JP7353164B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

この発明は、金属製の伝熱層に樹脂製の熱融着層が積層されたラミネートシート等のラミネート材を用いて製作される熱交換器に関する。
スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の電子機器における小型高性能化に伴い、電子機器のCPU回りの発熱対策も重要となり、機種によっては水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、CPU等の電子部品に対する熱負荷を軽減するとともに、筐体内に熱をこもらせないようにして、熱による悪影響を回避する技術が従来より提案されている。
また電気自動車やハイブリッド車に搭載される電池モジュールは、充電と放電とを繰り返し行うために電池パックの発熱が大きくなる。このため電池モジュールにおいても上記の電子機器と同様に、水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、熱による悪影響を回避する技術が提案されている。
さらにシリコンカーバイト(SiC)製等のパワーモジュールも発熱対策として冷却板やヒートシンクを組み付ける等の対策が提案されている。
ところで、上記のスマートフォンやパーソナルコンピュータのような電子機器では筐体が薄く、その薄い筐体内における限られたスペースに多数の電子部品や冷却器が組み込まれるため、冷却器自体も薄型のものが用いられることになる。
従来において、小型の電子機器に組み込まれるヒートパイプ等の薄型の冷却器は一般的に、アルミニウム等の伝熱性が高い金属を加工して得られた複数の金属加工部品をろう付けや拡散接合等で接合することにより製作するようにしている(特許文献1~3等)。
特開2015-59693号公報 特開2015-141002号公報 特開2016-189415号公報
しかしながら、上記従来の小型電子機器用冷却器は、各構成部品が、鋳造や鍛造等の塑性加工や、切削等の除去加工等の金属加工(機械加工)によって製作されているが、このような金属加工は、面倒で制約も厳しいため、薄型化に限界があり、現行以上に薄型化を図ることが困難であるという課題があった。
また従来の小型電子機器用冷却器は、各構成部品を接合する際に難易度の高いろう付けや拡散接合等の金属加工(金属間接合)を用いて製作する必要があり、製作が困難であるばかりか、生産効率が低下してコストも増大するという課題があった。
その上さらに、従来の冷却器は、制約のある金属加工を用いて製作しているため、形状や大きさを簡単に変更することができず、設計の自由度に乏しく、汎用性に欠けるという課題も抱えている。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、十分な薄型化を図ることができるとともに、設計の自由度が高く汎用性に優れる上さらに、効率良く簡単に製作できてコストも削減することができる熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]縦方向両端縁部を前後辺部とし、かつ横方向両端縁部を両側辺部とする外包体と、前記外包体の内部に設けられ、かつ凹凸部を有するインナーフィンと、前記外包体の内部に対し熱交換媒体を流出入するための入口および出口とを備えた熱交換器であって、
前記外包体が、金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側に樹脂製の熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
前記入口および前記出口が、前記外包体における前辺部近傍に横方向に並んで配置され、
前記入口から前記外包体に流入した熱交換媒体がインナーフィン設置部を通って前記出口から流出するように構成されていることを特徴とする熱交換器。
[2]前記外包体内における両側辺部と前記インナーフィンの両側縁部との間に流入路および流出路が設けられ、
前記インナーフィンは、凹部および凸部が交互に連続して設けられた波状に形成されるとともに、前記インナーフィンがその山筋方向および谷筋方向が横方向に沿うように配置され、
前記入口から流入した熱交換媒体が、前記流入路、前記インナーフィン設置部および前記流出路を通って前記出口から流出されるように構成されている前項1に記載の熱交換器。
[3]前記外包体内における両側辺部と前記インナーフィンの両側縁部との間に隙間がそれぞれ設けられ、その両側の隙間によって前記流入路および前記流出路が形成されている前項2に記載の熱交換器。
[4]前記インナーフィンは、凹部底面および凸部頂面が平坦な角波形状に形成されている前項2または3に記載の熱交換器。
[5]前記外包体内に、前記入口および前記出口に対応して箱状の出入口部材が設けられ、
前記出入口部材は、前記入口から流入した熱交換媒体を前記流入路に供給する上流室と、前記流出路から供給された熱交換媒体を前記出口から流出させる下流室と、熱交換媒体が前記上流室側から前記下流室側に流通するのを制限するための仕切壁とを備えている前項2~4のいずれか1項に記載の熱交換器。
[6]前記出入口部材および前記インナーフィン間に隙間が設けられ、その隙間に、熱交換媒体が前記流入路側から前記流出路側に流通するのを制限するための邪魔板が設けられている前項5に記載の熱交換器。
[7]前記インナーフィンは、後方に向かうに従って横方向の寸法が次第に小さくなるよう形成されることによって、前記流入路および前記流出路の流路断面が前辺部から後方に向かうに従って次第に大きくなるように形成されている前項2~6のいずれか1項に記載の熱交換器。
[8]前記外包体は、中間領域に前記インナーフィンを収容するための凹陥部が形成されたトレイ部材と、前記トレイ部材の凹陥部を閉塞するように配置されるカバー部材とによって構成されている前項1~7のいずれか1項に記載の熱交換器。
