JP7357878B2 - 機械学習装置、データ処理システム、推論装置及び機械学習方法 - Google Patents

機械学習装置、データ処理システム、推論装置及び機械学習方法 Download PDF

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Description

本発明は、遠心分離機を含むシステムに適用可能な機械学習装置、データ処理システム、推論装置及び機械学習方法に関するものである。
上下水、産業排水、又はし尿等の水処理設備において、遠心力を利用して固液分離を行う遠心分離装置が従来から用いられている。この遠心分離装置としては種々のタイプのものが知られているが、特に長時間連続した処理が必要な設備にあっては、デカンタと称される遠心分離装置が広く用いられている。
このデカンタは、一般に、駆動モータと、駆動モータにより回転され内部に被処理液が投入される一端部が錘状に加工された筒状のボウルと、このボウル内に同軸状に配置され被処理液内の固形物を搬送するスクリューコンベアと、ボウルの回転速度とスクリューコンベアの回転速度との間に差速を発生させる差速発生装置と、を備えている。そして、ボウル内に投入された被処理液中の固形物はボウルの一端部から、被処理液中の分離液はボウルの他端部からそれぞれ排出することで、固液分離を実現している。
ところで、このデカンタは、固液分離を行うために、この分離処理が可能な程度の比較的大きな遠心力を得るべく駆動モータに大型のモータを用いている。したがって、この大型のモータの消費電力を適切に制御するための方法が、種々検討されている。(例えば、特許文献1参照。)
特許第5442099号公報
特許文献1に記載された方法のように、スクリューコンベアのトルク及び差速発生装置で発生させる差速に基づいて、遠心分離装置を制御する制御装置を採用すれば、被処理液の性状に合わせた操業をオペレータの判断を要することなく実現できる。しかし、このような遠心分離装置を含む遠心分離システムの制御対象はスクリューコンベアのトルク及び差速発生装置で発生させる差速以外にも存在し、また、当該制御対象の制御に影響する情報(状態変数)も多岐にわたることから、例えば遠心分離システムの制御を完全自動化しようとする場合には、更なる改良の余地が残されている。
本発明は上述の点に鑑み、遠心分離システムにおける種々の情報に基づいて好適な動作制御を実現するための、機械学習装置、データ処理システム、推論装置及び機械学習方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る機械学習装置20は、例えば図1乃至図3に示すように、被処理液に遠心力を付与して固形物と分離液とに遠心分離するボウル2と、ボウル2内の固形物を排出口2aに向けて搬送するスクリューコンベア3と、ボウル2を回転させる駆動モータ4と、スクリューコンベア3をボウル2と相対的な差速をもって回転させる差速発生装置5と、を含む遠心分離システムのためのものであって:被処理液のスラリー濃度、ボウル2内で分離され排出された固形物としての脱水固形物の含水率、分離液の濃度、及びスクリューコンベア3のトルク値を含む入力データと、入力データに対応付けられた遠心分離システムの制御パラメータを含む出力データとで構成される学習用データセットを複数組記憶する学習用データセット記憶ユニット22と;学習用データセットを複数組入力することで、入力データと出力データとの相関関係を推論する学習モデルを学習する学習ユニット23と;学習ユニット23によって学習された学習モデルを記憶する学習済モデル記憶ユニット24と;を含み、制御パラメータは、被処理液に添加される添加物の供給量、ボウル2の遠心力、及び差速発生装置5により制御される差速のうちの少なくとも1つで構成される。
このように構成すると、遠心分離システムの各種状態変数から遠心分離システムを動作させるのに最適な制御パラメータを推論可能な学習済モデルを提供することができるようになる。
また、本発明の第2の態様に係るデータ処理システムは、例えば図6に示すように、被処理液に遠心力を付与して固形物と分離液とに遠心分離するボウル2と、ボウル2内の固形物を排出口2aに向けて搬送するスクリューコンベア3と、ボウルを回転させる駆動モータ4と、スクリューコンベア3をボウル2と相対的な差速をもって回転させる差速発生装置5と、を含む遠心分離システムに用いられるデータ処理システム50であって:被処理液のスラリー濃度、ボウル2内で分離され排出された固形物としての脱水固形物の含水率、分離液の濃度、及びスクリューコンベア3のトルク値を取得するための検出ユニット51と;上記第1の態様に係る機械学習装置によって生成された学習済モデルに、検出ユニット51が取得したデータを入力することで、遠心分離システムの制御パラメータを推論する推論ユニット57と;を含む。
このように構成すると、遠心分離システムの各種状態変数から遠心分離システムを動作させるのに最適な制御パラメータを推論可能なデータ処理システムを提供できる。
