JP7380932B2 - プロセス推定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、材料の製造時のプロセスを推定するプロセス推定方法及び装置、特に、材料の製造時のプロセスを推定する際にコンピュータにより実行されるプロセス推定方法及びコンピュータを用いるプロセス推定装置に関する。
近年、データマイニングなどの情報科学を利用して新材料や代替材料を効率的に探索するマテリアルズインフォマティクス(Materials Informatics)が注目されている。また、日本では、マテリアルズインテグレーション(Materials Integration)による材料開発が検討されている。マテリアルズインテグレーションとは、材料科学の成果に、理論、実験、解析、シミュレーション、データベースなどの科学技術を融合して、材料の研究開発を支援することを目指す総合的な材料技術ツールと定義されている。
例えば、特許文献1では、複数の組成からなる材料、または、複数の製造条件の組合せにより製造される材料を含む設計対象材料を設計するための材料設計装置を開示している。この装置は、設計対象材料の設計条件を含む入力情報と材料特性値を含む出力情報との対応関係を機械学習により取得した学習済みモデルを利用している。
国際公開第2020/090848号
ところで、新材料等の開発は、研究開発用の小規模の製造装置を用いて行われ、その後、必要に応じてより大規模な製造装置での試験を経て、最終的に工場等の量産用の製造装置で安定して製造するための条件を検討することが多い。そのため、量産に至るまでに多くの実験(試験的な製造)を繰り返す必要があり、材料の無駄が非常に多くなってしまったり、多くの時間を要してしまうという課題があった。
この課題を解決するためには、例えば、研究開発用の小規模の製造装置で開発した新材料を量産用の製造装置で再現性よく製造する等、異なる製造装置間で製造される材料の再現性を高める必要がある。しかしながら、例えば研究開発用と量産用の製造装置とでは、設備の規模や使用状況、環境、経年劣化度合等が異なり、また同じ装置を用いている場合でも装置間の個体差が存在している。さらには、例えば加熱方式等が異なるなど、方式が全く異なる装置を用いている場合もある。そのため、異なる製造装置間で、新材料等の材料を再現性よく製造することが困難であった。
そこで、本発明は、異なる製造装置であっても再現性よく材料を製造可能なプロセス推定方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、所定の対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第1製造装置における前記対象工程でのプロセス情報を含む第1プロセスデータを基に、前記第1製造装置とは異なる装置であり、かつ前記対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第2製造装置における前記対象工程でのプロセス情報を含む第2プロセスデータを推定するプロセス推定方法であって、前記第1プロセスデータと、前記第1製造装置における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データとの関係を機械学習し、前記第1プロセスデータと該組織データとの相関性を表す第1回帰モデルを作成すると共に、前記第2プロセスデータと、前記第2製造装置における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データとの関係を機械学習し、前記第2プロセスデータと該組織データとの相関性を表す第2回帰モデルを作成し、前記第1回帰モデルと前記第2回帰モデルとを基に、前記第1プロセスデータと前記第2プロセスデータの相関性を表す第3回帰モデルを作成し、前記第3回帰モデルを用いて、任意の推定元の前記第1プロセスデータである推定元第1プロセスデータに応じた前記第2プロセスデータである推定第2プロセスデータを推定する、プロセス推定方法を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、所定の対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第1製造装置における前記対象工程でのプロセス情報を含む第1プロセスデータを基に、前記第1製造装置とは異なる装置であり、かつ前記対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第2製造装置における前記対象工程でのプロセス情報を含む第2プロセスデータを推定するプロセス推定装置であって、前記第1プロセスデータと、前記第1製造装置における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データとの関係を機械学習し、前記第1プロセスデータと該組織データとの相関性を表す第1回帰モデルを作成する第1回帰モデル作成処理部と、前記第2プロセスデータと、前記第2製造装置における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データとの関係を機械学習し、前記第2プロセスデータと該組織データとの相関性を表す第2回帰モデルを作成する第2回帰モデル作成処理部と、前記第1回帰モデルと前記第2回帰モデルとを基に、前記第1プロセスデータと前記第2プロセスデータの相関性を表す第3回帰モデルを作成する第3回帰モデル作成処理部と、前記第3回帰モデルを用いて、任意の推定元の前記第1プロセスデータである推定元第1プロセスデータに応じた前記第2プロセスデータである推定第2プロセスデータを推定するプロセス推定処理部と、を備えた、プロセス推定装置を提供する。
本発明によれば、異なる製造装置であっても再現性よく材料を製造可能なプロセス推定方法及び装置を提供できる。
本発明の一実施の形態に係るプロセス推定装置を含むネットワークシステムの概略構成図である。 熱重量測定装置を説明する説明図である。 (a)は、熱重量測定装置の温度プロファイル(破線)および測定値(実線)を示すグラフの例であり、(b)は、(a)の測定データに基づく、TG測定値の温度依存性の例を示すグラフであり、(c)は、(b)に示されるTG測定値の曲線の温度での1階微分を示すグラフである。 第1学習用データの一例を示す図である。 (a)~(d)は、第1~第3回帰モデル作成処理、及びプロセス推定処理を説明する説明図である。 プロセス推定装置の利用方法を説明する図である。 プロセス推定装置の利用方法を説明する図である。 プロセス推定装置の利用方法を説明する図である。 本発明の一実施の形態に係るプロセス推定方法の制御フローを示すフロー図である。 本発明の一実施の形態に係るプロセス推定方法の制御フローを示すフロー図である。 本発明の一実施の形態に係るプロセス推定方法の制御フローを示すフロー図である。 設定処理の制御フローを示すフロー図である。 第1学習用データ取得処理、及び第1学習用データ送信処理の制御フローを示すフロー図である。 第1回帰モデル作成処理の制御フローを示すフロー図である。 第2学習用データ取得処理、及び第2学習用データ送信処理の制御フローを示すフロー図である。 第2回帰モデル作成処理の制御フローを示すフロー図である。 推定元第1プロセスデータ取得処理、及び推定元第1プロセスデータ送信処理の制御フローを示すフロー図である。 プロセス推定処理の制御フローを示すフロー図である。 推定第2プロセスデータ送信処理、及び推定第2プロセスデータ受信処理の制御フローを示すフロー図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
(ネットワークシステム)
図1は、本発明の一実施の形態に係るプロセス推定装置1を含むネットワークシステム100の概略構成図である。図1に示すように、ネットワークシステム100は、第1製造装置210を有する研究サイト200に設けられた研究サイト側データ管理装置220と、第2製造装置310を有する量産サイト300に設けられた量産サイト側データ管理装置320と、プロセス推定装置1とを、ネットワーク101を介して相互に通信可能に接続して構成されている。ネットワーク101としては、例えばインターネットや、専用のイントラネット等を用いることができる。
(製造する材料について)
以下の説明では、製造する材料がセラミックス材料である場合について説明する。さらに、本実施の形態では、製造するセラミック材料が、磁性材料であるフェライト磁石である場合について説明する。フェライト磁石は、金属酸化物(酸化鉄)や金属の無機塩(炭酸ストロンチウム)などを原料(素原料)として用い、混合工程、仮焼工程、微粉砕工程、成形工程、及び焼成工程(焼結工程ともいう)を経て製造される。各工程の詳細については後述する。
なお、製造する材料はフェライト磁石等の磁性材料に限定されず、またセラミックス材料にも限定されない。例えば、電線の外皮等に用いる樹脂又はゴム等を用いた複合材料にも、本発明は適用可能である。
(研究サイト200)
研究サイト200は、新材料の開発を行う研究開発用のサイトであり、少量の材料(ここではフェライト磁石)を製造可能な小規模な研究設備である第1製造装置210を有している。この研究サイト200で開発した新材料等を、後述する量産サイト300で量産することになる。研究サイト200は、第1製造装置210と、第1製造装置210を制御する第1製造装置用制御装置230と、研究サイト側データ管理装置220と、組織データ分析エリア240と、を有している。
(第1製造装置210)
上記のように、本実施の形態では、第1製造装置210は、フェライト磁石を製造する装置となっている。より具体的には、第1製造装置210は、仮焼工程を行う仮焼装置211と、微粉砕工程を行う微粉砕装置212と、成形工程を行う成形装置213と、及び、焼成工程を行う焼成装置214と、を備えている。ただし、第1製造装置210は図示のものに限定されず、製造する材料に応じた装置で構成されていればよい。
ここで、本実施の形態では、第1製造装置210は、混合工程を行う混合装置を備えていない。そして、第1製造装置210では、後述する量産サイト300の量産設備である第2製造装置310における混合装置311で混合した混合材料を用いてフェライト磁石の製造を行う。これにより、第1及び第2製造装置210,310で同じ混合材料が用いられることになり、第1及び第2製造装置210,310間での製造の再現性をより高めることが可能になる。
