JP7352596B2 - カテキン抱合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はカテキン抱合体の製造方法及びその製造中間体に関する。
茶葉に含まれるカテキン類は、コレステロール上昇抑制作用、体脂肪燃焼作用等、様々な優れた生理活性機能を有することが知られている。
体内に吸収されたカテキン類は、遊離の状態の他、グルクロン酸抱合体、硫酸抱合体、メチル抱合体等の抱合体として存在することが知られている。したがって、斯かる抱合体の体内動態や生物学的活性を検証することはカテキン類の有用性を探る上でも重要である。しかしながら、斯かる代謝物を血液や尿等の体液から直接単離することによっては当該化合物を十分な量で得ることは困難であり、それらを化学的に合成することが求められる。
カテキン又はエピカテキンの抱合体を化学的に合成する手法としては、カテキン類を過剰量の抱合試薬で非選択的に処理し、得られた生成物を分離する方法の他、安価なバルク出発材料を使用し、カップリングによってカテキン骨格を構築する全合成法(例えば、非特許文献1、特許文献1)や、カテキン又はエピカテキンを出発原料としてフェノール基水酸基を選択的に保護し、特定部位を抱合化する半合成法が存在する。全合成法では合成工程数が長いことに加え、不斉中心の構築も必要になるという課題があり、半合成法では水酸基の選択的保護及び脱保護が課題になる。
例えば、非特許文献2には、下記式で示されるように、カテキンの水酸基をジ-tert-ブチルジクロロシランで保護することによりカテキンのメチル抱合体を製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法では反応で得られた3′置換体及び4′置換体の混合物としてその後の合成も行っており、分離性に欠けることが課題と考えられる。
Figure 0007352596000001
Tetrahedron Letters 2012, 53, 1501-1503 J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2002, 821-830
特表2014-522870号公報
本発明は、半合成法により、効率良くカテキン抱合体を製造する方法、及びその製造中間体を提供することに関する。
本発明者らは、カテキンやエピカテキンカテキン等のカテキン化合物からカテキン抱合体を化学合成すべく検討したところ、下記式(II)で示されるアリル化体を経由し、フェノール性水酸基をベンジル基(Bn)で保護した後、残余の水酸基をベンジルオキシカルボニル基(Cbz)で保護した後に、抱合反応に付す方法を用いることにより、カテキン化合物の3′位又は4′位(B環)の水酸基を効率よく抱合化できることを見出した。
Figure 0007352596000002
〔式中、R1a及びR2aはいずれか一方が水素原子で他方がアリル基を示し、R1b及びR2bはいずれか一方がベンジル基で他方がアリル基を示し、R1c及びR2cはいずれか一方がベンジル基で他方が水素原子を示し、R1d及びR2dはいずれか一方が水素原子で他方がメチル基、グルクロノシル基、グルコシル基又は-SOM(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアンモニウムを示す)を示す。また、R1b及びR2bはR1a及びR2aに、R1c及びR2cはR1b及びR2bに、R1d及びR2dはR1c及びR2cに、それぞれ対応する。〕
すなわち、本発明は、以下の1)~3)に係るものである。
1)上記式(I)で表されるカテキン化合物の3′位又は4′位の水酸基をアリル化して、アリル化カテキン化合物(II)とし、次いでフェノール性水酸基をベンジル化して、式(III)で表される化合物とし、次いで残余の水酸基をベンジルオキシカルボニル化する、式(IV)で表されるアリル化カテキン保護誘導体の製造方法。
2)1)の方法により得られた式(IV)で表されるアリル化カテキン保護誘導体のアリル基を脱離して式(V)で表されるカテキン保護誘導体とし、次いで、硫酸化、メチル化、グルクロン酸化及びグルコシル化から選ばれる抱合反応に付し、続いて保護基を脱離する、式(VI)で表されるカテキン抱合体の製造方法。
3)上記一般式(IV)で表されるアリル化カテキン保護誘導体又は一般式(V)で表されるカテキン保護誘導体。
本発明のカテキン抱合体及びその製造中間体を簡易に効率よく製造することができる。
以下に、本発明のカテキン抱合体の製造法について、各工程ごとに説明する。
本発明のカテキン抱合体の製造方法において、出発原料として用いられる下記式(I):
Figure 0007352596000003
で表される化合物には、フラバノールの2位及び3位の不斉炭素原子に関する立体異性体(鏡像異性体、ジアステレオ異性体)の全てが包含される。すなわち、式(I)で表される化合物には、(+)-カテキン(2R,3S)、(-)-カテキン(2S,3R)、(+)-エピカテキン(2S,3S)、(-)-エピカテキン(2R,3R)が包含され、本発明においてはこれらを纏めてカテキン化合物(I)と称する。
また、慣例に従い、フラバノール骨格の二つのベンゼン環をA環及びB環(カテコール部分)とし、両者を結ぶ3つの炭素原子と酸素原子から構成される環をC環と呼ぶ。
1.工程-1
Figure 0007352596000004
〔式中、R1a及びR2aはいずれか一方が水素原子で他方がアリル基を示す。〕
本工程は、カテキン化合物(I)の3´位又は4´位の水酸基をアリル化する工程である。
ここで用いられるアリル化試薬としては特に限定されないが、好ましくはハロゲン化アリルが挙げられる。ハロゲン化アリルとしては、好ましくは臭化アリル、塩化アリル、ヨウ化アリルが挙げられ、より好ましくは、臭化アリルである。
アリル化試薬としてハロゲン化アリルを用いた場合の使用量は、カテキン化合物(1)1モルに対して、ハロゲン化アリル化合物、5~50モル、好ましくは10~30モル、より好ましくは17~22モルである。