また、本発明の第3の態様に係る推論装置は、例えば図2に示すように、被処理液に遠心力を付与して固形物と分離液とに遠心分離するボウル2と、ボウル2内の固形物を排出口2aに向けて搬送するスクリューコンベア3と、ボウル2を回転させる駆動モータ4と、スクリューコンベア3をボウル2と相対的な差速をもって回転させる差速発生装置5と、を含む遠心分離システムに用いられ、メモリと、少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサは:被処理液のスラリー濃度、ボウル2内で分離され排出された固形物としての脱水固形物の含水率、分離液の濃度、及びスクリューコンベア3のトルクを取得する処理と;被処理液のスラリー濃度、ボウル2内で分離され排出された固形物としての脱水固形物の含水率、分離液の濃度、及びスクリューコンベア3のトルク値が入力されると、遠心分離システムの制御パラメータを推論する処理と;を実行するように構成され、制御パラメータは、被処理液に添加される添加物の供給量、ボウル2の遠心力、及び差速発生装置5により制御される差速のうちの少なくとも1つで構成される。
このように構成すると、遠心分離システムの各種状態変数から遠心分離システムを動作させるのに最適な制御パラメータを推論可能な推論装置を提供できる。
また、本発明の第4の態様に係る機械学習方法は、例えば図5に示すように、被処理液に遠心力を付与して固形物と分離液とに遠心分離するボウル2と、ボウル2内の固形物を排出口2aに向けて搬送するスクリューコンベア3と、ボウル2を回転させる駆動モータ4と、スクリューコンベア3をボウル2と相対的な差速をもって回転させる差速発生装置5と、を含む遠心分離システムのためのコンピュータを用いた機械学習方法であって:被処理液のスラリー濃度、ボウル2内で分離され排出された固形物としての脱水固形物の含水率、分離液の濃度、及びスクリューコンベア3のトルク値を含む入力データと、入力データに対応付けられた遠心分離システムの制御パラメータを含む出力データとで構成される学習用データセットを複数組記憶するステップS11と;学習用データセットを複数組入力することで、入力データと出力データとの相関関係を推論する学習モデルを学習するステップS13~S15と;学習された学習モデルを記憶するステップS17と;を含み、制御パラメータは、被処理液に添加される添加物の供給量、ボウル2の遠心力、及び差速発生装置5により制御される差速のうちの少なくとも1つで構成される。
このように構成すると、遠心分離システムの各種状態変数から遠心分離システムを動作させるのに最適な制御パラメータを推論可能な学習済モデルを得ることができる。
本発明によれば、遠心分離システムにおける種々の情報に基づいて遠心分離システムの好適な動作制御を実現できる制御パラメータを取得できるようになり、以って遠心分離システムの制御の完全自動化に貢献することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るデカンタ本体の概略構造を示す模式図である。 図2は、図2は、本発明の一実施の形態に係るデカンタの配管構造を含む遠心分離システムを示す模式図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る機械学習装置の概略ブロック図である。 図4は、本発明の一実施の形態に係る機械学習装置において実施される教師あり学習のためのニューラルネットワークモデルの例を示す図である。 図5は、本発明の一実施の形態に係る機械学習方法の例を示すフローチャートである。 図6は、本発明の一実施の形態に係るデータ処理システムを示す概略ブロック図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための一実施の形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
<遠心分離システム>
初めに、本発明の一実施の形態に係る遠心分離システムについて簡単に説明する。本実施の形態においては、本発明の機械学習装置、データ処理システム、推論装置及び機械学習方法を適用する対象物として、遠心分離装置として横型のデカンタ1を含む遠心分離システムを用いる。言い換えれば、本発明は、本発明に係る機械学習装置、データ処理システム、推論装置及び機械学習方法を遠心分離システムに適用することで、遠心分離システムにおける作動制御を自動化しようとするものである。なお、本発明に係る遠心分離システムの具体的な態様はここに示すものに限定されるものではなく、例えば縦型や直胴型のデカンタ等、他の遠心分離装置を含む遠心分離システムに対しても適用可能である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る、デカンタ本体の概略構造を示す模式図である。また、図2は、本発明の一実施の形態に係るデカンタの配管構造を含む遠心分離システムを示す模式図である。横型のデカンタ1は、図1及び図2に示すように、主にボウル2と、スクリューコンベア3と、駆動モータ4と、差速発生装置5と、ケーシング6とを含む。
ボウル2は、一端部が錘状に加工された筒状の部材で構成され、水平軸周りに回転可能に支持されている。また、このボウル2の錘状に加工された一端部には1乃至複数の固形物排出口2aが設けられ、他端部には1乃至複数の分離液排出口2bが形成されたダム2cが取り付けられている。また、このボウル2の一方の端部(図1においては錘状に加工された一端部)には、更に後述する駆動モータ4からの動力を伝達するプーリー4aが取り付けられている。
スクリューコンベア3は、ボウル2内に同軸状に配置され、その周囲に螺旋状のスクリュー羽根3aが形成された部材で構成される。スクリュー羽根3aはボウル2内の固形物を搬送及び/又は圧搾するための部材である。このスクリューコンベア3の胴部3bには、その内部に被処理液を受けるための空間3cと、この空間に貯留された被処理液をボウル2内に投入するための吐出口3dとが設けられている。また、このスクリューコンベア3の一端部には、後述する差速発生装置5が連結されている。
