JP7395781B1 - 健康器具及び健康器具セット - Google Patents

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Abstract

【課題】 膝関節の間欠牽引、膝関節の曲げ伸ばし運動、大腿四頭筋トレーニング及びふくらはぎマッサージを同時に行い、これらの相乗効果で膝関節疾患の症状改善及び予防を行うと共に、使用場所の制限を受け難く、且つ安価な健康器具及び健康器具セットを提供する。【解決手段】 本発明の健康器具1は段差100の凸部角101に引っ掛けて使用する。健康器具は本体部10と、本体部の前端から下垂する係止部20とを備えており、本体部の上面が前端から後端にかけて上昇する傾斜面11から成り、本体部の下面と係止部の後面によって形成される凹部角30を凸部角に引っ掛けて使用する。本発明の健康器具は小型で安価で場所を取らず、使用場所の制限を受け難い。また、左右の足先の上下動を繰り返すことで膝関節の間欠牽引、膝関節の曲げ伸ばし運動、大腿四頭筋トレーニング及びふくらはぎマッサージを同時に行うことができる。【選択図】図2

Description

本発明は、膝関節の間欠牽引、膝関節の曲げ伸ばし運動、大腿四頭筋トレーニング及びふくらはぎマッサージを同時に行い、これらの相乗効果で膝関節疾患の症状改善及び予防を行うと共に、使用場所の制限を受け難く、且つ安価な健康器具及び健康器具セットに関する。
変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性足関節症等の運動障害に対して下肢を牽引することで一定の治療効果が認められることが知られており(非特許文献1~4)、膝関節の曲げ伸ばし運動と大腿四頭筋トレーニングの症状改善効果については非特許文献5に記載されている。
特許文献1及び2には上記運動障害を治療するための装置が開示されており、また、下肢の治療効果だけでなく、トレーニングやマッサージ効果を得ることを目的とした装置も種々開発されている。
本願発明者は大きな牽引力を得られ、牽引力の調節及び持ち運びが容易で、使用場所の制限を受けにくく、且つ安価な下肢牽引器を開発し、特許を取得した(特許文献3)。
中井保、鈴木建夫ら著 理学療法学 第19巻第5号 471~475頁(1992年) 小川大輔、竹井仁ら著 理学療法学 第39巻第2号 102~109頁(2012年) 佐藤春美著 理学療法学 第23巻 学会特別号(第31回愛知) 1996年 三谷管雄、清水正人著 理学療法学 第24巻 学会特別号(第32回埼玉) 1997年 池田浩著 順天堂医学 54巻3号 367~371頁 (2008年)
特開2008-100025号公報 実用新案登録第3134708号公報 特許第6946590号公報
しかし、上記特許文献1及び2に開示された技術では次のような問題がある。
いずれも使用者が床に座ったり或いは寝たりした状態で装置を下肢に装着するものであり、装置が大掛かりで場所を取るという問題、座ったり寝たりすることが可能な清潔な場所でしか使用できないという問題、腕で引っ張るため充分な牽引力を得るのが難しく、また使用者本人が牽引力を調節することが難しいという問題がある。
また、上記特許文献3に開示された技術は片足のみを牽引するものであり、両足同時に牽引できない、片足を固定したまま起立して使用するので転倒して怪我するおそれがある、不安定な姿勢になるので足腰が弱い方にとって使いづらい、膝関節の曲げ伸ばし運動を同時にできない、テレビの視聴や読書等の行為と同時に牽引運動をするのが難しいという問題がある。
本発明はこのような問題を考慮して、膝関節の間欠牽引、膝関節の曲げ伸ばし運動、大腿四頭筋トレーニング及びふくらはぎマッサージを同時に行い、これらの相乗効果で膝関節疾患の症状改善及び予防を行うと共に、使用場所の制限を受け難く、且つ安価な健康器具及び健康器具セットを提供することを目的とする。
