以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
また、図面には、適宜、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸は、水平方向のうちの一方向を示している。Y軸は、水平方向のうちの他の一方向を示している。Z軸は、鉛直方向を示している。以下の説明においては、X軸に沿った水平方向を“前後方向X”と呼び、Y軸に沿った水平方向を“左右方向Y”と呼び、Z軸に沿った鉛直方向を“鉛直方向Z”と呼ぶ。前後方向X、左右方向Y、および鉛直方向Zは、互いに直交する方向である。以下の説明においては、鉛直方向ZのうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を上側とし、鉛直方向ZのうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を下側とする。また、前後方向XのうちX軸の矢印が向く側(+X側)を前側とし、前後方向XのうちX軸の矢印が向く側と逆側(-X側)を後側とする。また、左右方向Yは、以下の実施の形態の室外機を前方(+X方)から見た場合における左右方向とする。つまり、左右方向YのうちY軸の矢印が向く側(+Y側)を右側とし、左右方向YのうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を左側とする。
なお、以下の実施の形態において、左右方向Yは、“第1方向”に相当する。鉛直方向Zは、第1方向と交差する“第2方向”に相当する。前後方向Xは、第1方向および第2方向の両方と直交する方向に相当する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における冷凍サイクル装置100の概略構成を示す模式図である。冷凍サイクル装置100は、冷媒19が循環する冷凍サイクルを利用する装置である。実施の形態1において冷凍サイクル装置100は、空気調和機である。図1に示すように、冷凍サイクル装置100は、室外機10と、室内機20と、循環経路部18と、を備える。室外機10は、屋外に配置されている。室内機20は、室内に配置されている。室外機10と室内機20とは、冷媒19が循環する循環経路部18によって互いに接続されている。室外機10および室内機20は、空気との間で熱交換を行う熱交換ユニットである。
冷凍サイクル装置100は、循環経路部18内を流れる冷媒19と室内機20が配置された室内の空気との間で熱交換を行うことによって、室内の空気の温度を調整可能である。冷媒19としては、例えば、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が低いフッ素系冷媒、または炭化水素系冷媒などが挙げられる。
室外機10は、筐体11と、圧縮機12と、熱交換器13と、流量調整弁14と、送風機15と、四方弁16と、制御部17と、を備える。筐体11の内部には、圧縮機12、熱交換器13、流量調整弁14、送風機15、四方弁16、および制御部17が収容されている。
圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち筐体11の内部に位置する部分に設けられている。圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち筐体11の内部に位置する部分によって接続されている。
四方弁16は、循環経路部18のうち圧縮機12の吐出側に繋がる部分に設けられている。四方弁16は、循環経路部18の一部の経路を切り替えることで、循環経路部18内を流れる冷媒19の向きを反転させることができる。四方弁16によって繋がれる経路が図1の四方弁16に実線で示す経路である場合、冷媒19は、循環経路部18内を図1に実線の矢印で示す向きに流れる。一方、四方弁16によって繋がれる経路が図1の四方弁16に破線で示す経路である場合、冷媒19は、循環経路部18内を図1に破線の矢印で示す向きに流れる。
室内機20は、筐体21と、熱交換器22と、送風機23と、を備える。筐体21は、熱交換器22、および送風機23を内部に収容している。室内機20は、室内機20が配置された室内の空気を冷やす冷房運転と、室内機20が配置された室内の空気を暖める暖房運転とが可能である。
室内機20が冷房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、図1に実線の矢印で示す向きに流れる。つまり、室内機20が冷房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、圧縮機12、室外機10の熱交換器13、流量調整弁14、および室内機20の熱交換器22をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。冷房運転において、室外機10内の熱交換器13は凝縮器として機能し、室内機20内の熱交換器22は蒸発器として機能する。