駆動モータ4は、ボウル2に回転力を付与するためのモータであり、ボウル2の一方の端部に取り付けられたプーリー4aにベルト4bを介して接続されている。この駆動モータ4には、ボウル2を例えば2000~5000rpmの範囲で回転させるために、比較的大型のモータが採用され、且つその回転速度はインバーター制御によって適宜変更可能となっていることが好ましい。また、差速発生装置5は、ボウル2の回転速度とスクリューコンベア3の回転速度との間に差速を発生させるための装置であって、スクリューコンベア3をボウル2に対して僅かに(例えば1~3rpm程度)遅く回転させることが可能な装置である。この差速発生装置5は、スクリューコンベア3に接続されたギヤボックス5aと、スクリューコンベア3にブレーキ力を付加する差動モータ(「バックドライブモーター」ともいう)5bとを含む。差速発生装置5の具体的な動作原理については従来から知られているものであるから、その説明は省略する。
ケーシング6は、ボウル2及びスクリューコンベア3を覆うように設けられ、ボウル2の固形物排出口2aから排出された固形物(以下、これを脱水固形物と呼ぶ)を下方に設けられた固形物シュート6aに導き、同じくボウル2の分離液排出口2bから排出された分離液を下方に設けられた分離液シュート6bに導くものである。また、ケーシング6に覆われたボウル2及びスクリューコンベア3は、フレーム6cによって一体に支持されている。
ケーシング6の固形物シュート6aは、固形物排出導管7に連結されており、固形物シュート6aから排出された固形物は、例えばこの固形物排出導管7を介して図示しない焼却設備への搬送路7aへ運ばれる。また、ケーシング6の分離液シュート6bは、分離液排出導管8に連結されており、分離液シュート6bから排出された分離液は、例えばこの分離液排出導管8を介して図示しない浄水設備へ運ばれる。
このデカンタ1は、ボウル2内に被処理液を投入するための給液管9を更に含む。この給液管9は、その一端はスクリューコンベア3の胴部3b内の空間3cに連通し、他端は被処理液供給源10及び添加物供給源11が連通しており、他端から流入した被処理液等をボウル2内に投入するための導管となっている。
給液管9と被処理液供給源10とは、被処理液を供給するためのポンプ10aを備えた被処理液供給配管10bによって流体的に接続されている。このポンプ10aを制御することにより、被処理液のボウル内への供給量を制御することができる。ここで、被処理液供給源10から供給される被処理液は、多くの場合固形物としての汚泥を含むスラリー(懸濁液)である。
また、給液管9と添加物供給源11とは、被処理液に添加される添加物、例えば薬剤を供給するためのポンプ11aと薬剤の供給位置や供給タイミングを制御するための複数個の弁11bとを備えた添加物配管11cによって流体的に接続されている。ここで、添加物供給源11から供給される薬剤は、スラリーに投与することでスラリー中に含まれる汚泥をフロック状に変化させる凝集剤、特に高分子凝集剤又は無機凝集剤である。
本実施形態に係る添加物配管11cは、図2に示すように、その中途位置で2つの管に分岐され、一方は被処理液配管10bの中間位置に、他方は給液管9にそれぞれ接続されている。被処理液配管10bの中間位置に接続された配管を経由して薬剤を供給した場合には、被処理液配管10b内で被処理液と薬剤とが反応し(いわゆる「ライン薬注」)、給液管9に接続された配管を経由して薬剤を供給した場合には、ボウル2内部で被処理液と薬剤とが反応する(いわゆる「機内薬注」)こととなる。このような配管構造を採用すると、被処理液に薬剤を添加する位置及びタイミングを調整することができ、以って主に被処理液の状態に影響される薬剤による汚泥フロック生成効果を最適に調整することができるようになる。なお、図2に示す配管の接続位置は一例にすぎず、被処理液の状態等を考慮して当該配管構造は適宜変更することが可能である。
以上の構成を備えるデカンタ1による固液分離は、先ず、所定の回転数で回転するボウル2内に給液管9を介して薬剤が添加された被処理液が投入されると、駆動モータ4により発生された遠心力によって被処理液内の(薬剤の効果によりフロック状となっている)固形物がボウル2の内壁面に沈降する。沈降した固形物は、差速発生装置5の作用によりボウル2の回転数よりも僅かに小さな回転数でボウル2に対して連れ周りするスクリューコンベア3のスクリュー羽根3aによって、ボウル2の錘状に加工された一端側に向かって圧搾されつつ搬送され、固形物排出口2aより固形物シュート6aへ排出される。また、上記のように固形物が沈降除去された後の被処理液は、分離液としてボウル2内に一定期間滞留した後、分離液排出口2bからオーバーフローするようにして分離液シュート6bへ排出される。
<機械学習装置>
上述の固液分離処理は、デカンタ1の各種制御パラメータを調整することで、好適な処理を実現している。ここでいう制御パラメータとは、主にボウル2の遠心力、添加物供給源11からの薬剤の供給量、及びボウル2とスクリューコンベア3との差速から構成される。そこで、以下には、被処理液の種類等に合わせて最適な制御パラメータを推定することが可能な推論モデル(学習済モデル)を学習する本発明の機械学習装置について、説明を行う。
図3は、本発明の一実施の形態に係る機械学習装置の概略ブロック図である。本実施の形態に係る機械学習装置20は、図3に示すように、学習用データセット取得ユニット21と、学習用データセット記憶ユニット22と、学習ユニット23と、学習済モデル記憶ユニット24とを備えている。
