JP7361511B2 - 検査支援方法、第1検査支援装置、第2検査支援装置およびコンピュータプログラム - Google Patents

検査支援方法、第1検査支援装置、第2検査支援装置およびコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、医療検査を支援するための検査支援方法、第1検査支援装置、第2検査支援装置およびコンピュータプログラムに関する。
感染症は、細菌、ウイルス又は寄生虫等の微生物が身体に侵入することにより引き起こされる。感染した微生物を同定することにより、感染症が特定され、治療又は感染拡大の防止等の対処が可能となる。病院等の医療施設では、患者の診察を行い、感染症の疑いがある場合は、患者から検体を採取し、検査機関に検査の依頼をする。検査機関では、検体に含まれる微生物を同定する検査を行う。特許文献1には、微生物を同定するための検査方法の例が開示されている。
国際公開第2011/162213号
感染微生物を正確に同定するためには、微生物に応じた適切な内容の検査を行う必要がある。しかしながら、感染の有無又は感染微生物の種類を推定するための事前情報が、断片的又は間接的な内容であるために、十分な確信度を持って推定することが困難なことが多い。このため、行うべき検査の内容を適切に決定することは容易ではない。検査の内容が適切ではない場合は、検査漏れが発生するか、又は不必要な検査が行われる。
具体的には、感染微生物に関する臨床検査では、特定の一種類の感染が疑われることからその一種類の感染の有無を確認するケースと、感染微生物が不明なことから、複数の絞り込み工程を経て、一又は複数種類の微生物を同定するケースとの、大きく分けて二種類のケースがある。後者のケースでは、網羅的に同定する検査方法が存在しないことから、探索的に微生物を同定する工程を模索することになる。その模索工程は、医療機関にて検査項目を指定する工程と、検査機関にて検査を実施し、具体的な微生物名を特定する工程との、大きく二工程に分かれる。前工程が不適切な場合、後工程は意味をなさない。また前工程は、後工程の結果を学習しない限り、適切な検査項目を選択する精度の改善を望めない。このように、従来の微生物を同定する検査は、各工程間で情報を効率的に活用する仕組みが無く、非効率であった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、微生物を同定する検査を効率的に行うことを可能にする検査支援方法、第1検査支援装置、第2検査支援装置およびコンピュータプログラムを提供することにある。より具体的には、機械学習を利用することにより、探索的な感染微生物の同定工程の精度の向上と効率化とを達成する方法を提供する。
本発明に係る検査支援方法は、患者に感染している微生物を同定する検査を支援する方法であって、前記患者の症状を含む患者情報を取得し、前記患者情報を入力した場合に、前記患者から採取すべき検体の候補の推奨度、同定すべき目的微生物の候補の推奨度、および検査の方法を示す検査項目の候補の推奨度を出力する第1学習モデルへ、取得した前記患者情報を入力し、前記検体の候補、前記目的微生物の候補および前記検査項目の候補、並びに前記第1学習モデルが出力した、前記検体の候補の推奨度、前記目的微生物の候補の推奨度および前記検査項目の候補の推奨度を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記第1学習モデルは、前記患者情報を入力した場合に前記検体の候補の推奨度を出力する検体推薦モデルを含み、前記検体推薦モデルへ、取得した前記患者情報を入力し、前記検体の候補、および前記検体推薦モデルが出力した前記推奨度を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記第1学習モデルは、前記患者情報および前記検体を入力した場合に、前記目的微生物の候補の推奨度を出力する微生物推薦モデルを含み、前記検体の指定を受け付け、前記微生物推薦モデルへ、前記患者情報、および指定を受け付けた前記検体とを入力し、前記目的微生物の候補、および前記微生物推薦モデルが出力した前記推奨度を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記第1学習モデルは、前記患者情報、前記検体および前記目的微生物を入力した場合に、前記検査項目の候補の推奨度を出力する項目推薦モデルを含み、前記検体および前記目的微生物の指定を受け付け、前記項目推薦モデルへ、前記患者情報と、指定を受け付けた前記検体および前記目的微生物とを入力し、前記検査項目の候補、および前記項目推薦モデルが出力した前記推奨度を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記患者情報を取得し、前記患者から採取した検体の一部又は培養された前記検体中の微生物のコロニーを撮影した検体画像を取得し、前記検体の種類を含む前記検体画像に関する検体情報を取得し、前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報を入力した場合に、前記検体中の微生物を推定した同定微生物の候補の信頼度を出力する第2学習モデルへ、取得した前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報を入力し、前記同定微生物の候補、および前記第2学習モデルが出力した前記信頼度を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記第2学習モデルは、前記検体画像を入力した場合に前記検体中の微生物の染色特性の推定結果を出力する染色特性判定モデルを含み、前記染色特性判定モデルへ、取得した前記検体画像を入力し、前記染色特性判定モデルが出力した前記染色特性の推定結果を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記第2学習モデルは、前記検体画像および前記検体情報を入力した場合に前記検体中の微生物の形態の推定結果を出力する形態判定モデルを含み、前記形態判定モデルへ、取得した前記検体画像および前記検体情報を入力し、前記形態判定モデルが出力した前記形態の推定結果を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記第2学習モデルは、前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報を入力した場合に前記検体中の微生物の酸素代謝性の推定結果を出力する代謝性判定モデルを含み、前記代謝性判定モデルへ、取得した前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報を入力し、前記代謝性判定モデルが出力した前記酸素代謝性の推定結果を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記第2学習モデルは、前記患者情報、前記検体画像、前記検体情報、前記検体中の微生物の染色特性、前記微生物の形態および前記微生物の酸素代謝性を入力した場合に、前記同定微生物の候補の信頼度を出力する微生物判定モデルを含み、前記微生物判定モデルへ、取得した前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報、並びに前記染色特性、前記形態および前記酸素代謝性を入力し、前記同定微生物の候補、および前記微生物判定モデルが出力した前記信頼度を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記検体を用いて分離培養を行った培地を撮影した培養画像を取得し、前記培養画像を入力した場合に、前記培養画像から微生物のコロニーが映った一又は複数のコロニー画像を抽出し、前記コロニー画像を一又は複数の種類に分類し、分類されたコロニー画像を出力する第3学習モデルへ、取得した前記培養画像を入力し、前記第2学習モデルへ、前記患者情報および前記検体情報を入力し、前記検体画像として、前記第3学習モデルが出力した前記コロニー画像を入力し、前記同定微生物の候補、および前記第2学習モデルが出力した前記信頼度を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、分類された前記コロニー画像を、前記培地から採取すべき微生物のコロニーの候補として出力し、前記コロニーの候補の信頼度を出力し、前記培地から採取すべき微生物のコロニーの指定を受け付けることを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記検体画像を用いた検査方法を含む複数の検査方法により前記検体中の微生物を同定した同定結果を入力した場合に各検査方法での前記同定結果の信憑度を出力する第4学習モデルへ、各検査方法での前記同定結果を入力し、前記第4学習モデルが出力した各検査方法での前記同定結果の信憑度を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記検査の方法を指定した検査項目を取得し、取得した前記検査項目と実際に行われた前記検査の方法とが一致するか否かを判定し、判定結果を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記検査の目的となる微生物である目的微生物を取得し、前記検体画像を用いた検査方法を含む検査方法により前記検体中の微生物を同定した同定結果と前記目的微生物とが一致するか否かを判定し、判定結果を出力することを特徴とする。
本発明に係る検査支援方法は、前記検体画像を用いた検査方法を含む複数の検査方法により同定した前記検体中の微生物の特徴が互いに一致するか否かを判定し、判定結果を出力することを特徴とする。
本発明に係る第1検査支援装置は、患者に感染している微生物を同定する検査を支援する第1検査支援装置であって、前記患者の症状を含む患者情報を取得する第1取得部と、前記患者情報を入力した場合に、前記患者から採取すべき検体、同定すべき目的微生物、および検査の方法を示す検査項目の候補の推奨度を出力する第1学習モデルと、取得した前記患者情報を前記第1学習モデルへ入力する第1入力部と、前記検体、前記目的微生物および前記検査項目の候補、並びに前記第1学習モデルが出力した前記推奨度を出力する第1出力部とを備えることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、患者に感染している微生物を同定する検査を支援するための処理を実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記患者の症状を含む患者情報を取得し、前記患者情報を入力した場合に、前記患者から採取すべき検体の候補の推奨度、同定すべき目的微生物の候補の推奨度、および検査の方法を示す検査項目の候補の推奨度を出力する第1学習モデルへ、取得した前記患者情報を入力し、前記検体の候補、前記目的微生物の候補および前記検査項目の候補、並びに前記第1学習モデルが出力した、前記検体の候補の推奨度、前記目的微生物の候補の推奨度および前記検査項目の候補の推奨度を出力し、前記検体、前記目的微生物および前記検査項目の指定を受け付ける処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の一形態においては、第1検査支援装置は、医師等の作業者が検査内容を決定して検査を依頼することを支援する。第1学習モデルにより、患者情報から、検体、目的微生物および検査項目の候補の推奨度が生成される。患者情報に相応しい検体、目的微生物および検査項目の候補の推奨度が提示されるので、作業者は、検体、目的微生物および検査項目の候補の推奨度を確認した上で、検体、目的微生物および検査項目を含む検査内容を適切に選択および決定することを容易に行うことができる。
本発明の一形態においては、第1学習モデルは検体推薦モデルを含んでおり、検体推薦モデルにより、患者情報から、検体の候補の推奨度が得られる。例えば、検体を採取すべき採取部位の候補の推奨度が得られる。患者情報に相応しい検体の候補の推奨度が得られるので、作業者は、検体の候補の推奨度を確認した上で、適切な検体を容易に決定することができる。
本発明の一形態においては、第1学習モデルは微生物推薦モデルを含んでおり、微生物推薦モデルにより、患者情報および検体から、目的微生物の候補の推奨度が得られる。患者情報および検体に相応しい目的微生物の候補の推奨度が得られるので、作業者は、目的微生物の候補の推奨度を確認した上で、適切な目的微生物を容易に決定することができる。
本発明の一形態においては、第1学習モデルは項目推薦モデルを含んでおり、項目推薦モデルにより、患者情報、検体および目的微生物から、検査項目の候補の推奨度が得られる。患者情報、検体および目的微生物に相応しい検査項目の候補の推奨度が得られるので、作業者は、検査項目の候補の推奨度を確認した上で、適切な検査項目を容易に決定することができる。
本発明の一形態においては、第2検査支援装置は、臨床検査技師等の作業者が検査を行うことを支援する。第2学習モデルにより、患者情報、検体画像および検体情報から、検体中の微生物を推定した同定微生物の候補の信頼度が生成される。患者情報、検体画像および検体情報に相応しい同定微生物の候補の信頼度が得られるので、作業者は、同定微生物の候補の信頼度を確認した上で、同定微生物を適切に決定することを容易に行うことができる。
本発明の一形態においては、第2学習モデルは染色特性判定モデルを含んでおり、染色特性判定モデルにより、検体画像から、検体中の微生物の染色特性の推定結果が得られる。検体画像に応じて、グラム染色に対する陽性等の、微生物の染色特性の推定結果が得られる。
本発明の一形態においては、第2学習モデルは形態判定モデルを含んでおり、形態判定モデルにより、検体画像および検体情報から、検体中の微生物の形態の推定結果が得られる。検体画像および検体情報に応じて、桿菌又は球菌等の、微生物の形態の推定結果が得られる。
本発明の一形態においては、第2学習モデルは代謝性判定モデルを含んでおり、代謝性判定モデルにより、患者情報、検体画像および検体情報から、検体中の微生物の酸素代謝性の推定結果が得られる。患者情報、検体画像および検体情報に応じて、好気性等の、微生物の酸素代謝性の推定結果が得られる。
本発明の一形態においては、第2学習モデルは微生物判定モデルを含んでおり、微生物判定モデルにより、患者情報、検体画像、検体情報、検体中の微生物の染色特性、微生物の形態および微生物の酸素代謝性から、同定微生物の候補の信頼度が得られる。患者情報、検体画像、検体情報、検体中の微生物の染色特性、微生物の形態および微生物の酸素代謝性に相応しい同定微生物の候補の信頼度が得られるので、作業者は、同定微生物の候補の信頼度を確認した上で、同定微生物を適切に決定することを容易に行うことができる。
