JP7378924B2 - 光学素子、その製造方法、撮像装置、および光学機器 - Google Patents

光学素子、その製造方法、撮像装置、および光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP7378924B2
JP7378924B2 JP2018221464A JP2018221464A JP7378924B2 JP 7378924 B2 JP7378924 B2 JP 7378924B2 JP 2018221464 A JP2018221464 A JP 2018221464A JP 2018221464 A JP2018221464 A JP 2018221464A JP 7378924 B2 JP7378924 B2 JP 7378924B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peak intensity
optical element
film
base material
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018221464A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019109502A (ja
JP2019109502A5 (ja
Inventor
慶子 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to US16/216,410 priority Critical patent/US11105960B2/en
Priority to CN201811555862.5A priority patent/CN109932762B/zh
Publication of JP2019109502A publication Critical patent/JP2019109502A/ja
Publication of JP2019109502A5 publication Critical patent/JP2019109502A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7378924B2 publication Critical patent/JP7378924B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Description

本発明は、レンズ等の光学素子、光学素子の製造方法、撮像装置、および光学機器に関する。
可視光領域の波長以下の微細凹凸構造を用いた反射防止構造体は、適切なピッチ、高さの微細構造を形成することにより、広い波長領域ですぐれた反射防止性能を示すことが知られている。
微細周期構造を形成する方法としては、可視光波長以下の粒径の微粒子を分散した膜の塗布などが知られている。また、電子線描画装置やレーザー干渉露光装置、半導体露光装置、エッチング装置などの微細加工装置によるパターン形成によって微細周期構造を形成する方法は、ピッチ、高さの制御が可能であり、また、すぐれた反射防止性を有する微細周期構造を形成することができることが知られている。
さらに、アルミニウムの水酸化酸化物であるベーマイトを基材上に成長させて反射防止効果を得ることも知られている。これらの方法では、真空成膜法あるいは液相法(ゾルゲル法)により成膜した酸化アルミニウム(アルミナ)の膜を水蒸気処理あるいは温水浸漬処理することにより、表層をベーマイト化して微細構造を形成し、反射防止膜を得ている。特に、ベーマイトの微細構造を用いて反射防止膜を形成する方法では垂直入射および斜入射に対する反射率が極めて低く、優れた反射防止性能が得られることが知られている(特許文献1)。
これらの手法により作製された微細構造を有する反射防止膜は、構造やサイズの制御に限界がある。そのため、反射防止性能をより高めるために様々な工夫がなされてきた。例えば、屈折率構造の最適化と硝材からの影響抑制のため中間屈折率層を設ける、外部環境からのコンタミ防止のため酸化アルミニウムの層にリン酸塩化合物やカルボン酸化合物を含ませる、などの手法が知られている(特許文献2)。
特開2005-275372号公報 特開2013-228728号公報
しかしながら、近年は生産時の品質安定性、各種環境試験による変動抑制など、より厳しい製品性能が求められている。中でも、自動車の排気量が多い都市部においては、長期的に外部環境に晒され続けることで排気ガスに含まれるSOによる反射防止膜の性能劣化が問題となってくる。従来技術であるリン酸塩化合物やカルボン酸化合物では、かかる排気ガスによる反射防止膜の性能劣化を抑制する効果が低い。
本発明は、この様な従来の問題点に鑑みてなされたものであり、排気ガスが悪影響を与えるような使用環境下においても良好な光学特性を有する光学用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光学素子は、基材、および前記基材上に設けられた、多孔質な層を有し、前記多孔質な層は、Alを含む突起またはSiを含む粒子を有する膜を有する光学素子であって、前記突起または前記粒子は、その表面に有機系アミン化合物が付着しており、TOF-SIMSで測定される前記突起または前記粒子のポジティブイオンスペクトルにおいて、AlまたはSiのピーク強度に対するC(mは1以上8以下の整数、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合が1E-04以上1E-02以下であることを特徴とする。
本発明の光学素子の製造方法は、基材上に、Alを含む突起またはSiを含む粒子を含む多孔質な層を有する膜を形成する工程と、次いで、有機系アミン化合物を前記突起または前記粒子に付着させる工程と、を有し、TOF-SIMSで測定される前記突起または前記粒子のポジティブイオンスペクトルにおいて、AlまたはSiのピーク強度に対するC(mは1以上8以下の整数で、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合が1E-04以上1E-02以下にすることを特徴とする。
