JP7387726B2 - 着用者の視覚探索戦略に応じて視力矯正機器を適合させる方法 - Google Patents

着用者の視覚探索戦略に応じて視力矯正機器を適合させる方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくともある状況で着用者が使用する視覚探索戦略に応じて、着用者に適合された視力矯正機器を決定する方法、及びそのように適合された視力矯正機器を決定するシステムに関する。
日常生活を通じて、人は意思決定及び行動に必要なあらゆる関連情報を検知、予想、観察、読み取り、及び追跡すべく常に自身の視覚的環境を探索する。視覚的環境を探索するために、人の眼球は以下のような多くの基本的動作を行いがちである。
-固視、すなわち単一位置に向けて凝視方向を維持する眼球及び頭部の協調動作の組、
-衝動性眼球運動、すなわち凝視方向をある位置から別の位置へ変える眼球の極めて速い動き、及び
-滑動性追跡、すなわち視野内で移動している物体を追跡する運動。
環境の視覚的に探索する間、眼球は一連の衝動性眼球運動及び固視を実行し、その際に、固視ステップは例えば関心領域からの処理対象情報に応じて長く又は短くなり得る。視覚探索は従って、異なる眼球離心角、視距離及び遠近調節面の間を頭部と協調して何度も遷移することを必要とする。
視覚探索戦略はまた、探索の目的、環境、実行する作業の種類等に依存する。一例によれば、人の視覚探索戦略は、当人が人物又は書かれた情報を見なければならないか、又は当人が運転、歩行、又は歩行中の文字入力等の行動を行わなければならないかに応じて異なり得る。
別の例によれば、視覚探索戦略は状況、すなわち作業負荷、時間帯、又は天気等に応じて異なる。
また、視覚探索戦略は、人によって異なり、複数の要因、例えば年齢、運動能力、感覚又は認識能力に応じて、及び当人が着用した視力矯正機器に応じて変化し得る。
例えば、老眼鏡着用者向けに設計された累進多焦点レンズは遠視領域、近視領域及び中間視領域を含み、これらの領域間の遷移は異常を生じさせ、特にぼやけ及び歪みをもたらす。
着用者の処方に応じて、より一般的には着用者の視覚的ニーズに応じて、累進多焦点レンズの設計をカスタマイズする公知の解決策が既に存在する。
例えば、文献米国特許第8303113号明細書及び米国特許第7828433号明細書に開示されている方法が知られており、これによればユーザーの視覚的ニーズが、例えば運転等の移動行動中に、当該行動中にユーザーが観察する環境の主要領域を識別することにより査定される。次いで識別された環境の主要領域に応じて構成された特定の領域を含む視力矯正機器が設計される。
上述の解決策は、ユーザーが静的に観察する環境の領域しか考慮しておらず、以下のような動的態様をも含む完全な視覚探索戦略を考慮していない。
-時間経過に伴う眼球、頭部、凝視運動のパターンの反復可能性及び安定性、
-環境全体を確認して事象を検知すべく実行される一連の動き、
-衝動性眼球運動の回数、それらの分布及び関心である2個の主要領域間でユーザーが見る中間点を及びその反復可能性を含む、ある関心領域から別の領域に移る際に凝視方向が辿る経路、
-凝視パターン及びその編成で最も多い頻度、
-一定の関心主要領域を凝視する間の眼球運動及び頭部運動等。
従って、着用者の視覚探索戦略が所与の関心領域内における、又は2個の関心領域を切り替えるための多くの移動を含む場合、上述の文献に開示された方法に従い設計された視力矯正機器は着用者に適合しておらず、疲労又は不快感をもたらす恐れがある。
従って、着用者の個人的視覚探索戦略をより考慮に入れたカスタマイズされた視力矯正機器を設計するための解決策に対するニーズがある。
本発明の目的は、従来技術の短所の解決策を提供することである。
特に、本発明の目的の一つは、着用者の視覚探索戦略を考慮しながら所与の着用者向けの視力矯正機器の設計を最適化する方法を提供することである。
上述の目的は、独立請求項に記述されている特徴の組み合わせにより実現され、従属請求項は本発明の特定の有利な例を提供する。
着用者向けに適合された視力矯正機器を決定する方法は以下を含んでいる。
-着用者に関するパラメータ値の組を取得するステップ、
-着用者が実行する視覚探索戦略を含む少なくとも1個の作業を決定するステップ、
-計算システムを用いて、前記作業のための着用者の視覚探索の効率を査定する基準値を決定するステップ、及び
-上述の決定された基準値に応じて着用者で着用する視力矯正機器の光学設計を決定するステップ。
一実施形態において、前記作業に対する着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準値を決定するステップは以下を含んでいる。
-決定された環境内における前記作業の効率に関する試験シナリオを当該着用者に受けさせるステップ、
-少なくとも1個のセンサにより、試験シナリオ中の着用者の視覚探索戦略を記録するステップ、及び
-記録された視覚探索戦略から着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準を評価するステップ。
一実施形態において、着用者の視覚探索戦略の効率を査定する参照値を決定するステップは更に、評価基準値を参照値と比較するステップを含み、光学設計を決定するステップは評価基準と参照値の比較結果に応じて実行される。参照値は、ある参照母集団にわたり計算されても、又は当該着用者の参照値であってもよい。いくつかの実施形態において、参照値は、着用者が以前の視力矯正機器を着用しているか又は視力矯正機器を一切着用していない状態で、同一の決定された環境における同一作業の効率に関する試験シナリオを着用者に以前に受けさせた際の着用者の視覚探索戦略から査定されてよい。
複数の実施形態において、着用者の視覚探索戦略を記録するステップは、着用者の凝視方向又は観察点を決定された頻度で記録するステップを含んでいる。着用者の視覚探索戦略を記録するステップは更に、着用者の眼球運動及び頭部運動を決定された頻度で記録するステップを含んでいてよい。
複数の実施形態において、決定された環境内における前記作業の効率に関する試験シナリオを着用者に受けさせるステップは、仮想現実装置を用いてシミュレートされる仮想状況に着用者を置くことにより実行される。試験シナリオは以下に基づいて構成されていてよい。
-視覚探索戦略が記録される間に実行される作業の選択、
-作業が実行される環境の選択、及び、
-以下を含む一群のパラメータのうち試験状況において行われる視覚探索に影響を及ぼす少なくとも1個の追加的なパラメータの選択。
〇試験シナリオの継続時間、
〇試験シナリオの視覚的シーンの複雑性、
〇選択された作業の実行中に環境内で探索される関心領域の個数及び配置、
〇精神的作業負荷、
