JP7397065B2 - プランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジ - Google Patents

Description

本発明は、プランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジに関する。

薬液の注射に用いられるプレフィルドシリンジは、薬液収容室を備えたシリンジ本体と、薬液収容室に充填された薬液と、シリンジ本体のノズルに装着されたキャップと、シリンジ本体の内部に摺動自在にはめ込まれたピストン（ピストン又はガスケットともよばれる）と、ピストンを軸方向に摺動させるためのプランジャーロッドとを備えて構成される。このようなプレフィルドシリンジは、ノズルにキャップを装着したシリンジ本体内に薬液を充填し、ピストンのみを先に打栓して薬液をシリンジ本体内に封入し、この打栓されたピストンの基端側の凹部にプランジャーロッドの先端部を押し込んでプランジャーロッドとピストンとを接合させてプレフィルドシリンジを組み上げる。

ところで、ピストンにプランジャーを接続する際に、プランジャーをシリンジの先端側に押圧するように押し込む必要がある。その際にピストンが移動してしまい、シリンジから薬液が漏れる等の不具合が生じるおそれがある。

このような不具合を解消するため、国際公開第２００９／０１１２１４号は、基端側に開口した円筒状の孔をピストンに設けるとともに、プランジャーロッドの先端部に雄ねじ構造を設けた注射器用プランジャアセンブリを開示する。

しかしながら、国際公開第２００９／０１１２１４号の技術は、ピストンの孔に、その内径よりも大きな外径を有する雄ねじ構造を押し込み、雄ねじ構造を孔の内壁に食い込ませることで、ピストンにプランジャーロッドを接続している。このため、輸送時等にプランジャーロッドがピストンから抜け落ちないようにするためには、プランジャーロッドの雄ねじ構造の外径をピストンの孔の内径に対して十分に大きくする必要がある。しかし、その場合、接続時にプランジャーロッドを無理やりピストンの孔に押し込むため、ピストンが動いてしまうといった問題がある。

本実施形態は、プランジャーロッドとピストンとの接合強度を確保できるともに、ピストンを動かすことなくピストンにプランジャーロッドを装着でき、さらにプレフィルドシリンジの輸送時等にピストンからプランジャーロッドが抜け落ちないプランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジを提供することを目的とする。

以下の開示の一観点はシリンジ本体部の薬液収容室内に摺動可能に挿入されるピストンと、前記ピストンに装着可能なプランジャーロッドと、を備えたプランジャーキットであって、前記プランジャーロッドは、軸方向に延在し、前記ピストンに駆動力を伝達するロッド本体と、前記ロッド本体の先端から突出し、前記プランジャーロッドを前記ピストンに装着するための装着部と、を有し、前記装着部は、前記ロッド本体の先端部から略一定の直径で先端側に突出する軸部と、前記軸部の先端部から径方向に突出して前記軸方向に対して略垂直に形成された係合面を形成する係合部と、前記係合部の先端側に配置され先端に向かうにしたがってテーパー状に縮径した錐体部と、を有し、前記ピストンは、基端方向に開口した開口部と、前記開口部の先端側に連通し前記軸方向に延在する狭窄部と、前記狭窄部の先端側に連通して前記係合部及び前記錐体部を収容可能な空洞状に形成された収容部と、を有する凹部が形成され、前記ピストンは、前記収容部を形成する第１側壁部と、前記狭窄部を形成し前記第１側壁部よりも肉厚な第２側壁部と、を有し、前記軸方向における前記第２側壁部の長さは、前記軸方向における前記ピストンの全長の１０～４０％であり、前記プランジャーロッドの前記係合部には、周方向の一部が切り欠かれた切欠部が形成されている、プランジャーキットにある。

以下の開示の別の一観点は、上記観点のプランジャーキットと、薬液を収容する薬液収容室と、前記薬液収容室の先端に設けられたノズルと、前記ノズルの先端開口部を封止するキャップと、有するシリンジ本体部と、を備え、前記ピストンは、前記薬液収容室内を摺動可能である、シリンジキットにある。

以下の開示のさらに別の一観点は、上記観点のシリンジキットと、前記薬液収容室に充填された薬液と、を備え、前記ピストンは、前記薬液収容室内を摺動可能に配置されている、プレフィルドシリンジにある。

上記観点のプランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジによればピストンを動かすことなくプランジャーロッドをピストンに装着でき、且つ、プレフィルドシリンジの輸送時等にピストンがプランジャーから抜けることがない。