本反応に用いられる溶媒は、アリル化反応に悪影響を与えない溶媒であればよく、例えば塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性極性溶媒等;あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒が挙げられる。
アリル化反応は、通常アルカリ性条件下で行われる。アルカリ性試薬としては、例えばアルカリ金属水酸化物、炭酸アルカリ金属塩が挙げられ、好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを用いることができる。さらに好ましくは、水酸化カリウム、炭酸カリウムであり、より好ましくは炭酸カリウムである。
アルカリ性試薬の使用量は、カテキン化合物(I)1モルに対して、アルカリ試薬1~10モル、好ましくは3~5モルである。
アリル化反応は、活性化剤の存在下で行われてもよく、斯かる活性化剤としては、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ヨウ化物が挙げられる。
アリル化反応は、通常0~70℃で行うことができ、好ましくは、10~40℃、さらに好ましくは20~30℃である。
反応時間は、通常1~48時間が好ましく、より好ましくは18~24時間である。
得られたアリル化体(II)は、オクタデシルシリル化シリカゲル(ODS)等を充填したカラムを用いた分取HPLCにより、3´アリル化体と4´アリル化体を分離することができる。
2.工程-2
Figure 0007352596000005
〔式中、R1a及びR2aはいずれか一方が水素原子で他方がアリル基を示し、R1b及びR2bはいずれか一方がベンジル基で他方がアリル基を示し、R1b及びR2bはR1a及びR2aにそれぞれ対応する。〕
続いて、上記工程で得られたアリル化体(II)のフェノール性水酸基をベンジル化し、化合物(III)を得る。
ベンジル化は、公知の方法に従って又は準じて行うことができる。すなわち、アリル化体(II)を塩基の存在下でハロゲン化ベンジルと反応させることにより行うことができる。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、或いはこれらの混合溶媒等が挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられ、より好ましくはN,N-ジメチルホルムアミドである。
塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を使用できる。無機塩基としては、例えば、アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、炭酸アルカリ金属、アルカリ金属低級(C1-4)アルコキシド、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム等)等が挙げられる。有機塩基としては、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等)、ピリジン、キノリン、ピペリジン、イミダゾール、ピコリン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルモルホリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)等が挙げられる。また、これらの塩基が液状の場合、溶媒として兼用することができる。これらの塩基は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。好ましくはアルカリ金属水素化物であり、より好ましくは水素化ナトリウムである。
塩基の使用量は、アリル化体(II)1モルに対して、通常1~4.5モル、好ましくは2~4モル、さらに好ましくは2.9~3.1モルある。
ハロゲン化ベンジルとしては、例えば塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。これらの中でも、臭化ベンジルが好ましい。
ハロゲン化ベンジルの使用量は、アリル化体(II)1モルに対して、通常1~4.5モル、好ましくは2~4モル、さらに好ましくは2.5~3.5モル、さらに好ましくは3.1~3.3モルである。
反応温度は特に限定されず、通常、冷却下、室温下及び加熱下のいずれでも反応が行われる。好ましくは0~50℃、さらに好ましくは10~40℃、さらに好ましくは20~30℃程度の温度条件下、0.5~24時間、好ましくは1~2時間反応させるのがよい。
3.工程-3
Figure 0007352596000006
〔式中、R1b及びR2bはいずれか一方がベンジル基で他方がアリル基を示す。〕
続いて、上記工程で得られた化合物(III)の3位の水酸基をベンジルオキシカルボニル(「Cbz」又は「Z」と称される)化し、化合物(IV)を得る。当該化合物(IV)は、脱離容易な保護基を有するアリル化カテキン保護誘導体であり、カテキン抱合体の製造中間体として有用な文献未記載の新規化合物である。
本工程におけるCbz化は、現在公知のあらゆる方法を採用することができる。
Cbz化試薬としては、例えば、クロロギ酸ベンジル(塩化ベンジルオキシカルボニル(Z-Cl))を用いるSchotten-Baumann法のほか、p-ニトロフェニルエステル(Z-ONp)、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(Z-ONSu)を挙げることができるが、好ましくはクロロギ酸ベンジルである。
Cbz化試薬の使用量は、化合物(III)1モルに対して、通常0.5~10モル、好ましくは1~5モル、さらに好ましくは1.5~2.5モル、さらに好ましくは1.9~2.1モルである。
