JP7363448B2 - 電子装置 - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、移動体に用いられる電子装置に関する。
特許文献1は、故障予測機能を有する電子装置を開示している。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
特開2019-52923号公報
特許文献1の電子装置は、絶縁抵抗を検出するための検査用配線を備えており、検査用配線に電圧を印加して絶縁抵抗値を検出する。検出した絶縁抵抗値と初期値との比率が所定値以下であると、故障に至る恐れ有りの警報信号を発生する。
初期値との比較のみで故障を予測するため、市場において周囲環境の変動が大きい移動体、たとえば車両の用途では予測精度が低い。特に、カーシェアリングにおいて用いられる車両(シェアリングカー)のように、複数人で共有され、一台ごとに使われ方が大きく異なる用途では、故障時期を精度よく予測することができない。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、電子装置にはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、故障予測精度の高い電子装置を提供することにある。
ここに開示された電子装置は、移動体に用いられる。
この電子装置は、
所定機能の回路を構成する通常配線(16)と、
通常配線よりも劣化の進行が早く、かつ、進行の早さが相互に異なる複数の検査用配線(17H、17L)と、
少なくとも2つの検査用配線の故障を検出する故障検出部(20)と、
検査用配線に故障が生じた時期を記憶する記憶部(30)と、
少なくとも2つの検査用配線の故障時期に基づいて、通常配線に故障が生じる時期を予測する予測部(40)と、
通常配線の故障予測時期を外部に通知する通知部(50)と、を備え
複数の検査用配線は、第1検査用配線(17H)と、第1検査用配線よりも劣化の進行が遅い第2検査用配線(17L)と、を含み、
予測部は、第1検査用配線に故障が生じた第1故障時期と、第2検査用配線に故障が生じた第2故障時期との差分を入力変数とする予測関数に基づき、通常配線に故障が生じる時期を予測し、
検査用配線は、絶縁抵抗検出用の配線であり、
故障検出部は、検査用配線の絶縁抵抗値を検出する絶縁抵抗検出部(22H、22L)と、絶縁抵抗値と所定の閾値とを比較し、絶縁抵抗値が閾値を下回ると故障が生じたと判定する故障判定部(23)と、を含み、
第1検査用配線および第2検査用配線は、通常配線における最小間隔よりも配線間隔が狭いことで通常配線よりも劣化の進行が早く、
第1検査用配線に、電子装置内の最大電圧よりも低い第1電圧が印加され、第2検査用配線に、第1電圧よりも低い第2電圧が印加され、
回路に、最大電圧、第1電圧、第2電圧が供給される
開示された電子装置は、複数の検査用配線を備えている。複数の検査用配線は、通常配線よりも劣化の進行が早く、かつ、進行の早さが相互に異なる。予測に用いる少なくとも2つの検査用配線の故障時期には、ずれが生じる。少なくとも2つの検査用配線の故障時期を用いることで、通常配線の故障時期を、市場での周囲環境を踏まえて精度よく予測することができる。この結果、故障予測度精度の高い電子装置を提供することができる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、及び効果は、後続の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによってより明確になる。
第1実施形態に係る電子制御装置のハードウェア構成を示す図である。 電子制御装置の機能ブロックを示す図である。 機能故障時期予測部が用いる予測モデルを示す図である。 故障予測処理を実行する際の動作フローを示す図である。 機能故障時期の予測方法を示す図である。 第2実施形態に係る電子制御装置の機能ブロックを示す図である。 機能故障時期予測部が用いる予測モデルを示す図である。 故障予測処理を実行する際の動作フローを示す図である。 変形例を示す図である。 第3実施形態に係る電子制御装置の機能ブロックを示す図である。 機能故障時期予測部が用いる予測モデルを示す図である。 故障予測処理を実行する際の動作フローを示す図である。 第4実施形態に係る電子制御装置の機能ブロックを示す図である。 故障予測処理を実行する際の動作フローを示す図である。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。
<第1実施形態>
以下に示す電子制御装置は、移動体に適用可能である。移動体は、たとえば電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、燃料電池車(FCV)などの車両、ドローンなどの飛行体、船舶、建設機械、農業機械である。本実施形態の電子制御装置は、カーシェアリングにおいて用いられる車両(シェアリングカー)に搭載される車載ECUである。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。
電子制御装置は、外部からの入力信号を用いて所定の演算を実行し、制御対象を制御するための信号を出力する。電子制御装置は、たとえばエンジンECUである。エンジンECUは、インジェクタ、点火プラグ、及び電子スロットル用モータの駆動を制御する。電子制御装置は、たとえばエンジンECUに対して上位のECUである。
電子制御装置は、たとえば自動駐車ECUである。入力信号は、たとえば車両周辺の画像(静止画または動画)である。自動駐車ECUは、入力された車両周辺の画像に基づいて車両周囲の駐車スペースの状態を解析し、解析結果を出力する。この出力信号に基づいて、車輪の角度や車両速度が制御され、車両が適切な位置に駐車する。
