JP7367069B2 - 管用ねじ継手 - Google Patents

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Description

本開示は、鋼管等の連結に用いられる管用ねじ継手に関する。
油井、天然ガス井等(以下、総称して「油井」ともいう。)においては、地下資源を採掘するため、複数段の井戸壁を構築するケーシングや、該ケーシング内に配置されてオイルやガスを生産するチュービングが用いられる。これらケーシングやチュービングは、多数の鋼管が順次連結されて成り、その連結に管用ねじ継手が用いられる。油井に用いられる鋼管は油井管とも称される。
管用ねじ継手の形式は、インテグラル型とカップリング型とに大別される。インテグラル型の管用ねじ継手は、例えば下記の特許文献1や、特許文献2の図5-図7に開示されており、カップリング型の管用ねじ継手は、例えば特許文献2の図4や、特許文献3等に開示されている。
インテグラル型では、油井管同士が直接連結される。具体的には、油井管の一端には雌ねじ部が、他端には雄ねじ部が設けられ、一の油井管の雌ねじ部に他の油井管の雄ねじ部がねじ込まれることにより、油井管同士が連結される。
カップリング型では、管状のカップリングを介して油井管同士が連結される。具体的には、カップリングの両端に雌ねじ部が設けられ、油井管の両端には雄ねじ部が設けられる。そして、カップリングの一方の雌ねじ部に一の油井管の一方の雄ねじ部がねじ込まれるとともに、カップリングの他方の雌ねじ部に他の油井管の一方の雄ねじ部がねじ込まれることにより、カップリングを介して油井管同士が連結される。すなわち、カップリング型では、直接連結される一対の管材の一方が油井管であり、他方がカップリングである。
一般に、雄ねじ部が形成された油井管の端部は、油井管又はカップリングに形成された雌ねじ部に挿入される要素を含むことから、ピンと称される。雌ねじ部が形成された油井管又はカップリングの端部は、油井管の端部に形成された雄ねじ部を受け入れる要素を含むことから、ボックスと称される。
油井管継手の最新の規格、例えばAPI 5C5 RP CAL-IV 2017では、旧規格、例えばISO-CAL IV 2002よりも、SeriesA試験における複合荷重楕円の引張・圧縮・内圧・外圧
の各荷重が増加している。さらに、近年、さらなる高温高圧深井戸の開発が進み、油井管用ねじ継手の使用環境が益々厳しくなってきており、特に軸方向圧縮荷重に対する性能(本明細書において「耐圧縮性能」ともいう。)の向上が求められている。
一方、深井戸では、地層圧の深さ分布の複雑さによりケーシングの段数も増やす必要があることなどから、継手の最大外径、すなわちボックスの外径が油井管の管本体の外径とほぼ同程度のねじ継手が要求される。ボックス外径が油井管の管本体の外径にほぼ等しいねじ継手はフラッシュ型ねじ継手とも称される。また、ボックス外径が油井管の管本体の外径の概ね108%未満であるねじ継手はセミフラッシュ型ねじ継手とも称される。これらフラッシュ型及びセミフラッシュ型のねじ継手には、高い強度及びシール性能が要求されるだけでなく、限られた管肉厚内にねじ構造及びシール構造を配置するために、各部位には厳しい寸法制約が課されている。
寸法制約が大きいフラッシュ型及びセミフラッシュ型のねじ継手は、特許文献1に開示
されているように、継手部の軸方向中間に中間ショルダ面を設け、その前後にそれぞれ内ねじ部及び外ねじ部を配置した2段ねじにより雄ねじ及び雌ねじを構成した継手デザインが採用されることが多い。2段ねじ構造の継手デザインによれば、より大きな危険断面の面積を確保できる。
危険断面(CCS)とは、締結状態において引張荷重負荷時に最大応力が生じる継手部分の縦断面(管軸に直交する切断面におけるもの)である。過大な引張荷重が負荷された場合には、危険断面の近傍で破損する可能性が高い。
油井管用ねじ継手では、引張荷重のピンからボックスへの伝搬は、ねじ嵌合範囲全体にわたって軸方向に分散される。したがって、引張荷重のすべてが作用するピンの断面部分はねじ嵌合範囲よりもピンの管本体側となり、引張荷重のすべてが作用するボックスの断面部分はねじ嵌合範囲よりもボックスの管本体側となる。引張荷重のすべてが作用する断面のうち最も断面積が小さいものが危険断面となる。すなわち、締結状態における雄ねじと雌ねじとの噛み合い端のうち、雄ねじ部の先端側の噛み合い端に対応する雌ねじ部のねじ谷底位置を包含するボックスの縦断面(管軸に直交する切断面におけるもの)がボックス危険断面(BCCS)となる。また、締結状態における雄ねじ部と雌ねじ部との噛み合い端のうち、雄ねじ部の管本体側の噛み合い端に対応する雄ねじ部のねじ谷底位置を包含するピンの縦断面(管軸に直交する切断面におけるもの)がピン危険断面(PCCS)となる。ボックス危険断面及びピン危険断面のうち面積が小さい方がそのねじ継手の危険断面(CCS)となる。油井管の管本体の断面積に対する危険断面の面積の比を継手効率と呼び、油井管本体の引張強度に対する継手部分の引張強度の指標として広く用いられている。
