JP7398090B2 - 情報処理装置、計算方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、計算方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、身体運動を力学的に分析するための情報処理装置、計算方法およびプログラムに関する。
歩行などの身体運動を力学的に分析および評価するためには、通常、身体動作や身体に作用する力を計測する必要がある。しかしながら、関節モーメントなどの生体内における力学量は、直接測定が困難である。このため、身体の力学特性を数値化して表現した筋骨格モデルを用いて、逆動力学解析を行うことにより、生体内における力学量を推定することが行われている。
筋骨格モデルを用いた逆動力学解析を行うためには、モーション・キャプチャ・システムから得られる身体各部の3次元位置に加えて、床反力計などの力覚センサにより得られる外力情報が必要となる。しかしながら、足部に生じる外力を計測するための床反力計は、床に埋め込んだり、機器の高さにあわせた台を用意したりする必要があるため、その設置は、容易ではない。また、床反力計の設置により、被験者は、計測機器を意識してしまい、不自然な歩行や走行などを誘発させる可能性がある。
上述した背景から、これまでも、歩行時に床反力計を不要とするための種々の開発がおこなわれている。床反力計が不要な解析を可能とする技術としては、全身の筋活動状態の最小化に基づき床反力を推定する技術(非特許文献1,非特許文献2)や人工ニューラルネットワークを用いて床反力を推定する技術(非特許文献3)を挙げることができる。
非特許文献1は、光学式モーション・キャプチャ・システムにより得られた体表面マーカ位置に基づいて構築した筋骨格モデルの足部に、それぞれが5つの人工筋肉をもつ12個の接触点を設ける構成を開示する。そして、本来は静的最適化で求められる身体各部の筋活動状態を最適化計算により最小化することにより、未知の床反力が探索的に求められる。ここで、各人工筋肉は、摩擦力を表すために設けたものであり、両脚支持の際に生じる不静定問題を解くために定義される。
また、非特許文献2は、足部の接触点をさらに増やし、これまでは関数近似などで試行錯誤的に決定していた人工筋肉の強度情報を、各点の速度、位置情報に応じて変化するように改良した技術を開示する。非特許文献2では、推定値の妥当性が、10名の男性被験者の歩行運動における推定値と実測値と比較することで検証されており、比較的に高い精度で推定されたことが示されている。しかしながら、筋特性は各個人でのばらつきが大きいため、女性被験者や高齢者、障害者などの身体運動に対しては、高精度の推定が困難な可能性がある。
非特許文献3は、平地歩行動作中の床反力を、床反力計を用いずに、精度高く推定することができる新規な技術を開発することを目的とした技術を開示する。非特許文献3では、不静定問題を解くために、人工ニューラルネットワークモデルを歩行運動の両脚相に適用されている。なお、非特許文献3の方法では、学習データが必要となる。
しかしながら、上述した従来技術においては、技術を適用するための準備に手間を要し、また被験者の特性の相違によって推定精度が大きく異なる可能性が懸念され、充分なものではなかった。
R. Fluit, et al.,"Prediction of ground reaction forces and moments during various activities of daily living",Journal of Biomechanics,Vol.47,No.10,pp.2321-2329(2014). Y. Jung, et al.,"Dynamically adjustable foot ground contact model to estimate ground reaction force during walking and running",Gait & Posture,Vol.45,pp.62-68(2016). E. S. Oh, et al.,"Prediction of ground reaction forces during gait based on kinematics and a neural network model",Journal of Biomechanics,46(14),2372-2380(2013).
本発明は、上記従来技術における不充分な点に鑑みてなされたものであり、本発明は、身体運動データに基づき、身体運動時に身体に作用する外力をロバストに推定することが可能な情報処理装置、計算方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために、身体運動時に生じる外力を推定するための下記特徴を有する情報処理装置が提供される。本情報処理装置は、身体運動データを取得する取得手段と、外力の暫定値を設定する設定手段と、身体運動データおよび外力の暫定値に基づき、身体モデルを用いた逆動力学解析を実行する実行手段と、逆動力学解析の実行結果に基づいて、身体モデルの各関節に生じる力学量に応じて身体に生じる負荷を評価する評価手段と、評価の結果に基づいて、外力の暫定値を更新する更新手段とを含む。
本発明では、また、身体運動時に生じる外力を推定するための下記特徴を有する計算方法が提供される。本計算方法は、コンピュータが、身体運動データを取得するステップと、外力の暫定値を設定するステップとを含む。本計算方法は、さらに、コンピュータが、身体運動データおよび外力の暫定値に基づき、身体モデルを用いた逆動力学解析を実行するステップと、逆動力学解析の実行結果に基づいて、身体モデルの各関節に生じる力学量に応じて身体に生じる負荷を評価するステップと、評価の結果に基づいて、外力の暫定値を更新するステップとを含む。