<電子制御装置のハードウェア構成>
先ず、図1を参照して、電子制御装置のハードウェア構成について説明する。図1に示す電子制御装置10(ECU)は、電源回路部11と、制御部12と、外部メモリ13と、通信I/F回路部14を備えている。電子制御装置が、電子装置に相当する。
電源回路部11は、車両に搭載された図示しないバッテリ(直流電源)から供給されるバッテリ電圧を、電子制御装置10内で必要とされる所定の電圧に変換して出力するDC-DC変換部である。本実施形態の電源回路部11は、バッテリ電圧を降圧して出力する。具体的には、バッテリ電圧から、バッテリ電圧よりも低い電圧VH(たとえば5V)と、電圧VHよりも低い電圧VL(たとえば1V)とを生成し、出力する。電圧VHが第1電圧に相当し、電圧VLが第2電圧に相当する。
制御部12は、制御対象を制御するための所定の演算を実行するように構成された集積回路である。制御部12は、プロセッサ12a、メモリ12b、A/D変換部12c、タイマ12d等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。制御部12として、たとえばマイコン(マイクロコンピュータ)、SoC(System on a Chip)を採用することができる。
プロセッサ12aは、演算処理のためのハードウェアである。プロセッサ12aは、たとえばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、およびRISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU等のうち、少なくとも一種類をコアとして含む。プロセッサ12aは、メモリに格納されたプログラムを読み込んで実行することで、入力信号を処理して出力信号に変換する。
メモリ12bおよび外部メモリ13は、コンピュータにより読み取り可能なプログラムおよびデータ等を非一時的に格納または記憶する。メモリ12bおよび外部メモリ13の少なくとも一方は、プロセッサ12aによって実行される種々のプログラムを格納している。種々のプログラムとして、制御対象を制御するためもプログラムと、後述する通常配線16の故障を予測するプログラムを含む。メモリ12bおよび外部メモリ13は、半導体メモリ等の少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。
A/D変換部12cは、後述する検査用配線17H、17Lの絶縁抵抗を検出する。通信I/F回路部14は、たとえば車内LAN(Local Area Network)を介して、制御対象、他のECU、センサ等に接続されている。なお、外部メモリ13のメモリ機能を、制御部12に集積化してもよい。また、通信I/F回路部14も、制御部12に集積化してもよい。
電子制御装置10は、図示しない回路基板を備えている。回路基板は、プリント基板に電子部品が実装されてなる。プリント基板は、Cuなどの導電性に優れる金属材料を用いて形成された配線15を有している。配線15は、通常配線16と、検査用配線17H、17Lを有している。通常配線16は、電子部品とともに所定機能の回路を構成している。通常配線16および電子部品により、上記した電子制御装置10が構成されている。
通常配線16は、電子制御装置10の端子18aに接続された電源配線16aと、端子18bに接続されたグランド配線16bを有している。電源配線16aは、端子18aを介してバッテリの正極(バッテリ電源)に接続される。端子18aは、常時もしくは車両の起動スイッチのオン期間のみ、バッテリ(直流電源)の正極に接続される。起動スイッチは、IGスイッチと称されることがある。電源配線16aには、バッテリ電圧(たとえば14V)が印加される。グランド配線16bは、端子18bを介してバッテリの負極(バッテリGND)に接続される。バッテリ電圧が、最大電圧に相当する。
通常配線16は、電源回路部11に接続された高電位線16cおよび低電位線16dを有している。高電位線16cは、電源回路部11の電圧VHの出力端子に接続されている。高電位線16cは、電圧VHを制御部12等に供給する配線である。低電位線16dは、電源回路部11の電圧VLの出力端子に接続されている。低電位線16dは、電圧VLを制御部12等に供給する配線である。
配線15は、プリント基板において配策されている。たがいに隣接する通常配線16の電位が異なる場合、イオンマイグレーション等による絶縁不良が問題となる。絶縁不良は、配線間隔が狭く、かつ、電位差(電圧VF)が大きい箇所で生じやすい。電源配線16aの少なくとも一部は、グランド配線16bと隣接している。電源配線16aとグランド配線16bとの隣接部分の少なくとも一部において、配線間隔(配線ピッチ)は、所定機能を実現する通常配線16の最小間隔(たとえば0.2mm)となっている。
検査用配線17H、17Lは、通常配線16の故障時期、すなわち機能故障時期を予測するために設けられた配線15である。通常配線16は機能配線であり、検査用配線17H、17Lは非機能配線である。検査用配線17H、17Lは、電気的な接続機能を提供しない検査専用の配線15である。
検査用配線17Hは、高電位線16cとグランド配線16bの間に設けられている。検査用配線17Hは、通常配線16の最小間隔よりも狭い所定の配線間隔P1(たとえば0.05mm)を有するように設けられた高電位配線部170Hと、低電位配線部171Hを有している。高電位配線部170Hは、抵抗RHを介して高電位線16cに接続されている。低電位配線部171Hは、グランド配線16bに接続されている。高電位配線部170Hの一部が低電位配線部171Hに対して配線間隔P1で隣接している。抵抗RHは、高電位配線部170Hにおいて、低電位配線部171Hと隣接していない部分に設けられている。抵抗RHは、たとえば、高電位配線部170Hと低電位配線部171Hとの間に形成される絶縁抵抗の劣化前の初期値に較べて、十分に大きい値とされる。そして、検査用配線17Hの絶縁抵抗と抵抗RHとの接続点であるノードN1が、A/D変換部12cと接続されている。