第１実施形態に係るシリンジキットを、プランジャーロッドが外れた状態で示す斜視図である。 図２Ａは図１のシリンジ本体部の断面図であり、図２Ｂは図１のピストンの斜視図であり、図２Ｃは図２Ｂのピストンの断面図である。 図１のプランジャーロッドのロッド本体及び装着部の斜視図である。 図４Ａは、図３のプランジャーロッドのロッド本体及び装着部の側面図であり、図４Ｂは同じく上面図であり、図４Ｃは図４Ａの装着部の正面図である。 図５Ａは、プランジャーロッドの装着部をピストンに装着する途中の様子を上面側から見て示す断面図であり、図５Ｂは、同じく装着部をピストンに装着する途中の様子を側面方向から見て示す断面図であり、図５Ｃは第１実施形態に係るプランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジを示す断面図である。 第１実施形態のシリンジキットを組み上げた状態で示す断面図である。 第１実施形態のシリンジキットの別形態を示す斜視図である。 図８Ａは、第２実施形態に係るプランジャーロッドの装着部の正面図であり、図８Ｂは第２実施形態に係るプランジャーロッドの装着部及び本体部の側面図であり、図８Ｃは図８ＢのＶＩＩＩＣ－ＶＩＩＩＣ線に沿った断面図である。 図９Ａは、図８Ｂの装着部をピストンに挿入する途中の断面図であり、図９Ｂは、図８Ａの装着部がピストンの狭窄部を通過する様子を示す断面図であり、図９Ｃは第２実施形態に係るプランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジを示す断面図である。 図１０Ａは、第３実施形態に係るプランジャーロッドの装着部の斜視図であり、図１０Ｂは、同じくプランジャーロッドの装着部の正面図である。 図１１Ａは、図１０Ａのプランジャーロッドの装着部をピストンに装着する途中の様子を上面側から見て示す断面図であり、図１１Ｂは、図１０Ａのプランジャーの装着部をピストンに装着する途中の様子を側面方向から見て示す断面図である。 第３実施形態に係るプランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジを示す断面図である。 図１３Ａは、第４実施形態に係るプランジャーロッドの部分切欠断面図であり、図１３Ｂは第４実施形態に係るプランジャーロッドの斜視図である。 第４実施形態に係るプランジャーロッドの被膜形成方法を示す説明図である。 第５実施形態に係るピストンの断面図である。 図１６Ａは、図１５に示すピストンの第１の被膜形成方法を示す説明図であり、図１６Ｂは、図１５に示すピストンの第２の被膜形成方法を示す説明図であり、図１６Ｃは、図１５に係るピストンの第３の被膜形成方法を示す説明図である。 図１７Ａは、第６実施形態に係るプランジャーロッドの装着部付近の側面図であり、図１７Ｂは図１７Ａの装着部の正面図であり、図１７Ｃは第６実施形態に係るプランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジを示す断面図である。

以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。また、以下の説明において、シリンジキット１０のノズル１２ｃが形成された方向を先端側又は先端方向と呼び、シリンジキット１０のノズル１２ｃと反対の方向を基端側又は基端方向と呼ぶ。

（第１実施形態）
本実施形態に係るシリンジキット１０は、図１に示すように、シリンジ本体部１２と、プランジャーロッド１４とを備えて構成される。シリンジ本体部１２は、特に限定されるものではないが、例えば、内部に薬液２０が封入されたプレフィルドシリンジ１００である。図２Ａに示すように、シリンジ本体部１２は、円筒状に形成されており、内部に薬液収容室１２ａが軸方向に延びて形成されている。薬液収容室１２ａの基端部１２ｂは開口しており、プランジャーロッド１４を挿入可能に構成されている。

薬液収容室１２ａの先端にはノズル１２ｃが形成され、ノズル１２ｃの外周部には、コネクタ１６が装着されている。コネクタ１６にはキャップ１８が螺合されており、ノズル１２ｃの先端開口部がキャップ１８により封じられている。すなわち、薬液収容室１２ａの先端側がキャップ１８で封じられている。薬液収容室１２ａには、ピストン２２が軸方向に摺動自在に挿入されている。ピストン２２により、薬液収容室１２ａの基端側が封じられている。

図１に示すように、シリンジキット１０は、輸送時及び保管時においては、プランジャーロッド１４が取り外された状態として提供される。プランジャーロッド１４は、使用直前にシリンジ本体部１２の基端部１２ｂから挿入されて、ピストン２２に装着される。なお、シリンジキット１０は、予めプランジャーロッド１４がピストン２２に装着された状態で提供されてもよい。以下、ピストン２２及びプランジャーロッド１４の接続構造についてさらに詳細に説明する。

ピストン２２は、例えば、医療用ゴム素材よりなり、図２Ｂに示すように、円柱状の本体部２２ａと、その本体部２２ａの側部に形成されたリング状突起２２ｂ、２２ｃと凹部２４とを備えている。本体部２２ａは、薬液収容室１２ａの内径よりも小さく形成される一方で、リング状突起２２ｂ、２２ｃは薬液収容室１２ａの内径よりも大きく形成されている。シリンジ本体部１２の内部において、リング状突起２２ｂ、２２ｃが薬液収容室１２ａの内壁に当接して密着することで、薬液収容室１２ａを密封する。ピストン２２の内部には、基端側から見た断面が略円形の凹部２４が形成されている。凹部２４は、ピストン２２の基端側において開口している。

図２Ｃに示すように、凹部２４は、ピストン２２の基端側に形成された開口部２６と、開口部２６の先端側に連通した狭窄部２８と、狭窄部２８の先端側に連通した収容部３０とを備えている。狭窄部２８は、ピストン２２の径方向の肉厚が増した第２側壁部２８ａの内側に形成されており、第２側壁部２８ａの軸方向の長さは、ピストン２２の軸方向の全長の１０～４０％に形成されている。狭窄部２８を形成する第２側壁部２８ａをこのような長さに設定すると、プランジャーロッド１４を介した荷重の入力に対して狭窄部２８が広がりにくくなる。そのため、輸送時等にプランジャーロッド１４に基端方向に向かう力が作用しても、ピストン２２からプランジャーロッド１４が抜け落ちる不具合を防止できる。なお、第２側壁部２８ａの軸方向の長さは、ピストン２２の軸方向の全長の１０～３０％であることが好ましい。

