以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。各図において共通の構成要素には、同一符号を付す。なお、本開示において「延在」とは、折り線に関して用いられる場合、任意の形状で、所定方向に沿って延びるように存在することを意味する。任意の形状の一例として、直線状及びジグザグ状が挙げられる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る熱電変換モジュール1の外観図である。図2は、図1に示す熱電変換モジュール1の上面図である。なお、図2には、熱電変換モジュール1が備える第1配線10H、第2配線10L、熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nの一部を実線で示す。図3は、図1に示す熱電変換モジュール1の展開状態を示す平面図である。換言すると、図3は、図1に示す熱電変換モジュール1の折畳み構造の展開図に相当する。なお、図3では、熱電変換モジュール1の第1折り線1H、第2折り線1L及び第3折り線1Aを主に示す。図4は、図3に示す熱電変換モジュール1の一部拡大図である。図5は、図4に示すL-L線に沿った熱電変換モジュール1の断面図である。図6は、図3に示す熱電変換モジュール1における電流の流れを示す図である。
図1に示す熱電変換モジュール1は、熱源としての配管2が放射する熱を電力に変換する。熱電変換モジュール1は、図1に示すように折畳み構造を有する。熱電変換モジュール1の折畳み構造は、空洞を有する。一例として、図2に示すように、折畳み構造の空洞の中心から、折畳み構造において最も外側に位置する部分までの距離は、38.6mm程度であってよい。熱電変換モジュール1は、折畳み構造の空洞に配管2を通すことにより、配管2に取り付けられてよい。また、熱電変換モジュール1は、図4に示す展開状態の熱電変換モジュール1を、配管2に巻き付けることにより、配管2に取り付けられてよい。熱電変換モジュール1は、配管2が発する熱と外気温度との間の温度差を利用して、電力を発電する。
図1に示す配管2は、熱源である。配管2は、円筒状である。配管2は、図1に示すように、熱電変換モジュール1の折畳み構造が有する空洞を通る。配管2は、配管2の内部に熱水又は熱風を通すことにより、熱を発する。配管2は、工場等に設置され得る。一例として、配管2の半径は、12mm程度であってよい。
なお、図1及び図2において、周方向a1は、円筒状の配管2の周方向である。本実施形態では、周方向a1は、図2に示すように、反時計回りの方向であるものとする。また、延在方向a2は、図1に示す配管2が延在する方向である。本実施形態では、延在方向a2は、図1の紙面上側から紙面下側に向けて、延在する方向であるものとする。また、放射方向a3は、図2に示す配管2の中心軸Oから放射状に広がる方向である。放射方向a3は、熱源である配管2が発する熱が、配管2の外部に向けて放射状に広がる方向に対応する。
また、図3乃至図6において、第1方向A1と第2方向A2は、略直交する。また、第3方向A3は、第1方向A1及び第2方向A2に略直交する。本実施形態では、第1方向A1は、図3の紙面左側から紙面右側に向かう方向であるものとする。また、第2方向A2は、図3の紙面上側から紙面下側に向かう方向であるものとする。また、第3方向A3は、図3の紙面に垂直な方向であって、図3の紙面手前側に向かう方向であるものとする。
図3に示すように、熱電変換モジュール1は、第1折り線1Hと、第2折り線1Lと、第3折り線1Aとを有する。図4に示すように、熱電変換モジュール1は、第1配線10Hと、第2配線10Lと、p型熱電変換素子である熱電変換素子20Pと、n型熱電変換素子である熱電変換素子20Nと、シート基板30とを備える。さらに、熱電変換モジュール1は、導電性部材60を備えてよい。また、熱電変換モジュール1の折畳み構造は、図3に示すユニットUを単位ユニットとして、構成される。ユニットUは、限定ではないが、図4に示すように、4個のストリングSを含む。ストリングSは、図4に示す展開状態において、熱電変換モジュール1の一端から他端に向けて、第1方向A1に沿って延在する。複数のストリングSは、その端部同士が導電性部材60で電気的に接続されることにより、直列接続されてよい。
熱電変換モジュール1は、図3に示す第2折り線1L及び第3折り線1Aの山折り線1Mで、山折りにされる。第1実施形態において「山折り」とは、図3に示す第3方向A3に向けて、突出するように、折り曲げることを意味する。また、熱電変換モジュール1は、図3に示す第1折り線1H及び第3折り線1Aの谷折り線1Vで、谷折りにされる。第1実施形態において「谷折り」とは、図3に示す第3方向A3とは反対の方向に向けて、突出するように、折り曲げることを意味する。
図3に示す展開状態において、第1折り線1Hと第2折り線1Lは、第1方向A1に沿って所定間隔を空けて、交互に位置する。
図4に示すように、第1折り線1Hは、第1配線10Hに形成される。図3に示す展開状態において、第1折り線1Hは、第2方向A2に沿って、ジグザグ状に延在する。より詳細には、図3に示すように、第1折り線1Hは、第1間隔d1で交互に並ぶ、第1線分1H1と第2線分1H2とを含む。第1線分1H1の長さと、第2線分1H2の長さは、同一である。第1線分1H1は、第2方向A2に対して第1方向A1に、第1角度θ1傾く。第2線分1H2は、第2方向A2に対して第1方向A1とは反対の方向に、第1角度θ1傾く。図2に示す配管2の半径が12mm程度である場合、第1角度θ1は、一例として、42度程度であってよい。図2に示す配管2の半径が12mm程度である場合、第1間隔d1は、一例として、20mm程度であってよい。
図4に示すように、第2折り線1Lは、第2配線10Lに形成される。図3に示す展開状態において、第2折り線1Lは、第2方向A2に沿って、ジグザグ状に延在する。より詳細には、図3に示すように、第2折り線1Lは、第1間隔d1で交互に並ぶ、第1線分1L1と第2線分1L2とを含む。第1線分1L1の長さと、第2線分1L2の長さは、同一である。第1線分1L1は、第2方向A2に対して第1方向A1に第2角度θ2傾く。第2線分1L2は、第2方向A2に対して第1方向A1とは反対の方向に、第2角度θ2傾く。第2角度θ2は、第1角度θ1よりも小さい。図2に示す配管2の半径が12mm程度である場合、第2角度θ2は、一例として、12度程度であってよい。
図4に示すように、第3折り線1Aは、シート基板30に形成される。第3折り線1Aは、第2方向A2において隣り合うユニットUの間に、形成される。例えば、図4に示すユニットU-1と、ユニットU-2は、第2方向A2において隣り合うユニットUである。図4に示すように、第3折り線1Aは、ユニットU-1と、ユニットU-2との間に形成される。
図3に示す展開状態において、第3折り線1Aは、第1方向A1に沿って直線状に延在する。図3に示す展開状態において、第3折り線1Aは、ジグザグ状の第1折り線1Hが折れ曲がる箇所、及び、ジグザグ状の第2折り線1Lが折れ曲がる箇所を、通る。より詳細には、第3折り線1Aは、第1線分1H1と第2線分1H2が連結される箇所、及び、第1線分1L1と第2線分1L2が連結される箇所を、通る。複数の第3折り線1Aが、第2方向A2に沿って、第1間隔d1を空けて、位置する。第3折り線1Aは、第1方向A1に沿って交互に並ぶ、山折り線1Mと谷折り線1Vとを含む。
山折り線1Mの長さは、谷折り線1Vの長さよりも、長い。ここで、同一の第3折り線1A上では、第1折り線1Hと第2折り線1Lの第1方向A1に沿う間隔は、第1方向A1に沿って、狭い間隔e1と広い間隔e2とに交互になる。谷折り線1Vは、狭い間隔e1に位置する。山折り線1Mは、広い間隔e2に位置する。なお、図2に示す配管2の半径が12mm程度である場合、図3に示す狭い間隔e1の幅すなわち谷折り線1Vの長さは、一例として、22mm程度であってよい。また、図3に示す広い間隔e2の幅すなわち山折り線1Mの長さは、一例として、35.7mm程度であってよい。
