JP7377052B2 - 液体吐出装置およびインクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出装置、および、それを備えたインクジェットプリンタに関する。
従来から、液体が貯留された圧力室と、圧力室の一部を区画する振動板と、振動板に連結されたアクチュエータと、圧力室に連通するノズルと、アクチュエータに駆動信号を供給することによりアクチュエータを駆動する制御装置とを備えた液体吐出装置が知られている。このような液体吐出装置は、例えば、液体としてインクを吐出するインクジェットプリンタなどに設けられている。
上記液体吐出装置を備えたインクジェットプリンタでは、制御装置がアクチュエータに駆動信号を供給すると、アクチュエータが変形し、それに伴って振動板が変形する。これにより、圧力室の容積が増加または減少し、圧力室内のインクの圧力が変化する。この圧力の変化に伴い、ノズルからインクが吐出される。吐出されたインクはインク滴となって飛翔し、記録紙などの記録媒体に着弾する。その結果、記録紙上に1つのドットが形成される。そして、このようなドットを記録紙上に多数形成することにより、画像などが形成される。例えば、特許文献1には、サイズの異なる3つ以上のドットを形成できる駆動信号を生成する駆動信号生成回路を備えた液体吐出装置、およびインクジェットプリンタが開示されている。
特開2017-159463号公報
インクジェットプリンタ等に搭載された液体吐出装置では、例えば、液体を吐出しない時間がある程度続いた場合には、使用前に液体を吐出する作業が行われることがしばしばある。この使用前の吐出では、気泡や古い液体を排出することの他、ノズルに付着した液体を除去することが目的とされている。ノズルに液体が付着したまま液体を吐出すると、液体の飛翔方向が曲がる不具合などが発生する可能性が高くなる。
使用前の吐出では、典型的には、圧力室を膨張させてから収縮させる駆動信号がアクチュエータに供給される。このような駆動信号をアクチュエータに供給すると、ノズルに形成されていたメニスカスの位置が一度圧力室側に移動する。また、このような駆動信号をアクチュエータに供給することによって吐出される液体は、ノズルを通過するときの速度が速い。そこで、吐出される液体の液柱は細くなる。液柱が細いと、液柱はノズルに付着した液体と接触することなく飛翔することが多くなる。その結果、ノズルに付着した液体を除去できないことが多くなる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用前の液体吐出において、ノズルに付着した液体をより確実に除去できる液体吐出装置を提供することである。また、そのような液体吐出装置を備えたインクジェットプリンタを提供することである。
ここに開示する液体吐出装置は、内部に液体が貯留される圧力室が形成されたケースと、前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する振動板と、前記振動板に連結され、電気信号が供給されると変形するアクチュエータと、前記ケースに形成され、前記圧力室と連通するノズルと、前記アクチュエータを駆動させる駆動信号を駆動周期毎に生成する駆動信号生成回路と、前記駆動信号生成回路が生成する前記駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給回路と、前記アクチュエータを駆動させる1つまたは複数のモードが登録されたモード登録部とを備えている。
前記駆動信号は、第1波形部と、第2波形部と、第3波形部とを有している。前記第1波形部は、前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を収縮させる。前記第2波形部は、前記第1波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を一定に保つ。前記第3波形部は、前記第2波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を膨張させる。
前記駆動信号供給回路は、モードが第1モードである場合には、前記アクチュエータに供給される前記駆動信号の一部または全部の先頭が前記第1波形部となるように、少なくとも前記第1波形部、前記第2波形部、および前記第3波形部を前記アクチュエータに供給する。
上記液体吐出装置によれば、第1モードでは、液体は、第1波形部を受けたアクチュエータの駆動力によってノズルから押し出される。第1波形部はアクチュエータに供給される駆動信号の一部または全部の中で先頭に位置している。そこで、液体は、圧力室の膨張によって圧力室側に引き込まれるプロセスを経ることなく、ノズルから押し出される。そのため、ノズルから押し出される液体の液柱の太さは、圧力室を膨張させてから収縮させる駆動信号の場合に比べて太くなる。そこで、吐出される液体の液柱がノズルに付着した液体と接触する確率が高くなり、ノズルに付着した液体をより確実に除去できるようになる。
なお、アクチュエータに供給される駆動信号の一部または全部の「先頭」であるとは、実質的に先頭であることを意味する。即ち、アクチュエータに供給される駆動信号の一部または全部において、液体を吐出することに関係のない波形、例えば、液体のメニスカスを微振動させる波形などが第1波形部よりも前に存在する場合も、第1波形部が先頭であることに含まれる。
一実施形態に係るプリンタの斜視図である。 インクジェットプリンタの主要部を表す正面図である。 吐出ヘッドのノズル近傍の部分断面図である。 制御装置の一部のブロック図である。 第1駆動信号の波形の一例を示す波形図である。 第2駆動信号の波形の一例を示す波形図である。 従来のメンテナンス用の駆動信号の一例を示す波形図である。 従来のメンテナンス用の駆動信号をアクチュエータに供給したときのインクの挙動を表す模式図である。 第2駆動信号をアクチュエータに供給したときのインクの挙動を表す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタの実施形態について説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の斜視図である。図2は、インクジェットプリンタ10の主要部を表す正面図である。図1および図2において、符号LおよびRは、それぞれ左および右を示している。符号FおよびRrは、それぞれ前および後を示している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、インクジェットプリンタ10の設置態様を何ら限定するものではない。
インクジェットプリンタ10は、記録媒体5に印刷を行うためのものである。記録媒体5は記録媒体の一例であり、インクが吐出される対象物の一例である。なお、記録媒体には、普通紙などの紙類はもちろんのこと、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)やポリエステルなどの樹脂材料、アルミニウム、鉄、木材などの各種の材料からなる記録媒体が含まれる。
インクジェットプリンタ10は、ケーシング2と、ケーシング2内に配置されたガイドレール3とを備えている。ガイドレール3は、左右方向に延びている。ガイドレール3には、インクを吐出する吐出ヘッド15が設けられたキャリッジ1が係合している。キャリッジ1は、キャリッジ移動機構8によって、ガイドレール3に沿って左右方向(走査方向)に往復移動する。キャリッジ移動機構8は、ガイドレール3の左端側および右端側に配置されたプーリ19b、19aを有している。プーリ19aにはキャリッジモータ8aが連結されている。なお、キャリッジモータ8aはプーリ19bに連結されていてもよい。プーリ19aは、キャリッジモータ8aによって駆動される。両プーリ19a、19bには、それぞれ無端状のベルト6が巻き掛けられている。キャリッジ1はベルト6に固定されている。プーリ19a,19bが回転してベルト6が走行すると、キャリッジ1が左右方向に移動する。