〇試験シナリオ実行中に着用者が行う決定の種類及び回数。
試験シナリオ実行中に実行される作業は以下を含むグループから選択されてよい。
-車の運転、
-歩行、
-サイクリング、
-階段の昇り降り、
-はしごの昇り降り、
-スポーツの練習。
一実施形態において、前記作業に対する着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準値を決定するステップは、コンピュータと、複数着用者の複数の母集団の各々及び複数の作業の各々に対する視覚探索戦略の効率を査定する基準の参照値を保存しているデータベースを含むシステムを用いて実行されてよく、着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準値を決定するステップは、コンピュータにより、着用者及び作業に関するパラメータ値の組を含む入力データでデータベースを照会して、着用者に対応する母集団の基準の参照値を検索するステップを含んでいる。
複数の実施形態において、光学設計を決定するステップは、視力矯正機器の複数の設計から、作業に対する着用者の視覚探索戦略の効率を最大化する設計を選択するステップを含んでいる。
複数の実施形態において、着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準が以下を含むグループから選択される。
-視覚探索の近似エントロピー、
-視覚探索又は視覚探索の近似エントロピーのパワーインデックス、
-記録された視覚探索の、又は視覚探索の近似エントロピーに対するスペクトル解析から判定された視覚探索パターンに関する頻度の個数、重み及び冗長度、
-視覚探索の近似エントロピーの時間経過に伴う変化、又は
-ある関心観察領域から別の領域への遷移効率。
一実施形態において、本方法は、前記作業に対する着用者の視覚探索戦略の効率を査定する少なくとも2個の異なる基準値の判定、及び判定された基準値に応じて着用者が着用する視力矯正機器の光学設計を決定するステップを含んでいる。
一実施形態において、着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準は、ある関心観察領域から別の領域への遷移効率であり、当該基準の評価は以下を含んでいてよい。
-着用者の視野の複数の関心領域を決定するステップ、
-少なくとも1個のセンサを用いて、試験中に着用者の視覚探索戦略を記録して、関心領域内での生起比率を計算するステップ、
-関心領域のマルコフ連鎖を、各関心領域が次回に他の領域に遷移する確率の組に関連付けられるように形成するステップ、及び
-ある関心領域から別の領域への遷移効率を、関心領域のマルコフ連鎖の処理から評価するステップ。
一実施形態において、マルコフ連鎖の処理は、関心領域の定常分布のエントロピーを計算するステップを含んでいる。
一実施形態において、本方法は、
-着用者の凝視方向又は観察点の近似エントロピーを評価するステップ、
-着用者の眼球運動の近似エントロピーを評価するステップ、及び
-着用者の頭部運動の近似エントロピーを評価するステップを含み、
着用者が着用する視力矯正機器の光学設計を決定するステップが、着用者の凝視方向又は観察点の近似エントロピーに基づいて、且つ眼球運動の近似エントロピー及び頭部運動の近似エントロピーの相対値に基づいて実行される。
本発明の別の実施形態によれば、着用者向けに最適化された視力矯正機器を判定するシステムを開示し、本システムは以下を実行すべく構成された計算装置を含んでいる。
〇着用者に関するパラメータ値の組の受信
〇着用者により実行され、且つ視覚探索が関わる作業の少なくとも識別を含む追加的な入力データの受信、及び
〇パラメータ値の組及び追加的な入力データから前記作業に対する着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準値の決定。
一実施形態において、本システムは更に、
-複数の試験シナリオから選択可能な試験シナリオを実行させるべく構成された仮想現実装置、
-試験シナリオを実行している仮想現実装置の使用中に着用者が関わる視覚探索戦略を記録すべく構成された少なくとも1個のセンサを含み、
当該計算装置は、試験シナリオ実行中に、着用者が関わる視覚探索戦略の効率を査定する参照値を計算すべく構成されている。
例えば、仮想現実装置はヘッドマウント型仮想現実ヘルメットであってよく、センサは以下のうち少なくとも1個を含んでいてよい。
-着用者の凝視方向又は眼球運動を記録すべく構成された少なくとも1個のセンサ、
-仮想現実ヘルメットの動きを記録すべく構成された少なくとも1個のセンサ、及び
-仮想現実ヘルメットに固定された、一定方向を向くカメラ。
本発明による方法は、視力矯正機器を適合させるべく、作業効率が関わる着用者の視覚探索戦略の効率の査定を含んでいる。
戦略の効率の査定は視覚探索の動的特性を考慮している。より具体的には、視覚探索戦略の効率は人の関心である主要領域だけでなく、眼球の「寄生的な」動きを含む、前記領域内で又は領域間での凝視方向の経路を考慮している。
従って視覚探索戦略の効率を査定することにより、疲労を軽減すると共に快適さを向上させるべく、この効率を維持又は強化する視力矯正機器のカスタマイズ又は選択が可能になる。
複数の実施形態において、上述の効率は、例えば仮想現実装置によりシミュレート可能であって着用者が行う作業及び当該作業を行わなければならない環境等、多数のパラメータを制御することができる試験状況に着用者を置くことにより査定することができる。査定された効率は次いで参照値と比較されて、視力矯正機器の設計の判定は査定された効率及び基準効率に応じて実行することができる。
提案する方法は、視力矯正機器を適合させるべく、視力、認識能力又は運動能力、及び特定の作業に対する着用者のニーズ等、着用者の個人パラメータを考慮することができる。
本明細書の説明及び利点に対する理解を深めるべく、ここで同一参照符号が同一要素を表す添付の図面及び詳細な説明に関する以下の簡単な説明を参照する。
本発明の一実施形態による、着用者向けに適合された視力矯正機器を決定する方法の主なステップを模式的に表す。 視覚探索戦略の効率を査定する基準を評価するステップの一実施形態を模式的に表す。 共通の作業に対する2名の異なる人物の視覚探索戦略の表現、及び視覚探索戦略の効率を査定する参照値を推定する対応処理である。 試験状況中における視覚探索戦略の時間経過に伴うエントロピー変化の一例を表す。 時間経過に伴う凝視方向の例示的信号を表す。 図5aの信号の周波数分解を表す。 2個の異なるレンズ設計に対して得られた視覚探索のフェーザーを表す。 仮想現実装置を用いる試験状況のシミュレーションの一例を模式的に表す。 図6aの試験状況を用いて記録された視覚探索の一例を表す。 本発明の一実施形態による方法を実装するシステムの一例を模式的に表す。 2個の理論的信号を処理して各信号の近似エントロピーのパワーインデックスを得る様子を示す。
