JP7386805B2 - 磁気抵抗素子及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本開示は、磁気抵抗素子、及び、係る磁気抵抗素子を備えた半導体装置に関する。
MRAM(Magnetic Random Access Memory)は、磁性体の磁化方向に基づきデータ記憶を行うので、高速、且つ、ほぼ無限(1015回以上)の書換えが可能であり、既に産業オートメーションや航空機等の分野で使用されている。そして、MRAMは、その高速動作と高い信頼性から、今後、コードストレージやワーキングメモリへの展開が期待されているが、現実には、低消費電力化、大容量化に課題を有している。これは、MRAMの記録原理、即ち、配線から発生する電流磁界により磁化を反転させるという方式に起因する本質的な課題である。この問題を解決するための1つの方法として、電流磁界によらない記録方式、即ち、磁化反転方式が検討されており、中でも、スピン注入による磁化反転を応用したスピン注入型磁気抵抗効果素子(STT-MRAM,Spin Transfer Torque based Magnetic Random Access Memory)から成る磁気抵抗素子が注目されている(例えば、特開2013-008868号公報参照)。
スピン注入による磁化反転とは、磁性体を通過してスピン偏極した電子が、他の磁性体に注入されることにより、他の磁性体において磁化反転が生じる現象である。スピン注入型磁気抵抗効果素子から成る磁気抵抗素子にあっては、スピン注入による磁化反転を利用することにより、外部磁界に基づき磁化反転を行うMRAMと比較して、素子の微細化が進んでも書込み電流が増大しないという利点、書込み電流値が素子体積に比例して減少するためスケーリングが可能であるという利点、セル面積を縮小できるといった利点を有するし、MRAMで必要とされる記録用電流磁界発生用のワード線が不要であるため、デバイス構造、セル構造が単純になるという利点もある。スピン注入型磁気抵抗効果素子から成る磁気抵抗素子は、例えば、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有している。
特開2013-008868号公報 特開2007-027537号公報
ところで、このようなスピン注入型磁気抵抗効果素子から成る磁気抵抗素子の製造工程においては、製造途中の磁気抵抗素子の積層構造体が、層間絶縁層等において発生した水素と屡々接する。その結果、磁気抵抗素子の積層構造体を構成する各種の層が還元され、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化、抵抗値のバラツキ発生等の種々の問題が発生する。可変抵抗体の還元反応を促進する還元種及び酸化反応を促進する酸化種の透過をブロックする作用を有する材料から構成された反応阻止膜を少なくとも1層有する半導体記憶装置が、特開2007-027537号公報から周知である。ところで、通常、半導体装置は、半導体記憶装置だけでなく周辺回路部を備えている。周辺回路部の特性向上のためには反応阻止膜を周辺回路部に設けることは好ましくないが、特開2007-027537号公報においては、この点に何ら言及されていない。
従って、本開示の目的は、安定した特性を有する磁気抵抗素子を提供することにあり、また、一層の特性向上を図り得る半導体装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体の側壁には、第1サイドウォールが形成されており、
第1サイドウォール上には、第2サイドウォールが形成されており、
第1サイドウォールは、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成り、
第2サイドウォールは、水素吸蔵材料から成る。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、更に、その上又は上方には、上部・水素吸蔵層を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第3の態様に係る磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、更に、その下又は下方に下部・水素吸蔵層を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第4の態様に係る磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、絶縁材料から成る水素侵入防止層によって囲まれている。
上記の目的を達成するための本開示の第5の態様に係る磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、上層絶縁層で覆われており、
積層構造体の外側に位置する上層絶縁層の領域内には、水素吸蔵材料から成る上層層間膜が形成されている。
上記の目的を達成するための本開示の第6の態様に係る磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、絶縁層上に形成されており、
積層構造体の外側に位置する絶縁層の領域内には、水素吸蔵材料から成る下層層間膜が形成されている。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る半導体装置は、磁気抵抗素子から構成された磁気抵抗素子アレイ部、及び、周辺回路部を備えており、
磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
磁気抵抗素子アレイ部及び周辺回路部は、上層絶縁層で覆われており、
磁気抵抗素子アレイ部における上層絶縁層内には、水素吸蔵材料から成る上層層間膜が形成されており、
上層層間膜は、周辺回路部には形成されていない。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る半導体装置は、磁気抵抗素子から構成された磁気抵抗素子アレイ部、及び、周辺回路部を備えており、
磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、磁気抵抗素子に共有された、絶縁材料から成る水素侵入防止層によって囲まれている。
図1は、実施例1の磁気抵抗素子の模式的な一部断面図である。 図2は、実施例1の磁気抵抗素子の等価回路図である。 図3A及び図3Bは、スピン注入磁化反転を適用したスピン注入型磁気抵抗効果素子の概念図である。 図4A及び図4Bは、スピン注入磁化反転を適用したスピン注入型磁気抵抗効果素子の概念図である。 図5は、実施例1の磁気抵抗素子の変形例の模式的な一部断面図である。 図6A、図6B及び図6Cは、実施例1の磁気抵抗素子の製造方法を説明するための積層構造体等の模式的な一部端面図である。 図7A、図7B及び図7Cは、図6Cに引き続き、実施例1の磁気抵抗素子の製造方法を説明するための積層構造体等の模式的な一部端面図である。 図8は、実施例2の磁気抵抗素子の模式的な一部断面図である。 図9は、実施例2の磁気抵抗素子の変形例の模式的な一部断面図である。 図10は、実施例3の磁気抵抗素子の模式的な一部断面図である。 図11は、実施例3の磁気抵抗素子の変形例-1の模式的な一部断面図である。 図12は、実施例3の磁気抵抗素子とその変形例-1とを組み合わせた磁気抵抗素子の模式的な一部断面図である。 図13は、実施例4の磁気抵抗素子の模式的な一部断面図である。 図14は、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-1の模式的な一部断面図である。 図15は、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-2の模式的な一部断面図である。 図16は、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-3の模式的な一部断面図である。 図17は、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-4の模式的な一部断面図である。 図18は、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-5の模式的な一部断面図である。 図19は、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-6の模式的な一部断面図である。 図20は、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-7の模式的な一部断面図である。 図21は、実施例5の磁気抵抗素子の模式的な一部断面図である。 図22A及び図22Bは、実施例6の半導体装置の平面概念図及び断面概念図であり、図22Cは、実施例6の半導体装置の変形例の断面概念図である。 図23A、図23B及び図23Cは、実施例6の半導体装置の変形例及び実施例7の半導体装置の断面概念図である。 図24A及び図24Bは、それぞれ、実施例8の複合型磁気ヘッドの一部を切り欠いて示した模式的な斜視図、及び、実施例8の複合型磁気ヘッドの模式的断面図である。 図25は、本開示の磁気抵抗素子の概念図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様~第4の態様に係る磁気抵抗素子、本開示の第1の態様~第2の態様に係る半導体装置、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子)
3.実施例2(実施例1の変形)
4.実施例3(本開示の第2の態様~第3の態様に係る磁気抵抗素子)
5.実施例4(実施例1~実施例3の変形)
6.実施例5(本開示の第4の態様に係る磁気抵抗素子)
7.実施例6(本開示の第1の態様に係る半導体装置)
8.実施例7(本開示の第2の態様に係る半導体装置)
9.実施例8(実施例1~実施例5の磁気抵抗素子の応用例)
10.その他
〈本開示の第1の態様~第4の態様に係る磁気抵抗素子、本開示の第1の態様~第2の態様に係る半導体装置、全般に関する説明〉
本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子において、第2サイドウォールはチタン(Ti)から成る形態とすることができる。そして、この場合、第2サイドウォールの厚さは、2×10-8m以上、好ましくは、3×10-8m以上である形態とすることができる。第2サイドウォールの厚さの上限として、1×10-7mを挙げることができ、第2サイドウォールの厚さは、3×10-8m以上、6×10-8m以下であることが一層好ましい。尚、第2サイドウォールの厚さは、第2サイドウォールの底部における厚さとする。
上記の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子において、第1サイドウォールは、SiN又はAlOXから成る形態とすることができる。そして、この場合、第1サイドウォールの厚さは1×10-8m以上である形態とすることができる。第1サイドウォールの厚さの上限として、5×10-8mを挙げることができる。尚、第1サイドウォールの厚さは、第1サイドウォールの底部における厚さとする。
第1サイドウォールの傾斜角度は、限定するものではないが、45度乃至60度であることが、第1サイドウォール上に形成される第2サイドウォールの膜質の均一性を確保するといった観点から望ましい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子において、第2サイドウォール上には、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成る第3サイドウォールが形成されている形態とすることができる。そして、この場合、第3サイドウォールは、SiN又はAlOXから成る形態とすることができる。
ここで、第1サイドウォール及び第3サイドウォールをSiNから構成する場合、第1サイドウォールを構成するSiNの膜質よりも、第3サイドウォールを構成するSiNの膜質の方が優れていることが好ましい。ここで、SiNの膜質が優れているか否かは、SiNの水素含有率によって評価することができ、水素含有率が低い方がSiNの膜質が優れていると云える。具体的には、赤外線分光分析を行い、Si-Nのスペクトルピークに対するSi-Hのスペクトルピークの割合を求め、第3サイドウォールを構成するSiNのスペクトルピークの割合P3が、第1サイドウォールを構成するSiNのスペクトルピークの割合P1よりも低ければ、第3サイドウォールを構成するSiNの膜質の方が優れていると云える。P3の値として、例えば、0.04以下を例示することができる。P1の値は、0.04以下であってもよいし、0.04を超える値であってもよい。
