JP7381081B2 - 壁厚み推定方法、壁厚み推定装置及び壁厚み推定システム - Google Patents

壁厚み推定方法、壁厚み推定装置及び壁厚み推定システム Download PDF

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Description

本発明は、臓器壁又は血管壁の厚みを推定する壁厚み推定方法などに関する。
血管の疾患の1つである脳動脈瘤は、一旦破裂すると、致死率が約50%を越える極めてハイリスクな疾患であり、かつ、高率に後遺症を残す社会的にも影響が大きい疾患である。このため、脳動脈瘤の破裂を未然に防ぐ予防的治療(先制医療)の重要性が高く、適切な治療介入が不可欠である。
適切な治療には、脳動脈瘤の瘤壁の情報(例えば、厚さ)を知ることが有効である。脳動脈瘤の破裂は、瘤壁の厚い部分に比べ、瘤壁の薄い部分において、起こりやすいことが知られているためである。しかしながら、1つの脳動脈瘤においても、瘤壁の厚みなどの形状は、脳動脈瘤ごとに多様である。
そのため、瘤壁の厚みなどの形状に関する情報を、CT(コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography))、MRI(磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging))及びMRA(磁気共鳴血管撮影(Magnetic Resonance Angiography))によって得られる瘤壁の内腔などの形態のみから推察することは、専門家であっても困難である。
例えば、脳動脈瘤の瘤壁の厚みを予測する手法としては、医師が行う開頭手術による撮影又は目視が知られている。しかしながら、この手法は、高侵襲な手法であり、患者負担が大きく、容易に脳動脈瘤の瘤壁の厚みを予測できる手法ではない。
また、例えば、低侵襲、かつ、脳動脈瘤の瘤壁などの血管壁の厚みを予測する手法として、特許文献1に開示される超音波診断装置が知られている。特許文献1には、超音波信号を用いて、画像データが生成され、当該画像データに基づいて、被検者の血管壁の厚みに関する情報を表示する超音波診断装置が開示されている。
特開2013-118932号公報
しかしながら、特許文献1に開示される従来技術により得られる画像データは、精密さが低いため、血管壁に関して、精度の高い情報が得られにくい。さらに、従来技術では、血管壁に限られず人体内の臓器の臓器壁に関しても、精度の高い情報が得られにくく、臓器及び血管の疾患に対して具体的な処置を施すための情報を提案することは困難である。
そこで、本発明は、低侵襲な手法により臓器壁又は血管壁に関する高精度な情報を生成することで、臓器又は血管の疾患に対して具体的な処置を施すための有益な情報を提案することができる方法などの提供を目的とする。
本発明の一態様に係る壁厚み推定方法は、4次元血管撮影法を用いて得られた臓器壁又は血管壁を含む動画像に基づいた、前記臓器壁又は前記血管壁における複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する取得工程と、前記取得工程により取得された前記挙動情報に基づいて、前記臓器壁又は前記血管壁の厚みを推定するための前記複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された情報である推定情報を生成する生成工程と、前記生成工程により生成された前記推定情報を出力する出力工程とを含む。
また、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、上記記載の壁厚み推定方法をコンピュータに実行させる。
また、本発明の一態様に係る壁厚み推定装置は、4次元血管撮影法を用いて得られた臓器壁又は血管壁を含む動画像に基づいた、前記臓器壁又は前記血管壁における複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記挙動情報に基づいて、前記臓器壁又は前記血管壁の厚みを推定するための前記複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された情報である推定情報を生成する生成部と、前記生成部により生成された前記推定情報を出力する出力部とを備える。
また、本発明の一態様に係る壁厚み推定システムは、上記の壁厚み推定装置と、前記動画像を取得し、前記挙動情報を生成して前記取得部に出力する動画像情報処理装置と、前記出力部が出力した前記推定情報を表示する表示装置とを備える。
本発明の壁厚み推定方法等によれば、低侵襲な手法により臓器壁又は血管壁に関する高精度な情報を生成することで、臓器又は血管の疾患に対して具体的な処置を施すための有益な情報を提案することができる。
