JP7358356B2 - 高透過率の光制御フィルム - Google Patents

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Description

具体化された光制御フィルムの断面図である。 図1aの光制御フィルムの極性遮断視野角を示す図である。 比較例の微細構造フィルムの斜視図である。 微細構造フィルムの斜視図である。 光制御フィルムを製造する具体化された方法の略断面図である。 接着層と結合されたカバーフィルムを更に備えた光制御フィルムの斜視図である。 具体化された光制御フィルムを備えたバックライト付きディスプレイの略斜視図である。 様々な光制御フィルムに対する輝度対視野角のプロットである。 建物、住宅、又は車両などのエンクロージャの窓に適用される例示的光制御フィルムの略断面図である。 光制御フィルムの透過率対波長の概略プロットである。 光制御フィルムが飛行機又は航空機に適用される例示的アプリケーションの概略図である。 再帰反射器と組み合わせた光制御フィルムを含む例示的光通信システムの略断面図である。 光制御フィルム、及び脈拍センサを有する腕時計を含む例示的着用可能光通信システムの略断面図である。
様々な光制御フィルムが説明されたが、業界は、改善された軸上透過などの改善された特性を有するプライバシーフィルムとして使用するのに適した光制御フィルムにおける利点を見出すであろう。
一実施形態では、光入力面及び光入力面の反対側の光出力面と、光入力面と光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域と、を備えた光制御フィルムが説明される。
一実施形態では、吸収領域は、少なくとも30のアスペクト比を有する。
いくつかの実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域は、視野角0度において少なくとも75%の相対透過率(コノスコープで測定される)を有する。
別の実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域は、分光光度計を使用して視野角0度で測定された、320~400nm(UV)の範囲の波長に対して少なくとも35、40、45、又は50%の透過率を有する。
別の実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域は、分光光度計を使用して視野角0度で測定された、700~1400nm(NIR)の範囲の波長に対して少なくとも65、70、75、又は80%、あるいはそれらの組合せの透過率を有する。
更に別の実施形態では、光入力面及び光入力面の反対側の光出力面と、光入力面と光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域と、を備えた光制御フィルムが説明される。吸収領域は、光入力面及び光出力面で光をブロックし、ブロックされる最大表面積は、交互の透過領域及び吸収領域全体の20%未満である。
別の実施形態では、吸収領域は、100ナノメートル未満の粒径中央値を有する複数の粒子を含む。
別の実施形態では、吸収領域は高分子電解質を含む。
いくつかの実施形態では、光制御フィルムは、トップコート又は接着剤及びカバーフィルムなどの追加層を更に含み、総光制御フィルムは、本明細書において説明されるように規定された透過特性を有する。
別の実施形態では、光制御フィルムは、第2の光制御フィルムの上に配置されるように単に説明されている第1の光制御フィルムを備えている。第2の光制御フィルムは、少なくとも30のアスペクト比を有する吸収領域を同じく有することができる。
本明細書において説明される光制御フィルムを備えた様々な光通信システムが同じく説明される。
更に別の実施形態では、チャネルと交互に配置された複数の光透過領域を備えた微細構造フィルムを提供することであって、
微細構造フィルムが、光透過領域の上面及び側壁、並びにチャネルの底面によって画定される表面を有する、微細構造フィルムを提供することと、有機光吸収材料を表面に適用することと、
光透過領域の上面及びチャネルの底面から光吸収コーティングの少なくとも一部を除去することとを含む、
光制御フィルムを製造する方法が説明される。
更に別の実施形態では、チャネルと交互に配置された複数の光透過領域を備えた微細構造フィルムを提供することであって、微細構造フィルムが、光透過領域の上面及び側壁、並びにチャネルの底面によって画定される表面を有する、微細構造フィルムを提供することと、レイヤー・バイ・レイヤー自己集合によって表面に光吸収材料を適用することと、光透過領域の上面及びチャネルの底面から光吸収コーティングの少なくとも一部を除去することとを含む、微細構造フィルムを製造する方法が説明される。
一実施形態では、光制御フィルム(「light control film、LCF」)が説明される。具体化されたLCF100の断面図である図1aを参照すると、LCFは、光出力面120と、反対側の光入力面110とを備えている。光出力面120は、典型的には光入力面110に対して平行である。LCF100は、光出力面120と光入力面110との間に配置された交互の透過領域130及び吸収領域140を含む。
一実施形態では、図1aに示されているように、透過領域130は、典型的にはランド領域「L」と一体であり、これは、ランド領域と、透過領域130のベース部131との間に界面が存在しないことを意味する。別法としては、LCFは、このようなランド領域Lを欠いていてもよく、あるいはランド領域Lと透過領域130との間に界面が存在していてもよい。界面が存在している場合、ランド領域は、交互の透過領域130及び吸収領域140と光入力面110との間に配置される。
別法としては、別の実施形態では、表面120は光入力面であってもよく、表面110は光出力面であってもよい。この実施形態では、ランド領域は、交互の透過領域130及び吸収領域140と光出力面との間に配置されている。
透過領域130は幅「W」によって画定され得る。ランド領域「L」を除くと、透過領域130は、典型的には吸収領域140と名目上同じ高さを有している。典型的な実施形態では、吸収領域の高さHは、少なくとも30、40、50、60、70、80、90、又は100ミクロンである。いくつかの実施形態では、高さは、200、190、180、170、160、又は150ミクロン以下である。いくつかの実施形態では、高さは、140、130、120、110、又は100ミクロン以下である。LCFは、典型的には、名目上同じ高さ及び幅を有する複数の透過領域を備えている。いくつかの実施形態では、透過領域は、高さ「H」を有し、その最も広い部分における最大幅「W」、及びアスペクト比H/Wは少なくとも1.75である。いくつかの実施形態では、H/Wは、少なくとも2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、又は5.0である。他の実施形態では、透過領域のアスペクト比は、少なくとも6、7、8、9、10である。他の実施形態では、透過領域のアスペクト比は、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、又は50である。
吸収領域140は、底面155と上面145との間の距離によって画定される高さ「H」を有し、このような上面及び底面は、典型的には光出力面120及び光入力面110に対して平行である。吸収領域140は最大幅「W」を有し、表面光出力面120に沿ってピッチ「P」だけ間隔を隔てている。また、吸収領域は、図5の斜視図に示されているように、長さ「L」を有している。幅は典型的には最小寸法である。高さは典型的には幅よりも大きい。長さは典型的には最大寸法である。いくつかの実施形態では、長さは、一片のフィルムの全長に及ぶことができ、あるいはフィルムのロール全体の長さに及ぶことができる。
ベース(すなわち底面155に隣接している)における吸収領域の幅Wは、典型的には上面145に隣接する吸収領域の幅と名目上同じである。しかしながらベースにおける吸収領域の幅が上面に隣接する幅と異なる場合、幅は最大幅によって画定される。複数の吸収領域の最大幅は、透過率(例えば輝度)が測定される面積などの重要な面積に対して平均化することができる。LCFは、典型的には、名目上同じ高さ及び幅を有する複数の吸収領域を備えている。典型的な実施形態では、吸収領域は、通常、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1ミクロン以下の幅を有している。いくつかの実施形態では、吸収領域は、通常、900、800、700、600、又は500ナノメートル以下の幅を有している。いくつかの実施形態では、吸収領域は、少なくとも50、60、70、80、90、又は100ナノメートルの幅を有している。
吸収領域は、吸収領域の高さを吸収領域の最大幅で割った(H/W)アスペクト比によって画定することができる。いくつかの実施形態では、吸収領域のアスペクト比は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。好ましい実施形態では、吸収領域の高さ及び幅は、吸収領域が更に高いアスペクト比を有するように選択される。いくつかの実施形態では、吸収領域のアスペクト比は、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100である。他の実施形態では、吸収領域のアスペクト比は、少なくとも200、300、400、又は500である。アスペクト比は、最大10,000以上の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、アスペクト比は、9,000、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3000、2,000、又は1,000以下である。
図1bに示されているように、LCF100は、交互の透過領域130及び吸収領域140、並びに透過領域130と吸収領域140との間の界面150を含む。界面150は、光出力面120に対して直交する線160と壁角度θを形成している。
壁角度θが大きいほど、垂直入射、言い換えると0度の視野角における透過率が小さくなる。垂直入射における光の透過率を可能な限り大きくすることができるよう、より小さい壁角度が好ましい。いくつかの実施形態では、壁角度θは、10、9、8、7、6、又は5度未満である。いくつかの実施形態では、壁角度は、2.5、2.0度以下である。1.5、1.0、0.5、又は0.1度以下である。いくつかの実施形態では、壁角度はゼロであるか、又はゼロに近づく。壁角度がゼロである場合、吸収領域と光出力面120との間の角度は90度である。透過領域は、壁角度に応じて、長方形又は台形の断面を有することができる。
入射光が吸収領域と透過領域との間の界面で内部全反射(total internal reflection、TIR)すると、透過率(例えば可視光の輝度)を高くすることができる。光線がTIRすることになるか否かは、界面との入射角、並びに透過領域及び吸収領域の材料の屈折率の差から決定することができる。
図1bに示されているように、吸収領域140同士間の透過領域130は、交互の透過領域130及び吸収領域の幾何学構造によって画定される界面角度θを有している。図1a及び図1bに示されているように、界面角度θは、2本の線の交点によって画定することができる。第1の線は、第1の吸収領域の底面及び側壁表面によって画定される第1の点、及び最も近い第2の吸収領域の上面及び側壁表面によって画定される第2の点から延びている。第2の線は、第1の吸収領域の上面及び側壁表面によって画定される第1の点、及び第2の吸収領域の底面及び側壁表面によって画定される第2の点から延びている。
極性遮断視野角θPは、極性遮断視野半角θ1と極性遮断視野半角θ2の合計に等しく、これらの各々は、法線から光入力面110まで測定される。典型的な実施形態では、極性遮断視野角θPは対称であり、極性遮断視野半角θ1は極性視野半角θ2に等しい。別法としては、極性遮断視野角θPは非対称であってもよく、極性遮断視野半角θ1は極性遮断視野半角θ2に等しくない。
輝度は、実施例で説明されている試験方法に従って測定することができる。輝度は、図1aに示されているような交互の透過領域及び吸収領域上で、又は図4に示されているカバーフィルムを更に含むことができる全光制御フィルム上で測定することができる。相対透過率(例えば可視光の輝度)は、規定された視野角又は視野角の範囲における、交互の透過領域及び吸収領域、並びに任意選択で他の層を含む光制御フィルムを使用した読値と、光制御フィルム(すなわちベースライン)を使用しない読値との間の輝度の百分率として定義される。図6を参照すると、視野角は、-90度~+90度に及び得る。0度の視野角は光入力面110に対して直交し、一方、-90度及び+90度の視野角は光入力面110に対して平行である。
例えば図6を参照すると、軸上ベースライン輝度は2100Cd/mである。EX6は、1910Cd/mの軸上輝度を有している。したがって相対透過率(例えば輝度)は、1910Cd/m/2100Cd/mに100を掛けたものであり、91.0%に等しい。特に明記されていない限り、相対透過率は、実施例で更に詳細に説明されるコノスコープ試験方法によって測定される、400~700nmの波長範囲を有する可視光相対透過率を意味している。
交互の透過領域及び吸収領域、又は総LCFは、0度の視野角において大きい相対透過率(例えば輝度)を示すことができる。いくつかの実施形態では、相対透過率(例えば輝度)は、少なくとも75、80、85、又は90%である。相対透過率(例えば輝度)は、典型的には100%未満である。
交互の透過領域及び吸収領域、又は総LCFは、0度の視野角において、他の波長の光の高い透過率を示すことができる。700~1400nmの範囲の波長範囲を有する近赤外(near infrared、NIR)光、及び320~400nmの波長範囲を有する紫外(ultraviolet、UV)光の透過率は、実施例で更に詳細に説明される分光測定法によって測定される透過率を意味している。
いくつかの実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域、又は総LCFは、0度の視野角における700~1400nm(NIR)の範囲の波長に対して、少なくとも50、55、60、65、70、75、又は80%の透過率を有している。いくつかの実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域、又は総LCFは、0度の視野角における320~400nm(UV)の範囲の波長に対して、少なくとも50%又は60%の透過率を有している。透過率は、波長範囲のうちの単一の波長に対するものであっても、あるいは透過率は、波長範囲全体に対する平均透過率であってもよい。
別法としては、交互の透過領域及び吸収領域、又は総LCFは、0度の視野角において、他の波長の光の低い透過率を示すことができる。(例えばPET)ベースフィルム並びに光透過領域及びランド層の材料は、可視光及びNIR光の高い透過率を有し得るが、依然としてUV光の透過率はより低い。更に、(例えばカラーシフト)フィルムを含むことにより、UV光及びNIR光の両方の透過率を実質的に低減することができ、その一方で可視光の高い透過率を示すことができる。いくつかの実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域、又は総LCFは、0度の視野角における700~1400nm(NIR)の範囲の波長に対して、50、45、40、又は30%未満の透過率を有している。いくつかの実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域、又は総LCFは、0度の視野角における320~400nm(UV)の範囲の波長に対して、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5%未満の視野角で透過率を有している。透過率は、波長範囲のうちの単一の波長に対するものであっても、あるいは透過率は、波長範囲全体に対する平均透過率であってもよい。
典型的な実施形態では、LCFは、他の視野角において著しく低い透過率を有している。例えばいくつかの実施形態では、-30度、+30度の視野角、又は-30度及び+30度の平均の視野角における相対透過率(例えば可視光の輝度)は、50、45、40、35、30、又は25%未満である。他の実施形態では、30度、+30度の視野角、又は-30度及び+30度の平均の視野角における相対透過率(例えば輝度)は、25、20、15、10又は5%未満である。いくつかの実施形態では、+/-35、+/-40、+/-45、+/-50、+/-55、+/-60、+/-65、+/-70、+/-75、又は+/-80度の視野角における相対透過率(例えば輝度)は、25、20、15、10、又は5%未満、あるいは5%未満である。いくつかの実施形態では、+35~+80度、-35~-80度に及ぶ視野角、又はこれらの範囲の平均の視野角に対する平均相対透過率(例えば輝度)は、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2%未満である。
