JP7389949B2 - ファイル配布システム、及びファイル配布プログラム - Google Patents

ファイル配布システム、及びファイル配布プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7389949B2
JP7389949B2 JP2019171394A JP2019171394A JP7389949B2 JP 7389949 B2 JP7389949 B2 JP 7389949B2 JP 2019171394 A JP2019171394 A JP 2019171394A JP 2019171394 A JP2019171394 A JP 2019171394A JP 7389949 B2 JP7389949 B2 JP 7389949B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distribution
file
information
information processing
processing terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019171394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021047788A (ja
Inventor
章弘 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2019171394A priority Critical patent/JP7389949B2/ja
Publication of JP2021047788A publication Critical patent/JP2021047788A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7389949B2 publication Critical patent/JP7389949B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Information Transfer Between Computers (AREA)
  • Information Retrieval, Db Structures And Fs Structures Therefor (AREA)

Description

本発明は、ファイル配布システムに関し、特に多種多様なネットワークに配置されている各情報処理端末にファイルを配信するためのファイル配布システムに関する。
従来、クラウドシステムなどにおけるサーバにファイルを保有させて、インターネットを介して組織内のネットワークにおける各パソコンにそれらのファイルをダウンロードして使用することが広く行われている。このような場合において、組織内のネットワークにおける全てのパソコンに対して、期限内にファイルの配布を行いたいとの要請がある。
一方、組織内のネットワークにおける各パソコンに、サーバからファイルをダウンロードさせることはネットワークの負荷を増大させ、また各パソコンによる本来の作業の処理効率を阻害することから、望ましくない。
また、近年、社内ネットワークが複数のセグメントに区分されて、セキュリティなどの観点からインターネットに接続できないセグメントが設けられている場合もある。さらに、社内ネットワークにおける配布対象のパソコンが、在宅勤務やテレワークなどにより、社内ネットワークの外部に配置されて使用される場合も増加しつつある。
このようなインターネットに接続できないセグメントのネットワークに配置されたパソコンや、社内ネットワークの外部に存在するパソコンに対しても、ファイルを的確に配信可能にすることが望ましい。
特開2009-271904号公報 特開2012-53558号公報 特開2002-124945号公報
ここで、ファイル配布システムにおけるネットワーク負荷の増大などの問題を解消するための技術として、特許文献1に記載の配布管理システムを挙げることができる。
この配布管理システムでは、ソフトウェアの配布中継を行う複数の代表クライアント端末の配布実行状況を配布管理サーバが監視し、実行状況に応じて各代表クライアント端末が配布するクライアント端末の割り振りを変更することが行われている。また、代表クライアント端末のリストをクライアント端末に記憶させて、代表クライアント端末の状態変化にもとづいて、配布結果を通知する代表クライアント端末を変更可能にしている。
しかしながら、この配布管理システムは、配布管理サーバとクライアント端末の間に中継システムを設けず、代表クライアント端末によるソフトウェアの配布効率の高い配布管理システムを実現すること、及びクライアント端末の状態に依存せずに確実に配布結果を収集することを目的とするものであり、多種多様なネットワークに配置されている各情報処理端末に対してファイルを配信するために最適なものではなかった。
また、上記の問題を解消するための技術として、特許文献2に記載の配布システムを挙げることができる。
この配布システムでは、サーバが、各クライアントから任意のファイルの配信要求の通知を受けると、任意のファイルが配信されているクライアントを代理サーバとして選択し、配信要求を通知した各クライアントに代理サーバの経路情報を送信することによって、各クライアントが、代理サーバからファイルを取得できるようになっている。
しかしながら、この配布システムでは、クライアント間でファイルを取得できるものの、配信要求はサーバに対して行われ、ファイルの配布はサーバによって管理されているため、多種多様なネットワークに配置されている各情報処理端末に対してファイルを配信するために適するものではなかった。
さらに、上記の問題を解消するための技術として、特許文献3に記載のファイル多重配信システム装置を挙げることができる。
このファイル多重配信システム装置では、サブネットグループごとに配信ファイルを受信可能な代表クライアント機を選定し、選定された各代表クライアント機に対して配信ファイルを順次多重配信し、各代表クライアント機が、受信した配信ファイルをサブネットグループ内に存在する残りのクライアント機に配信している。
しかしながら、このような装置も、多種多様なネットワークに配置されている各情報処理端末に対してファイルを配信するために適するものではなかった。
また、ファイル配布システムによって、ネットワークの負荷を最小限にしつつ、組織内のネットワークにおける全てのパソコンに対し、期限内にファイルの配布を可能とすることが望ましい。また、ファイル配布システムによって、ファイルの配布を期限内に完了させるために、ネットワークの負荷を増大させないようにしつつ、ファイルの転送速度などを調整可能にすることが望ましい。
そこで、本発明者は、ファイル配布システムにおけるネットワーク負荷の増大などの問題を解消でき、インターネットに接続できないセグメントのネットワークに配置されたパソコンなど、多種多様なネットワークに配置されている各情報処理端末に対してもファイルを的確に配布することが可能なファイル配布システムを案出して、本発明を完成させた。また、このようなファイル配布システムにおいて、ネットワークの負荷を増大させないようにしつつ、ファイルの転送速度などを調整可能とし、ファイルの配布を期限内に完了させることを可能とした。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ファイル配布システムにおけるネットワーク負荷を低減でき、多種多様なネットワークに配置されている各情報処理端末に対してファイルを的確に配信可能なファイル配布システム、及びファイル配布プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のファイル配布システムは、組織内のネットワークにおける複数のセグメントに区分して配置された複数の情報処理端末に対して、通信回線を介して前記ネットワークに接続可能なファイル保有サーバに記憶されたファイルを配布するファイル配布システムであって、前記ファイル保有サーバが、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を記憶する配布情報記憶部と、ファイルの配布先の情報処理端末の処理能力情報を有する状態情報を記憶する配布先状態記憶部と、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する条件を記憶する選択条件記憶部と、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する配布担当選択部を備え、前記情報処理端末が、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を記憶する配布情報記憶部と、ファイルの配布先の情報処理端末の処理能力情報を有する状態情報を記憶する配布先状態記憶部と、配布ファイルを送信するファイル送信部と、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する配布担当選択部を備え、前記ファイル保有サーバの配布担当選択部が、前記ファイル保有サーバにおける前記条件と前記処理能力情報にもとづきファイルの配布を担当する情報処理端末を配布担当装置として選択し、選択された前記配布担当装置に前記配布情報を送信し、前記配布担当装置のファイル送信部が、同一のセグメントに配置された他の情報処理端末に前記配布ファイルを送信し、前記配布担当装置の配布担当選択部が、他のセグメントに配置された情報処理端末の中からファイルの配布を担当する情報処理端末を他の配布担当装置として選択し、選択された前記他の配布担当装置に前記配布情報を送信し、前記他の配布担当装置のファイル送信部が、前記他のセグメントに配置された他の情報処理端末にファイルを送信する構成としてある。
また、本発明のファイル配布システムを、前記情報処理端末が、ファイルの配布先の情報処理端末の平均稼働時間を計算して前記配布先状態記憶部に記憶させる稼働時間計測部と、前記平均稼働時間にもとづき対応する情報処理端末へのファイルの転送速度を決定する配布速度調整部を備え、前記情報処理端末の配布担当選択部及びファイル送信部が、決定された前記転送速度で前記対応する情報処理端末へファイルを送信する構成とすることも好ましい。
