JP7396318B2 - 通信制御装置及び通信制御方法 - Google Patents

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Description

本開示は、通信制御装置及び通信制御方法に関する。
米国においては、周波数共用技術を活用したCBRS(Citizens Broadband Radio Service)等のプライマリシステム保護の手法が法制や規格等で策定されている。
また、日本国内では、2.3GHz帯で運用されているFPU(Field Pickup Unit)が、周波数共用の対象となることが想定されている。
WINNF-TS-0247-V1.0.0 CBRS Certified Professional Installer Accreditation Technical Specification WINNF-TS-0016-V1.2.1 Signaling Protocols and Procedures for Citizens Broadband Radio Service (CBRS): Spectrum Access System (SAS) - Citizens Broadband Radio Service Device (CBSD) Interface Technical Specification ECC Report 186, Technical and operational requirements for the operation of white space devices under geo-location approach, CEPT ECC, 2013 January White Space Database Provider (WSDB) Contract, available at https://www.ofcom.org.uk/__data/assets/pdf_file/0026/84077/white_space_database_contract_for_operational_use_of_wsds.pdf WINNF-TS-0096-V1.2.0 Signaling Protocols and Procedures for Citizens Broadband Radio Service (CBRS): Spectrum Access System (SAS) - SAS Interface Technical Specification WINNF-TS-0112-V1.4.1 Requirements for Commercial Operation in the U.S. 3550-3700 MHz Citizens Broadband Radio Service Band 情報通信審議会 通信技術分科会(第93回) 放送システム委員会報告書
しかしながら、FPU(Field Pickup Unit)の無線システムがプライマリシステムとなる周波数帯域では、同一のプライマリシステムであっても使用すべきプライマリシステムの保護方法が異なる場合がある。このため、米国において策定されるような従来のプライマリシステムの保護方法では、日本国内の周波数帯域の共用に対応できないおそれがある。
そこで、本開示では、プライマリシステムをセカンダリシステムから適切に保護することが可能な通信制御装置及び通信制御方法を提案する。
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の通信制御装置は、プライマリシステムの無線局の利用形態及び利用位置情報に基づいて、動的又は静的な保護方法を含む複数のプライマリシステムの保護方法の中から1つを選択し、選択した保護方法に基づいて、前記プライマリシステムの無線局の保護を実施する制御部を備える。制御部は、通信相手となる他の無線局の利用位置情報に基づいて決定される保護対象エリア又は他の無線局の利用位置情報に基づいて決定される保護対象ポイントを用いて、プライマリシステムの無線局の保護対象アンテナ方向を予測する。
セカンダリシステムを構成する各通信装置への干渉マージンの配分例を示す説明図である。 本実施形態に係るプライマリシステムの保護方法の概要を示す図である。 CBRSでの階層構造を示す説明図である。 CBRSの帯域を示す説明図である。 本開示の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。 通信制御装置が分散的に配置されるモデルを示す図である。 1つの通信制御装置が中央制御的に複数の通信制御装置を統括するモデルを示す図である。 本開示の実施形態に係る基地局装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係る通信制御装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係るプロキシ装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態で想定する干渉モデルの一例を示す説明図である。 本開示の実施形態で想定する干渉モデルの他の例を示す説明図である。 干渉マージン一斉配分型のプライマリシステム保護方法を説明するための説明図である。 剰余干渉マージンが発生した様子を示す図である。 干渉マージン逐次配分型のプライマリシステム保護方法を説明するための説明図である。 登録手続きを説明するためのシーケンス図である。 利用可能周波数情報問い合わせ手続きを説明するためのシーケンス図である。 周波数利用許可手続きを説明するためのシーケンス図である。 電波送信の許可状態を示す状態遷移図である。 周波数利用通知手続きを説明するためのシーケンス図である。 管理情報の交換手続きを説明するためのシーケンス図である。 プライマリシステム保護の手順を示すフローチャートである。 プライマリシステム保護方法の切替(選択)手順の一例を示すフローチャートである。 移動局の保護対象エリアの一例を示す図である。 移動局の保護対象エリアの一例を示す図である。 固定局の保護対象エリアの一例を示す図である。 移動局の保護対象エリアの一例を示す図である。 予測される保護対象ポイント及び保護対象エリアの一例を示す図である。 予測される保護対象ポイント及び保護対象エリアの一例を示す図である。 移動エリア全体を分割した各領域ごとの動的保護対象エリアの一例を示す図である。 2次元的な保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。 3次元的な保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。 2次元的な保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。 3次元的な保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。 保護点ごとに異なる保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。 2次元的な動的アンテナ回転範囲の設定例を示す図である。 3次元的な動的アンテナ回転範囲の設定例を示す図である。
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する場合がある。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて通信制御装置40、及び40のように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、通信制御装置40、及び40を特に区別する必要が無い場合には、単に通信制御装置40と称する。
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.はじめに
1-1.周波数共用実現のための無線システムの制御
1-2.本実施形態の概要
1-3.周波数と共用に関する用語について
2.通信システムの構成
2-1.通信システムの全体構成
2-2.基地局装置の構成
2-3.端末装置の構成
2-4.通信制御装置の構成
2-5.プロキシ装置の構成
3.干渉モデル
4.プライマリシステム保護方法
4-1.干渉マージン一斉配分型
4-2.干渉マージン逐次配分型
5.諸手続きの説明
5-1.登録手続き
5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き
5-3.周波数利用許可手続き
5-4.周波数利用通知
5-5.諸手続きの補足
5-6.端末装置に関する諸手続き
5-7.通信制御装置間で発生する手続き
6.プライマリシステム保護
6-1.想定するプライマリシステムの保護モデル
6-2.プライマリ無線局に関する情報
6-3.プライマリシステム保護
6-4.アンテナ回転範囲を考慮したポイント・エリア保護
7.変形例
7-1.システム構成に関する変形例
7-2.その他の変形例
8.むすび
<<1.はじめに>>
近年の多様な無線システムが混在する無線環境および無線を介したコンテンツ量の増加と多様化により、無線システムに割り当て可能な電波資源(周波数)が枯渇するという問題が表面化している。しかしながら、どの電波帯域もすでに既存の無線システムが利用しているため、新規の電波資源割り当てが困難であることが分かっている。そこで、必要な電波資源を捻出するために、コグニティブ無線技術の活用による、既存無線システムの時間的・空間的な空き電波(White Space)の利活用(動的周波数共用(DSA: Dynamic Spectrum Access))が求められ始めた。
近年米国においては、Federal use band(3.55-3.70GHz)の一般国民への開放を目指し、周波数共用技術を活用するCitizens Broadband Radio Service(CBRS)の法制化・標準化が加速している。Federal use band(3.55-3.70GHz)は、世界的には3GPP band 42, 43とされている周波数帯とオーバーラップする。また、コグニティブ無線技術は、動的周波数共用のみならず、無線システムによる周波数利用効率の向上にも寄与する。例えば、ETSI EN 303 387やIEEE 802.19.1-2014においては、データベースを活用した、無線システム間共存技術が規定されている。
また、日本国内では、令和元年度周波数再編アクションにおいて、2.3GHz帯や26GHz帯等を対象としたダイナミックな周波数共用の推進が挙げられている。これらの帯域は、既に放送業務や公共業務、固定無線アクセスシステム、空港面探知レーダー、小電力データ通信システムなどが運用されており、これらのシステムが周波数共用の対象となる可能性がある。
<1-1.周波数共用実現のための無線システムの制御>
一般に周波数共用においては、各国・地域の規制当局(NRA:National Regulatory Authority)によって、周波数帯域の利用に係る免許または認可を受けた1次利用者(プライマリユーザ)の無線システム(プライマリシステム)の保護が義務付けられる。典型的には、当該NRAによってプライマリシステムの許容干渉基準値が設けられ、二次利用者(セカンダリユーザ)の無線システム(セカンダリシステム)には、共用によって発生する与干渉が許容干渉基準値を下回ることを求められる。
周波数共用を実現するため、例えば、通信制御装置(例えば、周波数管理データベース)が、プライマリシステムに対して致命的な干渉を与えないようにセカンダリシステムの通信を制御する。通信制御装置は、通信装置の通信等を管理する装置である。例えば、通信制御装置は、GLDB(Geo-location Database)、SAS(Spectrum Access System)等の電波資源(例えば、周波数)の管理のための装置(システム)である。本実施形態の場合、通信制御装置は、後述の通信制御装置40に相当する。通信制御装置40については、後に詳述する。
ここで、プライマリシステムとは、例えば、所定の周波数帯の電波をセカンダリシステム等の他のシステムに優先して使用するシステム(例えば、既存のシステム)である。2.3GHz帯においては、放送事業者が利用するFPUや、公共業務で使用されている無線システムが該当する。プライマリシステムは、セカンダリシステムへの干渉回避又は抑制を要求されない。また、プライマリシステムは、セカンダリシステムによる干渉から保護される。すなわち、プライマリシステムは、セカンダリシステムの存在を考慮することなく、周波数帯域を使用することが可能である。
また、セカンダリシステムとは、例えば、プライマリシステムが使用する周波数帯の電波を二次利用(例えば、動的周波数共用)するシステムである。セカンダリシステムは、より高い優先度を有するプライマリシステムへの干渉回避又は抑制を要求される。セカンダリシステムには、免許を保有する事業者が運用する無線システムの他、免許不要で自由にユーザが利用できる無線システムも含まれる。
プライマリシステム及びセカンダリシステムは、それぞれ、複数の通信装置で構成されていてもよいし、1つの通信装置で構成されていてもよい。通信制御装置は、セカンダリシステムを構成する1又は複数の通信装置のプライマリシステムへの干渉の累積(Interference Aggregation)が、プライマリシステムの干渉許容量(干渉マージンともいう。)を越えないように、1又は複数の通信装置に干渉許容量を配分する。このとき、干渉許容量は、プライマリシステムの運営者や電波を管理する公的機関等が予め定めた干渉量であってもよい。以下の説明では、干渉マージンといった場合は、干渉許容量のことを指す。また、干渉の累積のことを、累積与干渉電力と呼ぶことがある。
図1は、セカンダリシステムを構成する各通信装置への干渉マージンの配分例を示す説明図である。図1の例では、通信システム1がプライマリシステムであり、通信システム2がセカンダリシステムである。通信システム1は無線通信装置10等を備える。また、通信システム2は基地局装置20、20、20等を備える。なお、図1の例では、通信システム1は無線通信装置10を1つしか備えていないが、通信システム1が備える無線通信装置10は複数であってもよい。また、図1の例では、通信システム2は基地局装置20を3つ備えているが、通信システム2が備える基地局装置20は3つより少なくてもよいし、多くてもよい。また、通信システム2が備える無線通信装置は、必ずしも基地局装置でなくてもよい。なお、図1の例では、プライマリシステム(図1の例では通信システム1)及びセカンダリシステム(図1の例では通信システム2)がそれぞれ1つしか示されていないが、プライマリシステム及びセカンダリシステムはそれぞれ複数あってもよい。
無線通信装置10、及び基地局装置20、20、20は、それぞれ、電波を送受信可能である。無線通信装置10が許容する干渉量はIacceptである。また、基地局装置20、20、20が通信システム1(プライマリシステム)の所定の保護点に与える干渉量は、それぞれ、与干渉量I、I、Iである。ここで、保護点は、通信システム1の保護のための干渉算出基準点である。
通信制御装置は、通信システム1の所定の保護点への干渉の累積(図1に示す受信干渉量I+I+I)が干渉マージンIacceptを超えないように、複数の基地局装置20に干渉マージンIacceptを配分する。例えば、通信制御装置は、与干渉量I、I、IがそれぞれIaccept/3となるように各基地局装置20に干渉マージンIacceptを配分する。或いは、通信制御装置は、与干渉量I、I、IがそれぞれIaccept/3以下となるように、各基地局装置20に干渉マージンIacceptを配分する。なお、干渉マージンの配分方法はこの例に限定されない。
通信制御装置は、配分された干渉量(以下、配分干渉量という。)に基づいて、各基地局装置20に許容される最大送信電力(以下、最大許容送信電力という。)を算出する。例えば、通信制御装置は、伝搬損失、アンテナゲイン等に基づいて、配分干渉量から逆算することによって、各基地局装置20の最大許容送信電力を算出する。そして、通信制御装置は、算出した最大許容送信電力の情報を各基地局装置20に通知する。
<1-2.本実施形態の概要>
米国のCBRS等の従来のプライマリシステム保護では、プライマリシステムごとに使用するプライマリシステム保護の手法が、法制や規格等で規定されている。
一方、日本国内では、FPUなどの無線システムが周波数共用の対象となることが想定されるが、このような帯域では、同一のプライマリシステムでも、利用シーンや無線局の種類によって、移動や利用にあたっての計画の有無が異なる。このため、利用シーンや無線局の種類ごとに、使用すべきプライマリシステム保護方法が異なる。従来のプライマリシステム保護では、プライマリシステム保護方法を選択する際の基準が存在しないため、日本国内における周波数共用に対応できない。
また、従来のプライマリシステム保護では、限定されたケースのみを想定したものとなっている。例えば、保護対象無線局のアンテナ回転範囲に関するパラメータが値として与えられているケースや、Federal Incumbent向けにアンテナがどの方向を向いてもプライマリシステムが保護される必要があるケース等が想定されている。
これに対して、FPUのようなプライマリシステムでは、計画利用中にアンテナが回転してパラメータが変動したり、無線局が予定外利用されるたびにアンテナの回転に関するパラメータが変わったりすることが想定される。このため、利用中のアンテナ回転範囲を考慮したプライマリシステム保護や、緊急利用時にアンテナ方向を考慮できるようにする必要があるが、従来のプライマリ保護システムでは、これらを考慮したものとはなっていない。
そこで、本開示の通信制御装置は、プライマリシステムの無線局の利用形態及び利用位置情報に基づいて、動的又は静的な保護方法を含む複数のプライマリシステムの保護方法の中から1つを選択する。そして、本開示の通信制御装置は、選択した保護方法に基づいて、プライマリシステムの無線局の保護を実施する。図2は、本実施形態に係るプライマリシステムの保護方法の概要を示す図である。
図2に示すように、本開示の通信制御装置は、プライマリシステムの無線局の利用位置情報とともに、利用形態が計画利用であるか、予定外利用であるかを考慮する。そして、本開示の通信制御装置は、利用形態が計画利用である場合、プライマリシステムの無線局の保護方法として、静的な保護方法である静的ポイント保護か、静的エリア保護のいずかを選択する。そして、本開示の通信制御装置は、選択した静的ポイント保護または静的エリア保護に基づいて、プライマリシステムの保護を実施する。一方、本開示の通信制御装置は、利用形態が予定外利用である場合、プライマリシステムの無線局の保護方法として、動的な保護方法である動的ポイント保護か、動的エリア保護のいずれかを選択する。そして、本開示の通信制御装置は、選択した動的ポイント保護または動的エリア保護に基づいて、プライマリシステムの保護を実施する。
このようにして、本開示の通信制御装置は、プライマリシステムをセカンダリシステムから適切に保護することを可能とする。
<1-3.周波数と共用に関する用語について>
なお、本実施形態では、プライマリシステム(通信システム1)及びセカンダリシステム(通信システム2)は、動的周波数共用環境下にあるものとする。以下、米国のFCC(Federal Communications Commission)が法整備したCBRSを例にとり本実施形態を説明する。なお、本実施形態の通信システム1及び通信システム2は、CBRSに限定されない。
図3は、CBRSでの階層構造を示す説明図である。図3に示すように、周波数帯域のユーザの各々は3つのグループのうちのいずれかに分類される。それぞれのグループは、“tier”と呼ばれる。これらの3つのグループは、それぞれ、既存層(Incumbent Tier)、優先アクセス層(Priority Access Tier)、及び一般認可アクセス層(General Authorized Access Tier)から構成される階層構造が定義されている。この階層構造では、一般認可アクセス層(General Authorized Access Tier)の上位に優先アクセス層(Priority Access Tier)が位置し、優先アクセス層の上位に既存層(Incumbent Tier)が位置している。CBRSを例にとると、既存層に位置するシステム(既存システム)がプライマリシステムとなり、一般認可アクセス層及び優先アクセス層に位置するシステムがセカンダリシステムとなる。
既存層(Incumbent Tier)は、共用周波数帯域の既存ユーザからなるグループである。CBRSにおいては、国防総省(DOD:Department of Defense)、固定衛星事業者、新条件適用除外無線ブロードバンド免許人(GWBL:Grandfathered Wireless Broadband Licensee)が、既存ユーザとして定められる。“Incumbent Tier”は、より低い優先度を有する“Priority Access Tier”及び“GAA(General Authorized Access) Tier”への干渉回避又は抑制を要求されない。また、“Incumbent Tier”は、“Priority Access Tier”及び“GAA Tier”による干渉から保護される。即ち、“Incumbent Tier”のユーザは、他のグループの存在を考慮することなく、周波数帯域を使用することが可能である。
優先アクセス層(Priority Access Tier)は、PAL(Priority Access License)と呼ばれる免許を有するユーザからなるグループである。“Priority Access Tier”より高い優先度を有する“Incumbent Tier”への干渉回避又は抑制を要求されるが、より低い優先度を有する“GAA Tier”への干渉回避又は抑制を要求されない。また、“Priority Access Tier”は、より高い優先度を有する“Incumbent Tier”による干渉から保護されないが、より低い優先度を有する“GAA Tier”による干渉から保護される。一般認可アクセス層(GAA Tier)は、上記“Incumbent Tier”および“Priority Access Tier”に属さない他の全てのユーザからなるグループである。より高い優先度を有する“Incumbent Tier”及び“Priority Access Tier”への干渉の回避又は抑制を要求される。また、“GAA Tier”は、より高い優先度を有する“Incumbent Tier”及び“Priority Access Tier”による干渉から保護されない。即ち、“GAA Tier”は、法制上、日和見的な(opportunistic)周波数利用が要求される“tier”である。
なお階層構造はこれらの定義に限定されない。CBRSは一般に3Tier構造と呼ばれるが、2Tier構造であってもよい。代表的な一例として、LSA(Licensed Shared Access)やTVWS(TV band White Space)のような2Tier構造が挙げられる。LSAでは、上記“Incumbent Tier”と“Priority Access Tier”の組み合わせと同等の構造が採用されている。また、TVWSでは、上記“Incumbent Tier”と“GAA Tier”の組み合わせと同等の構造が採用されている。また、4以上のTierが存在してもよい。具体的には、例えば、“Priority Access Tier”に相当する中間層を、さらに優先度付するなどしてもよい。また、例えば、“GAA Tier”も同様に優先度付するなどしてもよい。
図4は、CBRSの帯域を示す説明図である。上述のCBRSを例にとると、プライマリシステムは、軍事レーダシステム(Military Radar System)、既存無線システム(Grandfathered Wireless System)、或いは固定衛星業務(宇宙から地球)(Fixed Satellite Service (space-to-earth))となる。ここで、軍事レーダシステムは、代表的には艦載レーダである。また、セカンダリシステムはCBSD(Citizens Broadband Radio Service Device)、EUD(End User Device)と呼ばれる基地局、端末からなる無線ネットワークシステムとなる。セカンダリシステムにはさらに優先度が存在し、共用帯域を免許利用可能な優先アクセス免許(PAL:Priority Access License)と、免許不要と同等の一般認可アクセス(GAA:General Authorized Access)と、が定められている。図4に示す層1(Tier 1)は、図3に示す既存層に相当する。また、図4に示す層2(Tier 2)は、図3に示す優先アクセス層に相当する。また、図4に示す層3(Tier 3)は、図3に示す一般認可アクセス層に相当する。
なお、本実施形態のプライマリシステム(通信システム1)は、図4に示した例に限られない。他の種類の無線システムをプライマリシステム(通信システム1)としてもよい。例えば、適用する国・地域・周波数帯域に応じて、他の無線システムをプライマリシステムとしてもよい。例えば、プライマリシステムは、DVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)システム等のテレビジョン放送システムであってもよい。また、プライマリシステムは、FS(Fixed System)と呼ばれる無線システムであってもよい。また、他の周波数帯における周波数共用であってもよい。例えば、代表的な一例として、LSAやTVWS(TV band White Space)が挙げられる。また、プライマリシステムは、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)等のセルラー通信システムであってもよい。また、プライマリシステムは、ARNS(Aeronautical Radio Navigation Service)等の航空無線システムであってもよい。勿論、プライマリシステムは、上記の無線システムに限定されず、他の種類の無線システムであってもよい。
また、通信システム2が利用する空き電波(White Space)は、Federal use band(3.55-3.70GHz)の周波数帯に限られない。通信システム2は、Federal use band(3.55-3.70GHz)とは異なる周波数帯を二次利用してもよい。例えば、プライマリシステム(通信システム1)がテレビジョン放送システムなのであれば、通信システム2はTVホワイトスペースを二次利用するシステムであってもよい。ここで、TVホワイトスペースとは、テレビジョン放送システム(プライマリシステム)に割当てられている周波数チャネルのうち、当該テレビジョン放送システムにより利用されていない周波数帯のことをいう。このとき、TVホワイトスペースは、地域に応じて使用されていないチャネルであってもよい。
また、通信システム1及び通信システム2の関係は、通信システム1をプライマリシステム、通信システム2をセカンダリシステムとした周波数共用関係に限られない。通信システム1及び通信システム2の関係は、同一周波数を利用する同一または異なる無線システム間のネットワーク共存(Network Coexistence)関係であってもよい。
一般に周波数共用において、対象帯域を利用する既存システムをプライマリシステム、二次利用者のシステムをセカンダリシステムと呼ぶが、周波数共用環境以外に本実施形態を適用する場合には、これら(プライマリシステム、セカンダリシステム)は別の用語のシステムに置き換えてもよい。例えば、HetNetにおけるマクロセルをプライマリシステム、スモールセルやリレー局をセカンダリシステムとしてもよい。また、基地局をプライマリシステム、そのカバレッジ内に存在するD2DやV2Xを実現するRelay UEやVehicle UEをセカンダリシステムとしてもよい。基地局は固定型に限らず、可搬型/移動型であってもよい。そのような場合、例えば、本発明の提供する通信制御装置は、基地局やリレー局、Relay UE等に具備されてもよい。
なお、以下の説明で登場する「周波数」という用語は、別の用語によって置き換えられてもよい。例えば、「周波数」という用語は、「リソース」、「リソースブロック」、「リソースエレメント」、「チャネル」、「コンポーネントキャリア」、「キャリア」、「サブキャリア」、といった用語やこれらと類似の意味を有する用語によって置き換えられてよい。なお、周波数は電波資源の一種である。「電波資源」は「周波数リソース」と言い換えることも可能である。