交互の透過領域及び吸収領域、又は総LCFは、他の視野角において、NIR波長又はUV波長の光の著しく低い透過率を示すことができる。例えばいくつかの実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域、又は総光制御フィルムは、30度の視野角における700~1400nm(NIR)の波長範囲に対して、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5%未満の透過率を有している。いくつかの実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域、又は総光制御フィルムは、30度の視野角における320~400nm(UV)の波長範囲において、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2、又は1%未満の透過率を有している。いくつかの実施形態では、60度の視野角におけるNIR波長又はUV波長の光の透過率も同じく前述の範囲内であり、典型的には30度における透過率未満である。いくつかの実施形態では、交互の透過領域及び吸収領域、又は総光制御フィルムは、60度の視野角における700~1400nm(NIR)の波長範囲に対して、5、4、3、2、又は1%未満の平均透過率を有している。
したがって本明細書において説明されている光制御フィルムは、様々な波長の光(可視、UV及びNIR)に対して、様々な視野角における様々な組合せの高透過特性及び低透過特性を示すことができる。
一実施形態では、光制御フィルムは、様々な視野角(例えば0、30、及び60度)においてNIRの高い透過率を示すが、上で言及したように、依然として可視及びUVの透過率はより低い。光制御フィルムは、700~1400nm(NIR)の範囲の波長に対して、少なくとも60、65、70、75、又は80%の透過率、及び30及び/又は60度の視野角における700~1400nm(NIR)の範囲の波長に対して、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、又は50%の透過率を示すことができる。
「軸外」視野角において著しく低い透過率を有するLCFは、プライバシーフィルムとして使用するために適している。このようなフィルムによれば、観察者は、ディスプレイの直ぐ前で画像を見ることができる(0度の視野角)が、観察者は、依然としてこのような画像を「軸外」角度で見ることはできない。
吸収領域は、光入力面又は光出力面で光をブロックする(例えば吸収する)吸収領域の最大表面積に関して特徴付けられることができる。光制御フィルムの光入力面又は光出力面は、光学顕微鏡(例えば200Xの倍率)で見ることができる。吸収領域がより小さい場合(例えばWが1ミクロン未満の場合、より高い解像度の顕微鏡(例えば走査型電子顕微鏡)を使用して表面積を測定することができる。複数の吸収領域の最大幅(すなわち図1aのW)及びピッチ(すなわち図1aのP)は、ImageJソフトウェア(http://imagej.nih.gov/ijでNational Institute of Healthから利用することができるものなど)を使用して光学顕微鏡画像を分析することによって測定することができる。
図1cは、光出力面120と、反対側の光入力面110とを備えた、比較例のLCF150の斜視図である。光出力面120は、典型的には光入力面110に対して平行である。LCF700は、光出力面120と光入力面110との間に配置された交互の透過領域130及び吸収領域140を含む。比較例の光制御フィルム(CE2)の場合、図1cに示されているように、(例えば5個の)吸収領域の平均最大幅Wは15ミクロンである。平均ピッチP(吸収領域同士の間の距離)は65ミクロンである。比率W/Pは、0.23すなわち23%に等しい。言い換えると、吸収領域が占める最大表面積は、光出力面720の交互の透過領域及び吸収領域全体の23%である。
ここで説明されている吸収領域は、比較例の光制御フィルムよりも少ない光をブロックする(例えば吸収する)。典型的な実施形態では、吸収領域が占める最大表面積は、交互の透過領域及び吸収領域全体の20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、又は3%未満である。吸収領域がゼロの壁角度を有している場合、すなわち言い換えると、高さが図1aに示されているように光入力面及び光出力面に対して直交する場合、吸収領域が占める最大表面積は、たった今説明した、比較例の光制御フィルムの場合と同じ方法で計算することができる(すなわち比率W/P)。吸収領域がゼロを超える壁角度を有している場合、W/Pの比率は、光が光入力面及び光出力面に対して直交する方向にフィルムを通過する際にブロックされる全ての光は考慮しない。この実施形態では、「d」は、光出力面120に対して直交する壁角度及び線160から計算することができる。ブロックされる光のこの総表面積は、
Figure 0007358356000001
に等しい。例えばWが30ミクロンであり、Wが0.5ミクロンであり、壁角度が3度である場合、
Figure 0007358356000002
であり、ブロックされた光の総表面積は17.1%である。
吸収領域は、微細構造フィルムの表面をコーティングすることによって形成することができる。図2は、LCFを製造するためにコーティングすることができる、具体化された微細構造フィルム物品200を示したものである。示されている微細構造フィルムは、ベース層260の上に複数のチャネル201a~201dを備えた微細構造表面210を含む。図2に示されているように、連続するランド層「L」は、チャネル205の底とベース層260の上面210との間に存在し得る。別法としては、チャネル201は、微細構造フィルム物品200を完全に通過して延びることができる。この実施形態(図示せず)では、溝の底面205は、ベース層260の上面210と一致し得る。典型的な実施形態では、ベース層260は、引き続いて説明されるように、透過領域230とは異なる有機ポリマー材料を含む事前形成済みフィルムである。
突出部(例えば透過領域)230の高さ及び幅は、隣接するチャネル(例えば201a及び201b)によって画定される。突出部(例えば透過領域)230は、上面220、底面231、及び上面を底面に結合する側壁232、233によって画定することができる。側壁は互いに平行であってもよい。より典型的には、側壁は、既に説明した壁角度を有している。
いくつかの実施形態では、突出部(例えば透過領域)230は、少なくとも10ミクロンのピッチ「P」を有している。ピッチは、図2に示されているように、第1の突出部(例えば透過領域)の開始と、第2の突出部(例えば透過領域)の開始との間の距離である。ピッチは、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、又は50ミクロンであってもよい。ピッチは、通常、1mm以下である。ピッチは、典型的には900、800、700、600、又は500ミクロン以下である。いくつかの実施形態では、ピッチは、典型的には550、500、450、400、350、300、250、又は200ミクロン以下である。いくつかの実施形態では、ピッチは、175、150、100ミクロン以下である。典型的な実施形態では、突出部は、単一のピッチで一様に間隔を隔てている。別法としては、突出部は、隣接する突出部同士の間のピッチが同じピッチにならないように間隔を隔てることができる。この後者の実施形態では、少なくとも一部、典型的には大部分(全突出部の少なくとも50、60、70、80、90%又はそれ以上)は、たった今説明したピッチを有している。
吸収領域のピッチPは、光透過領域に対してたった今説明した同じ範囲内である。
突出部(例えば透過領域)のピッチ及び高さは、光吸収コーティングによる突出部(例えば透過領域)のコーティングを容易にするために重要であり得る。突出部が互いに過度に近接して間隔を取る場合、側壁を一様にコーティングすることが困難であり得る。突出部が過度に離れて間隔を隔てている場合、光吸収コーティングは、軸外視野角におけるプライバシーなどの意図された機能を提供するのに有効ではないことがある。
吸収領域は、微細構造フィルムの突出部(例えば透過領域)の側壁に光吸収コーティングを提供することによって形成される。光吸収コーティングの厚さは、既に説明したように吸収領域の幅Wと等価である。吸収領域は、側壁(例えば232、233)に十分に薄い共形の光吸収コーティングを提供する任意の方法によって形成することができる。
一実施形態では、吸収領域は、加法的方法と減法的方法の組合せによって形成される。
図3を参照すると、光制御フィルムは、上面(例えば320)及び側壁(332、333)によって画定される複数の突出部(例えば透過領域)を備えた微細構造フィルム300(図2の微細構造フィルムなど)を提供することによって準備することができる。複数の突出部(例えば透過領域)330は、チャネル301a及び301bによって互いに分離されている。突出部(例えば透過領域)の側壁はチャネルの側壁と一致している。チャネルは、ベース層360の上面に対して平行であるか、又はそれと一致する底面305を更に備えている。この方法は、微細構造フィルムの(例えば全)表面、すなわち突出部(例えば透過領域)の上面320及び側壁332、333、及び突出部(例えば透過領域)を分離しているチャネルの底面305に光吸収コーティング341を適用することを更に含む。方法は、突出部(例えば透過領域)の上面320及びチャネルの底面305からコーティングを除去することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、突出部(例えば透過領域)と(例えば同じ)重合性樹脂などの有機ポリマー材料345をチャネルに充填することと、重合性樹脂を硬化させることとを更に含む。硬化した重合性樹脂でチャネルが充填されない場合、チャネルには、典型的には空気が充填される。
微細構造を有する物品(例えば図2に示されている微細構造フィルム物品200)は、任意の好適な方法によって準備することができる。一実施形態では、微細構造を有する物品(例えば図2に示されている微細構造フィルム物品200)は、(a)重合性合成物を準備するステップと、(b)マスターの空洞をかろうじて充填するのに十分な量で、重合性合成物をマスターネガ微細構造成形表面(例えばツール)に堆積させるステップと、(c)重合性合成物のビードを、少なくとも一方が可撓性である(例えば事前形成済みフィルム)ベース層とマスターとの間で移動させることによって空洞を充填するステップと、(d)合成物を硬化させるステップとを含む、米国特許第8,096,667号に記載されている鋳造及び硬化方法によって準備することができる。堆積温度は、周囲温度から約180°F(82℃)までの範囲にあり得る。マスターは、ニッケル、クロムめっき又はニッケルめっきが施された銅又は黄銅などの金属製であってもよく、あるいは重合条件下で安定であり、かつ、マスターからの重合材料のきれいな除去を可能にする表面エネルギーを有する熱可塑性材料であってもよい。ベース層が事前形成済みフィルムである場合、フィルムの表面のうちの1つ以上は、光透過領域の有機材料との粘着を促進するために、任意選択で下塗り処理を施すことができ、さもなければ別の方法で処理されてもよい。一実施形態では、ベース層は、Michigan州Midland在所のDow Chemicalから商標名「Rhoplex 3208」で入手することができるようなプライマーとして熱硬化性アクリルポリマーを含む。
重合性樹脂は、(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリレートオリゴマー及びそれらの混合物から選択される、第1の重合性成分及び第2の重合性成分の組合せを含むことができる。本明細書において使用される場合、「モノマー」又は「オリゴマー」は、ポリマーに変換することができる任意の物質である。「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物の両方を意味している。いくつかの事例では、重合性合成物は、(メタ)アクリル化ウレタンオリゴマー、(メタ)アクリル化エポキシオリゴマー、(メタ)アクリル化ポリエステルオリゴマー、(メタ)アクリル化フェノールオリゴマー、(メタ)アクリル化アクリルオリゴマー及びそれらの混合物を含むことができる。
重合性樹脂は、UV硬化性樹脂などの放射線硬化性ポリマー樹脂であってもよい。いくつかの事例では、本発明のLCFのために有用な重合性樹脂合成物は、これらの合成物が本明細書において説明されている屈折率特性及び吸収特性を満足する範囲まで、米国特許第8,012,567号(Gaidesら)に記載されているような重合性樹脂合成物を含むことができる。
ベース層の化学的組成及び厚さは、LCFの最終用途に依存し得る。典型的な実施形態では、ベース層の厚さは少なくとも約0.025ミリメートル(25ミクロン)にすることができ、約0.05mm(50ミクロン)~約0.25mm(250ミクロン)であってもよい。
有用なベース層材料としては、例えばスチレン-アクリロニトリル、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸に基づくコポリマー又はブレンド、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリシクロ-オレフィン、ポリイミド、及びガラスのキャストフィルム又は配向フィルムなどのポリオレフィン系材料が挙げられる。任意選択で、ベース層は、これらの材料の混合物又は組合せを含有することができる。いくつかの実施形態では、ベース層は多層であってもよく、あるいは連続相中に懸濁又は分散された分散成分を含有することができる。
ベース層材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネート(PC)が挙げられる。有用なPETフィルムの例としては、Delaware州Wilmington在所のDuPont Filmsから、商品名「Melinex 618」で入手可能な光等級ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。光学等級のポリカーボネートフィルムの例としては、Washington州Seattle在所のGE Polymershapeから入手可能なLEXAN(商標)ポリカーボネートフィルム8010、及びGeorgia州Alpharetta在所のTeijin Kaseiから入手可能なPanlite 1151が挙げられる。いくつかの実施形態では、ベース層は、75ミクロンの厚さを有するPETフィルムである。ベース層は、艶消し仕上げ又は光沢仕上げを有することができる。
いくつかのベース層は光学的に活性であってもよく、偏光材料として作用し得る。フィルムを介した光の偏光は、例えば通過する光を選択的に吸収するフィルム材料中に二色偏光子を含むことによって達成することができる。また、偏光は、整列したマイカチップなどの無機材料を含むことによって達成することができ、あるいは連続するフィルム内に分散した光変調液晶の小滴などの、連続するフィルム内に分散した不連続相によって達成することができる。別法として、フィルムは、異なる材料の極微小層から準備することができる。フィルム内の偏光材料は、例えばフィルムの延伸、電界又は磁界の印加、及びコーティング技法などの方法を使用することによって偏光配向に整列させることができる。
偏光フィルムの例としては、米国特許第5,825,543号(Ouderkirkら)、米国特許第5,783,120号(Ouderkirkら)、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)、米国特許第5,612,820号(Shrenkら)及び同第5,486,949号(Shrenkら)に記載されているものが挙げられる。プリズム輝度向上フィルムと組み合わせたこれらの偏光子フィルムの使用は、例えば米国特許第6,111,696号(Allenら)及び米国特許第5,828,488号(Ouderkirkら)に記載されている。商用的に入手することができるフィルムは、3M Companyから入手可能な3M(商標)Dual Brightness Enhancement Film「DBEF」などの多層反射型偏光子フィルムである。
いくつかの実施形態では、ベース層又はカバーフィルムは、米国特許第8,503,122号に記載されているような(例えばカラー)波長シフト効果を付与する多層フィルムである。適切なカラーシフトフィルムは、参照により本明細書に組み込まれている、Weberらに対する米国特許第6,531,230号に記載されている。他の適切なカラーシフトフィルムとしては、スピンコーティング、ブレードコーティング、ディップコーティング、蒸発、スパッタリング、化学蒸着(CVD)、等々によって生成される多層フィルムが挙げられる。例示的フィルムは有機材料及び無機材料の両方を含む。このようなフィルムは、例えば米国特許第7,140,741号、同第7,486,019号、及び同第7,018,713号に記載されている。