発明[1]の熱交換器によれば、前端部に入口および出口が並んで配置されているため、入口および出口に連結される外部配管を前端部に集約でき、配管接続作業等を効率良くスムーズに行うことができる。さらに外部配管が前端側に集約されているため、電池等の熱交換対処部材の配置(レイアウト)の自由度を高くすることができ、汎用性を向上させることができる。また本発明の熱交換器においては、ラミネート材等を熱融着して製作するものであるため、面倒な金属加工を用いる必要がなく、効率良く簡単に製作できてコストを削減できるとともに、十分な薄型化を図ることができる。さらに本発明の熱交換器において、外包体やインナーフィンとしてのラミネート材はその形状や大きさを簡単に変更できるため、設計の自由度が増して、汎用性を向上させることができる。
発明[2]の熱交換器によれば、インナーフィンの流路方向となる山筋方向および谷筋方向を横方向に配置して、熱交換媒体がインナーフィンの一側縁から他側縁にかけて流通するようにしているため、例えば熱交換媒体をUターンさせる等の構造が必要なく、その分、構造の簡素化を図ることができる。
発明[3]の熱交換器によれば、外装体の両側辺部とインナーフィンの両側縁部との間の隙間を利用して、流入路および流出路を形成するようにしているため、流入路および流出路を形成するための部材を別途設ける必要がなく、その分、より一層構造の簡素化を図ることができる。
発明[4]の熱交換器によれば、インナーフィンが角波形状に形成されているため、インナーフィンの外包体に対する接触面積を十分に確保でき、熱交換効率を向上できるとともに、インナーフィンの外包体に対する接触強度を向上できて、接触不良の発生等を防止することができる。さらにインナーフィンにおける立ち上がり壁が、外包体の厚さ方向に対し平行に配置されるため、外包体を厚さ方向に圧縮するような応力に対し十分な耐圧性を備えている。このため例えば熱交換器と熱交換対象部材とを交互に複数積層させて配置するような場合、積層方向への圧縮応力に対しても不用意に変形するのを防止でき、十分な熱交換性能を得ることができる。
発明[5]の熱交換器によれば、出入口部材を設置するだけで簡単に、出入口部分の構造を形成でき、組立作業を効率良くスムーズに行うことができる。
発明[6]の熱交換器によれば、熱交換媒体が入口から出口に直接導かれる有害なショートカットを防止でき、熱交換媒体をインナーフィン設置部に確実に流通できるようになり、高い熱交換性能を確実に得ることができる。
発明[7]の熱交換器によれば、熱交換媒体をインナーフィン設置部の全域にわたって均等に流通させることができ、より一層熱交換性能を向上させることができる。
発明[8]の熱交換器によれば、上記の効果をより一層確実に得ることができる。
図1はこの発明の実施形態である熱交換器を示す斜視図である。 図2は実施形態の熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB-B線断面に相当する側面断面図、図(c)は図(a)のC-C線断面に相当する正面断面図である。 図3は実施形態の熱交換器を分解して示す斜視図である。 図4は実施形態の熱交換器に適用された外包体およびインナーフィンを説明するための正面断面図である。 図5は実施形態のインナーフィンを説明するための正面断面図である。 図6はこの発明の第1変形例である熱交換器の構成を説明するための模式平面図である。 図7Aはこの発明の第2変形例である熱交換器の構成を説明するための模式平面図である。 図7Bはこの発明の第3変形例である熱交換器の構成を説明するための模式平面図である。 図7Cはこの発明の第4変形例である熱交換器の構成を説明するための模式平面図である。 図8はこの発明の熱交換器に適用可能な他の例のインナーフィンを示す斜視図である。 図9はこの発明の第5変形例である熱交換器の構成を模式化して示す正面断面図であって。図2のC-C線断面図に相当する断面図である。
図1~図3はこの発明の実施形態である熱交換器を示す図である。以下の説明においては発明の理解を容易にするため、図2(a)の左右方向を「前後方向(縦方向)」とし、図2(a)の上下方向を「左右方向(横方向)」として説明し、さらに図2(b)の上下方向を「上下方向(厚さ方向)」として説明する。
図1~図3に示すように、本実施形態の熱交換器は、伝熱パネルや伝熱チューブ等として用いられるものであり、ケーシング(容器)としての外包体1と、外包体1の内部に収容されるインナーフィン(内芯材)2と、外包体1の前端部内に収容される出入口部材3とを備えている。
外包体1は、平面視矩形状のトレイ部材10と、平面視矩形状のカバー部材15とによって構成されている。
トレイ部材10は、外包ラミネート材L1の成形品によって構成されており、外周縁部を除く中間領域全域が下方に深絞り成形や、押出成型等の冷間成形の手法を用いて凹陥形成されて、平面視矩形状の凹陥部11が形成されるとともに、凹陥部11の開口縁部外周に外方に突出するフランジ部12が一体に形成されている。
本実施形態においては、凹陥部11における前後方向の端縁部が、横方向にそれぞれ延びる前辺部11aおよび後辺部11bとして構成されるとともに、左右方向の両側縁部が、縦方向にそれぞれ延びる両側辺部11c,11cとして構成されている。
またカバー部材15は、トレイ部材10における凹陥部11の前辺部11aに対応して一対の出入口16,16が横方向に並んで形成されている。言うまでもなく本実施形態においては、一対の出入口16のうち、一方の出入口16が入口として構成され、他方の出入口16が出口として構成されている。
トレイ部材10およびカバー部材15は、柔軟性および可撓性を有するラミネートシートである外包ラミネート材L1によって構成されている。
図4に示すように外包ラミネート材L1は、金属(金属箔)製の伝熱層51と、その伝熱層51の一面(内面)に接着剤を介して積層された熱融着性の樹脂フィルムないし熱融着性の樹脂シート製の熱融着層52と、伝熱層51の他面(外面)に接着剤を介して積層された耐熱性の樹脂フィルムないし耐熱性の樹脂シート製の保護層53とを備えている。なお本実施形態において、「箔」という用語は、フィルム、薄板、シートも含む意味で用いられている。