本発明では、さらに、上述した身体運動時に生じる外力を推定するための上記特徴を有する情報処理装置を実現するためのプログラムを提供する。
上記構成により、身体運動データに基づき、身体運動時に身体に作用する外力をロバストに推定することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態による歩行運動解析装置を含む解析システムの全体構成を示す機能ブロック図である。 図2は、本発明の実施形態による歩行運動解析装置における最適化計算部のより詳細な機能ブロック図である。 図3は、本発明の実施形態による歩行運動解析装置が実行する、歩行運動解析処理を示すフローチャートである。 図4は、本発明の実施形態による歩行運動解析処理で用いられる剛体リンクモデルを説明する図である。 図5は、本発明の実施形態による歩行運動解析処理における足部に定義される接触点を説明する図である。 図6は、本発明の実施形態による歩行運動解析装置を実現するための典型的なコンピュータを示すハードウェアブロック図である。 図7は、歩行運動の測定実験の環境を説明する図である。 図8は、図7に示す環境で実測された床反力の実測値と、図3に示す歩行運動解析処理で推定された床反力の推定値と示すグラフである。 図9は、図7に示す環境で実測された床反力の作用点の実測値と、図3に示す歩行運動解析処理で推定された床反力の作用点の推定値とを示すグラフである。 図10は、図7に示す環境で実測された床反力の実測値および図3に示す歩行運動解析処理で推定された床反力の推定値に基づく、通常歩行における歩行周期の各時点の下肢の関節モーメントを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の実施形態は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に説明する実施形態では、身体運動時に生じる外力を推定するための情報処理装置の一例として、歩行運動を対象とし、歩行運動時に生じる床反力を推定するとともに身体モデルの各関節で生じる力学量を算出する歩行運動解析装置110を用いて説明する。
図1は、本実施形態による歩行運動解析装置110を含む解析システム100の全体構成を示す機能ブロック図である。図1に示す解析システム100は、歩行運動時の人などの身体の運動を計測するモーション・キャプチャ・システム102と、モーション・キャプチャ・システム102からの計測データの入力を受けて、歩行運動を解析する歩行運動解析装置110とを含み構成される。
モーション・キャプチャ・システム102は、光学式、慣性センサ式、機械式、磁気式またはビデオ式など任意の方式のキャプチャ技術に基づいて、動作中の身体の動きをデジタル化するシステムである。ここで、光学式とは、対象の身体に反射マーカを装着し、複数のカメラを周囲に設置し、反射マーカの位置を光学的に検出する方式であり、画像式や赤外線式などがある。慣性センサ式とは、角速度計や加速度計を含む慣性センサを身体各部に装着し、得られた加速度および角速度情報から逆算して位置および姿勢を得る方式である。機械式とは、エンコーダやポテンショメータなどの機械的に回転角や変位を測定するセンサを利用して各関節角の計測を行う方式である。磁気式とは、磁気センサを身体に装着し、磁気発生装置から磁場を印加し、磁気センサにおいて、コイルで検出した磁力線に基づいて磁気発生装置からの位置および姿勢を求める方式である。ビデオ式とは、ビデオ映像を解析して、位置情報を求める方式である。なお、以下、便宜上、標準的な方式である光学式が採用された場合を中心に説明する。
図1には、また、歩行運動解析装置110の詳細な機能ブロックが示されている。図1に示すように、歩行運動解析装置110は、モーション・キャプチャ・システム102から身体運動データを取得する身体運動データ取得部112と、取得された身体運動データに基づいて、所定の床反力の下、逆動力学計算を行う逆動力学解析部120と、逆動力学解析部120による計算の結果に基づいて、求めるべき未知の床反力を、最適化計算により推定する最適化計算部130とを含み構成される。
身体運動データ取得部112は、身体の運動を記述する所定の形式の身体運動データ114を取得する。ここで、モーション・キャプチャ・システム102から直接得られる身体運動データは、上述した光学式の場合、身体の運動変位データである。一方、ここでは、後述する逆動力学計算を行うために、所定の身体モデル116に従った身体運動データ114が取得される。
身体モデル116は、特定の実施形態においては、剛体リンクモデルである。剛体リンクモデルとは、身体の各体節が変形しない剛体節(リンク)で近似できると仮定し、身体力学構造を剛体リンクが連結した剛体リンクモデルとして表したモデルである。
マーカ計測から得られる身体の運動変位測定データは、身体表面上に設けられたマーカの位置の絶対座標系(空間座標系)における3次元座標である。身体運動データ取得部112は、モーション・キャプチャ・システム102から運動変位測定データを取得し、さらに、マーカの絶対座標系(空間座標系)における3次元座標から、例えばグローバル最適化法やポイントクラスタ法に基づき、各身体節の3次元的な動き、すなわち関節角度などを求める。なお、上述する逆動力学計算では、関節角度のような運動変位に加えて、角速度、角加速度なども用いられるため、光学式の場合、これらの速度および加速度情報を、運動変位を数値微分することによって計算する。なお、モーションキャプチャの方式によって、上述した関節角度の計算および速度や加速度の計算の一部を省略することができる場合がある。身体運動データ取得部112は、モーション・キャプチャ・システム102から直接得られるデータから、剛体リンクモデルの身体各節の節長や関節自由度など運動学的特性に基づき、関節角度、角速度および角加速度などの運動学量を算出し、所定の身体モデル116に従った身体運動データ114を得る。
