JP7389528B1 - 小型家電ごみの処理装置 - Google Patents

Abstract

【課題】充電式電池を内蔵した小型家電ごみを排除できる小型家電ごみの処理装置を提供する。【解決手段】搬送路上の小型家電ごみにＸ線を照射してＸ線画像を得るＸ線装置と、Ｘ線画像から小型家電ごみの外形のケース画像を識別用ケース画像として抽出すると共に、所定の閾値未満のＸ線透過率の画像を識別用電池画像として抽出するピックアップ部と、小型充電式電池が内蔵されて社会に流通している小型家電の外形のＸ線画像を参照ケース画像として記憶する第１データベースと、社会に流通している小型充電式電池の外形のＸ線画像を参照電池画像として記憶する第２データベースと、Ｘ線装置を通過した小型家電ごみを搬送路から除去するように駆動する除去装置と、識別用ケース画像と参照ケース画像とが一致したと判定し、且つ第２判定部が識別用電池画像と参照電池画像とが一致したと判定したときに除去装置を駆動する制御部と、を備える。【選択図】図１

Description

本発明は、使用済みとなって回収された小型家電ごみから小型充電式電池を内蔵したままとなっている小型家電ごみを除去する小型家電ごみの処理装置に関する。

リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池等の小型充電式電池は、発火して火災の原因となることから、これらを内蔵して廃棄された小型家電を家電ごみから除去する必要がある。
特許文献１には、Ｘ線照射により小型充電式電池を検出して除去する異物除去装置が開示されている。しかしながらこの特許文献１には、小型充電式電池を検出すると記載されるだけであり、その具体的な検出手段に関しての開示はない。このため、小型充電式電池を内部に備えた小型家電ごみを通常の家電ごみと区別して排除することが難しい問題がある。

特許第７２１７５６０号公報

本発明は、使用済みとなって回収された小型家電ごみが小型充電式電池を内蔵しているか否かを判別し、小型充電式電池を内蔵している場合に、その小型家電ごみを他の小型家電ごみから排除するための小型家電ごみの処理装置を提供することを目的とする。

本発明は、分別回収された小型家電ごみを搬送する搬送路と、前記搬送路上の小型家電ごみにＸ線を照射してＸ線画像を得るＸ線装置と、前記Ｘ線画像から小型家電ごみの外形のケース画像を識別用ケース画像として抽出すると共に、所定の閾値未満のＸ線透過率の画像を識別用電池画像として抽出するピックアップ部と、小型充電式電池が内蔵されて社会に流通している小型家電の外形のＸ線画像を参照ケース画像として記憶する第１データベースと、社会に流通している小型充電式電池の外形のＸ線画像を参照電池画像として記憶する第２データベースと、前記Ｘ線装置を通過した小型家電ごみを前記搬送路から除去するように駆動する除去装置と、前記識別用ケース画像と前記参照ケース画像とを対比する第１判定部と、前記識別用電池画像と前記参照電池画像とを対比する第２判定部と、前記第１判定部が前記識別用ケース画像と前記参照ケース画像とが一致したと判定し、且つ前記第２判定部が前記識別用電池画像と前記参照電池画像とが一致したと判定したときに前記除去装置を駆動する制御部と、を備えていることを特徴とする。

本発明においては、前記搬送路を振動させて小型家電ごみを搬送路上に伏臥状態とする加振装置をさらに備えていることを特徴とする。

また、前記小型家電ごみが個々となって供給されるように制限する送り制限部材が前記搬送路に設けられていることを特徴とする。

また、新たな参照ケース画像を追加すると共に、新たな参照電池画像を前記新たな参照ケース画像と紐付けして追加する学習部がさらに設けられていることを特徴とする。

本発明によれば、小型家電ごみの識別用ケース画像とデータベースの参照ケース画像とが一致し、且つ識別用電池画像と参照電池画像とが一致したときに除去装置を駆動するため、小型充電式電池を内蔵した小型家電ごみを他の小型家電ごみから排除することができる。また、識別用ケース画像と参照ケース画像とが不一致で、且つ識別用電池画像と参照電池画像とが一致したときに除去装置を駆動するため、新たに社会に流通している小型充電式電池内蔵の小型家電ごみも排除することができる。

