプロペラを駆動する駆動軸回りに設ける(特許文献1)。このような構造では駆動軸回りの構造が複雑になり維持管理の点で問題がある。また、一方の駆動軸が他方の中空軸の内部に配置されるため、何れかの駆動軸に偏心や撓み等の不具合が生じると、2つの駆動軸が互いに接触して2つのプロペラが同時に故障する恐れがある。そのため、特にプロペラが故障すると漂流、遭難になる可能性が高い外航船のような船舶に用いるには、冗長性の面でも別途対策が必要である。
これに対して、2つのプロペラの動力伝達機構を分離して冗長性を確保することで信頼性を向上させた二重反転プロペラもある。例えば船長方向後方の副プロペラをポッド推進器として主プロペラ後方に設けた構造がある(特許文献2)。船長方向後方の副プロペラを固定舵板の舵バルブに設け、舵バルブ内のモータで副プロペラを駆動する構造もある(特許文献3)。
特開2004-168222号公報 特開2011-025816号公報 特開2014-019199号公報
特許文献2、3の構造は2つのプロペラの動力伝達機構が分離されており、一方のプロペラが故障で動作しなくても、他方のプロペラで航行可能である点で冗長性に優れる。
しかしながら特許文献2、3で後方のプロペラの推力を、主機で駆動する他のプロペラと同程度にすると、従来のポッドや固定舵に搭載が困難な大型モータが必要になる。
そのため、モータを収納するポッドや舵も大型化する必要があり、大型化に伴う重量増に対応した補強構造が必要となり、構造が複雑化する。
よって、冗長性を確保するために動力伝達機構を分離しても、モータの大型化に対応するために結局は構造が複雑化し、維持管理の点で問題のある構造になっていた。また、大型化したモータを設置するスペースが無い場合は、二重反転プロペラを採用できなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも構造が単純で信頼性に優れた二重反転プロペラの提供を目的とする。
本発明の船舶は、船長方向を向く軸中心に回転可能に船舶の船尾に設けられ、主機の動力が伝達される主プロペラと、前記主プロペラの船長方向後方に同軸線上に配置され前記主プロペラと逆向きに回転する副プロペラを備える船舶用二重反転プロペラを備える船舶であって、前記副プロペラは、前記主プロペラの船長方向後方に配置された可動舵の舵バルブ内の電動モータで駆動され前記舵バルブの船長方向前端を構成する外形の副プロペラボスと、前記副プロペラボスの径方向に突設され、前記主プロペラのプロペラ翼の直径の50%以上、70%以下の直径を有する副プロペラ翼を備えていて、前記主機の動力軸に連結され、前記動力軸から動力が伝達されると回生駆動して発電して前記電動モータを駆動し、電力が供給されると力行して前記動力軸に動力を伝達することで前記主機の駆動を補助する回生モータと、前記主機以外の船内装置の駆動電源であり、かつ前記電動モータと前記回生モータに電力を供給する船内発電機と、前記主機、前記回生モータ、及び前記船内発電機の駆動を制御する制御部とを備えた船舶において、前記制御部は、前記回生モータを前記主機の動力で回生駆動させて、回生電力のみで前記電動モータを駆動する低速航行モードと、前記船内発電機の電力で前記回生モータを力行させて前記主機の駆動を補助させ、前記船内発電機の電力で前記電動モータを駆動する高速/荒天航行モードの何れか1つの航行モードを、航行に必要な出力の大小に応じて選択して前記副プロペラを駆動する制御を行うことを特徴とする。
この構成では、二重反転プロペラの副プロペラを小径化して可動舵の舵バルブと一体化し、操舵に伴い旋回することで操舵に影響を与えずに主プロペラのプロペラ後流の旋回流の一部を利用して推進効率を高め、舵バルブとして推進効率を高める。
つまり、副プロペラは二重反転プロペラの片方のプロペラというよりは、主プロペラの補助として条件付きで逆回転する補助プロペラであり、2つのプロペラで同程度の推力を発生させる従来の二重反転プロペラとは全く構成も作用も異なる。
そのため、本発明の二重反転プロペラは副プロペラを駆動するモータを大型化する必要がなく、従来の舵バルブを備える船舶に適用が容易であり、構造が単純で信頼性に優れる。
本発明によれば、従来よりも構造が単純で信頼性に優れた二重反転プロペラを提供できる。
本実施形態に係る船舶の概要を示す船尾付近の側面断面図である。 図1の機能ブロック図であって、実線は電力線を示し、破線は信号線を示す。 図1の二重反転プロペラ付近の拡大図である。 図1において、低速航行モード時の電力の供給を示す図である。 図1において、中速航行モード時の電力の供給を示す図である。 図1において、高速/荒天航行モード時の電力の供給を示す図である。 本実施形態に係る船舶の航行方法を示すフロー図である。
以下、図面に基づき本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
まず図1~図3を参照して本実施形態に係る船舶1の構成を説明する。
図1~図3に示すように船舶1は船体5、舵31、主機6、二重反転プロペラ3、電動モータ17、回生モータ11、船内発電機13、スイッチング回路15、及び制御部61を備える。