逆動力学解析部120は、取得された身体運動データ(関節角度、角速度、角加速度など)114に基づいて、所定の床反力の下、身体モデル116の運動方程式の逆動力学計算を行って、身体各部の力学量、より具体的には、身体モデル116の各関節で生じる関節モーメント(関節トルクや筋トルクなどとも参照され、これらは同義である。)や関節反力を算出する。逆動力学計算の際には、一般的には、床反力といった外力情報が用いられるが、本発明の実施形態においては、床反力の暫定値118が仮定され、その暫定値118の下で、逆動力学計算が行われる。逆動力学計算の実行により、仮定された床反力の暫定値に対して各関節モーメントの推定値122が算出される。
ここで、逆動力学計算で用いられる床反力には、より具体的には、床反力の大きさおよび方向を表す床反力ベクトルおよび床反力の作用点が含まれる。また、歩行運動は、左右いずれかの足が床に接地する片脚支持期および左右両方の足が床に接地する両脚支持期がある。片脚支持期においては、床反力は、接地する足部のものであり、両脚支持期においては、典型的には、床反力は、左右足部それぞれに別々に設定される。
最適化計算部130は、逆動力学解析部120と連携して、求めるべき未知の床反力118(床反力ベクトルおよび床反力の作用点(COP:Center Of Pressure))を最適化計算により推定する。最適化計算部130は、所定の床反力の暫定値118を与えて、逆動力学解析部120により逆動力学解析を実行させ、その結果得られる解析結果122を評価し、次の最適化計算で用いる床反力の暫定値118を更新することを繰り返し、所定の目的関数が最小化(ペナルティとして定義した場合)または最大化(リワードとして定義した場合)されるような床反力を探索する。得られた解析結果に基づいて、探索空間において目的関数が改善される方向が得られる。この逆動力学解析、評価および床反力の暫定値の更新の繰り返しにより、床反力の推定値が最適化され、解析結果として求められる。同時に、最適化された床反力の推定値を与えた場合の身体モデル116の関節モーメントおよび関節反力などの力学量の推定値122も解析結果として与えられる。
身体モデル116の関節モーメントおよび関節反力などの力学量の最適値が得られると、筋力学モデルおよび筋骨格幾何学モデルと組み合わせて、さらに、筋負担を最小化するように最適化計算手法を適用することで、筋力などの筋骨格系の生体内負荷を算出することができる。ここで、筋力学モデルは、個々の筋の力発揮に伴う力学特性を表したモデルであり、筋骨格幾何学モデルは、筋の付着位置や筋走行(筋の幾何学的配置、パス)などを表すモデルである。剛体リンクモデル、筋力学モデルおよび筋骨格幾何学モデルを合わせて筋骨格モデルが構成される。なお、得られた身体モデル116(剛体リンクモデル)の力学量をどのように用いるかは特に限定されるものではない。また、身体モデル116(剛体リンクモデル)の力学量のみならず、最終的に得られた床反力ベクトルおよび作用点だけでも有用な情報である。なお、本発明の実施形態においては、逆動力学計算で用いられる床反力などの外力の推定を中心に説明するため、床反力ベクトルおよび作用点を推定した後段の処理については、これ以上立ち入らない。
図2は、図1に示した最適化計算部130のより詳細な機能ブロックを示す。図2に示すように、最適化計算部130は、床反力初期設定部132と、解析実行部134と、総負荷評価部136と、終了判定部138と、床反力更新部140とを含み構成される。
床反力初期設定部132は、まず、初期値としての床反力の暫定値を設定する。初期値としては、特に限定されるものではないが、任意の固定値を設定してもよいし、乱数関数を用いて所定の範囲内で生成された乱数を設定してもよい。ここで、逆動力学解析に与えられる床反力には、床反力ベクトル(方向および大きさ)および床反力の作用点が含まれ、床反力の暫定値には、床反力ベクトルおよび作用点座標の暫定値が含まれる。
解析実行部134は、取得された身体運動データおよび現時点で設定される床反力の暫定値を逆動力学解析部120に与えて、身体モデル116を用いた逆動力学解析を実行し、逆動力学解析の実行結果を得る。逆動力学解析の実行結果には、各関節に生じる力学量の推定値が含まれる。総負荷評価部136は、逆動力学解析部120による逆動力学解析の実行結果に基づいて、つまりこの力学量の推定値に基づいて、身体モデルの各関節に生じる力学量の総和を計算し、身体に生じる負荷を評価する。床反力更新部140は、総負荷評価部136による評価の結果に基づいて、床反力の暫定値を更新する。
所定の条件の下、逆動力学解析部120による逆動力学解析の実行、総負荷評価部136による評価および床反力更新部140による床反力の暫定値の更新を繰り返すことにより、所定の目的関数が最小化(ペナルティとして定義した場合)または最大化(リワードとして定義した場合)され、床反力が最適化される。
終了判定部138は、逆動力学解析部120による逆動力学解析の終了条件が満たされたか否かを判定する。例えば、所定の打ち切り回数や目的関数の収束を検出するための条件が用いられる。終了判定部138が、終了条件を満たしたと判定した場合は、解析を終了させて、身体モデル116の各関節に生じる力学量の最終的な値および床反力の最終的な値が得られる。