また、本発明のファイル配布システムを、前記ファイル保有サーバ及び前記情報処理端末が、前記配布ファイルを特定数に分割し、分割された配布ファイルを生成するファイル分割部をそれぞれ備え、前記ファイル保有サーバの配布担当選択部、並びに前記情報処理端末の配布担当選択部及びファイル送信部が、前記分割された配布ファイルを順次送信する構成とすることも好ましい。
また、本発明のファイル配布プログラムは、組織内のネットワークにおける複数のセグメントに区分して配置された複数の情報処理端末に対して、通信回線を介して前記ネットワークに接続可能なファイル保有サーバに記憶されたファイルを配布するファイル配布プログラムであって、前記ファイル保有サーバを、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を記憶する配布情報記憶部、ファイルの配布先の情報処理端末の処理能力情報を有する状態情報を記憶する配布先状態記憶部、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する条件を記憶する選択条件記憶部、及び、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する配布担当選択部として機能させ、前記配布担当選択部に、前記条件と前記処理能力情報にもとづきファイルの配布を担当する情報処理端末を配布担当装置として選択させ、前記配布情報を送信させる構成としてある。
また、本発明の他のファイル配布プログラムは、組織内のネットワークにおける複数のセグメントに区分して配置された複数の情報処理端末に対して、通信回線を介して前記ネットワークに接続可能なファイル保有サーバに記憶されたファイルを配布するファイル配布プログラムであって、前記情報処理端末を、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を記憶する配布情報記憶部、ファイルの配布先の情報処理端末の処理能力情報を有する状態情報を記憶する配布先状態記憶部、前記状態情報を収集する配布先状態収集部、ファイルを送信するファイル送信部、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する条件を記憶する選択条件記憶部、及び、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する配布担当選択部として機能させ、前記配布先状態収集部に、同一のセグメント又は他のセグメントに配置され、かつ前記状態情報を取得可能な情報処理端末から前記状態情報を収集させ、収集又は送信されてきた前記状態情報を前記配布先状態記憶部に記憶させると共に、前記ファイル保有サーバ又は前記配布情報を送信してきた送信元の情報処理端末へ送信させ、前記ファイル送信部に、同一のセグメントに配置された他の情報処理端末へ前記配布ファイルを送信させ、前記配布担当選択部に、前記条件と前記処理能力情報にもとづき他のセグメントに配置された情報処理端末の中からファイルの配布を担当する情報処理端末を他の配布担当装置として選択させ、選択された前記他の配布担当装置へ前記配布情報を送信させる構成としてある。
なお、本発明のファイル配布システムを、前記他の配布担当装置の配布担当選択部が、更なる他のセグメントにアクセス可能であって、前記更なる他のセグメントにおける情報処理端末に前記配布ファイルが送信されていない場合、前記更なる他のセグメントに配置された情報処理端末の中からファイルの配布を担当する情報処理端末を更なる他の配布担当装置として選択し、選択された前記更なる他の配布担当装置に前記配布情報を送信し、前記更なる他の配布担当装置のファイル送信部が、前記更なる他のセグメントに配置された他の情報処理端末に前記配布ファイルを送信し、前記各情報処理端末における配布担当選択部及びファイル送信部による処理を、前記組織内のネットワークにおいて前記配布ファイルが送信されていない情報処理端末を含むセグメントが無くなるまで繰り返し行う構成とすることも好ましい。
なお、本発明のファイル配布システムを、前記情報処理端末の配布担当選択部が、前記配布ファイルが送信されていない情報処理端末を含む他のセグメントにアクセスできない場合、前記配布情報を当該情報処理端末へ送信してきた送信元の情報処理端末にアクセス不可情報を送信し、前記送信元の情報処理端末の配布担当選択部が、前記アクセス不可情報が送信されてきた場合、前記配布ファイルが送信されていない情報処理端末を含む他のセグメントにアクセスを試み、アクセス可能である場合、当該情報処理端末における配布担当選択部による処理を実行し、アクセスできない場合、前記配布情報を当該情報処理端末へ送信してきた送信元の情報処理端末にアクセス不可情報を送信する構成とすることも好ましい。
本発明によれば、ファイル配布システムにおけるネットワーク負荷を低減でき、多種多様なネットワークに配置されている各情報処理端末に対してファイルを的確に配信可能なファイル配布システム、及びファイル配布プログラムの提供が可能となる。
本発明の第一実施形態のファイル配布システムの構成を示す説明図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおけるファイル保有サーバによる配布担当装置の選択の説明図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおけるファイル保有サーバからのパソコンへの配布情報の送信の説明図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおける配布先の状態情報の収集の説明図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおけるセグメント内の配布ファイルの送信の説明図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおける配布担当装置による他の配布担当装置の選択の説明図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおけるセグメント間の配布情報の送信及びセグメント内の配布ファイルの送信の説明図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおける外部パソコンによる配布ファイルの取得の説明図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおけるファイル保有サーバの構成を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおけるパソコンの構成を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおける多数のセグメントが存在する場合のファイルの配布の説明図である。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおける複数のパソコン間の配布ファイルの送信の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態のファイル配布システムにおけるファイル保有サーバと外部パソコン間の配布ファイルの送信の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態のファイル配布システムにおける各パソコンの平均稼働時間を示す説明図である。 本発明の第二実施形態のファイル配布システムにおけるパソコンの構成を示すブロック図である。 本発明の第二実施形態のファイル配布システムにおけるパソコンの処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第三実施形態のファイル配布システムにおける配布ファイルを分割しない場合の送信時間を示す説明図である。 本発明の第三実施形態のファイル配布システムにおける配布ファイルを分割する場合の送信時間を示す説明図である。 本発明の第三実施形態のファイル配布システムにおけるファイル保有サーバの構成を示すブロック図である。 本発明の第三実施形態のファイル配布システムにおけるパソコンの構成を示すブロック図である。
以下、本発明のファイル配布システム、及びファイル配布プログラムの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第一実施形態]
本実施形態のファイル配布システムは、図1に示すように、社内ネットワーク1が、複数のセグメント(セグメント1,セグメント2)に区分されており、それらのセグメントに複数のパソコン(パソコン10,10a,10b,10c,10d,10e、情報処理端末)が配置されている。これらのパソコンは、同様の構成を備えている。
また、複数のセグメントには、インターネットに接続可能なもの(セグメント1)と、インターネットに接続できないように設定されたもの(セグメント2)が含まれている。セグメント2のパソコン(パソコン10c,10d,10e)はインターネットには接続できないが、セグメント1のパソコン(パソコン10,10a,10b)には接続可能としてある。
セグメント1におけるパソコンとファイル保有サーバ20は、インターネットなどの通信回線30を介して接続することができる。ファイル保有サーバ20は、クラウドシステムなどにおけるサーバとして備えられている。
また、社内ネットワーク1から持ち出されたパソコンは、図1において外部パソコン10αとして示されている。外部パソコン10αは、通信回線30を介してファイル保有サーバ20に接続することができる。
ファイル保有サーバ20、外部パソコン10α、及び通信回線30は、図1において、社内ネットワーク1の外側の外部環境2において存在する。
最初に、本実施形態のファイル配布システム及びファイル配布プログラムによる処理の概略について説明する。
まず、ファイル保有サーバ20は、所定の基準に従って、ファイルの配布を担当するパソコンを社内ネットワーク1におけるパソコンの中から選択する。図2では、パソコン10が、配布担当装置として選択されている。
そして、図3に示すように、ファイル保有サーバ20は、パソコン10に対して、配布内容を定義する設定情報、及び配布ファイルを有する配布情報を送信する。