記録媒体5は、紙送り機構(図示せず)によって、紙送り方向に搬送される。ここでは、紙送り方向は前後方向のことである。ケーシング2内には、記録媒体5を支持するプラテン4が設けられている。プラテン4にはグリッドローラ(図示せず)が設けられている。グリッドローラの上方にはピンチローラ(図示せず)が設けられている。グリッドローラはフィードモータ(図示せず)に連結されている。グリッドローラはフィードモータによって駆動され、回転する。グリッドローラとピンチローラとの間に記録媒体5が挟まれた状態でグリッドローラが回転すると、記録媒体5は前後方向に搬送される。
インクジェットプリンタ10は、複数のインクカートリッジ11を備えている。それら複数のインクカートリッジ11には、色の異なるインクが貯留されている。例えば、インクジェットプリンタ10は、それぞれシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインクを貯留する5つのインクカートリッジ11を備えている。
吐出ヘッド15は、各色のインク毎に設けられている。各色の吐出ヘッド15とインクカートリッジ11とは、インク供給路12により接続されている。インク供給路12は、インクカートリッジ11から吐出ヘッド15へインクを供給するインク流路である。インク供給路12は、例えば可撓性を有するチューブにより構成されている。インク供給路12には、送液ポンプ13が設けられている。ただし、送液ポンプ13は必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。インク供給路12の一部は、ケーブル類保護案内装置により覆われている。
吐出ヘッド15は、記録媒体5に向かってインクを吐出し、記録媒体5上にインクのドットを形成するものである。このドットが多数並べられることにより、記録媒体5上に画像などが形成される。吐出ヘッド15は、記録媒体5と対向する側の面(本実施形態では吐出ヘッド15の下面)に、インクを吐出するための複数のノズル25(図3参照)を備えている。
図3は、吐出ヘッド15の1つのノズル25近傍における部分断面図である。吐出ヘッド15は、開口21aを有する中空のケース21と、開口21aを塞ぐようにケース21に取り付けられた振動板22とを備えている。振動板22はケース21と共に、インクが貯留される圧力室23を区画している。振動板22は、圧力室23の一部を仕切っている。振動板22は、圧力室23の内側および外側に弾性変形可能なものである。振動板22は、圧力室23の容積を増加および減少させるように変形可能に構成されている。振動板22は、典型的には樹脂フィルムまたは金属箔である。
ケース21には、インクが流入するインク流入口24が形成されている。なお、インク流入口24は圧力室23とつながっていればよく、インク流入口24の位置は何ら限定されない。圧力室23には、インク流入口24を通じてインクカートリッジ11からインクが供給され、インクが貯留される。ノズル25は、ケース21の下面21bに形成されている。
振動板22の圧力室23側と反対側の面には、アクチュエータ26が当接している。アクチュエータ26は、ここでは、圧電素子である。アクチュエータ26の一部は、固定部材29に固定されている。アクチュエータ26は、フレキシブルケーブル27を介して制御装置100に接続されている。アクチュエータ26には、フレキシブルケーブル27を介して信号が供給される。本実施形態において、アクチュエータ26は、圧電材料と導電層とを交互に積層した積層体である。アクチュエータ26は、制御装置100から信号を受けると膨張または収縮し、振動板22を圧力室23の外側または内側に弾性変形させるように機能する。ここでは、縦振動モードのピエゾ素子(PZT)を採用している。縦振動モードのPZTは、上記積層方向に伸縮自在であり、例えば放電すると収縮し、充電すると伸長するようになっている。ただし、アクチュエータ26の形式は特に限定されない。
このような構成の吐出ヘッド15では、例えばアクチュエータ26の電位を基準電位から下降させることによって、アクチュエータ26が収縮する。すると、これに追従して振動板22が初期位置から圧力室23の外側に弾性変形し、圧力室23が膨張する。なお、圧力室23が膨張するとは、振動板22の変形により圧力室23の容積が大きくなることをいう。次いで、アクチュエータ26の電位を上昇させることによって、アクチュエータ26が積層方向に伸長する。これにより、振動板22が圧力室23の内側に弾性変形し、圧力室23が収縮する。なお、圧力室23が収縮するとは、振動板22の変形により圧力室23の容積が小さくなることをいう。このような圧力室23の膨張および収縮により、圧力室23内の圧力が変動する。この圧力室23内の圧力変動によって、圧力室23内のインクが加圧され、ノズル25から吐出される。その後、アクチュエータ26の電位を基準電位に戻すことにより、振動板22が初期位置に復帰して、圧力室23が膨張する。このとき、インク流入口24から圧力室23内にインクが流入する。
インクの種類は特に限定されないが、ここでは、延伸性の高いインクが使用されている。延伸性とは、インクの硬化後の伸びやすさ(切れにくさ)のことである。一般的に、インクの延伸性は、インクの素材に樹脂を含むことで生じる。本実施形態における「延伸性の高いインク」とは、延伸性の高い樹脂を含ませることにより延伸性を高めたインクである。本実施形態に係るインクには、少なくとも溶剤と、顔料と、延伸性の高い樹脂とが含まれている。延伸性の高いインクは、記録媒体5に着弾し硬化した後も伸びやすく、記録媒体5を変形させても割れにくい。延伸性の高いインクは、それによって画像を印刷した記録媒体5を立体物、特に記録媒体5を貼り付ける面に凹凸を有する立体物に貼り付けるような場合に、画像が記録媒体5から剥がれにくいという優れた特性を有している。
インクの延伸性は、例えば、JIS K 7162に規定される引っ張り破断歪みによって定義できる。引っ張り破断歪みは、その材料で作成した所定の形状の試験片に対して引っ張り試験を行ったときに、破断するまでに試験片が延びた割合を言う。延伸性の高いインクの引っ張り破断歪みは、例えば、305%~440%の値を示す。延伸性の低いインクの引っ張り破断歪みは、例えば、2%~61%の値を示す。
図2に示すように、キャリッジ1の可動範囲の右端には、ホームポジションHPが設定されている。ホームポジションHPは、印刷待機時などにキャリッジ1が配置される位置である。ホームポジションHPにおけるキャリッジ1の下方には、キャッピング装置30が配置されている。図2に示すように、キャッピング装置30は、キャップ31と、キャップ移動機構32と、吸引ポンプ33とを備えている。
キャップ31は、吐出ヘッド15に装着可能に構成されている。キャップ31は、吐出ヘッド15と同数設けられている。1つの吐出ヘッド15には1つのキャップ31が装着される。キャップ31は、上面が開口した容器状の形状を有している。キャップ31は、ゴム等によって形成されている。吐出ヘッド15への装着時、キャップ31の上縁が吐出ヘッド15の下面に密着される。
