JP7373039B2 - 構造体の施工方法及び組立構造体の組立て方法 - Google Patents

構造体の施工方法及び組立構造体の組立て方法 Download PDF

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Description

本発明は構造体及びその施工方法に関する。
複数の鉄筋等の補強材で構成された、コンクリート等の硬化物を補強するための構造体が知られている。このような構造体として、例えば特許文献1には、杭頭接合部のフーチングを構成する、鉄筋を角柱型の籠状に編んだ鉄筋籠が開示されている。ここで、杭頭接合部は、地中に埋設される杭の杭頭部と、当該杭によって支持される建築物の基礎と、を接合するための部位である。特許文献2には、構造体としての折り畳み可能な鉄筋ユニットが開示されている。
特開2005-82995号公報 実開平6-44856号公報
特許文献1には、構造体としての鉄筋籠がどのように籠状に編まれているのか開示されていない。特許文献2に記載された構造体としての鉄筋ユニットは、折り畳み可能とするために、補強材としての主筋と側筋とが回動可能に連結されているが、これら主筋と側筋とに他の補強材を取り付けることは想定されていない。そのため、特許文献1、2に開示された構造体には、形状安定性の観点で改善の余地があった。
そこで本発明は、形状を安定させた構造体及びその施工方法を提供することを目的とする。
本発明の構造体は、硬化物を補強するための構造体であって、第1方向に延在する第1延在部と、第3方向に延在する第2延在部と、を有するフープ状の第1補強材と、前記第1延在部に取り付けられて第2方向に延在する第3延在部と、前記第3方向に延在する第4延在部と、を有するフープ状の第2補強材と、前記第2延在部と前記第4延在部とに取り付けられている第3補強材と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の構造体において、前記第3補強材は、前記第3方向に沿って見た場合に、前記第1補強材及び前記第2補強材の外側に取り付けられていることが好ましい。
また、本発明の構造体は、前記第1補強材を複数備え、前記第2補強材の前記第3延在部は、前記第2方向の異なる位置で前記複数の第1補強材の前記第1延在部それぞれに取り付けられていることが好ましい。
また、本発明の構造体において、前記第3補強材は、前記第3方向に沿って見た場合に、前記第1補強材及び前記第2補強材の周囲を包囲するフープ状であることが好ましい。
また、本発明の構造体において、前記第1方向、前記第2方向、及び前記第3方向のうちの少なくとも2方向は、互いに略直交することが好ましい。
本発明の構造体の施工方法は、硬化物を補強するための構造体の施工方法であって、異なる2方向に延在する第1延在部及び第2延在部を有する第1補強材と、異なる2方向に延在する第3延在部及び第4延在部を有する第2補強材と、を前記第1延在部に前記第3延在部を取り付けて一体化させたユニットを形成するユニット形成工程と、前記ユニットが、前記第2延在部と前記第4延在部とが同じ方向に延在し、かつ、前記第1延在部と前記第3延在部とが互いに異なる方向に延在する状態で、前記第2延在部及び前記第4延在部の周囲に第3補強材を取り付ける取り付け工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の構造体の施工方法は、前記ユニット形成工程において、前記第2延在部と前記第4延在部とが同一方向に延在し、かつ、前記第1延在部と前記第3延在部とが互いに回動可能となるように取り付けて前記ユニットを形成することが好ましい。
また、本発明の構造体の施工方法において、前記第3補強材はフープ筋であり、前記取り付け工程において、前記ユニットの周囲を全周に亘って包囲するように、前記第3補強材を取り付けることが好ましい。
本発明によると、形状を安定させた構造体及びその施工方法を提供できる。
第1の態様としての構造体を示す斜視図である。 図1の第1補強材のみを示す正面図である。 図1の第2補強材(その1)のみを示す側面図である。 図1の第2補強材(その2)のみを示す側面図である。 図1の構造体を示す上面図である。 図1の第3補強材の第1の変形例を示す上面図である。 図1の第3補強材の第2の変形例を示す上面図である。 図1の第3補強材の第3の変形例を示す上面図である。 図1の第1補強材及び図1の第2補強材で構成されるユニットの展開状態を示す上面図である。 図6Aのユニットの折り畳み状態を示す上面図である。 第2の態様としての施工方法を説明するフローチャートである。 第3の態様に係る組立構造体の正面図である。 図8の組立構造体の平面図である。 図8の組立構造体における第1構造体を単独で示す正面図である。 図10Aの第1構造体の平面図である。 図10Aの第1構造体の側面図である。 組立構造体の変形例を示す斜視図である。 組立構造体の変形例を示す斜視図である。 組立構造体の変形例を示す斜視図である。 組立構造体の組立て方法の一例を示す図である。 組立構造体の変形例を示す図である。
[第1の態様及び第2の態様]
以下、第1の態様及び第2の態様について、図1~図7を参照して説明する。各図において共通の構成には、同一の符号を付している。第1の態様及び第2の態様において、第1方向Xと、第2方向Yと、第3方向Zとは、それぞれ互いに異なる方向である。図1等に示す例では、第1方向Xと、第2方向Yと、第3方向Zとは、それぞれ互いに略直交する。具体的に、第1方向X及び第2方向Yは略水平面内で互いに略直交し、第3方向Zは略水平面と直交する略鉛直方向である。
<構造体1>