図4に示す第1配線10H及び第2配線10Lは、シート基板30に配置される。第1配線10H及び第2配線10Lは、導電性及び熱導電性を有する金属で形成されてよい。第1配線10H及び第2配線10Lを形成する金属としては、特に限定されることなく、Ag及びCu等が挙げられる。
図5に示すように、第1配線10H及び第2配線10Lは、薄膜状であってよい。図5に示す第3方向A3における、第1配線10Hの厚さ及び第2配線10Lの厚さは、一例として、16μm程度であってよい。
図4に示すように、第1配線10H及び第2配線10Lは、異なる形状の、略長方形である。図4に示す展開状態では、第1配線10Hの長手方向及び第2配線10Lの長手方向は、第1方向A1に沿う。第1配線10Hの長手方向の長さは、第2配線10Lの長手方向の長さよりも、長くてよい。一例として、第2配線10Lの長手方向の長さは、15.7mm程度であってよい。一例として、第1配線10Hの長手方向の長さは、22mm程度であってよい。また、図4に示す展開状態では、第1配線10Hの短手方向及び第2配線10Lの短手方向は、第2方向A2に沿う。第1配線10Hの短手方向の長さと、第2配線10Lの短手方向の長さは、同一であってよい。一例として、第1配線10Hの短手方向の長さ及び第2配線10Lの短手方向の長さは、3mm程度であってよい。
なお、複数の第1配線10H及び第2配線10Lにおいて、熱電変換モジュール1の端部に位置する第1配線10H又は第2配線10Lの長手方向の長さは、熱電変換モジュール1を折畳み構造にするために、適宜調整されてよい。図4に示す構成では、熱電変換モジュール1の端部に位置する第2配線10Lの長手方向の長さは、熱電変換モジュール1を折畳み構造にするために、適宜調整されてよい。また、図4に示す構成では、熱電変換モジュール1の端部に位置する第2配線10Lに形成される第2折り線1Lは、熱電変換モジュール1を折畳み構造にする際、重ね合わせられてよい。
図4に示す展開状態において、第1配線10Hと第2配線10Lは、各ストリングSにおいて第1方向A1に沿って、隙間を空けて交互に並ぶ。各ストリングSにおける第1配線10Hと第2配線10Lの間の各隙間には、熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nが交互に位置する。第1配線10Hの第1方向A1(長手方向)における一端は、当該一端と第2配線10Lとの間の隙間に位置する、熱電変換素子20P又は熱電変換素子20Nに、図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。第1配線10Hの第1方向A1における他端は、当該他端と第2配線10Lとの間の隙間に位置する、熱電変換素子20P又は熱電変換素子20Nに、図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。また、第2配線10Lの第1方向A1(長手方向)における一端は、当該一端と第1配線10Hとの間の隙間に位置する、熱電変換素子20P又は熱電変換素子20Nに、図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。第2配線10Lの第1方向A1における他端は、当該他端と第1配線10Hとの間の隙間に位置する、熱電変換素子20P又は熱電変換素子20Nに、図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。
図4に示す展開状態において、第1配線10Hは、第2方向A2に沿って、隙間を空けて並ぶ。同様に、第2配線10Lは、第2方向A2に沿って、隙間を空けて並ぶ。当該隙間は、一例として、1mm程度であってよい。換言すると、第2方向A2において隣り合うストリングSでは、第1配線10Hの第1方向A1における位置は、一致する。例えば、ストリングS-1とストリングS-2は、第2方向A2において隣り合うストリングSである。ストリングS-1の第1配線10Hの第1方向A1における位置と、ストリングS-2の第1配線10Hの第1方向A1における位置は、位置する。同様に、隣り合うストリングSにおいて、第2配線10Lの第1方向A1における位置は、一致する。例えば、ストリングS-1の第2配線10Lの第1方向A1における位置と、ストリングS-2の第2配線10Lの第1方向A1における位置は、位置する。
図4に示すように、第1配線10Hには、第1折り線1Hが形成される。1個のユニットUに含まれる第2方向A2に沿って並ぶ4個の第1配線10Hには、第1折り線1Hの第1線分1H1及び第2線分1H2の何れかが形成される。また、図4に示す第2配線10Lには、第2折り線1Lが形成される。1個のユニットUに含まれる第2方向A2に沿って並ぶ4個の第2配線10Lには、第2折り線1Lの第1線分1L1及び第2線分1L2の何れかが形成される。ここで、熱電変換モジュール1が折畳まれた状態では、図2に示すように、第1配線10Hに形成される第1折り線1Hの位置は、第2配線10Lに形成される第2折り線1Lの位置よりも、配管2に近くなり得る。つまり、熱電変換モジュール1が折畳まれた状態では、図2に示すように、第1配線10Hの位置は、第2配線10Lの位置よりも、配管2に近くなり得る。このような構成とすることで、第1配線10Hの温度は、第2配線10Lの温度よりも、高くなり得る。換言すると、第2配線10Lの温度は、第1配線10Hの温度よりも、低くなり得る。
図4に示す熱電変換素子20Pは、p型熱電変換素子である。図4に示す熱電変換素子20Nは、n型熱電変換素子である。熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nは、シート基板30に配置される。
図4に示すように、熱電変換素子20Pの第1方向A1(長手方向)における一端は、第1配線10H又は第2配線10Lに隣接する。熱電変換素子20Pの第1方向A1における一端は、当該一端に隣接する第1配線10H又は第2配線10Lに、図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。また、図4に示すように、熱電変換素子20Pの第1方向A1における他端は、第1配線10H又は第2配線10Lに隣接する。熱電変換素子20Pの第1方向A1における他端は、当該他端に隣接する第1配線10H又は第2配線10Lに、図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。
図4に示すように、熱電変換素子20Nの第1方向A1(長手方向)における一端は、第1配線10H又は第2配線10Lに隣接する。熱電変換素子20Nの第1方向A1における一端は、当該一端に隣接する第1配線10H又は第2配線10Lに、図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。また、図4に示すように、熱電変換素子20Nの第1方向A1における他端は、第1配線10H又は第2配線10Lに隣接する。熱電変換素子20Nの第1方向A1における他端は、当該他端に隣接する第1配線10H又は第2配線10Lに、図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。