本発明の一形態においては、第3学習モデルにより、培養画像から、微生物の種類別に分類されたコロニー画像が得られ、第2学習モデルにより、コロニー画像から、同定微生物の候補の信頼度が得られる。培養画像から、微生物の種類別に分類されたコロニー画像が容易に得られる。また、コロニー画像に相応しい同定微生物の候補の信頼度が得られるので、作業者は、同定微生物の候補の信頼度を確認した上で、同定微生物を適切に決定することを容易に行うことができる。
本発明の一形態においては、分類されたコロニー画像が、培地から採取すべき微生物のコロニーの候補として出力され、候補の信頼度が出力され、コロニー画像を用いて、微生物を採取すべきコロニーをする。コロニー画像が微生物の種類別に出力され、作業者が微生物の種類別にコロニーを指定することが容易となる。
本発明の一形態においては、第4学習モデルによって、複数の検査方法により検体中の微生物を同定した同定結果から、夫々の同定結果の信憑度が得られる。検査方法、同定結果、および同定結果の信憑度は並べて表示される。検査方法別に同定結果の信憑度が得られ、作業者は、信憑度を参考にして検査結果を評価することができる。
本発明の一形態においては、依頼された検査の方法を指定した検査項目と、実際に行われた検査の方法とが一致するか否かを判定され、判定結果が出力される。検査のミスおよび漏れの有無が調査される。
本発明の一形態においては、目的微生物と同定微生物とが一致するか否かを判定され、判定結果が出力される。検査依頼の時点において検査により同定すべきとされた微生物と、検査の結果同定された微生物との間の齟齬の有無が調査される。
本発明の一形態においては、複数の検査方法により同定した微生物の特徴が互いに一致するか否かを判定され、判定結果が出力される。複数の検査方法による同定結果の間の齟齬の有無が調査される。
本発明にあっては、微生物を同定する検査の効率化、検査ミスの低減、不要な検査の費用の抑制、検査期間の短縮等、優れた効果を奏する。
医療検査を行うための手順を示す概念図である。 検査支援システムの構成を示す模式図である。 第1検査支援装置の機能構成例を示すブロック図である。 検査コードテーブルの内容例を示す概念図である。 患者データベースの内容例を示す概念図である。 検査内容推薦モデルの機能を説明する説明図である。 第1教師データベースの内容例を示す概念図である。 第1検査支援装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。 検査内容の決定を支援するための支援画像の例を示す模式図である。 患者背景欄の例を示す模式図である。 採取部位・検体材料欄の例を示す模式図である。 目的微生物欄の例を示す模式図である。 検査項目欄の例を示す模式図である。 発注欄の例を示す模式図である。 検査機関の作業者が行う検査の手順を示す概念図である。 第2検査支援装置の機能構成例を示すブロック図である。 微生物推定モデルの機能を説明する説明図である。 第2教師データベースの内容例を示す概念図である。 培養画像の例を示す模式図である。 コロニー分類モデルの機能を説明する説明図である。 コロニー画像の分類結果の例を示す模式図である。 第3教師データベースの内容例を示す概念図である。 第2検査支援装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。 第2検査支援装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。 検査支援画像の例を示す模式図である。 鏡検欄の例を示す模式図である。 培養欄の例を示す模式図である。 質量分析欄および遺伝子検査欄の例を示す模式図である。 統合欄の例を示す模式図である。 検証欄の例を示す模式図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、医療検査を行うための手順を示す概念図である。病院又は診療所等の医療機関において、患者の診察が行われる。診察の結果、感染症の疑いがある場合は、疑われる感染症の原因となる微生物を同定する検査の内容が決定される。次に、患者から検体が採取される。決定された検査内容に従った検査を行うように、医療機関から検査機関へ検査の依頼がなされ、医療機関から検査機関へ検体が送付される。検査機関は、医療機関の外部の機関、又は診察を行った医療機関の内部にある検査部門である。検査機関では、検査依頼に従って、検体に対して検査が行われる。次に、検査結果に対する評価が行われ、医療機関に対して検査結果が報告される。本開示の検査支援方法は、感染症の原因微生物の同定を支援する。より具体的には、同定すべき微生物の種類を限定する工程として医療機関における検査内容の決定と、限定された微生物の種類の中から具体的な微生物名を確定する工程として検査機関における検査とを支援する。
図2は、検査支援システム100の構成を示す模式図である。検査支援システム100は、検査支援方法を実行するためのシステムである。医療機関には、第1検査支援装置1が設けられており、検査機関には、第2検査支援装置2が設けられている。第1検査支援装置1および第2検査支援装置2は、インターネット等の通信ネットワーク3を通じて接続されている。第1検査支援装置1は、医療機関における検査内容の決定を支援する処理を行う。第2検査支援装置2は、検査機関における検査を支援する処理を行う。なお、第1検査支援装置1と第2検査支援装置2とは互いに接続されていなくてもよい。
まず、第1検査支援装置1と、第1検査支援装置1を利用した検査内容の決定を支援する処理とについて説明する。医療機関において決定される検査内容には、検査により同定すべき微生物、患者から採取すべき検体の内容、および具体的な検査方法を示す検査項目が含まれる。微生物は、細菌、リケッツィア、ウイルスおよび寄生虫を含む。検査により同定すべき微生物を、以下、目的微生物と言う。目的微生物は、患者への感染が疑われており、診断を確定させるために検査により患者への感染の確認が望まれる微生物である。目的微生物は、例えば、「結核菌」若しくは「サルモネラ菌」等の細菌、「回虫」等の寄生虫、又は「インフルエンザウイルス」等のウイルス等多岐に及ぶ。「MRSA(Methicillin‐Resistant Staphylococcus Aureus:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)」等、薬剤に耐性を備えた微生物が目的微生物である場合も存在する。
患者から採取すべき検体の内容は、本実施形態では、患者の身体の内で検体が採取される部位である採取部位と、検体の種類を示す検体材料とで表される。採取部位は、例えば、「口腔・気道・呼吸器」、「腸管・肝胆道・腹部」、又は「皮膚・軟部組織」等の、医師が検査を行なう臓器を意味する。検体材料は、例えば「喀痰」、「咽喉粘膜」、「便」、「胆汁」等、患者から採取して、検体として利用できる材料を意味する。
検査項目は、例えば「塗沫鏡検」、「培養同定」、「生菌数定量」、「質量分析」、「薬剤感受性検査」、又は「遺伝子検査」等の、微生物を同定するための検査の種類を示す。質量分析の一例は、TOF-MS(Time of Flight Mass Spectrometry)である。遺伝子検査の一例は、PCR(Polymerase Chain Reaction )である。検体中の微生物は、各種の検査項目を組み合わせて多面的に評価される。これにより、微生物の同定の信頼度が高められる。検査結果によりある一定程度の信頼度が担保されている場合、又は矛盾する検査結果が得られていない場合に、微生物が“同定”(確定)される。
図3は、第1検査支援装置1の機能構成例を示すブロック図である。第1検査支援装置1は、パーソナルコンピュータ又はサーバ装置等のコンピュータを用いて構成されている。第1検査支援装置1は、演算部11と、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶するメモリ12と、ハードディスク等の不揮発性の記憶部13と、光ディスク等の記録媒体10から情報を読み取るドライブ部14とを備えている。演算部11は、例えばCPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit)、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。また、演算部11は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
演算部11は、記録媒体10に記録されたコンピュータプログラム131をドライブ部14に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム131を記憶部13に記憶させる。演算部11は、コンピュータプログラム131に従って、第1検査支援装置1に必要な処理を実行する。なお、コンピュータプログラム131は、第1検査支援装置1の外部からダウンロードされてもよい。この場合は、第1検査支援装置1はドライブ部14を備えていなくてもよい。
また、第1検査支援装置1は、医師等の作業者からの操作を受け付ける操作部15と、画像を表示する表示部16と、通信部17とを備えている。操作部15は、作業者からの操作を受け付けることにより、テキスト等の情報を受け付ける。操作部15は、例えば、キーボード又はポインティングデバイスである。表示部16は、例えば液晶ディスプレイ又はELディスプレイ(Electroluminescent Display)である。通信部17は、通信ネットワーク3に接続され、第1検査支援装置1の外部の装置と通信ネットワーク3を通じて通信を行う。第1検査支援装置1は、複数のコンピュータで構成されていてもよい。例えば、第1検査支援装置1は、操作部15および表示部16を少なくとも有するタブレット又はスマートフォン等の端末装置と、記憶部13を少なくとも有するサーバ装置とを含んで構成されている。医師等の作業者は、端末装置を操作する。端末装置とサーバ装置との間では、処理に必要な通信が行われる。サーバ装置は、医療機関内に設置されていてもよく、サーバ装置の一部又は全部が医療機関外に設置されていてもよい。
記憶部13は、検査内容と検査コードとを関連付けて記録した検査コードテーブル132を記憶している。検査コードは、検査内容を示したコードである。図4は、検査コードテーブル132の内容例を示す概念図である。図4に示す例では、検査内容として、検査項目と、採取部位と、検体材料との内容が記録されている。検査内容に関連付けて、検査コードが関連付けられている。検査コードには、例えば、日本臨床検査医学会が制定した臨床検査項目分類コード第10版(JLAC10)を使用できる。医療機関又は検査機関が独自に定めた、いわゆるローカルコードが使用されてもよい。検査コードを使用することで、検査内容を指定することができる。
また、記憶部13は、患者の症状を表す情報を含む患者に関する患者情報を複数の患者について記録した患者データベース133を記憶している。図5は、患者データベース133の内容例を示す概念図である。患者情報は、患者の年齢および性別等の個人情報を含んでいる。患者情報は、診察により判明した患者の症状を含んでいる。患者データベース133には、個々の患者を識別するための患者ID(Identifier)が記録されている。患者IDに関連付けて患者情報が記録されている。患者IDは、例えばカルテIDである。
図5に示す例では、患者データベース133は臨床症状・背景フィールドを含んでいる。臨床症状・背景フィールドは、「悪心」、「嘔吐」および「下痢」等の、各種の症状に対応するサブフィールドを有する。各サブフィールドには、各患者について、夫々の症状の有無が記録されている。臨床症状・背景フィールドには、症状の重篤度を示す指標が記録されてもよい。診察日フィールドには、診察が行なわれた日付が記録されている。年齢フィールドには、診察日における患者の年齢が記録されている。性別フィールドには、患者の性別が記録されている。
患者情報は、患者の既往歴を含んでいてもよい。図5に示す例では、患者データベース133は既往歴フィールドを含んでおり、患者の既往歴は既往歴フィールドに記録されている。既往歴フィールドは、各種の病名に割り当てられた「A001」および「A022」等の病名コードに対応するサブフィールドを有する。病名コードには、例えば世界医療機関で定められたICD(International Classification of Diseases:国際疾病分類)-10、又は厚生労働省が定める傷病名コード等を使用できる。医療機関又は検査機関が定めた、いわゆるローカルコードが使用されてもよい。特にICDのようにコードの桁数に合わせて細分類がなされている、意味分類コードを用いた場合、コードの桁数を短くする(例えば、全5桁のうち、上2桁を用いる)ことで、情報の粒度を調整することができる。これにより、過去の事例で発生頻度の少ないICDコードが含まれている場合に、そのまま機械学習させると疎な分布データとなり有意義な解析が難しい場合であっても、機械的に共通のコードへ集約することができ、意味のある機械学習を可能にすることができる。各サブフィールドには、各患者が各病名コードに対応する病気に罹患した時期が記録されている。既往歴フィールドの「-」は、その病気に患者が罹患した履歴が存在しないことを意味する。
患者データベース133は、第1検査支援装置1外の記憶装置に記憶されていてもよい。例えば、患者データベース133は、電子カルテシステム、オーダーリングシステムおよび細菌検査システム等の病院情報システム(HIS:Hospital Information System)に含まれる記憶装置に記憶されていてもよい。記憶装置は、通信ネットワーク3に接続されており、患者データベース133は、必要に応じて記憶装置から第1検査支援装置1へ通信ネットワーク3を通じてダウンロードされてもよい。
第1検査支援装置1は、更に、検査内容の決定を支援するために用いられる学習モデルである検査内容推薦モデル41を備えている。検査内容推薦モデル41は、第1学習モデルに対応する。
