JP7354716B2 - レーザレーダ装置及びレーザレーダ装置用レンズ - Google Patents

レーザレーダ装置及びレーザレーダ装置用レンズ Download PDF

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Description

本発明は、レーザレーダ装置及びレーザレーダ装置用レンズに関する。
投光素子からレーザ光を出力し、そのレーザ光の反射光を受光素子によって検出することにより物体を検知するレーザレーダ装置には、反射光を受光用のレンズ(受光レンズ)によって受光素子に案内するように構成されたものがある。受光レンズによって受光素子へ届く反射光の光量(受光量)を稼ぐことにより、物体の検知精度の向上に寄与できる。
この種のレーザレーダ装置として、受光レンズに遠距離用のレンズ部及び近距離用のレンズ部を各々設けた遠近両用のレーザレーダ装置が提案されている。具体的には、遠距離用のレンズ部及び近距離用のレンズ部を受光レンズの受光軸を中心とした回転対称の曲面状(例えば非球面状)とし、遠距離からの反射光が遠距離用のレンズ部を通じて受光素子に集光され且つ近距離からの反射光が近距離用のレンズ部を通じて受光素子に集光される構成とすることにより、物体の検知範囲の広域化が図られている(例えば特許文献1参照)。
特開2000-186928号公報
ここで、上述した遠近両用のレーザレーダ装置においては遠距離用及び近距離用の各レンズ部の焦点が物体までの想定距離に応じて決まっている。このため、遠距離に位置する物体からの反射光のうち近距離用のレンズ部に入射したものや近距離に位置する物体からの反射光のうち遠距離用のレンズ部に入射したものについては受光素子に届きにくくなると想定される。つまり、上記構成は各距離からの反射光の光量の差を軽減する上では好ましいものの、受光量が全体的に低下することが物体の検知範囲の広域化を促進する上で妨げになり得る。このように、物体の検知範囲の広域化を図る上では、レーザレーダ装置の光学系に未だ改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、物体の検知範囲の広域化を好適に実現することができるレーザレーダ装置又はレーザレーダ装置用レンズを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
第1の手段.レーザ光を投光する投光部と、物体により反射された前記レーザ光である反射光を集光するレンズ及び当該レンズにより集光された反射光を受光する受光素子を有する受光部とを備え、前記受光部の受光軸線と前記投光部の投光軸線とが非同軸となるように構成されたレーザレーダ装置であって、
前記レンズには、
前記受光軸線を中心とした回転対称の曲面状をなし、当該受光軸線に平行な反射光を前記受光素子へ案内可能な遠距離用レンズ部と、
前記受光軸線に平行な直線と交差する中心線を中心としたシリンドリカル状をなし、前記受光軸線に平行な反射光の一部と前記受光軸線に非平行な反射光の一部とを前記受光素子へ案内可能な近距離用レンズ部と
が設けられている。
物体とレーザレーダ装置とが遠く離れているほど当該物体にて反射したレーザ光(反射光)のうち受光軸線とのなす角が小さいものがレンズに到達しやすくなる。言い換えれば、レーザレーダ装置から遠く離れた位置に存在する物体からの反射光についてはレンズ(入射面)に到達した際の向きが受光軸線と略平行となり、レーザレーダ装置に近接する位置に存在する物体からの反射光についてはレンズ(入射面)に到達した際の受光軸線とのなす角が大きくなる傾向にある。なお、「略平行」とは、受光軸線に対する角度(なす角)が受光可能な程度の大きさである場合を示す。
遠距離用レンズ部は受光軸線を中心とした回転対称をなす曲面状(例えば非球面状)をなしており、遠距離からの反射光であって受光軸線と略平行な反射光については当該遠距離用レンズ部により受光素子に案内される。これに対して、近距離用レンズ部は中心線が受光軸線の軸線方向と交差する方向を向くシリンドリカル状をなしている。つまり、近距離用レンズ部については中心線と同じ方向(中心線方向又は母線方向)には曲率が付与されていない。このため、受光軸線と平行ではない反射光の向きがレンズを通過する前後で大きく変化して受光素子から逸れることを抑制できる。これにより、近距離用レンズ部に入射した反射光(平行でない反射光)の受光効率の向上に寄与できる。また、近距離レンズ部には上記中心線と直交する方向に曲率が付与されており、受光軸線に平行な反射光の一部が受光素子へ案内される。これは、遠距離から近距離用レンズ部に到達した反射光の受光量を稼ぐ上で有利である。
このようにして、近距離用レンズ部によって近距離からの反射光が受光素子へ到達し得る構成としつつ、遠距離からの反射光(平行光)についても当該近距離用レンズ部を通じて受光素子へ案内され得る構成とし、近距離用レンズ部の存在が遠距離からの反射光の受光量を大きく低下させる要因になることを抑制すれば、遠近両用のレーザレーダ装置において物体の検知範囲の広域化を好適に実現できる。
なお、近距離用レンズ部をシリンドリカル状とすることは、反射光を受光する視野の拡がりを抑え、外乱等の影響による検知精度の低下を抑える上でも好ましい。
因みに、「前記受光軸線を中心とした回転対称の曲面状をなし、当該受光軸線に平行な反射光を前記受光素子へ案内可能な遠距離用レンズ部」との記載を「前記受光軸線を中心とした回転対称の曲面状をなし、当該受光軸線に平行な反射光を前記受光素子へ案内可能な第1レンズ部」に変更し、「前記受光軸線に平行な直線と交差する中心線を中心としたシリンドリカル状をなし、前記受光軸線に平行な反射光の一部と前記受光軸線に非平行な反射光の一部とを前記受光素子へ案内可能な近距離用レンズ部」との記載を「前記受光軸線に平行な直線と交差する中心線を中心としたシリンドリカル状をなし、前記受光軸線に平行な反射光の一部と前記受光軸線に非平行な反射光の一部とを前記受光素子へ案内可能な第2レンズ部」に変更してもよい。