図5に示すように、熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nは、薄膜状であってよい。図5に示す第3方向A3における、熱電変換素子20Pの厚さ及び熱電変換素子20Nの厚さは、一例として、35μm程度であってよい。熱電変換素子20P,20Nを形成するための熱電変換材料としては、特に限定されることなく、ビスマステルル系化合物、アンチモン系化合物、シリコン系化合物、金属酸化物系化合物、ホイスラー合金系化合物、導電性高分子化合物、導電性繊維、及び、これらの複合材料等を用いることができる。中でも、導電性繊維を用いることが好ましく、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」とも称する)等の繊維状の炭素ナノ構造体を用いることがより好ましい。CNTを用いれば、本発明の熱電変換モジュール1の機械的強度をさらに向上させると共に、軽量化することができるからである。さらに、CNTとしては特に限定されることなく、単層CNT及び/又は多層CNTを用いることができるが、CNTは、単層CNTであることが好ましい。単層CNTの方が、熱電特性(ゼーベック係数)が優位である傾向があるからである。なお、単層カーボンナノチューブとしては、CNT製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物及びキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて製造したCNTを用いることができる(以下、かかる方法に準じて製造されたCNTを「SGCNT」と称することがある)。さらにSGCNTは折れ曲がりが多いという特徴を持っている。ここで、CNTは、電子移動による熱伝導性は高いが、フォノン振動による熱伝導性の低下効果も高いと考えられている。しかしながら、SGCNTは、他の一般的な方法に従って製造したCNTよりも折れ曲がりが多いため、フォノン振動が増幅されにくい構造となっており、フォノン振動に起因した熱伝導性の低下を抑制することができる。よって、SGCNTは、他の一般的なCNTと比較して、熱電変換材料としてより優位な材料であり得る。
図4に示すように、熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nは、同一形状の、略長方形である。図4に示す展開状態において、熱電変換素子20Pの長手方向及び熱電変換素子20Nの長手方向は、第1方向A1に沿う。熱電変換素子20Pの長手方向の長さと、熱電変換素子20Nの長手方向の長さは、同一であってよい。一例として、熱電変換素子20Pの長手方向の長さ及び熱電変換素子20Nの長手方向の長さは、10mm程度であってよい。また、図4に示す展開状態において、熱電変換素子20Pの短手方向及び熱電変換素子20Nの短手方向は、第2方向A2に沿う。熱電変換素子20Pの短手方向の長さ及び熱電変換素子20Nの短手方向の長さは、第1配線10Hの短手方向及び第2配線10Lの短手方向の長さと同一であってよい。一例として、熱電変換素子20Pの短手方向の長さ及び熱電変換素子20Nの短手方向の長さは、3mm程度であってよい。
図4に示すように、熱電変換素子20Pと熱電変換素子20Nは、各ストリングSにおいて第1方向A1に沿って、隙間を空けて交互に並ぶ。各隙間には、第1配線10Hと第2配線10Lとが交互に位置する。このような構成とすることで、熱電変換素子20Pの第1方向A1における一端に第1配線10Hが位置し、熱電変換素子20Pの第1方向A1における他端に第2配線10Lが位置し得る。また、熱電変換素子20Nの第1方向A1における一端に第1配線10Hが位置し、熱電変換素子20Nの第1方向A1における他端に第2配線10Lが位置し得る。ここで、上述のように、第1配線10Hの温度は、第2配線10Lの温度よりも、高くなり得る。そのため、図5に示すように、熱電変換素子20Pの第1方向A1における一端は、高温となり得る。また、熱電変換素子20Pの第1方向A1における他端は低温となり得る。同様に、熱電変換素子20Nの第1方向A1における一端は、高温となり得る。また、熱電変換素子20Nの第1方向A1における他端は、低温となり得る。このような構成により、熱電変換素子20Pの両端及び熱電変換素子20Nの両端の各々において、温度差が生じる。熱電変換素子20Pの両端及び熱電変換素子20Nの両端の各々において温度差が生じることで、熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nの各々において、温度勾配が生じる。この温度勾配に起因するゼーベック効果により起電力が生じて、熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nは、発電し得る。熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nが発電することにより、図5に示すように、電流が流れ得る。
図4に示すように、第2方向A2において隣り合うストリングSでは、第1方向A1に沿って交互に並ぶ熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nの順序は、逆であってよい。換言すると、熱電変換素子20Pと熱電変換素子20Nは、第2方向A2に沿って隙間を空けて交互に並んでよい。当該隙間は、一例として、1mm程度であってよい。例えば、ストリングS-1とストリングS-2は、第2方向A2において隣り合うストリングSである。ストリングS-1では、第1方向A1に沿って、熱電変換素子20N、熱電変換素子20P、熱電変換素子20N、熱電変換素子20P…と並ぶ。一方、ストリングS-2では、第1方向A1に沿って、熱電変換素子20P、熱電変換素子20N、熱電変換素子20P、熱電変換素子20N…と並ぶ。このような構成とすることで、図6に示すように、第2方向A2において隣り合うストリングSでは、逆向きの電流が生じ得る。例えば、ストリングS-1で生じる電流の向きと、ストリングS-2で生じる電流の向きとは、逆向きになる。隣り合うストリングSに生じる電流が逆向きとなることにより、隣り合うストリングSを、その端部を導電性部材60によって電気的に接続することにより、直列接続させることができる。隣り合うストリングSを直列接続させることにより、熱電変換モジュール1は、より大きな電力を発電することができる。さらに、ユニットUが偶数個(図4に示す例では、4個)のストリングSを含む場合、熱電変換モジュール1において全てのストリングSを、導電性部材60によって、直列接続させることができる。このような構成とすることで、熱電変換モジュール1は、より大きな電力を発電することができる。全てのストリングSを導電性部材60によって直列接続させると、図6に示すように、各ストリングSを流れる1本の電流経路が生じ得る。また、ユニットUに含まれるストリングSの個数を偶数個にすることで、熱電変換モジュール1から電力を取り出すための(正極及び負極)電極を、熱電変換モジュール1の2つの端部のうち、片方の端部に設けることができる。例えば、図6に示すように、正極E1及び負極E2を、熱電変換モジュール1の第1方向A1における2つの端部のうち、第1方向A1の負方向側の端部に、設けることができる。熱電変換モジュール1の片方の端部に正極E1及び負極E2を設けることで、正極E1及び負極E2の構成が複雑化することを抑制することができる。
図4に示す1個のストリングSにおいて、熱電変換素子20Pの個数と、熱電変換素子20Nの個数とは、同一であってよい。換言すると、第1方向A1に沿って並ぶ、熱電変換素子20Pの個数と熱電変換素子20Nの個数とは、同一であってよい。ここで、本実施形態では、熱電変換素子20Pと熱電変換素子20Nとは、第1方向A1に沿って交互に並ぶ。このような構成において、熱電変換素子20Pの個数と熱電変換素子20Nの個数を同一にすると、熱電変換モジュール10の両端部に位置する配線を、第1配線10H又は第2配線10Lの何れかに統一することができる。例えば、図4に示す構成では、熱電変換モジュール1の両端部に位置する配線を、第1配線10Hに統一することができる。このような構成により、図4に示す熱電変換モジュール1を、図2に示すような筒状にする際、熱電変換モジュール10の端部同士を、余分な隙間を設けることなく、接続させることができる。
図5に示すように、シート基板30は、カバー層32と、カバー層33と、カバー層34とを有する。図4に示すように、シート基板30は、領域31をさらに有してよい。以下、図5に示す断面図において、第1配線10H、第2配線10L、熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nが位置する層は、「熱電変換層」とも記載する。
図4に示すように、領域31は、第1折り線1Hと第3折り線1Aとが交差する位置、及び、第2折り線1Lと第3折り線1Aとが交差する位置に、設けられる。領域31は、限定ではないが、円形であってよい。