仮焼装置211では、混合粉末を加熱することで素原料を反応させ、フェライト磁石の主相となるマグネトプランバイト型結晶相(M相)を主体とした組織を有する仮焼体を得る。微粉砕装置212では、仮焼体を粗粉砕してから微粉砕を行うことで、典型的には1μm以下の粒子が主体となる粉末を得る。粉末粒径を小さくすることで次工程での磁場中成形で微粉末の向きを揃えやすくなり、残留磁束密度を高めやすくなったり、最終的な磁石としての主相結晶粒も微細になり、保磁力を高めやすくなる。
成形装置213では、微粉砕装置212で得た粉末を金型に入れて押し固めることで、圧粉体にする。この際に、外部から磁場を付与することで、個々の粒子の向き(磁化容易方向)が揃って、焼成後に高い特性が得られる。成形装置213における成形方式としては、主に、微粉砕装置212で得た微粉末(フェライト粉末)と水が混合したスラリーを成形金型に導入し、磁場をかけて水を抜きつつ圧力をかけ成形する「湿式成形」と、水分を加えずに微粉末の状態で金型に入れ、磁場をかけ、圧力をかけて成形する「乾式成形」とが知られている。成形装置213における成形方式は特に限定されるものではないが、「湿式成形」の方が粒子の向きを揃えやすく高い磁気特性を得ることが可能である。焼成装置214では、成形装置213で得た成形体を焼成炉に入れて加熱することで反応を進行させて緻密化する。得られた焼成体は、機械加工などで要求される形状・寸法に加工される。以上により、フェライト磁石が製造される。
(組織データ分析エリア240、及び組織データについて)
また、研究サイト200は、材料の「組織」を規定する情報を取得し組織データを得るための組織データ分析エリア240を有している。組織データは、材料を構成する各相の割合、結晶構造、分子構造、単結晶/多結晶/アモルファスの区別、多結晶の場合における結晶粒の形状およびサイズ、結晶方位、粒界、双晶または積層欠陥、転位などの欠陥の種類および密度、粒界および粒内の溶質元素の偏析などに関する情報を含み得る。
本実施の形態では、従来一般には、材料の「特性」を規定する情報(特性データ)として扱われていた「磁気相転移」に関する情報を、組織データとして用いる。つまり、組織データは、個々の材料における磁化温度依存性に基づく特徴量を含む。
ここで、「磁化温度依存性に基づく特徴量」について説明する。磁気相転移の代表例は「強磁性-常磁性転移」である。このような磁気相転移が起こる温度は、キュリー温度(T)またはキュリー点と呼ばれる。材料のキュリー温度は、材料を構成する相の結晶構造および組成などに強く依存するため、組織データとして用いることができる。また、「磁化温度依存性に基づく特徴量」の取得は、データを採取する者の個人的な技能によってデータの質が変動することが少なく、機械的にデータを取得することが可能であるというメリットがある。なお、「磁気相転移に関する特徴量」は、「強磁性-常磁性転移」によって生じる組織的特徴を示す特徴量であり、キュリー温度によって規定され得る。ただし、「強磁性」は、「フェロ磁性」のみならず、「フェリ磁性」も含むものとする。また、「反強磁性-常磁性転移」によって生じる組織的特徴を示す特徴量を利用してもよい。そのような特徴量は、ネール温度によって規定される。つまり、磁化温度依存性に基づく特徴量の例は、磁気相転移に関する特徴量を含み、より具体的には、キュリー温度およびネール温度の少なくとも一方である。
キュリー温度の測定は、簡便かつ高感度での測定が可能な熱重量測定装置(TG:Thermogravimetry)241を用いて行うとよい。図2に示すように、熱重量測定装置241は、容器に入れたサンプル(測定試料)500を保持するホルダー501を一端に有するビーム部502と、サンプル500を加熱するヒーター503を有する電気炉504と、ビーム部502の他端に接続されてサンプル500の重量変化を検出する重量測定部505とを備えている。ビーム部502は、支点として機能する支持部506によって支持されている。
熱重量測定装置241では、重量測定部505が、サンプル500を加熱した時にサンプル500で起こる熱分解などの反応に伴う重量変化を測定する。磁気相転移に関する特徴量を抽出する場合は、測定時にサンプル500の外部から磁場勾配を付与する。これにより、図2の白い矢印で示されるようにサンプル500に磁気的な吸引力を及ぼすことができる。その結果、サンプル500の重量には磁気吸引力が重畳され、重量測定部505が測定する「重量」の値には、サンプル500に及ぶ磁気的吸引力も含まれることになる。磁気的吸引力は、サンプル500の「磁化」の大きさに対応する。このため、サンプル500で強磁性から常磁性への相転移が生じると、サンプル500の磁化が急激に変化するため、重量測定部505によって測定される「重量」の変化として相転移を検出することが可能になる。
図3(a)は、熱重量測定装置241の測定中における試料設置部の温度T(破線)およびTG測定値w(実線)を示すグラフの例である。TG測定値wは、サンプル500の重量と、アルミナ製の容器(パン)の重量と、磁気的吸引力とが重畳した値である。パンおよびサンプル500の重量は温度によって変化しないため、TG測定値wの変化は、サンプル500が受ける磁力の大きさの変化、すなわちサンプル500の磁化の大きさの変化に対応している。
図3(b)は、図3(a)の測定データに基づく、TG測定値wの温度依存性を示すグラフである。図3(b)のグラフにおいて、TG測定値wは、矢印Aおよび矢印Bで示される位置(温度)で急激に変化している。このTG測定値(重量)の急激な変化は、試料に含まれる相(強磁性相)の強磁性-常磁性転移に起因している。そして、TG測定値w(重量)の変化量は、試料中の強磁性相の磁化および体積比率を反映している。
図3(c)は、図3(b)に示される曲線の温度Tでの1階微分を示すグラフである。図3(c)には、図3(b)の矢印Aおよび矢印Bに相当する矢印Aおよび矢印Bが同じ位置(温度)に示されている。図3(c)の矢印Aおよび矢印Bの位置で極小値を取る温度が、キュリー温度Tである。なお、キュリー温度Tは、他の手法によって決定されてもよい。ただし、キュリー温度Tを組織データとして機械学習に利用するため、キュリー温度Tを取得する方法は統一しておくことが好ましい。
組織データ分析エリア240には、組織データを分析するための装置として、熱重量測定装置241以外に、例えば、X線回折装置242、光学顕微鏡243等が備えられていてもよい。X線回折装置242は、例えば、X線回折法(XRD:X-Ray Diffraction)により、材料中に存在する相(化合物)の種類や割合、格子定数等を求めるために用いられる。光学顕微鏡243は、例えば、各相のサイズを測定するために用いられる。なお、組織データを分析するための装置は図示のものに限定されず、例えば、光学顕微鏡243に替えて走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いてもよい。また、各相の組成については、例えば、SEMに付属するエネルギー分散分光装置(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)や、電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)などによって求めるようにしてもよい。
組織データ分析エリア240で取得された組織データ412は、第1製造装置用制御装置230に入力される。例えば、組織データ分析エリア240に図示しない分析用のパーソナルコンピュータを備え、そのパーソナルコンピュータから第1製造装置用制御装置230に組織データ412を送信するように構成してもよい。なお、本実施の形態では組織データ分析エリア240で取得された組織データ412は、第1製造装置用制御装置230に入力されるが、研究サイト側データ管理装置220に直接入力されてもよい。
(対象工程について)
詳細は後述するが、本実施の形態では、プロセス推定装置1において、第1製造装置210における所定の対象工程でのプロセス情報を含む第1プロセスデータ411と、対象工程後の組織データ412との相関性を機械学習により学習する。フェライト磁石等の磁性材料を製造する場合、対象工程としては、混合工程、仮焼工程、微粉砕工程、成形工程、焼成工程の少なくともいずれか1つを選択することができる。このうち、特に、仮焼工程と焼成工程では、材料が受ける熱履歴で大きく組織が変化するため、これら仮焼工程、または焼成工程が対象工程の場合、本発明の効果が顕在化しやすい。本実施の形態では、仮焼工程後(微粉砕工程前)のサンプルを取得し、当該取得したサンプルの組織データを組織データ分析エリア240で取得するようにした。
(第1製造装置用制御装置230)
第1製造装置用制御装置230は、第1製造装置210を制御(あるいは管理、監視)する装置であり、例えばパーソナルコンピュータにより構成される。
第1製造装置用制御装置230は、第1製造装置210の各装置211~214への製造指示や各種設定を行うと共に、各装置211~214での生産状況の監視や、生産時の各種データの収集等を行う。なお、ここでは各装置211~214に対して1つの第1製造装置用制御装置230を設けているが、これに限らず、各装置211~214にそれぞれ専用の制御装置を設けてもよく、当該専用の制御装置と、第1製造装置用制御装置230との間で各種データの相互通信を可能に構成することも可能である。また、第1製造装置用制御装置230と各装置211~214間で、USBメモリ等の記憶媒体を用いてデータのやり取りを行ってもよい。
本実施の形態では、対象工程が仮焼工程となるため、第1製造装置用制御装置230は、仮焼工程でのプロセス情報(例えば、酸素濃度、温度、時間、後処理方法など)を含む第1プロセスデータ411を、第1製造装置210より取得する。なお、第1製造装置用制御装置230が、設定情報や製造指示情報等として対象工程(ここでは仮焼工程)のプロセス情報等を自身で保有している場合には、当該保有している情報を第1プロセスデータ411として取得するよう構成してもよい。なお、プロセス情報は第1製造装置210において設定可能な運転条件でもよいし、第1製造装置210に設置された計器類で管理するための条件でもよい。
また第1製造装置用制御装置230には、組織データ分析エリア240で取得した組織データ412が入力される。なお、ここでは、組織データ分析エリア240にて既にデータ処理済みの組織データ412が入力される場合を示しているが、これに限らず、組織データ分析エリア240で取得した生データ(実測データ)を第1製造装置用制御装置230に入力し、第1製造装置用制御装置230にて、入力された生データ(実測データ)のデータ処理を行うことで組織データ412を生成するようにしてもよい。第1製造装置用制御装置230は、対応する第1プロセスデータ411と組織データ412とを紐づけたデータベースである第1学習用データ410を生成し、研究サイト側データ管理装置220に送信する。