本発明の撮像装置は、上記の光学素子を通過した光を受光する撮像素子を備えることを特徴とする。
本発明の光学機器は、上記の光学素子を通過した光によって画像を生成することを特徴とする。
本発明によれば、微細凹凸構造を用いた反射防止膜が形成された光学素子において、排気ガス耐性の良好な光学素子を提供することができる。
本発明の光学素子の一実施形態を示す概略図である。 本発明の光学素子の一実施形態の断面を模式的に示す図である。 本発明の光学素子の実施形態における酸化アルミニウムの結晶を含む凹凸構造と基材との関係を説明する概略図である。 本発明の光学素子の製造方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明の光学素子の一実施形態を示す概略図である。 本発明の光学素子の一実施形態を示す概略図である。 本発明の撮像装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明の撮像装置の一実施形態を示す概略図である。
本実施形態は、排気ガスが悪影響を与えるような使用環境下においても良好な光学特性を有する光学用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本実施形態によれば、微細凹凸構造を用いた反射防止膜が形成された光学素子において、排気ガス耐性の良好な光学素子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
上述したように、本発明の光学素子は、基材、および前記基材上に設けられた、多孔質な層を有する膜を有し、前記多孔質な層は、Alを含む突起またはSiを含む粒子を有する光学素子であって、前記突起または前記粒子は、その表面に有機系アミン化合物が付着しており、TOF-SIMSで測定される前記突起または前記粒子のポジティブイオンスペクトルにおいて、AlまたはSiのピーク強度に対するC(mは1以上8以下の整数、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合が1E-04以上1E-02以下であることを特徴とする。
また、本発明の光学素子の製造方法は、基材上に、多孔質な層を有する膜であって、前記多孔質な層がAlを含む突起またはSiを含む粒子を有する膜を形成する工程と、次いで、有機系アミン化合物を前記突起または前記粒子に付着させる工程とを有し、TOF-SIMSで測定される前記突起または前記粒子のポジティブイオンスペクトルにおいて、AlまたはSiのピーク強度に対するC(mは1以上8以下の整数で、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合が1E-04以上1E-02以下にすることを特徴とする。

(基材)
本発明の光学部材で用いられる基材1としては、ガラス、プラスチック基材、ガラスミラー、プラスチックミラー等が挙げられる。
ガラス材料としては、アルカリ含有ガラス、無アルカリガラス、アルミナケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウム系ガラス、ランタン系ガラス、チタン系ガラス、フッ素系ガラスなどがあげられる。
プラスチック基材の代表的なものとしては、ポリエステル、トリアセチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂のフィルムや成形品;不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、架橋型ポリウレタン、架橋型アクリル樹脂、架橋型飽和ポリエステル樹脂など各種の熱硬化性樹脂から得られる架橋フィルムや架橋成形品等が挙げられる。
基材1として、図1において平板の場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、両凸レンズ、平凸レンズ、凸メニスカスレンズ、両凹レンズ、平凹レンズ、凹メニスカスレンズ、非球面レンズ、自由曲面レンズなどの形状の光学部材でもよい。
<第一の実施形態>
(有機系アミン化合物が付着した凹凸構造を有する層を有する反射防止膜)
本発明の一実施形態に係る光学素子は、基材表面に反射防止膜が形成された光学素子であって、該反射防止膜の最表層が酸化アルミニウムの結晶を含む凹凸構造を有する結晶層を有する。該結晶層の表面は凹凸構造(突起構造)となっている。そして、該結晶層の一部あるいは全部に有機系アミン化合物を含有することを特徴とする。
図1は、本発明の光学素子の一実施形態を示す概略図である。本実施形態の光学素子は、平板状の基材1の表面に反射防止膜10が形成された光学素子である。図1において、本実施形態の光学素子は、基材1の表面に酸化アルミニウムの結晶を含む凹凸構造を有する結晶層2が設けられてなる。該凹凸構造は、多数の突起6を有する。そして該凹凸構造を有する結晶層2には有機系アミン化合物3が含まれている。反射防止膜10は結晶層2から構成されている。
上記凹凸構造を有する結晶層2の一部に有機系アミン化合物を含有するとは、例えば図1に示すように、結晶層2の表面の一部分に点在し、かつ/または、結晶層2内部の基材1へ向かう方向の途中まで存在していることを言う。また、上記凹凸構造を有する結晶層2の全体に亘って有機系アミン化合物を含有していてもよい。
本実施形態に用いられる凹凸構造を有する結晶層2は、特定の材料のナノ構造であって、その材料固有の屈折率より低い見かけの屈折率が膜の厚さ方向に変化している、反射防止膜である。該特定の材料は、例えば酸化アルミニウムであることが好ましい。
該凹凸構造は、具体的には、反射防止膜が用いられる光学部品の使用波長より短い寸法を有する微細構造によって実現される。この微細構造は、その内部に、外部雰囲気から閉じられた閉空間および/または外部雰囲気に解放された開空間を複数有する。その結果、反射防止膜を構成している材料の屈折率(材料固有の屈折率)と、空間を占める(満たす)空気等の媒質の屈折率とが平均化される。これにより、反射防止膜は、反射防止膜を構成している材料の屈折率(材料固有の屈折率)より低い屈折率を有することになり、反射防止膜としての見かけの屈折率を低くすることができる。換言すれば、材料固有の屈折率とは、その材料の非多孔質の薄膜またはバルクの屈折率であり、見かけの屈折率とは空間を有することにより低くなった微細構造の膜の屈折率である。