以下により詳細に記述するように、本発明は、視力矯正機器を適合させる、すなわちカスタマイズされた設計を選択するか又は着用者のニーズに合わせた視力矯正機器をカスタマイズすべく着用者の視覚探索戦略の効率の査定を提案する。
視覚探索メカニズム及びその測定の標準パラメータは様々であるためユーザーのニーズ又は能力を評価することが困難になる。
視覚探索戦略の効率の査定により、視覚探索の動的構成を評価し、すなわち単に目標を見るだけの動きだけでなく、ユーザーが視覚的環境と対話するための一般的戦略を考慮して、視覚的環境を把握して決定を行うことが可能になる。次いで視覚探索戦略を用いて、特定の作業をより容易にするか又はより快適に実行できるように戦略を改良するか又は戦略を考慮して着用者向けに視力矯正機器をカスタマイズすることができる。
図1を参照するに、本発明の一実施形態による、適合された視力矯正機器を決定する方法の主なステップについて以下に記述する。
第1のステップ100は、着用者に関するパラメータ値の組を取得することを含んでいる。パラメータ値の少なくとも一部は、アンケート又はデータベースから測定又は取得されても、又は着用者のオンラインデータから抽出されてもよい。好適には、当該ステップは以下を含む、図7に模式的に示す計算装置1により実行される。
-少なくとも1個のプロセッサ又はマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ等を含む計算器10、
-メモリ11、
-触覚/非触覚ディスプレイ画面及び/又はキーボード等の人間-機械インターフェース12、及び
-インターネット等の通信ネットワークとの接続用のインターフェース13。
収集部は、メモリに保存されていて計算機により実行されるソフトウェアモジュール、例えば着用者のパラメータ値を入力するアンケートを表示すべく構成された、又は例えば着用者の識別子に基づいてデータベースからデータを取得すべく構成されたアプリケーションソフトウェアであってよい。
値が取得されるパラメータは、以下のうち1個以上を含んでいてよい。
-年齢、
-性別、
-生体パラメータ(例えば瞳孔間距離)、
-着用者が行う動作、
-動作が実行される環境の種類。
パラメータはまた、視力又は運動能力或いは認識能力若しくは着用者のニーズに関する以下のような追加的なパラメータを含んでいてよい。
-視力測定、
-現行の視力矯正機器、
-知覚及び認識能力、
-運動能力又は移動能力。
第2のステップ200は、着用者が実行する視覚探索を含む少なくとも一つ作業の決定を含んでいる。典型的に、前記作業は、着用者が日常生活において繰り返し実行する作業である。一実施形態において、当該作業は、着用者向けに視覚的要求が多い作業であり、これに合わせて着用者の視力矯正機器を適合させなければならない。更に、これは着用者と環境との対話を含むと共に、障害物の検知、読書、飲食、文字入力等の多くの二次的作業を含む連続的な作業であってよい。
非限定的な複数の例によれば、前記作業は以下の任意のものであってよい。
-車の運転、
-歩行、
-サイクリング、
-階段の昇り降り、
-はしごの昇り降り、
-スポーツの練習、
-ゲーム等の仮想環境内での可動性。
ステップ200はまた、上述の収集部を用いて実行されてもよい。
第3のステップ300は、ステップ200で識別された作業に対する着用者の視覚探索戦略の効率を査定する参照値の判定を含んでいる。
図2a、2bを参照するに、当該ステップは各種の実施形態に従い実行されてよい。
図2aに模式的に表す第1の実施形態によれば、当該ステップは、決定された環境内におけるステップ200で判定された着用者による作業の効率に関する試験シナリオを着用者に受けさせて(310)、当該試験シナリオを受けている間に当該着用者が実行した視覚探索を記録する(320)ことにより実行される。
試験シナリオは、着用者が作業を達成しながら決定された環境内を探索するものである。
従って、各試験シナリオは好適には以下によりパラメータ化される。
-ステップ200で決定される作業に対応するが、試験シナリオ中に実行される第2の作業を除外する実行予定の主な作業、及び
-主な作業が実行される環境。
以下のような1個以上の追加的なパラメータを用いて試験シナリオを構成してもよい。
-試験シナリオの継続時間、
-試験シナリオの視覚的シーンの複雑性、
-選択された作業の実行中に環境内で探索される関心領域の個数及び配置、
-精神的作業負荷、
-試験シナリオ実行中に着用者が行う決定の種類及び回数。
第1の例によれば、試験シナリオは着用者が車を運転中のシーケンスであってよい。環境は以下のような数種類の環境に応じて選択されてよい。郊外、都心、ハイウェイ。
試験シナリオは更に、以下のような第2の作業を加えることによりパラメータ化することができる。
-経路を辿るべくGPS装置を見ること、
-車のダッシュボード上のメッセージを読むこと、
-障害物を避けること、
-道路上の標識を読むこと等。
第2の例によれば、試験シナリオは着用者が歩行中のシーケンスであってよい。環境は以下のような数種類の環境に応じて選択されてよい。郊外、都心、自然(例えば山のハイキング)。
試験シナリオは更に、以下のような第2の作業を加えることによりパラメータ化することができる。
-標識を読むこと、
-障害物を避けること、
-歩行中又は道路を横断中に文字入力すること等。
一実施形態によれば、試験シナリオが実装された環境は実際の環境であり、すなわち着用者は実際に車を運転しているか又は歩いているか或いは作業を実行している。
別の実施形態によれば、図6aに模式的に示すように、試験シナリオが実装された環境は仮想環境であり、仮想現実装置4によりシミュレートされる。その場合、実行予定の作業は仮想環境内でも実行することができる。例えば、車を運転している場合、車の内部もまた仮想現実装置によりシミュレートされ、仮想的に車を運転可能にする制御装置が着用者に与えられる。
視覚探索の記録320は好適には、記録手段3を用いた試験シナリオ実行中に、着用者の凝視方向、又は着用者の凝視点を記録することにより実行される。より具体的には、凝視方向は、視覚探索の動的特性の解析を可能にすべく試験シナリオ実行中に所定の固定周波数で記録される。例えば、凝視方向を記録する周波数は少なくとも25Hz、好適には少なくとも120Hz、例えば1kHzである。
記録装置3は着用者が着用しても、又は着用者から離れた位置に、例えば仮想環境が表示されている画面に搭載されていても、着用者が運転する車のダッシュボードに搭載されていてもよい。記録装置3はまた、試験シナリオの視覚的場面を記録するシステム、及び/又は頭部運動又は着用者の行動を記録するシステムを備えていてよい。