検査内容推薦モデル41は、患者の症状を表す情報を含む患者に関する患者情報を入力された場合に検査内容の候補の推奨度を出力するように学習される。検査内容推薦モデル41は、コンピュータプログラム131に従って演算部11が情報処理を実行することにより実現される。記憶部13は、検査内容推薦モデル41を実現するために必要なデータを記憶している。また、検査内容推薦モデル41は、ハードウェアを用いて構成されていてもよい。例えば、検査内容推薦モデル41は、プロセッサと、必要なプログラムおよびデータを記憶するメモリとを含んで構成されていてもよい。また、検査内容推薦モデル41は、量子コンピュータを用いて実現されてもよい。また、検査内容推薦モデル41は、第1検査支援装置1外のコンピュータを用いたクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
検査内容推薦モデル41は、検体推薦モデル411、微生物推薦モデル412および項目推薦モデル413を含んでいる。検体推薦モデル411、微生物推薦モデル412および項目推薦モデル413は、いずれも学習モデルである。検体推薦モデル411は、患者情報を入力された場合に、患者から採取すべき検体の候補の推奨度を出力するように学習される。微生物推薦モデル412は、患者情報および検体を入力された場合に、検査により同定すべき目的微生物の候補の推奨度を出力するように学習される。項目推薦モデル413は、患者情報、検体、および目的微生物を入力された場合に、検査項目の候補の推奨度を出力するように学習される。本実施形態では、推奨度には、学習モデルで推定した結果(検体、目的微生物、又は検査項目等)に対する確信度を使用することができる。なお過去に頻繁に実施された検査の内容に対応する結果の場合には、推奨度は、当該結果の疫学情報に相当する、過去の採択頻度を表した数値で代用できる。
図6は、検査内容推薦モデル41の機能を説明する説明図である。検体推薦モデル411は、一の患者に関する患者情報を入力され、患者から採取されるべき検体の候補の推奨度を出力する。本実施形態では、検体推薦モデル411は、検体の候補の推奨度として、検体を採取される採取部位の候補の推奨度を表す数値を出力する。例えば、検体推薦モデル411は、予め定められている複数の採取部位の候補の夫々に対応する推奨度を表す数値を出力する。推奨度を表す数値は、例えば、百分率である。
検体推薦モデル411は、患者情報を説明変数とし、採取部位および検体材料を目的変数としたデータセットを複数記録した教師データに基づいて、L1正則化ロジスティック回帰等の線型モデル、又はランダムフォレスト若しくはNN(Neural Network)等の非線形モデルの任意の教師あり機械学習手法を用いて作成される。なお、説明変数に欠損値が多く含まれる場合は、欠損値による予測精度が影響を受けにくいロバストな機械学習手法を用いることが好ましい。例えば、ランダムフォレスト等の決定木を用いた手法が特に適している。
なお機械学習手法の入出力は数値であり、説明変数および目的変数は、量を表す連続変数を用いるか、又はカテゴリ等を表す離散変数に変換して用いる。カテゴリ情報を離散変数に変換するには、単純に自然数の番号をルールベースで1対1で割り当てるか、又は分散表現(Embedding)等の既存の手法を用いる。分散表現を用いた場合は、変換後のデータはスカラーではなく、ベクトルとなり、それを機械学習手法の入出力に用いる。
機械学習手法として、例えば、NNを使用する場合、教師データ中の入力データが入力層に入力された場合に、出力層から出力されるデータが教師データ中の出力データと一致するように、中間層のパラメータが調整される。より詳細には、例えば出力層から出力されるデータと教師データ中の出力データとの誤差を目的関数として、それを最小化させる既存の解析方法を用いることができる。他の学習モデルも、同様の手法で作成される。なお、第1検査支援装置1は、検体推薦モデル411を使用する代わりに、ルールベースのプログラム等を用いて検体の候補を判定してもよい。
微生物推薦モデル412は、患者情報および検体を入力され、目的微生物の候補の推奨度を出力する。本実施形態では、微生物推薦モデル412は、検体として、採取部位と採取部位から採取される検体の種類を示す検体材料とが入力される。また、微生物推薦モデル412は、目的微生物の候補の推奨度として、推奨度を表す数値を出力する。例えば、複数の目的微生物の候補が予め定められており、微生物推薦モデル412は、夫々に候補に対応する推奨度を表す数値を出力する。推奨度を表す数値は、例えば、百分率である。
なお、患者情報等の入力データが、過去に高頻度に出現していた入力データと同一内容である場合には、当該入力データに対応する微生物の出現頻度を推奨度として用いることができる。但し、入力データが不正確な場合、又は入力データの粒度が完全一致しない場合は、適切な出現頻度、即ち適切な推奨度は得られない。従って、より汎用的には、微生物推薦モデル412を用いて、入力データの粒度を調整した上で機械学習を用い、予測結果に対する確率(予測確率)を計算することによって、より適切な推奨度を算出できる。推奨度は、確率等の数値で表されるものに限らず、数値の範囲に対応する、A,B,Cのようなカテゴリ、又はカテゴリを表す文字色若しくは背景色によって表現されたものであってもよい。
微生物推薦モデル412は、患者情報と、採取部位および検体材料を説明変数とし、目的微生物を目的変数としたデータセットを複数記録した教師データに基づいて、L1正則化ロジスティック回帰等の線型モデル、又はランダムフォレスト若しくはNN等の非線形モデルの任意の教師あり機械学習手法を用いて作成される。機械学習手法の入出力は数値であり、説明変数および目的変数は、量を表す連続変数を用いるか、又はカテゴリ若しくは順位を表す離散変数に変換して用いる。なお、第1検査支援装置1は、微生物推薦モデル412を使用する代わりに、ルールベースのプログラム等を用いて目的微生物の候補を判定してもよい。なお、説明変数に欠損値が多く含まれる場合は、欠損値による予測精度が影響を受けにくいロバストな機械学習手法が好ましい。例えば、ランダムフォレスト等の決定木を用いた手法が特に適している。
項目推薦モデル413は、患者情報、検体および目的微生物を入力され、検査項目の候補の推奨度を出力する。本実施形態では、項目推薦モデル413は、検体を表す採取部位および検体材料が入力される。また、項目推薦モデル413は、検査項目の候補の推奨度として、推奨度を表す数値を出力する。例えば、項目推薦モデル413は、予め定められている複数の検査項目の候補の夫々に対応する推奨度を表す数値を出力する。推奨度を表す数値は、例えば、百分率である。
項目推薦モデル413は、患者情報と、採取部位および検体材料と、目的微生物とを説明変数とし、検査項目を目的変数としたデータセットを複数記録した教師データに基づいて、L1正則化ロジスティック回帰又はNN等の任意の教師あり機械学習手法を用いて作成される。機械学習手法の入出力は数値であり、説明変数および目的変数は、量を表す連続変数を用いるか、カテゴリ若しくは順位を表す離散変数に変換して用いる。なお、第1検査支援装置1は、項目推薦モデル413を使用する代わりに、ルールベースのプログラム等を用いて検査項目を判定してもよい。また説明変数に欠損値が多く含まれる場合は、欠損値による予測精度が影響を受けにくいロバストな機械学習手法が好ましい。例えばランダムフォレスト等の決定木を用いた手法が特に適している。検査内容推薦モデル41は、検体推薦モデル411、微生物推薦モデル412および項目推薦モデル413の動作により、患者情報を入力され、検体、目的微生物および検査項目の候補の推奨度を出力する。
また、記憶部13は、検査内容推薦モデル41を学習するための教師データを含む第1教師データベース134を記憶している。図7は、第1教師データベース134の内容例を示す概念図である。図7に示す例では、第1教師データベース134は、患者情報フィールド、採取部位・検体材料フィールド、目的微生物フィールド、および検査項目フィールドを含んでいる。患者情報フィールドには、患者データベース133と同様の内容が記録されている。
採取部位・検体材料フィールドは、「中枢神経系」および「目・耳・鼻」等、身体の各部位に対応するサブフィールドを有する。例えば、「中枢神経系」サブフィールドは、「髄液」および「脳膿瘍」等の中枢神経系から採取可能な検体材料に対応するサブフィールドを有する。各サブフィールドには、検体材料が示す種類の検体の採取の要否が記録されている。
目的微生物フィールドは、「サルモネラ菌」および「腸炎ビブリオ」等の、様々な微生物に対応するサブフィールドを有する。各サブフィールドには、各微生物が目的微生物に該当するか否かが記録されている。目的微生物フィールドは、細菌の他に、リケッツィア、ウイルスおよび寄生虫等の他の微生物に関するサブフィールドを有してもよい。
検査項目フィールドは、「塗抹鏡検」、「培養同定(好気性)」、「質量分析」および「PCR」等の、種々の検査項目に対応するサブフィールドを有する。各フィールドには、夫々の検査の要否が記録されている。第1教師データベース134は、過去に検査機関が受け付けた検査依頼、過去に医療機関が発行した検査依頼、又は過去に行われた検査の結果に基づいて作成される。
第1教師データベース134に記録された教師データに基づいて教師あり機械学習を行なうことにより、検査内容推薦モデル41が生成される。例えば、患者情報フィールドと、採取部位・検体材料フィールドとに基づいて機械学習を行うことにより、検体推薦モデル411が生成される。患者情報フィールドと、採取部位・検体材料フィールドと、目的微生物フィールドとに基づいて機械学習を行なうことにより、微生物推薦モデル412が生成される。患者情報フィールドと、採取部位・検体材料フィールドと、目的微生物フィールドと、検査項目フィールドとに基づいて機械学習を行なうことにより、項目推薦モデル413が生成される。なお、第1教師データベース134は、記憶部13に記憶されていなくてもよい。例えば、第1教師データベース134は、第1検査支援装置1外の記憶装置に記憶されていてもよく、第1検査支援装置1外で検査内容推薦モデル41の学習が行われてもよい。
第1検査支援装置1は、医療機関において医師等の作業者が検査内容を決定することを支援する処理を行う。図8は、第1検査支援装置1が実行する処理の手順を示すフローチャートである。以下、ステップをSと略す。演算部11は、コンピュータプログラム131に従って以下の処理を実行する。演算部11は、医師等の作業者が操作部15を操作することによる処理開始の指示に応じて、検査内容の決定を支援するための支援画像を表示部16に表示する(S101)。
図9は、検査内容の決定を支援するための支援画像の例を示す模式図である。支援画像には、患者に関する患者情報を表示し、患者情報の入力を受け付けるための患者背景欄51が含まれている。また、支援画像には、検体を表す採取部位および検体材料の候補を表示し、採取部位および検体材料の指定を受け付けるための採取部位・検体材料欄52と、目的微生物の候補を表示し、目的微生物の指定を受け付けるための目的微生物欄53とが含まれている。更に、支援画像には、検査項目の候補を表示し、検査項目の指定を受け付けるための検査項目欄54と、検査コードを表示し、検査依頼の発注の指示を受け付けるための発注欄55とが含まれている。
演算部11は、次に、作業者が操作部15を操作することにより、検査目的を受け付ける(S102)。検査目的は、患者への感染が疑われる原因微生物の同定、又は特定の微生物の患者への感染の有無の確認である。原因微生物は、患者への感染を通して患者の症状の原因になっていることが疑われる微生物である。演算部11は、検査目的が原因微生物の同定であるか否かを判定する(S103)。
検査目的が原因微生物の同定である場合(S103:YES)、演算部11は、一の患者の患者情報を取得する(S104)。例えば、演算部11は、作業者が操作部15を操作することにより、患者IDを受け付け、受け付けた患者IDに関連付けられた患者情報を患者データベース133から読み出すことにより、患者情報を取得する。演算部11は、作業者が操作部15を操作することにより、患者情報の少なくとも一部を取得してもよい。第1検査支援装置1外の記憶装置から必要な情報をダウンロードすることにより、患者情報を取得してもよい。S104の処理は、第1取得部に対応する。演算部11は、取得した患者情報を表示した患者背景欄51を含む支援画像を表示部16に表示する。
図10は、患者背景欄51の例を示す模式図である。患者背景欄51は、基本情報欄511、既往歴欄512、臨床症状欄513および検査目的欄514を含む。基本情報欄511には、氏名、年齢および性別等の患者に関する基本的な情報が表示される。例えば、作業者の操作に応じて、基本情報欄511に患者IDが表示されることにより、患者IDが入力される。既往歴欄512には、患者の既往歴が表示される。臨床症状欄513には、患者の症状が表示される。診察により判明した患者の症状が、作業者の操作により臨床症状欄513に表示されることにより、入力されてもよい。検査目的欄514には、検査目的が表示される。例えば、検査目的欄514には、原因微生物の同定、感染の有無の確認、又はその他の目的に対応したチェックボックスが含まれており、作業者の操作によりいずれかのチェックボックスが選択されることにより、検査目的が入力される。
演算部11は、次に、患者情報を検体推薦モデル411へ入力する(S105)。S105では、演算部11は、ルールベース等の方法により患者情報を数値へ変換し、患者情報に対応する数値を検体推薦モデル411へ入力する。検体推薦モデル411は、患者情報の入力に応じて、検体の候補の推奨度を出力する。検体推薦モデル411は、検体の候補の推奨度として、採取部位の複数の候補の夫々の推奨度を出力する。
演算部11は、採取部位の候補と、検体推薦モデル411が出力した推奨度と、採取部位から採取可能な検体材料の候補とを出力する(S106)。S106では、演算部11は、採取部位および検体材料の候補を表示した採取部位・検体材料欄52を含む支援画像を表示部16に表示する。演算部11は、次に、支援画像を利用して、作業者が操作部15を操作することにより、採取部位および検体材料を受け付ける(S107)。
図11は、採取部位・検体材料欄52の例を示す模式図である。採取部位・検体材料欄52は、部位推薦欄521と材料選択欄522とを含む。演算部11は、複数の採取部位の候補と、夫々の採取部位の候補について検体推薦モデル411が出力した推奨度とを部位推薦欄521に表示する。図11には、「腸管・肝胆道・腹部」の推奨度を表す数値が99%である例を示す。推奨度を表す数値が所定の閾値よりも大きい項目について、演算部11は推薦列に黒四角を表示する。部位推薦欄521には、各採取部位の候補に対応付けたチェックボックスが並んだ決定列が含まれている。医師又は医師の指示を受けた医療従事者等の作業者は、表示された夫々の採取部位の推奨度を参照しながら、医療関連ガイドライン、医療機関の運用方針又は学術的知見から逸脱していない等の判断根拠を明確にした上で、自己の判断により採取部位を決定する。作業者は、操作部15を操作して、いずれかのチェックボックスを選択することにより、チェックボックスに対応する採取部位を選択する。演算部11は、選択を受け付けたチェックボックスを黒四角で表示する。図11には、「腸管・肝胆道・腹部」が選択された例を示している。演算部11は、いずれかの採取部位の選択を受け付けることにより、採取部位を受け付ける。