一方、室内機20が暖房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、図1に破線で示す向きに流れる。つまり、室内機20が暖房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、圧縮機12、室内機20の熱交換器22、流量調整弁14、および室外機10の熱交換器13をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。暖房運転において、室外機10内の熱交換器13は蒸発器として機能し、室内機20内の熱交換器22は凝縮器として機能する。
次に、室外機10について、さらに詳細に説明する。図2は、室外機10の熱交換器13を示す模式図である。図3は、室外機10の熱交換器13の一部を前後方向Xに見た図である。図4は、室外機10の熱交換器13の一部を示す斜視図である。
図2から図4に示すように、室外機10の熱交換器13は、熱交換器本体13cを備える。熱交換器本体13cは、複数の伝熱管13aと、複数のフィン13bと、を有する。実施の形態1において複数の伝熱管13aは、左右方向Yに延びている。複数の伝熱管13aは、例えば、円筒状の配管である。実施の形態1では、鉛直方向Zに間隔を空けて並んだ複数の伝熱管13aの列が、前後方向Xに2列並んで配置されている。なお、図3および図4では、一部の伝熱管13aの図示を省略している。
複数のフィン13bは、複数の伝熱管13aに接続されている。実施の形態1において複数のフィン13bは、板面が左右方向Yを向き鉛直方向Zに長い長方形板状である。複数のフィン13bは、左右方向Yに並んで配置されている。図示は省略するが、隣り合うフィン13b同士の間には、僅かな隙間が設けられている。各フィン13bには、複数の伝熱管13aが左右方向Yに通される複数の貫通穴がそれぞれ形成されている。当該貫通穴の内縁には、当該貫通穴に通された伝熱管13aの外周面が固定されている。
図2に示すように、熱交換器13は、2つの伝熱管13a同士を繋ぐ曲げ部51,52を備える。曲げ部51は、前後方向Xに隣り合う2つの列にそれぞれ含まれた伝熱管13a同士を繋ぐ部分である。曲げ部52は、鉛直方向Zに隣り合う伝熱管13a同士を繋ぐ部分である。曲げ部51および曲げ部52は、それぞれ複数ずつ設けられている。各曲げ部51,52は、例えば、U字形状の配管である。曲げ部51,52は、伝熱管13aと別体の配管継手であってもよいし、伝熱管13aと一体に形成されてもよい。
熱交換器13は、第1分配器41と、第2分配器42と、を備える。第1分配器41は、複数の配管部41aを有する。図2の例では、配管部41aは、6つ設けられている。複数の配管部41aのそれぞれは、複数の伝熱管13aのうち鉛直方向Zの上側に配置される伝熱管13aにそれぞれ繋がっている。第1分配器41には、熱交換器13と四方弁16とを繋ぐ配管18aが繋がっている。
室内機20が冷房運転される場合、配管18aから第1分配器41に流れた冷媒19は、複数の配管部41aに分岐して流れて、各配管部41aが接続された各伝熱管13a内に流入する。実施の形態1では、各配管部41aから各伝熱管13aに流入した冷媒19は、1つの曲げ部52を介して他の伝熱管13aに流れ、1つの曲げ部51を介してさらに他の伝熱管13aに流れ、他の1つの曲げ部52を介してまたさらに他の伝熱管13aへと流れる。当該またさらに他の伝熱管13aへと流れた冷媒19は、後述する冷媒分配器30に流入する。
第2分配器42は、複数の配管部42aを有する。図2の例では、配管部42aは、3つ設けられている。複数の配管部42aのそれぞれは、複数の伝熱管13aのうち鉛直方向Zの下側に配置される伝熱管13aにそれぞれ繋がっている。第2分配器42には、熱交換器13と流量調整弁14とを繋ぐ配管18bが繋がっている。
室内機20が暖房運転される場合、配管18bから第2分配器42に流れた冷媒19は、複数の配管部42aに分岐して流れて、各配管部42aが接続された各伝熱管13a内に流入する。実施の形態1では、各配管部42aから各伝熱管13aに流入した冷媒19は、1つの曲げ部52を介して他の伝熱管13aに流れ、1つの曲げ部51を介してさらに他の伝熱管13aに流れ、他の1つの曲げ部52を介してまたさらに他の伝熱管13aへと流れる。当該またさらに他の伝熱管13aへと流れた冷媒19は、後述する冷媒分配器30に流入する。
熱交換器13は、冷媒19を分配する冷媒分配器30を備える。実施の形態1において冷媒分配器30は、複数の伝熱管13aをそれぞれ介して第1分配器41と第2分配器42とを繋いでいる。第1分配器41から複数の伝熱管13aに流れた冷媒19は、冷媒分配器30を介して、第2分配器42へと流れる。第2分配器42から複数の伝熱管13aに流れた冷媒19は、冷媒分配器30を介して、第1分配器41へと流れる。実施の形態1において冷媒分配器30は、複数設けられている。図2の例では、冷媒分配器30は、3つ設けられている。