船体5は船舶1の船殻となる構造体であり、船底、側壁、暴露甲板で船内を囲むように構成される。具体的な船形や船殻構造、あるいは水密隔壁の配置等は船舶1の用途に応じて適宜設計される。例えば図1では船尾構造としてトランサムスターンを例示しているが、クルーザースターンやカウンタースターンでもよい。
舵31は船舶1の針路を変更する際に鉛直方向であるZ方向を軸中心として回動する水中板である。図1では舵31としてマリナー型と呼ばれる構造を例示しているが、吊舵型や高揚力舵でもよい。舵31は固定舵33、可動舵35、及び舵バルブ37を備える。
固定舵33は舵31を構成する他の部材を船体5に固定する部材であり、回動しない部材である。マリナー型の場合、固定舵33はラダーホーンとも呼ばれる。図1の固定舵33は船体5の船尾船底から下方に突設された板状部材であり、板の主面である側面が鉛直方向であるZ方向及び船長方向であるX方向に平行である。
固定舵33は船尾端から船尾方向に突設された固定部33a、33bを備える。固定部33a、33bは可動舵35を回動可能に保持する板状部材であり、回動軸であるラダーストック36が固定部33aをZ方向に挿通する。
可動舵35は固定舵33の船首尾方向後端に設けられ、ラダーストック36の軸を中心に回動可能な板状部材である。
可動舵35の上端の船首方向前端には固定部33aと固定部33bの間に挿入される挿入板部35aが設けられ、挿入板部35aにはラダーストック36が挿通されて固定部33aと連結される。固定部33bは図示しないピントルでZ方向を中心軸に可動舵35が回動可能に挿入板部35aと連結される。
可動舵35はラダーストック36の動力が伝達されて回動する。
舵バルブ37は可動舵35の両側面及び前端から突出した膨出部であり、図1では側面視、つまり船幅方向であるY方向から見て紡錘形の外形を有する。具体的には舵バルブ37は船長方向であるX方向に延びる円筒状であり、両端が先細りの形状である。舵バルブ37はX方向から見ると円形である。舵バルブ37は二重反転プロペラ3に流入する水の流速を減速させて推進効率を向上させるために設けられる。舵バルブ37は推進効率を向上させることができ、かつ操舵の妨げにならない範囲で外形や寸法が設定される。
主機6は船舶1の推進力を発生させる機関であり、図1では二重反転プロペラ3の少なくとも一方を駆動する機関である。
主機6は図1では船尾近傍に配置されたディーゼル機関であるが、二重反転プロペラ3の少なくとも一方を駆動できるのであれば蒸気タービンでもよい。
図1の主機6は動力軸が2つあり、動力を2か所から取り出せる構造になっている。具体的には主機6は船尾側の端部に設けられた主プロペラ軸21と、船首側の端部に設けられた主機モータ軸25を備える。主プロペラ軸21と主機モータ軸25は動力が互いに伝達される構造になっている。
二重反転プロペラ3は回転することで船舶1を推進させる推進器である。二重反転プロペラ3は主プロペラ7と副プロペラ9を備える。
電動モータ17は船舶1において、副プロペラ9を駆動させるモータであり、舵バルブ37内に配置される。図3に示すように、電動モータ17の駆動軸である電動モータ軸17aは船長方向であるX方向の船首側に突設される。電動モータ17の定格は二重反転プロペラ3の出力に応じて設定される。電動モータ17の駆動方式は副プロペラ9を駆動させられるのであれば公知の方式を適宜使用できるが、回転数制御のし易さや効率を考慮すると、同期電動機が好ましく、永久磁石同期電動機(PM(Permanent Magnet)同期電動機)がより好ましい。
回生モータ11は主機6の動力が伝達されることで回生発電し、電力が供給されると力行することで主機6の駆動を補助するモータである。
回生モータ11は主機6の動力軸である主機モータ軸25とギヤ27、29を介して主機6と連結されており、電力の供給が無い状態では、主機6が駆動すると主機6の動力が主機モータ軸25とギヤ27、29を介して伝達され、回生発電する。発電した電力は電動モータ17に供給されて電動モータ17を駆動させる。回生モータ11は電力が供給された状態では、力行することでギヤ27、29を介して主機モータ軸25に動力を伝達して主機6の駆動を補助する。
回生モータ11は回生及び力行が可能で、かつ主機6の駆動を補助できるのであれば公知の駆動方式を適宜使用できるが、電動モータ17と同様に同期電動機が好ましく、PM同期電動機がより好ましい。
船内発電機13は二重反転プロペラ3以外の船舶1内の船内装置23を駆動させる電力を生成する発電機であり、ディーゼル発電機を例示できる。船内装置23としては、船内の照明や空調、あるいは船舶1が貨物船の場合、船体5に固定されて貨物の船積/陸揚の際に用いられるクレーンが挙げられる。
ただし本実施形態の船内発電機13は、二重反転プロペラ3の推進力の補助として電力の一部を用いる構成となっている。そのため、船内発電機13の電力線は電動モータ17に接続されており、電動モータ17の駆動電源となる場合がある。また船内発電機13の電力線は回生モータ11にも接続されており、回生モータ11が力行する際の駆動電源になる場合もある。