2段ねじ構造のねじ継手においても、上記ボックス危険断面及びピン危険断面が存在する。さらに、2段ねじ構造のねじ継手においては、上述したように、継手部の軸方向中間部にも引張荷重に耐える継手断面積が小さくなる部位が存在する。すなわち、2段ねじ構造のねじ継手では、軸方向中間にねじ嵌合の無いセクションが存在する。このねじ嵌合の無いセクションでは、ピン及びボックスに分担された引張荷重が増減することなく軸方向に伝搬する。したがって、ねじ嵌合の無いセクションにおいて最も断面積が小さくなるピンの断面がピン中間危険断面(PICCS)となり、ねじ嵌合の無いセクションにおいて最も断面積が小さくなるボックスの断面がボックス中間危険断面(BICCS)となる。継手中間部における破断の発生を防止するためには、ピン中間危険断面の面積とボックス中間危険断面の面積との和を、ねじ継手の危険断面(CCS)の面積よりも大きくすることが好ましい。
特表2018-536818号公報(国際公開第2017/097700号) 特開昭57-186690号公報 国際公開第2014/045973号
特許文献1に開示されている2段ねじ構造のセミフラッシュタイプのインテグラル型ねじ継手では、油井管の素管の肉厚範囲内に2段ねじ構造を形成する必要があり、油井管よりも大きな外径を有するカップリングを用いるカップリング型ねじ継手と比して継手部分の強度が低下し、高い圧縮荷重に耐えうる強度を確保することが難しい。
一般論としては、圧縮性能を向上させるには、圧縮荷重を負担する部位のピン及びボックス間の接触面積を増加させることが有効である。すなわち、締結時のトルクストッパーとして機能する中間ショルダ面同士の径方向の接触幅(すなわち、接触する部分の径方向幅)を大きく確保することが、圧縮性能の向上に寄与するものと考えられる。
しかし、中間ショルダ面同士の接触幅を大きくすると、ピン及びボックスのねじセクションの管肉厚や、シールセクションの管肉厚が犠牲となり、密封性能が低下してしまうとともに、ピン中間危険断面及びボックス危険断面の面積の和が減少することにも繋がり、ねじ継手の引張り強度の低下を招く。
また、特許文献1記載のねじ継手では、締結時に中間ショルダ面がトルクストッパーとして機能して、ピン先端(20)とボックスの端部肩部(30)とが離間した状態で締結完了する。この締結状態で軸方向圧縮荷重が負荷されたときの挙動については特許文献1には何ら言及されていない。
したがって、特許文献1記載の従来のねじ継手の場合、中間ショルダ面(26,28)同士の接触のみで圧縮荷重を負担する必要があり、圧縮性能を大きく向上させることは困難である。
本開示の目的は、2段ねじ構造の管用ねじ継手において、耐圧縮性能の更なる向上を図ることである。
本開示に係る管用ねじ継手は、管状のピンと管状のボックスとから構成され、前記ピンが前記ボックスにねじ込まれて前記ピンと前記ボックスとが締結される。
前記ピンは、第1雄ねじと、前記第1雄ねじよりも先端側に設けられ且つ前記第1雄ねじよりも小径の第2雄ねじと、前記第1雄ねじと前記第2雄ねじとの間に設けられたピン中間ショルダ面と、前記ピンの先端に設けられたピン端部ショルダ面と、前記第2雄ねじと前記ピン端部ショルダ面との間に設けられたピンシール面とを備える。
前記ボックスは、締結状態で前記第1雄ねじが嵌合する第1雌ねじと、締結状態で前記第2雄ねじが嵌合する第2雌ねじと、締結状態で前記ピン中間ショルダ面に接触するボックス中間ショルダ面と、前記ピン端部ショルダ面に対応して設けられたボックス端部ショルダ面と、前記第2雌ねじと前記ボックス端部ショルダ面との間に設けられて締結状態で前記ピンシール面に全周にわたって接触するボックスシール面とを備える。
本開示に係る管用ねじ継手では、締結前の前記ボックスの前記ボックス中間ショルダ面と前記ボックス端部ショルダ面との間の軸方向距離Lが、締結前の前記ピンの前記ピン中間ショルダ面と前記ピン端部ショルダ面との間の軸方向距離Lよりも大きい。これにより、締結中、ピン中間ショルダ面及びボックス中間ショルダ面が接触開始する時点ではピン端部ショルダ面とボックス端部ショルダ面とは接触しない。すなわち、ピン中間ショルダ面及びボックス中間ショルダ面はトルクストッパーとして機能する。一方、締結完了時点で、ピン端部ショルダ面とボックス端部ショルダ面とは離間している。或いは、締結によりピン先端部がピン中間ショルダ面に対して先端側に引っ張られて、ピン端部ショルダ面がピン先端側に弾性変形して、トルクストッパーとしては実質的に機能しない程度に締結完了時点でピン端部ショルダ面及びボックス端部ショルダ面が互いに軽く接触している状態とすることができる。