<<2.通信システムの構成>>
以下、本開示の実施形態に係る通信システム2を説明する。通信システム2は、通信システム1(第1無線システム)が使用する周波数帯域を2次利用して無線通信する無線通信システムである。例えば、通信システム2は、通信システム1に割り当てられている周波数帯域の一部又は全部を動的周波数共用する無線通信システムである。通信システム2は、所定の無線アクセス技術(Radio Access Technology)を使って、ユーザ或いはユーザが有する装置に対し、無線サービスを提供する。
ここで、通信システム2は、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、cdma2000(Code Division Multiple Access 2000)、LTE、NR等のセルラー通信システムであってもよい。以下の説明では、「LTE」には、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-A Pro(LTE-Advanced Pro)、及びEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が含まれるものとする。また、「NR」には、NRAT(New Radio Access Technology)、及びFEUTRA(Further EUTRA)が含まれるものとする。なお、通信システム2は、セルラー通信システムに限られない。例えば、通信システム2は、無線LAN(Local Area Network)システム、テレビジョン放送システム、航空無線システム、宇宙無線通信システム等の他の無線通信システムであってもよい。
本実施形態では、通信システム1はプライマリシステムであり、通信システム2はセカンダリシステムである。上述したように、通信システム1及び通信システム2は、それぞれ、複数あってもよい。なお、図1の例では、通信システム1は1つの無線通信装置10(図1に示す無線通信装置10)で構成されていたが、複数の無線通信装置10で構成されていてもよい。無線通信装置10の構成は、後述する基地局装置20又は端末装置30の構成と同じであってもよい。
<2-1.通信システムの全体構成>
通信システム2は、典型的には、以下のエンティティで構成される。
通信装置(例えば、基地局装置やプロキシ装置)
端末装置
通信制御装置
なお、以下の説明では、通信装置となるエンティティは、基地局装置20及び/又はプロキシ装置50であるものとするが、通信装置となるエンティティは基地局装置20やプロキシ装置50に限られず、他の通信装置(例えば、端末装置30や通信制御装置40)であってもよい。
図5は、本開示の実施形態に係る通信システム2の構成例を示す図である。通信システム2は、基地局装置20と、端末装置30と、通信制御装置40と、プロキシ装置50と、を備える。通信システム2は、通信システム2を構成する各装置(例えば、無線通信装置等の通信装置)が連携して動作することで、ユーザ或いはユーザが有する装置に対し、無線サービスを提供する。無線通信装置は、無線通信の機能を有する装置のことであり、図5の例では、基地局装置20と端末装置30とが該当する。
なお、通信制御装置40及びプロキシ装置50は、無線通信機能を有していてもよい。この場合には、通信制御装置40及びプロキシ装置50も無線通信装置とみなすことができる。以下の説明では、無線通信装置のことを単に通信装置ということがある。なお、通信装置は無線通信装置に限られず、例えば、無線通信機能を有さず、有線通信のみ可能な装置も通信装置とみなすことができる。
通信システム2は、基地局装置20と、端末装置30と、通信制御装置40と、プロキシ装置50と、をそれぞれ複数備えていてもよい。図5の例では、通信システム1は、基地局装置20として基地局装置20、20、20、20、20等を備えている。また、通信システム2は、端末装置30として端末装置30、30、30、30等を備えている。また、通信システム1は、通信制御装置40として通信制御装置40、40等を備えている。
なお、以下の説明では、無線通信装置のことを無線システムと呼ぶことがある。例えば、無線通信装置10及び基地局装置20~20は、それぞれ、1つの無線システムである。また、端末装置30~30は、それぞれ、1つの無線システムである。なお、以下の説明では、通信システム1を第1無線システムとするが、通信システム1が備える1又は複数の無線通信装置10それぞれを第1無線システムとみなしてもよい。また、以下の説明では、通信システム2が備える1又は複数の基地局装置20それぞれを第2無線システムとするが、通信システム2そのものを第2無線システムとみなしてもよいし、通信システム2が備える1又は複数の端末装置30それぞれを第2無線システムとみなしてもよい。通信制御装置40及びプロキシ装置50が無線通信機能を有するのであれば、通信制御装置40それぞれ或いはプロキシ装置50それぞれを第2無線システムとみなしてもよい。
なお、無線システムは、少なくとも1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される1つのシステムであってもよい。例えば、1又は複数の基地局装置20と、その配下にある1又は複数の端末装置30と、で構成されるシステムを1つの無線システムとみなしてもよい。また、通信システム1又は通信システム2を、それぞれ、1つの無線システムとみなすことも可能である。以下の説明では、少なくとも1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される通信システムのことを、無線通信システム、或いは、単に通信システムと呼ぶことがある。なお、1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される1つのシステムを第1無線システム或いは第2無線システムとみなしてもよい。
[基地局装置]
基地局装置20(第2無線システム)は、端末装置30或いは他の通信装置(他の基地局装置20、他のプロキシ装置50)と無線通信する無線通信装置である。基地局装置20は通信装置の一種である。基地局装置20は、例えば、無線基地局(Base Station、Node B、eNB、gNB、など)や無線アクセスポイント(Access Point)に相当する装置である。基地局装置20は、無線リレー局であってもよい。基地局装置20は、RSU(Road Side Unit)等の路上基地局装置であってもよい。また、基地局装置20は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。また、基地局装置20は、Field Pickup Unit(FPU)の受信局であってもよい。本実施形態では、無線通信システムの基地局のことを基地局装置ということがある。なお、基地局装置20が使用する無線アクセス技術は、セルラー通信技術であってもよいし、無線LAN技術であってもよい。また、基地局装置20が使用する無線アクセス技術は、これらに限定される必要はなく、他の無線アクセス技術であってもよい。
基地局装置20は、必ずしも固定されたものである必要もなく、自動車のように動くものに設置されていてもよい。また、基地局装置20は、必ずしも地上に存在する必要はなく、航空機、ドローン、ヘリコプター、衛星などのように、空中や宇宙に存在する物体や、船、潜水艦などのように海上・海中に存在する物体に通信装置機能が具備されてもよい。このような場合、基地局装置20は固定的に設置されている他の通信装置と無線通信を実施しうる。
基地局装置20のカバレッジの大きさも、マクロセルのような大きなものから、ピコセルのような小さなものであってもよい。勿論、基地局装置20のカバレッジの大きさは、フェムトセルのような極めて小さなものであってもよい。また、基地局装置20がビームフォーミングの能力を有する場合、ビームごとにセルやサービスエリアが形成されてもよい。
基地局装置20は、さまざまなエンティティによって利用、運用、及び/又は管理されうる。例えば、基地局装置20は、移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)、仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)、仮想移動体通信イネーブラ(MVNE:Mobile Virtual Network Enabler)、ニュートラルホストネットワーク(NHN:Neutral Host Network)事業者、放送事業者、エンタープライズ、教育機関(学校法人、各自治体教育委員会、等)、不動産(ビル、マンション等)管理者、個人などが想定されうる。勿論、基地局装置20の利用、運用、及び/又は管理の主体はこれらに限定されない。
基地局装置20は一事業者が設置及び/又は運用を行うものであってもよいし、一個人が設置及び/又は運用を行うものであってもよい。勿論、基地局装置20の設置・運用主体はこれらに限定されない。例えば、基地局装置20は、複数の事業者または複数の個人が共同で設置・運用を行うものであってもよい。また、基地局装置20は、複数の事業者または複数の個人が利用する共用設備であってもよい。この場合、設備の設置及び/又は運用は利用者とは異なる第三者によって実施されてもよい。
事業者によって運用される基地局装置20は、典型的には、コアネットワークを介してインターネット接続される。また、基地局装置20は、OA&M(Operation, Administration & Maintenance)と呼ばれる機能により、運用管理・保守がなされる。なお、通信システム2には、例えば、ネットワーク内の基地局装置20を統合制御するネットワークマネージャが存在しうる。
なお、基地局という概念には、アクセスポイントや無線リレー局(中継装置ともいう。)が含まれる。また、基地局という概念には、基地局の機能を備えた構造物(Structure)のみならず、構造物に設置される装置も含まれる。構造物は、例えば、オフィスビル、家屋、鉄塔、駅施設、空港施設、港湾施設、スタジアム等の建物(Building)である。なお、構造物という概念には、建物のみならず、トンネル、橋梁、ダム、塀、鉄柱等の構築物(Non-building structure)や、クレーン、門、風車等の設備も含まれる。また、構造物という概念には、陸上(狭義の地上)又は地中の構造物のみならず、桟橋、メガフロート等の水上の構造物や、海洋観測設備等の水中の構造物も含まれる。
また、基地局は、移動可能に構成された基地局(移動局)であってもよい。このとき、基地局(移動局)は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。また、移動体は、陸上(狭義の地上)を移動する移動体(例えば、自動車、バス、トラック、列車、リニアモーターカー等の車両)であってもよいし、地中(例えば、トンネル内)を移動する移動体(例えば、地下鉄)であってもよい。勿論、移動体は、スマートフォンなどのモバイル端末であってもよい。また、移動体は、水上を移動する移動体(例えば、旅客船、貨物船、ホバークラフト等の船舶)であってもよいし、水中を移動する移動体(例えば、潜水艇、潜水艦、無人潜水機等の潜水船)であってもよい。また、移動体は、大気圏内を移動する移動体(例えば、飛行機、飛行船、ドローン等の航空機)であってもよいし、大気圏外を移動する宇宙移動体(例えば、人工衛星、宇宙船、宇宙ステーション、探査機等の人工天体)であってもよい。
[端末装置]
端末装置30は、通信機能を備えた通信機器である。端末装置30は、典型的にはスマートフォン等の通信機器である。端末装置30は、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、ウェアラブル端末、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等のユーザ端末であってもよい。また、端末装置30は、FPU等の通信機器が搭載されたバイクや移動中継車等であってもよい。端末装置30は、User Equipment、User Terminal、User Station、Mobile Terminal、Mobile Station、等と呼ばれることがある。
なお、端末装置30は、人が利用するものである必要はない。端末装置30は、いわゆるMTC(Machine Type Communication)のように、工場の機械、建物に設置されるセンサであってもよい。また、端末装置30は、M2M(Machine to Machine)デバイス、又はIoT(Internet of Things)デバイスであってもよい。また、端末装置30は、D2D(Device to Device)やV2X(Vehicle to everything)に代表されるように、リレー通信機能を具備した装置であってもよい。また、端末装置30は、無線バックホール等で利用されるCPE(Client Premises Equipment)と呼ばれる機器であってもよい。また、端末装置30は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。
また、端末装置30は、必ずしも地上に存在する必要はなく、航空機、ドローン、ヘリコプター、衛星などのように、空中や宇宙に存在する物体や、船、潜水艦などのように海上・海中に存在する物体であってもよい。
[通信制御装置]
通信制御装置40は、基地局装置20を管理する装置である。例えば、通信制御装置40は、基地局装置20の無線通信を制御する装置である。例えば、通信制御装置40は、基地局装置20が使用する通信パラメータ(動作パラメータともいう。)を決定し、基地局装置20に対して許可又は指示を行う。このとき、通信制御装置40は、ネットワーク内の無線装置を統合制御するネットワークマネージャであってもよい。ETSI EN 303 387やIEEE 802.19.1-2014を例にとると、通信制御装置40は、無線機器間の電波干渉制御を行うSpectrum Manager/Coexistence Managerといった制御装置であってもよい。また、例えば、IEEE 802.11-2016にて規定されるRLSS(Registered Location Secure Server)も通信制御装置40となりうる。また、周波数共用環境下では、GLDB(Geolocation database)やSAS(Spectrum Access System)といったデータベース(データベースサーバ、装置、システム)も通信制御装置40となりうる。基本的には、通信制御装置40の制御対象は基地局装置20となるが、通信制御装置40はその配下の端末装置30を制御してもよい。
なお、通信制御装置40は、1つの通信システム2に複数存在していてもよい。図6は、通信制御装置40が分散的に配置されるモデルを示す図である。この場合、複数の通信制御装置40(図6の例の場合、通信制御装置40及び通信制御装置40)は互いに管理する基地局装置20の情報を交換し、必要な周波数の割り当てや干渉制御の計算を行う。
また、通信制御装置40は、マスタ-スレーブ型の装置であってもよい。図7は、1つの通信制御装置が中央制御的に複数の通信制御装置を統括するモデル(いわゆるマスタ-スレーブ型のモデル)を示す図である。図7の例では、通信制御装置40がマスタ通信制御装置であり、通信制御装置40、40がスレーブ通信制御装置である。このようなシステムの場合、マスタ通信制御装置は複数のスレーブ通信制御装置を統括し、集中的に意思決定を行うことが可能である。また、マスタ通信制御装置は、負荷分散(ロードバランシング)などを目的として、各スレーブ通信制御装置に対して、意思決定権限の委譲・破棄等を実施することも可能である。
なお、通信制御装置40は、その役目のために、基地局装置20、端末装置30、及びプロキシ装置50以外のエンティティからも必要な情報を取得しうる。具体的には、通信制御装置40は、例えば、国・地域の電波行政機関が管理・運用するデータベース(レギュラトリデータベース)から、プライマリシステムの位置情報等、保護に必要な情報を取得しうる。レギュラトリデータベースの一例としては、米国連邦通信委員会(Federal Communications Commissions)が運用するULS(Universal Licensing System)などが挙げられる。保護に必要な情報のその他の例としては、例えば、帯域外輻射制限(OOBE(Out-of-Band Emission) Limit)、隣接チャネル漏洩比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)、隣接チャネル選択性(Adjacent Channel Selectivity)、フェージングマージン、及び/又は保護比率(PR:Protection Ratio)等を含みうる。これらの例については、法制上、数値が固定的に与えられる場合にはそれらを用いることが望ましい。
また、通信制御装置40は、無線局諸元データベースや無線局利用予定データベースから、プライマリシステムの無線局(プライマリ無線局)の詳細諸元や利用予定情報を取得しうる。プライマリ無線局の諸元が入力される無線局諸元データベースや、利用予定情報が入力される無線局利用予定データベースは、プライマリシステムの運用者である放送事業者や公共業務機関等によって管理・運用される可能性がある。また、無線局諸元データベースや、無線局利用予定データベースは、プライマリシステムの運用者である放送事業者や公共業務機関等の他、通信制御装置の運用者、行政機関、第3者機関等によって管理・運用される可能性がある。プライマリシステム運用者は、実際に無線局を利用する前に、プライマリ無線局の各種情報を格納する。また、このデータベースは、1つのデータベースとして運用されうる。また、各種情報の取得に、必ずしもデータベースを経由する必要はなく、例えばプライマリシステム運用者が、HTTPリクエスト・レスポンス等を用いて、直接通信制御装置40に入力することも可能である。
また、その他の一例としては、通信制御装置40が、プライマリシステムの電波検知を目的に設置・運用される電波センシングシステムから電波センシング情報を取得することも想定されうる。具体的な一例としては、通信制御装置40は、米国CBRSにおける環境センシング機能(ESC:Environmental Sensing Capability)のような電波センシングシステムから、プライマリシステムの電波検知情報を取得しうる。また、通信装置や端末がセンシング機能を具備する場合、通信制御装置40は、これらからプライマリシステムの電波検知情報を取得してもよい。
また、電波センシングを行わず、プライマリシステム運用者が直接無線局の利用を通信制御装置40に通知しても良い。このとき、プライマリシステム運用者は無線局利用予定データベースなどのデータベースに、利用時間や場所などの情報を書き込むことで、利用を通知することができる。また、HTTPリクエスト・レスポンス等を用いて、プライマリシステム運用者が直接通信制御装置40に入力することも考えられる。
[プロキシ装置]
プロキシ装置50(プロキシシステム)は、1又は複数の通信装置(例えば、基地局装置20)を代理(代表)して通信制御装置40と通信する装置である。プロキシ装置50も通信装置の一種である。プロキシ装置50は、非特許文献2等で規定されるDP(Domain Proxy)であってもよい。ここで、DPとは、複数のCBSDそれぞれ、又は複数のCBSDで構成されるネットワークに代わってSASと通信するエンティティのことをいう。なお、1又は複数の通信装置を代理(代表)して通信制御装置40と通信する機能を有しているのであれば、プロキシ装置50は、非特許文献2で規定されるDPに限られない。ネットワーク内の基地局装置20を統合制御するネットワークマネージャをプロキシ装置50とみなしてもよい。
各エンティティ間のインターフェイスは、有線であるか無線であるかは問わない。例えば、通信制御装置および通信装置間のインターフェイスには、有線回線のみならず、周波数共用に依存しない無線インターフェイスを利用可能である。このとき、無線インターフェイスは、例えば、移動体通信事業者によって免許帯域(Licensed band)を介して提供される無線インターフェイスや既存の免許不要帯域(License-exempt band)を利用する無線インターフェイス(例えば、Wi-Fi通信を利用する無線インターフェイス)等であってもよい。
以下、通信システム2を構成する各装置の構成を具体的に説明する。
<2-2.基地局装置の構成>
最初に、基地局装置20の構成を説明する。図8は、本開示の実施形態に係る基地局装置20の構成例を示す図である。基地局装置20は、通信制御装置40の制御に従って端末装置30と無線通信する無線通信装置(無線システム)である。例えば、基地局装置20は、地上に位置する基地局装置(地上局装置)である。このとき、基地局装置20は、地上の構造物に配置される基地局装置であってもよいし、地上を移動する移動体に設置される基地局装置であってもよい。より具体的には、基地局装置20は、ビル等の構造物に設置されたアンテナ及びそのアンテナに接続する信号処理装置であってもよい。勿論、基地局装置20は、構造物や移動体そのものであってもよい。「地上」は、陸上(狭義の地上)のみならず、地中、水上、水中も含む広義の地上である。基地局装置20は、通信装置の一種である。
なお、基地局装置20は、地上局装置に限られない。例えば、基地局装置20は、空中又は宇宙を移動或いは浮遊する基地局装置(非地上局装置)であってもよい。このとき、基地局装置20は、航空機局装置や衛星局装置であってもよい。
航空機局装置は、航空機等に搭載される装置であってもよいし、航空機そのものであってもよい。航空機という概念には、飛行機、グライダー等の重航空機のみならず、気球、飛行船等の軽航空機も含まれる。また、航空機という概念には、ヘリコプターやオートジャイロ等の回転翼機も含まれる。なお、航空機局装置(又は、航空機局装置が搭載される航空機)は、有人航空機であってもよいし、ドローン等の無人航空機であってもよい。
衛星局装置は、人工衛星等の宇宙移動体に搭載される装置であってもよいし、宇宙移動体そのものであってもよい。衛星局装置となる衛星は、低軌道(LEO:Low Earth Orbiting)衛星、中軌道(MEO:Medium Earth Orbiting)衛星、静止軌道(GEO:Geostationary Earth Orbiting)衛星、高楕円軌道(HEO:Highly Elliptical Orbiting)衛星の何れであってもよい。勿論、衛星局装置は、低軌道衛星、中軌道衛星、静止衛星、又は高楕円軌道衛星に搭載される装置であってもよい。
また、基地局装置20は中継局装置であってもよい。中継局装置は、例えば、航空局や地球局である。中継局装置は上述の中継装置の一種とみなすことができる。航空局は、航空機局装置と通信を行うために、地上又は地上を移動する移動体に設置された無線局である。また、地球局は、衛星局装置と通信するために、地球(空中を含む。)に位置する無線局である。地球局は、大型地球局であってもよいし、VSAT(Very Small Aperture Terminal)等の小型地球局であってもよい。なお、地球局は、VSAT制御地球局(親局、HUB局ともいう。)であってもよいし、VSAT地球局(子局ともいう。)であってもよい。また、地球局は、地上を移動する移動体に設置される無線局であってもよい。例えば、船舶に搭載される地球局として、船上地球局(ESV:Earth Stations on board Vessels)が挙げられる。また、地球局には、航空機(ヘリコプターを含む。)に設置され、衛星局と通信する航空機地球局が含まれていてもよい。また、地球局には、地上を移動する移動体に設置され、衛星局を介して航空機地球局と通信する航空地球局が含まれていてもよい。なお、中継局装置は、衛星局や航空機局と通信する携帯移動可能な無線局であってもよい。
基地局装置20は、無線通信部21と、記憶部22と、ネットワーク通信部23と、制御部24と、を備える。なお、図8に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局装置20の機能は、複数の物理的に分離された装置に分散して実装されてもよい。
無線通信部21は、他の通信装置(例えば、端末装置30、通信制御装置40、プロキシ装置50、及び他の基地局装置20)と無線通信する無線通信インターフェイスである。無線通信部21は、制御部24の制御に従って動作する。無線通信部21は複数の無線アクセス方式に対応してもよい。例えば、無線通信部21は、NR及びLTEの双方に対応してもよい。無線通信部21は、W-CDMAやcdma2000等の他のセルラー通信方式に対応してもよい。また、無線通信部21は、セルラー通信方式に加えて、無線LAN通信方式に対応してもよい。勿論、無線通信部21は、1つの無線アクセス方式に対応するだけであってもよい。
無線通信部21は、受信処理部211と、送信処理部212と、アンテナ213と、を備える。無線通信部21は、受信処理部211、送信処理部212、及びアンテナ213をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部21の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、基地局装置20がNRとLTEとに対応しているのであれば、受信処理部211及び送信処理部212は、NRとLTEとで個別に構成されてもよい。
受信処理部211は、アンテナ213を介して受信された上りリンク信号の処理を行う。受信処理部211は、無線受信部211aと、多重分離部211bと、復調部211cと、復号部211dと、を備える。
無線受信部211aは、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、デジタル信号への変換、ガードインターバルの除去、高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。例えば、基地局装置20の無線アクセス方式が、LTE等のセルラー通信方式であるとする。このとき、多重分離部211bは、無線受信部211aから出力された信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上りリンクチャネル及び上りリンク参照信号を分離する。復調部211cは、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等の変調方式を使って受信信号の復調を行う。復調部211cが使用する変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、又は256QAMであってもよい。復号部211dは、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータ及び上りリンク制御情報は制御部24へ出力される。
送信処理部212は、下りリンク制御情報及び下りリンクデータの送信処理を行う。送信処理部212は、符号化部212aと、変調部212bと、多重部212cと、無線送信部212dと、を備える。
符号化部212aは、制御部24から入力された下りリンク制御情報及び下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部212bは、符号化部212aから出力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。多重部212cは、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化し、所定のリソースエレメントに配置する。無線送信部212dは、多重部212cからの信号に対して、各種信号処理を行う。例えば、無線送信部212dは、高速フーリエ変換による時間領域への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、電力の増幅等の処理を行う。送信処理部212で生成された信号は、アンテナ213から送信される。
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局装置20の記憶手段として機能する。記憶部22は、所望送信電力情報、動作パラメータ、保有リソース情報等を記憶する。
