JP7353246B2 - 核酸及びその男性メタボリックシンドロームの治療又は改善への使用 - Google Patents

核酸及びその男性メタボリックシンドロームの治療又は改善への使用 Download PDF

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Description

本発明は、核酸に関し、特にそのオス哺乳類中の元来の成熟ライディッヒ細胞をアポトーシスさせること、前記オス哺乳類中のライディッヒ幹細胞を成熟ライディッヒ細胞に再生させること及び前記オス哺乳類中のテストステロン含有量を増加させることのうちの少なくとも1つへの使用、ならびに肥満及び/又は2型糖尿病のようなオス哺乳類のメタボリックシンドロームの治療、改善又は予防への使用に関する。
メタボリックシンドロームとは、人体にタンパク質、脂肪、炭水化物等の物質の代謝障害が起こった病理的状態を指す。メタボリックシンドロームは、単なる1種類の疾患ではなく、腹部脂肪蓄積、高トリグリセリド、高コレステロール、高血圧、高血糖等のような1連の複雑な代謝障害症候群であり、その中心となる一環が肥満及びインスリン抵抗である。
世界保健機関は、既にBMI>30を肥満と正式に定義付けており、それを単独に1種の疾患に入れている。肥満は、同時に2型糖尿病、心血管疾患、高血圧、脳卒中及び複数種の腫瘍を引き起こす危険因子でもある。
多くの臨床研究結果から、テストステロン体外補充(テストステロン補充療法)により肥満又は糖尿病患者の性機能を有効に改善することができ、体脂肪の含有量を有効に低下させることができ、なお、血清テストステロン含有量の向上により空腹時血糖レベル及びインスリン抵抗程度を顕著に低下させることができることが示されている。しかしながら、長期間のテストステロン体外補充は、肝機能異常、高脂血症、骨密度低下及び情緒不安定等の症状を引き起こしやすい。これは、ホルモンの体外補充が人体のアンドロゲンに対するリズム性需要に合わないこと及び長期間の使用により体内のホルモン代謝のバランスが壊されてしまうことに関連している。
ライディッヒ細胞は、視床下部-脳下垂体-性腺軸により調節されて生理的リズムに従ってアンドロゲンを合成及び分泌する機能を持つ細胞であり、オスの体内のアンドロゲンの最も主要な由来である。ライディッヒ細胞は、オス個体の発育において、胎仔型ライディッヒ細胞(Fetal LC,FLC)及び成熟ライディッヒ細胞の2つの異なるタイプが存在する。後者は、オスの思春期の精巣において形成され、分化発育過程において、ライディッヒ幹細胞(Stem LC,SLC)、ライディッヒ前駆細胞(Progenitor LC,PLC)、未成熟ライディッヒ細胞(Immature LC,ILC)及び成熟ライディッヒ細胞(Adult LC,ALC)の4つの段階に分けられる。ALCが一旦形成すると、オスが老衰状態に入っても、健康群においてその数が顕著に変化することはないが、ホルモン合成機能は年齢が増えることに伴って徐々に低下していく。近年、エタン1,2-ジメタンスルホン酸を用いて精巣内の成熟ライディッヒ細胞のアポトーシスを誘発した後、そもそも休眠状態にあるライディッヒ幹細胞が増殖可能となり、最後に新しい成熟ライディッヒ細胞に分化することを明らかにした研究がある。これらの再生細胞は、同様に視床下部-脳下垂体-性腺軸により調節されて生理的リズムに従ってアンドロゲンを分泌する。再生したライディッヒ細胞は、増殖分化過程において同様にライディッヒ幹細胞、ライディッヒ前駆細胞、未成熟ライディッヒ細胞及び成熟ライディッヒ細胞の4つの段階を経る。より興味深いことに、胎仔型ライディッヒ細胞の活性化、増殖及び分化は、若年及び老年のオス動物の精巣中でいずれも実現可能である。しかしながら、エタン1,2-ジメタンスルホン酸は、薬物として安全性が低く、例えば肝毒性等の内臓毒性を有し、臨床上の使用が大きく制限されている。
本発明の一は、配列がSEQ ID No.1で示される核酸を提供する。
1つの具体的な実施形態において、前記核酸はデオキシリボ核酸及び/又はリボ核酸である。簡潔にするために、本発明では、リボ核酸の形、即ちSEQ ID No.1をのみ示しているが、本発明の核酸がデオキシリボ核酸である場合に、例えばSEQ ID No.1におけるuがtに変更されると理解され得るであろう。具体的には、リボ核酸の場合の配列は、gguaccagaa gagagguuuu cugggucucu guuucacauc uuaauuaccc ucccacaccc aaggcuugca ggagagcaagであり、この配列における「u」が「t」に置き換わった場合がデオキシリボ核酸である。
1つの具体的な実施形態において、前記核酸の配列は、SEQ ID No.1で示される配列の切断配列を含み、かつ前記切断配列が元の配列と同じ機能を持つ。