このように、最初に配布担当装置の選択が行われ、選択された配布担当装置が配置されたセグメントのパソコンからファイルの配布が開始される。
次に、図4に示すように、配布担当装置であるパソコン10は、同一のセグメントのパソコンと、他のセグメントのパソコンであって接続可能なパソコンから、IPアドレスと処理能力情報を含むパソコンの状態情報を取得して記憶し、これらをファイル保有サーバ20に送信する。これらはファイル保有サーバ20において記憶される。
次いで、パソコン10は、図5に示すように、同一セグメントのパソコンに対して、配布ファイルを送信する。
さらに、パソコン10は、所定の基準に従って、他のセグメントのパソコンからファイルの配布を担当するパソコンを選択する。図6では、パソコン10cが、配布担当装置として選択されている。
そして、図7に示すように、パソコン10は、パソコン10cに対して、配布内容を定義する設定情報、及び配布ファイルを有する配布情報を送信する。
パソコン10cは、セグメント2の他のパソコンから、IPアドレスと処理能力情報を含む状態情報を取得して記憶し、セグメント2の他のパソコンに対して、配布ファイルを送信する。
各パソコンは、所定のタイミングで、当該パソコンが社内ネットワーク1の外部に配置されているか否かを判定する。そして、外部に配置されていると判定された場合、当該パソコンは、外部パソコンとして認識される。
図8に示すように、外部パソコン10αは、所定のタイミングで、ファイル保有サーバ20にアクセスして、配布内容を定義する設定情報を受信し、当該パソコンがファイルの配布先であるか否かを判定する。また、配布ファイルが外部パソコン10αに配信済みであるか否かを判定する。そして、当該パソコンがファイルの配布先であり、配布ファイルが配信済みでない場合、ファイル保有サーバ20から配布ファイルを受信する。
また、外部パソコン10αは、配布ファイルの受信を完了すると、配布ファイルの受信を完了したことを示す配布完了情報をファイル保有サーバ20へ送信する。さらに、配布完了情報は、ファイル保有サーバ20からパソコン10に送信されて記憶される。
このように、本実施形態のファイル配布システムでは、社内ネットワークにおけるパソコンの中から配布担当装置を選択し、この配布担当装置により、インターネットに接続可能なセグメントに配置された他のパソコンのみならず、インターネットに接続していないセグメントに配置されたパソコンや、社外に持ち出されたパソコンに対しても配布ファイルを配信することが可能になっている。また、配布担当装置により、配布ファイルの配信状況を管理することが可能になっている。
次に、本実施形態のファイル配布システム及びファイル配布プログラムの構成について詳細に説明する。
図9に示すように、ファイル保有サーバ20は、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を記憶する配布情報記憶部201と、ファイルの配布先のパソコンの処理能力情報を有する状態情報を記憶する配布先状態記憶部202と、ファイルの配布を担当するパソコンを選択する条件を記憶する選択条件記憶部203と、ファイルの配布を担当するパソコンを選択する配布担当選択部204を備えている。また、ファイルの配布を担当するパソコンを選択する条件を学習して生成する選択条件学習部205を備えることも好ましい。
配布情報記憶部201は、ファイルの配布情報として、配布内容を定義する設定情報(配布セッション)と、配布ファイル(ファイル本体)を記憶する。
設定情報としては、ファイルの配布先のパソコンの識別情報(ID)、配布期限、転送速度(単位時間あたりの転送バイト数又はパケット送信数など)、及びファイルに関する情報を含めることが好ましい。
ファイルの配布先のパソコンの識別情報は、事前に各パソコンにユニークな値を設定して、ローカルのハードディスクに保存しておく。
ファイルに関する情報としては、ファイル名、ファイルサイズ、ファイルのダイジェスト値、インストールする場所、インターネット際の動作(再起動時に入れ替えるなど)等を含めることが好ましい。
なお、配布内容を定義する設定情報と、配布ファイルとを別個の記憶部に記憶させる構成とすることもできる。
配布先状態記憶部202は、ファイルの配布先のパソコンの状態情報(ホストステータス,配布先状態情報)として、ファイルの配布先のパソコンの識別情報ごとに、配置情報、及び処理能力情報等を記憶する。配置情報としては、IPアドレスを用いることが好ましい。処理能力情報としては、CPUの性能、メモリサイズ、空ディスク容量、平均稼働時間、及び過去の配布成功率等を用いることが好ましい。また、処理能力情報に、管理者の意向(配布担当に使用したくないパソコンであるなど)を含めることも好ましい。
この配布先状態記憶部202に記憶される状態情報は、最初は事前に収集して記憶させておき、後述するように、その後は、配布担当装置のパソコンから受信して記憶される。
すなわち、配布先状態記憶部202は、配布担当装置のパソコンから通信回線30を介して送信されてきた状態情報をパソコンの識別情報ごとに記憶する。
選択条件記憶部203は、ファイルの配布を担当するパソコンを選択するための選択条件を記憶する。
その選択条件の項目としては、配布先状態記憶部202における処理能力情報の項目を用いることが好ましい。また、選択条件の項目として、インターネットに接続できないセグメントに配置されたパソコンであるか否か、社内ネットワーク1の外部に配置されたパソコンであるか否かを用いることも好ましい。
配布担当選択部204は、社内ネットワーク1におけるパソコンの中からファイルの配布を担当するのに適したパソコンを選択する。すなわち、選択条件記憶部203に記憶された選択条件を用いて、配布先状態記憶部202に記憶された処理能力情報にもとづき、適切なパソコンをファイルの配布を担当する配布担当装置として選択する。
例えば、配布担当選択部204は、選択条件の項目としてのCPUの性能、メモリサイズ、空ディスク容量、平均稼働時間、過去の配布成功率、管理者の意向や、配布担当装置に選択された回数、配布したファイルのサイズ等を点数化し、各項目の重み付け値に従って加算することにより、評価の高いパソコンから配布担当装置を選択することができる。
またこのとき、配布担当選択部204は、配布情報記憶部201に記憶されたファイルの配布先のパソコンの識別情報、及び配布先状態記憶部202に記憶されたIPアドレス等にもとづいて、インターネットに接続できないセグメントに配置されたパソコンや、社内ネットワーク1に存在しないパソコンなどを選択から除外することが好ましい。
そして、配布担当選択部204は、選択された配布担当装置に、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を送信する。
選択条件学習部205は、選択条件の項目の重み付け値をディープラーニングなどの機械学習により学習させ、配布担当選択部204により用いられる、配布担当装置として適切なパソコンを選択するために好適な重み付け値を算出することができる。これにより、配布担当選択部204は、算出された重み付け値を用いて、配布担当装置を選択することができる。
選択条件学習部205による機械学習は、ファイルの配布に先立って事前に行われる。また、選択条件学習部205に、機械学習を所定のタイミング又は随時実行させることも好ましい。
図10に示すように、情報処理端末であるパソコン10は、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を記憶する配布情報記憶部101と、ファイルの配布先のパソコンの処理能力情報を有する状態情報を記憶する配布先状態記憶部102と、配布ファイルを送信するファイル送信部104と、ファイルの配布を担当するパソコンを選択する配布担当選択部106を備えている。また、ファイルの配布先のパソコンの状態情報を収集する配布先状態収集部103と、ファイルの配布を担当するパソコンを選択する条件を記憶する選択条件記憶部105を備えることも好ましい。さらに、当該パソコンが社内ネットワーク1に配置されているか否かを判定する配置判定部107と、ファイル保有サーバ20から配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを取得するファイル取得部108を備えることが好ましい。
本実施形態における各パソコンは、パソコン10と同様の構成を備えている。
配布情報記憶部101、配布先状態記憶部102、選択条件記憶部105、及び配布担当選択部106は、後述する相違点を除いて、ファイル保有サーバ20における配布情報記憶部201、配布先状態記憶部202、選択条件記憶部203、及び配布担当選択部204と同様の構成とすることができる。
配布情報記憶部101は、ファイルの配布情報として、配布内容を定義する設定情報(配布セッション)と配布ファイルを有する配布情報と、ファイルの配布状況とを記憶する。配布情報記憶部101には、ファイル保有サーバ20又は配布担当装置から送信されてきた配布情報を記憶させることができる。
設定情報としては、ファイルの配布先のパソコンの識別情報(ID)、配布期限、転送速度、及びファイルに関する情報を含めることが好ましい。ファイルに関する情報としては、ファイル名、ファイルサイズ、ファイルのダイジェスト値、インストールする場所、インターネット際の動作(再起動時に入れ替えるなど)等を含めることが好ましい。
ファイルの配布状況は、ファイルの配布先のパソコンの識別情報ごと及び配布ファイルの識別情報ごとにファイルの配布が完了しているか否かを示す。
なお、配布内容を定義する設定情報と、配布ファイルと、ファイルの配布状況とを別個の記憶部に記憶させる構成とすることもできる。
配布先状態記憶部102は、ファイルの配布先のパソコンの状態情報(ホストステータス,配布先状態情報)として、ファイルの配布先のパソコンの識別情報ごとに、配置情報、及び処理能力情報等を記憶することができる。配置情報としては、IPアドレスを用いることが好ましい。処理能力情報としては、CPUの性能、メモリサイズ、空ディスク容量、平均稼働時間、及び過去の配布成功率等を用いることが好ましい。また、処理能力情報に、管理者の意向(配布担当に使用したくないパソコンであるなど)を含めることも好ましい。
