JP7364187B2 - 会計監査支援装置、会計監査支援方法及び会計監査支援プログラム - Google Patents
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Description
また、一態様の会計監査支援方法及び会計監査支援プログラムは、上述した一態様の会計監査支援装置と同様の効果を奏することができる。
図1は、一実施形態に係る会計監査支援装置1について説明するためのブロック図である。
会計監査支援装置1は、取得部11、生成部12、推定部13、記憶部14及び表示部15を備える。
なお本実施形態では、取得部11、生成部12、推定部13、記憶部14及び表示部15が会計監査支援装置1に配される例について説明するが、例えば、生成部12は会計監査支援装置1から独立した構成であってもよい。すなわち、外部の情報処理装置等に備えられた生成部12は検定モデルを生成して会計監査支援装置1に出力し、会計監査支援装置1はその検定モデルを記憶部14に記憶することとしてもよい。
ここで、共通点のある会計データをグループ化して管理するための会計データのグループを「データセット」という。一例として、不正種別でグループ化すると「正常会計データ」、「不正会計データ」のようなデータセットが作成できる。また、他の例として、業種で会計データをグループ化すると、「建設」又は「建設業」のようなデータセットが作成できる。また、データセットは、階層化された構成を持ち、より詳細なデータセットを持っていてもよい。これにより、生成部12は、階層に応じた(業種に応じた)検定モデルを生成することが可能となる。例えば、データセットは、「全業種」、「建設」、「総合建設」の順に階層化され、さらに「総合建設」は「ゼネコンA社」、「ゼネコンB社」及び「ゼネコンC社」それぞれの正常会計データ(又は不正会計データ)と、業種が「総合建設」の場合に推定される会計に関する不正の内容(仮想不正会計データ)とに階層化されていてもよい。
なお、生成部12は、上述したように検定指標を登録する場合、検定指標を標準化することとしてもよい。例えば、生成部12は、正常会計データ、不正会計データ及び仮想不正会計データの値範囲の正準化、分散の標準化、並びに、平均の標準化のうち少なくとも1つを行うことにより、検定指標の標準化を行ってもよい。
生成部12は、検定モデルを生成すると、生成した検定モデルを記憶部14に記憶する。
又は、生成部12は、予め設定された類似度に基づいて、対象会計データの勘定科目と、検定モデルの勘定科目とを関連連付け、その関連付けた結果を記憶部14に記憶することとしてもよい。
また、取得部11は、科目教師データに基づいて対象会計データの勘定科目から基準勘定科目を算出できない場合には、対象会計データのその勘定科目を基準勘定科目として設定してもよく、その勘定科目が適宜修正等の変更が行われたのち基準勘定科目として設定されてもよい。
ここで、推定部13は、生成部12において複数の検定モデルが生成されている場合、複数の検定モデルの中から選択した複数の検定モデルそれぞれに対象会計データを提供し、その不正会計の可能性の高さを取得することとしてもよい。
この場合、推定部13は、複数の検定モデルそれぞれを対象会計データに適用して得られた結果(数値)のうち、最大値(又は最小値)に基づいて、不正会計の可能性の高さを取得することとしてもよい。
又は、推定部13は、複数の検定モデルそれぞれを対象会計データに適用して得られた結果(数値)の平均値に基づいて、不正会計の可能性の高さを取得することとしてもよい。
本発明の「推定部」による「不正が行われている可能性」の推定には、「不正が行われる要因(改ざん内容)」を推定することも含まれる。
表示部15は、不正会計の可能性の高さの画像として、図2に例示するような画像を表示する。表示部15が、被監査企業の名称、監査対象となる決算期、監査方法(検定指標の種類)等が含まれ画像を表示する。また、表示部15は、その画像において、不正の可能性の高さを数値で表示する。具体的な一例として、表示部15は、不正の可能性の高さとして、「無条件確率」、「不正実施確率」及び「Fスコア」を表示する。
無条件確率は、推定部13によって推定された結果(数値)の中央の値である。図2に例示する場合では、無条件確率は0.004であり、この数値が会計に関して不正が行われているか否かを判断する際の中央値である。
不正実施確率は、推定部13によって推定された結果を示す。不正実施確率が無条件確率よりも高い場合には、被監査企業の会計に関して不正が行われている可能性が高いことを示す。換言すると、不正実施確率が無条件確率よりも低い場合には、被監査企業の会計に関して不正が行われている可能性が低いことを示す。
Fスコアは、無条件確率と不正実施確率との比率である。Fスコアの数値が1よりも高い場合には、被監査企業の会計に関して不正が行われている可能性が高いことを示す。
表示部15は、図2に例示する数値の他にも、図3に例示するような、対象会計データの複数の勘定科目のうちのいずれかの数値と、基準となる数値との比較したグラフを表示することとしてもよい。
