JP7360991B2 - シール材支持体、このシール材支持体を備えるシール構造、及び、シール方法 - Google Patents
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Description
<本開示の実施形態1に係るシール材支持体及びシール構造の構成>
図1に示されるように、原子力発電所の躯体1に形成された貫通部2内にハッチ3が設置されている。本開示の実施形態1に係るシール構造10は、ハッチ3の外周面3aと躯体1との間に形成された外周隙間4をシールしている。ハッチ3の構成は特に限定するものではなく、本開示では、ハッチ3を原子炉格納容器の機器ハッチ100を一例として説明する。実施形態1では、機器ハッチ100は、コンクリート製のハッチである。機器ハッチ100の上面には、機器ハッチ100を吊り下げるための吊り金具110が設けられている。
図1及び図2を参照して、シール構造10の施工方法、すなわち外周隙間4をシールするシール方法を説明する。その前提として、シール構造10のシール材5を外周隙間4から取り除いた後、機器ハッチ100の吊り金具110に図示しない吊り具を係合して機器ハッチ100を吊り上げることで貫通部2を開放した状態が存在する。また、シール材支持体30は既に躯体1に固定されているものとする。この状態から、機器ハッチ100を貫通部2内に設置する。次に、シール材支持体30の支持面32aに支持されるようにしてシール材5を外周隙間4に設けることで、シール構造10が施工される。
原子力発電所において躯体1の上方から浸水が発生した場合、外周隙間4をシール構造10によってシールしていないと、水が外周隙間4を介して貫通部2を通り、躯体1の下方まで漏洩してしまう。しかし、躯体1の上方から浸水が発生しても、シール構造10によって止水されるので、躯体1の下方への浸水を防ぐことができる。
実施形態1では、貫通部2の上方部21の内面に沿うように設けられたプレート26に代えて、図6に示されるように、開口部20に沿って躯体1の上面1a(L型鋼24の上面も含む)に面するようにプレート28を設けてもよい。図示しないが、プレート28とともに、貫通部2の上方部21の内面に沿うようにプレート26(図2参照)を設けてもよい。
次に、実施形態2に係るシール構造について説明する。実施形態2に係るシール構造は、実施形態1に対して、ハッチ3の構成を変更したものである。尚、実施形態2において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。以下の説明では、特に言及しない限り、実施形態1には、図3に示される形態だけではなく、図4~6に示される実施形態1のいくつかの変形例も含むものとする。
図7に示されるように、貫通部2内に設置されたハッチ3は2つのコンクリート製の機器ハッチ200,300を備えており、本開示の実施形態2に係るシール構造10は、機器ハッチ200,300の互いに面する外周面200b,300b間に形成された中間隙間6と、機器ハッチ200,300それぞれの外周面200b,300b以外の外周面200a及び300aと躯体1との間に形成された外周隙間4とをシールしている。機器ハッチ200,300のそれぞれの上面には、機器ハッチ200,300を吊り下げるための吊り金具210,310が設けられている。
実施形態2におけるシール構造10の施工方法において、外周隙間4をシールするシール構造10の施工方法は実施形態1と同じである。中間隙間6をシールするシール構造10の施工方法は、機器ハッチ200又は300のいずれか一方にシール材支持体30が設けられていれば、貫通部2に機器ハッチ200,300を設置した後、シール材支持体30の支持面32aに支持されるようにしてシール材5を中間隙間6に設けることで、シール構造10が施工される。
実施形態2において外周隙間4及び中間隙間6のそれぞれをシールするシール構造10も、実施形態1と同様に、シール材支持体30の支持面32aにシール材5が支持されていることにより、シール材5に水圧が加わってもシール材5の変形が抑制されるので、シール材5が破損するおそれを低減することができる。その結果、外周隙間4及び中間隙間6のシール強度を向上することができる。
次に、実施形態3に係るシール構造について説明する。実施形態3に係るシール構造は、実施形態1に対して、ハッチ3の構成を変更したものである。尚、実施形態3において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9に示されるように、貫通部2内に設置されたハッチ3は、互いに連結された2つの金属製の機器ハッチ400,500を備えており、本開示の実施形態3に係るシール構造10は、互いに連結された2つの金属製の機器ハッチ400,500の外周と躯体1との間に形成された外周隙間4をシールしている。機器ハッチ400,500のそれぞれの上面には、機器ハッチ400,500を吊り下げるための吊り金具410,510が設けられている。
実施形態3におけるシール構造10の施工方法も、実施形態1と同様に、シール材支持体30は既に躯体1に固定されているものとすると、貫通部2に機器ハッチ400,500を設置した後、シール材支持体30の支持面32aに支持されるようにしてシール材5を外周隙間4に設けることで、シール構造10が施工される。
実施形態3において外周隙間4をシールするシール構造10も、実施形態1と同様に、シール材支持体30の支持面32aにシール材5が支持されていることにより、シール材5に水圧が加わってもシール材5の変形が抑制されるので、シール材5が破損するおそれを低減することができる。その結果、外周隙間4のシール強度を向上することができる。
少なくとも1つのハッチ(3)の外周面(3a)と躯体(1)との間に形成された外周隙間(4)又は複数のハッチ(3)のうち隣り合うハッチ(3,3)間の中間隙間(6)をシールするシール材(5)を支持するためのシール材支持体(30)であって、
設置面(31a)を含む固定部(31)と、
前記シール材(5)を支持する支持面(32a)を含む支持部(32)と