材料選択欄522には、夫々の採取部位から採取可能な検体材料の候補が表示される。検体材料の候補は予め採取部位に関連付けられている。採取部位に関連付けられた検体材料の候補は、コンピュータプログラム131に記録されているか、又は記憶部13に記憶されたデータに記録されている。演算部11は、選択された採取部位から採取可能な検体材料に対応するチェックボックスを、作業者による選択を受付可能な状態に設定する。図11に示す例では、「腸管・肝胆道・腹部」が選択されているので、「便」、「胆汁」および「腹水」に対応するチェックボックスが選択可能な状態である。
作業者は、採取部位・検体材料欄52に表示された情報を参照するとともに、患者の症状および検体採取時の侵襲性等を考慮して、自己の判断により検体材料を決定する。作業者は、操作部15を操作して、いずれかのチェックボックスを選択することにより、チェックボックスに対応する検体材料を選択する。材料選択欄522に表示されていない他の検体材料を選択する場合には、作業者は、操作部15を操作して、「他」のチェックボックスを選択し、隣の括弧内に検体材料名を入力する。「他」のチェックボックスが選択された場合、演算部11は、ダイアログボックスを表示して、追加の選択肢を表示してもよい。演算部11は、いずれかの検体材料の選択を受け付けることにより、検体材料を受け付ける。受け付けた採取部位および検体材料は、採取すべき検体を表す。検体推薦モデル411により、患者情報に相応しい採取部位の推奨度が出力されるので、作業者は、出力された候補の推奨度を確認した上で、採取部位と、当該採取部位から採取される検体材料を効率的かつ適切に決定することができる。
なお、検体推薦モデル411は、採取部位の候補の推奨度だけではなく、検体材料の候補の推奨度を出力する形態であってもよい。例えば、検体推薦モデル411は、採取部位および検体材料の組み合わせの候補の推奨度を出力してもよく、又は、採取部位とは独立して検体材料の候補の推奨度を出力してもよい。この形態では、材料選択欄522には、検体材料の候補および候補の推奨度が表示される。
演算部11は、次に、患者情報、並びに受け付けた採取部位および検体材料を微生物推薦モデル412へ入力する(S108)。S108では、演算部11は、ルールベース等の方法により患者情報、採取部位および検体材料を数値へ変換し、患者情報、採取部位および検体材料に対応する数値を微生物推薦モデル412へ入力する。微生物推薦モデル412は、患者情報、採取部位および検体材料の入力に応じて、目的微生物の候補の推奨度を出力する。
演算部11は、目的微生物の候補、および微生物推薦モデル412が出力した推奨度を出力する(S109)。S109では、演算部11は、目的微生物の候補および当該候補の推奨度を表示した目的微生物欄53を含む支援画像を表示部16に表示する。
図12は、目的微生物欄53の例を示す模式図である。演算部11は、目的微生物の候補の名称と、各候補について微生物推薦モデル412が出力した推奨度とを目的微生物欄53に表示する。図12に示す例では、目的微生物の候補として、「サルモネラ菌」および「腸炎ビブリオ」が表示され、「サルモネラ菌」の推奨度を表す数値が52%であり、「腸炎ビブリオ」の推奨度を表す数値が50%である。
演算部11は、次に、支援画像を利用して、作業者が操作部15を操作することにより、目的微生物を受け付ける(S110)。図12に示すように、目的微生物欄53には、夫々の目的微生物の候補に対応付けたチェックボックスが並んだ決定列が含まれている。作業者は、表示された夫々の目的微生物の候補の推奨度を参照しながら、自己の判断により目的微生物を決定する。作業者は、操作部15を操作して、いずれかのチェックボックスを選択することにより、チェックボックスに対応する目的微生物を選択する。演算部11は、選択を受け付けたチェックボックスを黒四角で表示する。図12には、「サルモネラ菌」および「腸炎ビブリオ」が選択された例を示している。演算部11は、いずれかの目的微生物の選択を受け付けることにより、目的微生物を受け付ける。
目的微生物欄53には、薬剤感受性列が表示されている。作業者は、選択済のそれぞれの目的微生物に対する薬剤感受性試験の要否を判断して、必要であると判断した場合には薬剤感受性列のチェックボックスを選択する。目的微生物欄53には、その他の目的微生物を個別に追加するための個別追加のボタンおよび複数の目的微生物を一括して追加するための一括追加のボタンが表示されている。作業者の操作によりいずれかのボタンが指定された場合、演算部11は、ダイアログボックスを表示して、目的微生物の追加の選択肢を表示してもよい。微生物推薦モデル412により、患者情報、採取部位および検体材料に相応しい目的微生物の候補の推奨度が得られるので、作業者は、目的微生物の候補の推奨度を確認した上で、目的微生物を効率的かつ適切に決定することができる。
演算部11は、次に、患者情報、採取部位、検体材料、および受け付けた目的微生物を、項目推薦モデル413へ入力する(S111)。S111では、演算部11は、ルールベース等の方法により患者情報、採取部位、検体材料および目的微生物を数値へ変換し、患者情報、採取部位、検体材料および目的微生物に対応する数値を項目推薦モデル413へ入力する。S105、S108およびS111の処理は、第1入力部に対応する。項目推薦モデル413は、患者情報、採取部位、検体材料および目的微生物の入力に応じて、検査項目の候補の推奨度を出力する。
演算部11は、検査項目の候補、および項目推薦モデル413が出力した推奨度を出力する(S112)。S112では、演算部11は、検査項目の候補および当該候補の推奨度を表示した検査項目欄54を含む支援画像を表示部16に表示する。S106、S109およびS112の処理は、第1出力部に対応する。
図13は、検査項目欄54の例を示す模式図である。演算部11は、検査項目の候補の名称と、各候補について項目推薦モデル413が出力した推奨度とを検査項目欄54に表示する。図13に示す例では、検査項目の候補として、「塗抹鏡検」、好気性の「培養同定」、嫌気性の「培養同定」、「生菌数定量」、「特殊検査」および「感受性検査」が表示されている。また、「塗抹鏡検」、好気性の「培養同定」、嫌気性の「培養同定」、「生菌数定量」、「特殊検査」および「感受性検査」の夫々の推奨度を表す数値が10%、100%、5%、5%、1%および99%である。数値が所定の閾値よりも大きい項目について、演算部11は推薦列に黒四角を表示する。
S112が終了した後、又は検査目的が原因微生物の同定ではない場合(S103:NO)、演算部11は、支援画像を利用して、作業者が操作部15を操作することにより、検査項目を受け付ける(S113)。図13に示すように、検査項目欄54には、夫々の検査項目の候補に対応付けたチェックボックスが並んだ決定列が含まれている。作業者は、表示された夫々の検査項目の推奨度を参照しながら、医療関連ガイドライン、医療機関の運用方針又は学術的知見から逸脱していない等の判断根拠を明確にした上で、自己の判断により検査項目を決定する。作業者は、操作部15を操作して、いずれかのチェックボックスを選択することにより、チェックボックスに対応する検査項目を選択する。演算部11は、選択を受け付けたチェックボックスを黒四角で表示する。図13には、好気性の「培養同定」、嫌気性の「培養同定」および「感受性検査」が選択された例を示している。演算部11は、いずれかの検査項目の選択を受け付けることにより、検査項目を受け付ける。
検査項目欄54に表示されていない検査項目を選択する場合には、作業者は検査項目欄54の下部に配置された「追加」のボタンを選択する。演算部11はダイアログボックスを表示して、追加の選択肢を提示する。作業者は、追加の選択肢を用いて、追加の検査項目を選択することができる。項目推薦モデル413により、患者情報、採取部位、検体材料および目的微生物に相応しい検査項目の候補の推奨度が得られるので、作業者は、検査項目の候補の推奨度を確認した上で、検査項目を適切に決定することができる。
演算部11は、次に、受け付けた検査項目に応じた検査コードを特定し、特定した検査コードを出力する(S114)。S114では、演算部11は、記憶部13に記憶している検査コードテーブル132から、受け付けた検査項目に関連付けて記録されている検査コードを読み出すことにより、検査コードを特定する。また、演算部11は、特定した検査コードを表示した発注欄55を含む支援画像を表示部16に表示する。
図14は、発注欄55の例を示す模式図である。発注欄55には、発注候補欄551と、注文履歴欄552とが含まれている。発注候補欄551には、決定された検査項目、採取部位、検体材料、検査コード、および目的微生物等の備考が表示されている。発注候補欄551には、各検査項目の確認用のチェックボックスが表示されている。発注候補欄551には、発注ボタン553が設けられている。また、検査項目、採取部位、検体材料、検査コード、および備考の夫々について、選択ボタン554が表示されている。
医師等の作業者は、発注候補欄551を確認し、不要な項目がある場合には、操作部15を操作することにより、チェックボックスを選択してチェックを外す。作業者は、追加したい項目がある場合には、いずれかの選択ボタン554を選択する。選択ボタン554の選択を受け付けた場合、演算部11は、ダイアログボックスを表示部16に表示し、作業者が操作部15を操作することにより、追加の項目の入力を受け付ける。
演算部11は、次に、検査依頼の発注の指示を受け付ける(S115)。S115では、作業者が操作部15を操作して、発注ボタン553を選択することにより、演算部11は、検査依頼の発注の指示を受け付ける。演算部11は、次に、検査機関へ検査依頼を送信する(S116)。S116では、演算部11は、例えば、通信部17に、通信ネットワーク3を介して、検査機関に管理されている受注用のコンピュータへ検査依頼を送信させる。例えば、検査依頼は、第2検査支援装置2へ送信される。第1検査支援装置1は、検査内容の決定を支援する処理を以上で終了する。
S101~S116で決定された検体が患者から採取される。即ち、決定された採取部位から、決定された検体材料が採取される。医療機関から検査機関へ検体が送付され、検査機関では検査依頼に従って検査が行われる。
検査内容推薦モデル41が検体推薦モデル411、微生物推薦モデル412および項目推薦モデル413を含んだ構成は一例であり、検査内容推薦モデル41の構成はその他の構成であってもよい。例えば、検査内容推薦モデル41は、患者情報を入力され、採取部位、検体材料、目的微生物および検査項目の候補の推奨度を一度に出力する形態であってもよい。第1検査支援装置1は、S105~S113の処理の代わりに、患者情報を検査内容推薦モデル41へ入力し、採取部位、検体材料、目的微生物および検査項目の候補の推奨度を一度に出力し、採取部位、検体材料、目的微生物および検査項目を受け付ける処理を行ってもよい。
検査機関で検査の作業を行う技師等の作業者は、図9に例示した支援画像と同様の画像を、コンピュータを用いて閲覧することができる。例えば、作業者は、第2検査支援装置2を用いて画像を閲覧することができる。なお、患者の個人情報を保護する場合には、第1検査支援装置1から検査依頼が送信される際に、患者の氏名および患者ID等の全ての個人情報をマスク、匿名化、又は仮名化する。
検査機関の作業者は、支援画像と同様の画像を閲覧することで、検査理由を含めた検査の背景および目的を把握できる。微生物を同定するための検査においては、例えば鏡検用の試料の調整、釣菌時のコロニーの選択および培養条件の選択等、作業者による個別の判断が必要な作業が多い。支援画像と同様の画像により検査の背景および目的を把握することにより、作業者は医療機関の要望に応じつつ、患者症状に適した検査を、漏れなく、無駄なく実施し、その検査結果を報告できる。
以上のように、本実施形態においては、第1検査支援装置1は、図9に例示した支援画像を表示し、医師等の作業者が検査内容を決定して検査を依頼することを支援する。第1検査支援装置1は、検査内容推薦モデル41を用いて、患者情報から、検体、目的微生物および検査項目の候補の推奨度を生成する。患者情報に相応しい検体、目的微生物および検査項目の候補の推奨度が得られるので、作業者は、検体、目的微生物および検査項目の候補の推奨度を確認した上で、検体、目的微生物および検査項目を含む検査内容を適切に決定することを容易に行うことができる。従って、微生物を同定する検査を効率化することができる。
次に、第2検査支援装置2と、第2検査支援装置2を利用した検査機関における検査を支援する処理とについて説明する。検査機関では、医療機関で採取された検体に含まれる微生物を同定するための検査を行う。図15は、検査機関の作業者が行う検査の手順を示す概念図である。作業者は、検査依頼を受け付け、検体を受領する。作業者は、検査依頼に基づいて、検体に対する鏡検を行うか否かを判断する。例えば、検査依頼に検査項目として「塗沫鏡検」が含まれる場合に、作業者は鏡検を行うと判断する。鏡検を行うと判断した場合に、作業者は、鏡検を行う。例えば、検査依頼に検査項目として「塗沫鏡検」が含まれる場合に、作業者は塗沫鏡検を実行する。鏡検では、作業者は、検体中の微生物に対してグラム染色又は抗酸菌染色等の染色を行ない、検体を顕微鏡で観察し、検体の一部を撮影した鏡検画像を作成する。鏡検により、作業者は、微生物の推定を行うこともできる。
鏡検が終了した後、又は鏡検を行わないと判断した場合、作業者は、検体に含まれる微生物の分離培養を行うか否かを判断する。例えば、検査依頼に検査項目として「培養同定」が含まれる場合に、作業者は、分離培養を行うと判断する。例えば、作業者は、鏡検の結果、検体に含まれる微生物が単離されていないと判断した場合に、分離培養を行うと判断する。また、作業者は、検体に含まれる微生物の量が少なすぎる場合に、分離培養を行うと判断してもよい。
分離培養を行うと判断した場合に、作業者は、分離培養を行う。分離培養では、検体の一部を培地に塗布し、微生物の培養を行う。培養後の培地には、一又は複数の微生物のコロニーが発育する。また、作業者は、培養後の微生物に対して染色を行い、培養後の培地を顕微鏡で観察し、培養後の培地を撮影した培養画像を作成する。培養画像には、微生物のコロニーが映った一又は複数のコロニー画像が含まれる。