図3および図4に示すように、実施の形態1において冷媒分配器30は、熱交換器本体13cの右側(+Y側)に位置する。図5は、冷媒分配器30の一部を左右方向Yに見た図である。図3から図5に示すように、冷媒分配器30は、第1配管部31と、第1配管部31に繋がる第2配管部32と、を備える。
実施の形態1において第1配管部31は、1つの伝熱管13aと第2配管部32とを繋ぐ配管である。第1配管部31は、例えば、円筒状の配管である。図3に示すように、第1配管部31は、接続管部31aと、第1延伸管部31bと、第2延伸管部31cと、第3延伸管部31dと、を有する。
接続管部31aは、左右方向Yに延びている。接続管部31aは、複数の伝熱管13aのうち比較的下側に配置された伝熱管13aの左右方向Yの端部に繋がっている。つまり、実施の形態1において、接続管部31aが接続される他の部材は、伝熱管13aである。接続管部31aのうち伝熱管13aに接続される側の端部は、第1配管部31のうち第2配管部32に接続される側の端部とは逆側の端部である。接続管部31aは、伝熱管13aの右側(+Y側)の端部から右側に直線状に延びている。実施の形態1において接続管部31aは、左右方向Yと平行な方向に延びている。
第1延伸管部31bは、鉛直方向Zに延びている。実施の形態1において第1延伸管部31bは、接続管部31aの右側の端部から上側に直線状に延びている。なお、接続管部31aと第1延伸管部31bとの間には別の管部が設けられていてもよく、当該別の管部は、どのような形状であってもよい。例えば、当該別の管部は、接続管部31aの右側の端部から上側に、鉛直方向Zに対して水平方向に傾いた方向に斜めに延びていてもよい。当該別の管部が設けられる場合には、当該別の管部のうち接続管部31aに繋がる側と逆側の端部から第1延伸管部31bが上側に延びる。
第1延伸管部31bは、接続管部31aから上側に屈曲して延びている。つまり、接続管部31aと第1延伸管部31bとの間には、屈曲部33aが形成されている。実施の形態1において屈曲部33aは、接続管部31aと第1延伸管部31bとの接続部分である。実施の形態1において、屈曲部33aにおける屈曲角度θ3は、90°である。屈曲角度θ3は、接続管部31aに対する第1延伸管部31bの屈曲角度である。屈曲角度θ3は、特に限定されず、90°以外の角度であってもよい。
なお、本明細書において“或る管部に対する他の管部の屈曲角度”とは、或る管部に対して、或る管部に繋がる他の管部が曲げられた程度の大きさを示す角度である。つまり、屈曲角度が大きいほど、或る管部に対して他の管部が大きく曲げられた状態となる。また、或る管部に対して他の管部が屈曲しておらず、他の管部が或る管部に続いて、或る管部が延びる方向に延びている状態が、屈曲角度が0°となる状態である。
第2延伸管部31cは、第1延伸管部31bの上側の端部に繋がっている。図4および図5に示すように、第2延伸管部31cは、第1延伸管部31bから屈曲して延びている。第2延伸管部31cは、第1延伸管部31bに対して、左右方向Yおよび鉛直方向Zの両方と直交する前後方向Xにおける一方側、すなわち後側(-X側)に屈曲している。実施の形態1において第2延伸管部31cは、鉛直方向Zおよび前後方向Xに対して斜めに傾いて直線状に延びている。第2延伸管部31cは、第1延伸管部31bの上側の端部から上側に向かうに従って後側に位置する。
第1延伸管部31bと第2延伸管部31cとの接続部分は、屈曲部33bである。実施の形態1において屈曲部33bにおける屈曲角度θ1aは、鋭角である。屈曲角度θ1aは、第1延伸管部31bに対する第2延伸管部31cの屈曲角度である。
第3延伸管部31dは、第2延伸管部31cの上側かつ後側(-X側)の端部に繋がっている。第3延伸管部31dは、第2延伸管部31cの上側かつ後側の端部から上側に直線状に延びている。つまり、第3延伸管部31dは、第2延伸管部31cから屈曲して鉛直方向Zに延びている。第3延伸管部31dは、第2延伸管部31cに対して、上側に屈曲している。第3延伸管部31dの上側の端部は、第1配管部31の上側の端部であり、第2配管部32に繋がっている。第3延伸管部31dは、鉛直方向Zに見て、第1延伸管部31bに対してずれた位置に配置されている。実施の形態1において第3延伸管部31dは、第1延伸管部31bに対して前後方向Xにずれた位置に配置されている。第3延伸管部31dは、第1延伸管部31bよりも後方(-X方)に位置する。
第2延伸管部31cと第3延伸管部31dとの接続部分は、屈曲部33cである。実施の形態1において屈曲部33cにおける屈曲角度θ2aは、鋭角である。屈曲角度θ2aは、第2延伸管部31cに対する第3延伸管部31dの屈曲角度である。実施の形態1において屈曲角度θ1aと屈曲角度θ2aとは、互いに同じ角度である。なお、屈曲角度θ1aと屈曲角度θ2aとは、互いに異なる角度であってもよい。