図3に示す実線は、対象会計データの複数の勘定科目A~Eの数値を示す。図3に示す破線は、対象会計データを作成した企業が属する業種の平均値等の、勘定科目A~Eの基準となる数値である。このように、表示部15は、監査担当者に対して、例えば、被監査企業の勘定科目A~Eと、勘定科目A~Eの基準値とを示すことができる。監査担当者は、図3を参照し、破線の内部に実線があれば、被監査企業の対象会計データの勘定科目が基準内であるとして、対象会計データに不正が行われている可能性が低いと判断することができる。一方、監査担当者は、図3を参照し、破線の外側に実線があれば、被監査企業の勘定科目が基準内ではないとして、基準外の勘定科目について不正が行われている可能性があると判断することができる。
また、表示部15は、例えば、被監査企業から複数年の対象会計データを取得している場合、対象会計データに記録される自己資本利益率(ROE:Return On Equity)と、自己資本利益率から取得される当期純利益及び自己資本等との複数年の推移を表示することとしてもよい。
会計監査支援方法では、例えば、企業の会計に改ざん等の不正が行われている可能性を推定するための検定モデルを生成するステップ、勘定科目(科目名)を統一するための科目教師データを生成するステップ、被監査企業の対象会計データの会計監査を支援するステップが行われる。
図4は、検定モデルを生成する方法の一例について説明するためのフローチャートである。
生成部12は、生成した検定モデルを記憶部14に記憶することとしてもよい。
図5は、科目教師データを生成する方法の一例について説明するためのフローチャートである。
図6は、会計監査を支援する方法の一例について説明するためのフローチャートである。
また、表示部15は、上述した数値の他にも、対象会計データの複数の勘定科目のうちのいずれかの数値と、基準となる数値との比較したグラフを表示することとしてもよい。基準となる数値は、例えば、対象会計データを作成した企業が属する業種の平均値等であってよい。
また、表示部15は、例えば、被監査企業から複数年の対象会計データを取得している場合、対象会計データに記録される自己資本利益率(ROE:Return On Equity)と、自己資本利益率から取得される当期純利益及び自己資本等との複数年の推移を表示することとしてもよい。
監査担当者は、表示部15に表示される不正の可能性の高さ、グラフ及びROE等の推移を参照することにより、監査対象企業の会計に関する不正の有無と、どの勘定科目に不正の可能性があるのかを判断することができる。
このステップST304は、ステップST303で推定された結果に基づいて、会計データに対する不正操作の要因分析を支援する不正要因分析ステップと言うこととしてもよい。
会計監査支援装置1は、会計監査に用いられる検定モデルを記憶する記憶部14と、被監査企業の会計に関する対象会計データを取得する取得部11と、対象会計データと検定モデルとに基づいて、被監査企業の会計において不正が行われている可能性を推定する推定部13と、推定部13によって推定された結果を表示する表示部15と、を備える。
これにより、会計監査支援装置1は、機械学習に基づいて対象会計データに改ざん等の会計に関する不正が行われている可能性を監査担当者に提示し、その不正の可能性を推定することができる。
また、会計監査支援装置1は、検定モデルを生成する際に、例えば、「不正」のラベルを付した不正会計データ及び仮想不正会計データと、「正常」のラベルを付した正常会計データとに基づいて学習を行うので、学習した不正の内容に着目して、対象会計データに改ざん等の会計に関する不正が行われているか否かを推定することができる。よって、会計監査支援装置1は、対象会計データに不正が行われている場合には、検定モデルの監査判定ルートを逆に辿ることにより、改ざん箇所(改ざん内容)を推定することができる。
これにより、会計監査支援装置1は、実際に企業が会計に関して不正を行った際の不正会計データが相対的に少ない場合でも、企業が会計に関して不正を行う際の改ざん手法を推定して仮想不定会計データを生成することができる。なお、会計監査支援装置1は、例えば、監査を行う監査担当者、検定モデルの生成のための会計データの取得及び管理担当となるデータ管理者、及び、検定モデルを管理及び調整する処理担当となるデータ分析者等の操作に基づいて、生成部12において仮想不正会計データを生成することができる。よって、会計監査支援装置1は、仮想不正会計データ等を学習することに基づいて生成した検定データを、実際の対象会計データに適用することにより、その対象会計データに不正が行われている可能性を推定することができる。
これにより、会計監査支援装置1は、対象会計データの勘定科目(科目名)と、検定データの勘定科目(科目名)とが同一でない場合でも、予め学習された科目教師データに基づいて、対象会計データの勘定科目(科目名)を対応する検定データの勘定科目(科目名)に変更することができる。よって、会計監査支援装置1は、勘定科目(科目名)を変更した後の対象会計データに検定データを提供することができ、対象会計データに会計に関する不正が行われている可能性を推定することができ、また、会計に関する不正が行われている箇所(改ざん内容)も推定することができる。
これにより、会計監査支援方法は、機械学習に基づいて対象会計データに改ざん等の会計に関する不正が行われている可能性を監査担当者に提示し、その不正の可能性を推定することができる。
また、会計監査支援方法は、検定モデルを生成する際に、例えば、「不正」のラベルを付した不正会計データ及び仮想不正会計データと、「正常」のラベルを付した正常会計データとに基づいて学習を行うので、学習した不正の内容に着目して、対象会計データに改ざん等の会計に関する不正が行われているか否かを推定することができる。よって、会計監査支援方法は、対象会計データに不正が行われている場合には、検定モデルの監査判定ルートを逆に辿ることにより、改ざん箇所(改ざん内容)を推定することができる。