検査用配線17Lは、低電位線16dとグランド配線16bの間に設けられている。検査用配線17Lは、通常配線16の最小間隔よりも狭い所定の配線間隔P2(たとえば0.05mm)を有するように設けられた高電位配線部170Lと、低電位配線部171Lを有している。高電位配線部170Lは、抵抗RLを介して低電位線16dに接続されている。低電位配線部171Lは、グランド配線16bに接続されている。高電位配線部170Lの一部が低電位配線部171Lに対して配線間隔P2で隣接している。抵抗RLは、高電位配線部170Lにおいて、低電位配線部171Lと隣接していない部分に設けられている。抵抗RLは、たとえば、高電位配線部170Lと低電位配線部171Lとの間に形成される絶縁抵抗の劣化前の初期値に較べて、十分に大きい値とされる。そして、検査用配線17Lの絶縁抵抗と抵抗RLとの接続点であるノードN2が、A/D変換部12cと接続されている。
配線間隔と印加電圧とを加味した、配線15にかかるストレスは、通常配線16よりも検査用配線17H、17Lのほうが高い。このため、通常配線16よりも先に、検査用配線17H、17Lに故障(絶縁不良)が生じる。また、検査用配線17Lよりも先に、検査用配線17Hに故障(絶縁不良)が生じる。検査用配線17Hが第1検査用配線に相当し、検査用配線17Lが第2検査用配線に相当する。
<電子制御装置の機能構成>
次いで、図2および図3を参照して、電子制御装置100が故障予測装置として作動するときの機能を説明する。図2に示すように、電子制御装置100は、機能ブロックとして、検査用配線故障検出部20と、故障時期記憶部30と、機能故障時期予測部40と、通知部50を備えている。検査用配線故障検出部20が、故障検出部に相当する。故障時期記憶部30が、記憶部に相当する。機能故障時期予測部40が、予測部に相当する。
検査用配線故障検出部20は、電圧印加部21H、21Lと、絶縁抵抗検出部22H、22Lと、検査用配線故障判定部23と、閾値記憶部24を備えている。電圧印加部21H、21Lは、電源回路部11を含んで構成される。電圧印加部21Hは、検査用配線17Hの高電位配線部170Hに電圧VHを印加する。電圧印加部21Lは、検査用配線17Lの高電位配線部170Lに電圧VLを印加する。
絶縁抵抗検出部22H、22Lは、制御部12のA/D変換部12cを含んで構成される。絶縁抵抗検出部22Hは、検査用配線17Hの絶縁抵抗と抵抗RHとにより抵抗分圧されたノードN1の電圧を、検査用配線17Hの絶縁抵抗値に相関する物理量として検出する。絶縁抵抗検出部22Lは、検査用配線17Lの絶縁抵抗と抵抗RLとにより抵抗分圧されたノードN2の電圧を、検査用配線17Lの絶縁抵抗値に相関する物理量として検出する。
検査用配線故障判定部23は、プロセッサ12aと、メモリ12bおよび外部メモリ13の少なくとも一方と、を含んで構成される。検査用配線故障判定部23は、閾値記憶部24に予め記憶された閾値と、検査用配線17H、17Lの絶縁抵抗値とを比較し、検査用配線17H、17Lに故障が生じているか否かを判定する。検査用配線故障判定部23が、故障判定部に相当する。イオンマイグレーション等の劣化が進行すると、検査用配線17H、17Lの絶縁抵抗値が小さくなり、ノードN1、N2の電圧は低下する。検査用配線故障判定部23は、検査用配線17Hの絶縁抵抗値に相関するノードN1の電圧が閾値(第1閾値)を下回ると、検査用配線17Hに故障が生じたと判定する。検査用配線故障判定部23は、検査用配線17Lの絶縁抵抗値に相関するノードN2の電圧が閾値(第2閾値)を下回ると、検査用配線17Lに故障が生じたと判定する。
故障時期記憶部30は、メモリ12bおよび外部メモリ13の少なくとも一方を含んで構成される。故障時期記憶部30は、検査用配線故障判定部23により検査用配線17H、17Lの故障が判定(検出)された時期をそれぞれ記憶する。
機能故障時期予測部40は、プロセッサ12aを含んで構成される。機能故障時期予測部40は、検査用配線17H、17Lの故障時期CH、CLを少なくとも入力信号として、所定の演算を実行し、機能を実現する通常配線16の絶縁不良(ショート)に関する故障時期である機能故障時期CSを予測する。具体的には、図3に示す予測モデルを用いた演算により、機能故障時期CSを予測する。予測モデルは、メモリ12bおよび外部メモリ13の少なくとも一方に格納されている。予測モデルが有する故障時期予測関数fは、検査用配線17H、17Lの故障時期CH、CLの差分ΔCN(=CL-CH)を入力変数とする一次関数である。機能故障時期CSは、故障時期の差分ΔCNに定数Aを乗算し、この乗算値A×ΔCNに定数Bを加算することで得られる。定数A、Bは、試作時等の事前試験によって、あらかじめ決定されている。ΔCNが小さいほど機能故障時期CSをより早い時期として予測し、ΔCNが大きいほど機能故障時期CSを遅い時期として予測する関数とすることで、事前試験時の前提と実市場でのストレスの差を踏まえた正確な補正ができる。
通知部50は、通信I/F回路部14を含んで構成される。通知部50は、たとえば車内LANを介して、機能故障時期を電子制御装置10の外部に通知する。電子制御装置10の外部とは、他の電子制御装置や車載表示装置等である。
なお、本明細書において、時期とは、時刻または日を示す。
<故障予測装置としての動作フロー>