反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム等の不活性ハロゲン化炭化水素系溶媒;トルエン等の不活性炭化水素系溶媒;エーテル、テトラヒドロフラン等の不活性エーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;アセトニトリルのようなニトリル類等を挙げることができる。
反応は、塩基の存在下に行われ、用いられる塩基としては、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等)、ピリジン、キノリン、ピペリジン、イミダゾール、ピコリン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルモルホリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)等の有機塩基、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(III)1モルに対して、通常1~5モル、好ましくは1.5~2.5モル、さらに好ましくは1.9~2.1モルである。
反応温度としては、-20~60℃の範囲であり、0℃~室温の範囲が好ましい。
反応時間は、通常0.5~24時間程度であり、2~3時間程度が好ましい。
4.工程-4
Figure 0007352596000007
〔式中、R1b及びR2bはいずれか一方がベンジル基で他方がアリル基を示し、R1c及びR2cはいずれか一方がベンジル基で他方が水素原子を示し、R1c及びR2cはR1b及びR2bにそれぞれ対応する。〕
上記工程で得られたアリル化カテキン保護誘導体(IV)のアリル基を脱離し、カテキン保護誘導体(V)を得る。当該誘導体(V)も文献未記載の新規化合物である。
アリル基の脱離は、例えば、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム等のパラジウム触媒存在下、ギ酸又はそのアンモニウム塩等の水素源やモルホリン等の求核試薬を用いることにより行うことができる。
触媒の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、好ましくは0.05~1モル、より好ましくは0.1~0.5モル、より好ましくは0.2~0.3モルである。
また、水素源やモルホリン等の求核試薬の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、好ましくは0.5~5モル、より好ましくは1~3モル、より好ましくは1.5~2.5モルである。
この工程で使用する溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランや1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒が例示される。
反応は、化合物(IV)と触媒を溶媒中で攪拌し、これに水素源やモルホリン等の求核試薬を加えることにより行われるが、反応温度は0~40℃、好ましくは24~27℃で、反応時間は0.5~5時間、好ましくは1~2時間が挙げられる。
5.工程-5
Figure 0007352596000008
〔式中、R1c及びR2cはいずれか一方がベンジル基で他方が水素原子を示し、R1d及びR2dはいずれか一方が水素原子で他方がメチル基、グルクロノシル基、グルコシル基又は-SOM(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアンモニウムを示す)を示し、R1d及びR2dはR1c及びR2cにそれぞれ対応する。〕
カテキン保護誘導体(V)の抱合体化は、硫酸化、メチル化、グルクロン酸化又はグルコシル化のいずれかであり、カテキン保護誘導体(V)に対して、公知の硫酸供与体、メチル供与体、グルクロン酸供与体又はグルコース供与体を反応させることにより行われる。
硫酸供与体としては、例えばネオペンチルクロロスルファート、トリクロロエチルクロロスルファート、2,2,2-トリクロロエトキシ-スルフリル-1,2-ジメチルイミダゾリウムトリフレート(2,2,2-trichloroethoxy-sulfuryl-1,2-dimethylimidazolium triflate;SDIS)等が挙げられる。
グルクロン酸供与体としては、2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-メチルグルクロノピラノシル-1-(N-フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトイミダート、2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-メチルグルコピラノシル-1-(N-4-メトキシフェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトイミダート、2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-メチルグルクロノピラノシル-1-O-(2,2,2-トリクロロアセトイミダート)、アセトブロモ-α-D-グルクロン酸メチルエステル等が挙げられる。
グルコース供与体としては、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-グルコピラノシル-1-(N-フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトイミダート、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-グルクロピラノシル-1-O-(2,2,2-トリクロロアセトイミダート)、α-アセトブロモグルコース等が挙げられる。
メチル供与体としては、例えば、ヨウ化メチル、ジメチル硫酸、p-トルエンスルホン酸メチルエステル、メタンスルホン酸メチルエステル等のメチル化剤が挙げられる。
