JP7382671B1 - 一液水中硬化型接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中においても優れた硬化性と、水中の岩、構造物等の被着体に対して優れた接着性とを示し、水中での作業安定性及び低温保存安定性に優れたシリコーン接着剤を提供すること。【解決手段】(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、(B-1)疎水性無機充填材100~600質量部と、(C)硬化触媒0.1~10質量部とを含む、一液水中硬化型接着剤であって、シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である、一液水中硬化型接着剤。【選択図】なし

Description

本開示は一液水中硬化型接着剤に関する。
反応硬化型接着剤は溶剤を含まず接着力も強いことから広汎な用途に使われている。しかし、接着対象である被着体が水中に置かれてその表面が濡れている場合は、接着剤と被着体の間に水層が介在して離型剤として作用するため、被着体と接着剤の間で接着が確立されないことが多い。
特許文献1(国際公開第2015/029615号)には、主鎖を形成する水溶性ポリマー単位と、この水溶性ポリマー単位に結合する親水性有機基と自己集合性基とから構成される有機重合体と、硬化剤とを含むことを特徴とする、水中又は湿潤環境下で硬化し、接着性を発揮する接着剤が記載されている。
国際公開第2015/029615号
特許文献1に記載の接着剤については、その原料の入手が困難であり、また、親水性である有機重合体が水で膨潤することにより接着剤の強度が低下するおそれがある。
反応硬化型接着剤として広く使用される二液型エポキシ接着剤の中には水中で使用できるものもある。しかし、二液型エポキシ接着剤は粘着性が高く、二液を混合する時に保護手袋に付着するなど作業性が低い。混合時の粘着性を低減する方法として、水をつけて練り込む方法が提案されている。しかし、この場合、接着剤の一部が水に溶解して、水中に白い濁りが発生する。
一液常温硬化型シリコーン接着剤は、大気中では良好な接着性を示す。しかし、接着剤の撥水性が高いため、例えば水中にある被着体、例えば岩又はコンクリート構造物の接着に使用すると、接着剤と被着体の間に水の薄膜が残留しやすく、その水の薄膜が離型剤として作用するために接着を確立することが難しい。
以上のように、水中で硬化し、十分な強度及び接着性を有し、作業が容易であり、入手が容易な原料を用いて調製することができる接着剤が望まれている。
これに対し、本発明者は、ケイ素原子に直接結合した低級アルコキシ基を複数有するシリコーンポリマーに、親水性無機充填材と硬化触媒とを配合した組成物が、水中で良好に硬化し、水中に存在する岩及び構造物等の被着体に対して良好に接着することを既に見出している。低級アルコキシ基を複数有するシリコーンポリマーのアルコキシ基含有率が高い場合は、非極性有機高分子化合物(例えばシリコーン生ゴム)を配合することにより、接着剤の水中での作業安定性及び低温保存安定性を確保することができる。しかし、非極性有機高分子化合物の追加配合により、接着剤の凝集破壊強度が低くなったり、接着剤の原料コストが高くなったりするなどの問題が生じる場合があった。
本開示は、水中においても優れた硬化性と、水中の岩、構造物等の被着体に対して優れた接着性とを示し、水中での作業安定性及び低温保存安定性に優れたシリコーン接着剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を高度に含有するシリコーンポリマーに、疎水性無機充填材(系内で疎水化されたものも含む)と硬化触媒とを配合することにより、水中に存在する岩及び構造物等の被着体に対して良好に接着し、水中での作業性が良好であり、かつ低温保存安定性も高い接着剤が得られることを見出した。
本発明は以下の態様を包含する。
[態様1]
(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、
(B-1)疎水性無機充填材100~600質量部と、
(C)硬化触媒0.1~10質量部と
を含む、一液水中硬化型接着剤であって、前記シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である、一液水中硬化型接着剤。
[態様2]
前記疎水性無機充填材の平均粒径が0.01μm~50μmである、態様1に記載の一液水中硬化型接着剤。
[態様3]
(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、
(B-1)平均粒径1~50μmの疎水性無機充填材80~580質量部と、
(B-2)平均粒径0.05~50μmの親水性無機充填材20~500質量部と、
(C)硬化触媒0.1~10質量部と
を含む、一液水中硬化型接着剤であって、前記疎水性無機充填材及び前記親水性無機充填材の合計量が100~600質量部であり、前記シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である、一液水中硬化型接着剤。
[態様4]
(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、
(B-1)平均粒径0.01~1μmの疎水性無機充填材25~300質量部と、
(B-2)平均粒径0.05~50μmの親水性無機充填材75~550質量部と、
(C)硬化触媒0.1~10質量部と
を含む、一液水中硬化型接着剤であって、前記疎水性無機充填材及び前記親水性無機充填材の合計量が100~600質量部であり、前記シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である、一液水中硬化型接着剤。
[態様5]
前記疎水性無機充填材が、炭素原子数6~30の脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウム粉末、炭素原子数6~30のアルキル基と複数のアルコキシ基とを有するオルガノシランで表面処理されたシリカ粉末、又はこれらの組み合わせである、態様1~4のいずれかに記載の一液水中硬化型接着剤。
[態様6]
(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、
(B-2)親水性無機充填材100~600質量部と、
(C)硬化触媒0.1~10質量部と、
(D)表面処理剤0.25~10質量部と