スイッチング回路15は船内発電機13や回生モータ11で生成された電力を電動モータ17に供給する際に電圧や周波数を調整するインバータ装置である。スイッチング回路15は船内発電機13で生成された電力を回生モータ11に供給する際に電圧や周波数を調整するインバータ装置でもある。スイッチング回路15は船内発電機13や回生モータ11と電動モータ17を結ぶ電力線の中途、及び船内発電機13と回生モータ11を結ぶ電力線の中途に設けられる。スイッチング回路15は電動モータ17や回生モータ11に供給する電力の電圧や周波数を所望の範囲に制御できるのであれば公知のインバータを用いることができる。例えば電動モータ17や回生モータ11がPM同期電動機の場合、スイッチング回路15は可変電圧可変周波数(VVVF、Variable Voltage Variable Frequency)制御インバータが用いられる。
主プロペラ7は主機6の動力が直接伝達されるプロペラであり、船長方向であるX方向を向く軸中心に船舶1の船体5の船尾に回転可能に設けられ、主プロペラ軸21の船尾端に連結される。図3に示すように主プロペラ7は主プロペラボス41及び主プロペラ翼43を備える。
主プロペラボス41は主プロペラ7の外筒部分であり、主プロペラ軸21の船尾側の端部が図示しないキー等で連結、固定されて動力が伝達され、伝達された動力で軸中心に回転する。
主プロペラ翼43は主プロペラボス41の外周から径方向に突設された複数の羽根状の板材である。主プロペラ翼43の数及び直径D1は、主プロペラ7に必要とされる推力や設置スペースに応じて適宜設定される。なお、ここでいう「主プロペラ翼43の直径」とは回転軸である主プロペラ軸21の回転中心Cから主プロペラ翼43の径方向先端までの径方向距離の2倍の値を意味する。
副プロペラ9は主プロペラ7の船長方向後方に同軸線上に配置され、主プロペラ7と逆向きに回転するプロペラである。ここでいう船長方向後方とは、船長方向において、副プロペラ9が主プロペラ7よりも船首から遠い位置にあることを意味する。
副プロペラ9は主プロペラ7のプロペラ後流の旋回流を推進力として利用することで、推進効率を向上させるとともに、主プロペラ7と逆向きに回転することで主プロペラ7の回転のカウンタートルクを相殺する作用を有する。
図3に示すように副プロペラ9は、副プロペラボス51及び副プロペラ翼53を備える。
副プロペラボス51は副プロペラ9の外筒部分であり、電動モータ17の駆動軸である電動モータ軸17aの船首側の端部が図示しないキー等で連結、固定されて動力が伝達され、伝達された動力で軸中心に回転する。
この構造では主プロペラ7の駆動軸である主プロペラ軸21と副プロペラ9の駆動軸である電動モータ軸17aは互いに分離されており、軸方向に離間して対向するが、径方向には対向しない。よって主プロペラ軸21と電動モータ軸17aは互いに干渉しないので、一方に偏心や撓み等の不具合が生じても、他方に接触して主プロペラ7と副プロペラ9が同時に故障する可能性は低い。
また、この構造では副プロペラ9が可動舵35に設けられる。固定舵33に副プロペラ9を設けると、その分、固定舵33が大きくなり、可動舵35の面積が小さくなる一方で、この構造では副プロペラ9が可動舵35と一体となるので、固定舵33を大きくすることなく、可動舵35の面積を確保しやすい。そのため、旋回性能等の運動性に副プロペラ9が悪影響を与えにくい。
さらに図3に示すように副プロペラボス51は舵バルブ37の一部を構成する外形である。具体的には、舵バルブ37は側面視でX方向に延びる円筒形状であって、両端が先細りの形状である。図3の副プロペラボス51は舵バルブ37の船長方向前端を構成するため、船尾側から船首側に向けて先細りの円錐形状を有する。ここでいう船長方向前端とは、船長方向において船首側の端部のことを意味する。
このように副プロペラボス51を舵バルブ37の一部とすることで、副プロペラ9を舵バルブ37としても機能させることができ、推進効率の点で益々有利である。
副プロペラ翼53は副プロペラボス51の外周から径方向に突設された複数の羽根状の板材である。副プロペラ翼53の数は要求される推進力に応じて適宜設定する。ただし副プロペラ翼53の直径D2は、主プロペラ7の主プロペラ翼43の直径D1よりも短い。ここでいう「副プロペラ翼53の直径」とは回転軸である電動モータ軸17aの回転中心Cから副プロペラ翼53の先端までの径方向距離の2倍の値を意味する。
このように、副プロペラ翼53の直径D2を、主プロペラ7の主プロペラ翼43の直径D1よりも短くする理由について説明する。
船舶1は二重反転プロペラ3を設けることによる推進機構の構造の複雑化と信頼性低下を回避するため、副プロペラ9を可動舵35に設け、可動舵35内の電動モータ17で駆動することで、主プロペラ7と副プロペラ9の駆動軸を分離している。
一方で、従来の二重反転プロペラ3は主プロペラ7と副プロペラ9の直径は同程度であり、推進力も同程度である。そのため、船舶1の構造で主プロペラ7と副プロペラ9の直径を同程度で推進力も同程度にすると、電動モータ17が大型化し、舵31も大型化して重量増となり、舵31の重量を支持する構造等が複雑化する。