配布先状態収集部103は、パソコンの状態情報を収集する。すなわち、配布先状態収集部103は、当該パソコンと同一のセグメント又は他のセグメントに配置され、かつ当該パソコンが状態情報を受信することが可能な各パソコンから、状態情報を収集する。
図4には、パソコン10が、セグメント1内の他のパソコンの状態情報、及びインターネットに接続されていないセグメント2に配置されたパソコンの状態情報を収集する様子が示されている。
このように配布先状態収集部103により配布先状態情報を収集する理由の一つは、パソコン10が、ファイル保有サーバ20から受信する配布情報には、配布先のIPアドレスなどの配置情報が含まれていないため、実際に通信をするために必要な配置情報を知るためである。
また、このようにIPアドレスなどを配布情報に含めていない理由は、社内ネットワーク1において、アドレスが動的に変わるDHCPを使った運用が行われていたり、フリーアドレスなどで各パソコンのIPアドレスが、日々次々に変更される可能性があるためであり、これに対応するためである。
配布先状態収集部103は、収集した状態情報をファイルの配布先のパソコンの識別情報ごとに配布先状態記憶部102に記憶させる。また、配布先状態収集部103は、当該パソコンに配布情報を送信してきた送信元のパソコンへ収集し又は送信されてきた状態情報を送信することができる。さらに、配布先状態収集部103は、収集し又は送信されてきた状態情報をファイル保有サーバ20に送信することができる。
そして、ファイル保有サーバ20において、状態情報はファイルの配布先のパソコンの識別情報ごとに配布先状態記憶部202に記憶される。
ファイル送信部104は、ファイル保有サーバ20又は他のパソコンから配布情報を受信した後、当該パソコンと同一のセグメントに配置された他のパソコンに配布ファイルを送信する。
選択条件記憶部105は、ファイルの配布を担当するパソコンを選択するための選択条件を記憶する。
配布担当選択部106は、社内ネットワーク1における他のセグメントに配置されたパソコンの中からファイルの配布を担当するのに適したパソコンを配布担当装置(他の配布担当装置)として選択する。
このとき、配布担当選択部106は、ファイル保有サーバ20の配布担当選択部204と同様に、選択条件にもとづき配布担当装置を選択することができる。なお、配布担当選択部106により他のセグメントに配置された各パソコンにアクセスを試み、最初に通信できたパソコンを配布担当装置として選択することもできる。
すなわち、配布担当選択部106は、当該パソコン10が配置されているセグメント1における、既に配布ファイルが送信されているパソコンである他のパソコン(10a,10b)を選択対象から除外すると共に、選択条件記憶部105に記憶された選択条件を用いて、配布先状態記憶部102に記憶された処理能力情報にもとづき、適切なパソコンをファイルの配布を担当する配布担当装置として選択する。なお、配布ファイルが送信されているパソコンであるか否かは、配布先状態記憶部104に記憶された配布状況にもとづいて、ファイルの識別情報ごとに確認することができる。
図6では、インターネットに接続できないセグメント2に配置されたパソコン10cが配布担当装置として選択されている。
そして、配布担当選択部106は、選択されたパソコン10cに配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を送信する。
配布情報を受信したパソコン10cにおける配布先状態収集部103は、当該パソコンが配置されているセグメント2に配置された他のパソコン(10d,10e)から配置情報及び処理能力情報などを有する状態情報を収集する。収集された状態情報は、配布先状態記憶部102に記憶される。
そして、パソコン10cにおけるファイル送信部104は、セグメント2に配置された他のパソコンに配布ファイルを送信する。
このように、本実施形態のファイル配布システムによれば、インターネットに接続できないセグメントに配置されたパソコンに対しても、配布ファイルを自動的に送信することが可能になっている。
また、このとき、パソコン10cにおける配布先状態収集部103が、配布情報を送信してきた送信元のパソコン10に、上記の収集された状態情報を送信することも好ましい。そして、パソコン10における配布先状態収集部103に、受信した状態情報を配布先状態記憶部102に記憶させると共に、さらにこの状態情報をファイル保有サーバ20へ送信させることも好ましい。
これにより、配布担当装置の配布先状態記憶部102とファイル保有サーバ20の配布先状態記憶部202を最新の情報に更新することができる。
配置判定部107は、当該パソコンが社内ネットワーク1に配置されているか否かを判定する。配置判定部107による当該パソコンが社内ネットワーク1に配置されているか否かの判定は、例えば以下の手法によって行うことができる。
(1)社内ネットワーク1においてActive Directoryドメインが用いられている場合、ドメインコントローラに接続できるか否かにもとづいて判定できる。
(2)社内ネットワーク1における他のパソコンからUDPパケットを受信した場合、社内ネットワーク1に配置されていると判定できる。
(3)デフォルトゲートウェイのMACアドレスを取得し、そのMACアドレスが社内ネットワーク1に配置されていると判定できる。
(4)ビーコンのようなものを社内に設置し、その電波を受信できる場合は社内ネットワーク1に配置されていると判定できる。
(5)GPS情報が取得できる場合、位置情報から社内ネットワーク1に配置されていると判定できる。
配置判定部107により、当該パソコンが社内ネットワーク1に配置されていないと判定された場合、当該パソコンは外部パソコンとして認識される。図8では、当該パソコンは、外部パソコン10αとして示されている。
ファイル取得部108は、ファイル保有サーバ20から配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを取得する。
ファイル取得部108は、所定のタイミングで、ファイル保有サーバ20にアクセスして、配布内容を定義する設定情報を受信し、当該外部パソコン10αの識別情報が配布対象として含まれているかを確認して、当該外部パソコン10αが、ファイルの配布先であるか否かを判定する。また、配布ファイルが外部パソコン10αに配信済みであるか否かを判定する。そして、当該外部パソコン10αが、ファイルの配布先であり、配布ファイルが外部パソコン10αに配信済みでない場合、ファイル保有サーバ20から配布ファイルを受信する。
また、ファイル取得部108は、配布ファイルの受信を完了すると、配布ファイルの受信を完了したことを示す配布完了情報をファイル保有サーバ20へ送信する。さらに、配布完了情報は、ファイル保有サーバ20の送信部(図示していない)からパソコン10に送信されて記憶される。
また、ファイル取得部108に、当該外部パソコン10αのIPアドレスと処理能力情報を含む状態情報をファイル保有サーバ20へ送信させることが好ましく、さらに、この状態情報を、ファイル保有サーバ20の送信部によりパソコン10に送信させて、パソコン10の配布先状態記憶部103に記憶させることが好ましい。
これにより、配布担当装置であるパソコン10において、外部パソコン10αを含めてファイルの配布を管理させることが可能となる。
なお、配置判定部107により、当該パソコンが社内ネットワーク1に配置されていると判定された場合、ファイル取得部108による処理は行われない。
本実施形態のファイル配布システムにより配布されるファイルは特に限定されないが、例えばオペレーションシステムの更新ファイルを好適に対象とすることができる。また、配布ファイルを画像や動画などのコンテンツのファイルとすることも好ましい。。これらのファイルは比較的サイズが大きい場合が多いため、本実施形態のファイル配布システムを好適に用いることができる。
また、配布ファイルを電子教科書のコンテンツなどとすることも好ましい。このようなコンテンツはサイズが大きいため、多くの子供のパソコンに配布することは、大変煩雑である。また、頻繁に更新を行なう必要があり、授業が始まるまでに配布が完了する必要があるため、本実施形態のファイル配布システムを好適に用いることが可能である。
次に、図11を参照して、本実施形態のファイル配布システムによる、多数のセグメントが存在する場合のファイルの配布処理について説明する。
社内ネットワーク1にセグメント1~4が存在し、セグメント1はセグメント2のみに接続され、セグメント2はさらにセグメント3とセグメント4に接続され、セグメント3とセグメント4は接続されていないものとする。また、セグメント1,3,4に配置されたパソコンはインターネットに接続でき、セグメント2に配置されたパソコンはインターネットに接続できないとする。
セグメント1とセグメント2に配置されたパソコンには、図5~図7を用いて既に説明したように、図11の(1)~(3)の順に配布ファイルの送信が行われる。
すなわち、配布担当装置であるパソコン10は、同一のセグメントのパソコンと、他のセグメントのパソコンであって接続可能なパソコンから、IPアドレスと処理能力情報を含む状態情報を取得して記憶し、ファイル保有サーバ20から受信した配布ファイルを同一セグメントの他のパソコンに送信する(図11の(1))。
次に、パソコン10は、他のセグメントであるセグメント2のパソコンからファイルの配布を担当するパソコンを選択する。図11では、パソコン10cが、配布担当装置(他の配布担当装置)として選択されている。そして、パソコン10は、パソコン10cに対して、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を送信する(図11の(2))。
パソコン10cは、セグメント2の他のパソコンから、IPアドレスと処理能力情報を含む状態情報を取得して記憶し、セグメント2の他のパソコンに対して、配布ファイルを送信する(図11の(3))。
次に、他の配布担当装置であるパソコン10cは、他のセグメントの未配布のパソコン(配布ファイルが送信されていないパソコン)の中からファイルの配布を担当するパソコンを選択する。図11では、セグメント2は、セグメント3と4に接続され、これらのセグメントのパソコンには配布ファイルが送信されていない。なお、未配布のパソコンであるか否かは、配布情報記憶部101に記憶された配布状況にもとづいて、パソコンごと及びファイルごとに確認することができる。