実施の形態1において、第1延伸管部31bの長さL1bは、第2延伸管部31cの長さ、および第3延伸管部31dの長さL1dよりも大きい。第1延伸管部31bの長さL1bは、第1延伸管部31bの内径Dbの10倍以上である。第3延伸管部31dの長さL1dは、第2延伸管部31cの長さよりも大きい。第3延伸管部31dの長さL1dは、第3延伸管部31dの内径Ddの10倍以上である。各延伸管部の長さは、各延伸管部が延びる方向における各延伸管部の寸法である。つまり、第1延伸管部31bの長さL1bは、第1延伸管部31bの鉛直方向Zの寸法であり、第3延伸管部31dの長さL1dは、第3延伸管部31dの鉛直方向Zの寸法である。なお、第1延伸管部31bの長さL1bは、第3延伸管部31dの長さL1dと同じであってもよいし、第3延伸管部31dの長さL1dより小さくてもよい。
図3に示すように、第1配管部31のうち、第1延伸管部31b、第2延伸管部31c、および第3延伸管部31dを含む部分は、左右方向Yおよび鉛直方向Zの両方と直交する前後方向Xに見て、鉛直方向Zに直線状に延びる形状である。実施の形態1において、第1配管部31のうち、第1延伸管部31b、第2延伸管部31c、および第3延伸管部31dを含む部分とは、第1配管部31のうち第1延伸管部31bの下側の端部から第3延伸管部31dの上側の端部までの間の部分である。つまり、実施の形態1では、前後方向Xに見て、第1配管部31は、第1延伸管部31bの下端部から第3延伸管部31dの上端部まで、鉛直方向Zに直線状に延びる形状である。
第2配管部32は、第1配管部31の上側の端部に繋がっている。第2配管部32は、一対の並列管部32a,32bと、連結管部32cと、を有する。一対の並列管部32a,32bは、左右方向Yに延びている。一対の並列管部32a,32bは、左右方向Yと交差する鉛直方向Zに間隔を空けて配置されている。実施の形態1において一対の並列管部32a,32bは、互いに平行に延びる直管部である。
一対の並列管部32a,32bの左右方向Yの一端部同士は、連結管部32cによって連結されている。実施の形態1では、各並列管部32a,32bの右側の端部同士が連結管部32cによって連結されている。一対の並列管部32a,32bは、それぞれ互いに異なる伝熱管13aに接続されている。実施の形態1では、各並列管部32a,32bの左側の端部が各伝熱管13aの右側の端部に接続されている。一対の並列管部32a,32bが接続される伝熱管13aは、複数の伝熱管13aのうち比較的上側に位置する伝熱管13aである。
並列管部32bは、並列管部32aの下方に間隔を空けて配置されている。並列管部32bの右側部分における下側の壁部には、下方に突出する筒部32dが形成されている。筒部32dは、下方に開口する円筒状である。筒部32d内には、第1配管部31の上端部、すなわち第3延伸管部31dの上端部が嵌め合わされている。第3延伸管部31dと筒部32dとは、例えば、溶接により互いに固定されている。これにより、第3延伸管部31dは、一対の並列管部32a,32bの一方、すなわち並列管部32bに繋がっている。実施の形態1では、第3延伸管部31dは、一対の並列管部32a,32bのうち鉛直方向Zの下側に位置する並列管部32bの右側の端部に下方から繋がっている。
連結管部32cは、一対の並列管部32a,32bの右側に位置する。連結管部32cは、一対の並列管部32a,32bの左右方向Yの端部同士を繋いでいる。実施の形態1において連結管部32cは、曲線状に延びている。より詳細には、連結管部32cは、前後方向Xに見て、右側に凸となる半円弧状に延びている。連結管部32cの上側の端部は、並列管部32aの右側の端部に繋がっている。連結管部32cの下側の端部は、並列管部32bの右側の端部に繋がっている。前後方向Xに見て半円弧状の連結管部32cによって一対の並列管部32a,32b同士が連結されることで、第2配管部32は、前後方向Xに見て、左右方向Yの一方側、すなわち実施の形態1では左側(-Y側)に開くU字形状となっている。
