JP7390423B2 - 細胞評価方法および細胞評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞における特定部位の分布を評価する方法および装置に関するものである。
例えば細胞等の透明な観察対象物は通常の顕微鏡により観察することが困難であることから、一般に観察対象物の位相画像または屈折率分布画像を取得することができる観察装置が用いられる。このような観察装置には幾つかの実現方法が知られている。
従来技術の一つは、2光束の分岐および合波を行うマイケルソン干渉計またはマッハツェンダ干渉計を用い、2光束のうちの一方の光路上に観察対象物を配置する。そして、光路上のミラー等を移動させることで2光束の間の光路長差(位相差)を各値に順次に設定して、観察対象物の複数の干渉画像を取得し、これら複数の干渉画像に基づいて観察対象物の位相画像を作成することができる。
非特許文献1に記載された技術は、微分干渉顕微鏡に1/4波長板および偏光カメラを組み合わせた構成を用いる。そして、偏光カメラにより取得された複数の偏光成分それぞれについての干渉画像に基づいて、観察対象物の位相画像を作成することができる。
観察対象物の厚さをdとし、光の波長をλとし、屈折率をnとすると、位相φは、φ=2π・n・d/λ なる関係式で表される。したがって、厚さdおよび波長λが既知であれば、位相画像から屈折率分布画像を作成することができる。
非特許文献2に記載された光回折トモグラフィ(Optical Diffraction Tomography: ODT)技術は、2光束の分岐および合波を行うマッハツェンダ干渉計を用い、2光束のうちの一方の光路上に観察対象物を配置する。そして、観察対象物への光入射方向を様々に設定して、観察対象物の複数の干渉画像を取得し、これら複数の干渉画像に基づいて観察対象物の屈折率分布画像を作成することができる。
特許文献1には、位相画像に基づいて幹細胞を評価する発明が開示されている。この文献に開示された発明は、幹細胞の位相画像において細胞核の部分の位相と細胞質の部分の位相とを比較して、その比較結果に基づいて幹細胞の品質の良否を評価する。
特許第5745919号公報
Yasuhiko O, Takeuchi K, Yamada H,Ueda Y. Single-shot quantitative phase imaging as an extension of differentialinterference contrast microscopy. Genes Cells. 2021. Yasuhiko O, Takeuchi K, Yamada H,Ueda Y. Multiple-scattering suppressive refractive index tomography for thelabel-free quantitative assessment of multicellular spheroids. Biomed OptExpress. 2022. Fu et al. Quantitative dispersionmicroscopy. Biomed Opt Express. 2010. Sai et al. Designing refractiveindex fluids using the Kramers-Kronig relations. Faraday Discuss. 2020.
細胞の種類が既知である場合には、上記の従来技術により取得される細胞の位相画像または屈折率分布画像に基づいて、細胞を評価(例えば品質の良否を評価)することができる。しかし、細胞の種類が未知である場合には、上記の従来技術により取得される細胞の位相画像および屈折率分布画像は、細胞の如何なる情報を表しているのか明確でない場合があり、これらの画像に基づいて細胞を評価することは困難である。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、未知の細胞であっても該細胞を容易に評価することができる方法および装置を提供することを目的とする。
本発明の細胞評価方法は、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる標識物質で細胞の特定部位を標識する標識ステップと、標識ステップで特定部位が標識された細胞の屈折率分布を第1波長および第2波長それぞれにおいて取得する屈折率分布取得ステップと、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで細胞における特定部位の分布を評価する解析ステップと、を備える。
標識ステップにおいて、第1波長および第2波長のうちの長波長における屈折率が短波長における屈折率より高い標識物質で細胞の特定部位を標識してもよいし、第1波長および第2波長のうちの長波長における屈折率が短波長における屈折率より低い標識物質で細胞の特定部位を標識してもよい。
標識ステップにおいて、特定波長において吸収ピークを有する光吸収性標識物質で細胞の特定部位を標識するのが好適であり、この場合、屈折率分布取得ステップにおいて、標識ステップで特定部位が標識された細胞の屈折率分布を、特定波長に対して短波長側または長波長側にある第1波長および第2波長それぞれにおいて取得するのが好適である。また、標識ステップにおいて、特定波長において吸収ピークを有する光吸収性標識物質で細胞の特定部位を標識し、屈折率分布取得ステップにおいて、標識ステップで特定部位が標識された細胞の屈折率分布を、第1波長および第2波長のうちいずれか一方を特定波長に対して短波長側とし、他方を特定波長に対して長波長側として、第1波長および第2波長のそれぞれにおいて取得するのが好適である。さらに、標識ステップにおいて、色素タンパク質を指令するDNA配列が任意タンパク質を指令するDNA配列のN端末またはC端末に接続された細胞内発現用コンストラクトを細胞に導入して、この細胞内発現用コンストラクトを標識物質として用いて特定部位を標識するのも好適である。
解析ステップにおいて、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率分布の比または差に基づいて細胞における特定部位の分布を評価するのが好適である。また、解析ステップにおいて、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率分布の比較の結果を細胞の強度画像または蛍光画像に重ねることで、細胞の特定部位に関する解析を行うのが好適である。
標識ステップにおいて、第3波長および第4波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる他の標識物質で細胞の他の特定部位を標識し、屈折率分布取得ステップにおいて、標識ステップで標識された細胞の屈折率分布を第3波長および第4波長それぞれにおいて取得し、解析ステップにおいて、第3波長および第4波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで細胞における他の特定部位の分布を評価するのが好適である。この場合、第1波長または第2波長は、第3波長または第4波長と等しくてもよい。
本発明の細胞評価装置は、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる標識物質で特定部位が標識された細胞の屈折率分布を第1波長および第2波長それぞれにおいて取得する屈折率分布取得部と、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで細胞における特定部位の分布を評価する解析部と、を備える。
本発明のプログラムは、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる標識物質で特定部位が標識された細胞の屈折率分布を第1波長および第2波長それぞれにおいて取得する屈折率分布取得ステップと、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで細胞における特定部位の分布を評価する解析ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、未知の細胞であっても該細胞を容易に評価することができる。