さらに、本開示に係る管用ねじ継手では、締結状態で軸方向圧縮荷重の負荷時に前記管
用ねじ継手が降伏する前に前記ピン端部ショルダ面が前記ボックス端部ショルダ面に接触開始するよう、前記軸方向距離の差(L-L)が定められている。これにより、軸方向圧縮荷重の負荷時に、ピン端部ショルダ面及びボックス端部ショルダ面が接触して、軸方向圧縮荷重の一部をピン端部ショルダ面及びボックス端部ショルダ面に負担させることができ、継手構造全体として要求される降伏圧縮強度を得ることができる。さらに、端部ショルダ面同士の接触によりボックスシール面に対するピンシール面の軸方向のずれ量を抑制することができ、大きな圧縮荷重負荷時にピンシール面近傍及びボックスシール面近傍に蓄積されるダメージを低減できるので、圧縮荷重が消失した後の内圧シール性能を維持できる。
好ましくは、締結状態で軸方向圧縮荷重無負荷時に前記ピン端部ショルダ面と前記ボックス端部ショルダ面との間に隙間が形成されるよう前記軸方向距離L,Lが定められている。これによれば、ピン端部ショルダ面及びボックス端部ショルダ面はトルクショルダとしては機能させず、軸方向圧縮荷重の一部を負担する「疑似ショルダ面」として機能させることができる。
さらに好ましくは、締結状態で軸方向圧縮荷重無負荷時に前記第2雄ねじ及び前記第2雌ねじの挿入面間に隙間が形成されるよう、前記第2雄ねじ及び前記第2雌ねじが構成されているとともに、負荷される軸方向圧縮荷重が徐々に大きくなっていく過程で、まず前記挿入面同士が接触を開始し、その後前記ピン端部ショルダ面と前記ボックス端部ショルダ面とが接触開始するよう、前記挿入面間の隙間の大きさが定められている。これによれば、第2雄ねじ及び第2雌ねじによって軸方向圧縮荷重の一部を負担させることができ、一層の耐圧縮性能の向上を図ることができる。また、端部ショルダ面同士の接触開始は、第2雄ねじ及び第2雌ねじの挿入面同士の接触開始の後になるため、ピン端部ショルダ面及びボックス端部ショルダ面が負担する圧縮荷重の大きさを抑えることができる。したがって、端部ショルダ面同士の接触面積が小さくても、全体として優れた耐圧縮性能を発揮できる。
好ましくは、前記ピンシール面の軸方向両端を結ぶ直線の勾配は、5%以上25%以下である。勾配が25%よりも大きくなると十分なシール干渉量を確保することが困難となる。勾配が5%より小さくなると締結時の焼き付きリスクが大きくなる。より好ましくは、勾配は10%以上17%以下とすることができる。ボックスシール面もピンシール面と同様の勾配を有することができ、好ましくはボックスシール面の勾配とピンシール面の勾配とは等しい。ピンシール面及びボックスシール面のテーパー母線は、直線であってもよいし、凸状にわずかに湾曲していてもよいし、凸曲線と直線とを部分的に含んでいてもよい。
なお、本明細書において、「締結完了時点」とは、ピンをボックスに締結した後、軸方向荷重及び内外圧のいずれもねじ継手に負荷していない時点を意味する。一方、「締結状態」とは、軸方向荷重及び内外圧が負荷されているか否かにかかわらずピン及びボックスが締結されている状態を意味する。ねじ継手が破壊されない範囲内、またはピン及びボックスのシール面の接触面圧が喪失しない範囲内、より好ましくは弾性域内で軸方向荷重及び内外圧を負荷した後であっても、ピン及びボックスが締結されていれば「締結状態」である。
また、軸方向距離L,Lは、これらの差(L-L)が実質的に一義的に定まれば良いため、測定基準を揃えて測定すればよく、軸方向距離L,Lそれ自体が個々に厳密に定義される必要はない。例えば、軸方向距離Lは、ボックス中間ショルダ面の径方向内端部とボックス端部ショルダ面の径方向内端部との間の軸方向距離であってよく、この場合は、軸方向距離Lは、ボックス中間ショルダ面の径方向内端部に対応するピン
中間ショルダ面の部位(すなわち、ボックス中間ショルダ面の径方向内端部に接触する部位)と、ボックス端部ショルダ面の径方向内端部に対応するピン中間ショルダ面の部位(すなわち、ボックス端部ショルダ面の径方向内端部に接触する部位)との間の軸方向距離となる。また、軸方向距離Lは、ピン中間ショルダ面の径方向外端部とピン端部ショルダ面の径方向外端部との間の軸方向距離であってよく、この場合は、軸方向距離Lは、ピン中間ショルダ面の径方向外端部に対応するボックス中間ショルダ面の部位(すなわち、ピン中間ショルダ面の径方向外端部に接触する部位)と、ピン端部ショルダ面の径方向外端部に対応するボックス中間ショルダ面の部位(すなわち、ピン端部ショルダ面の径方向外端部に接触する部位)との間の軸方向距離となる。
