以下、本発明に係る照明器具の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の実施の形態に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、明細書全文において、床面から天井に向かう方向を「Z1方向」とし、天井から床面に向かう方向を「Z2方向」と呼ぶこととする。「Z1方向」および「Z2方向」は、共に、鉛直方向である。また、床面よりも天井に近い側を「Z1側」とし、天井よりも床面に近い側を「Z2側」と呼ぶこととする。さらに、「Z1方向」および「Z2方向」に対して垂直な方向を「水平方向」と呼ぶ。
実施の形態1.
実施の形態1では、照明器具として、天井に取り付けられるタイプの照明器具100を例に挙げて説明する。
以下、照明器具100の構成について、図1~図11を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る照明器具100の構成を示した斜視図である。図2および図3は、実施の形態1に係る照明器具100の構成を示す分解斜視図である。図4は、実施の形態1に係る照明器具100のリフレクタ11の構成を示す斜視図である。図5は、実施の形態1に係る照明器具100のヒートシンク41の構成を示す平面図である。図6は、実施の形態1に係る照明器具100の電源装置50の端子台54を示す部分斜視図である。図7は、実施の形態1に係る照明器具100の電源装置50に設けられる電源ユニット51と端子台54とを示した斜視図である。図8は、実施の形態1に係る照明器具100の構成を示した側面図である。なお、図8は、照明器具100が、天井などの被取付部600に取り付けられた状態を示している。また、図9~図11は、実施の形態1に係る照明器具100の電源装置50の回動状態を示す部分拡大側面図である。
(照明器具100)
照明器具100は、図1~図3に示すように、天井などの被取付部に取り付けられる取付部10と、光を出力する光源ユニット40とを備えている。取付部10は、光源ユニット40の下部に設けられ、光源ユニット40を保持する。光源ユニット40は、取付部10に固定され、後述する発光部21から発生する熱を放熱するためのヒートシンク41を有している。
図8に示すように、照明器具100は、例えば天井などの被取付部600に形成された小径の埋込穴に挿入されるダウンライトである。小径の埋込穴とは、例えば直径がφ75mm~φ85mm程度の円形の穴である。なお、埋込穴が四角の場合では、対角線の長さが75mm~85mm程度である。但し、これらの寸法は一例であって、これらに限定されない。なお、以下では、埋込穴を開口601と呼ぶこととする。照明器具100は、光源ユニット40が被取付部600に形成された開口601に挿入されて、取付部10によって被取付部600に取り付けられる。
従って、照明器具100の光源ユニット40に設けられたヒートシンク41の外径寸法は、被取付部600の開口601に挿入できるように、開口601の直径または対角線よりも小さくなるように設定されている。
(光源ユニット40)
光源ユニット40は、図3に示すように、レンズ30と、発光部21と、ヒートシンク41と、電源装置50とを備えている。光源ユニット40の各構成要素については後述する。
(取付部10)
取付部10は、照明器具100を被取付部600に固定させる際に、被取付部600の開口601に取り付けられる部材である。取付部10は、図1~図3に示すように、リフレクタ11と、バネ12とを有している。
(リフレクタ11)
リフレクタ11は、光源ユニット40からの光が進む方向を調整する。すなわち、リフレクタ11は、光源ユニット40の発光部21から照射される光の照射角度を調整する。図2は、Z1側からZ2方向にリフレクタ11を見た斜視図であり、後述するレンズ30が取り付けられた状態を示している。図3は、同じくZ1側からZ2方向にリフレクタ11を見た斜視図である。図4は、逆に、Z2側からZ1方向にリフレクタ11を見た斜視図であり、レンズ30のみがリフレクタ11に取り付けられ、遮光シート213がリフレクタ11に取り付けられていない状態を示している。
リフレクタ11は、図4に示されるように、反射部111と、鍔部114とを有している。また、リフレクタ11は、図3に示されるように、外筒部112と、内筒部113とを有している。
反射部111は、図4に示すように、リフレクタ11のZ2側に設けられている。反射部111は、円錐台筒型の形状を有している。反射部111は、Z2方向に進むにつれてテーパ状に広がるように形成されている。
鍔部114は、円環状の部材である。鍔部114は、反射部111のZ2側の端部の全周に対して設けられている。鍔部114は、反射部111のZ2側の端部から、外側に向かって、水平方向に延びている。照明器具100を被取付部600に取り付けたときに、鍔部114は、被取付部600の開口601の縁部に当接する。
外筒部112および内筒部113のそれぞれは、円筒形状を有している。内筒部113は、外筒部112の内側に配置されている。外筒部112および内筒部113のそれぞれの軸方向は、Z1方向に延びている。また、図3に示すように、外筒部112の方が、内筒部113よりも、高さが高くなるように形成されている。すなわち、外筒部112の上端の位置が、内筒部113の上端の位置よりも高くなっている。このように、外筒部112が、Z1方向に、内筒部113よりも突出していることで、取付部10が光源ユニット40と接続されたとき、外筒部112は、ヒートシンク41のベース部411と当接し、内筒部113とヒートシンク41のベース部411との間に隙間が形成される。
図2に示すように、外筒部112には、光源ユニット40のヒートシンク41と接続するためのねじなどの接続部品60と係合される係合穴1121が形成されている。また、図3に示すように、外筒部112には、外凸部1122が設けられている。外凸部1122は、外筒部112のZ1側の端部から、Z1方向に突設されている。また、図3に示すように、内筒部113には、内凸部1131が設けられている。内凸部1131は、内筒部113のZ1側の端部から、Z1方向に突設されている。