図1は、細胞評価方法のフローチャートである。 図2は、細胞評価装置1の構成を示す図である。 図3は、細胞評価装置2Aの構成を示す図である。 図4は、細胞評価装置2Bの構成を示す図である。 図5は、光吸収性標識物質の吸光スペクトルおよび屈折率スペクトルを模式的に示す図である。図5(a)は吸光スペクトルを示す。図5(b)は屈折率スペクトルを示す。 図6(a),(b)は、光吸収性標識物質の屈折率スペクトルを模式的に示す図である。 図7は、特定部位としての細胞核が光吸収性標識物質で標識された細胞の屈折率分布を模式的に説明する図である。図7(a)は第1波長λ1での細胞の屈折率分布を示す。図7(b)は第2波長λ2での細胞の屈折率分布を示す。 図8は、解析ステップS3における第1解析例を説明する図である。図8(a)は、屈折率分布画像を模式的に示す図である。図8(b)は、屈折率変動画像を模式的に示す図である。図8(c)は、屈折率分布画像(図8(a))と屈折率変動画像(図8(b))とを重ねた図である。 図9は、解析ステップS3における第2解析例を説明する図である。図9(a)は、細胞核を標識物質で標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図9(b)は、細胞全体を標識物質で標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図9(c)は、屈折率変動画像(図9(a))と屈折率変動画像(図9(b))とを重ねた図である。 図10は、解析ステップS3における第3解析例を説明する図であり、一定時間間隔で取得された複数の屈折率変動画像を模式的に示す図である。 図11は、解析ステップS3における第3解析例を説明する図であり、一定時間間隔で取得された複数の屈折率変動画像(図10)を重ねた図である。 図12は、解析ステップS3における第3解析例を説明する図であり、一定時間間隔で取得された複数の屈折率変動画像(図10)と屈折率分布画像とを重ねた図である。 図13は、解析ステップS3における第4解析例を説明する図である。図13(a)は、細胞全体の蛍光画像または強度画像を模式的に示す図である。図13(b)は、細胞核を標識物質で標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図13(c)は、細胞全体の蛍光画像または強度画像(図13(a))と屈折率変動画像(図13(b))とを重ねた図である。 図14は、解析ステップS3における第5解析例を説明する図である。図14(a)は、細胞核の蛍光画像または強度画像を模式的に示す図である。図14(b)は、標識対象が未知である標識物質を用いて標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図14(c)は、細胞核の蛍光画像または強度画像(図14(a))と屈折率変動画像(図14(b))とを重ねた図である。 図15は、解析ステップS3における第6解析例を説明する図である。図15(a)は、特定の小胞を標識物質αで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図15(b)は、他の特定の小胞を標識物質βで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図15(c)は、屈折率分布画像を模式的に示す図である。図15(d)は、屈折率変動画像(図15(a))と屈折率変動画像(図15(b))と屈折率分布画像(図15(c))とを重ねた図である。 図16は、細胞塊を模式的に示す図である。 図17は、解析ステップS3における第7解析例を説明する図である。図17(a)は、細胞塊を構成する各細胞の特定部位を標識物質αで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図17(b)は、屈折率分布画像を模式的に示す図である。図17(c)は、屈折率変動画像(図17(a))と屈折率分布画像(図17(b))とを重ねた図である。 図18は、解析ステップS3における第8解析例を説明する図である。図18(a)は、細胞塊を構成する各細胞の特定部位を標識物質αで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図18(b)は、細胞塊を構成する各細胞の他の特定部位を他の標識物質βで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図18(c)は、屈折率分布画像を模式的に示す図である。図18(c)は、屈折率変動画像(図18(a))と屈折率変動画像(図18(b))と屈折率分布画像(図18(cb))とを重ねた図である。 図19は、各実施例において用いた光吸収性標識物質、中心波長および細胞を纏めた表である。 図20は、0.002%ブリリアントクレシルブルー溶液の測定された吸光スペクトルおよび推定された屈折率スペクトルを示すグラフである。 図21は、0.003%ニューメチレンブルー溶液の測定された吸光スペクトルおよび推定された屈折率スペクトルを示すグラフである。 図22は、0.066%中性赤溶液の測定された吸光スペクトルおよび推定された屈折率スペクトルを示すグラフである。 図23は、0.004%ヤヌスグリーンB溶液の測定された吸光スペクトルおよび推定された屈折率スペクトルを示すグラフである。 図24は、実施例1Aの各画像である。図24(a)は、中心波長433nmでの位相画像である。図24(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。 図25は、実施例1Aの各画像である。図25(a)は、中心波長433nmでの屈折率分布画像である。図25(b)は、中心波長694nmでの屈折率分布画像である。 図26は、実施例1Aの各画像である。図26(a)は、図25(a)中の破線矩形で示した範囲を拡大して示す図である。図26(b)は、図25(b)中の破線矩形で示した範囲を拡大して示す図である。 図27は、実施例1Aの各画像である。図27(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図27(b)は、屈折率変動画像である。 図28は、実施例1Bの各画像である。図28(a)は、中心波長433nmでの位相画像である。図28(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。 図29は、実施例1Bの各画像である。図29(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図29(b)は、屈折率変動画像である。 図30は、実施例2Aの各画像である。図30(a)は、中心波長530nmでの位相画像である。図30(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。 図31は、実施例2Aの各画像である。図31(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図31(b)は、屈折率変動画像である。 図32は、実施例2Bの各画像である。図32(a)は、中心波長530nmでの位相画像である。図32(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。 図33は、実施例2Bの各画像である。図33(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図33(b)は、屈折率変動画像である。 図34は、実施例3の各画像である。図34(a)は、中心波長433nmでの位相画像である。図34(b)は、中心波長620nmでの位相画像である。 図35は、実施例3の各画像である。図35(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図35(b)は、屈折率変動画像である。 図36は、比較例3の各画像である。図36(a)は、中心波長433nmでの位相画像である。図36(b)は、中心波長620nmでの位相画像である。 図37は、比較例3の各画像である。図37(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図37(b)は、屈折率変動画像である。 図38は、実施例4の各画像である。図38(a)は、中心波長530nmでの位相画像である。図38(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。 図39は、実施例4の各画像である。図39(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図39(b)は、屈折率変動画像である。 図40は、比較例4の各画像である。図40(a)は、中心波長530nmでの位相画像である。図40(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。 図41は、比較例4の各画像である。図41(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図41(b)は、屈折率変動画像である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、細胞評価方法のフローチャートである。細胞評価方法は、標識ステップS1、屈折率分布取得ステップS2および解析ステップS3を備える。標識ステップS1では、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる標識物質で、評価対象である細胞の特定部位を標識する。屈折率分布取得ステップS2では、標識ステップS1で特定部位が標識された細胞の屈折率分布を、第1波長および第2波長それぞれにおいて取得する。解析ステップS3では、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで、細胞における特定部位の分布を評価する。