図1は、第1の態様としての構造体1を示す斜視図である。構造体1は、コンクリート等の硬化物を補強するための、鉄筋籠等の構造体である。ここで、硬化物は、流動状態から硬化状態に変異し得る材料であって、流動状態で型枠等の中に充填されると、所定時間経過後、特定の形状に硬化するものである。構造体1によりコンクリート等の硬化物が補強されてなる構造物は、例えばRC構造、SRC構造、PCa構造、又はPC構造等、コンクリート等の硬化物による構造物全般を含む。当該構造物が適用される部位は特に限定されないが、例えば杭頭接合部のフーチングが挙げられる。
図1に示すように、構造体1は、第1補強材10と、第2補強材30と、第3補強材50と、を備える。本態様の構造体1は、第1補強材10と、第2補強材30と、第3補強材50と、をそれぞれ複数備える。本態様の構造体1の第1補強材10、第2補強材30、及び第3補強材50は、仮想上の略直方体の表面に沿って位置している。第1補強材10、第2補強材30、及び第3補強材50は、それぞれ、硬化物を補強するための補強材であれば特に限定されず、例えば、異形鉄筋、丸鋼、プレート等の鉄筋、繊維補強材、又は竹等であってもよい。図1では、当該略直方体の紙面奥側の3面に位置する第1補強材10、第2補強材30、及び第3補強材50の図示を省略する。
図2は、1つの第1補強材10のみを示す正面図である。ここで、第1の態様及び第2の態様において「正面図」とは、第2方向Yに沿って見た図を意味する。図1及び図2に示すように、第1補強材10は、第1方向Xに延在する第1延在部11と、第3方向Zに延在する第2延在部21と、を有する。本態様の第1補強材10は、構造体1の主筋を構成する。本態様の第1補強材10は、途中で分岐することなく、第1延在部11と第2延在部21とが一体に連なって形成されている。本態様の複数の第1補強材10は、図1に示すように、互いに並行しながら、第2方向Yでそれぞれ互いに異なる位置に配置されている。
本態様の複数の第1補強材10は、構造体1の第2方向Yでの中央付近には配置されていない。また、本態様の第1補強材10は、第3方向Zの一方側(図1、図2の上側)に位置する第1延在部11が分断されていることにより、構造体1の第1方向Xでの中央付近に不存在の領域を形成している。さらに、本態様の複数の第2補強材30は、構造体1の第1方向Xでの中央付近には配置されていない。このような構成により、構造体1とは別の構造体を、構造体1の第1方向X及び第2方向Yでの中央付近に、構造体1に重畳させて配置することができる。当該別の構造体は、例えば構造体1が杭頭接合部のフーチングを構成する場合、例えば当該フーチングを柱に連接するための鉄筋籠等の構造体である。
本態様の複数の第1補強材10は、フープ状である。ここで、第1補強材10がフープ状であるとは、第1補強材10が、第1方向Xと第3方向Zとを含む平面内で、上述の仮想上の略直方体の表面に沿う周囲全周のうち、4分の3以上の長さに亘って配置されている、又は、上述の仮想上の略直方体の表面に沿う4辺中3辺以上に亘って配置されていることを意味する。第1補強材10をフープ状とすることで、第1補強材10の一体性が向上するため、構造体1の施工上の安定性を向上させることができる。フープ状の態様の詳細については後述する。複数の第1補強材10は、全てがフープ状であることには限定されず、例えば10本中8本がフープ状であり、残りの2本がフープ状でなくてもよい。
本態様の複数の第1補強材10のうちの少なくとも1つは、第1方向Xと第3方向Zとを含む平面内で全周に亘って位置するフープ筋であってもよい。第1補強材10をフープ筋とすることで、第1補強材10の一体性がより向上するため、構造体1により硬化物が補強されてなる構造物の強度をより向上させることができる。具体的に、当該構造物に対する圧縮力、引張力、それらを組み合わせた曲げモーメント、せん断力等に対する強度を向上させることができる。
第2補強材30は、図1に示すように、第2方向Yに延在する第3延在部31と、第3方向Zに延在する第4延在部41と、を有する。第3延在部31は、第1補強材10の第1延在部11と交差する位置において、第1延在部11に取り付けられている。具体的に、本態様の第2補強材30の第3延在部31は、第2方向Yの互いに異なる位置で、複数の第1補強材10の第1延在部11それぞれに取り付けられている。また、本態様の第1補強材10の第1延在部11は、第1方向Xの互いに異なる位置で、複数の第2補強材30の第3延在部31それぞれに取り付けられている。ここで、第1の態様及び第2の態様において、一方の部材が他方の部材に「取り付けられる」とは、一方の部材と他方の部材とが、硬化物の打設時、吊り上げ時、及び搬送時等の施工作業時に、一体化された状態を維持する程度に固定されることを含む。具体的に、結束筋、溶接、クリップ等によって固定される。
本態様の第2補強材30は、主筋である第1補強材10のせん断応力の抑制等のためのスターラップ(STP)を構成する。本態様の第2補強材30は、途中で分岐することなく、第3延在部31と第4延在部41とが一体に連なって形成されている。本態様の第2補強材30は、第1補強材10よりも構造体1の内側に配置されている。本態様の複数の第2補強材30は、図1に示すように、互いに並行しながら、第1方向Xでそれぞれ互いに異なる位置に配置されている。
図1に示すように、本態様の複数の第2補強材30は、第2補強材30aと、第2補強材30bとを含む。図3Aは、第2補強材30aのみを示す側面図である。図3Bは、第2補強材30bのみを示す側面図である。ここで、第1の態様及び第2の態様において「側面図」とは、第1方向Xに沿って見た図を意味する。
図3Aに示すように、本態様の第2補強材30aは、第2方向Yと第3方向Zとを含む平面内で全周に亘って位置するフープ筋である。図3Aに示す例では、第2補強材30aは、第3延在部31と第4延在部41とで矩形状をなすように形成され、端部同士が溶接等で一体化されている。第2補強材30aをフープ筋とすることで、第2補強材30aの一体性がより向上するため、構造体1により硬化物が補強されてなる構造物の強度をより向上させることができる。