図1は、実施の形態に係る壁厚み推定システムの構成を示す図である。 図2は、実施の形態に係る壁厚み推定装置の特徴的な機能構成を示すブロック図である。 図3は、実施の形態に係る脳動脈瘤を示す斜視図である。 図4は、図3のIV-IV線における実施の形態に係る脳動脈瘤の断面図である。 図5は、図4のV-V線における実施の形態に係る脳動脈瘤の断面図である。 図6は、実施の形態に係る壁厚み推定装置が脳動脈瘤の瘤壁の厚みを推定する処理手順を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態に係る推定情報の一例と症例の脳動脈瘤及び母血管の静止画とが示された図である。 図8は、実施の形態に係る推定情報の他の例である脳動脈瘤及び母血管の質量が示された模式図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
(実施の形態)
[壁厚み推定システムの構成]
本実施の形態に係る壁厚み推定システム1000の構成に関して説明する。図1は、本実施の形態に係る壁厚み推定システム1000の構成を示す図である。
壁厚み推定システム1000は、4次元血管撮影法を用いて、被験者Uの臓器壁又は血管壁を含む動画像から所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する。さらに、壁厚み推定システム1000は、取得した挙動情報に基づいて臓器壁又は血管壁の厚みを推定するための推定情報を生成するシステムである。例えば、壁厚み推定システム1000は、被験者Uの血管壁の一例である脳動脈瘤の厚みを推定する。
4次元血管撮影法とは、3次元血管撮影法に時間軸を加味した手法である。3次元血管撮影法とは、X線CT装置又はMRI装置によって血管の立体データを収集し、血管情報を抽出する手法である。なお、X線CT装置を用いた4次元血管撮影法は、4DCTA(4 Dimensional Computed Tomography Angiography)ともいわれる。
4次元血管撮影法により動画像が得られる。当該動画像は、3枚以上の静止画の時系列であればよく、例えば、心臓がn回脈動(nは自然数)する時間にかけての動画像であってもよい。また、例えば、当該動画像は、所定の時間内の動画像であってもよい。所定の時間とは、例えば、m秒間(mは自然数)であってもよい。
ここで、臓器壁とは臓器が有する壁であり、臓器とは胸部臓器と腹部臓器とを含む。例えば、胸部臓器は心臓及び肺などであり、腹部臓器は胃、腸、肝臓、腎臓及び膵臓などであるが、これらに限られない。また、臓器とは内腔を有する胸部臓器と内腔を有する腹部臓器とを含んでもよい。
臓器壁とは、例えば、当該臓器と当該臓器以外の臓器又は器官とを隔てる壁であってもよい。一例として、臓器が心臓である場合は、臓器壁とは、心臓と他の器官とを隔てる筋肉(心筋)により構成される壁である。また、臓器壁とは、例えば、当該臓器内での領域を隔てる壁であってもよい。一例として、臓器が心臓である場合は、臓器壁とは、心臓内の領域の一例である左心室と右心室とを隔てる心室中壁である。
また、血管壁の厚みとは、動脈又は静脈を含む血管の壁の厚みであってもよく、動脈瘤又は静脈瘤の瘤壁の厚みであってもよく、例えば、脳動脈瘤、大動脈瘤又は内蔵瘤の瘤壁の厚みであってもよい。
図1が示すように、壁厚み推定システム1000は、壁厚み推定装置100と、表示装置200と、動画像情報処理装置300と、動画像撮影装置400とを備える。
動画像撮影装置400は、4次元血管撮影法を用いて臓器壁又は血管壁を含む動画像を生成する装置である。動画像撮影装置400は、例えば、X線CT装置又はMRI装置である。本実施の形態においては、動画像撮影装置400はX線CT装置であり、動画像撮影装置400はX線を照射するX線管と信号を受け取る検出器とコンピュータとを備える。
検出器は、X線管の向かい側に位置し、被験者Uの体を通過したあとのX線を検出する。このとき、被験者Uの身体の部位によって、X線の吸収が異なることを利用して、コンピュータが被験者Uの特定部位における臓器壁又は血管壁を含む動画像を生成する。なお、動画像撮影装置400は、被験者Uの心電図波形を測定し取得する機能も有している。
X線CT装置又はMRI装置と4次元血管撮影法とを用いる手法は、開腹手術、開心手術又は開頭手術などの手法とは異なり、被験者Uの体に与える負担が大きい切開などを要しないため、低侵襲な手法である。また、X線CT装置又はMRI装置と、4次元血管撮影法とを用いる手法は、精密さの高い動画像を生成することができる。
動画像情報処理装置300は、動画像撮影装置400が4次元血管撮影法を用いて生成した臓器壁又は血管壁を含む動画像を取得し、臓器壁又は血管壁における複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を生成する。つまり、挙動情報は、4次元血管撮影法を用いて得られた臓器壁又は血管壁を含む動画像に基づいた情報である。
また、例えば、挙動情報とは、動画像における特定の時刻と当該特定の時刻での臓器壁又は血管壁における複数の所定の点のそれぞれの3次元の座標位置とを1つの組とし、動画像において心臓が1脈動する時間の経過に従って複数の組が並べられた数値情報である。動画像情報処理装置300は、挙動情報を壁厚み推定装置100へ出力する。動画像情報処理装置300は、例えば、パーソナルコンピュータであるが、ネットワークに接続された計算能力の高いサーバ装置であってもよい。