を混合して得られる、一液水中硬化型接着剤であって、前記シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%であり、前記親水性無機充填材の表面が前記シリコーンポリマー存在下で前記表面処理剤により疎水化される、一液水中硬化型接着剤。
[態様7]
前記親水性無機充填材が炭酸カルシウム粉末であり、前記表面処理剤が炭素原子数6~30の脂肪酸である、態様6に記載の一液水中硬化型接着剤。
[態様8]
前記シリコーンポリマーが、式(1)
(SiO4/2(RSiO3/2(R1/2 (1)
(式(1)中、Rはそれぞれ独立してメチル基又はフェニル基を表し、Rはメチル基を表し、a及びbは、0≦a≦1、0≦b≦1であって、かつa+b=1を満たす数であり、cは2<c<4である。)
で表される多官能メトキシシランの部分加水分解縮合物を含む、態様1~7のいずれかに記載の一液水中硬化型接着剤。
[態様9]
前記硬化触媒が、チタンアルコキシド化合物、及びチタンキレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、態様1~8のいずれかに記載の一液水中硬化型接着剤。
[態様10]
(E)多官能アルコキシシランを更に含む、態様1~9のいずれかに記載の一液水中硬化型接着剤。
[態様11]
前記多官能アルコキシシランが、テトラエトキシシラン及びビニルトリメトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種である、態様10に記載の一液水中硬化型接着剤。
[態様12]
前記多官能アルコキシシランを1~20質量部含む、態様10又は11に記載の一液水中硬化型接着剤。
本開示のシリコーン系接着剤は一液水中硬化型であることから、二液硬化型接着剤とは異なり、使用時に主剤と硬化剤の計量及び混合を必要とせずに、水中で容易に施工することができる。また、本開示のシリコーン系接着剤は、水中においても優れた硬化性と、水中の岩、構造物等の表面が濡れている被着体に対して優れた接着性とを示す。そのため、潜水作業によって、川底又は海中にある岩、構造物等の被着体に対して、金属、セラミック等の無機材料を容易に接着施工することができる。更に、本開示のシリコーン系接着剤は、水中での作業性が良好であり、かつ低温保存安定性も高い。
上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
[第1実施態様の一液水中硬化型接着剤]
第1実施態様の一液水中硬化型接着剤は、(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、(B-1)疎水性無機充填材100~600質量部と、(C)硬化触媒0.1~10質量部とを含み、シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である。
第1実施態様の一液水中硬化型接着剤は、任意成分として、(E)多官能アルコキシシランを更に含んでもよい。
第1実施態様の一液水中硬化型接着剤に含まれる無機充填材は、上記疎水性無機充填材からなるものであってよく、上記疎水性無機充填材から本質的になるものであってもよい。例えば、第1実施態様の一液水中硬化型接着剤において、無機充填材としての親水性無機充填材の含有量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、20質量部未満、10質量部未満、5質量部未満、又は1質量部未満とすることができる。
[第2実施態様の一液水中硬化型接着剤]
第2実施態様の一液水中硬化型接着剤は、(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、(B-1)平均粒径1~50μmの疎水性無機充填材80~580質量部と、(B-2)平均粒径0.05~50μmの親水性無機充填材20~500質量部と、(C)硬化触媒0.1~10質量部とを含み、疎水性無機充填材及び親水性無機充填材の合計量が100~600質量部であり、シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である。
[第3実施態様の一液水中硬化型接着剤]
第3実施態様の一液水中硬化型接着剤は、(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、(B-1)平均粒径0.01~1μmの疎水性無機充填材25~300質量部と、(B-2)平均粒径0.05~50μmの親水性無機充填材75~550質量部と、(C)硬化触媒0.1~10質量部とを含み、疎水性無機充填材及び親水性無機充填材の合計量が100~600質量部であり、シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である。
第2実施態様及び第3実施態様の一液水中硬化型接着剤は、任意成分として、(E)多官能アルコキシシランを更に含んでもよい。
[第4実施態様の一液水中硬化型接着剤]
第4実施態様の一液水中硬化型接着剤は、(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、(B-2)親水性無機充填材100~600質量部と、(C)硬化触媒0.1~10質量部と、(D)表面処理剤0.25~10質量部とを混合して得られたものであり、シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である。親水性無機充填材の表面は、シリコーンポリマー存在下で表面処理剤により疎水化される。疎水化は、一液水中硬化型接着剤の調製時に生じてもよく、保管中に進行してもよい。
第4実施態様の一液水中硬化型接着剤は、任意成分として、(E)多官能アルコキシシランを更に含んでもよい。
一般に、シリコーンポリマーと混合して使用される無機充填材としては、その表面をヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、高級アルキルトリアルコキシシラン又は高級脂肪酸を疎水化処理剤として用いて疎水化処理したものが知られている。表面疎水化処理は、シリコーンポリマーと疎水化処理剤とを混合し、混合物に無処理の無機充填材を添加することにより、系内(in-situ)で行われる場合もある。表面疎水化処理を行わずに無機充填材を一般的なシリコーンポリマーに添加すると、組成物の粘度が過度に高くなる場合があることがよく知られている。一方、表面疎水化処理した無機充填材をシリコーンポリマーと混合して得られる組成物は一般に撥水性を有する。そのような撥水性を有する組成物を、水中にある被着体、例えば岩又はコンクリート構造物の接着剤として使用すると、接着剤と被着体の間に水の薄膜が残留しやすく、その水の薄膜が離型剤として作用するために接着を確立することが難しい。