図2には、好ましい実施形態も示されており、図2に示すように、好ましい実施形態では、最適化計算部130は、接地判定部142と、内外判定部144とをさらに含み構成される。好ましい実施形態では、上述した最適化の際の所定の条件には、床反力の作用点を足部の接地面内に収めるための制約が含まれる。この制約を導入することにより、床反力の作用点位置が足裏の外に推定されてしまう可能性を低減することができる。
運動変位測定データは、上述したように、身体表面上に設けられたマーカの3次元座標位置を保持するが、好ましい実施形態では、さらに、足部を構成する複数のマーカを補間するように複数の接触点が定義される。接地判定部142は、足部に定義した各接触点について、接触点の高さおよび接触点の速度に基づいて接地判定を行う。そして、接地していると判定された接触点で構成される凸包として、接触面が与えられる。
内外判定部144は、作用点の暫定値が、接触点の接地判定に基づき得られる接地面の内側に位置する否かを判定する。この床反力の作用点を足部の接地面内に収めるための制約は、最適化計算の制約式(制約条件)として組み込まれてもよいし、最適化計算の目的関数に組み込まれてもよい。特定の実施形態においては、作用点の暫定値が接地面外に位置する場合に与えられるペナルティ項として、あるいは、作用点の暫定値が接地面の内側に位置する場合に与えられるリワード項として、最適化計算の目的関数に組み込まれる。
以下、図3を参照しながら、本実施形態による歩行運動時の床反力の推定を含む歩行運動解析処理について、より詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態による歩行運動解析装置110が実行する、歩行運動解析処理を示すフローチャートである。図3に示す歩行運動解析処理は、歩行運動解析装置110が備えるCPUなどのプロセッサにより実行される。また、図3に示す処理は、歩行運動中の所定の時点の身体運動データに基づくものであり、一歩行周期解析するためには、一方の足の踵接地から、踵離れ、爪先離れを経て再度踵接地するまでの各時点について同様の処理が行われることになる。なお、その際には、前の時点で得られた結果に基づいて、次の時点の計算の初期値を決定してもよい。
図3に示す歩行運動解析処理は、例えば、操作者の指示に応答して、ステップS100から開始される。ステップS101では、プロセッサは、身体モデル116を読み出す。
図4は、本発明の実施形態による歩行運動解析処理で用いられる身体モデル116としての剛体リンクモデル200を説明する図である。図4に示すように剛体リンクモデル200は、複数のリンク202と、リンク同士を接続する関節部204とを含み構成され、各関節部204には、それぞれの関節可動特性に応じて予め所定の自由度が設定される。例えば、股関節には、屈伸、内外転および回旋の3自由度であり、膝関節および足関節は、回転の3自由度があるとして、基本的な運動拘束が設定される。
再び図3を参照すると、ステップS102では、プロセッサは、モーション・キャプチャ・システム102から計測データを取得し、歩行運動時の所定時点の身体運動データを取得する。身体運動データは、身体モデル116の各関節の関節角度、角速度および角加速度などの情報を含む形式に変換される。ステップS103では、プロセッサは、床反力ベクトルおよび床反力の作用点の暫定値を初期値として設定する。初期値は、固定値、ランダム値、または過去の時点での最適値で設定される。以降、ステップS104~S107では、所定の目的関数および制約式を用いて最適化計算が実行される。
ステップS104では、プロセッサは、取得された身体運動データおよび現在の床反力ベクトルおよび床反力の作用点の暫定値を与えて、身体モデル116の逆動力学解析を実行する。ステップS105では、プロセッサは、逆動力学解析の実行結果に基づいて、身体モデルの各関節に生じる力学量に応じて身体に生じる負荷を評価する。ステップS105では、より具体的には、以下の目的関数Iが評価される。なお、目的関数Iは、負荷をペナルティとして構成したものである。
Figure 0007398090000001
ここで、fpelvisは、逆動力学計算の際に空間座標に対する自由度に対応する骨盤節に生じる関節反力を示し、nは、関節iに生じる関節モーメントを示し、fgrfは、身体に作用する外力である床反力を表す。なお、各記号に添えたハットは、Hofの方式に基づき正規化されていることを表す。この正規化では、力は、体格条件として与えられる体重により正規化され、モーメントは、体格条件として与えられる体重および脚長(足長などの部位ごとの長さであってもよい。これらも体格条件として与えられる身長から求められる。)の積で正規化される。また、特定の実施形態においては、速度変化に対する正規化処理を行ってもよい。歩行運動の場合は、左右の足で、外力の数は2となる。上記式中、a,a,aは、最適化の重み係数である。パラメータa,a,aは、典型的には、所定の条件を満たす任意の値が設定される。
上記目的関数Iは、「ヒト身体各部に生じる負荷が最小となるように歩行している」との仮定に基づくものであり、逆動力学計算で求められた力学量の総和を評価するものである。最適化計算は、下記式(1)および式(2)のように定式化される。
Figure 0007398090000002
上記式(2)の第1条件に関し、骨盤節の反力fpelvisはゼロが理想であるが、モデル化や計測誤差などの影響により実際にはゼロにならないため、他項よりも重みを大きくする(a>a>a)ことで、その影響を最小限としている。また、上記式(1)の各項は、それぞれの特徴を顕著に示すため、絶対値の3乗和としている。3乗和に限定されるものではないが、非線形な単調増加関数とすることが好ましい。