実施の形態1において冷媒分配器30は、室内機20が暖房運転される場合に、冷媒19を分配する分配器と機能する。室内機20が暖房運転される場合、図3に破線の矢印で示すように、接続管部31aに繋がる伝熱管13aから、接続管部31a内に冷媒19が流入する。ここで、接続管部31a内に流入する冷媒19は、気液二相状態の冷媒19である。接続管部31a内に流入した冷媒19は、接続管部31aを右側に流れて、第1延伸管部31b内に流入する。第1延伸管部31b内に流入した冷媒19は、第1延伸管部31b、第2延伸管部31c、および第3延伸管部31dを上方に向かってこの順に流れ、第3延伸管部31dの上端部から並列管部32b内に流入する。並列管部32b内に流入した冷媒19は、並列管部32bの内壁のうち第3延伸管部31dの上方に対向する部分に衝突し、左右方向Yに互いに反対向きに流れる2つの流れに分岐する。並列管部32b内に流入した冷媒19の一部は、並列管部32bを左側に流れ、並列管部32bが接続された伝熱管13a内に流入する。並列管部32b内に流入した冷媒19の残りは、右側に流れて連結管部32c内に流入する。連結管部32c内に流入した冷媒19は、並列管部32a内に流入し、並列管部32a内を左側に流れて、並列管部32aが接続された伝熱管13a内に流入する。このようにして、冷媒分配器30は、第1配管部31内に流入した冷媒19を、第2配管部32において2つの流れに分岐させて、2つの伝熱管13a内に分配する。
次に、比較例の冷媒分配器530について説明する。図10は、比較例の冷媒分配器530の一部を示す断面図である。図10に示すように、冷媒分配器530は、実施の形態1に対して、第1配管部531が異なる。なお、以下の冷媒分配器530の説明において、実施の形態1の冷媒分配器30と同様の構成については、同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
第1配管部531は、第1延伸管部31bと、第2延伸管部531cと、第3延伸管部531dと、を有する。第2延伸管部531cは、第1延伸管部31bに対して、一対の並列管部32a,32bが延びる左右方向Yの一方側(-Y側)に屈曲している。第1延伸管部31bと第2延伸管部531cとの接続部分は、屈曲部533bである。屈曲部533bは、第1延伸管部31bに対して屈曲する向きが異なる点を除いて、実施の形態1の屈曲部33bと同様である。第2延伸管部531cは、第1延伸管部31bの上側の端部から左側に向かうに従って上側に位置する。
第3延伸管部531dは、第2延伸管部531cから屈曲して鉛直方向Zに延びて、並列管部32bに繋がっている。第3延伸管部531dは、第1延伸管部31bに対して左右方向Yにずれた位置に配置されている。第3延伸管部531dは、第1延伸管部31bよりも左側(-Y側)に位置する。第3延伸管部531dの長さL2dは、第3延伸管部531dの内径Ddの10倍よりも小さい。図10の例では、第3延伸管部531dの長さL2dは、第3延伸管部531dの内径Ddの5倍よりも小さい。第2延伸管部531cと第3延伸管部531dとの接続部分は、屈曲部533cである。屈曲部533cは、第2延伸管部531cと第3延伸管部531dとの相対位置関係が異なる点を除いて、実施の形態1の屈曲部33cと同様である。
比較例の冷媒分配器530にいて、第1延伸管部31b内から第2延伸管部531c内に冷媒19が流入すると、気液二相状態の冷媒19のうちの液状冷媒LRは、第1延伸管部31bを上方に流れてきた慣性によって第2延伸管部531cの内壁のうち上側の内壁部531eに押し付けられる。慣性によって内壁部531eに押し付けられた液状冷媒LRは、内壁部531eに沿って第2延伸管部531c内を流れて、第3延伸管部531d内に流入する。第3延伸管部531d内に流入した液状冷媒LRは、第1延伸管部31b内および第2延伸管部531c内を流れてきた際に生じている慣性によって、第3延伸管部531dの内壁のうち内壁部531eに繋がる内壁部531fに沿って第3延伸管部531d内を流れる。内壁部531fは、第3延伸管部531dの内壁のうち右側(+Y側)に位置する部分である。内壁部531fに沿って上側に流れた液状冷媒LRは、並列管部32bから第2配管部32内に流入する。
液状冷媒LRが慣性によって内壁部531fに沿って流れるため、第3延伸管部531d内において冷媒19は、右側に液状冷媒LRが寄り、左側にガス状冷媒GRが寄った状態となる。冷媒19がこの状態のまま並列管部32bの内壁のうち第3延伸管部531dと対向する部分に衝突すると、右側に寄っている液状冷媒LRは右側に流れて連結管部32cを介して並列管部32aへと流れやすく、左側に寄っているガス状冷媒GRは並列管部32b内を左側に流れやすい。そのため、並列管部32bから伝熱管13aへと流れる冷媒19の量が、並列管部32aから伝熱管13aへと流れる冷媒19の量よりも少なくなる。このように、比較例の冷媒分配器530では、屈曲部533b,533cが設けられていることで、慣性によって液状冷媒LRに偏りが生じて、分配される冷媒19の量に偏りが生じる場合があった。そのため、伝熱管13aごとに、流れる冷媒19の量に偏りが生じて、熱交換器13の熱交換効率が低下する場合があった。