外包ラミネート材L1における伝熱層51としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニッケルメッキ加工した銅箔、ニッケルと銅箔からなるクラッドメタル等を好適に用いることができる。なお本実施形態において、「銅」「アルミニウム」「ニッケル」「チタン」という用語は、それらの合金も含む意味で用いられている。
伝熱層51は、集熱層とも称されるものであり、厚みが8μm~300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは100μm以下のものを用いるのが良い。
また伝熱層51は、化成処理等の表面処理を施しておくことにより、伝熱層51の腐食防止や、樹脂との接着性の向上など、より一層耐久性を向上させることができる。
化成処理は、例えば次のような処理を施す。即ち、脱脂処理を行った金属箔の表面に、下記の1)~3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施す。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
上記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m~50mg/mに設定するのが好ましく、特に2mg/m~20mg/mに設定するのがより一層好ましい。
熱融着層52としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。中でも特に、無延伸ポリプロピレン(CPP)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)によって構成されるフィルムないしシートを用いるのが好ましい。
なお、熱融着層52としては、厚みが20μm~5000μmのものを用いるのが良く、より好ましくは30μm~80μmのものを用いるのが良い。
また保護層53としては、耐熱性樹脂であるポリエステル樹脂(PET)、ポリアミド樹脂(ONY)等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
さらに保護層53としては、厚みが6μm~100μmのものを用いるのが良い。
また外包ラミネート材L1を構成する伝熱層51、熱融着層52および保護層53の各間を接着するための接着剤としては、厚みが1μm~5μmのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。
なお本実施形態においては、外包体1を構成するラミネート材L1として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。例えば保護層と伝熱層との間に他の層を介在させたり、伝熱層と熱融着層との間に他の層を介在したりして、4層以上の構造のシートを採用するようにしても良い。
以上の構成の外包ラミネート材L1によって、外包体1のトレイ部材10およびカバー部材15が構成されている。そして後に詳述するようにカバー部材15がトレイ部材10にその凹陥部11の開口を閉塞するように取り付けられることによって、外包体1が形成されるものである。
図1~図4に示すように外包体1の中空部(凹陥部)11内に収容されるインナーフィン2は、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートである内芯ラミネート材L2によって構成されている。
図4に示すように内芯ラミネート材L2は、金属箔製の伝熱層61と、伝熱層61の両面に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の熱融着層62,62とを備えている。
内芯ラミネート材L2における伝熱層61としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニッケルメッキ加工した銅箔、ニッケルと銅箔からなるクラッドメタル等を好適に用いることができる。
伝熱層61は、厚みが8μm~300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは100μm以下のものを用いるのが良い。
熱融着層62としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。中でも特に、無延伸ポリプロピレン(CPP)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)によって構成されるフィルムないしシートを用いるのが好ましい。
熱融着層62としては、厚みが20μm~5000μmのものを用いるのが良く、より好ましくは30μm~80μmのものを用いるのが良い。
また内芯ラミネート材L2を構成する伝熱層61および熱融着層62の各間を接着するための接着剤としては、上記外包ラミネート材L1と同様、厚みが1μm~5μmのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。
なお本実施形態においては、インナーフィン2を構成するラミネート材L2として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。例えば熱融着層と伝熱層との間に他の層を介在させることによって、4層以上の構造のシートを採用するようにしても良い。
またインナーフィン2の加工方法は、切削加工、射出成型、シート成形(真空成形、圧空成形等)の他、コルゲート加工やエンボス加工を用いることができる。なお言うまでもなく、インナーフィン2の加工方法は限定されるものではない。
図2~図5に示すようにインナーフィン2は、凹部25および凸部26が交互に連続して形成された波形に形成されており、凹部底面(底壁)および凸部頂面(頂壁)が平坦に形成され、かつ隣り合う凹部底壁および凸部頂壁間の立ち上がり壁が垂直に形成された角波形状(矩形波形状)、いわゆるデジタル信号波形に形成されている。さらにインナーフィン2は、隣り合う凹部25,25(または隣り合う凸部26,26)において一方の凹部25(一方の凸部26)の中心線から他方の凹部25(他方の凸部26)の中心線までの間隔をフィンピッチPfとし、隣り合う凹凸部25,26において、凹部25の中心線から凸部26の中心線までの間隔をハーフピッチ(Pf/2)としている。そして、フィンピッチPfおよびハーフピッチPf/2が、等ピッチで配置されている。換言すると、凹部底壁の幅寸法(図5の紙面に向かって左右方向の幅寸法)W11と、凸部頂壁の幅方向W12の寸法とが等しく設定されている。