学習用データセット取得ユニット21は、例えば有線又は無線の通信回線を介して接続されたコンピュータPC1から学習(トレーニング)用データセットを構成する複数のデータを取得するインタフェースユニットである。コンピュータPC1は、例えば上述したデカンタ1のコントロールユニットを構成する、あるいはこのコントロールユニットに通信可能に接続されたコンピュータであって良く、デカンタ1の各種制御パラメータを取得可能なものである。また、このコンピュータPC1は、オペレータENによりデカンタ1の各種制御情報が入力されるものであって良く、当該制御情報の少なくとも一部が、学習用データセットにおける出力データ(「教師データ」ともいう)として、後述するデカンタ1の各種データと同様に、学習用データセット取得ユニット21に送信される。なお、ここでいうデカンタ1のコントロールユニットとは、デカンタ1全体の制御を行うための装置であって、プロセッサ及びメモリ等を備える周知のコンピュータ等から構成されるものである。
この学習用データセット取得ユニット21で取得される学習用データセットとは、入力データとして、被処理液供給源10から供給される被処理液のスラリー濃度と、ボウル2内で分離され固形物排出口2aから排出された後の固形物である脱水固形物の含水率と、同じくボウル2内で分離され分離液排出口2bから排出された分離液の濃度と、スクリューコンベア3のトルク値とを含み、出力データとして、デカンタ1の主要な制御パラメータ、具体的にはボウル2内へ供給される薬剤の供給量、ボウル2の遠心力、及び差速発生装置により制御される差速のうちの少なくとも1つを含む。これら学習用データセットを構成する各種データの具体的な取得方法については、後述する。
学習用データセット記憶ユニット22は、学習用データセット取得ユニット21で取得した学習用データセットを構成する複数のデータを、関連する入力データと出力データ(「教師データ」ともいう)とを関連付けて1つの学習用データセットとし、格納するためのデータベースである。この学習用データセット記憶ユニットを構成するデータベースの具体的な構成については適宜調整することができる。例えば、図3においては、説明の都合上、この学習用データセット記憶ユニット22と後述する学習済モデル記憶ユニット24とを別々の記憶手段として示しているが、これらは単一の記憶媒体(データベース)によって構成することもできる。
学習ユニット23は、学習用データセット記憶ユニット22に記憶された複数の学習用データセットを用いて機械学習を実行し、学習済モデルを生成するものである。本実施の形態においては、後に詳しく説示するように、機械学習の具体的な手法としてニューラルネットワークを用いた教師あり学習を採用している。ただし、機械学習の具体的な手法については、これに限定されるものではなく、入出力の相関関係を学習用データセットから学習することができるものであれば他の学習手法を採用することも可能である。例えば、アンサンブル学習(ランダムフォレスト、ブースティング等)を用いることもできる。
学習済モデル記憶ユニット24は、学習ユニット23で生成された学習済モデルを記憶するためのデータベースである。この学習済モデル記憶ユニット24に記憶された学習済モデルは、要求に応じて、インターネットを含む通信回線や記憶媒体を介して実システムへ適用される。実システム(データ処理システム)に対する学習済モデルの具体的な適用態様については、後に詳述する。
ここで、学習用データセットの収集方法の一例について、図2及び図3を参照して説明する。本実施形態に係るデカンタ1は、その構成要素の適所に、デカンタ1の稼働状態を特定するための監視システムが設けられている。当該監視システムとしては、詳しくは、図2に示すように、被処理液監視システム31と、脱水固形物監視システム32と、分離液監視システム33と、スクリューコンベアトルク監視システム34とを含む。そして、これらの監視システム31~34によって検出されるデータが、学習用データセットを構成する入力データに対応する。
被処理液監視システム31は、被処理液配管10bに配置され、被処理液供給源10から供給される被処理液の特にスラリー濃度を監視するものである。スラリー濃度を監視する具体的な方法としては、例えば周知の濃度センサを用いて被処理液の濃度値を直接検出すればよい。
脱水固形物監視システム32は、固形物排出導管7に設けられ、この固形物排出導管7を通過する脱水固形物(「脱水ケーキ」とも呼ばれる)の特にその含水率を監視するものである。この脱水固形物監視システム32は、固形物排出導管7を通過する脱水固形物の含水率を測定あるいは推定する。なお、脱水固形物の含水率の測定あるいは推定する方法としては種々の方法を採用することができるが、本実施形態においては、周知の含水率計を用いて脱水固形物の含水率を直接測定する方法を採用している。
分離液監視システム33は、分離液排出導管8に設けられ、この分離液排出導管8を通過する分離液の濃度を監視するものである。分離液濃度を監視する具体的な方法としては、例えば周知の濃度センサを用いて分離液の濃度値を直接検出すればよい。
スクリューコンベアトルク監視システム34は、例えばスクリューコンベア3の回転軸に取り付けられており、このスクリューコンベア3に作用する反力を検出することで、スクリューコンベア3のトルク値を監視している。
これら複数の監視システムにより取得される各種データ、詳しくは被処理液の濃度、サンプリングされた脱水固形物の含水率、分離液の濃度及びスクリューコンベア3のトルク値が、デカンタ1のコントロールユニットや上述したコンピュータPC1に送られ、その後学習用データセットの入力データとして機械学習装置20にて整理・格納される。