場合によっては、第2サイドウォールの形成を省略し、第1サイドウォールの上に第3サイドウォールを形成してもよい。この場合にも、上述したと同様に、第1サイドウォールを構成するSiNの膜質よりも、第3サイドウォールを構成するSiNの膜質の方が優れていることが好ましい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子において、
積層構造体は、更に、その上又は上方に上部・水素吸蔵層を有し、
第1サイドウォールは、上部・水素吸蔵層の側壁を覆っている形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子において、
積層構造体は、更に、その下又は下方に下部・水素吸蔵層を有し、
第1サイドウォールは、下部・水素吸蔵層の側壁を覆っている形態とすることができる。そして、この場合、
下部・水素吸蔵層は基部上に形成されており、
第1サイドウォールは、基部の側壁を覆っている形態とすることもできる。即ち、このような構造にあっては、下部・水素吸蔵層の底面は、第1サイドウォールの底面よりも上方に位置する。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子において、
上層絶縁層で覆われており、
上層絶縁層内には、水素吸蔵材料から成る上層層間膜が形成されている形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子において、
積層構造体は、層間絶縁層上に形成されており、
層間絶縁層内には、水素吸蔵材料から成る下層層間膜が形成されている形態とすることができる。
上層層間膜あるいは下層層間膜の厚さは、1×10-8m以上、好ましくは、2×10-8m以上である形態とすることができ、これによって、所望の体積を有する上層層間膜あるいは下層層間膜を得ることができる。
上部・水素吸蔵層を構成する材料として、チタン(Ti)を挙げることができる。本開示の第2の態様に係る磁気抵抗素子においても同様である。また、下部・水素吸蔵層を構成する材料として、チタン(Ti)を挙げることができる。本開示の第3の態様に係る磁気抵抗素子においても同様である。上層層間膜や下層層間膜を構成する材料として、チタン(Ti)を挙げることができる。また、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子において、積層構造体は基部上に形成されており、第1サイドウォールは、基部の側壁を覆っている形態とすることもできる。即ち、このような構造にあっては、積層構造体の底面は、第1サイドウォールの底面よりも上方に位置する。
本開示の第2の態様に係る磁気抵抗素子において、積層構造体は、更に、その下又は下方に下部・水素吸蔵層を有する形態とすることができる。
本開示の第4の態様に係る磁気抵抗素子において、あるいは又、本開示の第2の態様に係る半導体装置において、水素侵入防止層は、SiN又はAlOXから成る形態とすることができる。水素侵入防止層をSiNから構成する場合、水素侵入防止層は、前述した第3サイドウォールを構成するSiNの膜質を有することが好ましい。場合によっては、本開示の第4の態様に係る磁気抵抗素子における水素侵入防止層を、本開示の第1の態様~第3の態様に係る磁気抵抗素子に適用することもできる。また、本開示の第2の態様に係る半導体装置において、磁気抵抗素子アレイ部には水素侵入防止層が形成され、周辺回路部には水素侵入防止層が形成されていない形態とすることができる。
本開示の第1の態様に係る半導体装置において、磁気抵抗素子アレイ部は、水素吸蔵材料(具体的には、例えば、チタン)から成る層によって囲まれている形態とすることができる。
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本開示の第1の態様~第4の態様に係る磁気抵抗素子において、あるいは又、以上に説明した好ましい形態を含む本開示の第1の態様~第2の態様に係る半導体装置を構成する磁気抵抗素子(以下、これらの磁気抵抗素子を総称して、『本開示の磁気抵抗素子等』と呼ぶ)において、磁化固定層及び記憶層を構成する金属原子には、コバルト(Co)原子、又は、鉄(Fe)原子、又は、コバルト原子及び鉄原子(Co-Fe)が含まれる形態とすることができる。云い換えれば、磁化固定層及び記憶層を構成する金属原子には、少なくともコバルト(Co)原子又は鉄(Fe)原子が含まれる形態とすることができる。即ち、磁化固定層及び記憶層は、少なくともコバルト(Co)又は鉄(Fe)から成る金属材料(合金、化合物)から構成されている形態とすることができる。
あるいは又、本開示の磁気抵抗素子等において、記憶層は、コバルト、鉄及びニッケルから成る群から選択された少なくとも1種類の金属材料(合金、化合物)、好ましくは、記憶層は、コバルト、鉄及びニッケルから成る金属材料(合金、化合物)から構成されており、あるいは又、コバルト、鉄、ニッケル及びホウ素から成る金属材料(合金、化合物)から構成されている形態とすることができる。あるいは又、記憶層を構成する材料として、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)といった強磁性材料の合金(例えば、Co-Fe、Co-Fe-B、Co-Fe-Ni、Fe-Pt、Ni-Fe、Fe-B、Co-B等)、あるいは、これらの合金にガドリニウム(Gd)が添加された合金を例示することができる。更には、垂直磁化型において、垂直磁気異方性を一層増加させるために、係る合金にテルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)等の重希土類を添加してもよいし、これらを含む合金を積層してもよい。記憶層の結晶性は、本質的に任意であり、多結晶であってもよいし、単結晶であってもよいし、非晶質であってもよい。また、記憶層は、単層構成とすることもできるし、上述した複数の異なる強磁性材料層を積層した積層構成とすることもできるし、強磁性材料層と非磁性体層を積層した積層構成とすることもできる。
また、記憶層を構成する材料に非磁性元素を添加することも可能である。非磁性元素の添加により、拡散の防止による耐熱性の向上や磁気抵抗効果の増大、平坦化に伴う絶縁耐圧の増大等の効果が得られる。添加する非磁性元素として、B、C、N、O、F、Li、Mg、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Ge、Nb、Ru、Rh、Pd、Ag、Ta、Ir、Pt、Au、Zr、Hf、W、Mo、Re、Osを挙げることができる。
更には、記憶層として、組成の異なる強磁性材料層を積層させることも可能である。あるいは又、強磁性材料層と軟磁性材料層とを積層させたり、複数層の強磁性材料層を軟磁性材料層や非磁性体層を介して積層することも可能である。特に、Fe層、Co層、Fe-Ni合金層、Co-Fe合金層、Co-Fe-B合金層、Fe-B合金層、Co-B合金層といった強磁性材料層の複数を非磁性体層を介して積層させた構成とする場合、強磁性材料層相互の磁気的強さの関係を調整することが可能になるため、スピン注入型磁気抵抗効果素子における磁化反転電流が大きくならないように抑制することが可能となる。非磁性体層の材料として、Ru、Os、Re、Ir、Au、Ag、Cu、Al、Bi、Si、B、C、Cr、Ta、Pd、Pt、Zr、Hf、W、Mo、Nb、V、又は、これらの合金を挙げることができる。
記憶層の厚さとして、0.5nm乃至30nmを例示することができるし、磁化固定層の厚さとして、0.5nm乃至30nmを例示することができる。
磁化固定層は、少なくとも2層の磁性材料層が積層された積層フェリ構造(積層フェリピン構造とも呼ばれる)を有する形態とすることができる。具体的には、積層フェリ構造は、反強磁性的結合を有する積層構造、即ち、2つの磁性材料層(参照層及び固定層)の層間交換結合が反強磁性的になる構造であり、合成反強磁性結合(SAF:Synthetic Antiferromagnet)とも呼ばれ、2つの磁性材料層(一方の磁性材料層を、『参照層』と呼ぶ場合があるし、積層フェリ構造を構成する他方の磁性材料層を、『固定層』と呼ぶ場合がある)の間に設けられた非磁性層の厚さによって、2つの磁性材料層の層間交換結合が、反強磁性的あるいは強磁性的になる構造を指し、例えば、 S. S. Parkin et. al, Physical Review Letters, 7 May, pp 2304-2307 (1990) に報告されている。ここで、参照層の磁化方向は、記憶層に記憶すべき情報の基準となる磁化方向である。積層フェリ構造を構成する一方の磁性材料層(参照層)が記憶層側に位置する。即ち、参照層が中間層と接する。そして、この場合、
積層フェリ構造を構成する一方の磁性材料層(例えば、参照層)は、鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)から成る群から選択された少なくとも1種類の元素を含み、又は、鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)から成る群から選択された少なくとも1種類の元素及びホウ素(B)を含み、具体的には、Co-Fe合金、Co-Fe-Ni合金、Ni-Fe合金、Co-Fe-B合金を挙げることができるし、Fe層/Pt層、Fe層/Pd層、Co層/Pt層、Co層/Pd層、Co層/Ni層、Co層/Rh層といった積層構造を挙げることもできるし、これらの材料に、Ag、Cu、Au、Al、Si、Bi、Ta、B、C、O、N、Pd、Pt、Zr、Ta、Hf、Ir、W、Mo、Nb、V、Ru、Rh等の非磁性元素を添加して磁気特性を調整したり、結晶構造や結晶性や物質の安定性等の各種物性を調整してもよく、
積層フェリ構造を構成する他方の磁性材料層(例えば、固定層)は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及びマンガン(Mn)から成る群から選択された少なくとも1種類の元素(便宜上、『元素-A』と呼ぶ)、並びに、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)及びロジウム(Rh)から成る群から選択された少なくとも1種類の元素(但し、前記の元素-Aとは異なる元素であり、便宜上、『元素-B』と呼ぶ)を主成分とする材料から成る形態とすることができる。また、非磁性層を構成する材料として、ルテニウム(Ru)やその合金、ルテニウム化合物を挙げることができるし、あるいは又、Os、Re、Ir、Au、Ag、Cu、Al、Bi、Si、B、C、Cr、Ta、Pd、Pt、Zr、Hf、W、Mo、Nb、V、Rhや、これらの合金を挙げることができる。磁化固定層を積層フェリ構造を採用することで、情報書き込み方向に対する熱安定性の非対称性を確実にキャンセルすることができ、スピントルクに対する安定性の向上を図ることができる。あるいは又、固定層をCo薄膜/Pt薄膜の積層構造から構成し、MR比を高くするために参照層をCo薄膜/Pt薄膜/CoFeB薄膜の積層構造(但し、CoFeB薄膜が中間層と接する)とし、固定層と参照層の間に、例えば、Ruから成る非磁性層を配置する構成することもできる。
また、磁化固定層は、強磁性層のみにより、あるいは又、反強磁性層と強磁性層の反強磁性結合を利用することにより、その磁化の向きが固定された構成とすることができる。反強磁性材料として、具体的には、Fe-Mn合金、Fe-Pt合金、Ni-Mn合金、Pt-Mn合金、Pt-Cr-Mn合金、Ir-Mn合金、Rh-Mn合金、Co-Pt合金、コバルト酸化物、ニッケル酸化物(NiO)、鉄酸化物(Fe23)を挙げることができる。あるいは又、これらの材料に、Ag、Cu、Au、Al、Si、Bi、Ta、B、C、O、N、Pd、Pt、Zr、Ta、Hf、Ir、W、Mo、Nb、V、Ru、Rh等の非磁性元素を添加して磁気特性を調整したり、結晶構造や結晶性や物質の安定性等の各種物性を調整してもよい。非磁性層を構成する材料として、ルテニウム(Ru)やその合金、ルテニウム化合物を挙げることができるし、あるいは又、Os、Re、Ir、Au、Ag、Cu、Al、Bi、Si、B、C、Cr、Ta、Pd、Pt、Zr、Hf、W、Mo、Nb、V、Rhや、これらの合金を挙げることができる。