所望送信電力情報は、基地局装置20が、電波の送信に必要な送信電力の情報として、通信制御装置40に要求する送信電力の情報である。
動作パラメータは、基地局装置20の電波送信動作に関する情報(例えば、設定情報)である。例えば、動作パラメータは、基地局装置20に許容された送信電力の最大値(最大許容送信電力)の情報である。勿論、動作パラメータは、最大許容送信電力の情報に限定されない。
また、保有リソース情報は、基地局装置20の無線リソースの保有に関する情報である。例えば、保有リソース情報は、基地局装置20が現在使用可能な無線リソースの情報である。例えば、有リソース情報は、基地局装置20が通信制御装置40から割り当てられた干渉マージンの保有量の情報である。保有量の情報は、後述のリソースブロック単位の情報であってもよい。すなわち、保有リソース情報は、基地局装置20が保有するリソースブロックに関する情報(例えば、リソースブロック保有量)であってもよい。
ネットワーク通信部23は、他の装置(例えば、通信制御装置40、プロキシ装置50、及び他の基地局装置20)と通信するための通信インターフェイスである。例えば、ネットワーク通信部23は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インターフェイスである。ネットワーク通信部23は、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインターフェイスであってもよい。また、ネットワーク通信部23は、有線インターフェイスであってもよいし、無線インターフェイスであってもよい。ネットワーク通信部23は、基地局装置20のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部23は、制御部24の制御に従って、他の装置と通信する。
制御部24は、基地局装置20の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部24は、基地局装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部24は、図8に示すように、取得部241と、設定部242と、送信部243と、無線通信制御部244と、を備える。制御部24を構成する各ブロック(取得部241~無線通信制御部244)はそれぞれ制御部24の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部24は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部24を構成する各ブロック(取得部241~無線通信制御部244)は、例えば、以下の通り動作してもよい。
例えば、送信部243は、第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用する通信装置が該電波を利用するためのグラントの利用態様に関する情報を取得する取得部と、グラントの利用態様に関する情報に基づいてグラントに関する処理を行う処理部と、を備える通信制御装置40に、グラントの要求を行うとともに該グラントの利用態様に関する情報を送信する。そして、無線通信制御部244は、グラントの要求に基づき通信制御装置40から与えられたグラントに基づいて無線通信部21の制御を行う。
制御部24を構成する各ブロック(取得部241~無線通信制御部244)の動作は、後述する。
<2-3.端末装置の構成>
次に、端末装置30の構成を説明する。図9は、本開示の実施形態に係る端末装置30の構成例を示す図である。端末装置30は、基地局装置20及び/又は通信制御装置40と無線通信する通信装置である。なお、本実施形態において、通信装置(或いは無線通信装置)という概念には、基地局装置やプロキシ装置のみならず、端末装置も含まれる。通信装置(或いは無線通信装置)は、無線システムと言い換えることができる。
端末装置30は、無線通信部31と、記憶部32と、入出力部33と、制御部34と、を備える。なお、図9に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置30の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
無線通信部31は、他の通信装置(例えば、基地局装置20及び他の端末装置30)と無線通信する無線通信インターフェイスである。無線通信部31は、制御部34の制御に従って動作する。無線通信部31は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部31は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。
無線通信部31は、受信処理部311と、送信処理部312と、アンテナ313と、を備える。無線通信部31は、受信処理部311、送信処理部312、及びアンテナ313をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部31が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部31の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、受信処理部311及び送信処理部312は、LTEとNRとで個別に構成されてもよい。受信処理部311、及び送信処理部312の構成は、基地局装置20の受信処理部211、及び送信処理部212と同様である。
記憶部32は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部32は、端末装置30の記憶手段として機能する。
入出力部33は、ユーザと情報をやりとりするためのユーザインタフェースである。例えば、入出力部33は、キーボード、マウス、操作キー、タッチパネル等、ユーザが各種操作を行うための操作装置である。又は、入出力部33は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。入出力部33は、スピーカー、ブザー等の音響装置であってもよい。また、入出力部33は、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。入出力部33は、端末装置30の入出力手段(入力手段、出力手段、操作手段又は通知手段)として機能する。
制御部34は、端末装置30の各部を制御するコントローラである。制御部34は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部34は、端末装置30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部34は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
<2-4.通信制御装置の構成>
通信制御装置40は、基地局装置20の無線通信を制御する装置である。通信制御装置40は、基地局装置20を介して、或いは直接、端末装置30の無線通信を制御してもよい。通信制御装置40は、ネットワーク内の無線装置を統合制御するネットワークマネージャであってもよい。例えば、通信制御装置40は、Spectrum Manager/Coexistence Managerであってもよい。また、通信制御装置40は、GLDB(Geolocation database)やSAS(Spectrum Access System)といったデータベースサーバであってもよい。
なお、通信システム2がセルラー通信システムなのであれば、通信制御装置40は、コアネットワークを構成する装置であってもよい。コアネットワークCNは、例えば、EPC(Evolved Packet Core)や5GC(5G Core network)である。コアネットワークがEPCなのであれば、通信制御装置40は、例えば、MME(Mobility Management Entity)としての機能を有する装置であってもよい。また、コアネットワークが5GCなのであれば、通信制御装置40は、例えば、AMF(Access and Mobility Management Function)としての機能を有する装置であってもよい。なお、通信システム2がセルラー通信システムの場合であっても、通信制御装置40は必ずしもコアネットワークを構成する装置である必要はない。例えば、通信制御装置40はRNC(Radio Network Controller)としての機能を有する装置であってもよい。
なお、通信制御装置40はゲートウェイの機能を有していてもよい。例えば、コアネットワークがEPCなのであれば、通信制御装置40は、S-GW(Serving Gateway)やP-GW(Packet Data Network Gateway)としての機能を有する装置であってもよい。また、コアネットワークが5GCなのであれば、通信制御装置40は、UPF(User Plane Function)としての機能を有する装置であってもよい。なお、通信制御装置40は必ずしもコアネットワークを構成する装置でなくてもよい。例えば、コアネットワークがW-CDMAやcdma2000のコアネットワークであるとする。このとき、通信制御装置40はRNC(Radio Network Controller)として機能する装置であってもよい。
また、通信制御装置40は、複数のセカンダリシステムを制御するシステムであってもよい。この場合、通信システム2は、複数のセカンダリシステムを備えるシステムとみなすことが可能である。
図10は、本開示の実施形態に係る通信制御装置40の構成例を示す図である。通信制御装置40は、無線通信部41と、記憶部42と、ネットワーク通信部43、制御部44と、を備える。なお、図10に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、通信制御装置40の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。例えば、通信制御装置40は、複数のサーバ装置により構成されていてもよい。
無線通信部41は、他の通信装置(例えば、基地局装置20、端末装置30、プロキシ装置50、及び他の通信制御装置40)と無線通信する無線通信インターフェイスである。無線通信部41は、制御部44の制御に従って動作する。無線通信部31は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部31は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。無線通信部41の構成は、基地局装置20の無線通信部21と同様である。
記憶部42は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局装置20の記憶手段として機能する。記憶部22は、通信システム2を構成する複数の基地局装置20それぞれの動作パラメータを記憶する。なお、記憶部22は、通信システム2を構成する複数の基地局装置20それぞれの保有リソース情報を記憶していてもよい。上述したように、保有リソース情報は、基地局装置20の無線リソースの保有に関する情報である。なお、通信制御装置40は、ファイルサーバ60に情報を記憶してもよい。
ネットワーク通信部43は、他の装置(例えば、基地局装置20、プロキシ装置50、及び、他の通信制御装置40)と通信するための通信インターフェイスである。ネットワーク通信部43は、ネットワークインタフェースであってもよいし、機器接続インターフェイスであってもよい。例えば、ネットワーク通信部43は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インターフェイスであってもよい。また、ネットワーク通信部43は、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインターフェイスであってもよい。また、ネットワーク通信部43は、有線インターフェイスであってもよいし、無線インターフェイスであってもよい。ネットワーク通信部43は、通信制御装置40の通信手段として機能する。ネットワーク通信部43は、制御部44の制御に従って基地局装置20、端末装置30及びプロキシ装置50と通信する。
制御部44は、通信制御装置40の各部を制御するコントローラである。制御部44は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部44は、通信制御装置40内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部44は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。例えば、制御部44は、ネットワーク通信部43を介した基地局装置20、端末装置30及びプロキシ装置50との通信により、グラントに係る動作を制御する。
制御部44は、図10に示すように、取得部441と、判定部442と、通知部443と、通信制御部444と、を備える。制御部44を構成する各ブロック(取得部441~通信制御部444)はそれぞれ制御部44の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部44は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部44を構成する各ブロック(取得部441~通信制御部444)は、例えば、以下の通り動作してもよい。
取得部441は、基地局装置20、端末装置30及びプロキシ装置50との通信により、例えばグラントに係る動作において、各種情報を取得する処理部である。例えば、取得部441は、第1無線システムが使用する周波数帯を2次利用する第2無線システムが該周波数帯を2次利用するためのグラントの利用態様に関する情報を取得する。
一例として、取得部441は、端末装置30の位置情報を取得する。また、取得部441は、端末装置30が移動すると予測される予測移動エリア301を示すエリア情報(移動予測範囲情報)を取得する。
判定部442は、第1無線システムが使用する周波数帯を2次利用する第2無線システムからのリクエスト(周波数利用許可、周波数利用通知等)に応じて周波数利用許可処理、エリア判定処理を行い、2次利用の可否を判定する処理部である(詳細は後述する)。例えば、判定部442は、端末装置30について、取得部441が取得したエリア情報および位置情報に基づいて、端末装置30によるプライマリシステムが使用する周波数帯の2次利用(以下、「プライマリシステムの2次利用」という。)の可否を判定する。
通知部443は、第1無線システムが使用する周波数帯を2次利用する第2無線システムからのリクエスト(周波数利用許可、周波数利用通知等)に対し、判定部442の判定結果に応じたレスポンスを通知する処理部である(詳細は後述する)。例えば、通知部443は、端末装置30について、判定部442が判定した、端末装置30によるプライマリシステムの2次利用の可否をレスポンスとして通知する。
通信制御部444は、基地局装置20、端末装置30及びプロキシ装置50との通信を制御する処理部である。例えば、通信制御部444は、周波数利用通知の間隔などの制御を行う(詳細は後述する)。
制御部44を構成する各ブロック(取得部441~通信制御部444)の動作は後述する。
また、制御部44は、プライマリシステムの無線局の利用形態及び利用位置情報に基づいて、動的又は静的な保護方法を含む複数のプライマリシステムの保護方法の中から1つを選択し、選択した保護方法に基づいて、プライマリシステムの無線局の保護を実施する処理部として機能する。
例えば、制御部44は、無線局が計画利用である場合、静的な保護方法の1つを選択して実施し、予定外利用である場合には、動的な保護方法の1つを選択して実施する。
例えば、制御部44は、無線局の利用位置情報に基づいて決定される当該無線局の保護対象ポイントに基づいてポイント保護を選択して実施し、無線局の利用位置情報に基づいて決定される当該無線局の保護対象エリアに基づいてエリア保護を選択して実施する。
また、制御部44は、保護対象ポイント及び保護対象エリアが無線局の利用予定に含まれない場合、及び保護対象ポイント及び保護対象エリアを新たに設定する場合、保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する処理部として機能する。
例えば、制御部44は、プライマリシステムの無線局である第1の無線局とは異なる第2の無線局の利用位置情報に基づいて、保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する。
例えば、制御部44は、第2の無線局の利用位置情報に基づいて、第1の無線局の信号を第2の無線局で受信した際の通信品質を算出し、算出した通信品質に基づいて、保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する。
例えば、制御部44は、第2の無線局で使用されるアンテナのアンテナ情報に基づいて、保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する。
例えば、制御部44は、プライマリシステムとは異なる無線システムの第3の無線局の利用位置情報に基づいて、保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する。
例えば、制御部44は、第3の無線局の利用位置情報に基づいて、当該第3の無線局の信号がプライマリシステムの無線局である第1の無線局で受信された際の通信品質を算出する。制御部44は、算出した通信品質に基づいて、第3の無線局の利用位置情報を予測し、予測した位置情報を保護対象ポイント又は保護対象エリアとして利用する。
例えば、制御部44は、第3の無線局の利用位置情報をプライマリシステムの無線局である第4の無線局の利用位置情報として、プライマリシステムの無線局である第5の無線局の信号を第4の無線局で受信した通信品質を算出する。制御部44は、算出した通信品質に基づいて、第5の無線局の保護対象ポイント及び保護対象ポイントを予測する。
例えば、制御部44は、第3の無線局で使用されるアンテナのアンテナ情報に基づいて、プライマリシステムの無線局の利用位置情報を予測する。
また、制御部44は、保護対象エリアを一定の基準で分割した複数のエリアを動的な保護対象エリアに決定する処理部として機能する。
例えば、制御部44は、無線局の利用検知精度に基づいて設定されるパラメータを用いて保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する。
例えば、制御部44は、プライマリシステムの検知精度及びプライマリシステムの位置情報精度に基づいて設定されるパラメータを用いて保護対象エリアを複数のエリアに分割した動的な保護対象エリアを決定する。
例えば、制御部44は、位置情報精度の周辺環境による変動に基づいて設定されるパラメータを用いて保護対象エリアを複数のエリアに分割した動的な保護対象エリアを決定する。
例えば、制御部44は、プライマリシステムを検知する検知部の配置情報に基づいて設定されるパラメータを用いて保護対象エリアを複数のエリアに分割した動的な保護対象エリアを決定する。
例えば、制御部44は、同一のエリアに異なるサイズの動的な保護対象エリアを決定する。
例えば、制御部44は、プライマリシステムとは異なる無線システムの無線局の測位機能精度に基づいて設定されるパラメータを用いて保護対象エリアを複数のエリアに分割した動的な保護対象エリアを決定する。
例えば、制御部44は、無線局の移動エリア全体を複数の領域に分割し、分割した各領域で通信対象の無線局について設定する保護対象エリアを動的な保護対象エリアとして決定する。
また、制御部44は、無線局において利用中のアンテナの回転範囲内に一定の間隔で保護対象アンテナ方向を設定することにより、保護対象ポイント又は保護対象エリアを決定する処理部として機能する。
例えば、制御部44は、アンテナが利用中に回転する水平方向の向きの範囲を一定角度で分割することにより、2次元的な前記保護対象アンテナ方向を設定する。
例えば、制御部44は、上記水平方向の向きの範囲、及びアンテナが利用中に回転するチルト角の範囲を一定角度で分割することにより、3次元的な前記保護対象アンテナ方向を設定する。
例えば、制御部44は、通信相手となる無線局の保護対象エリア又は保護対象ポイントを用いて、利用中のアンテナの回転範囲を予測する。
例えば、制御部44は、無線局から通信相手となる無線局の保護対象エリアに対して引かれた2本の接線がなす角度を、利用中のアンテナが回転する水平方向の向きの範囲とする。
例えば、制御部44は、通信相手となる無線局の保護対象エリアを、プライマリシステムの無線局を中心とする球に対して投影し、投影された球面上の領域を、利用中にアンテナがとり得る水平方向の向き及びチルト角の範囲とする。
例えば、制御部44は、保護対象アンテナ方向を設定する際の間隔を、自機の計算能力によって変更する。
また、制御部44は、無線局のアンテナがとり得るアンテナの回転範囲を一定の基準で分割した動的アンテナ回転範囲を用いて、動的なポイント保護又は動的なエリア保護を選択する処理部として機能する。
例えば、制御部44は、動的アンテナ回転範囲の内部に複数の保護対象アンテナ方向を設定する。
例えば、制御部44は、利用される可能性のあるアンテナの水平方向の向きの範囲を、一定の角度で分割することにより、2次元的な前記動的アンテナ回転範囲を設定する。
例えば、制御部44は、上記水平方向の向きの範囲、及びアンテナが利用中に回転するチルト角の範囲を一定角度で分割することにより、3次元的な前記動的アンテナ回転範囲を設定する。
例えば、制御部44は、通信相手となり得る他の無線局の情報から予測した、利用される可能性のあるアンテナ回転範囲を用いて、動的アンテナ回転範囲を設定する。
例えば、制御部44は、無線局の利用時のアンテナ方向の検知精度に基づいて設定されたパラメータを用いて、動的アンテナ回転範囲を設定する。
例えば、制御部44は、アンテナ方向を検知する検知部によるアンテナ方向の検知精度に基づいて設定されたパラメータを用いて、動的アンテナ回転範囲を設定する。
例えば、制御部44は、利用される可能性のあるアンテナ回転範囲に異なる分割サイズの動的アンテナ回転範囲を2つ以上設定する。
<2-5.プロキシ装置の構成>
次に、プロキシ装置50の構成を説明する。図11は、本開示の実施形態に係るプロキシ装置50の構成例を示す図である。プロキシ装置50は、基地局装置20及び通信制御装置40と通信する通信装置である。プロキシ装置50は、1又は複数の基地局装置20を代理(代表)して通信制御装置40と通信するプロキシシステムである。例えば、プロキシ装置50は、複数のCBSDを代理(代表)するドメインプロキシ(DP:Domain Proxy)である。
なお、プロキシシステムは、1つの装置で構成されていてもよいし、複数の装置で構成されていてもよい。プロキシ装置50と基地局装置20との間の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。同様に、プロキシ装置50と通信制御装置40との間の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
なお、プロキシ装置50が代理(代表)する通信装置は基地局装置20に限られず、例えば、端末装置30であってもよい。以下の説明では、プロキシ装置50が代理(代表)する1又は複数の通信装置(例えば、1又は複数の基地局装置20)のことを配下の通信装置(例えば、配下の基地局装置20)ということがある。
プロキシ装置50は、無線通信部51と、記憶部52と、ネットワーク通信部53と、制御部54と、を備える。なお、図10に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、プロキシ装置50の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
無線通信部51は、他の通信装置(例えば、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40、及び他のプロキシ装置50)と無線通信する無線通信インターフェイスである。無線通信部51は、制御部54の制御に従って動作する。無線通信部51は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部51は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。
記憶部52は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部52は、プロキシ装置50の記憶手段として機能する。記憶部22は、配下の基地局装置20それぞれの所望送信電力情報、動作パラメータ、保有リソース情報等を記憶していてもよい。
ネットワーク通信部53は、他の装置(例えば、基地局装置20、通信制御装置40、及び、他のプロキシ装置50)と通信するための通信インターフェイスである。例えば、ネットワーク通信部53は、NIC等のLANインターフェイスである。ネットワーク通信部53は、USBホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインターフェイスであってもよい。また、ネットワーク通信部53は、有線インターフェイスであってもよいし、無線インターフェイスであってもよい。ネットワーク通信部53は、プロキシ装置50のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部53は、制御部54の制御に従って、他の装置と通信する。
制御部54は、プロキシ装置50の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部54は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部54は、プロキシ装置50内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部54は、図11に示すように、取得部541と、第1の送信部542と、第2の送信部543と、を備える。制御部54を構成する各ブロック(取得部541~第2の送信部543)はそれぞれ制御部54の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部54は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部54を構成する各ブロック(取得部541~第2の送信部543)は、例えば、以下の通り動作してもよい。
例えば、第1の送信部542は、通信制御装置40に配下の通信装置(例えば、基地局装置20)を代理してグラントの要求を行うとともに該グラントの利用態様に関する情報を送信する。そして、第1の送信部542は、グラントの要求に基づき通信制御装置40から与えられたグラントに関する情報を配下の通信装置(例えば、基地局装置20)に通知する。通信制御装置40は、取得部と、処理部とを備える。取得部は、第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用する通信装置が該周波数帯を2次利用するためのグラントの利用態様に関する情報を取得する。処理部は、グラントの利用態様に関する情報に基づいてグラントに関する処理を行う。
なお、制御部54を構成する各ブロック(取得部541~第2の送信部543)の動作は、基地局装置20の制御部24を構成する各ブロック(取得部241~送信部243)の動作と同じであってもよい。例えば、取得部541は取得部241と、第1の送信部542及び第2の送信部543は送信部243と同じであってもよい。以下の説明で登場する取得部241の記載は、取得部541に置き換え可能であり、送信部243の記載は、第1の送信部542及び第2の送信部543に置き換え可能である。
<<3.干渉モデル>>
次に、本実施形態で想定する干渉モデルを説明する。図12は、本開示の実施形態で想定する干渉モデルの一例を示す説明図である。なお、以下の説明で登場する、基地局装置20の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