本開示によれば、締結完了時点ではピン端部ショルダ面とボックス端部ショルダ面とが接触していないか、若しくは、接触していたとしてもピン中間ショルダ面とボックス中間ショルダ面との間の接触圧よりもピン端部ショルダ面とボックス端部ショルダ面との間の接触圧の方が小さい。したがって、ピン及びボックスの締結完了時点で、ピン端部ショルダ面を有するピン先端部近傍に大きな圧縮応力が生じることがなく、ピン端部ショルダ面に負担させることのできる軸方向圧縮荷重に余裕を持たせることができる。さらに、締結状態で、ある程度大きな軸方向圧縮荷重が管用ねじ継手に負荷された場合には、ピン端部ショルダ面がボックス端部ショルダ面に接触して、軸方向圧縮荷重の一部を負担するので、トルクショルダとして機能する中間ショルダ面に過大な圧縮応力が作用することを回避でき、耐圧縮性能を向上できる。
図1は、実施形態に係る油井管用ねじ継手の締結状態の縦断面図である。 図2Aは、締結状態で圧縮荷重無負荷時のピン先端部近傍部位の拡大図である。 図2Bは、締結状態である程度の大きさの圧縮荷重が負荷された時のピン先端部近傍部位の拡大図である。 図2Cは、締結状態で大きな圧縮荷重(但し、中間ショルダ面及び各ねじが降伏しない程度の圧縮荷重)が負荷された時のピン先端部近傍部位の拡大図である。 図3は、別の実施形態に係る油井管用ねじ継手のピンシール面近傍の拡大図である。 解析で使用した複合荷重条件の経路を示す図である。 単純内圧負荷状態の3回の荷重条件(Load Point)におけるシール接触圧の比較グラフである。
図1に例示するように、本実施の形態に係る管用ねじ継手1は、管状のピン2と、管状のボックス3とから構成される。ピン2とボックス3とは、ピン2がボックス3にねじ込まれることにより締結される。ピン2は、第1の管P1の管端部に設けられ、ボックス3は、第2の管P2の管端部に設けられる。第1の管P1は、油井管等の長尺パイプであってよい。第2の管は、長尺パイプ同士を接続するためのカップリングであってもよいが、好ましくは油井管等の長尺パイプである。すなわち、本実施の形態に係る管用ねじ継手1は、好ましくはインテグラル型の管用ねじ継手である。油井管やカップリングは、典型的には鋼製であるが、ステンレス鋼やニッケル基合金等の金属製であってよい。
ピン2は、第1の油井管P1の縮径加工された一端部に形成されていてよい。ボックス3は、第2の油井管P2の拡径加工された一端部に形成されていてよい。好ましくは、各油井管P1,P2の一端部にピン2を形成し、他端部にボックス3を形成することができる。より詳細には、第1の油井管P1は、長尺管からなる素管の一端部を縮径加工した後
、縮径加工された一端部の外周をピン2の構成要素を形成するように切削加工することにより製造される。また、第2の油井管P2は、長尺管からなる素管の一端部を拡径加工した後、拡径加工された一端部の内周をボックス3の構成要素を形成するように切削加工することにより製造される。これにより、セミフラッシュタイプのインテグラル型ねじ継手において、ピン2及びボックス3の肉厚を確保できる。
本明細書において、油井管P1,P2のピン2及びボックス3以外の部分であって縮径加工も拡径加工もされていない部分を「管本体」という。ピン2の管端側とは、ピン2の管本体からピン2の管端に向く方向を意味し、「先端側」ということもある。ピン2の管本体側とは、ピン2の管端からピン2の管本体に向く方向を意味し、「基端側」ということもある。ボックス3の開口端側とは、ボックス3の管本体からボックス3の開口端に向く方向を意味する。
ピン2は、第1雄ねじ21と、第1雄ねじ21よりもピン2の管端側に設けられ且つ第1雄ねじ21よりも小径の第2雄ねじ22と、第1雄ねじ21と第2雄ねじ22との間に設けられたピン中間ショルダ面23と、ピン2の管端部に設けられたピン端部ショルダ面24と、第2雄ねじ22とピン端部ショルダ面24との間に設けられたピンシール面25とを備える。第1雄ねじ21と第2雄ねじ22とは軸方向に離間しており、これらの間にピン中間ショルダ面23が設けられていてよい。
好ましくは、第1及び第2の雄ねじ21,22は、それぞれテーパーねじからなる。好ましくは、第1及び第2の雄ねじ21,22は、同じねじテーパー角及び同じねじピッチを有する。好ましくは、第2雄ねじ22を構成するテーパーねじのテーパー母線は、第1雄ねじ21を構成するテーパーねじのテーパー母線よりも径方向内方に位置する。ピン中間ショルダ面23は、第1雄ねじ21と第2雄ねじ22との間でピンの外周に形成された段部の側面により構成できる。ピン中間ショルダ面23は、ピン2の管端側に向けられている。第1及び第2雄ねじ21,22はそれぞれ、台形ねじ、APIラウンドねじ、APIバットレスねじ、若しくは、楔型ねじなどであってよい。