図4に示す領域31は、貫通領域であってよい。又は、領域31は、シート基板30の他の部分よりも厚さが薄い領域であってよい。ここで、熱電変換モジュール1が折畳まれた状態では、第1折り線1Hと第3折り線1Aとが交差する位置、及び、第2折り線1Lと第3折り線1Aとが交差する位置には、応力が集中し得る。シート基板30に領域31を形成することにより、シート基板30に集中する応力の度合いを軽減及び分散させることができる。シート基板30に集中する応力の度合いを軽減及び分散させることにより、熱電変換モジュール1が折畳み易くなり得る。また、シート基板30に集中する応力の度合いを軽減及び分散させることにより、シート基板30の劣化を抑制することができる。
図5に示す断面図において、カバー層32は、第3方向A3側に位置する上層として、設けられる。カバー層33は、カバー層32と熱電変換層との間に設けられる。カバー層34は、第3方向A3とは反対側に位置する下層として設けられる。一例として、カバー層32,33,34の第3方向A3における各々の厚さは、37.5μm程度であってよい。
カバー層32は、樹脂層40と、接着層41とを含む。カバー層33は、樹脂層42と、接着層43とを含む。カバー層34は、樹脂層44と、接着層45とを含む。
樹脂層40,42,44は、限定ではないが、ポリミイドを含んで構成される。樹脂層40は、接着層41の上に位置する。樹脂層42は、接着層41と接着層43との間に位置する。樹脂層44は、接着層45の下に位置する。
接着層41,43,45は、限定ではないが、ポリキシを含んで構成される。接着層41は、樹脂層40と樹脂層42とを接着する。接着層43は、樹脂層42と熱電変換層とを接着する。接着層45は、熱電変換層と、樹脂層44とを接着する。
図5に示す接合部材50は、銀ペースト等の導電性ペーストであってよい。接合部材50は、第1配線10Hと熱電変換素子20Pとの間に位置する。接合部材50は、第1配線10Hと熱電変換素子20Pとを電気的に接続する。また、接合部材50は、第2配線10Lと熱電変換素子20Pとの間に位置する。接合部材50は、第2配線10Lと熱電変換素子20Pとを電気的に接続する。また、接合部材50は、第1配線10Hと熱電変換素子20Nとの間に位置する。接合部材50は、第1配線10Hと熱電変換素子20Nとを電気的に接続する。また、接合部材50は、第2配線10Lと熱電変換素子20Nとの間に位置する。接合部材50は、第2配線10Lと熱電変換素子20Nとを電気的に接続する。
図4に示す導電性部材60は、第1配線10H及び第2配線10Lと同様の材料で、形成されてよい。導電性部材60は、熱電変換モジュール1の複数のストリングSが直列接続されるように、ストリングSの端部同士を電気的に接続する。導電性部材60が複数のストリングSを直列接続させることにより、より高い電圧の電力を得ることができる。
以上のように、第1実施形態に係る熱電変換モジュール1は、第1折り線1H、第2折り線1L及び第3折り線1Aを有する。熱電変換モジュール1は、上述のように、第1折り線1H、第2折り線1L及び第3折り線1Aで、山折り又は谷折りに適宜されることにより、図1に示すように小型化され得る。
なお、第1実施形態に係る熱電変換モジュール1において、第1折り線1H、第2折り線1L及び第3折り線1Aの少なくとも何れかは、ミシン目を含んでよい。第1折り線1H等がミシン目を含むことで、熱電変換モジュール1を、展開状態から折畳み状態に、より容易にすることができる。
また、第1実施形態に係る熱電変換モジュール1において、第1配線10Hは、第1折り線1Hが形成される部分に、メッシュ構造を有してよい。同様に、第2配線10Lは、第2折り線1Lが形成される部分に、メッシュ構造を有してよい。第1配線10H及び第2配線10Lの各々がメッシュ構造を有することにより、折り曲げに対する熱電変換モジュール1の耐久性を向上させることができる。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る熱電変換モジュール101の外観図である。図8は、図7に示す熱電変換モジュール101の展開状態を示す平面図である。換言すると、図8は、図7に示す熱電変換モジュール101の折畳み構造の展開図に相当する。なお、図8では、熱電変換モジュール101の第1折り線101H、第2折り線101L、山折り線101M及び谷折り線101Vを主に示す。図9は、図8に示す熱電変換モジュール101の一部拡大図である。
図7に示す熱電変換モジュール101は、熱源としてのプレート102が放射する熱を電力に変換する。熱電変換モジュール101は、折畳み構造を有する。熱電変換モジュール101の折畳み構造の形状は、略直方体となる。一例として、略直方体の高さ(放射方向b1における長さ)は、15mm程度であってよい。また、略直方体の幅(幅方向b2における長さ)は、25mm程度であってよい。また、略直方体の奥行き(奥行き方向b3における長さ)は、5mm程度であってよい。
熱電変換モジュール101は、図7に示すように、平面状のプレート102上に載置される。熱電変換モジュール101は、プレート102が発する熱と外気温度との間の温度差を利用して、電力を発電する。プレート102は、熱源である。プレート102は、平面状である。プレート102は、熱を発生する。
なお、図7において、放射方向b1は、熱源であるプレート102が発する熱が、外部に向けて放射させる方向である。放射方向b1は、平面状のプレート102に対して垂直な方向となり得る。また、幅方向b2は、略直方体状の熱電変換モジュール101の幅の方向である。奥行き方向b3は、略直方体状の熱電変換モジュール101の奥行きの方向である。幅方向b2及び奥行き方向b3は、熱電変換モジュール101がプレート102に載置されるとき、平面状のプレート102の面内の方向となり得る。
また、図8及び図9において、第1方向B1と第2方向B2は、略直交する。また、第3方向B3は、第1方向B1及び第2方向B2に略直交する。本実施形態では、第1方向B1は、図8の紙面左側から紙面右側に向かう方向であるものとする。また、第2方向B2は、図8の紙面下側から紙面上側に向かう方向であるものとする。また、第3方向B3は、図8の紙面に垂直な方向であって、図8の紙面手前側に向かう方向であるものとする。
図8に示すように、熱電変換モジュール101は、第1折り線101Hと、第2折り線101Lとを有する。熱電変換モジュール101は、第3折り線として、第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vを有する。図9に示すように、熱電変換モジュール101は、第1配線110Hと、第2配線110Lと、p型熱電変換素子である熱電変換素子120Pと、n型熱電変換素子である熱電変換素子120Nと、シート基板130とを備える。さらに、熱電変換モジュール101は、導電性部材60を備えてよい。また、図7に示す熱電変換モジュール101の折畳み構造は、図8に示すユニットU1を単位ユニットとして、構成される。図9に示すように、ユニットU1は、限定ではないが、4個のストリングS1を含む。図4に示すストリングSと同様に、ストリングS1は、図9に示す展開状態において、熱電変換モジュール101の一端から他端に向けて、第1方向B1に沿って延在する。複数のストリングS1は、その端部同士が導電性部材60で電気的に接続されることにより、直列接続されてよい。
熱電変換モジュール101は、第1折り線101Hの第1山折り線101HM、第2折り線101Lの第2山折り線101LM及び第3山折り線101Mで、山折りにされる。第2実施形態において「山折り」とは、図8に示す展開状態において、第3方向B3に向けて、突出するように折り曲げることを意味する。また、熱電変換モジュール101は、第1折り線101Hの第1谷折り線101HV、第2折り線101Lの第2谷折り線101LV及び第3谷折り線101Vで、谷折りにされる。第2実施形態において「谷折り」とは、図8に示す展開状態において、第3方向B3とは反対の方向に向けて、突出するように折り曲げることを意味する。
図9に示すように、第1折り線101Hは、第1配線110Hに形成される。第2折り線101Lは、第2配線110Lに形成される。図8に示すように、第1折り線101Hと第2折り線101Lは、第1方向B1に沿って第2間隔d2を空けて、交互に位置する。一例として、第2間隔d2は、15mm程度であってよい。
