JP7372541B2 - 化成処理鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、化成処理鋼板に関する。
化成処理鋼板は、外装用建材に好適に用いられている。外装用建材に用いられる化成処理鋼板には、耐食性や加工性などが求められる。化成処理鋼板は、例えば、めっき鋼板と、その表面に配置される化成処理皮膜などの層と、によって構成される。
一方で、上記めっき鋼板のうち、溶融めっき鋼板は、その表面がめっき金属の凝固組織で構成されている。このため、溶融めっき鋼板の表面は、一般に、高い光沢を有し、まためっき金属の凝固模様であるスパングル模様を呈する。このため、溶融めっき鋼板は、目視では眩しく感じられることがあり、あるいはスパングル模様が目立つと感じられることがある。上記めっき鋼板が有する高い光沢は、めっき鋼板を加工したときに形成されたキズや、めっき鋼板に付着した汚れを拭き取ったときの拭き取り跡などを目立ちやすくすることもある。
そこで、上記化成処理鋼板に、上記の耐食性や加工性などに加えて、適度な意匠性をもたらすために、溶融めっき鋼板の表面に配置される上記化成処理皮膜などに様々な工夫がなされている(例えば、特許文献1~6参照)。
特開平08-337742号公報 特開2007-269010号公報 特開2003-221687号公報 特開2002-371369号公報 特開2009-119360号公報 特開2007-283718号公報
化成処理鋼板に上記適度な意匠性をもたらすために、化成処理鋼板の光沢度を低下させるとともに、目視で観察されない程度に上記スパングル模様を隠蔽する方法が検討されている。一方で、曲げ加工時のめっき鋼板への密着性などが大きく損なわれないことが、化成処理鋼板には求められる。
本発明は、適度な光沢を有し、かつ化成処理皮膜の密着性の低下も抑制された化成処理鋼板を提供する。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、めっき鋼板と、前記めっき鋼板の表面に配置された化成処理皮膜と、を有する化成処理鋼板に関する。上記化成処理皮膜は、有機樹脂と、上記化成処理皮膜の全質量に対して5.0質量%以上の量の光沢調整粒子を含有し、上記光沢調整粒子は、平均粒子径が0.3μm以上4.0μm以下であり、上記光沢調整粒子は、シリカ粒子またはアクリル樹脂粒子であり、上記化成処理皮膜の膜厚tに対する上記光沢調整粒子の平均粒子径Aの比率(A/t)は、0.5以上6.0以下であり、上記化成処理皮膜は、ワックスを含有し、平板摺動試験により測定される静摩擦係数が0.20以上であり、かつ平板摺動試験により測定される動摩擦係数が0.15以下である。
本発明によれば、適度な光沢を有し、かつ化成処理皮膜の密着性の低下も抑制された化成処理鋼板を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態において静摩擦係数および動摩擦係数を測定する方法を説明する模式図である。
以下、本発明の一実施の形態を説明する。
本実施の形態に係る化成処理鋼板は、めっき鋼板と、当該めっき鋼板の表面に配置された化成処理皮膜と、を有する。以下、本実施の形態に係る化成処理鋼板の各構成要素について説明する。
[めっき鋼板]
上記めっき鋼板は、耐食性および意匠性の観点から、アルミニウムおよび亜鉛の一方または両方を含む上記めっき層を鋼板の表面に有することが好ましく、加えてスパングル模様をより呈しやすいめっき鋼板であることが、本実施の形態における効果をより顕著に発現させる観点から好ましい。また、上記めっき層は、0.05~60質量%のアルミニウムと、0.5~4.0質量%のマグネシウムとを含む亜鉛合金で構成されていることが、上記の観点から好ましい。上記めっき鋼板の厚さは、化成処理鋼板の用途に応じて適宜に決めることができ、例えば0.2~6.0mmである。上記めっき鋼板は、例えば、平板でもよいし、波板でもよく、めっき鋼板の平面形状は、矩形でもよいし、矩形以外の形状であってもよい。
上記スパングル模様を呈しやすいめっき鋼板の例には、溶融亜鉛めっき鋼板(溶融Znめっき鋼板)、アルミニウムを5質量%程度含有する亜鉛合金による溶融5%アルミニウム-亜鉛めっき鋼板(以下、「溶融5%Al-Znめっき鋼板」とも記す)、アルミニウムおよびマグネシウムを含有する亜鉛合金による溶融アルミニウム-マグネシウム-亜鉛めっき鋼板(溶融Al-Mg-Znめっき鋼板)、アルミニウム、マグネシウムおよびケイ素を含有する亜鉛合金による溶融アルミニウム-マグネシウム-ケイ素-亜鉛めっき鋼板(溶融Al-Mg-Si-Znめっき鋼板)、アルミニウムを55質量%程度含有する亜鉛合金による溶融55%アルミニウム-亜鉛めっき鋼板(溶融55%Al-Znめっき鋼板)、溶融アルミニウムめっき鋼板(溶融Alめっき鋼板)、および、ケイ素を9質量%程度含有するアルミニウム合金による溶融アルミニウム-9%ケイ素めっき鋼板(溶融Al-9%Siめっき鋼板)、が含まれる。
上記めっき鋼板の下地となる上記鋼板(下地鋼板)の例には、低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼および合金鋼が含まれる。当該下地鋼板が低炭素Ti添加鋼や低炭素Nb添加鋼などの深絞り用鋼板であることは、化成処理鋼板の加工性の向上の観点から好ましい。
[化成処理皮膜]
上記化成処理皮膜は、化成処理により上記めっき鋼板の表面に形成された皮膜である。
上記化成処理皮膜の膜厚は特に限定されず、たとえば0.1μm以上10.0μm以下とすることができる。上記膜厚が0.1μm以上であれば、化成処理鋼板による外観の向上効果や、耐食性の向上などのその他の効果が十分に奏される。上記膜厚が10.0μm以下であれば、化成処理皮膜による生産性の低下などが生じにくい。上記観点から、上記膜厚は0.1μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上4.5μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上2.0μm以下であることがさらに好ましく、0.5μm以上1.5μm以下であることが特に好ましい。
上記膜厚は、公知の膜厚計や化成処理皮膜の断面をSEMによる観察によって測定することが可能であり、後述の製造方法で説明する化成処理液の塗布量や塗布回数によって調整することが可能である。
