JP7355953B1 - 液体急結剤、補修材料、硬化体 - Google Patents
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Abstract
Description
急結剤には、主に粉体及び液体の2種類があり、液体急結剤は一般的に、粉体急結剤と比較して急結性が低いため、改善策として、例えば、特許文献1に示されるような、硫酸イオン濃度を高めることによって強度を改善する対策がなされている。
(条件)
観測核:27Al
試料管回転数:12Hz
測定温度:25℃
パルス幅:5μsec(45°パルス)
待ち時間:5秒
外部標準:塩化アルミニウム水溶液
[2] セメント及び細骨材を含有するセメント組成物とともに用いられる補修用の液体急結剤であって、アルミニウム成分及び硫黄成分を含有し、下記の条件で測定される27Al-NMRによって得られるスペクトルにおいて、化学シフト-1.0ppm以上3.0ppm以下の範囲にピークを有する、補修用の液体急結剤。
(条件)
観測核:27Al
試料管回転数:12Hz
測定温度:25℃
パルス幅:5μsec(45°パルス)
待ち時間:5秒
外部標準:塩化アルミニウム水溶液
[3] 前記化学シフト-1.0ppm以上3.0ppm以下の範囲のピークの半値幅が、10.0ppm以下である、上記[1]または[2]に記載の液体急結剤。
[4] 前記液体急結剤中の全アルカリ量R2O(Rはアルカリ金属)が、1.0質量%以下である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の液体急結剤。
[5] セメント、ポリマー及び細骨材を含有するセメント組成物と、上記[1]、[3]または[4]のいずれか1つに記載の液体急結剤とを含有する、補修材料。
[6] セメント及び細骨材を含有するセメント組成物と、上記[2]~[4]のいずれか1つに記載の液体急結剤とを含有する、補修材料。
[7] 前記液体急結剤が、さらにポリマーを含有する、上記[6]に記載の補修材料。
[8] 前記組成物中の細骨材の含有量が、前記セメント100質量部に対して40~300質量部である、上記[5]~[7]のいずれか1つに記載の補修材料。
[9] 上記[5]~[8]のいずれか1つに記載の補修材料を用いてなる、硬化体。
本実施形態に係る液体急結剤の第一の態様は、セメント、ポリマー及び細骨材を含有するセメント組成物とともに用いられる液体急結剤であって、アルミニウム成分及び硫黄成分を含有し、下記の条件で測定される27Al-NMRによって得られるスペクトルにおいて、化学シフト-1.0ppm以上3.0ppm以下の範囲にピークを有する液体急結剤である。本発明の液体急結剤は、アルミニウム成分及び硫黄成分を含有し、27Al-NMRによって得られるスペクトルにおいて所定の位置にピークを有することにより、優れた貯蔵安定性を有し、セメント、ポリマー、及び細骨材を含有するセメント組成物とともに用いた際、だれを抑制し付着強度を向上させることにより付着性を良好にする。
(条件)
観測核:27Al
試料管回転数:12Hz
測定温度:25℃
パルス幅:5μsec(45°パルス)
待ち時間:5秒
外部標準:塩化アルミニウム水溶液
以下、第一の態様及び第二の態様をまとめて単に液体急結剤ということがある。
本実施形態に係る補修材料は、セメント、ポリマー及び細骨材を含有するセメント組成物と、本発明の液体急結剤とを含有する。補修材料中の液体急結剤の含有量は、セメント組成物中のセメント100質量部に対して、0.01~20質量部が好ましく、0.03~10質量部がより好ましく、0.05~5質量部がさらに好ましい。補修材料中の液体急結剤の含有量が上記範囲内であると、補修材料の付着性を向上させることができる。
本発明では、付着性の観点から、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントを選定することが好ましい。
ブレーン比表面積値は、JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)に準拠して求められる。
ポリマーの形態としては、再乳化型粉末タイプや液体タイプがあり、付着性改善、さらに、モルタルの耐久性向上のために使用される。
カルシウムアルミネートのなかでも、CaOとAl2O3とのモル比(CaO/Al2O3モル比)は、1.0~3.0であることが好ましく、1.7~2.5であることがより好ましい。モル比が上記範囲内であることで、硬化時間をより短縮して初期強度発現性を高めることができる。
本実施形態に係る硬化体は、本発明の補修材料を用いてなる硬化体である。本発明の補修材料と水とを混練し、通常、左官コテによる塗り付け方法や、スクイズ式等のモルタルポンプにより施工箇所まで圧送して吹付けノズルより吹付ける吹付け方法により、硬化体とすることができる。