多層光学フィルムは、2017年11月28日付けの米国特許第9,829,604号(Schmidt)に更に記載されているように、紫外線反射体、青色反射体、可視反射体又は赤外線反射体であってもよい。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルムは、UV反射多層光学フィルム(すなわちUV反射体又はUVミラー)として特徴付けることができる。UV反射多層光学フィルムは、290nm~400nmの範囲の帯域幅に対して、垂直入射における少なくとも50、60、70、80、又は90%の反射率を有するフィルムを意味している。いくつかの実施形態では、290nm~400nmの範囲の帯域幅に対する垂直入射における反射率は、少なくとも91、92、93、94、95、96、97、又は98%である。UV反射多層光学フィルムは、可視光に対して小さい反射率及び高い透過率を有することができる。例えば可視光の透過率は、少なくとも85%又は90%であり得る。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルムは、UV青色反射多層光学フィルム(すなわちUV青色反射体又はUV青色ミラー)として特徴付けることができる。UV青色反射多層光学フィルムは、350nm~490nmの範囲の帯域幅に対して、垂直入射における少なくとも50、60、70、80、又は90%の反射率を有するフィルムを意味している。いくつかの実施形態では、350nm~490nmの範囲の帯域幅に対する垂直入射における反射率は、少なくとも91、92、93、94、95、96、又は97%である。UV青色反射多層光学フィルムは、500nmを超える波長を有する可視光に対して小さい反射率及び高い透過率を有することができる。例えば500nmを超える波長を有する可視光の透過率は、少なくとも85%又は90%であり得る。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルムは、近赤外線反射多層光学フィルム(すなわち近赤外線反射体又は近赤外線ミラー)として特徴付けることができる。近赤外線反射多層光学フィルムは、870nm~1100nmの範囲の帯域幅に対して、垂直入射における少なくとも50、60、70、80、又は90%の反射率を有するフィルムを意味している。いくつかの実施形態では、870nm~1100nmの範囲の帯域幅に対する垂直入射における反射率は、少なくとも91、92、93、又は94%である。いくつかの実施形態では、フィルムは、45度の角度においてこの同じ近赤外線反射率を示す。近赤外線反射多層光学フィルムは、可視光に対して小さい反射率及び高い透過率を有することができる。例えば可視光の透過率は、少なくとも85%、86%、87%、又は88%であり得る。
可視光反射多層光学フィルム(例えば可視反射体又は可視ミラー)は、400nm~700nmの範囲の帯域幅に対して、垂直入射における少なくとも50、60、70、80、又は90%の反射率を有するフィルムを意味している。いくつかの実施形態では、400nm~700nmの範囲の帯域幅に対する垂直入射における反射率は、少なくとも91、92、93、94、95、96、97、又は98%である。このような広帯域反射体の近赤外線反射率特性は、既に説明した通りである。
他の実施形態では、単一の多層光学フィルムは、2つ以上の帯域幅を反射することができ、広帯域反射体と見なすことができる。例えば多層光学フィルムは、可視反射多層光学フィルム及び近赤外線反射多層光学フィルムであってもよい。したがってこのような多層光学フィルムは、可視帯域幅及び近赤外線帯域幅の両方の大きい反射率を有している。
更に、反射帯域を広くするために、例えば異なる反射帯域を有する2つ以上の多層光学フィルムミラーが一緒にラミネートされる(laminated)。例えば、既に説明したような多層光学フィルム可視反射体は、UV反射体、UV青色反射体、及び/又は近赤外線反射体と組み合わせることができる。当業者には認識されるように、様々な他の組合せを構築することができる。
別法として、微細構造を有する物品(例えば図2に示されている微細構造フィルム物品200)は、溶融押出しによって準備することができ、すなわちマスターネガ微細構造成形表面(例えばツール)上に流体樹脂合成物を鋳造し、合成物を硬化させることによって準備することができる。この実施形態では、突出部(例えば光透過領域)は、連続層中でベース層260に相互接続されている。個々の突出部(例えば光透過領域)及びそれらの間の接続は、通常、同じ熱可塑性材料を含む。ランド層の厚さ(すなわち複製された微細構造から生じる部分を除く厚さ)は、典型的には0.001~0.100インチ、好ましくは0.003~0.010インチである。
ランド層の厚さは、微細構造を有する物品(例えば図2に示されている微細構造フィルム物品200)が既に説明した鋳造及び硬化プロセスから準備される場合、より薄くなり得る。例えばランド層の厚さは、典型的には、最大50ミクロンに及ぶ少なくとも0.5、1、2、3、4、又は5ミクロンである。いくつかの実施形態では、ランド層の厚さは、45、40、35、30、25、20、15、又は10ミクロン以下である。一実施形態では、ランド層は8ミクロンである。
溶融押出しのための適切な樹脂合成物は、寸法的に安定であり、耐久性があり、耐候性があり、かつ、所望の構成に容易に成形可能である透明材料である。適切な材料の例としては、Rohm and Haas Companyによって製造されているPlexiglasブランド樹脂などの約1.5の屈折率を有するアクリル、約1.59の屈折率を有するポリカーボネート、熱硬化性アクリレート及びエポキシアクリレートなどの反応性材料、E.I.Dupont de Nemours and Co.,Inc.によって、SURLYNのブランド名で市販されているものなどのポリエチレン系イオノマー、(ポリ)エチレン-コ-アクリル酸、ポリエステル、ポリウレタン、フルオロポリマー、シリコーンポリマー、エチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー及び酢酸酪酸セルロースが挙げられる。ポリカーボネートは、それらの強靭性及び比較的より大きい屈折率のため、とりわけ適している。
更に別の実施形態では、マスターネガ微細構造成形表面(例えばツール)は、米国特許第4,601,861号(Pricone)に記載されているような型押付けツールとして使用することができる。
吸収領域は、通常、微細構造フィルムの表面をコーティングすることによって形成される。例えばレイヤー・バイ・レイヤー(layer-by-layer、LbL)コーティング、蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング及び原子層堆積(atomic layer deposition(ALD))を含む様々なコーティング方法を使用することができる。
光吸収領域を形成するために有用な光吸収材料は、可視スペクトルの少なくとも一部分において光を吸収又はブロックするように機能する任意の適切な材料であってもよい。典型的な実施形態では、光吸収材料は、UVスペクトル及び/又はIRスペクトルの少なくとも一部を同じく吸収又はブロックする。光吸収材料は、光透過領域の側壁にコーティングされるか、さもなければ別の方法で提供され、それによりLCF内に光吸収領域を形成することができることが好ましい。例示的光吸収材料としては、黒色又は他の光吸収着色料(カーボンブラック若しくは別の顔料又は染料、あるいはそれらの組み合わせなど)が挙げられる。他の光収材料は、光が光吸収領域を透過するのをブロックするように機能することができる粒子又は他の散乱要素を含むことができる。光吸収材料は、有機、無機又はそれらの組み合わせであってもよい。典型的には、光吸収材料は少なくとも部分的に有機である。
光吸収材料(例えばコーティング)が粒子を含んでいる場合、粒子は、光吸収材料(例えばコーティング)の厚さ以下、言い換えると、実質的に吸収領域の幅W未満の粒径中央値D50を有している。
粒径中央値は、通常、1ミクロン未満である。いくつかの実施形態では、粒径中央値は、900、800、700、600、又は500nm以下である。いくつかの実施形態では、粒径中央値は、450、400、350、300、250、200、又は100nm以下である。いくつかの実施形態では、粒径中央値は、90、85、80、75、70、65、60、55、又は50nm以下である。いくつかの実施形態では、粒径中央値は、30、25、20、又は15nm以下である。粒径中央値は、典型的には少なくとも1、2、3、4、又は5ナノメートルである。吸収領域のナノ粒子の粒径は、例えば透過電子顕微鏡法又は走査電子顕微鏡法を使用して測定することができる。
「一次粒径」は、単一の(非凝集化、非塊状化)粒子の直径中央値を意味している。「塊状化」は、電荷又は極性によって一体に保持され、かつ、より小さい実体へと破壊され得る一次粒子同士間の弱い連携を意味している。本明細書において使用される場合、粒子に関する「凝集体」は、結果として得られる外部表面積が個々の構成要素の計算された表面積の合計より著しく小さい場合があり得る、強く結合した粒子又は強く融解した粒子を意味している。凝集体を一体に保持する力は強い力であり、例えば共有結合、又は焼結あるいは複雑な物理的もつれに起因する力である。塊状化したナノ粒子は、表面処理を施すことなどによって、離散一次粒子などのより小さい実体へと破壊することができるが、表面処理を施して凝集させても、表面処理された凝集体が得られるだけである。いくつかの実施形態では、ほとんどの(すなわち少なくとも50%の)ナノ粒子は、離散非塊状化ナノ粒子として存在する。例えば(コーティング溶液の)少なくとも70%、80%、又は90%のナノ粒子は、離散非塊状化ナノ粒子として存在する。
光吸収ナノ粒子の濃度は、典型的には総光吸収領域の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、又は50重量%である。いくつかの実施形態では、光吸収ナノ粒子の濃度は、総光吸収領域の少なくとも55、60、65、70、又は75重量%である。光吸収ナノ粒子の濃度は、熱重量分析などの当技術分野で知られている方法によって決定することができる。
一実施形態では、方法は、レイヤー・バイ・レイヤー光吸収コーティングを、微細構造フィルムの表面、すなわち突出部の上面及び側壁、並びにチャネルの底面に適用することを含む。
いくつかの実施形態では、微細構造フィルムの表面に配置された複数の層は、一般に「レイヤー・バイ・レイヤー自己集合プロセス」と呼ばれているプロセスによって堆積された少なくとも2つの層を備えている。このプロセスは、逆極性で帯電した高分子電解質のフィルム又はコーティングを静電的に集合させるために広く使用されているが、水素結合ドナー/アクセプタ、金属イオン/リガンド、及び共有結合部分などの他の官能基を、フィルムを集合させるための駆動力とすることができる。「高分子電解質」は、静電相互作用が可能な複数のイオン基を有するポリマー又は化合物を意味している。「強い高分子電解質」は、広範囲のpH(例えば第四級アンモニウム基又はスルホン酸基を含有したポリマー)にわたって永久電荷を保有している。「弱い高分子電解質」は、pH依存レベルの電荷(例えば一級、二級又は三級アミン、あるいはカルボン酸を含有するポリマー)を保有している。典型的には、この堆積プロセスは、一連の溶液すなわち槽への、表面電荷を有する基板の露出を含む。これは、液体槽中への基板の没入(ディップコーティングとも呼ばれる)、噴霧、スピンコーティング、ロールコーティング、インクジェット印刷、等々によって実現することができる。基板の電荷とは逆の電荷を有する第1のポリイオン(例えば高分子電解質槽)溶液への露出は、基板表面の近傍の荷電種を速やかに吸収し、濃度勾配を確立し、かつ、バルク溶液から表面までより多くの高分子電解質を引き出すことになる。十分な層が展開して下層の電荷を遮蔽し、かつ、基板表面の正味の電荷を反転させるまで、更なる吸収が生じる。質量輸送及び吸収を生じさせるために、この露出時間は、典型的には数分程度である。次に、第1のポリイオン(例えば槽)溶液から基板が取り出され、引き続いて一連の水洗槽に露出されて、物理的に絡まっている、あるいは緩く結合しているあらゆる高分子電解質が除去される。このような濯ぎ(例えば槽)溶液に続いて、次に、第1のポリイオン(例えば槽)溶液の電荷とは逆の電荷を有する第2のポリイオン(例えば高分子電解質槽又は無機酸化物ナノ粒子槽)溶液に対して基板が露出される。基板の表面電荷が第2の(例えば槽)溶液の電荷とは逆であるため、もう一度吸収が生じる。第2のポリイオン(例えば槽)溶液への露出を継続することにより、基板の表面電荷の反転が生じる。後続する濯ぎを実施してサイクルを完了することができる。この一連のステップにより、本明細書においては堆積の「二分子層」とも呼ばれる一対の層が構築される、と言われており、必要に応じてこの一連のステップを繰り返して、更なる層の対を基板に追加することができる。
適切なプロセスのいくつかの例としては、Krogmanらの米国特許第8,234,998号、Hammond-Cunninghamらの米国特許出願第2011/0064936号、及びNogueiraらの米国特許第8,313,798号に記載されているものが挙げられる。レイヤー・バイ・レイヤーディップコーティングは、StratoSequence VI(Florida州Tallahassee在所のnanoStrata Inc.)ディップコーティングロボットを使用して実施することができる。
一実施形態では、レイヤー・バイ・レイヤー自己集合によって堆積された複数の二分子層は、有機ポリマーポリイオン(例えばカチオン)と、光吸収材料(例えば顔料)を含む対イオン(例えばアニオン)とを含む高分子電解質スタックである。陽イオン層、陰イオン層又はそれらの組合せの少なくとも一部は、高分子電解質にイオン結合された光吸収材料(例えば顔料)を含む。
二分子層の厚さ及び二分子層の数は、所望の光吸収を達成するように選択される。いくつかの実施形態では、二分子層の厚さ、二分子層の数は、自己集合層の最小の総合厚さ、及び/又は最小数のレイヤー・バイ・レイヤー堆積ステップを使用して所望の(例えば吸収)光学特性を達成するように選択される。個々の二分子層の厚さは、典型的には約5nm~350nmの範囲である。二分子層の数は、典型的には少なくとも5、6、7、8、9、又は10である。いくつかの実施形態では、スタック当たりの二分子層の数は、150又は100以下である。スタックの厚さは、既に説明したように吸収領域の幅Wと等価である。
光吸収化合物は、高分子電解質層の少なくとも一部の中に分散される。シリカ又はケイ酸塩、並びに様々なホスホノカルボン酸及びその塩(その一部は、国際公開第2015/095317号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれている)などの無機化合物を含む、様々な高分子電解質を利用することができる。
高分子電解質有機ポリマーは、このような材料は、反応性イオンエッチングによって無機材料よりもより容易に除去することができるため、好ましい場合がある。
適切なポリカチオン性有機ポリマーとしては、線状及び分枝ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリビニルアミン、キトサン、ポリアニリン、ポリアミドアミン、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアミン)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDAC)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(メタクリロイルアミノ)プロピル-トリメチルアンモニウムクロライド、及びそれらのコポリマーを含むそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
適切なポリアニオン性ポリマーとしては、ポリ(硫酸ビニル)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(スチレンスルホン酸)、硫酸デキストラン、ヘパリン、ヒアルロン酸、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、Nafion(登録商標)などのスルホン化されたテトラフルオロエチレン系フルオロポリマー、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ(ビニルホスホン酸)、及びそれらのコポリマーを含むそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