外凸部1122は、光源ユニット40を取付部10に取り付けるときに、光源ユニット40の位置決めをするために設けられている。内凸部1131は、光源ユニット40を取付部10に取り付けるときに、光源ユニット40の絶縁シート212の側面と接触して、絶縁シート212を誘導するものである。
内筒部113の内側には、光源ユニット40のレンズ30が収容される。レンズ30は、内筒部113にZ1側から挿入され、反射部111の開口の縁に載置される。そして、Z1側に発光部21およびヒートシンク41が取り付けられることで、レンズ30は内筒部113からのZ1方向およびZ2方向の移動が規制される。また、当然ながら、レンズ30の水平方向の移動は、内筒部113の内壁面により規制される。これにより、レンズ30がリフレクタ11から脱落することはない。
よって、光源ユニット40のレンズ30は、固定のための特殊な形状を形成するための加工を行う必要がなく、簡単に、取付部10に設置することができる。また、レンズ30の外径の大きさは、内筒部113の内径よりも小さくなるように形成されている。そのため、内筒部113の内周面とレンズ30の外周面との間に空隙が形成される。そのため、Z1側から内筒部113にレンズ30を挿入する際に、内筒部113の内周面とレンズ30の外周面との間に余裕があるため、レンズ30を挿入しやすい。
バネ12は、バネ鋼材をまげて形成されたものであり、弾性力を有している。バネ12は3個設けられている。しかしながら、バネ12の個数は、3個に限定されず、2個以上であれば任意の個数でよい。バネ12のそれぞれは、リフレクタ11の周方向において同一間隔で配置されることが望ましい。バネ12のそれぞれは、リフレクタ11の鍔部114から、放射状に、外側に向かって延びるように固定されている。
照明器具100を被取付部600の開口601に設置する際に、バネ12は、作業員によって押さえられることで、ヒートシンク41側に弾性変形する。その状態で、照明器具100が開口601に挿入される。照明器具100が開口601に挿入されると、バネ12の弾性変形が解除される。これにより、バネ12と、リフレクタ11の鍔部114とが、開口601の縁部を挟持する。こうして、照明器具100の取付部10は、被取付部600に固定される。
以下、光源ユニット40の各構成要素について説明する。
(発光部21)
光源ユニット40の発光部21は、発光基板2111が実装されたソケット211と、絶縁シート212と、遮光シート213とを有している。
遮光シート213は円環状の部材で、発光基板2111が露出するように中央部分に開口部2131を有している。遮光シート213は、開口縁がソケット211の下面とレンズ30の上端縁との間に挟まれて配置されている。遮光シート213は、後述するレンズ30と内筒部113との間を塞ぎ、発光素子から発光された光を、周囲に漏れないようにレンズ30に導くものである。絶縁シート212は、平板状であり、ソケット211のZ1側の面を覆うように、ヒートシンク41とソケット211との間に配置される。絶縁シート212は、ヒートシンク41とソケット211の発光基板2111との間を絶縁する。ソケット211は、円環状の形状を有し、中央部分の開口に嵌め込まれた発光基板2111を保持する。ソケット211には、電源装置50に接続された電線80(図16参照)が接続されている。発光部21においては、電線80を介して電源装置50と発光基板2111が電気的に接続されている。絶縁シート212とソケット211とは、1対の貫通孔を有し、ネジなどの接続部品61により、ヒートシンク41に固定される。ヒートシンク41のベース部411には、図5に示すように取付孔4112が設けられている。発光部21は、図3に示すように、絶縁シート212をベース部411の下面に当接させ、ソケット211と絶縁シート212に形成された貫通孔に共通に通したネジなどの接続部品61を取付孔4112にねじ込んで、ベース部411に固定される。なお、遮光シート213は、後述するレンズ30および取付部10がZ2側から取り付けられることで脱落を防止できるが、必要に応じて、ソケット211または絶縁シート212に対して、例えば図示しないクリップなどの取付部品で固定してもよい。
発光基板2111には、図示しない発光素子が実装されている。発光素子としては、例えば、LED発光素子が用いられる。なお、発光基板2111の発光素子は、チップオンボード(COB)-LEDでもよく、パッケージされたパッケージタイプの発光素子でもよい。
(レンズ30)
レンズ30は、遮光シート213の開口部2131を覆うように配置される。レンズ30は、円錐台形状を有し、Z2側の端面縁にはフランジが設けられている。フランジは水平方向に、外側に向かって突出している。レンズ30は、発光部21から出射された光が目標の方向に照射されるように光の進む方向を制御する。レンズ30のZ1側の端面は、中央部分が凹んだ凹レンズ形状を有した入射凹部となっている。レンズ30のZ2側の端面は、平面形状を有した照射部となっている。レンズ30は、Z1側の入射凹部に発光部21からの光が入射され、入射された光を予め設定された方向へ向けてZ2側の照射部からZ2方向に出射する。
(ヒートシンク41)
ヒートシンク41は、アルミニウム等の放熱効率の良い部材から構成されており、発光部21から発生される熱を外部に放出する。ヒートシンク41は、鍛造によって成形される。ヒートシンク41は、純度の高いアルミニウム等の金属材料を鍛造用金型に押し込んで圧縮することで成型される。ヒートシンク41は、図2に示されるように、取付部10に固定される板状のベース部411と、放熱フィン410とを有している。放熱フィン410は、ベース部411の2つの主面のうち、Z1側の主面に設けられ、当該主面に対して垂直な方向に延びている。すなわち、放熱フィン410は、ベース部411のZ1側の主面からZ1方向に立ち上がるように配置されている。ヒートシンク41は、図3に示されるように、ベース部411のZ2側の主面が発光部21に対向する向きに配置される。
また、ヒートシンク41は、図8~図11に示すように、電源保持部4113と、軸部414と、係止部415とを備えている。電源保持部4113は、電源装置50を保持する保持部材である。電源保持部4113については図5を用いて後述する。軸部414は、電源装置50を電源保持部4113に対して回動可能に支持する。係止部415は、電源保持部4113に設けられ、電源装置50の回動範囲を制限する。軸部414および係止部415は、共に、ネジから構成されるが、これに限定されない。例えば、軸部414および係止部415を、ヒートシンク41の放熱フィン410の一部分から構成するようにしてもよい。その場合、軸部414および係止部415は、放熱フィン410と同一材料で、放熱フィン410と同時に鍛造によって成型される。