但し、磁化固定層は積層フェリ構造を有する形態に限定するものではない。1層から成り、参照層として機能する磁化固定層とすることもできる。このような磁化固定層を構成する材料として、後述する記憶層を構成する材料(強磁性材料)を挙げることができるし、あるいは又、磁化固定層(参照層)は、Co層とPt層との積層体、Co層とPd層との積層体、Co層とNi層との積層体、Co層とTb層との積層体、Co-Pt合金層、Co-Pd合金層、Co-Ni合金層、Co-Fe合金層、Co-Tb合金層、Co層、Fe層、又は、Co-Fe-B合金層から成る構成とすることができ、あるいは又、これらの材料に、Ag、Cu、Au、Al、Si、Bi、Ta、B、C、O、N、Pd、Pt、Zr、Hf、Ir、W、Mo、Nb、V、Ru、Rh等の非磁性元素を添加して磁気特性を調整したり、結晶構造や結晶性や物質の安定性等の各種物性を調整してもよく、更には、好ましくは、磁化固定層(参照層)はCo-Fe-B合金層から成る構成とすることができる。
磁化固定層の磁化方向は情報の基準であるので、情報の記録や読出しによって磁化方向が変化してはならないが、必ずしも特定の方向に固定されている必要はなく、記憶層よりも保磁力を大きくするか、膜厚を厚くするか、あるいは、磁気ダンピング定数を大きくして、記憶層よりも磁化方向が変化し難い構成、構造とすればよい。
本開示の磁気抵抗素子等において、中間層は非磁性体材料から成ることが好ましい。即ち、スピン注入型磁気抵抗効果素子において、TMR(Tunnel Magnetoresistance)効果を有する積層構造体を構成する場合の中間層は、絶縁材料であって、しかも、非磁性体材料から成ることが好ましい。磁化固定層、中間層及び記憶層によって、TMR効果を有する積層構造体が構成されるとは、磁性材料から成る磁化固定層と、磁性材料から成る記憶層との間に、トンネル絶縁膜として機能する非磁性体材料膜から成る中間層が挟まれた構造を指す。ここで、絶縁材料であって非磁性体材料である材料として、マグネシウム酸化物(MgO)、マグネシウム窒化物、マグネシウムフッ化物、アルミニウム酸化物(AlOX)、アルミニウム窒化物(AlN)、シリコン酸化物(SiOX)、シリコン窒化物(SiN)、TiO2、Cr23、Ge、NiO、CdOX、HfO2、Ta25、Bi23、CaF、SrTiO2、AlLaO3、Mg-Al2-O、Al-N-O、BN、ZnS等の各種絶縁材料、誘電体材料、半導体材料を挙げることができる。絶縁材料から成る中間層の面積抵抗値は、数十Ω・μm2程度以下であることが好ましい。中間層をマグネシウム酸化物(MgO)から構成する場合、MgO層は結晶化していることが望ましく、(001)方向に結晶配向性を有することがより望ましい。また、中間層をマグネシウム酸化物(MgO)から構成する場合、その厚さは1.5nm以下とすることが望ましい。一方、GMR(Giant Magnetoresistance,巨大磁気抵抗)効果を有する積層構造体を構成する非磁性体材料膜を構成する材料として、Cu、Ru、Cr、Au、Ag、Pt、Ta等、あるいは、これらの合金といった導電材料を挙げることができるし、導電性が高ければ(抵抗率が数百μΩ・cm以下)、任意の非金属材料としてもよいが、記憶層や磁化固定層と界面反応を起こし難い材料を、適宜、選択することが望ましい。
絶縁材料であって、しかも、非磁性体材料から構成された中間層は、例えば、スパッタリング法にて形成された金属膜を酸化若しくは窒化することにより得ることができる。より具体的には、中間層を構成する絶縁材料としてアルミニウム酸化物(AlOX)、マグネシウム酸化物(MgO)を用いる場合、例えば、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムやマグネシウムを大気中で酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムやマグネシウムをプラズマ酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムやマグネシウムをIPCプラズマで酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムやマグネシウムを酸素中で自然酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムやマグネシウムを酸素ラジカルで酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムやマグネシウムを酸素中で自然酸化させるときに紫外線を照射する方法、アルミニウムやマグネシウムを反応性スパッタリング法にて成膜する方法、アルミニウム酸化物(AlOX)やマグネシウム酸化物(MgO)をスパッタリング法にて成膜する方法を例示することができる。
本開示の磁気抵抗素子等において、前述したとおり、記憶層の磁化方向は、記憶すべき情報に対応して変化し、記憶層において、磁化容易軸は積層構造体の積層方向に対して平行である(即ち、垂直磁化型である)形態とすることができる。そして、この場合、垂直磁化方式のスピン注入型磁気抵抗効果素子から成る形態とすることができ、更には、これらの場合、積層構造体の第1面は第1電極に接続されており、積層構造体の第2面は第2電極に接続されており、第1電極と第2電極との間に電流(磁化反転電流、スピン偏極電流とも呼ばれ、書込み電流である)が流されることで、記憶層に情報が記憶される形態とすることができる。即ち、積層構造体の積層方向に磁化反転電流を流すことにより、記憶層の磁化方向を変化させ、記憶層において情報の記録が行われる形態とすることができる。
磁化固定層が積層構造体の第1面を構成してもよいし、記憶層が積層構造体の第1面を構成してもよい。
本開示の磁気抵抗素子等にあっては、上述したとおり、記憶層、中間層及び磁化固定層から成る積層構造体によって、TMR効果あるいはGMR効果を有する積層構造体が構成されている構造とすることができる。そして、例えば、図3Bに概念図を示すように、反平行配置の磁化状態で、磁化反転電流を記憶層から磁化固定層へ流すと、電子が磁化固定層から記憶層へ注入されることで作用するスピントルクにより記憶層の磁化が反転し、記憶層の磁化方向と磁化固定層(具体的には、参照層)の磁化方向と記憶層の磁化方向が平行配列となる。一方、例えば、図3Aに概念図を示すように、平行配置の磁化状態で、磁化反転電流を磁化固定層から記憶層へ流すと、電子が記憶層から磁化固定層へ流れることで作用するスピントルクによって記憶層の磁化が反転し、記憶層の磁化方向と磁化固定層(具体的には、参照層)の磁化方向が反平行配列となる。あるいは又、図25に概念図を示すように、磁化固定層、中間層、記憶層、中間層、磁化固定層によって、TMR効果あるいはGMR効果を有する積層構造体が構成されている構造とすることもできる。このような構造にあっては、記憶層の上下に位置する2つの中間層の磁気抵抗の変化に差を付けておく必要がある。
積層構造体の立体形状は、円筒形、円柱形であることが、加工の容易性、記憶層における磁化容易軸の方向の均一性を確保するといった観点から望ましいが、これに限定するものではなく、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等(これらにあっては側辺あるいは側稜が丸みを帯びているものを含む)、楕円柱とすることもできる。積層構造体の面積は、低磁化反転電流で磁化の向きを容易に反転させるといった観点から、例えば、0.01μm2以下であることが好ましい。第1電極から第2電極へと、あるいは又、第2電極から第1電極へと、磁化反転電流を積層構造体に流すことによって、記憶層における磁化の方向を第1の方向(磁化容易軸と平行な方向)あるいは第2の方向(第1の方向とは反対の方向)とすることで、記憶層に情報が書き込まれる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の磁気抵抗素子等にあっては、電極や接続部を構成する原子と記憶層を構成する原子の相互拡散の防止、接触抵抗の低減、記憶層の酸化防止のために、積層構造体は、第2面側にキャップ層を有する形態とすることができる。そして、この場合、キャップ層は、ハフニウム、タンタル、タングステン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、チタン、バナジウム、クロム、マグネシウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム及び白金から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から成る単層構造;酸化マグネシウム層、酸化アルミニウム層、酸化チタン層、酸化シリコン層、Bi23層、SrTiO2層、AlLaO3層、Al-N-O層、Mg-Ti-O層、MgAl24層といった酸化物から成る単層構造;又は、ハフニウム、タンタル、タングステン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、チタン、バナジウム、クロム、マグネシウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム及び白金から成る群から選択された少なくとも1種類の材料層、並びに、MgTiO、MgO、AlO、SiOから成る群から選択された少なくとも1種類の酸化物層の積層構造(例えば、Ru層/Ta層)から構成されている形態とすることができる。
以上に説明した種々の層は、例えば、スパッタリング法、イオンビーム堆積法、真空蒸着法に例示される物理的気相成長法(PVD法)、ALD(Atomic Layer Deposition)法に代表される化学的気相成長法(CVD法)にて形成することができる。また、これらの層のパターニングは、反応性イオンエッチング法(RIE法)やイオンミリング法(イオンビームエッチング法)にて行うことができる。種々の層を真空装置内で連続的に形成することが好ましく、その後、パターニングを行うことが好ましい。
第1電極や第2電極、第1配線、第2配線、配線層等は、Ta若しくはTaN、又は、Cu、Al、Au、Pt、Ti等若しくはこれらの化合物の単層構造から成り、あるいは又、CrやTi等から成る下地層と、その上に形成されたCu層、Au層、Pt層等の積層構造を有していてもよい。あるいは又、Taあるいはその化合物の単層構造、あるいは、Cu、Ti等あるいはこれらの化合物との積層構造から構成することもできる。これらの電極等は、例えば、スパッタリング法に例示されるPVD法にて形成することができる。
本開示の磁気抵抗素子等において、積層構造体の下方に、電界効果トランジスタから成る選択用トランジスタが設けられており、例えば、第2電極に接続された第2配線(ビット線)の延びる方向の射影像は、電界効果トランジスタを構成するゲート電極(例えば、ワード線あるいはアドレス線としても機能する)の延びる方向の射影像と直交する形態とすることができるし、第2配線(ビット線)の延びる方向の射影像は、電界効果トランジスタを構成するゲート電極の延びる方向の射影像と平行である形態とすることもできる。また、第1電極に接続された第1配線(センス線)の延びる方向の射影像は、第2配線の延びる方向の射影像と平行である形態とすることができる。場合によっては、選択用トランジスタは不要である。
磁気抵抗素子における好ましい構成にあっては、上述したとおり、積層構造体の下方に電界効果トランジスタから成る選択用トランジスタを更に有しているが、より具体的な構成として、例えば、限定するものではないが、
半導体基板に形成された選択用トランジスタ、及び、
選択用トランジスタを覆う層間絶縁層、
を備えており、
層間絶縁層上には、第1電極が形成されており、
第1電極は、層間絶縁層に設けられた接続孔(あるいは接続孔とランディングパッド部や下層配線)を介して選択用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域に電気的に接続されており、
積層構造体は、第1電極及び第2電極と接しており、
絶縁層は、層間絶縁層を覆い、且つ、第1電極、積層構造体及び第2電極を取り囲んでいる構成を例示することができる。