上記化成処理皮膜は、有機樹脂、光沢調整粒子(以下、単に「GC粒子」ともいう。)およびワックスを含有する。
上記有機樹脂は、上記化成処理皮膜の膜構造を主に構成する。当該有機樹脂は、一種でもそれ以上でもよい。上記有機樹脂の例には、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィンおよびフッ素樹脂が含まれる。
上記ポリウレタンは、化成処理皮膜の製造の容易さおよび安全性の観点から、水溶性または水分散性のウレタン樹脂であることが好ましく、自己乳化型ウレタン樹脂であることがより好ましい。これらは、例えば、有機ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応生成物の構造を有する。
上記有機ポリイソシアネート化合物の例には、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートが含まれる。脂肪族ジイソシアネートの例には、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびナフタレンジイソシアネートが含まれる。脂環族ジイソシアネートの例には、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよびテトラメチルキシリレンジイソシアネートが含まれる。
上記ポリオール化合物の例には、ポリオレフィンポリオールが含まれる。ポリオレフィンポリオールの例には、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオールおよびポリブタジエンポリオールが含まれる。
上記ポリウレタンには、上記化合物からの合成品を用いることができるが、市販品を利用することが可能である。当該市販品の例には、第一工業製薬株式会社製の「スーパーフレックス」(同社の登録商標)、および、DIC株式会社製の「ハイドラン」(同社の登録商標)、が含まれる。
上記ポリエステルには、合成品を用いることができるが、市販品を利用することが可能である。当該市販品の例には、東洋紡STC株式会社製の「バイロナール」(東洋紡株式会社の登録商標)が含まれる。
上記アクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸またはその誘導体を含むモノマーのラジカル重合体である。上記アクリル樹脂には、合成品を用いることができるが、市販品を利用することが可能である。当該市販品の例には、DIC株式会社製の「パテラコール」(同社の登録商標)、アイカ工業社製「ウルトラゾール」(同社の登録商標)、および、三井化学株式会社製の「ボンロン」(同社の登録商標)が含まれる。
上記エポキシ樹脂には、合成品を用いることができるが、市販品を利用することが可能である。当該市販品の例には、荒川化学工業株式会社製の「モデピクス」(同社の登録商標)、および、株式会社ADEKA製の「アデカレジン」(同社の登録商標)、が含まれる。
上記ポリオレフィンには、合成品を用いることができるが、市販品を利用することが可能である。当該市販品の例には、ユニチカ株式会社製の「アローベース」(同社の登録商標)が含まれる。
上記フッ素樹脂には、合成品を用いることができるが、市販品を利用することが可能である。当該市販品の例には、JSR株式会社製 シフクリア Fシリーズ(「シフクリア」は同社の登録商標である。)、および、AGCコーティック株式会社製 オブリガート(「オブリガート」は同社の登録商標である。)が含まれる。
上記化成処理皮膜における上記有機樹脂の含有量は、耐食性などの耐久性や、スポット溶接性などの加工性、めっき鋼板に対する化成処理皮膜の密着性などを十分に発現させる観点から、30~95質量%であることが好ましく、40~70質量%であることがより好ましい。上記有機樹脂の含有量は、プロトン核磁気共鳴法や赤外分光法、質量分析法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などの、公知の分析方法を利用して求めることが可能である。
GC粒子は、平均粒子径が0.3μm以上4.0μmの、シリカ粒子またはアクリル樹脂粒子である。
GC粒子の平均粒子径が0.3μm以上であれば、GC粒子が光を散乱させることによる光沢の過剰な高まりが生じにくく、また、GC粒子により上記めっき鋼板の上記スパングル模様を十分に隠蔽できる。GC粒子の平均粒子径が4.0μm以下であれば、粒径の大きいGC粒子による化成処理皮膜の密着性の低下が生じにくい。上記観点から、GC粒子の平均粒子径は、0.3μm以上4.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上3.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上3.0μm以下であることがさらに好ましい。
なお、GC粒子の平均粒子径は、当該粒子の大きさを実質的に表す平均粒子径であり、例えば、個数粒度分布における平均粒子径(メジアン径)である。当該平均粒子径は、実測値であってもよいし、カタログ値であってもよい。GC粒子の平均粒子径は、例えば、化成処理皮膜またはその断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察することによって求めることが可能である。
また、化成処理皮膜の膜厚tに対するGC粒子の平均粒子径Aの比A/tは、0.5以上6.0以下である。A/tが0.5以上であれば、化成処理皮膜の表面粗さをGC粒子が調整することによる、光沢の抑制やスパングル模様の隠蔽効果が十分に奏される。A/tが6.0以上であれば、化成処理皮膜からのGC粒子の脱落による上記効果の低減が生じにくく、また、化成処理皮膜の密着性も十分となる。上記観点から、A/tは、0.5以上6.0以下であることが好ましく、1.0以上4.0以下であることがより好ましく、1.2以上3.0以下であることがさらに好ましい。
GC粒子は、シリカ粒子またはアクリル樹脂粒子である。シリカの融点は1500℃であり、アクリル樹脂の5%重量減少温度は通常220℃以上である。このように熱的安定性の高い材料から形成されたGC粒子は、化成処理液の塗布および乾燥(加熱)による化成処理被膜の形成時に溶融または変形しにくい。また、シリカ粒子およびアクリル粒子は、有機樹脂との間の密着性が高い。そのため、化成処理被膜の表面を疎面化することによる光沢の低下及びスパングルの隠蔽効果を良好に発揮することができるほか、溶融したこれらの粒子の材料のブリードも生じにくい。GC粒子は、調製されたものであってもよいし、市販品であってもよい。