そして、反射防止膜中における空間の占有率または固体部分の占有率を膜厚方向に変化させることにより、見かけの屈折率を変化させることができる。
図2は、本発明の一実施形態に用いられる反射防止膜の断面を模式的に示す図であり、固体部分(突起)6と空間11を有している。光の入射側から光の進行方向(矢印A)に沿って、見かけの屈折率を断続的または連続的に増加させることが好ましい。あるいは、光の入射側から光の進行方向(矢印B)に沿って、見かけの屈折率を断続的または連続的に減少させることが好ましい。特に外部雰囲気に接する反射防止膜の最表面は屈折率が1に近く、当該最表面から反射防止膜の膜厚方向に深くなるに従って屈折率が、反射防止膜を構成している材料固有の屈折率(例えば、1.4~3.0)に近づくように、徐々に屈折率が増加する光学的特性を有することが好ましい。
反射防止膜は互いに空間または固体部分の占有率が異なる少なくとも2層の微細構造を積層したり、空間または固体部分の占有率が異なるように分布を持たせたりした構造であってもよい。そして、反射防止膜の最表面側においては空間が外部雰囲気と連通することにより、平滑ではない微細な凹凸構造を有しており、その凸部分(突起)の厚さ(t)は素子の使用波長より小さく、具体的にはナノメーターオーダーのサイズである。
(微細凹凸構造と基材との関係)
上記実施形態において、凹凸構造を有する結晶層2を構成する酸化アルミニウムの結晶は、アルミニウムの酸化物または水酸化物またはそれらの水和物により形成される。特に好ましい結晶はベーマイトである。また、これらの結晶を配することで、その端部が微細な突起を形成するので、その突起の高さを大きくし、その間隔を狭めるために、結晶は基材の表面に対して選択的に特定の角度で配置される。
図3は、本発明の実施形態における、酸化アルミニウムの結晶を含む凹凸構造と基材との関係を説明する概略図である。基材1の表面が平板、フィルムないしシートなどの平面の場合、図3(a)で示すように、突起6は、基材表面8に対して、突起6の傾斜方向7と基材表面8とが成す角度θ1の平均角度が、45°以上90°以下、好ましくは60°以上90°以下となるように配置されることが望ましい。
また、基材1の表面が二次元あるいは三次元の曲面を有する場合、図3(b)で示すように、突起6は、基材の表面に対して、突起6の傾斜方向7と基材表面8の接線9とが成す角度θ2の平均角度が、45°以上90°以下、好ましくは60°以上90°以下となるように配置されることが望ましい。なお、上記の角度θ1およびθ2の値は、突起の傾きにより90°をこえる場合があるが、この場合は90°以下となるような条件下で測定された値とする。
上記凹凸構造を有する結晶層2の層厚は、好ましくは20nm以上1000nm以下であり、より好ましくは50nm以上1000nm以下である。凹凸構造を有する結晶層2の層厚が20nm以上1000nm以下であると、凹凸構造による反射防止性能が効果的に発揮され、また突起の機械的強度が損なわれるおそれがなくなり、凹凸構造の製造コストも抑えることが可能になる。また、層厚を50nm以上1000nm以下とすることにより、反射防止性能がさらに高まることになり、より好ましい。
また、このような微細な凹凸構造(突起)の反射防止膜と基材との間に、別の中間層を形成することもできる。このような中間層としては、反射防止膜の見かけの屈折率と基材の屈折率の中間の屈折率を有する固体膜が好ましく用いられる。具体的には、反射防止膜の材料として用いられるSiO、TiO、ZrO、ZnO、Taなどの金属化合物のような無機物、或いは、ポリイミドに代表される樹脂のような有機物であり得る。
(有機系アミン化合物)
微細凹凸構造を有する結晶層は多孔質であるため、排気ガス濃度が高い環境に長期間晒され続けると、排気ガス中に含まれるSOなどの有害ガスが内部に吸収されやすい。すると、結晶層全体の屈折率などの特性が変化する、外観に曇りが発生するなどの問題が起き易くなる。
本発明における有機系アミン化合物3は、SOを吸収する働きがあり、なおかつ弱アルカリ性の性質を有する。この化合物の適量を結晶層の最表面に存在させることによって、結晶層内部へのSOの侵入を阻み、かつ弱酸性である結晶層の変化を抑制する効果が生じると考えられる。ただし、この有機系アミン化合物が大量に付着してしまうと、該アミン化合物自体がコンタミとなって反射率性能に悪影響を与えてしまう。
有機系アミン化合物の存在量は、TOF-SIMS分析(飛行時間型二次イオン質量分析法)から算出することができる。この分析によって得られるポジティブイオンスペクトルにおいて、結晶層の存在を表すAlのピーク強度に対してCmHnN(mは1以上8以下の整数、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合が1E-04以上であることが好ましく、さらに1E-02以下であることが好ましい。より好ましくは、1.6E-04以上9.5E-03以下である。1E-04未満であると有機系アミン化合物量が少なすぎてSO侵入阻害効果が発揮されない。一方、1E-02を超えると有機系アミン化合物がコンタミとなって透明性や反射率性能に悪影響を与えてしまう。本明細書において、結晶層の存在を表すAlのピーク強度に対してCmHnN(mは1以上8以下の整数、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合とは、測定の結果、CmHnNに該当するピークが複数存在する場合はピーク強度がもっとも大きいピークを判定対象とする。
(凹凸構造を有する層を有する反射防止膜を有する光学素子の製造方法)
本発明の一実施形態に係る光学素子の製造方法は、基材表面に反射防止膜が形成されてなる光学素子の製造方法であって、以下の3工程A、B、Cを含むことを特徴としている。
A.基材上に、酸化アルミニウムを含む酸化アルミニウム層を形成する工程。