このとき、パソコン10cの配布担当選択部106は、既に配布ファイルが送信されているパソコン(10,10a,10b,10c,10d,10e)を選択対象から除外すると共に、選択条件記憶部105に記憶された選択条件を用いて、配布先状態記憶部102に記憶された処理能力情報にもとづき、適切なパソコンをファイルの配布を担当する配布担当装置として選択する。図11では、セグメント4に配置されたパソコン10iが配布担当装置(更なる他の配布担当装置)として選択されている。なお、パソコン10cの配布担当選択部106により他のセグメントに配置された未配布の各パソコンにアクセスを試み、最初に通信できたパソコンを配布担当装置として選択することもできる。
そして、パソコン10cの配布担当選択部106は、選択されたパソコン10iに配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を送信する(図11の(4))。
パソコン10iの配布先状態収集部103は、当該パソコンが配置されているセグメント4に配置された他のパソコン(10j,10k)からIPアドレスと処理能力情報を含む状態情報を収集する。収集された状態情報は、配布先状態記憶部102に記憶される。
また、このとき、パソコン10iの配布先状態収集部103が、配布情報を送信してきた送信元のパソコン10cに、収集された状態情報を送信することも好ましい。
そして、パソコン10iのファイル送信部104は、セグメント4に配置された他のパソコンに配布ファイルを送信する(図11の(5))。
次に、更なる他の配布担当装置であるパソコン10iは、他のセグメントの未配布のパソコンの中からファイルの配布を担当するパソコンの選択を試みる。
このとき、パソコン10iの配布担当選択部106は、未配布のパソコンを含む他のセグメント(セグメント3)にアクセスできない。
この場合、配布情報の送信元であるパソコン10cにアクセス不可情報(バックトラック指示情報)を送信する(図11の(6))。
次に、アクセス不可情報を受け取った他の配布担当装置であるパソコン10cの配布担当選択部106は、他のセグメントの未配布のパソコンの中からファイルの配布を担当するパソコンの選択を試みる。
このとき、パソコン10cの配布担当選択部106は、未配布のパソコンを含む他のセグメントにアクセスを試み、アクセス可能である場合、ファイルの配布を担当するパソコンを選択する。
一方、仮にアクセスできない場合には、配布情報の送信元であるパソコンに対してアクセス不可情報(バックトラック指示情報)を送信する。
このようにして、未配布のパソコンを含む他のセグメントにアクセス可能な配布担当装置が見つかるまで、アクセス不可情報の送信が行われ、アクセス可能な配布担当装置が見つかると、その配布担当装置によりファイルの配布を担当するパソコンの選択が行われ、選択された配布担当装置によりそのセグメントにおいて配布先状態の収集、及び配布ファイルの送信が行われる。
図11では、セグメント2とセグメント3が接続されており、パソコン10cがセグメント3にアクセスできるため、パソコン10cの配布担当選択部106は、既に配布ファイルが送信されているパソコン(10,10a,10b,10c,10d,10e,10i,10j,10k)を選択対象から除外すると共に、選択条件記憶部105に記憶された選択条件を用いて、配布先状態記憶部102に記憶された処理能力情報にもとづき、適切なパソコンをファイルの配布を担当する配布担当装置として選択する。
図11では、セグメント3に配置されたパソコン10fが配布担当装置(更なる他の配布担当装置)として選択されている。なお、パソコン10cの配布担当選択部106により他のセグメントに配置された未配布の各パソコンにアクセスを試み、最初に通信できたパソコンを配布担当装置として選択することもできる。
そして、パソコン10cの配布担当選択部106は、選択されたパソコン10fに配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を送信する(図11の(7))。
パソコン10fの配布先状態収集部103は、当該パソコンが配置されているセグメント3に配置された他のパソコン(10g,10h)からIPアドレスと処理能力情報を含む状態情報を収集する。収集された状態情報は、配布先状態記憶部102に記憶される。
また、このとき、パソコン10fの配布先状態収集部103が、配布情報を送信してきた送信元のパソコン10cに、収集された状態情報を送信することも好ましい。
そして、パソコン10fのファイル送信部104は、セグメント3に配置された他のパソコンに配布ファイルを送信する(図11の(8))。
このように、配布担当装置として選択されたパソコンにおける配布担当選択部、配布先状態収集部、及びファイル送信部による処理を、配布ファイルが送信されていないパソコンを含むセグメントが無くなるまで同様に連続して繰り返し実行する。これにより、本実施形態のファイル配布システムによれば、迷路探索のようにして、複数のセグメント間で配布担当装置が配布処理のバトンを渡すようにファイルの配布処理を実行することで、複雑なセグメント構成になっているネットワークにおける全てのパソコンへのファイルの配布を完了することが可能になっている。
本実施形態におけるファイル保有サーバ20から配布担当装置であるパソコン10又は外部パソコン10αへの配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報の送信は、TCP(Transmission Control Protocol)を用いて行うことができる。
また、配布担当装置であるパソコン10から同一セグメント内の他のパソコンへの配布ファイルの送信は、UDP(User Datagram Protocol)のブロードキャストで行うことが好ましい。また、配布ファイルの送信をUDPのユニキャストで行うこともできる。
なお、配布ファイルの送信をTCPにより行っても良いが、一般的にTCPによる送信はUDPよりもネットワークの負荷が大きいため、UDPによって行うことが好ましい。
また、配布担当装置であるパソコン10から他のセグメントにおける他の配布担当装置への配布情報の送信は、UDPのユニキャストで行うことが好ましく、TCPで行っても良い。
また、配布担当装置によるファイルの配布先のパソコンのIPアドレスと処理能力情報を含む状態情報の収集は、UDPによって行うことが好ましい。すなわち、配布担当装置から各パソコンへUDPパケットで状態情報(ホストステータス)の送信依頼を行い、各パソコンからUDPパケットで返信を行うことが好ましい。
さらに、パソコン10及び外部パソコン10αからファイル保有サーバ20への状態情報の送信は、TCPを用いて行うことが好ましい。
次に、本実施形態のファイル配布システムにおけるパソコン間の配布ファイルの送信の処理手順について、図12を参照して説明する。
図12は、配布担当装置であるパソコン10から同一セグメント内の他のパソコン10aに対して、UDPパケットを使って配布ファイルの送信を行うシーケンスを示している。
まず、パソコン10のファイル送信部104は、配布情報記憶部101におけるファイルに関する情報をパソコン10aに送信する(ステップ10)。ファイルに関する情報には、ファイル名、ファイルサイズ、ファイルのダイジェスト値、インストールする場所、インターネット際の動作(再起動時に入れ替えるなど)等を含めることが好ましい。
パソコン10aのファイル送信部104は、ファイルに関する情報を受信したことをパソコン10に通知する(ステップ11)。
次に、パソコン10のファイル送信部104は、配布情報記憶部101における配布ファイルを分割したパーツ(パケット)ごとにパソコン10aにブロードキャスト又はユニキャストにより送信する(ステップ12)。これに対して、パソコン10aのファイル送信部104は、分割したパーツごとに当該ファイルの一部を受信したことを示す情報をパソコン10に通知する(ステップ13)。
このとき、配布ファイルを分割するサイズは、例えば32Kbyteから1Kbyteとする。ネットワークにおけるルータやハブの種類によりUDPパケットを受け取れるバイト数が異なる場合を考慮して、分割したパーツを送信する前に、どのサイズのUDPパケットなら届くかを確認し、確認がとれたサイズのパケットでファイルの一部分を送信する。
また、ファイルの転送速度は、ファイルの一部分のパケットを送信する間隔にもとづき調整することができる。すなわち、単位時間当たりのファイルの一部分のパケットの送信数を変化させることにより、ファイルの転送速度の調整が可能である。
そして、パソコン10aのファイル送信部104は、ファイル全体を受信すると、配布完了をパソコン10に通知する(ステップ14)。なお、ステップ11又はステップ14において、既に同一ファイル全体がパソコン10aのファイル記憶部102に記憶されている場合、パソコン10aのファイル送信部104に、ファイルの既存在をパソコン10へ通知させることも好ましい。
そして、パソコン10は、パソコン10aから配布完了の通知又は既存在の通知を受信すると、これを配布状況として、パソコン(の識別情報)ごと及びファイル(の識別情報)ごとに、配布情報記憶部101に記憶させる(ステップ15)。
次に、本実施形態のファイル配布システムにおけるファイル保有サーバ20と外部パソコン間の配布ファイルの送信の処理手順について、図13を参照して説明する。
図13は、外部パソコン10αがファイル保有サーバ20から、TCPによる取得セッションにより配布ファイルを取得するシーケンスを示している。
まず、外部パソコン10αのファイル取得部108は、一定のタイミングで、配布内容を定義する設定情報の取得要求をファイル保有サーバ20へ送信する(ステップ20)。
次に、ファイル保有サーバ20の送信部は、配布情報記憶部201に記憶されている配布内容を定義する設定情報を外部パソコン10αに送信する(ステップ21)。
次いで、外部パソコン10αのファイル取得部108は、ファイル保有サーバ20から配布情報記憶部201における配布ファイルを分割したパーツ(パケット)ごとに取得セッションを利用してダウンロードする(ステップ22)。