この細胞評価方法における屈折率分布取得ステップS2および解析ステップS3の各処理を実施することができる細胞評価装置は、例えば非特許文献1または非特許文献2に記載された技術を採用することで構成され得る。
図2は、細胞評価装置1の構成を示す図である。細胞評価装置1は、屈折率分布取得部10および解析部40を備える。屈折率分布取得部10は、屈折率分布取得ステップS2の処理を行うものであり、非特許文献1に記載された技術に基づくものである。解析部40は、解析ステップS3の処理を行うものである。
屈折率分布取得部10は、光源11、レンズ12、偏光子13、第1プリズム14、コンデンサレンズ15、対物レンズ21、第2プリズム22、レンズ24、ミラー27、光学モジュール30および演算部39を備える。光学モジュール30は、レンズ31、1/4波長板33、レンズ34、偏光カメラ35およびミラー36~38を含む。屈折率分布取得部10のうち光学モジュール30および演算部39を除く構成は、微分干渉顕微鏡の構成と同様の構成とすることができる。すなわち、微分干渉顕微鏡のカメラポートに光学モジュール30を装着するとともに、演算部39を設けることにより、屈折率分布取得部10を構成することができる。
光源11から出力された光を評価対象物Sに集光照射する照射光学系の光路上に、順に、レンズ12、偏光子13、第1プリズム14およびコンデンサレンズ15が設けられている。また、照射光学系による評価対象物Sへの光の照射に応じて評価対象物Sで生じた光を入力して偏光カメラ35の撮像面上に結像する結像光学系の光路上に、順に、対物レンズ21、第2プリズム22、レンズ24、レンズ31、1/4波長板33およびレンズ34が設けられている。
光源11は、空間的にインコヒーレントな光を出力する。光源11から出力される光は、時間的にコヒーレントであってもよいし、時間的にインコヒーレントであってもよい。光源11から出力される光は、直線偏光であってもよいし、無偏光であってもよい。光源11は、例えばハロゲンランプ、発光ダイオードまたはレーザダイオードを含み、さらに、その後段に拡散板を含むのも好適である。
光源11は、互いに異なる中心波長を有する光を出力することができる。例えば、出力波長が互いに異なる複数のレーザダイオードのうちから使用するレーザダイオードを選択する構成とすることで、出力光の波長を可変としてもよい。また、広帯域の光を出力する発光ダイオードと、透過帯域が互いに異なる複数のフィルタとを用いて、使用するフィルタを切り替えることで、出力光の波長を可変としてもよい。
レンズ12は、光源11と光学的に接続されている。レンズ12は、光源11から出力された光をコリメートして偏光子13へ出力する。
偏光子13は、レンズ12と光学的に接続されている。偏光子13は、レンズ12によりコリメートされて出力された光を入力し、その偏光子13の光学軸の方位に応じた偏光面(振動面)を有する直線偏光の光を第1プリズム14へ出力する。
第1プリズム14は、偏光子13と光学的に接続されている。第1プリズム14は、偏光子13から出力された直線偏光の光を入力し、互いに直交する二つの直線偏光の光を互いに異なる方向へ出力する。第1プリズム14から出力される互いに直交する二つの直線偏光の光それぞれの偏光面は、偏光子13から第1プリズム14に入力される直線偏光の光の偏光面に対して45°だけ傾いている。
コンデンサレンズ15は、第1プリズム14と光学的に接続されている。コンデンサレンズ15は、第1プリズム14から出力される互いに直交する二つの直線偏光の光を評価対象物Sに集光照射する。第1プリズム14から出力された互いに直交する二つの直線偏光の光は、第1プリズム14から出力された後に互いに異なる方向へ進むので、コンデンサレンズ15による評価対象物S上の集光位置は僅かに異なる。
対物レンズ21は、照射光学系による評価対象物Sへの光の照射に応じて評価対象物Sから出力された互いに直交する二つの直線偏光の光を入力し、これらの光をコリメートして第2プリズム22へ出力する。
第2プリズム22は、対物レンズ21と光学的に接続されている。第2プリズム22は、対物レンズ21によりコリメートされて出力された互いに直交する二つの直線偏光の光を入力し、第1プリズム14でずらした光路におけるこれらの光を合波してレンズ24へ出力する。
第1プリズム14および第2プリズム22は、通常の微分干渉顕微鏡において用いられるウォラストンプリズム(Wollaston prism)であってもよいし、ノマルスキープリズム(Nomarski prism)であってもよい。
第2プリズム22と偏光カメラ35との間の光路上にあるレンズ24、31,34は、第2プリズム22から出力された光を入力し、偏光カメラ35の撮像面上に結像する。レンズ24は、第2プリズム22から出力された光を入力し、この光を収斂させる。レンズ31は、レンズ24から出力されミラー27で反射された光を入力し、この光をコリメートする。レンズ34は、レンズ31から出力されミラー36,37で反射された光を入力し、この光を収斂させる。レンズ31およびレンズ34はリレー光学系を構成している。
レンズ31とレンズ34との間の光路上に設けられている1/4波長板33は、第2プリズム22から出力されレンズ24,31を経てコリメートされた光を入力し、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を出力する。
偏光カメラ35は、レンズ34と光学的に接続されている。偏光カメラ35は、結像光学系により像が形成される位置に配置された撮像面を有する。偏光カメラ35は、1/4波長板33により互いに異なる回転方向の円偏光とされた二つの光を入力し、3以上の偏光成分それぞれについて撮像面上の干渉画像を取得する。偏光カメラ35として、例えば、ソニー株式会社により商品化されているイメージセンサ(Polarsens(登録商標))や、Teledyne DALSA社により商品化されているイメージセンサ(Area Scan Polarization Sensor)やイメージセンサ(Line ScanPolarization Sensor)が用いられ得る。
演算部39は、偏光カメラ35と電気的に接続されている。演算部39は、偏光カメラ35により取得された3以上の偏光成分それぞれについての干渉画像に基づいて評価対象物Sの複素振幅画像(振幅画像および位相画像)を作成する。解析部40は、演算部39により取得された位相画像に基づいて、評価対象物Sを評価する。
演算部39および解析部40は、プログラムに従って屈折率分布取得ステップS2および解析ステップS3の各計算処理を実行するものであり、例えばコンピュータである。両者は一体のものであってもよい。演算部39および解析部40は、様々な演算処理を行うCPUを含む処理部と、データやプログラムを記憶するハードディスクドライブ、RAMおよびROM等を含む記憶部と、処理結果等を表示する液晶ディスプレイを含む表示部と、干渉画像の取得および画像の表示の際の諸条件の入力を受け付けるキーボードおよびマウス等を含む入力部とを備える。演算部39および解析部40は、タッチパネル等を入力部として備えるタブレット端末等のスマートデバイスによって構成されてもよい。また、演算部39および解析部40の演算部や記憶部は、FPGA(field-programmable gate array)やマイコンによって構成されていてもよい。
図3は、細胞評価装置2Aの構成を示す図である。細胞評価装置2Aは、屈折率分布取得部50Aおよび解析部90を備える。屈折率分布取得部50Aは、屈折率分布取得ステップS2の処理を行うものであり、非特許文献2に記載された技術に基づくものである。解析部90は、解析ステップS3の処理を行うものである。
屈折率分布取得部50Aは、レーザ光源51,52、ミラー55、ダイクロイックミラー56、ビームスプリッタ57、レンズ61,62、光ファイバ63,64、レンズ71、ミラー72、レンズ73、コンデンサレンズ74、対物レンズ75、ビームスプリッタ81、レンズ82、カメラ83Aおよび演算部84を備える。
レーザ光源51,52は、互いに異なる中心波長のレーザ光を出力する。ミラー55は、レーザ光源51と光学的に接続されている。ミラー55は、レーザ光源51から出力されたレーザ光をダイクロイックミラー56へ反射させる。ダイクロイックミラー56は、レーザ光源52およびミラー55と光学的に接続されている。ダイクロイックミラー56は、レーザ光源52から出力されたレーザ光を入力するとともに、ミラーから到達したレーザ光を入力して、これらの入力したレーザ光を合波してビームスプリッタ57へ出力する。
ビームスプリッタ57は、ダイクロイックミラー56と光学的に接続されている。ビームスプリッタ57は、ダイクロイックミラー56から到達した光を入力して2分岐し、一方の分岐光をレンズ61へ出力し、他方の分岐光をレンズ62へ出力する。
レンズ61は、ビームスプリッタ57と光学的に接続されている。レンズ61は、ビームスプリッタ57から到達した一方の分岐光を入力して、その光を光ファイバ63の光入射端63aに集光して、その光を光入射端63aに入射させる。光ファイバ63は、光入射端63aに入射した光を導光し、光出射端63bから発散光として出射する。