培養画像は、二値化若しくはセグメンテーション等の画像処理、又は過去の典型的なコロニー画像をBounding Boxによって囲い込んだ座標データとコロニー画像とを教師データとしてFaster RCNN(Regions with Convolutional Neural Network)、SSD(Single Shot Multibox Detector)、若しくはYOLO(You Only Look Once)等の深層学習法により学習させる物体検出によって、個別のコロニー画像に分割できる。分割した各コロニー画像をVGG16等の既存の畳み込みニューラルネットワークモデルにより、画像特徴量を抽出する。これらの画像特徴量に基づいて、k-meansクラスタリング等の教師なし学習を用いることで、各コロニー画像を微生物ごとに分類する。分類された各微生物の特徴量について、特徴量空間の中心座標、例えばマハラノビス距離の平均値、に距離が最も近い特徴量を持つコロニーを、代表コロニーとし、釣菌対象とする。また微生物の推定精度を高める目的で、釣菌対象を増加させる場合には、代表コロニーだけでなく、上記の特徴量空間の境界に近い位置にある特徴量を持つコロニーを、境界コロニーとし、釣菌対象とする。境界コロニーを特定するための特徴量の分類においては、混合正規分布モデル等を用いることで、各コロニーの分類の信頼度を確率として算出できる。信頼度は、確率等の数値で表されるものに限らず、数値の範囲に対応する、A,B,Cのようなカテゴリ、又はカテゴリを表す文字色、背景色、記号、若しくはコロニーの位置を示す枠線の色、によって表現されたものであってもよい。
作業者は、上記の方法等の既存の手法を用いて、コロニー画像を微生物の種類別に分類する。作業者は、分類後のコロニー画像に基づいて、代表コロニー又は境界コロニーの中から、コロニーの分類の信頼度を参考にして、採取すべき微生物のコロニーを選択する。作業者は、コロニー画像に基づいて、微生物の推定を行うこともできる。作業者は、次に、特定したコロニーから微生物を採取する釣菌を行う。なお、「釣菌」とは微生物が細菌である場合の用語であるが、検体に含まれる微生物が細菌以外の真菌等の微生物であっても、作業者は、同様に、分離培養を行い、コロニーから微生物を採取する。
釣菌が終了した後、又は分離培養を行わないと判断した場合、作業者は、検体に含まれる微生物を同定するための各種の検査を行う。検査では、試料として、検体の一部、又は釣菌により採取された微生物が用いられる。作業者は、検査依頼に含まれる検査項目に従って各種の検査を行う。作業者は、必要と判断した検査を行ってもよい。また、作業者は、検査を行った結果、微生物が同定できなかった場合に、検査を繰り返すか、追加の検査を行ってもよい。
微生物を同定するための検査が終了した後、作業者は、微生物に対する薬剤感受性検査を行うか否かを判断する。例えば、検査依頼に検査項目として「薬剤感受性検査」が含まれる場合に、作業者は、薬剤感受性検査を行うと判断する。薬剤感受性検査を行うと判断した場合、作業者は、微生物に対する薬剤感受性検査を行う。薬剤感受性検査が終了した後、又は薬剤感受性検査を行わないと判断した場合、作業者は、検査結果を評価する。
第2検査支援装置2は、検査の作業を支援するための装置である。図16は、第2検査支援装置2の機能構成例を示すブロック図である。第2検査支援装置2は、パーソナルコンピュータ又はサーバ装置等のコンピュータを用いて構成されている。第2検査支援装置2は、演算部21と、メモリ22と、ハードディスク等の不揮発性の記憶部23と、光ディスク等の記録媒体20から情報を読み取るドライブ部24とを備えている。演算部21は、例えばCPU、GPU、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。また、演算部21は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ22は、例えばRAMである。
演算部21は、記録媒体20に記録されたコンピュータプログラム231をドライブ部24に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム231を記憶部23に記憶させる。演算部21は、コンピュータプログラム231に従って、第2検査支援装置2に必要な処理を実行する。なお、コンピュータプログラム231は、第2検査支援装置2の外部からダウンロードされてもよい。この場合は、第2検査支援装置2はドライブ部24を備えていなくてもよい。
また、第2検査支援装置2は、技師等の作業者からの操作を受け付ける操作部25と、画像を表示する表示部26と、通信部27とを備えている。操作部25は、作業者からの操作を受け付けることにより、テキスト等の情報を受け付ける。操作部25は、例えば、キーボード又はポインティングデバイスである。表示部26は、例えば液晶ディスプレイ又はELディスプレイである。通信部27は、通信ネットワーク3に接続され、第2検査支援装置2の外部の装置と通信ネットワーク3を通じて通信を行う。第2検査支援装置2は、複数のコンピュータで構成されていてもよい。例えば、第2検査支援装置2は、操作部25および表示部26を少なくとも有するタブレット又はスマートフォン等の端末装置と、記憶部23を少なくとも有するサーバ装置とを含んで構成されている。技師等の作業者は、端末装置を操作する。端末装置とサーバ装置との間では、処理に必要な通信が行われる。サーバ装置は、検査機関内に設置されていてもよく、サーバ装置の一部又は全部が検査機関外に設置されていてもよい。
記憶部23は、医療機関からの検査依頼の内容を表す依頼データ232を記憶している。例えば、演算部21は、依頼データ232に基づいて、図9に例示した支援画像と同様の画像を表示部26に表示することができる。依頼データ232は、第2検査支援装置2外の記憶装置に記憶されていてもよい。記憶装置は、通信ネットワーク3に接続されており、依頼データ232は、必要に応じて記憶装置から第2検査支援装置2へ通信ネットワーク3を通じてダウンロードされてもよい。
また、記憶部23は、検査機関で行われる検査の結果を記憶してもよい。例えば、記憶部23は、鏡検画像又は培養画像を記憶してもよい。検査結果は、第2検査支援装置2外の記憶装置に記憶されてもよい。
第2検査支援装置2は、更に、検査機関における検査を支援するために用いられる学習モデルである微生物推定モデル42、コロニー分類モデル43、および微生物総合判定モデル44を備えている。微生物推定モデル42は第2学習モデルに対応し、コロニー分類モデル43は第3学習モデルに対応し、微生物総合判定モデル44は第4学習モデルに対応する。微生物推定モデル42は、検査対象の患者に関する患者情報、検体の一部又は培養された検体中の微生物のコロニーを撮影した検体画像、並びに検体画像に関する検体情報を入力された場合に、検体中の微生物を推定した同定微生物の候補の信頼度を出力するように学習される。検体情報は、検体の種類を含む。コロニー分類モデル43は、検体を用いて分離培養を行った培地を撮影した培養画像を入力した場合に、培養画像から微生物のコロニーが映ったコロニー画像を抽出し、コロニー画像を一又は複数の種類に分類し、コロニー画像の分類結果を出力するように学習される。微生物総合判定モデル44は、複数の検査方法により検体中の微生物を同定した同定結果を入力した場合に各検査方法での同定結果の信憑度を出力するように学習される。
微生物推定モデル42、コロニー分類モデル43、および微生物総合判定モデル44は、コンピュータプログラム231に従って演算部21が情報処理を実行することにより実現される。記憶部23は、微生物推定モデル42、コロニー分類モデル43、および微生物総合判定モデル44を実現するために必要なデータを記憶している。また、微生物推定モデル42、コロニー分類モデル43、および微生物総合判定モデル44は、ハードウェアを用いて構成されていてもよい。例えば、微生物推定モデル42、コロニー分類モデル43、および微生物総合判定モデル44は、プロセッサと、必要なプログラムおよびデータを記憶するメモリとを含んで構成されていてもよい。また、微生物推定モデル42、コロニー分類モデル43、および微生物総合判定モデル44は、量子コンピュータを用いて実現されてもよい。また、微生物推定モデル42、コロニー分類モデル43、および微生物総合判定モデル44は、第2検査支援装置2外のコンピュータを用いたクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
微生物推定モデル42は、染色特性判定モデル421、形態判定モデル422、代謝性判定モデル423、および微生物判定モデル424を含んでいる。染色特性判定モデル421、形態判定モデル422、代謝性判定モデル423、および微生物判定モデル424は、何れも学習モデルである。染色特性判定モデル421は、検体画像を入力した場合に検体中の微生物の染色特性を出力するように学習される。形態判定モデル422は、検体画像および検体情報を入力した場合に検体中の微生物の形態を出力するように学習される。代謝性判定モデル423は、患者情報、検体画像および検体情報を入力した場合に検体中の微生物の酸素代謝性を出力するように学習される。微生物判定モデル424は、患者情報、検体画像、検体情報、検体中の微生物の染色特性、微生物の形態および微生物の酸素代謝性を入力した場合に、同定微生物の候補の信頼度を出力するように学習される。
図17は、微生物推定モデル42の機能を説明する説明図である。染色特性判定モデル421は、検体画像を入力され、検体画像に映った微生物の染色特性を推定した結果を出力する。検体画像は、検体の鏡検を行う際に検体の一部を撮影した鏡検画像、又は分離培養の際に培養された微生物のコロニーが撮影されたコロニー画像である。作業者が検体中の微生物に対してグラム染色又は抗酸菌染色等の適切な染色を行ない、その後撮影された検体画像が入力される。染色特性判定モデル421は、染色特性を推定した結果として、染色特性の確率を出力する。
染色特性判定モデル421は、染色後に得られた検体画像を説明変数とし、技師等の作業者により判定されたグラム染色特性(即ち、グラム染色に対する陽性又は陰性の情報)を目的変数としたデータセットを複数記録した教師データに基づいて、L1正則化ロジスティック回帰等の線型モデル、又はランダムフォレスト若しくはCNN(Convolutional Neural Network)等の非線形モデルの任意の教師あり機械学習手法を用いて作成される。具体的には、検体画像を入力として、図示を省略する畳み込み層およびプーリング層により繰り返し処理を行うことで、画像特徴量を抽出し、この画像特徴量を、教師あり機械学習の説明変数として用いる。なお、第2検査支援装置2は、染色特性判定モデル421を使用する代わりに、ルールベースのプログラム等を用いて染色特性を判定してもよい。
形態判定モデル422は、検体画像および検体情報を入力され、検体中の微生物の形態を推定した結果を出力する。検体情報は、検体の種類を示す検体材料、染色条件および観察倍率等を含む。形態判定モデル422は、微生物の形態を推定した結果に対する信頼度を、微生物の形態の確率値として出力する。
形態判定モデル422は、検体画像と検体情報とを説明変数とし、作業者によって判定された微生物の形態(即ち、球菌か若しくは桿菌か、又はその他のらせん菌若しくはビブリオ等)を目的変数としたデータセットを複数記録した教師データに基づいて、任意の機械学習手法を用いて作成される。検体画像に対しては、畳み込み層およびプーリング層により繰り返し処理を行ない、画像特徴量を抽出できる。この画像特徴量を画像以外の特徴量と結合した一つの特徴量ベクトルとすることで、教師あり機械学習の説明変数として用いる。なお、第2検査支援装置2は、形態判定モデル422を使用する代わりに、ルールベースのプログラム等を用いて微生物の形態を判定してもよい。また、説明変数に欠損値が多く含まれる場合は、欠損値による予測精度が影響を受けにくいロバストな機械学習手法が好ましい。例えば、ランダムフォレスト等の決定木を用いた手法が特に適している。
代謝性判定モデル423は、検体画像、検体情報および患者情報を入力され、検体中の微生物の酸素代謝性を推定した結果として、微生物が好気性である確率、および嫌気性である確率を出力する。代謝性判定モデル423は、検体画像、検体情報および患者情報を説明変数として、作業者によって判定された酸素代謝性(即ち、好気性又は嫌気性の情報)を目的変数としたデータセットを複数記録した教師データに基づいて、任意の機械学習手法を用いて作成される。検体画像に対しては、畳み込み層およびプーリング層により繰り返し処理を行ない、画像特徴量を抽出できる。この画像特徴量を画像以外の特徴量と結合した一つの特徴量ベクトルとすることで、教師あり機械学習の説明変数として用いる。なお、第2検査支援装置2は、代謝性判定モデル423を使用する代わりに、ルールベースのプログラム等を用いて微生物の酸素代謝性を判定してもよい。
微生物判定モデル424は、患者情報、検体画像、検体情報、微生物の染色特性、微生物の形態および微生物の酸素代謝性を入力され、同定微生物の候補の信頼度として、検体中の微生物が特定の微生物である確率を出力する。入力される染色特性は、染色特性判定モデル421の出力のうち、最も確率が高い染色特性を含む。入力される微生物の形態は、形態判定モデル422の出力のうち、最も確率が高い形態を含む。入力される酸素代謝性は、代謝性判定モデル423の出力のうち、最も確率が高い酸素代謝性を含む。なお、検体には複数の微生物が含まれている可能性があるので、微生物判定モデル424が出力する確率値の総和は1である必要はない。
微生物判定モデル424は、検体画像と、検体情報と、患者情報とを説明変数とし、検体画像中の微生物の特性(染色特性、形態、酸素代謝性)および種類を目的変数としたデータセットを複数記録した教師データに基づいて、任意の教師あり機械学習手法を用いて作成される。検体画像に対しては、畳み込み層およびプーリング層により繰り返し処理を行ない、画像特徴量を抽出できる。この画像特徴量を画像以外の特徴量と結合した一つの特徴量ベクトルとすることで、教師あり機械学習の説明変数として用いる。
このようにして、微生物推定モデル42は、検体画像、検体情報および患者情報を入力され、微生物の染色特性の推定結果、微生物の形態の推定結果、微生物の酸素代謝性の推定結果、および同定微生物の候補の信頼度を出力する。即ち、微生物推定モデル42は、微生物が特定の染色特性を持つ確率、微生物が特定の形態である確率、微生物が好気性である確率、嫌気性である確率、および検体中の微生物が特定の微生物である確率を出力する。
