JP7361252B1 - 運転適性検査プログラム、運転適性検査システム - Google Patents

運転適性検査プログラム、運転適性検査システム Download PDF

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Abstract

【課題】従来紙ベースで行われている運転適性検査を、オンラインで実現する。採点時間の短縮と採点精度の向上を図るほか、受検者・受検機関双方の利便性を向上する。【解決手段】コンピュータを、受検者情報登録手段、検査問題出題手段、解答入力受付手段、および評価算出手段として機能させ、前記受検者情報登録手段で取得している受検者の年齢と、前記解答入力受付手段で取得している解答とから、前記評価算出手段により評価を算出し、受検者の運転適性を導出する、運転適性検査プログラム1を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、運転適性検査プログラム、運転適性検査システムに関するものである。
あらゆる産業においてIT化が進んでいる。例えば教育・資格業界などにおいて、紙ベースの試験の代わりに、パーソナルコンピュータ(PC)端末を用いて試験を行うCBT(Computer Based Testing)や、IBT(Internet Based Testing)などが導入されている。
紙ベースで行われる試験(検査)として、運転適性検査がある。運転適性検査は、自動車教習所などで行われ、個々の運転者における運転の癖や性格を把握し、教習等に役立てるためのものである。
この運転適性検査として、警察庁方式運転適性検査K-1、K-2(以下「警察庁方式運転適性検査K型」とする。)や、OD式安全性テストが知られている。どちらも長年の実績を有し、高い信頼性を有する。
警察庁方式運転適性検査K型では、自動車運転における事故傾向と関連性の深い要素、動作の正確さ、動作の速さ、精神的活動性、衝動抑制性、情緒安定性について検査し、被検者の適性等を把握する。
OD式安全性テストでは、運転適性度と安全運転度の2軸から、被検者の適正パターンを安全運転タイプ、もらい事故傾向タイプ、重大事故傾向タイプ、自己違反多発傾向タイプに分類する。
どちらの試験も、被検者の適性等を客観視できるようにすることにより、被検者の以後の運転に役立て、事故の防止を図る。
警察庁方式運転適性検査K型、OD式安全性テストのいずれも、問題用紙を用いた筆記式で行われる。
しかしながら、このような紙ベースの検査は、少なくとも試験監督者や採点者といった人的資源が必須となる。また採点に際して、誰もが採点できるわけではなく、採点を行う者には採点のための教育を受けることなどが求められる。
例えば、警察庁方式運転適性検査K型について、非特許文献1には、「警察の担当者は、民間事業場等の運転適性検査・指導者による的確な検査・指導が行われるよう定期的に研修連絡会を開催するなど指導監督の体制を整えること」と記載されている。
また、受検者の視点で見ると、紙ベースの運転適性検査は、所定の時間に所定の場所に赴く必要があるため、日程の確保が必要になる。
さらに、紙ベースの運転適性検査は、採点を人手で行う都合上、検査後すぐに検査結果が得られるわけではなく、結果を得るまでに一定の時間が必要となる。
多くの運転者が、自己の運転適性を把握するために、運転適性検査を積極的に活用することは、事故の防止につながり、安全・安心な社会の実現のためにも好ましい。
しかしながら上記のように、日程の確保が必要であることや、検査から結果取得までに日数を要することは、運転適性検査の受けるモチベーションに影響し得る。
よって、紙ベースの検査を、PC端末等で行えるようにし、受検しやすくすることが求められる。
運転適性検査がPC端末で行えるようになるとすると、受検機関(自動車学校等)にとっては、採点の手間が大幅に削減されるという利点がある。
また受検者にとっては、受検機関のPC端末を予約すればよく、好きな時間に受検できるようになり得る利点がある。また、採点をコンピュータで行う関係上、結果を得るまでの時間が大幅に短縮され得る。
さらに、運転適性検査を自身のスマートフォンで受けられるのであれば、さらに受検率は高くなると考えられる。
また、紙ベースの検査の場合、検査用紙が一般に公開され、事前に練習できるとすると、適正な評価が行われないこととなる。よって、検査用紙又は使用済みの用紙は、受検機関等の責任者が管理して散逸を防止することが求められる。
特許文献1には、高い信頼度で被験者の運転適性を診断することができるとともに、被験者の操作を非常に容易なものとして被験者の負担を軽減することが可能である運転適性診断装置が開示されている。
特許第5674034号公報
性格等に関する運転適性検査の積極的な活用について(通達)(平成31年3月27日付け警察庁丙運発第11号、丙交企発第50号)
しかしながら、特許文献1で開示されている発明は、例えば反射神経などの運動能力を測定することはできても、自動車運転における事故傾向と関連性の深い要素の多くを網羅するものではない。
運転適性検査をPC端末で実現する手法は種々考えられる。その一つには、長年の実績を活用するという意味で、現行の紙ベースで行われる運転適性検査に近い検査を、PC端末で実現することが考えられる。この場合、紙ベースによる検査とPC端末(CBT)による検査で生じる差異を検証し、それを検査にフィードバックして実績を積み上げることが考えられる。
ただし、これらの検証や実績の積み重ねには相当の時間を要することから、例えばCBTなど、オンラインで受検可能な運転適性検査システムが早期に実現されることが望ましい。
ここで別の課題として、紙ベースの検査とPC端末による検査で生じる差異が挙げられる。例えば、動作の正確さ、動作の速さの検査に際して、制限時間内にできるだけ多くの図形を受検者に記述させるような検査がある。この場合、筆記具を用いることが前提であるため、PC端末での再現が困難である。タッチパネルディスプレイとタッチペンを用いることも考えられるが、この場合、PCの解像度等の関係上、紙の検査で記述されるような、小さな図形では読み取りが難しいなどの技術的課題が生じてくる。さらに、記述された図形の形状の判断をどのように行うかも問題となる。
解決しようとする課題は、現在紙ベースで行われている運転適性検査の、オンラインでの実現である。そして、解決しようとする問題点は、紙ベースで行われている検査において、採点に時間がかかる点や、採点に誤りが生じる可能性がある点である。
さらに、上記のほかに解決しようとする課題は、検査における評価基準を非公開にしつつ、受検者・受検機関双方の利便性を向上することである。
本発明は、コンピュータを、受検者情報登録手段と、検査問題出題手段と、解答入力受付手段と、評価算出手段として機能させ、前記受検者情報登録手段で取得している受検者の年齢と、前記解答入力受付手段で取得している解答とから、前記評価算出手段により評価を算出し、受検者の運転適性を導出することを最も主要な特徴とする。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、例えば以下の手段を採用している。
すなわち、少なくとも受検者の年齢を含む受検者情報を登録する受検者情報登録手段、運転適性に関する検査問題を出題する検査問題出題手段、前記検査問題に設けられている制限時間内において前記受検者の解答入力を受け付ける解答入力受付手段、および、前記受検者の年齢および前記受検者の解答入力を取得し、前記検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出する評価算出手段、としてコンピュータを機能させ、受検者の運転適性を検査するための運転適性検査プログラムを提供する。
本発明の運転適性検査システムは、運転適性検査をオンラインで提供することを可能にする。受検者の年齢などの受検者情報をあらかじめ登録しておき、当該受検者情報と受検者の解答とを取得することで、誤りなくスムースに受検者の評価を算出することができる。
また、本発明の運転適性検査システムにより、受検者や検査機関における検査にかかる負担を減少する。より具体的には、採点時間の大幅な減少と採点精度の向上による受検者の利便性向上や、検定機関の問題管理等に係る負担の減少が挙げられる。また、受検者の利便性の向上により、受検者にとって運転適性試験の受検機会が増加し、より安全な社会を実現することが考えられる。
運転適性検査システム1の概要を示す図(ネットワーク構成図)である。 受検システムのログイン画面を示すである。 受検システムの受検者情報登録画面を示す図である。 受検システムの個人ページ画面を示す図である。 受検システムの検査開始画面を示す図である。 受検システムの検査内容説明画面を示す図である。 受検システムの検査練習画面を示す図である。 受検システムの検査画面(択一式問題)を示す図である。 受検システムの検査画面(計算問題)を示す図である。 受検システムの検査画面(選択型問題)を示す図である。 受検システムの検査中の画面(選択型問題)を示す図である。 受検システムの検査画面(筆記型問題)を示す図である。 受検システムの検査中の画面(筆記型問題)を示す図である。 受検者情報登録処理を示すフローチャートである。 導入処理を示すフローチャートである。 択一式問題出題処理を示すフローチャートである。 計算問題出題処理を示すフローチャートである。 選択型問題出題処理を示すフローチャートである。 筆記型問題出題処理を示すフローチャートである。 択一式問題評価算出処理(または計算問題評価算出処理)を示すアクティビティ図である。 選択型問題評価算出処理を示すアクティビティ図である。 筆記型問題評価算出処理を示すアクティビティ図である。 レ点として描かれ得るイラストの例である(マウスによる筆記入力)。 サーバ10のハードウェア構成図である。 受検者端末20のハードウェア構成図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態では、同一又は対応する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する場合がある。
また、以下に用いる図面は本実施形態を説明するために用いるものであり、実際の装置の構成やユーザーインターフェース(UI)、データベースなどとは異なる場合がある。
(実施形態の概要)
本実施形態の概要について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態の運転適性検査プログラムP1による処理を行うシステム(以下「運転適性検査システム1」とする。)の概要を示す図(ネットワーク図)である。
運転適性検査プログラムP1を備えるサーバ10は、受検者に対し、オンラインで運転適性検査を提供する。すなわち、受検者が扱う受検者端末20は、ネットワークNを通じてサーバ10にアクセスし、一方サーバ10は、そのリクエストを受けて、運転適性検査の問題や、受検結果などのレスポンスを返す。
管理者端末30は、サーバ10の管理等を行うための端末である。
(実施形態の詳細)
以下、本実施形態に係る運転適性検査システム1について、詳細を説明する。運転適性検査システム1は、受検者に対し、運転適性検査をオンラインで提供するためのシステムである。
運転適性検査システム1は、運転適性検査プログラムP1による情報処理が、ハードウェア資源を用いて具体的に実現されるものである。
以下、適性検査システム1を構成する、1.ユーザーインターフェース、2.プログラム処理、3.データ、および4.ハードウェア構成、について順に説明する。
(用語の定義)
ここで、いくつか言葉の定義を行う。
「運転適性検査」は、受検者の運転適性を検査する。運転は、本実施形態において自動車の運転を意味する。
「運転適性」は、運転についての適性である。例えば、動作の正確さ、動作の速さ、精神的活動性、衝動抑制性、情緒安定性などから判断される。
「受検者」は、運転適性検査システム1により運転適性検査を受ける者を意味する。
「管理者」は、運転適性検査システム1を運営し管理する者である。例えば自動車学校やその従業員などが挙げられる。つまり、組織を表すこともあれば、個人を表す場合もある。また、運転適性検査システム1により運転適性検査を行う組織を、検査機関とも記載する場合もある。
このほか、運転適性検査システム1を運営するものでなくても、例えばコンピュータシステムのメンテナンス業者など、システムのメンテナンスを行う者についても管理者と称する場合がある。
「ユーザ」は、上記受検者と管理者との2つの意味を有するが、特に断りが無い場合は受検者を意味する。
「受検システム」は、受検者がアクセスし、操作等を行うシステムを意味する。受検者は、受検システムで運転適性検査を受けることができ、またその結果を参照することができる。受検システムは、運転適性検査システム1により提供される。受検システムは、運転適性検査システム1の中のコンピュータシステム要素を強調したい場合に使用する用語である。
「検査問題」は、運転適性検査を構成し、受検者の運転適性を検査するための問題である。検査問題は例えば、本実施形態の択一式問題、計算問題、選択型問題、筆記型問題などである。
検査問題は、小問を複数含む場合がある。例えば本実施形態の択一式問題(図6など)のように、左側の文字列「あいうえ」と右側の文字列「あいえう」の一致不一致を判断させる問題は、択一式問題の中の1つの小問である。この場合、択一式問題は複数の小問により構成されると言える。
「イラスト」は、絵や写真に限らず、文字(数字含む)、図形、または記号(直線や曲線などの線分を含む)であってもよく、さらにこれらの組み合わせであってもよい。
そのほか、これらの組み合わせにより立体的な形状を表現してもよい。また、イラスト自体に意味があるかないかは問わない。色彩の有無は問わないが、受検者に視認しやすいものが好ましい。
「解答入力」は、受検者による解答の入力である。例えば、本実施形態の択一式問題や選択型問題であれば選択肢の選択や選択解除といった選択入力、本実施形態の計算問題であれば数値入力、本実施形態の筆記型問題であれば筆記入力などである。解答入力があることにより、後述する「得点」や「解答数」などが得られる。