第２側壁部２８ａの内側に形成される狭窄部２８は、開口部２６よりも小さな径に縮径して形成されている。狭窄部２８は、略一定の内径で軸方向に第２側壁部２８ａと同じ長さに延びて形成されている。このように狭窄部２８を一定の内径としておくことで、装着部３２がスムーズに狭窄部２８を通過することができる。また、狭窄部２８は、その内径が後述するプランジャーロッド１４の軸部３４（図３参照）の外径よりも僅かに大きくなっている。

狭窄部２８の軸方向の長さは、ピストン２２の軸方向の長さの１０～４０％に形成される。具体的には狭窄部２８の長さは、１～５ｍｍ程度とすることができる。このように形成することで、プランジャーロッド１４を引く抜く際の引っ張り力に対してピストン２２の狭窄部２８が変形しにくくなり、引っ張り力に対して十分な接合強度が発揮される。なお、狭窄部２８の長さは、１～３ｍｍであることが好ましい。

また、狭窄部２８を構成する第２側壁部２８ａの外周部には、リング状突起２２ｃが設けられている。このように第２側壁部２８ａの外周部にリング状突起２２ｃを設けると、プランジャーロッド１４の装着部３２が通過する際に、リング状突起２２ｃが薬液収容室１２ａに押し付けられるため、ピストン２２が動きにくくなり、ピストン２２の変位を防ぐことができる。

収容部３０は、第１側壁部３０ｃの内側に形成されている。第１側壁部３０ｃは第２側壁部２８ａの先端側に形成されており、第２側壁部２８ａよりも径方向の肉厚が薄くなっている。第１側壁部３０ｃと第２側壁部２８ａとの境界には、軸方向に略垂直に切り立つようにして当接面３０ｂ１が形成される。

第１側壁部３０ｃの内側に形成される収容部３０は、開口部２６と同程度の内径に形成された基部３０ｂと、基部３０ｂの先端側に形成され、先端に向けて錘状に縮径する縮径部３０ａとを備えて構成される。基部３０ｂは、後述するプランジャーロッド１４の係合部３６（図３参照）よりも大きな内径に形成されており、係合部３６を収容可能に構成されている。基部３０ｂと狭窄部２８との境界部分には、軸方向に対して略垂直に切り立った当接面３０ｂ１が形成されている。当接面３０ｂ１は、係合部３６の基端側に形成された係合面４０（図３参照）と当接することで、引き抜きに対して抵抗力を発揮するように構成されている。縮径部３０ａは、錐体部３８（図３参照）を収容する部分であり、錐体部３８と略同じ角度で傾いた円錐状の面で構成されている。

開口部２６は、軸α１方向に沿って係合部３６の外径と略同じ内径に形成され、軸α１方向に所定長さで延在する基端部２６ａと、基端部２６ａから狭窄部２８に向かって縮径したテーパー部２６ｂとを有している。基端部２６ａは、プランジャーロッド１４のテーパー状に形成された係合部３６の軸を凹部２４の軸α１に導くように構成されている。テーパー部２６ｂは、錐体部３８を凹部２４の軸α１の中心に導く。これにより、プランジャーロッド１４とピストン２２との軸が揃い、装着部３２の係合部３６が狭窄部２８を通過し易くなる。

図１に示すように、プランジャーロッド１４は、前進方向又は後退方向への荷重が入力される押圧部１４ｂと、軸方向に延びて形成され、入力荷重を伝達するロッド本体１４ａと、ロッド本体１４ａの先端側に形成された装着部３２とを備えて構成される。図３に示すように、ロッド本体１４ａの先端側には軸方向に垂直な円板状のピストン当接部１４ｃが形成されている。装着部３２は、ピストン当接部１４ｃから先端側に延び出て形成された部分であり、基端側に形成された軸部３４と、軸部３４の先端部に形成された係合部３６と、係合部３６の先端側に形成された錐体部３８とを備えている。

軸部３４は、ピストン当接部１４ｃから軸方向先端側に向けて一定の径で延び出た円柱状の部分である。軸部３４は、ピストン２２に装着される際に軸部３４が狭窄部２８に引っ掛かってピストン２２が動くのを防ぐために、狭窄部２８の内径と同程度又はそれ以下の直径に形成されている。軸部３４の直径は例えば１～５ｍｍに形成されている。軸部３４を設けることにより、ピストン２２の凹部２４に軸方向に一定の径で延びた狭窄部２８を設けることが可能となり、ピストン２２との引き抜き方向の接合強度を向上させるように構成されている。

係合部３６は、軸部３４から径方向外方に拡径して形成された部分である。図４Ａに示すように、係合部３６は、矢じり状に突出して形成されており、係合部３６の突出方向（β方向）に垂直な部分が切欠部４２で切り欠かれている。図４Ｃに示すように本実施形態の係合部３６は、円錐状の領域を、幅方向の両側から切り欠いて形成されている。すなわち、係合部３６は、円錐状に拡径した領域のうち、一方の側部を第１切欠部４２ａで切り欠くとともに他方の側部を第２切欠部４２ｂで切り欠いて残った部分として形成されている。第１切欠部４２ａ及び第２切欠部４２ｂは、軸部３４の径よりも突出した部分を切り欠くものであり、正面視して、円錐部分の外周に沿って弧状に形成されている。係合部３６は、周方向に１８０°離間して一対対向するようにして形成されている。