そして、外部パソコン10αのファイル取得部108は、ファイル全体を受信すると、配布完了をファイル保有サーバ20に通知する(ステップ23)。なお、ステップ22に先だって又はステップ23において、既に同一ファイル全体が外部パソコン10αの配布情報記憶部101に記憶されている場合、外部パソコン10αのファイル取得部108に、ファイルの既存在をファイル保有サーバ20へ通知させることも好ましい。
ファイル保有サーバ20の送信部は、外部パソコン10αから配布完了の通知又は既存在の通知を受信すると、配布担当装置であるパソコン10に対して、外部パソコン10αへの配布完了の通知又は既存在の通知を送信する(ステップ24)。
そして、パソコン10は、外部パソコン10αへの配布完了の通知又は既存在の通知を受信すると、これを配布状況として、パソコンごと及びファイルごとに、配布情報記憶部101に記憶させる(ステップ25)。
このような本実施形態のファイル配布システムによれば、ファイル保有サーバが組織内のネットワークにおけるパソコンから配布担当装置を選択し、配布担当装置が配布ファイルを複数のセグメント内のパソコンに配信することができる。このとき、配布担当装置は、配布情報の送信元の配布担当装置によりパソコンの状態にもとづきセグメントごとに順次選択されるようになっている。このため、本実施形態のファイル配布システムによれば、ネットワーク負荷を低減しつつ、多種多様なネットワークに配置されている各パソコンに配布ファイルを的確に配信することが可能となっている。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態のファイル配布システムについて、図14~図16を参照して説明する。
本実施形態のファイル配布システムは、各パソコンの稼働時間を考慮して、稼働時間の短いパソコンに対しても配布期限までに配布ファイルの送信を完了するための工夫が行われている点で第一実施形態と異なる。その他の点については、第一実施形態と同様の構成とすることができる。
まず、本実施形態のファイル配布システムの目的について、図14を参照して説明する。図14には、各パソコンの平均稼働時間が示されている。このように、社内ネットワーク1におけるパソコンは、一般的に、その使用目的などによって電源がONになって稼動している時間が相違している。例えば、サーバとして24時間稼働しているものがある一方、出張などで使用されるパソコンなどには、1時間程度しか稼働しないものもある。
このようなパソコンごとの平均稼働時間の相違は、ファイルの配布を行う管理者にとっては重要な問題である。すなわち、配布期限内に重要な配布ファイルを全てのパソコンに配信する必要がある場合、一度に全てのパソコンに送信することはネットワークの混雑を招くため、好ましくない。一方、特に平均稼働時間の短いパソコンに対しては配布期限内に配布が完了しないことが想定され、配布のタイミングを調整することは、容易ではないという問題があった。
そこで、本実施形態のファイル配布システムでは、パソコンの平均稼働時間を考慮してファイルの転送速度を決定することにより、ファイルの配布を行う管理者の負担を低減させることを目的としている。
すなわち、本実施形態のファイル配布システムは、図15に示すように、パソコン10が、ファイルの配布先のパソコンの平均稼働時間を計算して配布先状態記憶部102に記憶させる稼働時間計測部109と、平均稼働時間にもとづいて、対応するパソコンへのファイルの転送速度(配信速度)を決定して配布情報記憶部101を更新する配布速度調整部110を備え、パソコンの配布担当選択部106及びファイル送信部104が、決定された転送速度で対応するパソコンに配布ファイルを送信することを特徴とする。
なお、本実施形態のファイル配布システムにおけるパソコン10は、第一実施形態のパソコン10とは構成が相違しているため、パソコン10’などと示され得るものであるが、多数のパソコンを示して説明している関係で、便宜上、本実施形態においてもパソコン10としている。また、後述する第三実施形態のパソコン10についても同様に、パソコン10’’などと示され得るものであるが、パソコン10としている。
また、本実施形態のファイル配布システムにおいて、パソコン10の配布情報記憶部101及びファイル保有サーバ20の配布情報記憶部201に、ファイルごとに配布期限が記憶され、配布速度調整部110が、平均稼働時間及び配布期限にもとづいて、配布期限内にファイルの配布が完了するように、対応するパソコンへのファイルの転送速度を決定することを特徴とする。
具体的には、各パソコンにおける稼働時間計測部109は、当該パソコンが起動するタイミングで、例えば1日単位で、稼働時間を記録するファイルを作成する。ファイルは、日付ごとに名前を替えることにより1日単位で作成することができる。また、1時間単位で作成する場合は、1時間後ごとに異なるファイルを作成すればよい。そして、ファイルの中に、それまで同じファイルが存在していなければ0を書き込み、すでに存在している場合はそのファイルの値に+1をして書き込む。この動作を1分ごとに行なうことで、1日ごとの稼働時間が分単位でファイルに記録される。1時間ごとに記録すれば1時間単位となり、1秒ごとなら1秒単位となる。このようにして記録された稼働時間について、一定期間の平均をとってその期間の平均稼働時間とすることができる。
また、配布速度調整部110は、平均稼働時間と配布期限にもとづいて、配布期限までに配布に使用できる時間(配布使用時間)を計算する。
そして、配布速度調整部110は、配布ファイルのサイズと配布使用時間にもとづいて、配布使用時間内に配布ファイルの送信が完了するように、ファイルの転送速度(単位時間あたりの転送バイト数又はパケット送信数など)を決定する。
次に、図16を参照して、平均稼働時間を考慮した配布の処理手順について説明する。
まず、パソコン10(各パソコン)の稼働時間計測部109は、特定のタイミングで、各パソコンの平均稼働時間を前述のようにして計測し、これを配布先状態記憶部102に記憶させる(ステップ30)。この配布先状態記憶部102に記憶された各パソコンの平均稼働時間は、配布先の状態情報として、配布担当装置及びファイル保有サーバ20へ送信されて記憶される。
また、配布担当装置であるパソコン10の転送速度計測部(図示していない)は、配布ファイルを受け取るパソコンとの間のファイル転送速度(実測値)を測定し、これをパソコンの識別情報ごとに転送速度記憶部(図示していない)に記憶する(ステップ31)。
そして、パソコン10の配布速度調整部110は、配布ファイルについて、配布ファイルを受け取るパソコンごとに、配布期限までに配布に使用できる時間(配布使用時間)を計算する(ステップ32)。
すなわち、配布情報記憶部101に記憶されている配布ファイルの配布期限の日時と、パソコンの平均稼働時間にもとづいて、配布使用時間を計算する。
例えば、ある配布ファイルが3日後までに配布することになっており、ファイルの配布先の(配布ファイルを受け取る)パソコンの平均稼働時間が1時間の場合、配布使用時間は3時間となる。また、ファイルの配布先のパソコンの平均稼働時間が24時間の場合、配布使用時間は72時間となる。
次に、パソコン10の配布速度調整部110は、配布ファイル(配布する全てのファイル)のサイズを計算する(ステップ33)。そして、配布使用時間と配布ファイルのサイズにもとづいて、ファイルの転送速度を決定する(ステップ34)。このとき、平均稼働時間が短いパソコンほど、ファイルの転送速度は高速にしなければならなくなる。
ファイルの転送速度は、ファイルの一部分のパケットを送信する間隔にもとづき調整することができる。すなわち、単位時間当たりのパケットの送信数を変化させることによって、ファイルの転送速度の調整が可能である。
そして、パソコン10のファイル送信部104は、ファイルの配布先のパソコンごとに、配布ファイルを決定した転送速度で送信を開始する(ステップ35)。
ここで、各パソコンの稼働時間計測部109は、特定のタイミングで平均稼働時間を計測し、各パソコンの平均稼働時間は、配布先の状態情報として配布担当装置及びファイル保有サーバ20へ送信されて更新される(ステップ36)。
そして、パソコン10の配布速度調整部110は、ファイルの配布先のパソコンの平均稼働時間が更新されている場合、配布使用時間を再度計算して、ファイルの転送速度を再決定する(ステッ37)。
パソコン10のファイル送信部104は、配布ファイルを受け取るパソコンから配布ファイルの配布完了通知を受信するまで(ステップ38のYes)、ステップ36~ステップ38までの処理を繰り返し実行する。
なお、さらに、パソコン10の配布速度調整部110により、配布ファイルを受け取るパソコンへのファイル転送速度(実測値)にもとづいて、期限までに配布が間に合わないことを事前に予測させることもできる。
本実施形態のファイル配布システムをこのような構成にすれば、各パソコンの稼働時間を考慮して、パソコンごとに、配布期限までに配布ファイルの送信を完了するように、ファイルの転送速度を調整することが可能となる。
また、例えば、ファイルの配布先のパソコンの平均稼働時間が、配布開始時よりも短くなってきた場合でも、ファイルの転送速度をそれに対応させてどんどん早くすることにより、ネットワークの負荷を抑えつつ、配布期限までに配布を完了させることが可能となる。
このように、本実施形態のファイル配布システムは、配布ファイルの配信を急ぐものではなく、各パソコンの稼働時間を考慮して、ネットワークの負荷が小さくなるように、配布ファイルの配信速度をパソコンごとに調整可能なものである。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態のファイル配布システムについて、図17~図20を参照して説明する。
本実施形態のファイル配布システムは、配布ファイルを分割して、配布ファイルの送信に必要な全体の所要時間を短縮可能な点で第一実施形態と異なる。その他の点については、第一実施形態と同様の構成とすることができる。
最初に、ファイルの配布処理について、1つの配布ファイルの送信に、最速で6時間かかる場合を例として説明する。
この場合、図17に示すように、ファイル保有サーバ20からセグメント1の配布担当装置であるパソコン10に配布ファイルを送信するために6時間かかり、次いでこの配布担当装置からセグメント2の他の配布担当装置であるパソコン10cに配布ファイルを送信するために6時間かかり、さらにセグメント2内の他のパソコン(10d,10e)に配布ファイルを送信するために6時間かかる。