これに対して、実施の形態1によれば、第2延伸管部31cは、第1延伸管部31bに対して、一対の並列管部32a,32bが延びる左右方向Y、および左右方向Yと交差する鉛直方向Zの両方と直交する前後方向Xにおける一方側に屈曲している。そのため、冷媒19に生じる慣性によって、第3延伸管部31d内を流れる液状冷媒LRに偏りが生じても、液状冷媒LRが偏る方向は、一対の並列管部32a,32bが延びる左右方向Yではなく、前後方向Xである。これにより、第3延伸管部31dから並列管部32b内に流入した冷媒19が並列管部32b内の内壁部に衝突した際、左右方向Yに分岐して流れる冷媒19の量に偏りが生じにくい。したがって、一対の並列管部32a,32bのそれぞれに分配される冷媒19の量に偏りが生じることを抑制できる。そのため、複数の伝熱管13a内に流れる冷媒19の量に偏りが生じにくく、熱交換器13の熱交換効率が低下することを抑制できる。したがって、熱交換器13を備える冷凍サイクル装置100の性能を向上させることができる。
また、第1配管部31の一部を屈曲させることで、第1配管部31が他の配管などの他の部材と接触することを抑制でき、第1配管部31を他の部材を避けて好適に配置しやすくできる。上述した比較例の冷媒分配器530では、他の配管などの他の部材を避けるために第1配管部531を屈曲させた結果、上述したようにして分配される冷媒19の量に偏りが生じる場合があった。これに対して、実施の形態1によれば、上述したように、第1配管部31の一部を屈曲させつつも、冷媒分配器30によって分配される冷媒19の量が偏ることを抑制できる。そのため、冷媒分配器30を他の配管などの他の部材を避けて室外機10内に好適に配置しつつ、冷媒分配器30によって分配される冷媒19に偏りが生じることを抑制できる。
また、実施の形態1によれば、第1配管部31のうち、第1延伸管部31b、第2延伸管部31c、および第3延伸管部31dを含む部分は、左右方向Yおよび鉛直方向Zの両方と直交する前後方向Xに見て、鉛直方向Zに直線状に延びる形状である。そのため、第1延伸管部31b内から第2延伸管部31c内を介して第3延伸管部31d内に流れる冷媒19における液状冷媒LRが左右方向Yに偏ることをより抑制できる。したがって、分配される冷媒19の量に偏りが生じることをより抑制でき、熱交換器13の熱交換効率が低下することをより抑制できる。
また、実施の形態1によれば、第3延伸管部31dの長さL1dは、第3延伸管部31dの内径Ddの10倍以上である。そのため、第3延伸管部31dの長さL1dを好適に大きくできる。これにより、仮に、屈曲部33a内を冷媒19が流れることなどに起因して第3延伸管部31d内に流入した際に液状冷媒LRが左右方向Yに偏ってしまった場合であっても、比較的長い第3延伸管部31d内を液状冷媒LRが流れる間に、第3延伸管部31d内において液状冷媒LRの左右方向Yの偏りを解消しやすい。具体的には、液状冷媒LRが内壁部に沿って流れる際に受ける摩擦力が比較的大きいため、液状冷媒LRが、摩擦抵抗の少ないガス状冷媒GRの方へと流れようとして、徐々にガス状冷媒GRと再び混ざり合い、液状冷媒LRの偏りが解消される。これにより、液状冷媒LRとガス状冷媒GRとが左右方向Yに分離したような状態で冷媒19が第2配管部32に流入することを抑制でき、第2配管部32において分配される冷媒19の量に偏りが生じることをより好適に抑制できる。したがって、熱交換器13の熱交換効率が低下することをより好適に抑制できる。
なお、比較例の冷媒分配器530では、第3延伸管部531dの長さL2dが第3延伸管部531dの内径Ddの10倍よりも小さいため、第3延伸管部531dが短い。そのため、第3延伸管部531d内を流れている間には、液状冷媒LRの左右方向Yの偏りが解消されにくい。
また、実施の形態1によれば、第1延伸管部31bは、鉛直方向Zに延びている。そのため、第1延伸管部31bと第3延伸管部31dとが同じ方向に延びている。このような構造の場合、第1延伸管部31b内から第2延伸管部31c内を介して第3延伸管部31d内に流入した冷媒19は、第1延伸管部31b内において生じた慣性の影響をより受けやすい。そのため、慣性によって液状冷媒LRが左右方向Yに偏る場合には、液状冷媒LRがより偏りやすくなる。これに対して、実施の形態1によれば、上述したように、液状冷媒LRが左右方向Yに偏った状態で第2配管部32内に流入することを抑制できるため、第1延伸管部31bと第3延伸管部31dとが同じ方向に延びる構造であっても、分配される冷媒19の量に偏りが生じることを好適に抑制できる。また、第1延伸管部31bと第3延伸管部31dとが同じ方向に延びる構造とすることで、冷媒分配器30の構造を単純化でき、冷媒分配器30の製造コストを低減できる。
また、実施の形態1によれば、第1延伸管部31bに対する第2延伸管部31cの屈曲角度θ1aおよび第2延伸管部31cに対する第3延伸管部31dの屈曲角度θ2aは、0°より大きく、90°よりも小さい鋭角である。そのため、第1延伸管部31b内から第2延伸管部31c内に冷媒19が流れる際、および第2延伸管部31c内から第3延伸管部31d内に冷媒19が流れる際に、冷媒19の流れる向きが大きく変わることを抑制できる。これにより、冷媒19が第1配管部31を流れる際に生じる損失を低減させることができ、冷媒分配器30内に冷媒19を流しやすくできる。