「アンケート」は、受検者についての運転に関する情報を取得するためのアンケートである。
「制限時間」は、検査問題の解答時における、受検者に対する時間的制限である。本実施形態において、択一式問題、計算問題といった個々の検査問題ごとに制限時間が設定されている。ただしこれに限られるものではなく、例えば検査問題全体で1つの制限時間を設定してもよい。
「得点」は、各検査(設問)における受検者の正解数である。検査問題によって得点の内容は異なる。詳細は後述する。
解答数」は、各検査(設問)における受検者の解答の数である。
「誤答数」は、各検査(設問)における受検者の誤答の数である。誤答には、選択肢を誤った場合に限らず、問題を飛ばしてしまった場合も含む。例えば、ある検査において10問目と12問目には解答しているのに、11問目が無解答である場合、その11問目については誤答と判断する。
「評価」は、受検者の年齢と、解答入力の結果(得点、解答数、誤答数など)から、検査問題ごとに算出される値である。本実施形態において、評価は数値で表され、数値が高いほど良い評価である。
ある一つの検査の評価単独により、または、各検査の評価に基づく総合判断により、受検者の運転適性が導出される。
本実施形態において、評価は5段階評価または6段階評価で評価される。各検査の評価が何段階評価によるものかについて特に制限は無いが、3段階以上10段階以下で評価されることが好ましく、3段階以上6段階以下で評価されることがより好ましい。少なすぎると評価が粗くなり、多くなると評価が煩雑になるおそれがあるためである。
ただし、100点満点などの点数で評価する評価方式や、小数点以下の数字を含む点数で評価する評価方式などの場合は、この限りではない。
以下において、「○○」処理と記載している場合、コンピュータのプロセッサは、プログラム格納部に記憶されている「○○」プログラムに基づく処理を実行することを意味する。本段落において、「○○」の箇所には同じ語が入る。
すなわち、「○○」プログラムは、「○○」処理の実行により、コンピュータを「○○」手段として機能させるプログラムである。またこの際、当該プロセッサを備える制御部は、「○○」部(または「○○」装置)としても機能することを意味する。
この場合において、「○○」部は、「○○」プログラムに基づく「○○」処理を実行することを意味する。
例えば、運転適性検査プログラムP1は、運転適性検査処理の実行により、コンピュータを運転適性検査手段として機能させるプログラムである。またこの際、プロセッサ122を備える制御部12は、運転適性検査部130(または運転適性検査装置)として機能する。
運転適性検査システム1において、受検者端末20や管理者端末30などの各装置はそれぞれプロセッサを備えるが、単にプロセッサという場合は、運転適性検査プログラムP1により処理を行うプロセッサ、本実施形態ではサーバ10のプロセッサ122、を指すものとする。
1.ユーザーインターフェース
まず、本実施形態の運転適性検査システム1が受検者端末20に表示させるインターフェース(UI)について、図を用いて説明する。以降で説明するインターフェースは、プロセッサ122が受検者端末20のブラウザに表示させるものである。
なお以下において、簡単のため、「サーバ10のプロセッサ122が、端末(受検者端末20や管理者端末30)からのリクエストを受けて、当該端末のブラウザに表示するためのデータを返す」ことを、「プロセッサ122が端末のブラウザに表示する(させる)」または「プロセッサ122が表示する(させる)」などと記載する場合がある。
また同様に、「サーバ10のプロセッサ122が、記憶部14のデータ記憶部14bにデータを保存させる」ことを、「プロセッサが(データを)保存する(させる)」などと記載する場合がある。
また、以下において、説明に必要な機能に関わるアイコン等のみ表示することとし、それ以外のアイコンなどは省略する。例えば、直前に表示されていたページに戻るための戻るボタンなどは省略している。
いずれのユーザーインターフェースにも共通する要素として、カーソルUI-12がある。カーソルUI-12は、ポインティングデバイスや受検者のタッチに従って動作するものであり、受検者は画面内の任意の場所を選択できる。
カーソルUI-12(UI-13)の操作が特に重要な役割を果たす検査(筆記入力型検査)があるため、こちらについては後述する。
前提として、受検者は、運転適性検査システム1を管理する検査機関に対して運転適性検査を申し込むことで、一意の受検者IDと認証手段を付与される。本実施形態において、認証手段はパスワードである。
受検者IDは、後述する受検者情報データベースD20に記憶される。パスワードは、受検者などが受検システムにアクセスするためのパスワードである。
図2は、受検システムのログイン画面を示す図である。図は、受検者端末20のブラウザに表示されるものを簡略化したものである(以下、画面を示す図について同じ。)。
受検者は、付与された受検者IDとパスワードを、表示されているテキストボックスUI-14に入力し、OKボタンUI-162を押下(クリック)することで、受検システムにログインする。
なお、画面ごとにテキストボックスUI-14やOKボタンUI-162の役割は異なるが、簡単のため同じ符号を付して以下説明する。
プロセッサ122は、受検者IDとパスワードの組み合わせについて認証を行う。認証に成功すると、プロセッサ122は後述の受検者情報登録画面または個人ページ表示画面などを表示させる。
なお、認証手段はパスワード(知識認証)に限られない。例えば、受検者が使用する端末による所有物認証や、生体認証によりログインできるようにしてもよい。
図3は、受検システムの受検者情報登録画面を示す図である。受検者が受検システムに初めてログインする場合、プロセッサ122はこの受検者情報登録画面を表示させる。
受検者は、受検者情報登録画面にて自己の情報(以下「受検者情報」とする。)を登録する。受検者情報は、少なくとも受検者の年齢情報を含む。受検者の年齢が、後述する評価に関わるためである。
受検者情報には、年齢情報のほか、氏名、性別、住所、電話番号などを含み得る。また、図3に示すように、受検者情報には、上記のほか、運転に関する情報を得るためのアンケートなどを含めてもよい。本実施形態において、運転に関する情報を得るためのアンケートは、受検者の運転歴である。
ただし、運転に関する情報を得るための質問はこれに限られるものではなく、免許の色(例えばゴールド免許の有無)、所定の期間内における事故の有無、などであってもよい。この運転に関する情報を含む受検者情報は、後述する機械学習モデルによる推論に用いる。
図3に戻り、受検者がOKボタンUI-162を押下すると、プロセッサ122は受検者情報を受検者情報データベースD20に保存させる。
受検者情報に情報を多く含むほど、後述する分析において、より詳細なデータを集めることができるため、事故防止に役立てやすくなる。例えば、登録情報に住所情報を含める場合、データが蓄積することにより、都道府県別の事故分析などを行うことが想定される。
なお、例えば管理者があらかじめ受検者情報を入力しているなど、運転適性検査システム1が受検者情報を取得済み場合は、この受検者情報登録操作は割愛してもよい。
図4は、受検システムの個人ページ画面を示す図である。プロセッサ122は、ログインしている受検者に応じた内容を表示する。
例えば、受検者が検査を受けたことが無い場合、画面には検査画面表示ボタンUI-164のみが表示される。図4中検査結果参照ボタンUI-166の斜線は、薄く表示されるか、表示されていないことを意味する。また、受検可能な検査が無い場合、プロセッサ122は、検査画面表示ボタンUI-164を表示させないようにしてもよい。
一方、受検者が受検済みで、検査結果が検査結果データベースD22(後述)に保存されている場合、プロセッサ122は検査結果参照ボタンUI-166を表示するようにしてもよい。受検者は検査結果参照ボタンUI-166を押下することで、検査結果参照画面(不図示)に進むことができ、自己の検査結果を閲覧等することができる。
図5は、受検システムの検査開始画面を示す図である。受検者が上述した検査画面表示ボタンUI-164を押下したときに、プロセッサ122が表示する画面である。図5に示すように、受検可能な検査がある場合、プロセッサ122は検査開始ボタンUI-168を表示する。
受検者が検査開始ボタンUI-168を押すと、プロセッサ122は運転適性検査を開始する。
本実施形態において、運転適性検査は、少なくとも2以上の検査問題により行う。例えば、後述する択一式問題、計算問題、選択型問題、および筆記型問題のうち、2以上の組み合わせである。検査に要する時間が妥当な長さである限り、検査問題の数は多いほどよい。
種類の異なる複数の検査問題を用いて、受検者の運転適性を多面的に測定することで、より詳細に受検者の運転適性を把握することができるからである。
なお、2以上の検査問題は、例えば、見本と同じイラストを選択する選択型問題と、見本と異なるイラストを選択する選択型問題の組み合わせであってもよい
プロセッサ122は、各検査で受検者の解答を取得し、評価などを算出する。プログラム処理などの詳細については後述する。
上述したように、受検者の解答(解答入力)は、問題に形式に応じて種々の形式を取り得る。例えば本実施形態において、受検者の解答には選択肢の選択、計算結果の入力、そして筆記入力などが含まれる。
図6は、受検システムの検査内容説明画面を示す図である。受検者に検査の内容を説明するためのページである。
本画面は、プロセッサ122が導入処理(後述)を行うことで端末に表示させる画面である。
例えば、図6に示す択一式問題は、文字列や記号などのイラストが左右に分かれて記載されている。その両方のイラストが一致するか否かについて、受検者に○×(マルバツ)で解答させる問題である。
図6中に見本と書かれている例題において、問題(1)は左右の文字列がともに「123」であるため、正解は○である。同様に問題(2)は左が「あいう」で右が「あうい」なので×、問題(3)は左右の図形列が同一なので○となる。
このように、解答の選択肢が複数ある問題を択一式問題、そのなかで選択肢が2つある問題を二者択一式問題(二択問題)と表記する。
図6に示すように、受検者がOKボタンUI-162を押下するか、所定の時間経過により次のページ、本番の検査に遷移する。
なお、検査ごとに検査の説明が表示されるが(導入処理)、説明画面は上記に準ずるため、以下説明を省略する。
図7は、受検システムの検査練習画面を示す図である。検査内容説明画面のあとに、プロセッサ122が表示する画面である。受検者はこのあとに行われる検査について、数問の練習を行う。練習は、択一式問題や計算問題は2から5問程度、後述する選択型問題や筆記型問題は5~20秒程度であるが、この問題数や制限時間は管理者の設定により適宜変更してよい。
プロセッサ122はブラウザに、択一式問題データベースD122から読み出した練習問題と、解答ボタンUI-170とを表示させる。問題には表示されている問題が何問目であるかを示す問題番号が付される。
本検査は二者択一式問題であるため、解答ボタンUI-170は図7に示す通り、「○」と「×」の2つである。
受検者が解答ボタンUI-170を押下(クリック)すると、プロセッサ122は次の問題を表示する。
なお、本実施形態において、練習問題は練習問題用の問題を択一式問題データベースD122に記録しているが、練習に続く本検査の問題から流用してもよい。
また、検査ごとに練習問題が表示されるが(導入処理)、練習問題の内容は上記に準ずるため、以下説明を省略する。
図8は、受検システムの検査画面(択一式問題)を示す図である。上記で説明したように、プロセッサ122はブラウザに、択一式問題データベースD122から読み出した問題と、解答ボタンUI-170とを表示させる。重複する部分は説明を割愛する。
受検者が解答ボタンUI-170を押下すると、プロセッサ122はただちに次の問題を表示させる(次の問題を出題する)。
また、受検者の個々の解答は、プロセッサ122が択一式問題受検者解答データベースD222に保存させる。
制限時間が経過するまで、または、制限時間内に本検査のすべての問題について解答されるまで、プロセッサ122は出題し、または受検者の解答入力を待ち受ける。詳細はプログラム処理のところで説明する。
なお本実施形態の検査において、問題数は十分に用意されており、受検者が制限時間内にすべての問題を解き切るケースはまれである。つまり原則として、受検者は制限時間いっぱいまで問題に解答し続けることになる。これは、本実施形態に係る以降の検査でも同様である。
出題される問題は、後半になるほど難しくなるように設定してもよい。例えば、図8は左右の文字列がそれぞれ4文字であるが、後半の問題ではこれを5文字や6文字にしてもよい。この設定は、運転適性検査システム1の管理者が適宜変更することができる。そのための問題は、択一式問題データベースD122にあらかじめ保存される。
ここで、検査についていくつか補足する。
上記択一式問題に限らず、本実施形態のすべての検査は、制限時間が設定されている。練習問題と本番の問題のいずれも、最初の問題が表示されると共にカウントダウンがスタートする。カウントがゼロになると(制限時間が経過すると)、その検査は終了する。詳細は後述のフローチャートで説明する。カウントダウンはサーバ10の計時部128が行うが、これに限らない。
また本実施形態において、プロセッサ122は制限時間や残り時間を受検者端末20のブラウザ上に表示させないが、表示させるようにしてもよい。また、制限時間は、運転適性検査システム1の管理者が設定により適宜変更することができる。
なお、出題される問題は、後述する検査問題データベースD12に個々の問題を1問ずつ格納しておき、プロセッサ122がそこからランダムに問題を出題してもよいし、すべての問題が固定であってもよい。これは以下で説明する検査でも同様である。
すべての問題が固定である場合、各受検者に対して同一の問題を出題することで、極めて信頼度の高い統計データが取得できるという利点がある。