図3Bに示すように、本態様の第2補強材30bは、第3方向Zの一方側(図1、図3Bの下側)に位置する第3延在部31が分断されており、構造体1の第2方向Yでの中央付近に不存在の領域を形成している。また、図1に示すように、第2補強材30bは、構造体1の第1方向Xでの両端近傍で、第2補強材30aに第1方向Xの両側を挟まれるように配置されている。このような構成により、例えば構造体1が杭頭接合部のフーチングを構成する場合、第2補強材30bの当該不存在の領域に杭を配置することができる。
本態様の複数の第2補強材30は、フープ状である。ここで、第2補強材30がフープ状であるとは、第2補強材30が、第2方向Yと第3方向Zとを含む平面内で、上述の仮想上の略直方体の表面に沿う周囲全周のうち、4分の3以上の長さに亘って配置されている、又は、上述の仮想上の略直方体の表面に沿う4辺中3辺以上に亘って配置されていることを意味する。第2補強材30をフープ状とすることで、第2補強材30の一体性が向上するため、構造体1の施工上の安定性を向上させることができる。フープ状の態様の詳細については後述する。複数の第2補強材30は、全てがフープ状であることには限定されず、例えば10本中8本がフープ状であり、残りの2本がフープ状でなくてもよい。
図1に示すように、第3補強材50は、第1補強材10の第2延在部21と、第2補強材30の第4延在部41とに取り付けられている。このように、本態様の構造体1は、第1補強材10と第2補強材30とが互いに取り付けられている第1方向Xと第2方向Yとを含む平面とは第3方向Zに異なる位置で、第1補強材10及び第2補強材30に取り付けられた第3補強材50を備えるので、形状を安定させることができる。これにより、例えば構造体1をクレーン等で吊り上げることが可能となる。
詳細には、本態様の第3補強材50は、第2方向Yに延在する第5延在部51と、第1方向Xに延在する第6延在部61と、を有する。第5延在部51は、第1補強材10の第2延在部21と交差する位置において、第2延在部21に取り付けられている。第6延在部61は、第2補強材30の第4延在部41と交差する位置において、第4延在部41に取り付けられている。具体的に、本態様の第3補強材50の第5延在部51は、第2方向Yの互いに異なる位置で、複数の第1補強材10の第2延在部21それぞれに取り付けられている。また、本態様の第3補強材50の第6延在部61は、第1方向Xの互いに異なる位置で、複数の第2補強材30の第4延在部41それぞれに取り付けられている。
本態様の第3補強材50は、途中で分岐することなく、第5延在部51と第6延在部61とが一体に連なって形成されている。本態様の複数の第3補強材50は、図1に示すように、互いに並行しながら、第3方向Zでそれぞれ互いに異なる位置に配置されている。
図4は、構造体1を示す上面図である。ここで、第1の態様及び第2の態様において「上面図」とは、第3方向Zに沿って見た図を意味する。図4に示すように、本態様の第3補強材50は、第3方向Zに沿って見た場合に、第1補強材10及び第2補強材30の外側に取り付けられている。具体的に、本態様の第3補強材50は、第3方向Zに沿って見た場合に、第1補強材10及び第2補強材30の周囲を包囲するフープ状である。ここで、第3補強材50がフープ状であるとは、第3補強材50が、第1方向Xと第2方向Yとを含む平面内で、上述の仮想上の略直方体の表面に沿う周囲全周のうち、4分の3以上の長さに亘って配置されている、又は、上述の仮想上の略直方体の表面に沿う4辺中3辺以上に亘って配置されていることを意味する。より具体的に、本態様の第3補強材50は、第1方向Xと第2方向Yとを含む平面内で、第1補強材10及び第2補強材30の周囲全周に亘って位置するフープ筋である。図4に示す例では、第3補強材50は、第5延在部51と第6延在部61とで矩形状をなすように形成され、端部同士が溶接等で一体化されている。
第3補強材50は、フープ筋でなくてもよい。また、第3補強材50は、フープ状でなくてもよい。ただし、第3補強材50がフープ状であれば、第3補強材50の一体性がより向上するため、構造体1の施工上の安定性を向上させることができる。また、第3補強材50がフープ筋であれば、第3補強材50の一体性がより一層向上するため、構造体1により硬化物が補強されてなる構造物の強度をより向上させることができる。さらに、第3補強材50を所定の寸法に従ったフープ筋とすれば、構造体1の第1方向Xと第2方向Yとを含む平面内での寸法精度を向上させることができるので、例えば構造体1を別の構造体と接合する際などに、寸法誤差の少ない施工を可能とすることができる。
図5Aは、第3補強材50の第1の変形例としての第3補強材50aを示す上面図である。図5Aに示すように、第1の変形例としての第3補強材50aは、1つの第5延在部51と、1つの第6延在部61とを有するL字筋である。このような第3補強材50aを、第1補強材10(図4等参照)及び第2補強材30(図4等参照)の周囲を包囲するように2つ配置することで、全体としてフープ状に配置することができる。このような構成により、上述の通り、構造体1の施工上の安定性を向上させることができる。第1補強材10及び第2補強材30も、上述の第3補強材50aと同様に、2つのL字筋を配置して全体としてフープ状とした構成であってもよい。
図5Bは、第3補強材50の第2の変形例としての第3補強材50bを示す上面図である。図5Bに示すように、第2の変形例としての第3補強材50bは、1つの第6延在部61と、当該第6延在部61の両端それぞれから第2方向Yの一方側に延在した第5延在部51と、を有する。2つの第5延在部51のうちの一方は他方よりも短い。このような第3補強材50bを、第1補強材10(図4等参照)及び第2補強材30(図4等参照)の周囲を包囲するように2つ配置することで、全体としてフープ状に配置することができる。このとき、一方の第3補強材50bの短い第5延在部51と、他方の第3補強材50bの長い第5延在部51とが、第2方向Yに沿う一部で第1方向Xに重なる重なり部52を形成するように配置することで、重ね継手を有するフープ筋として、2つの第3補強材50bの一体性を上述の第3補強材50aよりも向上させることができる。第1補強材10及び第2補強材30も、上述の第3補強材50bと同様に、重ね継手を有するフープ筋としてもよい。