また、実施の形態1によれば、一対の並列管部32a,32bが延びる第1方向と交差する第2方向は、鉛直方向Zである。第3延伸管部31dは、一対の並列管部32a,32bのうち鉛直方向Zの下側に位置する並列管部32bに下方から繋がっている。そのため、一対の並列管部32a,32bのそれぞれに分岐して流れる冷媒19の量が重力によって偏ることを抑制できる。したがって、分配される冷媒19の量に偏りが生じることをより好適に抑制でき、熱交換器13の熱交換効率が低下することをより好適に抑制できる。
また、実施の形態1によれば、第2配管部32は、左右方向Yおよび鉛直方向Zの両方と直交する前後方向Xに見て、左右方向Yの一方側に開くU字形状である。そのため、連結管部32cを円弧状にすることができ、連結管部32c内に冷媒19を流しやすくできる。これにより、並列管部32bの内壁部に衝突して分岐した冷媒19のうち連結管部32c内へと流れた冷媒19を、好適に並列管部32a内に流すことができる。
また、実施の形態1によれば、第1配管部31は、他の部材に接続される接続管部31aを有する。接続管部31aのうち他の部材に接続される側の端部は、第1配管部31のうち第2配管部32に接続される側の端部とは逆側の端部である。接続管部31aと第1延伸管部31bとの間には、少なくとも1つの屈曲部33aが形成されている。そのため、接続管部31aを他の部材に対して好適に繋げつつ、第1配管部31を所望する方向に延ばして配置しやすくできる。
また、実施の形態1によれば、第1延伸管部31bの長さL1bが、第1延伸管部31bの内径Dbの10倍以上である。そのため、屈曲部33a内を冷媒19が流れることなどに起因して第1延伸管部31b内に流入した際に液状冷媒LRが左右方向Yに偏ってしまった場合であっても、比較的長い第1延伸管部31b内を液状冷媒LRが流れる間に、第1延伸管部31b内において液状冷媒LRの左右方向Yの偏りを解消しやすい。
なお、実施の形態1では、第1延伸管部31bの長さL1bが第1延伸管部31bの内径Dbの10倍以上である場合、第3延伸管部31dの長さL1dが第3延伸管部31dの内径Ddの10倍より小さくてもよい。この場合であっても、第1延伸管部31b内において屈曲部33aに起因する液状冷媒LRの偏りが解消された後の冷媒19が屈曲部33b,33c内を流れても、液状冷媒LRが左右方向Yに偏りにくいため、第3延伸管部31d内において液状冷媒LRが左右方向Yに偏ることを抑制できる。このように、実施の形態1では、他の部品との配置関係などによって第3延伸管部31dの長さL1dを十分に確保できない場合であっても、第1延伸管部31bの長さL1bを第1延伸管部31bの内径Dbの10倍以上とすることで、第3延伸管部31dの長さL1dを第3延伸管部31dの内径Ddの10倍以上とした場合と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2における冷媒分配器230の一部を左右方向Yに見た図である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
図6に示すように、冷媒分配器230の第1配管部231において、第2延伸管部231cは、第1延伸管部31bの上側の端部から後方(-X方)に延びている。実施の形態2において第2延伸管部231cは、前後方向Xと平行な方向に直線状に延びている。第1延伸管部31bに対する第2延伸管部231cの屈曲角度θ1bおよび第2延伸管部231cに対する第3延伸管部31dの屈曲角度θ2bは、90°である。冷媒分配器230のその他の構成は、実施の形態1の冷媒分配器30のその他の構成と同様である。
実施の形態2のように、第1延伸管部31bに対する第2延伸管部231cの屈曲角度θ1bおよび第2延伸管部231cに対する第3延伸管部31dの屈曲角度θ2bが90°の場合でも、冷媒19が第1配管部231内を流れる際に生じる損失を低減させることができる。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3における冷媒分配器330の一部を左右方向Yに見た図である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
図7に示すように、冷媒分配器330の第1配管部331において、第2延伸管部331cは、第1延伸管部31bの上側の端部から後側(-X側)かつ下側に延びている。第2延伸管部331cは、第1延伸管部31bの上側の端部から後側に向かうに従って下側に位置する。第1延伸管部31bに対する第2延伸管部331cの屈曲角度θ1cおよび第2延伸管部331cに対する第3延伸管部31dの屈曲角度θ2cは、90°より大きい鈍角である。冷媒分配器330のその他の構成は、実施の形態1の冷媒分配器30のその他の構成と同様である。
実施の形態4.