壁厚み推定装置100は、動画像情報処理装置300によって生成された挙動情報を取得し、取得された挙動情報に基づいて、臓器壁又は血管壁の厚みを推定するための推定情報を生成し、生成された推定情報を表示装置200へ出力する。壁厚み推定装置100は、例えば、パーソナルコンピュータであるが、ネットワークに接続された計算能力の高いサーバ装置であってもよい。
表示装置200は、壁厚み推定装置100から出力される推定情報を表示する。表示装置200は、具体的には、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネルなどによって構成されるモニタ装置である。表示装置200として、テレビ、スマートフォン又はタブレット端末などが用いられてもよい。
壁厚み推定装置100と、表示装置200及び動画像情報処理装置300とは、挙動情報又は推定情報を送受信可能であればよく、有線で接続されていてもよいし、無線通信可能に接続されていてもよい。
動画像情報処理装置300は、臓器壁又は血管壁を含む動画像を取得し、臓器壁又は血管壁における複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を生成する。壁厚み推定装置100は、動画像情報処理装置300によって生成された挙動情報を取得し、取得された挙動情報に基づいて、臓器壁又は血管壁の厚みを推定するための推定情報を生成する。さらに、壁厚み推定装置100は、生成された推定情報を表示装置200へ出力する。
これにより、壁厚み推定システム1000においては、低侵襲な手法によって、臓器壁又は血管壁を含む動画像が得られる。さらに、壁厚み推定システム1000は、当該動画像に関する挙動情報を利用して、臓器壁又は血管壁の厚みを推定するための推定情報を生成することができる。そのため、壁厚み推定システム1000は、臓器壁又は血管壁における複数の所定の点のそれぞれの付近の壁厚さについて、精度の高い情報を生成することができる。
次に、本実施の形態に係る壁厚み推定装置100の機能構成を具体的に説明する。
図2は、本実施の形態に係る壁厚み推定装置100の特徴的な機能構成を示すブロック図である。壁厚み推定装置100は、取得部110と、生成部120と、出力部130とを備える。
取得部110は、4次元血管撮影法を用いて得られた臓器壁又は血管壁を含む動画像に基づいた、臓器壁又は血管壁における複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する。取得部110は、具体的には、動画像情報処理装置300によって生成された挙動情報を取得する。取得部110は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。
生成部120は、取得部110により取得された挙動情報に基づいて、臓器壁又は血管壁の厚みを推定するための推定情報を生成する。推定情報は、臓器壁又は血管壁における複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された情報である。
推定情報は、例えば、複数の所定の点のそれぞれの質量に関する情報がグラフ化された画像データである。なお、推定情報を生成する手法については、図6~図8を用いて後述する。生成部120は、具体的には、プログラムを実行するプロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路によって実現される。
ここで、生成部120が生成する推定情報に関する本発明者らの仮説について説明する。上述の通り、推定情報は、臓器壁又は血管壁の厚みを推定するための複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された情報である。発明者らは、臓器壁又は血管壁における複数の所定の点のそれぞれにおいては、質量と臓器壁又は血管壁の厚みとに、相関があると仮説をたて検証を進めてきた。
すなわち、本仮説によれば、質量が大きいほど臓器壁又は血管壁の厚みが厚く、質量が小さいほど臓器壁又は血管壁の厚みが薄い。本仮説が正しければ、本実施の形態に係る推定情報が得られることで、臓器壁又は血管壁の厚みが推定可能である。
出力部130は、生成部120が生成した推定情報を出力する。出力部130は、生成部120が生成した推定情報を表示装置200へ出力してもよい。出力部130は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。
ここで、挙動情報に関する情報の1つである、複数の所定の点について、図3~図5を用いて説明する。本実施の形態においては、血管壁を用いて説明するが、臓器壁についても同様である。さらに、ここでは、血管壁とは、脳動脈瘤10の瘤壁11である。
なお、図3~図5において、例えば、x軸正方向は、母血管20から脳動脈瘤10が延びる方向であり、z軸は、母血管20が延びる方向であり、y軸は、x軸及びz軸と直交方向に延びる方向である。
図3は、本実施の形態に係る脳動脈瘤10を示す斜視図である。図4は、図3のIV-IV線における本実施の形態に係る脳動脈瘤10の断面図である。母血管20は、被験者Uの脳内の動脈を構成する血管の1つである。脳動脈瘤10は、母血管20の一部が膨らんだ瘤であって、母血管20からx軸方向に延びて発生した瘤である。
図5は、図4のV-V線における本実施の形態に係る脳動脈瘤10の断面図である。