記憶部23は、微生物推定モデル42を学習するための教師データを含む第2教師データベース233を記憶している。図18は、第2教師データベース233の内容例を示す概念図である。図18に示す例では、第2教師データベース233は、検体画像フィールド、検体情報フィールド、患者情報フィールドおよび判定結果フィールドを有する。検体情報フィールドは、採取部位フィールド、検体材料フィールド、染色フィールドおよび観察倍率フィールド等を有する。患者情報フィールドは、年齢フィールド、性別フィールド、および目的微生物フィールド等を有する。判定結果フィールドは、同定微生物フィールド、染色特性フィールド、形態フィールドおよび酸素代謝性フィールドを有する。
検体画像フィールドには、検体画像が記録される。検体画像は鏡検画像又はコロニー画像である。採取部位フィールドには、検体が採取された採取部位が記録される。検体材料フィールドには、検体の種類が記録される。染色フィールドには、検体画像を作成する際に行われた染色の種類が記録される。観察倍率フィールドには、検体画像を作成する際に用いられた顕微鏡の観察倍率が記録される。検体情報フィールドは、顕微鏡の種類等の、検体に関する種々の条件を記録するサブフィールドを有してもよい。
年齢フィールドには、検体採取日における患者の年齢が記録されている。性別フィールドには、患者の性別が記録されている。目的微生物フィールドには、検査依頼に含まれる目的微生物が記録されている。患者情報フィールドは、既往歴フィールド、臨床症状フィールド等の、患者に関する種々の情報を記録するサブフィールドを有してもよい。
同定微生物フィールドには、各種の検査により同定された同定微生物が記録されている。染色特性フィールドには、同定微生物がグラム陰性であるか又はグラム陽性であるか等の染色特性が記録されている。形態フィールドには、同定微生物の形態が記録されている。酸素代謝性フィールドには、同定微生物が好気性であるか嫌気性であるかが記録されている。各フィールドに記録された情報は、互いに関連付けられている。第2教師データベース233は、過去に行われた検査の結果に基づいて作成される。
第2教師データベース233に記録された教師データに基づいて教師あり機械学習を行なうことにより、微生物推定モデル42が生成される。例えば、検体画像フィールドと、染色特性フィールドとに基づいて機械学習を行うことにより、染色特性判定モデル421が生成される。検体画像フィールドと、検体情報フィールドと、形態フィールドとに基づいて機械学習を行うことにより、形態判定モデル422が生成される。検体画像フィールドと、検体情報フィールドと、患者情報フィールドと、酸素代謝性フィールドとに基づいて機械学習を行うことにより、代謝性判定モデル423が生成される。検体画像フィールドと、検体情報フィールドと、患者情報フィールドと、染色特性フィールドと、形態フィールドと、酸素代謝性フィールドと、同定微生物フィールドとに基づいて機械学習を行なうことにより、微生物判定モデル424が生成される。
なお、第2教師データベース233は、記憶部23に記憶されていなくてもよい。例えば、第2教師データベース233は、第2検査支援装置2外の記憶装置に記憶されていてもよく、第2検査支援装置2外で微生物推定モデル42の学習が行われてもよい。また、微生物推定モデル42が染色特性判定モデル421、形態判定モデル422、代謝性判定モデル423および微生物判定モデル424を含んだ構成は一例であり、微生物推定モデル42の構成はその他の構成であってもよい。
コロニー分類モデル43は、培養画像を入力され、コロニー画像の分類結果を出力する。図19は、培養画像の例を示す模式図である。培養画像には、培養された微生物のコロニーが映っている。図19には、複数種類の微生物のコロニーが、夫々に複数個存在している例を示している。
図20は、コロニー分類モデル43の機能を説明する説明図である。コロニー分類モデル43は、領域抽出部431、特徴量抽出部432および分類部433を含む。領域抽出部431は、例えば、二値化等のセグメンテーションを行う画像処理によって、効率的に教師画像データを作成し、それを教師あり機械学習するFaster R-CNN、SSD、YOLO、又はU-net等の任意の領域抽出手法を用いて、培養画像から1個のコロニーが撮影された領域の候補を抽出する。なお、面積および縦横比等に基づいたルールベースの抽出器を用いて抽出された領域候補を絞り込むことにより、コロニー分類モデル43の計算量を削減できる。
特徴量抽出部432は、例えばオートエンコーダ、VAE(Variational Autoencoder)、CVAE(Conditional Variational Autoencoder)、CNN、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)、SURF(Speeded Up Robust Features)又はHOG(Histogram of Oriented Gradients)等の任意の画像特徴量抽出手法を用いて、個々の領域候補の特徴量を抽出する。領域抽出部431による領域候補の抽出と、特徴量抽出部432による特徴量の抽出とを繰り返すことにより、培養画像から領域候補と特徴量との組が複数生成される。領域抽出部431が抽出した領域は、微生物のコロニーが映ったコロニー画像である。
分類部433は、例えばk-means法等の任意のクラスタリング手法を用いて、領域抽出部431により抽出されたコロニー画像の画像特徴量についてクラスタリングを行なう。培地に複数種類の微生物のコロニーが形成されている場合、微生物の種類によってコロニーの外観が異なる。従って、クラスタリングを行なうことにより、特徴量空間においてコロニー画像が微生物の種類別に分類される。
図21は、コロニー画像の分類結果の例を示す模式図である。図21に示す例においては、培地上に合計七個のコロニーが形成されており、七個のコロニー画像が抽出される。特徴量空間における七個のコロニー画像は、四個のコロニー画像を含むクラスタAと、三個のコロニー画像を含むクラスタBとに分類される。図21には、各コロニー画像が所属するクラスタ名を示している。特徴量空間において夫々のクラスタの中心に最も近く、クラスタの特徴量を代表するコロニー画像を、各クラスタの代表とする。図21には、各クラスタの代表となるコロニー画像を太枠で囲って示している。
このように、コロニー分類モデル43は、教師なし機械学習により培養画像からコロニー画像を抽出し、コロニー画像を分類できる。コロニー分類モデル43は、コロニー画像の分類結果として、培養画像から抽出したコロニー画像と、各コロニー画像の特徴量と、各コロニー画像の所属クラスタと、各クラスタの代表となるコロニー画像とを出力する。コロニー画像は、微生物推定モデル42へ入力される検体画像として用いられることができる。コロニー分類モデル43は、画像特徴量に基づいてコロニー画像を分類しており、コロニーを形成した微生物の推定は行わない。分類された各コロニー画像についての微生物の同定は微生物推定モデル42により行われる。微生物が新種である場合、又は微生物が変異している場合等、微生物の同定が困難な場合であっても、コロニー分類モデル43によるコロニー画像の分類は可能である。また、コロニー画像の分類結果は、釣菌を行うコロニーを選択するために用いられることができる。
なお、コロニー分類モデル43が領域抽出部431、特徴量抽出部432および分類部433を含んだ構成は一例であり、コロニー分類モデル43の構成はその他の構成であってもよい。コロニー分類モデル43は、RCNN、Fast RCNN、Faster RCNN、SSD、又は、YOLO等の、任意の物体検出アルゴリズムを使用してもよい。
微生物総合判定モデル44は、複数の検査方法による微生物の同定結果を入力され、各検査方法による同定結果の信憑度を出力する。微生物総合判定モデル44は、複数の検査方法による微生物の同定結果を説明変数として、技師等の作業者によって同定結果の信憑性を判断した結果を目的変数としたデータセットを複数記録した教師データに基づいて、L1正則化ロジスティック回帰又はNN等の任意の教師あり機械学習手法を用いて作成される。なお、第2検査支援装置2は、微生物総合判定モデル44の代わりに、ルールベースのプログラム等を用いて同定結果の信憑度を判定してもよい。
記憶部23は、微生物総合判定モデル44を学習するための教師データを含む第3教師データベース234を記憶している。図22は、第3教師データベース234の内容例を示す概念図である。図22に示す例では、第3教師データベース234は、同定結果フィールドおよび信憑性フィールドを有する。各フィールドに記録された情報は、互いに関連付けられている。同定結果フィールドには、各検査方法によって微生物を同定した結果が記録されている。同定結果フィールドは、塗沫鏡検フィールド、培養同定フィールド、TOF-MSフィールド等の、複数の検査方法の夫々に対応するサブフィールドを有する。
信憑性フィールドには、技師等の作業者によって各検査方法による同定結果の信憑性を判断した結果が記録されている。信憑性フィールドは、塗沫鏡検フィールド、培養同定フィールド、TOF-MSフィールド等の、同定結果フィールドのサブフィールドの夫々に対応するサブフィールドを有する。第3教師データベース234は、信憑性を判断された一連の検査について、一つのレコードを有する。
同定結果フィールドに含まれる塗沫鏡検フィールドには、塗沫鏡検により同定された微生物の種類が記録される。培養同定フィールドには、培養同定により同定された微生物の種類が記録される。TOF-MSフィールドには、TOF-MSにより同定された微生物の種類が記録される。機械学習手法の入出力は数値であり、説明変数は数値に変換されて微生物総合判定モデル44へ入力される。従って、夫々の検査方法により同定される微生物は、特定の微生物を表すカテゴリ変数に該当する場合、又は特定微生物である場合に1、そうではない場合に0となるダミー変数等の数値で表現される。
なお、一つの検査により複数の微生物が同定される場合がある。図22には、一つのTOF-MSフィールドに二つの微生物が同定された結果を記録した例を示している。このような複数の微生物の組合せに対しても、各微生物の有無を表すダミー変数で構成されたホットベクトル等の固有の数値が割り当てられる。即ち、図22には便宜的に二つの微生物を記載した例を示したが、第3教師データベース234内では、一個の数値が記録される。
信憑性フィールドに含まれる塗沫鏡検フィールドには、塗沫鏡検の結果に信憑性があると判断されたか否かが記録される。培養同定フィールドには、培養同定の結果に信憑性があると判断されたか否かが記録される。TOF-MSフィールドには、TOF-MSの結果に信憑性があると判断されたか否かが記録される。図22に示した例では、信憑性フィールドにおいて「1」は信憑性があると判断されたことを、「0」は信憑性があると判断されなかったこと、「-」は、検査が実施されなかったことを、夫々意味する。第3教師データベース234は、過去に行われた検査の結果に基づいて作成される。
第3教師データベース234に記録された教師データに基づいて教師あり機械学習を行なうことにより、微生物総合判定モデル44が生成される。なお、第3教師データベース234は、記憶部23に記憶されていなくてもよい。例えば、第3教師データベース234は、第2検査支援装置2外の記憶装置に記憶されていてもよく、第2検査支援装置2外で微生物総合判定モデル44の学習が行われてもよい。
第2検査支援装置2は、検査の作業、および検査結果の評価を支援するための処理を行う。図23および24は、第2検査支援装置2が実行する処理の手順を示すフローチャートである。演算部21は、コンピュータプログラム231に従って以下の処理を実行する。演算部21は、技師等の作業者が操作部25を操作することによる処理開始の指示に応じて、検査の作業および検査結果の評価を支援するための検査支援画像を表示部26に表示する(S201)。S201では、演算部21は、作業者の操作により、患者ID等の検査対象の患者を識別するための情報を受け付け、患者に関する検査支援画像を表示する。
図25は、検査支援画像の例を示す模式図である。検査支援画像には、個々の検査による結果を表示するための個別検査欄61と、複数の検査方法による結果を統合して表示するための統合欄66と、検査結果を検証した結果を表示するための検証欄67とが含まれている。図25に示す例では、個別検査欄61には、塗抹鏡検による検査結果を表示するための鏡検欄62と、培養同定による検査結果を表示するための培養欄63とが含まれている。また、個別検査欄61には、TOF-MSによる検査結果を表示するための質量分析欄64と、遺伝子検査による検査結果を表示するための遺伝子検査欄65とが含まれている。
演算部21は、次に、鏡検画像があるか否かを判定する(S202)。例えば、作業者によって患者の検体の鏡検が行われ、鏡検画像が記憶部23に記憶されている場合に、演算部21は、鏡検画像があると判定する。また、例えば、通信ネットワーク3に接続された第2検査支援装置2外の記憶装置に、患者に関する鏡検画像が記憶されている場合に、演算部21は、鏡検画像があると判定する。また、例えば、通信部27へ鏡検画像が入力された場合に、演算部21は、鏡検画像があると判定する。
鏡検画像がある場合(S202:YES)、演算部21は、患者に関する鏡検画像、検体情報、および患者情報を取得する(S203)。例えば、演算部21は、記憶部23から鏡検画像を読み出すか、又は第2検査支援装置2外の記憶装置から通信ネットワーク3を通じて鏡検画像を読み出す。検体情報は、鏡検画像に関連付けて記憶されており、演算部21は、鏡検画像に関連付けられた検体情報を取得する。演算部21は、依頼データ232から検体情報の一部を読み出してもよい。また、演算部21は、依頼データ232から患者情報を読み出す。S203の処理は、第2取得部に対応する。
演算部21は、次に、鏡検画像、検体情報、および患者情報を微生物推定モデル42へ入力する(S204)。S204では、演算部21は、ルールベース等の方法により検体情報および患者情報を数値へ変換し、検体情報および患者情報に対応する数値を微生物推定モデル42へ入力する。微生物推定モデル42は、鏡検画像、検体情報、および患者情報の入力に応じて、微生物の染色特性の推定結果、微生物の形態の推定結果、微生物の酸素代謝性の推定結果、および同定微生物の候補の信頼度を出力する。S204の処理は、第2入力部に対応する。