上記化成処理皮膜におけるGC粒子の含有量は、上記化成処理皮膜の全質量に対して5.0質量%以上である。上記含有量が5.0質量%以上であると、GC粒子による光沢の抑制やスパングル模様の隠蔽効果が十分に奏される。上記含有量の上限は特に限定されないものの、GC粒子による化成処理皮膜の密着性の顕著な低下を抑制する観点からは、60質量%以下であることが好ましい。上記観点から、上記含有量は、5.0質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、7.0質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。化成処理皮膜中のGC粒子の含有量は、例えば、化成処理皮膜の表面またはその断面をSEMによって観察することによって求めることが可能である。
GC粒子の平均粒子径または含有量によって、上記化成処理鋼板の光沢を調整し、上記化成処理鋼板の過度の光沢を抑制することができる。たとえば、外観の過度の眩しさを抑制する観点から、上記化成処理鋼板の60°鏡面光沢度(表面光沢値)は、300以下であることが好ましく、240以下であることがより好ましく、200以下であることがさらに好ましく、150以下であることが特に好ましい。また、上記化成処理鋼板の60°鏡面光沢度は、外観上の理由、例えば、鋼板による意匠性の発現などの観点から、10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。当該60°鏡面光沢度G60は、JIS Z8741で規定されている「鏡面光沢度-測定方法」に準拠して求めることが可能である。
上記ワックスは、化成処理鋼板の加工性に寄与する。所期の加工性を発現する観点から、ワックスの融点は、80℃以上150℃未満であることが好ましい。当該ワックスの例には、フッ素系ワックス、ポリエチレン系ワックスおよびスチレン系ワックスが含まれる。
化成処理皮膜におけるワックスの含有量は、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5.0質量%以上13質量%以下であることがさらに好ましい。当該含有量が0.1質量%以上であれば、上記加工性の向上効果が十分に奏される。当該含有量が10質量%以下であれば、製品としての化成処理鋼板におけるコイル潰れやパイリング時の荷崩れが生じにくくなる。化成処理皮膜中のワックスの含有量は、ガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィー、質量分析法などの公知の定量分析法を利用して測定することが可能である。
本実施形態に関する化成処理鋼板では、GC粒子が化成処理皮膜の表面を適度に粗面化することにより、化成処理鋼板の表面の静摩擦係数を高め、ロールでの滑り等を生じにくくして、化成処理鋼板の製造性が向上されている。一方で、GC粒子の平均粒子径または含有量を上記範囲に調整すると、動摩擦係数の過剰な増加も抑制されるため、加工時の顕著な障害は生じにくい。上記ワックスの添加は、化成処理鋼板の静摩擦係数および動摩擦係数を低下させ、特に動摩擦係数の低下により加工性を向上する。一方で、上記ワックスの添加量を上記範囲に調整すると、静摩擦係数の過剰な低下も抑制されるため、製造時の顕著な障害は生じにくい。
このとき、化成処理鋼板の製造性をより向上させる観点からは、平板擦動試験による化成処理鋼板の静摩擦係数(μ)は、0.20以上であり、0.25より大きいことが好ましい。
また、化成処理鋼板の加工性をより向上させる観点からは、平板擦動試験による化成処理鋼板の動摩擦係数(μ)は、0.15以下であり、0.10以下であることが好ましい。
上記静摩擦係数μは、図1に示す方法で測定した値とすることができる。具体的には、表面処理鋼板から、幅30mm×長さ300mmの引き抜き用供試サンプル110と、幅30mm×長さ40mmの2つの押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bと、を切り出す。押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bは、それぞれ、両面テープ130aおよび両面テープ130bによって取付金型140aおよび取付金型140bに接着させる。
その後、引き抜き用供試サンプル110の表面に押さえ用供試サンプル120aの裏面が、引き抜き用供試サンプル110の裏面に押さえ用供試サンプル120bの表面が、それぞれ接触するように、同一水平面上に対向して配置した押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bの間に引き抜き用供試サンプル110を配置する。さらに、引き抜き用供試サンプル110の両側から押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bを押し当て、取付金型140aおよび取付金型140bを介して、押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bを引き抜き用供試サンプル110側に600kgfの荷重で押圧する。
この状態で、引き抜き用供試サンプル110を垂直方向に100mm/minの速度で引きにき、引き抜き直後に印加されていた、引き抜き用供試サンプル110を引き抜くための力を測定する。そして、上記引き抜き用供試サンプル110を引き抜くための力を、押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bを引き抜き用供試サンプル110側に押圧した荷重(600kgf)で除算して、得られた値を静摩擦係数μとすることができる。
上記化成処理皮膜は、本実施形態に係る効果を奏する範囲において、上記以外の他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分の例には、防錆剤および顔料が含まれる。
上記防錆剤は、上記めっき鋼板の錆の発生を防止し、上記化成処理鋼板の耐食性をより高める。防錆剤は、一種でもそれ以上でもよいし、固体でも液体でもよい。上記防錆剤は、その機能を発現させる観点から、固体であっても、その平均粒子径は、0.3μm未満であり、例えば通常は0.1μm未満である。