図5に、ヒートシンク41の平面図を示す。ベース部411は、平面視で、円形形状を有しており、外径がφ70mmである。ベース部411の外径はこれに限定されず、φ50mm~φ100mmの範囲で適宜決定される。ベース部411は、電源線が挿通される切欠き部4111と、接続部品60および61が挿入される取付孔4112と、電源保持部4113とが設けられている。また、ベース部411の外周は、完全な円形ではなく、バネ12の位置に合わせて、外周の一部分が直線状に形成されている。ベース部411は、電源保持部4113および切欠き部4111が、電源装置50側になるように配置される。
取付孔4112は、ベース部411の主面に設けられている。取付孔4112は、例えば、ベース部411のZ1側の主面からZ2側の主面まで貫通された直径φ3.3mmの貫通穴である。取付孔4112には、図3に示すネジなどの接続部品61および60が挿し込まれる。それによって、発光部21がヒートシンク41のベース部411に取り付けられるとともに、ヒートシンク41のベース部411が取付部10のリフレクタ11に固定される。
電源保持部4113は、電源装置50が取り付けられて、電源装置50を保持する保持部材として機能する。電源保持部4113は、図1に示すように、ベース部411からZ1方向に突設されている。電源保持部4113は、図5に示すように、水平断面が横に延びたU字型形状を有している。電源保持部4113は、ベース部411の端部に対に設けられている。図1に示すように、電源保持部4113には、軸部414が挿入される電源保持孔4114(図12を併せて参照)が設けられている。電源保持孔4114は、電源保持部4113の上端から予め設定された距離だけ下方に設けられている。電源保持孔4114は、電源保持部4113のZ1方向の中央部分の位置よりも上方に設けられることが望ましい。電源保持孔4114と後述する図9に示す電源装置50のアーム部521に設けられた取付孔5212とに軸部414が挿入されて、電源装置50が電源保持部4113に取り付けられる。電源保持部4113は、放熱フィン410と共に鍛造によって成型してもよく、別体で形成してもよい。但し、電源保持部4113は、放熱フィンとしても機能することが望ましいので、純度の高いアルミニウム等からなる金属材料から構成されることが望ましい。
切欠き部4111は、ベース部411の一部分を切り欠いて形成されている。切欠き部4111は、平面視で、U字型形状を有している。切欠き部4111は、対に設けられた電源保持部4113の間に配置されており、電源装置50と光源ユニット40とを接続する電線80が、U字型の内側に配置される。
ヒートシンク41がリフレクタ11に固定された状態において、切欠き部4111は、リフレクタ11の外筒部112と内筒部113との間に形成された空間と対向する。電源線を切欠き部4111の内側へ挿通した際に、リフレクタ11の内筒部113とヒートシンク41のベース部411との間には隙間があることで、電源線を挟んでしまうことを抑制することができる。また、外筒部112が内筒部113より突出していることで、外筒部112が電源線の側方を覆い、電源線を外部から保護することができる。
また、図5に示すように、ヒートシンク41の放熱フィン410は、平面視で、ベース部411のZ1側の主面の中心部分から外周部分に向かう方向に放射状に配置されている。放熱フィン410は、ベース部411の取付孔4112が設けられている領域においては、取付孔4112を迂回して、取付孔4112の外周に沿って配置される。以下、放熱フィン410について、さらに詳細に説明する。
図5に示すように、放熱フィン410は、ベース部411の外周部に向かうに従って枝状に分岐していく。放熱フィン410は、ベース部411のZ1側の主面の中心部分に配置された柱部412と、柱部412に連結されたフィン部413とを有している。フィン部413は、平面視で、柱部412を中心にして、柱部412からベース部411の外周部分に向かう方向に放射状に配置されている。フィン部413は、複数のフィン主部4131と、分岐点となるフィン分岐部4132と、フィン主部4131から分岐したフィン端部4133と、迂回部4134とを備えている。
フィン主部4131のそれぞれは、柱部412に連結され、柱部412を中心にして、柱部412からベース部411の外周部分に向かう方向に放射状に配置されている。フィン主部4131のそれぞれは、柱部412の外周に沿って、距離Bの等間隔で配置されている。フィン主部4131は、フィン分岐部4132において、複数のフィン端部4133に分岐する。フィン端部4133のそれぞれは、フィン分岐部4132からベース部411の外周部分に向かう方向に延びるとともに、当該方向に向かうに従って互いに離れるように配置されている。迂回部4134は、フィン主部4131およびフィン端部4133の少なくともいずれか一方に設けられ、取付孔4112を迂回するように、取付孔4112の外周に沿って配置されている。迂回部4134は、取付孔4112の外周に対して、空隙を介して離間して配置されている。迂回部4134は、フィン主部4131およびフィン端部4133と共に、鍛造によって同時に成型される。なお、図5の例では、5個のフィン部413が設けられているが、これに限定されない。また、図5の例では、各フィン部413が、3つのフィン端部4133を有しているが、これに限定されず、任意の個数としてよい。
図5に示すように、柱部412は、平面視で、円形形状を有している。柱部412の外形形状は、図1に示すように、円柱形状を有している。柱部412の長手方向は、Z1方向に延びている。但し、柱部412は、鍛造により成型されているため、中空になっており、ベース部411側の端部は開口している。柱部412の開口した端部は、ベース部411に連結されている。なお、ここでは、柱部412を中空として説明したが、中空でなくてもよい。