一方、ランダムに問題を出題する場合、出題と実際の運転傾向を見ながら、運転適性検査システムを動的に改良できるほか、心理学等の研究結果を踏まえて問題を改良することができるといった利点がある。
図9は、受検システムの検査画面(計算問題)を示す図である。計算問題は、2から5桁程度の四則演算である。
図9に示すように、プロセッサ122はブラウザに、計算問題データベースD124から読み出した問題を表示し、受検者はテキストボックスUI-14に解答を入力する。受検者が解答入力後、OKボタンUI-162を押下すると、プロセッサ122が次の問題を表示する。
図9の例の場合、受検者はテキストボックスに、引き算「321-111=」の解答である「210」を入力し、OKボタンUI-162を押下する。
また、受検者の個々の解答は、プロセッサ122が計算問題受検者解答データベースD224に保存する。
なお、解答入力は、受検者端末20に付属するキーボードやテンキーなどの入力装置によるものであってもよいし、図9に示すように、プロセッサ122が画面上にテンキーUI-172を表示し、そのテンキーUI-172からの入力を受け付ける形でもよい。図9に示すように、テンキーUI-172は、0から9の数字のほか、入力した数字を消去するクリアキー(CL)や、OKボタンを備えてもよい。
図10は、受検システムの検査画面(選択型問題)を示す図である。本実施形態の選択型問題は、画面上部に表示される見本と同一の(見本と一致する)イラストを、受検者が選択肢から探して選択する形式の問題である。
なお、他の実施例である、見本と同一のイラストを除外する問題については後述する。
プロセッサ122はブラウザ上に、選択型問題データベースD126から読み出した複数のイラストを選択肢として表示する。図10に示すように、本実施形態では、16個のイラストが表示されている。この選択対象のイラスト(ここでは16個のイラスト)を「選択肢群」とする。
受検者は、この選択肢群のなかから、見本と同じイラストを選択する。図10において、見本と同じイラストは1、5、12、および14番目の図形である。
また、受検者の個々の解答は、プロセッサ122が選択型問題受検者解答データベースD226に保存させる。
ここで、プロセッサ122は、イラストごとに選択入力受付領域UI-182を設定する。図10において、選択入力受付領域UI-182は点線の四角で表示されている。図を煩雑にしない都合上、選択入力受付領域UI-182は1番目のイラストと9番目のイラストにのみ表示しているが、プロセッサ122はすべての選択肢に選択入力受付領域UI-182を設定する。
この選択入力受付領域UI-182にカーソルUI-12を重ね、受検者がクリック(またはタップ)すると、プロセッサ122は、イラスト上部に表示されている数字部分の表示を変更する。
例えば、受検者が当該領域を一度クリックすると、数字に重なるように○が表示され、もう一度クリックすると、数字に重なるように×が表示される。さらにクリックすると○が表示されるといったように、クリックするごとに○と×が交互に表示される。
つまり、受検者による選択肢への選択入力を受け付けて、プロセッサ122は、当該選択肢の表示を変更する。以下に図面を用いて例示する。
図11は、受検システムの検査中の画面(選択型問題)を示す図である。受検者が途中まで解答を終えた段階の画面を示している。図11において、受検者は選択肢群のうち、9つ目まで解答を終えている状態である。受検者の選択により、9つのイラストの番号それぞれに○や×が付されている。
受検者は、16問目まで解答したところでOKボタンUI-162を押下する。プロセッサ122は、OKボタンUI-162が押下されたこと、つまりOKボタンUI-162への入力を受け付けて、次の16の選択肢群(17から32個目のイラスト)を表示する。
なお、OKボタンUI-162を表示せず、画面上にある最後の問題(図11の場合は16問目)についてユーザが入力(クリック)を終えてから、無操作の状態が所定の時間が続いた場合(例えば1秒間操作が無い場合)に、自動的に次の選択肢群を表示するようにしてもよい。
図12は、受検システムの検査画面(筆記型問題)を示す図である。プロセッサ122はブラウザ上に、筆記枠UI-184で囲われた領域(以下、「筆記入力受付領域UI-186」とする。)を表示する。プロセッサ122は必要なデータを、筆記型問題データベースD128から読み出す。
筆記型問題は、課題となるイラストを受検者に筆記させる問題である。筆記型問題において、受検者は、筆記入力受付領域UI-186内に課題となるイラストを次々と筆記するが、制限時間が経過するまで当該筆記作業を繰り返す。本実施形態において、受検者が筆記入力するイラストは「レ点」である。
また、受検者の個々の解答は、プロセッサ122が筆記型問題受検者解答データベースD228に保存させる。
本実施形態において、筆記型問題の場合、プロセッサ122はカーソルUI-12に代えて鉛筆型のカーソルUI-13を表示する。これは、カーソルの機能がポインティングではなく、筆記入力であることをわかりやすくするためである。
プロセッサ122は筆記入力受付領域UI-186内に限り、筆記入力を受け付ける。受検者は、カーソルUI-13をマウス等で操作し、筆記入力受付領域にイラストを筆記入力する。
具体的には、筆記枠UI-184が表示されたあと、受検者が筆記入力受付領域UI-186でクリック(例えば左クリック)をしている場合に限り、筆記入力受付領域UI-186に筆記入力をすることができる。つまり、受検者はクリックしている状態を維持したまま、マウス等を操作してイラスト(レ点)を描く必要がある。
受検者端末20がスマートフォンの場合、受検者は、指やタッチペンなどをタッチパネル(表示部282)に接触させたままイラスト(レ点)を描く必要がある。
図12には筆記枠UI-184が1つしか表示されていないが、本実施形態において、受検者が一つのイラスト(ここではレ点)を筆記入力し終わると、その受検者が入力したイラストが消滅し、空欄の筆記枠UI-184が残るよう表示される。
図13は、受検システムの検査中の画面(筆記型問題)を示す図である。本実施形態において、受検者が筆記入力受付領域UI-186にイラストを筆記入力した後、クリック(タッチ)状態を解除したときの状態変化を示している。
クリック(タッチ)状態を解除したとき、記入済みのイラストは消滅する(フェードアウトする)。図13は、筆記入力済みのイラストが消滅していく様子を点線で示している。消滅後、プロセッサ122は再び筆記入力を受け付ける。
なお、クリック(タッチ)状態解除から再度の筆記入力受付まで、わずかながら入力受付を行わない時間があるが、この時間の長さは管理者が適宜設定することができる。
なお本実施形態において、図形の描き直しはできない。筆記枠UI-184内でクリック(またはタッチ)した後、クリック(タッチ)状態を解除すると、その受検者が入力したイラストが消滅するからである。
本実施形態において、課題となるイラスト(筆記入力の対象)はレ点であったが、課題となるイラストはこれに限られない。縦線や横線、斜線などの線分であってもよいし、平仮名の「し」や「つ」、アルファベットの「S」や「L」などの文字、または「2」や「6」などの数字であってもよい。さらに、例えば丸や三角形、四角形などの図形などであってもよい。そのほか、意味を持つ、または、意味を持たない記号であってもよい。
ただし、筆記入力対象は一筆書きできるものが好ましい。本実施形態において、クリック(タッチ)状態の解除をもってプロセッサ122は一つのイラストの入力終了を検知するからである。
本実施形態の運転適性検査システム1において、受検者は受検者情報の登録や解答の入力をグラフィカルユーザインターフェース(以下「GUI」とする。)により行うことができる。これにより、受検者は簡単な操作で運転適性検査を受けることができる。
またレスポンシブデザインに対応することにより、受検者は、PCに限らず、スマートフォンでも運転適性検査を受けることができる。
2.プログラム処理
<運転適性検査処理>
本実施形態の運転適性検査システム1において行われるプログラム処理について説明する。
本実施形態において、プロセッサ122は、運転適性検査プログラムP1に基づき、運転適性検査処理を行う。
より詳細には、運転適性検査プログラムP1は受検者情報登録プログラムP12、検査問題出題プログラムP14、解答入力受付プログラムP16、評価算出プログラムP18を含み、プロセッサ122はこれらの各プログラムに基づいて、受検者情報登録処理、検査問題出題処理、解答入力受付処理、評価算出処理をそれぞれ実行する。
また、運転適性検査プログラムP1は機械学習モデルP20を含む。本実施形態において、機械学習モデルP20として、筆記型問題用学習モデルP22、運転特徴判断用学習モデルP24を含む。
プロセッサ122は、これらの機械学習モデルに基づいて後述する各種判断を行う。
<2-1.受検者情報登録処理>
プロセッサ122は、受検者情報登録プログラムP12に基づき、受検者情報登録処理を行う。
すなわち、受検者情報登録プログラムP12は、プロセッサ122による受検者情報登録処理の実行により、コンピュータを受検者情報登録手段として機能させる。
また、本実施形態において、受検者情報登録手段は「少なくとも受検者の年齢を含む受検者情報を登録する受検者情報登録手段」として機能させる。
図14は、受検者情報登録処理を示すフローチャートである。
プロセッサ122は、ブラウザにログイン画面(図2)を表示させる。また、プロセッサ122は、受検者による受検者IDとパスワードの入力を受け付け、適格者によるログインであるか、認証を行う(ステップ01)。
認証成功後、プロセッサ122はブラウザに受検者情報登録画面(図3)を表示させる。プロセッサ122は受検者情報の入力を受け付け(ステップ02)、入力完了(OKボタンの押下)まで待機する(ステップ03)。OKボタンの入力を受け付けたら入力された受検者情報を含む各種データを保存し(ステップ04)、受検者情報登録処理を終了する。
プロセッサ122は、受検者IDと紐づける形でこの受検者情報を記憶部14に保存する(受検者情報データベースD20)。
なお、ステップ1のログイン認証が失敗した場合、プロセッサ122は、再度入力を求めるか、処理を終了するなどしてよい。
<2-2.検査問題出題処理>
プロセッサ122は、検査問題出題プログラムP14に基づき、検査問題出題処理を行う。
すなわち、検査問題出題プログラムP14は、プロセッサ122による検査問題出題処理の実行により、コンピュータを検査問題出題手段として機能させる。
また、本実施形態において、検査問題出題手段は「運転適性に関する検査問題を出題する検査問題出題手段」である。
本実施形態において、検査問題出題プログラムP14は、択一式問題出題プログラムP142、計算問題出題プログラムP144、選択型問題出題プログラムP146、および筆記型問題出題プログラムP148を含む。
すなわち、プロセッサ122は、択一式問題出題プログラムP142、計算問題出題プログラムP144、選択型問題出題プログラムP146、および筆記型問題出題プログラムP148に基づき、択一式問題出題処理、計算問題出題処理、選択型問題出題処理、および筆記型問題出題処理を行う。
また、これらの各種プログラム(P142、P144、P146、P148)は、サブルーチンとして、導入プログラムP141を備える。
また、これらの各種プログラム(P141、P142、P144、P146、P148)は、解答入力受付プログラムP16を含む。
すなわち、解答入力受付プログラムP16は、プロセッサ122による解答入力受付処理の実行により、コンピュータを解答入力受付手段として機能させる。
また、本実施形態において、解答入力受付手段は、「検査問題に設けられている制限時間内において受検者の解答入力を受け付ける解答入力受付手段」である。
解答入力受付プログラムP16は受検者からの解答入力を受け付けるためのプログラムである。具体的には、解答入力受付プログラムP16によりプロセッサ122は、受検者による解答ボタンU-170やテンキーU-172の押下、または入力受付領域U-18への入力操作を受け付ける。プロセッサ122は、これらの入力操作を受け付けたことをトリガーとして、定められた処理を実行する。
またプロセッサ122は、解答入力受付プログラムP16により、検査問題ごとに設けられている制限時間内において解答入力を受け付ける。
詳細は以下のフローチャートで説明する。
図15は、導入処理を示すフローチャートである。プロセッサ122は、導入プログラムP141に基づき、導入処理を行う。
上述したとおり、プロセッサ122は各検査の最初に、検査の説明と、練習問題を表示する(図6、図7参照)。
図15に示すように、検査を開始すると、プロセッサ122は、検査の内容を説明する文章や画像を表示する(ステップ11)。プロセッサ122はOKボタンの押下入力を受け付けるか、所定の表示時間が経過するまで待機する(ステップ12Yes)。受検者によるOKボタンの押下、または表示時間経過により(ステップ12No)、プロセッサ122は練習問題を表示する(ステップ13)。
練習問題における処理は、本番検査の処理に準ずる。例えば、択一式問題であれば、後述するように、プロセッサ122は問題を表示し(ステップ22)、時間切れになるか(ステップ23No)、最後の問題が終わるまで(ステップ25Yes)問題を出題する。
上述したとおり、練習問題は本番の問題より問題量が少ないか、解答時間が短い。
図15に戻り、プロセッサ122は、練習時間が経過するか、すべての問題への解答が終わるまで待機し(ステップ14No)、練習時間経過か全練習問題の解答終了(ステップ14Yes)により、それぞれのメインプログラムに処理を戻す(リターン処理)。
図16は、択一式問題出題処理を示すフローチャートである。プロセッサ122は、択一式問題出題処理プログラムP142に基づき、択一式問題出題処理を行う。
プロセッサ122は、導入処理ののち(ステップ21)、択一式問題を表示する(ステップ22)。また、プロセッサ122は、問題の表示とともに制限時間のカウントダウンを開始する。最初の問題表示とともに制限時間が開始するのは、以降の出題処理でも同様である。