上記式(2)の第2条件は、床反力の作用点位置pgrf(x、y)を足部の接地領域Cに収めるための制約である。足部接地領域Cは、足部のマーカ位置に基づき接触点を定義し、各接触点について接地判定を行うことにより求められる。
図5は、本発明の実施形態による歩行運動解析処理における足部に定義される接触点を説明する図である。図5に示すように、足部210を構成する複数のマーカ212を補間するように複数の接触点214が定義される。そして、定義された各接触点214に対して、下記式(3)で示す接地判別式を適用し、それにより接地すると判定された接触点で構成される凸包として足部接地領域Cが得られる。
Figure 0007398090000003
上記式(3)および(4)において、添え字grfは、外力番号、jは接触点番号を示し、pは接触点の位置、vは接触点の速度を示し、pおよびvに添えられる添え字thresは、接触点位置および接触点速度に対する閾値であることを表し、pおよびvに添えられるx,yおよびzはそれぞれ進行方向、左右方向および鉛直方向の成分であることを表す。fは、推定した床反力ベクトルを表す。上記(3)は、高さが所定基準以下で、水平方向および鉛直方向の速度が基準より小さい接触点を接地していると判定する。接触点が片足につき3点以上になると接触領域が定義できる。そのため、上記式(4)により、接触点数をカウントして接触点数が3点以上になったときに床反力を与えるようにしている。
特定の実施形態では、床反力の作用点位置pfrg(x、y)を足部接地領域Cに収めるための制約は、作用点位置pfrg(x、y)が接地領域Cの外にある場合に上記式(1)の目的関数に下記式(5)で示すペナルティを第4項として加算することにより最適化計算に組み込むことができる。
Figure 0007398090000004
上記式(5)中、aは重み係数であり、dは、足部接地領域Cの中心から作用点位置pgrf(x,y)までの距離を表す。中心からの作用点位置の距離に応じたペナルティを加算することにより、値の発散を防止することができる。
上述した最適化計算における所定の条件には、さらに、外力の作用点とゼロモーメント点(ZMP;Zero Moment Point)の距離を最小化するための制約を含んでいてもよい。上記式(2)を再び参照すると、上記式(2)の第3条件は、この推定された床反力の作用点位置とゼロモーメント点の距離を最小にする制約を表す。ZMPは、身体重心における慣性力と重力により生じるモーメントがゼロとなる床面上の点であり、平面上での歩行において、これは床反力の作用点位置と一致するとされている。なお、片脚支持期は、支持する片足側の床反力の作用点とZMPとの距離が評価され、両脚支持期は、左右の両足の床反力の合力が作用する作用点と、ZMPとの距離を評価することができる。なお、ゼロモーメント点は、モーション・キャプチャ・システム102からの計測データに基づいて、身体各体節の重心位置を回帰的に求め、重心位置から、身体各体節の重心加速度を求め、求められた身体各体節の重心加速度から、導出される。
再び図3を参照すると、ステップS106では、プロセッサは、終了条件が満たされたか否かを判定する。所定の打ち切り上限回数に達したり、これ以上目的関数の改善が見込めなくなるなどの収束条件が満たされた場合は、終了条件が満たされると判定される。ステップS106で、未だ最適化が完了していないと判定される場合は、ステップS107へ処理が分岐される。ステップS107では、プロセッサは、上述した評価の結果に基づいて、好ましくは目的関数が減少する改善方向に、床反力の暫定値を更新する。
ステップS106で、終了条件を満たすと判定される場合は、ステップS108へ処理が分岐される。ステップS104の逆動力学計算の実行、ステップS105の目的関数の評価およびステップS107の床反力の暫定値の更新を、ステップS106で終了条件が成立するまで繰り返すことにより、床反力(床反力ベクトルおよび作用点)の値が最適化される。ステップS108では、プロセッサは、現在の床反力の暫定値を最終的な値とし、その床反力を与えた場合の逆動力学計算の結果としての関節モーメントおよび関節反力などの力学量の値を最終的な値として出力する。ステップS109では、本処理は終了する。
以下、歩行運動解析装置110のハードウェア構成について説明する。歩行運動解析装置110は、特定の実施形態においては、汎用コンピュータで実装される。図6は、本実施形態による歩行運動解析装置110のハードウェア構成図である。歩行運動解析装置110は、ボード10上に、シングルコアやマルチコアのマイクロプロセッサ・ユニット(MPU)12と、BIOS(Basic Input Output System)を格納する不揮発性メモリ14と、MPU12によるプログラム処理を可能とする実行記憶空間を提供するメモリ16とを含む。
MPU12は、内部バス22を介して記憶制御用インタフェース18に接続され、ハードディスク20が、MPU12からの入出力要求に応答してデータの書き込みまたは読み出しを実行する。MPU12は、内部バス22を介してUSBなどのシリアルまたはパラレル・インタフェース24を制御して、キーボード、マウス、プリンタなどの入出力装置26と通信し、ユーザからの入力を受け取る。