また、加振装置を設けて小型家電ごみを伏臥状態とするため、Ｘ線画像を良好に得ることができる。

また、送り制限部材を設けることにより、小型家電ごみを個々に供給できるため、個々のＸ線画像を確実に得ることができる。

また、学習部を設けることにより、対比のための新たなデータを追加することができるため、社会の変化に対応した正確な判定を行うことができる。

本発明の一実施形態の小型家電ごみの処理装置の全体を示す構成図である。 送り制限部材の斜視図である。 本発明に用いるデータベースの構成を示すブロック図である。 識別用ケース画像の例を示す図である。 識別用電池画像の例を示す図である。 小型家電ごみの処理を示すフローチャートである。 小型充電式電池を内蔵ずる小型家電の例を示す斜視図である。 Ｘ線装置による実際の小型家電ごみのＸ線画像であり、（Ａ）は電子タバコ、（Ｂ）はウエブ会議スピーカを示す。 参照ケース画像と参照電池画像の例である。

従前においては、リサイクル全般において、金属検出器、マグネットセパレータ、色彩選別機により異物と考えられるごみを検出していたが、近年、アルミ包材やリチウム電池、ボタン電池等の電池類もごみに混入しているため、従前の選別では、除去することができないものとなっている。このようなリサイクル品に対しては、Ｘ線を使用することにより選別が可能となっている。特に、電池類については、形状をＡＩ手段で登録することにより選別ができるものである。
本発明において、小型充電式電池を内蔵する小型家電ごみはとしては、図７に示すものが代表的である。同図（Ａ）はスマートフォン、（Ｂ）はモバイルバッテリー、（Ｃ）は携帯型リチウムイオン電池、（Ｄ）は電子タバコ、（Ｅ）はゲーム機、（Ｆ）は電動歯ブラシ、（Ｇ）は電気シェーバー、（Ｈ）は携帯型小型扇風機、（Ｉ）はウエブ会議スピーカである。本発明は図７に示される小型家電ごみを始めとした種々の小型家電ごみを処理の対象とするものである。
小型家電ごみにおいては、使用済みとなったとき、リチウムイオン電池等の小型充電式電池が抜き取られることなく内蔵されたままで廃棄されることは危険であるため、以下に説明する本発明の処理装置１によって除去される。従って本発明は、発火の原因となる小型充電式電池を内蔵した小型家電ごみを他の小型家電ごみから除去するものであり、小型充電式電池としては、リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池に代表される電池がある。以下、小型充電式電池を単に電池と記載することもある。

本発明の除去装置１は、図１に示すように、搬送路２と、除去装置３と、回収箱４と、データベース５と、第１判定部６と、第２判定部７と、制御部８と、ピックアップ部９と、Ｘ線装置１３とを備えている。

搬送路２は、上流側の供給コンベア２ａと、中間の処理コンベア２ｂと、下流側の排出コンベア２ｃとを備えている。供給コンベア２ａは加振装置１１及び送り制限部材１２を備えている。本発明は、電池が内蔵されている小型家電ごみ１０を処理するものであり、立体形状のごみが対象となる。立体形状のごみは、斜め状態や横倒し状態、立ち上がり状態等の様々な状態で供給コンベア２ａに供給される。加振装置１１は供給コンベア２ａを振動させることにより立体形状のごみを伏臥状態としてから処理コンベア２ｂに供給する。このように小型家電ごみ１０を伏臥状態とすることにより、Ｘ線装置１３によって得られるＸ線画像の処理が容易となる。

送り制限部材１２は小型家電ごみ１０が個々となって供給されるように制限する部材である。図２は、送り制限部材１２の一例を示す。送り制限部材１２は供給コンベア２ａ上に配置され、供給路を徐々に狭めるガイドプレート１４によって構成されており、ガイドプレート１４を通過することにより小型家電ごみ１０は個々となって供給される。このように小型家電ごみを個々に供給することにより、個々のＸ線画像を確実に得ることができる。