複数のキャップ31は、1つのキャップ移動機構32によって支持されている。キャップ移動機構32は、複数のキャップ31を吐出ヘッド15に装着し、または離間させる。キャップ移動機構32は、キャップ31を下方から支持して上下方向に移動させる。それにより、キャップ31は、吐出ヘッド15に装着され、また離間される。キャップ移動機構32は、例えば、図示しない駆動モータを備えている。キャップ移動機構32は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。なお、本実施形態では、キャップ移動機構32は、キャップ31を上下方向に移動させて吐出ヘッド15に装着したが、例えば、斜めにスライドさせて装着するように構成されていてもよい。
図2に示すように、吸引ポンプ33は、複数のキャップ31に接続されている。吸引ポンプ33は、ここでは、減圧ポンプである。吸引ポンプ33は、吐出ヘッド15からキャップ31にインクが吐出されたときや、ノズル25内のインクを吸引するときなどに、キャップ31内のインクおよび空気を吸引する。吸引ポンプ33は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。
制御装置100は、キャリッジ移動機構8のキャリッジモータ8aと、紙送り機構のフィードモータと、送液ポンプ13と、吐出ヘッド15と、キャップ移動機構32と、吸引ポンプ33とに対して、通信可能に接続されている。制御装置100は、これらの動作を制御する。制御装置100は、典型的にはコンピュータである。制御装置100は、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器からの印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置とを備えている。
図4は、制御装置100の一部のブロック図である。図4に示すように、制御装置100は、第1駆動信号生成回路110と、第2駆動信号生成回路120と、駆動信号供給回路130と、モード登録部140と、モード設定部150とを備えている。
第1駆動信号生成回路110は、吐出ヘッド15を駆動するための第1駆動信号を駆動周期ごとに生成する。第1駆動信号は、主として印刷を行うための駆動信号である。第1駆動信号には、複数の波形が含まれている。複数の波形は、サイズの異なるインク滴を形成するための波形を含んでいる。ここでは、第1駆動信号は、小滴、中滴、および大滴の3つのサイズのインク滴を形成する波形を含んでいる。駆動信号供給回路130は、それら複数の波形のうち1つまたは2つ以上の波形を選択し、供給信号としてアクチュエータ26に供給する。アクチュエータ26に供給する波形を適宜選択することにより、1駆動周期中に吐出ヘッド15のノズル25から吐出されるインクの液量を変更することができる。これにより、記録媒体5上に形成されるインク滴のサイズを変更することができる。第1駆動信号の詳細については後述する。
第2駆動信号生成回路120は、吐出ヘッド15を駆動するための第2駆動信号を駆動周期ごとに生成する。第2駆動信号は、メンテナンス用の駆動信号である。第2駆動信号生成回路120は、信号生成部121と、記憶部122とを備えている。信号生成部121は、第2駆動信号を生成する。記憶部122は、信号生成部121が第2駆動信号を生成するに当たって必要なパラメータを記憶している。記憶部122は、ここでは、第2駆動信号の第1波形部W21(後述、図6参照)がアクチュエータ26に供給されてからインクの一部がノズル25から離脱するまでの標準時間Tt(以下では、標準離脱時間Ttと称する。図6参照)を記憶している。「インクの一部がノズル25から離脱する」とは、ここでは、ノズル25から押し出されて延びたインクの液柱が切れ、飛翔するインク滴が形成されることを意味する。
標準離脱時間Ttは、吐出ヘッド15の構成と、標準離脱時間Ttに到達するよりも前の第2駆動信号の波形とにより、多少の誤差を除いて定まっている。標準離脱時間Ttは、ここでは、第1波形部W21がアクチュエータ26に供給されてから実際にインク滴が形成されるまでの時間を複数回測定した結果に基づいて定められている。標準離脱時間Ttは、例えば、上記複数の測定結果の平均値や中間値等であるとよい。信号生成部121は、標準離脱時間Ttに基づいて第2駆動信号を生成する。第2駆動信号の詳細については後述する。
駆動信号供給回路130は、第1駆動信号生成回路110が生成する第1駆動信号、または第2駆動信号生成回路120が生成する第2駆動信号の一部または全部を吐出ヘッド15の各アクチュエータ26に供給する。第1駆動信号生成回路110、第2駆動信号生成回路120、および駆動信号供給回路130のハードウェア構成は何ら限定されない。第1駆動信号生成回路110、第2駆動信号生成回路120、および駆動信号供給回路130のハードウェア構成には、種々の公知の構成を利用することができる。よって、ここでは、その説明は省略する。
モード登録部140には、アクチュエータ26を駆動させるモードが登録されている。モード登録部140には、ここでは、印刷モードとメンテナンスモードとが登録されている。印刷モードでは、アクチュエータ26に第1駆動信号の一部または全部が供給される。メンテナンスモードでは、アクチュエータ26に第2駆動信号が供給される。印刷モードは、第2モードの一例である。メンテナンスモードは、第1モードの一例である。
モード設定部150は、モード登録部140に登録されたモードのうちからアクチュエータ26を駆動させるモードを設定する。モード設定部150は、インクジェットプリンタ10の状態に応じてモードを選択する。ここでは、モード設定部150は、アクチュエータ26に第1駆動信号が供給されない時間が予め定められた時間を越えた場合(例えば、印刷が所定時間を越えて行われなかったとき)にはモードをメンテナンスモードに設定する。また、モード設定部150は、吐出ヘッド15にキャップ31が装着され、その後、吐出ヘッド15からキャップ31が離反された場合には、モードをメンテナンスモードに設定する。モード設定部150は、アクチュエータ26に第1駆動信号が供給されない時間が上記時間以下の場合には、モードを印刷モードに設定する。また、モード設定部150は、メンテナンスモードでインクが吐出された後には、モードを印刷モードに戻す。
以下では、第1駆動信号および第2駆動信号の詳細について説明する。また、第2駆動信号がアクチュエータ26に供給されることによるインクの挙動について説明する。第2駆動信号がアクチュエータ26に供給されることによるインクの挙動については、従来のメンテナンス用の駆動信号の場合と比較しながら説明する。
図5は、第1駆動信号W1の波形の一例を示す波形図である。図6は、第2駆動信号W2の波形の一例を示す波形図である。また、図7は、従来のメンテナンス用の駆動信号Wrの一例を示す波形図である。図5~図7の横軸は、時間である。横軸の時間「0」は、第1駆動信号W1、第2駆動信号W2、または従来のメンテナンス用の駆動信号Wrの開始時間を表している。図5~図7の縦軸は、電位である。縦軸の電位E0は、基準電位を表している。第1駆動信号W1、第2駆動信号W2、または従来のメンテナンス用の駆動信号Wrにおける電位とは、ここでは、基準電位E0を基準とする電位である。前述したように、アクチュエータ26の電位を基準電位E0から下降させると、圧力室23は膨張する。アクチュエータ26の電位を基準電位E0から上昇させると、圧力室23は収縮する。