高分子電解質ポリマーの分子量は、約1,000g/モル~約1,000,000g/モルの範囲で変化し得る。いくつかの実施形態では、(例えばポリ(アクリル酸))負帯電アニオン性層の分子量(Mw)は、50,000g/モル~150,000g/モルの範囲である。いくつかの実施形態では、(例えばポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド)正帯電カチオン性層の分子量(Mw)は、50,000g/モル~300,000g/モルの範囲である。いくつかの実施形態では、(例えばポリ(エチレンイミン)正帯電カチオン性層の分子量(Mw)は、10,000g/モル~50,000g/モルの範囲である。
ポリイオン(例えばポリアニオン又はポリカチオン)のうちの少なくとも一方は光吸収材料を含む。
コロイド分散として水中で安定であるようにし、かつ、ポリイオン基を付与するために、光吸収(例えば顔料)粒子は、典型的にはイオン性表面処理を更に含む。いくつかの実施形態では、表面処理化合物は、スルホン酸塩又はカルボキシレートなどの事例ではアニオン性である。また、光吸収(例えば顔料)粒子は、交互の高分子電解質層のためのイオン結合基として同じく機能する。
適切な顔料は、Cabot、Clariant、DuPont、Dainippon及びDeGussaなどの製造業者から、コロイド状安定水分散体として商用的に入手することができる。とりわけ適切な顔料としては、Cabot CorporationからCAB-O-JET(登録商標)名で入手可能な顔料、例えば250C(青緑色)、260M(赤紫色)、270Y(黄色)又は352K(黒色)が挙げられる。光吸収(例えば顔料)粒子は、典型的にはイオン化可能官能基を付与するために表面処理される。光吸収(例えば顔料)粒子のために適したイオン化可能官能基の例としては、スルホネート官能基、カルボキシレート官能基、並びにリン酸又はビスホスホネート官能基が挙げられる。いくつかの実施形態では、イオン化可能官能基を有する表面処理済み光吸収(例えば顔料)粒子は商用的に入手可能である。例えばCABOT Corporationから商用的に入手可能な、商標名250C(青緑色)、260M(赤紫色)、270Y(黄色)及び200(黒色)で販売されているCAB-O-JET(登録商標)顔料は、スルホネート官能基を含んでいる。更に別の例として、CABOT Corporationから、商標名352K(黒色)及び300(黒色)で商用的に入手可能なCAB-O-JET(登録商標)顔料は、カルボキシレート官能基を含んでいる。
光吸収(例えば顔料)粒子が前処理されていない場合、光吸収(例えば顔料)粒子は、当技術分野において知られているように、イオン化可能官能基を付与するために表面処理され得る。
最終製品における特定の色相又は色合いあるいは色を達成するために、複数の光吸収材料(例えば顔料)を利用することができる。複数の光吸収材料(例えば顔料)が使用される場合、材料は、それらの互いの、及び光学製品構成要素との両方の両立性及び性能を保証するように選択される。
いくつかの実施形態では、吸収領域がカーボンブラックを含んでいるような場合、光制御フィルムは、通常、300nm~2400nmの範囲の波長に対して、30度の視野角において低い透過率(例えば10%未満)を提供する。吸収領域が着色されると、光制御フィルムは、より高い平均透過率を示すことができる。例えば透過率は、300nm~2400nmの範囲の波長に対して、30度の視野角において10~30%であり得る。しかしながら特定の波長範囲は、吸収領域の色の波長範囲において、より低い透過率を示すことができる。いくつかの実施形態では、透過率は、300nm~550nmの範囲の波長に対して、30度の視野角において15%未満である。いくつかの実施形態では、透過率は、600nm~750nmの範囲の波長に対して、30度の視野角において5、4、3、2、又は1%未満である。
好ましい実施形態では、高分子電解質が準備され、水溶液として微細構造表面に適用される。「水性」という用語は、コーティングの液体が少なくとも85重量パーセントの水を含有していることを意味している。コーティングの液体は、例えば少なくとも90、95、更には少なくとも99重量パーセント以上などの、より多くの量の水を含有することができる。水性液体媒体は、水性液体媒体が単一の相を形成するような量で、水と、1種類以上の水溶性有機共溶媒との混合物を含むことができる。水溶性有機共溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2-メトキシエタノール、3-メトキシプロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、テトラヒドロフラン、及びケトン又はエステル溶媒が挙げられる。有機共溶媒の量は、コーティング合成物の全液体の15重量%を超えない。レイヤー・バイ・レイヤー自己集合に使用するための水性高分子電解質合成物は、典型的には少なくとも0.01重量%、0.05重量%又は0.1重量%の高分子電解質を含み、典型的には5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、又は1重量%以下である。
いくつかの実施形態では、水溶液は、イオン強度を強くし、かつ、粒子間静電反発を小さくすることにより、均一で、かつ、再現可能な堆積を促進する添加剤である「スクリーニング剤」を更に含む。適切なスクリーニング剤としては、ハロゲン塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、フルオロリン酸塩、等々などの任意の低分子量塩が挙げられる。ハロゲン塩の例としては、LiCl、NaCl、KCl、CaCl、MgCl、NHCl、等々などの塩化物塩、LiBr、NaBr、KBr、CaBr、MgBr、等々などの臭化物塩、LiI、NaI、KI、CaI、MgI、等々などのヨウ化物塩、NaF、KF、等々などのフッ化物塩等が挙げられる。硫酸塩の例としては、LiSO、NaSO、KSO、(NHSO、MgSO、CoSO、CuSO、ZnSO、SrSO、Al(SO、及びFe(SOが挙げられる。また、(CHCCl、(CCCl、等々などの有機塩も同じく適切なスクリーニング剤である。
適切なスクリーニング剤濃度は、塩のイオン強度によって変化し得る。いくつかの実施形態では、水溶液は、0.01M~0.1Mの範囲の濃度の(例えばNaCl)スクリーニング剤を含む。吸収領域は、微量のスクリーニング剤を含有することができる。
光吸収コーティングを微細構造フィルムの(例えば全体)表面に施し、かつ、乾燥させた後に、透過(例えば突出部)領域の頂部部分から光吸収コーティングが除去され、また、透過(例えば突出部)領域同士の間のランド領域から光吸収コーティングが同じく除去される。LCFは、光吸収コーティングの一部が保持されている場合であっても、改善された軸上透過率(例えば輝度)を有することができることは認識されよう。
任意の適切な方法を使用して、突出部(例えば光吸収領域)の上面及びチャネルの底面から光吸収材料を選択的に除去することができる。
一実施形態では、光吸収材料は、反応性イオンエッチングによって除去される。反応性イオンエッチング(Reactive ion etching、RIE)は、イオン衝撃を利用して材料を除去する指向性エッチングプロセスである。RIEシステムを使用して、イオン衝撃の方向に対して直交する表面をエッチングすることによって有機材料又は無機材料が除去される。反応性イオンエッチングと等方性プラズマエッチングの間の最も顕著な相異はエッチング方向である。反応性イオンエッチングは、1より大きい、横方向エッチング速度に対する垂直方向エッチング速度の比率によって特徴付けられる。反応性イオンエッチングのためのシステムは、耐久性のある真空チャンバの周囲に構築される。エッチングプロセスを開始する前に、1トル未満、100ミリトル未満、20ミリトル未満、10ミリトル未満、又は1ミリトル未満のベース圧力までチャンバが排気される。電極は、処理される材料を保持し、真空チャンバから電気的に隔離されている。電極は、円筒形状の回転可能電極であってもよい。また、対電極もチャンバ内に提供され、この対電極は、真空反応器壁からなっていてもよい。エッチング用試薬を含むガスは、制御弁を通ってチャンバに入る。プロセス圧力は、真空ポンプを介してチャンバガスを連続的に排気することによって維持される。使用されるガスのタイプは、エッチングプロセスに応じて変化する。通常、エッチングには、四フッ化炭素(CF)、六フッ化硫黄(SF)、オクタフルオロプロパン(C)、フルオロフォーム(CHF)、三塩化ホウ素(BCl)、臭化水素(HBr)、塩素、アルゴン及び酸素が使用される。RF電力が電極に印加され、プラズマが生成される。試料は、特定のエッチング深さを達成するために、制御された期間にわたって、プラズマを介して電極上に輸送することができる。反応性イオンエッチングについては当技術分野において知られており、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第8,460,568号に更に記載されている。
いくつかの実施形態では、反応性イオンエッチングのステップにより、吸収領域がチャネルの底面311の近傍でより狭くなる(平均幅未満になる)。光吸収材料を除去することにより、チャネルの深さを(例えばわずかに)深くすることができる。エッチングの後に、光吸収材料の一部を残すことができる。
光吸収コーティングをチャネルの底面から除去した後に、チャネルに有機ポリマー材料を充填することができる。いくつかの実施形態では、有機ポリマー材料は、重合性樹脂合成物であり、この方法は、重合性樹脂を(例えば放射線)硬化させることを更に含む。典型的には、微細構造フィルムの製造に使用される同じ重合性樹脂を利用してチャネルが充填される。別法としては、異なる有機ポリマー材料(例えば重合性樹脂合成物)が使用される。異なる有機ポリマー材料(例えば重合性樹脂合成物)が使用される場合、合成物は、典型的には、光透過領域に対して屈折率が一致するように選択される。「屈折率が一致する」とは、充填材料と透過領域との間の屈折率の差が、典型的には0.1又は0.005未満であることを意味している。別法としては、屈折率の差が0.1より大きい異なる有機ポリマー材料(例えば重合性樹脂合成物)でチャネルを充填することも可能である。更に別の実施形態では、チャネルには有機ポリマー材料(例えば重合樹脂)が充填されない。この実施形態では、チャネルは、典型的には1.0の屈折率を有する空気を含む。
チャネルが硬化した重合性樹脂で充填される場合、光制御フィルムは、任意選択で、接着剤410を使用して微細構造フィルムに結合されたカバーフィルム470を含むことができる。チャネルが空気で充填される場合、典型的には接着フィルム及びカバーフィルムが含まれる。
更に別の実施形態では、層410は、接着剤ではなく、トップコートであってもよい。この実施形態では、カバーフィルム470は存在しなくてもよい。
図4は、ベース層260と同じであっても、又は異なっていてもよい任意選択のカバーフィルム470を更に含んだLCF400を示したものである。任意選択のカバーフィルム470は、接着剤410を使用して微細構造表面に結合することができる。接着剤410は、UV硬化性アクリル酸接着剤、転写接着剤、等々などの、光学的に透明な任意の接着剤であってもよい。
別法としては、カバーフィルムは、チャネルを充填するために利用される重合性樹脂(例えば裏込め樹脂)と接触させることができる。裏込め樹脂は、カバーフィルムと接触している間に硬化され、それによりカバーフィルムを結合する。
カバーフィルムの表面のうちの1つ以上は、接着剤又は裏込め樹脂との粘着を促進するために、任意選択で下塗りすることができ、さもなければ別の方法で処理されてもよい。
典型的な実施形態では、カバーフィルムの厚さは、少なくとも約0.025ミリメートル(25ミクロン)にすることができ、約0.05mm(50ミクロン)~約0.25mm(250ミクロン)にすることができる。いくつかの実施形態では、カバーフィルムは、既に説明したように、多層波長(例えば色)シフトフィルムである。
LCFは、露出表面上に典型的に提供される他のコーティングを更に含むことができる。様々なハードコート、対反射コーティング、反射防止コーティング、静電防止コーティング及び汚染防止コーティングについては当技術分野で知られている。例えば米国特許第7,267,850号、米国特許第7,173,778号、PCT公告第WO2006/102383号、同第2006/025992号、同第2006/025956号及び米国特許第7,575,847号を参照されたい。
図5は、一実施形態によるバックライト付きディスプレイ500の略斜視図を示したものである。バックライト付きディスプレイ500は、既に説明したように透過領域540及び吸収領域550を備えたLCF530を含む。このようなLCFは、既に説明したように、LCF530の出力面590から射出する光の極性遮断視野角θPを有している。バックライト付きディスプレイ500は、LCDパネルなどの画像面520を介して、LCF530を通して、観察者595に光を透過させるように構成された光源510を含む。輝度が最大である視野角は、既に説明したように極性遮断視野角に依存し得る。
また、バックライト付きディスプレイ500は、ディスプレイの輝度及び一様性を更に改善するために、任意選択の輝度向上フィルム560及び反射偏光子フィルム570を同じく含むことができる。輝度向上フィルムは、3M Companyから入手することができる、3M(商標)Brightness Enhancement Film「BEF」又はThin Brightness Enhancement Film「TBEF」などのプリズムフィルムであってもよい。反射偏光子フィルム570は、Minnesota州St.Paul在所の3M Companyから入手することができる、3M(商標)Dual Brightness Enhancement Film「DBEF」などの多層光学フィルムであってもよい。含まれている場合、輝度向上フィルム560及び反射偏光子フィルム570は、図5に示されているように配置することができる。
他の実施形態では、既に説明したような透過領域及び吸収領域を備えた光制御フィルムは、発光型(例えば有機発光ダイオード又はOLED)ディスプレイに結合することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書において説明されているLCF(すなわち第1のLCF)は、第2のLCFと組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、第2のLCFは、米国特許第6,398,370号、同第8,013,567号、同第8,213,082号及び同第9,335,449号に記載されているようなLCF(例えばプライバシーフィルム)であってもよい。他の実施形態では、第2のLCFは、本明細書において説明されているLCFである(例えば光吸収領域は、少なくとも30のアスペクト比を有している)。第1のLCF及び第2のLCFは、様々な配向で積み重ねることができる。
一実施形態では、第1の光制御フィルム及び第2の光制御フィルムは、第1のLCFの吸収領域が平行であり、かつ、典型的には第2のLCFの吸収領域と一致するように配置される。別の実施形態では、第1の光制御フィルム及び第2の光制御フィルムは、第1のLCFの吸収領域が第2のLCFの吸収領域と直交するように配置される。また、第1の光制御フィルム及び第2の光制御フィルムは、0度の視野角において吸収領域が互いに平行であることから直交することまでの範囲にあるように配置することもできる。
いくつかの実施形態では、第1のLCFと第2のLCFの組合せは、0度の視野角において少なくとも60、65、70、75、80、85、又は90%の相対透過率(例えば輝度)を有している。いくつかの実施形態では、+30度、-30度、又は+30度と-30度の平均の視野角における相対透過率(例えば輝度)は、25、20、15、10、又は5%未満である。いくつかの実施形態では、+35~+80度、-35度~-85度に及ぶ視野角、又はこれらの範囲の平均の視野角に対する平均相対透過率(例えば輝度)は、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1%未満である。
いくつかの実施形態では、LCFのこの組合せは、0度の視野角において少なくとも60、65、70、75、80、85、又は90%の相対透過率(例えば輝度)を有している。いくつかの実施形態では、+30度、-30度、又は+30度と-30度の平均の視野角における相対透過率(例えば輝度)は、25、20、15、10、又は5%未満である。
チャネルが空気で充填されると、より大きい視野角における相対透過率(例えば輝度)をより低くすることができ、したがってフィルムは、改善されたプライバシーを示すことができる。
本明細書において説明されている光制御フィルムは、いわゆるハイブリッドプライバシーフィルタとして、ディスプレイデバイスの構成要素としてとりわけ有用である。ハイブリッドプライバシーフィルタは、ディスプレイ表面と共に使用することができ、光は、光制御フィルムの入力側のハイブリッドプライバシーフィルタに入り、カラーシフトフィルムにおけるハイブリッドプライバシーフィルタ又はフィルムスタックから出る。本発明は、ラップトップモニタ、外部コンピュータモニタ、携帯電話ディスプレイ、テレビ、スマートフォン、自動車中央情報ディスプレイ、自動車ドライバ情報ディスプレイ、自動車サイドミラーディスプレイ(電子ミラーとも呼ばれる)、コンソール、又は任意の他の同様のLCD、OLED、マイクロLED又はミニLEDベースのディスプレイを始めとするディスプレイを備えた極めて多数の電子デバイスと共に使用することができる。ディスプレイにハイブリッドプライバシーフィルタを適用する更なる利点は、コントラストが向上することである。