レンズ62は、ビームスプリッタ57と光学的に接続されている。レンズ62は、ビームスプリッタ57から到達した他方の分岐光を入力して、その光を光ファイバ64の光入射端64aに集光して、その光を光入射端64aに入射させる。光ファイバ64は、光入射端64aに入射した光を導光し、光出射端64bから発散光として出射する。
レンズ71は、光ファイバ63の光出射端63bと光学的に接続されており、光出射端63bから発散光として出力された光をコリメートする。ミラー72は、レンズ71と光学的に接続されており、レンズ71から到達した光をレンズ73へ反射させる。ミラー72の反射面の方位は可変である。レンズ73は、ミラー72と光学的に接続されている。コンデンサレンズ74は、レンズ73と光学的に接続されている。レンズ73およびコンデンサレンズ74は、好適には4f光学系を構成している。レンズ73およびコンデンサレンズ74は、ミラー72の反射面の方位に応じた光照射方向から評価対象物Sに対して光を照射する。
対物レンズ75は、コンデンサレンズ74と光学的に接続されている。対物レンズ75とコンデンサレンズ74との間に評価対象物Sが配置される。対物レンズ75は、コンデンサレンズ74から出力されて評価対象物Sを経た光(物体光)を入力し、その光をビームスプリッタ81へ出力する。
ビームスプリッタ81は、対物レンズ75と光学的に接続され、また、光ファイバ64の光出射端64bとも光学的に接続されている。ビームスプリッタ81は、対物レンズ75から出力されて到達した光(物体光)を入力するとともに、光出射端64bから出力されて到達した光(参照光)を入力して、両光をレンズ82へ出力する。レンズ82は、ビームスプリッタ81と光学的に接続されており、ビームスプリッタ81から到達した物体光および参照光それぞれをコリメートしてカメラ83Aへ出力する。
カメラ83Aは、カラーカメラであり、レンズ82と光学的に接続されている。カメラ83Aは、レンズ82から到達した物体光と参照光との干渉による干渉縞像(干渉強度画像)を撮像する。カメラ83Aの撮像面への物体光の入射方向に対して参照光の入射方向は傾斜している。ビームスプリッタ81により物体光と参照光とが合波される位置は、結像レンズより後段であってもよいが、収差の影響を考慮すると、図に示されるように対物レンズ75とレンズ82との間であるのが望ましい。
演算部84は、カメラ83Aと電気的に接続されている。演算部84は、カメラ83Aにより取得された干渉画像(カラー画像)を解析して、レーザ光源51,52それぞれの出力波長での干渉画像を作成する。さらに、演算部84は、レンズ71の反射面の方位の変化により評価対象物Sへの光入射方向を様々に設定して得られた干渉画像を処理することにより、各波長における評価対象物Sの3次元屈折率分布を算出する。解析部90は、演算部84により取得された屈折率分布画像に基づいて、評価対象物Sを評価する。演算部84および解析部90も、屈折率分布取得ステップS2および解析ステップS3の各計算処理を実行するものであり、例えばコンピュータであり、両者一体のものであってもよい。
図4は、細胞評価装置2Bの構成を示す図である。細胞評価装置2Bは、屈折率分布取得部50Bおよび解析部90を備える。屈折率分布取得部50A(図3)と比較すると、屈折率分布取得部50B(図4)は、シャッタ53,54を更に備える点で相違し、カラーカメラ83Aに替えてモノクロカメラ83Bを備える点で相違する。
シャッタ53は、レーザ光源51とミラー55との間の光路上に設けられており、レーザ光源51からミラー55へのレーザ光の伝搬を許可または禁止する。シャッタ54は、レーザ光源52とダイクロイックミラー56との間の光路上に設けられており、レーザ光源52からダイクロイックミラー56へのレーザ光の伝搬を許可または禁止する。シャッタ53およびシャッタ54は、同時にレーザ光の伝搬を許可することはない。カメラ83Bは、レーザ光源51の出力波長での干渉画像と、レーザ光源52の出力波長での干渉画像と、を個別に撮像する。
本実施形態の細胞評価方法の屈折率分布取得ステップS2の処理は、これらの細胞評価装置の屈折率分布取得部10,50A,50Bを用いて実施することができるが、これらの構成に限られるものではなく、評価対象物Sの位相画像または屈折率分布画像を取得することができる他の構成を用いて実施してもよい。
次に、細胞評価方法の標識ステップS1、屈折率分布取得ステップS2および解析ステップS3それぞれについて、より詳細に説明する。
一般に、光の波長が長いほど物質の屈折率は低くなることが知られている。例えば、非特許文献3には、タンパク質およびDNAそれぞれについて、波長310nmでの屈折率と比べて、波長400nmでの屈折率が低いことが示されている。また、非標識部位では、光の波長が長いほど、非標識部位全体の屈折率が低くなってしまう。そのため、標識(非標識部位の屈折率の変化よりも大きな屈折率の変化を示す標識)を行わないと、細胞内における特定部位を観察することは容易ではない。
標識ステップS1において、評価対象である細胞の特定部位を標識する標識物質として、後の屈折率分布取得ステップS2で用いる光の波長である第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる標識物質を用いる。特定部位は、特定分子または特定構造であってよく、例えば、小胞構造、核小体、ミトコンドリア、特定のタンパク質などであり、細胞全体であってもよい。
標識ステップS1において特定部位を標識する標識物質は、第1波長および第2波長のうちの長波長における屈折率が短波長における屈折率より高い標識物質であってもよく、逆に、長波長における屈折率が短波長における屈折率より低い標識物質であってもよい。
また、標識ステップS1において特定部位を標識する標識物質は、特定波長λにおいて吸収ピークを有する光吸収性標識物質であるのが好適であり、この場合、屈折率分布取得ステップS2において、特定波長λに対して短波長側または長波長側にある第1波長λおよび第2波長λそれぞれにおいて細胞の屈折率分布を取得するのが好適である。また、屈折率分布取得ステップS2において、第1波長λおよび第2波長λのうちいずれか一方を特定波長λに対して短波長側とし、他方を特定波長λに対して長波長側として、第1波長λおよび第2波長λのそれぞれにおいて細胞の屈折率分布を取得するのも好適である。
図5は、光吸収性標識物質の吸光スペクトルおよび屈折率スペクトルを模式的に示す図である。図5(a)は吸光スペクトルを示す。図5(b)は屈折率スペクトルを示す。この図に示されるように、光吸収性標識物質は、特定波長λにおいて吸収ピークを有し、この特定波長λに対して短波長側において屈折率が極小となり、特定波長λに対して長波長側において屈折率が極大となる。一般に、吸光スペクトルと屈折率スペクトルとの間の関係は、クラマース・クローニッヒの関係式で表される(非特許文献4参照)。
そこで、特定波長λにおいて吸収ピークを有する光吸収性標識物質を用いる場合には、図5(b)に示されるように、特定波長λに対して短波長側において屈折率が極小となる波長付近に第1波長λを設定し、特定波長λに対して長波長側において屈折率が極大となる波長付近に第2波長λを設定することができる。
図6(a)の光吸収性標識物質の屈折率スペクトルに示されるように、屈折率が極小となる波長付近から短波長側において屈折率の波長依存性が大きい波長範囲があるので、この波長範囲に第1波長λおよび第2波長λを設定してもよい。また、図6(b)の光吸収性標識物質の屈折率スペクトルに示されるように、屈折率が極大となる波長付近から長波長側においても屈折率の波長依存性が大きい波長範囲があるので、この波長範囲に第1波長λおよび第2波長λを設定してもよい。
このように第1波長λおよび第2波長λを設定して、屈折率分布取得ステップS2では、光吸収性標識物質で特定部位が標識された細胞の屈折率分布を第1波長λおよび第2波長λそれぞれにおいて取得する。
生きた細胞の特定部位を標識することができる光吸収性標識物質の例として、ブリリアントクレシルブルー、ニューメチレンブルー、中性赤、ヤヌスグリーンB、ナイルブルー、ビスマルクブラウン、ナイルレッド、オイルレッド、等が挙げられる。死細胞の特定部位を標識することができる光吸収性標識物質の例として、トリパンブルー等が挙げられる。また、細胞の特定部位を標識することができる光吸収性標識物質の例として、細胞の固定処理が必要ではあるが、ヘマトキシリン、エオシン、ピクリン酸、オレンジG、アゾカルミンG、フクシン、アニリン青、アズール青、アズールII、ズダンIII、オイズダン黒、レゾルシン、ケルンエヒトロート、等も挙げられる。
細胞の特定部位を標識することができる光吸収性標識物質の例として、天然の色素タンパク質を用いることもできる。このような天然の色素タンパク質の例として、イソギンチャク(Cnidopus japonicus)由来の青色タンパク質(cjBlue)、クラゲ(Rhizostoma pulmo)由来の青色タンパク質(rpulFKz1)、サンゴ(Galaxea fascicularis)由来の紫色タンパク質(gfasCP)、イソギンチャク(Anemonia sulcata)由来のピンク色タンパク質(asFP595)、サンゴ(Montipora efflorescens)由来の青色タンパク質(Rtms5)、イソギンチャク(Actinia equina)由来の青色タンパク質(aeCP597)等が挙げられる。天然の色素タンパク質を改変した人工色素タンパク質を用いてもよい。