選択用トランジスタは、例えば、周知のMIS型FETやMOS型FETから構成することができる。第1電極と選択用トランジスタとを電気的に接続する接続孔は、不純物がドーピングされたポリシリコンや、タングステン、Ti、Pt、Pd、Cu、TiW、TiNW、WSi2、MoSi2等の高融点金属や金属シリサイドから構成することができ、CVD法や、スパッタリング法に例示されるPVD法に基づき形成することができる。また、絶縁層、上層絶縁層、層間絶縁層、下層絶縁膜、上層絶縁膜、絶縁材料層、層間絶縁材料層等を構成する材料として、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、SiON、SiOC、SiOF、SiCN、SOG(スピンオングラス)、NSG(ノンドープ・シリケート・ガラス)、BPSG(ホウ素・リン・シリケート・ガラス)、PSG、BSG、PbSG、AsSG、SbSG、LTO、Al23を例示することができる。あるいは又、低誘電率絶縁材料(例えば、フルオロカーボン、シクロパーフルオロカーボンポリマー、ベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、アモルファステトラフルオロエチレン、ポリアリールエーテル、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、有機SOG、パリレン、フッ化フラーレン、アモルファスカーボン)、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、Silk(The Dow Chemical Co. の商標であり、塗布型低誘電率層間絶縁膜材料)、Flare(Honeywell Electronic Materials Co. の商標であり、ポリアリルエーテル(PAE)系材料)を挙げることができ、単独、あるいは、適宜、組み合わせて使用することができる。あるいは又、ポリメチルメタクリレート(PMMA);ポリビニルフェノール(PVP);ポリビニルアルコール(PVA);ポリイミド;ポリカーボネート(PC);ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリスチレン;N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPTMS)、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)等のシラノール誘導体(シランカップリング剤);ノボラック型フェノール樹脂;フッ素系樹脂;オクタデカンチオール、ドデシルイソシアネイト等の一端に制御電極と結合可能な官能基を有する直鎖炭化水素類にて例示される有機系絶縁材料(有機ポリマー)を挙げることができるし、これらの組み合わせを用いることもできる。絶縁層、上層絶縁層、層間絶縁層、下層絶縁膜、上層絶縁膜、絶縁材料層、層間絶縁材料層等は、各種CVD法、塗布法、スパッタリング法や真空蒸着法を含む各種PVD法、スクリーン印刷法といった各種印刷法、ゾル-ゲル法等の公知の方法に基づき形成することができる。
本開示の磁気抵抗素子を組み込んだ電子デバイスとして、モバイル機器、ゲーム機器、音楽機器、ビデオ機器といった携帯可能な電子デバイスや、固定型の電子デバイスを挙げることができるし、磁気ヘッドを挙げることもできる。また、本開示の磁気抵抗素子(具体的には記憶素子、より具体的には不揮発性メモリセル)が2次元マトリクス状に配列されて成る不揮発性記憶素子アレイから構成された記憶装置を挙げることもできる。
実施例1は、本開示の第1の態様に係る磁気抵抗素子、より具体的には、例えば記憶素子(不揮発性メモリセル)を構成する磁気抵抗素子に関する。選択用トランジスタを含む実施例1の磁気抵抗素子(スピン注入型磁気抵抗効果素子)の模式的な一部断面図を図1に示し、等価回路図を図2に示す。不揮発性メモリセルは、実施例1の磁気抵抗素子が2次元マトリクス状に配列されて成る。磁気抵抗素子は不揮発性メモリセルを構成する。
実施例1の磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体40を有しており、
積層構造体40の側壁には、第1サイドウォール51が形成されており、
第1サイドウォール51上には、第2サイドウォール52が形成されており、
第1サイドウォール51は、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成り、
第2サイドウォール52は、水素吸蔵材料から成る。
第2サイドウォール52はチタン(Ti)から成る。第2サイドウォール52の厚さは、2×10-8m以上、好ましくは、3×10-8m以上であり、実施例1においては、具体的には、第2サイドウォール52の底部における厚さを、例えば、40nmとした。
また、第1サイドウォール51は、SiN又はAlOX、具体的には、SiNから成る。第1サイドウォール51の厚さは1×10-8m以上であり、実施例1において、具体的には、第1サイドウォール51の底部における厚さを、例えば、20nmとした。第1サイドウォール51の傾斜角度は、限定するものではないが、45度乃至60度であることが、第1サイドウォール51上に形成される第2サイドウォール52の膜質の均一性を確保するといった観点から望ましい。実施例1において、具体的には、例えば、50度とした。また、第1サイドウォール51の延在部51’が、後述する上層絶縁膜25の上を延在している。
更には、実施例1あるいは後述する実施例2~実施例5の磁気抵抗素子において、磁化固定層及び記憶層を構成する金属原子には、コバルト(Co)原子、又は、鉄(Fe)原子、又は、コバルト原子及び鉄原子(Co-Fe)が含まれる。具体的には、磁化固定層及び記憶層はCo-Fe-B合金層[例えば、(Co20Fe808020合金層]から成る。また、トンネル絶縁膜として機能する非磁性体材料から成る中間層を構成する金属原子には、マグネシウム(Mg)原子、又は、アルミニウム(Al)原子が含まれる。具体的には、MgOから成る。中間層をMgO層から構成することで、磁気抵抗変化率(MR比)を大きくすることができ、これによって、スピン注入の効率を向上させることができ、記憶層の磁化方向を反転させるために必要とされる磁化反転電流密度を低減させることができる。積層構造体40の立体形状は、円筒形(円柱形)であるが、これに限定するものではなく、例えば、四角柱とすることもできる。積層構造体40は絶縁層26によって囲まれている。
実施例1あるいは後述する実施例2~実施例5の磁気抵抗素子において、記憶層の磁化方向は、記憶すべき情報に対応して変化する。そして、記憶層において、磁化容易軸は積層構造体40の積層方向に対して平行である(即ち、垂直磁化型である)。即ち、磁気抵抗素子は、垂直磁化方式のスピン注入型磁気抵抗効果素子から成る。云い換えれば、磁気抵抗素子はMTJ素子から構成されている。磁化固定層の磁化方向は、記憶層に記憶すべき情報の基準となる磁化方向であり、記憶層の磁化方向と磁化固定層の磁化方向の相対的な角度によって、情報「0」及び情報「1」が規定される。積層構造体40の第1面は第1電極31と接しており、積層構造体40の第2面は第2電極32と接しており、第1電極31と第2電極32との間に電流(磁化反転電流)が流されることで、記憶層に情報が記憶される。尚、磁化固定層が積層構造体40の第1面を構成してもよいし、記憶層が積層構造体40の第1面を構成してもよい。第2配線(ビット線)62が、第2電極32に接続孔61を介して接続されている。
以上に説明した各種の層構成を、以下の表2に掲げた。
〈表2〉
積層構造体
記憶層 :膜厚1.6nmの(Co20Fe808020
中間層 :膜厚1.0nmのMgO層
磁気固定層 :膜厚1.0nmの(Co20Fe808020
第1電極 :厚さ10nmのTaN
第2電極 :厚さ50nmのTa
また、実施例1あるいは後述する実施例2~実施例5の磁気抵抗素子において、積層構造体40の下方には、電界効果トランジスタから成る選択用トランジスタTRが設けられており、例えば、第2電極32に接続孔61を介して接続された第2配線(ビット線)62の延びる方向の射影像は、選択用トランジスタTRを構成するゲート電極12(例えば、ワード線あるいはアドレス線としても機能する)の延びる方向の射影像と直交する形態とすることができるし、第2配線62の延びる方向の射影像は、選択用トランジスタTRを構成するゲート電極12の延びる方向の射影像と平行である形態とすることもできる。より具体的な構成として、第2配線62の延びる方向の射影像は、ゲート電極12の延びる方向の射影像と直交しており、また、第1配線(センス線)64の延びる方向の射影像と平行である。但し、図1あるいは後述する図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図18、図19、図20及び図21では、図面の簡素化のために、ゲート電極12、第2配線62及び第1配線64の延びる方向は、以上の説明とは異なっている。第2配線62及び第1配線64は図面の紙面と垂直な方向に延びている。
例えば、シリコン半導体基板から成る半導体基板10に形成された選択用トランジスタTRは、半導体基板10に形成されたチャネル形成領域14及びソース/ドレイン領域15A,15B、チャネル形成領域14に対向してゲート絶縁層13を介して設けられたゲート電極12から構成されている。ゲート電極12の側壁にはSiO2から成るゲートサイドウォール16が形成されている。選択用トランジスタTRは、下層絶縁膜21、層間絶縁層22によって覆われている。下層絶縁膜21はSiNから成り、層間絶縁層22はSiO2から成る。参照番号11は素子分離領域である。
層間絶縁層22上には、第1電極31が形成されており、
第1電極31は、下層絶縁膜21、層間絶縁層22に設けられた接続孔23を介して選択用トランジスタTRの一方のソース/ドレイン領域15Aに電気的に接続されており、
積層構造体40は、第1電極31及び第2電極32と接しており、
上層絶縁膜25は層間絶縁層22を覆っており、
前述したとおり、第1サイドウォール51の延在部51’は上層絶縁膜25の上を延在しており、
絶縁層26は延在部51’上に形成されており、
絶縁層26は、第1電極31、積層構造体40及び第2電極32を取り囲んでいる。
上層絶縁膜25はSiNから成り、絶縁層26はSiO2から成る。積層構造体40、具体的には、第1電極31は、基部(具体的には、接続孔23の頂部)上に形成されており、第1サイドウォール51は基部の側壁を覆っている。
選択用トランジスタTRの他方のソース/ドレイン領域15Bは、下層絶縁膜21、層間絶縁層22に設けられた接続孔24、上層絶縁膜25、絶縁層26に形成された接続孔63を介して第1配線(センス線)64に接続されている。
以下、図6A、図6B、図6C、図7A、図7B及び図7Cを参照して、実施例1の磁気抵抗素子の製造方法の概要を説明する。尚、図6B、図6C、図7A、図7B及び図7Cにおいては、選択用トランジスタTRの図示を省略している。
[工程-100]
先ず、周知の方法に基づき、シリコン半導体基板から成る半導体基板10に素子分離領域11を形成し、素子分離領域11によって囲まれた半導体基板10の部分に、ゲート絶縁層13、ゲート電極12、ゲートサイドウォール16、ソース/ドレイン領域15A,15Bから成る選択用トランジスタTRを形成する。ソース/ドレイン領域15Aとソース/ドレイン領域15Bの間に位置する半導体基板10の部分がチャネル形成領域14に相当する。次いで、下層絶縁膜21、層間絶縁層22、上層絶縁膜25、下地材料層70を形成する。そして、一方のソース/ドレイン領域15Aの上方の下層絶縁膜21、層間絶縁層22、上層絶縁膜25、下地材料層70の部分にタングステンプラグから成る接続孔23を形成し、他方のソース/ドレイン領域15Bの上方の下層絶縁膜21、層間絶縁層22、上層絶縁膜25、下地材料層70の部分にタングステンプラグから成る接続孔24を形成する。こうして、下層絶縁膜21、層間絶縁層22で覆われた選択用トランジスタTRを得ることができる(図6A参照)。
[工程-110]
その後、下地材料層70の上に、第1電極31、積層構造体40及び第2電極32を成膜し、次いで、第2電極32、積層構造体40、第1電極31を、反応性イオンエッチング法(RIE法)に基づきエッチングし(図6B参照)、更に、下地材料層70をエッチングする(図6C参照)。第1電極31は接続孔23と接している。尚、酸化マグネシウム(MgO)から成る中間層は、RFマグネトロンスパッタ法に基づきMgO層の成膜を行うことで形成した。また、その他の層はDCマグネトロンスパッタ法に基づき成膜を行った。RIE法によって各層をパターニングする代わりに、イオンミリング法(イオンビームエッチング法)に基づき各層をパターニングすることもできる。