ボックス3は、締結完了時点で第1雄ねじ21が嵌合する第1雌ねじ31と、締結完了時点で第2雄ねじ22が嵌合する第2雌ねじ32と、締結完了時点でピン中間ショルダ面23に接触するボックス中間ショルダ面33と、ピン端部ショルダ面24に対応して設けられたボックス端部ショルダ面34と、第2雌ねじ32とボックス端部ショルダ面34との間に設けられて締結完了時点でピンシール面25に全周にわたって接触するボックスシール面35とを備える。これらピンシール面25及びボックスシール面35は、主として内圧に対する密封性能を発揮するための内圧用シールとして機能させることができる。好ましくは、ボックス3は、第1雌ねじ31よりもボックス3の開口端側に設けられた外圧用ボックスシール面36をさらに備えることができ、ピン2は、締結完了時点で外圧用ボックスシール面36に全周にわたって接触する外圧用ピンシール面26をさらに備えることができる。この外圧用ピンシール面26は、第1雄ねじ21よりもピンの基端側に設けられる。
第1雌ねじ31と第2雌ねじ32とは軸方向に離間しており、これらの間にボックス中間ショルダ面33が設けられていてよい。好ましくは、第1及び第2の雌ねじ31,32は、第1及び第2の雄ねじ21,22にそれぞれ適合するテーパーねじからなる。ボックス中間ショルダ面33は、第1雌ねじ31と第2雌ねじ32との間でボックス3の内周に形成された段部の側面により構成できる。ボックス中間ショルダ面33は、ボックス3の開口端側に向けられており、ピン中間ショルダ面23に対向する。ボックス中間ショルダ面33は、少なくとも締結完了時点でピン中間ショルダ面23に接触し、これら中間ショルダ面23,33は、トルク性能を発揮するためのトルクショルダとして機能する。第1
及び第2の雌ねじ31,32は、第1及び第2の雄ねじ21,22にそれぞれ適合する台形ねじ、APIラウンドねじ、APIバットレスねじ、若しくは、楔型ねじなどであってよい。
好ましくは、各ねじ21,22,31,32のねじ山頂面及びねじ谷底面の縦断面形状は、管軸に平行に延びる直線状である。
好ましくは、ピン2及びボックス3の締結完了時点で、第1雄ねじ21及び第1雌ねじ31の荷重面21L,31L同士が接触し、第2雄ねじ22及び第2雌ねじ32の荷重面22L,32L同士が接触し、第1雄ねじ21及び第1雌ねじ31の挿入面21S,31S間に隙間が形成され、且つ、第2雄ねじ22及び第2雌ねじ32の挿入面22S,32S間に隙間が形成される。
好ましくは、第1雄ねじ21及び第1雌ねじ31の挿入面21S,31S間に形成される隙間の大きさは、これらねじ21,31の嵌合範囲の軸方向全長にわたって均一であるが、一部の小領域においてより大きな隙間が形成されていてもよい。好ましくは、第2雄ねじ22及び第2雌ねじ32の挿入面22S,32S間に形成される隙間の大きさは、これらねじ22,32の嵌合範囲の軸方向全長にわたって均一であるが、一部の小領域においてより大きな隙間が形成されていてもよい。好ましくは、挿入面21S,31S間に形成される隙間の大きさと、挿入面22S,32S間に形成される隙間の大きさとが等しい。
好ましくは、締結完了時点で第1雄ねじ21及び第1雌ねじ31の挿入面21S,31S間に形成される隙間は、ピン2及びボックス3の降伏圧縮荷重よりも小さい所定の軸方向圧縮荷重が負荷されたときにピン2及びボックス3の変形により挿入面21S,31S同士が軸方向圧縮荷重の一部を負担するように接触開始する程度の大きさとされている。挿入面21S,31S同士の接触開始時の接触状態は様々であってよく、第1の雄ねじ21及び第1の雌ねじ31の管軸方向の所定の部位から接触開始して、軸方向圧縮荷重が大きくなるにつれて徐々に挿入面21S,31S同士の接触領域が広がっていってもよいし、また、挿入面21S,31S全体が同時に接触開始してもよい。締結完了時点で挿入面21S,31S間に形成される隙間の管軸方向に沿う方向における大きさは、例えば0.15mm以下であってよい。締結時の焼き付き防止の観点から、上記隙間の大きさは、0.06mm以上であることが好ましい。