例示的な一実施形態によれば、記録装置3は眼球運動を記録すべく適合された少なくとも1個のセンサ又はカメラ、及び任意選択的に頭部運動をも記録すべく適合された少なくとも1個のセンサを含んでいてよい。
例えば、記録装置3は、仮想現実ヘルメットと一体化されたアイトラッカであってよい。別の実施形態によれば、記録装置は、アイトラッカ及び任意選択的にジャイロスコープ及び/又は加速度計を含む一対の眼鏡であってよい。記録装置はまた、着用者が着用しないが画面又はダッシュボード上等、着用者向けに固定位置に置かれた支持部に載置されたアイトラッカであってよい。
ハードウェア及びソフトウェア要素を含み、SensoMotoric Instruments(SMI)社の社名入りの解決策をアイトラッキング記録装置として用いてもよい。
アイトラッカ及び頭部位置を記録するシステムを用いる一実施形態において、凝視方向は以下のように推定される。以下の仮定を含むモデルに基づくアプローチが採用される。
-眼球は球体であり、目の中心は頭部モデルに対して固定された点であること、
-瞳孔を含む全ての視点がアイトラッカを用いて検知されること、及び
-目は開いており、従って全ての眼輪郭点を考慮できること。
凝視方向の決定は、目輪郭点から瞳孔の3D位置を推定し、次いで瞳孔位置及び頭部中心から3D凝視方向を推定することにより実行される。瞳の向きと観察された空間内の対応点との間の対応を確立すべく事前に較正が実行される。
最後に、カメラ座標系に対する凝視角度が計算される。
図3a、3bを参照するに、2名の異なる人物の視覚探索は、当該人物の周辺に配置されたいくつかの画面に表示されるシミュレートされた環境が関わる同一の試験シナリオで記録されている。各図の第1の部分は、各試験シナリオ実行中に凝視された仮想環境の点の表現である。
図示する複数のグラフに関して、第1のグラフは人が凝視した点のx軸座標の時間経過に伴う変化を表し、第2のグラフはy軸の時間経過に伴う変化を表す。
第3のグラフはr=|x,y|を表し、これは例えば画面に又は視覚化されたシーンに対応する平面に投影された凝視方向のベクトルの振幅である。
任意選択的に、更なる処理の前に、ノイズを除去すべく凝視方向の生のデータのフィルタリングを実行してもよい。フィルタリングは、メジアンフィルタ及び/又は帯域通過フィルタの使用を含んでいてよい。非限定的な例として、1Hz~10Hzの帯域通過フィルタを用いてもよい。
後続のステップ330を実行する間、視覚探索戦略の効率を査定する少なくとも1個の基準が、試験シナリオ実行中に着用者が関わる記録された視覚探索戦略に基づいて評価される。
本実施形態において、基準の評価は、データの一連の処理を示唆するため計算装置により実行される。
基準は好適には以下のリストから選択されている。
-凝視方向又は着用者が観察する点の位置の近似エントロピー、
-記録された視覚探索戦略のスペクトル解析から決定された、視覚探索パターンに含まれる周波数の個数、
-視覚探索の近似エントロピーの時間経過に伴う変化からされた疲労評価、又は
-ある関心観察領域から別の領域への遷移効率。
各種の基準について以下により詳細に述べる。
近似エントロピーは、以下の公開論文に紹介されている。
-S.M.Pincus,“Approximate entropy as a measure of system complexity”,Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA,vol.88,pp.2297-2301,1991、
-S.M.Pincus and A.L.Goldberger,“Physiological time series analysis:what does regularity quantify?”,American Journal of Physiology(Heart and Circulatory Physiology),vol.266,pp.H1643-H1656,1994、
-D.Abasolo,R.Hornero,and P.Espino,“Approximate entropy of EEG Backgroung Activity in Alzheimer’s disease patients”,Intelligent Automation and Soft Computing,15(4),pp.591-603,2009。
近似エントロピーは、信号又はシステム内での値の規則性を測定する、すなわち信号に属する値の反復性を定量化する機能である。例えば、信号が反復的パターンを示す場合、信号は安定していて近似エントロピーは低い。
近似エントロピーは、凝視方向での動きの分布に基づいて計算される場合、視覚探索の効率を評価する基準として用いることができる。
近似エントロピーの計算は以下のように行うことができる。
最初に、近似エントロピー計算の入力データは、N個のデータ点{x(n)}=x(1),x(2),x(3),...,x(N)(n=1,2,3...,N)の時系列を含み、各データ点は典型的に極座標又はx、y直交軸(凝視される点を表す)に沿った凝視方向を含んでいる。
長さ「m」のウインドウ(mは比較されたデータ系列の長さを表す)、及びフィルタリングレベル又は許容誤差を表す正実数rも定義される。
N個のデータ点の時系列内で複数のベクトルが定義され、各ベクトルはm個の連続する点を含み、自身を含む他の全てのベクトルとの比較用のテンプレートベクトルとしても機能する。当該処理は、時系列における自己マッチングと称され、条件付き確率(テンプレートベクトルと調節ベクトルとの距離が、当該ベクトルに関連付けられた許容誤差「r」内であるという条件)の測定につながる。
以下において近似エントロピーをApEnと表記する。
ステップ1:以下により定義されるN-m+1個のベクトルX(1),...,X(N-m+1)を形成する。X(i)=[x(i),x(i+1),...,x(i+m-1)]且つi=1,...,N-m+1。整数m、及び正実数rを固定する。mの値は比較されたデータ系列のウインドウ長を表し、rはフィルタリングレベルを示す。
ステップ2:X(i)とX(j)の距離d[X(i),X(j)]を以下の最大ノルムとして定義する。d[X(i),X(j)]=maxk=1,2,..,m|x(i+k-1)-x(j+k-1)|。変数dはベクトルx(i)とx(j)の各々のスカラー成分の最大差により与えられる距離を表す。
ステップ3:所与のX(i)に対して、d[X(i),X(j)]≦rとなる個数を数え、N(i)と表記する。従って、i=1..N-m+1に対して、