択一式問題出題処理で設定された制限時間内であれば(ステップ23Yes)、プロセッサ122は受検者からの解答の入力を受け付ける(ステップ24)。プロセッサ122は受検者からの解答の入力があるまで待機する(ステップ24No)。
受検者からの解答の入力があった場合(ステップ24Yes)で、最後の問題が終わっていない場合は(ステップ25No)、次の問題を表示する(ステップ22)。
制限時間が経過する(ステップ23No)か、最後の問題が終わった場合(ステップ25Yes)、プロセッサ122は受検者の解答を含む各種データを保存して(ステップ26)、択一式問題出題処理を終了する。
なお、受検者の解答を保存するタイミングは、処理終了の直前(ここではステップ26)に限られない。例えば、プロセッサ122は、受検者が解答するたびにその解答を保存してもよい。これは、以下の検査でも同様である。
上述したように、「OKボタン」を実装する場合は、解答入力ののちOKボタンの入力を受け付けた場合に、解答入力あり(ステップ24Yes)と判断する。
図17は、計算問題出題処理を示すフローチャートである。プロセッサ122は、計算問題出題処理プログラムP144に基づき、計算問題出題処理を行う。
プロセッサ122は、導入処理ののち(ステップ31)、計算問題を表示する(ステップ32)。計算問題出題処理で設定された制限時間内であれば(ステップ33Yes)、プロセッサ122は受検者からの解答の入力を受け付ける(ステップ34)。プロセッサ122は受検者からの解答の入力があるまで待機する(ステップ34No)。
受検者からの解答の入力がなされてOKボタンが押下(クリック)された場合(ステップ34Yes)で、最後の問題が終わっていない場合は(ステップ35No)、次の問題を表示する(ステップ32)。
制限時間が経過する(ステップ33No)か、最後の問題が終わった場合(ステップ35Yes)、プロセッサ122は受検者の解答を含む各種データを保存して(ステップ36)、択一式問題出題処理を終了する。
図18は、選択型問題出題処理を示すフローチャートである。プロセッサ122は、選択型問題出題処理プログラムP146に基づき、選択型問題出題処理を行う。
プロセッサ122は、導入処理ののち(ステップ41)、見本および選択肢群を表示する(ステップ42)。受検者端末20がパーソナルコンピュータである本実施形態において、選択肢群の数は16個である。受検者端末20の種類、特に出力部28である表示装置の表示領域の大きさに応じて、選択肢群に含まれる選択肢の数は変動してもよい。
選択型問題出題処理で設定された制限時間内であれば(ステップ43Yes)、プロセッサ122は解答受付領域における受検者からの選択入力を受け付ける(ステップ44)。プロセッサ122は、受検者からの選択入力があるまで待機する(ステップ44No)。
受検者からの選択入力があった場合(ステップ44Yes)は、当該選択肢における表示を変更する(ステップ45)。
具体的には、例えば、受検者が選択入力を行った選択肢の番号が「1」である場合、最初の選択入力により、プロセッサ122は1に○を付けたもので表示し、続く選択入力で1に×を付けたものを表示する。これにより、受検者は○か×の選択を容易に入力できる。
またこれにより、受検者が自分の意図する解答ではない解答をしてしまった場合でも、容易に修正が可能となる。例えば、○を選択するつもりが誤って2回選択(クリック)を行ってしまい、×が表示された場合、もう一度当該表示領域をクリックすることで、×を○に修正できる。
図18に示すように、プロセッサ122はOKボタンが押下されるまで待機する(ステップ46)。OKボタンが押されない限り(ステップ46No)、受検者は選択肢群における選択の変更が可能である。
一連の選択肢群のうち、最後の選択肢群までの解答が終わっていない場合(ステップ47No)、プロセッサ122は次の選択肢群を表示する(ステップ42)。ただしこのとき、選択肢群は変わるが、見本のイラストは変わらない。
制限時間が経過する(ステップ43No)か、最後の選択肢群まで解答が終わった場合(ステップ47Yes)、プロセッサ122は受検者の解答を含む各種データを保存して(ステップ48)、選択型問題出題処理を終了する。
図19は、筆記型問題出題処理を示すフローチャートである。プロセッサ122は、筆記型問題出題処理プログラムP148に基づき、筆記型問題出題処理を行う。
プロセッサ122は、導入処理ののち(ステップ51)、画面上に筆記入力受付領域を表示させる(ステップ52、図13参照)。
筆記型問題出題処理で設定された制限時間内であれば(ステップ53Yes)、プロセッサ122は受検者からの筆記入力を受け付ける(ステップ54)。プロセッサ122は、受検者からの筆記入力があるまで待機する(ステップ54No)。
一の筆記入力受付領域について、受検者からの筆記入力が終わった場合(ステップ54Yes)、プロセッサ122は次の筆記入力受付領域を表示する(ステップ52)。
制限時間が経過した場合(ステップ53No)、プロセッサ122は受検者の解答を含む各種データを保存して(ステップ55)、筆記型問題出題処理を終了する。
ここで、解答入力受付処理のうち、課題となるイラストを受検者に筆記させる問題(筆記型問題)において、例えば上記ステップ54のように、筆記入力を受け付ける処理を筆記入力受付処理とする。
つまり、プロセッサ122は、筆記入力受付処理により、コンピュータを筆記入力受付手段として機能させる。
本実施形態において、筆記型問題出題処理が終わるのは制限時間経過時のみである。すなわち、受検者は制限時間いっぱいまで課題となるイラストの筆記入力を繰り返し行う。
<2-3.評価算出処理>
プロセッサ122は、評価算出プログラムP18に基づき、評価算出処理を行う。すなわち、評価算出プログラムP18は、プロセッサ122による評価算出処理の実行により、コンピュータを評価算出手段として機能させる。
評価算出手段は、受検者の年齢および前記受検者の解答入力を取得し、前記検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出する手段である。
本実施形態において、評価算出プログラムP18は、択一式問題評価算出プログラムP182、計算問題評価算出プログラムP184、選択型問題評価算出プログラムP186、および筆記型問題評価算出プログラムP188を含む。
本実施形態において、プロセッサ122は、各検査問題が終了するごとに後述する評価を算出する。例えば、プロセッサ122は、択一式問題出題処理の終了後、択一式問題評価算出処理を行う。つまり、○○問題出題処理のあと○○問題評価算出処理(○○には同じ語が入る)、という流れである。
ただし、以下で説明する評価算出を行うタイミングはこれに限定されない。例えば、プロセッサ122は検査終了時に受検者の解答を記憶部14に記憶させておき、一連の検査が終了したあとにまとめて評価算出してもよい。
そして、すべての検査において評価を算出した後、プロセッサ122は、それらの結果から演算を行い、受検者の運転適性を導出する。
以下、それぞれの検査問題の種類ごとに説明する。
まず、択一式問題評価算出処理について説明する。ただし、本実施形態において、計算問題評価算出処理も同じ図で説明できるため、まとめて説明する。
図20は、択一式問題評価算出処理(または計算問題評価算出処理)を示すアクティビティ図である。プロセッサ122は、択一式問題評価算出プログラムP182または計算問題評価算出プログラムP184に基づき、それぞれ択一式問題評価算出処理または計算問題評価算出処理を行う。
プロセッサ122は、受検者の年齢情報を取得する(ステップ61)。年齢情報は受検者情報データベースD20から取得する。
また、プロセッサ122は、受検者が入力した解答情報を、択一式問題受検者解答データベースD222(または計算問題受検者解答データベースD224)から取得する(ステップ62)。例えば、問題が択一式問題であり、選択肢が「○」、「×」の二者択一である場合(図8参照)、解答データは2値データである。
このほか、問題が択一式問題で、例えば解答選択肢「はい」、「いいえ」、「わからない」から選択する三者択一式の場合、解答データは3値データである。また、問題が計算問題で、解答が受検者により入力される数値である場合、解答データは数値データである。
つづいて、プロセッサ122は、受検者の得点を算出する(ステップ63)。
ここで、択一式問題データベースD122(または計算問題データベースD124)は、問題と、その問題に対する正解データを含む。よって、プロセッサ122は、問題に係る正解データと受検者の解答とを比較し、一致すれば正解として点数を加える(例えば1点)。プロセッサ122は、受検者が解答したすべての問題について点数を評価し、その合計点を得点として算出する。
図20に示すように、プロセッサ122は、受検者の年齢と得点から、評価を算出する(ステップ64)。本実施形態において、評価の算出は、評価算出表に基づいて行う(表1)。択一式問題用の評価算出表データは、択一式問題データベースD122に保存されている。
プロセッサ122は、評価算出表データを呼び出して処理を行うか、評価算出表データに基づく計算式により評価を算出する。
なお、以降の評価算出表は、いずれも説明のためのものであり、実際のものと異なり得る。
Figure 0007361252000002
表1は、択一式問題用の評価算出表である。受検者の年齢と得点から、評価を求めるための表である。評価は高いほどよく、判断力などの運転適性が高いといえる。
ここで、30歳の受検者の得点が35だった場合を例に挙げて説明する。受検者の年齢が30歳であることから、表1の左から第3列目、「30~39歳」の列を確認する。そうすると、得点35は「35~39」の範囲(タイトル行を除く第4行目)に含まれるから、この受検者の評価は4となる。同じ年齢の場合、得点が高いほど評価は高くなる。
一方、同じ得点の場合、年齢が高いほど評価が高くなる。例えば、表1に示すように、得点35の場合、20歳の受検者であれば評価は3、40歳であれば評価は4、60歳であれば評価は5である。
これは、年齢の増加と共に、判断力が低下することが一般的であるため、それを反映させたものである。
図20に戻り、プロセッサ122は得点や各種データを択一式問題受検者解答データベースD222(または計算問題受検者解答データベースD224)に保存する(ステップ65)。各種データは、個々の問題の正誤、得点、および評価を含む。
ただし、データ保存のタイミングはこれに限られるものではなく、データ生成時などに保存してもよい(以下同じ)。
評価の算出プロセスは計算問題も同じである。ただし、評価を算出するため評価算出表は計算問題用のものを用いる。この計算問題用の評価算出表データは、計算問題データベースD124に保存されている。
表2は、計算問題用の評価算出表の一例である。重複する内容の説明は省略する。年齢の増加と共に、計算力、ひいては判断の処理力等の運転適性が低下することが一般的であるため、それを反映させたものである。
Figure 0007361252000003
なお、心理テストのように、正解がない問題の場合も処理の方法は同様である。例えば、解答選択肢が「はい」、「いいえ」、「わからない」などの三択の場合、正解は無いが、上記テーブルに代えて、例えば心理学に基づいて作成された評価算出表(不図示)を用いることで評価が可能となる。
上記の表では、便宜上、10歳ごとに列を区切ったが、これに限られる必要はない。
例えば、年齢について、1歳刻みや2歳刻み、または5歳刻みなどでデータを作成してもよい。
また、年齢データに限らず、得点など、他の評価項目についても、細かい区分けを設けてよい。これは以下の検査でも同様である。
紙ベースの試験の場合、表が細かいと、採点時にどうしてもミスが生じやすくなるが、コンピュータにより処理を行う本実施形態においては、ミスなく演算処理を行うことが可能である。
細かい区分けを設けることで、より詳細な統計データを得ることができるという利点がある。これにより、ビッグデータに用いられる分析技術を用いて交通事故防止のための新たな知見が得られる可能性がある。
図21は、選択型問題評価算出処理を示すアクティビティ図である。プロセッサ122は、選択型問題評価算出プログラムP186に基づき、選択型問題評価算出処理を行う。
プロセッサ122は、受検者の年齢情報を取得する(ステップ71)。年齢情報は受検者情報データベースD20から取得する。
また、プロセッサ122は、受検者の解答数情報を、選択型問題受検者解答データベースD226から取得する(ステップ72)。
ここで解答数とは、受検者の解答数であるが、特に、受検者の選択入力を受け付けた選択入力受付領域の数である。例えば、受検者が選択肢群のうち1番目から45番目までの選択肢にそれぞれ1回以上選択入力(クリックなど)を行っている場合、解答数は45である。1つの選択肢に複数回選択入力を行っても、その選択肢についての解答数は1のまま変わらない。
つづいて、プロセッサ122は、受検者の誤答数を算出する(ステップ73)。
誤答数とは、問題に対する誤答数である。本実施形態において例えば、見本とは異なるイラストの選択肢に○を付した場合や、見本と同じイラストに×を付した場合、誤答と判断する。そのほか、選択肢のスキップ(○も×も付さず、次の選択肢に選択入力を行った場合)があった場合、そのスキップされた選択肢については誤答と判断する。
一方、選択肢群のうち、受検者が最後に選択入力行った選択肢から先の選択肢についての無解答は、誤答数に含まれない。
ここで、選択型問題データベースD126は、見本や選択肢群を含む問題と、その問題に対する正解データを含む。よって、プロセッサ122は、当該正解データと受検者の解答とを比較して解答の正誤を判断し、誤答数をカウントする。
図21に示すように、プロセッサ122は、受検者の年齢と解答数および誤答数から、評価を算出する(ステップ74)。本実施形態において、評価の算出は、評価算出表に基づいて行う(表3)。選択型問題用の評価算出表データは、選択型問題データベースD126に保存されている。