図5が示すように、脳動脈瘤10の断面図において、時計盤が示す0時~3時に対応するように、点が設けられている。ここでは、0時方向には点p1が設けられ、3時方向には点p30が設けられ、0時と3時との間を等分するように28個の点p2~点p29が設けられている。なお、点の数はこれに限られず、1つの断面図において、例えば、10個~1000個の点が設けられてもよい。さらに、本実施の形態においては、1つの断面図が用いられているが、これに限られず、複数の断面図(例えば、10個~1000個の断面図)が用いられてもよい。
本実施の形態に係る血管壁(瘤壁11)における複数の所定の点は、点p1~点p30である。つまり、瘤壁11における複数の所定の点は合計で30個存在する。
取得部110は、この30個の所定の点のそれぞれにおいて、位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する。生成部120は、この挙動情報に基づいて、所定の点の付近の瘤壁11の厚みを推定するための推定情報を生成する。また、血管壁における複数の所定の点は、上記に限られず、血管壁において、2個以上の点から選択することができる。
なお、本実施の形態においては、挙動情報は、一定時間の間の位置の時間変化に関する数値情報である。例えば、一定時間とは、心臓が1脈動する間の時間である。さらに、心臓が1脈動する間の時間は、例えば、100ステップに均等に分割される。
なお、心臓が1脈動する間の時間は、これに限られず、10ステップ~10000ステップから選ばれる任意のステップ数から選ばれて均等に分割されてもよい。このときの、脈動が開始される時刻を0ステップとし、脈動が終了した時刻を100ステップとする。よって、挙動情報には、0ステップ~100ステップのそれぞれのステップにおける、30個の所定の点のx軸、y軸及びz軸の位置に関する情報が含まれている。
なお、一定時間は、具体的な秒数でもよく、例えば、1秒間、5秒間又は10秒間でもよい。また、当該一定時間は、3分割以上であれば、どのように細分化されてもよい。例えば、上記とは異なり、当該一定時間は、100ステップではなく、異なるステップ数によって分割されてもよい。さらに、当該一定時間は、均等に分割されなくてもよい。
[壁厚み推定方法の処理手順]
続いて、壁厚み推定装置100が実行する壁厚み推定方法における具体的な処理手順について説明する。ここでも、血管壁を用いて説明するが、臓器壁についても同様である。図6は、本実施の形態に係る壁厚み推定装置100が脳動脈瘤10の瘤壁11の厚みを推定する処理手順を示すフローチャートである。
取得部110は、動画像情報処理装置300を介して被験者Uの脳動脈瘤10の瘤壁11複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する(取得工程S101)。
次に、生成部120は、取得工程S101で取得部110が取得した挙動情報から血管壁の厚みを推定するための複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された情報である推定情報を生成する(生成工程S102)。生成部120が行う処理について、以下、より詳細に説明する。生成部120は、式(1)を用いて、推定情報を生成する。なお、複数の所定の点のそれぞれの、位置がx、質量がρ、抵抗がμ、ばね定数がk及び外力がPであり、mは有理数である。
Figure 0007381081000001
ここで、位置x、有理数m及び外力Pは変数であり、質量ρ、抵抗μ及びばね定数kは定数である。さらに、式(1)で表現される全ての数式を用いて、推定情報が生成されてもよい。
生成部120は、式(1)を満たすものとして、複数の所定の点のそれぞれについて、質量ρ、抵抗μ及びばね定数kを算出する。なお、このとき、質量ρ、抵抗μ及びばね定数kのうち少なくとも1つを算出してもよい。
質量ρは、所定の点の質量であるが、より具体的には、所定の点の周囲の領域における質量であってもよい。点の周囲の領域とは、例えば、点と中心として5mm以下である。なお、質量ρは、上記に限られない。
抵抗μ及びばね定数kは、それぞれ、心臓の脈動によって脳動脈瘤10が振動することで発生する抵抗及びばね定数であるが、これに限られない。また、抵抗μは、脳動脈瘤10と脳とが接することで生じる摩擦に由来する値であってもよい。外力Pは、被験者Uの心電図波形に基づく電位の値が用いられるが、これに限られない。なお、本実施の形態においては、生成部120は、動画像情報処理装置300及び取得部110を介して動画像撮影装置400から心電図波形に基づく電位を取得する。
さらに、生成部120は、パラメータ推定を用いて質量ρ、抵抗μ及びばね定数kを算出する。パラメータ推定は、一例として、数理解析的手法を用いることができる。
以上のように算出された質量ρを用いて、生成部120は、推定情報を生成する。ここで、推定情報とは、一例として、算出された質量ρに関する情報がグラフ化された画像データである。
上記のように、式(1)、又は、パラメータ推定が用いられることで、血管壁に関するより高精度な情報を生成することができる。