B.前記酸化アルミニウム層を60℃以上100℃以下の温水あるいは水蒸気に接触させて凹凸構造を有する結晶層を形成する工程。
C.前記結晶層上に、有機系アミン化合物を付着させる工程。
図4は、本発明の光学素子の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
上記の酸化アルミニウムの結晶層とは、酸化アルミニウムを含む膜を温水あるいは水蒸気に接触させることより、酸化アルミニウム膜の表層が解膠作用等を受け、膜の表層に析出、成長した結晶層2のことを言い、その形態は微細な凹凸構造となる。凹凸構造からなる結晶層2には大小様々な結晶がランダムに配置され、その上端部が突起を形成する。そのため、突起の高さや大きさ、角度、突起同士の間隔を変化させるためには結晶の析出、成長を制御する必要がある。
図4(a)は、基材1上に、酸化アルミニウムを含む酸化アルミニウム層5を形成する工程Aを示す。
本発明における凹凸構造を有する反射防止膜10は、板状結晶膜により表面が凹凸形状となっている。この板状結晶は、アルミニウムを含む膜を温水に浸漬することにより、アルミニウムを含む膜の表面が溶解・再析出することで形成される。
上記のアルミニウムを含む膜は、ゾルゲル法等によって形成された酸化アルミニウムを主成分とする膜や、公知のCVD法、蒸着、スパッタなどのPVD法等の気相成長法を用いて形成した金属アルミニウム膜や、アルミニウム金属を含む金属膜もしくは酸化物膜であってもよい。
また、上記アルミニウムを含む膜の原料としては、ジルコニウム、シリコン、チタニウム、亜鉛の各々の化合物とアルミニウム化合物の混合物を用いてもよい。ジルコニア、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、アルミナの原料として、各々の金属アルコキシドや塩化物や硝酸塩などの塩化合物を用いることができる。成膜性の観点からは、特にジルコニア、シリカ、チタニアは金属アルコキシドを用いることが好ましい。
図4(b)は、前記酸化アルミニウム層5を温水あるいは水蒸気に接触させて凹凸構造を有する結晶層2を形成する工程Bを示す。前記酸化アルミニウム膜の表面を温水に接触させることにより、酸化アルミニウムの結晶を形成する。温水は、60℃以上100℃以下の範囲とし、温水中に5分~24時間接触させた後、乾燥させる。
かかる方法としては、例えば、特開2006-259711号公報、特開2005-275372号公報等に記載されている方法を用いることができる。
本発明の光学素子は、以上説明した膜の他に、各種機能を付与するための膜をさらに有することができる。例えば、基材と反射防止膜との間に、さらに単層、または複数層の膜を中間層として設けることもできる。これにより、さらなる反射防止性能の向上が可能になる。
このような中間層としては、反射防止膜の見かけの屈折率と基材の屈折率の中間の屈折率を有する固体膜が好ましく用いられる。具体的には、反射防止膜の材料として用いられるSiO、TiO、ZrO、ZnO、Taなどの金属化合物のような無機物、あるいは、ポリイミドに代表される樹脂のような有機物であり得る。
図4(c)は、上記結晶層2上に、有機系アミン化合物3を付着させる工程Cを示す。
本発明において、上記結晶層2上に付着させる有機系アミン化合物3は、ケチミン系誘導体を含有する硬化剤材料から選択されることが望ましい。具体的には、三菱ケミカル(株)製硬化剤jERキュアH30(商品名)、(株)ADEKA製硬化剤EH-235R-2(商品名)などが挙げられる。ケチミン基を有する硬化剤は水と加水分解反応してアミンを生成し易い。そのため、適度な長さの脂肪族炭化水素基を側鎖に持つアミンが形成され、結晶層の表面に付着する。そして、結晶層の主成分である酸化アルミニウムとは反応することなく、SOなどの排気ガス中有害物質を吸着する性能を発揮する。
結晶層の表面に付着させるためには、これらの材料を単体で用いても、溶剤や樹脂に混ぜて用いても良い。また、上記結晶層上に有機系アミン化合物を付着させるためには、結晶層を硬化剤材料と共に容器の中に封入し、その後に容器ごとオーブン等で加熱処理する方法や、硬化剤材料を加熱し、揮発してきた有機系アミン化合物を結晶層の表面に付着させる方法や、溶媒に希釈した硬化剤材料を直接コートする方法がある。直接コートする方法としてはスピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法などが望ましい。ただし、付着量は非常に僅かでなければならないため、揮発させる場合は少量を100℃以下の低温で揮発させる、コートする場合は低濃度に希釈するなどの工夫が必要である。
また、本発明に係る製造方法においては、基材上に酸化アルミニウム層を形成する前に、中間屈折率層を形成する工程を設けることができる。
図5は、基材1と、酸化アルミニウムの結晶を含む凹凸構造を有する結晶層2の間に中間屈折率層4を設けた光学用部材の例を概略的に示すものである。この場合、基材1上の反射防止膜10は、中間屈折率層4と結晶層2とから構成されている。
上記の基材1と結晶層2との間に中間屈折率層4を有する光学用部材では、基材1の屈折率nbと、中間屈折率層4の屈折率niと、酸化アルミニウムの結晶を含む凹凸構造を有する結晶層2の屈折率nsが、nb>ni>nsの関係にあることが好ましい。
中間屈折率層4は、無機材料もしくは有機材料からなる透明膜であることが好ましい。かかる無機材料の例としては、SiO、TiO、ZrO、ZnO、Taなどの金属酸化物が挙げられる。無機材料からなる中間屈折率層4を形成する方法としては、蒸着やスパッタなどの真空成膜法、金属酸化物前駆体ゾルの塗布によるゾル-ゲル法などが挙げられる。
上記の有機材料の例としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、マレイミド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、レゾール樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリケトン、ポリスルホン、ポリフェニレン、ポリキシリレン、ポリシクロオレフィンなどのポリマーが挙げられる。