次に、図4を参照して、電子制御装置10が故障予測処理を実行する際の具体的な動作フローについて説明する。電子制御装置10に電源が供給されると、電子制御装置10は、以下に示す処理を実行する。
先ず、電子制御装置10は、絶縁抵抗値を検出する(ステップS10)。絶縁抵抗検出部22H、22Lは、検査用配線17H、17Lの絶縁抵抗値に相関する物理量として、ノードN1、N2の電圧を検出する。以下では、絶縁抵抗値に相関する物理量(ノードの電圧)を、便宜上、絶縁抵抗値と示す。
次いで、電子制御装置10は、絶縁抵抗値の少なくともひとつが対応する閾値を下回ったか否かを判定する(ステップS20)。検査用配線故障判定部23は、絶縁抵抗値と対応する閾値とを比較し、絶縁抵抗値が閾値を下回ると検査用配線17H、17Lの少なくともひとつに故障が生じたと判定する。ステップS20において、絶縁抵抗値のいずれも対応する閾値を下回らない場合、ステップS10に戻る。電子制御装置10は、絶縁抵抗値の少なくともひとつが対応する閾値を下回るまで、ステップS10、S20を繰り返す。
絶縁抵抗値の少なくともひとつが対応する閾値を下回ると、電子制御装置10は、故障時期CNを記憶する(ステップS30)。故障時期記憶部30は、ステップS20において故障が生じたと判定された時期(時刻)を、検査用配線17H、17Lの故障時期CNとして記憶する。たとえばステップS20において、検査用配線17Hに故障が生じたと判定されると、ステップS30では、検査用配線17Hの故障時期CHを記憶する。同様に、検査用配線17Lに故障が生じたと判定されると、検査用配線17Lの故障時期CLを記憶する。故障時期CHが第1故障時期に相当し、故障時期CLが第2故障時期に相当する。
次いで、電子制御装置10は、複数の故障が検出されているか否かを判定する(ステップS40)。電子制御装置10の使用環境を推定するには、複数の故障時期CNが必要である。機能故障時期予測部40は、検査用配線17H、17Lそれぞれの故障が検出されているか否かを判定する。すなわち、複数の故障時期CH、CLが記憶されているか否かを判定する。ステップS40において、複数の故障が検出されない場合、ステップS10に戻る。電子制御装置10は、検査用配線17H、17Lの一方の故障が検出された状態において、他方の故障が検出されるまで、ステップS10~S40を繰り返す。
複数の故障が検出されると、電子制御装置10は、機能故障時期CSを予測する(ステップS50)。機能故障時期予測部40は、上記したように、故障時期の差分ΔCNを入力変数として、機能故障時期CSを予測する。
次いで、電子制御装置10は、機能故障時期CSを外部へ通知する(ステップS60)。通知部50は、車内LAN等を介して、他の電子制御装置、表示装置等へ機能故障時期CSを送信する。電子制御装置10は、ステップS60の処理が終了すると、一連の処理を終了する。
<第1実施形態のまとめ>
図5は、機能故障時期CSの予測方法を説明するための図である。上記したように、本実施形態では、複数の検査用配線17H、17Lについて、その故障時期CH、CLを検出する。検査用配線17H、17Lは、通常配線16よりも劣化の進行が早く、進行の早さが相互に異なる。図5に示すように、まず検査用配線17Hに故障が生じ、次いで、検査用配線17Lに故障が生じる。配線にかかるストレスは、検査用配線17H>検査用配線17L>通常配線16の関係を満たす。なお、図5において、通常配線16の印加ストレスmaxとは、通常配線16のうち、ストレスが最大となる箇所の印加ストレスである。上記したように、電源配線16aにおいて、グランド配線16bと隣接し、かつ、配線ピッチが通常配線16の最小間隔(0.2mm)の部分で、印加ストレスがmaxとなる。
このように、検査用配線17H、17Lは、互いに異なるタイミングで故障する。複数の故障時期CN(CH、CL)は、電子制御装置10の周囲環境に応じて変化する。複数の故障時期CN(CH、CL)を用いることで、機能故障時期CSを、市場における電子制御装置10の周囲環境を踏まえて精度よく予測することができる。この結果、故障予測度精度の高い電子制御装置10を提供することができる。
移動体の場合、電子制御装置10の周囲環境の変動が大きい。たとえば、温度、湿度が大きく変動する。具体的には、日時、場所、エンジンなどの走行駆動源の動作状態、カーエアコンの動作状態などにより周囲環境が変動する。本実施形態によれば、周囲環境を踏まえた予測ができる。したがって、本来の寿命よりも早期に警告することで過剰なメンテナンス費用が生じたり、警告前に機能故障が生じる、のを抑制することができる。したがって、電子制御装置10は、移動体に好適である。
特に、カーシェアリングにおいて用いられる車両(シェアリングカー)の場合、複数人で共有され、一台ごとに使われ方が大きく異なる。本実施形態によれば、一台ごとに周囲環境を踏まえた予測ができるため、シェアリングカーにも好適である。たとえば、車両管理事業者のメンテナンス費用を低減することができる。
本実施形態では、検査用配線17H、17Lの故障時期の差分ΔCNを入力変数とする予測関数に基づいて、機能故障時期CSを予測する。故障時期CH、CLには時間のずれがあるため、その差分ΔCNは、周囲環境を反映した値をとる。したがって、故障時期の差分ΔCNを用いると、機能故障時期CSを精度よく予測することができる。
経年劣化の主要因として、イオンマイグレーションによる隣接配線間の絶縁不良(ショート)がある。本実施形態では、検査用配線17H、17Lとして、絶縁抵抗検出を検出すべく所定の配線間隔P1、P2を有する配線を用いている。よって、絶縁不良による機能故障時期CSを精度よく予測することができる。