次に、出力部130は、生成部120が生成した推定情報を出力する(出力工程S103)。出力工程S103において、出力部130は、例えば、生成工程S102で生成部120が生成した画像データを表示装置200へ送信する。
表示装置200は、出力部130が出力した画像データを取得して、当該画像データに基づいて画像を表示する。
また、壁厚み推定装置100は、コンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み出すことによって、壁厚み推定方法を実行してもよい。
次に、推定情報(より具体的には算出された質量ρ)と血管壁の厚みとの関係性について、脳動脈瘤に関する症状の例(以下、症例と記載)を用いて説明する。ここでは、症例において、図5が示す点p1~p30に対応する複数の所定の点のそれぞれの質量ρを算出する。
図7は、本実施の形態に係る推定情報の一例と症例の脳動脈瘤10及び母血管20の静止画とが示された図である。より具体的には、図7の(a)は推定情報の一例であって複数の所定の点のそれぞれの質量ρが示された図であり、図7の(b)は開頭手術が行われたときの症例の脳動脈瘤10の静止画が示された図である。
図7の(a)の横軸の値は図5が示す点p1~点p30の末尾の数字に対応し、縦軸の値は点p1~点p30の質量ρに対応する。なお、質量ρは相対質量である。本実施の形態においては、点p1から点p12に向かうにつれて質量ρが低下し、点p12において質量ρが最も低く、点p12から点p30に向かうにつれて質量ρが増加しており、例えば、点p25~p30において質量ρが高い。
図7の(b)の矢印は図5が示す点p1~p30の末尾の数字が増加する向きを示している。図7の(b)においては、脳動脈瘤10の色が濃いほど血管壁の厚みが薄く、色が薄いほど血管壁の厚みが厚く図示されている。
なお、図7の(b)においては、脳動脈瘤10は、白黒の2色で表現されているが、実際の開頭手術においては、脳動脈瘤10の静止画はカラーで表現されてもよい。そのため、図7の(b)における脳動脈瘤10の色が濃い部位は、実際の開頭手術においては白色の色調が弱くかつ赤色の色調が強い部位である。また、図7の(b)における脳動脈瘤10の色が薄い部位は、実際の開頭手術においては白色の色調が強くかつ赤色の色調が弱い部位である。
質量ρが最も低い点p12は図7の(b)の破線で囲まれた領域に対応し、質量ρが高い点p25~p30は図7の(b)の一点鎖線で囲まれた領域に対応する。図7の(b)が示すように破線で囲まれた領域は脳動脈瘤10の色が濃く血管壁の厚みが薄い領域であり、一点鎖線で囲まれた領域は脳動脈瘤10の色が薄く血管壁の厚みが厚い領域である。換言すると、質量ρが最も低い点p12は血管壁の厚みが薄い領域に対応し、質量ρが高い点p25~p30は血管壁の厚みが厚い領域に対応している。つまり、質量ρが大きいほど血管壁の厚みが厚く、質量ρが小さいほど血管壁の厚みが薄いという、発明者らの仮説が正しいことが明らかである。
つまり、推定情報(より具体的には算出された質量ρ)を用いることで、血管壁の厚みについて、高精度な情報を生成することができる。
このような情報は、例えば、増大及び破裂しやすい脳動脈瘤と、増大及び破裂し難い脳動脈瘤とを分別し、治療要否を適切に判断するための有益な情報である。
つまり、本実施の形態に係る壁厚み推定方法は、低侵襲な手法により血管壁に関する高精度な情報を生成することで、血管の疾患に対して具体的な処置を施すための有益な情報を提案することができる。さらに、本実施の形態に係る壁厚み推定方法は、血管壁に限られず、臓器壁の厚みを推定するためにも利用することができる。
つまり、開腹手術、開心手術又は開頭手術などを用いない低侵襲な手法により臓器壁に関する高精度な情報を生成することで、臓器の疾患に対して具体的な処置を施すための有益な情報を提案することができる。
また、推定情報は、上記に限られない。例えば、生成部120、算出された質量ρ(例えば図7の(a))を用いて、他の例の推定情報を生成してもよい。図8は、本実施の形態に係る推定情報の他の例である脳動脈瘤10及び母血管20の質量ρが示された模式図である。なお、図8が示す模式図は、質量ρ、抵抗μ及びばね定数kのそれぞれの最小値、最大値、標準偏差、平均値及び中央値を利用して生成されてもよい。
図8においては、脳動脈瘤10及び母血管20の色が濃いほど質量ρが低く、色が薄いほど質量ρが高く図示されている。なお、図8においては、脳動脈瘤10及び母血管20は、白黒の2色で表現されているが、実際に出力部130が出力する際には、脳動脈瘤10及び母血管20の模式図はカラーで表現されてもよい。
そのため、図8における脳動脈瘤10及び母血管20の色が濃い部位は、実際に出力部130が出力する際には白色の色調が弱くかつ赤色の色調が強く部位である。また、図8における脳動脈瘤10及び母血管20の色が薄い部位は、実際に出力部130が出力する際には白色の色調が強くかつ赤色の色調が弱く部位である。
上記の通り、発明者らの仮説は正しいため、図8が示す推定情報では、脳動脈瘤10及び母血管20の色が濃いほど血管壁の厚みが薄く、色が薄いほど血管壁の厚みが厚く図示されている。
このような模式図として表される推定情報は、増大及び破裂しやすい脳動脈瘤と、増大及び破裂し難い脳動脈瘤とを分別し、治療要否を適切に判断するための有益な情報である。