図8に示すように、第1折り線101Hは、第1山折り線101HMと第1谷折り線101HVとを含む。第1山折り線101HMと第1谷折り線101HVは、第2方向B2に沿って交互に並ぶ。第2折り線101Lは、第2山折り線101LMと第2谷折り線101LVとを含む。第2山折り線101LMと第2谷折り線101LVは、第2方向B2に沿って交互に並ぶ。第2方向B2において、第1山折り線101HMと第1谷折り線101HVとが交互に並ぶ順番と、第2山折り線101LMと第2谷折り線101LVとが交互に並ぶ順番は、逆である。第1山折り線101HMの長さ、第1谷折り線101HVの長さ、第2山折り線101LMの長さ、及び、第2谷折り線101LVの長さは、同一であってよい。一例として、これらの長さは、後述の第3間隔d3の幅と同一であってよい。
図9に示すように、第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vは、シート基板130に形成される。第3山折り線101Mは、ジグザグ状に、第1方向B1に沿って延在する。より詳細には、第3山折り線101Mは、第1山折り線101HMと第1谷折り線101HVとが連結される位置、及び、第2山折り線101LMと第2谷折り線101LVとが連結される位置で、ジグザグ状に折れ曲がる。また、第3谷折り線101Vは、ジグザグ状に、第1方向B1に沿って延在する。より詳細には、第3谷折り線101Vは、第1山折り線101HMと第1谷折り線101HVとが連結される位置、及び、第2山折り線101LMと第2谷折り線101LVとが連結される位置で、ジグザグ状に折れ曲がる。
図8に示すように、第3山折り線101Mがジグザグ状に折れ曲がる方向と、第3谷折り線101Vがジグザグ状に折れ曲がる方向とは、同一方向である。第3折り線101Mがジグザグ状に折れ曲がる角度と、第3谷折り線101Vがジグザグ状に折れ曲がる角度は、同一の角度、第3角度θ3であってよい。一例として、第3角度θ3は、174度であってよい。
図9に示すように、第3山折り線101Mと第3谷折り線101Vは、第2方向B2において隣り合うユニットU1の間に、形成される。例えば、ユニットU1-1とユニットU1-2は、第2方向B2において隣り合うユニットU1である。第3谷折り線101Vは、ユニットU1-1とユニットU1-2との間に、形成される。また、ユニットU1-2とユニットU1-3は第2方向B2において隣り合うユニットU1である。第3山折り線101Mは、ユニットU1-2とユニットU1-3との間に、形成される。
図8に示すように、第3山折り線101Mと第3谷折り線101Vは、第2方向B2に沿って、第3間隔d3を空けて、交互に位置する。一例として、第3間隔d3は、25mm程度であってよい。
図9に示す第1配線110H及び第2配線110Lは、シート基板130に配置される。第1配線110H及び第2配線110Lは、図4に示す第1配線10H及び第2配線10Lと同様の材料で形成されてよい。また、第1配線110H及び第2配線110Lは、図4に示す第1配線10H及び第2配線10Lと同様に、薄膜状であってよい。
図9に示す展開状態において、第1配線110H及び第2配線110Lは、同一形状の、略長方形である。第1配線110Hの長手方向及び第2配線110Lの長手方向は、第1方向B1に沿う。一例として、第1配線110Hの長手方向の長さ及び第2配線110Lの長手方向の長さは、5mm程度であってよい。第1配線110Hの短手方向及び第2配線110Lの短手方向は、第2方向B2に沿う。一例として、第1配線110Hの短手方向の長さ及び第2配線110Lの短手方向の長さは、3mm程度であってよい。
図9に示すように、第1配線110Hと第2配線110Lは、各ストリングS1において第1方向B1に沿って、隙間を空けて交互に並ぶ。各ストリングS1における第1配線110Hと第2配線110Lの間の各隙間には、熱電変換素子120P及び熱電変換素子120Nが交互に位置する。第1配線110Hの第1方向B1(長手方向)における一端は、当該一端と第2配線110Lとの間の隙間に位置する、熱電変換素子120P又は熱電変換素子120Nに、上述の図5に示す接合部材50を介して、電気的に接続される。第1配線110Hの第1方向B1における他端は、当該他端と第2配線110Lとの間の隙間に位置する、熱電変換素子120P又は熱電変換素子120Nに、上述の図5に示す接合部材50を介して、電気的に接続される。また、第2配線110Lの第1方向B1(長手方向)における一端は、当該一端と第1配線110Hとの間の隙間に位置する、熱電変換素子120P又は熱電変換素子120Nに、上述の図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。第2配線110Lの第1方向B1における他端は、当該他端と第1配線110Hとの間の隙間に位置する、熱電変換素子120P又は熱電変換素子120Nに、上述の図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。
図9に示す展開状態において、第1配線110Hは、第2方向B2に沿って、隙間を空けて並ぶ。同様に、第2配線110Lは、第2方向B2に沿って、隙間を空けて並ぶ。一例として、隙間は、1mm程度であってよい。
図9に示すように、第1配線110Hには、第1折り線101Hが形成される。より詳細には、1個のユニットU1に含まれる第2方向B2に沿って並ぶ4個の第1配線110Hには、第1山折り線101HM又は第1谷折り線101HVが形成される。また、第2配線110Lには、第2折り線101Lが形成される。より詳細には、1個のユニットU1に含まれる第2方向B2に沿って並ぶ4個の第2配線110Lには、第2山折り線101LM又は第2谷折り線101LVが形成される。ここで、熱電変換モジュール101が折畳まれた状態になると、図7に示すように、第1配線110Hの位置は、第2配線110Lの位置よりも、プレート102に近くなり得る。このような構成とすることで、第1配線110Hの温度は、第2配線110Lの温度よりも、高くなり得る。換言すると、第2配線110Lの温度は、第1配線110Hの温度よりも、低くなり得る。
図9に示す熱電変換素子120Pは、p型熱電変換素子である。図9に示す熱電変換素子120Nは、n型熱電変換素子である。熱電変換素子120P及び熱電変換素子120Nは、シート基板130に配置される。熱電変換素子120P,120Nを形成するための熱電変換材料としては、第1実施形態にて上述したものが用いられてよい。また、熱電変換素子120Pの厚さ及び熱電変換素子120Nの厚さは、一例として、第1実施形態と同様に、35μm程度であってよい。
図9に示す展開状態において、熱電変換素子120P及び熱電変換素子120Nは、同一形状の、略長方形である。熱電変換素子120Pの長手方向及び熱電変換素子120Nの長手方向は、第1方向B1に沿う。一例として、熱電変換素子120Pの長手方向の長さ及び熱電変換素子120Nの長手方向の長さは、10mm程度であってよい。熱電変換素子120Pの短手方向及び熱電変換素子120Nの短手方向は、第2方向B2に沿う。熱電変換素子120Pの短手方向の長さ及び熱電変換素子120Nの短手方向の長さは、第1配線110Hの短手方向及び第2配線110Lの短手方向の長さと同一であってよい。一例として、熱電変換素子120Pの短手方向の長さ及び熱電変換素子120Nの短手方向の長さは、3mm程度であってよい。
図9に示すように、熱電変換素子120Pの第1方向B1(長手方向)における一端は、第1配線110H又は第2配線110Lに隣接する。熱電変換素子120Pの第1方向B1における一端は、当該一端に隣接する第1配線110H又は第2配線110Lに、上述の図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。また、図9に示すように、熱電変換素子120Pの第1方向B1における他端は、第1配線110H又は第2配線110Lに隣接する。熱電変換素子120Pの第1方向B1における他端は、当該他端に隣接する第1配線110H又は第2配線110Lに、上述の図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。