当該防錆剤の例には、クロメートを含むクロメート系防錆剤およびクロメートを含まない非クロメート系防錆剤が含まれる。防錆剤は、化成処理鋼板の生産および使用における環境への負荷を軽減する観点から、非クロメート系防錆剤であることが好ましい。非クロメート系防錆剤の例には、リン酸塩、バルブメタル化合物、タンニン酸、シランカップリング剤およびコロイダルシリカが含まれる。中でも、リン酸およびバルブメタル化合物が非クロメート系防錆剤として好ましい。また、タンニン酸、シランカップリング剤またはコロイダルシリカをこれらの代用として使用したり、併用したりすることも、化成処理鋼板の耐食性を向上させる観点からより好ましい。
上記リン酸塩は、化成処理鋼板の耐食性を高める観点から好ましい。上記リン酸塩は、めっき鋼板に対する防錆の作用を呈する塩であれば、水溶性であっても非水溶性であってもよい。リン酸塩のリン酸は、オルトリン酸などの通常のリン酸であってもよいし、ピロリン酸などの複合リン酸であってもよい。リン酸塩の陽イオンの例には、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、マンガンイオン、アルミニウムイオン、チタニウムイオン、ジルコニウムイオン、ハフニウムイオンおよび亜鉛イオンが含まれる。
上記バルブメタル化合物は、化成処理鋼板の耐食性を向上させる観点、および、化成処理鋼板の光沢を下げる観点、から好ましい。バルブメタル、たとえば、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、MoおよびWからなる群から選ばれる一以上の金属元素、を含む。バルブメタル化合物は、たとえば、バルブメタルの塩から形成される、バルブメタルの酸化物、水酸化物またはフッ化物である。
上記化成処理皮膜における上記リン酸塩の含有量は、耐食性をより向上させる観点から、リン原子換算で0.05質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましい。
また、上記化成処理皮膜における上記バルブメタル化合物の含有量は、耐食性をより向上させる観点から、上記金属元素換算で0.1質量%以上7.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましい。
さらに、上記化成処理皮膜が上記リン酸塩および上記バルブメタルの両方を含有する場合には、上記化成処理皮膜における上記金属元素BMに対する上記リン酸塩のリン元素Pの質量比P/BMは、耐食性の観点から、0.2以上2.0以下であることが好ましく、0.5以上1.5以下であることがより好ましい。
上記化成処理皮膜における上記リン酸塩または上記バルブメタル化合物の含有量は、化成処理皮膜中のリン元素またはバルブメタル金属元素として、蛍光X線分析やX線光電子分光分析(ESCA)、グロー放電発光表面分析(GDS)などの元素分析によって、確認、定量することが可能である。
上記タンニン酸は、めっき鋼板におけるめっき層中の亜鉛と反応して、高いバリア機能の化成処理皮膜形成し、もって、当該めっき鋼板の耐食性を向上させる。タンニン酸は、複数のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物であり、亜鉛イオンなどの金属イオンと反応して難溶性の塩を形成する、水溶性化合物である。タンニン酸は、一種でもそれ以上でもよい。また、タンニン酸は、通常、植物由来であるが、合成品であってもよい。
上記化成処理皮膜における上記タンニン酸の含有量は、耐食性や密着性などの観点から、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
上記シランカップリング剤は、例えば、結合性官能基を有するシラン化合物およびその縮合物が含まれる。当該結合性官能基の例には、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アルコキシ基、ビニル基、スチリル基、イソシアネート基およびクロロプロピル基が含まれる。結合性官能基は、一種でもそれ以上でもよい。シランカップリング剤は、化成処理皮膜の密着性の向上に寄与し、もって化成処理鋼板の耐食性を向上させる。
上記シランカップリング剤の例には、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、n-メチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、n-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、n-アミノエチル-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシ)シラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-ユレイドプロピルトリエトキシシラン、3-クロルプロピルトリメトキシシラン、3-アニリドプロピルトリメトキシシラン、3-(4,5-ジヒドロイミダゾールプロピルトリエトキシ)シラン、n-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランおよびp-スチリルトリメトキシシランが含まれる。
上記化成処理皮膜における上記シランカップリング剤の含有量は、耐食性や密着性などの観点から、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。上記化成処理皮膜中のシランカップリング剤の含有量は、蛍光X線分析装置またはICP発光分析装置を用いることで測定することができる。
上記コロイダルシリカは、二酸化ケイ素またはその水和物のコロイドであり、一般に、アモルファスで、非多孔質で、かつ略球状のシリカ微粒子の水系媒体中の分散物である。本実施の形態では、上記コロイダルシリカとは、当該シリカ微粒子を言う。本実施の形態では、当該コロイダルシリカの平均粒子径は、0.1μm以下である。上記化成処理皮膜における上記コロイダルシリカの含有量は、耐食性の観点から、1.0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。当該コロイダルシリカの平均粒子径は、化成処理皮膜またはその断面を、例えば、SEMによる観察によって求めることができ、コロイダルシリカの含有量は、例えば、蛍光X線分析装置などによって求めることが可能である。