また、図8においては、2次元の模式図が示されているが、推定情報として3次元カラーマップが用いられてもよい。
[効果など]
以上説明したように、壁厚み推定方法は、取得工程S101と、生成工程S102と、出力工程S103とを含む。取得工程S101は、4次元血管撮影法を用いて得られた臓器壁又は血管壁を含む動画像に基づいた、臓器壁又は血管壁における複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する。生成工程S102は、取得工程S101により取得された挙動情報に基づいて、臓器壁又は血管壁の厚みを推定するための複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された情報である推定情報を生成する。出力工程S103は、生成工程S102により生成された推定情報を出力する。
また、本実施の形態に係るコンピュータプログラムは、上記記載の壁厚み推定方法をコンピュータに実行させる。
これにより、壁厚み推定方法においては、一例として、血管壁を含む動画像が、X線CT装置又はMRI装置と、4次元血管撮影法とを用いて生成される。例えば、開頭手術などの手法と比較すると、低侵襲な手法によって、血管壁を含む動画像が得られる。壁厚み推定方法は、当該動画像に関する挙動情報を利用して、血管壁の厚みを推定するための複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された推定情報を生成することができる。推定情報に基づいて推定された血管壁の厚みは、開頭手術により得られた血管壁の厚みと、対応することが示された。
つまり、壁厚み推定方法は、血管壁における複数の所定の点のそれぞれの付近の壁厚さについて、精度の高い情報を生成することができる。本実施の形態においては、例えば、脳動脈瘤10の瘤壁11の厚みが推定される。このような情報は、例えば、増大及び破裂しやすい脳動脈瘤と、増大及び破裂し難い脳動脈瘤とを分別し、治療要否を適切に判断するための有益な情報である。
なお、壁厚み推定方法は、血管壁に限られず、臓器壁の厚みを推定するためにも利用することができる。
つまり、本実施の形態に係る壁厚み推定方法は、低侵襲な手法により臓器壁又は血管壁に関する高精度な情報を生成することで、臓器又は血管の疾患に対して具体的な処置を施すための有益な情報を提案することができる。
また、複数の所定の点のそれぞれの、位置をx、質量をρ、抵抗をμ、ばね定数をk及び外力をPとし、有理数をmとする。このとき、生成工程S102は、式(1)を満たすものとして質量ρ、抵抗μ及びばね定数kを算出する。
これにより、臓器壁又は血管壁に関するより高精度な情報を生成することができる。
また、生成工程S102は、パラメータ推定を用いて質量ρ、抵抗μ及びばね定数kを算出する。
これにより、臓器壁又は血管壁に関するより高精度な情報を生成することができる。
また、壁厚み推定方法においては、血管壁の厚みは、動脈瘤又は静脈瘤における瘤壁の厚みである。
これにより、壁厚み推定方法は、血管壁の厚みとして、動脈瘤又は静脈瘤の瘤壁の厚みを推定することができる。
また、壁厚み推定方法においては、血管壁の厚みは、脳動脈瘤における瘤壁の厚みである。
これにより、壁厚み推定方法は、血管壁の厚みとして、脳動脈瘤の瘤壁の厚みを推定することができる。
また、壁厚み推定方法においては、血管壁の厚みは、動脈又は静脈における血管壁の厚みである。
これにより、壁厚み推定方法は、血管壁の厚みとして、動脈又は静脈の血管壁の厚みを推定することができる。
また、壁厚み推定装置100は、取得部110と、生成部120と、出力部130とを備える。取得部は、4次元血管撮影法を用いて得られた臓器壁又は血管壁を含む動画像に基づいた、臓器壁又は血管壁における複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する。生成部120は、取得部110により取得された挙動情報に基づいて、臓器壁又は血管壁の厚みを推定するための複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された情報である推定情報を生成する。出力部130は、生成部により生成された推定情報を出力する。
これにより、壁厚み推定装置100においては、一例として、血管壁を含む動画像が、X線CT装置又はMRI装置と、4次元血管撮影法とを用いて生成される。例えば、開頭手術などの手法と比較すると、低侵襲な手法によって、血管壁を含む動画像が得られる。壁厚み推定装置100は、当該動画像に関する挙動情報を利用して、血管壁の厚みを推定するための複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された推定情報を生成することができる。推定情報に基づいて推定された血管壁の厚みは、開頭手術により得られた血管壁の厚みと、対応することが示された。
つまり、壁厚み推定装置100は、血管壁における複数の所定の点のそれぞれの付近の壁厚さについて、精度の高い情報を生成することができる。本実施の形態においては、例えば、脳動脈瘤10の瘤壁11の厚みが推定される。このような情報は、例えば、増大及び破裂しやすい脳動脈瘤と、増大及び破裂し難い脳動脈瘤とを分別し、治療要否を適切に判断するための有益な情報である。