なお、切欠部４２の数は、図示の例のように２つに限定されるものではなく、周方向に一定間隔を開けて複数設けられていてもよい。また、係合部３６は、２つに限定されるものではなく、３つ又はそれ以上設けられていてもよい。

図４Ｂに示すように上面視すると、係合部３６は、幅方向について軸部３４よりも突出しないように形成されている。すなわち、係合部３６は幅方向に扁平に形成されている。

図４Ａに示すように、係合部３６は、その外径が錐体部３８の基端の外径と略一致するまで先端に向かって徐々に小さくなる形状に形成されている。このような形状とすることにより、狭窄部２８を通過する際に、係合部３６が狭窄部２８を通過し易くなり、装着部３２を凹部２４によりスムーズに装着することができる。

本実施形態のプランジャーロッド１４及びピストン２２を含むプランジャーキット１５及びシリンジキット１０は以上のように構成され、以下その作用について説明する。

図５Ａに示すように、ピストン２２の凹部２４にプランジャーロッド１４の装着部３２を挿入することで、プランジャーロッド１４のピストン２２への装着が行われる。図５Ａに示すように、プランジャーロッド１４の係合部３６は、幅方向に切欠部４２が設けられているため、幅方向については、係合部３６が凹部２４の狭窄部２８を変形させることなく挿入される。その一方で、図５Ｂに示すように、上下方向に係合部３６が突出している部分では、係合部３６が狭窄部２８を押し広げながら前進する。また、狭窄部２８の内径は、プランジャーロッド１４の軸部３４の外径よりも大きいため、プランジャーロッド１４の軸部３４が狭窄部２８を押し広げることはない。

本実施形態では、軸部３４から拡径した係合部３６が及び第１切欠部４２ａ及び第２切欠部４２ｂによって周方向に切欠かれているため、係合部３６が狭窄部２８を押し広げる部分をより少なくすることができる。その結果、より小さな押込み力で係合部３６を含む装着部３２を凹部２４に装着することができる。これにより、ピストン２２の軸方向の変位を防ぎつつ、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着することができる。

その後、ピストン２２にプランジャーロッド１４が装着されて、図５Ｃに示すように、本実施形態のプランジャーキット１５、シリンジキット１０及びプレフィルドシリンジ１００が完成する。プランジャーキット１５は、ピストン２２の内部に軸方向に長く延びた狭窄部２８に、係合部３６が係合しているために、プランジャーロッド１４を介して引き抜き方向の荷重が入力された場合であっても、狭窄部２８の変形に要する力が大きくなり、引き抜き方向の接合強度を高めることができる。これにより、輸送時等にプランジャーロッド１４に基端方向に向かう力が作用しても、ピストン２２からプランジャーロッド１４が脱落しにくくなっている。また、狭窄部２８の内径が、プランジャーロッド１４の軸部３４の外径よりも僅かに大きいため、プランジャーロッド１４の軸が、ピストン２２の軸に対して傾き難くなっている。このため、プランジャーロッド１４の係合部３６とピストン２２の内部に軸方向に長く延びた狭窄部２８との係合が、確実に維持される。

上記の説明では、シリンジキット１０について、プレフィルドシリンジ１００に適用する例で説明したが、本実施形態のシリンジキット１０はこれに限定されるものではなく、様々な態様をとることができる。例えば、図７に示すように、薬液２０を収容しないシリンジ本体部１２と、シリンジ本体部１２から分離した状態のピストン２２と、シリンジ本体部１２及びピストン２２から分離した状態のプランジャーロッド１４とを備えた態様で提供されてもよい。この態様のシリンジキット１０は、シリンジ本体部１２には薬液２０は注入されておらず、使用直前にプランジャーキット１５を組み上げてシリンジ本体部１２に装着して使用される。

本実施形態のプランジャーキット１５、シリンジキット１０及びプレフィルドシリンジ１００は、以下の効果を奏する。

本実施形態のプランジャーキット１５は、シリンジ本体部１２の薬液収容室１２ａ内に摺動可能に挿入されるピストン２２と、ピストン２２に装着可能なプランジャーロッド１４とを備えたプランジャーキット１５であって、プランジャーロッド１４には、軸方向に延在し、ピストン２２に駆動力を伝達するロッド本体１４ａと、ロッド本体１４ａの先端部から突出し、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着するための装着部３２を有し、装着部３２は、ロッド本体１４ａの先端部から略一定の直径で先端側に突出する軸部３４と、軸部３４の先端部から径方向に突出して軸方向に対して略垂直に形成された係合面４０を形成する係合部３６と、係合部３６の先端側に配置され先端に向かうにしたがってテーパー状に縮径した錐体部３８と、を有し、ピストン２２は、基端方向に開口した開口部２６と、開口部２６の先端側に連通し、軸方向に延在する狭窄部２８と、狭窄部２８の先端側に連通して係合部３６及び錐体部３８を収容可能な空洞状に形成された収容部３０と、を有する凹部２４が形成されており、ピストン２２は、収容部３０を形成する第１側壁部３０ｃと、狭窄部２８を形成し第１側壁部３０ｃよりも肉厚な第２側壁部２８ａと、を有し、軸α１方向における第２側壁部２８ａの長さは、軸α１方向におけるピストン２２の全長の１０～４０％であり、プランジャーロッド１４の係合部３６には、周方向の一部が切り欠かれた切欠部４２が形成されている。