図5に示すように、フィン主部4131は、平面視で、細長い矩形形状を有している。フィン主部4131の全体の外形形状は、図2に示すように、長方形の板状形状である。フィン主部4131は、2つの主面と、長手方向に延びた2つの側面と、短手方向に延びた2つの側面とを有している。フィン主部4131の長手方向は、Z1方向に延びている。但し、フィン主部4131は、鍛造により成型されているため、中空になっており、ベース部411側の端部は開口している。フィン主部4131の短手方向に延びた側面のうちの1つは、上記の開口した端部で、ベース部411に連結されている。また、フィン主部4131の長手方向に延びた2つの側面のうちの一方は柱部412に連結され、他方はフィン分岐部4132に連結されている。フィン主部4131の2つの主面から主に放熱が行われる。なお、ここでは、フィン主部4131を中空として説明したが、中空でなくてもよい。
図5に示すように、フィン端部4133は、平面視で、細長い矩形形状を有している。但し、フィン端部4133には、屈曲していない直線形状のものと、1カ所で屈曲した形状のものとが含まれる。フィン端部4133の全体の外形形状は、図2に示すように、長方形の板状形状である。フィン端部4133は、2つの主面と、長手方向に延びた2つの側面と、短手方向に延びた2つの側面とを有している。フィン端部4133の長手方向は、Z1方向に延びている。但し、フィン端部4133は、鍛造により成型されているため、中空になっており、ベース部411側の端部は開口している。フィン端部4133の短手方向に延びた側面のうちの1つは、上記の開口した端部で、ベース部411に連結されている。フィン端部4133の長手方向に延びた2つの側面のうちの一方はフィン分岐部4132に連結され、他方はベース部411の外周部分に配置されている。フィン端部4133の2つの主面から主に放熱が行われる。なお、ここでは、フィン端部4133を中空として説明したが、中空でなくてもよい。
図5に示すように、迂回部4134は、平面視で、幅を有する円弧形状を有している。迂回部4134の幅は、フィン主部4131およびフィン端部4133と同じ寸法になっている。迂回部4134は、フィン主部4131またはフィン端部4133の少なくともいずれか一方に設けられる。迂回部4134は、図3に示すように、円弧状に屈曲した長方形の板状形状を有している。迂回部4134は、2つの主面と、長手方向に延びた2つの側面と、短手方向に延びた2つの側面とを有している。迂回部4134の長手方向は、Z1方向に延びている。但し、迂回部4134は、鍛造により成型されているため、中空になっており、ベース部411側の端部は開口している。迂回部4134の短手方向に延びた側面のうちの1つは、上記の開口した端部で、ベース部411に連結されている。迂回部4134の長手方向に延びた2つの側面は、フィン主部4131またはフィン端部4133に連結されている。迂回部4134の2つの主面から主に放熱が行われる。なお、ここでは、迂回部4134を中空として説明したが、中空でなくてもよい。
このように、フィン部413は、フィン主部4131から分岐したフィン端部4133を有することで、放熱面積を増やすことができる。その結果、フィン部413は、放熱効率を向上させることができるので、フィン端部4133が設けられていない場合と同等の放熱能力を得ようとした場合、フィン部413の個数を低減することが可能である。フィン部413の個数を低減した場合、隣接するフィン端部4133同士の間の距離Cを大きめにとることができる。本実施の形態1においては、隣接するフィン端部4133同士の間の距離Cは少なくとも4mm~5mmを確保している。このようにして、隣接するフィン端部4133同士の間の距離Cを広げることで、放熱効果がさらに向上する。
また、迂回部4134を設けることによって、取付孔4112の形成領域においても、放熱フィン410を設けることができる。その結果、放熱フィン410を間引く必要がないので、均等に放熱フィン410が配置でき、図5に示すように、放熱フィン410のフィン端部4133のそれぞれの先端を、ベース部411の外周に沿って、距離Cの等間隔で配置することができる。
また、迂回部4134を設けることで、柱部412に伝熱された発光部21からの熱を、柱部412からフィン端部4133に至るまで、途中で中断することなく伝熱して、放熱することができる。そのため、放熱効率が向上され、効率よく放熱を行うことができる。
迂回部4134の円弧形状の直径は、取付孔4112に挿入されるネジなどの接続部品60および61の頭部およびドライバーなどの工具が迂回部4134に当たらないように、接続部品60および61および工具の大きさに基づいて適宜設定される。例えば、接続部品60および61がM3のネジの場合は、迂回部4134の取付孔4112側の主面は、平面視で、直径φ5.2mm~φ6.0mmの範囲の円弧状に形成される。なお、これらの寸法は、一例であり、当該例に限定されない。ここで、M3のネジとは、おねじの外径がφ3.0mmのネジのことである。
また、迂回部4134は、ベース部411からZ1方向に立ち上がるように突設されているので、接続部品60を取付孔4112に挿し込むときのガイドになり、作業員が組み立てしやすい。
さらに、図5に示すように、迂回部4134を設けることで、迂回部4134が形成されている領域のフィン部413同士の距離Dは、距離Cと同等か、距離Cよりも広くなっている。このように、迂回部4134が形成されている領域のフィン部413同士の間にはスペースが確保できるので、ヒートシンク41をリフレクタ11に接続部品60で固定する際のZ1側からの組立作業が容易になる。また、これにより、通常用いているネジよりも大きなネジなどの接続部品を用いることが可能になり、その場合には、ヒートシンク41と取付部10との組み立て体の剛性が向上する。
一方、迂回部4134を設けない場合、放熱フィン同士のスペースが狭く、ネジが挿し込みにくいとともに、ネジを不用意に放熱フィンの間に落としてしまわないように作業しなくてはならず、組み立てしにくい。さらに、放熱フィン同士のスペースが狭いことで、接続部品60として、M2またはM1などの小さなネジを用いなければならない。その結果、ヒートシンク41と取付部10との組み立て体の剛性が弱くなる。あるいは、ヒートシンク41と取付部10とが互いに嵌め合いする形状が必要となり、その場合には、ヒートシンク41と取付部10とが複雑な形状になるおそれがある。なお、ここで、M2のネジとは、おねじの外径がφ2.0mmのネジのことであり、M1のネジとは、おねじの外径がφ1.0mmのネジのことである。