本発明の健康器具は、段差の凸部角に引っ掛けて使用する健康器具であり、クッション性がない材質から成る本体部と、前記本体部の前端から下垂する係止部とを備えており、前記本体部の上面が前端から後端にかけて上昇し続けると共に前記前端及び前記後端に丸みを備える傾斜面から成り、前記本体部の下面と前記係止部の後面によって形成される凹部角を前記凸部角に引っ掛けると共に使用者の足が前方に位置するようにふくらはぎを前記傾斜面に乗せて使用するものであり、前記傾斜面の前記下面に対する角度が15°~25°の範囲であり、前記傾斜面の前後幅が5cmよりも大きく15cmよりも小さいことを特徴とする。
本発明の健康器具セットは、上記健康器具と、敷板とから成る健康器具セットであり、前記敷板が、水平方向にのびる水平板と、前記水平板の水平状態を維持するための支持構造とを備えており、前記水平板の前端に作られた段差の凸部角に前記健康器具の前記凹部角を引っ掛けて使用することを特徴とする。
また、少なくとも前記健康器具と前記水平板とが一体化されていることを特徴とする。
本発明の健康器具は段差の凸部角に引っ掛けて使用するものであり、小型で安価で場所を取らず、身近にある段差を利用して使用できる。
また、左右の足先の上下動を繰り返すことで膝関節の間欠牽引、膝関節の曲げ伸ばし運動、大腿四頭筋トレーニング及びふくらはぎマッサージを同時に行うことができる。
また、使用者が左右の足先を上下動させる範囲を調節することで膝関節に生じる牽引力を容易に調節でき、更に左右の両膝に同時に牽引力を生じさせることができる。
また、座った状態で使用できるので転倒等の怪我のおそれがなく、足腰が弱い方でも簡単に使用できる。
本発明の健康器具セットによれば椅子に座ったり、仰向けになったりした状態で使用できるので転倒等の怪我のおそれがなく、足腰が弱い方でも楽に使用できる。
また、屋外等の床面が汚れている場所でも敷板を利用することで膝関節の牽引運動を手軽に行うことができる。
また、テレビの視聴や読書や食事等の日常生活行為と同時に牽引運動を行うことができる。
健康器具の第1の実施の形態の斜視図(a)及び側面図(b) 健康器具の使用方法を示す側面図 健康器具の牽引力発生原理を示す側面図 健康器具の牽引力発生原理を示す側面図 第2の実施の形態の健康器具の斜視図 健康器具の動作を示す側面図(a)及び(b) 健康器具セットの第1の実施の形態の側面図(a)及び変形例の側面図(b) 健康器具セットの第2の実施の形態の側面図 第1の実施の形態の健康器具及び第2の実施の形態の健康器具を用いた実験結果を示す表 脛部の傾斜角と踵下端下がり量を示す写真であり、(a)は基礎実験1、(b)は基礎実験6、(c)は実施例1でバタ足有り、(d)は実施例2で脛部及び傾斜面の角度が30°の場合。
[第1の実施の形態]
本発明の健康器具1の第1の実施の形態について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の健康器具1は段差100の凸部角101に引っ掛けて使用するものであり、本体部10と係止部20を備える。相手側の段差100としては玄関の上がり框、堀こたつ、縁台、公園のベンチ、階段の踊り場等が挙げられるがこれらに限定されない。また、後述するように敷板を用いることで平坦な床、椅子、ベッド等を利用して健康器具1を使用できる。
本体部10の上面は前端から後端にかけて上昇する傾斜面11から成り、本体部10の下面は水平面12から成る。
係止部20は本体部10の前端から下垂する部材である。後述するように傾斜面11にふくらはぎを載せるので、傾斜面11の前端及び後端に丸みをつけることでふくらはぎに角当たりによる痛感が生じる事態を防止できる。
本体部10及び係止部20の材質は特に制限されず、ベニヤ等の木材、プラスチック、硬質発泡スチロール、鉄等の金属でもよい。本体部10と係止部20を一体的に製造してもよく、或いは本体部10と係止部20を別体に製造して両者をネジ止め、接着等により結合してもよい。しかしながら後に説明するハンマー効果を最大限に引き出すため、本体部10の材質はクッション性がない材質が望ましい。また本体部10の傾斜面11にふくらはぎ素肌を乗せる場合もあり、傾斜面11の表面は素肌接触感が良好な材質が望ましい。具体的には滑らかな表面仕上げ加工を施した木材などである。