図12に示す干渉モデルは、例えば、プライマリシステムがサービスエリアを持つ場合に適用される。図12の例では、通信システム1(プライマリシステム)はサービスエリアを有する無線通信システムとなっている。このサービスエリアが、例えば、通信システム1の保護エリアとなる。保護エリアには、干渉計算基準点(以下、保護点という。)は複数設定される。保護点(Protection Point)は、例えば、通信システム1の運営者や電波を管理する公的機関等(以下、管理者という。)により設定される。例えば、管理者は、保護エリアを格子状に区切り、所定の格子の中心を保護点としてもよい。保護点の決定方法は任意である。各保護点の干渉マージンは管理者等により設定される。図12には、通信システム2(セカンダリシステム)を構成する複数の基地局装置20が、保護点に与える干渉が示されている。通信システム2の通信制御装置40は、各保護点における累積干渉が、設定された干渉マージンを超えないように、複数の基地局装置20の送信電力を制御する。
図13は、本開示の実施形態で想定する干渉モデルの他の例を示す説明図である。図13に示す干渉モデルは、例えば、プライマリシステムが受信のみ行う場合に適用される。図13の例では、通信システム1(プライマリシステム)は、無線通信装置102として受信アンテナを有している。無線通信装置102は、例えば、衛星地上局の受信アンテナである。通信システム2の通信制御装置40は、受信アンテナの位置を保護点とし、その地点における累積干渉が干渉マージンを超えないように、複数の基地局装置20の送信電力を制御する。
<<4.プライマリシステム保護方法>>
次に、プライマリシステム保護方法について説明する。上述したように、プライマリシステム保護方法は、例えば、以下の2種類に分類可能である。
(1)干渉マージン一斉配分型
(2)干渉マージン逐次配分型
なお、干渉マージン一斉配分型のプライマリシステム保護方法の例としては、例えば、非特許文献3にて開示されている手法(例えば、最大許容EIRPの計算手法)が挙げられる。また、干渉マージン逐次配分型のプライマリシステム保護方法の例としては、例えば、非特許文献6で開示されている逐次配分処理(IAP:Iterative Allocation Process)が挙げられる。
以下、「干渉マージン一斉配分型」のプライマリシステム保護方法と「干渉マージン逐次配分型」のプライマシステム保護方法について説明する。なお、以下の説明で登場する、基地局装置20の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
<4-1.干渉マージン一斉配分型>
最初に、干渉マージン一斉配分型のプライマリシステム保護方法について説明する。図14は、干渉マージン一斉配分型のプライマリシステム保護方法を説明するための説明図である。上述したように、干渉マージン一斉配分型では、通信制御装置40は、「プライマリシステムの保護基準点とセカンダリシステムの位置関係によって一意に求まる値」を基準値としてセカンダリシステムの最大許容送信電力を算出する。図14の例では、プライマリシステムの許容可能干渉閾値がIacceptとなっている。この閾値は、実際の閾値でもよいし、計算誤差や干渉変動を考慮して実際の閾値からある程度のマージン(例えば保護比率(Protection Ratio))を見込んで設定された値であってもよい。
干渉マージン一斉配分型のプライマリシステム保護方法において、干渉制御とは、許容可能干渉閾値を越えないように、無線装置の送信電力(EIRP、Conducted Power+Antenna gain等)を決定することを意味する。このとき、基地局装置20が多数存在し、それぞれが許容可能干渉閾値を越えないようにすると、通信システム1(プライマリシステム)において受信される干渉電力が許容可能干渉閾値を越えてしまう恐れがある。そこで、通信制御装置40に登録されている基地局装置20の数に基づき、干渉マージン(許容可能干渉量)を「配分」する。
例えば、図14の例では、基地局装置20の総数は5である。そのため、個々には、Iaccept/5の許容干渉量が配分される。基地局装置20は自身でこの配分量を認識することはできないので、通信制御装置40を通じて認識する、またはこの配分量に基づいて決定された送信電力を取得する。通信制御装置40は、他の通信制御装置40が管理する無線装置の数を認識できないので、相互に情報をやりとりすることによって、総数を認識することができ、許容干渉量を配分することができるようになる。例えば、通信制御装置40内では3Iaccept/5の許容干渉量が割り当てられる。
なお、この手法では、基地局装置20が使用しなかった干渉マージンは剰余干渉マージンとなり得る。図15は、剰余干渉マージンが発生した様子を示す図である。図15には、2つの通信制御装置40(通信制御装置40、40)のそれぞれに設定された総干渉量が示されている。また、図15には、2つの通信制御装置40の管理下にある複数の基地局装置20(基地局装置20~20)が通信システム1の所定の保護点に与える干渉量(与干渉量)が示されている。2つの通信制御装置40それぞれの総干渉量から基地局装置20による干渉量を引いた干渉量が、剰余干渉マージンである。以下の説明では、余った干渉量のことを剰余干渉マージンという。剰余干渉マージンは剰余干渉量と言い換えることが可能である。
<4-2.干渉マージン逐次配分型>
次に、干渉マージン逐次配分型のプライマリシステム保護方法について説明する。上述したように、干渉マージン逐次配分型では、通信制御装置40は、「セカンダリシステムの所望送信電力」を基準値としてセカンダリシステムの最大許容送信電力を算出する。図16は、干渉マージン逐次配分型のプライマリシステム保護方法を説明するための説明図である。干渉マージン逐次配分型では、例えば、複数の基地局装置20それぞれが、所望送信電力情報を記憶部22に記憶している。所望送信電力情報は、基地局装置20が、電波の送信に必要な送信電力の情報として、通信制御装置40に要求する送信電力の情報である。図16の例では、基地局装置201~204が、それぞれ、所望送信電力情報A~Dを保持している。通信制御装置40は、所望送信電力情報A~Dに基づいて、基地局装置201~204にそれぞれ干渉量A~Dを割り当てる。
<<5.諸手続きの説明>>
次に、通信システム2のエンティティ間で発生しうる諸手続きについて説明する。なお、以下の説明で登場する、基地局装置20の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
<5-1.登録手続き(Registration Procedure)>
登録手続きとは、基地局装置20等に関するデバイスパラメータを通信制御装置40に登録する手続きのことである。典型的には、基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、上記デバイスパラメータを含む登録リクエストを通信制御装置40へ通知することで登録手続きが開始される。登録リクエストは1又は複数の基地局装置20を代理(代表)する通信システム(例えば、プロキシ装置50等のプロキシシステム)が送信してもよい。
以下の説明では、複数の基地局装置20を代理(代表)する通信システムはプロキシ装置50であるものとするが、以下の説明で登場するプロキシ装置50のワードは、プロキシシステム等、他の通信装置を代理(代表)する通信システムを示すワードに置き換え可能である。
(所要パラメータの詳細)
デバイスパラメータとは、例えば、以下に示す情報のことを指す。
通信装置固有の情報
位置情報
アンテナ情報
無線インターフェイス情報
法的情報
設置者情報
実施の際には、これら以外の情報がデバイスパラメータとして扱われてもよい。
通信装置固有の情報とは、基地局装置20を特定可能な情報、基地局装置20のハードウェアに関する情報などである。例えば、シリアル番号、製品型番などが含まれうる。
基地局装置20を特定可能な情報は、通信装置利用者情報、通信装置製造番号などを指す。例えば、通信装置利用者情報としては利用者ID、コールサインなどが想定されうる。利用者IDは通信装置利用者が独自に生成してもよいし、通信制御装置40が事前に発行したものであってもよい。
基地局装置20のハードウェアに関する情報は、例えば、送信電力クラス情報、製造者情報などが含まれうる。送信電力クラス情報は、例えば、FCC C.F.R Part 96においては、Category A、Category Bという2種類のクラスが規定されており、いずれかの情報が含まれうる。また、3GPP TS 36.104やTS 38.104において、eNodeB、gNodeBのクラスがいくつか規定されており、これらも用いられうる。
基地局装置20のソフトウェアに関する情報は、例えば、通信制御装置40とのインタラクションに必要な処理が記述された実行プログラムに関するバージョン情報やビルド番号などが含まれうる。また、基地局装置20として動作するためのソフトウェアのバージョン情報やビルド番号なども含まれてもよい。
位置に係る情報とは、典型的には、基地局装置20の地理位置を特定可能な情報である。例えば、GPS(Global Positioning System)、Beidou、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、GalileoやA-GPS(Assisted Global Positioning System)に代表される位置測位機能によって取得される座標情報である。典型的には、緯度、経度、高度、測位誤差に係る情報が含まれうる。または、例えば、NRA(National Regulatory Authority)またはその委託機関によって管理される情報管理装置に登録される位置情報であってよい。または、例えば、特定の地理位置を原点とするX軸、Y軸、Z軸の座標であってもよい。また、このような座標情報と一緒に屋外/屋内を示す識別子が付与されうる。
また、位置に係る情報とは、基地局装置20が位置する領域を示す情報であってもよい。例えば、郵便番号、住所など、行政によって定められた情報が用いられてもよい。また、例えば、3以上の地理座標の集合によって領域が示されてもよい。これらの領域を示す情報は、上記座標情報と一緒に提供されてもよい。
また、位置に係る情報には、基地局装置20が屋内に位置する場合に、建物のフロアを示す情報が付与されてもよい。例えば、階数、地上/地下を示す識別子などが付与されてもよい。また、例えば、建物内の部屋番号、部屋名のように、屋内のさらなる閉空間を示す情報が付与されてもよい。
上記位置測位機能は、典型的には、基地局装置20によって具備されることが望ましい。しかしながら、位置測位機能の性能や、設置位置によっては、必ずしも要求される精度を満たす位置情報が取得できるとは限らない。そのため、位置測位機能は、設置者によって用いられてもよい。そのような場合、設置者によって測定された位置情報が基地局装置20に書き込まれることが望ましい。
アンテナ情報とは、典型的には、基地局装置20が具備するアンテナの性能や構成等を示す情報である。典型的には、例えば、アンテナ設置高、チルト角(Down tilt)、水平方向の向き(Azimuth)、照準(Boresight)、アンテナピークゲイン、アンテナモデルといった情報が含まれうる。
また、アンテナ情報には、形成可能なビームに関する情報も含まれうる。例えば、ビーム幅、ビームパターン、アナログ/デジタルビームフォーミングのケイパビリティといった情報が含まれうる。
また、アンテナ情報には、MIMO(Multiple Input Multiple Output)通信の性能や構成に関する情報も含まれうる。例えば、アンテナエレメント数、最大空間ストリーム数、といった情報が含まれうる。また、用いるコードブック(Codebook)情報や、ウェイト行列情報(SVD(Singular Value Decomposition)、EVD (Eigen Value Decomposition)、BD(Block Diagonalization)などによって得られるユニタリ行列、ZF(Zero-Forcing)行列、MMSE(Minimum Mean Square Error)行列)なども含まれうる。また、非線形演算を要するMLD(Maximum Likelihood Detection)等を具備する場合、それを示す情報が含まれてもよい。
上記アンテナ情報には、ZoD(Zenith of Direction, Departure)が含まれてもよい。当該ZoDは、電波到来角度の一種である。上記ZoDは、基地局装置20のアンテナから放射される電波から他の基地局装置20により推定されてもよい。この場合に、基地局装置20は、基地局若しくはアクセスポイントとして動作する端末装置、D2D通信を行う装置、又はムービングリレー基地局などであってもよい。ZoDは、MUSIC(Multiple Signal Classification)又はESPRIT(Estimation of Signal Propagation via Rotation Invariance Techniques)などの電波到来方向推定技術により推定され得る。メジャメント情報として通信制御装置40によって用いられうる。
無線インターフェイス情報とは、典型的には、基地局装置20が具備する無線インターフェイス技術を示す情報のことである。例えば、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMTS、E-UTRA、5GNR(5G New Radio)またはさらなる次世代のセルラーシステムで用いられる技術や、MulteFire、LTE-U(LTE-Unlicensed)といったLTE準拠の派生技術、WiMAX、WiMAX2+といったMAN(Metropolitan Area Network)、IEEE 802.11系の無線LANといった標準技術を示す識別子情報が含まれる。また、これらを定める技術仕様書のバージョン番号またはリリース番号も付与されうる。必ずしも標準技術である必要はなく、プロプライエタリな無線技術を示す情報が含まれてもよい。
また、無線インターフェイス情報には、基地局装置20がサポートする周波数帯域情報も含まれうる。例えば、上限周波数および下限周波数の組み合わせの1以上、中心周波数および帯域幅の組み合わせの1以上または、1以上の3GPP Operating Band番号などによって表現されうる。
基地局装置20がサポートする周波数帯域情報として、さらに、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)やチャネルボンディング(Channel Bonding)のケイパビリティ情報も含まれうる。例えば、組み合わせ可能な帯域情報などが含まれうる。また、キャリアアグリゲーションについては、プライマリコンポーネントキャリア(PCC:Primary Component Carrier)やセカンダリコンポーネントキャリア(SCC:Secondary Component Carrier)として利用したい帯域に関する情報も含まれうる。また、同時にアグリゲート可能なCC数も含まれうる。
基地局装置20がサポートする周波数帯域情報として、また、PAL、GAAのような電波利用優先度を示す情報が含まれてもよい。
また、無線インターフェイス情報には、基地局装置20がサポートする変調方式情報も含まれうる。例えば、代表的な一例として、FSK(Frequency Shift Keying)、n値PSK(Phase Shift Keying)(nは2、4、8等)やn値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)(nは4、16、64、256等)といった一次変調方式を示す情報や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)やDFT-s-OFDM(DFT spread OFDM)、FBMC(Filter Bank Multi Carrier)といった二次変調方式を示す情報が含まれうる。
また、無線インターフェイス情報には、誤り訂正符号に関する情報も含まれうる。例えば、Turbo符号、LDPC(Low Density Parity Check)符号、Polar符号などのケイパビリティや適用する符号化率情報が含まれうる。
変調方式情報や誤り訂正符号に関する情報は、別の態様として、MCS(Modulation and Coding Scheme)インデックスでも表現されうる。
また、無線インターフェイス情報には、基地局装置20がサポートする各無線技術特有の機能を示す情報も含まれうる。例えば、代表的な一例として、LTEで規定されているTM(Transmission Mode)情報が挙げられる。この他にも、特定の機能に関して2以上のモードを有するものについては、上記TMのように無線インターフェイス情報に含まれうる。また、技術仕様において、2以上のモードが存在しなくても仕様上必須でない機能を基地局装置20がサポートする場合には、これを示す情報も含まれうる。
また、無線インターフェイス情報には、基地局装置20がサポートする無線アクセス方式(RAT:Radio Access Technology)情報も含まれうる。例えば、TDMA(Time Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)といった直交多元接続方式(OMA:Orthogonal Multiple Access)、PDMA(Power Division Multiple Access、Superposition Coding(SPC)とSuccessive Interference Canceller(SIC)との組み合わせによって実現される手法が代表例)、CDMA(Code Division Multiple Access)、SCMA(Sparse Code Multiple Access)、IDMA(Interleaver Division Multiple Access)、SDMA(Spatial Division Multiple Access)といった非直交多元接続方式(NOMA:Non Orthogonal Multiple Access)、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)やCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)といった日和見的接続方式(Opportunistic Access)などを示す情報が含まれうる。
また、無線インターフェイス情報には、基地局装置20がサポートするデュプレクスモードに係る情報も含まれうる。代表的な一例として、例えば、FDD(Frequency Division Duplex)、TDD(Time Division Duplex)、FD(Full Duplex)が含まれうる。無線インターフェイス情報として、TDDが含まれる場合、基地局装置20が使用する/サポートするTDD Frame Configuration情報が付与されうる。また、上記周波数帯域情報で示される周波数帯域ごとにデュプレクスモードに係る情報が含まれてもよい。
また、無線インターフェイス情報には、基地局装置20がサポートする送信ダイバーシチ手法に関する情報も含まれうる。例えば、時空間符号化(STC:Space Time Coding)などが含まれてもよい。
また、無線インターフェイス情報には、ガードバンド情報も含まれうる。例えば、規格上定められるガードバンドサイズに関する情報が含まれうる。または、例えば、基地局装置20が所望するガードバンドサイズに関する情報が含まれてもよい。
法的情報とは、典型的には、各国・地域の電波行政機関またはそれに準ずる機関によって定められる、基地局装置20が順守しなければならない規制に関する情報や、基地局装置20が取得している認証情報などのことである。上記規制に関する情報として、典型的には、例えば、帯域外輻射の上限値情報、受信機のブロッキング特性に関する情報などが含まれうる。上記認証情報として、典型的には、例えば、型式認証(Type Approval)情報(FCC ID、技術基準適合証明など)、認証取得の基準となる法規制情報(例えばFCC規則番号、ETSI Harmonized Standard番号等)などが含まれうる。
法的情報のうち、数値に関するものについては、無線インターフェイス技術の規格書において定められているものを代用してもよい。例えば、帯域外輻射の上限値情報の代わりに、隣接チャネル漏洩比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)を用いて、帯域外輻射の上限値を導出し利用してもよい。また、必要に応じて、ACLRそのものを用いてもよい。また、隣接チャネル選択性(ACS:Adjacent Channel Selectivity)をブロッキング特性の代わりに用いてもよい。また、これらは併用してもよいし、隣接チャネル干渉比(ACIR:Adjacent Channel Interference Ratio)を用いてもよい。
設置者情報とは、基地局装置20の設置を行った者(設置者)を特定することが可能な情報、設置者に紐づく固有の情報などが含まれうる。例えば、非特許文献2においては、設置者を特定することが可能な情報として、CPIR-ID(Certified Professional Installer Registration ID)、CPI名が開示されている。また、設置者に紐づく固有の情報として、例えば、連絡用住所(Mailing/Contact address)、Eメールアドレス、電話番号、PKI(Public Key Identifier)などが開示されている。これらに限らず、必要に応じて設置者に関するその他の情報が含まれてもよい。
[所要パラメータの補足]
登録手続きにおいて、実施形態によっては、基地局装置20のみならず端末装置30に関するデバイスパラメータを通信制御装置40に登録することも要求されることが想定される。そのような場合、上記(所要パラメータの詳細)で述べた説明中の「通信装置」という用語を「端末装置」またはそれに準ずる用語で置き換えて適用してもよい。また、上記(所要パラメータの詳細)では述べられていない「端末装置」特有のパラメータも登録手続きにおける所要パラメータとして扱われてよい。例えば、3GPPで規定されるUE(User Equipment)Categoryなどが挙げられる。
[登録処理の詳細]
図17は、登録手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムは、上記デバイスパラメータを用いて登録リクエストメッセージを生成し(ステップS11)、通信制御装置40へ通知する(ステップS12)。メッセージの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。
ここで、デバイスパラメータに設置者情報が含まれる場合、この情報を用いて、登録リクエストに改ざん防止の加工等を施してもよい。また、登録リクエストに含まれる情報の一部又は全部に暗号化処理が施されてもよい。具体的には、例えば、設置者と通信制御装置40との間で事前に設置者特有の公開鍵を共有しておき、設置者は秘密鍵を用いて情報の暗号化を施す、という処理が実施されうる。暗号化の対象としては、例えば、位置情報といった防犯上センシティブな情報が挙げられる。
また、位置情報に関しては、非特許文献2で開示されているように、例えば、設置者が、直接、通信制御装置40に書き込んでもよい。
登録リクエスト受信後、通信制御装置40は、基地局装置20の登録処理を実施し(ステップS13)、処理結果に応じて登録レスポンスを返す(ステップS14)。登録に必要な情報の不足、異常がなければ通信制御装置40は記憶部42に情報を記録し、正常完了を通知する。そうでなければ、通信制御装置40は登録失敗を通知する。登録が正常完了する場合、通信制御装置40は、通信装置個別にIDを割り振り、そのID情報を応答時に同封して通知してもよい。登録失敗となる場合、典型的には、基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システム、またはこれらの運用者(例えば、移動体通信事業者や個人)や設置者は、登録リクエストの修正等を行い、正常完了するまで登録手続きを試行する。
また、デバイスパラメータのうち通信装置固有の情報のみを、登録リクエストに含んでおき、その他の情報は、セカンダリシステムの無線局情報が格納された無線局諸元データベースから取得しても良い。無線局諸元データベースは、電波行政機関、セカンダリシステム運用者、その他の第3者機関によって管理・運用される可能性がある。
なお、登録手続きは、複数回実行されることがある。具体的には、例えば、移動・精度改善などにより、位置情報が所定の基準を超えて変更される場合に登録手続きが再実行されうる。所定の基準は、典型的には、法制度によって定められる。例えば、47 C.F.R Part 15において、Mode II personal/portable white space deviceは、100メートル以上位置情報が変わる場合には、再度データベースにアクセスすることが義務付けられている。
<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き(Available Spectrum Query Procedure)>
利用可能周波数情報問い合わせ手続きとは、基地局装置20またはプロキシ装置50等が、通信制御装置40に対して、利用可能な周波数に関する情報を問い合わせる手続きのことである。典型的には、基地局装置20またはプロキシ装置50等が、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)を特定可能な情報を含む問い合わせリクエストを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。
(1)例1
ここで、利用可能周波数情報とは、典型的には、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)の位置においてプライマリシステムに対して致命的な干渉を与えず、安全に2次利用が可能な周波数を示す情報のことである。例えば、F1という周波数チャネルを利用するプライマリシステム保護のために、排除ゾーン(Exclusion Zone)などの2次利用禁止エリアに基地局装置20が設置されている場合、その基地局装置20に対しては、F1という周波数チャネルは利用可能チャネルとして通知されない。
また、利用可能周波数情報には、上述の無線局諸元データベースや無線局利用予定データベースから取得したプライマリ無線局の利用予定情報(利用計画)に基づいて算出した、周波数チャネルが利用可能となる時刻を含むことができる。
(2)例2
また、例えば、2次利用禁止エリア外であっても、プライマリシステムに対して致命的な干渉を与えると判断される場合には、当該周波数チャネルは利用可能チャネルとして通知されない場合がある。
(3)例3
また、利用可能周波数情報は、例2のプライマリシステム保護要件以外の条件によっても利用可能として通知されない周波数チャネルが存在しうる。具体的には、例えば、基地局装置20間で発生しうる干渉を事前に回避するために、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)の近傍に存在する他の基地局装置20が利用中の周波数チャネルを、利用可能チャネルとして通知しない場合もある。
(4)例4
これらの場合(例2、例3)に該当する場合であっても、プライマリシステムや近傍の基地局装置20と同じ周波数を利用可能チャネルとして通知することは可能である。そのような場合には、典型的には、最大許容送信電力情報が利用可能周波数情報に含まれる。最大許容送信電力は、典型的には、等価等方輻射電力(EIRP:Equivalent Isotropic Radiated Power)で表現される。必ずしもこれに限られる必要はなく、例えば、空中線電力(Conducted Power)とアンテナゲインの組み合わせで提供されてもよい。給電線損失(Feeder Loss)も含まれてもよい。さらに、アンテナゲインは、空間的な方向ごとに許容ピークゲインが設定されてもよい。
[所要パラメータの詳細]
基地局装置20を特定可能な情報とは、例えば、上記登録手続き時に登録した通信装置固有の情報や上述の(登録処理の詳細)で説明したID情報などが想定されうる。