(研究サイト側データ管理装置220)
研究サイト側データ管理装置220は、各種設定やデータの入出力処理等を行う制御部221と、記憶部222と、を有している。制御部221は、CPU等の演算素子、メモリ、インターフェイス、ソフトウェア、記憶装置等を適宜組み合わせて実現されている。記憶部222は、メモリや記憶装置の所定の記憶領域により実現されている。
また、研究サイト側データ管理装置220には、ディスプレイ等の表示器223とキーボード等の入力装置224とが設けられている。なお、表示器223をタッチパネル方式のものとし、表示器223に入力装置224としての機能を兼ねさせてもよい。さらに、表示器223と入力装置224とは、研究サイト側データ管理装置220と無線通信するように構成されていてもよい。この場合、表示器223及び入力装置224は、例えば、スマートフォンやタブレットにより構成されていてもよい。
制御部221は、第1製造装置用制御装置230から第1学習用データ410を受信したとき、当該第1学習用データ410を記憶部222に記憶すると共に、第1学習用データ410が更新されたことを示す第1学習用データ更新信号を、ネットワーク101を介してプロセス推定装置1に送信する。そして、制御部221は、プロセス推定装置1から第1学習用データ要求信号を受信したとき、第1学習用データ410をプロセス推定装置1に送信する。この際の具体的な処理内容については、後述する(第1学習用データ送信処理、図11参照)。
また、制御部221は、入力装置224から推定元第1プロセスデータ420が入力されたとき、推定元第1プロセスデータ420を記憶部222に記憶すると共に、プロセス推定要求信号をプロセス推定装置1に送信する。そして、制御部221は、プロセス推定装置1から推定元第1プロセス要求信号を受信したとき、推定元第1プロセスデータ420をプロセス推定装置1に送信する。この際の具体的な処理内容については、後述する(推定元第1プロセスデータ送信処理、図15参照)。なお、推定元第1プロセスデータ420は、入力装置224以外の装置から入力されてもよい。また、推定元第1プロセスデータ420は、入力装置224の操作により、記憶部222に記憶された第1学習用データ410から選択されてもよい。
(第1学習用データ410)
図4は、第1学習用データ410の一例を示す図である。なお、図4は第1学習用データ410の概念を示すものであり、実際の実験データを記載したものではない。図4に示すように、第1学習用データ410は、少なくとも、第1プロセスデータ411と、組織データ412とを対応付けたデータベースである。本実施の形態では、第1学習用データ410は、第1プロセスデータ411及び組織データ412に加えて、第1製造装置210を特定可能な情報を含む製造装置情報413と、使用した混合材料の組成情報を含む組成データ414と、を含んでいる。
製造装置情報413は、例えば、工場等の名称、生産ラインNo.等の情報を含む。製造装置情報413は、例えば、工場や生産ラインの識別番号や、第1製造装置210の各装置211~214の型式、メーカー、方式、容量等の各種情報を含んでいてもよい。組成データ414は、混合材料を識別するための材料ID、混合材料の組成等の情報を含む。対象工程を仮焼工程とする場合、第1プロセスデータ411は、例えば、酸素濃度、温度、時間、後処理方法等の情報を含む。なお、第1プロセスデータ411は、対象工程(ここでは仮焼工程)のプロセス情報だけでなく、他の工程の情報を含んでもよい。組織データ412は、例えば、図3(c)の矢印A,Bに対応するキュリー温度T(1)及びT(2)、主相a軸の長さ、主相b軸の長さ、主相c軸の長さ、主相格子体積等の情報を含む。なお、図示の例はあくまで一例であり、適用する材料等に応じて適宜項目を変更してもよい。また、樹脂材料を製造する場合等には、第1学習用データ410に特性データが含まれていても良い。
(量産サイト300)
量産サイト300は、例えば工場である。量産サイト300は、例えば1回の製造で数十トンの材料を製造する大規模な量産設備である第2製造装置310を有している。量産サイト300は、上記の研究サイト200と同様に、第2製造装置310と、第2製造装置310を制御する第2製造装置用制御装置330と、量産サイト側データ管理装置320と、組織データ分析エリア340と、を有している。
(第2製造装置310)
第2製造装置310は、原料粉末を均一に混合する混合装置311と、仮焼装置312と、微粉砕装置313と、成形装置314と、焼成装置315と、を有している。仮焼装置312、微粉砕装置313、成形装置314、及び焼成装置315については、上記の第1製造装置210で説明したため、説明を省略する。なお、本実施の形態では、対象工程を仮焼工程としているが、仮焼工程を行う仮焼装置312は、第1製造装置210の仮焼装置211と加熱方式が異なっていてもよい。例えば、一方の仮焼装置312(または211)がガス炉で、他方の仮焼装置211(または312)が電気炉であってもよい。このように加熱方式が異なり、プロセスデータに用いるパラメータが全く異なるような場合であっても、本実施の形態によれば、第1プロセスデータ411に対応する第2プロセスデータ431を推定することが可能である。
(組織データ分析エリア340)
組織データ分析エリア340には、上記の研究サイト200の組織データ分析エリア240と同様に、組織データを分析するための装置として、熱重量測定装置341、X線回折装置342、光学顕微鏡343等が備えられている。組織データ分析エリア340は、上記の研究サイト200の組織データ分析エリア240と基本的に同じ構成であるため、詳細な説明を省略する。組織データ分析エリア340で取得された組織データは、第2製造装置用制御装置330に入力される。
(第2製造装置用制御装置330)
第2製造装置用制御装置330は、第2製造装置310を制御(あるいは管理、監視)する装置であり、例えばパーソナルコンピュータにより構成される。第2製造装置用制御装置330は、上記の研究サイト200の第1製造装置用制御装置230と基本的に同じものである。
本実施の形態では、対象工程が仮焼工程となるため、第2製造装置用制御装置330は、仮焼工程でのプロセス情報(例えば、酸素濃度、温度、時間、後処理方法など)を含む第2プロセスデータを、第2製造装置310より取得する。なお、第2製造装置用制御装置330が、設定情報や製造指示情報等として対象工程(ここでは仮焼工程)のプロセス情報等を自身で保有している場合には、当該保有している情報を第2プロセスデータとして取得するよう構成してもよい。なお、プロセス情報は第2製造装置310において設定可能な運転条件でもよいし、第2製造装置310に設置された計器類で管理するための条件でもよい。
また第2製造装置用制御装置330には、組織データ分析エリア340で取得した組織データが入力される。第2製造装置用制御装置330は、対応する第2プロセスデータ431と組織データ432とを紐づけたデータベースである第2学習用データ430を生成し、量産サイト側データ管理装置320に送信する。
(量産サイト側データ管理装置320)
量産サイト側データ管理装置320は、各種設定やデータの入出力処理等を行う制御部321と、記憶部322と、を有している。制御部321は、CPU等の演算素子、メモリ、インターフェイス、ソフトウェア、記憶装置等を適宜組み合わせて実現されている。記憶部322は、メモリや記憶装置の所定の記憶領域により実現されている。
また、量産サイト側データ管理装置320には、ディスプレイ等の表示器323とキーボード等の入力装置324とが設けられている。なお、表示器323をタッチパネル方式のものとし、表示器323に入力装置324としての機能を兼ねさせてもよい。さらに、表示器323と入力装置324とは、量産サイト側データ管理装置320と無線通信するように構成されていてもよい。この場合、表示器323及び入力装置324は、例えば、スマートフォンやタブレットにより構成されていてもよい。
制御部321は、第2製造装置用制御装置330から第2学習用データ430を受信したとき、当該第2学習用データ430を記憶部322に記憶すると共に、第2学習用データ430が更新されたことを示す第2学習用データ更新信号を、ネットワーク101を介してプロセス推定装置1に送信する。そして、制御部321は、プロセス推定装置1から第2学習用データ要求信号を受信したとき、第2学習用データ430をプロセス推定装置1に送信する。この際の具体的な処理内容については、後述する(第2学習用データ送信処理、図13参照)。
また、制御部321は、プロセス推定装置1から推定第2プロセスデータ440を受信したとき、受信した推定第2プロセスデータ440を記憶部322に記憶する(推定第2プロセスデータ受信処理、図17参照)。そして、制御部321は、受信した推定第2プロセスデータ440を表示器323に表示する。第2製造装置310の管理者は、表示器323に表示された推定第2プロセスデータ440を確認し、量産試験(試験製造)の際に、推定第2プロセスデータ440を第2製造装置用制御装置330へと送信する。推定第2プロセスデータ440を受信した第2製造装置用制御装置330は、第2製造装置310に対して推定第2プロセスデータ440に応じた製造指示を行い、製造試験を実施することになる。製造試験の結果を受けた補正等については、後述する。
(プロセス推定装置1)
プロセス推定装置1は、つまり、第1プロセスデータ411を基に、対応する第2プロセスデータ431を推定する装置である。以下、推定元の第1プロセスデータ411を推定元第1プロセスデータ420と呼称し、推定された第2プロセスデータ431を推定第2プロセスデータ440と呼称する。これにより、推定第2プロセスデータ440を用いて第2製造装置310で製造を行うことで、推定元第1プロセスデータ420を用いて第1製造装置210で製造した材料(ここではフェライト磁石)を、第2製造装置310で再現して製造することが可能になる。以下、その詳細について説明する。
プロセス推定装置1は、例えばサーバ等のネットワーク装置であり、制御部2と、記憶部3と、を有している。プロセス推定装置1の制御部2は、CPU等の演算素子、メモリ、インターフェイス、ソフトウェア、記憶装置等を適宜組み合わせて実現されている。記憶部3は、メモリや記憶装置の所定の記憶領域により実現されている。