第2の手段.前記受光軸線は、前記投光軸線に対して所定方向(例えば上下方向)にオフセットされており、前記近距離用レンズ部は、当該近距離用レンズ部の前記中心線が前記投光軸線及び前記受光軸線の両方に交差するように形成されている。
近距離に位置する物体からの反射光は、近距離用レンズ部に対して投光部側(投光軸線側)から斜めに入射する。ここで、近距離用レンズ部については所定方向には曲率が付与されていないため上記斜めに入射した反射光についてはレンズを通過する前後で向きが大きく変化して受光素子から逸れることを抑制できる。このように、所定方向にオフセットするようにして投光軸線と受光軸線との位置関係を定め且つ中心線が投光軸線及び受光軸線の両方に交差するように近距離用レンズ部の向きを定めることにより、物体の検知範囲の広域化を一層好適に実現できる。
第3の手段.前記レンズは平凸レンズであり、その凸面が前記レーザ光の入射面を構成しており、前記近距離用レンズ部は、前記入射面と同じ側に凸となるように形成されている。
入射面と同じ側に凸となるようにして近距離用レンズ部を形成し且つ受光素子側を平面とすることにより、レンズを、近距離用レンズ部を通過する反射光については上記所定方向における向き(傾き)を変化させない平板のように機能させることができる。このような構成とすれば、レンズを通過する前後で反射光の向きが大きく変化することを抑制できる。
第4の手段.前記レンズは、前記近距離用レンズ部の前記中心線と前記受光軸線とが直交し、前記近距離用レンズ部による線状の集光範囲に前記遠距離用レンズ部の焦点が位置するように構成されている。
シリンドリカル状をなす近距離用レンズ部については焦点が線状となる。上述の如く中心線と受光軸線(投光軸線)とを直交させるとともに近距離用レンズ部の焦点上に遠距離用レンズ部の焦点を位置させることができる構成とすれば、近距離からの反射光及び遠距離からの反射光を効率よく受光させる上で有利である。
第5の手段.前記受光素子と前記レンズとの間には、前記近距離に含まれる所定距離からの反射光であって前記近距離用レンズ部により前記受光素子に案内される反射光の一部を遮蔽することにより当該受光素子に到達する反射光の光量を低減させる絞り部が設けられている。
レーザレーダ装置には、例えば投光部及び受光部がケース体に収容され、レーザ光がケース体に設けられた透過部を通じて射出される構成となっているものがある。このような構成では、仮に透過部に反射したレーザ光が受光素子に到達すると、受光量が大きく跳ね上がりレーザレーダの傍にあたかも物体が存在しているかのように誤検知する可能性が高くなる。また、受光量に基づいて物体までの距離を測定する場合には、当該距離の測定結果の確からしさが低下する。そこで、上述の如く極めて近い距離(透過部)からの反射光についてはその一部を遮蔽する構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
第6の手段.前記近距離用レンズ部は、当該近距離用レンズ部の少なくとも一部が前記レンズにおける前記レーザ光の入射面において前記受光軸線よりも前記投光部側となる部分に位置するように配設されている。
近距離からの反射光がシリンドリカル状の近距離用レンズ部を通じて受光素子へ到達する構成とする場合には、上述の如くレンズにおいて受光軸線よりも投光部側となる部分に近距離用レンズ部の少なくとも一部が位置する構成とすることにより、近距離からの反射光の受光効率を好適に向上させることができる。
第7の手段.前記レンズにおける前記レーザ光の入射面には、前記受光素子側とは反対側に凸となる凸部が形成されており、当該凸部の頂部の少なくとも一部が前記近距離用レンズ部となっている。
レンズによって反射光を受光素子に導く構成においては、製造誤差等が大きくなることで受光効率が低下し得る。このような懸念は、レンズの形状が複雑になる等して成形が困難になることで強くなると想定される。この点、上述の如くレンズの入射面に凸部を形成し、この凸部の頂部に近距離用レンズ部を配設する構成とすれば、例えば入射面に凹部を形成しこの凹部の底部に近距離用レンズ部を形成する場合と比較して、成形が容易となる。これにより、遠距離用レンズ部及び近距離用レンズ部の併用によって生じる懸念を好適に払拭できる。
なお、凸部の側面を近距離からの反射光を受光素子に向けて全反射させる全反射面とすることにより、遠距離からの反射光の受光効率の低下を抑えつつ近距離からの反射光の受光効率の向上に寄与できる。
第8の手段.前記受光軸線は、前記投光軸線に対して所定方向にオフセットされており、
前記凸部は、前記受光軸線を中心とする円柱状をなしており、
前記凸部の前記頂部は、前記受光軸線に対して前記投光軸線側となる部分が前記近距離用レンズ部、前記受光軸線に対して前記投光軸線側とは反対側となる部分が前記遠距離用レンズ部となるように形成されており、
前記凸部の側面は、近距離からの反射光を前記受光素子に向けて全反射させる全反射面として機能する。
上記構成によれば、近距離用レンズ部の大型化を抑制しつつ、凸部の外径を大きくすることができる。これは、遠距離からの反射光の受光効率の低下を抑えつつ近距離からの反射光の受光効率の向上を図る上で好ましい。
第9の手段.所定角度ごとに設定されている照射角度へレーザ光を投光する走査型のレーザレーダ装置であって、
前記受光軸線は、前記投光軸線に対して所定方向にオフセットされており、
前記所定方向及び前記近距離用レンズ部の中心線の方向は、前記レーザ光の走査方向と直交する特定の方向となるように構成されている。
シリンドリカル状をなす近距離用レンズ部の中心線を走査方向と直交させることにより、走査方向において上記視野の拡がりを抑えることができる。視野の拡がりを抑えることにより、外乱等に起因した物体の誤検知を抑制し、走査方向における物体の位置の検知精度の向上に寄与できる。