また、問い合わせリクエストには、問い合わせ要件情報も含まれうる。問い合わせ要件情報とは、例えば、利用可能か否かを知りたい周波数帯域を示す情報が含まれうる。また、例えば、送信電力情報も含まれうる。基地局装置20またはプロキシ装置50は、例えば、所望の送信電力を用いることができそうな周波数情報のみを知りたい場合に送信電力情報を含めうる。また、例えば、該当の周波数帯域が利用可能か否かを知りたい時間に関する情報が含まれうる。問い合わせ要件情報は必ずしも含まれる必要はない。
また、問い合わせリクエストには、メジャメントレポートも含まれうる。メジャメントレポートは、基地局装置20および/または端末装置30が実施するメジャメントの結果が含まれる。例えば、生データのみならず、加工された情報も含まれうる。例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Reference Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)に代表される標準化されたメトリックが用いられうる。
[利用可能周波数評価処理の詳細]
図18は、利用可能周波数情報問い合わせ手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20またはプロキシ装置50が、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)を特定可能な情報を含む問い合わせリクエストを生成し(ステップS21)、通信制御装置40へ通知する(ステップS22)。
問い合わせリクエスト受信後、通信制御装置40は、問い合わせ要件情報に基づいて、利用可能周波数の評価を行う(ステップS23)。例えば、上述の例1~例3で説明したようにプライマリシステムやその2次利用の禁止エリア303、近傍の基地局装置20の存在を考慮して利用可能周波数の評価を行うことが可能である。
上述の例4で説明したように、通信制御装置40は、最大許容送信電力情報を導出してもよい。典型的には、プライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力情報、プライマリシステムが被る干渉電力レベルの算定基準位置(Reference Point)情報、基地局装置20の登録情報、伝搬損失推定モデルを用いて算出される。具体的には、一例として、以下の数式によって算出される。
MaxTx(dBm)=ITh(dBm)+PL(d)(dB) …(1)
ここで、PMaxTx(dBm)は最大許容送信電力、ITh(dBm)は許容可能干渉電力、dは基準位置(Reference Point)と基地局装置20との間の距離、PL(d)(dB)は距離dにおける伝搬損失である。本数式においては送受信機におけるアンテナゲインを明示的に示していないが、最大許容送信電力の表現方法(EIRP、Conducted power等)や受信電力の参照点(アンテナ入力点、アンテナ出力点、等)に応じて含めてよい。また、フェージングによる変動を補償するためのセーフティマージン等も含まれてよい。また、フィーダロス等、必要に応じて考慮されてよい。
また、上記数式は、単体の基地局装置20が干渉源である仮定に基づいて記述されている。例えば、同時に複数の基地局装置20からの累積的な干渉(Aggregated Interference)を考慮しなければならない場合には、補正値を加味してもよい。具体的には、例えば、非特許文献3で開示されている3種類(Fixed/Predetermined、Flexible、Flexible Minimized)の干渉マージン方式に基づいて補正値が決定されうる。
なお、上記数式は、対数を用いて表現されているが、実施の際には、当然のことながら真数に変換して用いてもよい。また、本実施形態に記載される全ての対数表記のパラメータは、適宜進数に変換して用いてもよい。
(1)手法1
また、上述の(所要パラメータの詳細)の項で説明したように、送信電力情報が問い合わせ要件情報に含まれる場合には、上述の方法とは別の方法で利用可能周波数の評価を行うことが可能である。具体的には、例えば、送信電力情報で示される所望の送信電力を用いたと仮定した場合に、推定される与干渉量がプライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力を下回る場合には、当該周波数チャネルが利用可能であると判断され、基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知される。
(2)手法2
上記他システム関連情報に基づいて、上記帯域使用条件が算出される例を説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、REM(Radio Environment Map)のエリアと同様に、基地局装置20が共用帯域を使用可能なエリア/空間が予め定められている場合には、上記位置関連情報及び上記高さ関連情報のみに基づいて、利用可能周波数情報が導出されてもよい。また、例えば、位置及び高さと利用可能周波数情報とを関連付けるルックアップテーブルが用意されている場合にも、上記位置関連情報及び上記高さ関連情報のみに基づいて、上記利用可能周波数情報が導出されてもよい。
利用可能周波数の評価は、必ずしも問い合わせリクエスト受信後に実施する必要はない。例えば、前述の登録手続きの正常完了後に、問い合わせリクエストなしに、通信制御装置40が主体的に実施してもよい。そのような場合、通信制御装置40は、手法2で例示したREMやルックアップテーブルまたはそれらと相似の情報テーブルを作成してもよい。
いずれの手法においても、PALやGAAのような電波利用優先度についても評価を行ってもよい。例えば、登録済デバイスパラメータまたは問い合わせ要件に電波利用優先度に関する情報が含まれる場合、当該優先度に基づいて周波数利用が可能かどうかを判定し、通知してもよい。また、例えば、非特許文献2で開示されているように、事前にユーザから高優先度利用(例えば、PAL)を行う基地局装置20に関する情報(非特許文献2では、Cluster Listと呼ばれる。)が通信制御装置40に登録されている場合、その情報に基づいて評価を行ってもよい。
利用可能周波数の評価完了後、通信制御装置40は評価結果を基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知する(ステップS24)。基地局装置20は、通信制御装置40から受け取った評価結果を用いて、所望通信パラメータの選定を行ってもよい。
<5-3.周波数利用許可手続き(Spectrum Grant Procedure)>
周波数利用許可手続きとは、基地局装置20等が通信制御装置40から周波数の2次利用許可を受けるための手続きである。典型的には、登録手続きの正常完了後、基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む周波数利用許可リクエストを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。この通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。なお、「登録手続きの正常完了後」というのは、必ずしも、利用可能周波数情報問い合わせ手続きを実施する必要がないことも意味する。
本実施形態においては、少なくとも以下の2種類の周波数利用許可リクエストの方式が用いられうることを想定する。
指定方式
フレキシブル方式
指定方式とは、基地局装置20が所望通信パラメータとして、少なくとも利用したい周波数帯域、最大送信電力を指定して、所望通信パラメータに基づく運用の許可を通信制御装置40に求めるリクエスト方式である。必ずしもこれらのパラメータに限定される必要はなく、無線インターフェイス技術特有のパラメータ(変調方式やデュプレクスモードなど)が指定されてもよい。また、PAL、GAAのような電波利用優先度を示す情報が含まれてもよい。
フレキシブル方式とは、基地局装置20が、通信パラメータに関する要件のみを指定し、当該要件を満たしつつ2次利用許可が可能な通信パラメータの指定を通信制御装置40に求めるリクエスト方式である。通信パラメータに関する要件は、帯域幅または所望最大送信電力または所望最小送信電力が含まれうる。必ずしもこれらのパラメータに限定される必要はなく、無線インターフェイス技術特有のパラメータ(変調方式やデュプレクスモードなど)が指定されてもよい。具体的には、例えば、TDD Frame Configurationのうち、1以上を事前に選択して通知してもよい。
いずれの方式であっても、メジャメントレポートが含まれてもよい。メジャメントレポートは、基地局装置20および/または端末装置30が実施するメジャメントの結果が含まれる。例えば、生データのみならず、加工された情報も含まれうる。例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Reference Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)に代表される標準化されたメトリックが用いられうる。
[周波数利用許可処理の詳細]
図19は、周波数利用許可手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む周波数利用許可リクエストを生成し(ステップS31)、通信制御装置40へ通知する(ステップS32)。リクエストの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。周波数利用許可リクエストは、例えば、通信制御装置40の取得部441が取得する。
通信制御装置40は周波数利用許可リクエストの取得後、周波数利用許可リクエスト方式に基づいて、周波数利用許可処理を行う(ステップS33)。例えば、通信制御装置40は、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の例1~例3で説明した手法を利用して、プライマリシステムやその2次利用の禁止エリア303、近傍の基地局装置20の存在を考慮して周波数利用許可処理を行うことが可能である。
フレキシブル方式が用いられる場合、通信制御装置40は、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の例4で説明した手法を利用して、最大許容送信電力情報を導出してもよい。典型的には、通信制御装置40は、プライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力情報、プライマリシステムが被る干渉電力レベルの算定基準位置(Reference Point)情報、基地局装置20の登録情報、伝搬損失推定モデルを用いて最大許容送信電力を算出する。例えば、通信制御装置40は、以下の式(2)によって最大許容送信電力を算出する。
MaxTx(dBm)=ITh(dBm)+PL(d)(dB) …(2)
ここで、PMaxTx(dBm)は最大許容送信電力、ITh(dBm)は許容可能干渉電力、dは基準位置(Reference Point)と基地局装置20との間の距離、PL(d)(dB)は距離dにおける伝搬損失である。本数式においては送受信機におけるアンテナゲインを明示的に示していないが、最大許容送信電力の表現方法(EIRP、Conducted power等)や受信電力の参照点(アンテナ入力点、アンテナ出力点、等)に応じて数式を変形して用いてもよい。また、フェージングによる変動を補償するためのセーフティマージン等も含まれてよい。また、フィーダロス等、必要に応じて考慮されてよい。
また、上記数式は、単体の基地局装置20が干渉源である仮定に基づいて記述されている。例えば、同時に複数の基地局装置20からの累積的な干渉(Aggregated Interference)を考慮しなければならない場合には、補正値を加味してもよい。具体的には、例えば、非特許文献3で開示されている3種類(Fixed/Predetermined、Flexible、Flexible Minimized)の方式に基づいて補正値が決定されうる。
伝搬損失推定モデルは、さまざまなモデルが用いられうる。用途ごとにモデルが指定される場合、指定されるモデルを用いることが望ましい。例えば、非特許文献6においては、その用途ごとに、eHATA(Extended Hata)やITM(Irregular Terrain Model)といった伝搬損失モデルが採用されている。当然ながら、本発明の実施の際には、伝搬損失モデルはこれらに限定する必要はない。
所定の用途において、モデルが指定されていない場合、必要に応じて使い分けてもよい。具体的な一例として、例えば、他の基地局装置20への与干渉電力を推定する際には自由空間損失モデルのようにアグレッシブなモデルを用いて、基地局装置20のカバレッジを推定する際にはコンサバティブなモデルを用いるといった使い分けが可能である。
また、指定方式が用いられる場合、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の手法1で説明した手法を用いて周波数利用許可処理を行うことが可能である。具体的には、例えば、送信電力情報で示される所望の送信電力を用いたと仮定した場合に、推定される与干渉量がプライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力を下回る場合には、当該周波数チャネルの利用が許可可能であると判断され、基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知される。
いずれの手法においても、PALやGAAのような電波利用優先度についても評価を行ってもよい。例えば、登録済デバイスパラメータまたは問い合わせ要件に電波利用優先度に関する情報が含まれる場合、当該優先度に基づいて周波数利用が可能かどうかを判定し、通知してもよい。また、例えば、非特許文献2で開示されているように、事前にユーザから高優先度利用(例えば、PAL)を行う基地局装置20に関する情報(非特許文献2では、Cluser Listと呼ばれる。)が通信制御装置40に登録されている場合、その情報に基づいて評価を行ってもよい。
周波数利用許可処理は、必ずしもリクエスト受信時に実施する必要はない。例えば、前述の登録手続きの正常完了後に、周波数利用許可リクエストなしに、通信制御装置40が主体的に実施してもよい。また、例えば、一定周期毎に周波数利用許可判定処理を実施してもよい。そのような場合、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の手法2で例示したREMやルックアップテーブルそれらと相似の情報テーブルを作成してもよい。
周波数利用許可処理の完了後、通信制御装置40は判定結果を基地局装置20へ通知する(ステップS34)。
<5-4.周波数利用通知(Spectrum Use Notification/Heartbeat)>
周波数利用通知とは、基地局装置20またはプロキシ装置50等が、通信制御装置40に対して、上記周波数利用許可手続きで利用が認められた通信パラメータに基づく周波数利用の通知を行う手続きのことである。典型的には、基地局装置20またはプロキシ装置50が、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む通知メッセージを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。
この手続きに関しては、周波数の利用が通信制御装置40から拒絶されるまでは周期的に実施されることが望ましい。この手続きが正常完了すれば、基地局装置20は、電波送信を開始または継続してもよい。例えば、グラント(Grant)の状態がGrantedだったのであれば、この手続きの成功によりグラントの状態はAuthorizedに移行する。また、グラントの状態がAuthorizedだったのであれば、この手続きの失敗によりグラントの状態はGranted或いはIdoleに移行する。
ここで、グラントとは、通信制御装置40(例えば、SAS)が基地局装置20(例えば、CBSD)等に与える電波送信の認可のことである。グラントは、電波資源(周波数リソース)の利用許可と言い換えることも可能である。このグラントについては、例えば、非特許文献2に記載されている。非特許文献2では、米国の3550-3700MHzの周波数共用のためのデータベース(SAS)-基地局(CBSD)間のシグナリングプロトコルが規格化されている。この規格では、SASがCBSDに与える電波送信の認可のことを“グラント(Grant)”と呼んでいる。グラントで認められる動作パラメータは、最大許容EIRP(Equivalent Isotropic Radiated Power)と周波数チャネルの2つで定義される。すなわち、複数の周波数チャネルを用いて電波送信を行うためには、CBSDはSASから複数のグラントを獲得する必要がある。
グラントには、電波送信の許可状態を示すステート(State)が定義されている。図20は、電波送信の許可状態を示す状態遷移図である。図20において、Granted状態は、グラントを保有するものの電波送信をしてはいけない状態、Authorized状態はグラントで定義される動作パラメータ値に基づいて電波送信が許可されている状態を示す。この2つの状態は、同規格で規定されるハートビート手続き(Heartbeat Procedure)の結果によって遷移する。
以下の説明では、周波数利用通知のことをハートビートリクエスト(Heartbeat Request)、或いは単にハートビート(Heartbeat)ということがある。また、ハートビートリクエストの送信間隔のことをハートビートインターバル(Heartbeat Interval)ということがある。なお、以下の説明で登場するハートビートリクエスト(Heartbeat Request)或いはハートビート(Heartbeat)の記載は、「電波送信を開始または継続するためのリクエスト」を示す他の記載に適宜置き換え可能である。同様に、ハートビートインターバルも周波数利用通知の送信間隔を示す他の記載(例えば、送信インターバル)に置き換え可能である。
図21は、周波数利用通知手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む通知メッセージを生成し(ステップS41)、通信制御装置40へ通知する(ステップS42)。メッセージの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。
周波数利用通知受信後、通信制御装置40は、電波送信の開始/継続が許容されるか判定してもよい(ステップS43)。判定方法として、例えば、プライマリシステムの周波数利用情報の確認が挙げられる。具体的には、プライマリシステムの利用周波数の変更、電波利用が定常的でないプライマリシステム(例えば、艦載レーダ)の周波数利用状況の変更、などに基づいて、電波送信の開始/継続許可または拒否を決定することが可能である。
判定処理が完了したら、通信制御装置40は、判定結果を基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知する(ステップS44)。
本手続きにおいて、通信制御装置40から基地局装置20(又はプロキシ装置50)等に対して通信パラメータの再構成(Reconfiguration)命令が行われてもよい。典型的には、周波数利用通知のレスポンスにおいて実施されうる。例えば、推奨される通信パラメータ情報が提供されうる。
<5-5.諸手続きの補足>
ここで、諸手続きは以降で説明する通りに、個別に実装される必要は必ずしもない。例えば、2つの異なる手続きの役割を備えた第3の手続きを代用することによって上記2つの異なる手続きを実現してもよい。具体的には、例えば、登録リクエストと利用可能周波数情報問い合わせリクエストが一体的に通知されてもよい。また、例えば、周波数利用許可手続きと周波数利用通知が一体的に実施されてもよい。当然のことながら、これらの組み合わせに限定されず、3つ以上であってもよい。また、上記手続きが分離されて実施されてもよい。
また、本実施形態が既存システムとの周波数共用を目的として適用される場合、諸手続き又は同等の手続きは、本実施形態の技術が実施される国・地域における当該周波数帯域に係る電波法に基づいて適切なものが選定、利用されることが望ましい。例えば、特定の国・地域において特定の周波数帯の利用にあたって通信装置の登録が義務付けられる場合には、上記登録手続きが実施されることが望ましい。
また、本実施形態における「情報を取得する」という表現またはそれに準ずる表現は、必ずしも、上記手続き通りに取得することを意味しているわけではない。例えば、利用可能周波数評価処理において基地局装置20の位置情報を用いることが記載されているが、必ずしも登録手続きで取得される情報を用いる必要はなく、利用可能周波数問い合わせ手続きリクエストに位置情報が含まれる場合、その位置情報を用いてもよい、ということを意味する。換言すれば、本実施形態に記載の範囲内、技術的な実現性の範囲内で、記載されているパラメータを他の手続きに含めてよいということを意味する。
また、上記手続きで示した通信制御装置40から基地局装置20(又はプロキシ装置50)等へのレスポンスに含まれうる情報は、プッシュ通知されてもよい。具体的な一例として、利用可能周波数情報や推奨通信パラメータ情報、電波送信継続拒否通知などはプッシュ通知されてもよい。
<5-6.端末装置に関する諸手続き>
端末装置30についても、基本的には、<5-1>から<5-4>で説明した各手続きを用いることが可能である。ただし、基地局装置20と異なり、端末装置30はモビリティを有する。すなわち、動的に位置情報が更新される。法制によっては、一定以上位置情報が変わる場合、通信制御装置40への再登録が義務付けられる場合もある。そこで、英国情報通信庁(Ofcom:Office of Communication)が定める運用形態(非特許文献4参照)においては、以下に示す2種類の通信パラメータが規定されている。
個別パラメータ(Specific Operational Parameters)
一般パラメータ(Generic Operational Parameters)
個別パラメータ(Specific Operational Parameters)とは、当該非特許文献において、「特定のスレーブWSD(White Space Device)に特有の動作パラメータ」として定義されている。換言すれば、端末装置30に相当するスレーブWSDのデバイスパラメータを用いて計算される通信パラメータのことである。特徴として、スレーブWSDの位置情報を用いてWSDB(White Space Database)によって計算されるということが挙げられる。
このような特徴から、個別パラメータは、低モビリティまたは固定設置される端末装置30に適していると想定される。
一般パラメータ(Generic Operational Parameters)とは、当該非特許文献において、「所定のマスタWSD(基地局装置20に相当)のカバレッジエリア内に位置するどのスレーブWSDも使用可能な動作パラメータ」として定義されている。特徴としては、スレーブWSDの位置情報を用いずにWSDBによって計算されるということが挙げられる。
このような特徴から、一般パラメータは、高モビリティの端末装置30に適していると想定される。
これら、端末装置30向けの情報は、基地局装置20からユニキャスト/ブロードキャストによって提供されうる。例えば、FCC規則Part 15 Subpart Hで規定されるCVS(Contact Verification Signal)に代表されるブロードキャスト信号が用いられうる。または、無線インターフェイス特有のブロードキャスト信号によって提供されてもよい。具体的には、例えば、LTEや5GNRで用いられるPBCH(Physical Broadcast Channel)、NR-PBCHなどによって提供されてよい。
<5-7.通信制御装置間で発生する手続き>
[情報交換]
通信制御装置40は、他の通信制御装置40と管理情報の交換を行うことができる。図22は、管理情報の交換手続きを説明するためのシーケンス図である。図22の例では、通信制御装置40と通信制御装置40が管理情報を交換している(ステップS51)。勿論、情報交換を行う通信制御装置は、通信制御装置40と通信制御装置40の2つに限られない。
管理情報の交換手続きでは、少なくとも、以下の情報が交換されることが望ましい。
通信装置登録情報
通信装置通信パラメータ情報
エリア情報
通信装置登録情報とは、典型的には、上記登録手続きにおいて通信制御装置40に登録される基地局装置20のデバイスパラメータのことである。必ずしも、登録されている全ての情報が交換される必要はない。例えば、個人情報に該当する恐れのある情報は交換される必要はない。また、通信装置登録情報を交換する際に、暗号化・曖昧化された情報が交換されてもよい。例えば、バイナリ値に変換された情報や、電子署名の仕組みを用いて署名された情報が交換されてもよい。
通信装置通信パラメータ情報とは、典型的には、基地局装置20が現在使用している通信パラメータに係る情報のことである。少なくとも、利用周波数、送信電力を示す情報が含まれることが望ましい。その他の通信パラメータが含まれてもよい。
エリア情報とは、典型的には、所定の地理領域を示す情報のことである。この情報には、様々な属性の領域情報が、様々な態様で含まれうる。
例えば、非特許文献5で開示されているPPA(PAL Protection Area)のように高優先度セカンダリシステムとなる基地局装置20の保護領域情報が含まれてもよい。この場合のエリア情報は、例えば、3以上の地理位置座標の集合で表現されうる。また、例えば、複数の通信制御装置40が共通の外部データベースを参照可能な場合、当該情報を示すIDで表現されうる。
また、例えば、基地局装置20のカバレッジを示す情報が含まれてもよい。この場合のエリア情報も、例えば、3以上の地理位置座標の集合で表現されうる。また、例えば、基地局装置20の地理位置を原点とする円を想定し、半径サイズを示す情報でも表現されうる。また、例えば、複数の通信制御装置40が共通の外部データベースを参照可能な場合、当該情報を示すIDで表現されうる。
また、別の態様として、行政などによりあらかじめ定められたエリア区画に係る情報も含まれうる。具体的には、例えば、住所を示すことで一定の領域を示すことが可能である。また、例えば、ライセンスエリアなども同様に表現し得る。
また、さらなる別の態様として、エリア情報は必ずしも平面的なエリアを表現する必要はなく、3次元の空間を表現してもよい。例えば、空間座標系を用いて表現されてもよい。また、例えば、建物の階数、フロアや部屋番号など、所定の閉空間を示す情報が用いられてもよい。
これらの情報は、さまざまな方式により交換されうる。以下にその一例を示す。
ID指定方式
期間指定方式
領域指定方式
ダンプ方式
ID指定方式とは、通信制御装置40が管理する情報を特定するためにあらかじめ付与されているIDを用いて、上記IDに該当する情報を取得する方式である。例えば、ID:AAAという基地局装置20を通信制御装置401が管理していると仮定する。このときに通信制御装置402が、通信制御装置401に対してID:AAAを指定して情報取得リクエストを行う。リクエスト受信後、通信制御装置401はID:AAAの情報検索を行い、該当する基地局装置20の登録情報、通信パラメータ情報をレスポンスで通知する。
期間指定方式とは、特定の期間を指定し、当該期間に所定の条件を満たす情報が交換されうる。
所定の条件とは、例えば、情報の更新の有無が挙げられる。例えば、特定期間における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該期間に新規に登録された基地局装置20の登録情報や通信パラメータに変更があった基地局装置20の登録情報と通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。
所定の条件とは、例えば、通信制御装置40が記録しているかどうかが挙げられる。例えば、特定期間における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該期間に通信制御装置40が記録していた基地局装置20の登録情報、通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。さらには、当該期間における最新情報が通知されうる。または、情報ごとに更新履歴が通知されてもよい。