図5Cは、第3補強材50の第3の変形例としての第3補強材50cを示す上面図である。図5Cに示すように、第3の変形例としての第3補強材50cは、第5延在部51と第6延在部61とで矩形状をなすフープ筋として形成されている。矩形状の第3補強材50cの1つの角部には、フックにより定着したフック定着部53が形成されている。このように、1つの矩形状に形成した第3補強材50cを、フック定着部53によって定着させたフープ筋とすることで、上述の第3補強材50bよりも一体性を向上させることができる。第1補強材10及び第2補強材30も、上述の第3補強材50cと同様に、フック定着部によって定着させたフープ筋としてもよい。
図1に示した本態様の第1補強材10及び第2補強材30は、第2延在部21と第4延在部41とが第3方向Zに延在した状態を維持しつつ、第1延在部11と第3延在部31とが互いに回動可能に取り付けられている。第1延在部11及び第3延在部31は、例えば、第1方向X及び第2方向Yが略直交する状態から、第1方向Xが第2方向Yに沿って(例えば30°以下の角度で交差して)延在する状態まで、互いに回動可能である。このように、第1補強材10及び第2補強材30は、ユニット70(図6A、図6B参照)を構成する。
図6Aは、第1補強材10及び第2補強材30で構成されるユニット70の展開状態を示す上面図である。図6Bは、ユニット70の折り畳み状態を示す上面図である。図6A及び図6Bに示すように、ユニット70は、第1補強材10の第1延在部11と、第2補強材30の第3延在部31と、が互いに交差する位置で、例えば、番線等の線材により回動可能な程度に緩く結束されることで、第1方向Xと第2方向Yとを含む平面に沿って回動可能に構成されている。具体的に、図6Aに示す展開状態のユニット70は、上述した構造体1における第1補強材10及び第2補強材30と同様の形状であり、第1補強材10の第1延在部11が第1方向Xに延在し、かつ、第2補強材30の第3延在部31が第2方向Yに延在している。図6Bに示す折り畳み状態のユニット70は、展開状態のユニット70から、第2補強材30の第3延在部31を第1補強材10の第1延在部11に対して右回りに回動させた状態である。このように、ユニット70は、展開状態よりも折り畳み状態の方が、第3方向Zに沿う全長は変化せずに、第1方向Xと第2方向Yとを含む平面内での面積を小さくすることができるので、全体としての体積を小さくすることができる。これにより、ユニット70を運搬する際の積載効率が向上する。
<施工方法>
図7は、第2の態様としての施工方法を説明するフローチャートである。本施工方法は、コンクリート等の硬化物を補強するための構造体の施工方法であり、一例として上述の構造体1の施工方法を説明する。図7に示すように、本施工方法は、ユニット形成工程S1と、ユニット展開工程S2と、取り付け工程S3と、を含む。
ユニット形成工程S1は、上述のユニット70を形成する工程である。具体的に、まず、第1補強材10と、第2補強材30と、を用意する。第1補強材10は、異なる2方向に延在する第1延在部11及び第2延在部21を有する。第2補強材30は、異なる2方向に延在する第3延在部31及び第4延在部41を有する。次に、第1補強材10の第1延在部11に、第2補強材30の第3延在部31を取り付けて一体化させることで、ユニット70を形成する。詳細には、第1補強材10の第2延在部21と、第2補強材30の第4延在部41と、が同一方向に延在し、かつ、第1補強材10の第1延在部11と、第2補強材30の第3延在部31と、が互いに回動可能となるように取り付けることで、ユニット70を形成する。ユニット形成工程S1は、通常、施工現場に運搬する前に実行されるが、施工現場で実行されてもよい。
ユニット形成工程S1の後、工場などからトラック等により施工現場に運搬する場合、ユニット70を折り畳み状態で積載して運搬することが好ましい。これにより、ユニット70の体積を展開状態よりも小さくすることができるので、ユニット70を積載するための容積を小さくすることができる。よって、ユニット70を運搬する際の積載効率が向上する。
ユニット展開工程S2は、ユニット70を展開状態に遷移させる工程である。具体的に、施工現場に運搬された折り畳み状態のユニット70を、クレーン等で吊り上げて取り出し、第2補強材30を第1補強材10に対して回動させることで、展開状態に遷移させる。すなわち、ユニット70を、第1補強材10の第2延在部21と第2補強材30の第4延在部41とが同じ方向(例えば第3方向Z)に延在し、かつ、第1補強材10の第1延在部11と第2補強材30の第3延在部31とが互いに異なる方向(例えば第1方向X及び第2方向Y)に延在する状態に遷移させる。
取り付け工程S3は、展開状態のユニット70に対して、第3補強材50を取り付ける工程である。具体的に、展開状態のユニット70に対して、第1補強材10の第2延在部21及び第2補強材30の第4延在部41の周囲に、第3補強材50を取り付ける。より具体的に、第1補強材10の第2延在部21に第3補強材50の第5延在部51を交差させた状態で外側から取り付け、かつ、第2補強材30の第4延在部41に第3補強材50の第6延在部61を交差させた状態で外側から取り付ける。これにより、第3補強材50によって展開状態で保持されたユニット70と、第3補強材50と、を有する構造体1が施工される。