有機材料からなる中間屈折率層4を形成する方法としては、主にその溶液の塗布により成膜するウエットコート法などが挙げられる。
また、中間屈折率層をウエット工程で作製する場合、適宜、乾燥工程を加えてもよい。
<第二の実施形態>
(有機系アミン化合物が付着した多孔質層を有する反射防止膜)
図6を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。図6において、1は基材、12は多孔質層、3は有機系アミン化合物を示す。図6に示す本発明の第二の実施形態に係る光学素子は、第一の実施形態で説明した、凹凸構造を有する結晶層2(図4参照)に代えて、多孔質層12を有するものである。凹凸構造を有する層に代えて多孔質層を用いても同様の効果を得ることができる。本実施形態は、凹凸構造を有する結晶層2に代えて多孔質層12を用いること以外は第一の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。多孔質層の例としては、酸化シリコンの微粒子や中空粒子が堆積した層が挙げられる。かかる粒子を水や溶媒に分散した分散液をスピンコートなどで塗布することができ、その際、粒子間にできる空隙により膜の密度が低下し、低屈折率層を形成することができる。多孔質層の層厚は、好ましくは30nm以上300nm以下であり、より好ましくは50nm以上200nm以下である。
有機系アミン化合物3の存在量は、TOF-SIMS分析(飛行時間型二次イオン質量分析法)から算出することができる。この分析によって得られるポジティブイオンスペクトルにおいて、結晶層の存在を表すSiのピーク強度に対してCmHnN(mは1以上8以下の整数、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合が1E-04以上であることが好ましく、さらに1E-02以下であることが好ましい。1E-04未満であると有機系アミン化合物量が少なすぎてSO侵入阻害効果が発揮されない。一方、1E-02を超えると有機系アミン化合物がコンタミとなって透明性や反射率性能に悪影響を与えてしまう。本明細書において、結晶層の存在を表すSiのピーク強度に対してCmHnN(mは1以上8以下の整数、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合とは、測定の結果、CmHnNに該当するピークが複数存在する場合はピーク強度がもっとも大きいピークを判定対象とする。
<第三の実施形態>
図7は、本発明の光学機器の一例であるレンズ鏡筒(交換レンズ)が結合された、本発明の撮像装置の好適な実施形態の一例である一眼レフデジタルカメラの構成を示している。また、図8は、本発明の撮像装置の好適な実施形態の一例である、ネットワークカメラの構成を示している。
本発明の光学機器とは、双眼鏡、顕微鏡、半導体露光装置、交換レンズ等、本発明の光学素子を含む光学系を備える機器のことをいう。あるいは本発明の光学素子を通過した光によって画像を生成する機器のことをいう。
また、本発明の撮像装置とは、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のカメラシステムや、携帯電話機等の本発明の光学素子を通過した光を受光する撮像素子を備える電子機器のことをいう。なお、電子機器に搭載されるモジュール状の形態、例えばカメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
図7において、カメラ600は、カメラ本体602と光学機器であるレンズ鏡筒601とが結合されて構成されているが、レンズ鏡筒601はカメラ本体602対して着脱可能ないわゆる交換レンズである。
被写体からの光は、レンズ鏡筒601の筐体620内の撮影光学系の光軸上に配置された複数のレンズ603、605などからなる光学系を通過し、撮像素子に受光される。本発明の光学素子は例えば、レンズ603に用いることができる。
ここで、レンズ605は内筒604によって支持されて、フォーカシングやズーミングのためにレンズ鏡筒601の外筒に対して可動支持されている。
撮影前の観察期間では、被写体からの光は、カメラ本体の筐体621内の主ミラー607により反射され、プリズム611を透過後、ファインダレンズ612を通して撮影者に撮影画像が映し出される。主ミラー607は例えばハーフミラーとなっており、主ミラーを透過した光はサブミラー608によりAF(オートフォーカス)ユニット613の方向に反射され、例えばこの反射光は測距に使用される。また、主ミラー607は主ミラーホルダ640に接着などによって装着、支持されている。不図示の駆動機構を介して、撮影時には主ミラー607とサブミラー608を光路外に移動させ、シャッタ609を開き、撮像素子610にレンズ鏡筒601から入射した撮影光像を結像させる。また、絞り606は、開口面積を変更することにより撮影時の明るさや焦点深度を変更できるよう構成される。
図8(a)は、本発明の撮像装置の一例であるネットワークカメラの外観図、図8(b)は図8(a)に示すネットワークカメラの分解斜視図である。なお、本実施形態では、ネットワークカメラの一例として、外部の画像監視センター等のサーバ(監視装置)と無線又は有線により通信可能に接続されてサーバ側で撮像画像を監視する画像監視システムを構成するネットワークカメラを例示するが、本発明の適用対象はこれに限定されない。
本実施形態のネットワークカメラは、図8に示すように、上カバー103、下カバー102、及びドーム状のカバー101(以下、ドームカバー101という)によって形成される外装カバーの内部に撮像ユニット200が設けられている。撮像ユニット200は、複数のレンズからなる光学系(不図示)と該光学系を通過した光を受光する撮像素子(不図示)を有している。ドームカバー101は、撮像ユニット200の撮影可能範囲の正面側(被写体側)に配置されて撮像ユニット200に含まれる光学系(不図示)を保護する略半球状の透明部材である。本発明の反射防止膜は、ドーム状のカバー101に設けられていてもよいし、撮像ユニット200に含まれる光学系(不図示)を構成するレンズの少なくとも一つに設けられていてもよい。光学系(不図示)を構成するレンズの少なくとも一つに設けられている場合は、もっとも外側(撮像素子からもっとも遠いレンズ)に設けられていると、本発明の効果をより顕著に得ることができる。