本体部10の下面の水平面12と係止部20の後面によって凹部角30が形成される。
なお、健康器具1における「傾斜面11の角度」とは図1(b)に示すように係止部20の最前端から上方に伸びる垂直線上から後方側にカーブして傾斜面11が形成し出す点P1があり、本体部10の最後端から上方伸びる垂直線上から前方側にカーブして傾斜面11が形成し出す点P2があり、P1とP2を結んだ線Lが水平面12の延長線と成す角度θを指す。
また傾斜面11の前後幅とは上記P1とP2間の距離W1を指し、傾斜面11の左右幅とは本体部10の左右幅W2を指す。
健康器具1の使用方法について説明する。
図2に示すように凹部角30を段差100の凸部角101に引っ掛けて使用する。具体的には、使用者は凹部角30を凸部角101に引っ掛けた状態で段差100の上段102の水平面に座り、左右の脚のふくらはぎを傾斜面11に乗せる。ふくらはぎを乗せる位置を前後に調節することにより、左右の足の踵は段差100の下段103の水平面から浮いた状態にできる。後ほど説明するが、この踵が浮いた状態にすることにより梃の原理で膝関節牽引力が発生する。また踵を浮かせるためにはある程度以上の段差の高さhが必要となるが、後ほど実験データで説明するように高さhは20cm程度あれば問題なく、日本家屋の大概の玄関段差で使用可能であり、また、堀こたつ、縁台、階段の踊り場、公園のベンチも使用に問題がない。
図2中に矢印Aで示すように、ふくらはぎを乗せた時の荷重は健康器具1を介して段差100の凸部角101に対して後方且つ斜め下方に作用する、つまり、健康器具1の凹部角30を段差100の凸部角101に押し付ける方向に力が働くので、ネジや粘着テープ等の周知の固定手段を用いなくとも使用中に健康器具1が前後左右にずれることはない。
図3に示すように、踵が浮いた状態だとふくらはぎを傾斜面11に乗せている箇所が梃の支点となり、脛骨72が梃の棒部、足が力点、膝関節70が作用点と見做すことができる。この時、膝関節には斜め上方に大きな力Fが生じ、この力の平行四辺形ベクトル分解で大腿骨71の延長方向の膝関節70を牽引する力F1が生じる。同時に膝関節70を垂直上方に持ち上げようとする力F2が生じて膝関節70及び大腿部前側が上方に浮き、大腿部重量と力F2がバランス相殺して安定静止状態となる。大腿部下にクッション材などの構造物があるとこの構造物が大腿部重量を支えてしまい、膝関節70の上方浮き及び足先下がりがより大きくなり踵が下段103に着いてしまい梃が働かなくなる。従って大腿部下には上段102の水平面以外は何もないことが肝要である。この梃の原理で脚全体を脱力リラックスした静止状態で膝関節牽引力が生じるが、この牽引力をより大きくするため、使用者は次の運動を付加する。
図4のようにふくらはぎを傾斜面11に乗せたまま、太腿筋肉(大腿四頭筋)に力を入れて足先を上方に持ち上げて(図4のA→B位置)、その後脱力することで足先を自重により下方に落下させる(図4のB→A位置)という足先上下運動を複数回繰り返して行う。このとき患部側脚のみ運動を行うか、左右の足先を同時に上下動させて運動を行うか、或いは左右いずれか一方の足先を上方に持ち上げている間は他方の足先を動かさず、一方の足先を下方に落下させたタイミングで他方の足先を上方に持ち上げるいわゆるバタ足の動作で運動を行うか、及びこの運動の繰返し回数は使用者の自由である。
落下する足先が元の位置に至ると、ふくらはぎから足先までの重量物が自由落下後に元の静止位置で急停止することになり、これによりハンマー効果が生じ、図4の矢印で示す方向に前記の静荷重時より大きく瞬間的な膝関節70の牽引力F3が発生する。この牽引力F3により膝関節が前方に牽引される。この牽引力は足部にアンクルウエイトなどを装着することにより一層大きくできる。またこの急停止時にふくらはぎに大きく瞬間的な押し力が生じるため、ふくらはぎ筋肉がマッサージされる。