[工程-120]
次に、第2電極32、積層構造体40、第1電極31の側壁に第1サイドウォール51を形成する。第1サイドウォール51の延在部51’が上層絶縁膜25の上を延在する。更に、第2電極32、積層構造体40、第1電極31の側壁の上に形成された第1サイドウォール51の上に、第2サイドウォール52を形成する(図7A参照)。そして、全面に絶縁層26を形成し、積層構造体40の上方の絶縁層26に開口部61Aを形成する。開口部61Aの底部には、積層構造体40(より具体的には、第2電極32)が露出する。また、接続孔24の上方の絶縁層26、第1サイドウォール延在部51’に開口部63Aを形成する。開口部63Aの底部には、接続孔24が露出する。こうして、図7Bに示す構造を得ることができる。
[工程-130]
その後、CVD法に基づき全面にタングステンプラグから成る接続孔61,63を形成する。こうして、図7Cに示す構造を得ることができる。
[工程-140]
次いで、周知の方法に基づき、絶縁層26上に、第2配線(ビット線)62及び第1配線(センス線)64を形成する。こうして、図1に示す実施例1の磁気抵抗素子を得ることができる。
以上のとおり、実施例1の磁気抵抗素子の製造には一般のMOS製造プロセスを適用することができ、汎用メモリとして適用することが可能である。
図3A及び図4Aに概念図を示すように、記憶層に記憶されている情報「0」を「1」に書き換えるとする。即ち、平行磁化状態で、書込み電流(磁化反転電流)I1を、磁化固定層から記憶層を経由して選択用トランジスタTRへと流す。云い換えれば、記憶層から磁化固定層に向かって電子を流す。具体的には、例えば、第2配線(ビット線)62にVddを印加し、選択用トランジスタTRの他方のソース/ドレイン領域15Bを接地する。磁化固定層に達した一方の向きのスピンを有する電子は、磁化固定層を通過する。一方、他方の向きのスピンを有する電子は、磁化固定層で反射される。そして、係る電子が記憶層に進入すると、記憶層にトルクを与え、記憶層は反平行磁化状態へと反転する。ここで、磁化固定層の磁化方向は固定されているために反転できず、系全体の角運動量を保存するために記憶層が反転すると考えてもよい。尚、図3A、図3B、図4A及び図4Bにおいては、磁化固定層を上側に位置して図示しているが、磁化固定層を下側に位置させてもよい。
図3B及び図4Bに概念図を示すように、記憶層に記憶されている情報「1」を「0」に書き換えるとする。即ち、反平行磁化状態で、書込み電流I2を、選択用トランジスタTRから記憶層を経由して磁化固定層へ流す。云い換えれば、磁化固定層から記憶層に向かって電子を流す。具体的には、例えば、選択用トランジスタTRの他方のソース/ドレイン領域15BにVddを印加し、第2配線(ビット線)62を接地する。磁化固定層を通過した電子には、スピン偏極、即ち、上向きと下向きの数に差が生じる。中間層の厚さが十分に薄く、このスピン偏極が緩和して通常の非磁性体における非偏極状態(上向きと下向きが同数の状態)になる前に記憶層に達すると、スピン偏極度の符号が逆になっていることにより、系全体のエネルギーを下げるために、一部の電子は、反転、即ち、スピン角運動量の向きを変えさせられる。このとき、系の全角運動量は保存されなければならないため、向きを変えた電子による角運動量変化の合計と等価な反作用が、記憶層における磁気モーメントに与えられる。電流、即ち、単位時間に磁化固定層を通過する電子の数が少ない場合には、向きを変える電子の総数も少ないために、記憶層における磁気モーメントに発生する角運動量変化も小さいが、電流が増えると、多くの角運動量変化を単位時間内に記憶層に与えることができる。角運動量の時間変化はトルクであり、トルクが或る閾値を超えると記憶層の磁気モーメントは反転を開始し、その一軸異方性により180度回転したところで安定となる。即ち、反平行磁化状態から平行磁化状態への反転が起こり、情報「0」が記憶層に記憶される。
記憶層に書き込まれた情報を読み出すときには、情報を読み出すべき磁気抵抗素子における選択用トランジスタTRを導通状態とする。そして、第2配線(ビット線)62と第1配線(センス線)64との間に電流を流し、第2配線62に現れる電位を、比較回路(図示せず)を構成するコンパレータ回路(図示せず)の他方の入力部に入力する。一方、リファレンス抵抗値を求める回路(図示せず)からの電位を、比較回路を構成するコンパレータ回路の一方の入力部に入力する。そして、比較回路にあっては、リファレンス抵抗値を求める回路からの電位を基準として、第2配線62に現れる電位が高いか低いかが比較され、比較結果(情報0/1)が、比較回路を構成するコンパレータ回路の出力部から出力される。
実施例1の磁気抵抗素子において、積層構造体の側壁には、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成る第1サイドウォール、及び、水素吸蔵材料から成る第2サイドウォールが形成されているので、製造途中の磁気抵抗素子の積層構造体は絶縁層等において発生した水素と接触し難く、磁気抵抗素子の積層構造体を構成する各種の層が還元され難い。それ故、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化、抵抗値のバラツキ発生等の種々の問題の発生を効果的に抑制することができる。
例えば、積層構造体40の高さが高い場合、開口部61Aの深さと開口部63Aの深さが大きく相違し、接続孔61と接続孔63を同時に形成することが困難になる場合がある。このような場合、開口部61Aを形成した後、接続孔61を形成し、次いで、開口部63Aを形成した後、接続孔63を形成すればよい。尚、接続孔61及び接続孔63の形成順序を逆にしてもよい。
図5に示すように、第2配線62と絶縁層26との間に、水素吸蔵材料、具体的には、チタン(Ti)から成る下地層62’を形成してもよいし、第1配線64と絶縁層26との間に、水素吸蔵材料、具体的には、チタン(Ti)から成る下地層64’を形成してもよい。
また、積層構造体40の上方に位置する下地層62’や、接続孔61の上方に位置する下地層64’の幅を、他の部分の幅よりも広げてもよい。あるいは又、下地層62’,64’の幅を配線62,64の幅よりも広げてもよい。即ち、隣接する第2配線(ビット線)62及び第1配線(センス線)64と短絡しない限り、下地層62’,64’を広い面積において形成してもよい。
図示は省略するが、第2配線62、第1の配線64の頂面に、水素吸蔵材料、具体的には、チタン(Ti)から成る層を形成してもよい。また、第2配線62、第1の配線64の間を層間絶縁材料層で埋め込み、第2配線62、第1配線64の頂面から層間絶縁材料層に亙り、第1配線と第2配線とが短絡しないようにチタン(Ti)から成る層を形成してもよい。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の磁気抵抗素子の模式的な一部断面図を図8に示す。
実施例2の磁気抵抗素子において、第2サイドウォール52上には、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成る第3サイドウォール53が形成されている。ここで、第3サイドウォール53は、SiN又はAlOX(実施例2において、具体的には、SiN)から成る。実施例2にあっては、実施例1の[工程-120]と同様の工程において、第2サイドウォール52を形成した後、第3サイドウォール53を形成すればよい。
第1サイドウォール51を構成するSiNの膜質よりも、第3サイドウォール53を構成するSiNの膜質の方が優れている。具体的には、赤外線分光分析を行い、Si-Nのスペクトルピークに対するSi-Hのスペクトルピークの割合を求め、第3サイドウォール53を構成するSiNのスペクトルピークの割合P3が、第1サイドウォール51を構成するSiNのスペクトルピークの割合P1よりも低ければ、第3サイドウォール53を構成するSiNの膜質の方が優れていると云える。P3の値として、例えば、0.04以下を挙げることができる。
以上の点を除き、実施例2の磁気抵抗素子の構成、構造は、実施例1の磁気抵抗素子の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例2の磁気抵抗素子にあっては、積層構造体の側壁には、更に、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成る第3サイドウォールが形成されているので、製造途中の磁気抵抗素子の積層構造体は絶縁層等において発生した水素と一層接触し難く、磁気抵抗素子の積層構造体を構成する各種の層が、一層、還元され難い。それ故、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化、抵抗値のバラツキ発生等の種々の問題の発生を、一層、確実に抑制することができる。
場合によっては、図9に示すように、第2サイドウォール52の形成を省略し、第1サイドウォール51の上に第3サイドウォール53を形成してもよい。この場合にも、第1サイドウォール51を構成するSiNの膜質よりも、第3サイドウォール53を構成するSiNの膜質の方が優れていることが好ましい。
実施例3は、本開示の第2の態様~第3の態様に係る磁気抵抗素子に関し、且つ、実施例1~実施例2の変形である。実施例3の磁気抵抗素子の模式的な一部断面図を図10に示す。実施例3の磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体40を有している。
そして、実施例3の磁気抵抗素子において、積層構造体40は、更に、その上又は上方に(実施例3にあっては、具体的には、その上に)、上部・水素吸蔵層54を有する。そして、必須ではないが、第1サイドウォール51が積層構造体40の側壁に形成されており、第1サイドウォール51は、更に、チタン(Ti)から成る上部・水素吸蔵層54の側壁を覆っている。上部・水素吸蔵層54の上に第2電極32が形成されている。このような構造は、実施例1の[工程-110]と同様の工程において、下地材料層70の上に、第1電極31、積層構造体40、上部・水素吸蔵層54及び第2電極32を成膜し、次いで、第2電極32、上部・水素吸蔵層54、積層構造体40、第1電極31を、反応性イオンエッチング法(RIE法)に基づきエッチングすることで得ることができる。
実施例3の磁気抵抗素子にあっては、積層構造体の上に上部・水素吸蔵層が形成されているので、製造途中の磁気抵抗素子の積層構造体が、絶縁層等において発生した水素と、一層接触し難く、磁気抵抗素子の積層構造体を構成する各種の層が、一層、還元され難い。それ故、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化、抵抗値のバラツキ発生等の種々の問題の発生を、一層、確実に抑制することができる。
あるいは又、模式的な一部断面図を図11に示すように、実施例3の磁気抵抗素子の変形例-1において、積層構造体40は、更に、その下又は下方に(具体的には、その下方に)、チタン(Ti)から成る下部・水素吸蔵層55を有する。下部・水素吸蔵層55の「上に第1電極31が形成されている。そして、必須ではないが、第1サイドウォール51が積層構造体40の側壁に形成されており、第1サイドウォール51は、下部・水素吸蔵層55の側壁を覆っている。下部・水素吸蔵層55は基部(具体的には、接続孔23の頂部)上に形成されており、第1サイドウォール51は基部の側壁を覆っている。このような構造は、実施例1の[工程-110]と同様の工程において、下地材料層70の上に、下部・水素吸蔵層55、第1電極31、積層構造体40及び第2電極32を成膜し、次いで、第2電極32、積層構造体40、第1電極31、下部・水素吸蔵層55を反応性イオンエッチング法(RIE法)に基づきエッチングすることで得ることができる。
実施例3の変形例-1の磁気抵抗素子にあっては、積層構造体の下に、下部・水素吸蔵層が形成されているので、製造途中の磁気抵抗素子の積層構造体は層間絶縁層等において発生した水素と一層接触し難く、磁気抵抗素子の積層構造体を構成する各種の層が、一層、還元され難い。それ故、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化、抵抗値のバラツキ発生等の種々の問題の発生を、一層、確実に抑制することができる。