Figure 0007387726000001
であり、

Figure 0007387726000002

許容誤差r内での長さmの所与のウインドウに類似したパターンの周波数を計量する。
ステップ4:


Figure 0007387726000003
の自然対数を計算して、
iにわたる平均を求め、

Figure 0007387726000004
ここに、

Figure 0007387726000005

ベクトル

Figure 0007387726000006

以下のベクトル

Figure 0007387726000007
の距離r内に存在する確率である。
ステップ5:エントロピーベクトルを、長さmのウインドウによるエントロピー値のベクトルと定義し、時間(t+m/2)でのベクトルに割り当てる。

Figure 0007387726000008
ステップ6:次元をm+1に上げる。ステップ(1)~(4)を繰り返して

Figure 0007387726000009
及びφm+1(r)を求める。
ステップ7:ApEnは
ApEn(m,r,N)=φ(r)-φm+1(r)
により定義される。
m及びrの選択はApEnの計算において最も重要であるが、これらの値を最適化する適当なガイドラインは無い。r値が小さい場合、得られる条件付き確率の推定の質は低い一方でr値が大きい場合は詳細なシステム情報が失われる。ApEn計算におけるノイズの寄与が顕著になるのを避けるには、rの値を信号に存在する大部分のノイズよりも大きいように選択すべきである。パラメータ値m=2及びr=0.2*SD(SDは元のデータ系列{x(n)}の標準偏差を表す)によりApEnを推定することが示唆された。
図3a、3bに戻り、各図の最後のグラフは、例えばウインドウ長300msで、前のグラフの信号r(t)にわたり計算された近似エントロピーの値を表す。図3aで全ての信号にわたり計算された近似エントロピーの値は9.97であるのに対し、図3bで全ての信号にわたり計算されたエントロピーの値は16.63である。視覚探索戦略に関するデータを図3bに示す第2のドライバは従って、データを図3aに示す第1のドライバよりも視覚探索戦略の効率が低いことを示している。
時間経過に伴うエントロピーの値もまた、時間経過に伴うエントロピーの変化を査定するために計算することができる。当該計算は、以下のステップにより実行される。
-長さNの所与の時系列データに対して、以下のように各々長さmのN-m個のベクトルを形成する。
X(1)={x(1),x(2),...,x(m)}
X(2)={x(2),x(3)(...,x(m+1))}
・・・
X(N-m+1)={x(N-m+1),x(N-m+2)、...,x(N)}
各々のベクトルXは長さNの時系列のm個の連続する離散データ点からなり、次元ビンの個数Mが埋め込まれている。
-各ベクトル
Xを取り、等間隔に設置されたM個のビンに分割すれば対応するヒストグラムが得られる。
-ここで、
ヒストグラムの各ビンiの確率を次式で推定する。

Figure 0007387726000010
-シャノンエントロピーの定義により、所与の時系列のエントロピーが式

Figure 0007387726000011
により定義され、
ここにpはヒストグラム内の各ビンの確率である。
-当該エントロピー値をベクトルVecEnに割り当てる。

Figure 0007387726000012
、但し1≦t≦N-m且つ

Figure 0007387726000013
いくつかの実施形態において、観察点の凝視方向の近似エントロピーに加え、眼球運動の近似エントロピー及び頭部運動の近似エントロピーを計算することができる。
眼球及び運動の近似エントロピーの相対値を比較して眼球運動と頭部運動のどちらの効率が低いかを識別することができ、これは視覚探索戦略及び着用者に最も快適であろう視力矯正機器に影響する。
図4を参照するに、視覚探索戦略の効率の別の指標はエントロピーの時間経過に伴う変化である。視覚探索戦略のエントロピーの種類(例えば凝視方向のエントロピー)の増大は、視覚探索戦略が時間経過に伴い固定しておらず、着用者を疲れさせたり不快にさせることを示す傾向がある。エントロピーの変化はまた、作業が複雑又は不確実になり過ぎると視覚探索戦略の脆さを示す場合がある。
別の実施形態によれば、視覚探索戦略の効率を評価する基準はまた、論文“On the complexity of finite sequences”IEEE Transactions on Information Theory 22(1)(1976)75-81に紹介されているレンペルジフ複雑性の尺度でもあり得る。
従って、視覚探索戦略の効率の指標は、記録された凝視方向又は眼球運動の記録、又はそのような信号の計算された近似エントロピー等、視覚探索を表す信号のスペクトル分解解析から判定することができる。例えば、視覚探索戦略の効率を査定する基準は、後述するように、考慮する信号のパワースペクトルから計算されるパワーインデックス、又は考慮する信号に関する多くの周波数であり得る。
以下は、視覚探索を表す信号の例示的なスペクトル解析である。本例において信号は凝視方向信号であるが、同じ処理を上述の他の信号に実行することができる。
正弦波信号、s(t)=αcos(ωt+φ)を2個の複素数値正弦波信号の線形結合s(t)=αi(ωt+φ1)+αi(ωt+φ2)として書き直すことができ、そのパラメータは以下のように制約される。

Figure 0007387726000014
φ=φ=φ (1.11)
ω=-ω=ω

Figure 0007387726000015
1個の無制約実数正弦波のケースを扱うには2個の制約された複素正弦波を考慮する必要があるという事実は、正弦波信号の実数値ケースが実際には複素数値のケースよりも複雑であると考えられることを示す。
離散的信号(検知された凝視信号)を考慮する場合。そのような信号は、最も一般的には(時間又は空間的に)連続する信号の時間又は空間サンプリングにより取得される。

Figure 0007387726000016
Figure 0007387726000017

決定性離散時間凝視データ系列を表す。

Figure 0007387726000018
が有限エネルギーを有する、すなわち以下を意味するものと仮定する。

Figure 0007387726000019
従って、何らかの追加的な規則性条件の下で、一般に系列{g(t)}は次式で定義される離散時間フーリエ変換(DTFT)を有する。

Figure 0007387726000020
従って対応する逆DTFTは次式で与えられる。

Figure 0007387726000021
角周波数wはサンプリング間隔毎にラジアン単位で測定される。Wから物理周波数変数への変換は

Figure 0007387726000022
(rad/sec)である。
対応するエネルギースペクトル密度は従って次式で与えられる。
S(w)=|Y(w)| (1.16)
上式は次式のように書き換えることができる。

Figure 0007387726000023
上式はパーセバルの定理と呼ばれる。これはS(w)がエネルギー系列の分布を周波数の関数として表すことを示している。このため、S(ω)はエネルギースペクトル密度と呼ばれる。
離散時間信号g(t);t=0、±1、±2、...、±Nは平均値ゼロの一連の確率変数であると仮定され、g(t)の自己共分散系列(ACS)又は共分散関数は次式により定義される。
r(k)=E{g(t)g*(t-k)} (1.20)
ここにE{.}は期待値演算子を表し、平均を求めた2個のサンプル間の遅延だけに依存すると仮定する(Priestley、1989)。
ここで、パワースペクトル密度(PSD)を共分散系列のDTFTFとして定義する。