1つの具体的な実施形態において、前記核酸の配列は、SEQ ID No.1で示される配列と80%以上の一致性を有し、かつ元の配列と同じ機能を持つ。
本発明の二は、本発明の一のいずれか1項に記載の核酸と薬学的に許容可能な担体とを含む薬物を提供する。前記担体は、好ましくは本分野の一般的な注射用担体であってもよいし、希釈剤、賦形剤、充填剤、接着剤、湿潤剤、崩壊剤、吸収促進剤、吸着担体、界面活性剤又は潤滑剤等のような本分野の一般的なその他の担体であってもよい。
本発明の三は、本発明の一のいずれか1項に記載の核酸、又は本発明の二に記載の薬物の、オス哺乳類中の元来の成熟ライディッヒ細胞をアポトーシスさせること、前記オス哺乳類中のライディッヒ幹細胞を成熟ライディッヒ細胞に再生させる(すなわち、活性化されて発育する)こと及び前記オス哺乳類中のテストステロン含有量を増加させることのうちの少なくとも1つへの使用を提供する。
1つの具体的な実施形態において、本発明の三は、本発明の一のいずれか1項に記載の核酸の、オス哺乳類中の元来の成熟ライディッヒ細胞をアポトーシスさせること、前記オス哺乳類中のライディッヒ幹細胞を成熟ライディッヒ細胞に再生させること及び前記オス哺乳類中のテストステロン含有量を増加させることのうちの少なくとも1つへの使用を提供する。この場合、本発明の三は、本発明の一のいずれか1項に記載の核酸の、オス哺乳類中の元来の成熟ライディッヒ細胞をアポトーシスさせること、前記オス哺乳類中のライディッヒ幹細胞を成熟ライディッヒ細胞に再生させること及び前記オス哺乳類中のテストステロン含有量を増加させることのうちの少なくとも1つのための薬物の製造への使用という表現で表すこともできる。
1つの具体的な実施形態において、前記オス哺乳類が人類男性である。一般に、該核酸を用いるオス哺乳類が成年オス哺乳類であるので、人類の場合は、成年男性である。
本発明の四は、本発明の一のいずれか1項に記載の核酸の、オス哺乳類のテストステロン欠乏による疾患を治療、改善又は予防するための薬物の製造への使用を提供する。
1つの具体的な実施形態において、前記オス哺乳類は、成人男性であることが好ましい。
1つの具体的な実施形態において、テストステロン欠乏による疾患は、男性の性機能障害、***形成障害、***成熟障害、肥満、糖尿病、骨粗鬆症及び認知機能減退のうちの少なくとも1つを含む。
1つの具体的な実施形態において、前記糖尿病が2型糖尿病である。
本発明における核酸配列は、核酸合成能力を持つ会社(例えば南京金斯瑞生物科技有限公司)に任せて合成することができる。
本発明の核酸は、陰嚢皮下注射の方式によって使用可能である。細胞に対して使用量が1リットル当たり200ナノモル(nM/L)であること、及びラット又はマウスに対して注射量が一方側の精巣当たり30μLのmiR-LC溶液(20マイクロモル)であることから換算すると、人類に対して核酸注射量範囲が1回当たり0.0002g/kgから0.01g/kgであり、注射後の第21日、第35日及び第56日、血液中のテストステロン含有量を検出することができる。
本発明は、オス哺乳類精巣内の元来の成熟ライディッヒ細胞をアポトーシスさせることにより、前記オス哺乳類精巣に位置するライディッヒ幹細胞の増殖及び分化を引き起こし、新しい成熟ライディッヒ細胞に再生させること、及び前記オス哺乳類中のテストステロン含有量を増加させることを誘発できる核酸を初めて見い出し、この核酸は、精巣内の他の体細胞に対してアポトーシスを誘発する活性がないので、特異性が強いという特徴を有する。従来技術から、テストステロン含有量の向上は、オス哺乳類の性腺機能の低下を改善できることがわかるので、本発明の核酸は、オス哺乳類の性機能、及び***の形成と成熟障害を改善することができる。なお、従来技術及び本発明の研究結果から、成熟ライディッヒ細胞の再生及び/又はテストステロン含有量の向上は、肥満又は2型糖尿病を改善できると確認されたので、本発明の核酸は、さらに、オス哺乳類の肥満又は2型糖尿病の改善、治療又は予防、例えば体脂肪含有量の低下、膵島細胞の感度の増加、インスリン抵抗の低減及び血糖濃度の低下等に使用可能である。
図1は、miR-LCでラットの成熟ライディッヒ細胞のアポトーシスを誘発する分析である。図1のAは形態学的観察であり、図中、青色蛍光(右側)が細胞核であり、緑色蛍光(左側)が細胞において活性化Caspase-3酵素であり、図1のBは、データ統計分析であり、図中、***は、p<0.001,正常ラットライディッヒ細胞のエタン1,2-ジメタンスルホン酸処理群vs正常対照群,正常ラットライディッヒ細胞のmiR-LC処理群vs正常ラットライディッヒ細胞の対照群である。 図2は、miR-LC処理後の第7日のラットの血清テストステロン含有量分析である。