本発明者の検討結果から、アルコキシ基含有量が高いシリコーンポリマーと親水性無機充填材を組み合わせると、接着剤が水中での施工中に流れ出し、接着剤の一部が水中に溶解してしまう現象が観察された。更に、接着剤の低温保存時に液体成分が分離する現象も観察された。このような現象を示す組成物は、高い剪断応力を掛けると固化したように見え、静置すると流動化するダイラタンシー流体であることが判明した。本発明者は、メトキシ基含有量が40質量%~50質量%と非常に高いシリコーンポリマーを疎水性無機充填材と組み合わせると、予想外にもこれらの現象が改善されることを見出した。
〈(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー〉
(A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー(以下、単に「シリコーンポリマー」という。)としては、例えば、室温硬化型シリコーンゴム組成物の成分として汎用されている、両末端にメトキシ基を複数有する直鎖ジメチルポリシロキサン、及び湿分硬化型硬質コーティング剤の成分として汎用されている、メトキシ基を複数有するシラン化合物の部分加水分解縮合物が挙げられる。シリコーンポリマーは、ケイ素原子に直接結合した、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などの、他の低級アルコキシ基を有してもよい。ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマーは、硬化性及び接着性に優れている。シリコーンポリマーは、単独で、又は組成の異なる2種以上を組み合わせて使用することができる。
シリコーンポリマーは、メトキシ基を複数有するシラン化合物の部分加水分解縮合物を含むことが好ましく、式(1)
(SiO4/2(RSiO3/2(R1/2 (1)
(式(1)中、Rはそれぞれ独立してメチル基又はフェニル基を表し、Rはメチル基を表し、a及びbは、0≦a≦1、0≦b≦1であって、かつa+b=1を満たす数であり、cは2<c<4である。)で表される多官能メトキシシランの部分加水分解縮合物(以下、「アルコキシオリゴマー」ともいう。)を含むことがより好ましい。
メトキシ基含有量すなわち反応活性の観点から、式(1)のRの全数のうち、フェニル基の占める割合は、0%~10%であることが好ましい。
アルコキシオリゴマーの入手容易性の観点から、a=0又はa=1であることが好ましい。a=1の場合、b=0であり、本開示ではこのようなアルコキシオリゴマーを「Qオリゴマー」ともいう。
アルコキシオリゴマーの特性は、式(1)の各因子、すなわち、a、b、及びcの値、Rのメチル基とフェニル基の比率などにより決定される。アルコキシオリゴマーは、一般に、粘度、比重、屈折率、及びメトキシ基含有量からその構造が推定される。例えば、粘度はアルコキシオリゴマーの分子量と相関する。屈折率からRのメチル基とフェニル基の比率を推定することができ、高屈折率であるほどフェニル基の比率が高い。メトキシ基含有量は、aとbの比率、粘度及びフェニル基含有量と関係している。
一般に、アルコキシオリゴマーの動粘度は、メトキシ基含有量と相関しており、メトキシ基含有量が高いほど低くなる。メトキシ基含有量が40質量%~50質量%のアルコキシオリゴマーの動粘度は、通常2mm/s~200mm/sの範囲にある。メトキシ基が多い程接着性が高くなる傾向があるため、高い接着性が要求される用途では、アルコキシオリゴマーの動粘度は低い方が好ましい。一方、アルコキシオリゴマーの動粘度が低いと硬化物が脆くなる傾向があるため、接着性の要求が満たされる限り、アルコキシオリゴマーの動粘度はできるだけ高いことが好ましい。本開示において、動粘度は、JIS Z 8803:2011に準拠したキャノン-フェンスケ粘度計を用いた25℃での測定値である。
アルコキシオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは200~10,000である。a=1又はb=1の場合は、アルコキシオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、アルコキシ基含有量から算出される。その他の場合は、アルコキシオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)における標準ポリスチレン換算値である。
アルコキシオリゴマーの比重は、一般に25℃で1.04~1.30である。
アルコキシオリゴマーの屈折率は、一般に25℃で1.392~1.512である。
アルコキシオリゴマーのメトキシ基含有量は、40質量%~50質量%であり、好ましくは43質量%~50質量%である。
アルコキシオリゴマーは、公知のオルガノポリシロキサンの製造方法に従って製造することができ、例えば、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解縮合させて得ることができる。加水分解性基を有するシラン化合物は、加水分解性基である塩素原子又はアルコキシ基をケイ素原子上に3~4個有し、式(1)で表されるアルコキシオリゴマーを構成するシラン化合物であれば特に限定されない。
シラン化合物としては、例えば、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン;メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン;フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン及びこれらの部分加水分解物が挙げられる。反応性、操作性、副生物の留去のしやすさ、及び原料の入手の容易さの観点から、メトキシシラン及びエトキシシランが好適に使用される。シラン化合物は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
加水分解縮合は、加水分解触媒を使用して行うことができる。加水分解触媒としては、例えば、フッ化水素、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、マレイン酸、安息香酸、乳酸等の有機酸;及び表面にスルホ基又はカルボキシ基を有するカチオン交換樹脂が挙げられる。加水分解触媒の使用量は、特に限定されないが、シラン化合物1モルを基準として0.0002モル~0.5モルであることが好ましい。加水分解触媒の使用量を上記範囲とすることにより、加水分解縮合の反応を効果的に促進し、反応後の触媒を容易に除去することができる。