上記顔料は、一種でもそれ以上でもよいし、無機顔料および有機顔料のいずれでもよい。無機顔料の例には、カーボンブラック、チタニア、アルミナ、ベンガラ、ガラスフレークおよびガラス繊維が含まれる。有機顔料の例には、アクリルなどの樹脂粒子が含まれる。上記顔料の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば0.3μm未満である。当該顔料の平均粒子径は、例えば、化成処理皮膜またはその断面のSEMによる観察によって求められる。
上記化成処理皮膜における上記顔料の含有量は、上記めっき鋼板のスパングル模様をより隠蔽する観点や、化成処理鋼板の光沢をより抑制する観点などから、0.1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、5質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。上記化成処理皮膜中の顔料の含有量は、例えば、蛍光X線分析装置、SEM、核磁気共鳴(NMR)分析装置、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)または液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)を用いることで測定することができる。
上記金属フレークは、一種でもそれ以上でもよい。当該金属フレークのサイズは、所期の機能を呈する範囲において適宜に決めることが可能である。たとえば、金属フレークの厚さは、0.01μm以上2μm以下であり、金属フレークの粒径(最大径)は、1μm以上40μm以下である。金属フレークのサイズは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定することが可能である。当該サイズの数値は、測定値の平均値または代表値であってもよいし、カタログ値であってもよい。
上記金属フレークは、例えば金属光沢を有するフレークであり、その例には、金属製のフレーク、および、表面に金属めっきを有するガラスフレーク、が含まれる。金属フレークの金属材料の例には、アルミニウムおよびその合金、鉄およびその合金、銅およびその合金、銀、ニッケルおよびチタンが含まれる。アルミニウム合金の例には、Al-Zn、Al-MgおよびAl-Siが含まれる。鉄合金の例には、ステンレス鋼が含まれる。銅合金の例には、ブロンズが含まれる。上記金属フレークは、耐食性や高意匠性などの観点から、アルミニウムフレーク、アルミニウム合金フレークおよびステンレス鋼フレークからなる群から選ばれる一以上であることが好ましく、アルミニウムフレークであることがより好ましい。
上記金属フレークは、表面処理剤によって表面処理されていてもよい。表面処理された金属フレークを用いることによって、後述の製造方法で説明する化成処理液中における金属フレークの耐水性および分散性をより向上させることが可能である。上記表面処理剤によって金属フレークの表面に形成される皮膜の例には、モリブデン酸皮膜、リン酸系皮膜、シリカ皮膜、および、シランカップリング剤および有機樹脂から形成される皮膜、が含まれる。
上記金属フレークには、金属粒子の圧潰品を用いることができるが、市販品を利用することが可能である。当該市販品の例には、東洋アルミニウム株式会社製 WXM-U75C、EMR-D6390、WL-1100、GD-20XおよびPFA4000が含まれる。
上記化成処理鋼板は、本実施の形態の効果が得られる範囲において、上記化成処理皮膜が複数の層の積層構造で構成されてもよいし、上記化成処理皮膜以外の他の層をさらに有してもよい。上記化成処理鋼板では、上記の単層の化成処理皮膜によって所期の効果が奏されることから、上記化成処理鋼板が上記化成処理皮膜の一層のみを有することが、生産性の観点からより好ましい。また、上記化成処理鋼板では、その最表面を構成する層(すなわち表面層)として上記化成処理皮膜を配置することにより、所期の効果が奏される。よって、上記化成処理鋼板が上記化成処理皮膜を表面層として有することは、例えば、層構造の簡素化や生産性などの観点から好ましい。
また、上記化成処理鋼板では、非クロメート系防錆剤を好適に用いることが可能である。このため、クロメートフリーとすることが可能であり、当該化成処理鋼板がクロメートフリーであることは、その製造および使用における環境への負荷を軽減する観点からより好ましい。「クロメートフリー」とは、6価クロムを実質的に含有しないことを意味する。「クロメートフリー」であることは、例えば、測定対象物(例えば、上記化成処理鋼板の切片など)を、沸騰している純水100mLに10分間浸漬した後、当該純水中に溶出した6価クロムを、JIS H8625付属書の2.4.1の「ジフェニルカルバジッド比色法」に準拠する濃度の分析方法で定量したときに、検出限界以下であること、によって確認することができる。
上記化成処理鋼板は、上記めっき鋼板に化成処理液を塗布し、塗布された化成処理液を乾燥させることによって製造することが可能である。
上記化成処理液は、少なくとも上記有機樹脂およびGC粒子を含有し、さらに前述した他の成分を含有していてもよい。
上記化成処理液は、液媒をさらに含有していてもよい。当該液媒は、化成処理鋼板の製造時における防爆性、の観点から、水性媒体であることが好ましい。当該化成処理液の調製では、上記有機樹脂の配合に、当該有機樹脂の水系エマルションや水溶性処理溶液を好適に用いることができる。このような水性の組成物は、引火点を有しないので、当該水性組成物を上記化成処理液の材料に用いることは、防爆設備のない乾燥設備でも、当該化成処理鋼板の製造を可能とすることから好ましい。
また、上記化成処理液が上記水性媒体を有する水性の液であると、化成処理皮膜の厚さを十分に薄くすることが可能である。上記化成処理皮膜がこのような薄膜であっても、上記の所期の効果が十分に発現される。このような薄膜の化成処理皮膜は、固形顔料による艶消し外観の調整には不向きである。よって、上記化成処理皮膜は、艶消し剤としての固形顔料を含有しないことが、上記のような水性の化成処理液での化成処理皮膜の製造を適用する観点から好ましい。