演算部21は、鏡検画像に基づいた微生物の推定結果を出力する(S205)。S205では、演算部21は、鏡検画像を表示し、微生物の染色特性の推定結果、微生物の形態の推定結果、微生物の酸素代謝性の推定結果、同定微生物の候補、および同定微生物の候補の信頼度を表示した鏡検欄62を含む検査支援画像を表示部26に表示する。S205の処理は、第2出力部に対応する。
図26は、鏡検欄62の例を示す模式図である。演算部21は、鏡検欄62に鏡検画像を表示する。また、演算部21は、微生物推定モデル42が出力した微生物の染色特性、形態および酸素代謝性の推定結果、並びに同定微生物の候補および当該候補の信頼度を鏡検欄62に表示する。図26には、検体に含まれる微生物がグラム陽性の好気性球菌であり、ブドウ球菌である確率が95%であると推定された例を示す。鏡検画像の上側に、「1」、「2」、「3」の数字で鏡検画像の切り替えボタンが表示されている。作業者は、操作部25を操作して切り替えボタンを操作することにより、同一の検体を撮影した複数の鏡検画像を切り換えて観察できる。
演算部21は、次に、検査支援画像を利用して、作業者が操作部25を操作することにより、同定微生物を受け付ける(S206)。図26に示すように、鏡検欄62には、夫々の同定微生物の候補に対応付けたチェックボックスが並んだ決定列が含まれている。作業者は、表示された微生物の染色特性、形態および酸素代謝性の推定結果および同定微生物の確率を参照しながら、医療関連ガイドライン、医療機関の運用方針、学術的知見から逸脱していない等の判断根拠を明確にした上で、自己の判断により同定微生物を選択する。作業者は、操作部25を操作して、いずれかのチェックボックスを選択することにより、チェックボックスに対応する同定微生物を選択する。演算部21は、選択を受け付けたチェックボックスを黒四角で示す。図26には、同定微生物が「ブドウ球菌」である例を示す。このようにして、鏡検により同定された同定微生物が確定する。微生物推定モデル42により、患者情報、検体画像および検体情報に相応しい同定微生物の候補の信頼度が出力されるので、作業者は、出力された候補の信頼度を確認した上で、同定微生物を適切に決定することができる。
S206が終了した後、又は鏡検画像が無い場合(S202:NO)、演算部21は、培養画像があるか否かを判定する(S207)。例えば、作業者によって患者の検体について微生物の分離培養が行われ、培養画像が記憶部23に記憶されている場合に、演算部21は、培養画像があると判定する。また、例えば、通信ネットワーク3に接続された第2検査支援装置2外の記憶装置に、患者に関する培養画像が記憶されている場合に、演算部21は、培養画像があると判定する。また、例えば、通信部27へ培養画像が入力された場合に、演算部21は、培養画像があると判定する。
培養画像がある場合(S207:YES)、演算部21は、患者に関する培養画像、検体情報、および患者情報を取得する(S208)。例えば、演算部21は、記憶部23から培養画像を読み出すか、又は第2検査支援装置2外の記憶装置から通信ネットワーク3を通じて培養画像を読み出す。検体情報は、培養画像に関連付けて記憶されており、演算部21は、培養画像に関連付けられた検体情報を取得する。演算部21は、依頼データ232から検体情報の一部を読み出してもよい。また、演算部21は、依頼データ232から患者情報を読み出す。
演算部21は、次に、培養画像をコロニー分類モデル43へ入力する(S209)。コロニー分類モデル43は、培養画像の入力に応じて、コロニー画像の分類結果を出力する。演算部21は、次に、コロニー画像の分類結果を出力する(S210)。S210では、演算部21は、コロニー分類モデル43が出力した一又は複数のコロニー画像を取得する。また、演算部21は、培養画像を表示し、培養画像に含まれるコロニー画像の分類結果を表示した培養欄63を含む検査支援画像を表示部26に表示する。S208およびS210の処理は、第2取得部に対応する。
図27は、培養欄63の例を示す模式図である。演算部21は、培養欄63に培養画像を表示する。培養画像中の微生物のコロニーが映った領域が丸で囲われており、丸で囲われた領域が夫々のコロニー画像である。また、コロニー画像は、微生物の種類に応じて区別して表示される。図27に示す例では、領域が比較的大きい種類と、領域が比較的小さい種類とに分類されて、二種類のコロニー画像が表示されている。演算部21は、コロニー画像を囲う線の形又は色を種類別に変更することにより、コロニー画像を微生物の種類別に表示してもよい。このように、コロニー分類モデル43より、培養画像から、微生物の種類別に分類されたコロニー画像が容易に得られる。
図27に示す例では、培養画像の上側に、「1」、「2」、「3」の数字で培養画像の切り替えボタンが表示されている。作業者は、操作部25を操作して切り替えボタンを操作することにより、同一の検体から培養を行なって撮影した複数の培養画像を切り換えて観察できる。
演算部21は、次に、コロニー分類モデル43から出力されたコロニー画像、検体情報および患者情報を、夫々のコロニー画像について微生物推定モデル42へ入力する(S211)。S211では、演算部21は、ルールベース等の方法により検体情報および患者情報を数値へ変換し、検体情報および患者情報に対応する数値を微生物推定モデル42へ入力する。微生物推定モデル42は、コロニー画像、検体情報、および患者情報の入力に応じて、微生物の染色特性の推定結果、微生物の形態の推定結果、微生物の酸素代謝性の推定結果、および同定微生物の候補の信頼度を、夫々のコロニー画像について出力する。なお、S211では、作業者は、検査支援画像を利用して操作部25を操作することにより、表示された培養画像に含まれる一又は複数のコロニー画像を選択し、演算部21は、選択されたコロニー画像を微生物推定モデル42へ入力してもよい。S211の処理は、第2入力部に対応する。
演算部21は、コロニー画像に基づいた微生物の推定結果を、夫々のコロニー画像について出力する(S212)。S212では、演算部21は、コロニー画像を表示し、同定微生物の候補を夫々のコロニー画像について表示した培養欄63を含む検査支援画像を表示部26に表示する。演算部21は、微生物推定モデル42が出力した同定微生物の候補の信頼度を夫々のコロニー画像について培養欄63に表示する。S212の処理は、第2出力部に対応する。図27に示す培養欄63は、同定微生物の候補の名称を示した種別列を含む。種別列に含まれる同定微生物の候補の名称に、各コロニー画像が関連付けて表示される。図27に示す培養欄63は、同定微生物の候補の信頼度を確率(百分率)で表した推薦列を含む。同定微生物の候補の名称に関連付けられた各コロニー画像に、推薦列に含まれる信頼度が更に関連付けて表示される。
図27には、培養画像に「サルモネラ菌」のコロニーの画像および「腸球菌」のコロニーの画像が含まれていると推定された状態を示す。作業者が、微生物の名称の右側に表示されたチェックボックスを選択した場合、演算部21は、選択された微生物のコロニーを映したコロニー画像を、確率の高い方から所定の数だけ円で囲んで示す。即ち、作業者が操作部25を用いてチェックボックスを操作することにより、演算部21は、作業者により指定された微生物により構成されたコロニーの画像をマーキングして表示部26に表示する。
図27に示す例では、太線の円、細線の円、および破線の円で囲まれた夫々のコロニー画像は、「サルモネラ菌」のコロニーを映した画像である信頼度を表す確率が夫々95%、88%、および75%である。即ち、演算部21は、微生物推定モデル42から出力された確率に基づいて、コロニー画像をマーキングして表示部26に表示する。なお、マーキングはコロニー画像を囲む円に限定しない。例えば、矢印状のカーソル又は多角形の枠等、任意の形式のマーキングを使用できる。なお、演算部21は、微生物の染色特性、形態および酸素代謝性の推定結果をも、夫々のコロニー画像について表示してもよい。
演算部21は、次に、検査支援画像を利用して、作業者が操作部25を操作することにより、同定微生物を受け付ける(S213)。図27に示すように、培養欄63には、夫々の同定微生物の候補に対応付けたチェックボックスが並んだ決定列が含まれている。作業者は、表示された同定微生物の候補の信頼度を参照しながら、自己の判断により同定微生物を選択する。作業者は、操作部25を操作して、いずれかのチェックボックスを選択することにより、チェックボックスに対応する同定微生物を選択する。演算部21は、選択を受け付けたチェックボックスを黒四角で示す。図27には、同定微生物が「サルモネラ菌」である例を示す。このようにして、分離培養により同定された同定微生物が確定する。微生物推定モデル42により、コロニー画像に相応しい同定微生物の候補の信頼度が出力されるので、作業者は、出力された候補の信頼度を確認した上で、同定微生物を適切に決定することができる。
演算部21は、次に、釣菌を行うか否かを判定する(S214)。例えば、演算部21は、釣菌を行うか否かの選択を促すためのメッセージを表示部26に表示し、作業者が操作部25を操作することによる釣菌を行うか否かの選択を受け付ける。釣菌を行うとの選択を受け付けた場合に、演算部21は、釣菌を行うと判定する。釣菌を行う場合は(S214:YES)、演算部21は、分離培養後の培地から微生物を採取すべきコロニーの指定を受け付ける(S215)。
図27に示す例では、「サルモネラ菌」と推定された微生物のコロニー画像が属するクラスタにおいて、特徴量空間の中心に最も近く、クラスタを代表する代表コロニー画像が太線の円で囲まれている。また、特徴量空間の中心座標から最も離れた境界コロニーが破線の円で囲まれており、代表コロニーと境界コロニーの中間のコロニーは、細線の円で囲まれている。
同一の微生物のコロニーであると推定される複数のコロニーが存在する場合には、代表コロニー画像に対応するコロニーを優先的に選択して釣菌することが望ましい。同一の微生物の複数のコロニーから釣菌を行なう場合には、代表コロニー画像に対応するコロニーの次に、境界コロニーに対応するコロニーを優先的に選択することが望ましい。図27に示す如き培養画像を使用することにより、作業者は釣菌を行なうコロニーを適切に選択できる。
作業者は、操作部25を操作してダブルクリック等の操作を行なうことにより、コロニー画像を選択する。培地から微生物を採取すべきコロニーとして、選択されたコロニー画像に対応するコロニーが指定される。演算部21は、選択されたコロニー画像に選択マーク631を重畳表示する。コロニー画像が微生物の種類別に表示されるので、作業者が微生物の種類別にコロニーを指定することが容易となる。
演算部21は、図示しない自動釣菌装置に、指定されたコロニーから微生物を採取する釣菌を実行させる釣菌制御を行う(S216)。例えば、自動釣菌装置は、通信ネットワーク3に接続されているか、又は第2検査支援装置2に接続されている。例えば、S216では、演算部21は、選択されたコロニー画像の培養画像中での位置に基づいて、指定されたコロニーの培地中での位置を特定し、特定した位置を自動釣菌装置へ送信し、自動釣菌装置は、特定された位置にある微生物を採取する。採取された微生物は、検査で試料として用いられる。
S216が終了した後、培養画像が無い場合(S207:NO)、又は釣菌を行わない場合(S214:NO)、演算部21は、鏡検および培養同定以外の他の検査による検査結果を取得する(S217)。例えば、他の検査結果は記憶部23に記憶されており、演算部21は、記憶部23から患者に関する他の検査結果を読み出す。演算部21は、第2検査支援装置2外の記憶装置から通信ネットワーク3を通じて他の検査結果を読み出してもよい。
演算部21は、他の検査結果を出力する(S218)。S218では、演算部21は、他の検査結果を含む検査支援画像を表示部26に表示する。他の検査結果として、他の検査により同定された同定微生物の候補、および当該候補の信頼度が表示される。図25に示した例では、個別検査欄61は、質量分析欄64および遺伝子検査欄65を含む。
図28は、質量分析欄64および遺伝子検査欄65の例を示す模式図である。質量分析欄64には、TOF-MSを用いて検体を分析した結果が表示されている。図28に示した例では、検体に含まれる微生物が「サルモネラ菌」である信頼度(確率)が95%であり、「ブドウ球菌」である信頼度が95%である。遺伝子検査欄65には、PCRを用いて検体を分析した結果が表示されている。演算部21は、検査支援画像を用いて更にその他の検査による検査結果を表示してもよい。
演算部21は、次に、検査支援画像を利用して、作業者が操作部25を操作することにより、同定微生物を受け付ける(S219)。図28に示すように、質量分析欄64には、夫々の同定微生物の候補に対応付けたチェックボックスが並んだ決定列が含まれている。作業者は、表示された同定微生物の確率を参照しながら、自己の判断により同定微生物を選択する。作業者は、操作部25を操作して、いずれかのチェックボックスを選択することにより、チェックボックスに対応する同定微生物を選択する。演算部21は、選択を受け付けたチェックボックスを黒四角で示す。図28には、同定微生物が「サルモネラ菌」および「ブドウ球菌」である例を示す。このようにして、他の検査により同定された同定微生物が確定する。更にその他の検査による検査結果が表示される場合でも、同様にして、同定微生物の受付が行われる。
演算部21は、次に、複数の検査方法による検査結果に基づいて総合的に判定を行う総合判定を行うか否かを判定する(S220)。例えば、必要な検査が全て完了している場合に、演算部21は、総合判定を行うと判定する。総合判定を行わない場合は(S220:NO)、演算部21は、検査の作業および検査結果の評価を支援するための処理を終了する。
総合判定を行う場合は(S220:YES)、演算部21は、複数の検査方法による微生物の同定結果を微生物総合判定モデル44へ入力する(S221)。微生物総合判定モデル44は、微生物の同定結果の入力に応じて、夫々の検査方法による同定結果の信憑度を確率で出力する。演算部21は、夫々の検査方法による同定結果の信憑度を出力する(S222)。S222では、演算部21は、複数の検査方法の夫々について、同定微生物を表示し、同定結果の信憑度を表示した統合欄66を含む検査支援画像を表示部26に表示する。
図29は、統合欄66の例を示す模式図である。統合欄66には、複数の検査方法により同定された同定微生物が一覧表示される。統合欄66に含まれる推薦列の数字は、同定方法として表示された夫々の検査方法によって微生物を同定した結果の信憑度を示す。検査方法別に同定結果の信憑度が得られ、作業者は、信憑度を参考にして検査結果を評価することができる。統合欄66には、薬剤感受性試験の結果が含まれている。なお、統合欄66に表示された内容を確認した作業者が操作部25を操作することにより、報告すべき検査結果を選択してもよい。