プロセッサ122は、評価算出表データを呼び出して処理を行うか、評価算出表データに基づく計算式により評価を算出する。
Figure 0007361252000004
表3は、選択型問題用の評価算出表である。年齢、解答数および誤答数から評価を求めるための表である。評価は高いほどよく、判断力、集中力などの運転適性が高いといえる。
選択型問題用の評価算出表は、3項目(年齢、解答数および誤答数)の評価軸があるが、2次元の表であらわすため、ここではある年齢層で抜き出して(ここでは30~39歳)、解答数と誤答数を軸とした表を掲載する。つまり年齢層ごとに異なる表(20~29歳、40~49歳)が存在する(図示省略)。
ここで、30歳の受検者の解答数が79、誤答数が3だった場合を例に挙げて説明する。受検者の年齢が30歳であることから、30~39歳用の評価算出表データを取得する。
また、解答数が79であることから、表3の左から(タイトル行を除く)第7列目、「70~79」の列を確認する。そして、誤答数3は「2~3」の範囲(タイトル行を除く第3行目)に含まれるから、この受検者の評価は4となる。
同じ年齢の場合、解答数が多いほど、また、誤答数が少ないほど、評価は高くなる。
なお参考までに、年齢層で抜き出す代わりに、誤答数で抜き出した表(ここでは誤答数0~3)は、例えば表4のようになる。詳細な説明は省略する。
Figure 0007361252000005
選択型問題データベースD126に保存されている選択型問題用の評価算出表データは、上記のような表形式に限られない。上述したように、年齢を1歳刻みにしたデータ表のほか、解答数や誤答数を1刻みにしたデータ表が好適に用いられ得る。
また、年齢層ごとなどに複数の表を用意せず、一枚の表で表記してもよい。
図21に戻り、プロセッサ122は各種データを選択型問題受検者解答データベースD226に保存する(ステップ75)。各種データは、解答数、誤答数、および評価を含む。
図22は、筆記型問題評価算出処理を示すアクティビティ図である。プロセッサ122は、筆記型問題評価算出処理プログラムP188に基づき、筆記型問題評価算出処理を行う。
プロセッサ122は、受検者の年齢情報を取得する(ステップ81)。年齢情報は受検者情報データベースD20から取得する。
また、プロセッサ122は、受検者が入力した解答情報を、筆記型問題受検者解答データベースD228から取得する(ステップ82)。本実施形態において、解答データは画像データである。しかし、解答データはこれに限られるものではなく、画像データから抽出した特徴量などのデータなどであってもよい。
つづいて、プロセッサ122は、受検者の得点を算出する(ステップ83)。本実施形態において、得点とは、受検者が筆記入力したイラスト(例えば、レ点)の数である。
つまり、プロセッサ122は、受検者による筆記入力が、課題のイラストに一致するか否かを判断する。
言い換えると、筆記型問題評価算出処理プログラムP188は、コンピュータを、「受検者の筆記入力が課題となるイラストに一致するか否かを判断するイラスト判断手段」としても機能させる。
ここで、「一致」の語は、完全一致を意味するものではなく、ある一定以上の一致度があればよい。
受検者が筆記入力したイラストが課題のイラストと一致すると判断する場合、プロセッサ122は、1つのイラストにつき点数を加える(例えば1点)。
プロセッサ122は、受検者が解答したすべての問題について点数を評価し、その合計点を得点として算出する。
ここで、筆記入力されたイラストが、課題のイラストに一致するかの判断基準が問題となる。特に、マウスはポインティングデバイスであって、イラストの筆記入力は難しく、マウス操作で図形等のイラストを描こうとしても、受検者の思い通りにならない場合がある。
図23は、レ点として描かれ得るイラストの例である(マウスによる筆記入力)。図中において、(1)から、(2)、(3)のように、左から右に行くほどに通常想定されるレ点からかけ離れる。例えば、(1)から(2)まではレ点として認められ得るが、(4)から(5)はレ点と判断し難い。受検者が不慣れなポインティングデバイスを用いて筆記入力を行う場合、特にこのようなことが起こり得る。
そこで、本実施形態のプロセッサ122は、機械学習モデルを用いて、受検者の筆記入力について正誤の判断を行う。つまり、プロセッサ122は、記憶部14に記憶されている筆記型問題用学習モデルP22を用いて、受検者が筆記入力したものが課題となるイラストに一致するかどうかを判断する。筆記型問題用学習モデルP22の詳細については後述する。
採点者が人である場合、このような判断にばらつきが生じる。しかし、機械学習モデルによる判断ではこのようなばらつきが生じず、公平な採点が可能になるというメリットがある。
まとめると、本実施形態において、「受検者の筆記入力が課題となるイラストに一致するか否かを判断するイラスト判断手段」は、「課題となるイラストとそのラベルデータとを学習データとする機械学習モデルであって、受検者の筆記入力を入力データとし、当該筆記入力が課題となるイラストに一致するか否かを推論して出力する機械学習モデルに基づいて判断するイラスト判断手段」である。
図22に戻り、プロセッサ122は、受検者の年齢と得点から、評価を算出する(ステップ84)。評価の算出は、評価算出表に基づいて行う(表5)。筆記型問題用の評価算出表データは、筆記型問題データベースD128に保存されている。
プロセッサ122は、評価算出表データを呼び出して処理を行うか、評価算出表データに基づく計算式により評価を算出する。
Figure 0007361252000006
表5は、筆記型問題用の評価算出表である。年齢と得点から評価を求めるための表である。評価は高いほどよく、動作の正確さや動作の速さなどが関わる運転適性について高い能力を保有しているといえる。
ここで、30歳の受検者の得点が51だった場合を例に挙げて説明する。受検者の年齢が30歳であることから、表1の左から第3列目、「30~39歳」の列を確認する。そうすると、得点51は「51~60」の範囲(タイトル行を除く第4行目)に含まれるから、この受検者の評価は4となる。同じ年齢の場合、得点が高いほど評価は高くなる。
一方、同じ得点の場合、年齢が高いほど評価が高くなる。例えば、表1に示すように、得点51の場合、20歳の受検者であれば評価は3、40歳であれば評価は4、60歳であれば評価は5である。
これは、年齢の増加と共に、動作の速さなどが低下することが一般的であるため、それを反映させたものである。
再び図22に戻り、プロセッサ122は各種データを筆記型問題受検者解答データベースD228に保存する(ステップ85)。各種データは、個々の問題の正誤(筆記入力したイラストの課題イラストとの一致不一致)、得点、および評価を含む。
なお、運転適性の具体的な各項目(状況判断力、運動の正確さ、など)は、各検査の評価に基づいて導出される。この運転適性の導出については、公知の方法を適宜用いることができる。
上述したように、ある一つの検査の評価単独により、および/または、各検査の評価の総合判断により、受検者の運転適性が導出される。
なお、複数の検査により多面的に評価することで、受検者の運転適性がより適切に評価される。よって、2以上の検査問題により受検者の運転適性を測ることがより好ましい。
また、上述したように、評価算出手段は、問題の形式に応じてプロセッサ122が受検者の年齢および得点を取得するものと、プロセッサ122が受検者の年齢、解答数、および誤答数を取得するものがある。
すなわち、検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出する評価算出手段は、
(1)前記受検者の年齢および得点を取得し、または(2)前記受検者の年齢、解答数、および誤答数を取得し、前記検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出する評価算出手段であると言える。
<2-4.機械学習処理>
プロセッサ122は、機械学習モデルP20に基づき、各種判断を行う。
本実施形態の機械学習モデルP20は、筆記型問題用学習モデルP22、運転特徴判断用学習モデルP24を含む。
機械学習で用いるアルゴリズムとして、例えばSVM(Support Vector Machine)などを用いることができる。また、機械学習の一態様として、ディープラーニング(Deep Learning(DL))を用いてもよい。ディープラーニングで用いるアルゴリズムとして、例えば畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network(CNN))や再帰型ニューラルネットワーク(Reccurent Neural Network(RNN))などを用いることができる。
機械学習モデルP20は、学習により、各種判断に資する一定の判断基準を有する分類器ともいえる。
機械学習モデルP20の判断(推論)に影響するパラメータ(例えば重みやバイアス)は、管理者が適宜調整することができる。
便宜上、機械学習モデルP20に基づいて、プロセッサ122が機械学習に関して行う処理を、「機械学習処理」と称する。このとき、機械学習モデルP20は機械学習プログラムとして機能する。
また同様に、便器上、運転特徴判断用学習モデルP24に基づいて、プロセッサ122が受検者の運転特徴を判断する処理を、「運転特徴予測処理」と称する。
このとき、運転特徴判断用学習モデルP24は運転特徴予測プログラムとして機能する。
すなわち、運転特徴予測プログラムは、運転特徴予測処理の実行により、コンピュータを運転特徴予測手段として機能させるプログラムである。またこの際、当該コンピュータにおいて、プロセッサを備える制御部は、運転特徴予測部(または運転特徴予測装置)としても機能する。
なお、機械学習モデルP20において、データの取得や保存、データの前処理、機械学習モデルの構築、モデルのトレーニングなど、機械学習の基礎的なプログラムは、公知のものを適宜用いることができる。
筆記型問題用学習モデルP22は、受検者が筆記入力したイラストが、課題のイラスト(本実施形態ではレ点)と一致するか否かについて、プロセッサ122が判断するための機械学習モデルである。
なお、プロセッサ122は、筆記型問題用学習モデルP22を筆記型問題評価算出プログラムP188とともに用いる。具体的な例は、上述した通りである。
筆記型問題用学習モデルP22は、課題となるイラスト(正解データ)と、課題となるイラストではないイラスト(不正解データ)とについて、それぞれのラベルデータとともに学習する機械学習モデルである。
なお、課題となるイラストに係るデータ(例えば画像データ)と、そのラベルデータ(正解・不正解データ)との組み合わせは、教師データとも呼ばれる。
つまり、プロセッサ122は、筆記型問題用学習モデルP22がその学習により得た判断基準に従い、受検者が筆記入力したイラストについて、課題となるイラストに一致するか否かを判断する。
ここで、すでに述べたように、「一致」の語は、完全一致を意味するものではなく、ある一定以上の一致度があればよい。
受検者が筆記入力したものが課題となるイラストに一致するかどうかの判断は、例えば、筆記型問題用学習モデルP22が備えている、課題となるイラストの特徴量と、受検者が筆記入力したイラストの特徴量との一致度で判断する。
この一致度は、定量化した値で表される。定量化した値は例えば、パーセンテージである。
また、定量化した値にしきい値を設け、それ以上であれば「一致する」、それ未満であれば「一致しない」とプロセッサ122が判断するようにしてもよい。
例えば、パーセンテージで定量化した一致度が50%以上であれば、受検者の筆記入力は課題となるイラストに「一致」し、逆に一致度が50%未満であれば、受検者の筆記入力は課題となるイラストに「一致しない」と、プロセッサ122が判断するようにしてもよい。
運転特徴判断用学習モデルP24は、プロセッサ122が、受検者の運転特徴を判断するための機械学習モデルである。
プロセッサ122は、受検者情報や検査問題に対する受検者の解答から、運転特徴判断用学習モデルP24に基づき、受検者の運転特徴を判断する。
運転特徴判断用学習モデルP24は、受検者情報(氏名、性別、年齢、住所、電話番号、アンケートの回答)および受検者の検査結果(得点、解答数、誤答数、評価、運転適性の項目別結果)を基に学習する機械学習モデルである。
ここで、この運転特徴予測処理について説明する。
「運転特徴」とは、受検者の運転に関する特徴である。具体的には例えば、運転歴(運転免許を取得してからの年数など)、免許の色(青色・ゴールドなど運転免許の色のほか、ゴールド免許の有無などであってもよい)、免許種別(自動車免許の普通、大型、第一種、第二種など)、所定の期間内における事故の有無などである。また、これらのような客観的に確認できる情報に限らず、運転の好き嫌い、嗜好など、受検者における主観的なものであってもよい。
運転特徴は、運転に関する情報の一部である。運転特徴を含む運転に関する情報は、例えば受検者に対するアンケート(以下「運転特徴を問うアンケート」と称する。)を通じてプロセッサ122が取得する。
一例を挙げると、アンケートの1つが、「5年以内の事故歴の有無」であったとする。データの蓄積により、受検者の評価や検査結果と、アンケートの回答(「5年以内の事故歴の有無」の情報)が蓄積する。そうすると、運転特徴判断用学習モデルP24は、評価や検査結果と、5年以内の事故歴の有無との間に関係性を見出し得る。
例えば、運転特徴判断用学習モデルP24は、データの蓄積により、「このような検査結果になった受検者は、5年以内の事故歴がない人が多い」、あるいは逆に、「このような検査結果になった受検者は、5年以内の事故歴がある人が多い」、といった関係を見出す。
この関係性は定量化した値で表される。定量化した値は例えば、パーセンテージであってもよいし、段階評価(例えば5段階評価)であってもよい。
具体的には、「年齢が30歳で、検査問題についてある所定の解答を入力した受検者が、5年以内の事故歴を有する人である確率は○○%である」といった確率値である。