歩行運動解析装置110は、さらにVRAM28とグラフィック・チップ30とを含むことができる。グラフィック・チップ30は、MPU12からの指令に応答してビデオ信号を処理し、ディスプレイ装置32へと表示させている。MPU12は、また、内部バス22を介してネットワークI/F(NIC;Network Interface Card)34と接続する。これにより、歩行運動解析装置110を、ネットワークを通して、モーションキャプチャ―・システムなどの外部装置と通信させている。
歩行運動解析装置110は、不揮発性メモリ14やハードディスク20(あるいはSSD(ソリッド・ステート・ドライブ))その他NV-RAM(図示せず)やSDカード(図示せず)などの記憶装置に格納されたプログラム(図示せず)を読み出し、メモリ16のメモリ領域に展開する。これにより、適切なオペレーティング・システム(OS)のもとで、上述した各機能手段および各処理を実現する。上記OSとしては、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)またはLINUX(登録商標)、android(登録商標)、iOS(登録商標)、MacOS(登録商標)、iPadOS(登録商標)、など、如何なるアーキテクチャを有するOSを採用することができる。
なお、上記機能部は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM、CD-RW、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-RW、ブルーレイディスク、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して、あるいは電気通信回線を通じて頒布することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、身体運動データに基づき、歩行運動時に身体に作用する床反力をロバストに推定することが可能な情報処理装置、計算方法およびプログラムを提供することができる。
上述した床反力を推定するアルゴリズムは、「ヒトは身体に生じる負荷が最小となるように歩行している」という仮定に基づいて、身体の運動学的特性と慣性特性表現した身体モデル116に基づく逆動力学計算から得られる力学量の総和を最小化することにより、その変数であり、未知数である床反力とその作用点位置を探索的にもとめるというものである。
力学解析の際に必要な運動情報は、身体運動データのみで外力情報は不要なため、モーションキャプチャ用のカメラを設置できる環境での運動であれば、床反力計などの力覚センサを設けなくとも解析可能となる。また、マーカ位置に基づいて構築された身体モデルの逆動力学計算を利用した推定手法のため、被験者によらず一様な推定が可能となる。これにより、計測機器に依存せず、また被験者によらず、一様な推定が期待できる。
特定の実施形態においては、足部マーカ位置から足裏内に多数の接触点が設けられ、これに対して高さと速度からなる接地判別式が適用される。そして、接地する接触点のみで接触面を構成し、この面に対して推定された作用点の内外判定を行う。作用点が外に判定された場合はその量に応じた制約量を最適化計算式に加算することで、足裏内で生体内負荷が最小な作用点位置が推定可能となる。
なお、上述までの説明では、ヒトの歩行を解析の対象としていたが、解析対象は、ヒトに限定されない。動物、ロボットなどの物体であっても解析対象とすることができる。
検証実験
以下、上述した床反力推定アルゴリズムを実装し、実際に測定された歩行時の身体運動データに対して適用し、検証実験を行った。以下、検証実験について説明する。
上述した床反力推定アルゴリズムにより推定された床反力および作用点位置の妥当性を検証するために、実際の歩行運動の計測実験を行った。被験者は、健常成人男性6名とし、計測装置には、光学式モーション・キャプチャ・システム(Optitrack、Natural Point社)と、床反力計(TF-406-D、テック技販社)を用い、図7に示すように設置した。床反力計は、推定値と比較する実測値を得るために用いた。また、床反力計1台では一歩行周期の終点の計測が困難であるため、マットスイッチ(OM-1074、大阪自動電機社)を使用し、1歩行周期の終点である踵接地の時点を計測した。図7中、光学式モーション・キャプチャ・システムのカメラは、308で示され、床反力計は、304で示される。306は、マットスイッチであり、302は、床反力計を設けた箇所と面一となる面を構成するための台である。
各装置の計測周波数に関しては、100Hzに統一し、計測信号は、平滑化のためのローパスフィルタを通し、その遮断周波数は、10Hzとした。検証実験では、各被験者の歩行路上での通常歩行、速い歩行、遅い歩行をそれぞれ3試行計測した。この際の通常歩行に対する遅速の程度は、被験者各自で決定した。推定値と実測値とを比較する指標として、類似度を示す決定係数と、誤差の大きさを示す平均平方二乗誤差を用いた。
また、光学式モーション・キャプチャ・システムにより得られた身体各部の3次元位置に基づき、身体各関節の位置および座標系を定義し、全身18節、47の回転自由度をもつ身体モデルを構築した。また、計測するマーカはVICON(登録商標)Plug-in‐Gaitの配置に加え、足部に特化したVICON(登録商標)Oxford Foot Modelを参考にし、身体各部の計51箇所に装着した。また、図5に示すように、接触点の位置を、各接触点がマーカや他の接触点の中点に位置するように配置し、合計31個の接触点を設けた。
検証実験の結果