第10の手段.レーザ光を投光する投光部と、物体により反射されたレーザ光である反射光を受光する受光素子を有する受光部とを備え、前記受光部の受光軸線と前記投光部の投光軸線とが非同軸となるように構成されたレーザレーダ装置に適用され、前記反射光を集光するようにして前記受光素子に案内可能なレーザレーダ装置用レンズであって、
前記受光軸線を中心とした回転対称の曲面状をなし、当該受光軸線に平行な反射光を前記受光素子へ案内可能な遠距離用レンズ部と、
前記受光軸線に平行な直線と交差する中心線を中心としたシリンドリカル状をなし、前記受光軸線に平行な反射光の一部と前記中心線に向かう反射光の一部とを前記受光素子へ案内可能な近距離用レンズ部と
が設けられている。
上記レーザレーダ装置用レンズを用いることにより、遠近両用のレーザレーダ装置において物体の検知範囲の広域化を好適に実現できる。また、近距離用レンズ部をシリンドリカル状とすることは、反射光を受光する視野の拡がりを抑え、外乱等の影響による検知精度の低下を抑える上でも好ましい。
第1の実施形態におけるレーザレーダユニットを示す概略図。 光学ブロックを側方から見た概略図。 光学ブロックを正面から見た概略図。 受光レンズの側面図。 受光レンズの横断面図(図3のA-A線部分断面図)。 受光レンズの縦断面図(図3のB-B線部分断面図)。 近距離用レンズ部の機能を示す概略図。 (a)遠距離からの反射光の受光の様子を示す概略図、(b)近距離からの反射光の受光の様子を示す概略図。 受光レンズの比較例を示す概略図。 (a)物体までの距離と受光量との関係を示す概略図、(b)図10(a)における近距離部分を拡大して示す部分拡大図。 第2の実施形態におけるレーザレーダユニットを示す概略図。 (a)物体までの距離と受光量との関係を示す概略図、(b)図12(a)における近距離部分を拡大して示す部分拡大図。 受光レンズの変形例を示す概略図。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、レーザレーダユニットと、当該レーザレーダユニット用の制御装置とを備えるレーザレーダ装置として具体化されている。先ず、図1を参照してレーザレーダユニットの概要について説明する。
図1に示すように、レーザレーダユニット20は、所定角度(例えば0.25°)毎に設定されている照射角度にてレーザ光を出力し物体Sにて反射されたレーザ光を受光する光学機構30と、レーザレーダユニット20の外郭を構成するハウジング50とを備えており、壁面等の固定対象100に取付プレートを介して固定されている。
ハウジング50は、光学機構30を保持するベース51と光学機構30を上記壁面とは反対側から覆うカバー52とが組み合わされてなる。カバー52には、レーザ光の照射口53が形成されている。照射口53はレーザレーダユニット20の前面側、固定対象100とは反対側に開放されている。この照射口53には、透明な窓パネル54が嵌っており、光学機構30からのレーザ光は窓パネル54を透過して監視対象となっているエリア(以下、検知エリアという)へ照射される。
光学機構30は、ハウジング50内に収容されており、上記所定角度毎にレーザ光を照射して物体Sにより反射されたレーザ光(以下、反射光と称する)を受光する。光学機構30は、固定ミラー31と、回転ミラー32と、投光部及び受光部からなる光学ブロック33とを備えている。固定ミラー31及び回転ミラー32は、投光部から出力されたレーザ光をハウジング50の外部へ導くための光路P1の一部と、物体Sにより反射された反射光を受光部へ導くための光路P2の一部とを形成している。
具体的には、固定ミラー31は回転不可となるようにしてハウジング50に固定されており、投光部から出力されたレーザ光は固定ミラー31により回転ミラー32側に反射される。回転ミラー32は、固定ミラー31により反射されたレーザ光に対する傾斜角度を一定に維持した状態で回転可能となっている。詳しくは、上記ベース51には、回転ミラー32用の駆動手段であるモータ34(ステッピングモータ)が設置されている。モータ34の出力軸(中心軸CL1)は鉛直方向に延びており、この出力軸の先端に回転ミラー32が固定されている。モータ34は上記制御装置に接続されており、当該制御装置からの駆動信号に基づいて動作する。モータ34が動作することにより、回転ミラー32は水平方向(走査方向)へ向かって所定角度単位で回転(回動)することとなる。なお、上記光路P1において固定ミラー31と回転ミラー32との間となる部分は中心軸CL1と一致する構成となっている。
光学ブロック33の投光部から出力されたレーザ光は、固定ミラー31→回転ミラー32の順に反射され、窓パネル54を通じてレーザレーダユニット20の外部(検知エリア)へ照射される。検知エリアへ照射されたレーザ光の光路P1上に何らかの物体Sが存在する場合には、当該レーザ光が物体Sにより反射される。物体Sにより反射された反射光は、窓パネル54を通じてレーザレーダユニット20内へ入り、回転ミラー32→固定ミラー31の順に反射され、固定ミラー31により反射された反射光は光学ブロック33の受光部に向かう。
レーザレーダユニット20には駆動回路(図示略)が設けられており、この駆動回路には上記制御装置が接続されている。駆動回路には光学機構30(モータ34や投光部)が接続されており、駆動回路は制御装置からの指令等に基づいて光学機構30を制御する。制御装置には、制御部及び記憶部が設けられている。記憶部はレーザレーダ用の制御プログラムやレーザレーダユニット20から取得した各種計測結果を記憶する。制御部は、記憶部に記憶されている測定結果、例えば反射光の強度やレーザ光の出力から受光までの時間差に基づいて検知エリアにおける物体Sの有無の判定や物体Sまでの距離の算出等を行う。
次に、図2及び図3を参照して光学ブロック33について説明する。なお、図3においては光学ブロック33用のケースについては図示を省略している。