なお、壁厚み推定装置100は、血管壁に限られず、臓器壁の厚みを推定するためにも利用することができる。
つまり、本実施の形態に係る壁厚み推定装置100は、低侵襲な手法により臓器壁又は血管壁に関する高精度な情報を生成することで、臓器又は血管の疾患に対して具体的な処置を施すための有益な情報を提案することができる。
また、壁厚み推定システム1000は、上記記載の壁厚み推定装置100と、動画像を取得し、挙動情報を生成して取得部110に出力する動画像情報処理装置300と、出力部130が出力した推定情報を表示する表示装置200とを備える。
これにより、壁厚み推定システム1000においては、一例として、血管壁を含む動画像が、X線CT装置又はMRI装置と、4次元血管撮影法とを用いて生成される。例えば、開頭手術などの手法と比較すると、低侵襲な手法によって、血管壁を含む動画像が得られる。壁厚み推定システム1000は、当該動画像に関する挙動情報を利用して、血管壁の厚みを推定するための複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された推定情報を生成することができる。推定情報に基づいて推定された血管壁の厚みは、開頭手術により得られた血管壁の血管壁の厚みと、対応することが示された。
つまり、壁厚み推定システム1000は、血管壁における複数の所定の点のそれぞれの付近の壁厚さについて、精度の高い情報を生成することができる。本実施の形態においては、例えば、脳動脈瘤10の瘤壁11の厚みが推定される。このような情報は、例えば、増大及び破裂しやすい脳動脈瘤と、増大及び破裂し難い脳動脈瘤とを分別し、治療要否を適切に判断するための有益な情報である。
なお、壁厚み推定システム1000は、血管壁に限られず、臓器壁の厚みを推定するためにも利用することができる。
つまり、本実施の形態に係る壁厚み推定システム1000は、低侵襲な手法により臓器壁又は血管壁に関する高精度な情報を生成することで、臓器又は血管の疾患に対して具体的な処置を施すための有益な情報を提案することができる。
さらに、推定情報が可視化されて表示されることで、例えば、医師などは、臓器壁又は血管壁の厚みについての精度の高い情報を得ることができる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る壁厚み推定方法等について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
本実施の形態で用いられたパラメータ推定による解析は、AI(Artificial Intelligence)の中に含まれる。つまり、生成工程S102で、質量ρ、抵抗μ及びばね定数kを算出するための解析は、パラメータ推定に限られず、AI技術に含まれる他の手法が用いられてもよい。
上記実施の形態においては、実際の症例と4次元血管撮影法とを用いることで、挙動情報が得られる方法が示された。しかしながら、挙動情報が得られる方法はこれに限らない。例えば、以下に示す2つのその他の例の方法により挙動情報が得られてもよい。
その他の例1の方法においては、人工的に作られた人工瘤と、人工瘤に接続された人工心臓と、撮像装置とが用いられることで、挙動情報が得られる。
人工瘤は、人工的な血管と人工的な瘤とを有する。人工的な血管と人工的な瘤とは、ヒトの血管とヒトの血管に発生した瘤とを模して作られる。人工瘤は、例えば、ゴム材料によって構成されてもよく、シリコンゴム、フッ素ゴムなどを利用することができる。
また、人工瘤は、例えば、シリコン樹脂によって構成されてもよい。人工瘤は、可撓性のある材料によって構成されれば、上記に限られるものではない。
人工瘤は、上記記載のX線CT装置又はMRI装置により得られた画像データを利用して作られる。この画像データには、ヒトの血管と、当該血管に発生した瘤とのデータが含まれる。
人工瘤は、上記得られた画像データに関するDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)データを基にして、作られる。
人工心臓は、ヒトの心臓がもつポンプ機能を代行する装置である。この人工心臓と人工瘤とが接続され、人工心臓がもつポンプ機能を稼働させることで、人工瘤が脈動するように動く。この人工瘤の動きと撮像装置とを用いて、挙動情報が得られる。
撮像装置は、例えば、静止画及び動画を撮像可能なカメラ装置である。さらに、撮像装置は、観察対象の表面の3次元座標、3次元空間での変位、3次元空間での速度及び3次元空間での加速度の全ての情報を得ることができる装置であってもよい。このような撮像装置は、1秒、5秒又は10秒撮像することで、観察対象の表面の3次元座標、3次元空間での変位、3次元空間での速度及び3次元空間での加速度の全ての情報を得ることができる。
以上のように、その他の例1の方法においては、撮像装置が、脈動する人工瘤を撮像することで、人工瘤の表面の3次元座標、3次元空間での変位、3次元空間での速度及び3次元空間での加速度の全ての情報が得られる。これらの3次元座標、3次元空間での変位、3次元空間での速度及び3次元空間での加速度のうち、いずれか又は全ての情報を基に、挙動情報が得られてもよい。