主プロペラ7と副プロペラ9の駆動軸を分離した構造自体は公知なのに既存船舶への二重反転プロペラの適用が消極的な理由は、このように、冗長性を確保するため駆動軸を分離すると装置の大型化の問題が生じ、結局は構造が複雑となるためである。
これに対して本発明者は、船舶用の二重反転プロペラでは、2つのプロペラが同程度の推進力を発生させる必要がないと考えた。理由は以下の通りである。まず航空機用の二重反転プロペラはカウンタートルクの相殺が重要である。これは、航空機は針路変更の際にロール運動を行うため、カウンタートルクを考慮しないと常に一方にロール運動を続け、針路を固定し難いためである。一方で船舶は水による推進抵抗が空気よりも極端に大きいため、カウンタートルクの相殺が航空機ほど重要ではない。
また、二重反転プロペラは進行方向前方のプロペラである主プロペラ7の後流の旋回流のエネルギーを、進行方向後方のプロペラである副プロペラ9が回収することで推進効率を高める。そのため、旋回流のエネルギーを完全に回収しなくても、一部を回収するだけでも推進効率は高められる。
さらに、電動モータ17を舵バルブ37の内部に設け、副プロペラ9が舵バルブ37として作用する外形にすれば、旋回流のエネルギーを完全に回収しなくても舵バルブ37として推進効率を高められる。
また、旋回流のエネルギーの一部を回収するだけであれば、副プロペラ9を主プロペラ7と常に同軸線上に配置する必要がないため、副プロペラ9を可動舵35に設けて、舵31を切った場合に旋回しても構わない。この場合は舵角によっては副プロペラ9が主プロペラ7に接触する可能性があるが、主プロペラ7と副プロペラ9の軸方向の距離を離すことで、接触を防止できる。
さらに副プロペラ9を主プロペラ7と常に同軸線上に配置する必要がないのであれば、従来技術のように、一方のプロペラを駆動する中空の駆動軸を他方のプロペラを駆動する駆動軸回りに設ける必要がない。そのため主プロペラ7と副プロペラ9の駆動軸を分離して冗長性を確保できる。
以上の知見から、本発明者は副プロペラ9の駆動軸を主プロペラ7と分離した上で、小径化して舵バルブ37と一体化することで、プロペラ後流の旋回流のエネルギーの一部のみを回収する場合でも推進効率を十分に高められることが分かった。
これにより、電動モータ17を大型化しなくても推進効率を高められ、従来よりも構造が単純で信頼性に優れた船舶用二重反転プロペラを実現できることを見出した。
なお、この構造では主プロペラ7と副プロペラ9の駆動軸が分離されているので、一方のプロペラが停止しただけでは、もう一方のプロペラは停止しない。この点において、一方のプロペラを駆動する中空の駆動軸を他方のプロペラを駆動する駆動軸回りに設ける従来の二重反転プロペラよりも高い冗長性を有する。
さらに、この構造では大半の推力を負担するのは主プロペラ7であり、主プロペラ7の推力のみでも、船舶1は通常の航行が可能であるが、その主プロペラ7は、二重反転プロペラではない公知の1軸船のプロペラと同じ構造にできる。この場合は故障によって通常の航行が不可能になる可能性は、公知の1軸船と同程度で極めて低い。
以上が副プロペラ翼53の直径D2を主プロペラ7の主プロペラ翼43の直径D1よりも短くする理由の説明である。
ただし、直径D2が直径D1の50%未満になると副プロペラ9で回収できる旋回流のエネルギーが著しく小さくなり、推進効率が向上する効果が得られない。よって副プロペラ翼53の直径D2を主プロペラ7の主プロペラ翼43の直径D1の50%以上とする。回収できるエネルギーを確保する観点からは直径D2が直径D1の55%以上であるのが好ましく、58%以上がより好ましい。
また、直径D2が直径D1の70%を超えると、舵バルブ37に収納できる寸法の電動モータ17では副プロペラ翼53を回転させる出力が不足するため、重量が増加するだけで推進効率が向上しなくなる。
よって、副プロペラ翼53の直径D2を主プロペラ翼43の直径D1の70%以下とする。
また、副プロペラ9の重量増を抑制する観点からは直径D2が直径D1の65%以下であるのが好ましく、62%以下がより好ましい。
このように、二重反転プロペラ3は副プロペラ翼53を小径化して可動舵35の舵バルブ37と一体化して舵バルブ37内の電動モータ17で独立駆動させている。
この構成では、二重反転プロペラ3の副プロペラ9を小径化して可動舵35の舵バルブ37と一体化し、操舵に伴い旋回することで操舵に影響を与えず主プロペラ7の旋回流の一部を利用して推進効率を高め、舵バルブ37として推進効率を高める。
つまり、副プロペラ9は二重反転プロペラ3の片方のプロペラというよりは、主プロペラ7の補助として条件付きで逆回転する補助プロペラである。
そのため、二重反転プロペラ3は従来よりも構造が単純で信頼性に優れる。
図3に示すように副プロペラ翼53は後退翼であるのが好ましい。ここでいう後退翼とは、突出方向が径方向だけでなく船長方向後方を向いている翼形状を意味する。
副プロペラ翼53を後退翼とすることで、舵31を切った場合に舵角が後退角以内であれば、副プロペラ翼53が主プロペラ翼43と接触しない。また、副プロペラ翼53を後退翼にしない場合と比べて副プロペラ翼53と主プロペラ翼43の間隔を保った状態で主プロペラボス41と副プロペラボス51の軸方向の離間距離を短くできる。