模式的な一部断面図を図12に示すように、実施例3の磁気抵抗素子と実施例3の変形例-1の磁気抵抗素子とを組み合わせることもできる。
以上の点を除き、実施例3あるいはその変形例の磁気抵抗素子の構成、構造は、実施例1~実施例2の磁気抵抗素子の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例4は、実施例1~実施例3の変形である。実施例4の磁気抵抗素子の模式的な一部断面図を図13に示す。実施例4の磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体40を有している。そして、実施例4の磁気抵抗素子において、積層構造体40は上層絶縁層27で覆われており、上層絶縁層27内には、水素吸蔵材料(具体的には、チタン、Ti)から成る上層層間膜56が形成されている。上層層間膜56は、限定するものではないが、磁気抵抗素子が占める領域の面積の50%以上の面積、更には、出来る限り広い面積を占めることが望ましい。前述したとおり、上層層間膜56あるいは後述する下層層間膜57の厚さは、1×10-8m以上、好ましくは、2×10-8m以上であることが好ましい。上層層間膜56あるいは下層層間膜57のこれらの厚さは、上層層間膜56あるいは下層層間膜57が所謂ベタ膜で形成されているとしたときの厚さである。ここで、上層層間膜56あるいは下層層間膜57が所謂ベタ膜で形成されているとは、後述する磁気抵抗素子アレイ部81の全体に上層層間膜56あるいは下層層間膜57を形成することを意味する。上層層間膜56あるいは下層層間膜57の厚さをベタ膜換算で2×10-8mとし、上層層間膜56あるいは下層層間膜57の設定厚さを4×10-8mとした場合、磁気抵抗素子が占める領域の面積の50%の面積を上層層間膜56あるいは下層層間膜57が占めていれば、上層層間膜56あるいは下層層間膜57の体積は、ベタ膜換算と設定厚さとで同じとなる。また、上層層間膜56あるいは下層層間膜57の厚さをベタ膜換算で2×10-8mとし、上層層間膜56あるいは下層層間膜57の設定厚さを3×10-8mとした場合、磁気抵抗素子が占める領域の面積の67%の面積を上層層間膜56あるいは下層層間膜57が占めていれば、上層層間膜56あるいは下層層間膜57の体積は、ベタ膜換算と設定厚さとで同じとなる。即ち、上層層間膜56あるいは下層層間膜57の厚さをベタ膜換算でT1とし、上層層間膜56あるいは下層層間膜57の設定厚さをT2とした場合、磁気抵抗素子が占める領域の面積の(T1/T2)×100%の面積を上層層間膜56あるいは下層層間膜57が占めていれば、上層層間膜56あるいは下層層間膜57の体積は、ベタ膜換算と設定厚さとで同じとなる。
上層層間膜56は、例えば、第1配線64の上に形成された接続孔65と接触しないように形成されている。上層絶縁層27の上には、接続孔65と接して配線層66が形成されている。あるいは又、図14に示すように、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-1にあっては、上層絶縁層27に形成された開口部65Aの内壁に、例えばSiO2やSiN、SiCN、Al23から成る絶縁材料層65’を形成し、絶縁材料層65’によって囲まれた開口部65Aの内部にタングステンプラグから成る接続孔65を形成する。このような構造によって、上層層間膜56と接続孔65との間の短絡発生を確実に防止することができる。
これらの構造は、上層絶縁層27の下層部を形成した後、上層層間膜56を形成し、更に、上層絶縁層27の上層部を形成することで得ることができる。
図15に示すように、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-2において、積層構造体40は、層間絶縁層22上に形成されている。そして、層間絶縁層22内には、水素吸蔵材料(具体的には、チタン、Ti)から成る下層層間膜57が形成されている。下層層間膜57は、接続孔23,24と接触しないように形成されている。下層層間膜57は、限定するものではないが、磁気抵抗素子が占める面積の50%以上の面積、更には、出来る限り広い面積を占めることが望ましい。あるいは又、図16に示すように、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-3にあっては、層間絶縁層22に形成された開口部23A,24Aの内壁に、例えばSiO2やSiN、SiCN、Al23から成る絶縁材料層23’,24’を形成し、絶縁材料層23’,24’によって囲まれた開口部23A,24Aの内部にタングステンプラグから成る接続孔23,24を形成する。このような構造によって、下層層間膜57と接続孔23,24との間の短絡発生を確実に防止することができる。
これらの構造は、層間絶縁層22の下層部を形成した後、下層層間膜57を形成し、更に、層間絶縁層22の上層部を形成することで得ることができる。
図17に示すように、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-4は、実施例4の磁気抵抗素子(図13参照)と実施例4の変形例-2(図15参照)との組み合わせであり、上層絶縁層27内には、水素吸蔵材料(具体的には、チタン、Ti)から成る上層層間膜56が形成されており、層間絶縁層22内には、水素吸蔵材料(具体的には、チタン、Ti)から成る下層層間膜57が形成されている。
図18に示すように、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-5は、実施例4の磁気抵抗素子(図13参照)の変形であり、第2サイドウォールの形成が省略されている。また、図19に示すように、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-6は、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-2(図15参照)の変形であり、第2サイドウォールの形成が省略されている。図20に示すように、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-7は、実施例4の磁気抵抗素子の変形例-4(図17参照)の変形であり、第2サイドウォールの形成が省略されている。
以上に説明した実施例4の磁気抵抗素子あるいはその変形例にあっては、上層層間膜56は、複数の磁気抵抗素子によって共有されている。即ち、1層あるいは複数の上層層間膜56が、複数の磁気抵抗素子に亙って設けられている。また、下層層間膜57は、複数の磁気抵抗素子によって共有されている。即ち、1層あるいは複数の下層層間膜57が、複数の磁気抵抗素子に亙って設けられている。上層層間膜56あるいは下層層間膜57の厚さは、1×10-8m以上、好ましくは、2×10-8m以上であることが好ましい。具体的には、上層層間膜56あるいは下層層間膜57の厚さを、例えば、50nmとした。
以上の点を除き、実施例4の磁気抵抗素子の構成、構造は、実施例1~実施例3の磁気抵抗素子の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例4の磁気抵抗素子にあっては、水素吸蔵材料から成る上層層間膜及び/又は下層層間膜が形成されているので、製造途中の磁気抵抗素子の積層構造体は絶縁層等において発生した水素と一層接触し難く、磁気抵抗素子の積層構造体を構成する各種の層が、一層、還元され難い。それ故、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化、抵抗値のバラツキ発生等の種々の問題の発生を、一層、確実に抑制することができる。
実施例5は、本開示の第4の態様に係る磁気抵抗素子に関し、且つ、実施例3~実施例4の変形である。模式的な一部断面図を図21に示すように、実施例5の磁気抵抗素子において、積層構造体40は、絶縁材料から成る水素侵入防止層58によって囲まれている。水素侵入防止層58は、SiN又はAlOXから成るが、具体的には、前述した第3サイドウォール53を構成するSiNの膜質と同様の膜質を有するSiNから構成されている。
水素侵入防止層58は、複数の磁気抵抗素子によって共有されている。即ち、1層あるいは複数の水素侵入防止層58が、複数の磁気抵抗素子に亙って設けられている。水素侵入防止層58は第1電極31の側面を覆っており、しかも、水素侵入防止層58の頂面は第2電極32の頂面よりも高いことが望ましく、水素侵入防止層58の頂面は第2電極32の頂面よりも3×10-8m以上高いことが一層望ましい。
このような構造は、実施例1の[工程-110]と同様の工程において、第2電極32、積層構造体40、第1電極31を、反応性イオンエッチング法(RIE法)に基づきエッチングした後(図6B参照)、全面に水素侵入防止層58を形成することで得ることができる。
実施例5の磁気抵抗素子において、積層構造体は、絶縁材料から成る水素侵入防止層によって囲まれているので、製造途中の磁気抵抗素子の積層構造体は絶縁層等において発生した水素と接触し難く、磁気抵抗素子の積層構造体を構成する各種の層が還元され難い。それ故、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化、抵抗値のバラツキ発生等の種々の問題の発生を確実に抑制することができる。
以上の点を除き、実施例5の磁気抵抗素子の構成、構造は、実施例3~実施例4の磁気抵抗素子の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。また、実施例5の磁気抵抗素子の構成、構造を、実施例1~実施例2の磁気抵抗素子に適用することもできる。即ち、絶縁層26を絶縁材料から成る水素侵入防止層58に置き換えてもよい。
実施例6は、本開示の第1の態様に係る半導体装置に関する。平面概念図を図22Aに示し、断面概念図を図22Bに示すように、実施例6の半導体装置は、磁気抵抗素子から構成された磁気抵抗素子アレイ部81、及び、磁気抵抗素子アレイ部81の周辺部に設けられた周辺回路部82を備えている。磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体40を有する。具体的には、磁気抵抗素子は、実施例1~実施例4において説明した構成、構造を有する。そして、磁気抵抗素子アレイ部81及び周辺回路部82は、実施例4において説明した上層絶縁層27で覆われている。磁気抵抗素子アレイ部81における上層絶縁層27内には、実施例4において説明した水素吸蔵材料から成る上層層間膜56が形成されている。一方、上層層間膜56は、周辺回路部には形成されていない。実施例4において説明したと同様に、上層層間膜56は、磁気抵抗素子アレイ部81を構成する複数の磁気抵抗素子によって共有されている。即ち、1層あるいは複数の上層層間膜56が、複数の磁気抵抗素子に亙って設けられている。上層層間膜56は、限定するものではないが、磁気抵抗素子アレイ部81の50%以上の面積、更には、出来る限り広い面積を占めることが望ましい。
また、周辺回路部82には、通常、Ti膜を下地層としたアルミニウムから成るパッド部が形成されるが、パッド部の形成と併せて、磁気抵抗素子アレイ部81にも、Ti膜を下地層としたアルミニウムから成るダミーパッド部(パッド部として機能しない)を形成すれば、Tiから成る下地膜を上層層間膜56として代替することができる。
上層層間膜56に相当するTi膜の厚さを60nmとし、磁気抵抗素子アレイ部81におけるTi膜の占める面積を50%とした。そして、得られた半導体装置(磁気抵抗素子)に対して、窒素ガス雰囲気下、400゜C、3時間のアニール処理を行ったところ、アニール処理前と比較して、磁気抵抗素子の磁気保磁力は97%(3%の低下)であった。一方、Ti膜から成る下地層の形成を省略して作製した比較例の半導体装置(磁気抵抗素子)に対して、窒素ガス雰囲気下、400゜C、3時間のアニール処理を行ったところ、アニール処理前と比較して、磁気抵抗素子の磁気保磁力は44%(56%の低下)となり、実施例6にあっては、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化の発生を確実に抑制することが判明した。