好ましくは、締結完了時点で第2雄ねじ22及び第2雌ねじ32の挿入面22S,32S間に形成される隙間は、ピン2及びボックス3の降伏圧縮荷重よりも小さい所定の軸方向圧縮荷重が負荷されたときにピン2及びボックス3の変形により挿入面22S,32S同士が軸方向圧縮荷重の一部を負担するように接触開始する程度の大きさとされている。挿入面22S,32S同士の接触開始時の接触状態は様々であってよく、第2の雄ねじ22及び第2の雌ねじ32の管軸方向の所定の部位から接触開始して軸方向圧縮荷重が大きくなるにつれて徐々に挿入面22S,32S同士の接触領域が広がっていってもよいし、また、挿入面22S,32S全体が同時に接触開始してもよい。また、挿入面22S,32S同士が接触開始する軸方向圧縮荷重は、挿入面21S,31S同士が接触開始する軸方向圧縮荷重と異なっていても良い。締結完了時点で挿入面22S,32S間に形成される隙間の管軸方向に沿う方向における大きさは、例えば0.15mm以下であってよい。締結時の焼き付き防止の観点から、上記隙間の大きさは、0.06mm以上であることが好ましい。
ボックス端部ショルダ面34は、径方向内端が径方向外端よりもボックス3の開口端側に傾倒するテーパー面により構成されている。ピン端部ショルダ面24は、締結完了時点
でボックス端部ショルダ面34に接触してもよいし、図2Aに示すように締結完了時点ではボックス端部ショルダ面34との間に隙間が形成されてもよい。少なくとも、ねじ継手の降伏圧縮荷重よりも小さな所定の軸方向圧縮荷重が負荷された場合に、ピン2及びボックス3の弾性変形によってピン2及びボックス3の端部ショルダ面24,34同士が接触して、軸方向圧縮荷重の一部を負担する。
ピン端部ショルダ面24とボックス端部ショルダ面34との接触領域の径方向幅(図2C参照)は1mm未満であってよい。このように端部ショルダ面24,34同士の接触幅を狭小化することにより、他の部位の肉厚を確保し易くなる。なお、ピン2及びボックス3の端部ショルダ面24,34同士の接触領域とは、シール干渉量によってピン2及びボックス3に径方向の変形が導入された状態の接触領域であって、締結前、すなわち変形前のピン2及びボックス3の端部ショルダ面34の管軸方向から見た重複範囲よりも小さくなる。
より好ましくは、図2Bに示すように第2雄ねじ22及び第2雌ねじ32の挿入面22S,32S同士がまず接触を開始し、負荷される圧縮荷重がさらに大きくなると図2Cに示すように端部ショルダ面24,34同士の接触が開始するよう、締結完了時点の挿入面22S,32S間の隙間の大きさと端部ショルダ面24,34間の隙間の大きさとを定めることができる。これによれば、端部ショルダ面24,34同士の接触幅が小さくとも、軸方向圧縮荷重負荷時に端部ショルダ面24,34が負担する圧縮荷重を小さくすることができるため、圧縮荷重による端部ショルダ面24,34近傍の塑性ひずみを低減できる。加えて、ピン2の第2雄ねじ22の挿入面22Sに作用する圧縮荷重の一部は、ピン先端側をラッパ状に拡径させるように作用することが期待され、内圧用シール面25,35同士の接触圧を維持する効果も期待できる。
これに代えて、端部ショルダ面24,34同士がまず接触を開始し、負荷される圧縮荷重がさらに大きくなると挿入面22S,32S同士の接触が開始するように構成することもできる。これによれば、端部ショルダ面24,34同士をより確実に接触させることにより、ピン先端部近傍の縮径変形を抑制できる。
ボックス端部ショルダ面34の端部ショルダ角θshは、好ましくは5°より大きく、より好ましくは10°より大きい。また、端部ショルダ角θshは、好ましくは45°以下であり、より好ましくは25°以下である。ピン端部ショルダ面24の端部ショルダ角は、ボックス端部ショルダ面34の端部ショルダ角θshと等しいことが好ましい。
なお、ピン2及びボックス3の中間ショルダ面23,33は、管軸に直交する平坦面によって構成しているが、径方向内端よりも径方向外端がピン2の管端側に傾倒するテーパー面により構成されていてもよい。
また、各シール面25,35,26,36の縦断面形状は適宜のものであってよく、図1~図2に示すねじ継手1では各シール面は縦断面において直線状に傾斜するテーパー面により構成されている。これに代えて、互いに接触するシール面の一方を凸曲面により構成することもできるし、双方のシール面を凸曲面により構成することもできる。いずれにしても、ピン2がボックス3の奥側に押し込まれる程、シール干渉量が大きくなるように、各シール面が構成されている。各シール面の軸方向両端部を結ぶ直線の勾配は、5%(テーパー比としては10%)以上であることが好ましく、より好ましくは10%(テーパー比としては20%)である。また、各シール面の軸方向両端部を結ぶ直線の勾配は、25%(テーパー比としては50%)以下であることが好ましく、より好ましくは17%(テーパー比としては34%)以下である。