図5に示すように、印刷用の第1駆動信号W1は、小滴吐出用の波形部W1sと、中滴吐出用の波形部W1mとを有している。駆動信号供給回路130によって小滴吐出用の波形部W1sがアクチュエータ26に供給されると、ノズル25からインクの小滴が吐出される。駆動信号供給回路130によって中滴吐出用の波形部W1mがアクチュエータ26に供給されると、ノズル25からインクの中滴が吐出される。中滴の体積は、小滴の体積よりも大きい。駆動信号供給回路130によって小滴吐出用の波形部W1sおよび中滴吐出用の波形部W1mがアクチュエータ26に供給されると、ノズル25からインクの大滴が吐出される。大滴の体積は、中滴の体積よりも大きい。
小滴吐出用の波形部W1sは、第1膨張波形部W11と、第1平坦波形部W12と、収縮波形部W13と、第2平坦波形部W14と、第2膨張波形部W15とを有している。第1膨張波形部W11では、電位が基準電位E0から下降し、電位E1となる。第1膨張波形部W11は、アクチュエータ26の電位を変化させることによって圧力室23を膨張させる。第1膨張波形部W11がアクチュエータ26に供給されることにより、圧力室23は膨張する。圧力室23の膨張によって、インク流入口24を介して圧力室23にインクが供給される。第1平坦波形部W12は、第1膨張波形部W11の終点Pe11に接続されている。第1平坦波形部W12では、第1膨張波形部W11の終点Pe11における電位E1が維持される。
収縮波形部W13は、第1平坦波形部W12の終点Pe12に接続されている。収縮波形部W13は、第1膨張波形部W11および第1平坦波形部W12よりも後に生成される。収縮波形部W13では、第1平坦波形部W12で電位E1に維持された電位が上昇する。収縮波形部W13により、電位は基準電位E0よりも高い電位となる。収縮波形部W13は、アクチュエータ26の電位を変化させることによって圧力室23を収縮させる。収縮波形部W13がアクチュエータ26に供給されることにより、圧力室23は収縮する。圧力室23の収縮によって、ノズル25からインクが吐出される。インクの吐出の前に圧力室23を膨張させた反動とインクの圧力室23への流入とにより、インクは、高速でノズル25から吐出される。
第2平坦波形部W14は、収縮波形部W13の終点Pe13に接続されている。第2平坦波形部W14では、収縮波形部W13で上昇した電位が維持される。第2平坦波形部W14は、アクチュエータ26の電位を一定に保つ。第1膨張波形部W11の始点Ps11から第2平坦波形部W14の終点Pe14までの時間T1は、例えば、7マイクロ秒~20マイクロ秒である。
第2膨張波形部W15は、第2平坦波形部W14の終点Pe14に接続されている。第2膨張波形部W15では、第2平坦波形部W14で維持された電位が再び下降する。第2膨張波形部W15は、アクチュエータ26の電位を変化させることによって圧力室23を膨張させる。第2膨張波形部W15がアクチュエータ26に供給されることにより、圧力室23は再び膨張する。第2膨張波形部W15により、アクチュエータ26の電位は、基準電位E0に戻る。
中滴吐出用の波形部W1mも、小滴吐出用の波形部W1sに類似した構成を備えている。中滴吐出用の波形部W1mは、小滴吐出用の波形部W1sの終点に接続されている。ただし、中滴吐出用の波形部W1mは、図5に示すように、圧力室23の膨張および収縮を2回繰り返すように構成されている。中滴吐出用の波形部W1mが供給されると、圧力室23は、膨張し、収縮し、さらに再度膨張し、再度収縮する。これにより、繋がった2つのインク滴が形成される。繋がった2つのインク滴は、中滴を構成する。
記録媒体5への画像の印刷においてインクの小滴、中滴、または大滴を吐出する際には、第1駆動信号W1の一部または全部がアクチュエータ26に供給される。第1駆動信号W1の一部または全部は、印刷の合間または前後にインクをキャップ31に向かって吐出するフラッシングの際にもアクチュエータ26に供給される。フラッシングは、例えば、異なる色のインクが混色するのを予防し、ノズル25の詰まりを予防するために行われるインク吐出である。フラッシングは、ここでは、印刷中にキャリッジ1がホームポジションHPに位置付けられるたびに行われる。フラッシングでは、中滴吐出用の波形部W1mがアクチュエータ26に供給される。フラッシングでは、インクの中滴が吐出される。ただし、フラッシングにおいて第1駆動信号W1のどの部分がアクチュエータ26に供給されるかは限定されない。フラッシングにおいては、インクの小滴または大滴が吐出されてもよい。
第2駆動信号W2は、メンテナンス用の駆動信号であり、長時間吐出されていなかったために増粘したインクを好適に吐出することができるように構成されている。図6に示すように、第2駆動信号W2は、第1波形部W21と、第2波形部W22と、第3波形部W23とを有している。第1波形部W21では、電位が基準電位E0から上昇し、電位E2となる。第1波形部W21がアクチュエータ26に供給されることにより、圧力室23は収縮する。第1波形部W21は、アクチュエータ26の電位を変化させることによって圧力室23を収縮させるように構成されている。第2波形部W22は、第1波形部W21の終点Pe1に接続されている。第2波形部W22の始点Ps2は、第1波形部W21の終点Pe1に一致している。第2波形部W22は、アクチュエータ26の電位を一定に(ここでは、電位E2に)保つ。第3波形部W23は、第2波形部W22の終点Pe2に接続されている。第3波形部W23の始点Ps3は、第2波形部W22の終点Pe2に一致している。第3波形部W23では、電位が降下する。アクチュエータ26の電位は、第3波形部W23の終点Pe3において基準電位E0となる。第3波形部W23は、アクチュエータ26の電位を変化させることによって圧力室23を膨張させるように構成されている。
図6に示すように、第2駆動信号W2では、第1波形部W21の始点Ps1から第2波形部W22の終点Pe2までの時間Twは、標準離脱時間Ttから遅延時間Tdを減じた時間と等しく設定されている。遅延時間Tdは、Tcをヘルムホルツ固有振動周期、Taをアクチュエータ26の固有振動周期とするとき、Td=Tc/2+Ta/2で表される時間である。遅延時間Tdは、アクチュエータ26に駆動信号が供給されてから、圧力室23が反応するまでの遅延時間である。
ヘルムホルツ固有振動周期Tcの半分Tc/2は、アクチュエータ26が駆動してから圧力室23が反応するまでの遅延時間である。アクチュエータ26の固有振動周期Taの半分Ta/2は、アクチュエータ26に駆動信号が供給されてからアクチュエータ26が反応するまでの遅延時間である。そこで、Tdは、アクチュエータ26の遅延時間と圧力室23の遅延時間を合わせたもの、すなわち、アクチュエータ26に駆動信号が供給されてから圧力室23が反応するまでの遅延時間に相当する。従って、圧力室23は、インクの液柱の一部がノズル25から離脱すると推定される時点(以下、液柱離脱点Ptと呼ぶ)で実際に膨張を開始する。圧力室23は、第2波形部W22の終点Pe2の後も、液柱離脱点Ptまでは収縮している。
第2駆動信号W2の第3波形部W23の終点Pe3から第2駆動信号W2の終点Peまでの部分では、アクチュエータ26の電位は、基準電位E0に維持される。第2駆動信号W2の終点Peは、ここでは、第3波形部W23の終点Pe3よりも後に設定されている。