Figure 0007387726000024
所与のφ(w)から{r(k)}に戻す逆変換は次式の通りである。

Figure 0007387726000025
(1.22)から、k=0ならばr(0)=E|g(t)|が得られる。

Figure 0007387726000026
は{g(t)}の(平均)強度を測定し、(1.23)はφ(w)が周波数にわたる(平均的)信号強度の分布を表すため実際にPSDと称し得ることを示す。
換言すれば、(1.23)からφ(w)dω/2πが帯域(ω-dω/2,ω+dω/2)における無限小強度であり、信号の全強度はこれらの無限小寄与を積分することにより得られる。このように取得された信号の全強度は、信号のパワースペクトルから計算されて視覚探索戦略の効率を表す上述のパワーインデックスである。複数の実施形態において、パワーインデックスを比較し易く且つより正確にすべく、0~1の範囲の値を示すように正規化することができる。
図8a、8bを参照するに、2個の信号から各々計算された2個の近似エントロピーのスペクトル分解及びパワーインデックス計算の理論的な一例を示している。図8aのベース信号は、図8bの信号よりも少ない周波数を含んでいる。両図において、第1の線は本発明のケースでは凝視方向信号等の記録された信号に対応している。第2の線は信号のシヌソイドへの分解を表す。第3の線は信号の近似エントロピーを表し、最後の線は周波数に対する近似エントロピーの強度を表す。パワーインデックスは当該プロットの積分であって曲線の下側の面積に対応しており、正規化可能である。この理論的な例から容易に理解できるように、パワーインデックスは、高度に効率的な視覚探索戦略から記録された信号よりも多くの周波数を含んでいるため、非効率的な視覚探索戦略から記録された信号の方が高くなる。
信号のパワースペクトル密度はまた、以下に定義する信号のいわゆるフェーザープロットの構築に用いることができる。
(1.21){φ(w)}は強度密度であるため、実数値且つ非負でなければならない。実際にこれが成り立つことはφ(w)の定義から容易に分かる。従って、
全てのwに対してφ(w)≧0である。 (1.24)
(1.21)を用いて以下が得られる。

Figure 0007387726000027
ここにRe{.}は括弧に入れられた量の実部を表す。G(t)、従って(k)が実数値ならば、次式が成立し、

Figure 0007387726000028
そのような場合にφ(w)が偶関数であることを示す。しかし、複素数値の信号の場合、φ(w)は必ずしもw=0軸について対称である訳ではない。
実数値信号の場合:φ(w)=φ(-w),w∈[-π,π]である。
複素数値信号の場合:φ(w)≠φ(-w),w∈[-π,π]である。
一方、スペクトル解析を考慮する動機は、周波数ωにおける信号の平均強度を特徴付けることである。上述の定義は、凝視方向等のランダムな信号のケースに完全に直接的に拡張することができる。
フェーザーは、振幅(A)、角周波数(w)及び初期位相θが時間不変である正弦関数を表す複素数である。これは解析的表現と呼ばれるより一般的な概念に関係している。オイラーの公式は、正弦信号が数学的に2個の複素数値関数の和として、

Figure 0007387726000029
又は、一方の関数の実数部として、
Acos(wt+θ)=Re{Aei(wt+θ)}=Re{Aeiθ)・eiwt} (1.28)
表すことができることを示す。
関数Aei(wt+θ)はAcos(wt+θ)の解析的表現と呼ばれる。関数全体をフェーザーと称することが便利な場合がある(Singh,Ravish R,“Section4.5:Phasor Representation of Alternating Quantities”,Electrical Networks、Mcgraw Hill Higher Eduction,2009,p.4.13.,ISBN 0070260966も参照されたい)。
データ取得の実行中、アイトラッカは、アイトラッカにより報告され且つ次式で表すことができる平面(モニター)上の雑音が多いn(x,y)凝視座標を取得する。
g=[(x,y),(x,y),...,(x,y)] (1.29)
上記に鑑みて、着用者の凝視指導の記録のスペクトル解析を実行するために以下のステップを実行することができ、その一例を図5aに示す。
-パワースペクトル密度PSDを(上述の方法又はPSDを計算する他の任意の方法により)計算するステップ(図5b)。
-PSDが計算されたならば、信号が分解される周波数帯域を選択し、帯域通過フィルタ又はウェーブレット変換等のアルゴリズムを適用して所望の周波数範囲を正確に取得するステップ。
-スペクトル強度がより大きい周波数を選択するステップ。
-各周波数帯域の信号が取得されたならば、図5c、5dに示すようにフェーザー形式で信号をプロットすることが可能である。
例示的だが非限定的な一例として、短い(レンズA)と長い累進帯(レンズB)のレンズ設計を比較する。レンズA及びレンズBに対して得られた各信号の6個の主周波数のフェーザープロットを各々図5c、5dに示す。着用者に最も適合されたレンズの選択は、視覚探索の主周波数に現れる破壊番号に基づいていてよい。図5d左上のフェーザープロットに示すように、レンズBの方が適している。
更に別の実施形態によれば、視覚探索戦略の効率の指標は、ある関心の観察領域から別の領域に遷移する際の効率であってよい。
上述の指標を評価するために、着用者がより頻繁に観察する領域である、着用者の視野のN個の関心領域(「AOI」)が識別される。
図6bを参照するに、仮想現実装置4を用いてシミュレートされる試験シナリオ実行中の着用者の視覚探索戦略を記録する一例を示す。着用者が最も頻繁に観察する点から、同図に示す領域Z1、Z2、Z3及びZ4等の関心領域を識別することが可能である。
次いで領域のマルコフ連鎖が形成され、各領域には次回に他の領域に遷移する確率の組が関連付けられる。マルコフ連鎖は次式を満たし、Xは時刻nで着用者が観察した関心領域を表す。
P(Xn+1=xn+1│X=x,..,X=x
次いで、ある関心領域から別の領域に遷移する効率を、着用者が当該領域から他方の領域まで辿った視覚探索経路に含まれる領域、それらに関連付けられた確率及び考慮した関心領域に対するそれらの位置から評価することができる。
一実施形態において、Krejtz et al“Entropy-based statistical analysis of eye in movement transitions”、Proceedings of the Symposium on Eye Tracking Research and applications(ETRA’14),2014で与えられる定常エントロピーを計算することができる。定常分布は、ユーザーの凝視遷移が無限大に発散する場合に、各AOIに凝視が収束するベクトル平均確率である。この値は遷移行列から計算することができ、どの関心領域がユーザーの凝視を引き付けるかを意味する。遷移行列P、Pから導かれる定常分布π、及び状態空間φ(関心領域)を仮定し、ここにi∈φとする。以下のように定常分布のエントロピーを取ることができる。
=-Σi∈φπlogπ
Hsの値が大きい場合、異なる(又は全ての)AOI間で遷移が生じることを意味する。値が小さい場合、特定のAOIだけに固視が維持される傾向があり、数個のAOI間でしか遷移が生じないため、視覚探索戦略の効率が上がる(Gilland Jによる論文“Driving,Eye Tracking and Visual Entropy:Exploration or Age and tasks effects”、University of South Dakota,2008も参照されたい)。
好適には、異なるシステムのエントロピー値を比較するために、全てに共通の測定基準を確立することが必要である。これは簡単な正規化、すなわち経験的エントロピーHObsを推定又はモデル化された状態空間におけるエントロピーHmaxの理論最大値で除算することにより行うことができる。