処理コンベア２ｂには、Ｘ線装置１３が配置される。Ｘ線装置１３は、処理コンベア２ｂを挟むように設けられたＸ線源１３ａと、ラインセンサー１３ｂとからなる。小型家電ごみ１０はＸ線装置１３を通過するときにＸ線が照射される。これにより小型家電ごみ１０のＸ線画像を得ることができる。

除去装置３は処理コンベア２ｂと排出コンベア２ｃとの間に配置されている。小型家電ごみ１０が電池を内蔵している場合、除去装置３はその小型家電ごみ１０を搬送路２（処理コンベア２ｂ）から除去するように駆動し、搬送路２から除去された小型家電ごみ１０は回収箱４に回収される。かかる除去装置３の駆動は制御部８によって制御される。
排出コンベア２ｃは電池を内蔵していない小型家電ごみ１０を後工程に供給する。

ピックアップ部９はＸ線装置１３のラインセンサー１３ｂに接続されている。ピックアップ部９はラインセンサー１３ｂからのＸ線画像から小型家電ごみ１０の外形のケース画像を図４に示すような識別用ケース画像１５（１５ａ、１５ｂ、１５ｃ、１５ｄ）を抽出する。また、Ｘ線画像から図５に示すような識別用電池画像１６（１６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄ、１６ｅ）を抽出する。
識別用ケース画像１５（１５ａ、１５ｂ、１５ｃ、１５ｄ）は、小型家電ごみ１０の外形を含む全体画像であり、識別用ケース画像１５により小型家電ごみ１０がどのような物品であるかを推察することができる。

識別用電池画像１６（１６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄ、１６ｅ）は、ラインセンサー１３ｂからのＸ線画像において、所定の閾値未満のＸ線透過率の画像部分を識別用電池画像とするものである。Ｘ線透過率が所定の閾値未満の場合は、それが電池である可能性があることに起因する。従って、一つのＸ線画像には、１６ｂ、１６ｃに示すように複数の識別用電池画像が抽出されることもあり、このように複数であっても抽出した全ての識別用電池画像を判定に供する。

図１のデータベース５は、第１データベース２１、第２データベース２２及び学習部２３を備えている。第１データベース２１は、小型充電式電池が内蔵されて社会に流通している小型家電の外形のＸ線画像を参照ケース画像として記憶する。第２データベースは、社会に流通している小型充電式電池の外形のＸ線画像を参照電池画像として記憶する。

図３はデータベース５の構成を示す。第１データベース２１には、複数の参照ケース画像Ａ、Ｄ、Ｂ、Ｃ、・・が記憶される。第２データベース２２に記憶される参照電池画像は第１データベース２１の参照ケース画像と紐付けされた状態で複数の参照電池画像Ａ、Ｄ、Ｂ，Ｃ、・・が記憶される。紐付けすることにより一の参照ケース画像（例えば、参照ケース画像Ｄ）に対し、それに対応した参照電池画像（例えば、参照電池画像Ｄ）を引き出すことが容易となる。

学習部２３は、新たに社会に流通してきた小型家電の外形のＸ線画像を参照ケース画像Ｘ、Ｙ、・・及びその小型家電の電池のＸ線画像を参照ケース画像と紐付けすることにより参照電池画像Ｘ、Ｙ、・・して追加記憶する。追加されたこれらの参照ケース画像、参照電池画像は小型家電ごみを判定する際に、新たなデータとして使用することができる。これにより社会の変化に対応した正確な判定を行うことができる。

図１に示す第１判定部６は、ピックアップ部９が抽出した識別用ケース画像１５と第１データベース２１内の参照ケース画像Ａ、Ｄ、Ｂ、Ｃ、・・とを対比する。第２判定部７は、ピックアップ部９が抽出した識別用電池画像１６と第２データベース２２内の参照電池画像Ａ、Ｄ、Ｂ、Ｃ、・・とを対比する。