本実施形態では、検査用配線17H、17Lの配線間隔P1、P2を、通常配線16の配線間隔の最小値よりも狭くしている。これにより、通常配線16の一部(電源配線16a)に印加される電圧が検査用配線17H、17Lに印加される電圧より高くても、通常配線16より前に、検査用配線17H、17Lに絶縁不良を生じさせることができる。また、検査用配線17H、17Lの印加電圧を互いに異ならせている。これにより、検査用配線17H、17Lに、互いに異なるタイミングで絶縁不良を生じさせることができる。特に本実施形態では、印加する電圧VH、VLとして、電子制御装置10内部の回路で使用する電圧(動作電圧)を用いるため、構成を簡素化することができる。
<第2実施形態>
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、故障時期CH、CLをそのまま用いて機能故障時期CSを予測した。これに代えて、電圧印加時間によって故障時期CH、CLを補正し、補正した故障時期を用いて機能故障時期CSを予測するようにしてもよい。
図6に示すように、本実施形態の電子制御装置10は、故障予測装置として作動するために、先行実施形態に記載の構成(図2参照)に対して、印加時間計測部60をさらに備えている。印加時間計測部60が、印加時間取得部に相当する。印加時間計測部60以外の構成は、先行実施形態と同じである。
印加時間計測部60は、上記したタイマ12dを含んで構成されている。印加時間計測部60は、検査用配線17H、17Lに電圧VH、VLを印加した累積時間TH、TLを計測する。以下では、電圧印加の累積時間TH、TLを単に電圧印加時間TH、TLと示す。
機能故障時期予測部40は、図7に示す予測モデルを用いた演算により、機能故障時期CSを予測する。機能故障時期予測部40は、印加時間計測部60から電圧印加時間TH、TLを取得し、故障時期CH、CLを補正する。補正後の故障時期CH1は、ベース時間TB1に対する電圧印加時間THの比率に、故障時期CHを乗算することにより得られる。同様に、補正後の故障時期CL1は、ベース時間TB2に対する電圧印加時間TLの比率に、故障時期CLを乗算することにより得られる。ベース時間TB1、TB2は、定数A、Bを定める事前試験時における電圧印加時間である。機能故障時期予測部40は、故障時期CH、CLに代えて、補正後の故障時期CH1、CL1の差分をΔCN(=CL1-CH1)とし、上記した故障時期予測関数fにより機能故障時期CSを算出する。なお、ベース時間TB1、TB2は、互いに同じ値でもよいし、異なる値でもよい。本実施形態では、互いにほぼ同じ値となる。機能故障時期予測部40は、TH>TB1のときに故障時期CHが遅くなるように補正し、TH<TB1のときに故障時期CHが早くなるように補正する。これにより、市場での印加時間と事前試験時の前提とした印加時間に差があるときに正確に補正ができる。
図8は、電子制御装置10が故障予測処理を実行する際の具体的な動作フローを示している。先行実施形態に記載の動作フロー(図4参照)に対して、ステップS32の処理が追加されている。図8に示すように、ステップS30において故障時期CNを記憶すると、電子制御装置10は、故障時期CNに対応する電圧印加時間TNを取得する(ステップS32)。上記したように、機能故障時期予測部40は、印加時間計測部60から、電圧印加時間TNとして、電圧VHの累積の印加時間である電圧印加時間THと、電圧VLの累積の印加時間である電圧印加時間TLを取得する。機能故障時期予測部40は、故障時期CHを記憶するタイミングで電圧印加時間THを取得し、故障時期CLを記憶するタイミングで電圧印加時間TLを取得する。そして、ステップS40以降の処理を実行する。ステップS50では、上記したように電圧印加時間TH、TLにより故障時期CH、CLを補正した上で、機能故障時期CSを算出する。
<第2実施形態のまとめ>
本実施形態では、電圧印加時間TH、TLにより故障時期CH、CLを補正し、補正後の故障時期CH1、CL1の差分ΔCNを入力変数として、機能故障時期CSを予測する。印加時間が長いほど配線15に劣化(絶縁不良)が生じやすくなる。ベース時間TB1、TB2に対する電圧印加時間TH、TLのずれにより故障時期CH、CLを補正するため、市場での使用状態を反映することができる。特に、シェアリングカーのように、一台ごとに使われ方が大きく異なる移動体でも、機能故障時期CSを精度よく予測することができる。
<変形例>
図9に示すように、電子制御装置10は、検査用配線17H、17Lの電圧印加時間に関する情報を、電子制御装置10の外部から取得してもよい。電子制御装置10は、印加時間計測部60に代えて、印加時間取得部61を備えている。印加時間取得部61は、上記した通信I/F回路部14を含んで構成されている。印加時間取得部61は、たとえば車内LANを介して、他の電子制御装置200に接続されている。電子制御装置200は、たとえば車両の電源を制御する装置である。電子制御装置200には、たとえばバッテリ201および起動スイッチ202の少なくともひとつが接続されている。
印加時間取得部61は、車内LANなどを介して、電子制御装置200から電圧印加時間TH、TLに相関する時間を取得する。具体的には、バッテリ接続時間および起動スイッチオン時間の少なくとも一方を取得する。そして、取得したバッテリ接続時間および起動スイッチオン時間の少なくとも一方により故障時期CH、CLを補正して、機能故障時期CSを予測する。これによっても、機能故障時期CSを精度よく予測することができる。また、電圧印加時間を計測するためのタイマ追加が不要となる。
<第3実施形態>
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、故障時期予測関数fにより算出した機能故障時期CSを予測した。これに代えて、算出した機能故障時期CSを、温度および湿度の少なくとも一方に関する補正情報により補正してもよい。