取り付け工程S3において、第3補強材50はフープ筋であることが好ましい。具体的に、フープ筋である第3補強材50を、ユニット70の周囲を全周に亘って包囲するように取り付けることが好ましい。これにより、構造体1により硬化物が補強されてなる構造物の強度をより一層向上させることができる。また、第3補強材50を所定の寸法に従ったフープ筋とすれば、構造体1の寸法精度を向上させることができるので、例えば構造体1を別の構造体と接合する際などに、寸法誤差の少ない施工を可能とすることができる。さらに、構造体1をクレーン等で吊り上げた際の形状を安定させることができる。
[第3の態様]
以下、第3の態様に係る組立構造体、及びその組立て方法について、図8~図13を参照しつつ説明する。
図8は、本態様に係る組立構造体101の正面図を示しており、図9は平面図を示している。なお、本態様の組立構造体101は、流動性のある材料を型枠等に流し込み、その後硬化させる、硬化物全般に適用可能である。具体的には、例えば、RC(Reinforced Concrete:鉄筋コンクリート)、SRC(Steel Reinforced Concrete:鉄筋鉄骨コンクリート)、PCa(Precast concrete:プレキャストコンクリート)、PC(Prestressd Concrete:プレストレストコンクリート)などのコンクリート構造(コンクリート材料を用いた構造体)、並びに、モルタル、ALC(軽量気泡コンクリート)、ガラス等も含まれる。また、本態様の組立構造体101は、例えば、柱梁接合部、基礎柱接合部、鉄骨造の柱脚と基礎フーチングの接合部などの接合部に適しているが、建物における適用箇所については特に限定されない。なお、本例では、鉄骨造の柱脚部の基礎コンクリートと基礎フーチングの接合部に適用可能な組立構造体101について説明する。すなわち、本例の組立構造体101は、基礎フーチング部に配置される第1構造体110と、柱脚部の基礎コンクリートに配置される第2構造体120とを備える。
図8に示す本例の組立構造体101は、部分的に重なるように配置された状態で接合される第1構造体110と第2構造体120とを備える。また、組立構造体101は、第1構造体110と第2構造体120との接合部を補強するための接合部補強材130を備える。
第1構造体110と第2構造体120は、それぞれ複数本の長尺状の補強材(111、112、113、121、122)により形成されている。本例の補強材(111、112、113、121、122)は、鉄筋である。すなわち、第1構造体110及び第2構造体120は、所謂「鉄筋かご」であり、組立構造体101は、2つの鉄筋かごを組み合わせた鉄筋かご組立体を構成している。また、組立構造体101が内部に配置されたコンクリート構造が、鉄筋コンクリートとなる。なお、補強材(111、112、113、121、122)としては、例えば異形鉄筋を用いることができるが、これに限られず、例えば、丸鋼、プレート(板状部材)、繊維補強材、竹など、コンクリートを補強することができる部材であれば特に限定されない。
ここで、図10Aは、図8の組立構造体101における第1構造体110を単独で示す正面図であり、図10Bは平面図であり、図10Cは側面図である。
第1構造体110は、複数本の補強材(111、112、113)を立体的に組み上げることで形成することができる。具体的に、第1構造体110は、主筋111と、スターラップ112と、フープ筋113とを有する。主筋111、スターラップ112及びフープ筋113は、挿入空間Sを避けるように配置されている。
本例の第1構造体110は、横長の直方体状に形成されており、その上面には、第2構造体120を挿入するための挿入空間Sが形成されている。なお、第2構造体120を挿入するための挿入空間Sの形状は特に限定されず、第1構造体110と第2構造体120とが部分的に重なるように配置可能であればよく、例えば、図8の形態に加えて、図11A~図11Cに示す形態等も含むものである。本例の挿入空間Sは、第1構造体110の上面に開口し、下面まで貫通せずに第1構造体110の内部で終端する凹部で構成されている。また、第1構造体110の下面には、他の構造体としての杭Pの上端部を挿入可能な杭用空間K(他の挿入空間)が左右両側に1箇所ずつ設けられている。杭用空間Kは第1構造体110の下面に開口し、上面まで貫通せずに第1構造体110の内部で終端する凹部で構成されている。なお、他の構造体は杭に限られず、他の挿入空間も杭用の空間に限られない。
主筋111は、長尺棒状の直線状の鉄筋を4箇所で折り曲げて略C字状に形成し、鉄筋の両端が所定の間隔をあけて配置されるようにしたものである。このように略C字状に形成された主筋111は、その両端の間に形成される欠損部111aを有しており、この欠損部111aが挿入空間Sを形成している。なお、主筋111の欠損部111aは、略矩形の環状に形成した鉄筋の一部を所定の長さだけ切断することにより形成することも可能である。
図10B、3Cに示すように、本例の第1構造体110においては、前後両側にそれぞれ3本の主筋111が相互に間隔をあけて平行に配置されており、合計6本の主筋111が設けられている。なお、前側の3本の主筋111と後側の3本の主筋111とは、杭用空間Kに対応する間隔をあけて配置されている。つまり、前側の3本の主筋111と後側の3本の主筋111との間に、杭の上端部を下方から挿入可能となっている。
スターラップ112は、長尺棒状の鉄筋を長方形の環状(フープ状)に折り曲げて両端を接合することにより形成することができる。なお、本例のスターラップ112は、主筋111に内接するように配置されているが、主筋111に外接するように配置されていてもよい。
本例では、第1構造体110の長手方向(図10A~3Cにおけるx方向)に沿って、8本のスターラップ112が間隔をあけて配置されている。8本のスターラップ112は、相互に平行に配置されている。また、スターラップ112は、挿入空間Sを避ける位置に配置され、挿入空間Sの左右両側に4本ずつ配置されている。また、左右両側に位置する4本のスターラップ112のうちの各1本には、杭用空間Kに対応する欠損部112aが形成されており、当該欠損部112aが杭用空間Kの入口を構成する。