上記のように構成することで、周方向の全域に係合部３６を形成する場合に比べて、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着する際の抵抗が減少し、少ない押込み力でプランジャーロッド１４をピストン２２に装着することができる。これにより、ピストン２２を変位させることなく、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着できる。また、ピストン２２には軸方向に所定の長さで延びる肉厚に形成された第２側壁部２８ａ及び狭窄部２８を備えるため、プランジャーロッド１４の係合部３６を確実に保持することができる。これにより、輸送時等にプランジャーロッド１４に基端方向の力が作用してもピストン２２からプランジャーロッド１４が容易に抜け落ちることはない。

上記のプランジャーキット１５において、狭窄部２８は、略均一な径で延在していてもよい。これにより、係合部３６が狭窄部２８をスムーズに通過することができ、プランジャーロッド１４の装着時の押圧力を抑制することができる。

上記のプランジャーキット１５において、軸部３４の外径は、狭窄部２８の内径以下であってもよい。これにより、軸部３４が狭窄部２８に引っ掛かってピストン２２が動くことを防止できる。

上記のプランジャーキット１５において、ピストン２２は、シリンジ本体部１２の薬液収容室１２ａの内壁に当接するリング状突起２２ｃを第２側壁部２８ａの外周面に有していてもよい。これにより、係合部３６が狭窄部２８を通過する際に、狭窄部２８が押し広げられることにともなって、リング状突起２２ｃが薬液収容室１２ａの内壁に押し付けられる。その結果、ピストン２２が動きにくくなり、プランジャーロッド１４の装着に伴うピストン２２の移動を防ぐことができる。

上記のプランジャーキット１５において、凹部２４の開口部２６は、軸α１方向に沿って係合部３６の外径と略同じ内径にて所定長さ延在する基端部２６ａと、基端部２６ａから狭窄部２８に向かって縮径したテーパー部２６ｂを有していてもよい。これにより、プランジャーロッド１４を凹部２４に挿入する際に、係合部３６が基端部２６ａにガイドされ、錐体部３８がテーパー部２６ｂにガイドされることで、プランジャーロッド１４の軸とピストン２２の軸とが一致する。これにより、係合部３６が狭窄部２８を通過し易くなり、ピストン２２の移動を防ぐことができる。

上記のプランジャーキット１５において、係合部３６は係合部３６の外径が錐体部３８の外径と略一致するまで先端に向かって小さくなる形状を有していてもよい。これにより、装着部３２を凹部２４に挿入する際に、錐体部３８にガイドされた係合部３６がスムーズに狭窄部２８を通過することができる。

上記のプランジャーキット１５において、係合部３６は、周方向に１８０°離間して一対設けられていてもよい。

この場合において、切欠部４２ａ、４２ｂは軸部３４を挟んで一対形成されており、係合部３６は矢じり状に一対突出して形成されている。このように構成することにより、プランジャーロッド１４を装着する際に、細く突出した係合部３６のみがピストン２２の狭窄部２８を押し分け、切欠部４２ａ、４２ｂは抵抗を受けることなく狭窄部２８を通過することができる。これにより、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着する際の抵抗が抑制されて、ピストン２２を変位させることなく、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着することができる。

上記のプランジャーキット１５において、切欠部４２ａ、４２ｂは係合部３６の外径から軸部３４の外径までの範囲にて、係合部３６を切り欠いていてもよい。このように構成することにより、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着する際の抵抗が抑制されて、ピストン２２を変位させることなく、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着できる。

また、本実施形態のシリンジキット１０及びプレフィルドシリンジ１００は、上記のプランジャーキット１５を備えている。これにより、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着する際にピストン２２の変位を防ぐことができるとともに、プランジャーロッド１４を装着した後は、プレフィルドシリンジ１００において輸送中にプランジャーロッド１４がピストン２２から抜けるのを防止できる。

（第２実施形態）
図９Ａに示すように、本実施形態のプランジャーキット１５Ａは、プランジャーロッド１４Ａの装着部３２Ａの構造において、図１～図６を参照しつつ説明したプランジャーロッド１４と異なっている。なお、図８Ａ～図９Ｃにおいて、プランジャーキット１５と同様の構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。

図８Ａに示すように、本実施形態のプランジャーロッド１４Ａの装着部３２Ａにおいても、軸部３４から拡径して形成された係合部４７、４８が形成されている。これらの係合部４７、４８は、正面視して円形に形成された領域４５から第１切欠部４５ａ及び第２切欠部４５ｂによって周方向の一部が切り欠かれた部分として形成されている。

図８Ｂに示すように、係合部４７及び係合部４８は、先端の錐体部３８から基端側に向けて円錐状に延びる輪郭から、らせん状に形成された第１切欠部４５ａ及び第２切欠部４５ｂで切り欠かれて形成された、ねじ山として構成されている。第１切欠部４５ａと、第２切欠部４５ｂは、周方向に１８０°離間して形成されており、係合部４７及び係合部４８は２条のねじ山を形成している。なお、切欠部４５ａ、４５ｂの数は、２つに限定されるものではなく、３つ又はそれ以上であってもよい。