図2に示すように、光学ブロック33は、レーザ光の光源である発光素子36と、レーザ光の投光軸AX1を規定する円柱状の投光レンズ37と、反射光を集光する受光レンズ39と、当該受光レンズ39により集光された反射光を受光する受光素子38とを有している。それら発光素子36及び投光レンズ37によって投光部33aが構成され、受光素子38及び受光レンズ39によって受光部33bが構成されている。
投光部33a及び受光部33bは、投光部33aが下側且つ受光部33bが下側となるように上下に並設されており、投光レンズ37の投光軸AX1と受光レンズ39の受光軸AX2とが非同軸となっている。具体的には、投光レンズ37の投光軸AX1と受光レンズ39の受光軸AX2とは平行であり、受光軸AX2が投光軸AX1に対して上方(並設方向における上側)にオフセットしている(図3参照)。つまり、本実施形態では、投光軸AX1と受光軸AX2との間に視差PXが設けられている。
本実施形態においては、受光レンズ39に係る構成が特徴の1つとなっている。以下、図2~図4を参照して受光レンズ39について補足説明する。
図2に示すように、受光レンズ39は凸面41及び平面42を有する平凸レンズであり、平面42が受光素子38側を向き且つ凸面41が受光素子38側とは反対側(固定ミラー31側)を向くようにして配設されている。つまり、凸面41が反射光の入射面となっている。
図3に示すように、受光レンズ39には、受光軸AX2よりも下側(投光部側)となる部分に投光部33a側を向く底面(水平面)が形成されており、凸面41を正面から見て(受光軸AX2方向に見て)略半円状をなすように形成されている。これは、非同軸(オフセット関係)となっている投光軸AX1と受光軸AX2との上記視差PX(図2参照)を小さくするための工夫である。
受光レンズ39における凸面41の中央には、受光素子38側とは反対側に凸となる凸部43が形成されている。凸部43は受光軸AX2と同軸となる円柱状をなしており、その長さ寸法は当該凸部43を除いた受光レンズ39の厚さ寸法よりも小さくなっている。
凸面41における凸部43以外の部分は、レーザレーダ装置10(詳しくはレーザレーダユニット20)からの距離が遠い遠距離に位置する物体Sからの反射光を受光素子38に案内する遠距離用レンズ部47aとなっており、凸部43における頂部44の上側のおよそ半分についても遠距離からの反射光を受光素子38に案内する遠距離用レンズ部47bとなっている。具体的には、遠距離用レンズ部47a,47bは受光軸AX2を中心とした回転対称の非球面となっており、受光軸AX2と平行な反射光については焦点FPすなわち受光素子38に案内される構成となっている。
ここで、物体Sとレーザレーダユニット20とが遠く離れているほど当該物体Sにて反射したレーザ光(反射光)のうち受光軸AX2とのなす角が小さいものがレンズに到達しやすくなる。言い換えれば、レーザレーダユニット20から遠く離れた位置に存在する物体Sからの反射光については受光レンズ39に到達した際の向きが受光軸AX2と略平行となり、レーザレーダユニット20に近接する位置に存在する物体Sからの反射光については受光レンズ39に到達した際の受光軸AX2とのなす角が大きくなる。つまり、上記遠距離用レンズ部47aについては、受光軸AX2とのなす角が大きい反射光、すなわちレーザレーダ装置10(詳しくはレーザレーダユニット20)からの距離が近い近距離に位置する物体Sからの反射光については受光素子38から大きく逸れることとなる。
本実施形態に示す受光レンズ39には、遠距離用レンズ部47では物体Sを検知できない距離である上記近距離において検知機能を補完すべく、凸部43における頂部44の下側のおよそ半分に近距離用レンズ部48が形成されている。近距離用レンズ部48は、中心軸AX3を中心とするシリンドリカル状の非球面となっており、受光レンズ39の正面視において半円形のシリンダーレンズにより構成されている。頂部44における近距離用レンズ部48の占有面積と遠距離用レンズ部47bの占有面積とは同等となっており、図3においては、遠距離用レンズ部47bと近距離用レンズ部48との境界部分を2点鎖線を用いて簡易的に示している。なお、受光レンズ39の凸面41における近距離用レンズ部48の占有面積は、遠距離用レンズ部47の占有面積よりも小さくなっている。これは、遠距離からの反射光については拡散によって受光量が減りやすい点に配慮した工夫である。
中心軸AX3は、投光部33aの投光軸AX1及び受光部33bの受光軸AX2の各軸に対して直交している。つまり、近距離用レンズ部48は、中心軸AX3と直交する方向(横方向)では曲率を有しているのに対して(図5参照)、中心軸AX3と平行な方向(縦方向)では曲率を有していない(図6参照)。言い換えれば、中心軸AX3と直交する方向(横方向)が所謂パワー方向、中心軸AX3と平行な方向(縦方向)が所謂ノンパワー方向となっている。
ここで、図7を参照して、近距離用レンズ部48を通過する反射光の進み方について説明する。なお、図7はシリンドリカル状の近距離用レンズ部48の機能を説明するための概略図であり、理解の容易化のため正面視における外形を矩形状として記載している。
近距離用レンズ部48に入射する反射光が受光軸AX2に平行な平行光である場合には、当該反射光は近距離用レンズ部48を通過することにより集光範囲FLに集光される。集光範囲FLは、中心軸AX3に平行な線状をなしており、遠距離用レンズ部47の焦点FPを含んでいる。つまり、受光軸AX2に平行な反射光は近距離用レンズ部48を通過することでその一部が焦点FP(受光素子38)に案内される。
上述したように近距離用レンズ部48は中心軸AX3と平行な方向(縦方向)がレンズとして機能しないノンパワー方向となっている。このため、近距離用レンズ部48に入射する反射光が受光軸AX2に対して非平行となる反射光、具体的には斜め下方から入射した反射光である場合には、入射位置と入射角度の条件が揃うことで集光範囲FL、詳しくは焦点FPに案内される。つまり、受光軸AX2に対する傾きが非平行な反射光については受光軸AX2に対する角度がある程度大きくなったとしても、当該反射光の一部が受光素子38に到達し得る。上記遠距離用レンズ部47が受光軸AX2に平行又は略平行である場合に反射光が受光素子38に案内される点、すなわち反射光の角度に左右されやすい点に鑑みれば、近距離用レンズ部48は反射光の角度に係る制約が弱く、遠距離用レンズ部47は反射光の角度に係る制約が強い点でレンズとしての特性が異なっている。