次に、実施例により本発明について詳細に説明する。ただし、本発明はかかる実施例に何ら限定されるものではない。
なお、各実施例と比較例で得られた微細凹凸構造を有する反射防止膜について、下記の方法で性能評価を行った。
(性能評価)
反射防止膜を形成したモニターガラスについて、排気ガス試験後の外観評価(曇りの発生の有無を目視で確認する)および排気ガス試験の前後での反射率評価(絶対反射率測定装置(USPM-RU(商品名)、オリンパス(株)製)を用い、波長400nm~700nmの範囲の光の入射角が0°である時の反射率を測定する)を行った。
外観評価については、曇りが発生した場合はC、発生しなかった場合はAとした。反射率評価については、波長400nm~700nmの反射率の平均値を平均反射率とし、その数値が0.3以下であればB、0.3より大きければDとした。
[実施例1]
(凹凸構造を有する反射防止膜の形成)
評価用のモニターガラスとして、材質がS-LaH55(nd=1.83;(株)オハラ製)であり、形状が直径30mm、厚さ1mmのものを用いた。
このモニターガラスをアルカリ洗剤中で超音波洗浄した後、オーブン中で乾燥した。その後、モニターガラス表面に酸化アルミニウム前駆体ゾルを適量滴下し、回転数を3000rpmとして20秒間スピンコートを行った。その後、140℃の熱風循環オーブンで30分間焼成し、非晶性酸化アルミニウム膜を被膜した。その後、75℃の温水に20分浸漬することで、モニターガラスの表面に酸化アルミニウムの結晶を含む微細凹凸構造を有する反射防止膜が形成されたサンプルを得た。
(有機系アミン化合物の付着)
アミン系硬化剤材料として三菱ケミカル(株)製硬化剤jERキュアH30(商品名)1.0gをアルミホイルカップに秤量し、大型シャーレの中にサンプルと共に封入した。その後、大型シャーレごとオーブンで90℃、2時間、加熱処理を行った。この処理により、硬化剤から揮発した有機系アミン化合物が反射防止膜の表面に付着した。
(排気ガス試験)
CSE規格に基づき、SO濃度を5ppmに調整した空間にサンプルを封入し、温度25℃・湿度65%の環境に10時間置いた。
(性能評価)
・サンプルの排気ガス試験後の外観は、曇りが発生していなかった。
・サンプルの排気ガス試験前の平均反射率は0.06であり、試験後の平均反射率は0.09であった。
(CmHnNの存在量の測定)
サンプル表面についてTOF-SIMS分析を行い、得られたポジティブイオンスペクトルからAlとCmHnNに対応するピークを選択し、そのピーク強度の比を算出した。測定条件を以下に示す。装置:ION-TOF社製TOF-SIMSIV;一次イオン:Ga;加速電圧:25kV
TOF-SIMS分析の結果、対象となるCmHnNピークの中で最大となるピークはC6H12Nであり、ピーク強度は4.0E+03であった。また、Alのピーク強度は5.0E+05であり、CmHnN/Alは8.0E-03であった。
[実施例2]
実施例2では、用いるアミン系硬化剤材料を(株)ADEKA製硬化剤EH-235R-2(商品名)に代えた以外は実施例1と同様の条件、操作でサンプルを作製し、性能評価を行った。
・サンプルの排気ガス試験後の外観は、曇りが発生していなかった。
・サンプルの排気ガス試験前の平均反射率は0.12であり、試験後の平均反射率は0.18であった。
TOF-SIMS分析の結果、対象となるCmHnNピークの中で最大となるピークはC3H6Nであり、ピーク強度は2.1E+03であった。また、Alのピーク強度は2.2E+05であり、CmHnN/Alは9.5E-03であった。
[実施例3]
実施例3では、jERキュアH30の0.5gをPGMEの100gに混合させた溶液をモニターガラス表面に適量滴下し、回転数を4000rpmとして20秒間スピンコートを行った以外は実施例1と同様の条件、操作でサンプルを作製し、性能評価を行った。
・サンプルの排気ガス試験後の外観は、曇りが発生していなかった。
・サンプルの排気ガス試験前の平均反射率は0.15であり、試験後の平均反射率は0.21であった。
TOF-SIMS分析の結果、対象となるCmHnNピークの中で最大となるピークC6H12Nであり、ピーク強度は6.0E+01であった。また、Alのピーク強度は3.8E+05であり、CmHnN/Alは1.6E-04であった。
[実施例4]
実施例4では、反射防止膜をゾルゲル膜のウエットコートではなくスパッタ成膜で作製した。具体的には、ターゲットはアルミニウムを用い、ArガスとOガスをそれぞれ10sccm流し、成膜圧力は0.4Pa、DC電源で300Wを印加し、50分間成膜した。それ以外は実施例1と同様の条件、操作でサンプルを作製し、性能評価を行った。
・サンプルの排気ガス試験後の外観は、曇りが発生していなかった。
・サンプルの排気ガス試験前の平均反射率は0.07であり、試験後の平均反射率は0.10であった。
TOF-SIMS分析の結果、対象となるCmHnNピークの中で最大となるピークはC6H12Nであり、ピーク強度は3.8E+03であった。また、Alのピーク強度は6.0E+05であり、CmHnN/Alは6.3E-03であった。
[比較例1]
比較例1では、有機系アミン化合物を付着させない以外は実施例1と同様の条件、操作でサンプルを作製し、性能評価を行った。
・サンプルの排気ガス試験後の外観は、曇りが発生していた。
・サンプルの排気ガス試験前の平均反射率は0.11であり、試験後の平均反射率は0.62であった。
TOF-SIMS分析の結果、対象となるCmHnNピークの中で最大となるピークはC6H12Nであり、ピーク強度は4.0E+01であった。また、Alのピーク強度は4.8E+05であり、CmHnN/Alは8.3E-05であった。
[比較例2]
比較例2では、用いる有機系アミン化合物jERキュアH30の分量を10gにした以外は実施例3と同様の条件、操作でサンプルを作製し、性能評価を行った。
・サンプルの排気ガス試験後の外観は、曇りが発生していた。