加水分解縮合に使用する水の量は、特に限定されないが、シラン化合物1モルを基準として0.1~10モルであることが好ましい。水の使用量を上記範囲とすることにより、触媒の失活を防いで加水分解縮合の反応を促進し、反応後に水を容易に除去することができる。
加水分解縮合の反応温度は、特に限定されないが、-10~150℃であることが好ましい。反応温度を上記範囲とすることにより、反応率を向上させつつ、生成するアルコキシオリゴマーの有するアルコキシ基の分解を抑制することができる。
加水分解縮合の際に、有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒としては、例えば、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、及びキシレンが挙げられる。
〈(B-1)疎水性無機充填材〉
(B-1)疎水性無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、表面が疎水化処理された、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、及び酸化チタンが挙げられる。疎水性無機充填材は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本開示において、疎水性無機充填材とは、25℃の純水100mLに1g投入して1分経過した時点で、その全量が水面に浮遊して沈降しないものを意味する。
疎水性無機充填材は球状であることが好ましい。球状の疎水性無機充填材は、一液水中硬化型接着剤の過度の増粘を抑制することができる。
第1実施態様において、疎水性無機充填材の平均粒径は、0.01μm~50μmであることが好ましく、0.05μm~10μmであることがより好ましい。疎水性無機充填材の平均粒径を0.01μm以上とすることにより、一液水中硬化型接着剤の過度の増粘を抑制することができる。疎水性無機充填材の平均粒径を50μm以下とすることにより、被着体への接着性を高めることができる。本開示において、疎水性無機充填材の平均粒径は、レーザ回折散乱法により測定される体積累積粒径D50である。
第2実施態様において、疎水性無機充填材の平均粒径は、1μm~50μmであり、2μm~10μmであることが好ましい。疎水性無機充填材の平均粒径を1μm以上とすることにより、一液水中硬化型接着剤の過度の増粘を抑制することができる。疎水性無機充填材の平均粒径を50μm以下とすることにより、被着体への接着性を高めることができる。
第3実施態様において、疎水性無機充填材の平均粒径は、0.01μm~1μmであり、0.02μm~0.5μmであることが好ましい。疎水性無機充填材の平均粒径を0.01μm以上とすることにより、一液水中硬化型接着剤の過度の増粘を抑制することができる。疎水性無機充填材の平均粒径を1μm以下とすることにより、被着体への接着性を高めることができる。
疎水性無機充填材の比表面積は、0.5m/g~20m/gであることが好ましい。本開示において、疎水性無機充填材の比表面積は、BET法による値である。
疎水性無機充填材は、親水性無機充填材の表面を疎水化処理したものであってよい。疎水化処理としては、例えば、シリカの場合、ヘキサメチルジシラザン又はジメチルジクロロシラン、高級アルキルトリアルコキシシラン、高級脂肪酸等を用いた表面疎水化処理が挙げられ、炭酸カルシウムの場合、高級脂肪酸等を用いた表面疎水化処理が挙げられる。
高級アルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、炭素原子数6~30のアルキル基と複数のアルコキシ基とを有するオルガノシランが挙げられる。炭素原子数6~30のアルキル基と複数のアルコキシ基とを有するオルガノシランとしては、例えば、ヘキシルトリメトキシシラン、及びデシルトリメトキシシランが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えば、炭素原子数6~30の脂肪酸が挙げられる。炭素原子数6~30の脂肪酸は飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。炭素原子数6~30の脂肪酸としては、例えば、オクタン酸、オレイン酸、及びステアリン酸が挙げられる。
疎水性無機充填材は、炭素原子数6~30の脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウム粉末、炭素原子数6~30のアルキル基と複数のアルコキシ基とを有するオルガノシランで表面処理されたシリカ粉末、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。シリカ粉末は、溶融球状シリカ又は爆燃法球状シリカであることが好ましい。
溶融球状シリカとしては、例えば、FB-5D(平均粒径4.7μm、比表面積2.4m/g)(デンカ株式会社)が挙げられる。爆燃法球状シリカとしては、例えば、アドマファインシリカSO-C2(平均粒径0.4~0.6μm、比表面積4~7m/g)、SO-C4(平均粒径0.9~1.2μm、比表面積3~6m/g)、及びSO-C6(平均粒径1.8~2.3μm、比表面積1.5~2.5m/g)(いずれも株式会社アドマテックス)が挙げられる。これらをアルキルトリアルコキシシラン、例えば、デシルトリメトキシシラン(KBM-3103C、信越化学工業株式会社)で表面処理して疎水化することにより、疎水性無機充填材を得ることができる。表面疎水化処理された炭酸カルシウムとしては、例えば、重質無処理炭酸カルシウムの表面処理品であるMホワイト(平均粒径6.0μm、比表面積0.8m/g)、M-300J(平均粒径1.3μm、比表面積2.3m/g)、スノーライトSSS(平均粒径3.4μm、比表面積1.2m/g)、及びコロイド炭酸カルシウムの表面処理品であるカルファイン200M(平均粒径0.05μm、比表面積18m/g)(いずれも丸尾カルシウム株式会社)が挙げられる。
第1実施態様において、疎水性無機充填材の含有量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、100~600質量部であり、好ましくは150~600質量部であり、より好ましくは200~600質量部である。
第2実施態様において、疎水性無機充填材の含有量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、80~580質量部であり、好ましくは150~520質量部である。