図8は、実施の形態4における冷媒分配器430の一部を前後方向Xに見た図である。図9は、実施の形態4における冷媒分配器430の一部を左右方向Yに見た図である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
図8に示すように、冷媒分配器430における第1配管部431は、第1延伸管部31bと、第2延伸管部431cと、第3延伸管部31dと、を有する。第2延伸管部431cは、第1延伸管部31bに対して、一対の並列管部32a,32bが延びる左右方向Yの一方側(-Y側)に屈曲している。第2延伸管部431cは、第1延伸管部31bの上側の端部から左側に向かうに従って上側に位置する。第2延伸管部431cは、第1延伸管部31bに対して屈曲する向きが異なる点を除いて、実施の形態1の第2延伸管部31cと同様である。
図9に示すように、第1配管部431のうち、第1延伸管部31b、第2延伸管部431c、および第3延伸管部31dを含む部分は、一対の並列管部32a,32bが延びる左右方向Yに見て、鉛直方向Zに直線状に延びる形状である。実施の形態4において、第1配管部431のうち、第1延伸管部31b、第2延伸管部431c、および第3延伸管部31dを含む部分とは、第1配管部431のうち第1延伸管部31bの下側の端部から第3延伸管部31dの上側の端部までの間の部分である。冷媒分配器430のその他の構成は、実施の形態1の冷媒分配器30のその他の構成と同様である。
実施の形態4のように、第2延伸管部431cが第1延伸管部31bに対して、前後方向Xに屈曲せずに、図10に示した比較例の冷媒分配器530と同様に左右方向Yに屈曲する場合であっても、第3延伸管部31dの長さL1dを第3延伸管部31dの内径Ddの10倍以上とすることで、冷媒分配器430によって分配される冷媒19の量が偏ることを抑制できる。具体的には、第2延伸管部531c内を通ることで第3延伸管部31dへの流入時に左右方向Yに偏った液状冷媒LRが、比較的長い第3延伸管部31d内を流れる間に、ガス状冷媒GRと混ざり合って、液状冷媒LRの偏りが解消されやすい。そのため、第2配管部32において分岐する冷媒19の量に偏りが生じることが抑制される。
以上に本開示における実施の形態について説明したが、本開示は上述した各実施の形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。
第2延伸管部が、第1延伸管部に対して、第1方向および第2方向の両方と直交する方向における一方側に屈曲しているならば、第3延伸管部の長さはどのような長さであってもよい。第3延伸管部の長さが第3延伸管部の内径の10倍以上であるならば、第1延伸管部および第2延伸管部は、それぞれどのように屈曲していてもよいし、それぞれどのように延びていてもよい。第1延伸管部の長さは、第1延伸管部の内径の10倍より小さくてもよい。
本開示において“第2延伸管部が、第1延伸管部に対して、第1方向および第2方向の両方と直交する方向における一方側に屈曲している”とは、第1延伸管部から屈曲して延びる第2延伸管部が第1延伸管部から離れるに従って、第1方向および第2方向の両方と直交する方向における一方側に位置すればよく、第2延伸管部が第1方向および第2方向の両方と直交する方向に対して第1方向に僅かに傾いた方向に延びてもよい。具体的に、例えば、上述した実施の形態1において第2延伸管部31cが、第1延伸管部31bの上側の端部から後側に向かうに従って上側に位置するとともに左右方向Yの両側のいずれかに位置する向きに延びてもよい。
第1延伸管部に対する第2延伸管部の屈曲角度および第2延伸管部に対する第3延伸管部の屈曲角度は、0°より大きければ、特に限定されない。第1延伸管部に対する第2延伸管部の屈曲角度および第2延伸管部に対する第3延伸管部の屈曲角度は、0°より大きく、90°以下であれば、上述したように、冷媒が第1配管部を流れる際に生じる損失を低減させることができる。
第3延伸管部は、第2配管部における一対の並列管部の一方に繋がるならば、当該一方の並列管部に対してどのように繋がってもよい。第3延伸管部は、鉛直方向Zの上方から並列管部に繋がってもよい。第1配管部において、接続管部と第1延伸管部との間には、2つ以上の屈曲部が形成されていてもよい。第2配管部は、一対の並列管部と、一対の並列管部の第1方向の端部同士を繋ぐ連結管部と、を有するならば、どのような形状であってもよい。
本開示に係る冷媒分配器の用途は、特に限定されない。本開示に係る冷媒分配器を備える熱交換器は、冷凍サイクル装置における室内機の熱交換器であってもよい。冷凍サイクル装置における室内機の熱交換器と室外機の熱交換器との両方が、本開示に係る冷媒分配器を備える熱交換器であってもよい。本開示の熱交換器が備えられる冷凍サイクル装置は、冷媒が循環する冷凍サイクルを利用する装置であればよく、空気調和機に限られない。冷凍サイクル装置は、ヒートポンプ給湯器などであってもよい。
上述した各実施の形態において説明した各部の相対位置関係および寸法などは一例であり、本開示における各部の相対位置関係および寸法などは、本開示の技術的思想の範囲内であれば、特に限定されない。以上、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。