さらに、図5では、切欠き部4111と電源保持部4113との間に、フィン部413Aが設けられている。フィン部413Aは、フィン部413と共に鍛造により成型される。そのため、フィン部413Aは、基本的に、フィン部413と同様の構成を有している。フィン部413Aとフィン部413との違いは、図5に示されるように、フィン部413Aが枝状に分岐していない点である。フィン部413Aは、柱部412に連結したフィン主部4131Aと、フィン主部4131Aに対して或る角度を成すように延びたフィン端部4133Aとを有している。フィン端部4133Aのそれぞれは、ベース部411の外周部に向かう方向に延びている。なお、フィン部413Aは枝状に分岐しないとして説明したが、それに限らず、スペースがあれば分岐していてもよい。分岐した場合には、放熱効率がさらに良くなる。
フィン部413Aにも、フィン部413と同様に、迂回部4134が設けられている。迂回部4134は、取付孔4112を迂回するように、取付孔4112の外周に沿って配置されている。フィン部413Aにも迂回部4134が設けられていることで、フィン部413の場合と同様の効果が得られる。
このように、本実施の形態1では、ヒートシンク41のベース部411に対して、密度がほぼ均等になるように、フィン部413および413A、および、電源保持部4113が設けられている。フィン部413および413A、および、電源保持部4113は、いずれも、発光部21からの熱を放熱する。そのため、ヒートシンク41の全体において、放熱を均等に行うことができる。
従来のヒートシンクにおいては、取付孔4112が形成された領域においては、放熱フィン410を間引いていたため、図5の矢印Aで示される放熱フィンが設けられないことになる。その場合、放熱フィンの個数が少なく、放熱効率が低減する。これに対して、本実施の形態1では、迂回部4134を設けたことで、取付孔4112が形成された領域においても、放熱フィン410が設置できるので、放熱フィン410の個数が減ることを防止することができる。
(電源装置50)
電源装置50は、発光部21に電力を供給して、発光部21のソケット211を点灯させるものである。電源装置50は、図1に示すように、ヒートシンク41に取り付けられ、ヒートシンク41の外側に向かって延びるように配置されている。電源装置50の一端は、ヒートシンク41に対して、回動自在に取り付けられている。電源装置50の他端は、自由端になっている。電源装置50は、電源ユニット51と、ケース本体52と、蓋部53と、端子台54とを有している。なお、ケース本体52と蓋部53とは、電源装置50の筐体を構成している。
(端子台54)
図6は、端子台54を示す図である。端子台54は、図6に示すように、電源装置50の2つの端部のうち、自由端になっている方の端部に配置されている。また、端子台54は、図7に示すように、電源端子台54aと、調光端子台54bとを有している。端子台54は、外部の商用電源から電力供給を受けるために電源線が挿し込まれるもので、電源装置50に電力を供給するものである。なお、電源線が挿し込まれる関係で、端子台54は、ケース本体52および蓋部53に完全に覆われず、図6に示すように、少なくとも一部分が外部に露出している。
(電源ユニット51)
電源ユニット51には、電源回路が搭載されている。電源ユニット51は、電源装置50の内部に収容される。電源ユニット51は、ケース本体52に取り付けられる。ケース本体52には、蓋部53がはめられるため、電源ユニット51は外部に露出されない。
(蓋部53)
蓋部53は、箱型形状を有している。蓋部53は、金属板を折り曲げて形成されている。蓋部53は、図6に示すように、蓋底面部532、および、2つの蓋側面部533を有している。蓋部53は、図1に示されるように、ケース本体52に対してZ2側からZ1方向に装着される。蓋部53の2つの蓋側面部533は、蓋底面部532の長手方向に延びた対向する2辺に連結している。2つの蓋側面部533は、蓋底面部532の長手方向に延びた対向する当該2辺に対して垂直になるように、図1のZ1方向に延びている。蓋底面部532、および、2つの蓋側面部533は、1つの金属板を折り曲げることで一体成型されている。
(ケース本体52)
ケース本体52は、箱型形状を有している。ケース本体52は、金属板を折り曲げて形成されている。ケース本体52は、図2および図8に示すように、1対のアーム部521と、本体底面部522と、2つの本体側面部523とを有している。さらに、ケース本体52は、図9~図11に示すように、各アーム部521の先端に設けられた突部5211を有している。ケース本体52の2つの本体側面部523は、本体底面部522の長手方向に延びた対向する2辺に連結している。2つの本体側面部523は、本体底面部522の長手方向に延びた対向する当該2辺に対して垂直になるように、図2のZ2方向に延びている。また、アーム部521のそれぞれは、図2に示されるように、本体側面部523のそれぞれから延びるように設けられている。アーム部521のそれぞれの先端は、図9~図11に示すように、U字型形状を有している。アーム部521および突部5211は、本体底面部522および本体側面部523を構成する金属板の一部を利用して形成される。すなわち、アーム部521、突部5211、本体底面部522および本体側面部523は、1つの金属板から構成されている。アーム部521のそれぞれは、ヒートシンク41の軸部414に固定される。そのため、電源装置50は、軸部414を中心に、ヒートシンク41に対して回動可能に接続されている。
以下、図8~図11を用いて、電源装置50の回動機構について説明する。
上述したように、電源装置50は、軸部414を中心に、ヒートシンク41に対して回動可能に接続されている。すなわち、電源装置50は、軸部414を中心に、ヒートシンク41に対して、図8のR1方向およびR2方向の両方向への回転が可能である。