サングラス、文書カバーシート、自動車及び航空アプリケーションにおけるコンソールスイッチ、飛行機操縦室制御、ヘリコプタ操縦室制御、窓及び任意の数の他の対象などの非電子ディスプレイを含む、他のタイプのバックライト付きディスプレイ撮像デバイスも同じく企図されている。
更に他の実施形態では、本明細書において説明されている光制御フィルムは、ガラス及び太陽パネルのためのおおいとして有用であり得る。例えば光制御フィルムは、窓割りの上又は内部にラミネートする(laminated)ことも可能である。窓割りは、ガラスパネル、窓、ドア、壁及び天窓ユニットから選択することができる。これらの窓割りは、建物の外側又は内部に配置することができる。また、これらは、車窓、列車窓、飛行機乗客窓、ATM、等々であってもよい。これらのフィルムスタックを窓割りに組み込む利点としては、IR透過率の低減(エネルギー節約の増加につながり得る)、周囲光ブロック、プライバシー、及び装飾効果が挙げられる。
いくつかの実施例では、本明細書において開示される光制御フィルム(LCF)は、光通信システムの一部であってもよい。本明細書において参照されている「光通信システム」は、光源から、開示されているLCFを介して目標に至る距離にわたる光の通信のためのシステムであり、目標は、検出器又は人間の目を含むことができ、光源は周囲光を含むことができる。例示的光源としては、UV、可視又はNIRを放出する発光ダイオード(light emitting diode、LED)、VCSEL(垂直共振器表面放出レーザ)を含むレーザ光源、ハロゲン光源、白熱光源、ハロゲン化金属光源、タングステン光源、水銀蒸気光源、ショートアークキセノン光源、又は太陽(ソーラー)が挙げられる。いくつかの事例では、本明細書において開示されるLCFは、検出器システムを有する光通信システムの一部であり得る。いくつかの事例では、検出器システムは、光通信システムのLCFを通過する光を受光すると、電子信号などの様々なタイプの出力を提供することができる。検出器システムは、検出波長範囲内の波長に感応する検出器と、検出器の上に配置されたLCFと、を含む。
いくつかの実施形態では、検出器は光起電デバイスであるか、又はそれを含む。検出器は、例えば電池を充電するために、太陽放射を検出するように構成されている。このような事例では、検出器は、ソーラーバッテリー、ソーラーセル、シリコーンフォトダイオード又は太陽光検出器であるか、又はそれを含むことができる。いくつかの事例では、検出器は、画像を検出し、及び/又は記録するための(例えば可視又は近赤外線)カメラ内の検出器であってもよい。いくつかの事例では、検出器は、カメラ又はカメラシステム内に存在し得る。他の検出器としては、CMOS(相補金属酸化物半導体)及びCCD(電荷結合デバイス)検出器が挙げられる。光検出器(本明細書においてはセンサとも呼ばれる)の典型的なアプリケーションとしては、ジェスチャ認識、虹彩認識、顔認識、遠隔制御及び自律車両、周囲光センサ、近接センサ、心拍度数、血液酸素、グルコース又は他の生物学的知覚、飛行時間又は構造化光を有する3D深度カメラ、セキュリティカメラが挙げられる。
いくつかの事例では、本明細書において開示される光制御フィルム(LCF)は、例えば図7に示されている窓と組み合わされた光学構造を含む光通信システムの一部であってもよい。この例では、LCF600は、太陽光690などの自然光源を有する光学構造601の一部である。詳細には、図7は、建物、住宅又は車両などのエンクロージャへの窓に適用された、開示されたLCFの例示的アプリケーションを示している。LCF600は、建物、住宅、自動車又は任意のエンクロージャ670の窓基板675の上に配置することができる。LCF600は、複数の間隔を隔てた第1の吸収領域630、及び少なくとも1つの第1の領域630の少なくとも一部分に隣接した、任意選択の第2の(例えばカバーフィルム)領域640を含む光学フィルム650を含む。第1の領域630は第1の材料吸収材料632を含み、第2の領域640は第2の材料642を含むことができる。
好ましい実施形態では、LCF窓フィルムは、他のUV光及びNIR光の低い透過率との組合せにおける可視光の高い透過率を示す。
第1の吸収領域630による紫外光及び赤外光の透過率は、光の入射角の関数として変化する。詳細には、太陽光690がLCF600に対して直角に入射すると、赤外光及び可視光はいずれも光学フィルム650を透過することができる。しかしながら太陽からの光690の入射角が大きくなると、LCF600を透過する赤外光の量は、入射角が視野角θPに達するまで減少し、この点から実質的に全ての赤外光が第1の材料632によってブロックされる。すなわち、太陽光690の赤外部分が比較的小さく、太陽光690が窓に直角入射角で入射する午前中は、赤外光のほとんどがLCF600を透過することができる。その一方で、太陽光690の赤外部分が比較的大きく、太陽光690の入射角がLCF600の視野角2θv近くまで大きくなるか、あるいはそれより大きくなる正午近くでは、入射する赤外光はLCF600をほとんど透過せず、最終的にはブロックされ、したがって建物又は住宅670の内側の観察者又は居住者677が暑い赤外光にさらされる可能性をなくすことができる。したがって、LCF600は、紫外光及び赤外光への露出を低減することができる。
図8は、検出器が検出波長範囲内の波長に感応することを示す、検出器感度と波長の間の関係を概略的に示したものである。図8に示されているように、開示されたLCFの個々の第1の領域は、所定の第1の波長範囲「A」において実質的に高い透過率を有することができ、所定の第2の波長範囲「B」において実質的に低い透過率を有することができ、所定の第3の波長範囲「C」において実質的に高い透過率を有することができ、第2の波長範囲Bは、それぞれ第1の波長範囲Aと第3の波長範囲Cとの間に配置されている。いくつかの事例では、第2の波長範囲Bは、第1の波長712から第2の波長714まで幅約20nmであり、レーザ可視放出波長を中心としており、第1の波長範囲Aは、約400nmからほぼ第1の波長712までであり、第3の波長範囲Cは、ほぼ第2の波長714から約1400nmまでである。レーザ可視放出波長は、442nm、458nm、488nm、514nm、632.8nm、980nm、1047nm、1064nm、及び1152nmのうちの少なくとも1つであってもよい。他の例では、レーザ可視放出波長は、約416nm~約1360の範囲内である。他の例では、LCFは、複数の第1の領域と交互になった複数の間隔を隔てた第2の領域を更に含むことができ、個々の第2の領域は、所定の第1の波長範囲、第2の波長範囲及び第3の波長範囲の各々において実質的に高い透過率を有することができる。他の例では、個々の第2の領域は、所定の第1の波長範囲又は/及び第3の波長範囲のいずれか/両方において実質的に低い透過率を有することができる。いくつかの事例では、LCFは、所定の第2の波長範囲において約60度、又は50度、又は40度、又は30度、又は20度未満の視野角を有している。
別の例示的アプリケーションでは、本明細書に開示されるLCFは、図9に示されているレーザ光源などの個別の光源を有する光通信システムの一部であってもよい。
詳細には、図9は、入ってくる所定の波長範囲内の光又は入射光をブロックするために、LCFが飛行機又は航空機レーザストライク防御システムに適用される例示的アプリケーションを示したものである。LCF800は、例えば飛行機(plane)、飛行機(airplane)又は航空機870、等々に取り付けることができ、飛行機(plane)、飛行機(airplane)又は航空機870の表面(窓など)に取り付けることができることが望ましい。LCF800は、複数の間隔を隔てた第1の吸収領域830、及び第1の領域830のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分に隣接した、任意選択の第2の(例えばカバーフィルム)領域840を含む光学フィルム850を含む。第1の領域830は第1の吸収材料832を含み、第2の領域840は第2の材料842を含む。
レーザ光891がLCF800に入射すると、第2の(例えばカバーフィルム)材料842は、光891の入射角に無関係に、紫外光及び赤外波長範囲の少なくとも一部を吸収又は/及び反射する。更に、第2の(例えばカバーフィルム)領域840は、レーザ光891波長を含む可視波長の範囲において透過するが、第1の領域830を通過する可視光の透過率は、光の入射角の関数として変化する。光がLCF800の表面に対して直角に入射すると、可視光は光学フィルム850を透過することができる。しかしながら、視野角θP外では(図1b参照)、可視光は、第1の領域830内の第1の吸収材料832によってブロックされる。したがって、飛行機又は航空機870上でLCF800を使用する場合、視野角θP内のレーザ光891からの可視光はLCF800を透過することができるが、レーザ光891からの紫外光及び赤外光は、LCF800を透過することができないか、又は紫外光及び赤外光の制限された量、望ましくはそれぞれ紫外光及び赤外光の約10%未満のみがLCF800を透過することができる。可視光は、光の波長を含む入射角の関数としてLCF800を透過することができる。レーザストライカ878は、パイロット877の視界を妨げるために、例えば緑色レーザ890を使用して飛行機又は航空機870を攻撃し得る。通常、緑色の波長は約495nm~570nmである。したがって光の495nm~570nmの範囲の波長をブロックする第1の吸収材料832をLCF800が含んでいる場合、飛行機又は航空機870上のパイロット877は、地上のレーザストライカ878による緑色レーザ攻撃の影響を受けない。
いくつかの事例では、開示される光制御フィルム(LCF)は、再帰反射体と組み合わせて利用することができる。例えば図10は、光を再帰反射させるための再帰反射シート1190、及び再帰反射シート1190の上に配置されたLCF1100を含む再帰反射システム1101を示したものである。一般に、再帰反射体シート1190は、一定の範囲の入射波長及び角度に対して光を再帰反射させるように構成されている。例えば再帰反射体シート1190は、異なる入射波長λ及びλ、並びに異なる入射角α及びα’に対して光を再帰反射させるように構成することができる。LCF1100を追加することにより、システム1101は、修正された再帰反射特性を有することになる。例えばより大きい角度α及びより小さい角度α’に対して、LCF1100の視野角θPは、より小さい入射角α’に対しては、LCF1100が波長λ及びλの両方における光を実質的に透過させ、より大きい入射角αに対しては、LCFが波長λを有する光を実質的に透過させ、波長λを有する光を実質的に吸収するような視野角であってもよい。例えばいくつかの事例では、LCF1100の視野角θPは、α’より大きく、かつ、α未満であってもよい。別の例として、再帰反射システム1101は、第1の波長λに対して、対応する第1及び第2の入射角α’及びαでLCF1100に入射する光810及び810’が、いずれもそれぞれの再帰反射光812及び812’として再帰反射されるように構成されている。更に、第2の波長λに対しては、第1の入射角α’でLCFに入射する光820は、再帰反射光822で再帰反射されるが、第2の入射角αでLCFに入射する光820’は再帰反射されない。このような事例では、光820’は、光820’が最初にLCFに入射した時点でLCF1100によって吸収され、いくつかの事例では、光820’がLCFを部分的に透過し、かつ、再帰反射シートによって再帰反射した後に、LCF1100によって吸収される。いくつかの事例では、LCF1100は、第1の波長に対するより大きい第1の視野角、及び第2の波長に対するより小さい視野角を含む。いくつかの事例では、第1の入射角α’は、LCF1100の平面に対して直角の線801に対して実質的に0に等しい。いくつかの事例では、再帰反射シート1190は、光を再帰反射させるための微小球ビーズ610を含む。いくつかの事例では、再帰反射シート1190は、光を再帰反射させるためのコーナーキューブ620を含む。いくつかの事例では、LCF1100は、複数の間隔を隔てた第1の領域1130を含み、個々の第1の領域1130は、第2の波長λでは実質的に低い透過率を有しているが、第1の波長λでは実質的に低い透過率を有していない。
別の事例では、LCFは、センサ、より詳細には、図11に示されているように腕時計に適用される脈拍センサ、を有する光通信システムの一部に使用することができる。詳細には、図11は、脈拍センサを有する腕時計に適用されたLCFの例示的アプリケーションを示したものである。LCF1200は、着用可能腕時計1280又は任意の着用可能デバイスに取り付けることができ、着用可能腕時計1280の表面に取り付けることができることが望ましい。LCF1200は、複数の第1の吸収領域1230、及び少なくとも1つの第1の領域1230の少なくとも一部に隣接した、任意選択の第2の(例えばカバーフィルム)領域1240を含む光学フィルム1250を含む。第1の領域1230は第1の吸収材料1232を含み、第2の領域1240は第2の材料1242を含むことができる。第1の材料1232は、第1の材料1232が、光源、例えばLED1290からの可視光範囲の少なくとも一部においてスペクトル的に選択性であり、第2の材料1242が、LED1209からの紫外光範囲及び赤外光範囲のうちの少なくとも一方の少なくとも一部においてスペクトル的に選択性であるよう、任意の好適な材料であってもよい。第2の材料1242は、紫外光範囲及び赤外光範囲における両方の範囲においてスペクトル的に選択性であることがより望ましい。LCF1200を使用する場合、脈拍センサ1285の観点から、紫外光及び赤外光のような雑音は、太陽光1295又はLED1290などの光源からの光の入射角に無関係に、第2の材料1242を介して吸収される。第2の領域1240を通過する光源からの紫外光及び赤外光の透過率は、光の入射角に無関係に一様であり、望ましくは約10%未満である。しかしながら第2の領域1240は、LED1290からの可視光の範囲を透過させるが、第1の領域1230を通過する可視光の透過率は、光の入射角の関数として変化する。LED1290からの光がLCF1200の表面に直角に入射すると、可視光は光学フィルム1250を通って透過することができる。しかしながら、第1の材料1232は、デバイスを着用している人の手首777に対して比較的大きい入射角で入射する太陽光1295、又は他の光源からの周囲可視光をブロックするか、又は減少させることができ、したがってLCF1200は、信号(主として視野角内で入射するLEDからの可視光)対雑音(例えば紫外光又は赤外光、あるいは例えば視野角外で入射する日光、他の周囲光源からの周囲可視光)比を改善することができる。
以上の説明は、本明細書において説明されている特定の例に限定されるものと見なしてはならず、むしろ添付の特許請求の範囲に明確に示されている説明の全ての態様を包含するものと理解すべきである。本明細書を精査すれば、以上の説明が対象としている当業者には、以上の説明を適用することができる様々な修正、等価プロセス並びに多くの構造が容易に明らかであろう。以上の説明は、以下の試験結果及び実施例によって示される実施形態を考察することによって、より良好に理解することができる。
発明の実施形態
実施形態1.光入力面及び光入力面の反対側の光出力面と、光入力面と光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域とを備える光制御フィルムであって、吸収領域が少なくとも30のアスペクト比を有し、交互の透過領域及び吸収領域が、0度の視野角において少なくとも75%の相対透過率を有する、光制御フィルム。
実施形態2.吸収領域が、光入力面に対して平行の幅と、光入力面に対して直交する高さと、を有する、実施形態1の光制御フィルム。
実施形態3.交互の透過領域及び吸収領域が、+30度又は-30度の視野角において50、45、40、35、30、25、20、10%、又は5%未満の相対透過率を有する、実施形態1又は2の光制御フィルム。
実施形態4.交互の透過領域及び吸収領域が、+35~+80度の範囲の視野角に対して、あるいは-35~-80度の範囲の視野角に対して、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2%未満の平均相対透過率を有する、実施形態1~3の光制御フィルム。
実施形態5.透過領域が、5、4、3、2、1、又は0.1度未満の壁角度を有する、実施形態1~4の光制御フィルム。
実施形態6.透過領域及び吸収領域が50~200ミクロンの範囲の高さを有する、実施形態1~5の光制御フィルム。
実施形態7.吸収領域が、5、4、3、2、1、0.5、0.25、又は0.10ミクロン以下の平均幅を有する、実施形態1~6の光制御フィルム。