本実施形態においては、ハーフピッチPf/2を1mm~5mmに設定するのが良い。すなわちハーフピッチPf/2が狭過ぎると、加工が困難になるとともに、熱交換媒体の圧力損失も大きくなり、好ましくない。逆にハーフピッチPf/2が広過ぎると、外圧によって変形し易くなり、耐圧性の低下を招くおそれがあり、好ましくない。
また本実施形態において、インナーフィン2のフィン高さHfを0.1mm~50mmに設定するのが好ましい。
また、フィン厚みTfについては、0.5mm~2mmに設定するのが良い。すなわちフィン厚みTfが薄過ぎると外圧に対する強度が低下し、厚過ぎると熱伝達や熱媒体の流量に悪影響を与えるおそれがあるからである。
またインナーフィン2は、フィンピッチPf方向が外包体1の前後方向に沿うように形成されており、換言すれば、インナーフィン2は、その山筋方向および谷筋方向が外包体1の横方向(図2(a)の上下方向)に一致するように配置される。
このインナーフィン2が、トレイ部材10の凹陥部11内に収容される。この場合、インナーフィン2は、トレイ部材10の凹陥部11における前端部を除いた領域に収容されるとともに、インナーフィン2の左右両側端縁と、トレイ部材10の凹陥部11における両側辺部11cとの間に、左右一対の流出入路17,17としての隙間が形成されている。
またインナーフィン2は、既述した通り、その山筋方向および谷筋方向がトレイ部材10の左右方向(横方向)に一致するように配置される。これにより、インナーフィン2の山筋部および谷筋部によって形成されるトンネル部および溝部としての中間流路18が、凹陥部11の左右方向(横方向)に沿うように配置される。この中間流路18は、トレイ部材10の縦方向(前後方向)に並んで並設されており、熱交換媒体(熱媒体)が各中間流路18を通って均等に分散しながら外包体1の一側辺部11cから他側辺部11cに向けてスムーズに流通できるように構成されている。
なお言うまでもなく、本実施形態においては、一対の流出入路17,17のうち、一方の流出入路17が流入路として構成されるとともに、他方の流出入路17が流出路として構成されている。
一方図2および図3に示すように、外包体1の前端部に配置される出入口部材3は、合成樹脂の成形品によって構成されている。
出入口部材3を構成する樹脂としては、上記外包体1およびインナーフィン2の熱融着層52,62を構成する樹脂と同種の樹脂を用いるのが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等を好適に用いることができる。
出入口部材3は、一側面に開口部32を有する箱状の取付箱部31と、取付箱部31の上壁に設けられた一対のパイプ部33、33とを備えている。パイプ部33は取付箱部31内に連通しており、パイプ部33,33の内部と取付箱部31の内部との間で熱交換媒体が往来できるように構成されている。
さらに出入口部材3の取付箱部31の内部には、一方のパイプ部33に対応する部分と、他方のパイプ部33に対応する部分とが、仕切壁35によって仕切られて、一対の上下流室34,34が形成されている。なお本実施形態においては、一対の上下流室34,34のうち、一方の上下流室34が上流室として構成されるとともに、他方の上下流室34が下流室として構成されている。
この出入口部材3の取付箱部31がトレイ部材10の凹陥部11におけるインナーフィン2の前側に配置される。さらに取付部材3のパイプ部33,33が上向きに配置されるとともに、取付箱部31の開口部32が内側、つまりインナーフィン2に対向して配置される。この場合、出入口部材3における一方の上下流室34が、開口部32を介して一方の流出入路(流入路)17に対応して配置されるとともに、他方の上下流室34が、開口部32を介して他方の流出入路(流出路)17に対応して配置される。
こうして出入口部材3をトレイ部材10内に収容して、カバー部材15をトレイ部材10にその開口部を閉塞するように配置する。この場合、カバー部材15の出入口16内に、取付部材3の上向きのパイプ部33,33を挿通配置する。
そしてこの熱交換器仮組品を加熱することによって、接触し合う部材同士を熱融着して接合一体化する。
まず、外包体1におけるトレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との重ね合わせ部分を、上下一対の加熱シール型によって挟み込みながら加熱する(外包体融着工程)。これにより、トレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との熱融着層52同士を熱融着(熱接着)して、外包体1の中空部を気密ないし液密状態に封止する。
さらに外周縁部を熱溶着した外包体1の中間領域(下壁および上壁)を上下一対の加熱板によって挟み込みながら加熱する。これにより、インナーフィン2の山頂部および谷底部の熱融着層62と、トレイ部材10の底壁およびカバー部材15の中間領域(上壁)の熱融着層52とを熱接着(熱融着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する(フィン融着工程)。さらにこのフィン融着工程においては、出入口部材3の取付箱部31の外周面と、それに対応するトレイ部材10およびカバー部材15の熱融着層52とを熱融着(熱接着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する。
こうして組み付けられた熱交換器は、外包体1における両端部の上壁(カバー部材15)から出入口部材3のパイプ部33,33が上方に突出するように配置されている。
ここでインナーフィン2および取付部材3と、外包体1との熱融着部を同種の樹脂によって構成している場合には、両者を十分な取付強度で確実に固着することができる。