フープ筋113は、長尺棒状の鉄筋を長方形の環状(フープ状)に折り曲げて両端を接合することにより形成することができる。フープ筋113は、主筋111及びスターラップ112を外側から取り囲むように配置されている。なお、本例のフープ筋113は、主筋111及びスターラップ112に外接するように配置されているが、主筋111及びスターラップ112に内接するように配置されていてもよい。
第1構造体110を構成する主筋111、スターラップ112及びフープ筋113は、交差する部分において針金や結束バンド等の緊結部材により緊結されることで、立体的な形状を維持することができる。あるいは、第1構造体110は、主筋111、スターラップ112及びフープ筋113が交差する部分を溶接等により固定して形状を維持するようにしてもよい。
ここで、主筋111は、図10A~3Cに示すz軸方向に垂直となるように、つまり、xy平面に平行となるように配置されている。また、スターラップ112は、x軸方向に垂直となるように、つまり、yz平面に平行となるように配置されている。フープ筋113は、y軸方向に垂直となるように、つまり、xz平面に平行となるように配置されている。
なお、主筋111、スターラップ112及びフープ筋113の形状及び相互の位置関係は図示例に限定されず、適宜変更可能である。例えば、主筋111は、挿入空間Sを形成可能な位置に配置されていれば、欠損部111aを持たない閉じた環状となっていてもよい。また、スターラップ112及びフープ筋113は、強度の観点から、環状であることが好ましいが、必ずしも環状である必要はなく、欠損部を有していてもよい。また、主筋111、スターラップ112及びフープ筋113の延在方向も、適宜変更可能である。例えば、主筋111は、必ずしもz軸方向に垂直である必要はなく、つまりxy平面に対して斜めに傾斜する方向に配置されていてもよい。また、複数の主筋111が全て平行である必要もない。同様に、スターラップ112及びフープ筋113の位置関係、また、延在角度もそれぞれ適宜変更可能である。また、主筋111、スターラップ112及びフープ筋113のうち、何れか1種類の補強材を除いた構成でもよい。すなわち、第1構造体110は、例えばフープ筋113を除いて主筋111及びスターラップ112のみで構成してもよいし、スターラップ112を除いて主筋111及びフープ筋113のみで構成してもよい。
第2構造体120は、複数本の補強材(121、122)を立体的に組み上げることで形成することができる。具体的に、第2構造体120は図8、図9に示すように、立上り筋121と、フープ筋122とを有する。また、第2構造体120は、縦長の直方体状に形成されており、その下部が、第1構造体110の挿入空間S内に配置されている。第1構造体110と第2構造体120とは、略T字状、すなわち、第1構造体110の延在方向(長手方向)に第2構造体120の軸方向が直行し、且つ、第1構造体110を第2構造体120が貫通しないように配置されている。
立上り筋121は、長尺棒状の直線状の鉄筋の一方の端部をU字状に折り返して形成されている。立上り筋121は、第2構造体120の軸方向(図8の上下方向)に対して平行となるように、直線状に延在し、下端部がU字状に折り返されている。
本例においては、図9に示すように、第2構造体120の正面側及び背面側にそれぞれ4本の立上り筋121が配置されるとともに、左右両側に2本ずつ立上り筋121が配置されている。
フープ筋122は、複数本の立上り筋121を外側から取り囲むように配置されている。フープ筋122は、立上り筋121に外接するように配置されているが、内接するように配置してもよい。また、本例においては、第2構造体120の軸方向に沿って、複数本のフープ筋122が間隔をあけて(最上部は間隔を空けずに)配置されている。
接合部補強材130は、第1構造体110と第2構造体120との接合部を補強するための部材である。接合部補強材130は、少なくとも第1構造体110と第2構造体120とが重なる領域に配置されている。
本例の接合部補強材130は、長尺の直線状に延びる鉄筋である。接合部補強材130は、挿入空間Sを構成する第1構造体110の補強材(主筋111)の欠損部111aを補うように配置されている。より具体的に、本例では、主筋111に沿って隣接配置された前後2本ずつ、つまり4本の接合部補強材130と、主筋111から離れた位置(前後方向中央部)に配置された2本の接合部補強材130とが設けられている。主筋111に沿うように隣接配置された2本の接合部補強材130は、欠損部111aの両側の主筋111に架け渡されるように配置されている。6本の接合部補強材130は、全て、第1構造体110の上面を構成する平面上で、第1構造体110の長手方向全体(全長)にわたって配置されている。6本の接合部補強材130のうち、前後方向中央側に位置する4本の接合部補強材130は、第1構造体110の挿入空間Sに挿入配置された第2構造体120を貫通するように配置される。このような構成とすることで、第2構造体120に引張り方向の力(挿入空間Sから上方に引き抜かれる方向の力)が加わった際に接合部補強材130が引抜力に対して抵抗する機構となる。。これにより、接合部の靱性(粘り強さ)が向上するため、接合部の構造性能をより向上させることができる。接合部の構造性能とは、接合部の強度のみならず、粘り強さ、靱性等も含まれる。
また、接合部補強材130は、第1構造体110と第2構造体120との接合部を補強するものであれば、その形状、材料、本数及びそれぞれの位置も特に限定されない。例えば、本例の接合部補強材130の形状は全て一直線状であるが、屈曲部、湾曲部等を有する形状としてもよい。