上記水性媒体は、水を主成分とする液媒であり、例えば、水や水と水溶性有機溶剤との混合液などである。当該液媒の含有量は、化成処理液の塗布に適当な上述の固形分の濃度の範囲において、適宜に決めることが可能である。
上記樹脂エマルションの粒子径は、10~100nmであることが、化成処理皮膜の耐透水性を高め、化成処理液のより低温での乾燥を可能とする観点から好ましい。当該粒子径が10nm未満であると、化成処理液の安定性が低下することがあり、100nmを超えると、化成処理液の低温乾燥の効果が十分に得られないことがある。
上記化成処理液は、化成処理皮膜中の材料そのものを含有していてもよいし、当該材料の前駆体を含有していてもよい。「材料の前駆体」とは、化成処理液中または化成処理液の乾燥によって当該材料に変化する成分である。当該前駆体の例には、上記有機樹脂の前駆体、および、上記有機樹脂のモノマーまたはオリゴマー、が含まれる。
また、上記化成処理液は、化成処理液に好適な添加剤をさらに含有していてもよい。当該添加剤の例には、レオロジーコントロール剤、エッチング剤、無機化合物および潤滑剤が含まれる。
上記レオロジーコントロール剤は、例えば、化成処理液中での固形分の沈降を防止し、当該固形分の分散性の向上に寄与する。レオロジーコントロール剤は、ウレタン、アクリル、ポリオレフィン、アマイド、アニオン系活性剤、ノニオン系活性剤、ポリカルボン酸、セルロース、メトローズ、およびウレアからなる群より選ばれる一以上であることが好ましい。
上記レオロジーコントロール剤には、市販品を利用することが可能である。当該市販品の例には、チクゾールK-130B、チクゾールW300(共栄社化学株式会社製、「チクゾール」は同社の登録商標)、UH750、SDX-1014(株式会社ADEKA社製)、ディスパロンAQ-610(楠本化成株式会社製、「ディスパロン」は同社の登録商標)、BYK-425、BYK-420(ビックケミー社製、「BYK」は同社の登録商標)が含まれる。
上記エッチング剤は、上記めっき鋼板の表面を活性化し、化成処理皮膜のめっき鋼板への密着性の向上に寄与する。エッチング剤の例には、フッ化物が含まれる。上記無機化合物は、化成処理皮膜を緻密化して化成処理皮膜の耐水性の向上に寄与する。無機化合物の例には、Mg、Ca、Sr、V、W、Mn、B、SiまたはSnの酸化物あるいはリン酸塩が含まれる。上記潤滑剤は、化成処理皮膜の潤滑性を高め、化成処理鋼板の加工性の向上に寄与する。潤滑剤の例には、二硫化モリブデンおよびタルクなどの無機潤滑剤が含まれる。
また、上記化成処理液の塗布に先立って、上記めっき鋼板を下地処理液で下地処理することも可能である。当該下地処理は、化成処理皮膜の作製と同程度の条件、および、実質的に異なる条件、のいずれで行ってもよい。
上記化成処理液は、ロールコート法やカーテンフロー法、スピンコート法、スプレー法、浸漬引き上げ法などの公知の塗布方法によって上記めっき鋼板の表面に塗布することができる。上記めっき鋼板の表面に塗布された化成処理液の乾燥は、常温で行うことが可能であるが、生産性(連続操業)の観点から、50℃以上で行うことが好ましく、100℃以上で行うことがより好ましい。この乾燥温度は、上記化成処理液中の成分の熱分解を防止する観点から、300℃以下であることが好ましい。
上記化成処理鋼板は、上記めっき鋼板の表面に、上記防錆剤を含有してもよい上記有機樹脂製の単層の上記化成処理皮膜を有する。よって、当該化成処理鋼板は、耐食性および加工性を有する。
上記化成処理皮膜は、GC粒子を含有する。当該化成処理皮膜中において、GC粒子の表面は、有機樹脂の連続する均一な相によって、ある程度の厚さで覆われている。このため、化成処理皮膜の表面には、GC粒子の存在によって凹凸が形成される。よって、化成処理皮膜は、適度な表面粗さ(例えば、十点平均粗さRzで0.2~6.0μm程度)を有する。したがって、当該化成処理皮膜内では、光が散乱し、過度の光沢が抑えられる。また、上記めっき鋼板におけるスパングル模様の像が、当該化成処理皮膜を介することで、外観上少なくとも十分に判別されない程度まで不鮮明となる。よって、適度な光沢と上記スパングル模様の隠蔽とが単層の上記化成処理皮膜によって実現される。
上記化成処理鋼板は、過度の光沢が抑えられるとともにめっき鋼板によるスパングル模様が実質的に隠蔽されることから、意匠性に優れている。また、上記化成処理鋼板は、加工時に化成処理皮膜の剥離が生じにくい。よって、上記化成処理鋼板は、外装用建材および内装用建材などの各種用途に好適である。
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
1.実験1
[めっき鋼板Aおよびめっき鋼板Bの作製]
冷間圧延鋼板(SPCC)に溶融Znの溶融亜鉛めっきを施してなる溶融Znめっき鋼板(めっき鋼板A)を用意した。当該溶融Znめっき鋼板は、通常、0.1質量%程度のAlを含有している。また、溶融Zn-6質量%Al-3質量%Mg合金の溶融合金めっきをSPCCに施してなる溶融6%Al-3%Mg-Znめっき鋼板(めっき鋼板B)を用意した。めっき鋼板Aおよびめっき鋼板Bの板厚は、いずれも0.7mmであり、めっき鋼板Aおよびめっき鋼板Bにおける片面のめっき付着量は、いずれも60g/mとした。
[化成処理液の調製]
まず、以下の材料を用意した。
(1)有機樹脂
JSR株式会社製の「シフクリアF101」(「シフクリア」は同社の登録商標)を用意した。シフクリアF101は、フッ素樹脂(FR)の水系エマルションであり、当該エマルションの固形分濃度は約47質量%であり、エマルションの平均粒子径は約150nmである。
また、DIC株式会社製の「ハイドランCOR-252」(「ハイドラン」は同社の登録商標)を用意した。ハイドランCOR-252は、ポリウレタン(PU)の水系エマルションであり、当該エマルションの固形分濃度は約35質量%である。
また、DIC株式会社製の「パテラコールAC-80」(「パテラコール」は同社の登録商標)を用意した。パテラコールAC-80は、アクリル樹脂(AR)の水系エマルションであり、当該エマルションの固形分濃度は約42質量%である。
また、株式会社ADEKA製の「アデカレジンEM-0180」(「アデカレジン」は同社の登録商標)を用意した。アデカレジンEM-0180は、エポキシ樹脂(ER)の水系エマルションであり、当該エマルションの固形分濃度は約43質量%である。