上述したように、ケース本体52のアーム部521のそれぞれの先端には、図9~図11に示すように、突部5211が設けられている。また、ヒートシンク41には、係止部415が設けられている。係止部415は、電源装置50を軸部414を中心にして回動させたときに、突部5211が係止部415に当接することで、電源装置50の回動範囲を制限する。これにより、アーム部521とヒートシンク41の放熱フィン410との衝突を防止できる。
さらに詳細に説明する。なお、以下の説明において、電源装置50の回動状態を説明するにあたり、電源装置50が、図8および図9の位置にある状態を、電源装置50の基準位置として説明する。すなわち、電源装置50の長手方向が水平方向と一致している状態を、基準位置として説明する。
図9に示すように、アーム部521には、取付孔5212が設けられている。取付孔5212の形成位置は、図1を用いて上述したヒートシンク41の電源保持部4113の電源保持孔4114に合わせて決定される。ネジ等から構成された軸部414が、アーム部521の取付孔5212とヒートシンク41の電源保持孔4114とに挿入されて締結されることで、電源装置50がヒートシンク41に取り付けられる。係止部415は、図9において、軸部414の左下の位置に設けられている。すなわち、係止部415は、軸部414に対して、Z2方向の真下よりも、電源装置50のケース本体52側寄りに設けられている。
アーム部521は、図8に示すように、電源装置50のケース本体52の長手方向に交差する向きに延びている。電源装置50のケース本体52の長手方向とアーム部521の長手方向とが成す角度は例えば135°である。アーム部521の突部5211は、図9に示すように、アーム部521の長手方向に沿って外部に向かって突出している。アーム部521の突部5211は、図9に示すように、アーム部521のU字型の先端において、中央部分に位置している。但し、突部5211の設置位置はこの例に限らない。突部5211は、例えば、下記の条件を満たす位置であれば、任意の位置に設置してよい。
当該条件について説明する。図9に示すように、電源装置50が基準位置にある状態において、突部5211と係止部415との間の角度をβ°とする。これをさらに詳細にいえば、突部5211の係止部415側の側面と、係止部415の突部5211側の側面との間の角度をβ°とする。また、電源装置50が基準位置にある状態において、図9に示すように、アーム部521のZ1側の側面と放熱フィン410のZ1側の端部との間の角度をα°とする。このとき、角度βが角度αよりも小さくなるという条件を満たすように、突部5211と係止部415とのそれぞれの位置を適宜設定する。このようにすることで、電源装置50が角度α°を超えて回動することが防止できる。
作業員が、図9のR1方向に、電源装置50を軸部414を中心に回転させた場合、基準位置からの角度が第1の角度である角度β°になるまで回転させたときに、図10に示すように、突部5211が係止部415に当接する。これにより、電源装置50のR1方向における回転範囲が、基準位置から第1の角度までの範囲に制限される。その結果、電源装置50のケース本体52またはアーム部521が、ヒートシンク41の放熱フィン410に衝突することを防止することができ、衝突によるヒートシンク41および電源部品の変形および破損を防止することができる。このように、係止部415は、電源装置50の第1方向における回転範囲を制限する。また、当該第1方向であるR1方向は、電源装置50がZ1方向に向かう力が加えられたときに、電源装置50の自由端が移動する方向である。
また、アーム部521は、図10および図11に示すように、第2の突部5213を有している。第2の突部5213は、アーム部521の電源装置50が基準位置にある状態におけるアーム部521のZ2側の側面に設けられている。すなわち、第2の突部5213は、アーム部521のケース本体52側の側面に設けられている。このとき、作業員が、図10のR2方向に電源装置50を軸部414を中心に回転させた場合、基準位置からの角度が第2の角度になるまで回転させたときに、図11に示すように、アーム部521の第2の突部5213が、係止部415に当接する。これにより、電源装置50のR2方向における回転範囲が、基準位置から第2の角度までの範囲に制限される。その結果、電源装置50が、ヒートシンク41の放熱フィン410に衝突することを防止することができ、衝突によるヒートシンク41および電源部品の変形および破損を防止することができる。このように、係止部415は、電源装置50の第2方向であるR2方向における回転範囲を制限する係止部としても機能する。なお、R1方向とR2方向とは逆向きである。すなわち、R1方向が、図9の紙面の時計回りの方向であるとき、R2方向は、反時計回りの方向である。なお、R1方向とR2方向とは逆向きである。すなわち、R1方向が、図9の紙面の時計回りの方向であるとき、R2方向は、反時計回りの方向である。
また、図8に示すように、照明器具100が被取付部600に取り付けた状態において、図8のR2方向に回転させた場合、基準位置からの角度が第3の角度になるまで回転させたときに、電源装置50の蓋部53またはケース本体52が、被取付部600に当接する。これにより、電源装置50のR2方向における回転範囲が、基準位置から第3の角度までの範囲に制限される。なお、蓋部53の蓋側面部533は、図6に示すように、端子台54よりも外部に突き出ていることで、端子台54と被取付部600とは当接せずに、端子台54と被取付部600との間に空間を設けることができる。この空間を設けることで、端子台54に接続された電源線が、端子台54と被取付部600との間に挟まれて損傷することを防止できる。また、剛性のある電源線を用いたときには、電源線の弾性力により、電源装置50およびヒートシンク41が押圧されて傾いてしまうことがある。具体的には、電源線を曲げた場合、電源線において元の形状に戻ろうとする復元力が発生する。この復元力が、電源線の弾性力になる。しかしながら、本実施の形態1では、端子台54と被取付部600との間に空間を設けるようにしたので、電源線を曲げる必要がないため、弾性力が発生せず、電源装置50およびヒートシンク41が押圧されて傾いてしまうことを防止することができる。