これらの足先の上下動を繰り返すことで膝関節の間欠牽引、膝関節の曲げ伸ばし運動、大腿四頭筋トレーニング及びふくらはぎマッサージを同時に行うことができる。
なお、このバタ足動作を行うと体全体を前方に移動させようとする力が働くが、使用者臀部と段差100の上段102の水平面との静止摩擦効果、及び使用者が水平面に手をついて移動を抑えようとすることにより体の前方移動は防げる。
[第2の実施の形態]
本発明の健康器具の第2の実施の形態について説明するが、上記第1の実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5及び図6(a)に示すように、本実施の形態の健康器具2は傾斜面43aが本体部40の下面と成す角度が可変である点に特徴を有する。具体的には、本体部40が本体板41、支持部42及び傾斜板43で構成される。
本体板41は水平方向にのびており、本体部40の下面を構成する部材である。
支持部42は本体板41の前後方向の中央付近から前端の間に配置されて垂直方向にのびる部材である。
傾斜板43はその下面の前後方向のほぼ中央において支持部42の上端と接触している。傾斜板43の表面が傾斜面43aに該当する。傾斜板43には上下方向にのびる貫通穴43bが左右方向に複数形成されており、支持部42には前後方向にのびる貫通穴42aが左右方向に複数形成されている。これら貫通穴43b,42aに結束バンド、針金等の紐状の部材44を通して結ぶことで、図6(b)に示すように傾斜板43は支持部42と接触している箇所を回転軸にしてその前端及び後端が上下方向に回転揺動可能、つまり傾斜面43aが本体部40の下面と成す角度が傾斜板43にかかる力に応じて自由に変わる構造になる。
この構造にすることによりふくらはぎを傾斜板43に乗せた時に、傾斜板43の前端と後端にかかる力がバランスするように傾斜板43の角度が自動で変わる(自動調節効果)。この効果で使用者の体格や膝曲げ角度の好みが変わっても、ふくらはぎに傾斜面43が片当たりすることがなく、均一に傾斜面43aが当たるためふくらはぎに角当たりによる痛感が生じる事態を防止できる。
なお、本実施形態では貫通穴42a,43bと紐状の部材44で回転可能な結合構造としたが、蝶番、球臼はめ合せなどの周知の結合構造を用いても良い。
また、図5に示すように、傾斜面43aの前後幅は傾斜板43の前後幅W1を指し、傾斜面43aの左右幅は傾斜板43の左右幅W2を指す。
ここでこの第2の実施の形態の肝要点は、図6(b)に示す回転軸Rと傾斜面43aとの距離Dが傾斜面43aの前後幅W1に比べ十分に小さいことである。距離Dが前後幅W1と同等かそれ以上であった場合は本構造の目的である上記自動調節効果が働かなくなる。また同肝要点は回転軸Rが上段102を含む平面よりも上側でかつ係止部20の前面を含む平面よりも後側の領域Z1内に配置されることである。回転軸Rが領域Z1以外の領域Z2に配置された場合は使用中に健康器具が凸部角101から脱落してしまう不具合が生じ、領域Z3に配置された場合は使用者脚部と上段102、本体板41もしくは係止部20との接触が発生するなどの不具合が生じ使用不能となる。
[第1の実施の形態]
本発明の健康器具セットの第1の実施の形態について説明する。
図7(a)に示すように、健康器具セット3は上記健康器具1と敷板50で構成されており、使用者は健康器具1をベッドや床の上に仰向けになった状態で使用できる。
敷板50は水平方向にのびる水平板51と、水平板の前端から前方にかけて上昇する傾斜板52を備える。
水平板51の前端と傾斜板52の後端とは貫通穴に通した結束バンド、針金等の紐状の部材53や蝶番等の周知の連結部材により連結されている。
傾斜板52の傾斜状態を維持するために、傾斜板52の前端から下方にのびる支持板54を備える。支持板54を傾斜板52の前端に取り付けることで、足先を上下動させた際に傾斜板52の前端に撓みが生じることを防止でき、ハンマー効果を最大限に発揮させることができる。支持板54は傾斜板52の前端を嵩上げして固定できればよく、棒状、パイプ状もしくはブロック状の構造体でも代替できる。