制御部2は、設定処理部21、学習用データ取得処理部22、第1回帰モデル作成処理部23、第2回帰モデル作成処理部24、第3回帰モデル作成処理部25、推定元第1プロセスデータ取得処理部26、プロセス推定処理部27、及び推定第2プロセスデータ送信処理部28を有している。
記憶部3には、研究サイト側データ管理装置220から受信した第1学習用データ410、及び、量産サイト側データ管理装置320から受信した第2学習用データ430が記憶されている。第1学習用データ410は、第1回帰モデル作成処理部23による第1回帰モデル451作成の機械学習のために用いられ、第2学習用データ430は、第2回帰モデル作成処理部24による第2回帰モデル452作成の機械学習のために用いられる。記憶部3には、第1~第3回帰モデル作成処理部23~25により作成された第1~第3回帰モデル451~453が記憶されている。また、記憶部3には、研究サイト側データ管理装置220から受信した推定元第1プロセスデータ420、及び、プロセス推定処理部27による推定で得られた推定第2プロセスデータ440が記憶されている。
(設定処理部21)
設定処理部21は、プロセス推定装置1の各種設定を行うための設定処理(図10参照)を行うものである。設定処理部21では、例えば、学習用データ取得処理部22によるデータ取得の方法やデータ取得日時の設定等、各種制御に係る情報の設定を行うことができる。また、設定処理部21では、記憶部3に記憶する各種情報の登録・更新・削除等が可能である。各種情報の入力等には、不図示の入力装置、あるいは研究サイト200や量産サイト300に設けられた入力装置224,324を用いることができる。
(学習用データ取得処理部22)
学習用データ取得処理部22は、研究サイト側データ管理装置220から第1学習用データ410を取得する第1学習用データ取得処理(図11参照)と、量産サイト側データ管理装置320から第2学習用データ430を取得する第2学習用データ取得処理(図13参照)とを行うものである。
学習用データ取得処理部22は、研究サイト側データ管理装置220から第1学習用データ更新信号を受信したとき、第1学習用データ取得処理を行う。第1学習用データ取得処理では、学習用データ取得処理部22は、研究サイト側データ管理装置220に第1学習用データ410を要求する第1学習用データ要求信号を送信し、これに応じて研究サイト側データ管理装置220から送信された第1学習用データ410を受信して、記憶部3に記憶する。
また、学習用データ取得処理部22は、量産サイト側データ管理装置320から第2学習用データ更新信号を受信したとき、第2学習用データ取得処理を行う。第2学習用データ取得処理では、学習用データ取得処理部22は、量産サイト側データ管理装置320に第2学習用データ430を要求する第2学習用データ要求信号を送信し、これに応じて量産サイト側データ管理装置320から送信された第2学習用データ430を受信して、記憶部3に記憶する。
(第1回帰モデル作成処理部23)
第1回帰モデル作成処理部23は、第1製造装置210の製造データより、第1プロセスデータ411と、対象工程後(ここでは仮焼工程後)のサンプルから得られる組織データ412との関係を機械学習し、第1プロセスデータ411と組織データ412との相関性を表す第1回帰モデル451を作成する第1回帰モデル作成処理(図12参照)を行う。
図5(a)に示すように、第1回帰モデル作成処理では、第1回帰モデル作成処理部23に、第1製造装置210の過去の製造データである第1学習用データ410が入力される。第1回帰モデル作成処理部23は、第1学習用データ410より、第1プロセスデータ411の各パラメータ(例えば、酸素濃度や温度、時間等。以下「プロセスパラメータ」とする。)に対する組織データ412の各パラメータ(キュリー温度T(1)、T(2)など。以下「組織パラメータ」とする。)の相関性を、機械学習により自ら学習するための学習アルゴリズム等のソフトウェアを含んでいる。学習アルゴリズムは特に限定されず、公知の学習アルゴリズムを用いることができ、例えば、3層以上の層をなすニューラルネットワークを用いた所謂ディープラーニング等を用いることができる。第1回帰モデル作成処理部23が学習するものは、第1プロセスデータ411(すなわち第1製造装置210での製造条件)と、対象工程後の組織データ412(すなわち、対象工程後のサンプルの組織の状態)との相関性を表すモデル構造に相当する。
第1回帰モデル作成処理部23は、入力された第1学習用データ410を基に、説明変数(第1プロセスデータ411)と目的変数(組織データ412)とを含むデータ集合に基づく学習を反復実行し、両者の相関性を自動的に解釈する。なお、学習の開始時には相関性は未知の状態であるが、学習を進めるに従って説明変数(第1プロセスデータ411)に対する目的変数(組織データ412)の相関性を徐々に解釈し、その結果として得られた学習済みモデルである第1回帰モデル451を用いることで、説明変数(第1プロセスデータ411)に対する目的変数(組織データ412)の相関性を解釈可能になる。
第1回帰モデル作成処理部23は、作成した第1回帰モデル451を記憶部3に記憶する。本実施の形態では、第1回帰モデル作成処理部23は、第1学習用データ410が更新される度に、第1回帰モデル451を更新する。ただし、これに限らず、例えば後述するプロセス推定処理を実行する際に、第1学習用データ410の更新分をまとめて学習し、第1回帰モデル451を更新するようにしてもよい。
(第2回帰モデル作成処理部24)
第2回帰モデル作成処理部24は、第2製造装置310の過去の製造データより、第2プロセスデータ431と、対象工程後(ここでは仮焼工程後)のサンプルから得られる組織データ432との関係を機械学習し、第2プロセスデータ431と組織データ432との相関性を表す第2回帰モデル452を作成する第2回帰モデル作成処理(図14参照)を行う。
図5(b)に示すように、第2回帰モデル作成処理では、第2回帰モデル作成処理部24に、第2製造装置310の過去の製造データである第2学習用データ430が入力される。そして、第2回帰モデル作成処理部24は、上記の第1回帰モデル作成処理部23と同様に、入力された第2学習用データ430を基に、説明変数(第2プロセスデータ431)と目的変数(組織データ432)とを含むデータ集合に基づく学習を反復実行し、両者の相関性を自動的に解釈して、その結果として得られた学習済みモデルとして第2回帰モデル452を作成する。
第2回帰モデル作成処理部24は、作成した第2回帰モデル452を記憶部3に記憶する。本実施の形態では、第2回帰モデル作成処理部24は、第2学習用データ430が更新される度に、第2回帰モデル452を更新する。ただし、これに限らず、例えば後述するプロセス推定処理を実行する際に、第2学習用データ430の更新分をまとめて学習し、第2回帰モデル452を更新するようにしてもよい。
(第3回帰モデル作成処理部25)
第3回帰モデル作成処理部25は、第1回帰モデル451と第2回帰モデル452とを基に、第1プロセスデータ411と第2プロセスデータ431の相関性を表す第3回帰モデル453を作成する第3回帰モデル作成処理を行う。
図5(c)に示すように、第3回帰モデル作成処理では、第3回帰モデル作成処理部25に、第1回帰モデル451と第2回帰モデル452とが入力される。そして、これら第1回帰モデル451と第2回帰モデル452とを基に、組織データ412,432を仲介として、第1プロセスデータ411と第2プロセスデータ431との相関性を表す第3回帰モデル453を作成する。
より具体的に、図6Aでは、一例として、二種類の組織パラメータZα、Zβを用いて説明する。ここでZαとZβは、例えば、それぞれ主相格子体積とキュリー温度Tである。図6Aに示すように、例えば、組織データ412の任意の異なる組織パラメータZα,Zβと、第1プロセスデータ411に登録されているプロセスパラメータa,bとの関係が、第1回帰モデル451において、Zα=fZα(a,b)、Zβ=fZβ(a,b)で表されたとする。ここで、fZα(a,b)とfZβ(a,b)は、それぞれプロセスパラメータa、bを用いて記述される数理モデルであることを示している。そして、組織データ432の上記と同じ組織パラメータZα,Zβと、第2プロセスデータ431に登録されているプロセスパラメータx,yとの関係が、第2回帰モデル452において、Zα=fZα’(x,y)、Zβ=fZβ’(x,y)で表されたとする。ここで、fZα’(x,y)とfZβ’(x,y)は、それぞれプロセスパラメータx、yを用いて記述される数理モデルであることを示している。これら4つの式を組織パラメータZα,Zβを仲介として、(a,b)と(x,y)の関係について整理する。すなわち、図6Aにおいて、Zα,Zβの値が同一となる第1プロセスデータ中のプロセスパラメータ(a,b)と第2プロセスデータ中のプロセスパラメータ(x,y)をさまざまな条件で実験した結果から関連づける。これにより、x=h(a,b)、y=h(a,b)として、あるいは、a=h(x,y)、b=h(x,y)として、第1プロセスデータ411と第2プロセスデータ431との相関性を表す第3回帰モデル453が得られる。ここで、h(a,b)とh(a,b)は、それぞれプロセスパラメータa、bを用いて記述される数理モデルであることを示し、h(x,y)とh(x,y)は、それぞれプロセスパラメータx、yを用いて記述される数理モデルであることを示している。このように、第3回帰モデル作成処理部25は、第1回帰モデル451と第2回帰モデル452とを組み合わせることで、第1プロセスデータ411と第2プロセスデータ431の相関性を表す第3回帰モデル453を作成する。なお、採用する第1プロセスデータ411のプロセスパラメータ(aやb)と第2プロセスデータ431のプロセスパラメータ(xやy)の項目は必ずしも同一である必要はない。
第3回帰モデル作成処理部25は、作成した第3回帰モデル453を記憶部3に記憶する。本実施の形態では、第3回帰モデル作成処理部25は、第1回帰モデル451と第2回帰モデル452のいずれかが更新されたときに、第3回帰モデル453を更新する。ただし、これに限らず、例えば、後述するプロセス推定処理を実行する際に、第2学習用データ430の更新分をまとめて学習し、第2回帰モデル452を更新するようにしてもよい。
(推定元第1プロセスデータ取得処理部26)