これにより、会計監査支援プログラムは、機械学習に基づいて対象会計データに改ざん等の会計に関する不正が行われている可能性を監査担当者に提示し、その不正の可能性を推定することができる。
また、会計監査支援プログラムは、検定モデルを生成する際に、例えば、「不正」のラベルを付した不正会計データ及び仮想不正会計データと、「正常」のラベルを付した正常会計データとに基づいて学習を行うので、学習した不正の内容に着目して、対象会計データに改ざん等の会計に関する不正が行われているか否かを推定することができる。よって、会計監査支援プログラムは、対象会計データに不正が行われている場合には、検定モデルの監査判定ルートを逆に辿ることにより、改ざん箇所(改ざん内容)を推定することができる。
会計監査支援プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。会計監査支援プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、会計監査支援装置1の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、会計監査支援装置1の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、会計監査支援装置1の生成部12、取得部11及び推定部13は、コンピュータの演算処理装置等を構成する、生成回路、取得回路及び推定回路として実現されてもよい。
また、会計監査支援装置1の記憶部14及び表示部15は、例えば、集積回路等によって構成されることにより、記憶回路及び表示回路として実現されてもよい。また、会計監査支援装置1の記憶部14及び表示部15は、例えば、記憶機能及び表示機能として実現されてもよい。また、会計監査支援装置1の記憶部14及び表示部15は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより、記憶装置及び表示装置として構成されてもよい。
11 取得部
12 生成部
13 推定部
14 記憶部
15 表示部
Claims (4)
- 会計に関して不正が行われる際の不正会計データと、会計に関して不正が行われていない正常会計データとを学習することにより生成された検定モデルを記憶し、会計データの複数の勘定科目と、会計データの科目名の基準となる基準勘定科目とを学習することより、勘定科目に関する科目教師データを記憶する記憶部と、
被監査企業の会計に関する対象会計データを取得する取得部と、
前記対象会計データと前記検定モデルとに基づいて、前記被監査企業の会計において不正が行われている可能性を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された結果を表示する表示部と、を備え、
前記取得部は、前記対象会計データと前記科目教師データとに基づいて、前記対象会計データに記載される前記勘定科目を前記基準勘定科目に割り当てる
会計監査支援装置。 - 予想される不正の内容に応じた仮想不正会計データを生成する生成部を備え、
前記記憶部は、前記不正会計データ、前記仮想不正会計データ及び前記正常会計データに基づいて学習を行うことにより生成された検定モデルを記憶する
請求項1に記載の会計監査支援装置。 - コンピュータが、
会計に関して不正が行われる際の不正会計データと、会計に関して不正が行われていない正常会計データとを学習することにより生成された検定モデルを記憶部に記憶し、会計データの複数の勘定科目と、会計データの科目名の基準となる基準勘定科目とを学習することより、勘定科目に関する科目教師データを前記記憶部に記憶する記憶ステップと、
被監査企業の会計に関する対象会計データを取得する取得ステップと、
前記対象会計データと前記検定モデルとに基づいて、前記被監査企業の会計において不正が行われている可能性を推定する推定ステップと、
前記推定ステップによって推定された結果を表示部に表示する表示ステップと、を実行し、
前記取得ステップは、前記対象会計データと前記科目教師データとに基づいて、前記対象会計データに記載される前記勘定科目を前記基準勘定科目に割り当てる
会計監査支援方法。 - コンピュータに、
会計に関して不正が行われる際の不正会計データと、会計に関して不正が行われていない正常会計データとを学習することにより生成された検定モデルを記憶し、会計データの複数の勘定科目と、会計データの科目名の基準となる基準勘定科目とを学習することより、勘定科目に関する科目教師データを記憶する記憶機能と、
被監査企業の会計に関する対象会計データを取得する取得機能と、
前記対象会計データと前記検定モデルとに基づいて、前記被監査企業の会計において不正が行われている可能性を推定する推定機能と、
前記推定機能によって推定された結果を表示する表示機能と、を実現させ、
前記取得機能は、前記対象会計データと前記科目教師データとに基づいて、前記対象会計データに記載される前記勘定科目を前記基準勘定科目に割り当てる
会計監査支援プログラム。
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