傾斜板52の前端には段差100が生じており、使用者はこの段差100の凸部角101に健康器具1の凹部角30を引っ掛けて、水平板51の上に仰向けになった状態で左右の脚のふくらはぎを傾斜面11に乗せる。ふくらはぎを乗せる位置を前後に調節することにより、左右の足の踵を床面から浮いた状態にできる。
この状態でふくらはぎを乗せた時の荷重は健康器具1を介して段差100の凸部角101に対して後方且つ斜め下方に作用し、健康器具1の凹部角30を段差100の凸部角101に押し付ける方向に力が働くので、ネジや粘着テープ等の周知の固定手段を用いなくとも使用中に健康器具1が前後左右にずれることはない。
前述の通り使用者が足先を上下動させると梃の原理とハンマー効果が生じて膝関節の間欠牽引、膝関節の曲げ伸ばし運動、大腿四頭筋トレーニング及びふくらはぎマッサージを同時に行うことができる。
使用者の上体は水平板51の上にあり、水平板51の前端と傾斜板52の後端は突き当てとなっているため、足先を上下動させても健康器具1が牽引力で傾斜板52とともに後方にずれていくことはない。
なお、上記第2の実施の形態で示した傾斜面43aの角度が可変の健康器具2を用いてもよい。
また図7(b)のように水平板51の後端にベルト55を設け、このベルト55を使用者の顎に引っ掛けて使用者の頭蓋骨を水平板51に固定してもよい。この場合、膝牽引力が股関節→腰椎→脊椎→頚椎と伝わり体全体の骨格を牽引することができる。この全身牽引により、市販されているぶら下がり器具、逆さ吊り器具などと同様の健康効果が得られる。
本実施の形態では健康器具1と敷板50とが別体で構成されているものとしたが、健康器具セット3での使用のみを想定した場合に持運び及び収納時に健康器具1が脱落するのを防止するため、健康器具1と傾斜板52とを一体化してもよく、更に健康器具1と傾斜板52と水平板51を一体化してもよい。一体化は面ファスナーや磁石やねじ止めなどの周知の固定方法を用いたり、或いは一体形成してもよい。
[第2の実施の形態]
本発明の健康器具セットの第2の実施の形態について説明するが、上記第1の実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、本実施の形態の健康器具セット4は上記健康器具1と敷板60で構成されており、使用者は健康器具1を椅子やベッドに座った状態で使用できる。
敷板60は水平方向にのびる水平板61と、水平板61の水平状態を維持するための支持構造62を備える。敷板60を折り畳み椅子80の座面104やベッドのマットレスの上に乗せて使用する。
支持構造62は水平板61の前端から下方にのびる部材であり、その高さは可変である。支持構造62は第1板体62aと第2板体62bからなり、各板体62a,62bには上下方向に複数のボルト穴が形成されている。第1板体62aと第2板体62bとを部分的に重ねた状態で第1板体62aのボルト穴と第2板体62bのボルト穴にボルト63を通すことで支持構造62の高さを最適な状態、つまり水平板61を水平状態で維持できる高さで固定している。このようにすることで座面104の高さが異なる複数の椅子に対応できる。また支持構造62の高さをベッド就寝面に合わせることにより、健康器具1をベッドでも使用できる。
支持構造62を水平板61の前端に取り付けることで、足を上下動させた際に水平板61の前端に撓みが生じることを防止でき、ハンマー効果を最大限に発揮させることができる。
水平板61の前端には段差100が生じており、使用者はこの段差100の凸部角101に健康器具1の凹部角30を引っ掛けて、椅子等に座った状態で左右の脚のふくらはぎを傾斜面11に乗せる。左右の足先は床面から浮いた状態になる。
この状態でふくらはぎを乗せた時の荷重は健康器具1を介して段差100の凸部角101に対して後方且つ斜め下方に作用し、健康器具1の凹部角30を段差100の凸部角101に押し付ける方向に力が働くので、ネジや粘着テープ等の周知の固定手段を用いなくとも使用中に健康器具1が前後左右にずれることはない。