次に、図8を参照して、遠距離からの反射光と、近距離からの反射光との受光態様の違いについて補足説明する。
上述の如く、遠距離からの反射光については受光軸AX2に対して略平行になる。このため、図8(a)に示すように遠距離用レンズ部47に入射した反射光のほとんどが当該遠距離用レンズ部47を通じて受光素子38に案内される。また、近距離用レンズ部48に入射した反射光についてもその一部が受光素子38に案内される。これにより、近距離用レンズ部48を設けたことが遠距離からの反射光の受光効率を低下させる要因になることを抑制している。
これに対して、近距離からの反射光については受光軸AX2に対する傾きが大きくなる。このため、遠距離用レンズ部47による案内が実質的に不可となる。但し、図8(b)に示すように、近距離用レンズ部48に入射した反射光についてはその一部が受光素子38に案内される。また、近距離からの反射光の一部は、凸部43の側面部45にて全反射して受光素子38に到達する場合があり、全反射による上乗せによって受光量を稼ぐことが可能となっている。なお、図8(b)においては、近距離用レンズ部48を遠距離用レンズ部47に置き換えたと仮定した場合の光路を2点鎖線によって例示している。
次に、図9及び図10を参照して、近距離用レンズ部48(凸部43)の恩恵を物体Sまでの距離と受光量との関係に基づいて説明する。図9は、比較例を示す概略図であり、当該比較例に示す光学ブロック33Xについては、凸部43に相当する構成が省略され、受光レンズ39Xの凸面41X全体が遠距離用レンズ部47Xとなっている。つまり、本実施形態に示した光学ブロック33のように遠近両用を想定した構成とはなっていない。なお、光学ブロック33Xにおける受光レンズ39X以外の構成については上記光学ブロック33と同様であるため説明を省略する。
図10に示すように、比較例である光学ブロック33Xにおいては、近距離では受光量がほぼ0となっている。つまり、レーザレーダ装置10Xの近傍に位置する物体Sについては検知対象外となる。これに対して、本実施形態に示す光学ブロック33においては、近距離における受光量が大幅に増加しており、レーザレーダ装置10の近傍でも物体Sを検知可能となっている。つまり、比較例では対応しきれない近距離についても物体Sの検知が可能となっている。
ここで、遠距離においては、本実施形態に示す光学ブロック33の方が受光量が僅かに低下しているものの、その低下量は検知の判定基準となる閾値に対して無視できる程度となっており、遠距離における検知精度の低下が抑制されている。なお、判定基準となる閾値は、外乱の影響を加味して設定されており、受光量がこの閾値を越えることで物体Sが存在していると判定されることとなる。
因みに、本実施形態に示す受光レンズ39及び受光素子38として例えば直径が50mmの受光レンズ且つ直径が1mmの受光素子38を想定した場合、物体Sまでの距離が近距離である1.5m以内では受光量の不足によって物体Sの検知が実質的に困難になる。このように、入射面全体が遠距離用レンズ部により構成されていると過程した場合に反射光を実質的に集光できない範囲が本実施形態に示す「近距離」に相当し、それ以上の距離が「遠距離」に相当する。つまり、上記具体例においては、距離が1.5m以内が「近距離」であり、1.5mよりも遠い距離が「遠距離」である。
以上詳述した第1の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遠距離に位置する物体Sからの反射光の受光量を稼いで検知精度の向上を図る上では、投光部33aの投光軸AX1と受光部33bの受光軸AX2とを平行とすることが好ましい。但し、このように投光軸AX1の向きと受光軸AX2の向きとを揃えた場合には、近距離に位置する物体Sからの反射光については受光部33bにて受光可能となる視野範囲から外れやすくなる。これは、近距離に位置する物体Sからの反射光の受光量を稼ぐ上で好ましくない。例えば、近距離用のレンズ部のサイズを大きくすることで受光量を稼ぐことができるものの、このような対応はレンズ自体が大型化したり、遠距離用のレンズ部の配設領域を圧迫したりする要因になる。このように、遠距離に位置する物体Sの検知精度の低下を抑えながら近距離に位置する物体Sの検知精度の向上を図る上ではその構成に未だ改善の余地がある。この点、上述したレーザレーダ装置10においては、近距離用レンズ部48によって近距離からの反射光(非平行光)が受光素子38へ到達し得る構成としつつ、遠距離からの反射光(平行光)についても当該近距離用レンズ部48を通じて受光素子38へ案内され得る構成とし、近距離における物体Sの検知を可能としつつ、当該近距離用レンズ部48の存在が遠距離からの反射光の受光量を大きく低下させる要因になることを抑制している。これにより、遠近両用のレーザレーダ装置10において物体Sの検知エリアの広域化を好適に実現できる。
なお、投光軸AX1に対して受光軸AX2をオフセットさせることにより投光素子等の投光系が影となって受光量が減少することを抑制できる。これは、物体Sの検知精度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、このような構成においては、受光軸AX2に対する反射光の角度が物体Sまでの距離が短くなるほど大きくなり且つ角度の変化量についても大きくなる。本実施形態においては特に、近距離用レンズ部48によって近距離からの反射光(非平行光)が受光素子38へ到達し得る構成としつつ、遠距離からの反射光(平行光)についても当該近距離用レンズ部48を通じて受光素子38へ案内され得る構成とし、近距離用レンズ部48の存在が遠距離からの反射光の受光量を大きく低下させる要因になることを抑制することにより、遠近両用のレーザレーダ装置10において物体Sの検知エリアの広域化を好適に実現している。