このような磁気抵抗素子アレイ部81の構造を達成するためには、上述したとおり、磁気抵抗素子アレイ部81を構成する磁気抵抗素子として、実施例1~実施例4において説明した構成、構造を有する磁気抵抗素子を用いてもよいし、本開示の第5の態様に係る磁気抵抗素子を用いてもよい。即ち、このような実施例6の半導体装置の変形例の断面概念図を図23Aに示すように、この磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体40を有しており、積層構造体40は、上層絶縁層27で覆われており、積層構造体40の外側に位置する上層絶縁層27の領域内には、水素吸蔵材料から成る上層層間膜56’が形成されている。積層構造体40は上層層間膜56’で覆われておらず、半導体基板10に対する積層構造体40の正射影像と、半導体基板10に対する上層層間膜56’の正射影像とは、重なっていない。磁気抵抗素子アレイ部81においては、複数の上層層間膜56’がドット状(平面形状は、例えば、円形や矩形、あるいは、任意の形状)に設けられている。あるいは又、磁気抵抗素子アレイ部81においては、積層構造体40の正射影像と重ならないように、上層層間膜56’がベタ膜状に設けられている。あるいは又、磁気抵抗素子アレイ部81において、上層層間膜56’は、磁気抵抗素子を構成する各種の要素と接触しないように設けられている。場合によっては、積層構造体40の外側に位置する絶縁層26の領域内に、水素吸蔵材料から成る上層層間膜56’を形成してもよい。
あるいは又、実施例6の半導体装置の別の変形例の断面概念図を図23Bに示すように、磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体40を有しており、積層構造体40は絶縁層26上に形成されており、積層構造体40の外側に位置する絶縁層26の領域内には(即ち、積層構造体40の下方であって積層構造体40の外側に位置する絶縁層26の領域内には)、水素吸蔵材料から成る下層層間膜57’が形成されている。半導体基板10に対する積層構造体40の正射影像と、半導体基板10に対する下層層間膜57’の正射影像とは、重なっていない。磁気抵抗素子アレイ部81においては、複数の下層層間膜57’がドット状(平面形状は、例えば、円形や矩形、あるいは、任意の形状)に設けられている。あるいは又、磁気抵抗素子アレイ部81においては、積層構造体40の正射影像と重ならないように、下層層間膜57’がベタ膜状に設けられている。あるいは又、磁気抵抗素子アレイ部81において、下層層間膜57’は、磁気抵抗素子を構成する各種の要素と接触しないように設けられている。
尚、上層層間膜56’と下層層間膜57’とを組み合わせてもよい。
実施例6の半導体装置における磁気抵抗素子アレイ部を構成する磁気抵抗素子にあっては、水素吸蔵材料から成る上層層間膜が形成されているので、即ち、積層構造体は上層層間膜で覆われており、あるいは又、積層構造体の上方あるいは側方に上層層間膜が設けられているので、あるいは又、積層構造体の下方に下層絶縁膜が設けられているので、製造途中の磁気抵抗素子の積層構造体は絶縁層等において発生した水素と接触し難く、磁気抵抗素子の積層構造体を構成する各種の層が還元され難い。それ故、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化、抵抗値のバラツキ発生等の種々の問題の発生を確実に抑制することができる。一方、実施例6の半導体装置における周辺回路部を構成する各種トランジスタは上層層間膜で覆われていないので、製造途中のトランジスタは絶縁層等において発生した水素と接触し易い。その結果、SiやOのダングリングボンドを終端させることができ、トランジスタに一層高い信頼性を付与することができるし、例えば、ランダム・テレグラフ・シグナル(RTS)・ノイズの低減を図ることができる。
あるいは又、断面概念図を図22Cに示すように、磁気抵抗素子アレイ部81は、水素吸蔵材料(具体的には、例えば、チタン)から成る層(溝部、分離溝部)83によって囲まれている形態とすることもできる。このような層83は、上層絶縁層27から層間絶縁層22に至る溝を形成し、この溝をチタン(Ti)で埋め込むことで得ることができる。
実施例6の半導体装置を構成する磁気抵抗素子の構成、構造は、実施例3~実施例4の磁気抵抗素子の構成、構造と同様とすることができるので、更には、実施例1~実施例2の磁気抵抗素子の構成、構造を適用することができるので、詳細な説明は省略する。
実施例7は、本開示の第2の態様に係る半導体装置に関する。平面概念図を図22Aに示し、断面概念図を図23Cに示すように、実施例7の半導体装置は、実施例6の半導体装置と同様に、磁気抵抗素子から構成された磁気抵抗素子アレイ部81、及び、磁気抵抗素子アレイ部81の周辺部に設けられた周辺回路部82を備えている。磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体40を有する。具体的には、磁気抵抗素子は、実施例5において説明した構成、構造を有する。そして、積層構造体40は、磁気抵抗素子に共有された、絶縁材料から成る水素侵入防止層58によって囲まれている。水素侵入防止層58は、実施例5において説明したと同様の構成、構造を有する。水素侵入防止層58は、磁気抵抗素子アレイ部81には形成されているが、周辺回路部82には形成されていない。実施例5において説明したと同様に、水素侵入防止層58は、磁気抵抗素子アレイ部81を構成する複数の磁気抵抗素子によって共有されている。即ち、1層あるいは複数の水素侵入防止層58が、複数の磁気抵抗素子に亙って設けられている。
実施例7の半導体装置における磁気抵抗素子アレイ部を構成する磁気抵抗素子にあっては、水素侵入防止層が形成されているので、即ち、積層構造体は水素侵入防止層によって囲まれているので、製造途中の磁気抵抗素子の積層構造体は絶縁層等において発生した水素と接触し難く、磁気抵抗素子の積層構造体を構成する各種の層が還元され難い。それ故、磁気抵抗素子の情報保持特性の劣化、抵抗値のバラツキ発生等の種々の問題の発生を確実に抑制することができる。一方、実施例7の半導体装置における周辺回路部を構成する各種トランジスタには水素侵入防止層が形成されていないので、製造途中のトランジスタは絶縁層等において発生した水素と接触し易い。その結果、SiやOのダングリングボンドを終端させることができ、トランジスタに一層高い信頼性を付与することができるし、例えば、ランダム・テレグラフ・シグナル(RTS)・ノイズの低減を図ることができる。
実施例8は、実施例1~実施例5において説明した磁気抵抗素子を備えた電子デバイス、具体的には、磁気ヘッドに関する。磁気ヘッドは、例えば、ハードディスクドライブ、集積回路チップ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、携帯電話、磁気センサ機器をはじめとする各種電子機器、電気機器等に適用することが可能である。
一例として図24A、図24Bに、磁気抵抗素子101を複合型磁気ヘッド100に適用した例を示す。尚、図24Aは、複合型磁気ヘッド100について、その内部構造が分かるように一部を切り欠いて示した模式的な斜視図であり、図24Bは複合型磁気ヘッド100の模式的断面図である。
複合型磁気ヘッド100は、ハードディスク装置等に用いられる磁気ヘッドであり、基板122上に、実施例1~実施例5において説明した磁気抵抗素子を備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドが形成されており、この磁気抵抗効果型磁気ヘッド上に、更に、インダクティブ型磁気ヘッドが積層・形成されている。ここで、磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、再生用ヘッドとして動作し、インダクティブ型磁気ヘッドは、記録用ヘッドとして動作する。即ち、この複合型磁気ヘッド100にあっては、再生用ヘッドと記録用ヘッドとが複合されている。
複合型磁気ヘッド100に搭載されている磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、所謂シールド型MRヘッドであり、基板122上に絶縁層123を介して形成された第1の磁気シールド層125と、第1の磁気シールド層125上に絶縁層123を介して形成された磁気抵抗素子101と、磁気抵抗素子101上に絶縁層123を介して形成された第2の磁気シールド層127とを備えている。絶縁層123は、Al23やSiO2等の絶縁材料から成る。第1の磁気シールド層125は、磁気抵抗素子101の下層側を磁気的にシールドするためのものであり、Ni-Fe等の軟磁性材料から成る。第1の磁気シールド層125上に、絶縁層123を介して磁気抵抗素子101が形成されている。磁気抵抗素子101は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、磁気記録媒体からの磁気信号を検出する感磁素子として機能する。磁気抵抗素子101の形状は略矩形状であり、一側面が磁気記録媒体への対向面として露呈している。そして、磁気抵抗素子101の両端にはバイアス層128,129が配されている。また、バイアス層128,129に接続された接続端子130,131が形成されている。接続端子130,131を介して磁気抵抗素子101にセンス電流が供給される。バイアス層128,129の上部には、絶縁層123を介して第2の磁気シールド層127が設けられている。
磁気抵抗効果型磁気ヘッドの上に積層・形成されたインダクティブ型磁気ヘッドは、第2の磁気シールド層127及び上層コア132によって構成される磁気コアと、磁気コアを巻回するように形成された薄膜コイル133とを備えている。上層コア132は、第2の磁気シールド層127と共に閉磁路を形成しており、インダクティブ型磁気ヘッドの磁気コアとなるものであり、Ni-Fe等の軟磁性材料から成る。ここで、第2の磁気シールド層127及び上層コア132は、これらの前端部が磁気記録媒体への対向面として露呈しており、且つ、これらの後端部において第2の磁気シールド層127及び上層コア132が互いに接するように形成されている。ここで、第2の磁気シールド層127及び上層コア132の前端部は、磁気記録媒体の対向面において、第2の磁気シールド層127及び上層コア132が所定の間隙gをもって離間するように形成されている。即ち、複合型磁気ヘッド100において、第2の磁気シールド層127は、磁気抵抗素子101の上層側を磁気的にシールドするだけでなく、インダクティブ型磁気ヘッドの磁気コアも兼ねており、第2の磁気シールド層127と上層コア132によってインダクティブ型磁気ヘッドの磁気コアが構成されている。そして間隙gが、インダクティブ型磁気ヘッドの記録用磁気ギャップとなる。
また、第2の磁気シールド層127上には、絶縁層123に埋設された薄膜コイル133が形成されている。薄膜コイル133は、第2の磁気シールド層127及び上層コア132から成る磁気コアを巻回するように形成されている。図示していないが、薄膜コイル133の両端部は、外部に露呈しており、薄膜コイル133の両端に形成された端子が、インダクティブ型磁気ヘッドの外部接続用端子となる。即ち、磁気記録媒体への磁気信号の記録時、これらの外部接続用端子から薄膜コイル133に記録電流が供給される。
以上のような複合型磁気ヘッド100は、再生用ヘッドとして磁気抵抗効果型磁気ヘッドを搭載しているが、磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気記録媒体からの磁気信号を検出する感磁素子として、実施例1~実施例5において説明した磁気抵抗素子101を備えている。そして、磁気抵抗素子101は、上述したように非常に優れた特性を示すので、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気記録の更なる高記録密度化に対応することができる。
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した各種の積層構造、使用した材料等は例示であり、適宜、変更することができる。磁化固定層を、参照層及び固定層から成る積層フェリ構造(積層フェリピン構造)とすることもできる。本開示の磁気抵抗素子の複数から構成された不揮発性記憶素子アレイを含むロジック領域が形成された基板と、例えば、撮像素子の複数が形成された撮像素子アレイを含む基板とを貼り合わせることもできる。
開口部の側壁に、水素吸蔵材料(具体的には、チタン、Ti)から成る層を形成してもよい。また、パッド部が設けられている場合、パッド部の下面及び/又は上面に、水素吸蔵材料(具体的には、チタン、Ti)から成る層を形成してもよい。配線層の層数は、1層に限定されず、2層以上であってもよい。