床反力およびその作用点位置の推定値と実測値を比較する。図8は、図7に示す環境で実測された床反力の実測値と、図3に示す歩行運動解析処理で推定された床反力の推定値と示すグラフである。図9は、図7に示す環境で実測された床反力の作用点の実測値と、図3に示す歩行運動解析処理で推定された床反力の作用点の推定値とを示すグラフである。図8および図9は、被験者1人における各歩行速度での床反力と作用点位置の推定値および実測値を示している。横軸には床反力計に右足部が接地した時点から、同側の足部がマットスイッチに接地するまでの一歩行周期をとった。また、作用点位置は立脚期間における軌跡を示している。評価指標を用いた推定値と実測値の比較結果を下記表1にまとめる。
Figure 0007398090000005
上記表1の上部には、本実験の評価を示している。決定係数は1に近い値、平均平方二乗誤差は0に近い値であれば、推定値が実測値に近い結果を示したといえる。
上記結果より、まず床反力に関して、挙動の類似においては前後方向および鉛直方向成分が実測に近い値に推定された。また誤差の大きさにおいては、前後方向および鉛直方向は比較的小さい誤差を示したが、鉛直方向は他成分と比べ誤差が大きく、また歩行速度の上昇に伴い誤差が増加する結果となった。作用点位置に関しては、動きの少ない左右方向に比べ、前後方向における誤差が大きい結果となった。被験者間での推定精度の相違に関しては、床反力においては大きな相違は見られなかった。作用点位置に関しては、被験者間でのばらつきがあったが、図8および図9に示す被験者では、前後方向の決定係数の数値が0.7以上あり比較的高い推定精度を示していた。また誤差の大きさに関しても、被験者間でのばらつきがあったが、図8および図9の例は、0.03m程度の誤差であった。
床反力と作用点位置の双方とも、歩行速度の増加に伴い、推定精度が低下している原因として、最適化計算の目的関数の各項において速度変化に対する正規化処理を施していないことが考えられる。目的関数の各力学量は、Hofの方式に基づき正規化されているため、最適化計算は、被験者の体格情報の相違による影響を受けづらくなっている。しかしながら、同一被験者が通常時の歩行以上の速度で歩行した場合、身体各関節に生じる負担が大きくなるため、低速時よりも目的関数の値が増加する。そのため、歩行速度が高いほど推定精度が低い結果となったと考えられる。
作用点位置に関して、床反力や前後方向の作用点位置に比べ、作用点位置の左右方向における誤差のばらつきの値は、平均の誤算の値に非常に近い値を示しており、これはZMPの推定誤差が影響していると考えられる。ZMPの導出は、モーションキャプチャデータに基づいて、回帰的に求めた身体節の重心位置から算出している。このため、その際の誤差が影響していると考えられる。また、前後方向に比べ、左右方向は作用点位置の変化が少ないため、より重心加速度の誤差が結果に影響している可能性があると考えられる。
ここで推定された床反力および作用点位置を用いて下肢の各関節における屈伸方向の関節モーメントを算出し、実測の床反力から計算された関節モーメントと比較する。
図10は、最も高い推定精度を示した図8および図9と同一の被験者の通常歩行における、床反力の推定値および実測値に基づく関節モーメントを示す。図10より、足関節において立脚期後半に生じている誤差が、膝関節と股関節に影響していることがわかる。目的関数の関節モーメントの正規化を各関節および体節に応じたもので行うことで推定精度が向上することが期待される。現在の正規化方式は、各関節モーメントを体重と脚長を用いた式で除算しているため、関節に連結される体節の長さや重さで正規化することで、最小化の優先度を各関節で統一することができ、これにより推定精度向上に繋がる可能性があると考えられる。
モーション・キャプチャ・システムからの計測データがあれば、力覚センサの情報を用いずに、身体運動の力学的評価が可能となるため、移動が困難な高齢者や障害者が住生活する施設や工作・生産機械が多数配置された工場など、これまで床反力計の設置が困難であった場所での身体動作に対する力学的解析が可能となる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
100…解析システム、102…モーション・キャプチャ・システム、110…歩行運動解析装置、112…身体運動データ取得部、114…身体運動データ、116…身体モデル、118…床反力の暫定値、120…逆動力学解析部、122…力学量の推定値、130…最適化計算部、132…床反力初期設定部、134…解析実行部、136…総負荷評価部、138…収束判定部、140…床反力更新部、142…接地判定部、144…内外判定部、200…剛体リンクモデル、202…リンク、204…関節部、210…足部、212…足部マーカ、214…接触点、302…台、304…床反力計、306…マットスイッチ、308…カメラ、310…身体、10…ボード、12…MPU、14…BIOS、16…メモリ、18…記憶制御用インタフェース、20…ハードディスクドライブ(HDD)、22…内部バス、24…インタフェース、26…入出力装置、28…VRAM、30…グラフィック・チップ、32…ディスプレイ装置、34…NIC

Claims (12)

  1. 身体運動時に足部に生じる床反力を推定するための情報処理装置であって、
    身体運動データを取得する取得手段と、
    前記床反力の暫定値を設定する設定手段と、
    前記身体運動データおよび前記床反力の前記暫定値に基づき、身体モデルを用いた逆動力学解析を実行する実行手段と、
    前記逆動力学解析の実行結果に基づいて、前記身体モデルの各関節に生じる力学量に応じて身体に生じる負荷を評価する評価手段と、
    前記評価の結果に基づいて、前記床反力の暫定値を更新する更新手段と、
    前記足部に定義した複数の接触点の接地判定を行う接地判定手段と、