また、本実施形態に係るデカンタ1において学習用データセットを準備する際には、上述した監視システムにより取得された情報等に基づいて、教師データとなる最適な制御パラメータを特定する必要がある。この最適な制御パラメータは、例えば監視システムにより取得された情報及びその他の種々の情報に基づいて、オペレータENが手動で特定すると良い。このように特定された最適な制御パラメータは、機械学習装置20において、学習用データセットの教師データとして、上述した監視システムにより取得される各種データと共に整理・格納される。
ここで、特定される最適な制御パラメータとしては、上述したように、ボウル2の遠心力、添加物供給源11からの薬剤の供給量、及びボウル2とスクリューコンベア3との差速の少なくとも1つとすることができる。これらの制御パラメータは、デカンタ1による固液分離処理に最も影響のある制御パラメータと考えられるものである。したがって、ここで特定される制御パラメータは上述した3つの制御パラメータ全てが特定されると好ましい。なお、これら3つの制御パラメータのうち1つのみ、あるいは2つのみ入力するようにしてもよく、またこれら3つの制御パラメータ以外のパラメータ(例えば薬剤の供給位置等)を更に追加して入力することも可能である。特に、上記3つの制御パラメータのうち、ボウル2の遠心力については、主に駆動モータ4によるボウル2の回転数を制御することで調整が可能であるが、この回転数を変更する制御は他の2つの制御(薬剤供給量及び差速の制御)に比して応答性が低い。そこで、上記3つの制御パラメータのうち2つのみを特定する場合には、添加物供給源11からの薬剤の供給量とボウル2とスクリューコンベア3との差速の2つを入力するとよい。
次に、上述のようにして得られた複数の学習用データセットを用いた、学習ユニット23における学習手法について簡単に説明する。図4は、本発明の一実施の形態に係る機械学習装置において実施される教師あり学習のためのニューラルネットワークモデルの例を示す図である。図4に示すニューラルネットワークモデルにおけるニューラルネットワークは、入力層にあるl個のニューロン(x1~xl)、第1中間層にあるm個のニューロン(y11~y1m)、第2中間層にあるn個のニューロン(y21~y2n)、及び出力層にあるo個のニューロン(z1~zo)から構成されている。第1中間層及び第2中間層は、隠れ層とも呼ばれており、ニューラルネットワークとしては、第1中間層及び第2中間層の他に、さらに複数の隠れ層を有するものであってもよく、あるいは第1中間層のみを隠れ層とするものであってもよい。
また、入力層と第1中間層との間、第1中間層と第2中間層との間、第2中間層と出力層との間には、層間のニューロンを接続するノードが張られており、それぞれのノードには、重みwi(iは自然数)が対応づけられている。
本実施の形態に係るニューラルネットワークモデルにおけるニューラルネットワークは、学習用データセットを用いて、被処理液の濃度、サンプリングされた脱水固形物の含水率、分離液の濃度及びスクリューコンベア3のトルク値と、制御パラメータとの相関関係を学習する。具体的には、状態変数としての被処理液の濃度、サンプリングされた脱水固形物の含水率、分離液の濃度及びスクリューコンベア3のトルク値のそれぞれを入力層のニューロンに対応づけ、出力層にあるニューロンの値を、一般的なニューラルネットワークの出力値の算出方法で、つまり、出力側のニューロンの値を、当該ニューロンに接続される入力側のニューロンの値と、出力側のニューロンと入力側のニューロンとを接続するノードに対応づけられた重みwiとの乗算値の数列の和として算出することを、入力層にあるニューロン以外の全てのニューロンに対して行う方法を用いることで、算出する。なお、上記状態変数を入力層のニューロンに入力するに際し、状態変数として取得した情報をどのような形式として入力するかは、生成される学習済モデルの精度等を考慮して適宜設定することができる。
そして、算出された出力層にあるo個のニューロンz1~zoの値、すなわち本実施の形態においては1以上の制御パラメータと、学習用データセットの一部を構成する、同じく1以上の制御パラメータからなる教師データt1~toとを、それぞれ比較して誤差を求め、求められた誤差が小さくなるように、各ノードに対応づけられた重みwiを調整する(バックプロバケーション)ことを反復する。
そして、上述した一連の工程を所定回数反復実施すること、あるいは前記誤差が許容値より小さくなること等の所定の条件が満たされた場合には、学習を終了して、そのニューラルネットワークモデル(のノードのそれぞれに対応づけられた全ての重みwi)を学習済モデルとして学習済モデル記憶ユニット24に記憶する。
<機械学習方法>
上記に関連して、本発明は、機械学習方法を提供する。図5は、本発明の一実施の形態に係る機械学習方法の例を示すフローチャートである。以下に示す機械学習方法においては、上述した機械学習装置に基づいて説明を行うが、前提となる構成については、上記機械学習装置に限定されない。また、この機械学習方法はコンピュータを用いることで実現されるものであるが、コンピュータとしては種々のものが適用可能であり、例えばデカンタ1のコントロールユニットを構成するコンピュータ、ネットワーク上に配されたサーバ装置、あるいは図3に示すコンピュータPC1等を挙げることができる。また、このコンピュータの具体的構成については、例えば、少なくともCPUやGPU等からなる演算装置と、揮発性又は不揮発性メモリ等で構成される記憶装置と、ネットワークや他の機器に通信するための通信装置と、これら各装置を接続するバスとを含むものを採用することができる。