図中、***は、p<0.001,正常対照群vs2型糖尿病モデル群,n=10であり、###は、p<0.001,正常対照群vs正常モデルmiR-LC処理群,n=10であり、$$$は、p<0.001,2型糖尿病モデル群vs2型糖尿病モデルmiR-LC処理群,n=10である。nは、ラットの数を表す。 図3は、miR-LC処理後の第56日のラットの血清テストステロン含有量分析である。図中、**は、p<0.01、2型糖尿病モデル群vs2型糖尿病モデルmiR-LC処理群,n=10であり、#は、p<0.05,正常モデルmiR-LC処理群vs2型糖尿病モデルmiR-LC処理群,n=10であり、nは、ラットの数を表す。 図4は、miR-LC処理後の2型糖尿病モデルラット精巣内の成熟ライディッヒ細胞の形態学的分析である。図中、第1行の3枚の図が青紫色蛍光を呈し、第2行の3枚の図が緑色蛍光を呈し、第3行の3枚の図が第1行と第2行の相応する図を重ねたものである。 図5は、miR-LC処理の異なる段階のラット空腹時血糖含有量の分析である。図5のAはmiR-LC処理の当日(0日)であり、図5のBはmiR-LC処理後の第21日であり、図5のCはmiR-LC処理後の第35日であり、図5のDはmiR-LC処理後の第56日である。*は、p<0.05、**は、p<0.01,2型糖尿病モデル群vs2型糖尿病モデルmiR-LC処理群,n=10であり、nは、動物の数を表す。 図6は、miR-LC処理の異なる段階のラットのインスリン含有量の分析である。図6のAはmiR-LC処理後の第7日であり、図6のBはmiR-LC処理後の第21日であり、図6のCはmiR-LC処理後の第35日であり、図6のDはmiR-LC処理後の第56日である。*は、p<0.05,正常対照群vs正常モデルmiR-LC処理群,n=10であり、#は、p<0.05,2型糖尿病モデル群vs2型糖尿病モデルmiR-LC処理群,n=10であり、nは、動物の数を表す。 図7は、miR-LC処理後の第21日のラット精巣組織の形態学的分析であり、図の拡大割合が200倍である。 図8は、miR-LC処理の異なる段階のマウス血清テストステロン含有量の分析である。その中、正常対照群及び肥満モデル群は処理後の第56日の結果をのみ示す。*は、p<0.05,正常対照群vs肥満モデル群,n=10であり、nは、動物の数を表す。 図9は、miR-LC処理の異なる段階のマウス体重変化傾向の分析である。その中、正常対照群及び肥満モデル群は処理後の第56日の結果のみを示す。***は、p<0.001,正常対照群vs肥満モデル群,n=10であり、nは、動物の数を表す。
以下、好適な実施例によって本発明の上記内容をさらに詳しく説明するが、本発明を制限するためではない。
特に説明がない限り、本発明の実施例における試薬はいずれも市販品として購入可能である。
miR-LC(SEQ ID No.1)短鎖リボ核酸は、中国南京金斯瑞生物科技有限公司により合成されたものである。
実施例1
短鎖リボ核酸miR-LCはラット成熟ライディッヒ細胞のアポトーシスを誘発可能
従来技術の認識に基づき、成熟ライディッヒ細胞がアポトーシスするメカニズムは、主に細胞中のCaspase-3酵素を活性化させてその後の核移行を仲介することにより引き起こされ、NucView488染料は、活性化したCaspase-3酵素と結合できるので、成熟ライディッヒ細胞のアポトーシスの状況を検出する際に、蛍光顕微鏡による観察又は酵素標識装置(Fluoroskan,賽黙飛世爾科技(中国)有限公司)による蛍光値測定によって達成することができる。
従来の方法に従って正常の3ヵ月齢のラットの成熟ライディッヒ細胞を分離純化する。要するに、二酸化炭素窒息法により、何の欠陥もない正常の3ヵ月齢のラットを殺した後、精巣を取り出す。消化液を調製し(100mLの超純水に16mgのコラゲナーゼD及び1mgのデオキシリボヌクレアーゼを添加することにより調製してなる)、精巣を消化液中に放置し、37℃の恒温水浴振とう機中に入れて20min処理した。次いで、200メッシュの細胞スクリーンを用いて曲精細管を濾過してライディッヒ細胞懸濁液を得た。懸濁液を細胞分離液(Percoll非連続的密度勾配液,密度勾配が1.068から1.088g/mL)中に入れて密度勾配遠心(24500r/min,40min)して細胞を収集し、リン酸緩衝液(PBS,pH=7.4)で希釈して2回洗浄し(250r/min,5min)、細胞をカウントした後に24ウェルの細胞培養プレート中に放置し(1ウェル当たりに細胞が50万個)、ダルベッコイーグル培地(Dulbecco Eagle’s minimum esssential medium,DMEM)を用いて34℃で一晩培養した(14~16時間)。その後、細胞を、正常対照群(陰性対照)、エタン1,2-ジメタンスルホン酸処理群(陽性対照)及びmiR-LC処理群の3つの群に分けた。