第2駆動信号W2の始点Ps1から終点Peまでの時間T2は、Tmをインクのメニスカスの共振周期とし、Twを第1波形部W21の始点Ps1から第2波形部W22の終点Pe2までの時間とし、Tfを第3波形部W23の始点Ps3から終点Pe3までの時間とするとき、Tm+Tw+Tf/2以上に設定されている。インクのメニスカスの共振周期Tmは、インクのメニスカスの表面張力と、圧力室23に流入する流路全体のインクの質量による共振の周期である。インクのメニスカスの共振周期Tmは、圧力室23へのインクの供給によってメニスカスが揺動する周期である。時間T2が上記のように設定されているため、第2駆動信号W2の最大周波数は、1/(Tm+Tw+Tf/2)Hz以下である。上記の範囲内でできるだけ第2駆動信号W2の最大周波数を大きくするためには、第2駆動信号W2の始点Ps1から終点Peまでの時間T2は、Tm+Tw+Tf/2に等しく設定されるとよい。第2駆動信号W2は、第3波形部W23の中点Pm3からインクのメニスカスの共振周期Tmに等しい時間が経過するまでは少なくとも継続している。時間T2は、例えば、130マイクロ秒以上である。時間T2は、例えば、第1駆動信号W1の始点Ps11から終点Pe10までの時間の3倍以上である。
また、第1波形部W21の始点Ps1から第2波形部W22の終点Pe2までの時間Twは、第1駆動信号W1の第1膨張波形部W11の始点Ps11から第2平坦波形部W14の終点Pe14までの時間T1よりも長い。ただし、時間Twは、時間T1より短くてもよい。時間Twは、例えば、18マイクロ秒~25マイクロ秒である。時間Twは、例えば、第1膨張波形部W11の始点Ps11から第2平坦波形部W14の終点Pe14までの時間T1の0.5倍~2.5倍である。
本実施形態では、第1波形部W21の始点Ps1から終点Pe1までの時間Trは、アクチュエータ26の固有振動周期Taに等しく設定されている。ただし、第1波形部W21の始点Ps1から終点Pe1までの時間Trは、アクチュエータ26の固有振動周期Taに近い時間でもよい。例えば、時間Trは、アクチュエータ26の固有振動周期Taの80%以上120%以下の範囲に設定されていてもよい。
また、本実施形態では、第3波形部W23の始点Ps3から終点Pe3までの時間Tfは、ヘルムホルツ固有振動周期Tcの2倍に等しく設定されている。そのため、時間Tf/2は、ヘルムホルツ固有振動周期Tcに等しい。ただし、第3波形部W23の始点Ps3から終点Pe3までの時間Tfは、ヘルムホルツ固有振動周期Tcの2以外の整数倍に設定されていてもよい。例えば、時間Tfは、ヘルムホルツ固有振動周期Tcに等しく設定されてもよい。
図7に示すように、従来のメンテナンス用の駆動信号Wrは、膨張部Wr1と、平坦部Wr2と、収縮部Wr3とを有している。膨張部Wr1では、電位が基準電位E0から下降し、電位Erとなる。電位Erの絶対値(従来のメンテナンス用の駆動信号Wrの振幅)は、電位E1の絶対値よりも大きい。また、電位Erの絶対値は、電位E2の絶対値よりも大きい。膨張部Wr1がアクチュエータ26に供給されることにより、圧力室23は膨張する。圧力室23の膨張によって、インク流入口24を介して圧力室23にインクが供給される。平坦部Wr2は、膨張部Wr1の終点Per1に接続されている。平坦部Wr2では、膨張部Wr1で下降した電位が維持される。平坦部Wr2の始点Psr2から終点Per2までの時間は、非常に短い。平坦部Wr2の始点Psr2から終点Per2までの時間は、例えば、0.5マイクロ秒~1.5マイクロ秒に設定されている。
収縮部Wr3は、平坦部Wr2の終点Per2に接続されている。収縮部Wr3では、平坦部Wr2で電位Erに維持された電位が上昇する。収縮部Wr3により、電位は基準電位E0に復帰する。収縮部Wr3がアクチュエータ26に供給されることにより、圧力室23は収縮する。圧力室23の収縮によって、ノズル25からインクが吐出される。インクの吐出の前に圧力室23を膨張させた反動とインクの圧力室23への流入とにより、インクは、高速でノズル25から吐出される。従来のメンテナンス用の駆動信号Wrは、印刷時よりも大きい振幅かつ短い時間で、圧力室23を膨張させ収縮させる駆動信号である。
インクジェットプリンタ10では、インクを吐出しない時間がある程度続いた場合には、使用前にインクを吐出する作業が行われる。以下、この作業を、使用前吐出と呼ぶ。使用前吐出により、例えば、時間の経過によって増粘したインクが排出される。使用前吐出では、キャリッジ1はホームポジションHPに位置付けられ、吐出ヘッド15はキャップ31に向かってインクを吐出する。使用前吐出は、メンテナンスモードで行われる。
図8は、従来のメンテナンス用の駆動信号Wrをアクチュエータ26に供給したときのインクの挙動を表す模式図である。図8に示すように、使用前吐出において、駆動信号Wrの膨張部Wr1がアクチュエータ26に供給されると、インクのメニスカスMは、圧力室23の側に後退する。その後、収縮部Wr3がアクチュエータ26に供給されると、インクは高速で吐出され、図8に示すように、細い液柱Lcを形成する。
従来のメンテナンス用の駆動信号Wrをアクチュエータ26に供給することによって、延伸性が高く、しかも時間の経過により増粘したインクを吐出しようとすると、多くの場合に、以下のような問題が発生する。第1に、ノズル25に付着したインクL1を除去できる確率が高くない。図8に示すように、メニスカスMの位置が圧力室23の側に移動し、かつ、液柱Lcが細いと、液柱Lcはノズル25に付着したインクL1と接触することなく飛翔することが多くなる。その結果、ノズル25に付着したインクL1を除去できない可能性が高くなる。
第2に、インクの粘度が大きい場合にはインクを吐出できない。インクが吐出されない可能性を低減するため、従来のメンテナンス用の駆動信号Wrの振幅Erは、印刷用の駆動信号の振幅E1よりも大きく設定されている。しかし、それでもインクが吐出できないおそれがあるため、従来のメンテナンス用の駆動信号Wrを使用する場合には、例えば、使用前吐出の後に、吸引ポンプ33によるインク吸引を行う。インク吸引では、キャップ31が吐出ヘッド15に装着され、吸引ポンプ33が駆動される。インク吸引を行えば、ノズル25からインクが吸い出されるが、インクの消費量が大きい。
第3に、吐出されるインクのサテライト速度が遅いため、インクミストが発生しやすい。ノズル25に付着したインクL1の多くは、インクミストがノズル25に付着したものである。
延伸性が高いインクの場合、インクの液柱Lcは容易に切れず、ノズル25から離脱しないまま下方に長く伸びる。そのため、液柱LcのうちインクのメニスカスMに近い部分の液柱(サテライトS)が細く、かつ、長くなる。サテライトSは、主滴DmからメニスカスMへと繋がる尾引き部分である。このようにサテライトSが細く長いと、液柱Lcが切れたときにサテライトSは、多数のサテライト滴Dsとなって飛翔する。延伸性の高いインクのサテライトSの速度は、延伸性の低いインクのサテライト速度と比べると遅い。従って、サテライト滴Dsの速度も遅い。サテライト滴Dsの速度が遅いと、気流や空気抵抗などの影響によってサテライト滴Dsの運動エネルギーが失われる。そうすると、サテライト滴Dsは、空気中を浮遊するインクミストとなる。
本実施形態に係る第2駆動信号W2は、上記した課題を解決するように構成されている。図9は、本実施形態に係る第2駆動信号W2をアクチュエータ26に供給したときのインクの挙動を表す模式図である。アクチュエータ26に第2駆動信号W2を供給すると、圧力室23は膨張せずに収縮する。そこで、インクは、ノズル25を通過するときの流速が小さい状態のままノズル25から外部に押し出される。その結果、図9に示すように、第2駆動信号W2の第1波形部W21および第2波形部W22によって押し出されるインクの液柱Lcの直径は、ほぼノズル25の直径と等しくなる。そのため、ノズル25に付着したインクL1を除去できる確率が大きく向上する。本願発明者の実験によれば、第2駆動信号W2によって使用前吐出を行った後では、吐出されたインクの飛翔方向がノズル25に付着したインクL1によって曲がる不具合はほぼゼロになる。