前述の通り使用者が足先を上下動させると梃の原理とハンマー効果が生じて膝関節70の間欠牽引、膝関節70の曲げ伸ばし運動、大腿四頭筋トレーニング及びふくらはぎマッサージを同時に行うことができる。
使用者の上体は水平板61の上にあり、足先を上下動させて牽引力が掛かると体全体を前方に移動させようとする力が働くが、使用者臀部と水平板61との静止摩擦効果、及び使用者が水平板61に手をついて移動を抑えようとすることにより体の前方移動は防げる。更に支持構造62の高さ調節で水平板61の前端が同後端より若干上がるように傾斜を付けると体重で体全体が後方に移動させようとする力が生じ、この傾斜による力と牽引力とがバランス相殺し体全体の前側移動を防げる。
この実施の形態では使用者はリラックスして椅子もしくはベッドに座っている状態とほとんど変わらず、テレビの視聴、読書、食事等の日常生活行為と同時に牽引運動をすることが可能となる。
なお、上記第2の実施の形態で示した傾斜面43aの角度が可変の健康器具2を用いてもよい。
本実施の形態では健康器具1と敷板60とが別体で構成されているものとしたが、健康器具セット4での使用のみを想定した場合に持運び及び収納時に健康器具1が脱落するのを防止するため、健康器具1と水平板61とを一体化してもよく、更に健康器具1と水平板61と支持構造62を一体化してもよい。一体化は面ファスナーや磁石やねじ止めなどの周知の固定方法を用いたり、或いは一体形成してもよい。
図9及び図10に前記第1の実施の形態の健康器具1及び第2の実施の形態の健康器具2を用いた実験結果を示す。
健康器具を試作する前に基礎実験として、段差の上段の水平面に座り、水平を0°基準とした脛部の前下がり傾斜角と踵の下端の下がり量を測定した。踵の下端の下がり量とは、段差の上段の水平面を足先まで延長した基準面と踵の下端との垂直距離を示す値である(図10参照)。踵の下端の下がり量が段差の高さhよりも大きくなると、踵が下段の水平面に接触してしまうため健康器具は使用不能になる。日本家屋の平均的な玄関框の段差20cmを想定し、踵の下端の下がり量が20cm未満となることを必須とした。(堀こたつ、縁台、階段の踊り場、公園のベンチの段差は通常20cm以上あり問題なし)
図9の表に示すように基礎実験1~6として段差の凸部角に仮置きのクッション材を当て上段の水平面に座り、ふくらはぎの位置を変えて脛部の傾斜角を15°~50°まで変化させたところ、基礎実験1~3(脛部傾斜角15°~25°)では踵下端下がり量が20cmよりも小さく、またバタ足を行った場合には十分な膝関節牽引力を得られると体感で判断した。一方、基礎実験4~6(脛部傾斜角30°~50°)では踵下端下がり量が20cmよりも大きくなったため×の判定となり、また、脛部の傾斜角が大きくなることで足先重量を効果的に利用できなくなり膝関節牽引力の体感評価も悪くなった。
また非特許文献1の472頁の表の中の可動域欄に記載があるように、変形性膝関節症が重症になるに従い膝関節が曲がらなくなり、この重症状態(膝曲げ可能角度35°未満)でも健康器具を使用できることが必要であり、上記基礎実験1~3はこの必要条件に合致する。
基礎実験の結果を踏まえて、実施例1として傾斜面の角度を20°にした第1の実施の形態の健康器具1を試作し、実施例2として傾斜面の角度が可変の第2の実施の形態の健康器具2を試作した。いずれも傾斜面の前後幅W1は10cm、左右幅W2は40cmである。
実施例1で脛部の傾斜角を20°に合わせた場合、バタ足を開始する前の踵下端下がり量は13cmでふくらはぎ部の痛感は良好であった。実施例1でバタ足を開始した場合の最大の踵下端下がり量は14cm、効果的な膝関節牽引力を得られ、ふくらはぎ部の痛感は良好であった。この結果より静止状態からバタ足付加による踵下端下がり量の増加分は1cm程度と小さい。
実施例2で脛部の傾斜角を約15°に合わせた場合、バタ足を開始した場合の最大の踵下端下がり量は11cm、効果的な膝関節牽引力を得られ、ふくらはぎ部の痛感は良好であった。