平凸レンズである受光レンズ39においては、レーザ光の入射面である凸面41と同じ側に凸となるようにして近距離用レンズ部48を形成し、受光素子38側を平面42とすることにより、受光レンズ39を、近距離用レンズ部48を通過する反射光を対象とした場合に縦方向における向き(傾き)を変化させない平板のように機能させることができる。このような構成とすれば、縦方向における入射位置が異なる場合であっても近距離用レンズ部48を通過する前後で反射光の向きが大きく変化することを抑制し、近距離からの反射光を受光素子38に到達させる機能を好適に発揮させることができる。
近距離からの反射光がシリンドリカル状の近距離用レンズ部48を通じて受光素子38へ到達する構成とする場合には、受光レンズ39において受光軸AX2よりも投光部33a側となる部分に近距離用レンズ部48の少なくとも一部が位置する構成とすることにより、近距離からの反射光の受光効率を好適に向上させることができる。
受光レンズ39によって反射光を受光素子38に導く構成においては、製造誤差等が大きくなることで受光効率が低下し得る。このような懸念は、レンズの形状が複雑になる等して成形が困難になることで強くなると想定される。この点、上述の如く受光レンズ39の入射面に凸部43を形成し、この凸部43の頂部44に近距離用レンズ部48を配設する構成とすれば、例えば入射面に凹部を形成しこの凹部の底部に近距離用レンズ部を形成する場合と比較して、受光レンズの成形が容易となる。これにより、遠距離用レンズ部47及び近距離用レンズ部48の併用によって生じる懸念を好適に払拭できる。
凸部43は受光軸AX2を中心とする円柱状をなしており、その頂部44においては、受光軸AX2に対して投光部33a側となる部分が近距離用レンズ部48、受光軸AX2に対して投光部33a側とは反対側となる部分が遠距離用レンズ部47となるように形成されている。このような構成とすれば、近距離用レンズ部の大型化を抑制しつつ、凸部の外径を大きくすることができる。これは、凸部43の側面部45における全反射を利用して、近距離からの反射光の受光効率を向上させる上で好ましい。言い換えれば、遠距離からの反射光の受光効率の低下を抑えつつ近距離からの反射光の受光効率の向上を図る上で好ましい。
近距離用レンズ部48をシリンドリカル状とすることは、反射光を受光する視野の拡がりを抑え、外乱等の影響による検知精度の低下を抑える上でも好ましい。本実施形態においては特に、投光軸AX1及び受光軸AX2の並設方向と、中心軸AX3の軸線方向とは、何れもレーザ光の走査方向と直交するように構成されている。この構成によれば、走査方向において上記視野の拡がりを抑えることができる。視野の拡がりを抑えることにより、外乱等に起因した物体Sの誤検知を抑制し、走査方向における物体Sの位置の検知精度の向上に寄与できる。
<第2の実施形態>
既に説明したように、光学機構30はハウジング50に収容されており、投光部33aから出力されたレーザ光はハウジング50の窓パネル54を通じて検知エリアへ照射される。このような構成においては、窓パネル54に入射した当該レーザ光の一部が窓パネル54にて反射され、回転ミラー32→固定ミラー31を通じて受光素子38に到達し得る。投光部33aから窓パネル54までの距離は極めて短いため、窓パネル54からの反射光が受光素子38に到達した際に検出される光量は多くなる。
上述の如くレーザレーダ装置10の制御部においては、受光素子38にて検出した光量に基づいて物体Sまでの距離を算出しているが、窓パネル54からの反射光については上記理由からあたかも検知エリア内に物体Sが存在しているかのように誤検知される要因になり得る。これは、レーザレーダ装置に対する信頼性の向上を図る上で妨げになると想定される。本実施形態では、このような懸念を抑える工夫がなされている点で上記第1の実施形態と構成が相違している。
具体的には、図11に示すように、受光レンズ39と受光素子38との間には、受光レンズ39を通じて受光素子38へ向かう反射光の一部を遮蔽することにより受光素子38に届く光量を低減させる絞り部61Aが設けられている。近距離からの反射光については、投光部33aから反射位置までの距離に応じて近距離用レンズ部48に入射する角度が変化する。そこで、絞り部61Aは、近距離用レンズ部48を通過する反射光のうち、投光部33aから窓パネル54までの距離(「所定距離」に相当)を想定した反射光を遮蔽するようにその大きさ及び形状が規定されている。
図12に示すように、絞り部61Aが追加された光学ブロック33Aにおいては、近距離からの反射光の受光量のうち窓パネル54付近からの受光量が大きく低減されている。これにより、窓パネル54からの反射光によって上記誤検知が発生することを抑制している。つまり、近距離用レンズ部48を用いて近距離に位置する物体Sを検知可能としつつ、近距離からの反射光の受光量を絞り部61Aによって制御することにより、近距離における物体検知の確からしさを向上させている。これにより、レーザレーダ装置に対する信頼性を好適に向上させることができる。
なお、窓パネル54からの反射光を受光量と投光→受光までの時間差とに基づいて他の反射光と識別することにより、信頼性を向上させることも可能である。但し、このような構成においては時間差の把握に高い精度が要求されることになる。この点、本実施形態に示すように絞り部61Aを用いて窓パネル54からの反射光に対処すれば、上記課題を簡易な構成によって解決できる。
<他の実施形態>