したがって、この場合、社内ネットワーク1の全てのパソコンに対して配布ファイルの送信を完了させるためには、18時間が必要になる。
これに対し、ファイルの配布処理について、1つの配布ファイルを3つに分割して3つの分割ファイルを順番に送信する場合を例として説明する。なお、本実施形態の分割ファイルは、上述したUDP又はTCPにおける分割したパーツ(パケット)とは相違する。
この場合、図18に示すように、分割ファイルを順番にセグメント1の配布担当PCに送信するために2時間×3=6時間が必要になるが、分割ファイル1の受信が完了したタイミング(2時間後)で、直ちにセグメント2の配布担当装置に分割ファイル1の送信を開始することができる。また、セグメント2の配布担当装置が分割ファイル1の受信が完了したタイミング(2時間+2時間=4時間後)で、直ちにセグメント2内の他のパソコンに分割ファイル1の送信を開始することができる。
このため、社内ネットワーク1の全てのパソコンに対して配布ファイルの送信を完了させるには、2時間+2時間+2時間×3=10時間で済むことになる。
さらに、1つの配布ファイルを6つに分割して6つの分割ファイルを順番に送信する場合には、社内ネットワーク1の全てのパソコンに対して配布ファイルの送信を完了させるには、1時間+1時間+1時間×6=8時間で済むことになる。
そこで、本実施形態のファイル配布システムにおけるファイル保有サーバ20は、図19に示すように、配布ファイルを特定数に分割して、分割された配布ファイルを生成するファイル分割部206を備えた構成とすることが好ましい。
また、本実施形態のファイル配布システムにおけるパソコン10(各パソコン)は、図20に示すように、配布ファイルを特定数に分割して、分割された配布ファイルを生成するファイル分割部111を備えた構成とすることが好ましい。
そして、ファイル保有サーバ20の配布担当選択部204、並びにパソコン10の配布担当選択部106及びファイル送信部104が、それぞれのファイル分割部によって、分割された配布ファイルを順次送信することが好ましい。
本実施形態のファイル配布システムをこのような構成にすれば、ファイルの送信効率を向上でき、特にセグメント数が多い社内ネットワーク1などの場合において優れた効果を奏することができる。
上記実施形態のファイル配布システムは、本発明のファイル配布プログラムに制御されたコンピュータを用いて実現することができる。コンピュータのCPUは、ファイル配布プログラムにもとづいてコンピュータの各構成要素に指令を送り、ファイル配布システムにおける各処理装置(ファイル保有サーバ、パソコン)の動作に必要となる所定の処理、例えば、配布担当装置の選択処理、選択条件の学習処理、配布先の状態情報の収集処理、ファイルの送信処理、配置判定処理、ファイルの取得処理、稼働時間の計測処理、配布速度の調整処理、及びファイルの分割処理等を行わせる。このように、本発明のファイル配布システムにおける各処理、動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。
また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るファイル配布システム及びファイル配布プログラムによれば、ファイル配布におけるネットワーク負荷を低減でき、多種多様なネットワークに配置されている各情報処理端末に対してファイルを的確に配信させることが可能である。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、第二実施形態と第三実施形態を組み合わせて、平均稼働時間にもとづきファイルの転送速度を調整しつつ、分割ファイルを送信可能にするなど適宜変更することが可能である。
本発明は、特に、容量が大きいファイルを一定の期限までに多様なネットワークにおける多くの情報処理端末に配信する必要のある場合に好適に利用することが可能である。
1 社内ネットワーク(組織内ネットワーク)
2 外部環境
10 パソコン(情報処理端末)
101 配布情報記憶部
102 配布先状態記憶部
103 配布先状態収集部
104 ファイル送信部
105 選択条件記憶部
106 配布担当選択部
107 配置判定部
108 ファイル取得部
109 稼働時間計測部
110 配布速度調整部
111 ファイル分割部
20 ファイル保有サーバ
201 配布情報記憶部
202 配布先状態記憶部
203 選択条件記憶部
204 配布担当選択部
205 選択条件学習部
206 ファイル分割部
30 通信回線

Claims (10)

  1. 組織内のネットワークにおける複数のセグメントに区分して配置された複数の情報処理端末に対して、通信回線を介して前記ネットワークに接続可能なファイル保有サーバに記憶されたファイルを配布するファイル配布システムであって、
    前記ファイル保有サーバが、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を記憶する配布情報記憶部と、ファイルの配布先の情報処理端末の処理能力情報を有する状態情報を記憶する配布先状態記憶部と、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する条件を記憶する選択条件記憶部と、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する配布担当選択部を備え、
    前記情報処理端末が、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を記憶する配布情報記憶部と、ファイルの配布先の情報処理端末の処理能力情報を有する状態情報を記憶する配布先状態記憶部と、配布ファイルを送信するファイル送信部と、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する配布担当選択部を備え、
    前記ファイル保有サーバの配布担当選択部が、前記ファイル保有サーバにおける前記条件と前記処理能力情報にもとづきファイルの配布を担当する情報処理端末を配布担当装置として選択し、選択された前記配布担当装置に前記配布情報を送信し、
    前記配布担当装置のファイル送信部が、同一のセグメントに配置された他の情報処理端末に前記配布ファイルを送信し、
    前記配布担当装置の配布担当選択部が、他のセグメントに配置された情報処理端末の中からファイルの配布を担当する情報処理端末を他の配布担当装置として選択し、選択された前記他の配布担当装置に前記配布情報を送信し、
    前記他の配布担当装置のファイル送信部が、前記他のセグメントに配置された他の情報処理端末にファイルを送信する
    ことを特徴とするファイル配布システム。
  2. 前記情報処理端末が、前記状態情報を収集する配布先状態収集部を備え、
    前記配布担当装置の配布先状態収集部が、同一のセグメント又は他のセグメントに配置され、かつ前記状態情報を取得可能な情報処理端末から前記状態情報を収集し、
    前記他の配布担当装置の配布先状態収集部が、前記他のセグメントに配置された情報処理端末から前記状態情報を収集して、前記他の配布担当装置の配布先状態記憶部に記憶すると共に前記配布担当装置へ送信し、
    前記配布担当装置の配布先状態収集部が、収集し又は送信されてきた前記状態情報を前記配布担当装置の配布先状態記憶部に記憶すると共に前記ファイル保有サーバへ送信し、
    前記ファイル保有サーバの配布先状態記憶部が、送信されてきた前記状態情報を記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載のファイル配布システム。
  3. 前記情報処理端末が、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する条件を記憶する選択条件記憶部を備え、
    前記配布担当装置の配布担当選択部が、前記配布担当装置における前記条件と前記処理能力情報にもとづきファイルの配布を担当する情報処理端末を前記他の配布担当装置として選択する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のファイル配布システム。
  4. 前記処理能力情報が、少なくともCPUの性能、メモリサイズ、空ディスク容量、平均稼働時間、及び過去の配布成功率のいずれかであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のファイル配布システム。
  5. 前記複数のセグメントに、前記通信回線に接続しないネットワークのセグメントが含まれることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のファイル配布システム。
  6. 前記情報処理端末が、当該情報処理端末が前記組織内のネットワークに配置されているか否かを判定する配置判定部と、前記ファイル保有サーバから前記設定情報と前記配布ファイルを取得するファイル取得部を備え、
    前記配置判定部により、当該情報処理端末が前記組織内のネットワークに配置されていないと判定された場合、前記ファイル取得部が前記ファイル保有サーバにアクセスして、前記設定情報を受信し、前記設定情報にもとづき当該情報処理端末がファイルの配布先であると判定された場合、前記ファイル保有サーバから前記配布ファイルを受信する
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のファイル配布システム。
  7. 前記情報処理端末が、ファイルの配布先の情報処理端末の平均稼働時間を計算して前記配布先状態記憶部に記憶させる稼働時間計測部と、前記平均稼働時間にもとづき対応する情報処理端末へのファイルの転送速度を決定する配布速度調整部を備え、
    前記情報処理端末の配布担当選択部及びファイル送信部が、決定された前記転送速度で前記対応する情報処理端末へ配布ファイルを送信する
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のファイル配布システム。
  8. 前記情報処理端末及び前記ファイル保有サーバの配布情報記憶部に、配布ファイルごとに配布期限が記憶され、