制御部８は、第１判定部６が識別用ケース画像１５と第１データベース２１の参照ケース画像とが一致したと判定し、且つ第２判定部７が識別用電池画像１６と参照電池画像とが一致したと判定したときに除去装置３を駆動する。これにより電池が内蔵されたままで廃棄された小型家電ごみが回収箱４に回収される。また、制御部８は、第１判定部６が識別用ケース画像１５と参照ケース画像とが不一致と判定し、且つ第２判定部７が識別用電池画像１６と参照電池画像とが一致したと判定したときに除去装置３を駆動する。これにより電池が社会に流通している小型充電式電池と一致するため、その小型家電ごみを回収箱４に回収することができる。以上の対比から外れた小型家電ごみは小型充電式電池を内蔵していないことから、制御部８は除去装置３を駆動することがなく、その小型家電ごみは排出コンベア２ｃに移動して次の処理に供される。

図６は、以上の本発明の動作を説明するフローチャートである。
供給コンベア２ａから処理コンベア２ｂに移動した小型家電ごみ１０がＸ線装置１３に撮像されることにより小型家電ごみ１０のＸ線画像が得られる（Ｓ１）。ピックアップ部９はＸ線画像から外形の識別用ケース画像１５及び識別用電池画像１６を抽出する（Ｓ２）。その後、第１判定部６が識別用ケース画像１５とデータベース５（第１データベース２１）に記憶されている参照ケース画像とを対比する（Ｓ３）。

Ｓ３の対比の結果、これらが一致しているときには、Ｓ４に移行し、第２判定部２２が識別用電池画像１６と第２データベース２２に記憶されている参照電池画像とを対比する。そして、識別用電池画像１６と参照電池画像とが一致した場合（Ｓ４）、小型充電式電池が内蔵された小型家電ごみであると制御部８が判断し（Ｓ５）、制御部８は除去装置３を駆動してその小型家電ごみを回収箱４に回収する（Ｓ６）。

Ｓ４の対比で、識別用電池画像１６と参照電池画像とが不一致のときは、制御部８が使用済みの小型家電ごみであるが、小型充電式電池が取り出されて除去されていると判断し（Ｓ７）、制御部８は除去装置３を非駆動とする（Ｓ９）。これによりその小型化家電ごみは排出コンベア２ｃに移動して次に処理に供される。

Ｓ３の対比で、識別用ケース画像１５と第１データベース２１の参照ケース画像とが不一致のときは、対象とする小型充電式電池を内蔵していない小型家電ごみ（Ｓ８）とし、制御部８は除去装置３を非駆動とする（Ｓ９）。これにより、その小型家電ごみは排出コンベア２ｃに移動して次の処理に供される。

図８は、小型家電ごみ１０に対するＸ線装置１３のＸ線照射によって実際に得られたＸ線画像であり、（Ａ）は電子タバコ２５、（Ｂ）はウエブ会議スピーカ３０である。図８（Ａ）、（Ｂ）において、２５ａはピックアップ部９が抽出した電子タバコ２５の識別用ケース画像、３０ａはウエブ会議スピーカの識別用ケース画像である。これらのケースの実像を引き出し円に示す。

ピックアップ部９は識別用ケース画像２５ａ、３０ａから所定の閾値未満のＸ線透過率となっている黒色の画像部分を識別用電池画像として抽出する。図８（Ａ）においては、四角形状の一つの識別用電池画像２５ｂを抽出する。図８（Ｂ）においては、四角形状の識別用電池画像３０ｃを抽出する。円形形状の識別用電池画像３０ｂは、スピーカでコイン電池とは判定しない。そして、第２判定部７はこれらの抽出した識別用電池画像２５ｂ、３０ｃをデータベース５（第２データベース２２）に記憶してある参照電池画像Ａ、Ｄ、Ｂ、Ｃ、・・と対比して一致・不一致を決定する。