細胞の特定部位を標識する標識物質は、色素タンパク質V(光吸収性ポリペプチド)を指令するDNA配列が任意タンパク質Wを指令するDNA配列のN端末またはC端末に接続された細胞内発現用コンストラクトであってもよい。CMV(Cytomegalovirus)プロモータ等の制御下で発現するように細胞内発現用コンストラクトを設計してもよい。標識ステップS1では、リポフェクション法やエレクトロポレーション法等によって、この細胞内発現用コンストラクトを細胞に導入して、細胞の特定部位を標識する。この導入によって人工融合タンパク質が発現する。
複数種類の標識物質を同時に用いてもよい。すなわち、標識ステップS1において、第3波長および第4波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる他の標識物質で細胞の他の特定部位を標識してもよい。この場合、屈折率分布取得ステップS2において、標識ステップS1で標識された細胞の屈折率分布を、第1波長および第2波長それぞれにおいて取得するとともに、第3波長および第4波長それぞれにおいても取得する。解析ステップS3において、第3波長および第4波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで、細胞における他の特定部位の分布をも評価する。第1波長または第2波長は、第3波長または第4波長と等しくてもよい。2種類の標識物質を同時に用いる場合、屈折率分布取得ステップS2において用いる光の波長数は、4であってもよいし、3であってもよいし、2であってもよい。
第1波長および第2波長は例えば次のようにして決めることができる。光吸収性標識物質の吸光スペクトルが既知である場合には、クラマース・クローニッヒの関係式に基づいて吸光スペクトルから屈折率スペクトルを推定し、この屈折率プロファイルにおける極小値付近・極大値付近に第1波長・第2波長を設定すればよい。光吸収性標識物質の吸光スペクトルが未知である場合には、吸光スペクトルを計測した後に、クラマース・クローニッヒの関係式に基づいて吸光スペクトルから屈折率スペクトルを推定し、この屈折率プロファイルにおける極小値付近・極大値付近に第1波長・第2波長を設定すればよい。
第1波長・第2波長を設定した後に、その設定した第1波長・第2波長について屈折率分布取得ステップS2の処理を行ってもよい。また、屈折率分布取得ステップS2において幾つかの波長について屈折率分布を取得した後に、それらの波長のうちから屈折率分布の差異が認められる第1波長・第2波長を設定してもよい。
第1波長・第2波長を自由に設定することができる場合には、屈折率プロファイルにおける極小値・極大値に第1波長・第2波長を設定すればよい。幾つかの固定の波長のうちから選択して第1波長・第2波長を選択する場合には、それらの固定の波長のうちから最も屈折率差が大きい2つの波長を第1波長・第2波長としてもよい。また、第1波長・第2波長のうち一方の波長については常に屈折率分布を取得し、他方の波長については光吸収性標識物質の色に基づいて設定した波長で屈折率分布を取得してもよい。
解析ステップS3では、第1波長λおよび第2波長λそれぞれにおける屈折率分布を比較することで、細胞における特定部位の分布を評価する。図7は、特定部位としての細胞核が標識物質で標識された細胞の屈折率分布を模式的に説明する図である。図7(a)は第1波長λでの細胞の屈折率分布を示す。図7(b)は第2波長λでの細胞の屈折率分布を示す。第1波長λでの細胞の屈折率分布(図7(a))と比べて、第2波長λでの細胞の屈折率分布(図7(b))では、標識物質で標識されている細胞核の領域(図7(b)中のハッチング領域)の屈折率を高くすることができる。第1波長λでの細胞の屈折率分布(図7(a))と第2波長λでの細胞の屈折率分布(図7(b))とを比較することで、細胞における細胞核の位置、形状および大きさ等を評価することができる。このように、解析ステップS3では、第1波長λおよび第2波長λそれぞれにおける屈折率分布を比較することで、細胞における特定部位の分布を評価することができる。
解析ステップS3では、第1波長λおよび第2波長λそれぞれでの細胞の屈折率分布の差に基づいて、細胞における特定部位の分布を評価してもよい。また、これら二つの屈折率分布の比に基づいて、細胞における特定部位の分布を評価してもよい。細胞の位相画像が取得された後に屈折率分布画像が作成される場合には、波長の違いに基づく補正をした後に二つの屈折率分布の差または比を求めてもよいし、波長の違いに基づく補正をすることなく二つの屈折率分布の比を求めてもよい。第1波長λおよび第2波長λそれぞれにおける屈折率分布の比較の結果を細胞の強度画像または蛍光画像に重ねることで、細胞の特定部位に関する解析を行うのも好適である。以下では、第1波長λおよび第2波長λそれぞれでの細胞の屈折率分布画像の差または比を表す画像を「屈折率変動画像」という。
解析ステップS3では、屈折率分布画像を用いて(さらに他の画像をも用いて)細胞の特定部位に関して様々な解析を行うことができる。
図8は、解析ステップS3における第1解析例を説明する図である。図8(a)は、屈折率分布画像を模式的に示す図である。図8(b)は、屈折率変動画像を模式的に示す図である。図8(c)は、屈折率分布画像(図8(a))と屈折率変動画像(図8(b))とを重ねた図である。これらの図は、細胞内の小胞構造や細胞構造のうちでも特定の小胞構造を標識物質で標識した例を示している。
屈折率分布画像(図8(a))では、細胞内において標識された特定の小胞構造と標識されていない小胞構造や他の細胞構造とを区別することができない。一方、屈折率変動画像(図8(b))では、細胞内において標識された特定の小胞構造と標識されていない小胞構造や他の細胞構造とを区別することができる。したがって、屈折率分布画像(図8(a))と屈折率変動画像(図8(b))とを比較することにより、或いは、屈折率分布画像(図8(a))と屈折率変動画像(図8(b))とを重ねて表示することにより、細胞における小胞構造や他の細胞構造の分布を求めることができ、さらに、そのうちでも標識された特定の小胞構造の分布をも求めることができる。
第1解析例では、標識された特定の小胞構造の平均屈折率等を解析することができ、また、この値に基づいて、特定の小胞構造を評価することができる。例えば、小胞内に含まれる物質を推定することができ、空胞や分泌小胞を識別することができる。標識物質の局在性が未知であって、屈折率分布画像から大凡の細胞内構造が特定できる場合、標識物質がどこに局在するかを評価することができ、例えば、特定の小胞構造の細胞内の局在性(細胞核周辺への局在傾向等)が分かる。標識物質の局在性が既知であって、屈折率分布画像から細胞内構造を特定することが難しい場合、屈折率分布画像の区分化(セグメンテーション)を行うことができ、例えば、どのような屈折率の特徴を有するものが特定の小胞構造であると判別しうるか評価することができる。
なお、屈折率分布画像の取得の際に用いる光の波長は、屈折率変動画像の取得の際に用いる光の何れかの波長と等しくてもよいし、異なってもよい。例えば、標識部位と非標識部位との間で屈折率を比較したい場合等では、屈折率分布画像の取得の際に用いる光の波長として、標識物質の屈折率スペクトルが大きく変化する波長領域ではないものを使う等の工夫をしてもよい。
図9は、解析ステップS3における第2解析例を説明する図である。図9(a)は、細胞核を標識物質で標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図9(b)は、細胞全体を標識物質で標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図9(c)は、屈折率変動画像(図9(a))と屈折率変動画像(図9(b))とを重ねた図である。第2解析例では、屈折率変動画像(図9(a))に基づいて細胞核の面積を求めとともに、屈折率変動画像(図9(b))に基づいて細胞全体の面積を求めて、両者の面積の比を求めることで、細胞核/細胞質の比を解析することができる。また、細胞全体で細胞核以外の領域を細胞質と特定することもでき、細胞全体における細胞核の位置を特定することもできる。細胞核の標識物質のみで細胞を標識し、細胞核の数をカウントすることで、細胞塊に含まれる細胞数を推定することもできる。
図10~図12は、解析ステップS3における第3解析例を説明する図である。図10は、一定時間間隔で取得された複数の屈折率変動画像を模式的に示す図である。図11は、一定時間間隔で取得された複数の屈折率変動画像(図10)を重ねた図である。図12は、一定時間間隔で取得された複数の屈折率変動画像(図10)と屈折率分布画像とを重ねた図である。第3解析例では、標識物質で標識された特定部位の位置が細胞内において経時変化している様子を解析することができる。蛍光画像を取得する場合には、高パワーの励起光を照射する必要があることから光毒性や光退色の問題が生じるが、本実施形態では、高パワーの光を照射する必要がないので光毒性や光退色の問題が少なく、長時間に亘る細胞のタイムラプス観察が可能である。