図10に示すように、本実施形態の電子制御装置10は、故障予測装置として作動するために、先行実施形態に記載の構成(図6参照)に対して、補正情報取得部70をさらに備えている。補正情報取得部70は、補正情報として、電子制御装置10の外部から、周囲環境の温度および湿度の少なくとも一方を取得する。補正情報取得部70以外の構成は、先行実施形態と同じである。
補正情報取得部70は、上記した通信I/F回路部14を含んで構成されている。補正情報取得部70は、たとえば車内LANを介して、他の電子制御装置300に接続されている。電子制御装置300は、エンジンなどの走行駆動源を制御する装置(たとえばエンジンECU)、および、エアコン(空調装置)を制御する装置(エアコンECU)の少なくともひとつである。すなわち、電子制御装置300は、電子制御装置10の周辺に配置される発熱体を制御する装置である。電子制御装置300には、たとえばエンジン冷却水の水温を検出する水温センサ301、車室内の温度を検出する温度センサ302、およびエアコン制御用の湿度センサ303の少なくともひとつ接続がされている。
補正情報取得部70は、車内LANなどを介して、電子制御装置300から電子制御装置10周辺の温度および湿度の少なくとも一方に関する情報(補正情報)を取得する。たとえば車室内の温度情報とエアコン制御用の湿度情報を取得する。これら温度情報、湿度を、以下において周辺温度情報TEMP、周辺湿度情報HUMDと示すことがある。
機能故障時期予測部40は、図11に示す予測モデルを用いた演算により、機能故障時期CSを予測する。機能故障時期予測部40は、故障時期予測関数fにより算出した故障時期CS1を、補正情報取得部70が取得した周辺温度情報TEMP、周辺湿度情報HUMDを用いて補正する。故障時期CS1は、先行実施形態(図7参照)に記載の故障時期CSに相当し、本実施形態では、周辺温度情報TEMP、周辺湿度情報HUMDによる補正前の故障時期である。
機能故障時期予測部40は、機能故障を予測した時期、すなわち故障時期CLまでの温湿度負荷(第1温湿度負荷)と、故障時期CLから現時点Cnowまでの温湿度負荷(第2温湿度負荷)との差に基づいて機能故障時期CS1を補正し、機能故障時期CSを予測する。機能故障時期予測部40は、電源投入直後(0)から故障時期CLまでの周辺温度情報TEMPの積分値を、電源投入直後から故障時期CLまでの時間(CL)で除算し、第1温度負荷TEMP1を算出する。同様に、電源投入直後から故障時期CLまでの周辺湿度情報HUMDの積分値を、電源投入直後から故障時期CLまでの時間(CL)で除算し、第1湿度負荷HUMD1を算出する。
また、機能故障時期予測部40は、故障時期CLから現時点(Cnow)までの周辺温度情報TEMPの積分値を、故障時期CLから現時点Cnowまでの時間(Cnow-CL)で除算し、第2温度負荷TEMP2を算出する。同様に、故障時期CLから現時点Cnowまでの周辺湿度情報HUMDの積分値を、故障時期CLから現時点Cnowまでの時間(Cnow-CL)で除算し、第2湿度負荷HUMD2を算出する。このようにして、機能故障時期予測部40は、電子制御装置10の配線寿命に影響を及ぼす温湿度負荷(単位時間当たりの平均値)を推定する。
機能故障時期予測部40は、第2温度負荷TEMP2と第1温度負荷TEMP1との差分ΔTEMPと、第2湿度負荷HUMD2と第1湿度負荷HUMD1との差分ΔHUMDをもとに、故障時期CS1を補正する。具体的には、故障時期CS1から、差分ΔTEMPに係数K1を乗算した値と差分ΔHUMDに係数K2を乗算した値とを減算し、機能故障時期CSを算出する。係数K1、K2は、上記した定数A、B同様、事前試験によってあらかじめ決定されている。
図12は、電子制御装置10が故障予測処理を実行する際の具体的な動作フローを示している。先行実施形態に記載の動作フロー(図8参照)に対して、ステップS2、S4の処理が追加されている。電子制御装置10は、電源が供給されている間、図12に示すフローを繰り返し実行する。
図12に示すように、電子制御装置10は、電源が投入されると、温度、湿度情報を取得する(ステップS2)。ステップS2の処理を実行するごとに、周辺温度情報TEMP、周辺湿度情報HUMDが、メモリ12bまたは外部メモリ13に格納される。次いで、電子制御装置10(機能故障時期予測部40)は、複数の故障が未検出であるか否かを判定する(ステップS4)。
複数の故障が未検出の場合には、機能故障時期CSを予測するために必要なすべての故障時期CN(CH、CN)、すべての電圧印加時間TN(TH、TL)が揃っていない。よって、電子制御装置10は、ステップS10以降の処理を実行する。電子制御装置10は、ステップS40において複数の故障を検出すると、次いでステップS50の処理を実行する。ここでは、電圧印加時間TN(TH、TL)により故障時期CN(CH、CL)を補正して機能故障時期CS1を算出するとともに、メモリに格納された周辺温度情報TEMP、周辺湿度情報HUMDを用いて上記した温湿度負荷を推定し、温湿度負荷により機能故障時期CS1を補正する。算出した機能故障時期CS1は、メモリに格納される。推定した第1温度負荷TEMP1、第1湿度負荷HUMD1は、メモリに格納される。
ステップS4において複数の故障が検出済みの場合、電子制御装置10は、次いでステップS50の処理を実行する。ここでは、すでに算出された機能故障時期CS1を、推定した温湿度負荷により補正して機能故障時期CSを予測する。電子制御装置10は、電源が供給されている間、ステップS60までの処理を実行して一連の処理を終了すると、ステップS2からの処理を繰り返し実行する。
<第3実施形態のまとめ>