推定元第1プロセスデータ取得処理部26は、研究サイト側データ管理装置220から推定元第1プロセスデータ420を取得する推定元第1プロセスデータ取得処理(図15参照)を行う。推定元第1プロセスデータ取得処理部26は、研究サイト側データ管理装置220からプロセス推定要求信号を受信したとき、推定元第1プロセスデータ取得処理を行う。推定元第1プロセスデータ取得処理では、推定元第1プロセスデータ取得処理部26は、研究サイト側データ管理装置220に推定元第1プロセスデータ要求信号を送信し、それに応じて研究サイト側データ管理装置220から送信された推定元第1プロセスデータ420を受信し、記憶部3に記憶する。
(プロセス推定処理部27)
プロセス推定処理部27は、第3回帰モデル453を用いて、任意の推定元の第1プロセスデータ411(推定元第1プロセスデータ420)に応じた第2プロセスデータ431(推定第2プロセスデータ440)を推定するプロセス推定処理(図16参照)を行う。
図5(d)に示すように、プロセス推定処理では、プロセス推定処理部27に、第3回帰モデル453と、推定元第1プロセスデータ420とが入力される。プロセス推定処理部27は、第3回帰モデル453を用いて、推定元第1プロセスデータ420に対応した第2プロセスデータ431を求め、得られた第2プロセスデータ431を推定第2プロセスデータ440とする。そして、プロセス推定処理部27は、得られた推定第2プロセスデータ440を記憶部3に記憶する。
ここで得られた推定第2プロセスデータ440は、第1製造装置210で推定元第1プロセスデータ420の製造条件で製造した材料(ここではフェライト磁石)と同じ材料を、第2製造装置310で再現可能な製造条件となる。
(推定第2プロセスデータ送信処理部28)
推定第2プロセスデータ送信処理部28は、推定第2プロセスデータ440を量産サイト側データ管理装置320に送信する推定第2プロセスデータ送信処理(図17参照)を行う。
(プロセス推定装置1の利用方法)
ここで、本実施の形態に係るプロセス推定装置1の利用方法の一例について説明しておく。
プロセス推定装置1では、2つの製造装置210,310間で、予め第3回帰モデル453を作成しておけば、一方の製造装置210(または310)で所望の特性の材料が製造できたときに、当該一方の製造装置210(または310)でのプロセスデータ(ここでは推定元第1プロセスデータ420)を基に、他方の製造装置310(または210)でのプロセスデータ(ここでは推定第2プロセスデータ440)を推定することができる。そして、得られたプロセスデータ(ここでは推定第2プロセスデータ440)により他方の製造装置310(または210)で製造を行うことで、高い再現性で同様の特性の材料を製造することが可能になる。
ここで、一例として、図6Bに示すように、研究設備である第1製造装置210を用いて、第2製造装置310で製造したことのない新材料を開発したとする。この場合、第2製造装置310では製造実績がないので、新材料に関する第2学習用データ430は存在しておらず、当該新材料についての第2回帰モデル452は存在していないことになる。しかし、予め第3回帰モデル453を作成しておけば、このような場合であっても、研究設備で開発した新材料のプロセスデータ(推定元第1プロセスデータ420に相当)に対応する、量産設備で新材料を再現可能なプロセスデータ(推定第2プロセスデータ440に相当)を推定することができる。図6Bにおいては、推定元第1プロセスデータに登録されているプロセスパラメータ(a’,b’)に、第3回帰モデル453を適用し、推定第2プロセスデータのプロセスパラメータ(x’,y’)を得ることができる。ここで、第3回帰モデル453は、x=h(a,b)、y=h(a,b)であり、プロセスパラメータa、bを用いて記述される数理モデルh(a,b)とh(a,b)である。なお、このような例では、過去の製造データとは大きく異なる原料を用いる場合などは、推定した推定第2プロセスデータ440の精度が低くなることが想定される。しかし、製造実績がない第2製造装置310での製造条件を、おおよそ推定することが可能である。
量産設備である第2製造装置310では、一度の製造で例えば数十トンといった大量の材料を製造する。そのため、量産にあたっての試験回数(実験回数)を減らしてなるべく無駄を減らしたいという要求がある。本実施の形態によれば、新材料であってもおおよその製造条件を推定することが可能であり、量産に最適な製造条件を検討するための試験回数を低減し、コストの低減を図ることが可能になる。
このように、第1製造装置210が研究設備、かつ、第2製造装置310が量産設備であり、研究設備で製造した材料を量産設備で再現すべく、第3回帰モデル453を用いて、研究設備で再現対象となる材料を製造した際の第1プロセスデータ411から、量産設備で再現対象となる材料を製造するための第2プロセスデータ431を推定するようにしてもよい。
(組成データ414の機械学習への使用)
上記のような新材料の開発の際の推定精度を向上させるために、第1及び第2回帰モデル451,452は、組成データ414(図4参照)を考慮して作成されることがより望ましいといえる。つまり、第1回帰モデル451は、第1プロセスデータ411と組織データ412とに加えて、材料の組成情報を含む組成データ414との関係を機械学習して作成されることがより望ましい。この場合、第1回帰モデル451は、第1プロセスデータ411と組織データ412と組成データ414との相関性を表すように作成されることになる。また、この場合、第1学習用データ410に組成データ414を含める必要がある。
同様に、第2回帰モデル452は、第2プロセスデータ431と組織データ432とに加えて、材料の組成情報を含む組成データとの関係を機械学習して作成されてもよい。この場合、第2回帰モデル452は、第2プロセスデータ431と組織データ432と組成データとの相関性を表すように作成されることになる。また、この場合、第2学習用データ430に組成データを含める必要がある。
(推定第2プロセスデータ440の補正)
図6Bで説明したような新材料の開発においては、推定第2プロセスデータ440はおおよその製造条件となるため、その後の製造試験の結果を考慮して、推定第2プロセスデータ440の各パラメータを補正するよう構成することも可能である。すなわち、プロセス推定装置1は、第2製造装置310で推定第2プロセスデータ440により製造試験を行った際の試験結果に基づき、推定第2プロセスデータ440を補正する補正処理部をさらに備えてもよい。
補正処理部を備えることより、例えば、各回帰モデル451~453が新材料に十分に対応していない状況(量産前で十分なデータがなく、機械学習が十分に行われていない状況)であっても、第1製造装置210での第1プロセスデータ411(推定元第1プロセスデータ420)に対応する、第2製造装置310での第2プロセスデータ431(推定第2プロセスデータ440)を精度よく推定することが可能になる。その結果、量産設備で高い再現性で材料を製造可能になり、製造試験の回数を低減してコストの低減や、開発から量産化までの期間短縮を図ることができる。
(プロセス推定装置1の他の利用方法)
本実施の形態では、研究設備でのプロセスデータから、量産設備でのプロセスデータを推定した。ただし、これに限らず、例えば上記とは逆に、量産設備でのプロセスデータから、研究設備でのプロセスデータを推定することも当然に可能である。この場合、図6Cに示すように、例えば、量産設備と研究設備間で予め第3回帰モデル453を作成しておけば、量産設備で量産が可能な条件となるプロセスデータ(推定元第1プロセスデータ420に相当)に対応する、研究設備側で開発する新材料のプロセスデータ(推定第2プロセスデータ440に相当)を推定することが可能になる。
例えば、研究設備側で材料の開発を行った場合であっても、その製造条件が、量産設備で量産することが不可能な製造条件(例えば図6Cに×で示される条件)であった場合、当該材料の開発は無駄になってしまうおそれが生じる。図6Cのように、量産設備で量産が可能な条件となるプロセスデータに対応する、研究設備側で開発する新材料のプロセスデータを得ておくことで、得られたプロセスデータの範囲内の製造条件(実験条件)で開発を行えば、量産できないといった不具合が生じることなく、無駄なく材料の開発を行うことが可能になる。
このように、第1製造装置210が量産設備、かつ、第2製造装置310が研究設備であり、第3回帰モデル453を用いて、量産設備で量産可能な条件を表す第1プロセスデータ411から、これに対応した研究設備での実験条件となる第2プロセスデータ431を推定するようにしてもよい。図6Cにおいては、推定元第1プロセスデータに登録されているプロセスパラメータ(x,y)に、第3回帰モデル453を適用し、推定第2プロセスデータのプロセスパラメータ(a,b)を得ることができる。ここで、第3回帰モデル453は、a=h(x,y)、b=h(x,y)であり、プロセスパラメータx、yを用いて記述される数理モデルh(x,y)とh(x,y)である。
なお、第1及び第2製造装置210,310は、研究設備や量産設備に限定されない。例えば、第1及び第2製造装置210,310は、同一の工場の異なる生産ライン(製造装置)であってもよい。
(プロセス推定方法)
(メインルーチン)
図7~9は、本実施の形態に係るはプロセス推定方法の制御フローを示すフロー図である。なお、図7~9、及び後述する図10~17において、実線で示す矢印は、制御の流れを表しており、破線で示す矢印は、信号やデータの入出力を表している。
図7に示すように、研究サイト側データ管理装置220は、例えば、第1学習用データ410を取得する第1学習用データ取得処理を行う日時(第1データ取得日時)の設定等を行う際に、プロセス推定装置1に設定信号を送信する(ステップS100)。同様に、量産サイト側データ管理装置320は、例えば、第2学習用データ430を取得する第2学習用データ取得処理を行う日時(第2データ取得日時)の設定等を行う際に、プロセス推定装置1に設定信号を送信する(ステップS300)。
プロセス推定装置1の設定処理部21は、ステップS201にて、設定信号が入力されたかを判定し、YES(Y)と判定された場合、ステップS202にて設定処理を実行する。設定処理の詳細については後述する。ステップS201でNO(N)と判定された場合、ステップS203に進む。