図13は、解析ステップS3における第4解析例を説明する図である。図13(a)は、細胞全体の蛍光画像または強度画像を模式的に示す図である。図13(b)は、細胞核を標識物質で標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図13(c)は、細胞全体の蛍光画像または強度画像(図13(a))と屈折率変動画像(図13(b))とを重ねた図である。第4解析例では、細胞全体の蛍光画像または強度画像(図13(a))に基づいて細胞全体の面積を求めるとともに、屈折率変動画像(図13(b))に基づいて細胞核の面積を求めて、両者の面積の比を求めることで、細胞核/細胞質の比を解析することができる。また、細胞全体で細胞核以外の領域を細胞質と特定することもでき、細胞全体における細胞核の位置を特定することもできる。
図14は、解析ステップS3における第5解析例を説明する図である。図14(a)は、細胞核の蛍光画像または強度画像を模式的に示す図である。図14(b)は、標識対象が未知である標識物質を用いて標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図14(c)は、細胞核の蛍光画像または強度画像(図14(a))と屈折率変動画像(図14(b))とを重ねた図である。第5解析例では、細胞核の蛍光画像または強度画像(図14(a))と屈折率変動画像(図14(b))とが互いに一致すれば、標識対象が未知であるとしていた標識物質が細胞核を標識し得るものであると評価することができる。また、細胞核の蛍光画像または強度画像(図14(a))と屈折率変動画像(図14(b))とを比較することで、屈折率分布画像に基づいて屈折率変動画像を作成する際の補正を行うこともできる。
なお、蛍光画像または強度画像の取得の際に用いる光の波長は、屈折率変動画像の取得の際に用いる光の何れかの波長と等しくてもよいし、異なってもよい。
2種類の標識物質を用いる場合、解析ステップS3では、2つの屈折率分布画像(さらに他の画像をも用いて)細胞の2種類の特定部位に関して更に様々な解析を行うことができる。図15は、解析ステップS3における第6解析例を説明する図である。図15(a)は、特定の小胞を標識物質αで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図15(b)は、他の特定の小胞を標識物質βで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図15(c)は、屈折率分布画像を模式的に示す図である。図15(d)は、屈折率変動画像(図15(a))と屈折率変動画像(図15(b))と屈折率分布画像(図15(c))とを重ねた図である。第6解析例では、標識物質αで標識される特定の小胞が存在している領域と、標識物質βで標識される他の特定の小胞が存在している領域とが互いに異なることを知ることができ、例えば、前者の小胞が細胞核に近い領域に存在し、後者の小胞が細胞核から遠い領域に存在する、といったことを知ることができる。
単一の細胞だけでなく、複数の細胞が3次元状に集合した細胞塊についても、特定部位の分布を評価することができる。図16は、細胞塊を模式的に示す図である。細胞塊の任意の断面(図中で破線で示した断面)における位相画像または屈折率分布画像を求めることができ、これから該断面における屈折率変動画像を取得することができる。細胞塊の断面だけでなく断層や3次元の屈折率分布画像を求めることもできる。図17は、解析ステップS3における第7解析例を説明する図である。図17(a)は、細胞塊を構成する各細胞の特定部位を標識物質αで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図17(b)は、屈折率分布画像を模式的に示す図である。図17(c)は、屈折率変動画像(図17(a))と屈折率分布画像(図17(b))とを重ねた図である。第7解析例では、細胞塊において、標識物質αで標識される特定部位を有する細胞が存在する領域を知ることができ、例えば、周縁領域に存在することを知ることができる。
2種類の標識物質を用いて、細胞塊について2種類の特定部位の分布を評価することもできる。図18は、解析ステップS3における第8解析例を説明する図である。図18(a)は、細胞塊を構成する各細胞の特定部位を標識物質αで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図18(b)は、細胞塊を構成する各細胞の他の特定部位を他の標識物質βで標識して取得された屈折率変動画像を模式的に示す図である。図18(c)は、屈折率分布画像を模式的に示す図である。図18(c)は、屈折率変動画像(図18(a))と屈折率変動画像(図18(b))と屈折率分布画像(図18(cb))とを重ねた図である。第8解析例では、細胞塊において、標識物質α,βそれぞれで標識される特定部位を有する細胞が存在する領域を知ることができ、例えば、標識物質αで標識される特定部位を有する細胞が周縁領域に存在すること、および、標識物質βで標識される特定部位を有する細胞が中央領域に存在すること、を知ることができる。
次に実施例について説明する。株式会社ニコン製の微分干渉顕微鏡(ECLIPSETi-2)のカメラポートに光学モジュール30を装着して細胞評価装置1(図2)を構成し、これを用いて、標識物質で特定部位を標識した細胞の位相画像を取得し、さらに屈折率分布画像および屈折率変動画像を求めた。標識物質の種類に応じて、433±12nm、530±21.5nm、620±26nmおよび694±22nmのうちの何れか2波長の光を用いて位相画像を取得した。発光ダイオードとSemrock社製バンドパスフィルタとを組み合わせることで、各波長の光を選択して出力した。
標識物質として、ブリリアントクレシルブルー、ニューメチレンブルー、ヤヌスグリーンB(以上の3種類の標識物質は武藤化学株式会社から購入)および中性赤(シグマアルドリッチ社から購入)を用いた。評価対象の細胞として、ヒト肺がん由来A549細胞株およびヒト肝がん由来HepG2細胞株を用いた。
図19は、各実施例において用いた標識物質、中心波長および細胞を纏めた表である。この表には、標識物質を用いなかった比較例3,4についても中心波長および細胞が示されている。
実施例1A,1Bで用いたブリリアントクレシルブルーは、生体染色色素(塩基性色素)の一つであり、エンドサイトーシス(ピノサイトーシス;飲作用)によって細胞内に取込まれることが知られており、また、核小体の染色色素としても知られている。実施例2A,2Bで用いたニューメチレンブルーは、ブリリアントクレシルブルーと同様の性質を有する試薬として知られている。
実施例3で用いた中性赤は、生体染色色素の一つであり、細胞取込みアッセイに使用される。この中性赤の取込みは、ATP依存的なpH勾配の維持に関係する。実施例4で用いたヤヌスグリーンBは、生体染色色素の一つであり、ミトコンドリアを青色に染色することが知られている他、その他の様々なタンパク質を染色することも知られている。また、ヤヌスグリーンBは、培養細胞で細胞核や細胞質を染色することが知られている。
標識物質の吸光スペクトルは、株式会社日立製作所製の分光光度計U-4100を用いて測定した。標識物質の屈折率スペクトルは、クラマース・クローニッヒの関係式に基づいて吸光スペクトルから推定した。図20は、0.002%ブリリアントクレシルブルー溶液の測定された吸光スペクトルおよび推定された屈折率スペクトルを示すグラフである。図21は、0.003%ニューメチレンブルー溶液の測定された吸光スペクトルおよび推定された屈折率スペクトルを示すグラフである。図22は、0.066%中性赤溶液の測定された吸光スペクトルおよび推定された屈折率スペクトルを示すグラフである。図23は、0.004%ヤヌスグリーンB溶液の測定された吸光スペクトルおよび推定された屈折率スペクトルを示すグラフである。これらの屈折率プロファイルに基づいて、屈折率分布を測定する際に用いる光の第1波長・第2波長を図19のとおりに設定した。
図24~図27は、実施例1Aの各画像である。実施例1Aでは、標識物質としてブリリアントクレシルブルーを用い、屈折率分布を測定する際に中心波長433nm,694nmの光を用い、評価対象の細胞としてA549細胞株を用いた。
図24(a)は、中心波長433nmでの位相画像である。図24(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。図中において矢印(a)で指し示す位置は、標識物質で標識されている部位であって、中心波長433nmで位相が1.51であって屈折率が1.354であり、中心波長694nmで位相が2.05であって屈折率が1.378であり、長波長で屈折率が高くなっている。なお、細胞の厚さを5μmとし、背景培地の屈折率を1.333として、屈折率の値を推定した。図中において矢印(b)で指し示す位置は、標識物質で標識されていない部位であって、中心波長433nmでの位相が1.52であって屈折率が1.354であり、中心波長694nmでの位相が0.72であって屈折率が1.349であり、長波長で屈折率が低くなっている。