正常対照群について、ブランクリポソーム試薬(HiPerFect Transfection Reagent,Qiagen社,製品番号:301704,アメリカ)を1:24の体積比(ブランクリポソーム試薬:無血清DMEM培地)で無血清DMEM培地中に添加し、均一に混合させ、ブランクリポソーム培地を得た。エタン1,2-ジメタンスルホン酸処理群について、無血清DMEM培地中に最終濃度が75ミリグラム/リットル(mg/L)のエタン1,2-ジメタンスルホン酸(ジメチルスルホキシドで溶解して調製してなる)を添加し、エタン1,2-ジメタンスルホン酸培地を得た。miR-LC処理群について、まず、ブランクリポソーム試薬(上記と同じ由来)を1:24の体積比(ブランクリポソーム試薬:無血清DMEM培地)で無血清DMEM培地中に添加し、均一に混合させ、ブランクリポソーム培地を得、その後、miR-LCをブランクリポソーム培地中に添加し、その中におけるmiR-LCの最終濃度を200ナノモル/リットル(nM/L)に到達させ、25℃の条件で10min静置してリポソーム被覆を行い、miR-LCを被覆したリポソーム培地を得た。次いで、成熟ライディッヒ細胞を培養している96ウェルの培養プレート(1×106cell/well)に、ブランクリポソーム培地、エタン1,2-ジメタンスルホン酸培地及びmiR-LCを被覆したリポソーム培地(各々200μL)をそれぞれ1滴ずつ滴下し、34℃で24時間培養した。その後、各群をそれぞれ最終濃度が5マイクロモル/リットル(・M/L)のNucView488染料(Biotium社,製品番号:30029,Hayward,カナダ)に添加し、25℃で30min培養し、その後、リン酸緩衝液で細胞を2回洗浄した後、蛍光顕微鏡を用いて、青色蛍光で標識された細胞核、及び緑色蛍光で標識された細胞中の活性化したCaspase-3酵素(図1-A)を観察することができた。さらに、蛍光顕微鏡を用いて、緑色蛍光を発現する細胞をカウントして分析し、その結果、正常対照群のうち、緑色蛍光を発現する細胞が14.5±1.3%のみであるが、正常ラットライディッヒ細胞のmiR-LC処理群のうち、緑色蛍光を発現する細胞が71.8±6.6%であり、正常ラットライディッヒ細胞のエタン1,2-ジメタンスルホン酸処理群のうち、緑色蛍光を発現する細胞が87.4±4.5%であることを示している(図1-B)。このことから、正常対照群と比べて、正常ラットライディッヒ細胞のエタン1,2-ジメタンスルホン酸処理群は、成熟ライディッヒ細胞のアポトーシスの発生を顕著に促進させることができ(P<0.001 正常ラットライディッヒ細胞のエタン1,2-ジメタンスルホン酸処理群vs正常対照群)、同様に、正常ラットライディッヒ細胞のmiR-LC処理群も成熟ライディッヒ細胞のアポトーシスの発生を顕著に促進させることができる(P<0.001 正常ラットライディッヒ細胞のmiR-LC処理群vs正常対照群)ことがわかり、miR-LCが成熟ライディッヒ細胞のアポトーシスを誘発する能力を有することを明らかにした。
実施例2
2型糖尿病ラットモデルの構築
miR-LCがラット血清アンドロゲンの含有量を調節する作用を有するか否かを観察するために、本発明は、まず2型糖尿病ラットモデルを構築した。
3ヵ月齢の成年ラットを購入し、環境温度が恒温24±2℃、相対湿度が50%~70%、L:D=12:12の昼夜規則正しい環境において飼育した。ラットを2つのグループに分けて、第1グループは、体重1kg当たりに35ミリグラム(mg/kg)の使用量でストレプトゾトシンを腹腔内注射し(氷浴、日陰及び乾燥環境においてストレプトゾトシンをクエン酸緩衝液(0.1ミリモル/リットル(mM/L),pH=4.4)に溶解し、5min内に使用完了)、正常対照群としての第2グループについては、等割合のクエン酸緩衝液0.1ミリモル/リットル(mM/L),pH=4.4)を注射した。4日後、ラットの尻尾から採血し、ストレプトゾトシンを注射したラット個体の空腹時血糖濃度を血糖値計で測定した。血糖濃度が11ミリモル/リットル(mM/L)以上に達したラットをモデル構築成功と見なす。血糖濃度が目標濃度に達しなかったラット個体に対して、15mg/kgの使用量でストレプトゾトシンを腹腔内注射で追加注射し、4日後、再び血糖値検出を行い、血糖含有量が11ミリモル/リットル(mM/L)以上となるまで繰り返した。
上記血糖濃度指標に達した第1グループのラットと、これに対応する正常対照群(第2グループ)とを4週間引き続いて飼育した後、その空腹時血糖含有量の変化を監視した。監視した結果、第1グループのラットの空腹時血糖含有量が上昇し続き、平均空腹時血糖含有量が14.15±3.10ミリモル/リットル(mM/L)と高いが、正常対照群動物の空腹時血糖値が4.86±0.40ミリモル/リットル(mM/L)であった。この結果から、2型糖尿病ラットモデルの構築が成功したことがわかった。
実施例3