研究サイト側データ管理装置220は、第1学習用データ410が更新された際に、第1学習用データ更新信号をプロセス推定装置1に送信する(ステップS101)。プロセス推定装置1の学習用データ取得処理部22は、ステップS203にて、第1学習用データ更新信号が入力されたかを判定する。ステップS203でYESと判定された場合、ステップS205に進む。ステップS203でNOと判定された場合、学習用データ取得処理部22は、ステップS204にて、現在の日時が第1データ取得日時であるかを判定する。ステップS204でYESと判定された場合、ステップS205に進む。ステップS204でNOと判定された場合、図8のステップS207に進む。
ステップS205では学習用データ取得処理部22が、第1学習用データ取得処理を行う。第1学習用データ取得処理については後述する。その後、ステップS206にて、第1回帰モデル作成処理部23が、第1回帰モデル作成処理を行う。第1回帰モデル作成処理については後述する。その後、図8のステップS207に進む。
図8に示すように、量産サイト側データ管理装置320は、第2学習用データ430が更新された際に、第2学習用データ更新信号をプロセス推定装置1に送信する(ステップS301)。プロセス推定装置1の学習用データ取得処理部22は、ステップS207にて、第2学習用データ更新信号が入力されたかを判定する。ステップS207でYESと判定された場合、ステップS209に進む。ステップS207でNOと判定された場合、学習用データ取得処理部22は、ステップS208にて、現在の日時が第2データ取得日時であるかを判定する。ステップS208でYESと判定された場合、ステップS209に進む。ステップS208でNOと判定された場合、ステップS211に進む。
ステップS209では学習用データ取得処理部22が、第2学習用データ取得処理を行う。第2学習用データ取得処理については後述する。その後、ステップS210にて、第2回帰モデル作成処理部24が、第2回帰モデル作成処理を行う。第2回帰モデル作成処理については後述する。その後、ステップS211に進む。
ステップS211では、第3回帰モデル作成処理部25が、第1回帰モデル451と第2回帰モデル452のいずれかが更新されたかを判定する。ステップS211でYESと判定された場合、ステップS212にて、第3回帰モデル作成処理部25が第3回帰モデル作成処理を行う。ステップS212第3回帰モデル作成処理では、記憶部3に記憶された第1回帰モデル451と第2回帰モデル452とを基に、第1プロセスデータ411と第2プロセスデータ431との相関性を表す第3回帰モデル453を作成し、作成した第3回帰モデル453を記憶部3に記憶する。その後、図9のステップS213に進む。ステップS211でNOと判定された場合、第3回帰モデル作成処理を行わずに図9のステップS213に進む。
図9に示すように、研究サイト側データ管理装置220は、推定元第1プロセスデータ420から対応する推定第2プロセスデータ440を推定するプロセス推定を行うとき、プロセス推定装置1にプロセス推定要求信号を送信する。プロセス推定装置1の推定元第1プロセスデータ取得処理部26は、ステップS213にて、プロセス推定要求信号が入力されたかを判定する。ステップS213にてNOと判定された場合、リターンする。ステップS213にてYESと判定された場合、ステップS214にて、推定元第1プロセスデータ取得処理部26が、推定元第1プロセスデータ取得処理を行う。推定元第1プロセスデータ取得処理については後述する。
その後、ステップS215にて、プロセス推定処理部27が、プロセス推定処理を行う。その後、ステップS216にて、推定第2プロセスデータ送信処理部28が、推定第2プロセスデータ送信処理を行う。プロセス推定処理及び推定第2プロセスデータ送信処理については後述する。その後、リターンする。
(設定処理)
図10に示すように、ステップS202の設定処理では、まず、研究サイト側データ管理装置220あるいは量産サイト側データ管理装置320で入力された設定データが、プロセス推定装置1に送信される(ステップS120、S320)。プロセス推定装置1の設定処理部21は、受信した設定データに応じて、各種の設定を行う(ステップS221)。その後、ステップS221での各種の設定に伴い、データ更新処理等の適宜な処理を行い(ステップS222)、リターンする。
(第1学習用データ取得処理)
図11に示すように、ステップS205の第1学習用データ取得処理では、まず、プロセス推定装置1の学習用データ取得処理部22が、研究サイト側データ管理装置220に、第1学習用データ410を要求する第1学習用データ要求信号を送信する(ステップS231)。
研究サイト側データ管理装置220では、第1学習用データ取得処理と並行して、ステップS102の第1学習用データ送信処理が行われている。この第1学習用データ送信処理において、研究サイト側データ管理装置220は、まず、ステップS131にて、プロセス推定装置1から第1学習用データ要求信号が入力されたかを判定する。ステップS131でNOと判定された場合、リターンする。ステップS131でYESと判定された場合、ステップS132にて、記憶部222に、未送信の第1学習用データ410が存在するかを判定する。なお、第1学習用データ410が未送信であるか送信済みであるかの識別は、例えば、データベース上に識別子を付したり、あるいは、送信済みと未送信とでデータベースを分割しておき、未送信の第1学習用データ410を送信した際に、送信した第1学習用データ410を送信済みのデータベースに統合したりするなど、種々の方法で識別することができる。
ステップS132にてNOと判定された場合、ステップS133にてプロセス推定装置1に送信済信号を送信した後、リターンする。ステップS132にてYESと判定された場合、ステップS134にて、未送信の第1学習用データ410(第1プロセスデータ411及び組織データ412)をプロセス推定装置1に送信する。その後、ステップS135にて、研究サイト側データ管理装置220は、送信した第1学習用データ410を送信済みとした後、リターンする。なお、送信済みの第1学習用データ410については、圧縮や所定期間経過後の削除等の処理が適宜なされてもよい。
第1学習用データ取得処理に戻り、学習用データ取得処理部22は、ステップS231で第1学習用データ要求信号を送信した後、ステップS232にて、送信済信号が入力されたかを判定する。ステップS232にてYESと判定された場合、新たな第1学習用データ410が存在しないことになるため、リターンする。
ステップS232にてNOと判定された場合、研究サイト側データ管理装置220から第1学習用データ410を受信した後、ステップS233にて、学習用データ取得処理部22が、受信した第1学習用データ410を記憶部3に記憶する。本実施の形態では、送信済みの第1学習用データ410の送受信のみが行われるため、ステップS233では、受信した第1学習用データ410を、記憶部3に記憶された第1学習用データ410に統合して第1学習用データ410の更新が行われる。なお、ステップS233では、機械学習に必要なデータのみを抽出する処理等を適宜おこなってもよい。その後、リターンする。
(第1回帰モデル作成処理)
図12に示すように、ステップS206の第1回帰モデル作成処理では、まず、ステップS241にて、プロセス推定装置1の第1回帰モデル作成処理部23が、記憶部3に未学習の第1学習用データ410が存在するかを判定する。換言すれば、ステップS241では、第1学習用データ410が更新されているかを判定する。ステップS241にてNOと判定された場合、リターンする。ステップS241にてYESと判定された場合、ステップS242にて、第1回帰モデル作成処理部23が、未学習の第1学習用データ410を機械学習に用いて、第1回帰モデル451の更新を行う。なお、ステップS242では、第1回帰モデル451が未作成である場合には、第1回帰モデル451が新たに作成される。その後、ステップS243にて、更新(あるいは作成)した第1回帰モデル451を記憶部3に記憶し、リターンする。
(第2学習用データ取得処理)
図13に示すように、ステップS209の第2学習用データ取得処理では、まず、プロセス推定装置1の学習用データ取得処理部22が、量産サイト側データ管理装置320に、第2学習用データ430を要求する第2学習用データ要求信号を送信する(ステップS251)。
量産サイト側データ管理装置320では、第2学習用データ取得処理と並行して、ステップS302の第2学習用データ送信処理が行われている。この第2学習用データ送信処理において、量産サイト側データ管理装置320は、まず、ステップS351にて、プロセス推定装置1から第2学習用データ要求信号が入力されたかを判定する。ステップS351でNOと判定された場合、リターンする。ステップS351でYESと判定された場合、ステップS352にて、記憶部322に、未送信の第2学習用データ430が存在するかを判定する。なお、上記の第1学習用データ410と同様に、第2学習用データ430が未送信であるか送信済みであるかの識別は、例えば、データベース上に識別子を付したり、あるいは、送信済みと未送信とでデータベースを分割しておき、未送信の第2学習用データ430を送信した際に、送信した第2学習用データ430を送信済みのデータベースに統合したりするなど、種々の方法で識別することができる。
ステップS352にてNOと判定された場合、ステップS353にてプロセス推定装置1に送信済信号を送信した後、リターンする。ステップS352にてYESと判定された場合、ステップS354にて、未送信の第2学習用データ430(第2プロセスデータ431及び組織データ432)をプロセス推定装置1に送信する。その後、ステップS355にて、量産サイト側データ管理装置320は、送信した第2学習用データ430を送信済みとした後、リターンする。なお、送信済みの第2学習用データ430については、圧縮や所定期間経過後の削除等の処理が適宜なされてもよい。
第2学習用データ取得処理に戻り、学習用データ取得処理部22は、ステップS251で第2学習用データ要求信号を送信した後、ステップS252にて、送信済信号が入力されたかを判定する。ステップS252にてYESと判定された場合、新たな第2学習用データ430が存在しないことになるため、リターンする。
ステップS252にてNOと判定された場合、量産サイト側データ管理装置320から第2学習用データ430を受信した後、ステップS253にて、学習用データ取得処理部22が、受信した第2学習用データ430を記憶部3に記憶する。本実施の形態では、送信済みの第2学習用データ430の送受信のみが行われるため、ステップS253では、受信した第2学習用データ430を、記憶部3に記憶された第2学習用データ430に統合して第2学習用データ430の更新が行われる。なお、ステップS253では、機械学習に必要なデータのみを抽出する処理等を適宜おこなってもよい。その後、リターンする。