実施形態8.吸収領域が少なくとも50、100、200、300、400、500、600、700、800、又は1000のアスペクト比を有する、実施形態1~7の光制御フィルム。
実施形態9.吸収領域が10~200ミクロンの平均ピッチを有する、実施形態1~8の光制御フィルム。
実施形態10.透過領域が少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のアスペクト比を有する、実施形態1~9の光制御フィルム。
実施形態11.吸収領域が有機光吸収材料を含む、実施形態1~10の光制御フィルム。
実施形態12.吸収領域が、500ナノメートル未満の粒径中央値を有する光吸収粒子を含む、実施形態1~11の光制御フィルム。
実施形態13.吸収領域が少なくとも25重量%の光吸収粒子を含む、実施形態1~12の光制御フィルム。
実施形態14.吸収領域が高分子電解質を含む、実施形態1~13の光制御フィルム。
実施形態15.透過領域が放射線硬化(メタ)アクリレートポリマーを含む、実施形態1~14の光制御フィルム。
実施形態16.交互の透過領域及び吸収領域がベース層の上に配置される、実施形態1~15の光制御フィルム。
実施形態17.光制御フィルムがカバーフィルムを更に備える、実施形態1~16の光制御フィルム。
実施形態18.光制御フィルムが、0度の視野角において少なくとも75%の相対透過率を有する、実施形態1~16の光制御フィルム。
実施形態19.第2の光制御フィルムの上に配置された、請求項1に記載の第1の光制御フィルムを備える光制御フィルム。
実施形態20.第2の光制御フィルムが請求項1によるものであり、第1の光制御フィルム及び第2の光制御フィルムが、0度の視野角において吸収領域が互いに平行であることから直交することまでの範囲にあるように配置される、請求項19の光制御フィルム。
実施形態21.第2の光制御フィルムが請求項1によるものであり、第1の光制御フィルム及び第2の光制御フィルムが、0度の視野角において吸収領域が互いに一致するように配置される、請求項20の光制御フィルム。
実施形態22.透過率が400~700nmの波長範囲に対するものである、実施形態1~21の光制御フィルム。
実施形態23.微細構造フィルムであって、
光入力面及び光入力面の反対側の光出力面と、
光入力面と光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域であって、吸収領域が少なくとも30のアスペクト比を有し、有機光吸収材料を含む、交互の透過領域及び吸収領域と、
を備える、微細構造フィルム。
実施形態24.微細構造フィルムが、実施形態2~22のうちのいずれか1つ、又はそれらの組合せによって更に特徴付けられる、請求項23の微細構造フィルム。
実施形態25.微細構造フィルムであって、
光入力面及び光入力面の反対側の光出力面と、
光入力面と光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域であって、吸収領域が、100ナノメートル未満の粒径中央値を有する複数の粒子を含む、交互の透過領域及び吸収領域と、
を備える、微細構造フィルム。
実施形態26.微細構造フィルムであって、
光入力面及び光入力面の反対側の光出力面と、
光入力面と光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域であって、吸収領域が高分子電解質を含む、交互の透過領域及び吸収領域と、
を備える、微細構造フィルム。
実施形態27.吸収領域が少なくとも30のアスペクト比を有する、実施形態25又は26の微細構造フィルム。
実施形態28.微細構造フィルムが、実施形態2~22のうちのいずれか1つ、又はそれらの組合せによって更に特徴付けられる、実施形態25~27の微細構造フィルム。
実施形態29.光制御フィルムを製造する方法であって、
チャネルと交互に配置された複数の光透過領域を備えた微細構造フィルムを提供することであって、微細構造フィルムが、光透過領域の上面及び側壁、並びにチャネルの底面によって画定される表面を有する、微細構造フィルムを提供することと、有機光吸収材料を表面に適用することと、
光透過領域の上面及びチャネルの底面から光吸収コーティングの少なくとも一部を除去することと
を含む、方法。
実施形態30.有機光吸収材料が高分子電解質を含む、請求項29の方法。
実施形態31.有機光吸収材料が複数の光吸収粒子を含む、実施形態29又は30の方法。
実施形態32.光吸収粒子が500nm未満の平均粒径を有する、実施形態29~31の方法。
実施形態33.光吸収材料を適用するステップが、レイヤー・バイ・レイヤー自己集合を含む、実施形態29~32の方法。
実施形態34.光吸収コーティングの少なくとも一部分を除去するステップが反応性イオンエッチングを含む、実施形態29~33の方法。
実施形態35.チャネルを有機ポリマー材料で充填することを更に含む、実施形態29~34の方法。
実施形態36.有機ポリマー材料が重合性樹脂を含み、方法が、重合性樹脂を硬化させることを更に含む、請求項35の方法。
実施形態37.微細構造フィルムを製造する方法であって、
チャネルと交互に配置された複数の光透過領域を備えた微細構造フィルムを提供することであって、微細構造フィルムが、光透過領域の上面及び側壁、並びにチャネルの底面によって画定される表面を有する、微細構造フィルムを提供することと、光吸収材料をレイヤー・バイ・レイヤー自己集合によって表面に適用することと、光吸収コーティングの少なくとも一部を光透過領域の上面及びチャネルの底面から除去することと
を含む、方法。
実施形態38.材料が光吸収材料である、請求項37の方法。
実施形態39.方法が、突出部の上面及びチャネルの底面から材料の少なくとも一部分を除去することを更に含む、実施形態37又は38の方法。
実施形態40.方法が、実施形態30~36のうちのいずれか1つ、又はそれらの組合せによって更に特徴付けられる、実施形態37~39の方法。
実施形態41.光検出システムであって、
第1の方向に沿った第1のスペクトルプロファイル、及び異なる第2の方向に沿った第2のスペクトルプロファイルを有する光を放出するように構成された光源と、
検出波長範囲内の波長に感応する検出器と、
光源又は検出器の上に配置された、光源によって放出される光を受光し、かつ、透過させるための、実施形態1~28による光制御フィルムと
を含む、光検出システム。
実施形態42.光源が、発光ダイオード(LED)、レーザ光源、ハロゲン光源、ハロゲン化金属光源、タングステン光源、水銀蒸気光源、ショートアークキセノン光源、又は太陽を含む、実施形態41の光検出システム。
実施形態43.検出器が、光起電デバイスと、ソーラーバッテリーと、ソーラーセルと、カメラと、を備える、実施形態41又は42の光検出システム。
実施形態44.光制御フィルムが光源の上に配置され、検出器が遠隔にある、実施形態41~43の光検出システム。
実施形態45.光制御フィルムが検出器の上に配置され、光源が遠隔にある、実施形態41~43の光検出システム。
実施形態46.光検出システムが車両センサである、実施形態41~45の光検出システム。
実施形態47.光制御フィルムが再帰反射シートの上に配置される、実施形態41~46の光検出システム。
実施形態48.再帰反射シートが、微小球ビーズ及びコーナーキューブのうちの少なくとも一方を備える、実施形態47の光検出システム。
特に言及されていない限り、実施例及び本明細書の残りの部分における全てのパート、百分率及び比率、等々は重量によるものである。特に言及されていない限り、すべての化学製品は、Missouri州St.Louis在所のSigma-Aldrich Co.などの化学製品供給業者から入手されたものであるか、あるいは入手可能である。
以下は、実施例全体にわたって使用されている材料のリスト、並びにそれらの簡単な説明及び起源である。
鋳造及び硬化高精細プロセス(microreplication process)(準備実施例1)に使用された樹脂A、並びに実施例2及び実施例4~8における屈折率整合裏込め材料の成分は、以下の表1に列挙されている。レイヤー・バイ・レイヤーコーティングのための原料は、以下の表2に列挙されている。反応性イオンエッチングのための原料は、以下の表3に列挙されている。
Figure 0007358356000003
Figure 0007358356000004
Figure 0007358356000005
準備実施例1(PE1):「方形波」微細構造フィルムの準備
ダイヤモンド(先端幅29.0μm、夾角3°、深さ87μmの)を使用して、複数の平行直線溝を有するツールが切断された。溝は、62.6ミクロンのピッチで間隔が隔てられた。
樹脂Aは、以下の表4の材料を混合することによって準備された。
Figure 0007358356000006
上で説明したように、樹脂A及びツールを使用して「鋳造及び硬化」高精細プロセスが実施された。ライン条件は、樹脂温度150°F、ダイ温度150°F、コーターIR縁120°F/中心130°F、ツール温度100°F及びライン速度70fpmであり、ピーク波長が385nmのFusion Dランプ(Maryland州Gaithersburg在所のFusion UV Systemsから入手可能を使用して、100%電力で動作させて硬化された。得られた微細構造フィルムは、図2に示されているように、チャネルによって分離された複数の突出部(例えば光透過領域)を備えていた。ベース層260は、2.93ミル(74.4ミクロン)の厚さを有するPETフィルム(Minnesota州St.Paul在所の3M)であった。樹脂に接触するPETフィルムの側面は、熱硬化性アクリルポリマー(Michigan州Midland在所のDow Chemicalから入手可能なRhoplex 3208)で下塗り処理された。硬化した樹脂のランド層(L)は、8ミクロンの厚さを有していた。微細構造フィルムは、微細構造フィルムの突出部がツールの溝のネガ複製であるよう、ツールのトポグラフィ的逆である。突出部は1.5度の壁角度を有し、したがって突出部はわずかに先細りになっている(光入力面がより広く、光出力面がより狭い)。微細構造フィルムのチャネルは、溝同士の間のツールの非切断部分のネガ複製である。
微細構造フィルムの上にレイヤー・バイ・レイヤー自己集合コーティングを製造するための方法
レイヤー・バイ・レイヤー自己集合コーティングは、Svaya Nanotechnologies,Inc.(California州Sunnyvale)から購入した装置を使用して製造され、米国特許第8,234,998号(Krogmanら)、並びにKrogman et al.Automated Process for Improved Uniformity and Versatility of Layer-by-Layer Deposition,Langmuir2007,23,3137-3141に記載されているシステムの後にモデル化された。
この装置は、コーティング溶液を収納した圧力容器を備えている。平らな噴霧パターンを有する噴霧ノズル(Illinois州Wheaton在所のSpraying Systems,Inc.からの)が取り付けられ、ソレノイドバルブによって制御される特定の時間にコーティング溶液及び濯ぎ水が噴霧された。コーティング溶液を含有した圧力容器(Wisconsin州Waukesha在所のAlloy Products Corp.)が、窒素によって30psiまで加圧され、一方、脱イオン(DI)水を含有した圧力容器は、空気によって30psiまで加圧された。コーティング溶液ノズルからの流量は、それぞれ1時間当たり10ガロンであり、一方、DI水濯ぎノズルからの流量は、1時間当たり40ガロンであった。コーティングされる基板は、その縁で、エポキシ(Minnesota州St.Paul在所の3M CompanyのScotch-Weldエポキシ接着剤、DP100 Clear)を使用して、ガラスプレート(12インチ×12インチ×厚さ1/8インチ)(Minnesota州Minneapolis在所のBrin Northwestern Glass Co.)に接着され、ガラスプレートは、垂直方向の移行ステージ上に取り付けられ、真空チャックを使用して所定の位置に保持された。典型的なコーティングシーケンスで、ステージが76mm/秒で垂直方向に下に向かって移動している間、ポリカチオン(例えばPDAC)溶液が基板の上に噴霧された。次に、12秒間の休止時間の後に、ステージが102mm/秒で垂直方向に上に向かって移動している間、DI水が基板の上に噴霧された。次に、3mm/秒の速度のエアナイフで基板が乾燥された。次に、ステージが76mm/秒で垂直方向に下に向かって移動している間、ポリアニオン(例えば顔料ナノ粒子)溶液が基板の上に噴霧された。別の12秒間の休止期間の経過が許容された。ステージが102mm/秒で垂直方向に上に向かって移動している間、DI水が基板の上に噴霧された。最後に、3mm/秒の速度のエアナイフで基板が乾燥された。上記のシーケンスを繰り返して、(ポリカチオン/ポリアニオン)として表される多数の「二分子層」が堆積され、nは二分子層の数である。コーティングされた基板(例えばポリマーフィルム)は、後続する処理に先立ってガラス基板から剥がされた。
微細構造フィルムを反応性イオンエッチングするための方法
反応性イオンエッチング(RIE)が、並列プレート容量結合プラズマ反応器内で実施された。チャンバは、18.3ftの表面積を有する中央円筒状被電力供給電極を有している。微細構造フィルムを被電力供給電極の上に置いた後、反応器チャンバが1.3Pa(2ミリトル)未満のベース圧力までポンプダウンされた。Ar(アルゴン)ガス及びO(酸素)ガスの混合物が、それぞれ100SCCMの速度でチャンバ内に流された。RF電力を13.56MHzの周波数及び6000ワットの印加電力で反応器中に結合することにより、プラズマ増速CVD法を使用して処理が実施された。反応ゾーンを通して微細構造フィルムを移動させることによって処理時間が制御された。この処理に引き続いて、RF電力及びガスの供給が停止され、チャンバが大気圧に戻された。材料、円筒状RIEを適用するためのプロセス、及び使用される反応器の周囲の更なる詳細に関する追加情報は、米国特許第8460568(B2)号に見出すことができる。
微細構造フィルムのチャネルを裏込めするための方法
微細構造フィルム表面と、頂部に置かれた厚さ3ミルの一片の非下塗り処理PETフィルムとの間に樹脂をピペットで移し、ハンドローラを使用して頂部PETフィルムに圧力を印加し、次に、500ワット電力の「H」バルブを有するHERAEUS(ドイツのHanau在所)ベルトコンベアUVプロセッサ(モデル番号DRS(6))を使用してUV硬化させることにより、PE1で使用された樹脂Aがチャネルに裏込めされた。詳細には、試料は、50ft/分の搬送速度で、3回にわたってUV硬化ステーションを通して送られた。次に、頂部PETフィルムが手で微細構造フィルムから剥がされた。
拡散光源からの輝度プロファイルを測定するための方法
フィルムの試料がランバート光源の上に置かれた。光透過領域が先細りになされている場合、フィルムは、先細り領域の最も広い部分が光源に近くなるように配置される。Eldim L80コノスコープ(Eldim S.A.、フランスのHEROUVILLE SAINT CLAIR在所)を使用して、すべての極性及び方位角で、半球様式で同時に光出力が検出された。検出後、特に指示されていない限り、透過率(例えば輝度)読値の断面は、ルーバーの方向(0°配向角度として示されている)に対して直交する方向に取られた。相対透過率(すなわち可視光の輝度)は、フィルムがある場合の読値とフィルムがない場合の読値との間の、特定の視野角における軸上輝度の百分率として表される。
ランバート光源は、図6に示されているベースライン輝度プロファイルを有するライトボックスからの拡散透過率からなっていた。ライトボックスは、厚さ~6mmの拡散ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)プレートから製造された約12.5cm×12.5cm×11.5cm(L×W×H)の6面中空立方体であった。このボックスの1つの面が試料表面として選択された。この中空ライトボックスは、その試料表面で測定された~0.83の屈折率(例えば400~700nmの波長範囲にわたって平均された~83%)を有していた。試験の間、このボックスは、ボックスの底(試料表面の反対側であり、光は内側から試料表面に向かって導かれる)の~1cmの円形孔を介して内側から照明された。照明は、光を導くために使用される光ファイバ束に取り付けられた安定化広帯域白熱光源を使用して提供された(Massachusetts州Marlborough及びNew York州Auburn在所のSchott-Fostec LLCからの直径1cmのファイバ束延長部分を有するFostec DCR-II)。
紫外光及び近赤外光に対する透過率を測定するための方法