また、本実施形態に係る第2駆動信号W2をアクチュエータ26に供給すると、インクは、液柱離脱点Ptまで、比較的長い時間を掛けてノズル25から押し出され続ける。そのため、インクが吐出できない不具合が発生しにくい。
圧力室23は、遅延時間Tdによるものを含めて、液柱離脱点Ptまで収縮した状態に保たれる。第2波形部W22によって圧力室23が収縮した状態に維持されると、図9に示すように、インクの液柱Lcは、下方に向かって延びる。インクの液柱Lcは、ノズル25から離脱するまで、あるいは、その直前まで押され続ける。ノズル25では、粘性抵抗により、インクの速度が徐々に小さくなる。インクの速度が遅くなるに伴って、液柱Lcの太さは細くなる。インクの速度は、ノズル25の出口またはその直近でゼロとなる。インクの速度がゼロとなる地点(ノズル25の出口またはその直近)は、液柱Lcのうちの不連続なポイントとなり、液柱Lcの太さもその地点で最も細くなる。そのため、そこに応力が集中する。よって、インクの液柱Lcは、液柱Lcの太さが最も細くなるノズル25の出口またはその直近で切れる。その結果、インクの液柱Lcは短くなり、離脱した液柱Lcの後端速度であるサテライト速度が大きくなる。それにより、サテライト滴やインクミストの発生が抑えられる。
このように、本実施形態に係る第2駆動信号W2によれば、インクの液柱Lcを太くできるため、ノズル25に付着したインクL1を除去できる確率が高くなる。また、液柱Lcの一部がノズル25から離脱するまでインクを押し出し続けるため、粘度の高いインクでも吐出することができる。また、液柱Lcのサテライト速度が大きくなるため、サテライト滴やインクミストを低減することができる。
また、第2駆動信号W2によるインクの吐出では、インクを圧力室23の側に引き込むことなくノズル25の出口側に向かって押し出すため、インクの流路で生じるインクの粘性による流路抵抗の影響を比較的受けにくい。そのため、インクの温度変化による粘度変化や水頭圧の影響を受けにくく、インクの吐出が安定する。例えば、第2駆動信号W2によるインクの吐出では、インクの粘度によるサテライト速度のばらつきが小さい。
さらに、本実施形態に係るインクジェットプリンタ10によれば、インク吸引によるインクの消費量を低減することができる。インクジェットプリンタでは、キャッピング装置30によるインク吸引を定期的に実施する。本実施形態に係るインクジェットプリンタ10によれば、従来のメンテナンス用の駆動信号Wrを使用するインクジェットプリンタよりもインク吸引の頻度を少なくすることができる。アクチュエータによるインク吐出に比べて、インク吸引によるインクの消費量は非常に多い。そこで、インク吸引の頻度を少なくすることにより、メンテナンスに係るインクの消費量を格段に少なくすることができる。
本実施形態では、第1波形部W21の始点Ps1から第2波形部W22の終点Pe2までの時間Twは、標準離脱時間Ttから遅延時間Tdを減じた時間と等しく設定されている。そのため、標準離脱時間Ttまでは圧力室23は収縮しており、インクは押されている。よって、インクの吐出動作が安定する。また、時間Twと標準離脱時間Ttから遅延時間Tdを減じた時間とが等しいため、第2駆動信号W2の波長は、上記効果を奏する範囲において最も短い。
本実施形態では、第2駆動信号W2の第1波形部W21の始点Ps1から終点Pe1までの時間Trは、アクチュエータ26の固有振動周期Taに等しく設定されている。かかる第2駆動信号W2によれば、時間Trとアクチュエータ26の固有振動周期Taとが同期し、その結果、圧力室23の振動を抑制することができる。
本実施形態では、第2駆動信号W2の第3波形部W23の始点Ps3から終点Pe3までの時間Tfは、ヘルムホルツ固有振動周期Tcの整数倍、より詳しくは、ヘルムホルツ固有振動周期Tcの2倍に等しく設定されている。時間Tfがヘルムホルツ固有振動周期Tcの整数倍に設定されていることにより、圧力室23の振動が始点と終点とで打ち消し合い、圧力室23の振動が次のインク吐出に及ぼす影響が小さくなる。時間Tfは長く設定した方が圧力室23の振動の影響を小さくする効果が大きいが、ここでは、第2駆動信号W2の波長を短くするため、時間Tfは、ヘルムホルツ固有振動周期Tcの2倍に等しく設定されている。かかる構成によれば、圧力室23の振動が次のインク吐出に与える影響を小さくしつつ、第2駆動信号W2の波長を短くすることができる。本願発明者の知見によれば、時間Tfをヘルムホルツ固有振動周期Tcの2倍に等しく設定することにより、圧力室23の振動が次のインク吐出に与える影響を小さくすることと、第2駆動信号W2の波長を短くすることとの好適なバランスを実現することができる。
また、図6に示すように、本実施形態では、第2駆動信号W2の始点Ps1から終点Peまでの時間T2は、インクのメニスカスMの共振周期Tmと、第1波形部W21の始点Ps1から第2波形部W22の終点Pe2までの時間Twと、第3波形部W23の始点Ps3から終点Pe3までの時間Tfの半分(Tf/2)とを加算した時間以上に設定されている。かかる構成によれば、インクのメニスカスMが振動してノズル25内に戻った後に次のインク吐出を行うため、次のインク吐出が安定する。かかる構成を採らない場合には、インクのメニスカスMがノズル25内に戻る前に次のインク吐出を行うことになるため、次のインク吐出が不安定になるおそれがある。
本実施形態では、第1駆動信号生成回路110は、印刷用の第1駆動信号W1を駆動周期ごとに生成している。これにより、印刷のための第1駆動信号W1とメンテナンス用の第2駆動信号W2とを独立に設定することができる。よって、第1駆動信号W1および第2駆動信号W2の設定の自由度が向上する。特に、第2駆動信号W2の第1波形部W21の始点Ps1から第2波形部W22の終点Pe2までの時間Twは、第1駆動信号W1の第1膨張波形部W11の始点Ps11から第2平坦波形部W14の終点Pe14までの時間よりも長い。言い換えれば、第1駆動信号W1の第1膨張波形部W11の始点Ps11から第2平坦波形部W14の終点Pe14までの時間は、第2駆動信号W2の第1波形部W21の始点Ps1から第2波形部W22の終点Pe2までの時間Twよりも短い。そこで、印刷のための第1駆動信号W1の周波数を高くすることができる。そのため、印刷の生産性を高くすることができる。
なお、本実施形態で吐出しているインクは、延伸性の高いインク、より詳しくは、溶剤と樹脂とを含み、硬化後の引っ張り破断歪みが305%以上のインクである。本実施形態に係る第2駆動信号W2は、このようなインクの使用前吐出において特に高い効果を発揮する。具体的には、サテライト滴やインクミストが発生しやすい延伸性の高いインクを使用しても、サテライト滴やインクミストの発生を抑制することができる。
以上、好適な一実施形態について説明した。しかし、上記した実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。例えば、上記した実施形態では、第2駆動信号W2は、第1波形部W21、第2波形部W22、第3波形部W23、および第3波形部W23の後の基準電位E0が維持される部分からなっていたが、他の波形部をさらに有していてもよい。他の波形部が第1波形部よりも前にあり、モードがメンテナンスモードである場合には、駆動信号供給回路は、アクチュエータに供給される第2駆動信号の一部または全部の先頭が第1波形部となるように、少なくとも第1波形部、第2波形部、および第3波形部をアクチュエータに供給するとよい。かかる構成によっても、上記した実施形態と同様の第2駆動信号をアクチュエータに供給することができる。