Figure 0007387726000030
エントロピーHrのこの相対値により、異なるグループ及び異なる状況同士の結果を比較することが可能になる。高いエントロピーは全ての組み合わせが同程度に起こり得ることを意味する。低いエントロピーは冗長性があって僅かな組み合わせしか生じない確率が高いことを意味する。
また、視覚探索戦略の解析を完了させるべく各AOIの全固視時間も計算することができる。
上記から、視覚探索戦略の効率を査定すべく、視覚探索戦略の記録を処理することにより極めて多くの異なる基準を評価することができるようになる。
要約するに、上で詳述した異なる基準及びそれらの特性を以下に列挙する。
-凝視方向、眼球運動、又は熱運動を記録する際に計算された近似エントロピーの値、当該基準は視覚探索の大域的査定を可能にし、視覚認識能力、ぼやけ及び視力低下に敏感である。
-凝視方向、眼球運動、又は頭部運動を記録する際に計算された近似エントロピーの変動又は変化。当該基準は、ある時間にわたる複数ウインドウの査定を可能にして効率の変化の査定を可能にする。従って、視覚的疲労等の機会、視力及び/又は知覚の変化、可動スキル及び効率、危険等の外部からの予兆に敏感である。
-凝視方向、眼球運動又は頭部運動或いはこれらから計算される近似エントロピーを記録する際に計算可能なPSD又はこれから得られたフェーザープロット。当該基準は、調べたベクトルに含まれる各周波数の重み及び冗長度の査定を可能にする。これは更に特定の眼球運動パターン又は頭部運動制御を現す特定の周波数等の視認不可能な微小探索成分(sub visual exploration components)の査定に役立ち得る。
-凝視方向、眼球運動又は頭部運動或いはこれらから計算される近似エントロピーを記録する際に計算されるパワーインデックス。当該基準は視覚探索の大域的査定を可能にする。近似エントロピーに基づいて計算された場合、信号全体にわたるエントロピーベクトル及びエネルギー消費に含まれる周波数の重みを反映する視覚認識能力に敏感である。
-関心領域のマルコフ連鎖から評価された、視覚探索中に探索されたある観察領域から別の領域に遷移する際の効率であって、当該基準は特定の関心空間領域内での視覚探索のランダム度及び冗長度の査定を可能にする。
-マルコフ連鎖の分布のエントロピーは、全ての関心領域にわたる視覚探索のランダム度又は効率を記述する。
このようにニーズに従い、評価戦略の効率の異なる態様を査定するために異なる基準を組み合わせることが有利であり得る。
図2に戻り、一実施形態において、視覚探索戦略の査定基準が評価されたならば、ステップ340において基準値を参照値と比較することができる。
例えば、上述の値を、同一試験シナリオ又は少なくとも同一作業、同一環境及び一般的に同じ精神的負荷又は同種の追加的な作業を有するシナリオで同一着用者向けに事前に決定された参照値と比較することができる。試験シナリオは、必要な場合にサプライズ効果を維持すべく、且つ着用者が自身の視覚探索戦略を既に知っているシナリオに適合させるのを防止すべく、実際にランダム化されている。
一例によれば、参照値は、視力矯正機器を着用していない、又は以前の視力矯正機器を着用している着用者向けに取得することができ、新たな視力矯正機器を試している着用者向けにステップ330で決定された値を取得することができる。
参照値はまた、着用者のものと同様のパラメータ値を有する母集団にわたり計算された値であってよい。この場合、複数の母集団向けの参照値がデータベース2に保存されており、着用者に関するパラメータ値の少なくとも一部を用いてデータベース2を照会することにより、着用者に最も近い参照値が検索される。
この場合、着用者の視覚探索戦略の効率の値は、現在の視力矯正機器を着用しているか又は新たな視力矯正機器を試している着用者向けに決定されていてよい。
以下により詳細に述べるように、比較の結果があれば、着用者の視力矯正機器をカスタマイズする際に考慮に入れられる。
ステップ300の別の実施形態によれば、着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準値の決定は、複数の母集団用に例えば基準の平均値等の参照値が保存されているデータベースを照会することにより実行されてよい。データベースの照会は、母集団用に計算された、着用者に最も近い参照値を検索すべく着用者に関するパラメータ値の組を用いて実行することができる。
この場合、着用者向けに決定された値は、着用者のものに最も近いパラメータ値を有する母集団用にデータベースに保存されている参照値に対応している。
図1に戻り、本方法は次いで、着用者が着用する視力矯正機器の光学設計を当該着用者の視覚探索戦略の効率を査定している評価基準に従い決定するステップを含んでいる。
本方法はまた、本方法の先行ステップに従い多くの異なる仕方で実行されてよい。
一実施形態によれば、視力矯正機器の設計の選択又はカスタマイズは、視覚探索戦略の効率を高めるべく実行されてよい。これを行うため、多くの機器が着用者で試されてよく、効率を最も高める機器を選択すべく視覚探索戦略の効率を評価することができる。
ステップ300が着用者の視覚探索戦略の効率と、着用者と同様の特徴を有する母集団に対応する参照値との比較を含んでいる場合、最初は前記効率が参照値より低ければ、設計の選択又はカスタマイズはまた、着用者の視覚探索戦略の効率を参照値になるべく近づけるべく実行されてもよい。
別の例によれば、以前の視力矯正機器を着用した場合と試験機器を着用した場合の着用者の視覚探索戦略の効率の比較を実行した場合、以前のものと比較して試験機器で得られる効率を高めるように選択が行われてよい。
一実施形態によれば、視力矯正機器の設計の選択又はカスタマイズはまた、測定された視覚探索戦略の効率に応じて視力矯正機器の特定の設計パラメータを調整することにより実行されてよい。
例えば、着用者がある視覚的領域から別の領域(例えば近視領域及び遠視領域)に遷移する効率が低いと評価された場合、設計のカスタマイズは、累進帯に沿った乱視を減らすために2個の領域間の遷移効率を向上させるべく各領域のジオメトリの調整及び領域間の収差の減少を含んでいてよい。
別の例によれば、頭部及び眼球運動に対するエントロピーの値が計量されている場合、且つ一方のシステムが他方と比較して効率が低いことが分かっている場合、これを視力矯正機器の設計の考慮に入れることができる。頭部運動が視覚探索の効率を低下させる場合はより滑らかに収差が再分配された累進多焦点レンズを提案するのに対し、眼球運動が視覚探索の効率を低下させる場合は視野がより大きい設計を提案する。
所与の着用者による視覚探索戦略の効率は、着用者の適応能力に依存し得るため、視力矯正機器が選択されたならば、当該設計を備えた着用者の視覚探索戦略の効率の変化を定期的に点検する適合フェーズも実行可能である。

Claims (16)