    前記床反力が作用する作用点の暫定値が、前記接地判定で接地すると判定された3点以上の接触点の凸包に基づいて構成される接地面の内側に位置する否かを判定する内外判定手段と
    を含み、前記作用点の前記暫定値が前記足部の前記接地面の内側に位置するか否かが前記評価手段による評価に反映される、情報処理装置。
  2. 前記床反力は、前記床反力の方向および大きさを含み、左右両方の足が床に接地する両脚支持期において、前記左右両方の足部に作用する外力の合力が作用する作用点と、ゼロモーメント点との距離を最小にする制約が、前記評価手段による評価で考慮される、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記逆動力学解析の実行結果は、各関節に生じる力学量の推定値を含み、前記評価手段による評価は、前記力学量の前記推定値に基づいて行われる、請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 所定の条件の下、前記実行手段による逆動力学解析の実行、前記評価手段による評価および前記更新手段による前記床反力の暫定値の更新を繰り返すことにより、前記床反力の値が最適化され、前記所定の条件は、前記作用点を前記足部の前記接地面内に収めるための制約を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記接触点は、前記足部を構成する、測定された複数の接触点を補間するように定義された点を含み、前記接地判定は、各接触点について、接触点の高さおよび接触点の速度に基づいて行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記情報処理装置は、
    前記逆動力学解析の終了を判定する終了判定手段をさらに含み、前記終了判定手段により解析が終了したと判定された際に、前記身体モデルの各関節に生じる力学量の最終的な値および前記床反力の最終的な値が得られる、請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記身体運動は、歩行運動であり、前記身体モデルは、身体力学構造を剛体リンクが連結したモデルとして表す剛体リンクモデルを含み、前記力学量は、関節モーメントを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  8. 身体運動時に足部に生じる床反力を推定するための計算方法であって、コンピュータが、
    身体運動データを取得するステップと、
    前記床反力の暫定値を設定するステップと、
    前記身体運動データおよび前記床反力の前記暫定値に基づき、身体モデルを用いた逆動力学解析を実行するステップと、
    前記逆動力学解析の実行結果に基づいて、前記身体モデルの各関節に生じる力学量に応じて身体に生じる負荷を評価するステップと、
    前記評価の結果に基づいて、前記床反力の暫定値を更新するステップと
    を含み、前記計算方法は、さらに、前記コンピュータが、
    前記足部に定義した複数の接触点の接地判定を行うステップと、
    前記床反力が作用する作用点の暫定値が、前記接地判定を行うステップで接地すると判定された3点以上の接触点の凸包に基づいて構成される接地面の内側に位置する否かを判定するステップと
    を含み、前記作用点の前記暫定値が前記足部の前記接地面の内側に位置するか否かが前記評価するステップでの評価に反映される、計算方法。
  9. 前記床反力は、前記床反力の方向および大きさを含み、左右両方の足が床に接地する両脚支持期において、前記左右両方の足部に作用する外力の合力が作用する作用点と、ゼロモーメント点との距離を最小にする制約が、前記評価するステップでの評価で考慮される、請求項8に記載の計算方法。
  10. 前記計算方法は、コンピュータが、所定の条件の下、前記実行するステップ、前記評価するステップおよび前記更新するステップを繰り返すことにより、前記床反力の値を最適化するステップを含み、前記所定の条件は、前記作用点を前記足部の前記接地面内に収めるための制約を含む、請求項8または9に記載の計算方法。
  11. 身体運動時に足部に生じる床反力を推定するための情報処理装置を実現するためのプログラムであって、コンピュータを、
    身体運動データを取得する取得手段、
    前記床反力の暫定値を設定する設定手段、
    前記身体運動データおよび前記床反力の前記暫定値に基づき、身体モデルを用いた逆動力学解析を実行する実行手段、
    前記逆動力学解析の実行結果に基づいて、前記身体モデルの各関節に生じる力学量に応じて身体に生じる負荷を評価する評価手段、
    前記評価の結果に基づいて、前記床反力の暫定値を更新する更新手段、
    前記足部に定義した複数の接触点の接地判定を行う接地判定手段、および
    前記床反力が作用する作用点の暫定値が、前記接地判定で接地すると判定された3点以上の接触点の凸包に基づいて構成される接地面の内側に位置する否かを判定する内外判定手段
    として機能させるためのプログラムであり、前記作用点の前記暫定値が前記足部の前記接地面の内側に位置するか否かが前記評価手段による評価に反映される、プログラム。
  12. 前記床反力は、前記床反力の方向および大きさを含み、左右両方の足が床に接地する両脚支持期において、前記左右両方の足部に作用する外力の合力が作用する作用点と、ゼロモーメント点との距離を最小にする制約が、前記評価手段による評価で考慮される、請求項11に記載のプログラム。
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