後退翼の後退角は、ここでは図3に示すように電動モータ軸17aの径方向に平行な仮想線Lに対する副プロペラ翼53のなす角のうちの鋭角αである。後退角は船舶1が必要とする舵角の最大角度以上であるのが好ましい。これにより、舵31を切った場合に副プロペラ翼53が主プロペラ翼43と接触しない舵角を確保できる。
副プロペラ9は主プロペラ7の旋回流の一部を回収できればよいので、電動モータ17の出力は主機6の出力よりも小さくてよい。よって副プロペラ9の出力負担率は50%未満でよい。ここでいう出力負担率とは、電動モータ17の出力を、主機6の出力と電動モータ17の出力の和で割った値に100を乗じたものである。
副プロペラ9の小径化に見合った出力負担率としては25%以下が好ましく、22%以下がより好ましい。
また、副プロペラ9を設けたことによる推進効率向上の効果を十分に得るためには出力負担率は5%以上が好ましく、8%以上がより好ましい。
電動モータ17の出力負担率は船速によって変動してもよい。
例えば電動モータ17の定格を、船舶1の最大船速未満の予め定められた所定の船速における出力負担率に対応した値としてもよい。
具体的には、最大船速未満の所定の船速Vにおける出力負担率が5%以上、25%以下となる定格とすればよい。この場合、船速Vを超える船速で船舶1が航行した場合、推進のために、より大きい出力が必要になるが、電動モータ17は定格以上の出力を出せない。そのため、船速Vを超える船速では電動モータ17の出力は定格で固定され、不足分の出力は主プロペラ7側の出力を上昇させることで補う。そのため、船速Vを超える船速では電動モータ17の出力負担率が船速の上昇とともに低下する。
このように出力負担率に基づく電動モータ17の出力が定格以上の場合は定格で駆動し、主機6の出力負担率を大きくすることで推進効率を大きく下げずに電動モータ17を小型化できる。
図2に示すように制御部61は主機6、電動モータ17、スイッチング回路15、船内発電機13の動作を制御するコンピュータであり、主機6及びスイッチング回路15に電気的に接続される。
具体的には制御部61は、船舶1の航行に要する出力の大小に応じて、低速航行モード、中速航行モード、及び高速航行モードの3つの航行モードの何れか1つの航行モードを選択して、航行する制御を行う。以下、3つの航行モードについて説明する。
低速航行モードは、航行に要する出力が最も小さい出力域で用いられる航行モードであり、具体的には晴天時の低速航行時に用いられる。図4に示すように低速航行モードでは、回生モータ11を主機6の動力で回生駆動させて、回生電力のみで電動モータ17を駆動する。具体的には制御部61は回生モータ11に駆動電力を供給せず、主機6の動力が主機モータ軸25を介して回生モータ11に伝達されるように図示しないクラッチ等を制御し、ギヤ27、29を介して主機モータ軸25と回生モータ11を連結する。
この状態では回生モータ11は電力の供給がないので力行せず、主機6の動力で回生発電を行い、発電した電力をスイッチング回路15に送電する。スイッチング回路15は制御部61の制御に基づき、送電された電力を電動モータ17の駆動に必要な周波数と電圧に変換して電動モータ17に供給し、副プロペラ9を回転させる。
なお、主プロペラ7は主プロペラ軸21を介して主機6に伝達された駆動力で回転する。主機6の出力は制御部61が制御する。
低速航行モードは主機6が主プロペラ7と副プロペラ9の動力源を兼ねる。そのため、高出力を要しない低速航行で有利である。
中速航行モードは低速航行モードより高出力が求められる場合に用いられる航行モードであり、具体的には低速航行モードよりも高速だが、最大船速よりは、かなり遅い船速で晴天時に航行する航行モードである。
図5に示すように中速航行モードは、回生モータ11を主機6の動力で回生駆動させる点は低速航行モードと同じである。ただし、回生電力だけでなく船内発電機13の電力も電動モータ17を駆動する電力に用いる点が低速航行モードと異なる。
具体的には制御部61は低速航行モードと同様に回生モータ11に駆動電力を供給せず、主機6の動力で回生発電を行わせ、発電した電力をスイッチング回路15に送電させる。さらに制御部61は船内発電機13の電力の一部をスイッチング回路15に送電させる。スイッチング回路15は制御部61の制御に基づき、送電された電力を電動モータ17の駆動に必要な周波数と電圧の電力に変換して電動モータ17に供給し、副プロペラ9を回転させる。
なお、主プロペラ7は低速航行モードと同様に主プロペラ軸21を介して主機6に伝達された駆動力で回転する。主機6の出力は制御部61が制御する。
中速航行モードは主機6だけでなく船内発電機13を副プロペラ9の動力源に用いる。そのため、低速航行モードよりも高出力を要する航行で有利である。
高速/荒天航行モードは船舶1の航行時に最も高出力が求められる場合の航行モードであり、具体的には最大船速近傍での航行、又は荒天時の航行モードである。