そして、運転特徴判断用学習モデルP24が十分に学習したあとにおいて、受検者が運転適性検査システム1による運転適性検査を受けるとする。そうすると受検者は、自己の運転適性検査の結果とともに、機械学習に基づく自己の運転特徴、ここでは事故の起こしやすさ(5年以内事故率)の目安、を得ることができる。この目安を得ることで、受検者はより安全な運転を心がけることができるなどの利点がある。
まとめると、本実施形態において、運転特徴判断用学習モデルP24は、「少なくとも(1)受検者の年齢と、受検者の運転特徴を問うアンケートの回答と、を含む受検者情報、(2)運転適性検査の検査問題に対する前記受検者の解答、および(3)前記受検者の年齢および前記受検者の解答から、検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって算出される評価、を学習データとし、
受検者の年齢、および、検査問題に対する受検者の解答(データ)を入力データとして、受検者の運転特徴について定量化した値を出力するようにコンピュータを機能させるための学習済み機械学習モデル」である。
なお、本実施形態の運転適性検査システム1は、受検者端末20がデスクトップPC(デスクトップ型パーソナルコンピュータ)でもスマートフォンでも使用可能であることが上述した通りであるが、操作性の違いは考慮される。
すなわち、デスクトップPCを用いた検査で受検者がマウスを用いて入力を行う場合と、スマートフォンを用いた検査で受検者が指で入力する場合とでは、同一の受検者であってもが操作効率が大きく異なる。特に、選択型問題や筆記型問題においてこの差異は顕著である。
そこで、本実施形態の評価算出プログラムP18によると、プロセッサ122は、受検者端末20の種類、例えばデスクトップPCかスマートフォンかにより、演算に用いる評価算出表を切り替える(不図示)。
一般に、筆記型問題の場合、マウス操作による筆記入力よりも、例えばスワイプに代表されるように、指による筆記入力の方がはるかに容易である。よって、例えば受検者Aの受検者端末20がスマートフォンで、受検者Bの受検者端末20がデスクトップPCであった場合において、筆記量が同じであった場合、デスクトップPCを用いた受検者Bにより高い評価を与える。
以上のような処理により、以下の利点がある。
評価表を用いた採点方式において、人が評価表を見ながら採点を行う場合、読み取るべき箇所を誤るなど、間違いなどが生じる可能性がある。例えば30歳~39歳の欄を見るべきところ、誤って40歳~49歳の欄を見る場合などである。採点者の教育や各種工夫によりこういった誤りは抑制できるが、完全にゼロにすることは困難である。この点、コンピュータによる評価は見間違いによる誤りは生じない。また一般に、判断速度や処理速度も、コンピュータによる評価の方がはるかに早い。
つまり、紙ベースの検査に比べ、本実施形態の運転適性検査システム1による検査に利点がある。
またさらに、機械学習モデルを用いることにより、均質・高速でありながら、質の高い採点を行うことができるという利点がある。
例えば、上述したレ点を多数筆記させる問題の場合、レ点と認められないものについては得点を付与しない。
この問題を紙ベースの検査で行う場合、レ点であるか否かの判断は、採点者によって分かれ得る。つまり、受検者がレ点として記載したものについて、ある採点者はレ点と認めて得点を付与し、別の採点者はレ点と認めず得点を付与しないことがあり得る。この場合、評価に差が生じるため、受検者に不利益が生じる。
しかし、このレ点であるか否かの判断を機械学習にもとづく処理に行わせることにより、均質な採点を提供することが可能となる。
3.データ
以下、本実施形態の運転適性検査システム1が扱うデータについて、図を用いて説明する。
本実施形態の運転適性検査システム1は、サーバ10の記憶部14に運転適性検査データベースD1を備える。運転適性検査データベースD1は、検査問題データベースD12、受検者情報データベースD20、検査結果データベースD22、および管理者情報データベースD30を備える。
検査問題データベースD12は、検査問題に関するデータ(検査問題データ)を備えるデータベースである。検査問題データベースD12は、検査に応じた個々のデータベースを備える。本実施形態において、検査に応じた個々のデータベースとは例えば、択一式問題データベースD122、計算問題データベースD124、選択型問題データベースD126、筆記型問題データベースD128である。
これら個々のデータベースはそれぞれ、検査の内容を説明するためのデータ(テキスト、画像など)、検査問題(練習問題含む)、正解がある場合は正解データ、および検査に応じた評価算出表など、検査に必要なデータを含む。データ形式に制限はなく、テキストデータ、画像(映像)データ、音声データなどの各種データ形式を使用し得る。
以下個々のデータベースについて説明する。
Figure 0007361252000007
表6は、択一式問題データベースD122に含まれるデータの一例である。データには、一意である問題の通し番号のほか、ブラウザ画面の左側および右側に表示される文字列等のイラストと、正誤が含まれる。
例えば表6の通し番号A0001の問題について、左側のイラストは「123」、右側のイラストも「123」であり、左右は一致する。よって、受検者が解答すべき答えは「○」となる。プロセッサ122は、受検者の入力する解答が○であれば正解、×であれば不正解と判断する。
Figure 0007361252000008
表7は、計算問題データベースD124に含まれるデータの一例である。データには、一意の問題の通し番号のほか、被減数(引かれる数)と減数(引く数)、差(正解)の数値データが含まれる。
例えば表7の通し番号B0001の問題について、被減数(引かれる数)が「25」、減数(引く数)が5であるから、受検者が解答すべき差は「20」である。よって、プロセッサ122は、受検者の入力する解答が20であれば正解、それ以外であれば不正解と判断する。
選択型問題データベースD126は、選択型問題に関するデータを備える(不図示)。例えば、見本に関するデータや選択肢群に関するデータなど、出題する問題に関するデータのほか、どの選択肢が見本と同一であるかなど、問題に対する正解データなどである。
筆記型問題データベースD128は、筆記型問題に関するデータを備える(不図示)。例えば、出題する問題に関するデータなどである。
なお本実施形態において、検査問題データベースD12の改ざんを防ぐため、受検者はもちろん、管理者であっても、通常、検査問題データベースD12には直接アクセスすることはできないようにアクセス制限が設定される。検査問題データベースD12にアクセスできるのは、問題作成に関わる者など、ごく一部の管理者や、当該管理者に許可を受けた者(例えばメンテナンス技術者など)のみである。
受検者情報データベースD20は、受検者が登録している、受検者に関する情報(受検者情報)を記憶するデータベースである。
受検者情報とは例えば、受検者ID、受検者の年齢、氏名、性別、住所、電話番号、またはアンケートの回答などの情報である。上述したように、アンケートは受検者の運転に関する情報を得るためのアンケートである。
上述したように、評価の算出に受検者の年齢が必須であるため、受検者情報データベースD20は年齢情報を必ず含む。ただし年齢情報は、例えば生年月日など、置き換え可能な情報で置き換えてもよい。
Figure 0007361252000009
表8は、受検者情報データベースD20に含まれるデータの一例である。データには、受検者IDのほか、上述した各種受検者情報(氏名、性別、年齢、住所、電話番号、アンケートの回答)が含まれる。
なお、受検者情報データベースD20に含まれるデータはテキストデータに限られるものではなく、例えば認証用の登録画像など、画像情報を含んでいてもよい。
検査結果データベースD22は、受検者の検査結果を記憶するデータベースである。検査結果とは例えば、個々の問題(小問)の正誤、得点、解答数、誤答数、評価などである。検査結果データベースD22は、受検者IDを含む。
Figure 0007361252000010
表9は、検査結果データベースD22に含まれるデータの一例である。データには、受検者IDのほか、上述した受検者の検査結果(得点、解答数、誤答数、評価、運転適性の項目別結果)が含まれる。
なお、表9においては、択一式問題、選択型問題、筆記型問題の検査結果を1つずつ表示しているが、これに限られるものではない。検査問題を複数組み合わせて、運転適性を測ることが考えられる。
例えば、内容はそれぞれ異なる択一式問題3つ、選択型問題2つ、筆記型問題2つの、計7つの検査を用いて運転適性を測るようにしてもよい。上述したように、多くの評価問題で多面的に評価することで、受検者の運転適性がより適切に評価されるためである。
Figure 0007361252000011
表10は、検査結果データベースD22に含まれるデータの別の例である。データには、受検者IDのほか、問題番号、その問題に対する受検者の解答、そしてその正誤が含まれる。
この例では、ある受検者(受検者ID:10010001)について、個々の問題(小問)のける正誤が示される。例えば、表10に示すように、この受検者は、A0005とA0007について正しい答えを入力しているが、A0006の問題では誤った答えを入力していることがわかる。
本実施形態において、受検者情報データベースD20と、検査結果データベースD22は、受検者IDにより運転適性検査データベースD1内で紐づけられる。ただし本実施形態において、このデータベースへのアクセスは、どの端末からのアクセスかによって、プロセッサ122が適宜制御する。
例えば、受検者は、自己の登録情報と自己の運転適性結果にアクセスできるが、当然他の受検者のデータにはアクセスできない。また、本実施形態において、自己の得点、解答数、誤答数、評価にもアクセスできず、知ることができない。
一方、本実施形態において、管理者は、すべての受検者のすべての検査結果にアクセスできるが、ある検査結果がどの受検者の検査結果であるかまではわからない。
このようにしているのは、個人情報の保護と、ビッグデータの活用を両立するためである。例えば、管理者が、受検者の年齢、性別、住所(都道府県)、アンケートの回答、各検査の検査結果といった情報を、個人情報を除いて一括で取得できるようにすれば、この情報単独で、またはほかの情報との連携により、運転に係る情報を蓄積することができ、交通事故を低減するための情報分析などに利活用できる。
管理者データベースD30は、運転適性検査システム1の管理者に係るデータベースである(不図示)。上述した通り、管理者とは例えば、受検機関などである。
管理者データベースD30は、個々の管理者のID(管理者ID)などを含む。また管理者データベースD30には、管理者個人の情報のほか、管理者のログイン情報、例えばパスワードや認証用の登録画像などを含んでいてもよい。
以上のようなデータベースの構成により、運転適性検査システム1は、受検者情報や受検者の検査結果を蓄積することができる。この結果、例えば受検者が時間をおいて複数回受検し、前回の受検データと今回の受検データとを比較することにより、受検者の成長や変化などを客観的に把握することができる。
また、データベースが受検者情報や受検者の検査結果を多く蓄積することにより、機械学習モデルを構築することができ、この機械学習モデルと機械学習プログラムを用いて、受検者の運転特徴を予測する運転特徴予測処理などを行うことができる。
言い換えると、運転適性検査データベースD1は、コンピュータとの協働により、機械学習、特に本実施形態の運転特徴予測処理に適したデータ構造を有する。
すなわち、運転適性検査データベースD1は、「制御部及び記憶部を備えるコンピュータに用いられるデータ構造であって、前記データ構造はデータ要素として、
(1)少なくとも受検者の年齢と、受検者の運転特徴を問うアンケートの回答とを含む受検者情報、(2)運転適性検査を構成する検査問題、(3)検査問題に対する受検者の解答、および(4)受検者の年齢および解答から、検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって算出される評価、を含み、
受検者の年齢および検査問題に対する受検者の解答(データ)を入力データとして、受検者の運転特徴について定量化した値を出力する運転特徴予測処理に用いられることを特徴とする、(運転適性検査システムの)データ構造」を備える。
4.ハードウェア構成
図1に示すように、本実施形態における運転適性検査システム1は、サーバ10、受検者端末20、および管理者端末30を備える。また、これらの各装置は、ネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは例えばインターネットなどである。
サーバ10には本実施形態に係る運転適性検査システム1を動作させるためのソフトウェア(運転適性検査プログラムP1)がインストールされており、当該ソフトウェアの機能により、各種処理が実行される。
以下、各ハードウェアについて説明する。
<サーバ10>
サーバ10は、運転適性検査プログラムP1を実行するためのコンピュータである。図1においてサーバ10は1台のみ図示しているが、数は1台に限られるものではなく、複数のサーバにより実現してもよい。例えば、機械学習に係る処理を別のサーバで行わせるなどの機能分散が考えられる。また、負荷分散や可用性の観点から、複数のサーバを用いることも考えられる。
図24は、サーバ10のハードウェア構成図である。図24に示すように、サーバ10は、制御部12、記憶部14、および通信制御部16を備える。
また制御部12は、プロセッサ122、ROM124、RAM126、計時部128を備える。
なお、本実施形態において、機器間の接続態様(ネットワークトポロジ)は特に限定されない。例えばバス型であってもよいし、スター型、メッシュ型などであってもよい(以下において同じ)。
プロセッサ122は、ROM124や記憶部14などに記憶されたプログラムに従って、情報処理や各種装置の制御を行う。本実施形態において、プロセッサ122はCPU(Central Processing Unit)である。