・上記各実施形態においては、投光部33a及び受光部33bを投光部33aが上側且つ受光部33bが下側となるようにして縦に並べて配置したが、これに限定されるものではない。例えば、投光部33aが上側且つ受光部33bが下側となるようにして縦に並べて配置してもよい。また、投光部33a及び受光部33bの並び方向をレーザレーダ装置10におけるレーザ光の走査方向(水平方向)と直交する方向としたが、投光部33a及び受光部33bの並び方向をレーザレーダ装置10におけるレーザ光の走査方向(水平方向)と同じ方向、すなわち横並びの配置とすることも可能である。これらの位置関係に変更する場合であっても、受光レンズ39において受光軸AX2に対して投光部33a(投光軸AX1)側となる部分に近距離用レンズ部48を設けることにより、受光素子38における受光効率を好適に向上させることができる。
・上記各実施形態では、シリンドリカル状の近距離用レンズ部48の中心軸AX3が
投光軸AX1と受光軸AX2とに視差PXが生じている方向(鉛直方向)に延びる構成とした。中心軸AX3については鉛直方向に延びる構成が望ましいものの、近距離用レンズ部48の集光範囲FLに遠距離用レンズ部47の焦点FP(受光素子38)が含まれるのであれば、鉛直方向に対して傾く構成を否定するものではない。但し、遠距離からの反射光(平行光)の一部を受光素子38に案内とする上では、中心軸AX3の鉛直方向に対する傾きは左右ではなく前後とすることが好ましい。
・上記各実施形態では、受光レンズ39を当該受光レンズ39の正面視において略半円状に形成し、投光軸AX1と受光軸AX2とのギャップ(視差)を小さくしたが、これに限定されるものではない。投光軸AX1と受光軸AX2とのギャップ(視差)は大きくなるものの、受光レンズ39を当該受光レンズ39の正面視において円状に形成することも可能である。
・上記各実施形態では、受光レンズ39において受光軸AX2に対して投光部33a側(投光軸AX1側)となる部分に近距離用レンズ部48を設けたが、近距離用レンズ部48については少なくともその一部が受光軸AX2に対して投光部33a側(投光軸AX1側)となる部分に設けられているのであれば足り、受光軸AX2に対して投光部33a側とは反対側となる部分に近距離用レンズ部を設けることを否定するものではない。
・上記各実施形態では、受光レンズ39を正面から見た場合に、近距離用レンズ部48の外周部が受光軸AX2を中心とする円弧状をなす構成としたが、受光レンズ39を正面から見た場合の近距離用レンズ部48の外周部の形状については任意である。例えば角形状をなす構成とすることも可能である。
・上記各実施形態では、平凸レンズである受光レンズ39を平面42が受光素子38側を向くように配置したが、凸面41が受光素子38側を向くように配置することも可能である。但し、このような構成とした場合には、平面42側から入射した反射光(平行光)は平面42に垂直に入射するため当該平面42においては集光機能が作用しない。すなわち、裏面側となる凸面41による屈折だけで集光することとなる。このように光を一度に大きく屈折させると、大きな収差が発生するため、受光素子38における受光効率の向上が難しくなると想定される。故に、望ましくは上記実施形態に示したように凸面41が反射光の入射面となるように受光レンズ39を配置することが好ましい。
・上記各実施形態では、受光レンズ39の凸面41側に近距離用レンズ部48を形成したが、平面42側に近距離用レンズ部を形成することも可能である。具体的には、平面42側に近距離用レンズ部を形成する一方で、凸面41において受光軸AX2方向にて近距離用レンズ部と重なる部分については受光軸AX2と直交する平面部とするとよい。
・上記各実施形態では、受光レンズ39の凸面41に受光軸AX2を中心とする円柱状の凸部43を形成し、当該凸部43に遠距離用レンズ部47(遠距離用レンズ部47b)と近距離用レンズ部48とを併設したが、遠距離用レンズ部47bと近距離用レンズ部48とを併設する必要は必ずしもない。遠距離用レンズ部47bについては省略することも可能である。例えば、凸部43の頂部44の全体を近距離用レンズ部48としてもよい、また、凸部43において受光軸AX2よりも上側となる部分(遠距離用レンズ部47bが形成されている部分、又は受光軸AX2に対して投光軸AX1側とは反対側となる部分)を削除(トリム)することも可能である。具体的には、図13(a)に示すように、凸部43Bが半円柱状をなす構成とし、その頂部44Bの全体を近距離用レンズ部48Bとすることも可能である。
・上記各実施形態では、受光レンズ39の凸面41に凸部43を設け、当該凸部43の頂部44の一部をシリンドリカル状の近距離用レンズ部48としたが、これに限定されるものではない。例えば、図13(b)に示すように、凸面41Cに凹部43Cを設け、当該凹部43Cの底面部44Cの一部をシリンドリカル状の近距離用レンズ部48Cとすることも可能である。
・上記各実施形態では、投光部33aの投光軸AX1及び受光部33bの受光軸AX2の両軸に対して近距離用レンズ部48の中心軸AX3が直交する構成としたが、これに限定されるものではない。投光部33aの投光軸AX1及び受光部33bの受光軸AX2の両軸に対して近距離用レンズ部48の中心軸AX3が斜めに交差する構成とすることも可能である。すなわち、近距離用レンズ部48の中心軸AX3が受光方向における手前側又は奥側に傾く構成とすることも可能である。
・上記各実施形態では、投光部33aの投光軸AX1と受光部33bの受光軸AX2とが平行となるように構成したが、投光部33aからのレーザ光を受光部33bにおいて受光できるのであれば、投光軸AX1の向きと受光軸AX2の向きとがずれる構成とすることも可能である。
・上記実施形態では、投光部33aと受光部33bとを縦並びとなるように配設したが投光部33aと受光部33bとの配置については投光軸AX1と受光軸AX2とが非同軸となるのであれば任意に変更してもよい。例えば投光部33aをハウジング50の上面部に下向きとなるように配設し、受光部33bをハウジング50の奥壁部に前向きとなるように配設することも可能である。このような配置とする場合には、受光部33bの受光レンズ39においては受光軸AX2よりも上側となる部分(投光部33a寄りとなる部分)に近距離用レンズ部48を形成するとよい。