例えば、硫酸化は、硫酸供与体としてSDISを用いる方法が好ましく、エーテル系、塩素系、非プロトン性又はその混合溶媒中、塩基の存在下、カテキン保護誘導体(V)とSDISを撹拌することにより行われる。塩基としては、トリエチルアミン、N、N―ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、キノリン、ピコリン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルモルホリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)等の3級アミンが挙げられ、好ましくは1,2-ジメチルイミダゾールが挙げられる。
反応温度は、通常23~27℃程度であり、反応時間は、通常1~12時間程度である。
グルクロン酸化は、グルクロン酸供与体として2,3,4-トリ-O-アセチル-1-O-(トリクロロアセトイミドイル)-α-D-グルクロン酸メチルを用いる方法が好ましく、エーテル系、塩素系、非プロトン性又はその混合溶媒中、ルイス酸とモレキュラーシーブス4Aの存在下、カテキン保護誘導体(V)と2,3,4-トリ-O-アセチル-1-O-(トリクロロアセトイミドイル)-α-D-グルクロン酸メチルを撹拌することにより行われる。ルイス酸としては、塩化アルミニウム(III)、ジエチルアルミニウムクロリド、塩化ニッケル(II)(6水和物)、塩化スズ(IV)(5水和物)、塩化チタン(IV)、塩化亜鉛、トリフルオロボラン-エーテル錯体が挙げられ、好ましくはトリフルオロボラン-エーテル錯体が挙げられる。反応温度は、通常23~27℃程度であり、反応時間は、通常1~24時間程度である。
グルコシル化は、グルコシル供与体として2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル2,2,2-トリクロロアセトイミダートを用いる方法が好ましく、エーテル系、塩素系、非プロトン性又はその混合溶媒中、ルイス酸とモレキュラーシーブス4Aの存在下、カテキン保護誘導体(V)と2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル2,2,2-トリクロロアセトイミダートを撹拌することにより行われる。ルイス酸としては、塩化アルミニウム(III)、ジエチルアルミニウムクロリド、塩化ニッケル(II)(6水和物)、塩化スズ(IV)(5水和物)、塩化チタン(IV)、塩化亜鉛、トリフルオロボラン-エーテル錯体が挙げられ、好ましくはトリフルオロボラン-エーテル錯体が挙げられる。反応温度は、通常23~27℃程度であり、反応時間は、通常1~24時間程度である。
メチル化は、例えば非プロトン性極性溶媒中、0℃~室温でカテキン保護誘導体(V)とメチル化剤及び塩基とを反応させることにより行うことができる。
ここで、メチル化剤としては、ヨードメタン、硫酸ジメチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、ジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン等を用いるのが好ましく、より好ましくはヨードメタン、硫酸ジメチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチルである。非プロトン性極性溶媒としては、N、N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドもしくはヘキサメチルリン酸トリアミド、又はこれらの混合物及びこれらと不活性溶媒(例えばテトラヒドロフラン、1.2-ジメトキシエタン等)との混合物が挙げられる。
塩基としては、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物等が使用できる。
斯くして得られる、カテキン保護誘導体(V)と硫酸供与体、メチル供与体、グルクロン酸供与体又はグルコース供与体との反応生成物については、必要に応じて、各供与体に由来するエステル残基等の保護基を脱離すること、併せてA環及びC環の水酸基保護基(ベンジル基及びベンジルオキシカルボニル基)を脱離することにより、カテキン抱合体(VI)を得る。
エステル残基等の保護基の脱離手段としては、例えば加水分解反応が挙げられる。加水分解反応は、酸又は塩基の存在下、反応生成物と水とを適宜溶媒中で接触させることにより実施することができる。ここで、使用可能な酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、更には酢酸ナトリウム等が挙げられる。
溶媒としては、例えば、エタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水混和性有機溶媒が水と共に用いられる。
反応は、通常、約0~100℃、好ましくは室温~50℃で、0.5~3時間、好ましくは0.5~2時間行われる。
また、A環及びC環の水酸基保護基の脱離手段としては、水素化触媒存在下で加水素分解することが挙げられ、これによれば、ベンジル基とベンジルオキシカルボニル基を、同時に脱離させることができる。尚、硫酸供与体としてSDISを用いTCE硫酸化物とした場合は、水素化触媒存在下で加水素分解することにより、ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基及びTCE基を同時に脱離させることが可能である。
反応は、水素源(水素、ギ酸又はギ酸アンモニウム等のギ酸類等)の存在下において、適当な溶媒中、水素化触媒の存在下で、カテキン保護誘導体(V)と硫酸供与体、メチル供与体、グルクロン酸供与体又はグルコース供与体との反応生成物を撹拌することにより行われる。
溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ギ酸、酢酸等の酸性溶媒及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
水素化触媒としては、水酸化パラジウム(II)/炭素(Pd(OH)/C)、パラジウム/炭素(Pd/C)等のパラジウム触媒、ラネーニッケル等の水素担持金属触媒等が挙げられる。