なお、プロセッサ122はCPUに限られるものではない。CPU、DSP(Degital Signal Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはGPGPU(General Purpose computing on GPU)など、各種プロセッサを単独で、あるいは組み合わせて用いてもよい。
例えば、CPUとGPUを統合したプロセッサはAPU(Accelerated Proessing Unit)などと呼ばれるが、このようなプロセッサを用いてもよい。
プロセッサ122は、サーバ10において運転適性検査部130としても機能する(不図示)。運転適性検査部130は、運転適性検査プログラムP1を実行して運転適性検査処理を行う。
また、一のプログラムは、別のプログラムを含んでいてもよい。例えば本実施形態において、運転適性検査プログラムP1は、受検者情報登録プログラムP12や検査問題出題プログラムP14などを含む。
図24に戻り、ROM124は、プロセッサ122が各種制御や演算を行うための各種プログラムやデータがあらかじめ格納された、リードオンリーメモリである。
RAM126は、プロセッサ122にワーキングメモリとして使用されるランダムアクセスメモリである。このRAM126には、本実施形態の各種処理を行うための各種エリアが確保可能になっている。
すなわち、記憶部14に格納された、運転適性検査プログラムP1などの各種プログラムや、運転適性検査データベースD1などの各種データがプロセッサ122により読み出され、RAM126に記録(格納)される。
計時部128は、計時処理を行う。本実施形態において、計時部128は例えば、検査の制限時間のカウントダウンなどに用いられる。
記憶部14は、プログラムやデータなどの情報を記憶するための装置である。記憶部はストレージとも称する。本実施形態において、記憶部14はサーバ10に内蔵されるが、これに限られるものではなく、専用HDD(ハードディスクドライブ)等の外部記憶を備えていてもよい。
記憶部14は、データの読み書きが可能な記憶媒体と、当該記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。
当該記憶媒体は、特に制限されないが、例えば、内蔵型でも外付型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROMなどが挙げられる。
当該ドライブは、特に制限されないが、例えばHDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)等が挙げられる。
図24に示すように、記憶部14は、プログラム格納部14aとデータ格納部14bを備える。
プログラム格納部14aには、本実施形態に係る運転適性検査プログラムP1のほか、サーバ10に接続されている機器を制御するための制御プログラム、例えば通信制御部16を制御する通信制御プログラムなど、各種プログラムが格納されている。
図24に示すように、通信制御部16は、サーバ10と、外部にある端末等との間で通信を行うための装置である。外部にある端末とは例えば、後述する受検者端末20や管理者端末30などである。通信制御部16は、図1に示すように、サーバ10をネットワークNに接続する。
本実施形態における通信制御部16の通信方式は有線LANによる方式であるが、通信方式は公知のものを適宜用いることができる。
上記のほか、サーバ10は、命令やデータの入力を行うための入力部(例えばキーボード)や、情報を何らかの形で出力するための出力部(例えば音声出力装置)などを備えていてもよい(不図示)。また、本実施形態の用途のために追加的に必要な装置や、本実施形態の用途について利便性を向上させるための装置を備えていてもよい。
<受検者端末20>
受検者端末20は、受検者が運転適性検査システム1を利用するための情報処理装置である。受検者は受検者端末20を用いて、サーバ10にアクセスする。
本実施形態において、受検者端末20はデスクトップPCである。ただし、受検者端末20はこれに限られるものではなく、スマートフォンやタブレットなどの携帯型端末であってもよい。
図24において、1台の受検者端末20のみ図示しているが、数は1台に限られるものではなく、複数の端末のそれぞれにより利用できる。
図25は、受検者端末20のハードウェア構成図である。図25に示すように、受検者端末20は、制御部22、記憶部24、通信制御部26、入力部27、および出力部28を備える。すでに説明済みの項目については、説明を省略する。
制御部22は、運転適性検査システム1を利用するためのソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)を備える。当該ソフトウェアは、サーバ10と通信を行い、データをやり取りするための機能などを備える。
制御部22は、サーバ10の制御部12同様、プロセッサ、ROM、RAM、および計時部を備えるが、これらの基本的な機能は上記で説明したものに準ずるため、説明は省略する。
通信制御部26は、受検者端末20と、外部にある端末等との間で通信を行うための装置である。外部にある端末等とは例えば、サーバ10である。通信制御部26は、図1に示すように、受検者端末20をネットワークNに接続する。
本実施形態における通信制御部16の通信方式は、有線でも無線でもよい。受検者端末20がデスクトップPCであれば有線、無線の両方の場合が考えられる。また、受検者端末20がスマートフォンであれば、無線による通信方式が考えられる。
有線であれば、例えばIEEE802.3(例えばバス型やスター型の有線LAN)で規定される通信方式を好適に用いることができるが、それ以外にも、IEEE802.5(例えばリング型の有線LAN)で規定される通信方式などを用いてもよい。
無線であれば、例えばIEEE802.11(例えばWi-Fi)で規定される通信方式を好適に用いることができるが、それ以外にも、IEEE802.15(例えばブルートゥース(登録商標)、BLE(ブルートゥース(登録商標)ローエナジー)など)、IEEE802.16(例えばWiMAX)、または赤外線通信などの光通信で規定される通信方式などを用いてもよい。
図25に示すように、入力部27はユーザからの入力を受け付ける装置である。このような入力部27として例えば、キーボード、ポインティングデバイスとしてのマウス、トラックパッド、タブレット、またはタッチパネルなどが挙げられる。
受検者端末20がスマートフォンなどであって、入力部27がタッチパネルの場合、入力部27はタッチスクリーンなど、画像などを表示する表示部(表示部282)の表面に配置される。この場合、入力部27は、表示部282に表示される各種操作キーに対応した、ユーザのタッチ位置を特定し、当該操作キーの入力を受け付ける。
同様に、表示部282に入力受付領域(選択入力受付領域や筆記入力受付領域)が表示されている場合は、ユーザのタッチ位置を特定し、ユーザによる入力を受け付ける。
出力部28は例えば、画像や音声、帳票などを出力するための装置である。
出力部28として例えば、ディスプレイ(液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ)などの表示装置や、スピーカなどの音声出力装置、プリンタなどの帳票出力装置が挙げられる。
受検者端末20がスマートフォンなどの場合、表示装置はタッチスクリーンである。
便宜上、受検者端末20の出力部28のうち、画像等を表示する表示部を表示部282とする。
<管理者端末30>
管理者端末30は、サーバ10の管理のために用いられる端末である。本実施形態において、管理者端末30はデスクトップPCである。管理者端末30は、例えば運転適性検査を提供する受検機関(自動車学校など)に設置される。
管理者端末30は、制御部、記憶部、通信制御部、入力部、および出力部を備える。すでに説明済みの項目について、説明を省略する。
管理者端末30の制御部は、受検者端末20の制御部22同様、運転適性検査システム1を利用するためのソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)を備える。
管理者は管理者端末30により、サーバ10の管理のほか、サーバ10が保有するデータにアクセスし、統計情報を取得することなどもできる。そのため、管理者端末30は運転適性検査システム1について、受検者端末20よりも高度なアクセス権限を有する。
上述したUIについても、管理者端末30に対してのみ表示されるUIがあってもよい。その場合、サーバ10は、データへのアクセスが管理者端末30からであることを認識し、管理者端末30用のデータを送信する。
以上のような構成により、運転適性検査の問題等はサーバ10の記憶部14(データ格納部14b)に記憶されるため、受検者端末20とは隔離される。
上述した通り、紙ベースの運転適性検査の場合、検査用紙等は受検機関等の責任者が管理して、散逸を防止することが求められる。
この点、本実施形態の運転適性検査システム1では、受検者端末20には運転適性検査の問題が表示されるのみであるため、問題用紙を回収等するが必要なく、問題用紙の管理の手間を省くことができる。さらに、検査における評価基準を秘匿できるため、適正な評価を担保できるという利点もある。
また、従来の紙ベースの運転適性検査と異なり、本実施形態の運転適性検査システム1は、問題の変更が容易というメリットがある。これにより、最新の心理学の研究成果などを応用した検定を取り入れやすいという利点がある。
例えば問題の切り替えについて、紙ベースの運転適性検査は、検査用紙を発行する必要上、古い検査用紙と新しい検査用紙が併存し得る。よって、新しい問題の細かい期間でアップデートし、切り替えることは困難である。一方、本実施形態の運転適性検査システム1では、場所や日時を問わず、問題のアップデートを短時間で一斉に行うことができる。
(変形例)
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
(受検者情報登録処理の変形例)
例えば、上述した受検者情報登録処理は、プロセッサ122が受検者端末20に表示させるものであったが、受検者端末20に代わって管理者端末30に表示させるようにしてもよい。つまり、検査を受ける受検者に代わり、検査実施機関の管理者などが受検者情報を入力するようにしてもよい。
例えば、検査実施機関において、検査を希望する者(受検者)が紙の書面等で検査の申し込みを行い、検査実施機関の担当者が当該書面に記載された受検者情報を入力する場合などである。
(択一式問題の変形例)
択一式問題(図8など)において、プロセッサ122は画面上に戻るボタンを表示し、受検者が当該戻るボタンを押下する(クリックする)ことで、前の問題に戻れるようにしてもよい。これは計算問題、選択型問題、筆記型問題でも同様である。
また、図8において、解答ボタンUI-170は「○」と「×」の2つがあるが、1つだけ表示し、受検者が解答ボタンUI-170を選択(クリックまたはタップ)するごとに「○」、「×」、「○」(以下繰り返し)、と表示するようにしてもよい。
さらに、図8において問題は1問のみ表示されているが、プロセッサ122が問題を複数まとめて表示するようにしてもよい。この場合、プロセッサ122は問題数に応じた数だけ解答ボタンUI-170を表示する(問題1問ごとに「○」と「×」の解答ボタンUI-170を表示するなど)。
またこの場合、プロセッサ122にさらにOKボタンを表示させてもよい(不図示)。つまり、受検者が同一のページに表示されている問題を全て解答した後、さらに当該OKボタンを押下したときに次の問題群に進めるようにしてもよい。
ただし、受検者端末20がスマートフォンなどの携帯端末である場合は、表示部282の表示領域が限られるため、問題は1問だけ表示するようにすることが好ましい。これはレスポンシブウェブデザインなど、公知の方法で実現可能である。
択一式問題は、3択問題(三者択一式問題)、4択問題(四者択一式問題)などであってもよい。三者択一式問題を用いて、例えば、心理テストを行ってもよい。すなわち、受検者に質問を提示し、それに「はい」「いいえ」「わからない」の3つから最も近いものを選んで解答してもらう方式である。このような択一式問題により、精神的活動性などを評価することができる。
(選択型問題の変形例)
選択肢問題(図10など)において、上記では、選択入力受付領域UI-182を受検者がクリック(タップ)するごとに、プロセッサ122が○と×(の2つ)を交互に表示する態様について説明したが、表示態様はこれに限られるものではない。例えば、○、×、空欄の3つを順に表示する態様であってもよいし、○と空欄の2つを交互に表示する態様であってもよい。
なお、上記の実施形態において、見本と同一である(見本と一致する)選択肢と、見本と同一でない(見本と異なる、見本と一致しない)選択肢は、選択肢群においてランダムで配置されるが、選択肢群のうち見本と同一である選択肢と見本と同一でない選択肢の比率は一定である。この選択肢の比率は管理者が適宜変更可能である。
この設定はこれに限られるものではなく、各選択肢が常に同じ場所で配置されていてもよい。
上述した選択型問題について、見本が1つの場合を例に挙げて説明した。しかし、見本は2つ以上あってもよい。例えば、画面に2つ示される見本と、同一のイラストを選択肢群から選択する内容である。
さらに、問題形式において、ほかの態様も考えられる。例えば、見本とは異なるイラストのみを選択する、などの方法である(不図示)。
便宜上、見本とは異なるイラストのみを選択ことを、「見本を除外する」とも表現する。
この場合、見本とは異なるイラストの選択肢に○を付す方法のほか、受検者は見本と同一のイラストの選択肢については選択をせずにスキップし、見本と異なるイラストの選択肢のみ選択する方法が挙げられる。
見本を除外する問題形式である場合、選択型問題評価算出処理では、見本と同一のイラストについて受検者が選択入力を行った場合、その選択肢については誤り(誤答)と判断する。つまり、見本と同一のイラストの選択肢を選択した数を誤答数として評価する。
(筆記型問題の変形例)