紫外光(320~400nm)及び近赤外光(700~1400nm)光の透過率が、可変角度透過率サンプルホルダー(カタログ番号PELA9042)を有するLambda 1050分光光度計(Massachusetts州Waltham在所のPerkin Elmer)を使用して測定された。実施例で報告された値は、個々の試料上の単一の位置で測定された、明記されている320~400nm(紫外)又は700~1400nm(近赤外)からの、また、明記されている+30°又は+60°の入射角のいずれかにおける透過率の算術平均である。
断面走査型電子顕微鏡(Cross-Sectional Scanning Electron Microscopy、SEM)のための方法
断面は、液体窒素を使用した凍結破砕を介して準備された。Hitachi SU-8230(日本の東京の日立(株))機器を使用してSEM画像が取得された。
比較例1~2(CE1~CE-2)は、商用的に入手可能な光制御フィルムである。
比較例3(CE3)
CE1からのフィルムの2つのセクション(それぞれ3インチ×3インチ)が光学的に透明な接着剤(Minnesota州St.Paul在所の3M Companyの8171)と共に重ね合わされ、ラミネートされた(laminated)。1枚のシートが他方に対して直角に配向された。すなわち、チャネルの元の方向が、頂部シートと底部シートとの間で90°オフセットされた。
準備例2(PE2):コーティング溶液の準備
PDACが20重量%から0.32重量%の濃度まで脱イオン(DI)水で希釈された。PAAが25重量%から0.1重量%の濃度まで希釈され、1M NaOHでpHが4.0に調整された。CAB-O-JET(登録商標)200(COJ200)、CAB-O-JET(登録商標)250C(COJ250C)、CAB-O-JET(登録商標)260M(COJ260M)及びCAB-O-JET(登録商標)352K(COJ352K)がDI水で0.10重量%の濃度にそれぞれ希釈された。NaClがPDAC溶液及び顔料懸濁液の両方に0.05 Mの濃度まで追加された。1M NaOHがpH9までCOJ352K懸濁液に追加された。pH値は、標準緩衝溶液で較正されたVWR(Pennsylvania州West Chester)pH電極(カタログ番号89231-582)を使用して測定された。
準備例3(PE3):カチオン性顔料の調製
PEI-COJ352Kとして略称されているポリエチレンイミン(PEI)修正CAB-O-JET(登録商標)352K(COJ352K)カーボンブラックナノ顔料が以下のように準備された。PEI(MW25K)が希釈され、10重量%溶液の溶液が作られた。質量3.2グラムの10重量%PEI溶液が794.7グラムの質量までDI水で希釈された。次に、15.03%固体で受け取ったままの5.3グラムのCOJ352Kが、活発な磁気攪拌で794.7グラムPEI溶液に滴下方式で加えられ、それにより0.1重量%COJ352K及び0.04重量%PEIの最終濃度が得られた。ポリエチレンイミン(PEI)修正CAB-O-JET(登録商標)352K(COJ352K)のサイズ及びゼータ電位が、1mM KClで100倍に希釈された上記PEI-COJ352K試料の一定部分を使用して、Brookhaven Instruments Corp.(New York州Holtsville)のZetaPALS機器を使用して測定された。粒径は、d10=77.5nm、d50=148.4nm、及びd90=284.0nmで記述された。測定されたゼータ電位は+37.9±0.9mVであった。
実施例1(EX1):カーボンブラックナノ顔料、直径130nm、裏込めなし
PE1で製造された微細構造フィルムのシートが9インチ×10インチのサイズに切断され、水性コーティング溶液のビーディングアップ及びディウェッティングを防止するためにBD-20AC Laboratory Corona Treater(Illinois州Chicago在所のElectro-Technic Products)を使用して手でコロナ処理された。PDAC及びCAB-O-JET(登録商標)(登録商標)200コーティング溶液がPE2で説明したようにして作られた。コロナ処理されたフィルムが、「微細構造フィルムの上に噴霧レイヤー・バイ・レイヤー自己集合コーティングを構築するための方法」を使用して、(PDAC/COJ200)10でコーティングされた。210秒の継続期間の間、このコーティングされたフィルムに6000Wの電力の反応性イオンエッチング(RIE)が施された。ガラスプレートの上に堆積した等価コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーター(Arizona州Tucson在所のBruker Nano,Inc.)で測定して166nmであった。ガラスの上に堆積した等価コーティングの厚さに基づいて、吸収領域(例えばルーバー)のアスペクト比は約525:1であった。
実施例2(EX2):カーボンブラックナノ顔料、直径130nm、裏込めあり
PE1で製造された微細構造フィルムのシートが9インチ×10インチのサイズに切断され、水性コーティング溶液のビーディングアップ及びディウェッティングを防止するためにBD-20AC Laboratory Corona Treater(Illinois州Chicago在所のElectro-Technic Products)を使用して手でコロナ処理された。PDAC及びCAB-O-JET(登録商標)200コーティング溶液がPE2で説明したようにして作られた。コロナ処理されたフィルムが、「微細構造フィルムの上に噴霧レイヤー・バイ・レイヤー自己集合コーティングを構築するための方法」を使用して、(PDAC/COJ200)20でコーティングされた。210秒の継続期間の間、このコーティングされたフィルムに6000Wの電力の反応性イオンエッチング(RIE)が施された。次に、チャネルが、上で説明した「微細構造フィルムのチャネルを裏込めするための方法」を使用して裏込めされた。ガラスプレートの上に堆積した等価コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーターで測定して326nmであった。
実施例3(EX3):カーボンブラックナノ顔料、直径70~80nm、裏込めなし
PE1で製造された微細構造フィルムのシートが9インチ×10インチのサイズに切断され、水性コーティング溶液のビーディングアップ及びディウェッティングを防止するためにBD-20AC Laboratory Corona Treater(Illinois州Chicago在所のElectro-Technic Products)を使用して手でコロナ処理された。PDAC及びCAB-O-JET(登録商標)352Kコーティング溶液がPE2で説明したようにして作られた。コロナ処理されたフィルムが、「微細構造フィルムの上に噴霧レイヤー・バイ・レイヤー自己集合コーティングを構築するための方法」を使用して、(PDAC/COJ352K)20でコーティングされた。次に、200秒の継続期間の間、コーティングされたフィルムに6000Wの電力の反応性イオンエッチング(RIE)が施された。ガラスプレートの上に堆積した等価コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーターで測定して273nmであった。
実施例4~6(EX4~6):カーボンブラックナノ顔料、直径70~80nm、裏込めあり
PE1で製造された微細構造フィルムの3枚のシートが9インチ×10インチのサイズにそれぞれ切断され、水性コーティング溶液のビーディングアップ及びディウェッティングを防止するためにBD-20AC Laboratory Corona Treater(Illinois州Chicago在所のElectro-Technic Products)を使用して手でコロナ処理された。PDAC及びCAB-O-JET(登録商標)352Kコーティング溶液がPE2で説明したようにして作られた。コロナ処理されたフィルムの個別の9インチ×10インチ片が、「微細構造フィルムの上に噴霧レイヤー・バイ・レイヤー自己集合コーティングを構築するための方法」を使用して、(PDAC/COJ352K)20(EX4)、(PDAC/COJ352K)40(EX5)及び(PDAC/COJ352K)60(EX6)でコーティングされた。200秒(EX4)及び500秒(EX5及びEX6)の継続期間の間、コーティングされたフィルムに6000Wの電力の反応性イオンエッチング(RIE)が施された。RIEの前後で、かつ、裏込めの前に、EX4の断面SEM画像が取られた。SEM画像から、フィルムの上に堆積したコーティングは、一様な厚さのコーティングであり、その厚さは、以下で説明されるように、ガラスの上に堆積した等価コーティングと対応していることは明らかであった。次に、チャネルが、上で説明した「微細構造フィルムのチャネルを裏込めするための方法」を使用して裏込めされた。拡散光源からの輝度プロファイルが、上記の「拡散光源からの輝度プロファイルを測定するための方法」を使用して測定された(データは、図6及び表5A及び表5Bに示されている)。ガラスプレートの上に堆積した等価コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーターで測定して273nm(EX4)、536nm(EX5)及び796nm(EX6)であった。ガラス上に堆積した等価コーティングの厚さに基づいて 、吸収領域(例えばルーバー)のアスペクト比は、約109:1(EX6の場合)~319:1(EX4の場合)の範囲であった。
Figure 0007358356000007
Figure 0007358356000008
Figure 0007358356000009
実施例7(EX7):重畳した交差フィルム
EX4に従って準備された光制御フィルムの2つのセクション(それぞれ3インチ×3インチ)が、構造化された面が互いに対向し、かつ、一方のシートが他方に対して直角に配向されるようにして重ねられた。すなわち、チャネルの元の方向が、頂部シートと底部シートとの間で90°オフセットされた。2枚のシートの間に樹脂Aが分配され、2枚のシートはハンドローラで一体にラミネートされた(laminated)。試料は、「微細構造フィルムのチャネルを裏込めするための方法」で説明されているように硬化され、「拡散光源からの輝度プロファイルを測定するための方法」を使用して測定された。データは、表6A及び6Dに示されている。
実施例8(EX8):重畳した整列フィルム
EX4に従って準備された光制御フィルムの2つのセクション(それぞれ3インチ×3インチ)が、構造化された面が互いに対向し、かつ、一方のシートが他方に対して平行に配向されるようにして重ねられた。すなわち、チャネルの元の方向が、頂部シートと底部シートとの間で整列された。2枚のシートの間に樹脂Aが分配され、2枚のシートはハンドローラで一体にラミネートされた(laminated)。試料は、「微細構造フィルムのチャネルを裏込めするための方法」で説明されているように硬化され、「拡散光源からの輝度プロファイルを測定するための方法」を使用して測定された。データは、表6A~図6Dに示されている。
Figure 0007358356000010
Figure 0007358356000011
Figure 0007358356000012
Figure 0007358356000013
実施例9A(EX9A):シアンナノ顔料コーティング、裏込めなし
PE1で製造されたフィルムの微細構造シートが9インチ×10インチのサイズに切断され、水性コーティング溶液のビーディングアップ及びディウェッティングを防止するためにBD-20AC Laboratory Corona Treater(Illinois州Chicago在所のElectro-Technic Products)を使用して手でコロナ処理された。PDAC及びCAB-O-JET(登録商標)250Cコーティング溶液がPE2で説明したようにして作られた。コロナ処理されたフィルムが、「微細構造フィルムの上に噴霧レイヤー・バイ・レイヤー自己集合コーティングを構築するための方法」を使用して、(PDAC/COJ250C)20でコーティングされた。150秒の継続期間の間、このコーティングされたフィルムに6000Wの電力の反応性イオンエッチング(RIE)が施された。「拡散光源からの輝度プロファイルを測定するための方法」を使用して相対輝度が測定された(データは表7に示されている)。ガラスプレートの上に堆積した等価コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーター(Arizona州Tucson在所のBruker Nano,Inc.)で測定して340nmであった。
実施例9B(EX9B):シアンナノ顔料コーティング、裏込めあり
上で説明した「微細構造フィルムのチャネルを裏込めするための方法」を使用してチャネルが裏込めされた点を除き、9Aで説明したようにフィルムの上記シートが準備された。「拡散光源からの輝度プロファイルを測定するための方法」を使用して相対輝度が測定された(データは表7に示されている)。ガラスプレートの上に堆積した等価コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーター(Arizona州Tucson在所のBruker Nano,Inc.)で測定して340nmであった。
実施例10A(EX10A):マゼンタナノ顔料コーティング、裏込めなし
PE1で製造されたフィルムの微細構造シートが9インチ×10インチのサイズに切断され、水性コーティング溶液のビーディングアップ及びディウェッティングを防止するためにBD-20AC Laboratory Corona Treater(Illinois州Chicago在所のElectro-Technic Products)を使用して手でコロナ処理された。PDAC及びCAB-O-JET(登録商標)260Mコーティング溶液がPE2で説明したようにして作られた。コロナ処理されたフィルムが、「微細構造フィルムの上に噴霧レイヤー・バイ・レイヤー自己集合コーティングを構築するための方法」を使用して、(PDAC/COJ260M)20でコーティングされた。150秒の継続期間の間、このコーティングされたフィルムに6000Wの電力の反応性イオンエッチング(RIE)が施された。「拡散光源からの輝度プロファイルを測定するための方法」を使用して相対輝度が測定された(データは表7に示されている)。ガラスプレートの上に堆積した等価コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーター(Arizona州Tucson在所のBruker Nano,Inc.)で測定して313nmであった。
実施例10B(EX10B):マゼンタナノ顔料コーティング、裏込めあり
上で説明した「微細構造フィルムのチャネルを裏込めするための方法」を使用してチャネルが裏込めされた点を除き、10Aで説明したようにフィルムの微細構造シートが準備された。「拡散光源からの輝度プロファイルを測定するための方法」を使用して相対輝度が測定された(データは表7に示されている)。ガラスプレートの上に堆積した等価コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーター(Arizona州Tucson在所のBruker Nano,Inc.)で測定して313nmであった。
Figure 0007358356000014
Figure 0007358356000015
Figure 0007358356000016
実施例11(EX11):カチオン性顔料、アニオン性高分子電解質
サイズが1インチ×3インチのガラス顕微鏡スライド(Massachusetts州Waltham在所のFisher Scientific)がDI水及びイソプロパノールで濯がれた。スライドがStratoSequence VI(Florida州Tallahassee在所のnanoStrata,Inc.)自動レイヤー・バイ・レイヤーディップコーター上に取り付けられた。1分間の間、PE3で説明したPEI-COJ352K溶液にスライドが浸された。次に、3つの連続するDI水濯ぎ槽に、それぞれ30秒間の間、スライドが浸された。次に、1分間の間、PAA溶液(0.1重量%、HClでpH4に調整された)にスライドが浸された。次に、3つの連続するDI水濯ぎ槽に、それぞれ30秒間の間、スライドが浸された。スライドは、個々の槽中で150rpmで回転された。(PEI-COJ352K/PAA)10を堆積させるために、このサイクルが合計10回にわたって繰り返された。コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーター(Arizona州Tucson在所のBruker Nano,Inc.)で測定して4μmであった。PE1の微細構造フィルムは、この合成物でレイヤー・バイ・レイヤーでコーティングし、かつ、既に説明したようにRIEを施すことができる。
実施例12(EX12):カチオン性顔料、アニオン性顔料