図3に示す実施形態では、ボックスシール面35は縦断面において直線状に傾斜するテーパー面により構成する一方、ピンシール面25は、縦断面において直線状に傾斜するテーパー面25bと、軸方向中央部がボックスシール面35に向けて凸となる凸曲面25aとから構成されている。テーパー面25bは凸曲面25aの先端側端部に滑らかに連続するよう形成されている。本実施形態では、締結時に凸曲面25aがボックスシール面35に強く圧接されるシールポイントとして機能するようにピンシール面25が形成されている。本実施形態では、ピンシール面25のシールポイントがピン端部ショルダ24から離れた位置となることを保証でき、大きな軸方向圧縮荷重負荷時にピン端部ショルダ面24に生じる応力がピンシール面25のシールポイント近傍に与える影響を低減できる。
また、図3は、スローテーパー化されたピンシール面25及びボックスシール面35の一例としても示されている。図示例では、ボックスシール面35の管軸に対する勾配は10%(テーパー比としては20%)であり、ピンシール面25の凸曲面25aの軸方向両端部を結ぶ直線の勾配はボックスシール面35の勾配と同じ10%であり、ピンシール面25のテーパー面25bの勾配は17.5%(テーパー比としては35%)であり、ピンシール面25全体の軸方向両端部を結ぶ直線の勾配は、(6+17.5)/(100+60)≒15%である。このように、ピンシール面25及びボックスシール面35をスローテーパー化することにより、ピン端部ショルダ面24及びボックス端部ショルダ面34の径方向幅を大きくすることができ、一層の耐圧縮性能の向上を図ることができる。また、これら端部ショルダ24,34により多くの圧縮荷重を負担させることが可能となる分、中間ショルダ23,33や各ねじ21,31,22,32の設計にも余裕が生じ、耐圧縮性能以外の他の性能向上のための改良を行うこともできる。
本実施形態の管用ねじ継手1では、ピン2をボックス3に締結していくと、ピン2の中間ショルダ面23がボックス3の中間ショルダ面33に接触する。このときの締結トルクはショルダリングトルクとも言われている。さらにピン2をボックス3に対して締め付けていくと、中間ショルダ面23,33同士の摺動接触により、締結トルクが急激に増大していく。而して、中間ショルダ面23,33はトルクショルダとして機能する。締付トルクが降伏トルクを超えると、中間ショルダ面23,33の近傍や雄ねじ21,22及び雌ねじ31,32が破壊され、締付回転量を増やしても締付トルクが上昇しなくなる。したがって、締付トルクが降伏トルクに至る前に締結を完了すべきである。
ねじ継手1においては、締結完了時点で、図2Aに示すように、雄ねじ21,22及び雌ねじ31,32の荷重面同士が接触する一方、雄ねじ21,22及び雌ねじ31,32の挿入面間に微小隙間が形成されるとともに、端部ショルダ面24,34間にも微小隙間が形成される。
締結状態のねじ継手1に負荷される軸方向圧縮荷重が徐々に増加していくと、圧縮荷重による圧縮歪みによって、ピン中間ショルダ面23よりもピン2の管本体側の部位、並びに、ボックス中間ショルダ面33よりもボックス3の管本体側の部位が僅かに軸方向に圧縮されていく。圧縮荷重がある程度の大きさまで増加すると、図2Bに示すように、端部ショルダ面24,34同士が接触開始する前に、第2雄ねじ22及び第2雌ねじ32の挿入面22S,32S同士が接触開始し、それ以降、これら挿入面22S,32Sも圧縮荷重の一部を負担する。なお、螺旋状の挿入面22S,32S全体が接触する必要はなく、挿入面22S,32Sの軸方向及び周方向の一部が接触開始すればよい。
さらに圧縮荷重が増大すると、降伏圧縮荷重に至る前に、端部ショルダ面24,34同士が接触開始し、圧縮荷重の一部を端部ショルダ面24,34においても負担するとともに、圧縮荷重によるピンシール面25及びボックスシール面35の相対的なずれ量を規制することができる。ボックスシール面35に対するピンシール面25の軸方向のずれ量が
大きいと、これらシール面35のテーパー形状によってピンシール面25近傍及びボックスシール面35近傍に大きな圧力が生じてダメージが蓄積され、その後圧縮荷重が除去されて弾性的に復元しても、初期のシール接触圧が得られず、特に内圧シール性能が低下してしまう。本実施形態のねじ継手1によれば、圧縮荷重によるピンシール面25及びボックスシール面35の相対的なずれ量が抑制されるため、ピンシール面25近傍及びボックスシール面35近傍に蓄積されるダメージも低減され、圧縮荷重が消失した後の内圧シール性能を維持できる。
本開示は、インテグラル型だけでなく、カップリング型のねじ継手に適用してもよい。その他、本開示は上記の実施の形態に限定されず、本開示による技術的思想の範囲内で、種々の変更が可能である。
本実施の形態に係る油井管用ねじ継手1の効果を確認するため、軸方向圧縮荷重負荷時に端部ショルダ24,34同士が接触する実施例と、端部ショルダ同士が接触しない比較例とについて、弾塑性有限要素法による数値解析シミュレーションを実施し、内圧シール性能を評価した。