第3実施態様において、疎水性無機充填材の含有量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、25~300質量部であり、好ましくは50~250質量部である。
〈(B-2)親水性無機充填材〉
(B-2)親水性無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、及び酸化チタンが挙げられる。親水性無機充填材は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本開示において、親水性無機充填材とは、25℃の純水100mLに1g投入して1分経過した時点で、その全量が水面から沈降するものを意味する。
親水性無機充填材は球状であることが好ましい。球状の親水性無機充填材は、一液水中硬化型接着剤の過度の増粘を抑制することができる。
第2実施態様及び第3実施態様において、親水性無機充填材の平均粒径は、0.05μm~50μmであり、好ましくは0.2μm~10μmである。第4実施態様において、親水性無機充填材の平均粒径は、0.01μm~50μmであることが好ましく、0.05μm~10μmであることがより好ましい。親水性無機充填材の平均粒径を0.05μm以上(第2実施態様及び第3実施態様)又は0.01μm以上(第4実施態様)とすることにより、一液水中硬化型接着剤の過度の増粘を抑制することができる。親水性無機充填材の平均粒径を50μm以下とすることにより、被着体への接着性を高めることができる。本開示において、親水性無機充填材の平均粒径は、レーザ回折散乱法により測定される体積累積粒径D50である。
親水性無機充填材の比表面積は、0.5m/g~15m/gであることが好ましく、0.7m/g~10m/gであることがより好ましい。本開示において、親水性無機充填材の比表面積は、BET法による値である。
親水性無機充填材の表面は、疎水性無機充填材について説明した疎水化処理が行われていないことが好ましい。
親水性無機充填材は、表面疎水化処理が行われていない、溶融球状シリカ、爆燃法球状シリカ、及び炭酸カルシウム粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
溶融球状シリカ及び爆燃法球状シリカとしては、例えば、疎水性無機充填材について説明したものが挙げられる。炭酸カルシウム粒子としては、例えば、重質無処理炭酸カルシウムである、スーパーS(平均粒径6.3μm、比表面積0.8m/g)、スーパー#1500(平均粒径2.2μm、比表面積1.5m/g)、及びナノックス#25(平均粒径1.3μm、比表面積2.5m/g)(いずれも丸尾カルシウム株式会社)が挙げられる。
第2実施態様において、親水性無機充填材の含有量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、20~500質量部であり、好ましくは30~350質量部である。
第3実施態様において、親水性無機充填材の含有量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、75~550質量部であり、好ましくは150~500質量部である。
第4実施態様において、親水性無機充填材の配合量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、100~600質量部であり、好ましくは150~600質量部であり、より好ましくは200~600質量部である。第4実施態様において、一液水中硬化型接着剤の調製時又は保管中に、後述する表面処理剤による親水性無機充填材の疎水化により、疎水性無機充填材が一液水中硬化型接着剤中で生成する。
〈(C)硬化触媒〉
(C)硬化触媒としては、アルコキシ基の加水分解及びアルコキシオリゴマーの硬化を促進する触媒であれば特に限定されないが、例えば、Al、Ti、Zr、Sn等の金属を含む、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、及び金属エステル化合物が挙げられる。硬化触媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
金属アルコキシド化合物としては、例えば、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ-n-プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ-n-ブトキシド、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリ-s-ブトキシド、アルミニウムトリ-t-ブトキシド等のアルミニウムアルコキシド;テトラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラ-n-プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ-n-ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ-t-ブチルチタネート、テトラ-n-ヘキシルチタネート、テトライソオクチルチタネート、テトラ-n-ラウリルチタネート等のチタンアルコキシド;テトラエチルジルコネート、テトラ-n-プロピルジルコネート、テトライソプロピルジルコネート、テトラ-n-ブチルジルコネート、テトラ-s-ブチルジルコネート、テトラ-t-ブチルジルコネート、テトラ-n-ペンチルジルコネート、テトラ-t-ペンチルジルコネート、テトラ-t-ヘキシルジルコネート、テトラ-n-ヘプチルジルコネート、テトラ-n-オクチルジルコネート、テトラ-n-ステアリルジルコネート等のジルコニウムアルコキシド;及びジブチルスズジブトキシド等のスズアルコキシドが挙げられる。