本実施形態に係る機械学習方法としての教師あり学習は、機械学習を開始するための事前準備として、先ず、所望の数の学習用データセットを準備し、準備した複数個の学習用データセットを学習用データセット記憶ユニット22に記憶する(ステップS11)。ここで準備する学習用データセットの数については、最終的に得られる学習済みモデルに求められる推論精度を考慮して設定するとよい。また、学習用データセットを準備する方法については、その一例を既に上で例示しているため、ここでは説明を省略する。
ステップS11が完了すると、次いで学習ユニット23における学習を開始すべく、学習前のニューラルネットワークモデルを準備する(S12)。ここで準備される学習前のニューラルネットワークモデルは、その構造が上記図4で示した構造を有し、各ノードの重みが初期値に設定されている。そして、学習用データセット記憶ユニット22に記憶された複数個の学習用データセットから、例えばランダムに一の学習用データセットを選択し(ステップS13)、当該一の学習用データセット中の入力データを、準備された学習前のニューラルネットワークモデルの入力層(図4参照。)に入力する(ステップS14)。なお、学習用データセット中の入力データを学習前のニューラルネットワークモデルの入力層に入力する手法としては、種々のものを採用することができる。また、入力データとしての被処理液の濃度、サンプリングされた脱水固形物の含水率、分離液の濃度及びスクリューコンベア3のトルク値を入力層に入力する前段階で、データを調整するための所定の前処理を実行してもよい。
ここで、上記ステップS14の結果として生成された出力層(図4参照。)の制御パラメータは、学習前のニューラルネットワークモデルによって生成されたものであるため、ほとんどの場合望ましい結果とは異なる値である。そこで、次に、ステップS13において取得された一の学習用データセット中の教師データとしての制御パラメータとステップS13において生成された出力層の制御パラメータとを用いて、機械学習を実施する(ステップS15)。ここで行う機械学習とは、例えば、教師データを構成する制御パラメータと出力層を構成する制御パラメータとを比較し、両者の誤差を検出し、この誤差が小さくなるような出力層が得られるよう、学習前のニューラルネットワークモデル内の各ノードに対応付けられた重みを調整する処理(バックプロパゲーション)であってよい。また、学習前のニューラルネットワークモデルの出力層に出力される制御パラメータの数及び形式は、学習対象としての学習用データセット中の教師データと同様の数及び形式である。したがって、例えば学習用データセット中の教師データとしての制御パラメータが2つの制御パラメータに対応するデータで構成されている場合には、ニューラルネットワークモデルが出力層に出力する制御パラメータも2つの制御パラメータに対応するデータである。
ステップS15において機械学習が実施されると、さらに機械学習を継続する必要があるか否かを、例えば学習用データセット記憶ユニット22内に記憶された未学習の学習用データセットの残数に基づいて特定する(ステップS16)。そして、機械学習を継続する場合(ステップS16でNo)にはステップS13に戻り、機械学習を終了する場合(ステップS16でYes)には、ステップS17に移る。上記機械学習を継続する場合には、学習中のニューラルネットワークモデルに対してステップS13~S15の工程を未学習の学習用データセットを用いて複数回実施する。最終的に生成される学習済モデルの精度は、一般にこの回数に比例して高くなる。
機械学習を終了する場合(ステップS16でYes)には、各ノードに対応付けられた重みが一連の工程によって調整され生成されたニューラルネットワークを学習済モデルとして、学習済モデル記憶ユニット24に記憶し(ステップS17)、一連の学習プロセスを終了する。ここで記憶された学習済モデルは、種々のデータ処理システムに適用され使用され得るものであるが、当該データ処理システムの詳細については後述する。
上述した機械学習装置の学習プロセス及び機械学習方法においては、1つの学習済モデルを生成するために、1つの(学習前の)ニューラルネットワークモデルに対して複数回の機械学習処理を繰り返し実行することでその精度を向上させ、データ処理システムに適用するに足る学習済モデルを得るものを説示しているが、本発明はこの取得方法に限定されない。例えば、所定回数の機械学習を実施した学習済モデルを一候補として複数個学習済モデル記憶ユニット24に格納しておき、この複数個の学習済モデル群に妥当性判断用のデータセットを入力して出力層(のニューロンの値)を生成し、出力層で特定された制御データの精度を比較検討して、データ処理システムに適用する最良の学習済モデルを1つ選定するようにしてもよい。なお、妥当性判断用データセットは、学習に用いた学習用データセットと同様のデータセットで構成され、且つ学習に用いられていないものであればよい。
以上説明した通り、本実施の形態に係る機械学習装置及び機械学習方法を適用することにより、デカンタ1の適所に設けられた複数の監視システムにより取得される各種データから、最適な制御パラメータを導出することが可能な学習済モデルを得ることができる。
<データ処理システム>
次に、図6を参照して、上述した機械学習装置及び機械学習方法によって生成された学習済モデルの適用例について説示する。図6は、本発明の一実施の形態に係るデータ処理システムを示す概略ブロック図である。本実施形態に係るデータ処理システム50としては、上述した横型のデカンタ1のコントロールユニット内に搭載された態様を例示する。