内圧シール性能は、図4に示す2017年版のAPI5C5 CAL IV準拠のSeriesA試験を模擬した複合荷重楕円をトレースする(1)~(52)の複合荷重条件を順次負荷することにより評価した。なお、図中、「Compression」は圧縮荷重、「Tension」は引張荷重、「IP」は内圧(Internal Pressure)、「EP」は外圧(External Pressure)、「VME 100% for pipe」は油井管の管本体の降伏曲線、「CYS」(Connection Yield Strength)はねじ継手の強度、「CYS 100%」はねじ継手の降伏曲線、「CYS 95%」はCYS 100%に対して95%の降伏曲線、「High collapse for connection」はねじ継手の外圧による
崩壊曲線である。「CYS 100%」は、「VME 100% for pipe」の軸力(圧縮又は引張)に継
手効率JEを乗じた曲線である。
図5に、単純内圧負荷時の3つの荷重条件(7)(27)(45)におけるピンシール面25及びボックスシール面35のシール接触力を比較して示す。なお、実施例は「偽ショルダー有」、比較例は「偽ショルダー無」である。
LP7は、繰り返し複合荷重の経路(1)~(52)において最初に単純内圧が負荷される荷重条件(7)におけるシール接触力を示し、LP27は2回目の単純内圧負荷時の荷重条件(27)におけるシール接触力を示し、LP45は3回目の単純内圧負荷時の荷重条件(45)におけるシール接触力を示している。
図から明らかなように、「偽ショルダー有」に比して、「偽ショルダー無」の場合はシール接触力の低下が顕著である。このことから、本開示によれば、繰り返し複合荷重が負荷された後における内圧シール性能の低下を抑制できることが確認された。
1:管用ねじ継手
2:ピン、21:第1雄ねじ、22:第2雄ねじ
23:中間ショルダ面、24:端部ショルダ面、25:ピンシール面
3:ボックス、31:第1雌ねじ、32:第2雌ねじ
33:中間ショルダ面、34:端部ショルダ面、35:ボックスシール面

Claims (3)

  1. 管状のピンと管状のボックスとから構成され、前記ピンが前記ボックスにねじ込まれて前記ピンと前記ボックスとが締結される管用ねじ継手であって、
    前記ピンは、第1雄ねじと、前記第1雄ねじよりも先端側に設けられ且つ前記第1雄ねじよりも小径の第2雄ねじと、前記第1雄ねじと前記第2雄ねじとの間に設けられたピン中間ショルダ面と、前記ピンの先端に設けられたピン端部ショルダ面と、前記第2雄ねじと前記ピン端部ショルダ面との間に設けられたピンシール面とを備え、
    前記ボックスは、締結状態で前記第1雄ねじが嵌合する第1雌ねじと、締結状態で前記第2雄ねじが嵌合する第2雌ねじと、締結状態で前記ピン中間ショルダ面に接触するボックス中間ショルダ面と、前記ピン端部ショルダ面に対応して設けられたボックス端部ショルダ面と、前記第2雌ねじと前記ボックス端部ショルダ面との間に設けられて締結状態で前記ピンシール面に全周にわたって接触するボックスシール面とを備え、
    締結前の前記ボックスの前記ボックス中間ショルダ面と前記ボックス端部ショルダ面との間の軸方向距離Lが、締結前の前記ピンの前記ピン中間ショルダ面と前記ピン端部ショルダ面との間の軸方向距離Lよりも大きく、
    締結状態で軸方向圧縮荷重の負荷時に前記管用ねじ継手が降伏する前に前記ピン端部ショルダ面が前記ボックス端部ショルダ面に接触開始するよう、前記軸方向距離の差(L-L)が定められており
    締結状態で軸方向圧縮荷重無負荷時に前記ピン端部ショルダ面と前記ボックス端部ショルダ面との間に隙間が形成されるよう前記軸方向距離L ,L が定められている、
    管用ねじ継手。
  2. 請求項に記載の管用ねじ継手において、
    締結状態で軸方向圧縮荷重無負荷時に前記第2雄ねじ及び前記第2雌ねじの挿入面間に隙間が形成されるよう、前記第2雄ねじ及び前記第2雌ねじが構成されているとともに、
    負荷される軸方向圧縮荷重が徐々に大きくなっていく過程で、まず前記挿入面同士が接触を開始し、その後前記ピン端部ショルダ面と前記ボックス端部ショルダ面とが接触開始するよう、前記挿入面間の隙間の大きさが定められている、
    管用ねじ継手。
  3. 請求項1又は2に記載の管用ねじ継手において、
    前記ピンシール面の軸方向両端を結ぶ直線の勾配が5%より大きく且つ25%より小さい、管用ねじ継手。
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