選択肢問題(図12など)において、上記では、プロセッサ122が、筆記入力受付領域UI-186を画面内に1つのみ表示させる例を挙げたが、筆記入力受付領域UI-186を画面内に複数配設するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、課題のイラスト(筆記入力対象)がレ点である場合について説明したが、筆記入力対象が縦線や横線、斜線などの線分であってもよい。この場合、プロセッサ122は、機械学習により作成したモデルによらずに評価することができる。
例えば、ある一定以上の長さの線分が筆記入力されていれば、プロセッサ122はその解答について正解であると判断する。逆にある一定未満の長さの線分は、点であると判断して、誤答であると判断する。
(問題出題処理や評価処理の変形例)
本実施形態では、検査問題出題処理と評価算出処理を分けて記載したが、出題方法や評価算出方法はこれに限られない。例えば、問題出題処理において、プロセッサ122は、解答や筆記の入力を受けた時点で正誤などの判断を行い、得点を付与するようにしてもよい。
つまり、出題中にプロセッサ122は得点の算出を行い、出題終了時に直ちに評価を行うようにしてもよい。この場合、処理速度の向上などが見込まれ得る。
本実施形態を含む発明は、換言すると以下の特徴を備える。下記は本願出願時における特許請求の範囲と対応する。ただし、出願後における特許請求の範囲の補正により、当該補正後の特許請求の範囲の記載とは異なる場合がある。
(1)第1の発明は、少なくとも受検者の年齢を含む受検者情報を登録する受検者情報登録手段、
運転適性に関する検査問題を出題する検査問題出題手段、
前記検査問題に設けられている制限時間内において前記受検者の解答入力を受け付ける解答入力受付手段、および、
前記受検者の年齢および前記受検者の解答入力を取得し、前記検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出する評価算出手段、
としてコンピュータを機能させ、受検者の運転適性を検査するための運転適性検査プログラムを提供する。
(2)第2の発明は、前記検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出する評価算出手段が、(1)前記受検者の年齢および得点を取得し、または(2)前記受検者の年齢、解答数、および誤答数を取得し、前記検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出する評価算出手段、であることを特徴とする、第1の発明に記載の運転適性検査プログラムを提供する。
この場合、問題の形式に応じた、より適切な評価の算出を行うことができる。例えば、(1)前記受検者の年齢および得点の取得を行う方法は、上述した実施形態の択一式問題や計算問題、筆記型問題に適合する。また、(2)前記受検者の年齢、解答数、および誤答数の取得を行う方法は、上述した実施形態の選択型問題に適合する。
全く異なる問題形式であっても、最終的には「年齢」「得点」「解答数」「誤答数」といった共通の項目に落とし込むことができるため、データ構造が簡潔になるという利点がある。
(3)第3の発明は、前記検査問題の少なくとも一つが、見本と同一または前記見本と異なるイラストを、選択肢から受検者に選択させる問題であり、
前記受検者による選択肢への選択入力を受け付けて、当該選択肢の表示を変更することを特徴とする、第1の発明または第2の発明に記載の運転適性検査プログラムを提供する。
この場合、上述した実施形態の択一式問題に適合し、運転適性に関わる判断力などの検査を行うことができる。そして、受検者による選択肢への選択入力を受け付けて、当該選択肢の表示を変更することで、受検者の現在の判断(例えば○と入力しているか×と入力しているか)を可視化でき、受検者にとって便利であるという利点がある。
(4)第4の発明は、前記検査問題の少なくとも一つが、課題となるイラストを受検者に筆記させる問題であり、
前記解答入力受付手段は、受検者による筆記入力を受け付ける筆記入力受付手段を備え、
前記評価算出手段は、さらに、前記筆記入力が前記課題となるイラストに一致するか否かを判断するイラスト判断手段を備えることを特徴とする、第1の発明または第2の発明に記載の運転適性検査プログラムを提供する。
この場合、上述した実施形態の筆記型問題に適合し、運転適性に関わる動作の正確さや動作の速さなどの検査を行うことができる。また、コンピュータが筆記入力に係るイラストの適否を判断することで、人手に比べ、採点を終えるまでの時間が格段に早くなり、判断も均一になる利点がある。
(5)第5の発明は、前記筆記入力が前記課題となるイラストに一致するか否かを判断するイラスト判断手段が、
課題となるイラストとそのラベルデータとを学習データとする機械学習モデルであって、前記筆記入力を入力データとし、当該筆記入力が課題となるイラストに一致するか否かを推論して出力する機械学習モデルに基づいて判断するイラスト判断手段であることを特徴とする、請求項4に記載の運転適性検査プログラム請求項4に記載の運転適性検査プログラムを提供する。
この場合、機械学習を用いることにより、機械的な処理速度の速さを維持しながらも、より人間に近い判断を可能とする。あるイラストが正解データに該当するか不正解データに該当するかは人間が判断し、コンピュータはその判断を基に学習するためである。
時間内に多くのイラストを描かなければならないという筆記型問題の特性上、形が整ったイラストを受検者が描くことは困難である。このような場合に、イラストの一致不一致の判定を機械に任せることは採点速度の向上に大きく貢献する。
(6)第6の発明は、少なくとも受検者の年齢を含む受検者情報を登録する受検者情報登録部と、運転適性に関する検査問題を出題する検査問題出題部と、前記検査問題に設けられている制限時間内において前記受検者の解答入力を受け付ける解答入力受付部と、
前記受検者の年齢および前記受検者の解答入力を取得し、前記検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出する評価算出部と、を備えることを特徴とする、受検者の運転適性を検査するための運転適性検査システムを提供する。
(7)第7の発明は、学習済み機械学習モデルであって、
少なくとも受検者の年齢と受検者の運転特徴を問うアンケートの回答とを含む受検者情報、運転適性検査の検査問題に対する前記受検者の解答、および前記受検者の年齢および前記受検者の解答から、検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって算出される評価、を学習データとし、
受検者の年齢および検査問題に対する受検者の解答を入力データとして、受検者の運転特徴について定量化した値を出力するようコンピュータを機能させるための、学習済み機械学習モデルを提供する。
(8)第8の発明は、制御部及び記憶部を備えるコンピュータに用いられるデータ構造であって、前記データ構造はデータ要素として、
少なくとも受検者の年齢と、受検者の運転特徴を問うアンケートの回答とを含む受検者情報、運転適性検査を構成する検査問題、前記検査問題に対する前記受検者の解答、および前記受検者の年齢および前記受検者の解答から、検査問題ごとに定められる評価算出表にしたがって算出される評価、を含み、
受検者の年齢および検査問題に対する受検者の解答を入力データとして、受検者の運転特徴について定量化した値を出力する運転特徴予測処理に用いられることを特徴とする、データ構造を提供する。
運転適性検査システムで蓄積するビッグデータを活用することで、自動車事故などの傾向分析を行う用途に適応し得る。これにより、自動車事故を低減する、安心・安全な社会の実現に貢献する。
1 運転適性検査システム
10 サーバ
12 制御部
122 プロセッサ
124 ROM
126 RAM
128 計時部
14 記憶部
16 通信制御部
20 受検者端末
22 制御部
24 記憶部
26 通信制御部
27 入力部
28 出力部
282 表示部
30 管理者端末
UI-1 ブラウザ
UI-12 カーソル
UI-13 鉛筆型カーソル
UI-14 テキストボックス
UI-16 ボタン
UI-162 OKボタン
UI-164 検査画面表示ボタン
UI-166 検査結果参照ボタン(非表示)
UI-168 検査開始ボタン
UI-170 解答ボタン
UI-172 テンキー
UI-18 入力受付領域
UI-182 選択入力受付領域
UI-184 筆記枠
UI-186 筆記入力受付領域
P1 運転適性検査プログラム
P12 受検者情報登録プログラム
P14 検査問題出題プログラム
P141 導入プログラム
P142 択一式問題出題プログラム
P144 計算問題出題プログラム
P146 選択型問題出題プログラム
P148 筆記型問題出題プログラム
P16 解答入力受付プログラム
P18 評価算出プログラム
P182 択一式問題評価算出プログラム
P184 計算問題評価算出プログラム
P186 選択型問題評価算出プログラム
P188 筆記型問題評価算出プログラム
P20 機械学習モデル
P22 筆記型問題用学習モデル
P24 運転特徴判断用学習モデル
D1 運転適性検査データベース
D12 検査問題データベース
D122 択一式問題データベース
D124 計算問題データベース
D126 選択型問題データベース
D128 筆記型問題データベース
D20 受検者情報データベース
D22 検査結果データベース
D222 択一式問題受検者解答データベース
D224 計算問題受検者解答データベース
D226 選択型問題受検者解答データベース
D228 筆記型問題受検者解答データベース
D30 管理者情報データベース

Claims (6)

  1. 少なくとも受検者の年齢を含む受検者情報を登録する受検者情報登録手段、
    運転適性に関する少なくとも2種類以上の検査問題を、ネットワークを通じて受検者端末に表示させることにより出題する検査問題出題手段、
    前記検査問題に設けられている制限時間内において前記受検者の解答入力を受け付ける解答入力受付手段、および、
    前記検査問題の種類ごとに定められる評価算出表であって、(1)前記受検者の年齢および得点、または(2)前記受検者の年齢、解答数、および誤答数、を入力とする評価算出表にしたがって評価を算出する評価算出手段、
    としてコンピュータを機能させ、受検者の運転適性を検査するための運転適性検査プログラム。
  2. 前記検査問題の少なくとも一つが、見本と選択肢とを表示して、前記見本と同一または前記見本と異なるイラストを、前記選択肢から受検者に複数選択させる問題であり、
    前記受検者による選択肢への選択入力を受け付けて、当該選択肢の表示を変更することを特徴とする、請求項1に記載の運転適性検査プログラム。
  3. 前記検査問題の少なくとも一つが、課題となるイラストを受検者に筆記させる問題であり、
    前記解答入力受付手段は、受検者による筆記入力を受け付ける筆記入力受付手段を備え、
    前記評価算出手段は、さらに、前記受検者の筆記入力によるイラストが前記課題となるイラストに一致するか否かを判断するイラスト判断手段を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の運転適性検査プログラム。
  4. 前記受検者の筆記入力によるイラストが前記課題となるイラストに一致するか否かを判断するイラスト判断手段が、
    筆記入力によるイラストと、当該筆記入力によるイラストが課題となるイラストに一致するか否かの判断を示すラベルデータと、を学習データとする機械学習モデルであって、受検者の筆記入力を入力データとし、当該筆記入力によるイラストが課題となるイラストに一致するか否かを推論して出力する機械学習モデルに基づいて判断するイラスト判断手段であることを特徴とする、請求項3に記載の運転適性検査プログラム。
  5. コンピュータ間のネットワーク通信を制御する通信制御部と、
    少なくとも受検者の年齢を含む受検者情報を登録する受検者情報登録部と、
    運転適性に関する少なくとも2種類以上の検査問題を、ネットワークを通じて受検者端末に表示させることにより出題する検査問題出題部と、
    前記検査問題に設けられている制限時間内において前記受検者の解答入力を受け付ける解答入力受付部と、
    (1)前記受検者の年齢および得点を取得し、または(2)前記受検者の年齢、解答数、および誤答数を取得し、前記検査問題の種類ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出する評価算出部と、
    を備え、
    前記検査問題は、少なくとも、
    2つのイラストを表示し、当該2つのイラストが、一致するか否かを解答させる問題を複数出題する択一式問題、
    複数の計算問題を連続して出題する計算問題、
    見本と選択肢とを表示し、前記見本と同一または見本と異なるイラストを、前記選択肢から受検者に複数選択させる選択型問題、または
    課題となるイラストを受検者に繰り返し筆記させる筆記型問題、
    のいずれかの問題を含むことを特徴とする、受検者の運転適性を検査するための運転適性検査システム。
  6. 学習済み機械学習モデルであって、
    運転適性検査の受検者情報に含まれている、受検者の運転特徴および年齢と、
    運転適性検査において、ネットワークを通じて受検者端末に表示され出題される少なくとも2種類以上の検査問題に対する前記受検者の解答であって、検査問題の種類ごとに定められる評価算出表にしたがって評価を算出するための受検者の解答と、
    を学習データとして、
    前記受検者の運転特徴と、前記受検者の年齢と、前記受検者の解答と、の関係を学習し、
    受検者の年齢、および、少なくとも2種類以上の検査問題に対する受検者の解答を入力データとして、受検者の運転特徴について定量化した値を出力するようコンピュータを機能させるための、学習済み機械学習モデル。
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