なお、アクチュエータに供給される駆動信号の一部または全部の「先頭」であるとは、実質的に先頭であることを意味する。即ち、アクチュエータに供給される駆動信号の一部または全部において、インクを吐出することに関係のない波形(例えば、インクのメニスカスを微振動させる波形など)が第1波形部よりも前に存在する場合も、第1波形部が先頭であることに含まれる。
また、上記した実施形態では、第1波形部W21の始点Ps1から第2波形部W22の終点Pe2までの時間Twは、標準離脱時間Ttから遅延時間Tdを減じた時間と等しく設定されていた。しかし、第1波形部の始点から第2波形部の終点までの時間は、標準離脱時間から遅延時間を減じた時間よりも長く設定されていてもよい。すなわち、第1波形部の始点から第2波形部の終点までの時間は、標準離脱時間から遅延時間を減じた時間以上に設定されていればよい。インクが吐出された後の波形はインクの吐出のされ方に関係がないため、第1波形部の始点から第2波形部の終点までの時間は、標準離脱時間から遅延時間を減じた時間以上であればよい。ただし、好適には、第1波形部の始点から第2波形部の終点までの時間は、標準離脱時間以下に設定されているとよい。かかる設定によれば、第2駆動信号の波長が不必要に長くなることを防止できる。
また、上記した実施形態では、印刷用の第1駆動信号W1とメンテナンス用の第2駆動信号W2とは別の駆動信号であったが、1つの駆動信号を利用してもよい。その場合、1つの駆動信号の一部を印刷用としてアクチュエータに供給し、他の一部をメンテナンス用としてアクチュエータに供給するとよい。
上記した実施形態では、アクチュエータは縦振動モードの圧電素子であったが、これには限定されない。アクチュエータは横振動モードの圧電素子であってもよい。また、アクチュエータは、圧電素子に限らず、例えば磁歪素子等であってもよい。
上記した実施形態では、液体はインクであったが、これには限定されない。液体吐出装置が吐出する液体は、例えば樹脂材料や、溶質と溶媒とを含む各種液状組成物(例えば洗浄液)などであってもよい。
上記した実施形態では、液体吐出装置がインクジェットプリンタに搭載される吐出ヘッドおよびその制御装置であったが、これには限定されない。液体吐出装置は、例えば、インクジェット方式を採用する種々の製造装置や、マイクロピペットなどの計測器具などに搭載することができ、各種用途で使用可能である。
10 インクジェットプリンタ
15 吐出ヘッド
21 ケース
22 振動板
23 圧力室
25 ノズル
26 アクチュエータ
110 第1駆動信号生成回路(他の駆動信号生成回路)
120 第2駆動信号生成回路(駆動信号生成回路)
121 信号生成部
122 記憶部
130 駆動信号供給回路
140 モード登録部
150 モード設定部
W1 第1駆動信号(他の駆動信号)
W11 第1膨張波形部
W13 収縮波形部
W14 第2平坦波形部(平坦波形部)
W15 第2膨張波形部
W2 第2駆動信号(駆動信号)
W21 第1波形部
W22 第2波形部
W23 第3波形部
Tt 標準離脱時間(標準時間)
Td 遅延時間
Tc ヘルムホルツ固有振動周期
Ta アクチュエータの固有振動周期
Tm メニスカスの共振周期
M メニスカス
S サテライト
Ds サテライト滴

Claims (10)

  1. 内部に液体が貯留される圧力室が形成されたケースと、
    前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する振動板と、
    前記振動板に連結され、電気信号が供給されると変形するアクチュエータと、
    前記ケースに形成され、前記圧力室と連通するノズルと、
    前記アクチュエータを駆動させる駆動信号を駆動周期毎に生成する駆動信号生成回路と、
    前記駆動信号生成回路が生成する前記駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給回路と、
    前記アクチュエータを駆動させる1つまたは複数のモードが登録されたモード登録部と、
    を備え、
    前記駆動信号は、
    前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を収縮させる第1波形部と、
    前記第1波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を一定に保つ第2波形部と、
    前記第2波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を膨張させる第3波形部と、
    を有し、
    前記駆動信号供給回路は、モードが第1モードである場合には、前記アクチュエータに供給される前記駆動信号の一部または全部の先頭が前記第1波形部となるように、少なくとも前記第1波形部、前記第2波形部、および前記第3波形部を前記アクチュエータに供給し、
    前記駆動信号生成回路は、前記第1波形部が前記アクチュエータに供給されてから前記液体の一部が前記ノズルから離脱するまでの標準時間を記憶する記憶部を備え、
    前記第1波形部の始点から前記第2波形部の終点までの時間は、前記標準時間からTc/2+Ta/2(Tcはヘルムホルツ固有振動周期、Taは前記アクチュエータの固有振動周期)を減じた時間以上に設定されている、
    液体吐出装置。
  2. 前記第1波形部の始点から前記第2波形部の終点までの時間は、前記標準時間以下に設定されている、
    請求項に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第1波形部の始点から前記第2波形部の終点までの時間は、前記標準時間からTc/2+Ta/2を減じた時間と等しく設定されている、
    請求項またはに記載の液体吐出装置。
  4. 内部に液体が貯留される圧力室が形成されたケースと、
    前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する振動板と、
    前記振動板に連結され、電気信号が供給されると変形するアクチュエータと、
    前記ケースに形成され、前記圧力室と連通するノズルと、
    前記アクチュエータを駆動させる駆動信号を駆動周期毎に生成する駆動信号生成回路と、
    前記駆動信号生成回路が生成する前記駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給回路と、
    前記アクチュエータを駆動させる1つまたは複数のモードが登録されたモード登録部と、
    を備え、
    前記駆動信号は、
    前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を収縮させる第1波形部と、
    前記第1波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を一定に保つ第2波形部と、
    前記第2波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を膨張させる第3波形部と、
    を有し、
    前記駆動信号供給回路は、モードが第1モードである場合には、前記アクチュエータに供給される前記駆動信号の一部または全部の先頭が前記第1波形部となるように、少なくとも前記第1波形部、前記第2波形部、および前記第3波形部を前記アクチュエータに供給し、
    前記第1波形部の始点から終点までの時間は、前記アクチュエータの固有振動周期に等しく設定されている
    液体吐出装置。
  5. 内部に液体が貯留される圧力室が形成されたケースと、