また、複数の磁気抵抗素子(記憶素子、不揮発性メモリセル)から構成された、所謂クロスポイント型のメモリセルユニットを構成することもできる。このクロスポイント型のメモリセルユニットは、
第1の方向に延びる複数の第3配線(ワード線)、
第3配線と上下方向に離間して配置され、第3配線と異なる第2の方向に延びる複数の第2配線(ビット線)、及び、
第3配線と第2配線とが重複する領域に配置され、第3配線及び第2配線に接続された磁気抵抗素子(記憶素子、不揮発性メモリセル)、
から構成されている。そして、第3配線と第2配線との間に印加する電圧の向き、あるいは、第3配線と第2配線との間に流す電流の向きによって、磁気抵抗素子における情報の書込み、消去が行われる。尚、このような構造にあっては、選択用トランジスタTRは不要である。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《磁気抵抗素子:第1の態様》
少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体の側壁には、第1サイドウォールが形成されており、
第1サイドウォール上には、第2サイドウォールが形成されており、
第1サイドウォールは、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成り、
第2サイドウォールは、水素吸蔵材料から成る磁気抵抗素子。
[A02]第2サイドウォールはチタンから成る[A01]に記載の磁気抵抗素子。
[A03]第2サイドウォールの厚さは3×10-8m以上である[A01]又は[A02]に記載の磁気抵抗素子。
[A04]第1サイドウォールは、SiN又はAlOXから成る[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
[A05]第1サイドウォールの厚さは1×10-8m以上である[A01]乃至[A04]のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
[A06]第2サイドウォール上には、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成る第3サイドウォールが形成されている[A01]乃至[A05]のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
[A07]第3サイドウォールは、SiN又はAlOXから成る[A06]に記載の磁気抵抗素子。
[A08]積層構造体は、更に、その上又は上方に上部・水素吸蔵層を有し、
第1サイドウォールは、上部・水素吸蔵層の側壁を覆っている[A01]乃至[A07]のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
[A09]積層構造体は、更に、その下又は下方に下部・水素吸蔵層を有し、
第1サイドウォールは、下部・水素吸蔵層の側壁を覆っている[A01]乃至[A08]のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
[A10]上層絶縁層で覆われており、
上層絶縁層内には、水素吸蔵材料から成る上層層間膜が形成されている[A01]乃至[A09]のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
[A11]上層層間膜は、磁気抵抗素子が占める面積の50%以上の面積を占める[A10]に記載の磁気抵抗素子。
[A12]積層構造体は、層間絶縁層上に形成されており、
層間絶縁層内には、水素吸蔵材料から成る下層層間膜が形成されている[A01]乃至[A11]のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
[A13]下層層間膜は、磁気抵抗素子が占める面積の50%以上の面積を占める[A12]に記載の磁気抵抗素子。
[A14]《磁気抵抗素子:第2の態様》
少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、更に、その上又は上方には、上部・水素吸蔵層を有する磁気抵抗素子。
[A15]積層構造体は、更に、その下又は下方に下部・水素吸蔵層を有する[A14]に記載の磁気抵抗素子。
[A16]《磁気抵抗素子:第3の態様》
少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、更に、その下又は下方に下部・水素吸蔵層を有する磁気抵抗素子。
[A17]《磁気抵抗素子:第4の態様》
少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、絶縁材料から成る水素侵入防止層によって囲まれている磁気抵抗素子。
[A18]水素侵入防止層は、SiN又はAlOXから成る[A17]に記載の磁気抵抗素子。
[A19]《磁気抵抗素子:第5の態様》
少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、上層絶縁層で覆われており、
積層構造体の外側に位置する上層絶縁層の領域内には、水素吸蔵材料から成る上層層間膜が形成されている磁気抵抗素子。
[A20]上層層間膜は、磁気抵抗素子が占める面積の50%以上の面積を占める[A19]に記載の磁気抵抗素子。
[A21]《磁気抵抗素子:第6の態様》
少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、絶縁層上に形成されており、
積層構造体の外側に位置する絶縁層の領域内には、水素吸蔵材料から成る下層層間膜が形成されている磁気抵抗素子。
[A22]下層層間膜は、磁気抵抗素子が占める面積の50%以上の面積を占める[A21]に記載の磁気抵抗素子。
[B01]《半導体装置:第1の態様》
磁気抵抗素子から構成された磁気抵抗素子アレイ部、及び、周辺回路部を備えた半導体装置であって、
磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
磁気抵抗素子アレイ部及び周辺回路部は、上層絶縁層で覆われており、
磁気抵抗素子アレイ部における上層絶縁層内には、水素吸蔵材料から成る上層層間膜が形成されており、
上層層間膜は、周辺回路部には形成されていない半導体装置。
[B02]磁気抵抗素子アレイ部は、水素吸蔵材料から成る層によって囲まれている[B01]に記載の半導体装置。
[B03]上層層間膜は、磁気抵抗素子アレイ部の面積の50%以上の面積を占める[B01]又は[B02]に記載の半導体装置。
[B04]《半導体装置:第2の態様》
磁気抵抗素子から構成された磁気抵抗素子アレイ部、及び、周辺回路部を備えた半導体装置であって、
磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
積層構造体は、磁気抵抗素子に共有された、絶縁材料から成る水素侵入防止層によって囲まれている半導体装置。
[B05]水素侵入防止層は、SiN又はAlOXから成る[B04]に記載の半導体装置。
[B06]磁気抵抗素子アレイ部には水素侵入防止層が形成され、
周辺回路部には水素侵入防止層が形成されていない[B04]又は[B05]に記載の半導体装置。
[B07]磁気抵抗素子は、[A01]乃至[A22]のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子から成る[B01]乃至[B06]のいずれか1項に記載の半導体装置。
10・・・半導体基板、11・・・素子分離領域、12・・・ゲート電極(ワード線あるいはアドレス線)、13・・・ゲート絶縁層、14・・・チャネル形成領域、15A,15B・・・ソース/ドレイン領域、16・・・ゲートサイドウォール、21・・・下層絶縁膜、22・・・層間絶縁層、23,24・・・接続孔、23’,24’,65’・・・絶縁材料層、25・・・上層絶縁膜、26・・・絶縁層、27・・・上層絶縁層、31・・・第1電極、32・・・第2電極、40・・・積層構造体、51・・・第1サイドウォール、52・・・第2サイドウォール、53・・・第3サイドウォール、54・・・上部・水素吸蔵層、55・・・下部・水素吸蔵層、56,56’・・・上層層間膜、57,57’・・・下層層間膜、58・・・水素侵入防止層、61,63,65・・・接続孔、61A,63A,65A・・・開口部、62・・・第2配線(ビット線)、64・・・第1配線(センス線)、62’,64’・・・下地層、66・・・配線層、70・・・下地材料層、81・・・磁気抵抗素子アレイ部、82・・・周辺回路部、83・・・水素吸蔵材料から成る層(溝部)、100・・・複合型磁気ヘッド、101・・・磁気抵抗素子、122・・・基板、123・・・絶縁層、125・・・第1の磁気シールド層、127・・・第2の磁気シールド層、128,129・・・バイアス層、130,131・・・接続端子、132・・・上層コア、133・・・薄膜コイル、TR・・・選択用トランジスタ

Claims (11)

  1. 少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
    積層構造体の側壁には、第1サイドウォールが形成されており、
    第1サイドウォール上には、第2サイドウォールが形成されており、
    第1サイドウォールは、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成り、
    第2サイドウォールは、水素吸蔵材料から成り、
    積層構造体は、更に、その下又は下方に下部・水素吸蔵層を有し、
    第1サイドウォールは、下部・水素吸蔵層の側壁を覆っている磁気抵抗素子。
  2. 第2サイドウォールはチタンから成る請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 第2サイドウォールの厚さは3×10-8m以上である請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  4. 第1サイドウォールは、SiN又はAlOから成る請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  5. 第1サイドウォールの厚さは1×10-8m以上である請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  6. 第2サイドウォール上には、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成る第3サイドウォールが形成されている請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  7. 第3サイドウォールは、SiN又はAlOから成る請求項6に記載の磁気抵抗素子。
  8. 積層構造体は、更に、その上又は上方に上部・水素吸蔵層を有し、
    第1サイドウォールは、上部・水素吸蔵層の側壁を覆っている請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  9. 上層絶縁層で覆われており、
    上層絶縁層内には、水素吸蔵材料から成る上層層間膜が形成されている請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  10. 積層構造体は、層間絶縁層上に形成されており、
    層間絶縁層内には、水素吸蔵材料から成る下層層間膜が形成されている請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  11. 磁気抵抗素子から構成された磁気抵抗素子アレイ部、及び、周辺回路部を備えた半導体装置であって、
    磁気抵抗素子は、少なくとも、磁化固定層、中間層及び記憶層から成る積層構造体を有しており、
    積層構造体の側壁には、第1サイドウォールが形成されており、
    第1サイドウォール上には、第2サイドウォールが形成されており、
    第1サイドウォールは、水素の侵入を阻止する絶縁材料から成り、
    第2サイドウォールは、水素吸蔵材料から成り、
    積層構造体は、更に、その下又は下方に下部・水素吸蔵層を有し、
    第1サイドウォールは、下部・水素吸蔵層の側壁を覆っている半導体装置。
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