領域指定方式とは、特定の領域を指定し、当該領域に属する情報が交換される。例えば、特定領域における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該領域に設置されている基地局装置20の登録情報、通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。
ダンプ方式とは、通信制御装置40が記録している全ての情報を提供する方式である。少なくとも、基地局装置20に係る情報やエリア情報はダンプ方式で提供されることが望ましい。
ここまでの通信制御装置40間情報交換についての説明は、全てプル方式に基づくものである。すなわち、リクエストで指定されたパラメータに該当する情報がレスポンスされる形態であり、一例として、HTTP GETメソッドで実現されうる。しかしながら、プル方式に限定される必要はなく、プッシュ方式で能動的に他の通信制御装置40に情報を提供してもよい。プッシュ方式は、一例として、HTTP POSTメソッドで実現されうる。
[命令・依頼手続き]
通信制御装置40は、互いに命令及び/又は依頼を実施してもよい。具体的には、一例として、基地局装置20の通信パラメータの再構成(Reconfiguration)が挙げられる。例えば、通信制御装置40が管理する基地局装置20が、通信制御装置40の管理する基地局装置20から多大な干渉を受けていると判断される場合に、通信制御装置40が通信制御装置40に対して、基地局装置20の通信パラメータ変更依頼をしてもよい。
別の一例として、エリア情報の再構成(Reconfiguration)が挙げられる。例えば、通信制御装置40の管理する基地局装置20に関するカバレッジ情報や保護領域情報の計算に不備が見られる場合、通信制御装置40が通信制御装置40に対して、当該エリア情報の再構成を依頼してもよい。これ以外にも、さまざまな理由からエリア情報の再構成依頼が行われてもよい。
<<6.プライマリシステム保護>>
続いて、本開示の実施形態に係るプライマリシステム保護について説明する。以下では、日本国内において放送事業者が運用しているFPUを例にとって説明するが、本開示の実施形態に係るプライマリシステム保護はFPUに限定されない。
例えば、2.3GHz帯における公共業務用の無線システム、2.6GHz帯における衛星移動通信サービスや広帯域移動無線アクセスシステム、5GHz帯無線アクセスシステム、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、アマチュア無線、5.8GHz帯画像伝送システム、5~7GHz付近のマイクロ波帯を用いるFPU、映像伝送に用いるSTL(Studio to Transmitter Link)/TTL(Transmitter to Transmitter Link)/TSL(Transmitter to Studio Link)、6GHz帯電気通信業務用固定無線システム、移動衛星アップリンク(Cバンド)、26GHz帯FWA(Fixed Wireless Access)、空港面探知レーダー、25GHz帯小電力データ通信システム、衛星アップリンク(Kaバンド)、40GHz帯を用いる画像伝送(公共業務)、40GHz帯を用いる公共業務・一般業務用の無線システム、40GHz帯を用いるFPUもプライマリシステム保護の対象となりうる。
<6-1.想定するプライマリシステムの保護モデル>
FPUの説明では、映像を送信する無線局をFPU送信局、受信する無線局をFPU受信局と呼ぶものとする。なお、現行のFPUでセカンダリシステムから保護する必要があるのはFPU受信局のみであるが、現在導入検討中のFPU高度化方式では、FPU受信局から送信局に対して、制御信号の送信を行う。このため、FPU送信局についてもセカンダリシステムから保護する必要がある。本開示の実施形態では、FPU送信局の保護も含めた説明を行う。
実施形態に係るFPUの利用モデルとして、非特許文献7で開示されている下記の6つの運用モデルを想定する。もちろん、FPUの利用モデルは、この6つに限らない。
モデル1:中継車から受信基地局まで、伝搬距離50Kmまでの伝送(固定中継)
モデル2:中継車から受信基地局まで、伝搬距離10Kmまでの伝送(移動中継)
モデル3:市街地の短距離区間で中継車から受信基地局まで、伝搬距離3Km程度の伝送(移動中継)
モデル4:中継車からヘリコプターに向けて、伝搬距離2Km程度の伝送(移動中継)
モデル5:機材を背負って動きながら、最寄りの中継車まで伝搬距離1Kmまでの伝送(移動中継)
モデル6:バイクから中継車まで、伝搬距離1Kmまでの伝送(移動中継)
上記のモデル全てにおいて、FPU送受信局は利用時に一時的に設置される可能性がある。このため、利用の度にFPU送受信局の位置情報は変動しうる。なお、モデル1~3については、建物や山の上等に常時設置されているFPU受信局も含まれうる。以後、前者を移動局、後者を固定局と呼ぶ。
また、今回想定するFPUの各利用モデルには、予め決められた場所や時間で計画利用される場合と、それ以外の予定外利用の2つの利用形態が存在する。前者は、モデル1~6の情報系番組やスポーツ中継等での利用が該当し、事前に放送事業者が申請した無線局の具体的な利用場所や利用時間を干渉計算に利用できる。一方、後者は、モデル1・5で想定され、利用の直前にならないと具体的な利用場所や利用時間が分からないため、具体的な利用予定をプライマリシステム保護に利用できない。
上述した利用モデルのうち、報道番組等で予定外利用が想定されるのは、主にモデル1・5である。なお、計画利用については、モデル1~6全てで想定される。
以下に示す表1は、利用モデル、利用形態ごとの利用位置情報の例である。また、当然提供される情報は、プライマリシステムやその運用者によって変わるため、以下に示す表1に挙げられるものに限られない。
Figure 0007396318000001
FPUが従来CBRSやTVWS等で想定されてきたプライマリシステムと異なる点の1つは、無線局が移動する事が可能なため、利用モデルごとに利用位置がポイントであったり、エリアであったりすることである。さらに、利用形態が2つ存在しており、予定外利用時に利用位置として示される情報は、あくまで候補エリアでしかないことである。本開示の実施形態では、プライマリシステムから提供される情報を解析し、利用モデルと利用形態によってプライマリシステム保護方法を切り替える。
また、無線局の移動に対応して、通信相手となる無線局のアンテナが可動しうる点も特徴である。例えばモデル2~6の計画利用では、送信局の移動に追従して、受信局のアンテナの回転等が行われる可能性があるため、その回転範囲全体を保護する必要がある。また、モデル1・5の予定外利用では、送信局が候補エリア内で利用されたことを検知すると、その方向に受信局アンテナが向けられる可能性があるため、アンテナの回転範囲のどこを向いても良いように保護する必要がある。
<6-2.プライマリ無線局に関する情報>
プライマリシステム保護を実施するために必要となるプライマリ無線局の詳細諸元や利用予定情報は、無線局諸元データベースや無線局利用予定データベースに入力される情報、またはHTTPリクエスト・レスポンス等により通信制御装置40に入力される情報を利用する。
<6-2-1.プライマリ無線局の詳細諸元>
干渉計算で利用するプライマリ無線局の詳細諸元としては、例えば、以下に示す情報が含まれうる。
・無線局を特定可能な情報
・無線局利用者情報
・無線局ハードウェア情報
・アンテナ情報
・無線インターフェイス情報
・位置情報
・法的情報
個別無線局を特定可能な情報には、シリアル番号や製品型番、製造番号、製造者情報等が含まれうる。
無線局利用者情報としては、プライマリシステムの利用者IDやコールサインなどが想定されうる。利用者IDは無線局利用者が独自生成しても良いし、通信制御装置40が事前に発行しても良い。FPUの場合、無線局利用者は、FPUを運用する放送事業者である。
無線局ハードウェア情報には、プライマリ無線局の設置情報等が含まれうる。FPUの無線局には、ビルや山の上に常設される固定受信局やイベント時のみ設置される固定受信局、中継車に搭載される移動可能な送受信局、人が背負うことのできる可搬型の送信局、バイク等の小型車両に設置される送信局等が想定される。このため、設置情報にこれらを区別可能な情報を含めることが望ましい。例えば、送信局と受信局を区別するための識別子や、移動の可否を示す識別子等が考えられる。
アンテナ情報とは、典型的には、通信装置が具備するアンテナの性能や構成等を示す情報である。典型的には、例えば、アンテナ設置高、チルト角(Down tilt)、水平方向の向き(Azimuth)、仰角(Elevation)、照準(Boresight)、アンテナピークゲイン、アンテナモデルといった情報が含まれうる。
FPUの場合は、利用時にアンテナの設置高、チルト角(Down tilt)、水平方向の向き(Azimuth)、仰角(Elevation)、照準(Boresight)等が変化する可能性があるため、これらの情報は値の範囲として与えられてもよい。
無線インターフェイス情報とは、典型的には、通信装置が具備する無線インターフェイス技術を示す情報のことである。FPUの場合は、無線局のARIB規格への準拠状況も含むことが望ましい。例えば、高度化FPU方式への対応状況、サブフレーム長、変調方式、空間多重方式、占有周波数帯域幅(フルモード、ハーフモード)、誤り訂正符号、空中線電力等である。
位置情報とは、典型的には、プライマリ無線局の地理位置を特定可能な情報である。この座標情報には、緯度、経度、高度、測位誤差に係る情報が含まれうる。または、例えば、特定の地理位置を原点とするX軸、Y軸、Z軸の座標であってもよい。
これらの位置情報は、プライマリ無線局の利用者によってデータベースや通信制御装置40に入力されてもよい。入力される位置情報は、プライマリ無線局の利用者が、位置測位機能によって取得した座標情報であることが望ましい。また、これらの位置情報は、プライマリ無線局自身に搭載された位置測位機能によって取得した情報を、プライマリ無線局から入力しても構わない。
また、利用時のみプライマリ無線局が設置される場合など、位置情報が存在しない場合は、必ずしも詳細諸元に含まれる必要はない。この場合には、プライマリ無線局の利用予定情報に位置情報が含まれることが望ましい。固定無線局の場合には、詳細諸元に位置情報を含みうる。
法的情報とは、典型的には、各国・地域の電波行政機関またはそれに準ずる機関によって定められる、通信装置が順守しなければならない規制に関する情報や、通信装置が取得している認証情報などのことである。前記規制に関する情報として、典型的には、例えば、帯域外輻射の上限値情報、受信機のブロッキング特性に関する情報などが含まれうる。前記認証情報として、典型的には、例えば、型式認証(Type Approval)情報(FCC ID、技術基準適合証明など)、認証取得の基準となる法規制情報(例えばFCC規則番号、ETSI Harmonized Standard番号等)などが含まれうる。
<6-2-2.利用予定情報>
プライマリシステム保護で利用される利用予定情報として、プライマリシステムの利用形態に対して、計画利用の予定情報と予定外利用の事前情報の2種類が想定される。
計画利用の予定情報・予定外利用の事前情報には、以下のような要素が含まれることが望ましい。
・無線局を特定可能な情報
・無線局利用者情報
・通信相手無線局の識別子
・利用予定識別情報
・利用形態情報
・利用時間
・利用位置情報
・利用時アンテナ情報
無線局を特定可能な情報と無線局利用者情報には、無線局詳細諸元と同様の情報が含まれうる。
通信相手の識別子とは、利用予定において、予め通信する相手の無線局が決まっている場合に、その相手の無線局を識別するための情報である。主に、プライマリシステム利用者が、無線局の計画利用予定に従ってデータベースや通信制御装置40に事前に入力しておくものである。個別無線局を特定可能な、シリアル番号や製品型番、製造番号、製造者情報等が含まれうる。
利用予定識別情報としては、利用予定を特定できるID等が想定されうる。このIDは無線局利用者が独自生成しても良いし、通信制御装置40が事前に発行しても良い。
利用形態情報には、利用形態が、計画利用か予定外利用かを区別するための情報が含まれうる。
利用時間とは、プライマリ無線局が計画利用される時刻を特定するための情報であり、計画利用予定情報にのみ含まれうる。主にプライマリシステム利用者が、無線局を計画利用したい時刻をデータベースや通信制御装置に事前に入力しておくものである。典型的には、利用開始時刻と利用終了時刻のペアで構成される。同一利用予定に含まれる時刻のペアは、必ずしも1つである必要はなく、複数の時間帯を含みうる。また、同一利用予定に含まれる複数の時間帯の日付は、それぞれ異なっても構わない。また、開始時刻・終了時刻だけでなく、日付・時・分・秒等で繰り返すような予定も含まれうる。
利用位置情報とは、プライマリ無線局が利用される地理的な位置を特定するための情報である。主にプライマリシステム利用者が、計画利用時に無線局が配置されるポイントやエリアの情報、または予定外利用時に、無線局が配置される可能性のあるポイントやエリアの情報を、データベースや通信制御装置40に事前に入力しておくものである。
FPUの場合は、移動局の位置が利用予定ごとに変わるため、利用予定ごとに位置情報が必要となる。また、FPUの運用モデルによっては、無線局が移動しながら利用されるため、利用位置情報としてエリアが入力されうる。
また、中継車やバイク、人、ヘリコプターなどに搭載される移動局は、伝送中にも移動するため、利用位置情報としてエリアが入力されることが望ましい。例えば、3点以上の地理座標の集合によってエリアが示されてもよい。
また、プライマリ無線局がヘリコプター等の空中を移動する物体に搭載されている場合は、3次元の空間が利用位置情報として指定されてもよい。
また、利用位置情報は、非特許文献6で述べられているDPA(Dynamic Protection Area)を表す3点以上の地理座標の集合や、利用候補位置を表す地理的なポイントの集合であってもよい。
また、DPAを含む利用位置情報が通信制御装置40外のデータベースに記載されている場合は、当該情報を示すIDで表現されうる。
通信制御装置40は、利用位置情報に含まれるポイントやエリアの情報をもとに、プライマリシステム保護を実施する。
利用時アンテナ情報とは、プライマリ無線局の計画利用時のアンテナ諸元や、予定外利用時の場合に想定されるアンテナ諸元を特定するための情報である。主にプライマリシステム利用者が、アンテナ設置高、チルト角(Down tilt)、水平方向の向き(Azimuth)、仰角(Elevation)、照準(Boresight)等をデータベースや通信制御装置40に事前に入力しておくものである。
FPU等では、利用予定ごとにアンテナ設置高、チルト角(Down tilt)、水平方向の向き(Azimuth)、仰角(Elevation)、照準(Boresight)等が設定される、または利用中にアンテナ設置高、チルト角(Down tilt)、水平方向の向き(Azimuth)、仰角(Elevation)、照準(Boresight)等が変化するため、これらの情報が値の範囲として与えられることがある。
また、アンテナ情報が通信制御装置40外のデータベースに記載されている場合は、当該情報を示すIDで表現されうる。
通信制御装置40は、この利用時アンテナ情報をもとに、プライマリシステム保護を実施する。
<6-2-3.計画利用と予定外利用の利用予定情報での差異>
(6-2-2.利用予定情報)で述べたとおり、計画利用と予定外利用の利用予定情報では、累積干渉電力評価に使用できる情報の精度が異なる。
計画利用の利用予定情報には、放送事業者のようなプライマリ無線局利用者によって事前に入力される。この情報には、利用時刻の他、プライマリ無線局が利用される地点や領域、利用時アンテナ情報が正確に入力される。このように、事前に登録された正確な利用予定情報を利用して、累積干渉電力評価を行うことができるため、保護対象地点・地域や保護アンテナ情報等に大きなマージンを取る必要がなく、結果としてセカンダリ無線局の利用機会が増加しうる。
一方、予定外利用の利用予定情報には、事前に利用時刻が指定されていないことに加え、正確な利用位置情報は提供されない。利用される可能性のある地点や地域、アンテナ情報等が示されるのみであり、事前に正確な利用予定情報を利用することができず、累積干渉電力評価の際には、保護対象地点・地域や保護アンテナ情報等に、マージンを取る必要がある。このため、計画利用の場合に比べて、セカンダリ無線局の利用機会が減少しうる。
予定外利用の利用予定情報は、プライマリ無線局の正確な利用位置等が通知されてから、プライマリ無線局が実際に利用されるまでの時間が短く、正確な情報を用いた累積干渉電力評価が完了できない場合でも、マージンをとった累積干渉電力評価により、確実にプライマリ無線局を保護するために提供されるものである。
<6-3.プライマリシステム保護>
本開示の実施形態に係るプライマリシステム保護は、図23に示す手順にしたがって通信制御装置40により実施される。図23は、プライマリシステム保護の手順を示すフローチャートである。
まず、通信制御装置40は、通信制御装置は、プライマリシステムの運用者によってデータベースや通信制御装置に入力された利用予定情報を取得し(ステップS61)、評価すべき利用予定情報が存在するか確認する(ステップS62)。
通信制御装置40は、取得した利用予定情報に、新たな利用予定が含まれていたり、既存の利用予定が更新されていたりする場合は、プライマリシステム保護に関する処理を実施する。既存の利用予定が更新されているかどうかは、例えば前回取得した利用予定と同一IDを持つ利用予定と、情報を比較することで行うことができる。
通信制御装置40は、評価すべき利用予定情報が存在すると判定した場合(ステップS62;Yes)、利用予定情報を用いてプライマリシステム保護方法を選択する(ステップS63)。また、プライマリシステム保護に用いるアルゴリズムの選択を行ってもよい。
通信制御装置40は、ステップS63において選択したプライマリシステム保護方法を用いて、プライマリシステム保護を実施し(ステップS64)、その結果をデータベース等に格納する(ステップS65)。
なお、プライマリシステム保護方法の選択、および実施に際しては、利用予定に含まれる各種情報をそのまま用いてもよいし、他の無線局の利用予定情報等を用いて、該当する無線局の利用予定情報を予測した上で、その情報を用いてもよい。
続いて、通信制御装置40は、計画利用であるか否かを判定する(ステップS66)。
通信制御装置40は、計画利用であると判定した場合(ステップS66;Yes)、指定された利用予定時刻にスケジューラを設定する(ステップS67)。これにより、通信制御装置40がプライマリシステムの利用開始を判断できるようにする。
続いて、通信制御装置40は、未評価の予定情報があるか否かを判定する(ステップS68)。通信制御装置40は、未評価の予定情報があると判定した場合(ステップS68;Yes)、上記ステップS62の手順に戻る。一方、通信制御装置40は、未評価の予定情報がないと判定した場合(ステップS68;No)、図23に示す手順を終了する。
上記ステップS62において、通信制御装置40は、評価すべき利用予定情報が存在しないと判定した場合(ステップS62;No)、図23に示す手順を終了する。
最後に、通信制御装置40は、プライマリシステム保護の結果を、データベース等に格納する。これらの情報は、プライマリシステム利用開始時に読み込まれ、電波の停止やパラメータ変更が求められるセカンダリ無線局の情報等が含まれうる。
なお、プライマリシステム保護は、必ずしも全無線局を個別に行う必要はなく、伝送距離が短い無線局同士を同一の無線局とみなしたり、隣接する2つ以上の無線局を、1つの無線局とみなしたりして計算してもよい。さらに、同一パラメータの無線局が存在する場合は、評価結果を流用してもよい。
<6-3-1.ポイント保護とエリア保護>
プライマリシステム保護は、その保護対象によってポイント保護とエリア保護に大別される。
ポイント保護では、無線局が設置される位置そのものが保護対象となる。CBRSでは、非特許文献[6]で開示されている通り、Fixed Satellite Service(FSS)等がポイント保護の対象となる。
CBRSで利用されているポイント保護アルゴリズムには、プライマリ無線局に対する干渉量のマージンをセカンダリ無線局に割り当てるIterative Allocation Process(IAP)や、セカンダリ無線局からの累積干渉電力を計算することで、停止が必要なセカンダリ無線局のリストを作成する手法がある。また、当然これら以外のポイント保護アルゴリズムを用いても構わない。
なお、後者の手法は、FSSの帯域外干渉を既定値内に抑えるために利用されており、このリストはPurge Listと呼ばれ、この中に含まれるセカンダリ無線局は該当するチャネルを使った通信が禁止される。
また、無線局が利用される可能性のある1つ以上のポイントが与えられる場合にも、同様のアルゴリズムを用いられうる。プライマリ無線局の利用を検知したり、事前に設定したスケジューラによってプライマリ無線局の利用が通知されたりした際は、周波数利用通知によって、セカンダリ無線局に電波の停止やパラメータ変更を要求したりできる。本開示の実施形態は、このようなポイント保護を動的ポイント保護として区別する。
エリア保護では、固定された無線局のカバレッジ全体や、無線局が存在する可能性のある範囲全体を保護対象とする。CBRSでは、非特許文献[6]で開示されている通り、Grandfather Wireless Broadband License(GWBL)やPrimary Access License(PAL)のカバレッジや、Federal Incumbentである艦載レーダー等が移動する可能性のあるエリア等がエリア保護の対象となる。
保護対象のエリア内には、複数の干渉計算基準点(以下、保護点)が設定され、保護点をセカンダリシステムから保護する必要がある。保護点の設定方法は任意であるが、例えば、保護領域内を格子状に区切り、所定の格子の中心を保護点としてもよい。CBRSでは、緯度経度2角度秒ごとのグリッドの交点全てを保護点としている。
CBRSにおいて、保護点を保護する際には、ポイント保護と同様に、IAPやセカンダリ無線局の停止リストの計算を行うが、本発明において使用するエリア保護アルゴリズムは、この限りではない。
また、Federal Incumbentが移動する可能性のあるエリアは、CBRSにおいてDynamic Protection Area(DPA)として定義される。DPAとは、Federal Incumbentの利用が想定される地域を、複数の領域で分割したものである。各DPA内にも、通常の保護対象エリアと同様に複数の保護点が設定され、セカンダリ無線局から各DPA内の全保護点への累積干渉を計算することで、停止が必要な無線局のリスト(Move List)を作成する。Environmental Sensing Capability(ESC)センサーがDPA内でのプライマリ無線局の利用を検知したり、事前に設定したスケジューラによってプライマリ無線局の利用が通知されたりした際は、周波数利用通知によって、Move Listに含まれるセカンダリ無線局に電波の停止を要求する。
また、CBRSのDPAでは、プライマリシステムの利用はセンサー位置情報の匿名性が要求される。
また、CBRSにおけるDPAはMove List作成の際にのみ利用されているが、DPAを利用してIAPを実施し、セカンダリ無線局にパラメータ変更を指示してもかまわない。
本発明は、DPAを用いたエリア保護を動的エリア保護として区別する。
また、その他のプライマリシステム保護として、CBRSにおけるExclusion Zoneのような単なる内外判定を実施してもよい。
これらのプライマリシステム保護は、利用予定情報を用いて任意の間隔で定期実行される。これらの結果はデータベース等に格納され、スケジューラやセンサー、データベース等によって実際にプライマリ無線局の利用が検知されると、これらの情報は周波数利用許可処理や周波数利用通知によって、セカンダリ無線局に通知される。
なお、プライマリシステム保護が行われる間隔は、通信制御装置が独自に判断して決定されるほか、プライマリシステムの利用者や各国・地域の電波行政機関またはそれに準ずる機関によって定められうる。
また、プライマリシステム保護を行う際、計画利用の利用予定情報に入力された利用予定時刻までに計算が間に合わないと判断される場合には、必ずしも干渉計算を実行する必要はなく、予定外利用の利用予定情報を用いて実施したプライマリシステム保護処理の結果を利用して、プライマリ無線局を保護してもよい。
<6-3-2.プライマリシステム保護方法選択手順>
CBRSにおけるプライマリシステム保護では、FSSはポイント保護、GWBLやPALはエリア保護、艦載レーダーなどの軍事設備はDPAを用いたエリア保護といったように、プライマリシステムごとに規格や法制で保護方法が決められている。
一方日本国内で想定するような無線局のモビリティを伴うプライマリシステムでは、そのため、CBRSのFSSやGWBL、PALのようなポイント・エリア保護をスケジューラによって実施する手法と、DPAのような動的な保護ポイント・エリアを設定してセンサー等で利用を検知した際に該当するポイントやエリアを保護する手法の2つを、通信制御装置40自身が切り替えて用いる必要がある。
CBRSでは、こういったプライマリシステムを想定していないので、通信制御装置40が自律的に判断してプライマリシステム保護方法を切り替えて用いることができない。
本開示の実施形態では、プライマリシステム側から無線局の利用予定情報を取得し、この中に含まれる情報を通信制御装置40が判別することで、プライマリシステム保護方法を通信制御装置40が自律的に決定する。
具体的には、通信制御装置40(制御部44)は、プライマリシステムから提供される無線局の利用形態と利用位置情報等からプライマリシステム保護方法を選択する。なお、その他の利用予定情報を用いてもよい。
同一プライマリシステムの無線局の利用用途や、同一無線局の利用予定が複数混在している場合でも、累積干渉電力評価等のプライマリシステム保護を実施できる。
0380に、通信制御装置40によるプライマリシステム保護方法の切り替え(選択)フローの例を示す。図24は、プライマリシステム保護方法の切替(選択)手順の一例を示すフローチャートである。図24に示すフローは、通信制御装置40の制御部44により実行される。
図24に示す例において、制御部44は、プライマリ無線局の利用形態及び利用位置情報に基づいて、動的又は静的な保護方法を含む複数のプライマリシステムの保護方法の中から1つを選択し、選択した保護方法に基づいて、プライマリ無線局の保護を実施する。
また、図24に示す例において、制御部44は、無線局が計画利用である場合、静的な保護方法の1つを選択して実施し、予定外利用である場合には、動的な保護方法の1つを選択して実施する。
また、図24に示す例において、制御部44は、無線局の利用位置情報に基づいて決定される当該無線局の保護対象ポイントに基づいてポイント保護を選択して実施し、無線局の利用位置情報に基づいて決定される当該無線局の保護対象エリアに基づいてエリア保護を選択して実施する。
まず、通信制御装置40は、利用形態が計画利用か予定外利用かを判定する(ステップS71)。
通信制御装置40は、利用形態が計画利用であると判定した場合(ステップS71;計画利用)、利用位置情報に利用されるポイントの情報またはエリアの情報のいずれかが含まれているかを判定する(ステップS72)。
通信制御装置40は、利用位置情報に利用されるポイントの情報が含まれていると判定した場合(ステップS72;利用ポイント)、このポイントに対してポイント保護を実施し(ステップS73)、図24に示す手順を終了する。
一方、通信制御装置40は、利用位置情報に利用されるエリアの情報が含まれていると判定した場合(ステップS72;利用エリア)、このエリアに対してエリア保護を実施し(ステップ74)、図24に示す手順を終了する。
FPUの場合、ポイント保護対象の無線局の例としては、モデル1のFPU送受信局やモデル2・3・4・6の受信局等が含まれうる。一方、エリア保護対象の無線局としては、モデル2~6のFPU送信局やモデル4の受信局等が含まれうる。