演算部21は、次に、複数の検査結果および検査依頼の間に齟齬がある異常の有無を判定する(S223)。S223では、演算部21は、複数の検査結果と依頼データ232が表す検査依頼の内容とを比較し、互いに齟齬があるか否かを判定する。演算部21は、次に、S223での判定結果に基づいて、異常検知、微生物の名称不一致、および微生物の特徴不一致の結果を出力する(S224)。S224では、演算部21は、異常検知、微生物の名称不一致、および微生物の特徴不一致の結果を表示した検証欄67を含む検査支援画像を表示部26に表示する。
図30は、検証欄67の例を示す模式図である。検証欄67には、異常検知欄671、名称不一致欄672および特徴不一致欄673が含まれる。異常検知欄671には、検査結果と検査依頼とを対比した異常の有無が表示される。例えば、検査依頼に含まれる検査項目と実際に行われた検査の内容とに齟齬がある場合に、異常があることを示す「+」が表示される。また、例えば、検査依頼に含まれる患者情報と検査結果とに齟齬がある場合、又は検査依頼に含まれる目的微生物の名称と同定微生物の名称とに齟齬がある場合、異常があることを示す「+」が表示される。
名称不一致欄672には、検査依頼に含まれる目的微生物と、同定微生物との間の名称不一致の有無が表示される。図30に示す例では、目的微生物が「サルモネラ菌」および「腸炎ビブリオ」であり、同定微生物が「サルモネラ菌」および「ブドウ球菌」であり、目的微生物と同定微生物とは完全には一致しない。目的微生物と同定微生物との名称が一致しない場合は、名称が不一致であることを示す「+」が表示される。
特徴不一致欄673には、鏡検により得られた微生物の特徴と、分離培養された微生物の観察により得られた微生物の特徴との間の不一致の有無が表示される。例えば、鏡検画像を用いた処理により得られた微生物の特徴と、培養画像を用いた処理により得られた微生物の特徴との間の不一致の有無が表示される。図30に示す例では、グラム染色の特性と、微生物の形態とが不一致になっている。微生物の特徴が一致しない場合は、特徴が不一致であることを示す「+」が表示される。
演算部21は、次に、異常についての確認を受け付ける(S225)。作業者は、検証欄67に表示された異常の有無、および異常の内容を検討し、問題があるか否かを判断する。問題がある場合は、再検査の実施等の作業を行う。問題が無いと判断した場合は、作業者は、操作部25を操作して、検証欄67に表示されたチェックマークを入力する。チェックマークの入力により、演算部21は、異常についての確認を受け付ける。複数の検査方法を用いて実施した検査結果を統合して、検証することにより、検査のミスおよび漏れ等のトラブルの可能性を検知できる。
演算部21は、次に、検査機関で行われた患者に関する検査結果を医療機関へ送信する(S226)。S226では、演算部21は、例えば、通信部27に、通信ネットワーク3を介して、医療機関に管理されているコンピュータへ検査結果を送信させる。例えば、検査結果は、第1検査支援装置1へ送信される。第2検査支援装置2は、検査の作業および検査結果の評価を支援するための処理を以上で終了する。
以上のように、本実施形態においては、第2検査支援装置2は、図25に例示した検査支援画像を表示し、技師等の作業者が検査を行い、検査結果を評価することを支援する。第2検査支援装置2は、微生物推定モデル42を用いて、患者情報、検体画像および検体情報から、検体中の微生物を推定した同定微生物の候補および当該候補の信頼度を生成する。患者情報、検体画像および検体情報に相応しい同定微生物の候補および候補の信頼度が得られるので、作業者は、同定微生物の候補および候補の信頼度を確認した上で、同定微生物を適切に決定することを容易に行うことができる。このため、作業者の個人的な技量に過度に依存することなく、安定した品質で微生物を同定するための検査を行うことが可能となる。従って、微生物を同定する検査を効率化することができる。
なお、本実施形態では、検体の内容を採取部位および検体材料で表す例を示したが、検体の内容は採取部位のみで表されてもよく、検体材料のみで表されてもよい。また、本実施形態では、微生物が細菌である例を主に示したが、ウイルス等の細菌以外の微生物に関しても、同様の処理が行われる。また、本実施の形態においては、医療機関および検査機関が一つずつである例を示したが、医療機関又は検査機関は複数であってもよい。例えば、医療機関が複数存在し、複数の第1検査支援装置1が通信ネットワークに接続されており、検査機関は複数の医療機関から検査依頼を受けてもよい。
本発明は上述した実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
100 検査支援システム
1 第1検査支援装置
2 第2検査支援装置
10、20 記録媒体
11、21 演算部
13、23 記憶部
131、231 コンピュータプログラム
3 通信ネットワーク
41 検査内容推薦モデル(第1学習モデル)
411 検体推薦モデル
412 微生物推薦モデル
413 項目推薦モデル
42 微生物推定モデル(第2学習モデル)
421 染色特性判定モデル
422 形態判定モデル
423 代謝性判定モデル
424 微生物判定モデル
43 コロニー分類モデル(第3学習モデル)
44 微生物総合判定モデル(第4学習モデル)

Claims (17)

  1. 患者に感染している微生物を同定する検査を支援する方法であって、
    前記患者の症状を含む患者情報を取得し、
    前記患者情報を入力した場合に、前記患者から採取すべき検体の候補の推奨度、同定すべき目的微生物の候補の推奨度、および検査の方法を示す検査項目の候補の推奨度を出力する第1学習モデルへ、取得した前記患者情報を入力し、
    前記検体の候補、前記目的微生物の候補および前記検査項目の候補、並びに前記第1学習モデルが出力した、前記検体の候補の推奨度、前記目的微生物の候補の推奨度および前記検査項目の候補の推奨度を出力すること
    を特徴とする検査支援方法。
  2. 前記第1学習モデルは、前記患者情報を入力した場合に前記検体の候補の推奨度を出力する検体推薦モデルを含み、
    前記検体推薦モデルへ、取得した前記患者情報を入力し、
    前記検体の候補、および前記検体推薦モデルが出力した前記推奨度を出力すること
    を特徴とする請求項1に記載の検査支援方法。
  3. 前記第1学習モデルは、前記患者情報および前記検体を入力した場合に、前記目的微生物の候補の推奨度を出力する微生物推薦モデルを含み、
    前記検体の指定を受け付け、
    前記微生物推薦モデルへ、前記患者情報、および指定を受け付けた前記検体とを入力し、
    前記目的微生物の候補、および前記微生物推薦モデルが出力した前記推奨度を出力すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の検査支援方法。
  4. 前記第1学習モデルは、前記患者情報、前記検体および前記目的微生物を入力した場合に、前記検査項目の候補の推奨度を出力する項目推薦モデルを含み、
    前記検体および前記目的微生物の指定を受け付け、
    前記項目推薦モデルへ、前記患者情報と、指定を受け付けた前記検体および前記目的微生物とを入力し、
    前記検査項目の候補、および前記項目推薦モデルが出力した前記推奨度を出力すること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の検査支援方法。
  5. 前記患者情報を取得し、
    前記患者から採取した検体の一部又は培養された前記検体中の微生物のコロニーを撮影した検体画像を取得し、
    前記検体の種類を含む前記検体画像に関する検体情報を取得し、
    前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報を入力した場合に、前記検体中の微生物を推定した同定微生物の候補の信頼度を出力する第2学習モデルへ、取得した前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報を入力し、
    前記同定微生物の候補、および前記第2学習モデルが出力した前記信頼度を出力すること
    を特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の検査支援方法。
  6. 前記第2学習モデルは、前記検体画像を入力した場合に前記検体中の微生物の染色特性の推定結果を出力する染色特性判定モデルを含み、
    前記染色特性判定モデルへ、取得した前記検体画像を入力し、
    前記染色特性判定モデルが出力した前記染色特性の推定結果を出力すること
    を特徴とする請求項5に記載の検査支援方法。
  7. 前記第2学習モデルは、前記検体画像および前記検体情報を入力した場合に前記検体中の微生物の形態の推定結果を出力する形態判定モデルを含み、
    前記形態判定モデルへ、取得した前記検体画像および前記検体情報を入力し、
    前記形態判定モデルが出力した前記形態の推定結果を出力すること
    を特徴とする請求項5又は6に記載の検査支援方法。
  8. 前記第2学習モデルは、前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報を入力した場合に前記検体中の微生物の酸素代謝性の推定結果を出力する代謝性判定モデルを含み、
    前記代謝性判定モデルへ、取得した前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報を入力し、
    前記代謝性判定モデルが出力した前記酸素代謝性の推定結果を出力すること
    を特徴とする請求項5乃至7のいずれか一つに記載の検査支援方法。
  9. 前記第2学習モデルは、前記患者情報、前記検体画像、前記検体情報、前記検体中の微生物の染色特性、前記微生物の形態および前記微生物の酸素代謝性を入力した場合に、前記同定微生物の候補の信頼度を出力する微生物判定モデルを含み、
    前記微生物判定モデルへ、取得した前記患者情報、前記検体画像および前記検体情報、並びに前記染色特性、前記形態および前記酸素代謝性を入力し、
    前記同定微生物の候補、および前記微生物判定モデルが出力した前記信頼度を出力すること
    を特徴とする請求項5乃至8のいずれか一つに記載の検査支援方法。
  10. 前記検体を用いて分離培養を行った培地を撮影した培養画像を取得し、
    前記培養画像を入力した場合に、前記培養画像から微生物のコロニーが映った一又は複数のコロニー画像を抽出し、前記コロニー画像を一又は複数の種類に分類し、分類されたコロニー画像を出力する第3学習モデルへ、取得した前記培養画像を入力し、
    前記第2学習モデルへ、前記患者情報および前記検体情報を入力し、前記検体画像として、前記第3学習モデルが出力した前記コロニー画像を入力し、
    前記同定微生物の候補、および前記第2学習モデルが出力した前記信頼度を出力すること
    を特徴とする請求項5乃至9のいずれか一つに記載の検査支援方法。
  11. 分類された前記コロニー画像を、前記培地から採取すべき微生物のコロニーの候補として出力し、
    前記コロニーの候補の信頼度を出力し、
    前記培地から採取すべき微生物のコロニーの指定を受け付けること
    を特徴とする請求項10に記載の検査支援方法。
  12. 前記検体画像を用いた検査方法を含む複数の検査方法により前記検体中の微生物を同定した同定結果を入力した場合に各検査方法での前記同定結果の信憑度を出力する第4学習モデルへ、各検査方法での前記同定結果を入力し、
    前記第4学習モデルが出力した各検査方法での前記同定結果の信憑度を出力すること
    を特徴とする請求項5乃至11のいずれか一つに記載の検査支援方法。
  13. 前記検査の方法を指定した検査項目を取得し、
    取得した前記検査項目と実際に行われた前記検査の方法とが一致するか否かを判定し、
    判定結果を出力すること
    を特徴とする請求項5乃至12のいずれか一つに記載の検査支援方法。
  14. 前記検査の目的となる微生物である目的微生物を取得し、
    前記検体画像を用いた検査方法を含む検査方法により前記検体中の微生物を同定した同定結果と前記目的微生物とが一致するか否かを判定し、
    判定結果を出力すること
    を特徴とする請求項5乃至13のいずれか一つに記載の検査支援方法。
  15. 前記検体画像を用いた検査方法を含む複数の検査方法により同定した前記検体中の微生物の特徴が互いに一致するか否かを判定し、
    判定結果を出力すること
    を特徴とする請求項5乃至14のいずれか一つに記載の検査支援方法。
  16. 患者に感染している微生物を同定する検査を支援する第1検査支援装置であって、
    前記患者の症状を含む患者情報を取得する第1取得部と、
    前記患者情報を入力した場合に、前記患者から採取すべき検体の候補の推奨度、同定すべき目的微生物の候補の推奨度、および検査の方法を示す検査項目の候補の推奨度を出力する第1学習モデルと、
    取得した前記患者情報を前記第1学習モデルへ入力する第1入力部と、
    前記検体の候補、前記目的微生物の候補および前記検査項目の候補、並びに前記第1学習モデルが出力した、前記検体の候補の推奨度、前記目的微生物の候補の推奨度および前記検査項目の候補の推奨度を出力する第1出力部と
    を備えることを特徴とする第1検査支援装置。
  17. コンピュータに、患者に感染している微生物を同定する検査を支援するための処理を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記患者の症状を含む患者情報を取得し、
    前記患者情報を入力した場合に、前記患者から採取すべき検体の候補の推奨度、同定すべき目的微生物の候補の推奨度、および検査の方法を示す検査項目の候補の推奨度を出力する第1学習モデルへ、取得した前記患者情報を入力し、
    前記検体の候補、前記目的微生物の候補および前記検査項目の候補、並びに前記第1学習モデルが出力した、前記検体の候補の推奨度、前記目的微生物の候補の推奨度および前記検査項目の候補の推奨度を出力し、
    前記検体、前記目的微生物および前記検査項目の指定を受け付ける
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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