図25(a)は、中心波長433nmでの屈折率分布画像である。図25(b)は、中心波長694nmでの屈折率分布画像である。これらの屈折率分布画像は、位相画像の各画素値を波長に基づいて補正することで作成したものである。図25(a)の屈折率分布画像は、図24(a)の位相画像に係数4.33を乗じたものである。図25(b)の屈折率分布画像は、図24(b)の位相画像に係数6.94を乗じたものである。各位相画像に乗じる係数の値は、その位相画像を取得した際に用いた光の波長の一定倍の値であればよい。
図26(a)は、図25(a)中の破線矩形で示した範囲を拡大して示す図である。図26(b)は、図25(b)中の破線矩形で示した範囲を拡大して示す図である。図27(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図27(b)は、図26(a)および図26(b)から作成した屈折率変動画像である。屈折率変動画像(図27(b))は、中心波長694nmでの屈折率分布画像(図26(b))から中心波長433nmでの屈折率分布画像(図26(a))を減算して、背景(位相0)より位相が大きい領域(位相が正の値の領域)を抽出したものである。なお、屈折率変動画像は、2波長での屈折率分布画像の比に基づいて作成してもよいし、2波長での屈折率分布画像の差または比と閾値との比較に基づいて作成してもよい。強度画像(図27(a))と屈折率変動画像(図27(b))とを比較すると、標識物質で標識された部位が屈折率の変化として検出されていることが分かる。
図28および図29は、実施例1Bの各画像である。実施例1Bでは、標識物質としてブリリアントクレシルブルーを用い、屈折率分布を測定する際に中心波長433nm,694nmの光を用い、評価対象の細胞としてHepG2細胞株を用いた。
図28(a)は、中心波長433nmでの位相画像である。図28(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。図中において矢印で指し示す位置は、標識物質で標識されている部位であって、中心波長433nmで位相が0.14であって屈折率が1.335であり、中心波長694nmで位相が3.59であって屈折率が1.412であり、長波長で屈折率が高くなっている。
図29(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図29(b)は、屈折率変動画像である。屈折率変動画像(図29(b))は、実施例1Aと同様にして作成したものである。強度画像(図29(a))と屈折率変動画像(図29(b))とを比較すると、実施例1Bでも、実施例1Aと同様に、標識物質で標識された部位が屈折率の変化として検出されていることが分かる。
図30および図31は、実施例2Aの各画像である。実施例2Aでは、標識物質としてニューメチレンブルーを用い、屈折率分布を測定する際に中心波長530nm,694nmの光を用い、評価対象の細胞としてA549細胞株を用いた。図30(a)は、中心波長530nmでの位相画像である。図30(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。図31(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図31(b)は、屈折率変動画像である。屈折率変動画像(図31(b))は、実施例1Aと同様にして作成したものである。強度画像(図31(a))と屈折率変動画像(図31(b))とを比較すると、実施例2Aでも、同様に、標識物質で標識された部位が屈折率の変化として検出されていることが分かる。
図32および図33は、実施例2Bの各画像である。実施例2Bでは、標識物質としてニューメチレンブルーを用い、屈折率分布を測定する際に中心波長530nm,694nmの光を用い、評価対象の細胞としてHepG2細胞株を用いた。図32(a)は、中心波長530nmでの位相画像である。図32(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。図33(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図33(b)は、屈折率変動画像である。屈折率変動画像(図33(b))は、実施例1Aと同様にして作成したものである。強度画像(図33(a))と屈折率変動画像(図33(b))とを比較すると、実施例2Bでも、同様に、標識物質で標識された部位が屈折率の変化として検出されていることが分かる。
図34および図35は、実施例3の各画像である。実施例3では、標識物質として中性赤を用い、屈折率分布を測定する際に中心波長433nm,620nmの光を用い、評価対象の細胞としてHepG2細胞株を用いた。図34(a)は、中心波長433nmでの位相画像である。図34(b)は、中心波長620nmでの位相画像である。図35(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図35(b)は、屈折率変動画像である。屈折率変動画像(図35(b))は、実施例1Aと同様にして作成したものである。強度画像(図35(a))と屈折率変動画像(図35(b))とを比較すると、実施例3でも、同様に、標識物質で標識された部位が屈折率の変化として検出されていることが分かる。
図36および図37は、比較例3の各画像である。比較例3では、実施例3に対し、標識物質を用いなかった点で相違する。図36(a)は、中心波長433nmでの位相画像である。図36(b)は、中心波長620nmでの位相画像である。図37(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図37(b)は、屈折率変動画像である。屈折率変動画像(図37(b))は、実施例1Aと同様にして作成したものである。標識物質を用いなかった比較例3では、殆ど細胞内の特定部位を検出することができなかった。
図38および図39は、実施例4の各画像である。実施例4では、標識物質としてヤヌスグリーンBを用い、屈折率分布を測定する際に中心波長530nm,694nmの光を用い、評価対象の細胞としてA549細胞株を用いた。図38(a)は、中心波長530nmでの位相画像である。図38(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。図39(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図39(b)は、屈折率変動画像である。屈折率変動画像(図39(b))は、実施例1Aと同様にして作成したものである。強度画像(図39(a))と屈折率変動画像(図39(b))とを比較すると、実施例4でも、同様に、標識物質で標識された部位が屈折率の変化として検出されていることが分かる。
図40および図41は、比較例4の各画像である。比較例4では、実施例4に対し、標識物質を用いなかった点で相違する。図40(a)は、中心波長530nmでの位相画像である。図40(b)は、中心波長694nmでの位相画像である。図41(a)は、中心波長530nmでの強度画像である。図41(b)は、屈折率変動画像である。屈折率変動画像(図41(b))は、実施例1Aと同様にして作成したものである。標識物質を用いなかった比較例4では、殆ど細胞内の特定部位を検出することができなかった。
以上のとおり、本実施形態では、第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる標識物質で細胞の特定部位を標識し、その細胞の屈折率分布を第1波長および第2波長それぞれにおいて取得し、第1波長および前記第2波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで、細胞における特定部位の分布を評価する。本実施形態によれば、未知の細胞であっても該細胞を容易に評価することができる。
強度画像(図27(a)等)でも、標識物質で標識された特定部位の分布が分かる。しかし、強度画像には、標識物質による光吸収だけでなく、光散乱等の影響が現れる。強度画像には、吸収の影響だけでなく、屈折率が異なる構造の境界での光の屈折や散乱により、光強度が下がって観察される場合がある(これは、非標識の細胞でも観察される場合がある)。光散乱等の影響はノイズの原因になりえる。1波長での強度画像でもこれが問題になるが、複数波長での強度画像を比較する際にも問題になる可能性がある。一方、屈折率分布画像では、屈折率を定量することができるので、この問題は回避しやすい。したがって、屈折率変動画像は、光散乱等に起因するノイズが小さいものとなりえる。