水素化触媒の使用量は、化合物(VI)の仕込質量に対して、通常1~300質量%、好ましくは5~200質量%、さらに好ましくは10~150質量%、さらに好ましくは15~100質量%、さらに好ましくは20~50質量%である。
反応温度は、通常23~27℃程度であり、反応時間は、通常6~24時間程度である。
尚、本発明の各反応における目的物の単離は、必要に応じて、有機合成化学で常用される精製法、例えば濾過、洗浄、乾燥、再結晶、各種クロマトグラフィー、蒸留等により行うことができる。
1.実施例1 硫酸抱合体の製造
(1)化合物6及び化合物7の合成
Figure 0007352596000009
アルゴン雰囲気下、200mL丸底フラスコに化合物1((-)-エピカテキン、東京化成社)(500mg、1.7mmol)と炭酸カリウム(1g、7.3mmol)を加えた後、アセトン(33mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、臭化アリル(2.82mL、33mmol)で加えた後、室温で20時間撹拌した。反応後、混合液を濾過し、アセトンで洗浄後、濾液をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取HPLCにより精製し、白い個体として化合物6(155mg、0.47mmol、27%)及び化合物7(187mg、0.57mmol、33%)を得た。
[分取条件]
分取カラム:L-column ODS, size20mm x 259mm 5μm
溶離液:A(0.1%ギ酸水)、B (メタノール)
流速:20mL/min
注入量:500μL
温度:40℃
検出波長:280nm
グラジエント条件B(%):3%(5分)、3→45%(10分)
化合物6:
H NMR(600MHz,MeOD):δ7.11(d,J=1.8Hz,1H),6.91(dd,J=8.2,1.7Hz,1H),6.80(d,J=8.2Hz,1H),6.13-6.60(m,1H),5.94(d,J=1.9Hz,1H),5.91(d,J=2.0Hz,1H),5.40(dd,J=19,1.5Hz,1H),5.24(dd,J=11,1.4Hz,1H),4.85-4.85(m,1H),4.60(d,J=5.5Hz,2H),4.17-4.17(m,1H),2.87(dd,J=17,4.9Hz,1H),2.72(dd,J=17,2.9Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,MeOD):δ158.03,157.69,157.32,147.45,147.31,135.08,132.18,120.98,117.97,115.94,113.70,100.03,96.36,95.84,79.90,70.94,67.53,29.30
HRMS calcd. for C1819 [M+H]:331.1176; found:331.1179
化合物7:
H NMR(600MHz,MeOD):δ 7.01 (d,J=1.6Hz,1H),6.90(s,1H),6.89(d,J=1.8Hz,1H),6.06-6.12(m,1H),5.94(d,J=2.2Hz,1H),5.92(d,J=2.2Hz,1H),5.40(dd,J=17,1.5Hz,1H),5.24(dd,J=10,1.5Hz,1H),4.84-4.84(m,1H),4.60(dd,J=5.2,1.5Hz,2H),4.18-4.19(m,1H),2.86(dd,J=18,4.5Hz,1H),2.73(dd,J=16,2.8Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,MeOD):δ158.03,157.70,157.28,147.54,147.22,135.17,134.01,119.11,117.75,115.42,114.30,99.99,96.36,95.83,79.69,70.97,67.42,29.27
HRMS calcd. for C1819 [M+H]:331.1176; found:331.1179
(2)化合物8、11の合成
Figure 0007352596000010
(2-1)化合物8の合成
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物6(500mg、1.5mmol)をとり、脱水N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、60%油性水素化ナトリウム(185mg、4.6mmol)を-50℃メタノール溶液での冷却下で加え、15分間撹拌後、臭化ベンジル(585μL、4.9mmol)を滴下し、さらに45分間撹拌した。その後、室温まで昇温し1時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、ヘキサン-酢酸エチル(1:1、v/v)にて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物8(596mg、0.97mmol、64%)を得た。
H NMR(600MHz,acetone-d6):δ7.31-7.52(m,15H),7.24(d,J=1.7Hz,1H),7.05(dd,J=8.0,1.7Hz,1H),7.03(d,J=8.3,1H),6.34(d,J=2.2,1H),6.21(d,J=2.4,1H),6.06-6.12(m,1H),5.44(ddt,J=16,3.5,1.9Hz,1H),5.22(ddt,J=11,3.1,1.6Hz,1H),5.14(s,2H),5.11(d,J=4.52H),5.07(s,2H),4.99-4.99(m,1H),4.59(ddd,J=5.2,1.5,1.5Hz,2H),4.26-4.29(m,1H),2.94(dd,J=17,4.7Hz,1H),2.85(dd,J=16,2.9Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,acetone-d6):159.343,159.06,156.81,149.29,149.13,138.74,138.52,138.51,134.95,133.68,129.47,129.28,129.25,129.20,128.67,128.55,128.53,128.50,128.40,128.30,128.09,120.62,117.24,114.95,114.53,102.56,95.60,94.09,79.50,71.45,70.40,66.52,29.35