たとえば温度および/または湿度が高いほど、イオンマイグレーション等により、絶縁不良が生じやすくなる。本実施形態では、電子制御装置10周辺の温度および湿度の少なくとも一方に関する情報に基づいて、機能故障時期CSを補正する。したがって、周囲環境を反映することができる。特に、シェアリングカーのように、一台ごとに使われ方が大きく異なる移動体でも、機能故障時期CSを精度よく予測することができる。
本実施形態に示す補正方法によれば、故障時期CLまでの温湿度負荷と、故障時期CL以降の温湿度負荷を補正に用いる。したがって、故障時期CLまでの周囲環境を反映するとともに、故障時期CL以降の周囲環境も、機能故障時期CSに反映させることができる。すなわち、機能故障時期CSを更新する。たとえば故障時期CLにおいて機能故障時期CS1を算出した後に湿度が急に高くなった場合でも、湿度変動に伴う寿命減少を考慮した機能故障時期CSを予測することができる。
<変形例>
電子制御装置10が、外部から温度および湿度の少なくとも一方に関する情報を取得する例を示したが、これに限定されない。電子制御装置10が、温度センサおよび湿度センサの少なくとも一方を備えてもよい。
温度および/または湿度を用いた補正方法は、上記した例に限定されない。たとえば故障時期CLまでの周囲環境を考慮し、故障時期CL以降の周囲環境は考慮しない構成としてもよい。この場合、温度および/または湿度を用いて故障時期CH、CL(または故障時期CH1、CL1)を補正すればよい。
<第4実施形態>
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、機能故障時期CSを予測して外部に通知した。これに代えて、機能故障時期CSを通知するとともに、温度および/または湿度の急変を抑制するための要求信号を、他の電子制御装置に対して出力するようにしてもよい。
図13に示すように、本実施形態の電子制御装置10の基本構成は、先行実施形態(図10参照)と同じである。電子制御装置10は、たとえば車内LANを介して、他の電子制御装置と通信可能に接続されている。他の電子制御装置とは、電子制御装置10の周辺に配置された発熱体を制御する装置である。発熱体は、周囲環境の温度、湿度に影響を及ぼす。図13では、発熱体を制御する装置として、エンジンECU400と、エアコンECU500を例示している。エンジンECU400は、発熱体であるエンジン401を制御する。エアコンECU500は、発熱体であるコンプレッサ501、ヒータ502を制御する。電子制御装置10の通知部50は、エンジンECU400およびエアコンECU500に対して、要求信号を出力する。
図14は、電子制御装置10が故障予測処理を実行する際の具体的な動作フローを示している。先行実施形態に記載の動作フロー(図12参照)に対して、ステップS70、S80の処理が追加されている。電源が供給されている間、電子制御装置10は、図14に示すフローを繰り返し実行する。図14に示すように、ステップS60の処理(外部通知処理)を終了すると、電子制御装置10は、ステップS70の処理を実行する。ステップS70において、電子制御装置10(機能故障時期予測部40)は、ステップS50において予測した機能故障時期CSと現時点Cnowとの差分(=CS-Cnow)が、あらかじめ設定された所定期間(所定時間)を下回ったか否かを判定する。
差分(=CS-Cnow)が所定期間を下回ると、次いで、電子制御装置10は、発熱体を制御するエンジンECU400およびエアコンECU500に、温度および/または湿度の急変を抑制するための要求信号を出力し(ステップS80)、一連の処理を終了する。要求信号を取得すると、たとえばエンジンECU400は、温度が急変しないように、エンジン401の回転数を通常よりも狭い回転域で制御する。たとえばエアコンECU500は、温度および/または湿度が急変しないように、コンプレッサ501および/またはヒータ502を制御する。
<第4実施形態のまとめ>
本実施形態では、機能故障時期CSまでの残期間が所定の期間を下回ると、電子制御装置10の周辺に配置された発熱体を制御する電子制御装置(エンジンECU400、エアコンECU500)に対し、温度および湿度の少なくとも一方の急変を抑制する要求信号を出力する。これにより、周囲環境の温度、湿度の急変が抑制され、たとえばマイグレーションの進展を抑制することができる。この結果、機能故障時期CSを延ばすことができる。よって、シェアリングカーの場合、車両管理事業者のメンテナンス計画の自由度を向上することができる。
<変形例>
温度および湿度の急変を抑制する要求信号を出力する例を示したが、これに加えて、湿度の上昇抑制を要求してもよい。湿度が高いとイオンマイグレーションの進展速度が増すため、湿度を下げるように要求することで、通常配線16が機能故障するまでの寿命を延ばすことができる。
<他の実施形態>
この明細書及び図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された部品及び/又は要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品及び/又は要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品及び/又は要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
明細書及び図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書及び図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書及び図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