光吸収性標識物質を用いる場合、光吸収がある波長領域(図5(a)の特定波長λ付近の領域)では、光が透過しにくいことから、屈折率分布画像の取得に影響する可能性がある。ODTにより複数方向からの光を使用して細胞塊を観察する際には、この影響が大きくなると予想され、深部観察が難しくなる。しかし、光吸収性標識物質の屈折率スペクトルにおいて、特定波長λに対して短波長側において屈折率が極小となる波長付近、または、特定波長λに対して長波長側において屈折率が極大となる波長付近に、第1波長・第2波長を設定することにより(図5(b),図6)、光吸収が小さい波長の光により位相画像または屈折率分布画像を取得することができる。
また、光吸収性標識物質を用いる場合、互いに比較的近い第1波長・第2波長を設定することができる(図5(b),図6)。互いに比較的近い第1波長・第2波長での屈折率分布画像を比較することで、屈折率変動画像の抽出が容易になり、SN比の高いデータが得られる。
複数波長の光で屈折率分布画像を取得する前提で、波長の強度画像を利用して対象部位を特定する場合(以下「ケース1」という。)と、複数波長の屈折率分布画像を利用した対象部位を特定する場合(以下「ケース2」という。)と、を比較すると、次のようなことが言える。ケース2では、低屈折率のピーク(第1波長)と高屈折率のピーク(第2波長)とが互いに比較的近くにある場合、第1波長・第2波長での屈折率分布画像を比較することで、屈折率変動領域の抽出が容易になり、SN比の高いデータが得やすくなるメリットがある。これは、ケース2では、非標識部位の屈折率分布の変化が小さい状況で、標識部位の屈折率分布の大きな変化をとらえることができることによるものであり、ケース1に対して優位な点である。一方、標識物質の吸光スペクトルや屈折率スペクトルの関係上、低屈折率のピーク(第1波長)と高屈折率のピーク(第2波長)とが互いに比較的近くにない場合でも、ケース2では、屈折率スペクトルにおいて低屈折率のピークが明確であることが多いと想定されるため、第1波長・第2波長での屈折率分布画像を比較することで、屈折率変動領域の抽出が容易になり、SN比の高いデータが得やすくなる。このようなケース1に対するケース2の優位性は、ケース1では光吸収スペクトルの吸光度の高いピークに着目する必要があるのに対して、ケース2では屈折率スペクトルの高屈折率のピークに加えて低屈折率のピークにも着目することに因るものである。
蛍光画像を取得する場合には、高パワーの励起光を照射する必要があることから光毒性や光退色の問題が生じる。これに対して、本実施形態では、高パワーの光を照射する必要がないので光毒性や光退色の問題が少なく、長時間に亘る細胞のタイムラプス観察が可能である。また、光毒性の問題が少ないことから、細胞本来の機能を保った状態での観察が可能であり、また、光退色の問題が少ないことから、定量的な観察が可能である。
また、1台の装置で、屈折率分布画像や屈折率変動画像を取得することができるとともに、強度画像(図27(a)等)をも取得することができる。細胞の屈折率変動画像と強度画像とを比較することで、生物学的に意義のある観察が可能となる。
1,2A,2B…細胞評価装置、10…屈折率分布取得部、11…光源、12…レンズ、13…偏光子、14…第1プリズム、15…コンデンサレンズ、21…対物レンズ、22…第2プリズム、24…レンズ、27…ミラー、30…光学モジュール、31…レンズ、33…1/4波長板、34…レンズ、35…偏光カメラ、36~38…ミラー、39…演算部、40…解析部、50A,50B…屈折率分布取得部、51,52…レーザ光源、53,54…シャッタ、55…ミラー、56…ダイクロイックミラー、57…ビームスプリッタ、61,62…レンズ、63,64…光ファイバ、71…レンズ、72…ミラー、73…レンズ、74…コンデンサレンズ、75…対物レンズ、81…ビームスプリッタ、82…レンズ、83A,83B…カメラ、84…演算部、90…解析部。

Claims (12)

  1. 第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる標識物質で細胞の特定部位を標識して、前記第1波長および前記第2波長の双方または何れか一方において標識部位と非標識部位との間で検出可能な屈折率差を生じさせる標識ステップと、
    前記標識ステップで前記特定部位が標識された前記細胞の屈折率分布を前記第1波長および前記第2波長それぞれにおいて取得する屈折率分布取得ステップと、
    前記第1波長および前記第2波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで前記細胞における前記特定部位の分布を評価する解析ステップと、
    を備える、細胞評価方法。
  2. 前記標識ステップにおいて、前記第1波長および前記第2波長のうちの長波長における屈折率が短波長における屈折率より高い標識物質で前記細胞の前記特定部位を標識する、請求項1に記載の細胞評価方法。
  3. 前記標識ステップにおいて、前記第1波長および前記第2波長のうちの長波長における屈折率が短波長における屈折率より低い標識物質で前記細胞の前記特定部位を標識する、請求項1に記載の細胞評価方法。
  4. 前記標識ステップにおいて、特定波長において吸収ピークを有する光吸収性標識物質で前記細胞の特定部位を標識し、
    前記屈折率分布取得ステップにおいて、前記標識ステップで前記特定部位が標識された前記細胞の屈折率分布を、前記特定波長に対して短波長側または長波長側にある前記第1波長および前記第2波長それぞれにおいて取得する、請求項1~3の何れか1項に記載の細胞評価方法。
  5. 前記標識ステップにおいて、特定波長において吸収ピークを有する光吸収性標識物質で前記細胞の特定部位を標識し、
    前記屈折率分布取得ステップにおいて、前記標識ステップで前記特定部位が標識された前記細胞の屈折率分布を、前記第1波長および前記第2波長のうちいずれか一方を前記特定波長に対して短波長側とし、他方を前記特定波長に対して長波長側として、前記第1波長および前記第2波長のそれぞれにおいて取得する、請求項1~3の何れか1項に記載の細胞評価方法。
  6. 前記標識ステップにおいて、色素タンパク質をコードするDNA配列が任意タンパク質をコードするDNA配列のN端末またはC端末に接続された細胞内発現用コンストラクトを前記細胞に導入して、この細胞内発現用コンストラクトを前記標識物質として用いて前記特定部位を標識する、請求項1~3の何れか1項に記載の細胞評価方法。
  7. 前記解析ステップにおいて、前記第1波長および前記第2波長それぞれにおける屈折率分布の比または差に基づいて前記細胞における前記特定部位の分布を評価する、請求項1~6の何れか1項に記載の細胞評価方法。
  8. 前記解析ステップにおいて、前記第1波長および前記第2波長それぞれにおける屈折率分布の比較の結果を前記細胞の強度画像または蛍光画像に重ねることで、前記細胞の前記特定部位に関する解析を行う、請求項1~7の何れか1項に記載の細胞評価方法。
  9. 前記標識ステップにおいて、第3波長および第4波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる他の標識物質で前記細胞の他の特定部位を標識して、前記第3波長および前記第4波長の双方または何れか一方において標識部位と非標識部位との間で検出可能な屈折率差を生じさせ
    前記屈折率分布取得ステップにおいて、前記標識ステップで標識された前記細胞の屈折率分布を前記第3波長および前記第4波長それぞれにおいて取得し、
    前記解析ステップにおいて、前記第3波長および前記第4波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで前記細胞における前記他の特定部位の分布を評価する、請求項1~8の何れか1項に記載の細胞評価方法。
  10. 前記第1波長または前記第2波長は、前記第3波長または前記第4波長と等しい、請求項9に記載の細胞評価方法。
  11. 第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる標識物質で特定部位が標識されて前記第1波長および前記第2波長の双方または何れか一方において標識部位と非標識部位との間で検出可能な屈折率差が生じた細胞の屈折率分布を前記第1波長および前記第2波長それぞれにおいて取得する屈折率分布取得部と、
    前記第1波長および前記第2波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで前記細胞における前記特定部位の分布を評価する解析部と、
    を備える、細胞評価装置。
  12. 第1波長および第2波長それぞれにおける屈折率が互いに異なる標識物質で特定部位が標識されて前記第1波長および前記第2波長の双方または何れか一方において標識部位と非標識部位との間で検出可能な屈折率差が生じた細胞の屈折率分布を前記第1波長および前記第2波長それぞれにおいて取得する屈折率分布取得ステップと、
    前記第1波長および前記第2波長それぞれにおける屈折率分布を比較することで前記細胞における前記特定部位の分布を評価する解析ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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