なお、第1構造体110及び第2構造体120は、鉄筋等の補強材を立体的に、すなわち、少なくとも互いに交差する2平面に沿って補強材が配置されるように組み上げられているが、形状はこれに限定されない。
第1構造体110と第2構造体120とは、部分的に重なるように配置されている。ここで、第1構造体110と第2構造体120とが「部分的に重なるように配置」されるとは、第1構造体110及び第2構造体120の少なくとも一方側に形成された孔部または凹部等の欠損部分に他方側が入り込むように配置されていることを意味する。例えば、図8の形態に加えて、図11A~図11Cに示す形態とすることができる。
図11Aの例は、第1構造体110の一方側の側面に設けられた凹部(挿入空間S)に第2構造体120の一部が入り込むように配置される場合を示している。図11Bの例は、第1構造体110の中央部に形成された貫通孔(挿入空間S)に、第2構造体120が貫通している場合を示している。また、図11Cの例は、第1構造体110の中央部に形成された凹部(挿入空間S)に、第2構造体120が貫通しないように挿入配置されている場合を示す。なお、第1構造体110と第2構造体120の両方に凹部(挿入空間S)が形成され、当該凹部同士を組み合わせるように第1構造体110と第2構造体120を組み合わせてもよい。
ここで、組立構造体101の組立て方法は、それぞれ複数の長尺状の補強材で構成された第1構造体110と第2構造体120とを部分的に重なるように配置する配置工程と、部分的に重なるように配置された第1構造体110と第2構造体120の接合部を補強するように、接合部補強材130を配置する接合部補強工程を含む。
具体的に、組立構造体101を使用する際には、予め工場や現場ヤードなどの工場等において形成した第1構造体110及び第2構造体120を建設現場に搬入し、配置工程において、第1構造体110の上方から挿入空間Sに第2構造体120を挿入し、第1構造体110と第2構造体120とが部分的に重なるように配置する。そして、接合部補強工程において、第2構造体120を貫通するように接合部補強材130を配置する。また、必要に応じて緊結部材による緊結等により各部材同士を仮固定する。そして、組立てた組立構造体101をコンクリートの型枠内の所定の位置に配置し、型枠内にコンクリートを流し込んで固めることにより、鉄筋コンクリートとなる。なお、本例の場合、組立構造体101は、予め地面に埋設された杭Pの上端部を第1構造体110の下面に形成された杭用空間Kに挿入するようにして配置する。
組立構造体101の組立て方法としては、建設現場に搬入した第1構造体110と第2構造体120とを組立ててから、コンクリートの型枠内の所定の位置に配置してもよいし、あるいは、図12に示すように、コンクリートの型枠内において、予め地面に埋設された杭Pの上端部を杭用空間Kに挿入するように第1構造体110を上方から配置し、その後、第1構造体110の挿入空間Sに第2構造体120を上方から挿入するようにしてもよい。
このように、予め工場等において形成した第1構造体110及び第2構造体120を建設現場で組み立てることにより、建設現場での施工効率が向上する。また、複雑な作業が不要となるため、作業者の習熟度によるバラツキが生じ難く、組立構造体101の精度も高くなる。
また、本態様の組立構造体101にあっては、第1構造体110と第2構造体120とが、部分的に重なるように配置されているため、第1構造体110と第2構造体120とを近接位置もしくは隣接位置に配置して接合する場合に比べて、接合部の強度を向上させることができる。
また、第1構造体110に挿入空間Sが形成されていることにより、第1構造体110に対して第2構造体120を配置する位置が外観上、判別し易く、また、コンクリートを流し込んで固定されるまでの位置ずれも生じ難い。
また、挿入空間Sを構成する第1構造体110の補強材(主筋111)の欠損部111aを補うように接合部補強材130を配置することにより、挿入空間Sを設けたことによる第1構造体110の強度の低下を抑制することができる。さらに、第2構造体120を貫通するように接合部補強材130を配置することで、第2構造体120が第1構造体110から引き抜かれた際に接合部補強材130が引抜力に対して抵抗する機構となる。これにより、接合部の靱性(粘り強さ)が向上するため、接合部の構造性能をより向上させることができる。
ここで、例えば、図13に示すように、第2構造体120の一方側の端部(図13の例では上端部120a)が、第1構造体110に形成された挿入空間S内に配置され、第2構造体120が第1構造体110を貫通しない場合、接合部補強材130を第1構造体110の外側から配置するとともに一部を第1構造体110の内部に差し込み、第2構造体120の上端部120aに接合するようにしてもよい。図13に示す接合部補強材130は、逆U字状であり、その両側の腕部130aを第1構造体110の上方から差し込み、第2構造体120の上端部120aに接合している。このような構成とすることにより、第1構造体110と第2構造体120との接合部の強度をさらに高めることができる。なお、図13に示す形態は、例えば、建物の最上階における柱梁接合部に適用することができる。
本発明は、上述した各態様で特定された構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、第1の態様及び第2の態様における、第1方向Xと、第2方向Yと、第3方向Zとは、それぞれ互いに略直交するとして説明したが、それぞれ互いに異なる方向であればよい。また、第1方向X及び第2方向Yは略水平方向であり、第3方向Zは略鉛直方向であるとして説明したが、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zの向きは特に限定されない。