図9に示すように、熱電変換素子120Nの第1方向B1(長手方向)における一端は、第1配線110H又は第2配線110Lに隣接する。熱電変換素子120Nの第1方向B1における一端は、当該一端に隣接する第1配線110H又は第2配線110Lに、上述の図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。また、図9に示すように、熱電変換素子120Nの第1方向B1における他端は、第1配線110H又は第2配線110Lに隣接する。熱電変換素子120Nの第1方向B1における他端は、当該他端に隣接する第1配線110H又は第2配線110Lに、上述の図5に示す接合部材50を介して電気的に接続される。
図9に示すように、熱電変換素子120Pと熱電変換素子120Nは、各ストリングS1において第1方向B1に沿って、隙間を空けて交互に並ぶ。各隙間には、第1配線110Hと第2配線110Lとが交互に位置する。このような構成とすることで、熱電変換素子120Pの第1方向B1における一端に第1配線110Hが位置し、熱電変換素子120Pの第1方向B1における他端に第2配線110Lが位置し得る。また、熱電変換素子120Nの第1方向B1における一端に第1配線110Hが位置し、熱電変換素子120Nの第1方向B1における他端に第2配線110Lが位置し得る。ここで、上述のように、第1配線110Hの温度は、第2配線110Lの温度よりも、高くなり得る。そのため、第1実施形態にて図5を参照して説明したように、熱電変換素子120Pの両端及び熱電変換素子120Nの両端の各々では、温度差が生じることにより、温度勾配が生じる。この温度勾配が生じることにより、第1実施形態にて図5を参照して上述したように、熱電変換素子120P及び熱電変換素子120Nが発電する。
図9に示すように、第2方向B2において隣り合うストリングS1では、第1方向B1に沿って交互に並ぶ熱電変換素子120P及び熱電変換素子120Nの順序が逆になる。換言すると、熱電変換素子120Pと熱電変換素子120Nは、第2方向B2に沿って隙間を空けて交互に並ぶ。当該隙間は、一例として、1mm程度であってよい。このような構成とすることで、第1実施形態にて図6を参照して説明したように、第2方向B2において隣り合うストリングS1では、生じる電流の向きが互いに逆向きになる。隣り合うストリングS1に生じる電流が逆向きとなることにより、隣り合うストリングS1を、その端部を導電性部材60によって電気的に接続することにより、直列接続させることができる。隣り合うストリングS1を直列接続させることにより、熱電変換モジュール101は、より大きな電力を発電することができる。さらに、ユニットU1が偶数個(図9に示す例では、4個)のストリングS1を含む場合、熱電変換モジュール101において全てのストリングS1を、導電性部材60によって、直列接続させることができる。このような構成とすることで、熱電変換モジュール101は、より大きな電力を発電することができる。全てのストリングS1を導電性部材60によって直列接続させると、上述の図6を参照して説明したような、各ストリングS1を流れる1本の電流経路が生じ得る。
図9に示すように、シート基板130は、領域131を有する。シート基板130は、上述の図5に示すシート基板30と同様に、カバー層32と、カバー層33と、カバー層34とを有する。
図9に示すように、領域131は、第1折り線101Hと、第3折り線としての第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vとが交差する位置に、設けられる。さらに、領域131は、第2折り線101Lと、第3折り線としての第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vとが交差する位置に、設けられる。領域131は、限定ではないが、円形であってよい。
図9に示す領域131は、図4に示す領域31と同様に、貫通領域であってよい。又は、領域131は、図4に示す領域31と同様に、シート基板130の他の部分よりも厚さが薄い領域であってよい。このような領域131が形成されることにより、第1実施形態にて上述したように、熱電変換モジュール101が折畳み易くなり得る。また、第1実施形態にて上述したように、シート基板130の劣化を抑制することができる。
以上のように、第2実施形態に係る熱電変換モジュール101は、第1折り線101H、第2折り線101L、第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vを有する。熱電変換モジュール101は、上述のように、第1折り線101H、第2折り線101L、第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vで、山折り又は谷折りに適宜されることにより、図1に示すように小型化され得る。
なお、第2実施形態に係る熱電変換モジュール101において、第1折り線101H、第2折り線101L、第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vの少なくとも何れかは、ミシン目を含んでよい。第1折り線101H等がミシン目を含むことで、熱電変換モジュール101を、展開状態から折畳み状態に、より容易することができる。
また、第2実施形態に係る熱電変換モジュール101において、第1配線110Hは、第1折り線101Hが形成される部分に、メッシュ構造を有してよい。同様に、第2配線110Lは、第2折り線101Lが形成される部分に、メッシュ構造を有してよい。第1配線110H及び第2配線110Lの各々がメッシュ構造を有することにより、折り曲げに対する熱電変換モジュール101の耐久性を向上させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、熱電変換モジュールの第1配線及び第2配線と熱電変換素子との間の構造について説明する。第3実施形態に係る構造は、上述の第1実施形態に係る熱電変換モジュール1及び第2実施形態に係る熱電変換モジュール101の何れにも適用可能である。
図10は、本発明の第3実施形態に係る熱電変換モジュール201の製造途中の一部断面図である。図10に示す熱電変換モジュール201には、後の製造工程において、図5に示すカバー層32,33が設けられる。
図10に示すように、熱電変換モジュール201は、カバー層34と、接合部材50と、第1配線210Hと、第2配線210Lと、熱電変換素子220Pと、熱電変換素子220Nとを備える。
なお、第3実施形態に係る構造が上述の第1実施形態に係る熱電変換モジュール1に適用される場合、図10に示す第1配線210H及び第2配線210Lの各々は、上述の図4に示す第1配線10H及び第2配線10Lの各々に対応する。また、図10に示す熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nの各々は、上述の図4に示す熱電変換素子20P及び熱電変換素子20Nの各々に対応する。また、図10に示す第1方向C1、第2方向C2及び第3方向C3の各々は、上述の図4に示す第1方向A1、第2方向A2及び第3方向A3の各々に対応する。
また、第3実施形態に係る構造が上述の第2実施形態に係る熱電変換モジュール101に適用される場合、図10に示す第1配線210H及び第2配線210Lの各々は、上述の図9に示す第1配線110H及び第2配線110Lの各々に対応する。また、図10に示す熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nの各々は、上述の図9に示す熱電変換素子120P及び熱電変換素子120Nの各々に対応する。また、図10に示す第1方向C1及び第3方向C3の各々は、上述の図9に示す第1方向B1及び第3方向B3の各々に対応する。また、図10に示す第2方向C2は、上述の図9に示す第2方向B2の負方向に対応する。