ラットにmiR-LCを陰嚢皮下注射することにより正常対照群及び2型糖尿病ラットの血清アンドロゲン含有量を低下可能
正常対照群(一方側の精巣当たりに30μLの生理食塩水を陰嚢皮下注射)、正常モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)、2型糖尿病モデル群(一方側の精巣当たりに30μLの生理食塩水を陰嚢皮下注射)、2型糖尿病モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)4つの群を設けた。1つの群当たりに10匹のラットを通常通りに飼育した。miR-LC溶液の調製及びその使用方法は、超純水中にブランクリポソーム試薬を1:24の体積比(ブランクリポソーム試薬:超純水)で添加し、均一に混合させ、ブランクリポソーム溶液を得、その後、miR-LCの最終濃度が20マイクロモル/リットル(・M/L)に達するまでmiR-LCをブランクリポソーム溶液に添加し、25℃の条件で10min静置してリポソーム被覆を行い、miR-LCを被覆したリポソーム懸濁液(すなわち、miR-LC溶液)を得た。60μLのmiR-LC溶液を取って精巣陰嚢皮下注射を行った(一方側の精巣当たりに30μL)。処理後の第7日、尻尾静脈から採血し、放射性酵素結合免疫法により血清テストステロン含有量を測定し、その結果を図2に示す。
実験結果から、正常対照群ラットの血清テストステロン平均含有量が1.82±0.39ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)、2型糖尿病モデル群ラットの平均血清テストステロン含有量が0.67±0.15ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)であることがわかった。正常対照群ラット及び2型糖尿病モデルラットをmiR-LC処理した後の第7日、2グループのラットの平均血清テストステロン含有量がいずれも検出閾値以下に低下した。
オスの体内のテストステロンの95%以上が成熟ライディッヒ細胞により合成及び分泌されるので、上記の結果から、2型糖尿病モデル群ラットの血清テストステロンが正常対照群ラットより明らかに低く、miR-LC処理が正常対照群ラットの精巣中の元来の成熟ライディッヒ細胞のアポトーシスの発生を誘発することができるとともに、2型糖尿病モデル群ラットの精巣中の元来の成熟ライディッヒ細胞のアポトーシスの発生を誘発することもでき、さらにラット体内の血清テストステロン含有量の急劇な低下を引き起こすことがわかった。
実施例4
ライディッヒ細胞の再生により2型糖尿病ラットの血清テストステロン含有量が向上
正常対照群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、正常モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)、2型糖尿病モデル群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、2型糖尿病モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)の4つの群を設けた。1つの群当たりにラット10匹とした。実施例3と同様に処理した。
注射後の第56日、尻尾静脈から採血し、放射性同位体酵素結合免疫法により血清テストステロン含有量を検出し、その結果を図3に示す。2型糖尿病モデル群ラットの血清テストステロン含有量が正常対照群より明らかに低く、正常対照群及び2型糖尿病モデル群ラットの血清テストステロンは、それぞれ2.12±0.48及び0.56±0.27ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)であった。正常対照群ラットをmiR-LC処理した後の第56日、その血清テストステロン含有量がmiR-LC処理前の正常レベルに回復しており、2.61±0.22ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)となり、2型糖尿病モデル群ラットをmiR-LC処理した後の第56日、その血清テストステロン含有量が1.73±0.36ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)に達した。miR-LC処理した2型糖尿病モデル群ラット体内の血清テストステロンが依然として正常対照群及び正常モデルmiR-LC処理群より明らかに低いが、2型糖尿病モデル群と比べて、その血清テストステロン含有量が極めて顕著に向上した。これらの結果から、再生して形成した成熟ライディッヒ細胞のテストステロン合成能力が、元来の健康な成熟ライディッヒ細胞のテストステロン合成能力に相当し、miR-LC処理後に、2型糖尿病モデルラット精巣内で再生した成熟ライディッヒ細胞は、元来の成熟ライディッヒ細胞より強いアンドロゲン合成能力を有するので、体内の血清テストステロンレベルを向上させて2型糖尿病の状況を改善できることがわかった。