    前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する振動板と、
    前記振動板に連結され、電気信号が供給されると変形するアクチュエータと、
    前記ケースに形成され、前記圧力室と連通するノズルと、
    前記アクチュエータを駆動させる駆動信号を駆動周期毎に生成する駆動信号生成回路と、
    前記駆動信号生成回路が生成する前記駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給回路と、
    前記アクチュエータを駆動させる1つまたは複数のモードが登録されたモード登録部と、
    を備え、
    前記駆動信号は、
    前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を収縮させる第1波形部と、
    前記第1波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を一定に保つ第2波形部と、
    前記第2波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を膨張させる第3波形部と、
    を有し、
    前記駆動信号供給回路は、モードが第1モードである場合には、前記アクチュエータに供給される前記駆動信号の一部または全部の先頭が前記第1波形部となるように、少なくとも前記第1波形部、前記第2波形部、および前記第3波形部を前記アクチュエータに供給し、
    前記第3波形部の始点から終点までの時間は、ヘルムホルツ固有振動周期の整数倍に等しく設定されている
    液体吐出装置。
  6. 前記第3波形部の始点から終点までの時間は、ヘルムホルツ固有振動周期の2倍に等しく設定されている、
    請求項に記載の液体吐出装置。
  7. 内部に液体が貯留される圧力室が形成されたケースと、
    前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する振動板と、
    前記振動板に連結され、電気信号が供給されると変形するアクチュエータと、
    前記ケースに形成され、前記圧力室と連通するノズルと、
    前記アクチュエータを駆動させる駆動信号を駆動周期毎に生成する駆動信号生成回路と、
    前記駆動信号生成回路が生成する前記駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給回路と、
    前記アクチュエータを駆動させる1つまたは複数のモードが登録されたモード登録部と、
    を備え、
    前記駆動信号は、
    前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を収縮させる第1波形部と、
    前記第1波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を一定に保つ第2波形部と、
    前記第2波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を膨張させる第3波形部と、
    を有し、
    前記駆動信号供給回路は、モードが第1モードである場合には、前記アクチュエータに供給される前記駆動信号の一部または全部の先頭が前記第1波形部となるように、少なくとも前記第1波形部、前記第2波形部、および前記第3波形部を前記アクチュエータに供給し、
    前記駆動信号の始点から終点までの時間は、Tmを前記液体のメニスカスの共振周期とし、Twを前記第1波形部の始点から前記第2波形部の終点までの時間とし、Tfを前記第3波形部の始点から終点までの時間とするとき、Tm+Tw+Tf/2以上に設定されている
    液体吐出装置。
  8. 内部に液体が貯留される圧力室が形成されたケースと、
    前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する振動板と、
    前記振動板に連結され、電気信号が供給されると変形するアクチュエータと、
    前記ケースに形成され、前記圧力室と連通するノズルと、
    前記アクチュエータを駆動させる駆動信号を駆動周期毎に生成する駆動信号生成回路と、
    前記アクチュエータを駆動させる他の駆動信号を駆動周期毎に生成する他の駆動信号生成回路と、
    前記駆動信号生成回路が生成する前記駆動信号の一部または全部、または、前記他の駆動信号生成回路が生成する前記他の駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給回路と、
    第1モードおよび第2モードを含む、前記アクチュエータを駆動させる複数のモードが登録されたモード登録部と、
    前記モード登録部に登録されたモードのうちから前記アクチュエータを駆動させるモードを設定するモード設定部と、
    を備え、
    前記モード設定部は、前記アクチュエータに前記他の駆動信号が供給されない時間が予め定められた第1時間を越えた場合にはモードを前記第1モードに設定し、前記アクチュエータに前記他の駆動信号が供給されない時間が前記第1時間以下の場合にはモードを前記第2モードに設定し、
    前記駆動信号は、
    前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を収縮させる第1波形部と、
    前記第1波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を一定に保つ第2波形部と、
    前記第2波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を膨張させる第3波形部と、
    を有し、
    前記他の駆動信号は、
    前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を膨張させる第1膨張波形部と、
    前記第1膨張波形部よりも後に生成され、前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を収縮させる収縮波形部と、
    前記収縮波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を一定に保つ平坦波形部と、
    前記平坦波形部の終点に接続され、前記アクチュエータの電位を変化させることによって前記圧力室を膨張させる第2膨張波形部と、
    を有し、
    前記駆動信号供給回路は、モードが前記第1モードである場合には、前記アクチュエータに供給される前記駆動信号の一部または全部の先頭が前記第1波形部となるように、少なくとも前記第1波形部、前記第2波形部、および前記第3波形部を前記アクチュエータに供給し、モードが前記第2モードである場合には、少なくとも前記第1膨張波形部、前記収縮波形部、前記平坦波形部、および前記第2膨張波形部を前記アクチュエータに供給し、
    前記第1波形部の始点から前記第2波形部の終点までの時間は、前記第1膨張波形部の始点から前記平坦波形部の終点までの時間よりも長い
    液体吐出装置。
  9. 前記液体は、溶剤と樹脂とを含み、硬化後の引っ張り破断歪みが305%以上である、
    請求項1~8のいずれか一つに記載の液体吐出装置。
  10. 請求項1~のいずれか一つに記載の液体吐出装置を備え、前記液体はインクである、インクジェットプリンタ。
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