なお本実施形態において、熱融着処理(加熱処理)を減圧下で行うことで、トレイ部材10とカバー部材15との間、トレイ部材10およびカバー部材15とそれらと接触しているインナーフィン2および取付部材3との間の熱接着を強く行うことができる。従って熱融着処理を減圧下で行うのが好ましい。
本実施形態において、熱融着処理時の加熱温度(溶着温度)は、140℃~250℃に設定するのが良く、より好ましくは160℃~200℃に設定するのが良い。さらに熱融着時の圧力(溶着圧力)は、0.1MPa~0.5MPaに設定するのが良く、より好ましくは0.15MPa~0.4MPaに設定するのが良い。さらに融着時間(溶着時間)は、2秒~10秒に設定するのが良く、より好ましくは3秒~7秒に設定するのが良い。
また本実施形態においては、トレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部とを熱融着する外包体融着工程と、インナーフィン2および出入口部材3と外包体1とを熱融着するフィン融着工程とを別々の熱処理で行うようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、外包体融着工程と、フィン融着工程とを同じ熱処理で行うようにしても良い。
また本実施形態では、融着工程特に、フィン融着工程においては、外包体1の下壁および上壁を挟み込む一対の加熱板における外包体1との接触面に、伝熱性ゴム層を配置しておくことによって、外包体1の下壁および上壁と、インナーフィン2の凹部底面および凸部頂面とを確実に接触させることができ、高精度で熱融着処理を行うことができる。
以上の構成の熱交換器は、電池等を冷却対象部材(熱交換対象部材)として冷却する冷却器(冷却装置)として用いられる。すなわち熱交換器の一方のパイプ部33に、熱交換媒体(冷媒)としての冷却液(冷却水、不凍液等)を流入するための流入管が連結されるとともに、他方のパイプ部33に、冷却液を流出するための流出管が連結される。さらに熱交換器の外包体1における下壁および/または上壁に冷却対象部材としての電池を接触させた状態に配置する。そしてその状態で一方のパイプ部33から冷却液を外包体1内における出入口部材3の一方の上下流室(上流室)34に流入させ、その冷却液を一方の流出入路(流入路)17に流入させる。さらに一方の流出入路17に導入された冷却液をインナーフィン2によって構成される中間流路18に通過させて、他方の流出入路(流出路)17に流入させる。さらに他方の流出入路17から出入口部材3の他方の上下流室(下流室)34に開口部32を介して流入させて、そこから他方のパイプ部33を介して流出させる。こうして冷却液を外包体1に循環させることにより、その冷却液と電池との間でインナーフィン2および外包体1の上下壁を介して熱交換されて、電池が冷却されるものである。
なお本実施形態の熱交換器においては、例えば図6に示すように、外包体1内における出入口部材3とインナーフィン2との間に隙間が形成されているような場合には、出入口部材3の一方の上下流室(上流室)34から一方の流出入路(流入路)17に流入しようとする冷却液が、当該隙間を通って、他方の上下流室(下流室)34に直接流入して、いわゆるショートカットが発生して、熱交換性能が低下するおそれがある。そこで同図に示すように、上記の隙間がある場合には、出入口部材3の仕切壁35とインナーフィン2との間に上記隙間を2分するように邪魔板36を形成することにより、有害なショートカットを防止できて、冷却液を一方の流出入路17、中間流路18および他方の流出入路17に確実に流通させることができ、高い熱交換効率を維持することができる。
本実施形態の熱交換器において、その使用形態は特に限定されるものではなく、1つだけで使用することもできるし、2つ以上で使用することもできる。1つでの使用は、既述した通り、熱交換器の上下面に熱交換対象部材を接触させて使用するものである。2つで使用する場合には、例えば2つの熱交換器によって熱交換対象部材を挟み込むように配置して使用することができる。さらに2つ以上で使用する場合、熱交換器と熱交換対象部材とを交互に重ね合わせるように配置して使用することもできる。
以上のように本実施形態の熱交換器によれば、縦方向(長さ方向)の一端側に一対の出入口(出口および入口)16,16がまとめて配置されているため、出入口16に連結される外部配管を一端側に集約でき、配管接続作業等を効率良くスムーズに行うことができる。さらに外部配管が片側に集約されているため、電池等の熱交換対処部材の配置(レイアウト)の自由度を高くすることができ、汎用性を向上させることができる。
さらに外包ラミネート材L1による外包体1の内部に熱交換媒体(冷却液)が流通する構造であるため、熱交換媒体が漏れ出す可能性も低く、高い信頼性を得ることができる。
また本実施形態の熱交換器によれば、熱交換媒体が熱交換器(凹陥部11)の一側辺部11cから他側辺部11cにかけて流通するように、インナーフィン2をその谷筋方向および山筋方向を横方向に沿って配置しているため、例えばインナーフィンをその谷筋方向および山筋方向を前後方向に沿って配置するような熱交換器と比較して、構造の簡素化を図ることができる。すなわち仮に、出口および入口を熱交換器の前端部に配置しつつ、インナーフィンをその谷筋方向および山筋方向(流路方向)を前後方向に配置した場合、入口から前端部に流入した熱交換媒体を、後端部に導いてそこでUターンさせて、前端部まで戻してから、出口から流出させることになるが、この構成の熱交換器では、流路を後方へ向かう往き流路と前方へ向かう戻り流路に仕切るための構造や、Uターン部等の構造が複雑となり、構造の複雑化を来すおそれがある。
そこで本実施形態のように、インナーフィン2をその中間流路18の方向を左右方向(横方向)に向けて配置することにより、流路を往き流路や戻り流路に仕切る構成や、Uターン部を形成する構成が必要なくその分、構造の簡素化(シンプル化)を図ることができ、コストを削減しつつ、製造を容易に行うことができる。
さらにインナーフィンによる流路を前後方向に沿うように配置した熱交換器においては、入口近傍の流路に熱交換媒体が集中して流入し、熱交換媒体を横方向にスムーズに分散させることができず、熱交換媒体の流れに偏りが生じて、熱交換性能を低下させるおそれがある。