実施例5
2型糖尿病ラットをmiR-LC処理することでライディッヒ細胞の数を増加可能
CYP11A1は、ライディッヒ細胞においてアンドロゲン合成径路の肝心な酵素の1つであり、同時に、精巣内のライディッヒ細胞の特異的標識タンパク質の1つでもある。したがって、該酵素の細胞における蛍光強度を分析することにより、ライディッヒ細胞の数及びその細胞内の酵素発現量の変化を反映することができる。
正常対照群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、2型糖尿病モデル群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、2型糖尿病モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)の3つの群を設けた。1つの群当たりにラット10匹とした。実施例3と同様に処理した。
注射後の第56日、ラット精巣を収集して凍結切片を行った。免疫蛍光法により検出を行った。具体的な方法は、恒温凍結ミクロトームにおいて組織を切片し、その後、室温で放置して15min平衡化した後、4%のパラホルムアルデヒド溶液を用いて15min固定化し、その後、リン酸緩衝液(PBS)を用いて3回洗浄した(1回当たり5min)。ブロッキング液(10%のヤギ血清を含有するPBS)を用いて室温でスライスを1時間ブロッキングし、ピペットを用いてブロッキング液を除去し、直ちに1ミリリットル(mL)のRabbit Anti-Rat CYP11A1(Abcam社,製品番号:ab175408,上海)の抗体溶液(1μLの抗体を999μLのPBS溶液中に希釈する)に添加し、4℃で一晩培養した。スライスを室温で放置して30min平衡化した後、PBSでスライスを3回洗浄し、1ミリリットル(mL)のGoat Anti-Rabbit二次抗体(Abcam社,製品番号:ab150077,上海)溶液(2μLの抗体を998μLのPBS溶液中に希釈する)に添加し、室温で1時間培養し、その後、PBSでスライスを5回洗浄した(1回当たり5min)。DAPI染液で5min染色して、PBSで3回洗浄した(1回当たり5min)。カバーガラスを用いてスライスを封じた後、共焦点顕微鏡で観察して写真を撮った。結果を図4に示す。
図4において、CYP11A1タンパク質に対する免疫蛍光検出分析から、2型糖尿病モデル群における成熟ライディッヒ細胞の緑色蛍光強度が正常群と比べて明らかに低減し、2型糖尿病がラット精巣内の成熟ライディッヒ細胞の数の低減を引き起こしたことを示している。2型糖尿病モデルをmiR-LC処理した後の第56日、2型糖尿病ラット精巣内のライディッヒ細胞の緑色蛍光強度が正常対照群より低いにかかわらず、2型糖尿病モデルラットと比べて、その緑色蛍光強度が明らかに向上し、2型糖尿病モデルをmiR-LC処理した後、ライディッヒ細胞の数が、再生により一部回復したことを示している。
実施例6
ライディッヒ細胞の再生過程により2型糖尿病ラットの血糖レベル及びインスリン抵抗を改善
正常対照群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、正常モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)、2型糖尿病モデル群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、2型糖尿病モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)の4つの群を設けた。1つの群当たりにラット10匹とした。実施例3と同様に処理した。
注射後の当日及び注射後の第21日、第35日及び第56日の4つの段階において尻尾静脈採血を行い、血糖値計を用いて動物の空腹時血糖含有量を検出し、その結果を図5に示す。その結果から、正常対照群ラットと正常モデルmiR-LC処理群ラットの空腹時血糖含有量が処理過程全体においても(4つの段階)安定的に保持しており、正常対照群ラットの平均空腹時血糖含有量が平均4.35ミリモル/リットル(mM/L)程度に維持され、正常モデルmiR-LC処理群ラットの平均空腹時血糖含有量が平均4.18ミリモル/リットル(mM/L)程度に維持されていることを示し、その結果から、正常ラットにおいて、miR-LC処理による血清テストステロン含有量の低下及び回復が、その空腹時血糖含有量を明らかに変化させないことを明らかにした。