HRMS calcd. for C3937 [M+H]:601.2585; found:601.2585
(2-2)化合物11の合成
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物7(500mg、1.5mmol)をとり、N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、60%油性水素化ナトリウム(185mg、4.6mmol)を-50℃メタノール溶液での冷却下で加え、15分間撹拌後、臭化ベンジル(585μL、4.9mmol)を滴下し、さらに45分間撹拌した。その後、室温まで昇温し1時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物11(600mg、1.00mmol、66%)を得た。
H NMR(600MHz,acetone-d6):δ7.32-7.52(m,16H),7.07(dd,J=8.2,1.3Hz,1H),6.98(d,J=8.3Hz,1H),6.35(d,J=2.2Hz,1H),6.20(d,J=2.2Hz,1H),6.06-6.12(m,1H),5.44(dd,J=17,1.8Hz,1H),5.22(dd,J=11,1.6Hz,1H),5.12(s,4H),5.08(s,2H),4.99(s,2H),4.60(ddd,J=5.2,1.4,1.4Hz,2H),4.27-4.27(m,1H),2.92-2.95(m,1H),2.83-2.86(m,1H)
13C-NMR(150MHz,acetone-d6):δ159.44,159.06,156.80,149.31,149.18,138.65,138.53,135.05,133.53,129.52,129.29,129.26,129.17,128.59,128.56,128.53,128.52,128.45,128.39,128.10,120.82,117.12,114.85,114.70,102.56,95.60,94.09,79.49,71.57,70.41,70.34,66.53,29.33
HRMS calcd. for C3937 [M+H]:601.2585;found:601.2585
(3)(2R,3R)-2-(3′-(Allyloxy)-4′-(benzyloxy)phenyl)-5,7-bis(benzyloxy)chroman-3-yl benzyl carbonate(化合物9)及び(2R,3R)-2-(4′-(Allyloxy)-3′-(benzyloxy)phenyl)-5,7-bis(benzyloxy)chroman-3-yl benzyl carbonate(化合物12)の合成
Figure 0007352596000011
(3-1)化合物9の合成
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物8(550mg、0.92mmol)とN、N―ジメチルアミノピリジン(230mg、1.88mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(20mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、クロロギ酸ベンジル(264μL、1.88mmol)とジアザビシクロウンデセン(291μL, 1.88 mmol)を氷浴で冷却下で順次加え、16時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈した後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物9(700mg、0.92mmol、100%)を得た。
H NMR(600MHz,DMSO-d6):δ7.30-7.46(m,20H),7.08(d,J=2.1Hz,1H),7.04(d,J=8.4,Hz,1H),6.96(dd,J=8.5,1.9Hz,1H),6.38.(d,J=2.3Hz,1H),6.23(d,J=2.4Hz,1H),5.96-6.03(m,1H),5.34(ddt,J=17,3.4,1.7Hz,1H),5.24-5.25(m,1H),5.19(ddt,J=11,3.1,1.3Hz,1H),5.15-5.15(m,1H),5.10(s,4H),5.05(s,2H),4.98-4.98(m,2H),4.51(ddd,J=13,5.3,1.3Hz,1H),4.46(ddd,J=13,5.2,1.4Hz,1H),3.04(dd,J=18,4.8Hz,1H),2.86-2.83(m,1H)
13C-NMR(150MHz,DMSO-d6):δ158.25,157.42,155.05,153.94,147.83,147.66,137.23,137.14,137.11,135.31,133.70,130.46,128.53,128.49,128.47,128.33,127.92,127.86,127.70,127.64,127.36,119.34,117.45,113.56,112.46,99.97,94.70,93.92,76.05,71.53,69.90,69.35,69.34,69.10,68.93,25.50
HRMS calcd.for C4743 [M+H]:735.2952;found:735.2978
(3-2)化合物12の合成