以上のように、電源装置50は、突部5211によりR1方向の回動が制御されるので、電源装置50とヒートシンク41とが衝突することを抑制することができる。また、電源装置50は、第2の突部5213によりR2方向の回動が制御されるので、電源装置50とヒートシンク41とが衝突することを抑制することができる。その結果、電源装置50およびヒートシンク41が衝突により変形および損傷することを防止することができる。さらに、電源装置50とヒートシンク41との衝突により、電源装置50とヒートシンク41との間に介在する電源線が損傷することがある。しかしながら、本実施の形態1では、電源装置50とヒートシンク41とが衝突することを抑制することができるので、電源装置50とヒートシンク41との間に介在する電源線が損傷することを防止することができる。また、突部5211は、板金を折り曲げて形成されたケース本体52の一部であり、簡易な構成で形成することができる。
なお、第2の突部5213は必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて設けるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態1によれば、ヒートシンク41の放熱フィン410が、接続部品60および61が挿入される取付孔4112が設けられている領域において、取付孔4112を迂回して取付孔4112の外周に沿って配置される迂回部4134を有している。これにより、ヒートシンク41の取付孔形成領域の放熱フィン410を間引くことなく、且つ、照明器具100の組立作業を容易にすることができる。
また、照明装置を小型化する場合には、ヒートシンクを小型化する必要がある。その場合には、さらに、放熱フィンの個数を減らさなくてはならない。しかしながら、本実施の形態1においては、取付孔4112の外周に沿って配置される迂回部4134を設けるようにしたので、放熱フィンの個数が、従来の放熱フィンの個数よりも多い。そのため、照明装置を小型化する場合においても、従来の放熱フィンの個数程度の個数は確保できるため、照明器具の小型化にも対応可能である。
一方、ヒートシンクの放熱フィンの個数を減らさないようにするには、放熱フィン同士の間の空隙を狭くする必要がある。その場合、放熱フィンと放熱フィンとの間に形成されたネジ穴にネジを挿し込もうとしたときに、スペースが狭く、ネジが挿し込みにくいため、組立作業が難しくなる。しかしながら、本実施の形態1においては、取付孔4112の外周に沿って配置される迂回部4134を設けるようにしたので、図5の距離Dで示されるように、取付孔4112の形成領域においては、フィン部413同士の間のスペースが広くなっているので、組立作業が容易である。
なお、上記の実施の形態1で述べた、被取付部600の開口601、ヒートシンク41のベース部411、迂回部4134、および、接続部品60および61などのすべての寸法は、あくまで小型化するときの一例であり、上述した値に限定されない。また、接続部品60および61として、M3のネジを例に挙げて説明したが、これも単なる一例であり、これに限定されず、例えば、ウィットネジなどの規格品のネジなどを用いるようにしてもよい。
実施の形態2.
図12~図16を用いて、実施の形態2に係るヒートシンク41およびそれを有する照明器具100について説明する。
実施の形態2では、上記の実施の形態1の構成に、電線止め部70を追加した実施形態について説明する。他の構成および動作については、上記の実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明は、省略する。
上記の実施の形態1で説明したように、図3に示す発光部21においては、電源装置50とソケット211の発光基板2111とが、電線80(図16参照)を介して電気的に接続される。
一般に、鍛造により形成されるヒートシンク41は、鍛造用金型の特徴により、ベース部411のZ2側の主面には、Z2方向へ突出する部位を形成することはできない。
そのため、ベース部411のZ2側の主面は平坦形状になっており、電源装置50から発光部21へ電力を供給する為の電線80を保持するような突部を形成することができなかった。しかしながら、ベース部411のZ2側の主面において、電線80が引っ掛かる箇所がないと、光源ユニット40を取付部10に取り付けるときに、電線80が意図せず動いてしまうことがある。その場合、リフレクタ11とベース部411との間に電線80を挟んでしまう可能性があった。また、これを回避するために、作業員が電線80を押さえながら、光源ユニット40を取付部10に取り付けしなくてはならず、取り付け作業が複雑になっていた。
そこで、実施の形態2では、ヒートシンク41のベース部411のZ2側の主面に電線止め部70を設けることで、以上のような課題を解決する。
(ヒートシンク41)
図12は、実施の形態2に係るヒートシンク41の構成を示した斜視図である。図12では、ヒートシンク41のベース部411のZ2側の主面が上になるように記載されている。すなわち、図12では、図3のヒートシンク41をZ2側から見た状態を示している。
実施の形態2では、放熱フィン410が設けられているZ1側の主面の反対側の主面を、ベース部411のZ2側の主面または第2主面と呼ぶ。実施の形態2では、図12に示すように、ベース部411のZ2側の主面に、挿し込み穴4115が設けられている。挿し込み穴4115は、ベース部411を貫通する貫通孔であってもよいが、ベース部411を貫通していない凹部でもよい。ヒートシンク41の他の構成は、実施の形態1と同じである。
(電線止め部70)
図13は、実施の形態2に係るヒートシンク41に設けられる電線止め部70の構成を示した斜視図である。図14は、実施の形態2に係るヒートシンク41に設けられる電線止め部70の構成を示した側面図である。また、図15は、実施の形態2に係るヒートシンク41に電線止め部70が取り付けられた状態を示した斜視図である。また、図16は、実施の形態2に係るヒートシンク41に電線止め部70および発光部21が取り付けられた状態を示した斜視図である。
図12に示すように、電線止め部70は、ベース部411に形成された挿し込み穴4115に挿し込まれ、ヒートシンク41に固定される。
電線止め部70は、樹脂材料で形成されている。電線止め部70は、図13および図14に示されるように、挿し込み部71と、止め部72とを有している。挿し込み部71と止め部72とは互いに連結されている。挿し込み部71と止め部72とは樹脂により一体成型されてもよく、あるいは、別々に形成された後に接合されてもよい。