サイズが1インチ×3インチのガラス顕微鏡スライド(Massachusetts州Waltham在所のFisher Scientific)がDI水及びイソプロパノールで濯がれた。スライドがStratoSequence VI(Florida州Tallahassee在所のnanoStrata,Inc.)自動レイヤー・バイ・レイヤーディップコーター上に取り付けられた。1分間の間、PEI-COJ352K溶液(PE3で説明した)にスライドが浸された。次に、3つの連続するDI水濯ぎ槽に、それぞれ30秒間の間、スライドが浸された。次に、1分間の間、COJ352K溶液(PE2で説明した)にスライドが浸された。次に、3つの連続するDI水濯ぎ槽に、それぞれ30秒間の間、スライドが浸された。スライドは、個々の槽中で150rpmで回転された。(PEI-COJ352K/COJ352K)10を堆積させるために、このサイクルが合計10回にわたって繰り返された。コーティングの厚さは、かみそり刃でコーティングに刻み目を付けた後にDektak XTスタイラスプロフィルメーター(Arizona州Tucson在所のBruker Nano,Inc.)で測定して240nmであった。PE1の微細構造フィルムは、この合成物でレイヤー・バイ・レイヤーでコーティングし、かつ、既に説明したようにRIEを施すことができる。
実施例13(EX13)
光制御フィルムがEX1で説明したように準備された。微細構造フィルムのチャネルを裏込めする方法の間、頂部PETフィルムが、国際公開第2010/1090924号の実施例1に記載されているように、カラーシフトフィルムに置き換えられた。裏込めされたチャネルをUV硬化させた後、このカラーシフトフィルムは剥ぎ取られず、その代わりにカバーフィルムとして保持された。
Figure 0007358356000017
高度に反射性のカラーシフトフィルムは、ゲインキューブ内における光再循環の原因になり、軸上相対輝度が100%より大きくなることになる。
Figure 0007358356000018
吸収領域の表面積
CE2の光入力面が200倍の倍率の光学顕微鏡で観察された。複数の吸収領域の最大幅(すなわち図1aのW)及びピッチ(すなわち図1aのP)が、ImageJソフトウェア(ウェブサイトhttp://imagej.nih.gov/ijでNational Institute of Healthから入手可能)を使用して光学顕微鏡画像を分析することによって測定された。5つの吸収領域の平均幅は、14.7ミクロンであることが測定された。平均ピッチは、64.9ミクロンであることが測定された。したがって比率W/Pは、0.227、すなわち表面積の22.7%に等しい。
EX6の光入力面が200倍の倍率の光学顕微鏡で観察された。複数の吸収領域の最大幅(すなわち図1aのW)及びピッチ(すなわち図1aのP)が、ImageJソフトウェア(ウェブサイトhttp://imagej.nih.gov/ijでNational Institute of Healthから入手可能)を使用して光学顕微鏡画像を分析することによって測定された。5つの吸収領域の平均幅は、1.0ミクロンであることが測定された。平均ピッチは、31.2ミクロンであることが測定された。壁角度がゼロである場合、比率W/Pは、0.032、すなわち表面積の3.2%に等しい。壁角度が1.5度である場合、表面積は10.8%である。以下、例示的実施形態を示す。
[1]
光入力面及び前記光入力面の反対側の光出力面と、
前記光入力面と前記光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域であって、前記吸収領域が少なくとも30のアスペクト比を有し、前記交互の透過領域及び吸収領域が、分光光度計を使用して0度の視野角で測定された、
i)320~400nm(UV)の範囲の波長に対して少なくとも35、40、45、又は50%、又は
ii)700~1400nm(NIR)の範囲の波長に対して少なくとも65、70、75、又は80%、
あるいはそれらの組合せ、
の透過率を有する、交互の透過領域及び吸収領域と、
を備える光制御フィルム。
[2]
前記吸収領域が、光入力面に対して平行の幅と、前記光入力面に対して直交する高さと、を有し、前記高さが前記幅よりも大きい、[1]に記載の光制御フィルム。
[3]
前記交互の透過領域及び吸収領域が、+30度又は-30度の視野角において、50、45、40、35、30、25、20、10%又は5%未満の可視光相対透過率を有する、[1]又は[2]に記載の光制御フィルム。
[4]
前記交互の透過領域及び吸収領域が、+35~+80度の範囲の視野角、又は-35~-80度の範囲の視野角に対して、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2%未満の可視光平均相対透過率を有する、[1]~[3]に記載の光制御フィルム。
[5]
前記透過領域が、5、4、3、2、1、又は0.1度未満の壁角度を有する、[1]~[4]に記載の光制御フィルム。
[6]
前記透過領域及び前記吸収領域が、50~200ミクロンの範囲の高さを有する、[1]~[5]に記載の光制御フィルム。
[7]
前記吸収領域が、5、4、3、2、1、0.5、0.25、又は0.10ミクロン以下の平均幅を有する、[1]~[6]に記載の光制御フィルム。
[8]
前記吸収領域が、少なくとも50、100、200、300、400、500、600、700、800、又は1000のアスペクト比を有する、[1]~[7]に記載の光制御フィルム。
[9]
前記吸収領域が、10~200ミクロンの平均ピッチを有する、[1]~[8]に記載の光制御フィルム。
[10]
前記透過領域が、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のアスペクト比を有する、[1]~[9]に記載の光制御フィルム。
[11]
前記吸収領域が有機光吸収材料を含む、[1]~[10]に記載の光制御フィルム。
[12]
前記吸収領域が、500ナノメートル未満の粒径中央値を有する光吸収粒子を含む、[1]~[11]に記載の光制御フィルム。
[13]
前記吸収領域が、少なくとも25重量%の光吸収粒子を含む、[1]~[12]に記載の光制御フィルム。
[14]
前記吸収領域が高分子電解質を含む、[1]~[13]に記載の光制御フィルム。
[15]
前記透過領域が、放射線硬化(メタ)アクリレートポリマーを含む、[1]~[14]に記載の光制御フィルム。
[16]
前記交互の透過領域及び前記吸収領域がベース層の上に配置される、[1]~[15]に記載の光制御フィルム。
[17]
前記光制御フィルムがカバーフィルムを更に含む、[1]~[16]に記載の光制御フィルム。
[18]
前記ベース層又はカバーフィルムが多層フィルムである、[1]~[17]に記載の光制御フィルム。
[19]
前記多層フィルムが、カラーシフトフィルム、UV反射フィルム、UV青色反射フィルム又は近赤外反射フィルムである、[18]に記載の光制御フィルム。
[20]
前記交互の透過領域及び吸収領域が、0度の視野角における400~700nmの範囲の波長範囲に対して、コノスコープで測定された少なくとも75%の相対透過率を有する、[1]~[19]に記載の光制御フィルム。
[21]
前記光制御フィルムが、0度の視野角における400~700nmの範囲の波長範囲に対して、コノスコープで測定された少なくとも75%の相対透過率を有する、[1]~[20]に記載の光制御フィルム。
[22]
前記光制御フィルムが、700~1400nm(NIR)の範囲の波長に対して少なくとも60、65、70、75、又は80%の透過率、及び0度の視野角における320~400nm(UV)の範囲の波長に対して50、45、40、35、30、25、20、又は15%未満の透過率を有する、[1]~[21]に記載の光制御フィルム。
[23]
前記光制御フィルムが、30度の視野角における700~1400nm(NIR)の範囲の波長範囲に対して少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、又は50%の平均透過率を有する、[1]~[22]に記載の光制御フィルム。
[24]
前記光制御フィルムが、60度の視野角における700~1400nm(NIR)の範囲の波長範囲に対して少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、又は50%の平均透過率を有する、[1]~[23]に記載の光制御フィルム。
[25]
第2の光制御フィルムの上に配置された、[1]~[24]に記載の第1の光制御フィルムを備える光制御フィルム。
[26]
前記第2の光制御フィルムが[1]~[24]に記載の光制御フィルムであり、前記第1の光制御フィルム及び前記第2の光制御フィルムが、0度の視野角において前記吸収領域が互いに平行であることから直交することまでの範囲にあるように配置される、[25]に記載の光制御フィルム。
[27]
前記第2の光制御フィルムが[1]~[24]に記載の光制御フィルムであり、前記第1の光制御フィルム及び前記第2の光制御フィルムが、0度の視野角において前記吸収領域が互いに一致するように配置される、[26]に記載の光制御フィルム。
[28]
光入力面及び前記光入力面の反対側の光出力面と、
前記光入力面と前記光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域であって、吸収領域が少なくとも30のアスペクト比を有し、前記光入力面又は前記光出力面において最大表面積で光をブロックし、前記最大表面積が前記交互の透過領域及び前記吸収領域全体の20%未満である、交互の透過領域及び吸収領域と、
を備える光制御フィルム。
[29]
前記吸収領域が少なくとも30のアスペクト比を有する、[28]に記載の光制御フィルム。
[30]
前記交互の透過領域及び吸収領域、又は前記光制御フィルムが、0度の視野角における400~700nmの波長範囲に対して、コノスコープで測定された少なくとも75%の相対透過率を有する、[28]又は[29]に記載の光制御フィルム。
[31]
前記交互の透過領域及び吸収領域、又は前記光制御フィルムが、分光光度計を使用して0度の視野角で測定された、320~400nm(UV)の範囲の波長に対して少なくとも35、40、45、又は50%の透過率を有する、[28]~[30]に記載の光制御フィルム。
[32]
前記交互の透過領域及び吸収領域、又は前記光制御フィルムが、分光光度計を使用して0度の視野角で測定された、700~1400nm(NIR)の範囲の波長に対して少なくとも65、70、75、又は80%、あるいはそれらの組合せの透過率を有する、[28]~[31]に記載の光制御フィルム。
[33]
前記光制御フィルムが、[2]~[27]によって特徴付けられる、[1]~[32]に記載の光制御フィルム。
[34]
第1の方向に沿った第1のスペクトルプロファイル、及び異なる第2の方向に沿った第2のスペクトルプロファイルを有する光を放射するように構成された光源と、
検出波長範囲内の波長に感応する検出器と、
前記光源又は前記検出器の上に配置され、前記光源によって放出される光を受光し、かつ、透過させるための、[1]~[33]に記載の光制御フィルムと、
を含む光検出システム。
[35]
前記光源が、発光ダイオード(LED)、レーザ光源、ハロゲン光源、ハロゲン化金属光源、タングステン光源、水銀蒸気光源、ショートアークキセノン光源、又は太陽を含む、[34]に記載の光検出システム。
[36]
前記検出器が、光起電デバイスと、ソーラーバッテリーと、ソーラーセルと、カメラと、を備える、[34]又は[35]に記載の光検出システム。
[37]
前記光制御フィルムが前記光源の上に配置され、前記検出器が遠隔にある、[34]~[36]に記載の光検出システム。
[38]
前記光制御フィルムが前記検出器の上に配置され、前記光源が遠隔にある、[34]~[36]に記載の光検出システム。
[39]
前記光検出システムが車両センサである、[34]~[38]に記載の光検出システム。
[40]
前記光制御フィルムが再帰反射シートの上に配置される、[34]~[39]に記載の光検出システム。
[41]
再帰反射シートが、微小球ビーズ及びコーナーキューブのうちの少なくとも一方を備える、[40]に記載の光検出システム。

Claims (19)

  1. 光入力面及び前記光入力面の反対側の光出力面と、
    前記光入力面と前記光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域であって、前記吸収領域が少なくとも30のアスペクト比を有し、前記交互の透過領域及び吸収領域が、分光光度計を使用して0度の視野角で測定された、
    i)320~400nm(UV)の範囲の波長に対して少なくとも35%、又は
    ii)700~1400nm(NIR)の範囲の波長に対して少なくとも65%
    あるいはそれらの組合せ、
    の透過率を有する、交互の透過領域及び吸収領域と、
    を備え
    前記吸収領域が、
    i)5ミクロン以下の平均幅、及び
    ii)少なくとも50のアスペクト比
    を有する、光制御フィルム。
  2. 前記吸収領域が、光入力面に対して平行の幅と、前記光入力面に対して直交する高さと、を有し、前記高さが前記幅よりも大きい、請求項1に記載の光制御フィルム。
  3. 前記交互の透過領域及び吸収領域が、+30度又は-30度の視野角において、50%未満の可視光相対透過率を有する、請求項1又は2に記載の光制御フィルム。
  4. 前記交互の透過領域及び吸収領域が、+35~+80度の範囲の視野角、又は-35~-80度の範囲の視野角に対して、10%未満の可視光平均相対透過率を有する、請求項1~3に記載の光制御フィルム。
  5. 前記透過領域が、
    i)5度未満の壁角度、
    ii)50~200ミクロンの範囲の高さ、
    iii)少なくとも2のアスペクト比、
    iv)又はこれらの組み合わせ、
    を有する、請求項1~4に記載の光制御フィルム。
  6. 前記吸収領域が
    ii)10~200ミクロンの平均ピッチ
    有する、請求項1~5に記載の光制御フィルム。
  7. 前記吸収領域が
    i)有機光吸収材料
    含む、請求項1~6に記載の光制御フィルム。
  8. 前記吸収領域が
    ii)500ナノメートル未満の粒径中央値を有する光吸収粒子、
    を含む、請求項1~7に記載の光制御フィルム。
  9. 前記吸収領域が
    iii)少なくとも25重量%の光吸収粒子、
    を含む、請求項1~8に記載の光制御フィルム。
  10. 前記吸収領域が
    iv)高分子電解質、
    を含む、請求項1~9に記載の光制御フィルム。
  11. 前記吸収領域が
    v)放射線硬化(メタ)アクリレートポリマー、
    を含む、請求項1~10に記載の光制御フィルム。
  12. 前記交互の透過領域及び前記吸収領域がベース層の上に配置され、又は前記光制御フィルムがカバーフィルムを更に含み、
    前記ベース層又はカバーフィルムがカラーシフトフィルム、UV反射フィルム、UV青色反射フィルム又は近赤外反射フィルムより選択される多層フィルムである、
    請求項1~11に記載の光制御フィルム。
  13. 第2の光制御フィルムの上に配置された、請求項1~12に記載の第1の光制御フィルムを備え、前記第1の光制御フィルム及び前記第2の光制御フィルムが、0度の視野角において前記吸収領域が互いに平行であることから直交することまでの範囲にあるように配置される、または、0度の視野角において前記吸収領域が互いに一致するように配置される、光制御フィルム。
  14. 光入力面及び前記光入力面の反対側の光出力面と、
    前記光入力面と前記光出力面との間に配置された交互の透過領域及び吸収領域であって、吸収領域が少なくとも30のアスペクト比を有し、前記光入力面又は前記光出力面において最大表面積で光をブロックし、前記最大表面積が前記交互の透過領域及び前記吸収領域全体の20%未満である、交互の透過領域及び吸収領域と、
    を備え
    前記吸収領域が、
    i)5ミクロン以下の平均幅、及び
    ii)少なくとも50のアスペクト比
    を有する、光制御フィルム。
  15. 第1の方向に沿った第1のスペクトルプロファイル、及び異なる第2の方向に沿った第2のスペクトルプロファイルを有する光を放射するように構成された光源と、
    検出波長範囲内の波長に感応する検出器と、
    前記光源又は前記検出器の上に配置され、前記光源によって放出される光を受光し、かつ、透過させるための、請求項1~14に記載の光制御フィルムと、
    を含む光検出システム。
  16. 前記光源が、発光ダイオード(LED)、レーザ光源、ハロゲン光源、ハロゲン化金属光源、タングステン光源、水銀蒸気光源、ショートアークキセノン光源、又は太陽を含む、請求項15に記載の光検出システム。
  17. 前記検出器が、光起電デバイス、ソーラーバッテリー、ソーラーセル、またはカメラ、を備える、請求項15又は16に記載の光検出システム。
  18. 前記光制御フィルムが前記光源の上に配置され、前記検出器が遠隔にある、又は、前記光制御フィルムが前記検出器の上に配置され、前記光源が遠隔にある、請求項1517に記載の光検出システム。
  19. 前記光検出システムが車両センサである、請求項1518に記載の光検出システム。
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