・サンプルの排気ガス試験前の平均反射率は0.44であり、試験後の平均反射率は0.46であった。
TOF-SIMS分析の結果、対象となるCmHnNピークの中で最大となるピークはC6H12Nであり、ピーク強度は3.2E+05であった。また、Alのピーク強度は5.4E+05であり、CmHnN/Alは5.9E-01であった。実施例1~4と比較例1~2の結果を表1に合わせて示した。
Figure 0007378924000001
本発明に係る光学素子は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のカメラシステムや、携帯電話機等の撮像機能を有する電子機器等の撮像装置に用いることが可能である。また、交換レンズ、双眼鏡、顕微鏡、半導体露光装置等の光学機器に用いることが可能である。
1 基材
2 結晶層
3 有機系アミン化合物
4 中間屈折率層
5 酸化アルミニウム層
6 突起
7 傾斜方向
8 基材表面
9 接線
10 反射防止膜
11 空間

Claims (10)

  1. 基材、および
    前記基材上に設けられた、多孔質な層を有する膜を有し、
    前記多孔質な層は、Alを含む突起またはSiを含む粒子
    を有する光学素子であって、
    前記突起または前記粒子は、その表面に有機系アミン化合物が付着しており
    TOF-SIMSで測定される前記突起または前記粒子のポジティブイオンスペクトルにおいて、AlまたはSiのピーク強度に対するC(mは1以上8以下の整数、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合が1E-04以上1E-02以下であることを特徴とする光学素子。
  2. 前記多孔質な層はAlを含む突起を含み、前記ポジティブイオンスペクトルにおいてAlのピーク強度に対するCmHnNのピーク強度の割合が、1.6E-04以上9.5E-03以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記CのピークがC12またはCのピークであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記膜は、前記層と前記基材の間に、ポリマー層を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 基材上に、多孔質な層を有する膜であって、前記多孔質な層がAlを含む突起またはSiを含む粒子を有する膜を形成する工程、および
    有機系アミン化合物を前記突起または前記粒子に付着させる工程
    を含み、
    TOF-SIMSで測定される前記突起または前記粒子のポジティブイオンスペクトルにおいて、AlまたはSiのピーク強度に対するC(mは1以上8以下の数で、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合が1E-04以上1E-02以
    下にすることを特徴とする光学素子の製造方法。
  6. 光学素子、および
    レンズ
    を有する光学機器であって、
    前記光学素子は基材、および前記基材上に設けられた、多孔質な層を有する膜を有し、
    前記多孔質な層は、Alを含む突起またはSiを含む粒子を有し、
    前記突起または前記粒子は、その表面に有機系アミン化合物が付着しており
    TOF-SIMSで測定される前記突起または前記粒子のポジティブイオンスペクトルにおいて、AlまたはSiのピーク強度に対するC(mは1以上8以下の整数で、nは2以上16以下の整数)のピーク強度の割合が1E-04以上1E-02以下であることを特徴とする光学機器。
  7. 前記多孔質な層は、Alを含む突起を含み、前記ポジティブイオンスペクトルにおいてAlのピーク強度に対するCのピーク強度の割合が、1.6E-04以上9.5E-03以下であることを特徴とする請求項6に記載の光学機器。
  8. 前記光学素子がレンズまたはカバーである請求項6または7に記載の光学機器。
  9. 前記CのピークがC12またはCのピークである請求項6から8のいずれか1項に記載の光学機器。
  10. 前記膜は、前記層と前記基材の間に、ポリマー層を含むことを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の光学機器。
JP2018221464A 2017-12-19 2018-11-27 光学素子、その製造方法、撮像装置、および光学機器 Active JP7378924B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/216,410 US11105960B2 (en) 2017-12-19 2018-12-11 Optical element and method of producing the element, and optical instrument
CN201811555862.5A CN109932762B (zh) 2017-12-19 2018-12-19 光学元件和制造该元件的方法、以及光学仪器

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017243013 2017-12-19
JP2017243013 2017-12-19

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019109502A JP2019109502A (ja) 2019-07-04
JP2019109502A5 JP2019109502A5 (ja) 2022-01-06
JP7378924B2 true JP7378924B2 (ja) 2023-11-14

Family

ID=67179766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018221464A Active JP7378924B2 (ja) 2017-12-19 2018-11-27 光学素子、その製造方法、撮像装置、および光学機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7378924B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114578462A (zh) * 2021-03-22 2022-06-03 浙江舜宇光学有限公司 光学成像镜头