なお、この選択時に、他の無線局の利用位置情報等を用いて該当する無線局の利用位置情報を予測し、その情報を用いてプライマリシステム保護方法の選択後、ポイント保護またはエリア保護を実施してよい。
また、通信制御装置40は、利用形態が予定外利用であると判定した場合(ステップS71;予定外利用)、利用位置情報に利用候補ポイントの情報または利用候補エリアの情報のいずれかが含まれているかを判定する(ステップS75)。利用候補ポイントは、利用位置情報に、利用される可能性のあるポイントとして与えられたものである。利用候補エリアは、利用位置情報に、DPAのような利用される可能性のあるエリアとして与えられたものである。
通信制御装置40は、利用位置情報に利用候補ポイントの情報が含まれていると判定した場合(ステップS75;利用候補ポイント)、このポイントに対して動的ポイント保護を実施し(ステップS76)、図24に示す手順を終了する。
一方、通信制御装置40は、利用位置情報にDPAのような複数の利用候補エリアの情報が含まれていると判定した場合(ステップS75;利用候補エリア)、このエリアに対して動的エリア保護を実施し(ステップ77)、図24に示す手順を終了する。
なお、この選択時に、他の無線局の利用位置情報等を用いて該当する無線局の利用される可能性のあるポイントやDPAのような利用候補エリアを通信制御装置が予測し、その情報を用いてプライマリシステム保護方法の選択後、動的ポイント保護または動的エリア保護を実施してよい。
<6-3-3.計画利用のためのポイント保護・エリア保護に関する補足>
利用位置情報が利用予定に含まれない場合や通信制御装置自身が新たに保護対象のポイントやエリアを設定したい場合は、通信制御装置が通信対象の他の無線局の利用位置情報や利用時アンテナ情報を用いて、保護対象のポイントやエリアを予測し、プライマリシステム保護方法の選択とその実施を行ってもよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、保護対象ポイント及び保護対象エリアが無線局の利用予定に含まれない場合、及び保護対象ポイント及び保護対象エリアを新たに設定する場合、保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する処理部として機能する。
利用位置情報にポイントやエリアが含まれない場合とは、プライマリシステムの運用者が無線局の使用場所を事前に知られたくない、予定外利用等で直前まで利用場所がわからないなどの理由により、プライマリシステムの運用者が利用位置情報を提供することができない場合が含まれうる。
例えば、ある無線局Aの通信対象の無線局が配置されているポイントから一定距離以内を、無線局Aの保護対象エリアとして設定してもよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、プライマリシステムの無線局である第1の無線局とは異なる第2の無線局の利用位置情報に基づいて、保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する処理部として機能する。
また、例えば、図25に示すように、固定局200の位置情報を用いて、任意の地点の移動局300からの信号を固定局200が受信した際のCINR(Carrier to Interference and Noise Ratio)所要値を満たすエリアを計算し、所要値を満たすエリアを移動局300の保護対象エリアPAとしてよい。例えば、所要CINRを満たす最大距離Dを満たすエリアを保護対象エリアとしてよい。具体的には、一例として、以下の式(1)を満たす座標(x,y)の範囲を保護対象エリアとする。図25に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、第2の無線局(例えば、固定局200)の利用位置情報に基づいて、第1の無線局(例えば、移動局300)の信号を第2の無線局で受信した際の通信品質(例えば、CINR)を算出し、算出した通信品質に基づいて、保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する処理部として機能する。なお、図25は、移動局の保護対象エリアの一例を示す図である。
Figure 0007396318000002
また、保護対象エリアは、ある移動局からの受信電力が、固定局で所定値を満たす範囲としてよい。具体的には、一例として、以下の式(2)を満たす座標(x,y)の範囲を保護対象エリアとする。
Figure 0007396318000003
また、固定局からの信号が、所望のCINRや受信電力を満たす範囲を、移動局の保護対象エリアとしてもよい。
このときの座標(x,y)は連続した範囲ではなく、上記保護点の集合であってもよい。また、上記座標はアンテナ高等を考慮した3次元座標であってもよい。
また、このとき用いる移動局が利用されるエリアを位置情報として用いて、保護対象エリアを予測してもよい。例えば、移動局300bからの信号が、ある利用エリア(例えば、利用エリアUA)内を移動する移動局300aで所要の通信品質を必ず満たす移動局300bの位置全体を、移動局300bの保護対象エリアとしてもよい。図26のように、所要CINRや所要受信電力を満たす最大距離D内を、保護対象としてよい。また、図26に示すように、ある利用エリア(例えば、利用エリアUA)内を移動する移動局300aからの信号が、移動局300bで所要の通信品質を必ず満たす範囲を、移動局300bの保護対象エリアPAとしてもよい。図26に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、第2の無線局(例えば、移動局300a)の利用位置情報に基づいて、第1の無線局(例えば、移動局300b)の信号を第2の無線局で受信した際の通信品質(例えば、CINRや受信電力)を算出し、算出した通信品質に基づいて、保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する処理部として機能する。なお、図26は、移動局の保護対象エリアの一例を示す図である。
また、移動局300aが利用されるエリアが特定できている一方、固定局(200aや200b)の位置が不明な場合、図27のように移動局300aが利用されるエリア(例えば、利用エリアUA)から、固定局(200aや200b)の保護対象エリアPAを予測してよい。例えば、移動局300aからの信号が、所望のCINRや受信電力を満たす範囲を、固定局(200aや200b)の保護対象エリアとしてもよい。なお、図27は、固定局の保護対象エリアの一例を示す図である。
なお、これらの保護対象エリア(図25~図27参照)には、一定のマージンを設けてもよい。
また、非特許文献[6]で述べられているようなPPAの作成のリファレンスに従って、保護対象エリアを予測してもよい。
また、固定局200または移動局300aのアンテナが回転する範囲Rの情報が与えられている場合には、図28のように移動局300bの保護対象エリアPAを限定してもよい。このとき、アンテナ回転範囲は、Azimuth、Boresightだけでなく、アンテナ設置高、Down tiltも考慮した3次元であってもよい。また、アンテナ回転範囲に一定のマージンを設けたものを保護対象エリアとしてもよい。図28に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、第2の無線局(例えば、固定局200または移動局300a)で使用されるアンテナのアンテナ情報に基づいて、プライマリシステム(例えば移動局300bの)保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する処理部として機能する。なお、図28は、移動局の保護対象エリアの一例を示す図である。
また、異なる無線システムの無線局の情報を用いて、プライマリ無線局の保護対象ポイント・エリアを推定してもよい。
例えば、ある無線システムEX1の固定局の利用位置から一定距離以内を、システムEX1の移動局の移動範囲とし、この移動範囲を、システムEX1の移動局に併設された無線システムEX2の移動局の保護対象エリアとしてよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、プライマリシステムとは異なる無線システムの第3の無線局(例えば無線システムEX1の固定局)の利用位置情報に基づいて、プライマリシステム(例えば無線システムEX2の移動局の)保護対象ポイント及び保護対象エリアを予測する処理部として機能する。
また、例えば、図29のように無線システムEX1の固定局200での所要CINRを計算することで、システムEX1の移動局300a_for_EX1の移動範囲を予測し、この移動範囲をシステムEX1の移動局300a_for_EX1に併設された、無線システムEX2の移動局300b_for_EX2の保護対象エリアPA_for_300bとしてよい。なお、図29は、移動局の保護対象エリアの一例を示す図である。図29に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、第3の無線局(例えば移動局300a)の利用位置情報に基づいて、当該第3の無線局の信号がプライマリシステムの無線局である第1の無線局(例えば固定局200)で受信された際の通信品質を算出し、算出した通信品質に基づいて、第3の無線局の利用位置情報を予測し、予測した位置情報をプライマリシステムの無線局(例えば無線システムEX2の移動局300b)の保護対象ポイント又は保護対象エリアとして利用する処理部として機能する。なお、図29は、予測される保護対象ポイント及び保護対象エリアの一例を示す図である。
例えば、無線システムEX1を、FPU受信局から放送局のスタジオへの映像伝送に用いるTSLや5・7GHz帯を利用するマイクロ波FPU、無線システムEX2を2.3GHzFPU受信局としてもよい。
また、異なる無線システムの無線局の利用時のアンテナ情報を用いて、通信対象の無線局の利用位置を予測し、この利用位置をプライマリ無線局の保護対象ポイント・エリアとしてよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、第3の無線局で使用されるアンテナのアンテナ情報に基づいて、プライマリシステムの無線局の利用位置情報を予測する処理部として機能する。
また、異なるシステムの利用時の位置情報やアンテナ情報を用いて、プライマリ無線局の利用ポイントやエリアや利用時アンテナ情報を予測し、さらにそれらから、通信対象のプライマリ無線局の保護対象ポイント・エリアを推定してもよい。
また、例えば、図30のように無線システムEX1の固定局200での所要CINRを計算することで、無線システムEX1の移動局300aの移動範囲を予測し、これを無線システムEX2の移動局300bの保護対象エリアPA_for_300bとし、さらに無線システムEX2の移動局300bでの所要CINRを計算することで、無線システムEX2の移動局300cの保護対象ポイント・エリアPA_for_300cを予測してもよい。図30に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、第3の無線局(例えば、移動局300a)の利用位置情報をプライマリシステムの無線局である第4の無線局(移動局300b)の利用位置情報として、プライマリシステムの無線局である第5の無線局(移動局300c)の信号を第4の無線局で受信した通信品質を算出し、算出した通信品質に基づいて、第5の無線局の保護対象ポイント及び保護対象ポイントを予測する処理部として機能する。なお、図30は、予測される保護対象ポイント及び保護対象エリアの一例を示す図である。
また、この予測手法は、利用位置情報に既にポイントやエリアが含まれている場合でも併用してよい。例えば、よりセカンダリシステムの通信機会を増やす目的で、より正確な保護対象ポイント・エリアを通信制御装置40が予測する際に用いてもよい。
<6-3-4.予定外利用のためのポイント保護・エリア保護に関する補足>
FPUのモデル1のFPU受信局では、利用位置情報に利用される可能性のあるポイントが含まれうるため、このポイントに対して動的ポイント保護が行われる。また、モデル1のFPU送信局やモデル5の送受信局等では、DPAのような利用される可能性のあるエリアの情報が与えられうるため、このエリアに対して動的エリア保護が実施されうる。
また、セカンダリシステムの利用機会の増加や確実なプライマリシステムの保護等を目的として、保護対象エリアを、一定の基準で複数のエリアに分割することで、通信制御装置40が独自にDPAを生成してもよい。
通信制御装置40が独自にDPAを生成するのは、利用予定情報等でDPAが与えられない場合に限る必要はない。例えば、利用位置情報を上述した<6-3-3.>と同様の手法で予測した場合等が該当する。また、利用予定情報にDPAそのものが含まれている場合等でも、セカンダリシステムの利用機会の増加や確実なプライマリシステムの保護のために、通信制御装置40が独自に判断して、DPAを新たに作成してよい。
エリアの分割サイズ等の通信制御装置がDPAを生成する際に必要とするパラメータは、プライマリシステムの運用者や公共業務機関等の他、行政機関、第3者機関等によって予め設定され、外部データベースやプライマリシステムの利用予定情報等から取得されうる。
また、これらのパラメータの提供の有無に関わらず、プライマリシステムおよびセカンダリシステムの各通信装置やプライマリシステムの利用を検知するセンサー等のハードウェア性能や配置状況、周辺環境、保護のための要求基準等の情報を用いて、通信制御装置40がエリアの分割サイズ等のパラメータを独自に設定してよい。
例えば、より確実にプライマリシステムを保護することを目的として、通信制御装置40がDPAを生成するために必要となるエリアの分割サイズ等のパラメータを、プライマリシステム利用の検知精度に従って決定してよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、無線局の利用検知精度に基づいて設定されるパラメータを用いて、保護対象エリアを複数のエリアに分割したDPAを決定する処理部として機能する。
例えば、センサーやプライマリ無線局の位置情報精度をもとにDPAの分割サイズを決定してよい。例えば、プライマリ無線局に搭載されたGPS等の測位機能の精度が十分でない場合は、DPAの分割サイズを大きくしたり、各DPAのオーバーラップを許してマージンを設けたりすることで、センサーやプライマリ無線局の位置がずれていても確実に保護されるように設定してよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、プライマリシステムの検知精度及びプライマリシステムの位置情報精度に基づいて設定されるパラメータを用いて保護対象エリアを複数のエリアに分割したDPAを決定する処理部として機能する。
また、例えば、地形や建物等の周辺環境によるプライマリシステム検知精度の変動を反映して、DPAの分割サイズを決定してもよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、位置情報精度の周辺環境による変動に基づいて設定されるパラメータを用いて保護対象エリアを複数のエリアに分割したDPAを決定する処理部として機能する。
また、例えば、プライマリシステムの利用を検知するためのセンサー(検知部の一例)の配置状況等に基づき、異なるエリアに異なるサイズのDPAを設定してよい。センサーが密に配置されているエリアは、小さいサイズのDPAを、センサーの配置が疎な場合は、大きいサイズのDPAをそれぞれ設定してよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、プライマリシステムを検知する検知部の配置情報に基づいて設定されるパラメータを用いて保護対象エリアを複数のエリアに分割したDPAを決定する処理部として機能する。
また、例えば、プライマリ無線局が高精度な測位機能を持ち、かつプライマリシステムの利用通知にその位置情報が含まれる場合など、プライマリシステムの利用検知精度が高いことを保証できる場合は、保護点1つのみを含んだ格子を1つのDPAとしてもよい。
例えば、プライマリシステムの利用検知により電波の停止やパラメータ変更を求められるセカンダリ無線局を減らし、セカンダリシステムの利用機会を増加させることを目的として、保護基準を満たす範囲でDPAの分割サイズを可能な限り小さく設定してもよい。
また、同一エリアに異なるサイズのDPAを2つ以上設定し、プライマリシステムの利用検知時に最も適したDPAを選択して、セカンダリシステムを制御してもよい。例えば、プライマリシステムの位置情報の精度が十分でないことが同時に通知される場合、得られた精度でも十分保護できるよう、複数のDPAの中からなるべく大きいサイズのDPAを選択する。このとき、通信制御装置40の制御部44は、同一のエリアに異なるサイズのDPAを決定する処理部として機能する。
また、DPAの分割サイズは、セカンダリ無線局の情報をもとに決定してよい。例えば、セカンダリ無線局に搭載されたGPS等の測位機能の精度が十分でない場合は、DPAの分割サイズを大きくしたり、各DPAのオーバーラップを許してマージンを設けたりすることで、セカンダリ無線局の位置がずれていても確実に保護されるように設定してよい。これらの精度は、センサーや測位機能等のハードウェア性能だけでなく、地形や建物等の周辺環境によって判断されてもよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、プライマリシステムとは異なる無線システムの無線局の測位機能精度に基づいて設定されるパラメータを用いて保護対象エリアを複数のエリアに分割したDPAを決定する処理部として機能する。
また、図31のように、移動局300の移動エリア全体を複数の領域(例えば、領域MA~MA)に分割し、その移動エリアそれぞれで9494、移動局300から固定局200への信号が所要値を満たす範囲を計算し、それらを固定局に対応するDPAとしてよい。つまり、各移動エリアに対するDPAは、重複しうる。移動エリアの分割では、移動局300の位置や信号の検出精度に応じて、その大きさ等を変更してよい。図31に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、無線局(例えば移動局300)の移動エリア全体を複数の領域に分割し、分割した各領域で通信対象の無線局(例えば固定局200)について設定する保護対象エリアをDPAとして決定する処理部として機能する。なお、図31は、移動エリア全体を分割した各領域ごとの動的保護対象エリアの一例を示す図である。
<6-4.アンテナ回転範囲を考慮したポイント・エリア保護>
CBRSのポイント・エリア保護では、Fixed-Satellite Serviceの地球局のように保護対象無線局のアンテナ回転範囲に関するパラメータ(Down tilt、Elevation、Azimuth等)が値として与えられたり、Federal Incumbentのようにアンテナがどの方向を向いても問題ないようにしたりするケースが想定されている。
一方、FPUのようなプライマリシステムでは、無線局が利用される度にアンテナのDown tilt、Elevation、Azimuth等のパラメータが変わったり、利用中にアンテナが回転してDown tilt、Elevation、Azimuth等のパラメータが変動したりすることが想定される。
本開示の実施形態では、計画利用中に無線局のアンテナが回転してDown tilt、Elevation、Azimuth等のパラメータが変わることを想定したポイント・エリア保護、およびプライマリ無線局の予定外利用時に通知されるアンテナ方向等のパラメータを用いて、動的ポイント・エリア保護を実施する。
<6-4-1.計画利用中のアンテナ回転を考慮したポイント・エリア保護>
利用時アンテナ情報から取得する利用中のアンテナ回転範囲内に、指定された基準で複数の保護対象アンテナ方向を設定する。そして、プライマリ無線局のアンテナがそれぞれの保護対象アンテナ方向を向くと仮定した際のポイント保護またはエリア保護を実施し、全ての保護対象アンテナ方向でプライマリシステム保護が達成されるよう、セカンダリ無線局に指示することで、アンテナの利用中の回転に対しても、確実にプライマリシステムを保護できる。
例えば、図32のように利用時アンテナ情報としてアンテナが利用中に回転するAzimuthの範囲Azi_Rが与えられた場合は、アンテナの位置Pを中心とした水平面の円周上を、Azimuthの範囲で一定角度Δθごとに分割する。そして、円の中心つまりアンテナ位置Pから、分割された円周のそれぞれの範囲の中心への向きを、保護対象アンテナ方向PADとして設定する。設定した保護対象アンテナ方向のそれぞれでポイント保護またはエリア保護を実施する。図32に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、無線局において利用中のアンテナの回転範囲内に一定の間隔で保護対象アンテナ方向を設定することにより、保護対象ポイント又は保護対象エリアを決定する処理部として機能する。また、かかる制御部44は、アンテナが利用中に回転するAzimuthの範囲を一定角度で分割することにより、2次元的な保護対象アンテナ方向を設定する処理部として機能する。なお、図32は、2次元的な保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。
また、利用時アンテナ情報がDown tilt、Azimuthの範囲Dt_R、Azi_Rとして与えられた際は、図33のようにアンテナの位置Pを中心とした球面の、与えられたDown tilt、Azimuthの範囲内を、一定角度Δφ、Δθごとに分割し、3次元の格子を作成する。そして、球の中心、つまりアンテナの位置Pから各格子の中心の向きを保護対象アンテナ方向PADとして設定する。図33に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、アンテナが利用中に回転するAzimuthの範囲、及びDown tiltの範囲を一定角度で分割することにより、3次元的な保護対象アンテナ方向を設定する処理部として機能する。なお、図33は、3次元的な保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。
利用時アンテナ情報が値の範囲で与えられる例として、FPUのモデル2~6が計画利用される場合が想定される。
また、通信相手となる無線局の保護対象ポイントやエリアおよび利用時アンテナ情報等を用いて、利用中のDown tilt、Azimuth、Boresight等のアンテナパラメータの範囲を予測し、その中に保護対象アンテナ方向を設定してもよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、通信相手となる無線局の保護対象エリア又は保護対象ポイントを用いて、利用中のアンテナの回転範囲を予測する処理部として機能する。
例えば、図34のように、2次元的に表現された無線局Aの保護対象エリアPA_WSAに対して、無線局Bのアンテナ位置P3_WSBから2本の接線を引き、その2つの直線が無線局Bの位置で交差するときの角度を、利用中のAzimuthの範囲Azi_Rとする。このAzimuthの範囲Azi_Rに、前述したような保護対象アンテナ方向を設定してよい。図34に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、無線局から通信相手となる無線局の保護対象エリアに対して引かれた2本の接線がなす角度を、利用中のアンテナが回転するAzimuthの範囲とする処理部として機能する。なお、図34は、2次元的な保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。
また、利用中にアンテナが取りうるDown tilt、Azimuthの範囲を、3次元に推定してもよい。例えば、アンテナが取りうるDown tilt、Azimuthの範囲を、通信対象の保護対象エリアから推定してよい。図35のように、無線局Aの保護対象エリアPA_WSAを、無線局Bのアンテナ位置P_WSBを中心とした球に対して投影する。この投影された球面上の領域を、利用中に無線局Bのアンテナが取りうるDown tilt、Azimuthの範囲Dt_R、Azi_Rとし、保護対象アンテナ方向を設定してよい。図35に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、通信相手となる無線局の保護対象エリアを、プライマリシステムの無線局を中心とする球に対して投影し、投影された球面上の領域を、利用中にアンテナがとり得るAzimuth及びDown tiltの範囲とする処理部として機能する。なお、図35は、3次元的な保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。
また、この保護対象アンテナ方向の予測は、利用時アンテナ情報が提供されている場合でも併用してもよい。例えば、複雑な利用地域をもった無線局が通信相手となる場合等に、事前に提供されたアンテナパラメータの範囲よりも正確な値を予測することで、より高精度にプライマリシステム保護を実施し、よりセカンダリシステムの通信機会を増やすことができる。
また、アンテナの各パラメータは、必ずしも独立している必要はない。例えば、Down tiltの値を引数とするような関数で、Azimuthの値の範囲が与えられてもよい。
また、無線局の保護対象は、ポイントではなくエリアであってもよく、その場合は、保護対象エリア内に設定された保護点ごとに、保護対象アンテナ方向を設定した上で、プライマリシステム保護を行う。
同一保護対象エリア内の保護点全てが同一の保護対象アンテナ情報を持つ必要はなく、保護点ごとに異なる保護対象アンテナ方向を設定してもよい。例えば、図36のように、無線局Aの保護対象エリアPA_WSA内の各保護点(pp~pp)では、保護対象アンテナ方向を無線局Bが存在する方向(例えば、各保護点とアンテナ位置P5_WSAとを結ぶ各直線の方向)としてよい。また、保護対象アンテナ方向は、パラメータとしてAzimuth以外をもちうる。また、無線局Bは必ずしも固定局である必要はない。なお、図36は、保護点ごとに異なる保護対象アンテナ方向の設定例を示す図である。
保護対象アンテナ方向を設定する際の角度は、プライマリシステム保護の要求精度等にしたがって、法制等で予め定められる他、プライマリシステムの運用者や公共業務機関等の他、行政機関、第3者機関等によって提供されうる。
また、保護対象アンテナ方向を設定する際の角度を、通信制御装置40の計算能力によって、変更してもよい。例えば、通信制御装置40の計算能力が高い場合は、予め設定された角度よりも小さい角度で、保護対象アンテナ方向を設定してもよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、保護対象アンテナ方向を設定する際の間隔を、自機の計算能力によって変更する処理部として機能する。
<6-4-2.予定外利用時に通知されるアンテナ方向を考慮した動的ポイント・エリア保護>
保護対象の無線局のアンテナが利用する可能性のあるアンテナ回転範囲を一定の基準で分割した、動的アンテナ回転範囲(以下、適宜、Dynamic Antenna Rotation Range;「 DARR」と表記する)を用いて動的ポイント・エリア保護を行うことで、通信制御装置40は、予定外利用時に通知されるアンテナ方向に対して、瞬時に保護を実施する。このとき、通信制御装置40の制御部44は、無線局のアンテナがとり得るアンテナの回転範囲を一定の基準で分割したDARRを用いて、動的なポイント保護又は動的なエリア保護を選択する処理部として機能する。
DARRごとに、予定外利用を検知した際に電波の停止やパラメータ変更が必要となるセカンダリ無線局のリストを作成しておき、実際に利用を検知した際は、通信制御装置40は、通知されたアンテナ方向が含まれるDARRに対応する指示リストに従って、セカンダリ無線局に指示を行う。
また、上記セカンダリ無線局のリストを作成する際は、通信制御装置40は、計画利用と同様、DARR内に複数の保護対象アンテナ方向を設定した上で、動的ポイント・エリア保護を実施してよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、DARRの内部に複数の保護対象アンテナ方向を設定する処理部として機能する。