検査用配線は2つに限定されない。3つ以上備えてもよい。3つ以上備える構成において、少なくとも2つの検査用配線の故障時期から、機能故障時期CSを予測してもよい。たとえば、3つ以上の検査用配線の故障時期から、機能故障時期CSを予測してもよい。故障時期予測関数fは、一次関数に限定されない。
検査用配線として、絶縁抵抗検出用の配線の例を示したが、これに限定されない。たとえば、通常配線16よりも線幅を細くすることで、通常配線16よりも先に故障が生じるようにしてもよい。
10…電子制御装置(ECU)、11…電源回路部、12…制御部、12a…プロセッサ、12b…メモリ、12c…A/D変換部、12d…タイマ、13…外部メモリ、14…通信I/F回路部、15…配線、16…通常配線、16a…電源配線、16b…グランド配線、16c…高電位線、16c…低電位線、17H、17L…検査用配線、170H、170L…高電位配線部、171H、171L…低電位配線部、N1、N2…ノード、RH、RL…抵抗、20…検査用配線故障検出部、21H、21L…電圧印加部、22H、22L…絶縁抵抗検出部、23…検査用配線故障判定部、24…閾値記憶部、30…故障時期記憶部、40…機能故障時期予測部、50…通知部、60…印加時間計測部、61…印加時間取得部、70…補正情報取得部

Claims (7)

  1. 移動体に用いられる電子装置であって、
    所定機能の回路を構成する通常配線(16)と、
    前記通常配線よりも劣化の進行が早く、かつ、進行の早さが相互に異なる複数の検査用配線(17H、17L)と、
    少なくとも2つの前記検査用配線の故障を検出する故障検出部(20)と、
    前記検査用配線に故障が生じた時期を記憶する記憶部(30)と、
    少なくとも2つの前記検査用配線の故障時期に基づいて、前記通常配線に故障が生じる時期を予測する予測部(40)と、
    前記通常配線の故障予測時期を外部に通知する通知部(50)と、を備え
    前記複数の検査用配線は、第1検査用配線(17H)と、前記第1検査用配線よりも劣化の進行が遅い第2検査用配線(17L)と、を含み、
    前記予測部は、前記第1検査用配線に故障が生じた第1故障時期と、前記第2検査用配線に故障が生じた第2故障時期との差分を入力変数とする予測関数に基づき、前記通常配線に故障が生じる時期を予測し、
    前記検査用配線は、絶縁抵抗検出用の配線であり、
    前記故障検出部は、前記検査用配線の絶縁抵抗値を検出する絶縁抵抗検出部(22H、22L)と、前記絶縁抵抗値と所定の閾値とを比較し、前記絶縁抵抗値が前記閾値を下回ると故障が生じたと判定する故障判定部(23)と、を含み、
    前記第1検査用配線および前記第2検査用配線は、前記通常配線における最小間隔よりも配線間隔が狭いことで前記通常配線よりも劣化の進行が早く、
    前記第1検査用配線に、前記電子装置内の最大電圧よりも低い第1電圧が印加され、前記第2検査用配線に、前記第1電圧よりも低い第2電圧が印加され、
    前記回路に、前記最大電圧、前記第1電圧、前記第2電圧が供給される電子装置。
  2. 前記検査用配線に電圧が印加されている印加時間に関する情報を取得する印加時間取得部(60、61)をさらに備え、
    前記予測部は、
    前記印加時間により前記第1故障時期および前記第2故障時期を補正し、
    補正後の前記第1故障時期および前記第2故障時期の差分を入力変数として、前記通常配線に故障が生じる時期を予測する請求項に記載の電子装置。
  3. 前記電子装置周辺の温度および湿度の少なくとも一方に関する補正情報を取得する補正情報取得部(70)をさらに備え、
    前記予測部は、前記補正情報に基づいて、前記通常配線に故障が生じる時期を補正する請求項に記載の電子装置。
  4. 前記通知部は、予測された前記通常配線の故障時期と現在の時期との差が所定の閾値を下回ると、前記電子装置の周辺に配置された発熱体を制御する他の電子装置に対し、温度および湿度の少なくとも一方の急変を抑制する要求信号を出力する請求項1~いずれか1項に記載の電子装置。
  5. 移動体に用いられる電子装置であって、
    所定機能の回路を構成する通常配線(16)と、
    前記通常配線よりも劣化の進行が早く、かつ、進行の早さが相互に異なる複数の検査用配線(17H、17L)と、
    少なくとも2つの前記検査用配線の故障を検出する故障検出部(20)と、
    前記検査用配線に故障が生じた時期を記憶する記憶部(30)と、
    少なくとも2つの前記検査用配線の故障時期に基づいて、前記通常配線に故障が生じる時期を予測する予測部(40)と、
    前記通常配線の故障予測時期を外部に通知する通知部(50)と、を備え
    前記通知部は、予測された前記通常配線の故障時期と現在の時期との差が所定の閾値を下回ると、前記電子装置の周辺に配置された発熱体を制御する他の電子装置に対し、温度および湿度の少なくとも一方の急変を抑制する要求信号を出力する電子装置。
  6. 前記複数の検査用配線は、第1検査用配線(17H)と、前記第1検査用配線よりも劣化の進行が遅い第2検査用配線(17L)と、を含み、
    前記予測部は、前記第1検査用配線に故障が生じた第1故障時期と、前記第2検査用配線に故障が生じた第2故障時期との差分を入力変数とする予測関数に基づき、前記通常配線に故障が生じる時期を予測する請求項に記載の電子装置。
  7. 前記検査用配線は、絶縁抵抗検出用の配線であり、
    前記故障検出部は、
    前記検査用配線の絶縁抵抗値を検出する絶縁抵抗検出部(22H、22L)と、
    前記絶縁抵抗値と所定の閾値とを比較し、前記絶縁抵抗値が前記閾値を下回ると故障が生じたと判定する故障判定部(23)と、を含む請求項に記載の電子装置。
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