また、例えば、第3の態様における、第1構造体110及び第2構造体120は直方体状に限らず、円柱状等であってもよい。また、第1構造体110及び第2構造体120は立体的な形状に限らず、平面(2次元)的な形状であってもよい。この場合、例えば壁用の補強鉄筋などに適用可能である。また、1つの第1構造体110に対して複数の第2構造体120を組み合わせるようにしてもよいし、逆に、複数の第1構造体110に対して1つの第2構造体120を組み合わせるようにしてもよい。
また、上述した第1の態様及び第2の態様では、第1補強材10及び第2補強材30がフープ状であるとして説明したが、第1補強材10及び第2補強材30の少なくともいずれか一方は、必ずしもフープ状でなくてもよい。ただし、第1補強材10及び第2補強材30がフープ状であれば、構造体1の一体性がより向上するため、構造体1の施工上の安定性を向上させることができる。
本発明は構造体及びその施工方法に関する。
1:構造体
10:第1補強材
11:第1延在部
21:第2延在部
30、30a、30b:第2補強材
31:第3延在部
41:第4延在部
50、50a、50b、50c:第3補強材
51:第5延在部
52:重なり部
53:フック定着部
61:第6延在部
70:ユニット
101:組立構造体
110:第1構造体(鉄筋かご)
111:主筋(補強材)
111a:欠損部
112:スターラップ(補強材)
112a:欠損部
113:フープ筋(補強材)
120:第2構造体
121:立上り筋(補強材)
122:フープ筋(補強材)
130:接合部補強材
K:杭用空間(凹部)
S:挿入空間
X:第1方向
Y:第2方向
Z:第3方向

Claims (8)

  1. 硬化物を補強するための構造体の施工方法であって、
    異なる2方向に延在する第1延在部及び第2延在部を有する第1補強材と、異なる2方向に延在する第3延在部及び第4延在部を有する第2補強材と、を前記第1延在部に前記第3延在部を取り付けて一体化させたユニットを形成するユニット形成工程であって、前記第2延在部と前記第4延在部とが同じ方向に延在した状態を維持しつつ、前記第1延在部と前記第3延在部とが、互いに交差する位置で、所定の平面に沿って、互いに回動可能となるように取り付けて前記ユニットを形成する、ユニット形成工程と、
    前記第1延在部と前記第3延在部とを互いに回動させて、折り畳み状態にあった前記ユニットを、前記第2延在部と前記第4延在部とが同じ方向に延在し、かつ、前記第1延在部と前記第3延在部とが互いに異なる方向に延在する展開状態に遷移させるユニット展開工程と、
    前記展開状態で、前記第2延在部及び前記第4延在部の周囲に、前記ユニットの周囲を全周に亘って包囲するように、フープ筋である第3補強材を取り付けて前記ユニットを前記展開状態で保持させる取り付け工程と、
    を含む構造体の施工方法。
  2. 前記第1補強材はフープ状であり、前記ユニットは、前記第1補強材を複数備え、
    前記ユニット形成工程において、
    少なくとも1つの前記第1補強材の前記第1延在部の一部が分断されていることにより、前記第1延在部の延在方向である第1方向において前記第1補強材が存在しない第1分断領域を形成し、
    前記第2補強材を、前記第1方向において前記第1分断領域を避けるように配置して、前記第2補強材の前記第3延在部を、前記第3延在部の延在方向である第2方向の異なる位置で複数の前記第1補強材の前記第1延在部のそれぞれに取り付けて前記ユニットを形成する、請求項1に記載の構造体の施工方法。
  3. 前記第2補強材はフープ状であり、前記ユニットは、前記第2補強材を複数備え、
    前記ユニット形成工程において、
    少なくとも1つの前記第2補強材の前記第3延在部の一部が分断されていることにより、前記第2方向において前記第2補強材が存在しない第2分断領域を形成し、
    前記第1補強材を、前記第2方向において前記第2分断領域を避けるように配置して、前記第1補強材の前記第1延在部を、前記第1方向の異なる位置で複数の前記第2補強材の前記第3延在部のそれぞれに取り付けて前記ユニットを形成する、請求項2に記載の構造体の施工方法。
  4. 第1構造体と第2構造体とを部分的に重なるように配置して、組立構造体を組立てる組立て方法であって、
    請求項2又は3に記載の構造体の施工方法によって、前記第1構造体を施工する施工工程と、
    前記第1構造体における前記第1分断領域に、前記第2構造体の少なくとも一部が位置するように、前記第1構造体と前記第2構造体とを配置する配置工程と、を含む、組立構造体の組立て方法。
  5. 第1構造体と第2構造体とを部分的に重なるように配置すると共に、前記第1構造体と第3構造体とを部分的に重なるように配置して、組立構造体を組立てる組立て方法であって、
    請求項3に記載の構造体の施工方法によって、前記第1構造体を施工する施工工程と、
    前記第1構造体における前記第1分断領域に、前記第2構造体の少なくとも一部が位置するように、前記第1構造体と前記第2構造体とを配置すると共に、前記第1構造体における前記第2分断領域に、前記第3構造体の少なくとも一部が位置するように、前記第1構造体と前記第3構造体と配置する配置工程と、を含む、組立構造体の組立て方法。
  6. 部分的に重なるように配置された前記第1構造体と前記第2構造体との接合部を補強するように、接合部補強材を配置する接合部補強工程を含む、請求項4又は5に記載の組立構造体の組立て方法。
  7. 前記接合部補強工程において、前記接合部補強材を、前記第1分断領域に部分的に配置された前記第2構造体を貫通するように、配置する、請求項6に記載の組立構造体の組立て方法。
  8. 前記接合部補強工程において、前記接合部補強材を前記第1構造体の外側から配置するとともに前記接合部補強材の一部を前記第1構造体の内部に差し込み、前記第2構造体の一端に接合する、請求項6に記載の組立構造体の組立て方法。
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