また、DARRを動的エリア保護で用いる際は、DPAごとにDARRを設定するため、セカンダリ無線局のリストは、DPAとDARRの組み合わせごとに作成される。なお、全てのDPAで共通のDARRを用いてもよいし、それぞれ異なるDARRを用いてもよい。
また、DARRは、利用予定情報の利用時アンテナ情報として提供されうる他、プライマリシステムの運用者や公共業務機関等の他、行政機関、第3者機関等によって予め設定されたものを外部データベース等から取得してもよい。
なお、DARRが提供されておらず、利用時アンテナ情報に利用される可能性のあるアンテナ回転範囲が含まれている場合は、与えられたアンテナ回転範囲からDARRを通信制御装置40自身が生成してよい。
例えば、通信制御装置40は、図37のようにプライマリシステムの無線局のアンテナ(位置P_PWS)を中心とした水平面上の円を想定し、予定外利用時に無線局が利用する可能性のあるAzimuthの範囲Azi_Rを複数の範囲に分割したものをDARR(例えば、DARR~DARR)としてよい。DARRの中には、先に述べた保護対象アンテナ方向を設定し、DARR内の全保護対象アンテナ方向に関してプライマリシステム保護が達成されるようなセカンダリ無線局への指示リストを作成してよい。図37に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、利用される可能性のあるアンテナのAzimuthの範囲を、一定の角度で分割することにより、2次元的なDARRを設定する処理部として機能する。なお、図37は、2次元的な動的アンテナ回転範囲の設定例を示す図である。
また、通信制御装置40は、例えば図38のように、プライマリシステムの無線局のアンテナ(位置P7_PWS)を中心とした球を想定し、予定外利用時にプライマリ無線局がとる可能性のあるAzimuth・Down tiltの範囲Dt_R、Azi_Rを、球面上のいくつかの3次元的な領域で分割したものをDARRとしてよい。それぞれのDARRの中には、先に述べた保護対象アンテナ方向を設定し、DARR内の全保護対象アンテナ方向に関してプライマリシステム保護が達成されるようなセカンダリ無線局への指示リストを作成してよい。図38に示す例において、通信制御装置40の制御部44は、プライマリシステムの無線局のアンテナがとり得るAzimuthの範囲、及びDown tiltの範囲を一定角度で分割することにより、3次元的なDARRを設定する処理部として機能する。なお、図38は、3次元的な動的アンテナ回転範囲の設定例を示す図である。
また、利用時アンテナ情報として利用される可能性のあるアンテナ回転範囲が含まれていない場合は、計画利用時と同様に、通信対象となりうる他の無線局の利用位置情報等から、利用される可能性のあるアンテナ回転範囲を予測した上で、DARRの設定に使用してよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、通信相手となり得る他の無線局の情報から予測した、利用される可能性のあるアンテナ回転範囲を用いて、DARRを設定する処理部として機能する。
また、DARRや、利用される可能性のあるアンテナ回転範囲が取得できない場合以外にも、通信制御装置40が独自にDARRを生成してよい。例えば、セカンダリシステムの利用機会の増加や、確実なプライマリシステムの保護のために、通信制御装置40が独自に判断して、DARRを新たに設定してよい。
また、DARRの分割サイズ等、DARRを設定する際に必要とするパラメータは、プライマリシステムの運用者や公共業務機関等の他、行政機関、第3者機関等によって予め設定され、外部データベースやプライマリシステムの利用予定情報等から取得されうる。
また、これらのパラメータの提供の有無に関わらず、プライマリシステムおよびセカンダリシステムの各通信装置やプライマリシステムの利用を検知するセンサー等のハードウェア性能や配置状況、周辺環境、保護のための要求基準等の情報を用いて、通信制御装置40がDARRの分割サイズ等のパラメータを独自に設定してよい。
例えば、より確実にプライマリシステムを保護することを目的として、通信制御装置40がDARRを生成するために必要となる分割サイズ等のパラメータを、プライマリ無線局利用時のアンテナ方向の検知精度に従って決定してよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、無線局の利用時のアンテナ方向の検知精度に基づいて設定されたパラメータを用いて、DARRを設定する処理部として機能する。
例えば、センサーによるアンテナ方向の検知精度をもとにDARRの分割サイズを決定してよい。例えば、センサーによるプライマリ無線局のアンテナ方向推定精度が低い場合は、DARRの分割サイズを大きくしたり、各DARRをオーバーラップさせたりすることでマージンを設け、検知されたアンテナ方向がずれていても確実に保護されるように設定してよい。このとき、通信制御装置40の制御部44は、アンテナ方向を検知するセンサーによるアンテナ方向の検知精度に基づいて設定されたパラメータを用いて、DARRを設定する処理部として機能する。
また、通信制御装置40は、例えば、プライマリシステムの運用者等からプライマリ無線局が利用される際の正確なアンテナ方向が通知される場合など、プライマリ無線局のアンテナ方向の検知精度が高いことを保証できる場合は、保護対象アンテナ方向を1つのみを含んだDARRを設定してよい。
また、通信制御装置40は、セカンダリシステムの利用機会を増加させることを目的として、定められた保護基準を満たす範囲でDARRの分割サイズを可能な限り小さく設定してもよい。
また、通信制御装置40は、利用される可能性のあるアンテナ回転範囲に異なる分割サイズのDARRを2つ以上設定し、プライマリシステムの利用検知時に最も適したDARRを選択して、セカンダリシステムを制御してもよい。例えば、プライマリシステムのアンテナ方向の検知精度が十分でないことが同時に通知される場合、その精度でも十分保護できるように、複数のDARRの中からなるべく大きい分割サイズのDARRを選択して、セカンダリ無線局への指示を行う。このとき、通信制御装置40の制御部44は、利用される可能性のあるアンテナ回転範囲に異なる分割サイズのDARRを2つ以上設定する処理部として機能する。
また、通信制御装置40は、プライマリシステムの利用検知で通知されるアンテナ方向が範囲で与えられる場合は、この範囲をカバーできる2つ以上のDARRのリストを使用して、セカンダリ無線局に指示を出してよい。さらに、通知されるアンテナ方向が複数の値を含んだりする場合は、それらが含まれる2つ以上のDARRのリストに従って、セカンダリ無線局へ指示を出してもよい。
また、通信制御装置40は、プライマリシステムの利用検知でアンテナ方向が通知されない場合は、通信を行うプライマリ無線局同士の位置関係を利用して、互いのアンテナ方向を予測してもよい。この際、予測結果に誤差が発生することが想定される場合は、適切なマージンを設けることにより、この誤差の影響を最小限にしてよい。
<<7.変形例>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
<7-1.システム構成に関する変形例>
本実施形態の通信制御装置40は、上述の実施形態で説明した装置に限定されない。例えば、通信制御装置40は、周波数共用が行われる周波数帯域を2次利用する基地局装置20を制御する以外の機能を有する装置であってもよい。例えば、本実施形態の通信制御装置40の機能をネットワークマネージャが具備してもよい。このとき、ネットワークマネージャは、例えば、C-RAN(Centralized Radio Access Network)と呼ばれるネットワーク構成のC-BBU(Centralized Base Band Unit)またはこれを備える装置であってもよい。また、ネットワークマネージャの機能を基地局(アクセスポイントを含む。)が具備してもよい。これらの装置(ネットワークマネージャ等)も通信制御装置40とみなすことが可能である。
なお、上述の実施形態では、通信システム1を第1無線システム、基地局装置20を第2無線システムとした。しかし、第1無線システム及び第2無線システムはこの例に限定されない。例えば、第1無線システムは通信装置(例えば、無線通信装置10)であってもよいし、第2無線システムは通信システム(通信システム2)であってもよい。なお、本実施形態で登場する無線システムは、複数の装置から構成されるシステムに限定されず、適宜、「装置」、「端末」等に置き換え可能である。
また、上述の実施形態では、通信制御装置40は、通信システム2に属する装置であるものとしたが、必ずしも通信システム2に属する装置でなくてもよい。通信制御装置40は、通信システム2の外部の装置であてもよい。通信制御装置40は、基地局装置20を直接制御せず、通信システム2を構成する装置を介して間接的に基地局装置20を制御してもよい。また、セカンダリシステム(通信システム2)は複数存在していてもよい。このとき、通信制御装置40は、複数のセカンダリシステムを管理してもよい。この場合、セカンダリシステムそれぞれを第2無線システムとみなすことができる。
なお、一般に周波数共用において、対象帯域を利用する既存システムをプライマリシステム、二次利用者をセカンダリシステムと呼ぶが、プライマリシステム及びセカンダリシステムは、別の用語に置き換えてもよい。HetNET(Heterogeneous Network)におけるマクロセルをプライマリシステム、スモールセルやリレー局をセカンダリシステムとしてもよい。また、基地局をプライマリシステム、そのカバレッジ内に存在するD2DやV2X(Vehicle-to-Everything)を実現するRelay UEやVehicle UEをセカンダリシステムとしてもよい。基地局は固定型に限らず、可搬型/移動型であってもよい。
さらに、各エンティティ間のインターフェイスは、有線・無線問わない。例えば、本実施形態で登場した各エンティティ(通信装置、通信制御装置、又は端末装置)間のインターフェイスは、周波数共用に依存しない無線インターフェイスであってもよい。周波数共用に依存しない無線インターフェイスとしては、例えば、移動体通信事業者によってLicensed bandを介して提供される無線インターフェイスや、既存の免許不要帯域を利用する無線LAN通信、等が挙げられる。
<7-2.その他の変形例>
本実施形態の無線通信装置10、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40、又はプロキシ装置50を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムで実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムで実現してもよい。
例えば、上述の動作を実行するためのプログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、無線通信装置10、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40、又はプロキシ装置50の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、無線通信装置10、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40又はプロキシ装置50の内部の装置(例えば、制御部24、制御部34、制御部44、又は制御部54)であってもよい。
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上記してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態のシーケンス図或いはフローチャートに示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
<<8.むすび>>
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、通信制御装置40は、プライマリシステムの無線局の利用形態及び利用位置情報に基づいて、動的又は静的な保護方法を含む複数のプライマリシステムの保護方法の中から1つを選択する。そして、通信制御装置40は、選択した保護方法に基づいて、プライマリシステムの無線局の保護を実施する。
これにより、例えば、日本国内において放送事業者が運用しているFPUにおいて、プライマリシステムをセカンダリシステムから適切に保護できる。
例えば、FPUが従来CBRSやTVWS等で想定されてきたプライマリシステムと異なる点の1つは、無線局が移動する事が可能なため、利用モデルごとに利用位置がポイントであったり、エリアであったりすることである。さらに、利用形態が2つ存在しており、予定外利用時に利用位置として示される情報は、あくまで候補エリアでしかないことである。本開示の実施形態では、通信制御装置40は、プライマリシステムから提供される情報を解析し、利用モデルと利用形態によってプライマリシステム保護方法を切り替えることができる。結果として、プライマリシステムをセカンダリシステムから適切に保護できる。
また、FPUでは、無線局の移動に対応して、通信相手となる無線局のアンテナが可動しうる点も特徴である。例えば上述したモデル2~6の計画利用では、送信局の移動に追従して、受信局のアンテナの回転等が行われる可能性があるため、その回転範囲全体を保護する必要がある。また、上述したモデル1やモデル5の予定外利用では、送信局が候補エリア内で利用されたことを検知すると、その方向に受信局アンテナが向けられる可能性があるため、アンテナの回転範囲のどこを向いても良いように保護する必要がある。本開示の実施形態では、通信制御装置40は、計画利用中のアンテナ回転を考慮したポイント・エリア保護、並びに予定外利用時に通知されるアンテナ方向を考慮した動的ポイント・エリア保護を実現できる。結果として、プライマリシステムをセカンダリシステムから適切に保護できる。
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
なお、本技術は、以下のような構成を取ることができる。
(1)
プライマリシステムの無線局の利用形態及び利用位置情報に基づいて、動的又は静的な保護方法を含む複数のプライマリシステムの保護方法の中から1つを選択し、選択した保護方法に基づいて、前記プライマリシステムの無線局の保護を実施する制御部
を備える通信制御装置。
(2)
前記制御部は、
前記無線局が計画利用である場合、静的な保護方法の1つを選択して実施し、予定外利用である場合には、動的な保護方法の1つを選択して実施する
前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記制御部は、
前記無線局の利用位置情報に基づいて決定される当該無線局の保護対象ポイントに基づいてポイント保護を選択して実施し、
前記無線局の利用位置情報に基づいて決定される当該無線局の保護対象エリアに基づいてエリア保護を選択して実施する
前記(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記制御部は、
前記保護対象ポイント及び前記保護対象エリアが前記無線局の利用予定に含まれない場合、及び前記保護対象ポイント及び前記保護対象エリアを新たに設定する場合、前記保護対象ポイント及び前記保護対象エリアを予測する
前記(3)に記載の通信制御装置。
(5)
前記制御部は、
前記プライマリシステムの無線局である第1の無線局とは異なる第2の無線局の利用位置情報に基づいて、前記保護対象ポイント及び前記保護対象エリアを予測する
前記(4)に記載の通信制御装置。
(6)
前記制御部は、
前記第2の無線局の利用位置情報に基づいて、前記第1の無線局の信号を前記第2の無線局で受信した際の通信品質を算出し、算出した通信品質に基づいて、前記保護対象ポイント及び前記保護対象エリアを予測する
前記(5)に記載の通信制御装置。
(7)
前記制御部は、
前記第2の無線局で使用されるアンテナのアンテナ情報に基づいて、前記保護対象ポイント及び前記保護対象エリアを予測する
前記(5)に記載の通信制御装置。
(8)
前記制御部は、
前記プライマリシステムとは異なる無線システムの第3の無線局の利用位置情報に基づいて、前記保護対象ポイント及び前記保護対象エリアを予測する
前記(4)に記載の通信制御装置。
(9)
前記制御部は、
前記第3の無線局の利用位置情報に基づいて、当該第3の無線局の信号が前記プライマリシステムの無線局である第1の無線局で受信された際の通信品質を算出し、算出した通信品質に基づいて、前記第3の無線局の利用位置情報を予測し、予測した位置情報を前記保護対象ポイント又は前記保護対象エリアとして利用する
前記(8)に記載の通信制御装置。
(10)
前記制御部は、
前記第3の無線局の利用位置情報を前記プライマリシステムの無線局である第4の無線局の利用位置情報として、前記プライマリシステムの無線局である第5の無線局の信号を前記第4の無線局で受信した通信品質を算出し、算出した通信品質に基づいて、前記第5の無線局の前記保護対象ポイント及び前記保護対象ポイントを予測する
前記(9)に記載の通信制御装置。
(11)
前記制御部は、
前記第3の無線局で使用されるアンテナのアンテナ情報に基づいて、前記プライマリシステムの無線局の利用位置情報を予測する
前記(8)に記載の通信制御装置。
(12)
前記制御部は、
前記保護対象エリアを一定の基準で分割した複数のエリアを動的な保護対象エリアに決定する
前記(3)に記載の通信制御装置。
(13)
前記制御部は、
前記無線局の利用検知精度に基づいて設定されるパラメータを用いて前記保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する
前記(12)に記載の通信制御装置。
(14)
前記制御部は、
前記プライマリシステムの検知精度及び前記プライマリシステムの位置情報精度に基づいて設定されるパラメータを用いて前記保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する
前記(13)に記載の通信制御装置。
(15)
前記制御部は、
前記位置情報精度の周辺環境による変動に基づいて設定されるパラメータを用いて前記保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する
前記(14)に記載の通信制御装置。
(16)
前記制御部は、
前記プライマリシステムを検知する検知部の配置情報に基づいて設定されるパラメータを用いて前記保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する
前記(13)に記載の通信制御装置。
(17)
前記制御部は、
同一のエリアに異なるサイズの前記動的な保護対象エリアを決定する
前記(12)に記載の通信制御装置。
(18)
前記制御部は、
前記プライマリシステムとは異なる無線システムの無線局の測位機能精度に基づいて設定されるパラメータを用いて前記保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する
前記(12)に記載の通信制御装置。
(19)
前記制御部は、
前記無線局の移動エリア全体を複数の領域に分割し、分割した各領域で通信対象の無線局について設定する保護対象エリアを前記動的な保護対象エリアとして決定する
前記(12)に記載の通信制御装置。
(20)
前記制御部は、
前記無線局において利用中のアンテナの回転範囲内に一定の間隔で保護対象アンテナ方向を設定することにより、ポイント保護又はエリア保護を実施する
前記(3)に記載の通信制御装置。
(21)
前記制御部は、
アンテナが利用中に回転する水平方向の向きの範囲を一定角度で分割することにより、2次元的な前記保護対象アンテナ方向を設定する
前記(20)に記載の通信制御装置。
(22)
前記制御部は、
前記水平方向の向きの範囲、及びアンテナが利用中に回転するチルト角の範囲を一定角度で分割することにより、3次元的な前記保護対象アンテナ方向を設定する
前記(21)に記載の通信制御装置。
(23)
前記制御部は、
通信相手となる無線局の保護対象エリア又は保護対象ポイントを用いて、利用中のアンテナの回転範囲を予測する
前記(20)に記載の通信制御装置。
(24)
前記制御部は、
前記無線局から前記通信相手の無線局の保護対象エリアに対して引かれた2本の接線がなす角度を、利用中のアンテナが回転する水平方向の向きの範囲とする
前記(23)に記載の通信制御装置。
(25)
前記制御部は、
前記通信相手の無線局の保護対象エリアを、前記プライマリシステムの無線局を中心とする球に対して投影し、投影された球面上の領域を、利用中にアンテナがとり得る水平方向の向き及びチルト角の範囲とする
前記(23)に記載の通信制御装置。
(26)
前記制御部は、
前記保護対象アンテナ方向を設定する際の間隔を、自機の計算能力によって変更する
前記(20)に記載の通信制御装置。
(27)
前記制御部は、
前記無線局のアンテナがとり得るアンテナの回転範囲を一定の基準で分割した動的アンテナ回転範囲を用いて、動的なポイント保護又は動的なエリア保護を実施する
前記(3)に記載の通信制御装置。
(28)
前記制御部は、
前記動的アンテナ回転範囲の内部に複数の保護対象アンテナ方向を設定する
前記(27)に記載の通信制御装置。
(29)
前記制御部は、
利用される可能性のあるアンテナの水平方向の向きの範囲を、一定の角度で分割することにより、2次元的な前記動的アンテナ回転範囲を設定する
前記(27)に記載の通信制御装置。
(30)
前記制御部は、
前記水平方向の向きの範囲、及びアンテナが利用中に回転するチルト角の範囲を一定角度で分割することにより、3次元的な前記動的アンテナ回転範囲を設定する
前記(27)に記載の通信制御装置。
(31)
前記制御部は、
通信相手となり得る他の無線局の情報から予測した、利用される可能性のあるアンテナ回転範囲を用いて、前記動的アンテナ回転範囲を設定する
前記(27)に記載の通信制御装置。
(32)
前記制御部は、
前記無線局の利用時のアンテナ方向の検知精度に基づいて設定されたパラメータを用いて、前記動的アンテナ回転範囲を設定する
前記(27)に記載の通信制御装置。
(33)
前記制御部は、
アンテナ方向を検知する検知部によるアンテナ方向の検知精度に基づいて設定されたパラメータを用いて、前記動的アンテナ回転範囲を設定する
前記(32)に記載の通信制御装置。
(34)
前記制御部は、
利用される可能性のあるアンテナ回転範囲に異なる分割サイズの前記動的アンテナ回転範囲を2つ以上設定する
前記(27)に記載の通信制御装置。
(35)
プライマリシステムの無線局の利用形態及び利用位置情報に基づいて、動的又は静的な保護方法を含む複数のプライマリシステムの保護方法の中から1つを選択し、選択した保護方法に基づいて、前記プライマリシステムの無線局の保護を実施する
通信制御方法。
1、2 通信システム
10 無線通信装置
20 基地局装置
30 端末装置
40 通信制御装置
50 プロキシ装置
60 ファイルサーバ
21、31、41、51 無線通信部
22、32、42、52 記憶部
23、43、53 ネットワーク通信部
24、34、44、54 制御部
33 入出力部
211、311 受信処理部
211a 無線受信部
211b 多重分離部
211c 復調部
211d 復号部
212、312 送信処理部
212a 符号化部
212b 変調部
212c 多重部
212d 無線送信部
213、313 アンテナ
241、441、541 取得部
242 設定部
243 送信部
244 無線通信制御部
442 判定部
443 通知部
444 通信制御部
542 第1の送信部
543 第2の送信部

Claims (14)

  1. プライマリシステムの無線局の利用形態及び利用位置情報に基づいて、動的又は静的な保護方法を含む複数のプライマリシステムの保護方法の中から1つを選択し、選択した保護方法に基づいて、前記プライマリシステムの無線局の保護を実施する制御部を備え、
    前記制御部は、通信相手となる他の無線局の利用位置情報に基づいて決定される保護対象エリア又は前記他の無線局の利用位置情報に基づいて決定される保護対象ポイントを用いて、前記プライマリシステムの無線局の保護対象アンテナ方向を予測する
    通信制御装置。
  2. 前記制御部は、前記保護対象アンテナ方向を用いてポイント保護又はエリア保護を実施する
    請求項1に記載の通信制御装置。
  3. 前記制御部は、
    前記無線局が計画利用である場合、静的な保護方法の1つを選択して実施し、予定外利用である場合には、動的な保護方法の1つを選択して実施する
    請求項1に記載の通信制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記無線局の利用位置情報に基づいて決定される前記無線局の保護対象ポイントに基づいてポイント保護を選択して実施し、
    前記無線局の利用位置情報に基づいて決定される前記無線局の保護対象エリアに基づいてエリア保護を選択して実施する
    請求項1に記載の通信制御装置。
  5. 前記制御部は、
    前記無線局の保護対象ポイント及び前記無線局の保護対象エリアが前記無線局の利用予定に含まれない場合、及び前記無線局の保護対象ポイント及び前記無線局の保護対象エリアを新たに設定する場合、前記無線局の保護対象ポイント及び前記無線局の保護対象エリアを予測する
    請求項4に記載の通信制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記無線局の保護対象エリアを一定の基準で分割した複数のエリアを、動的な保護対象エリアに決定する
    請求項4に記載の通信制御装置。
  7. 前記制御部は、
    前記無線局の利用検知精度に基づいて設定されるパラメータを用いて前記無線局の保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する
    請求項6に記載の通信制御装置。
  8. 前記制御部は、
    前記プライマリシステムの検知精度及び前記プライマリシステムの位置情報精度に基づいて設定されるパラメータを用いて前記無線局の保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する
    請求項7に記載の通信制御装置。
  9. 前記制御部は、
    前記位置情報精度の周辺環境による変動に基づいて設定されるパラメータを用いて前記無線局の保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する
    請求項8に記載の通信制御装置。
  10. 前記制御部は、
    同一のエリアに異なるサイズの前記動的な保護対象エリアを決定する
    請求項6に記載の通信制御装置。
  11. 前記制御部は、
    前記プライマリシステムとは異なる無線システムの無線局の測位機能精度に基づいて設定されるパラメータを用いて前記無線局の保護対象エリアを複数のエリアに分割した前記動的な保護対象エリアを決定する
    請求項6に記載の通信制御装置。
  12. 前記制御部は、
    前記無線局において利用中のアンテナの回転範囲内に一定の間隔で保護対象アンテナ方向を設定することにより、ポイント保護又はエリア保護を実施する
    請求項4に記載の通信制御装置。
  13. 前記制御部は、
    前記無線局のアンテナがとり得るアンテナの回転範囲を一定の基準で分割した動的アンテナ回転範囲を用いて、動的なポイント保護又は動的なエリア保護を実施する
    請求項4に記載の通信制御装置。
  14. プライマリシステムの無線局の利用形態及び利用位置情報に基づいて、動的又は静的な保護方法を含む複数のプライマリシステムの保護方法の中から1つを選択し、選択した保護方法に基づいて、前記プライマリシステムの無線局の保護を実施し、
    通信相手となる他の無線局の利用位置情報に基づいて決定される保護対象エリア又は前記他の無線局の利用位置情報に基づいて決定される保護対象ポイントを用いて、前記プライマリシステムの無線局の保護対象アンテナ方向を予測する
    通信制御方法。
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