これに対し、インナーフィン2による中間流路18を横方向に沿って配置する本実施形態の熱交換器においては、一方の流出入路(入流路17)から各中間流路18に均等に分散して流入するため、熱交換媒体の流れに偏りが生じにくく、熱交換媒体をインナーフィン全域に均等に流通させることができ、熱交換性能をより一層向上させることができる。
また本実施形態の熱交換器においては、凹陥部11内におけるインナーフィン2の両側部と両側辺部11cとの間に隙間を形成してその隙間を流出入路17として利用しているため、流出入路17の形成用に別途、流路部材等を設ける必要がなく、その分、部品点数を削減できて、より一層、構造の簡素化を図ることができる。
また本実施形態の熱交換器においては、インナーフィン2を角波形状に形成しているため、外包体1との接触面積を十分に確保でき、外包体1の外面に接触する冷却対象部材との間の熱交換効率を向上させることができ、高い熱交換性能を得ることができる。さらにインナーフィン2と外包体1との接着面積を大きく確保できるため、インナーフィン2の外包体1に対する取付強度を向上でき、接触不良の発生等を確実に防止することができる。
さらにインナーフィン2を角波形状に形成しているため、凹部底壁と凸部頂壁との間の立ち上がり壁が、外包体1の上下壁に対し直交した状態で多数配置される。このためインナーフィン2が補強部材としての機能を十分に発揮でき、内圧および外圧のいずれの圧力に対しても高い強度を確保でき、動作信頼性をより一層向上させることができる。特に熱交換器を複数重ね合わせて使用するような場合には、十分な耐圧性を確保でき、安定した形態を確実に維持でき、高い熱交換性能を確実に得ることができる。その上さらに、十分な耐圧性を確保できるため、補強部材を別途設ける必要がなく、その分、部品点数を省略できて、構造の簡素化およびコストの削減を図ることができる。
また本実施形態の熱交換器によれば、構成部材としてのトレイ部材10、カバー部材15、インナーフィン2および出入口部材3が合成樹脂を基に製作されているため、各構成部材を適宜熱融着するだけで簡単に製作することができる。このため本実施形態の熱交換器は、ろう付け接合等の難易度が高くて面倒な接合加工によって製作する従来の金属製の熱交換器に比べて、コストの削減および生産性の向上を図ることができる。
さらに本実施形態の熱交換器は、金属の塑性加工や切削加工等の面倒かつ制約のある金属加工を用いる場合と異なり、より一層生産効率の向上およびコストの削減を図ることができる。
また本実施形態の熱交換器は、薄型のラミネートシート(ラミネート材)L1からなるトレイ部材10およびカバー部材15を貼り合わせて形成するものであるため、十分な薄肉化および軽量化を確実に図ることができる。
さらに本実施形態の熱交換器は、外包体1がラミネート材L1であるため、熱交換器自体の形状や大きさを簡単に変更できるとともに、既述した通り、厚みや強度、熱交換性能等も簡単に変更できるので、熱交換器取付位置等に合わせて適切な構成に簡単に仕上げることができ、設計の自由度が増し、汎用性も向上させることができる。
なお上記実施形態においては、一対の流出入路17の幅(流路断面)が前後方向のいずれの位置においても一定に形成する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、流出入路17の前後方向の位置によって幅が異なるように形成することも可能である。例えば図7Aに示すようにインナーフィン2の横方向の寸法(幅)が前方から後方に向かうに従って細くなるように形成することによって、インナーフィン2の両側に形成される一対の流出流路17の幅を、例えば同図紙面に向かって上側の一方の流出入路(流入路)17と、下側の他方の流出入路(流出路)17とを、後方に向かうに従って広くなるように形成するようにしても良いし、図7Bに示すように、一方の流出入路17を後方に向かうに従って広くなるように形成し、他方の流出入路17を後方に向かうに従って狭くなるように形成しても良いし、図7Cに示すように、一対の流出入路17,17が後方に向かって共に狭くなるように形成しても良い。中でも特に、図7Aに示すように、一対の流出入路17,17が後方に向かうに従って狭くなるような構成を採用するのが好ましい。すなわち出入口部材3から一方の流出入路(流入路)17に流入した熱交換媒体は、上流側(前方側)から下流側(後方側)に向かうに従って、中間流路17への流入量が減少する傾向にある。このため一方の流出入路17の上流側を狭くし、下流側を広くするように流路幅(流路断面)を次第に小さく形成することによって、上流側から下流側の全域において、熱交換媒体の中間流路17への流入量を均等に調整することができる。従って熱交換媒体をインナーフィン2の全域にわたって偏りなく流通させることができるため、熱交換性能をより一層向上させることができる。
なお本実施形態において、図7Aに示すように、インナーフィン2の両側縁を斜めに形成する場合には、傾斜角度θ2を1°~20°に設定するのが良く、より好ましくは2°~5°に設定するのが良い。
また上記実施形態においては、インナーフィン2として、角波形状のものを採用する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては図8に示すようにインナーフィン2として、円弧状の凹部25および凸部26が交互に連続して形成された一般的な波形状(正弦波形状)、いわゆるアナログ信号波形に形成されたものを採用するようにしても良い。
また本実施形態では、外包体1の凹陥部11内におけるインナーフィン2の両側に流出入路17を形成するようにしているため、凹陥部11内においてインナーフィン2を横方向の中間位置に配置する必要がある。インナーフィン2を凹陥部11内の幅方向中間位置に配置するための手法としては、トレイ部材10、カバー部材15、インナーフィン2および出入口部材3を仮組する前に、インナーフィン2を凹陥部11の底面にスポット溶着等によって仮止めして位置決めしておき、その状態で、仮組して熱融着処理を行うことによって、インナーフィン2を外包体1内の正確な位置に取り付けることができる。