・上記各実施形態では、遠距離用レンズ部47を受光軸AX2を中心とした回転対称の非球面となるように形成したが、遠距離用レンズ部47を受光軸AX2を中心とした回転対称の球面となるように形成することも可能である。
・上記各実施形態では受光レンズ39を平凸レンズとしたが、これを両凸レンズに変更することも可能である。但し、このような構成とした場合には、近距離用レンズ部48のノンパワー方向において通過前後の反射光の角度が中心軸AX3方向における入射位置によって変化しないように、近距離用レンズ部48に入射した光が通過する範囲においては受光素子38側の凸面に平面部を設けることが好ましい。
・上記各実施形態では、1の受光レンズ39(レンズ部材)に遠距離用レンズ部47と近距離用レンズ部48とを併設したが、遠距離用レンズ部として機能するレンズ部材と近距離用レンズ部として機能するレンズ部材とを組み合わせて受光レンズを構成してもよい。
・上記各実施形態では走査型のレーザレーダ装置について例示したが、走査型ではない固定型のレーザレーダ装置に上記光学機構30を適用してもよい。
・上記各実施形態では、遠距離用レンズ部47を回転対称の曲面(非球面)となるように形成したが、遠距離用レンズ部47の一部が回転対称ではない曲面となるように形成されていてもよい。
10…レーザレーダ装置、30…光学機構、33…光学ブロック、33a…投光部、33b…受光部、36…投光素子、37…投光レンズ、38…受光素子、39…受光レンズ(レンズ又はレーザレーダ装置用レンズに相当)、41…凸面、42…平面、43…凸部、44…頂部、45…側面部、47…遠距離用レンズ部、47a,47b…遠距離用レンズ部、48…近距離用レンズ部、61A…絞り部、AX1…投光軸(投光軸線に相当)、AX2…受光軸(受光軸線に相当)、AX3…中心軸(中心線に相当)、FP…焦点、FL…集光範囲。

Claims (8)

  1. レーザ光を投光する投光部と、物体により反射された前記レーザ光である反射光を集光するレンズ及び当該レンズにより集光された反射光を受光する受光素子を有する受光部とを備え、前記受光部の受光軸線と前記投光部の投光軸線とが非同軸となるように構成されたレーザレーダ装置であって、
    前記レンズには、
    前記受光軸線を中心とした回転対称の曲面状をなし、当該受光軸線に平行な反射光を前記受光素子へ案内可能な遠距離用レンズ部と、
    前記受光軸線に平行な直線と交差する中心線を中心としたシリンドリカル状をなし、前記受光軸線に平行な反射光の一部と前記受光軸線に非平行な反射光の一部とを前記受光素子へ案内可能な近距離用レンズ部と
    が設けられており、
    前記投光部及び前記受光部はケース体に収容され、
    前記ケース体には透過部が設けられ、
    前記投光部から投光された前記レーザ光は前記透過部を通じて射出され、
    前記受光素子と前記レンズとの間には、前記透過部からの反射光であって前記近距離用レンズ部により前記受光素子に案内される反射光の一部を遮蔽することにより当該受光素子に到達する反射光の光量を低減させる絞り部が設けられているレーザレーダ装置。
  2. 前記受光軸線は、前記投光軸線に対して所定方向にオフセットされており、
    前記近距離用レンズ部は、当該近距離用レンズ部の前記中心線が前記投光軸線及び前記受光軸線の両方に交差するように形成されている請求項1に記載のレーザレーダ装置。
  3. 前記レンズは平凸レンズであり、その凸面が前記レーザ光の入射面を構成しており、
    前記近距離用レンズ部は、前記入射面と同じ側に凸となるように形成されている請求項2に記載のレーザレーダ装置。
  4. 前記レンズは、前記近距離用レンズ部の前記中心線と前記受光軸線とが直交し、前記近距離用レンズ部による線状の集光範囲に前記遠距離用レンズ部の焦点が位置するように構成されている請求項2又は請求項3に記載のレーザレーダ装置。
  5. 前記近距離用レンズ部は、当該近距離用レンズ部の少なくとも一部が前記レンズにおける前記レーザ光の入射面において前記受光軸線よりも前記投光部側となる部分に位置するように配設されている請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載のレーザレーダ装置。
  6. 前記レンズにおける前記レーザ光の入射面には、前記受光素子側とは反対側に凸となる凸部が形成されており、当該凸部の頂部の少なくとも一部が前記近距離用レンズ部となっている請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載のレーザレーダ装置。
  7. 前記受光軸線は、前記投光軸線に対して所定方向にオフセットされており、
    前記凸部は、前記受光軸線を中心とする円柱状をなしており、
    前記凸部の前記頂部は、前記受光軸線に対して前記投光軸線側となる部分が前記近距離用レンズ部、前記受光軸線に対して前記投光軸線側とは反対側となる部分が前記遠距離用レンズ部となるように形成されており、
    前記凸部の側面は、近距離からの反射光を前記受光素子に向けて全反射させる全反射面として機能する請求項に記載のレーザレーダ装置。
  8. 所定角度ごとに設定されている照射角度へレーザ光を投光する走査型のレーザレーダ装置であって、
    前記受光軸線は、前記投光軸線に対して所定方向にオフセットされており、
    前記所定方向及び前記近距離用レンズ部の中心線の方向は、前記レーザ光の走査方向と直交する特定の方向となるように構成されている請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載のレーザレーダ装置。
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