その他の例1の方法においては、上記記載の開頭手術と比べ、低侵襲な手法であるため、より容易に挙動情報を得ることができる。
また、その他の例2の方法においては、血管に瘤が発生しているモデル動物と、上記の撮像装置とが用いられることで、挙動情報が得られる。
具体的には、撮像装置が、モデル動物の血管と瘤とを撮像することで、モデル動物の血管と瘤との表面の3次元座標、3次元空間での変位、3次元空間での速度及び3次元空間での加速度の全ての情報が得られる。これらのうち、いずれか又は全ての情報を基に、挙動情報が得られてもよい。
その他の例2の方法においては、実施の形態で示したヒトの症例の場合と異なり、症例の対象となるヒトの同意書などが必要ではない。また、モデル動物の血管と瘤との表面に撮像に必要な模様付け(例えば、スプレーの吹き付けによるマーキング)が出来るため、精緻な3次元座標の時間発展データが取得される。
さらに、モデル動物の血管と瘤のデータを時間等間隔(2週間に1度など)で取得することができる。よって、実施の形態に比べ、より容易に挙動情報を得ることができる。
上記の方法を用いることで、容易に数多くの挙動情報が得られるようになり、その結果、多数の推定情報が得られるようになる。これにより、壁に関する情報の精度の向上が見込まれる。
本実施の形態では、血管壁の厚みが脳動脈瘤10の瘤壁11の厚みである場合を示したが、上述のように、動脈又は静脈を含む血管の壁の厚みであってもよい。例えば、血管壁が動脈又は静脈を含む血管の厚みである場合、実施の形態に係る壁厚み推定方法などを用いることで、当該動脈又は静脈の狭窄の程度が推定される。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明に係る壁厚み推定方法は、医療機器、医療方法などの様々な用途に利用可能である。
10 脳動脈瘤
11 瘤壁
20 母血管
100 壁厚み推定装置
110 取得部
120 生成部
130 出力部
1000 壁厚み推定システム
200 表示装置
300 動画像情報処理装置
400 動画像撮影装置
U 被験者
p1、p2、p3、p4、p5、p6、p7、p8、p9、p10、p11、p12、p13、p14、p15、p16、p17、p18、p19、p20、p21、p22、p23、p24、p25、p26、p27、p28、p29、p30 点
S101 取得工程
S102 生成工程
S103 出力工程

Claims (9)

  1. 4次元血管撮影法を用いて得られた臓器壁又は血管壁を含む動画像に基づいた、前記臓器壁又は前記血管壁における複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された前記挙動情報に基づいて、前記臓器壁又は前記血管壁の厚みを推定するための前記複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された情報である推定情報を生成する生成工程と、
    前記生成工程により生成された前記推定情報を出力する出力工程とを含む
    壁厚み推定方法。
  2. 前記複数の所定の点のそれぞれの、前記位置をx、前記質量をρ、抵抗をμ、ばね定数をk及び外力をPとし、有理数をmとするとき、
    前記生成工程は、
    を満たすものとして前記質量ρ、前記抵抗μ及び前記ばね定数kを算出する
    請求項1に記載の壁厚み推定方法。
  3. 前記生成工程は、パラメータ推定を用いて前記質量ρ、前記抵抗μ及び前記ばね定数kを算出する
    請求項2に記載の壁厚み推定方法。
  4. 前記血管壁の厚みは、動脈瘤又は静脈瘤における瘤壁の厚みである
    請求項1~3のいずれか1項に記載の壁厚み推定方法。
  5. 前記血管壁の厚みは、脳動脈瘤における瘤壁の厚みである
    請求項1~4のいずれか1項に記載の壁厚み推定方法。
  6. 前記血管壁の厚みは、動脈又は静脈における血管壁の厚みである
    請求項1~5のいずれか1項に記載の壁厚み推定方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の壁厚み推定方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
  8. 4次元血管撮影法を用いて得られた臓器壁又は血管壁を含む動画像に基づいた、前記臓器壁又は前記血管壁における複数の所定の点のそれぞれの位置の時間変化に関する数値情報である挙動情報を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記挙動情報に基づいて、前記臓器壁又は前記血管壁の厚みを推定するための前記複数の所定の点のそれぞれの質量が可視化された情報である推定情報を生成する生成部と、
    前記生成部により生成された前記推定情報を出力する出力部とを備える
    壁厚み推定装置。
  9. 請求項8に記載の壁厚み推定装置と、
    前記動画像を取得し、前記挙動情報を生成して前記取得部に出力する動画像情報処理装置と、
    前記出力部が出力した前記推定情報を表示する表示装置とを備える
    壁厚み推定システム。
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