  1. 着用者向けに適合された視力矯正機器を決定する方法であって、
    前記着用者に関するパラメータ値の組を取得するステップ(100)と、
    前記着用者が実行する視覚探索を含む少なくとも1個の作業を決定するステップ(200)と、
    計算システムを用いて、前記作業のための前記着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準値を決定するステップ(300)であって前記着用者の視覚探索戦略の前記効率を査定する基準が、
    前記視覚探索の近似エントロピー、
    信号内のエネルギー消費から決定された、前記視覚探索又は前記視覚探索の近似エントロピーのパワーインデックス、
    記録された前記視覚探索の、又は前記視覚探索の近似エントロピーに対するスペクトル解析から判定された視覚探索パターンに関する頻度の個数、重み及び冗長度、
    前記視覚探索の近似エントロピーの時間経過に伴う変化、又は
    ある関心観察領域から別の領域への遷移効率
    を含むグループから選択される、ステップ(300)と、
    前記決定された基準値に応じて着用者が着用する視力矯正機器の光学設計を決定するステップ(400)と
    を含む方法。
  2. 前記作業に対する前記着用者の視覚探索戦略の前記効率を査定する前記基準値を決定する前記ステップ(300)が、
    決定された環境内における前記作業の効率に関する試験シナリオを前記着用者に受けさせるステップ(310)と、
    少なくとも1個のセンサにより、前記試験シナリオを体験中の前記着用者の視覚探索戦略を記録するステップ(320)と、
    前記記録された視覚探索戦略から前記着用者の視覚探索戦略の前記効率を査定する基準を評価するステップ(330)とを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準値を決定する前記ステップ(300)が更に、前記評価された基準を参照値と比較するステップ(340)を含み、光学設計を決定する前記ステップが前記評価された基準と前記参照値の比較結果に応じて実行される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記参照値がある参照母集団にわたり計算されているか、又は前記着用者の参照値である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記参照値が、前記着用者が以前の視力矯正機器を着用しているか又は視力矯正機器を一切着用していない状態で、同一の決定された環境における同一作業の効率に関する試験シナリオを前記着用者に以前に受けさせた際の前記着用者の視覚探索戦略から査定される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記着用者の視覚探索戦略を記録する前記ステップ(320)が、前記着用者の凝視方向又は観察点を決定された頻度で記録するステップを含む、請求項2~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記着用者の視覚探索戦略を記録する前記ステップ(320)が更に、前記着用者の眼球運動及び頭部運動を決定された頻度で記録するステップを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 決定された環境内における前記作業の前記効率に関する試験シナリオを前記着用者に受けさせる前記ステップ(310)が、仮想現実装置(4)を用いてシミュレートされる仮想状況に前記着用者を置くことにより実行される、請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記試験シナリオが、
    前記視覚探索戦略が記録される間に実行される作業の選択、
    前記作業が実行される環境の選択、並びに、
    以下を含む一群のパラメータ、すなわち
    前記試験シナリオの継続時間、
    前記試験シナリオの視覚的シーンの複雑性、
    前記選択された作業の実行中に前記環境内で探索される関心領域の個数及び配置、
    精神的作業負荷、
    前記試験シナリオの実行中に前記着用者が行う決定の種類及び回数、
    のうち試験状況において行われる前記視覚探索に影響を及ぼす少なくとも1個の追加的なパラメータの選択
    に基づいて構成される、請求項2~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記作業に対する前記着用者の視覚探索戦略の前記効率を査定する前記基準値を決定する前記ステップ(300)が、コンピュータと、複数着用者の複数の母集団の各々及び複数の作業の各々に対する前記視覚探索戦略の効率を査定する基準の参照値を保存しているデータベースとを含むシステムを用いて実行され、
    前記着用者の前記視覚探索戦略の前記効率を査定する前記基準値を決定する前記ステップが、前記コンピュータにより、前記着用者及び前記作業に関する前記パラメータ値の組を含む入力データを用いて前記データベースを照会して、前記着用者に対応する母集団の基準の参照値を検索するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 光学設計を決定する前記ステップ(400)が、視力矯正機器の複数の設計から、前記作業に対する前記着用者の視覚探索戦略の前記効率を最大化する設計を選択するステップを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記作業に対する前記着用者の視覚探索戦略の効率を査定する少なくとも2個の異なる基準値の判定、及び前記判定された基準値に応じて着用者が着用する視力矯正機器の光学設計を決定するステップ(400)を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準が、ある関心観察領域から別の領域への遷移効率であり、前記基準の評価が、
    前記着用者の視野の複数の関心領域を決定するステップ、
    少なくとも1個のセンサを用いて、試験中に前記着用者の視覚探索戦略を記録して、前記関心領域内での生起比率を計算するステップ、
    前記関心領域のマルコフ連鎖を、各関心領域が次回に他の領域に遷移する確率の組に関連付けられるように形成するステップ、及び
    ある関心領域から別の領域への遷移効率を、前記関心領域の前記マルコフ連鎖の処理から評価するステップを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記マルコフ連鎖の処理が、前記関心領域の定常分布のエントロピーを計算するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記方法が、
    前記着用者の凝視方向又は観察点の近似エントロピーを評価するステップ、
    前記着用者の眼球運動の近似エントロピーを評価するステップ、
    前記着用者の頭部運動の近似エントロピーを評価するステップを含み、
    着用者が着用する視力矯正機器の光学設計を決定する前記ステップ(400)が、前記着用者の凝視方向又は観察点の前記近似エントロピーに基づいて、且つ前記眼球運動の前記近似エントロピー及び前記頭部運動の前記近似エントロピーの相対値に基づいて実行される、請求項1~1のいずれか1項に記載の方法。
  16. 着用者向けに適合された視力矯正機器を判定するシステムであって、
    前記着用者に関するパラメータ値の組を受信し、
    前記着用者により実行され、且つ視覚探索が関わる作業の少なくとも識別を含む追加的な入力データを受信し、
    前記パラメータ値の組及び前記追加的な入力データから前記作業に対する前記着用者の視覚探索戦略の効率を査定する基準値を決定し、前記着用者の視覚探索戦略の前記効率を査定する基準が、
    前記視覚探索の近似エントロピー、
    信号内のエネルギー消費から決定された、前記視覚探索又は前記視覚探索の近似エントロピーのパワーインデックス、
    記録された前記視覚探索の、又は前記視覚探索の近似エントロピーに対するスペクトル解析から判定された視覚探索パターンに関する頻度の個数、重み及び冗長度、
    前記視覚探索の近似エントロピーの時間経過に伴う変化、又は
    ある関心観察領域から別の領域への遷移効率
    を含むグループから選択される
    ように構成された計算装置(1)を含むシステム。
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