(第2回帰モデル作成処理)
図14に示すように、ステップS210の第2回帰モデル作成処理では、まず、ステップS261にて、プロセス推定装置1の第2回帰モデル作成処理部24が、記憶部3に未学習の第2学習用データ430が存在するかを判定する。換言すれば、ステップS261では、第2学習用データ430が更新されているかを判定する。ステップS261にてNOと判定された場合、リターンする。ステップS261にてYESと判定された場合、ステップS262にて、第2回帰モデル作成処理部24が、未学習の第2学習用データ430を機械学習に用いて、第2回帰モデル452の更新を行う。なお、ステップS262では、第2回帰モデル452が未作成である場合には、第2回帰モデル452が新たに作成される。その後、ステップS263にて、更新(あるいは作成)した第2回帰モデル452を記憶部3に記憶し、リターンする。
(推定元第1プロセスデータ取得処理)
図15に示すように、ステップS214の推定元第1プロセスデータ取得処理では、まず、プロセス推定装置1の推定元第1プロセスデータ取得処理部26が、研究サイト側データ管理装置220に、推定元第1プロセスデータ420を要求する推定元第1プロセスデータ要求信号を送信する(ステップS271)。
研究サイト側データ管理装置220では、推定元第1プロセスデータ取得処理と並行して、ステップS104の推定元第1プロセスデータ送信処理が行われている。この推定元第1プロセスデータ送信処理において、研究サイト側データ管理装置220は、まず、ステップS171にて、プロセス推定装置1から推定元第1プロセスデータ要求信号が入力されたかを判定する。ステップS171でNOと判定された場合、リターンする。ステップS171でYESと判定された場合、ステップS172にて、研究サイト側データ管理装置220は、記憶部222に記憶された推定元第1プロセスデータ420を、プロセス推定装置1に送信する。
推定元第1プロセスデータ取得処理に戻り、推定元第1プロセスデータ取得処理部26は、ステップS273にて、研究サイト側データ管理装置220から推定元第1プロセスデータ420を受信し、受信した推定元第1プロセスデータ420を記憶部3に記憶する。その後、リターンする。
(プロセス推定処理)
図16に示すように、ステップS215のプロセス推定処理では、まず、ステップS281にて、プロセス推定処理部27が、第3回帰モデル453により、推定元第1プロセスデータ420に対応する第2プロセスデータ431を推定し、推定第2プロセスデータ440とする。その後、ステップS282にて、得られた推定第2プロセスデータ440を記憶部3に記憶する。その後、リターンする。
(推定第2プロセスデータ送信処理)
図17に示すように、ステップS216の推定第2プロセスデータ送信処理では、まず、ステップS291にて、推定第2プロセスデータ送信処理部28が、量産サイト側データ管理装置320に推定第2プロセスデータ440を送信する。
量産サイト側データ管理装置320では、推定第2プロセスデータ送信処理と並行して、推定第2プロセスデータ受信処理が行われている。この推定第2プロセスデータ受信処理において、量産サイト側データ管理装置320は、ステップS391にて、プロセス推定装置1から送信された推定第2プロセスデータ440を受信し、受信した推定第2プロセスデータ440を記憶部322に記憶する。その後、リターンする。
図示していないが、この推定第2プロセスデータ送信処理の後、量産サイト側データ管理装置320は、第2製造装置用制御装置330に推定第2プロセスデータ440を送信する。第2製造装置用制御装置330は、第2製造装置310に対して、受信した推定第2プロセスデータ440に応じた製造指示を行うことで、製造指示に応じた材料の製造が行われることになる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係るプロセス推定方法では、第1プロセスデータ411と、第1製造装置210における対象工程後(ここでは仮焼工程後)のサンプルから得られる組織データ412との関係を機械学習し、第1プロセスデータ411と組織データ412との相関性を表す第1回帰モデル451を作成すると共に、第2プロセスデータ431と、第2製造装置310における対象工程後(ここでは仮焼工程後)のサンプルから得られる組織データ432との関係を機械学習し、第2プロセスデータ431と組織データ432との相関性を表す第2回帰モデル452を作成し、第1回帰モデル451と第2回帰モデル452とを基に、第1プロセスデータ411と第2プロセスデータ431の相関性を表す第3回帰モデル453を作成し、第3回帰モデル453を用いて、任意の推定元の第1プロセスデータ411(推定元第1プロセスデータ420)に応じた第2プロセスデータ431(推定第2プロセスデータ440)を推定している。
これにより、例えば、研究開発用の小規模な製造装置を用いて開発した材料を、量産用の大規模な製造装置で再現性よく製造することが可能になり、製造試験の回数を低減して、コストを大幅に低減したり、量産化までの期間を大幅に圧縮することが可能になる。つまり、本実施の形態によれば、異なる製造装置であっても再現性よく材料を製造可能なプロセス推定方法を実現できる。
(変形例1)
本実施の形態では、第1及び第2製造装置210,310が、所定の対象工程(ここでは仮焼工程)を含む複数の工程を経て材料を製造する装置である場合を説明したが、これに限らず、第1及び第2製造装置210,310は、1つ以上の工程を経て材料を製造する装置であればよい。
また、上記実施の形態では、プロセス推定装置1が研究サイト200や量産サイト300に属していない場合について説明したが、プロセス推定装置1は、研究サイト200または量産サイト300に属していてもよい。また、例えばプロセス推定装置1が研究サイト200に属している場合、研究サイト側データ管理装置220とプロセス推定装置1とが一体に構成されていてもよい。さらに、研究サイト側データ管理装置220が研究サイト200に属していなくともよく、量産サイト側データ管理装置320が量産サイト300に属していなくともよい。この場合、例えば、研究サイト側データ管理装置220と量産サイト側データ管理装置320とが同じサーバにより実現されていてもよい。また、両データ管理装置220,320とプロセス推定装置1とが同じサーバにより構成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、研究サイト200と量産サイト300とで、別個に組織データ分析エリア240,340が設けられている場合について説明したが、両エリア200,300で共通の組織データ分析エリア240,340を用いるようにしてもよい。また、両エリア200,300で別個の組織データ分析エリア240,340を有する場合において、組織データ分析エリア240,340間で同一の装置が含まれていてもよい。つまり、1つの装置を2つの組織データ分析エリア240,340で共用してもよい。
(変形例2)
また、製造する材料が電線の外皮等に用いる複合材料である場合には、第1製造装置210及び第2製造装置310として複合材料を製造する装置を適用することができる。より具体的には、第1製造装置210は例えば、樹脂又はゴムやフィラーを混練する混練機と、混練した複合材料を用いてペレット化するペレタイザーと、このペレットをシート成形するシート成形機と、を備えていてもよい。複合材料の配合に応じて秤量された樹脂又はゴムやフィラーを小型ニーダや小型2軸押出機といった混練機を用いて混練し、混練された材料をペレタイザーによりペレット化し、得られたペレットをシート成形機によりシート化することによって、複合材料を製造することができる。
また、上記の複合材料に適用する場合、組織データ分析エリア240、340で取得する組織データ412,432は、複数の樹脂同士、複数のゴム同士又は樹脂とゴムの間のモルフォロジー、フィラーの分散状態などに関する情報を含むとよい。複数の樹脂同士、複数のゴム同士又は樹脂とゴムの間のモルフォロジー観察には、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いるとよい。そして、組織データ412,432としては、SPMにより得られたSPM画像中の各樹脂やゴムの形態や分布から得られる情報、具体的には、各樹脂やゴムの分散相の形状やサイズ、面積に関する情報を用いることができる。また、フィラーの分散状態の観察には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いることができ、SEMにより得られたSEM画像中の樹脂や樹脂中に分散しているフィラーの分散形態に関する情報を、組織データとして利用することができる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]所定の対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第1製造装置(210)における前記対象工程でのプロセス情報を含む第1プロセスデータ(411)を基に、前記第1製造装置(210)とは異なる装置であり、かつ前記対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第2製造装置(310)における前記対象工程でのプロセス情報を含む第2プロセスデータ(431)を推定するプロセス推定方法であって、前記第1プロセスデータ(411)と、前記第1製造装置(210)における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データ(412)との関係を機械学習し、前記第1プロセスデータ(411)と該組織データ(412)との相関性を表す第1回帰モデル(451)を作成すると共に、前記第2プロセスデータ(431)と、前記第2製造装置(310)における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データ(432)との関係を機械学習し、前記第2プロセスデータ(431)と該組織データ(432)との相関性を表す第2回帰モデル(452)を作成し、前記第1回帰モデル(451)と前記第2回帰モデル(452)とを基に、前記第1プロセスデータ(411)と前記第2プロセスデータ(431)の相関性を表す第3回帰モデル(453)を作成し、前記第3回帰モデル(453)を用いて、任意の推定元の前記第1プロセスデータ(411)である推定元第1プロセスデータ(420)に応じた前記第2プロセスデータ(431)である推定第2プロセスデータ(440)を推定する、プロセス推定方法。