金属キレート化合物及び金属エステル化合物としては、例えば、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n-プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(イソプロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n-ブチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシプロピオニルアセトナトアルミニウム、アセチルアセトナト・ビス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、モノエチルアセトアセテート・ビス(アセチルアセトナト)アルミニウム、アセチルアセトナトアルミニウム・ジ-s-ブチレート、メチルアセトアセテートアルミニウム・ジ-s-ブチレート、ジ(メチルアセトアセテート)アルミニウム・モノ-t-ブチレート、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、モノアセチルアセトナト・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタネート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタネート、ジ-n-ブトキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタネート等のチタンキレート化合物;テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(n-プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化合物;及びジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジ(2-エチルヘキシレート)、ジベンジルスズジ(2-エチルヘキシレート)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジイソオクチルマレエート、ジブチルスズビス(アセチルアセトネート)等のスズエステル化合物が挙げられる。
硬化触媒は、水中での硬化性の観点から、チタンアルコキシド化合物及びチタンキレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
硬化触媒としては、例えば、オルガチックスTC-750(ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタネート、マツモトファインケミカル株式会社)、及びD-25(チタン系、信越化学工業株式会社)が挙げられる。
硬化触媒として、アミン系シランカップリング剤を使用することもできる。アミン系シランカップリング剤としては、例えば、KBE-903(信越化学工業株式会社)が挙げられる。
硬化触媒の含有量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、0.1~10質量部であり、好ましくは0.2~8質量部であり、より好ましくは0.5~5質量部である。
〈(D)表面処理剤〉
第4実施態様の一液水中硬化型接着剤は、シリコーンポリマー存在下で親水性無機充填材の表面を系内で疎水化するための表面処理剤を含む。この実施態様で使用される表面処理剤としては、例えば、上記疎水性無機充填材の疎水化処理に使用される表面処理剤が挙げられる。
表面処理剤は、親水性無機充填材の表面に対してシリコーンポリマーよりも高い反応性を示すことが好ましい。例えば、親水性無機充填材が炭酸カルシウム粉末の場合、表面処理剤として高級脂肪酸、例えば炭素原子数6~30の脂肪酸を用いると、親水性無機充填材の疎水化をより効果的に進行させることができる。第4実施態様の水中硬化型接着剤は、親水性無機充填材として炭酸カルシウム粉末、表面処理剤として炭素原子数6~30の脂肪酸が配合されることが好ましい。
第4実施態様において、表面処理剤の含有量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、0.25~10質量部であり、好ましくは0.5~8質量部である。
〈(E)多官能アルコキシシラン〉
(E)多官能アルコキシシランは、シリコーンポリマーが、接着剤の製造中又は保管中に混入した水分、あるいは無機充填材に含まれていた水分と反応して、接着剤の保管中に接着剤が架橋及び硬化することを抑制又は防止して、接着剤の保存安定性を高めることができる。
多官能アルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;及びメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシランが挙げられる。多官能アルコキシシランは、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
多官能アルコキシシランは、テトラエトキシシラン及びビニルトリメトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
多官能アルコキシシランの含有量は、シリコーンポリマー100質量部を基準として、1~20質量部であることが好ましく、5~15質量部であることがより好ましい。
〈任意成分〉
接着剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、任意成分として添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、溶剤、シランカップリング剤、粘性付与剤(例えば、高粘度シリコーンオイル、シリコーン生ゴム等の直鎖オルガノポリシロキサン、及びポリブテン)、レオロジー調整剤、分散剤、老化防止剤、酸化防止剤、染料、及び顔料が挙げられる。添加剤は、単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
〈一液水中硬化型接着剤の製造〉
一液水中硬化型接着剤は、上記成分を混合することにより製造することができる。混合装置としては、例えば、プラネタリーミキサー、ニーダーなどを用いることができる。上記成分の混合の順序は、特に限定されないが、シリコーンポリマーと相溶する成分を先に混合し、その後、得られた混合物に疎水性無機充填材及び/又は親水性無機充填材を添加混合することが好ましい。
第4実施態様において、表面処理剤をシリコーンポリマーと混合した後、親水性無機充填材を添加混合することが好ましい。シリコーンポリマーと親水性無機充填材の混合物に表面処理剤が添加されていない場合、当該混合物はダイラタンシー流体であり、非常に硬く混合操作が困難である。そのため、シリコーンポリマー存在下で表面処理剤と親水性無機充填材とを混合し、混合物全体がパテ化した時点で、親水性無機充填材の表面疎水化処理が完了したものとみなすことができる。
〈一液水中硬化型接着剤の形態〉
水中作業性の観点から、一液水中硬化型接着剤は、0℃~40℃で流動性を有さず、かつダイラタンシー流体ではないことが好ましい。一実施態様では、一液水中硬化型接着剤は、パテタイプの接着剤の形態で提供される。パテタイプの接着剤は水中での作業性に特に優れている。
〈一液水中硬化型接着剤の用途〉