図6に示すように高速/荒天航行モードは船内発電機13の電力で回生モータ11を力行させて主機6の駆動を補助させ、船内発電機13の電力で電動モータ17を駆動する。
具体的には制御部61は船内発電機13の電力の一部をスイッチング回路15に送電させ、さらに、スイッチング回路15を制御して船内発電機13の電力の一部を電動モータ17と回生モータ11に供給させる。スイッチング回路15は船内発電機13から供給された電力の一部を電動モータ17の駆動に必要な周波数と電圧の電力に変換して電動モータ17に供給し、副プロペラ9を回転させる。さらに船内発電機13から供給された電力の一部を回生モータ11の力行に必要な周波数と電圧の電力に変換して回生モータ11に供給し、回生モータ11を力行させる。力行した回生モータ11がギヤ27、29を介して主機モータ軸25を回転させることで、主プロペラ軸21に動力を伝達し、主機6による主プロペラ7の駆動を補助する。なお高速/荒天航行モードで主機6は電動モータ17を駆動せず、主プロペラ7のみを駆動する。
高速/荒天航行モードは船内発電機13のみを副プロペラ9の電源に用いる。また回生モータ11を主プロペラ7の駆動の補助に用いる。そのため、他の航行モードと比べて主プロペラ7及び副プロペラ9の出力が最も大きくなる。そのため、中速航行モードよりも高出力を要する航行で有利である。
制御部61は、3つの航行モードの何れか1つの航行モードを出力の大小に応じて選択して副プロペラ9を駆動する制御を行う。具体的には、まず船舶1の航行に必要な出力の最小値から最大値までの出力域を3つに区分して制御部61の図示しない記憶部に予め記憶させる。次に制御部61は船舶1の航行時に記憶部を参照し、航行に必要な出力が最小の出力域の場合に低速航行モードを選択し、2番目に小さい出力域の場合に中速航行モードを選択し、最も大きい出力域の場合に高速/荒天航行モードを選択する。
この構成では、航行時に必要な出力が最小の出力域では低速航行モードで主機6が回生モータ11を駆動することで得られた回生電力のみで副プロペラ9を駆動する。2番目に小さい出力域では中速航行モードで船内発電機13の電力も副プロペラ9の駆動に使用する。最も大きい出力域では高速/荒天航行モードで船内発電機13が回生モータ11を力行させて主機6を補助する。
このように、航行に必要な出力に応じて船内発電機13及び回生モータ11を航行用の動力源として用いることで、副プロペラ9を小型化した場合でも航行に必要な推力を維持できる。また、航行に必要な電力の一部を船内発電機13が供給するため、主機6を小型化できる。
航行モードの選択は船速、波高、風速の大小を参照して選択してもよい。
例えば制御部61は、3つの航行モードに対応する3つの船速域、つまり3つの出力域で各々航行可能な速度域を求め、船舶1の船速を遅い順に低速域、中速域、高速域の3つの船速域に区分すればよい。この場合、航行時の船速が低速域の場合に低速航行モードを選択し、中速域の場合に中速航行モードを選択し、高速域の場合に高速/荒天航行モードを選択すればよい。船速は実測してよいし、制御部61が設定する目標船速をそのまま船速としてもよい。
ただし、船速のみを参照して航行モードを選択すると、荒天時のように、波浪による抵抗が大きくなり、低速でも高出力が求められる場合に出力が不足する可能性がある。
そこで、荒天時、具体的には波高及び風速が予め定められた所定の値を超える場合は船速によらず高速/荒天航行モードを選択するのが好ましい。波高や風速は実測してもよいし、気象観測台からの情報を取得してもよい。
この構成では船速が速くなるほど高出力となる航行モードを選択し、荒天の場合は船速によらず最大出力を発揮できる航行モードを選択する。
そのため、船速や気象条件に応じて航行に必要十分な出力を維持できる最適な航行モードを選択できる。
航行モードは必ずしも3つある必要はない。2つでもよい。例えば制御部61は航行モードとして低速航行モードと高速/荒天航行モードの2つのみを用意して、何れか1つの航行モードを、航行に必要な出力の大小に応じて選択してもよい。
具体的には制御部61は、船舶1の航行に必要な出力があらかじめ定められた境界出力以下の場合に低速航行モードを選択し、境界出力を超える場合に高速/荒天航行モードを選択してもよい。
あるいは制御部61は、船舶1の船速があらかじめ定められた境界船速以下の場合に低速航行モードを選択し、境界船速を超える場合に、高速/荒天航行モードを選択してもよい。この場合、波高及び風速が予め定められた所定の値を超える場合は船速によらず高速/荒天航行モードを選択してもよい。
制御部61は同じ航行モードでも、要求される出力が大きくなるほど電動モータ17に供給する電力を大きくしてもよい。
具体的には同じ航行モードで船速が速くなるほど電動モータ17に供給する電力を大きくしてもよい。理由は以下の通りである。
例えば同じ低速航行モードで同じ出力で航行を続けた場合、中速航行モードとの境界付近の船速では出力不足になる可能性がある。出力不足にならないように、中速航行モードとの境界付近の船速に応じた出力に低速航行モードの出力を固定すると、逆に中速航行モードとの境界よりも遅い船速では出力が過剰となる。