データ処理システム50は、図6に示すように、主に検出ユニット51と、調整ユニット52と、演算ユニット53と、データベース(DB)54と、ユーザインタフェース55と、これらを相互に接続するための内部バス56とを備えている。なお、図6においては、データ処理システム50を構成する構成要素のみ示し、コントロールユニットが備える本実施の形態に係るデータ処理システム50とは直接関係しない他の構成要素についてはその記載を省略している。
検出ユニット51は、デカンタ1の状態変数を検出するためのものであり、具体的には、上述した被処理液監視システム31、脱水固形物監視システム32、分離液監視システム33及びスクリューコンベアトルク監視システム34を含むものである。そして、この検出ユニット51では、これら各監視システムを用いることで、被処理液のスラリー濃度と、ボウル2内で分離され排出された脱水固形物の含水率と、分離液の濃度と、スクリューコンベア3のトルク値とを取得できる。
調整ユニット52は、デカンタ1において最適な動作制御を実現するために調整される各種制御ユニットを調整するためのものである。具体的には、駆動モータ4に接続されてその回転数を制御する駆動モータ制御ユニット41と、添加物配管11cに設けられ薬剤の供給量を可変するポンプ11bを制御するポンプ制御ユニット42と、差動モータ5bに接続されてその回転数を制御し、以ってスクリューコンベア3の(ボウル2に対する)回転数を制御する差動モータ制御ユニット43と、を含むものである。
演算ユニット53は、データ処理システム50における各種処理を実現するためのプロセッサを構成するものであり、推論ユニット57を含んでいる。推論ユニット57は、予め用意された学習済モデルを記憶する学習済モデル記憶ユニット58に接続されており、この学習済モデル記憶ユニット58に格納された学習済モデルを参酌することで、検出ユニット51で検出した状態変数から調整ユニット52で調整を行う制御パラメータを推論するものである。学習済モデル記憶ユニット58に記憶されている学習済モデルは、その用途や各種条件(例えば季節、天候及び温度・湿度といった環境条件、あるいは被処理液の種類等)に合わせて複数個記憶されていると好ましい。そしてまた、複数個の学習済モデルから適切な一の学習済モデルを選択する作業は、各種センサ等を用いて自動的に選択できるようにしてもよいし、オペレータENによって手動で選択できるようにしてもよい。
データベース54は、周知の記録媒体からなり、検出ユニット51による検出結果や演算ユニット53による演算結果等、データ処理システム50における各種データを一時的にあるいは継続的に記憶するためのものである。また、ユーザインタフェース55は、例えばGUI(グラフィカルユーザインタフェース)で構成されており、デカンタ1のステータス表示やオペレータEN等からの入力操作等を受け取るためのものである。
上述した構成を備えるデータ処理システム50により制御パラメータを調整する際は、以下の処理を実行する。すなわち、先ず検出ユニット51において、デカンタ1の4つの状態変数を取得する。次いで、この4つの状態変数を演算ユニット53の推論ユニット57に入力することで、3つの制御パラメータを推論する。そして、推論結果としての3つの制御パラメータを調整ユニット52に送り、各制御ユニットを動作させて制御パラメータとしてのボウル2の遠心力、薬剤の供給量、及びボウル2とスクリューコンベア3との間の差速を調整する。
上述した制御パラメータの調整を行うタイミングは、自動的に特定することも、手動で調整することも可能である。また、デカンタ1が作動している場合には常に当該調整を行ってもよいし、例えば、デカンタ1の作動を開始した時、デカンタ1で処理を行う被処理液の種類が変更された時、予め設定された所定時間が経過した時、あるいは被処理液監視システム31又は分離液監視システム33において被処理液又は分離液の濃度の変化を検出可能とし当該変化が所定の閾値を超えた時にのみ当該調整を行ってもよい。
オプションとして、上記実施の形態においては、学習済モデルはバッチ学習により学習を行った場合を説示しているが、本発明においては、バッチ学習により学習された学習済モデルを、オンライン学習を行うことで更なる精度向上を図ってもよい。その場合には、検出ユニット51において検出された状態変数と、推論ユニット57によって推論された制御パラメータであって、特に調整ユニット52における調整の結果、固液分離処理結果が改善された時の制御パラメータとを一組のオンライン学習用データセットとしてデータベース54に一時的に格納しておき、任意のタイミングでデータベース54内に蓄積された当該オンライン学習用データセットを用いた、図5に示すものと同様の機械学習処理を実行すれば良い。
また、上述のデータ処理システム50は横型のデカンタ1のコントロールユニット内に適用されているが、これに代えて、例えばデカンタ1のコントロールユニットに通信可能に接続されたコンピュータや、デカンタ1のコントロールユニットにネットワークを介して接続されたサーバ装置等に適用することも可能である。ただし、本実施形態に係る遠心分離システムは、その処理内容(被処理液の種類や単位時間当たりの処理量等)や周辺環境(気候等)がシステム毎に大きく異なる場合が通常であるため、これらの遠心分離システム全てに適用できるような汎用的な学習済モデルを生成すること等は効率的でない。したがって、データ処理システム50及び上述した機械学習プロセスは、遠心分離システム毎に適用して運用することが現実的であり好ましい。
<推論装置>