また、東洋紡株式会社製の「バイロナールMD-1100」(「バイロナール」は同社の登録商標)を用意した。バイロナールMD-1100は、ポリエステル(PE)の水系エマルションであり、当該エマルションの固形分濃度は約30質量%である。
(2)光沢調整粒子(GC粒子)
アクリル樹脂粒子(GC-R1)の平均粒子径が1.4μmである粉体「架橋アクリル単分散粒子MX-150」(綜研化学株式会社製)を用意した。MX-150(製品名)は、アクリル架橋粒子(樹脂種)の粉体である。
また、アクリル樹脂粒子(GC-R2)の平均粒子径が0.3μmである粉体「テクポリマー」(積水化成品工業株式会社製)を用意した。テクポリマーは、メタクリル酸メチル粒子の粉体である。なお、「テクポリマー」は同社の登録商標である。
また、アクリル樹脂粒子(GC-R3)の平均粒子径が4.0μmである粉体「ハヤビーズ」(早川ゴム株式会社製)を用意した。ハヤビーズ(製品名)は、アクリル架橋粒子(樹脂種)の粉体である。
また、アクリル樹脂粒子(GC-R4)の平均粒子径が0.2μmである水分散体「タフチックF-120」(東洋紡株式会社製)を用意した。タフチックF-120は、ポリアクリロニトリル粒子の水分散体であり、当該水分散体の固形分濃度は約20質量%である。なお、「タフチック」は同社の登録商標である。
また、アクリル樹脂粒子(GC-R5)の平均粒子径が5.0μmである粉体「エポスターMA MA1004」(株式会社日本触媒製)を用意した。エポスターMA MA1004は、ポリメタクリル酸メチル系架橋物粒子の粉体である。なお、「エポスター」は同社の登録商標である。
また、シリカ粒子(GC-S1)の平均粒子径が1.4μmである粉体「Micromod」(コアフロント株式会社製)を用意した。Micromod(製品名)は、シリカの粉体である。
また、ポリエチレン系ワックスとして、三井化学株式会社製の「ケミパールW4005」(「ケミパール」は同社の登録商標)を用意した。当該ワックスの融点は110℃である。
これらの材料を表1に示す量で混合し、固形物換算で約20質量%の濃度の化成処理液(以下、単に「処理液」とも言う)1~処理液15を調製した。なお、表1に記載の数値のうち、水系エマルションなどの分散液の状態の材料の含有量は、当該分散液中の不揮発成分に換算したときの量である。また、表1に記載の単位「部」は、質量部を示し、表1に記載の「粒径」は、平均粒子径を示す。
Figure 0007372541000001
[化成処理鋼板の作製]
めっき鋼板Aまたはめっき鋼板Bに処理液1~処理液15のいずれかを塗布し、到達板温140℃で加熱乾燥して、膜厚1.0μmの化成処理皮膜を形成し、化成処理鋼板1~化成処理鋼板60を得た。化成処理皮膜の膜厚は、化成処理皮膜を含む化成処理鋼板を切出し、断面をSEMによって観察して、求めた。
[評価]
(1)外観
それぞれの化成処理皮膜側の表面の60°鏡面光沢度G60を、JIS Z8741で規定されている「鏡面光沢度-測定方法」に準拠し、株式会社村上色彩技術研究所製の光沢計、GMX-203を用いて測定した。また、当該表面を目視で観察し、スパングル模様の有無を確認した。これらの結果により、当該化成処理鋼板における化成処理皮膜の外観を、以下の基準により評価した。
◎:スパングル模様が認められず、かつG60が200以下である
○:スパングル模様が認められず、かつG60が200超240以下である
△:スパングル模様がやや認められる
×:スパングル模様が鮮明に認められる
なお、化成処理皮膜を形成する前のめっき鋼板Aおよびめっき鋼板BのG60は350であった。
(2)密着性
それぞれの化成処理鋼板から切り出した試験片を4t曲げし、化成処理皮膜における曲げられた部分の外側表面にセロハンテープ剥離試験を行い、当該曲げられた部分の単位面積当たりの、化成処理皮膜の剥離した部分の面積の割合(皮膜剥離面積率PA(%))を求めた。この結果により、それぞれの化成処理鋼板における化成処理皮膜の密着性を、以下の基準により評価した。
◎:PAが5%以下である
〇:PAが5%超10%以下である
△:PAが10%超50%以下である
×:PAが50%超である
(3)製造性
図1に示す方法で、表面と裏面との間の静摩擦係数を測定した。それぞれの表面処理鋼板から、幅30mm×長さ300mmの引き抜き用供試サンプル110と、幅30mm×長さ40mmの2つの押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bと、を切り出した。押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bは、それぞれ、両面テープ130aおよび両面テープ130bによって取付金型140aおよび取付金型140bに接着させた。
引き抜き用供試サンプル110の化成処理皮膜を形成した一方の面に押さえ用供試サンプル120aの化成処理皮膜を形成した面が、引き抜き用供試サンプル110の化成処理皮膜を形成した他方の面に押さえ用供試サンプル120bの化成処理皮膜を形成した面が、それぞれ接触するように、同一水平面上に対向して配置した押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bの間に引き抜き用供試サンプル110を配置した。さらに、引き抜き用供試サンプル110の両側から押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bを押し当て、取付金型140aおよび取付金型140bを介して、押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bを引き抜き用供試サンプル110側に600kgfの荷重で押圧した。
この状態で、引き抜き用供試サンプル110を垂直方向に100mm/minの速度で引きにき、引き抜き直後に印加されていた、引き抜き用供試サンプル110を引き抜くための力を測定した。そして、上記引き抜き用供試サンプル110を引き抜くための力を、押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bを引き抜き用供試サンプル110側に押圧した荷重(600kgf)で除算して、静摩擦係数を求めた。得られた静摩擦係数の値に基づき、以下の基準でそれぞれの表面処理鋼板の製造性を評価した。
◎ 静摩擦係数μが0.25超である
○ 静摩擦係数μが0.20超0.25以下である