本開示の一液水中硬化型接着剤は、川底又は海中にある岩、構造物等の被着体に対して、金属、セラミック等の無機材料を接着する用途に好適に使用することができる。また、本開示の一液水中硬化型接着剤は、ひび割れして水が染み出しているコンクリート構造物等の止水補修にも好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈原料〉
実施例において、一液水中硬化型接着剤に使用したアルコキシオリゴマーを表1に示す。
Figure 0007382671000001
メチル系オリゴマーは、式(1)で表されるアルコキシオリゴマーにおいて、Rがメチル基であるアルコキシオリゴマーである。メチルフェニル系オリゴマーは、式(1)で表されるアルコキシオリゴマーにおいて、Rがメチル基又はフェニル基であるアルコキシオリゴマーである。Qオリゴマーは、式(1)で表されるアルコキシオリゴマーにおいて、a=1、b=0、2<c<4であるアルコキシオリゴマーである。
実施例において使用した疎水性無機充填材及びその表面処理、並びに親水性無機充填材を表2に示す。
Figure 0007382671000002
溶融球状シリカであるFB-5Dはデンカ株式会社製、重質炭酸カルシウム粒子及びコロイド炭酸カルシウム粉末(表面処理あり及びなし)は丸尾カルシウム株式会社製である。FB-5Dの表面疎水化処理は以下の手順で行った。
FB-5Dを200mLガラス瓶中に100g秤量し、KBM-3103C(信越化学工業株式会社製)にTC-750(マツモトファインケミカル株式会社製)を1質量%添加した処理液を、FB-5Dに対し1.5質量%添加し、良く振り混ぜ、一晩放置して表面処理FB-5Dを得た。表面処理FB-5Dが水中で沈まないことが目視で観察されたため、FB-5Dの表面疎水化処理が完了したものとみなした。
表面処理剤として、オレイン酸、オクタン酸、及びステアリン酸(いずれも試薬グレード、東京化成工業株式会社製)を使用した。
硬化触媒として、オルガチックスTC-750(ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタネート、マツモトファインケミカル株式会社)を使用した。
多官能アルコキシシランとして、KBM-1003(ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社)を使用した。
〈一液水中硬化型接着剤の調製〉
一液水中硬化型接着剤は以下の手順で調製した。90mLのPET製蓋付円形容器に、アルコキシオリゴマー、KBM-1003、表面処理剤(使用する場合)、硬化触媒、疎水性無機充填材、親水性無機充填材(使用する場合)の順に計量して入れ、これらを木製丸箸で撹拌した。
〈水中作業安定性〉
水中での作業中の一液水中硬化型接着剤の状態を観察して記録した。接着剤の流動性が大気中と比較して水中での作業中に変化しなかったもの、及び僅かに変化したものを、それぞれ「変化なし」及び「僅かに変化」と評価した。接着剤の流動性について「変化なし」及び「僅かに変化」は許容範囲とした。水中での作業中に接着剤が溶解したものを、その程度に応じて「僅かに溶解」、「溶解」又は「激しく溶解」と評価した。接着剤の溶解性について「僅かに溶解」は許容範囲とした。
〈冷凍保存安定性〉
一液水中硬化型接着剤を調製に使用した蓋付円形容器内に入れたまま蓋をし、蓋付円形容器をファスナー付きPE袋に入れて、家庭用冷蔵庫の冷凍室(-15℃)内で保存した。定期的に接着剤の状態を観察して記録した。接着剤がダイラタンシー流体の性質を帯びている場合、接着剤の調製後静置すると、速やかに接着剤表面が艶を帯び、液体成分が分離することが判明した。液分離しなかったものを「良好」とし、液分離の程度に応じて「僅かに液分離」又は「液分離」と評価した。接着剤の冷凍保存安定性について「良好」及び「僅かに液分離」を許容範囲とした。
〈水中接着性〉
水中接着性は以下の手順で評価した。市販の人工海水用ミネラルソルトを水道水に溶解した人工海水中に試験用小石を置いた。直径数cmの球状に手で丸めた一液水中硬化型接着剤を人工海水中の小石の上に軽く押し付けて設置した後、その上に同種の石を載せて軽く押し付けて、室温にて放置した。所定時間経過後に小石を取り出し、2つの小石を手で引っ張ることにより、剥離に要する力を手に伝わる感触で評価した。接着性の評価をA+、A、B、C、C-の5段階で表し、A+及びAは種々の用途において実用的な接着強度であり、Bは用途によっては使用可能な接着強度であり、C及びC-は使用不可な程度に低い接着強度であったか、全く接着しなかったことを示す。
〈シェルフライフ〉
室温(25℃)及び低温(-15℃)におけるシェルフライフは以下の手順で評価した。冷凍保存安定性の試験と同様の手順で、25℃又は-15℃にて保存した試料が、接着剤として使用できなくなるまでの時間をシェルフライフとした。具体的には、シェルフライフとは、保存した試料を指先で丸めようとしたときに、硬すぎる、乾燥して崩壊するなど、丸めることができなくなるまでの時間である。
〈実施例1-1~1-3、比較例1-1~1-7〉
各種アルコキシオリゴマーを用いて、表3に記載の組成で一液水中硬化型接着剤を調製した。組成及び評価結果を表3に示す。比較例1-1~1-3では、一液水中硬化型接着剤がパテにならずダイラタンシー流体であったため、接着剤をスプーンですくって、小石の上に設置し、同種の石を押し付けた。
Figure 0007382671000003
〈実施例2-1~2-4、比較例2-1〉
各種無機充填材を用いて、表4に記載の組成で一液水中硬化型接着剤を調製した。組成及び評価結果を表4に示す。実施例2-1~2-4では、一液水中硬化型接着剤を空気中で球状に手で丸めた後、水中の小石の上に設置した。実施例2-1及び実施例2-3は、粘着性を有するパテの状態であった。比較例2-1の接着剤は若干の流動性を有したが、手で丸めることができたので実施例2-1~2-4と同様の手順で小石の上に設置した。参考までに、実施例1-1及び比較例1-1の組成及び評価結果も表4に併せて示す。
Figure 0007382671000004
〈実施例3-1~3-3〉
表面処理剤をアルコキシオリゴマーに配合した後、親水性無機充填材を配合することによって、系内で親水性無機充填材を疎水化した一液水中硬化型接着剤について、水中作業安定性、冷凍保存安定性及び水中接着性を評価した。具体的には、表5に記載の組成で一液水中硬化型接着剤を調製した。組成及び評価結果を表5に示す。実施例3-1~3-3では、一液水中硬化型接着剤を水中で球状に手で丸めた後、小石の上に設置した。
Figure 0007382671000005
〈実施例4-1~4-7、比較例4-1~4-2〉