このような場合に同じ航行モードでも、船速が速くなるほど副プロペラ9の駆動に要する電力を多くすることで、異なる航行モードの境界近傍の船速の場合に副プロペラ9の駆動に要する出力の不足や過多を防止できる。
なお、制御部61は低速域での航行時のみ副プロペラ9を回転させてもよい。具体的には船速が予め定められた所定の下限船速以下で、波高及び風速が予め定められた所定の値を超えない場合のみ回生モータ11又は船内発電機13から電動モータ17に電力を供給し、中速域、高速域、及び荒天時は電力を供給しなくてもよい。下限船速とは例えば低速域の船速上限である。波高及び風速が予め定められた所定の値を超えない場合とは、荒天時でない場合である。
この場合、中速域、高速域、及び荒天時は主プロペラ7のみが駆動し、副プロペラ9は舵バルブ37としてのみ機能するので、二重反転プロペラとしての推進効率向上効果は低速域での航行時しか得られない。ただし、電動モータ17、主機6、船内発電機13等の動力源や動力伝達機構を小型化できる。また、回生モータ11又は船内発電機13の一方のみが電動モータ17の動力源であればよいので送電機構や動力伝達機構を簡素化でき、機械的信頼性も向上する。よって低速航行モードでの航行が主体の船舶では有利である。なお、低速域での航行時のみ副プロペラ9を回転させる場合、副プロペラ9に電力を供給する電源は、回生モータ11ではなく船内発電機13でもよい。
このように本実施形態における副プロペラ9は航行条件によっては回転しない場合がある。よって副プロペラ9は二重反転プロペラの片方というよりは、主プロペラ7の補助として条件付きで逆回転する補助プロペラである。この点からも、本実施形態の二重反転プロペラ3は、従来のように、2つのプロペラを等価な構造とする二重反転プロペラとは全く異なる構造であることがわかる。
以上が本実施形態における二重反転プロペラ3を備える船舶1の構造の説明である。
次に図7を参照して本実施形態に係る船舶1の航行の手順の一例を説明する。
まず制御部61は船舶1の航行時の波高、風速、船速を取得する(図7のS1)。
次に制御部61は波高及び風速から、荒天時か否かを判断し、荒天時でない場合はS3に進み、荒天時の場合はS4に進む(図7のS2)。具体的には波高及び風速と、航行に必要な出力との関係を予め求めて制御部61に記憶しておき、高速/荒天航行モードでの航行が必要な出力を要求する波高及び風速の場合に荒天時と判断すればよい。
S3で荒天時でないと判断した場合、制御部61は船速が3つの船速域のうち、どの船速域に属するかを判断する。高速域の場合にはS4に進み、中速域の場合はS5に進み、低速域の場合はS6に進む(図7のS3)。
S2で荒天時と判断した場合、及びS3で船速が高速域と判断した場合、制御部61は高速/荒天航行モードを選択して船舶1の航行を行う(図7のS4)。
S3で船速が中速域と判断した場合、制御部61は中速航行モードを選択して船舶1の航行を行う(図7のS5)。
S3で船速が低速域と判断した場合、制御部61は低速航行モードを選択して船舶1の航行を行う(図7のS6)。
以上が本実施形態に係る船舶1の航行の手順の一例の説明である。
このように本実施形態は、二重反転プロペラ3の副プロペラ9を小径化して可動舵35の舵バルブ37と一体化して操舵時の旋回を許容しつつ、主プロペラ7の旋回流の一部を利用して推進効率を高め、舵バルブ37として推進効率を高める。
そのため、副プロペラ9を駆動する電動モータ17を大型化する必要がなく、従来の舵バルブを備える船舶に適用が容易であり、構造が単純で信頼性に優れる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の技術思想の範囲内において各種変形例及び改良例に想到するのは当然のことであり、これらも本発明に含まれる。
1 :船舶
3 :二重反転プロペラ
5 :船体
6 :主機
7 :主プロペラ
9 :副プロペラ
11 :回生モータ
13 :船内発電機
15 :スイッチング回路
17 :電動モータ
17a :電動モータ軸
21 :主プロペラ軸
23 :船内装置
25 :主機モータ軸
27、29 :ギヤ
31 :舵
33 :固定舵
33a、33b :固定部
35 :可動舵
35a :挿入板部
36 :ラダーストック
37 :舵バルブ
41 :主プロペラボス
43 :主プロペラ翼
51 :副プロペラボス
53 :副プロペラ翼
61 :制御部

Claims (8)

  1. 船長方向を向く軸中心に回転可能に船舶の船尾に設けられ、主機の動力が伝達される主プロペラと、前記主プロペラの船長方向後方に同軸線上に配置され前記主プロペラと逆向きに回転する副プロペラを備える船舶用二重反転プロペラを備える船舶であって、
    前記副プロペラは、前記主プロペラの船長方向後方に配置された可動舵の舵バルブ内の電動モータで駆動され前記舵バルブの船長方向前端を構成する外形の副プロペラボスと、前記副プロペラボスの径方向に突設され、前記主プロペラのプロペラ翼の直径の50%以上、70%以下の直径を有する副プロペラ翼を備えていて、