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003231827A (ja) 2002-02-12 2003-08-19 Canon Inc 防曇性コーティング材料、防曇性コーティング膜および防曇性光学部材
JP2013228728A (ja) 2012-03-29 2013-11-07 Canon Inc 光学用部材およびその製造方法
WO2014157718A1 (ja) 2013-03-29 2014-10-02 三菱レイヨン株式会社 物品
WO2017159301A1 (ja) 2016-03-18 2017-09-21 富士フイルム株式会社 積層体、積層体の製造方法、及び反射防止フィルムの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003231827A (ja) 2002-02-12 2003-08-19 Canon Inc 防曇性コーティング材料、防曇性コーティング膜および防曇性光学部材
JP2013228728A (ja) 2012-03-29 2013-11-07 Canon Inc 光学用部材およびその製造方法
WO2014157718A1 (ja) 2013-03-29 2014-10-02 三菱レイヨン株式会社 物品
WO2017159301A1 (ja) 2016-03-18 2017-09-21 富士フイルム株式会社 積層体、積層体の製造方法、及び反射防止フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019109502A (ja) 2019-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6317954B2 (ja) レンズユニット、撮像モジュール、及び電子機器
JP6903994B2 (ja) 光学素子及びその製造方法
JP2007183366A (ja) 防塵性光透過性部材及びその用途、並びにその部材を具備する撮像装置
JP7471892B2 (ja) 光学部材及び光学部材の製造方法
US7239451B2 (en) Plastic optical components and an optical unit using the same
JP2004361732A (ja) プラスチック製光学素子
US7248414B2 (en) Plastic optical components and an optical unit using the same
JP7378924B2 (ja) 光学素子、その製造方法、撮像装置、および光学機器
US12006439B2 (en) Optical member, optical device and coating liquid
JP2007078715A (ja) プラスチック製光学部品およびこれを用いた光学ユニット、ならびにプラスチック光学部品上に無機系防湿皮膜を形成する方法
US20220098093A1 (en) Member with porous layer and coating liquid for forming porous layer
JP2005173326A (ja) プラスチック製光学部品
US20230339817A1 (en) Article including porous layer containing inorganic particles,and coating liquid for forming porous layer containinginorganic particles
US11105960B2 (en) Optical element and method of producing the element, and optical instrument
JP2013105846A (ja) 防曇性膜を有する光学部品、半導体装置
JP7385364B2 (ja) 光学部材、光学部材の製造方法、光学機器、及び撮像装置
US11531142B2 (en) Optical member and method for manufacturing optical member
JP2022078665A (ja) 光学部材及び光学部材の製造方法
WO2020196851A1 (ja) 多孔質膜、光学素子、光学系、交換レンズ、光学装置および多孔質膜の製造方法
JP7401351B2 (ja) 部材、光学機器、塗工液、部材の製造方法、多孔質膜
WO2024095908A1 (ja) 光干渉層を有する部材および光学機器
JP2022054404A (ja) 多孔質層を有する部材および多孔質層を形成するための塗工液
JP2020181073A (ja) 膜付きレンズ、レンズユニットおよびカメラモジュール
JP2024065684A (ja) 光干渉層を有する部材およびその製造方法
JP2006146025A (ja) プラスチック製光学部品、およびこれを用いた光学ユニット、ならびにこれらの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211126

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20220630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230815

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231101

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7378924

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151