係合部４７及び係合部４８の基端には、軸方向に対して略垂直な係合面４４ａ及び係合面４４ｂがそれぞれ形成されている。係合面４４ａ、４４ｂは、図８Ｃに斜線を付して示すように、軸α２を挟んで対向配置されている。これらの係合面４４ａ、４４ｂが、ピストン２２の当接面３０ｂ１に当接することで、係合部４７、４８がピストン２２に係合される。

本実施形態のプランジャーキット１５Ａは以上のプランジャーロッド１４Ａを備えて構成され、以下その作用について説明する。

図９Ａ及び図９Ｂに示すように、本実施形態のプランジャーロッド１４Ａは、ピストン２２の開口部２６から、軸方向に前進させつつ、軸回りに回転させながら螺合するようにして装着される。プランジャーロッド１４Ａの装着時には、係合部４７、４８の部分がピストン２２の狭窄部２８を押し広げるようにして装着される。これにより、図９Ｃに示すように、本実施形態のプランジャーキット１５Ａ、シリンジキット１０Ａ及びプレフィルドシリンジ１００Ａが組みあがる。本実施形態では、プランジャーロッド１４Ａを進める力が、回転方向にも分散される。そのため、プランジャーロッド１４Ａをピストン２２に装着する際にピストン２２を軸方向に押圧する力が小さくなる。これにより、ピストン２２の移動を防ぎつつ、プランジャーロッド１４Ａをピストン２２に装着することができる。

本実施形態のプランジャーキット１５Ａ及びシリンジキット１０Ａ及びプレフィルドシリンジ１００Ａは、以下の効果を奏する。

本実施形態のプランジャーキット１５Ａは、切欠部４５ａ、４５ｂが、軸方向にらせん状に延びて形成され、係合部４７、４８に複数条のねじ山を形成している。これにより、プランジャーロッド１４Ａをピストン２２に装着する際の動作を、押込み動作とねじ込み動作とを組み合わせて行うことができる。これにより、プランジャーロッド１４Ａの装着時の荷重を回転方向の荷重に分散させることができるので、プランジャーロッド１４Ａの装着時のピストン２２の変位をさらに効果的に抑制できる。

上記のプランジャーキット１５Ａにおいて、係合面４４ａ、４４ｂは周方向に１８０°離間して一対設けられていてもよい。すなわち、ねじ山の基端となる係合面４４ａ及び係合面４４ｂが２つ形成された２条ねじとして構成することもできる。このような構成によれば、ピストン２２の狭窄部２８に係合する係合面４４ａ、４４ｂが大きくなるため、引き抜き方向の荷重に対する接合強度を確保できて好適である。

また、本実施形態のシリンジキット１０Ａ及びプレフィルドシリンジ１００Ａは、上記のプランジャーキット１５Ａを備える。これにより、プランジャーロッド１４Ａをピストン２２に装着する際にピストン２２の変位を防ぐことができるとともに、装着後は、輸送中にプランジャーロッド１４Ａがピストン２２から外れるのを防ぐことができる。

（第３実施形態）
図１０Ａに示すように、本実施形態のプランジャーロッド１４Ｂは、装着部３２Ｂにスリット構造５０が設けられている点で、図１～図６を参照しつつ説明したプランジャーロッド１４と異なる。その他の部分については、プランジャーロッド１４と同様であり、同様の構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。

図１０Ａ及び図１０Ｂに示すように、スリット構造５０は軸α２に沿って、一対の係合部３６の間を通るように形成されている。スリット構造５０は、装着部３２Ｂの先端の錐体部３８（図３参照）を切り欠き、一対の係合部３６の間を通って、軸部３４にまで延びて形成されている。スリット構造５０の基端側には、端部５２が形成されており、その端部５２から一対の係合部３６が腕状に延び出て形成されている。係合部３６は、端部５２付近を起点に内方に向けて一点鎖線β方向（長手方向）に弾性変形可能に構成されている。

本実施形態のプランジャーロッド１４Ｂは以上のように構成され、以下その作用について説明する。

図１１Ａに示すように、本実施形態のプランジャーロッド１４Ｂにおいても、係合部３６が切欠部４２によって切り欠かれていることにより、幅方向の寸法がピストン２２の狭窄部２８よりも小さく形成されている。また、図１１Ｂに示すように、一対の係合部３６はスリット構造５０の端部５２を起点に内方に弾性変形する。これにより、プランジャーロッド１４Ｂをピストン２２に装着する際の狭窄部２８を押し分ける部分が減少し、さらに少ない抵抗でプランジャーロッド１４Ｂをピストン２２に押し込むことができる。

図１２に示すように、装着部３２Ｂは、係合部３６が狭窄部２８を通過した後は弾性復元力により、外方に広がり、係合部３６の係合面４０が狭窄部２８に係合することで、引き抜きに対する接合強度を発揮することができる。以上のようにして、本実施形態のプランジャーキット１５Ｂ、シリンジキット１０Ｂ、及びプレフィルドシリンジ１００Ｂが完成する。

本実施形態のプランジャーキット１５Ｂ、シリンジキット１０Ｂ及びプレフィルドシリンジ１００Ｂは、以下の効果を奏する。

本実施形態のプランジャーキット１５Ｂは、錐体部３８、係合部３６、及び軸部３４にかけて形成され、係合部３６が内方に弾性変形可能なスリット構造５０を備える。このように構成することにより、係合部３６がピストン２２の狭窄部２８を通過する際に内方に弾性変形するため、より小さな抵抗でプランジャーロッド１４Ｂをピストン２２に装着することができる。その結果、ピストン２２の移動を防ぎつつ、プランジャーロッド１４Ｂをピストン２２に装着することができる。