実施例2で脛部の傾斜角を約30°に合わせた場合、バタ足を開始した場合の最大の踵下端下がり量は16cm、効果的な膝関節牽引力を得られ、ふくらはぎ部の痛感は良好であった。
[考察]
基礎実験1~3及び実施例1の結果から、第1の実施の形態の健康器具1では好ましい傾斜面の角度θは15°~25°の範囲である。
実施例2の結果から、実施例2では脛部の傾斜角と健康器具の傾斜面の角度が自動的に一致するため、実施例2では実施例1より広い範囲の脛部の傾斜角範囲で良好な結果が得られた。
更に、図9の表には示していないが、傾斜面の前後幅W1を5cm程度に細くするとふくらはぎ部に痛感が発生し、15cm程度に広くすると傾斜面の後端が膝裏に当たり最適なふくらはぎ置き位置(脛部の傾斜角20°となる位置)が取れなくなる。したがって、傾斜面の前後幅W1の最適値は10cm前後である。
傾斜面の左右幅W2は両脚が無理なく乗せられる腰幅程度がよく、具体的には傾斜面の左右幅W2の最適値は40cm前後である。
上記の実施例1及び2は膝がほとんど曲がらない変形性膝関節症の重症患者でも使用可能である。
本健康器具及び健康器具セットの安全性について言及すると、座位もしくは仰臥位で使用しまた身体固定をしないことから転倒による怪我の危険性はない。また図3及び図4で示すように脛骨72に曲げ力が加わるが、この力は中腰姿勢で膝を曲げて立っている時にも同じ場所に同じ方向で加わり、この力の大きさは全体重が掛かる中腰姿勢の方が大きい。このことから本器具使用時に脛骨72が骨折する危険性はなく、試作品使用時の体感からも骨折危険性は感じられなかった。また前述のようにバタ足付加による踵下端下がり量の増加分は1cm程度と小さく、静止状態で踵が浮いていればバタ足により踵を下段103の水平面にぶつけて怪我をする危険性はない。
本発明は、膝関節の間欠牽引、膝関節の曲げ伸ばし運動、大腿四頭筋トレーニング及びふくらはぎマッサージを同時に行い、これらの相乗効果で膝関節疾患の症状改善及び予防を行うと共に、使用場所の制限を受け難く、且つ安価な健康器具及び健康器具セットであり、産業上の利用可能性を有する。
1 健康器具
2 健康器具
3 健康器具セット
4 健康器具セット
10 本体部
11 傾斜面
12 水平面
20 係止部
30 凹部角
40 本体部
41 本体板
42 支持部
42a 貫通穴
43 傾斜板
43a 傾斜面
43b 貫通穴
44 紐状の部材
50 敷板
51 水平板
52 傾斜板
53 紐状の部材
54 支持板
55 ベルト
60 敷板
61 水平板
62 支持構造
62a 第1板体
62b 第2板体
63 ボルト
70 膝関節
71 大腿骨
72 脛骨
80 折り畳み椅子
100 段差
101 凸部角
102 上段
103 下段
104 座面

Claims (3)

  1. 段差の凸部角に引っ掛けて使用する健康器具であり、
    クッション性がない材質から成る本体部と、前記本体部の前端から下垂する係止部とを備えており、
    前記本体部の上面が前端から後端にかけて上昇し続けると共に前記前端及び前記後端に丸みを備える傾斜面から成り、
    前記本体部の下面と前記係止部の後面によって形成される凹部角を前記凸部角に引っ掛けると共に使用者の足が前方に位置するようにふくらはぎを前記傾斜面に乗せて使用するものであり、
    前記傾斜面の前記下面に対する角度が15°~25°の範囲であり、前記傾斜面の前後幅が5cmよりも大きく15cmよりも小さいことを特徴とする健康器具。
  2. 請求項1に記載の健康器具と、敷板とから成る健康器具セットであり、
    前記敷板が、水平方向にのびる水平板と、前記水平板の水平状態を維持するための支持構造とを備えており、
    前記水平板の前端に作られた段差の凸部角に前記健康器具の前記凹部角を引っ掛けて使用することを特徴とする健康器具セット。
  3. 少なくとも前記健康器具と前記水平板とが一体化されていることを特徴とする請求項2に記載の健康器具セット。
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