図10に示すように、熱電変換素子220Pの第1方向C1(長手方向)における一端と、当該一端に隣接する第1配線210H(又は第2配線210L)との間には、隙間Dが設けられる。この隙間Dには、接合部材50が配置される。この隙間Dに配置される接合部材50は、熱電変換素子220Pの第1方向C1における一端と、当該一端に隣接する第1配線210H(又は第2配線210L)とを電気的に接続する。また、熱電変換素子220Pの第1方向C1における他端と、当該他端に隣接する第2配線210L(又は第1配線210H)との間には、隙間Dが設けられる。この隙間Dには、接合部材50が配置される。この隙間Dに配置される接合部材50は、熱電変換素子220Pの第1方向C1における他端と、当該他端に隣接する第2配線210L(又は第1配線210H)とを電気的に接続する。
図10に示すように、熱電変換素子220Nの第1方向C1(長手方向)における一端と、当該一端に隣接する第1配線210H(又は第2配線210L)との間には、隙間Dが設けられる。この隙間Dには、接合部材50が配置される。この隙間Dに配置される接合部材50は、熱電変換素子220Nの第1方向C1における一端と、当該一端に隣接する第1配線210H(又は第2配線210L)とを電気的に接続する。また、熱電変換素子220Nの第1方向C1における他端と、当該他端に隣接する第2配線210L(又は第1配線210H)との間には、隙間Dが設けられる。この隙間Dには、接合部材50が配置される。この隙間Dに配置される接合部材50は、熱電変換素子220Nの第1方向C1における他端と、当該他端に隣接する第2配線210L(又は第1配線210H)とを電気的に接続する。
このような隙間Dを設けることで、後述のように、第1配線210H、第2配線210L、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nが、カバー層34から剥離することが抑制され得る。ここで、第1配線210H及び第2配線210Lは、第1配線210H及び第2配線210Lの各々のカバー層34に対向する全ての面と、カバー層34とが接するように、カバー層34に配置されてよい。同様に、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nは、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nの各々のカバー層34に対向する全ての面と、カバー層34とが接するように、カバー層34に配置されてよい。このような構成とすることで、第1配線210H、第2配線210L、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nが、カバー層34から剥離することがより確実に抑制され得る。
(第3実施形態の比較例1)
図11は、本発明の第3実施形態の比較例1に係る熱電変換モジュール201Xの一部断面図である。比較例1に係る熱電変換モジュール201Xでは、図10に示す熱電変換モジュール201とは異なり、図10に示す隙間Dが設けられない。
図11に示す熱電変換モジュール201Xでは、図10に示す隙間Dが設けられないため、図11に示す熱電変換素子220Pと、第1配線210H及び第2配線210Lとの間に、接合部材50を配置することができない。熱電変換素子220Pと第1配線210H及び第2配線210Lとの間に接合部材50が配置されないと、熱電変換素子220Pと、第1配線210H及び第2配線210Lの各々とは、その断面でのみ接続されることになる。そのため、熱電変換素子220Pと、第1配線210H及び第2配線210Lの各々との間の接続強度が低下し得る。熱電変換素子220Pと、第1配線210H及び第2配線210Lの各々との間の接続強度が低下すると、第1配線210H、第2配線210L、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nがカバー層34から剥離する蓋然性が高まり得る。
これに対して、図10に示す熱電変換モジュール201では、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nの各々と、第1配線210H及び第2配線210Lの各々との間に、隙間Dが設けられる。このような隙間Dを設けることにより、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nの各々と、第1配線210H及び第2配線210Lの各々との間に、接合部材50を配置することができる。そのため、熱電変換モジュール201では、比較例1とは異なり、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nの各々と、第1配線210H及び第2配線210Lの各々とは、その断面に加えて、接合部材50によって接続され得る。このような構成により、熱電変換モジュール201では、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nの各々と、第1配線210H及び第2配線210Lの各々との間の接続強度が低下することを抑制することができる。そのため、熱電変換モジュール201では、第1配線210H、第2配線210L、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nがカバー層34から剥離することを抑制することができる。
(第3実施形態の比較例2)
図12は、本発明の第3実施形態の比較例2に係る熱電変換モジュール201Yの一部断面図である。比較例21に係る熱電変換モジュール201Yでは、図10に示す熱電変換モジュール201とは異なり、図10に示す隙間Dが設けられない。
図12に示す熱電変換モジュール201Yでは、図10に示す隙間Dが設けられないため、熱電変換素子220Pの一部と、第1配線210H及び第2配線210Lの一部とが重なっている。具体的には、第1配線210H及び第2配線210Lが、熱電変換素子220Pの上に重なっている。このように第1配線210H及び第2配線210Lが熱電変換素子220Pの上に重なると、第1配線210H及び第2配線210Lは、熱電変換素子220Pの上に重なる部分を除き、他の部材から浮いた状態となり得る。第1配線210H及び第2配線210Lが他の部材から浮いた状態になると、熱電変換モジュール201Yに応力等の力が加えられたとき、第1配線210H及び第2配線210Lが剥がれる蓋然性が高まり得る。
これに対して、図10に示す熱電変換モジュール201では、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nの各々と、第1配線210H及び第2配線210Lの各々との間に、隙間Dが設けられる。このような隙間Dを設けることにより、熱電変換モジュール201では、比較例2とは異なり、第1配線210H及び第2配線210L等が、他の部材から浮いた状態になることを抑制することができる。第1配線210H及び第2配線210L等が他の部材から浮いた状態になることを抑制することで、第1配線210H、第2配線210L、熱電変換素子220P及び熱電変換素子220Nがカバー層34から剥離することを抑制することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、折り線の構造について説明する。第4実施形態に係る折り線の構造は、上述の第1実施形態に係る熱電変換モジュール1及び第2実施形態に係る熱電変換モジュール101の何れにも適用可能である。
図13は、本発明の第4実施形態に係る熱電変換モジュール301の一部断面図である。図14は、図13に示す構造の折畳み状態を示す図である。
熱電変換モジュール301は、折り線310を有する。ここで、第4実施形態に係る構造が上述の第1実施形態に係る熱電変換モジュール1に適用される場合、折り線310は、上述の図3に示す第1折り線1H、第2折り線1L及び第3折り線1Aの少なくとも何れかに対応する。また、第4実施形態に係る構造が上述の第2実施形態に係る熱電変換モジュール101に適用される場合、折り線310は、上述の図8に示す第1折り線101H、第2折り線101L、第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vの少なくとも何れかに対応する。