本発明は、上述したデータ処理システム50の態様によるもののみならず、推論を行うための推論装置の態様で提供することもできる。その場合、推論装置としては、メモリと、少なくとも1つのプロセッサとを含み、このうちのプロセッサが、一連の処理を実行するものとすることができる。当該一連の処理とは、デカンタの状態変数、すなわち被処理液のスラリー濃度、脱水固形物の含水率、分離液の濃度、及びスクリューコンベア3のトルクを取得する処理と、これらの状態変数が入力された際に遠心分離システムの制御パラメータを推論する処理と、を含む。そして、ここでいう制御パラメータは、添加物の供給量、ボウル2の遠心力、及び差速発生装置5により制御される差速のうちの少なくとも1つで構成される。本発明を上述した推論装置の態様で提供することで、データ処理システムを実装する場合に比して簡単に種々の遠心分離システムに適用することができる。
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
1 (横型の)デカンタ
2 ボウル
3 スクリューコンベア
4 駆動モータ
5 差速発生装置
6 ケーシング
9 給液管
10 被処理液供給源
10a、11a ポンプ
11 添加物供給源
20 機械学習装置
21 学習用データセット取得ユニット
22 学習用データセット記憶ユニット
23 学習ユニット
24 学習済モデル記憶ユニット
31 被処理液監視システム
32 脱水固形物監視システム
33 分離液監視システム
34 スクリューコンベアトルク監視システム
41 駆動モータ制御ユニット
42 ポンプ制御ユニット
43 差動モータ制御ユニット
50 データ処理システム
51 検出ユニット
52 調整ユニット
53 演算ユニット
57 推論ユニット

Claims (3)

  1. 被処理液に遠心力を付与して固形物と分離液とに遠心分離するボウルと、前記ボウル内の前記固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボウルを回転させる駆動モータと、前記スクリューコンベアを前記ボウルと相対的な差速をもって回転させる差速発生装置と、を備えた遠心分離システムのための機械学習装置であって:
    前記被処理液のスラリー濃度、前記ボウル内で分離され排出された前記固形物としての脱水固形物の含水率、前記分離液の濃度、及び前記スクリューコンベアのトルク値の4つのデータで構成される入力データと、前記入力データに対応付けられた前記遠心分離システムの制御パラメータを含む出力データとで構成される学習用データセットを複数組記憶する学習用データセット記憶ユニットと;
    前記学習用データセットを複数組入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を推論する学習モデルを学習する学習ユニットと;
    前記学習ユニットによって学習された前記学習モデルを記憶する学習済モデル記憶ユニットと;を備え、
    前記制御パラメータは、前記被処理液に添加される添加物の供給量、前記ボウルの遠心力、及び前記差速発生装置により制御される差速のうちの少なくとも1つで構成される、
    機械学習装置。
  2. 被処理液に遠心力を付与して固形物と分離液とに遠心分離するボウルと、前記ボウル内の前記固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボウルを回転させる駆動モータと、前記スクリューコンベアを前記ボウルと相対的な差速をもって回転させる差速発生装置と、を備えた遠心分離システムに用いられるデータ処理システムであって:
    前記被処理液のスラリー濃度、前記ボウル内で分離され排出された前記固形物としての脱水固形物の含水率、前記分離液の濃度、及び前記スクリューコンベアのトルク値を取得するための検出ユニットと;
    前記請求項1に記載の機械学習装置によって生成された学習済モデルに、前記検出ユニットが取得したデータを入力することで、前記遠心分離システムの制御パラメータを推論する推論ユニットと;を備える、
    データ処理システム。
  3. 被処理液に遠心力を付与して固形物と分離液とに遠心分離するボウルと、前記ボウル内の前記固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボウルを回転させる駆動モータと、前記スクリューコンベアを前記ボウルと相対的な差速をもって回転させる差速発生装置と、を備えた遠心分離システムのためのコンピュータを用いた機械学習方法であって:
    前記被処理液のスラリー濃度、前記ボウル内で分離され排出された前記固形物としての脱水固形物の含水率、前記分離液の濃度、及び前記スクリューコンベアのトルク値の4つのデータで構成される入力データと、前記入力データに対応付けられた前記遠心分離システムの制御パラメータを含む出力データとで構成される学習用データセットを複数組記憶するステップと;
    前記学習用データセットを複数組入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を推論する学習モデルを学習するステップと;
    学習された前記学習モデルを記憶するステップと;を備え、
    前記制御パラメータは、前記被処理液に添加される添加物の供給量、前記ボウルの遠心力、及び前記差速発生装置により制御される差速のうちの少なくとも1つで構成される、
    機械学習方法。
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