ハンドミキサやモルタルミキサでの練り混ぜは、例えば、ペール缶等の容器やミキサにあらかじめ所定量の水を入れ、その後ミキサを回転させながら残りの補修材料を投入し、3分以上練り混ぜることが好ましい。又、強制ミキサでの練り混ぜは、例えば、あらかじめ補修材料をミキサに投入し、ミキサを回転させながら所定量の水を投入し、少なくとも4分以上練り混ぜることが好ましい。
<液体急結剤の調製>
アルミニウム成分及び硫黄成分を、それぞれAl2O3換算及びSO3換算で表1に示す量となるよう各種原料を調整、混合し、90℃で2時間加熱することで液体急結剤を作製した。
アルミニウム成分源:水酸化アルミニウム、工業用品用
硫黄成分源:硫酸、工業用品用
溶媒:純水
調製した液体急結剤は、超伝導核磁気共鳴装置(日本電子製、ECX-400)を用いて下記の条件で行い、ピークの化学シフト及び半値幅を測定した。結果を下記表1に示す。
観測核:27Al
試料管回転数:12Hz
測定温度:25℃
パルス幅:5μsec(45°パルス)
待ち時間:5秒
外部標準:塩化アルミニウム水溶液
液体急結剤の貯蔵安定性を評価するために貯蔵試験を実施した。貯蔵性が低下すると特に低温環境において液体急結剤中に析出物が生成する。液体急結剤を10℃環境1か月間静置し、その析出物をろ紙にて抽出し、液体急結剤100g当たりの析出物量を算出した。結果を下記表1に示す。
実施例1~7と同様にして、液体急結剤を作製し、各試験により評価した。結果を表1に示す。
<補修材料の調製>
セメント100質量部に対して、細骨材200質量部、繊維0.1質量部、減水剤0.5質量部、水14質量部とし、セメント組成物を調製した。このセメント組成物中のセメント100質量部に対して、実施例1~5及び比較例1~2の液体急結剤を6質量部混合し、補修材料を調製した。
圧縮強度:JSCE-G 561-2010に準じて型枠に吹付けて、材齢1日、28日時点での圧縮強度を測定した。試験結果を下記表2に示す。
下地をコンクリート製平板とし厚さ10mm×縦150mm×横250mmの型枠内にモルタルを吹き付け、コテ仕上げを行った後に、その枠を取りはずし、直ちに試験体を垂直に立て、1日静置し、だれの有無を確認した。試験結果を下記表2に示す。
付着強度:300×300×60mmの舗道板に補修材料を60mm吹付け、試験体を作製した。材齢28日にφ55mmでコアリングし、建研式接着力試験器(オックスジャッキ株式会社社製)を用いて付着強度を測定した。試験結果を下記表2に示す。
<補修材料の調製>
セメント100質量部に対して、細骨材200質量部、ポリマー(ポリアクリル酸エステル再乳化樹脂、市販品、水分率0.8%、密度0.5g/mL)3.0質量部、繊維0.1質量部、減水剤0.5質量部、水14質量部とし、セメント組成物を調製した。このセメント組成物中のセメント100質量部に対して、実施例1~5及び比較例1~2の液体急結剤を6質量部混合し、補修材料を調製した。得られた補修材料は、実験例1と同じ方法により、圧縮強度、厚塗り性及び付着強度を測定した。結果を下記表3に示す。
Claims (9)
- セメント、ポリマー及び細骨材を含有するセメント組成物とともに用いられる液体急結剤であって、
アルミニウム成分及び硫黄成分を含有し、
下記の条件で測定される27Al-NMRによって得られるスペクトルにおいて、化学シフト-1.0ppm以上3.0ppm以下の範囲にピークを有する、液体急結剤。
(条件)
観測核:27Al
試料管回転数:12Hz
測定温度:25℃
パルス幅:5μsec(45°パルス)
待ち時間:5秒
外部標準:塩化アルミニウム水溶液 - セメント及び細骨材を含有するセメント組成物とともに用いられる補修用の液体急結剤であって、
アルミニウム成分及び硫黄成分を含有し、
下記の条件で測定される27Al-NMRによって得られるスペクトルにおいて、化学シフト-1.0ppm以上3.0ppm以下の範囲にピークを有する、補修用の液体急結剤。
(条件)
観測核:27Al
試料管回転数:12Hz
測定温度:25℃
パルス幅:5μsec(45°パルス)
待ち時間:5秒
外部標準:塩化アルミニウム水溶液 - 前記化学シフト-1.0ppm以上3.0ppm以下の範囲のピークの半値幅が、10.0ppm以下である、請求項1または2に記載の液体急結剤。
- 前記液体急結剤中の全アルカリ量R2O(Rはアルカリ金属)が、1.0質量%以下である、請求項1または2に記載の液体急結剤。
- セメント、ポリマー及び細骨材を含有するセメント組成物と、請求項1に記載の液体急結剤とを含有する、補修材料。
- セメント及び細骨材を含有するセメント組成物と、請求項2に記載の液体急結剤とを含有する、補修材料。
- 前記セメント組成物が、さらにポリマーを含有する、請求項6に記載の補修材料。
- 前記セメント組成物中の細骨材の含有量が、前記セメント100質量部に対して40~300質量部である、請求項5~7のいずれか1つに記載の補修材料。
- 請求項5~7のいずれか1つに記載の補修材料を用いてなる、硬化体。
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