図９は、参照ケース画像と参照電池画像の具体例である。例として電卓をあげる。図９（Ａ）は電卓をＸ線装置で撮像した画像で、これを参照ケース画像（９ＡＲ）としてデータベースに登録する。図９（Ｂ）は、その中のボタン電池がある電池部の画像で、これを参照電池画像（９ＢＲ）としてデータベースに登録する。実際の搬送路２上を電卓が流れ、Ｘ線装置１３で撮像されると、図９（Ａ）と同じような識別用ケース画像（９ＡＳ）が得られる。ここで参照ケース画像（９ＡＲ）と識別用ケース画像（９ＡＳ）を総合的に対比し、基板や表示部があることなどから識別用ケース画像（９ＡＳ）が電卓（一定の確度をもって）と判定されたとする。その場合、続いて電池部の画像を切り出した識別用電池画像（９ＢＳ）が、参照電池画像（９ＢＲ）に一致するか判定する。一致すれば、電池が搭載されていると判定する。その場合、電卓は除去装置３でラインから除かれる。電池が取り外されていれば、黒い部分がなく白く撮像されるから、電池はないと判定され、その電卓は下流に流される。

上記の処理装置１では、搬送路２を振動させる加振装置１１と送り制限部材１２を設けているが、これらを省いて良い。その場合、対象物が平面視だけで撮像されるとは限らない。そこで、あらかじめ登録しておく参照ケース画像は、平面視のものだけではなく、背面視や、左右の側面視のＸ線撮像画像も用意しておく。搬送路２上で、撮像する対象物のどの面が上を向いて流れて来ても、対比が可能になる。

１ 処理装置
２ 搬送路
２ａ 供給コンベア
２ｂ 処理コンベア
２ｃ 排出コンベア
３ 除去装置
４ 回収箱
５ データベース
６ 第１判定部
７ 第２判定部
８ 制御部
９ ピックアップ部
１０ 小型家電ごみ
１１ 加振装置
１２ 送り制御部材
１３ Ｘ線装置
１４ ガイドプレート
１５ 識別用ケース画像
１６ 識別用電池画像
２１ 第１データベース
２２ 第２データベース
２３ 学習部
２５ 電子タバコ
２５ａ 識別用ケース画像
２５ｂ 識別用電池画像
３０ ウエブ会議スピーカ
３０ａ 識別用ケース画像
３０ｂ、３０ｃ 識別用電池画像

Claims (4)

1. 分別回収された小型家電ごみを搬送する搬送路と、
   前記搬送路上の小型家電ごみにＸ線を照射してＸ線画像を得るＸ線装置と、
   前記Ｘ線画像から小型家電ごみの外形のケース画像を識別用ケース画像として抽出すると共に、所定の閾値未満のＸ線透過率の画像を識別用電池画像として抽出するピックアップ部と、
   小型充電式電池が内蔵されて社会に流通している小型家電の外形のＸ線画像を参照ケース画像として記憶する第１データベースと、
   社会に流通している小型充電式電池の外形のＸ線画像を参照電池画像として記憶する第２データベースと、
   前記Ｘ線装置を通過した小型家電ごみを前記搬送路から除去するように駆動する除去装置と、
   前記識別用ケース画像と前記参照ケース画像とを対比する第１判定部と、
   前記識別用電池画像と前記参照電池画像とを対比する第２判定部と、
   前記第１判定部が前記識別用ケース画像と前記参照ケース画像とが一致したと判定し、且つ前記第２判定部が前記識別用電池画像と前記参照電池画像とが一致したと判定したときに前記除去装置を駆動する制御部と、を備えていることを特徴とする小型家電ごみの処理装置。
2. 前記搬送路を振動させて小型家電ごみを搬送路上に伏臥状態とする加振装置をさらに備えていることを特徴とする請求項１に記載の小型家電ごみの処理装置。
3. 前記小型家電ごみが個々となって供給されるように制限する送り制限部材が前記搬送路に設けられていることを特徴とする請求項１に記載の小型家電ごみの処理装置。
4. 新たな参照ケース画像を追加すると共に、新たな参照電池画像を前記新たな参照ケース画像と紐付けして追加する学習部がさらに設けられていることを特徴とする請求項１に記載の小型家電ごみの処理装置。

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