また、本実施形態のシリンジキット１０Ｂ及びプレフィルドシリンジ１００Ｂは、上記のプランジャーキット１５Ｂを備えることにより、プランジャーロッド１４Ｂをピストン２２に装着する際にピストン２２の変位を防ぐことができる。また、装着後は、輸送中にプランジャーロッド１４Ｂがピストン２２から抜けるのを防ぐことができる。

（第４実施形態）
図１３Ａに示すように、本実施形態のプランジャーロッド１４Ｃは、装着部３２Ｃにおいて、錐体部３８の表面及び係合部３６Ａの傾斜面３６ａに潤滑性を有する被膜５４が形成されている。被膜５４は、例えば、架橋型シリコーン樹脂又はフッ素系樹脂よりなり、その表面において潤滑性を発揮するように構成されている。図１３Ｂに示すように、本実施形態では係合部３６Ａは、切欠部４２（図３参照）を設けていない、円錐状の係合部３６Ａであってもよい。なお、本実施形態は図示の例に限定されるものではなく、図４Ａ～図４Ｃに示す切欠部４２が形成された係合部３６の傾斜面３６ａに被膜５４を形成したものであってもよい。

図１４に示すように、プランジャーロッド１４Ｃの装着部３２Ｃを下方に向けて配置し、容器５８に収容した架橋型シリコーン樹脂の溶液５６に装着部３２Ｃの係合部３６Ａを浸漬することで形成できる。

本実施形態のプランジャーロッド１４Ｃは、以下の効果を奏する。

本実施形態のプランジャーロッド１４Ｃは、錐体部３８及び係合部３６Ａに滑り性を向上させる被膜５４が形成されている。これにより、プランジャーロッド１４Ｃをピストン２２に装着する際の抵抗を減少させることができ、ピストン２２の移動を防ぐことができる。なお、本実施形態の錐体部３８及び係合部３６Ａは、図１～図１２を参照しつつ説明したものであってもよい。

（第５実施形態）
図１５に示すように、本実施形態では、ピストン２２の凹部２４の一部に潤滑性を有する被膜６０を形成する。すなわち、凹部２４の基端側の開口部２６及び狭窄部２８の一部に、架橋型シリコーン樹脂又はフッ素系樹脂よりなる被膜６０が形成されている。

被膜６０が形成されたピストン２２は、例えば図１６Ａに示すように、棒状の治具６４を狭窄部２８に挿入した状態で、被膜原料６０ａを噴射装置６２から凹部２４に向けて吹き付けることで形成できる。治具６４は、狭窄部２８と密着することで、収容部３０への被膜原料６０ａの侵入を防ぐマスクとして機能する。これにより、凹部２４の入り口付近の開口部２６及び狭窄部２８の一部にのみ、潤滑性を有する被膜６０（図１５参照）を形成することができる。

また、被膜６０が形成されたピストン２２は、例えば図１６Ｂに示すように、ピストン２２の凹部２４の開口部２６を鉛直下方に向けて配置し、側方から被膜原料６０ａを噴射装置６２から吹き付けることで形成してもよい。この場合には、噴射された被膜原料６０ａの一部が凹部２４の入り口付近に回り込むことで、開口部２６に被膜６０を形成することができる。

また、被膜６０が形成されたピストン２２は、例えば図１６Ｃに示すように、ピストン２２の凹部２４の開口部２６に噴射装置６２を対向配置させ、凹部２４に被膜原料６０ａを吹き付けて形成してもよい。この場合、プランジャーロッド１４（図１参照）を係止する当接面３０ｂ１は、噴射装置６２に対して陰の部分となるため、被膜原料６０ａは当接面３０ｂ１には付着しない。そのため、引き抜き方向へ接合強度を維持することができる。

以上のように、本実施形態では、ピストン２２の開口部２６に、滑り性を向上させる被膜６０が形成されている。これにより、プランジャーロッド１４をピストン２２に装着する際の抵抗を減少させることができ、ピストン２２の移動を防ぐことができる。

（第６実施形態）
図１７Ａに示すように、本実施形態のプランジャーロッド１４Ｄは、装着部３２Ｄの係合部３６が１つのみ突出して形成されている点で、図１～図６を参照しつつ説明したプランジャーロッド１４と異なる。プランジャーロッド１４Ｄの係合部３６は、軸部３４から突出して形成された部分であり、図１７Ｂに示すように、円錐状の領域３９を、周方向の大部分を占める切欠部４２Ｄによって切り欠かれて形成されている。すなわち、係合部３６は、周方向の１か所にのみ形成されている。

図１７Ｃに示すように、ピストン２２の基端側からプランジャーロッド１４Ｄの装着部３２Ｄを挿入することで、プランジャーロッド１４Ｄがピストン２２に装着されて、本実施形態のプランジャーキット１５Ｄ、シリンジキット１０Ｄ及びプレフィルドシリンジ１００Ｄが組み上がる。