を備え、
前記固定部(31)と前記支持部(32)とは互いに接続され、その接続部(36)において前記設置面(31a)と前記支持面(32a)とは離れており、前記設置面(31a)と前記支持面(32a)とが交差するように前記設置面(31a)を延長したときに、前記支持面(32a)が前記設置面(31a)の仮想的な延長面(EX)に面する側で前記支持面(32a)と前記延長面(EX)とによって形成される角度(θ)は鋭角である。
前記固定部(31)及び前記支持部(32)は平板形状を有する。
前記角度(θ)は10°から80°の範囲である。
少なくとも1つのハッチ(3)の外周面(3a)と躯体(1)との間に形成された外周隙間(4)をシールするシール構造(10)であって、
前記少なくとも1つのハッチ(3)又は前記躯体(1)の一方に前記設置面(31a)が面するように固定される[1]~[3]のいずれかのシール材支持体(30)と、
前記外周隙間(4)に設けられるシール材(5)と
を含み、
前記支持面(32a)は、前記外周隙間(4)内において前記支持部(32)の先端(32b)に向かうにつれて前記少なくとも1つのハッチ(3)又は前記躯体(1)の他方に近づくように構成され、
前記シール材(5)は前記シール材支持体(30)によって支持されている。
前記シール材支持体(30)は前記躯体(1)に固定されている。
前記少なくとも1つのハッチ(3)は、前記外周面(3a)よりも突出した外周縁(104a/503a)を含む天板部(104/503)を備え、
前記支持部(32)の先端(32b)は、前記天板部(104/503)の外周縁(104a/503a)よりも下方かつ前記外周面(3a)側に位置する。
前記シール材支持体(30)は前記少なくとも1つのハッチ(3)に固定されている。
前記少なくとも1つのハッチ(3)は少なくとも2つのハッチ(200,300)を含み、隣り合うハッチ(200,300)間に中間隙間(6)が形成され、
前記隣り合うハッチの一方(200)にさらに、前記シール材支持体(30)が固定され、
前記隣り合うハッチの一方(200)に固定された前記シール材支持体(30)の前記支持面(32a)は前記中間隙間(6)内に位置し、前記シール材(5)が前記支持面(32a)に支持されるように前記中間隙間(6)に設けられている。
前記少なくとも1つのハッチ(3)はコンクリート製又は金属製のハッチである。
少なくとも1つのハッチ(3)の外周面(3a)と躯体(1)との間に形成された外周隙間(4)をシールするシール方法であって、
前記少なくとも1つのハッチ(3)又は前記躯体(1)の一方に固定される[1]~[3]のシール材支持体(30)に支持されるようにしてシール材(5)を前記外周隙間(4)に設けるステップを含む。
3 ハッチ
3a (ハッチの)外周面
4 外周隙間
5 シール材
6 中間隙間
10 シール構造
20 開口部
30 シール材支持体
31 固定部
31a 設置面
32 支持部
32a 支持面
32b (支持部の)先端
36 接続部
100 機器ハッチ
104 天板部
104a (天板部の)外周縁
200 機器ハッチ
300 機器ハッチ
400 機器ハッチ
500 機器ハッチ
503 天板部
503a (天板部の)外周縁
EX (設置面の)延長面
θ 角度
Claims (10)
- 少なくとも1つのハッチの外周面と躯体との間に形成された外周隙間又は複数のハッチのうち隣り合うハッチ間の中間隙間をシールするシール材を支持するためのシール材支持体であって、
設置面を含む固定部と、
前記シール材を支持する支持面を含む支持部と
を備え、
前記固定部と前記支持部とは互いに接続され、その接続部において前記設置面と前記支持面とは離れており、前記設置面と前記支持面とが交差するように前記設置面を延長したときに、前記支持面が前記設置面の仮想的な延長面に面する側で前記支持面と前記延長面とによって形成される角度は鋭角であるシール材支持体。 - 前記固定部及び前記支持部は平板形状を有する、請求項1に記載のシール材支持体。
- 前記角度は10°から80°の範囲である、請求項1または2に記載のシール材支持体。
- 少なくとも1つのハッチの外周面と躯体との間に形成された外周隙間をシールするシール構造であって、
前記少なくとも1つのハッチ又は前記躯体の一方に前記設置面が面するように固定される請求項1~3のいずれか一項に記載のシール材支持体と、
前記外周隙間に設けられるシール材と
を含み、
前記支持面は、前記外周隙間内において前記支持部の先端に向かうにつれて前記少なくとも1つのハッチ又は前記躯体の他方に近づくように構成され、
前記シール材は前記シール材支持体によって支持されているシール構造。 - 前記シール材支持体は前記躯体に固定されている、請求項4に記載のシール構造。
- 前記少なくとも1つのハッチは、前記外周面よりも突出した外周縁を含む天板部を備え、
前記支持部の先端は、前記天板部の外周縁よりも下方かつ前記外周面側に位置する、請求項5に記載のシール構造。 - 前記シール材支持体は前記少なくとも1つのハッチに固定されている、請求項4に記載のシール構造。
- 前記少なくとも1つのハッチは少なくとも2つのハッチを含み、隣り合うハッチ間に中間隙間が形成され、
前記隣り合うハッチの一方にさらに、前記シール材支持体が固定され、
前記隣り合うハッチの一方に固定された前記シール材支持体の前記支持面は前記中間隙間内に位置し、前記シール材が前記支持面に支持されるように前記中間隙間に設けられている、請求項4~7のいずれか一項に記載のシール構造。 - 前記少なくとも1つのハッチはコンクリート製又は金属製のハッチである、請求項4~8のいずれか一項に記載のシール構造。
- 少なくとも1つのハッチの外周面と躯体との間に形成された外周隙間をシールするシール方法であって、
前記少なくとも1つのハッチ又は前記躯体の一方に固定される請求項1~3のいずれか一項に記載のシール材支持体に支持されるようにしてシール材を前記外周隙間に設けるステップを含むシール方法。
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