その結果から、2型糖尿病モデル群ラットにおいて、その空腹時血糖濃度がずっと高いレベルに維持されており、4つの段階の平均濃度が22.5ミリモル/リットル(mM/L)であり、miR-LC処理した後、2型糖尿病モデルmiR-LC処理群ラットの空腹時血糖含有量が、時間が経つにつれて(つまり、ライディッヒ細胞の再生過程)徐々に低下する傾向が見られることをさらに明らかにした。miR-LC処理後の第35日、その空腹時血糖含有量が18.61±2.322ミリモル/リットル(mM/L)であり、miR-LC処理した後の第56日、その平均空腹時血糖含有量が14.06±3.7ミリモル/リットル(mM/L)となり、2型糖尿病モデル群ラットの空腹時血糖含有量と比べて38%低下した。これらのデータから、再生したライディッヒ細胞によって向上した血清テストステロンレベルが2型糖尿病ラットの血清中の高血糖レベルを改善(低下)できることを明らかにし、同時に、再生、発育して形成した成熟ライディッヒ細胞が、元来のライディッヒ細胞よりも強いアンドロゲン合成能力を有することをも示している。
注射後の第7日、第21日、第35日及び第56日に、それぞれ尻尾静脈採血を行い、インスリン含有量酵素結合免疫検出キットを用いて動物血液中のインスリン含有量を測定し、その結果を図6に示す。その結果から、2型糖尿病モデル群ラット体内のインスリン含有量が、実験期間全体において高いレベルに維持しており、20ミリモル/リットル(mM/L)を超え、正常対照群の約1.5倍であり、2型糖尿病モデルラットにインスリン抵抗現象が存在していることを示している。正常モデルmiR-LC処理して7日後のラット中の血清インスリン含有量が上昇したが、21日後、正常対照群に相当するレベルまで回復した。これらの結果から、血清テストステロン含有量がインスリンの合成に対して調節作用を有することを示している。miR-LC処理後の前期において、2型糖尿病モデルラットの血清インスリン含有量がライディッヒ細胞の再生及び発育過程につれて徐々に低下するが、第56日となると、その血清インスリン含有量が15.13±2.8ミリモル/リットル(mM/L)となり、正常対照群と明らかな差が見られなかった。これらの結果から、ライディッヒ細胞の再生及び発育によって2型糖尿病モデルラット体内のインスリン抵抗の現象を有効に解決できることを明らかにした。
実施例7
miR-LCの正常モデルラット精巣組織への影響
miR-LCがラット精巣内の細胞(例えばセルトリ細胞、管周細胞など)及び曲精細管構造に対して影響を与えたか否かを観察するために、正常対照群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、正常モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)の2つの群を設けた。1つの群当たりにラット10匹とした。実施例3と同様に処理した。
注射後の第21日、精巣組織を取って病理的解析を行った。要するに、精巣組織を取って10%ホルマリン溶液に入れて24時間固定化し、その後、包埋用カセットに入れ、流れる水で組織を30min洗浄して固定液を除去した。順次にアルコール及びキシレン溶液を用いて組織を脱水処理し、さらに融けたワックスで組織を包埋した。包埋された組織ブロックが硬化した後、ミクロトームで切片した。スライスを60℃のオーブン中で120min乾燥し、その後、キシレン溶液を30min脱蝋し、さらに無水エタノールから95%のエタノール、90%のエタノール、80%のエタノール、70%のエタノール、蒸留水の順でそれぞれ5min脱蝋処理し、吸収紙を用いて液体を全て吸収した。脱蝋後のスライスをヘマトキシリン染液で15min含浸処理した後に、超純水で25min洗浄した。次いで、0.5%のエオシン染液でスライスを2~5min含浸し、流れる水でエオシン染液を洗浄した。70%のエタノールから80%のエタノール、90%のエタノール、95%のエタノール、無水エタノールの順でそれぞれスライスを5min脱水し、さらにキシレン溶液中で15~30min脱水し、最後に、スライスを乾燥させ、中性ゴムでスライスを封じた。顕微鏡観察結果を図7に示す。実験結果から、正常対照群ラット精巣内の細胞と比べて、miR-LC処理された正常モデルラット精巣内の曲精細管構造が完全に保持されており、セルトリ細胞及び管周細胞等がいずれも明らかな病変がなく、ライディッヒ細胞の密度が正常対照群ラットより明らかに低いことがわかり、この結果を実施例3の結果と組み合わせて、元来の成熟ライディッヒ細胞が誘発されてアポトーシスが発生したことを明らかにした。なお、図7においてライディッヒ中に少量のライディッヒ細胞があり、これらの細胞は、再生したライディッヒ細胞のはずである。上記の結果から、ライディッヒ細胞以外、miR-LC処理が精巣曲精細管構造及び精巣内のその他の体細胞に明らかな損害を引き起こさないことを明らかにした。
実施例8
肥満マウスモデルの構築