△ 静摩擦係数μが0.10超0.20以下である
× 静摩擦係数μが0.10以下である
(4)潤滑性
製造性の評価における静摩擦係数の測定の後、引き抜き用供試サンプル110が50mm移動した時点で印加されていた、引き抜き用供試サンプル110を引き抜くための力を測定した。そして、上記引き抜き用供試サンプル110を引き抜くための力を、押さえ用供試サンプル120aおよび押さえ用供試サンプル120bを引き抜き用供試サンプル110側に押圧した荷重(600kgf)で除算して、動摩擦係数を求めた。得られた動摩擦係数の値に基づき、以下の基準でそれぞれの表面処理鋼板の潤滑性を評価した。
◎ 動摩擦係数μが0.10以下である
○ 動摩擦係数μが0.10超0.15以下である
△ 動摩擦係数μが0.15超0.20以下である
× 動摩擦係数μが0.20超である
化成処理鋼板1~60のそれぞれについて、めっき鋼板の種類、処理液の種類、GC粒子の種類および添加量、化成処理皮膜の膜厚、A/t、ならびに上記評価の結果を表2~表5に示す。
Figure 0007372541000002
Figure 0007372541000003
Figure 0007372541000004
Figure 0007372541000005
表2~表5から明らかなように、めっき鋼板の表面に配置された化成処理皮膜が、有機樹脂と、上記化成処理皮膜の全質量に対して5.0質量%以上の量の光沢調整粒子を含有し、上記光沢調整粒子は、平均粒子径が0.3μm以上4.0μm以下であり、上記光沢調整粒子は、シリカ粒子またはアクリル樹脂粒子であり、化成処理皮膜の膜厚tに対する上記光沢調整粒子の平均粒子径Aの比率(A/t)は、0.5以上6.0以下であると、化成処理鋼板の表面光沢が低下され、スパングルも隠蔽され、かつ化成処理皮膜の密着性も低下しにくかった。
特に、上記光沢調整粒子の含有量が、上記化成処理皮膜の全質量に対して5.0質量%以上40質量%以下であると、化成処理皮膜の密着性の低下がさらに抑制されていた。
また、化成処理皮膜にワックスを含有させることで、平板摺動試験により測定される静摩擦係数を0.20以上とし、かつ平板摺動試験により測定される動摩擦係数を0.15以下とすることができ、化成処理鋼板の製造性および加工性をいずれも高い程度に調整することができた。
上記化成処理鋼板は、過度の光沢が抑制されるため、外装用建材および内装用建材などの様々な用途において有用である。たとえば、上記化成処理鋼板は、建築物の屋根材や外装材など、ビニールハウスまたは農業ハウス用の鋼管や形鋼、支柱、梁など、搬送用部材、遮音壁、防音壁、吸音壁、防雪壁、ガードレール、高欄、防護柵、支柱、鉄道車両用部材、架線用部材、電気設備用部材、安全環境用部材、構造用部材、太陽光架台およびエアコン室外機などの様々な用途に好適に使用され得る。
110 引き抜き用供試サンプル
120a、120b 押さえ用供試サンプル
130a、130b 両面テープ
140a、140b 取付金型

Claims (5)

  1. めっき鋼板と、前記めっき鋼板の表面に配置された化成処理皮膜と、を有し、
    前記化成処理皮膜は、前記化成処理皮膜の膜構造を構成する有機樹脂と、ワックスと、光沢調整粒子と、を含有し、
    前記光沢調整粒子の含有量は、前記化成処理皮膜の全質量に対して5.0質量%以上であり、
    前記光沢調整粒子は、個数粒度分布における平均粒子径が0.3μm以上4.0μm以下シリカ粒子またはアクリル樹脂粒子であり、
    前記化成処理皮膜の膜厚tに対する前記光沢調整粒子の平均粒子径Aの比率(A/t)は、0.5以上6.0以下であり、
    前記化成処理皮膜は、下記の測定条件による平板摺動試験により測定される静摩擦係数が0.20以上であり、かつ下記の測定条件による平板摺動試験により測定される動摩擦係数が0.15以下である、
    化成処理鋼板。
    (静摩擦係数の測定条件)
    化成処理鋼板から、幅30mm×長さ300mmの引き抜き用供試サンプルと、幅30mm×長さ40mmの2つの押さえ用供試サンプルと、を切り出す。2つの押さえ用供試サンプルを、それぞれ、両面テープによって取付金型に接着させる。その後、引き抜き用供試サンプルの表面に一方の押さえ用供試サンプルの裏面が、引き抜き用供試サンプルの裏面に他方の押さえ用供試サンプルの表面が、それぞれ接触するように、同一水平面上に対向して配置した前記2つの押さえ用供試サンプルの間に引き抜き用供試サンプルを配置する。さらに、引き抜き用供試サンプルの両側から前記2つの押さえ用供試サンプルを押し当て、取付金型を介して、前記2つの押さえ用供試サンプルを引き抜き用供試サンプル側に600kgfの荷重で押圧する。この状態で、引き抜き用供試サンプルを垂直方向に100mm/minの速度で引き抜き、引き抜き直後に印加されていた、引き抜き用供試サンプルを引き抜くための力を測定する。そして、前記引き抜き用供試サンプルを引き抜くための力を、600kgfで除算して、得られた値を静摩擦係数とする。
    (動摩擦係数の測定条件)
    前記静摩擦係数の測定において、引き抜き用供試サンプルが50mm移動した時点で印加されていた、引き抜き用供試サンプルを引き抜くための力を測定し、前記50mm移動した時点で印加されていた力を、600kgfで除算して、得られた値を動摩擦係数とする。
  2. 前記化成処理皮膜は、前記化成処理皮膜の全質量に対して5.0質量%以上40質量%以下の量の前記光沢調整粒子を含有する、請求項1に記載の化成処理鋼板。
  3. 前記化成処理皮膜は、表面光沢値が240以下であって、前記表面光沢値は、ISZ8741で規定されている「鏡面光沢度-測定方法」に準拠して求めた60°鏡面光沢度である、請求項2に記載の化成処理鋼板。
  4. 前記有機樹脂は、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィンおよびフッ素樹脂からなる群から選択される1つまたは複数の樹脂である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化成処理鋼板。
  5. 前記化成処理皮膜は、単層である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化成処理鋼板。
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