[2]前記第1回帰モデル(451)は、前記第1プロセスデータ(411)と組織データ(412)とに加えて、材料の組成情報を含む組成データ(414)との関係を機械学習して作成され、前記第1プロセスデータ(411)と組織データ(412)と組成データ(414)との相関性を表すように作成され、前記第2回帰モデル(452)は、前記第2プロセスデータ(431)と組織データ(432)とに加えて、材料の組成情報を含む組成データ(414)との関係を機械学習して作成され、前記第2プロセスデータ(431)と組織データ(432)と組成データとの相関性を表すように作成される、[1]に記載のプロセス推定方法。
[3]前記材料が、セラミックス材料である、[1]または[2]に記載のプロセス推定方法。
[4]前記材料が、磁性材料である、[3]に記載のプロセス推定方法。
[5]前記組織データ(412,432)が、磁化温度依存性に基づく特徴量を含む、[3]または[4]に記載のプロセス推定方法。
[6]前記対象工程は、混合工程、仮焼工程、微粉砕工程、成形工程、焼成工程の少なくともいずれか1つである、[3]乃至[5]の何れか1項に記載のプロセス推定方法。
[7]前記第1製造装置(210)が研究設備であり、かつ、前記第2製造装置(310)が量産設備であり、前記研究設備で製造した材料を前記量産設備で再現すべく、前記第3回帰モデル(453)を用いて、前記研究設備で再現対象となる材料を製造した際の前記第1プロセスデータ(411)から、前記量産設備で再現対象となる材料を製造するための前記第2プロセスデータ(431)を推定する、[1]乃至[6]の何れか1項に記載のプロセス推定方法。
[8]前記第1製造装置(210)が量産設備であり、かつ、前記第2製造装置(310)が研究設備であり、前記第3回帰モデル(453)を用いて、前記量産設備で量産可能な条件を表す前記第1プロセスデータ(411)から、これに対応した前記研究設備での実験条件となる前記第2プロセスデータ(431)を推定する、[1]乃至[6]の何れか1項に記載のプロセス推定方法。
[9]所定の対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第1製造装置(210)における前記対象工程でのプロセス情報を含む第1プロセスデータ(411)を基に、前記第1製造装置(210)とは異なる装置であり、かつ前記対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第2製造装置(310)における前記対象工程でのプロセス情報を含む第2プロセスデータ(431)を推定するプロセス推定装置であって、前記第1プロセスデータ(411)と、前記第1製造装置(210)における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データ(412)との関係を機械学習し、前記第1プロセスデータ(411)と該組織データ(412)との相関性を表す第1回帰モデル(451)を作成する第1回帰モデル作成処理部(23)と、前記第2プロセスデータ(431)と、前記第2製造装置(310)における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データ(432)との関係を機械学習し、前記第2プロセスデータ(431)と該組織データ(432)との相関性を表す第2回帰モデル(452)を作成する第2回帰モデル作成処理部(24)と、前記第1回帰モデル(451)と前記第2回帰モデル(452)とを基に、前記第1プロセスデータ(411)と前記第2プロセスデータ(431)の相関性を表す第3回帰モデル(453)を作成する第3回帰モデル作成処理部(25)と、前記第3回帰モデル(453)を用いて、任意の推定元の前記第1プロセスデータ(411)である推定元第1プロセスデータ(420)に応じた前記第2プロセスデータ(431)である推定第2プロセスデータ(440)を推定するプロセス推定処理部(27)と、を備えた、プロセス推定装置(1)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…プロセス推定装置
2…制御部
23…第1回帰モデル作成処理部
24…第2回帰モデル作成処理部
25…第3回帰モデル作成処理部
27…プロセス推定処理部
200…研究サイト
210…第1製造装置
220…研究サイト側データ管理装置
230…第1製造装置用制御装置
300…量産サイト
310…第2製造装置
410…第1学習用データ
411…第1プロセスデータ
412…組織データ
420…推定元第1プロセスデータ
430…第2学習用データ
431…第2プロセスデータ
432…組織データ
440…推定第2プロセスデータ
451…第1回帰モデル
452…第2回帰モデル
453…第3回帰モデル

Claims (9)

  1. 所定の対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第1製造装置における前記対象工程でのプロセス情報を含む第1プロセスデータを基に、
    前記第1製造装置とは異なる装置であり、かつ前記対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第2製造装置における前記対象工程でのプロセス情報を含む第2プロセスデータを推定するプロセス推定方法であって、
    前記第1プロセスデータと、前記第1製造装置における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データとの関係を機械学習し、前記第1プロセスデータと該組織データとの相関性を表す第1回帰モデルを作成すると共に、
    前記第2プロセスデータと、前記第2製造装置における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データとの関係を機械学習し、前記第2プロセスデータと該組織データとの相関性を表す第2回帰モデルを作成し、
    前記第1回帰モデルと前記第2回帰モデルとを基に、前記第1プロセスデータと前記第2プロセスデータの相関性を表す第3回帰モデルを作成し、
    前記第3回帰モデルを用いて、任意の推定元の前記第1プロセスデータである推定元第1プロセスデータに応じた前記第2プロセスデータである推定第2プロセスデータを推定する、
    プロセス推定方法。
  2. 前記第1回帰モデルは、前記第1プロセスデータと組織データとに加えて、材料の組成情報を含む組成データとの関係を機械学習して作成され、前記第1プロセスデータと組織データと組成データとの相関性を表すように作成され、
    前記第2回帰モデルは、前記第2プロセスデータと組織データとに加えて、材料の組成情報を含む組成データとの関係を機械学習して作成され、前記第2プロセスデータと組織データと組成データとの相関性を表すように作成される、
    請求項1に記載のプロセス推定方法。
  3. 前記材料が、セラミックス材料である、
    請求項1または2に記載のプロセス推定方法。
  4. 前記材料が、磁性材料である、
    請求項3に記載のプロセス推定方法。
  5. 前記組織データが、磁化温度依存性に基づく特徴量を含む、
    請求項またはに記載のプロセス推定方法。
  6. 前記対象工程は、混合工程、仮焼工程、微粉砕工程、成形工程、焼成工程の少なくともいずれか1つである、
    請求項1または2に記載のプロセス推定方法。
  7. 前記第1製造装置が研究設備であり、かつ、前記第2製造装置が量産設備であり、
    前記研究設備で製造した材料を前記量産設備で再現すべく、前記第3回帰モデルを用いて、前記研究設備で再現対象となる材料を製造した際の前記第1プロセスデータから、前記量産設備で再現対象となる材料を製造するための前記第2プロセスデータを推定する、
    請求項1または2に記載のプロセス推定方法。
  8. 前記第1製造装置が量産設備であり、かつ、前記第2製造装置が研究設備であり、
    前記第3回帰モデルを用いて、前記量産設備で量産可能な条件を表す前記第1プロセスデータから、これに対応した前記研究設備での実験条件となる前記第2プロセスデータを推定する、
    請求項1または2に記載のプロセス推定方法。
  9. 所定の対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第1製造装置における前記対象工程でのプロセス情報を含む第1プロセスデータを基に、
    前記第1製造装置とは異なる装置であり、かつ前記対象工程を含む少なくとも1つ以上の工程を経て材料を製造する第2製造装置における前記対象工程でのプロセス情報を含む第2プロセスデータを推定するプロセス推定装置であって、
    前記第1プロセスデータと、前記第1製造装置における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データとの関係を機械学習し、前記第1プロセスデータと該組織データとの相関性を表す第1回帰モデルを作成する第1回帰モデル作成処理部と、
    前記第2プロセスデータと、前記第2製造装置における前記対象工程後のサンプルから得られる組織データとの関係を機械学習し、前記第2プロセスデータと該組織データとの相関性を表す第2回帰モデルを作成する第2回帰モデル作成処理部と、
    前記第1回帰モデルと前記第2回帰モデルとを基に、前記第1プロセスデータと前記第2プロセスデータの相関性を表す第3回帰モデルを作成する第3回帰モデル作成処理部と、
    前記第3回帰モデルを用いて、任意の推定元の前記第1プロセスデータである推定元第1プロセスデータに応じた前記第2プロセスデータである推定第2プロセスデータを推定するプロセス推定処理部と、を備えた、
    プロセス推定装置。
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淺原 彰規,マテリアルズインフォマティクスを支えるアナリティクスとITプラットホーム,電子情報通信学会誌,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2021年01月01日, 第105巻 第1号,第52~57頁

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