親水性無機充填材と疎水性無機充填材の併用を検討した。表6に記載の組成で、親水性無機充填材としてスーパーSと、疎水性無機充填材としてMホワイト(平均粒径6.0μm)又はカルファイン200M(平均粒径0.05μm)とを併用して一液水中硬化型接着剤を調製した。組成及び評価結果を表6-1及び表6-2に示す。参考までに、実施例1-1及び実施例2-3の組成及び評価結果もそれぞれ表6-1及び表6-2に併せて示す。
Figure 0007382671000006
Figure 0007382671000007
〈実施例5-1~5-5、比較例5-1〉
系内で親水性無機充填材を疎水化した一液水中硬化型接着剤について、表面処理剤としてオレイン酸の添加量を変化させたときの物性を評価した。具体的には、表7に記載の組成でオレイン酸の量を変化させて一液水中硬化型接着剤を調製した。組成及び評価結果を表7に示す。参考までに、実施例3-1の組成及び評価結果も表7に併せて示す。実施例5-1~5-5及び比較例5-1は、一液水中硬化型接着剤を水中で球状に手で丸めた後、小石の上に設置した。比較例5-1はパテとして得ることができず、評価することができなかった。
Figure 0007382671000008
〈実施例6-1~6-8〉
各種Qオリゴマー(オリゴマーQ2~オリゴマーQ5)を用いて、表8に記載の組成で一液水中硬化型接着剤を調製した。組成及び評価結果を表8に示す。
Figure 0007382671000009
本開示の一液水中硬化型接着剤は、川底又は海中にある岩、構造物等の被着体に対して、金属、セラミック等の無機材料を接着する用途に好適に使用することができる。また、本開示の一液水中硬化型接着剤は、ひび割れして水が染み出しているコンクリート構造物等の止水補修にも好適に使用することができる。

Claims (15)

  1. (A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、
    (B-1)疎水性無機充填材100~600質量部と、
    (C)硬化触媒0.1~10質量部と
    を含む、一液水中硬化型接着剤であって、前記シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である、一液水中硬化型接着剤。
  2. 前記疎水性無機充填材の平均粒径が0.01μm~50μmである、請求項1に記載の一液水中硬化型接着剤。
  3. (A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、
    (B-1)平均粒径1~50μmの疎水性無機充填材80~580質量部と、
    (B-2)平均粒径0.05~50μmの親水性無機充填材20~500質量部と、
    (C)硬化触媒0.1~10質量部と
    を含む、一液水中硬化型接着剤であって、前記疎水性無機充填材及び前記親水性無機充填材の合計量が100~600質量部であり、前記シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である、一液水中硬化型接着剤。
  4. (A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、
    (B-1)平均粒径0.01~1μmの疎水性無機充填材25~300質量部と、
    (B-2)平均粒径0.05~50μmの親水性無機充填材75~550質量部と、
    (C)硬化触媒0.1~10質量部と
    を含む、一液水中硬化型接着剤であって、前記疎水性無機充填材及び前記親水性無機充填材の合計量が100~600質量部であり、前記シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%である、一液水中硬化型接着剤。
  5. 前記疎水性無機充填材が、炭素原子数6~30の脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウム粉末、炭素原子数6~30のアルキル基と複数のアルコキシ基とを有するオルガノシランで表面処理されたシリカ粉末、又はこれらの組み合わせである、請求項1又は2に記載の一液水中硬化型接着剤。
  6. (A)ケイ素原子に直接結合したメトキシ基を複数有するシリコーンポリマー100質量部と、
    (B-2)親水性無機充填材100~600質量部と、
    (C)硬化触媒0.1~10質量部と、
    (D)表面処理剤0.25~10質量部と
    を混合して得られる、一液水中硬化型接着剤であって、前記シリコーンポリマーのメトキシ基含有量が40質量%~50質量%であり、前記親水性無機充填材の表面が前記シリコーンポリマー存在下で前記表面処理剤により疎水化される、一液水中硬化型接着剤。
  7. 前記親水性無機充填材が炭酸カルシウム粉末であり、前記表面処理剤が炭素原子数6~30の脂肪酸である、請求項6に記載の一液水中硬化型接着剤。
  8. 前記シリコーンポリマーが、式(1)
    (SiO4/2(RSiO3/2(R1/2 (1)
    (式(1)中、Rはそれぞれ独立してメチル基又はフェニル基を表し、Rはメチル基を表し、a及びbは、0≦a≦1、0≦b≦1であって、かつa+b=1を満たす数であり、cは2<c<4である。)
    で表される多官能メトキシシランの部分加水分解縮合物を含む、請求項1又は2に記載の一液水中硬化型接着剤。
  9. 前記硬化触媒が、チタンアルコキシド化合物、及びチタンキレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の一液水中硬化型接着剤。
  10. (E)多官能アルコキシシランを更に含む、請求項1又は3に記載の一液水中硬化型接着剤。
  11. 前記多官能アルコキシシランが、テトラエトキシシラン及びビニルトリメトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項10に記載の一液水中硬化型接着剤。
  12. 前記多官能アルコキシシランを1~20質量部含む、請求項10に記載の一液水中硬化型接着剤。
  13. (E)多官能アルコキシシランを更に含む、請求項4又は6に記載の一液水中硬化型接着剤。
  14. 前記多官能アルコキシシランが、テトラエトキシシラン及びビニルトリメトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項13に記載の一液水中硬化型接着剤。
  15. 前記多官能アルコキシシランを1~20質量部含む、請求項13に記載の一液水中硬化型接着剤。
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