60日齢のC57BL/6Jマウスを購入し、環境温度が24±2℃、相対湿度が50%~70%、L:D=12:12の昼夜規則正しい環境において飼育し、マウスを2グループに分けて、毎日に第1グループに高脂肪飼料(60%の高脂肪飼料,製品番号:D12492,南京模式動物研究所)を自由給餌した。60日連続して飼育した後、体重を量り、体重が30g以上となったマウスを肥満モデルとした。正常モデル群としての第2グループは、毎日に普通の飼料を自由給餌した。
実施例9
miR-LC処理の肥満モデルマウス血清テストステロン含有量への影響
正常対照群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、正常モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)、肥満モデル群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、肥満モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)の4つの群を設けた。各々の群に10匹のマウスとし、普通の飼料で通常どおりに飼育した。実施例3と同様な処理を行った。
それぞれ処理後の第7日、第21日、第56日に尻尾静脈採血を行い、放射性酵素結合免疫法により血清テストステロン含有量を測定し、その結果を図8に示す。その結果から、肥満モデル群マウス体内のテストステロン含有量が正常対照群マウス体内のテストステロン含有量(p<0.05)より明らかに低く、給餌後の第56日、肥満モデルマウスの血清テストステロン含有量が依然として明らかに変化せず、肥満モデルmiR-LC処理群マウスの血清テストステロン含有量が第7日に検出閾値以下に低下したが、ライディッヒ細胞が再生するにつれて、肥満モデルmiR-LC処理群マウスの血清テストステロン含有量が徐々に回復し、第56日になると、その含有量は正常対照群マウスの血清テストステロン含有量と差が見られないことがわかった。
実施例10
miR-LC処理の肥満モデルマウスの体重への影響
正常対照群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、正常モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)、肥満モデル群(生理食塩水を陰嚢皮下注射)、肥満モデルmiR-LC処理群(陰嚢皮下注射)の4つの群を設けた。1つの群当たりに10匹のマウスとし、普通の飼料で通常どおりに給飼した。実施例3と同様な処理を行った。
給飼して第7日及び第56日に体重を量り、その結果を図9に示す。その結果から、正常モデル群動物の平均体重が21.64gであり、肥満モデル群動物の平均体重が32.68gであり、miR-LC注射処理後、肥満モデルmiR-LC処理群マウスの体重が第7日の平均31.56gから第56日の平均24.30gに低下したことがわかった。これらの結果から、miR-LC処理が肥満症に対して改善及び治療作用を有することを示している。
配列番号:1は短鎖リボ核酸を示す。

Claims (8)

  1. 配列がSEQ ID No.1で示されることを特徴とする核酸。
  2. 前記核酸はデオキシリボ核酸及び/又はリボ核酸であることを特徴とする請求項1に記載の核酸。
  3. オス哺乳類中の元来の成熟ライディッヒ細胞をアポトーシスさせること、前記オス哺乳類中のライディッヒ幹細胞を成熟ライディッヒ細胞に再生させること及び前記オス哺乳類中のテストステロン含有量を増加させることのうちの少なくとも1つのための薬物の製造に使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の核酸
  4. ス哺乳類のテストステロン欠乏による疾患を治療、改善又は予防するための薬物の製造に使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の核酸
  5. 前記テストステロン欠乏による疾患は、男性の性機能障害、***形成障害、***成熟障害、肥満、糖尿病、骨粗鬆症及び認知機能減退のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の核酸
  6. 前記糖尿病が2型糖尿病であることを特徴とする請求項5に記載の核酸
  7. 前記オス哺乳類が成人男性であることを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載の核酸
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の核酸と、薬学的に許容可能な担体と、を含むことを特徴とする薬物。
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