挿し込み部71は、挿し込み穴4115に挿し込まれる箇所である。挿し込み部71は、図13に示すように、先端側から見ると、十字形状を有している。挿し込み部71は、止め部72からZ1方向に突出している。また、図14に示すように、側面側から見ると、挿し込み部71が挿し込み穴4115に挿し込み易いように、挿し込み部71の先端は、テーパ状の傾斜が設けられている。従って、挿し込み部71の先端が最も細くなっている。
止め部72は、図15に示すように、電線止め部70がベース部411に取り付けられた状態のとき、ベース部411から突出する箇所である。止め部72は、図13に示すように、円柱形状を有している。ベース部411には、図16に示すように、発光部21が取り付けられる。このとき、電源装置50から発光部21へ電力を供給する為の電線80が、図16に示すように、ベース部411に設けられたU字型の切欠き部4111の内側に挿入され、Z1方向に引き回される。発光部21のZ2側にはリフレクタ11(図3参照)が配置される。このとき、止め部72を設けることで、止め部72がリフレクタ11に当接することで、ベース部411とリフレクタ11との間にスペースが形成される。これにより、光源ユニット40を取付部10に取り付けたときに、リフレクタ11とベース部411との間に電線80を挟んでしまうことを回避することができる。
図16の例では、止め部72とソケット211との間の空隙の距離が、電線80の太さとほぼ一致している。そのため、電線80を、止め部72とソケット211とが挟持している。この場合、電線80が、例えば外側などの意図しない方向へ移動するのを規制することができる。但し、止め部72とソケット211との間の空隙の距離は、これに限定されない。
また、図14に示すように、挿し込み部71の最大幅W1が、挿し込み穴4115の直径D1よりも大きく形成されている。挿し込み部71は、挿し込み穴4115に挿し込まれたときに、挿入圧により幅方向に変形する。具体的には、挿し込み部71の最大幅W1が若干小さくなる。挿し込み部71は、いったん挿し込み穴4115に挿し込まれると、復元力により元の形状に戻ろうとするため、挿し込み部71と挿し込み穴411aの内側の面とが密着する。これにより、挿し込み部71が挿し込み穴4115から抜け落ちることを防止できる。
上述したように、挿し込み部71は、十字形状に形成されている。すなわち、挿し込み部71は、止め部72からZ1方向に垂直に延びた中心軸71cと、中心軸71cから4方向に放射状に配置された突部71aと、突部71a間に形成された凹部71bとを有している。4方向は、隣接する方向に対してそれぞれ90°異なる。従って、4つの突部71aは、周方向に同一間隔で配置され、隣接する2つの突部71aは互いに直交する向きに配置されている。
挿し込み部71が挿し込み穴4115に挿し込まれたときに、挿入圧により変形する部分は、突部71aである。また、凹部71bは、突部71aの変形した形状を吸収する。
また、図14に示すように、止め部72の最大幅W2は、挿し込み部71の最大幅W1よりも大きい。また、挿し込み部71の最大幅W1は、挿し込み穴4115の直径D1よりも大きい。従って、W2>W1>D1の関係にある。これにより、止め部72部分が、挿し込み穴4115内に埋まり込むことが防止できる。
なお、止め部72は、ベース部411とリフレクタ11との間にスペースを形成する目的で設けられているため、押しつぶされない程度の強度および耐圧性を有している。また、止め部72のZ1-Z2方向の高さは、発光部21の最大高さよりも高く、且つ、電線80の太さを超えた高さであることが望ましい。止め部72と挿し込み部71とを同一材料で形成する場合には、幅方向への変形は起きるが、軸方向の変形は起きないような樹脂を使用することが望ましい。
なお、実施の形態2では、挿し込み部71が十字形状である場合について説明したが、この場合に限定されない。挿し込み部71は、挿入圧で変形する突部と、変形した形状を吸収する凹部があれば、任意の形状で良い。例えば、挿し込み部71を星形形状にする、あるいは、挿し込み部71を円柱形状にしてその周囲を波形にするなどの例が挙げられる。
なお、実施の形態2では、挿し込み部71の先端がテーパ状の傾斜を有していると説明した。挿し込み穴4115の開口の周囲にも傾斜を設けるようにしてもよい。その場合には、挿し込み部71が挿し込み穴4115にさらに挿し込み易くなり、さらに作業がし易くなる。
なお、実施の形態2では、挿し込み部71の最大幅W1が、挿し込み穴4115の直径D1よりも大きく形成されていると説明した。当該構成を有する挿し込み部71を用いることで、冷間鍛造などの鍛造成形により形成されたヒートシンク41でも、電線80の保持をする機構をもつことができる。
図3に示すように、光源ユニット40がリフレクタ11に取り付けられた状態においては、電線止め部70は、外筒部112と内筒部113との間の空間に対向するように配置される。よって、仮に、電線止め部70がヒートシンク41から外れたとしても、外筒部112と内筒部113との間の空間に収容される。そのため、電線止め部70が、照明器具100の外部へ落下することもなく、配光への影響もない。
以上のように、実施の形態2に係るヒートシンク41および照明器具100は、基本的に、実施の形態1に係るヒートシンク41および照明器具100と同じ構成を有しているため、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
さらに、実施の形態2では、電線止め部70を設けることで、ベース部411とリフレクタ11との間にスペースを形成することができる。これにより、電線80が止め部72に引っ掛かり、光源ユニット40を取付部10に取り付けるときに、電線80が意図せずに動いてしまうことを防止することができる。また、止め部72が、リフレクタ11に当接することで、ベース部411とリフレクタ11との間にスペースを形成することができる。これにより、リフレクタ11とベース部411との間に電線80を挟んでしまうことを防止できる。また、作業員は、電線80を押さえながら光源ユニット40を取付部10に取り付ける必要がなくなり、取り付け作業が容易になる。