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物11(570mg、0.95mmol)とN、N―ジメチルアミノピリジン(238mg、1.94mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(20mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、クロロギ酸ベンジル(275μL、1.94mmol)とジアザビシクロウンデセン(300μL, 1.94mmol)を氷浴で冷却下で順次加え、16時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(40mL)で希釈した後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、ヘキサン-酢酸エチル(1:1、v/v)にて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルムー酢酸エチル(9:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物12(734mg、0.92mmol、92%)を得た。
H NMR(600MHz,DMSO-d6):δ7.18-7.43(m,21H),6.08-6.98(m,2H),6.39(d,J=2.2Hz,1H),6.22(d,J=2.2Hz,1H),6.01-6.08(m,1H),5.40(ddt,J=17,3.4,1.6Hz,1H),5.23-5.25(m,2H),5.16-5.16(m,1H),5.10(s,2H),5.05(s,2H),5.03(d,J=12Hz,1H),4.99-5.00(m,2H),4.96(d,J=12Hz,1H),4.56-4.57(m,2H),3.05(dd,J=18,4.7Hz,1H),2.84-2.87(m,1H)
13C-NMR(150MHz,DMSO-d6):δ158.25,157.43,155.05,153.95,147.80,137.14,137.11,137.06,135.49,135.30,133.90,130.37,128.56,128.53,128.49,128.43,127.90,127.72,127.68,127.36,119.50,117.34,113.41,112.64,99.98,94.70,93.92,76.05,71.53,70.21,69.36,69.34,69.08,68.95,25.49
HRMS calcd. for C4743 [M+H]:735.2952;found:735.2978
(4)(2R,3R)-2-(4′-(Benzyloxy)-3′-(hydroxy)phenyl)-5,7-bis(benzyloxy)chroman-3-yl benzyl carbonate化合物10)、及び(2R,3R)-2-(3′-(Benzyloxy)-4′-(hydroxy)phenyl)-5,7-bis(benzyloxy)chroman-3-yl benzyl carbonate
(化合物13)の合成
Figure 0007352596000012
(4-1)化合物10の合成
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物9(690mg、0.94mmol)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(271mg、0.23mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、モルホリン(168μL、1.88mmol)を室温で加え、30分間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール(99:1、v/v))と分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物10(465mg、0.86mmol、91%)を得た。
H NMR(600MHz,acetone-d6):δ7.26-7.52(m,20H),7.09(d,J=2.1Hz,1H),7.01(d,J=8.4Hz,1H),6.93(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),6.37(d,J=2.3Hz,1H),6.24.(d,J=2.2Hz,1H),5.35-5.37(m,1H),5.15(s,3H),5.11-5.12(m,2H),5.08(s,2H),5.01-5.02(m,2H),3.11(dd,J=18,4.0Hz,1H),2.99(dd,J=18,1.3Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,acetone-d6):δ159.76,158.82,156.52,155.34,147.49,147.14,138.41,138.31,138.14,136.71,132.22,129.31,129.28,129.26,129.23,128.99,128.75,128.72,128.69,128.60,128.58,128.42,128.15,118.62,114.97,113.59,101.16,95.60,94.51,77.57,72.77,71.28,70.52,70.47,69.78,26.61
HRMS calcd. for C4439 [M+H]:695.2639; found:695.2669
(4-2)化合物13の合成