さらに図6に示すようにインナーフィン2の両側端面と凹陥部11の両側壁内面との間にスペーサ20を介在させておくことによって、インナーフィン2を外包体1内の正確な位置に取り付けることができる。
また図9に示すようにトレイ部材10における凹陥部11の底壁と両側壁との間のコーナー部の角度θ1が鈍角となるように設定しておき、その鈍角のコーナー部にインナーフィン2の下端コーナー部を設置することによって、凹陥部11の両側壁とインナーフィン2との間に上方に向かうに従って広くなるような断面三角形状の流出入路17を形成するようにしても良い。なおこの鈍角の角度θ1は、95°~150°に設定するのが良い。
<実施例1>
外包ラミネート材:PET12/接着剤/AL120/接着剤/CPP30
内芯ラミネート材:CPP30/接着剤/AL120/接着剤/CPP30
外包ラミネート材L1として、厚さ120μmのAl箔からなる伝熱層51と、その伝熱層51の内面側に接着剤を介して積層され、かつ厚さ30μmのCPPフィルムからなる熱融着層52と、伝熱層51の外面側に接着剤を介して積層され、かつ厚さ12μmのPETフィルムからなる保護層53とを備えたものを準備した。なお接着剤としては、ポリエステルポリウレタン系2液硬化型の接着剤を使用した。
内芯ラミネート材L2として、厚さ120μmのAl箔からなる伝熱層61と、その伝熱層61の両面側に接着剤を介して積層され、かつ厚さ30μmのCPPフィルムからなる熱融着層62とを備えたものを準備した。なお接着剤としては、ポリエステルポリウレタン系2液硬化型の接着剤を使用した。
上記外包ラミネート材L1を用いて、図1~図3に示す第1実施形態に対応するトレイ部材10およびカバー部材15を作製した。すなわち上記実施例および比較例の各外包ラミネート材L1に対し深絞り成形を行って、深さ4mm、底面の幅80mm、開口面の幅81.4mm、長さ160mm、コーナー角度10°(図9に示すトレイ部材10の側壁の開き角度θ1が100°)である凹陥部11を有し、凹陥部11の開口縁部全周に幅10mmのフランジ部12が形成されたトレイ部材10を作製した。
上記各外包ラミネート材L1を長さ180mm×幅100mmにカットしてカバー部材15を作製した。さらにカバー部材15の前端部(縦方向の端部)に横方向に並んで直径φ13mmの孔を2つ形成して出入口16とした。
さらに上記内芯ラミネート材L2を用いて、図2~図5に示す第1実施形態のインナーフィン2を作製した。すなわち内芯ラミネート材L2に対しエンボスロール加工を行って、ハーフピッチPf/2が4mm、凹部底面の幅W11および凸部頂面の幅W12が4mm、フィン厚みTf1mm、フィン高さ4mmの角波状のインナーフィン2を作製した。
さらにこのインナーフィン2を流れ方向(山筋方向および谷筋方向)である横方向に76mm、ピッチ方向(波寄方向)である縦方向に140mmに裁断した。さらに図7Aに示すように縦方向の一端(前端)を頂点として、両側縁を傾斜角度θ2が3°で傾斜が付くようにトリミング処理を行い、一端(前端)から他端(後端)にかけて幅が次第に細くなるような台形状のインナーフィン2を作製した。
また図2および図3に示すように、ランダムPP(JIS K7210における230℃でのMFRが15g/10min.)を材料として射出成型を行い、出入口部材3を作製した。この出入口部材3は、取付箱部31の長さ80mm、横20mm、板厚2mm、パイプ部33の内径φ8mm、外径φ11mm、長さ5mmである。なお取付箱部31内には、両側の上下流室34,34を仕切る仕切壁35が設けられている。
続いて、上記トレイ部材10の凹陥部11における一端部(前端部)に出入口部材3を、一対のパイプ部33が上方に向くようにして収容した。さらに凹陥部11内における出入口部材3の後側にインナーフィン2を、その中間流路18(山筋方向および谷筋方向)が横方向に向くように配置した。この際、インナーフィン2の両側に、凹陥部11の両側辺部との間に均等に隙間(流出入路17,17)が形成されるように配置した。
次にトレイ部材10の凹陥部11を上から閉塞するように上記カバー部材15を配置した。この際カバー部材15の出入口16,16に、出入口部材3のパイプ部33,33を挿通してカバー部材15の上方に突出させた。
こうして非接合状態の熱交換器仮組品を作製し、その仮組品に対し仮組品の形状に適合する上下のシール金型で、温度200℃、圧力0.3MPa、時間3秒の熱融着条件で熱融着処理を行い、各部品間の接合部を熱接着(熱融着)し、その後、成形外周部のシール幅(フランジ部幅)を全周5mmとしてトリミングをすることにより、実施例1の熱交換器を作製した。
<実施例2>
図6に示すように出入口部材3として、仕切壁35に後方(インナーフィン2側)に突出するような縦10mm×横5mmの邪魔板36を一体形成したものを準備した。さらにインナーフィン2の前端における邪魔板36に対応する部分に、縦10mm×横5mmの切欠部を形成したものを準備した。
さらにトレイ部材10にインナーフィン2および出入口部材3を収容する際に、出入口部材3の邪魔板36をインナーフィン2の切欠部に挿入配置した。これ以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2の熱交換器を作製した。
<冷却性能の試験>
60℃に設定したホットプレート上に実施例1,2の熱交換器をパイプ部33が上方に向くように水平に設置した。
その状態で実施例1,2の各熱交換器における入口側となる一方のパイプ部33から、冷却液として水温23℃の水道水を流速0.2L/minで流入し、冷却液を既述した通り、一方の上下流室(上流室)34,一方の流出入路(流入路)17、インナーフィン2の中間流路18、他方の流出入路(流出路)17、他方の上下流室(下流室)34および出口側の他方のパイプ部33から流出させることにより、熱交換器内に冷却液を循環させた。
そして、実施例1,2の各熱交換器において、出入口部材3から10mm(出入口部材3の近傍)、70mm(熱交換器のほぼ中央)、140mm(出入口部材3から最遠部)の表面温度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0007353164000001