    前記主機の動力軸に連結され、前記動力軸から動力が伝達されると回生駆動して発電して前記電動モータを駆動し、電力が供給されると力行して前記動力軸に動力を伝達することで前記主機の駆動を補助する回生モータと、
    前記主機以外の船内装置の駆動電源であり、かつ前記電動モータと前記回生モータに電力を供給する船内発電機と、
    前記主機、前記回生モータ、及び前記船内発電機の駆動を制御する制御部とを備えた船舶において、
    前記制御部は、
    前記回生モータを前記主機の動力で回生駆動させて、回生電力のみで前記電動モータを駆動する低速航行モードと、
    前記船内発電機の電力で前記回生モータを力行させて前記主機の駆動を補助させ、前記船内発電機の電力で前記電動モータを駆動する高速/荒天航行モードの何れか1つの航行モードを、航行に必要な出力の大小に応じて選択して前記副プロペラを駆動する制御を行うことを特徴とする舶。
  2. 前記制御部は、
    前記船舶の航行に必要な出力があらかじめ定められた境界出力以下の場合に前記低速航行モードを選択し、前記境界出力を超える場合に前記高速/荒天航行モードを選択する請求項1に記載の船舶。
  3. 前記制御部は、
    前記船舶の船速があらかじめ定められた境界船速以下の場合に前記低速航行モードを選択し、前記境界船速を超える場合に、前記高速/荒天航行モードを選択し、
    波高及び風速が予め定められた所定の値を超える場合は船速によらず前記高速/荒天航行モードを選択する請求項1に記載の船舶。
  4. 船長方向を向く軸中心に回転可能に船舶の船尾に設けられ、主機の動力が伝達される主プロペラと、前記主プロペラの船長方向後方に同軸線上に配置され前記主プロペラと逆向きに回転する副プロペラを備える船舶用二重反転プロペラを備える船舶であって、
    前記副プロペラは、前記主プロペラの船長方向後方に配置された可動舵の舵バルブ内の電動モータで駆動され前記舵バルブの船長方向前端を構成する外形の副プロペラボスと、前記副プロペラボスの径方向に突設され、前記主プロペラのプロペラ翼の直径の50%以上、70%以下の直径を有する副プロペラ翼を備えていて、
    前記主機の動力軸に連結され、前記動力軸から動力が伝達されると回生駆動して発電して前記電動モータを駆動し、電力が供給されると力行して前記動力軸に動力を伝達することで前記主機の駆動を補助する回生モータと、
    前記主機以外の船内装置の駆動電源であり、かつ前記電動モータと前記回生モータに電力を供給する船内発電機と、
    前記主機、前記回生モータ、及び前記船内発電機の駆動を制御する制御部とを備えた船舶において、
    前記制御部は、
    前記回生モータを前記主機の動力で回生駆動させて、回生電力のみで前記電動モータを駆動する低速航行モードと、
    前記回生モータを前記主機の動力で回生駆動させ、前記回生電力及び前記船内発電機の電力で前記電動モータを駆動する中速航行モードと、
    前記船内発電機の電力で前記回生モータを力行させて前記主機の駆動を補助させ、前記船内発電機の電力で前記電動モータを駆動する高速/荒天航行モードの何れか1つの航行モードを、航行に必要な出力の大小に応じて選択して前記副プロペラを駆動する制御を行うことを特徴とする舶。
  5. 前記制御部は、
    前記船舶の航行に必要な出力の最小値から最大値までの出力域を3つに区分し、航行中の前記船舶が必要とする出力が最小の出力域の場合に前記低速航行モードを選択し、2番目に小さい出力域の場合に前記中速航行モードを選択し、最も大きい出力域の場合に前記高速/荒天航行モードを選択する請求項4に記載の船舶。
  6. 前記制御部は、
    前記船舶の船速を遅い順に低速域、中速域、高速域の3つの船速域に区分し、
    船速が前記低速域の場合に前記低速航行モードを選択し、前記中速域の場合に前記中速航行モードを選択し、前記高速域の場合に前記高速/荒天航行モードを選択し、
    波高及び風速が予め定められた所定の値を超える場合は船速によらず前記高速/荒天航行モードを選択する請求項4に記載の船舶。
  7. 前記制御部は、同じ航行モードでは、船速が速くなるほど前記電動モータに供給する電力を大きくする請求項1~6の何れか一項に記載の船舶。
  8. 船長方向を向く軸中心に回転可能に船舶の船尾に設けられ、主機の動力が伝達される主プロペラと、前記主プロペラの船長方向後方に同軸線上に配置され前記主プロペラと逆向きに回転する副プロペラを備える船舶用二重反転プロペラを備える船舶であって、
    前記副プロペラは、前記主プロペラの船長方向後方に配置された可動舵の舵バルブ内の電動モータで駆動され前記舵バルブの船長方向前端を構成する外形の副プロペラボスと、前記副プロペラボスの径方向に突設され、前記主プロペラのプロペラ翼の直径の50%以上、70%以下の直径を有する副プロペラ翼を備える船舶において、
    前記船舶の船速が予め定められた所定の下限船速以下で、かつ波高及び風速が予め定められた所定の値を超えない場合のみ前記副プロペラを駆動する制御部を備える船舶。
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