折り線310は、折り目311及び折り目312を含んで構成される。ここで、本開示において「折り目」とは、図13に示すような、溝であってよい。なお、本開示における「折り目」は、溝に限定されない。例えば、本開示における「折り目」は、曲げ癖又は折り癖等であってよい。また、本開示における「折り目」には、上述のミシン目が形成されてよい。
なお、第4実施形態に係る折り線は、少なくとも2個の折り目を含んで構成されればよい。後述のように、第4実施形態に係る折り線は、3個以上の折り目を含んで構成されてよい。
折り目311及び折り目312は、折り線310が延在する方向に延在する。例えば、折り線310が上述の図3に示す第3折り線1Aである場合、折り目311及び折り目312は、上述の図3に示す第1方向A1に沿って延在する。また、折り目311と折り目312との間の間隔は、適宜調整されてよい。一例として、折り目311と折り目312との間の間隔は、100μm程度であってよい。
このような熱電変換モジュール301を折畳むと、図14に示すように、熱電変換モジュール301は、折り目311及び折り目312の二箇所で、折り曲げられ得る。熱電変換モジュール301は、二箇所で折り曲がることにより、折り線310で緩やかに折り曲がり得る。熱電変換モジュール301が折り線310で緩やかに折り曲がることにより、折り線310にかかる負荷が分散され得る。折り線310にかかる負荷が分散されることにより、熱電変換モジュール301の劣化を抑制することができる。
(第4実施形態の比較例1)
図15は、本発明の第4実施形態の比較例1に係る熱電変換モジュール301Xの一部断面図である。図16は、図15に示す構造の折畳み状態を示す図である。
比較例1に係る熱電変換モジュール301Xは、折り線310Xを有する。折り線310Xは、図13に示す熱電変換モジュール301とは異なり、1個の折り目311を含んで構成される。
このような熱電変換モジュール301Xを折畳むと、図16に示すように、熱電変換モジュール301Xは、折り目311の一箇所で、折り曲げられ得る。熱電変換モジュール301Xは、折り目311の一箇所で曲がることにより、折り線310Xで鋭く折れ曲がり得る。熱電変換モジュール301Xが折り線310Xで鋭く折れ曲がることにより、折り線310Xに負荷が集中し得る。折り線310Xに負荷が集中することにより、熱電変換モジュール301Xの劣化を進む虞がある。
これに対して、図13に示す熱電変換モジュール301では、折り線310は、折り目311及び折り目312を含んで構成される。折り線310が折り目311及び折り目312を含んで構成されることで、熱電変換モジュール301は、比較例とは異なり、折り線310で緩やかに折れ曲がり得る。このような構成により、折り線310にかかる負荷が分散されて、熱電変換モジュール301の劣化を抑制することができる。
(第4実施形態の他の例)
図17は、本発明の第4実施形態の他の例に係る熱電変換モジュール301Aの一部断面図である。図18は、図17に示す構造の折畳み状態を示す図である。
図17に示すように、熱電変換モジュール301Aは、折り線310Aを備える。折り線310Aは、折り目311と、折り目312と、折り目313とを含んで構成される。
このような熱電変換モジュール301Aを折畳むと、図18に示すように、熱電変換モジュール301Aは、折り目311、折り目312及び折り目313の三箇所で、折り曲げられ得る。熱電変換モジュール301Aは、三箇所で折り曲がることにより、折り線310Aで緩やかに折り曲がり得る。熱電変換モジュール301Aが折り線310Aで緩やかに折り曲がることにより、折り線310Aにかかる負荷が分散され得る。折り線310Aにかかる負荷が分散されることにより、熱電変換モジュール301Aの劣化を抑制することができる。
(第4実施形態のさらに他の例)
図19は、本発明の第4実施形態のさらに他の例に係る熱電変換モジュール301Bの一部断面図である。図20は、図19に示す構造の折畳み状態を示す図である。
図19に示すように、熱電変換モジュール301Bは、折り線310Bを備える。折り線310Bは、折り目311と、折り目312と、折り目313と、折り目314とを含んで構成される。
このような熱電変換モジュール301Bを折畳むと、図20に示すように、熱電変換モジュール301Bは、折り目311、折り目312、折り目313及び折り目314の四箇所で、折り曲がり得る。熱電変換モジュール301Bは、四箇所で折り曲がることにより、折り線310Bで緩やかに折り曲がり得る。熱電変換モジュール301Bが折り線310Bで緩やかに折り曲がることにより、折り線310Bにかかる負荷が分散され得る。折り線310Bにかかる負荷が分散されることにより、熱電変換モジュール301Bの劣化を抑制することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、折り線の構造について説明する。第5実施形態に係る折り線の構造は、上述の第1実施形態に係る熱電変換モジュール1及び第2実施形態に係る熱電変換モジュール101の何れにも適用可能である。
図21は、本発明の第5実施形態に係る熱電変換モジュール401の一部断面図である。図22は、図21に示す構造の折畳み状態を示す図である。
図21に示すように、熱電変換モジュール401は、折り線410を有する。ここで、第5実施形態に係る構造が上述の第1実施形態に係る熱電変換モジュール1に適用される場合、折り線410は、上述の図3に示す第1折り線1H、第2折り線1L及び第3折り線1Aの少なくとも何れかに対応する。また、第5実施形態に係る構造が上述の第2実施形態に係る熱電変換モジュール101に適用される場合、折り線410は、上述の図8に示す第1折り線101H、第2折り線101L、第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vの少なくとも何れかに対応する。
図21に示すように、折り線410は、折り目411と、補助部材412とを含んで構成される。補助部材412は、折り目411に沿って配置される。
図22に示すように、補助部材412は、熱電変換モジュール401に含まれる2つの面401a,401bのうち、熱電変換モジュール401が折り目411で折畳まれた際に、内側に位置する面401a側に位置する。補助部材412は、円柱状であってよい。補助部材412の直径は、熱電変換モジュール401の厚さよりも、大きくてよい。一例として、補助部材412の直径は、0.5mm又は1mm程度であってよい。なお、補助部材412は、円柱状に限定されない。例えば、補助部材412は、三角形状及び四角形状等であってよい。また、補助部材412は、針金又はプラスチック棒を含んで構成されてよい。
補助部材21が面401a側に位置することで、図22に示すように、熱電変換モジュール401は、補助部材412を挟むように、折り目411で、折り曲げられ得る。このような構成により、熱電変換モジュール401は、補助部材412の外形に依拠して、折り線410で緩やかに折り曲がり得る。熱電変換モジュール401が折り線410で緩やかに折り曲がることにより、折り線410にかかる負荷が分散され得る。折り線410にかかる負荷が分散されることにより、熱電変換モジュール401の劣化を抑制することができる。
前述したところは本発明の一実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
例えば、上述の第1実施形態に係る熱電変換モジュール1は、図3に示すように、第3折り線1Aを有するものとして説明した。また、上述の第2実施形態に係る熱電変換モジュール101は、上述の図8に示すように、第3折り線として、第3山折り線101M及び第3谷折り線101Vを有するものとして説明した。ただし、本発明の熱電変換モジュールの折畳み構造を積層構造にしない場合、当該熱電変換モジュールは、第3折り線を有しなくてよい。