表1から明らかなように、実施例1の熱交換器においては、出入口部材3の近傍と最遠部とでは、温度変化を10℃以内に抑えることができ、特に実施例2の熱交換器においては、場所による表面温度の変化はほとんど認められなかった。従って実施例1,2の熱交換器においては、熱交換器全域において均等に冷却液が流通し、偏りなく安定した熱交換性能(冷却性能)を得ることができる。
この発明の熱交換器は、スマートフォンやパーソナルコンピュータのCPU回り、電池回りの発熱対策、液晶テレビ、有機ELテレビ、プラズマテレビのディスプレイ回りの発熱対策、自動車のパワーモジュール回り、電池回りの発熱対策に用いられる冷却器(冷却装置)の他、床暖房、除雪に用いられる加熱器(加熱装置)として利用することができる。
1:外包体
10:トレイ部材
11:凹陥部
11a:前辺部
11b:後辺部
11c:側辺部
15:カバー部材
16:出入口(入口、出口)
17:流出入路(流入路、流出路)
2:インナーフィン
25:凹部
26:凸部
3:出入口部材
34:上下流室(上流室、下流室)
35:仕切壁
36:邪魔板
51:伝熱層
52:熱融着層
61:伝熱層
62:熱融着層
L1:外包ラミネート材
L2:内芯ラミネート材

Claims (6)

  1. 縦方向両端縁部を前後辺部とし、かつ横方向両端縁部を両側辺部とする外包体と、前記外包体の内部に設けられ、かつ凹凸部を有するインナーフィンと、前記外包体の内部に対し熱交換媒体を流出入するための入口および出口とを備えた熱交換器であって、
    前記外包体が、金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側に樹脂製の熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
    前記入口および前記出口が、前記外包体における前辺部近傍に横方向に並んで配置され、
    前記入口から前記外包体に流入した熱交換媒体がインナーフィン設置部を通って前記出口から流出するように構成され
    前記外包体内における両側辺部と前記インナーフィンの両側縁部との間に流入路および流出路が設けられ、
    前記インナーフィンは、凹部および凸部が交互に連続して設けられた波状に形成されるとともに、前記インナーフィンがその山筋方向および谷筋方向が横方向に沿うように配置され、
    前記入口から流入した熱交換媒体が、前記流入路、前記インナーフィン設置部および前記流出路を通って前記出口から流出されるように構成され、
    前記外包体内に、前記入口および前記出口に対応して箱状の出入口部材が設けられ、
    前記出入口部材は、前記入口から流入した熱交換媒体を前記流入路に供給する上流室と、前記流出路から供給された熱交換媒体を前記出口から流出させる下流室と、熱交換媒体が前記上流室側から前記下流室側に流通するのを制限するための仕切壁とを備えていることを特徴とする熱交換器。
  2. 縦方向両端縁部を前後辺部とし、かつ横方向両端縁部を両側辺部とする外包体と、前記外包体の内部に設けられ、かつ凹凸部を有するインナーフィンと、前記外包体の内部に対し熱交換媒体を流出入するための入口および出口とを備えた熱交換器であって、
    前記外包体が、金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側に樹脂製の熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
    前記入口および前記出口が、前記外包体における前辺部近傍に横方向に並んで配置され、
    前記入口から前記外包体に流入した熱交換媒体がインナーフィン設置部を通って前記出口から流出するように構成され
    前記外包体内における両側辺部と前記インナーフィンの両側縁部との間に流入路および流出路が設けられ、
    前記インナーフィンは、凹部および凸部が交互に連続して設けられた波状に形成されるとともに、前記インナーフィンがその山筋方向および谷筋方向が横方向に沿うように配置され、
    前記入口から流入した熱交換媒体が、前記流入路、前記インナーフィン設置部および前記流出路を通って前記出口から流出されるように構成され、
    前記外包体内における両側辺部と前記インナーフィンの両側縁部との間に隙間がそれぞれ設けられ、その両側の隙間によって前記流入路および前記流出路が形成され、
    前記外包体内に、前記入口および前記出口に対応して箱状の出入口部材が設けられ、
    前記出入口部材は、前記入口から流入した熱交換媒体を前記流入路に供給する上流室と、前記流出路から供給された熱交換媒体を前記出口から流出させる下流室と、熱交換媒体が前記上流室側から前記下流室側に流通するのを制限するための仕切壁とを備えていることを特徴とする熱交換器。
  3. 前記インナーフィンは、凹部底面および凸部頂面が平坦な角波形状に形成されている請求項またはに記載の熱交換器。
  4. 前記出入口部材および前記インナーフィン間に隙間が設けられ、その隙間に、熱交換媒体が前記流入路側から前記流出路側に流通するのを制限するための邪魔板が設けられている請求項1~3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記インナーフィンは、後方に向かうに従って横方向の寸法が次第に小さくなるよう形成されることによって、前記流入路および前記流出路の流路断面が前辺部から後方に向かうに従って次第に大きくなるように形成されている請求項1~4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記外包体は、中間領域に前記インナーフィンを収容するための凹陥部が形成されたトレイ部材と、前記トレイ部材の凹陥部を閉塞するように配置されるカバー部材とによって構成されている請求項1~のいずれか1項に記載の熱交換器。
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