    前記配布速度調整部が、前記配布期限内にファイルの配布が完了するように、前記平均稼働時間及び前記配布期限にもとづき前記対応する情報処理端末への前記転送速度を決定する
    ことを特徴とする請求項7記載のファイル配布システム。
  9. 前記ファイル保有サーバ及び前記情報処理端末が、前記配布ファイルを特定数に分割し、分割された配布ファイルを生成するファイル分割部をそれぞれ備え、
    前記ファイル保有サーバの配布担当選択部、並びに前記情報処理端末の配布担当選択部及びファイル送信部が、前記分割された配布ファイルを順次送信する
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のファイル配布システム。
  10. 組織内のネットワークにおける複数のセグメントに区分して配置された複数の情報処理端末に対して、通信回線を介して前記ネットワークに接続可能なファイル保有サーバに記憶されたファイルを配布するファイル配布プログラムであって、
    前記情報処理端末を、配布内容を定義する設定情報と配布ファイルを有する配布情報を記憶する配布情報記憶部、ファイルの配布先の情報処理端末の処理能力情報を有する状態情報を記憶する配布先状態記憶部、前記状態情報を収集する配布先状態収集部、ファイルを送信するファイル送信部、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する条件を記憶する選択条件記憶部、及び、ファイルの配布を担当する情報処理端末を選択する配布担当選択部として機能させ、
    前記配布先状態収集部に、同一のセグメント又は他のセグメントに配置され、かつ前記状態情報を取得可能な情報処理端末から前記状態情報を収集させ、収集又は送信されてきた前記状態情報を前記配布先状態記憶部に記憶させると共に、前記ファイル保有サーバ又は前記配布情報を送信してきた送信元の情報処理端末へ送信させ、
    前記ファイル送信部に、同一のセグメントに配置された他の情報処理端末へ前記配布ファイルを送信させ、
    前記配布担当選択部に、前記条件と前記処理能力情報にもとづき他のセグメントに配置された情報処理端末の中からファイルの配布を担当する情報処理端末を他の配布担当装置として選択させ、選択された前記他の配布担当装置へ前記配布情報を送信させる
    ことを特徴とするファイル配布プログラム。
JP2019171394A 2019-09-20 2019-09-20 ファイル配布システム、及びファイル配布プログラム Active JP7389949B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019171394A JP7389949B2 (ja) 2019-09-20 2019-09-20 ファイル配布システム、及びファイル配布プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019171394A JP7389949B2 (ja) 2019-09-20 2019-09-20 ファイル配布システム、及びファイル配布プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021047788A JP2021047788A (ja) 2021-03-25
JP7389949B2 true JP7389949B2 (ja) 2023-12-01

Family

ID=74876423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019171394A Active JP7389949B2 (ja) 2019-09-20 2019-09-20 ファイル配布システム、及びファイル配布プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7389949B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008250370A (ja) 2007-03-29 2008-10-16 Brother Ind Ltd 情報処理装置及び情報処理用プログラム
JP2009271904A (ja) 2008-04-10 2009-11-19 Hitachi Ltd 配布管理方法、配布管理システム、および配布管理サーバ
WO2011135629A1 (ja) 2010-04-28 2011-11-03 株式会社日立製作所 計算機システムにおけるソフトウェアの配布管理方法、及び、ソフトウェアの配布管理のための計算機システム
JP2017016447A (ja) 2015-07-02 2017-01-19 富士ゼロックス株式会社 情報処理装置及びプログラム
JP2017152991A (ja) 2016-02-25 2017-08-31 沖電気工業株式会社 情報配信装置、情報配信プログラム、通信端末、通信処理プログラム及び情報配信システム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008250370A (ja) 2007-03-29 2008-10-16 Brother Ind Ltd 情報処理装置及び情報処理用プログラム
JP2009271904A (ja) 2008-04-10 2009-11-19 Hitachi Ltd 配布管理方法、配布管理システム、および配布管理サーバ
WO2011135629A1 (ja) 2010-04-28 2011-11-03 株式会社日立製作所 計算機システムにおけるソフトウェアの配布管理方法、及び、ソフトウェアの配布管理のための計算機システム
JP2017016447A (ja) 2015-07-02 2017-01-19 富士ゼロックス株式会社 情報処理装置及びプログラム
JP2017152991A (ja) 2016-02-25 2017-08-31 沖電気工業株式会社 情報配信装置、情報配信プログラム、通信端末、通信処理プログラム及び情報配信システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021047788A (ja) 2021-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8082290B2 (en) Intelligent establishment of peer-to-peer communication
US9215424B2 (en) Content delivery
CN103581245B (zh) 一种内容分发网络内容分发的方法及***
US7103651B2 (en) Method and apparatus for discovering client proximity network sites
JP4198053B2 (ja) コンピューターネットワークを通るコンテンツの配給送達を容易にする方法および装置
CN107094176B (zh) 用于对计算机网络上的数据通信进行缓存的方法和***
US8750155B2 (en) Conditional protocol control
US8090813B2 (en) Methods and apparatus for data transfer
JP4208920B2 (ja) BitTorrentプロトコルによるファイルのダウンロード方法
US7062555B1 (en) System and method for automatic selection of service provider for efficient use of bandwidth and resources in a peer-to-peer network environment
US20030061333A1 (en) System and method for universal networked device management
EP2692095B1 (en) Method, apparatus and computer program product for updating load balancer configuration data
WO2016048795A1 (en) Routing device data caching
US20050039048A1 (en) Efficient new e-mail discovery
KR101086393B1 (ko) 웹 하드 혹은 웹 디스크에서의 토렌트 프로토콜 기반의 피투피-그리드 파일 공유 방법 및 장치와 그 시스템
JP4635615B2 (ja) 情報処理装置、システム、データ同期方法及びプログラム
US20050033863A1 (en) Data link characteristic cognizant electronic mail client
US20120166592A1 (en) Content Delivery and Caching System
JP7389949B2 (ja) ファイル配布システム、及びファイル配布プログラム
KR102007981B1 (ko) 비트토렌트 기반의 네트워크 품질 관리 시스템 및 이를 이용한 네트워크 서비스 품질 향상 방법
US20090106387A1 (en) Cidr based caching at application layer
EP2650795A1 (en) Content delivery and caching system
JP2024084879A (ja) ファイル配布システム、クラウド装置、及びファイル配布プログラム
JP2011205480A (ja) 端末装置及びファイル送信システム
JP2004072453A (ja) ネットワーク管理システムおよびネットワーク管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220729

A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20220727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7389949

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150