本実施形態のプランジャーキット１５Ｄ、シリンジキット１０Ｄ及びプレフィルドシリンジ１００Ｄによれば、係合部３６の大部分が切欠部４２Ｄとして切り欠かれているため、ピストン２２の狭窄部２８に挿入する際に係合部３６が狭窄部２８を押し分ける体積が減少し、さらに小さな押込み力でピストン２２にプランジャーロッド１４Ｄを装着することができる。これにより、ピストン２２を移動させることなく、プランジャーロッド１４Ｄを装着することができる。また、プレフィルドシリンジ１００Ｄにおいて、輸送中にプランジャーロッド１４Ｄがピストン２２から引き抜けるのを防止できる。

上記において、プランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジについて好適な実施形態を挙げて説明したが、プランジャーキット、シリンジキット及びプレフィルドシリンジは前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。

Claims (14)

1. シリンジ本体部の薬液収容室内に摺動可能に挿入されるピストンと、前記ピストンに装着可能なプランジャーロッドと、を備えたプランジャーキットであって、
   前記プランジャーロッドは、軸方向に延在し、前記ピストンに駆動力を伝達するロッド本体と、前記ロッド本体の先端から突出し、前記プランジャーロッドを前記ピストンに装着するための装着部と、を有し、
   前記装着部は、前記ロッド本体の先端部から略一定の直径で先端側に突出する軸部と、前記軸部の先端部から径方向に突出して前記軸方向に対して略垂直に形成された係合面を形成する係合部と、前記係合部の先端側に配置され先端に向かうにしたがってテーパー状に縮径した錐体部と、を有し、
   前記ピストンは、基端方向に開口した開口部と、前記開口部の先端側に連通し前記軸方向に延在する狭窄部と、前記狭窄部の先端側に連通して前記係合部及び前記錐体部を収容可能な空洞状に形成された収容部と、を有する凹部が形成され、
   前記ピストンは、前記収容部を形成する第１側壁部と、前記狭窄部を形成し前記第１側壁部よりも肉厚な第２側壁部と、を有し、
   前記軸方向における前記第２側壁部の長さは、前記軸方向における前記ピストンの全長の１０～４０％であり、
   前記プランジャーロッドにおいて、
   前記軸部は１つの中実体からなり、
   前記係合部には、周方向の一部が切り欠かれた切欠部が形成されており、
   前記錐体部は、円錐状の領域を有するとともに、前記円錐状の領域の一方の側部において前記軸部の直径よりも突出した部分を切り欠く第１切欠部と、前記円錐状の領域の他方の側部において前記軸部の直径よりも突出した部分を切り欠く第２切欠部と、を有し、前記軸方向の先端側から正面視して、前記円錐状の領域の外周に沿って弧状に形成されている、
   プランジャーキット。
2. 請求項１記載のプランジャーキットであって、
   前記狭窄部は、略均一な径で延在する、プランジャーキット。
3. 請求項１又は２に記載のプランジャーキットであって、
   前記軸部の外径は、前記狭窄部の内径以下である、プランジャーキット。
4. 請求項１～３のいずれか１項に記載のプランジャーキットであって、
   前記ピストンは、前記シリンジ本体部の薬液収容室の内壁に当接するリング状突起を前記第２側壁部の外周面に有する、プランジャーキット。
5. 請求項１～４のいずれか１項に記載のプランジャーキットであって、
   前記凹部の前記開口部は、前記軸方向に沿って前記係合部の外径と略同じ内径にて所定の長さ延在する基端部と、前記基端部から前記狭窄部に向かって縮径したテーパー部を有する、プランジャーキット。
6. 請求項１～５のいずれか１項に記載のプランジャーキットであって、
   前記係合部は、前記係合部の外径が前記錐体部の基端の外径と略一致するまで先端に向かって小さくなる形状を有する、プランジャーキット。
7. 請求項１～６のいずれか１項に記載のプランジャーキットであって、
   前記係合部は前記周方向に１８０°離間して一対設けられている、プランジャーキット。
8. 請求項１～７のいずれか１項に記載のプランジャーキットであって、
   前記ピストンの前記開口部の内面上に、前記プランジャーロッドの前記装着部の前記ピストンに対する滑り性を向上させる被膜が形成されている、プランジャーキット。
9. 請求項１～８のいずれか１項に記載のプランジャーキットであって、
   前記錐体部及び前記係合部の外面上に、前記プランジャーロッドの前記装着部の前記ピストンに対する滑り性を向上させる被膜が形成されている、プランジャーキット。
10. 請求項１～９のいずれか１項に記載のプランジャーキットであって、前記切欠部は前記軸部を挟んで一対形成されており、前記係合部は矢じり状に一対突出して形成されている、プランジャーキット。
11. 請求項１０記載のプランジャーキットであって、前記切欠部は、前記係合部の外径から前記軸部の外径までの範囲にて、前記係合部を切り欠いている、プランジャーキット。
12. 請求項１～９のいずれか１項に記載のプランジャーキットであって、前記切欠部は、前記軸方向にらせん状に延びて形成され、前記係合部にねじ山を形成する、プランジャーキット。
13. 請求項１～１２のいずれか１項に記載のプランジャーキットと、
    薬液を収容する薬液収容室と、前記薬液収容室の先端に設けられたノズルと、前記ノズルの先端開口部を封止するキャップと、有するシリンジ本体部と、を備え、
    前記ピストンは、前記薬液収容室内を摺動可能である、シリンジキット。
14. 請求項１３に記載のシリンジキットと、
    前記薬液収容室に充填された薬液と、を備え、
    前記ピストンは、前記薬液収容室内を摺動可能に配置されている、プレフィルドシリンジ。

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