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物12(660mg、0.90mmol)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(260mg、0.22mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、モルホリン(161μL、1.80mmol)を室温で加え、30分間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール(99:1、v/v))と分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサンー酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物13(530mg、0.76mmol、85%)を得た。
H NMR(600MHz,acetone-d6):δ7.24-7.43(m,21H),6.99(dd,J=8.2,1.9Hz,1H),6.85(d,J=8.1Hz,1H),6.38(d,J=2.3Hz,1H),6.23(d,J=2.3Hz,1H),5.35-5.36(m,1H),5.16-5.16(m,1H),5.12-5.13(m,2H),5.08(s,2H),5.02-5.07(m,4H),3.11(dd,J=18,4.5Hz,1H),3.01(dd,J=18,1.6Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,acetone-d6):δ 159.75, 158.83, 156.56, 155.35, 147.63, 147.27, 138.40, 138.31, 137.95, 136.63, 130.31, 129.32, 129.29, 129.27, 129.18, 129.04, 128.89, 128.76, 128.72, 128.61, 128.59, 128.41, 128.16, 120.91, 115.87, 112.92, 101.14, 95.64, 94.62, 77.80, 72.84, 71.51, 70.53, 70.47, 69.87, 26.63
HRMS calcd. for C4439 [M+H]:695.2639;found:695.2669
(5)化合物14、15の合成
Figure 0007352596000013
(5-1)化合物14の合成
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物10(90mg、0.13mmol)とSDIS(119mg、0.26mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(2.5mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、1,2-ジメチルイミダゾール(25mg、0.26mmol)を室温で加え、19時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(5mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物14(90mg、0.10mmol、77%)を得た。
H NMR(600MHz,acetone-d6):δ7.71(d,J=2.2Hz,1H),7.58(d,J=7.1Hz,1H),7.53(dd,J=8.8,2.1Hz,1H),7.26-7.48(m,20H),6.39(d,J=2.2Hz,1H),6.26(d,J=2.3Hz,1H),5.43-5.44(m,1H),5.31-5.31(m,1H),5.28(s,2H),5.11-5.12(m,2H),5.08(s,2H),5.01(s,2H),4.98-4.98(m,2H),3.12(dd,J=18,4.4Hz,1H),3.03(dd,J=18,1.3Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,acetone-d6):δ159.80,158.81,156.11,155.22,151.02,139.32,138.32,138.24,137.06,136.58,132.31,129.59,129.31,129.28,129.19,129.07,128.88,128.85,128.62,128.60,128.40,128.17,128.08,122.43,115.25,101.05,95.55,94.76,93.59,81.09,79.18,76.78,72.40,71.67,70.56,70.50,69.97,26.45
HRMS calcd. for C4640l311 [M+H]:905.1351;found:905.1407
(5-2)化合物15の合成
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物10(100mg、0.14mmol)とSDIS(132mg、0.29mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(2.5mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、1,2-ジメチルイミダゾール(28mg、0.29mmol)を室温で加え、19時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(5mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物15(104mg、0.11mmol、79%)を得た。
H NMR(600MHz,acetone-d6):δ7.24-7.56(m,23H),6.41(d,J=2.3Hz,1H),6.27(d,J=2.2Hz,1H),5.47-5.47(m,1H),5.33-5.33(m,1H),5.22(d,J=12Hz,1H),5.15(d,J=11Hz,1H),5.12-5.13(m,2H),5.09(s,2H),5.01-5.02(m,2H),5.00(s,2H),3.13(dd,J=18,4.6Hz,1H),3.05(dd,J=18,1.3Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,acetone-d6):δ159.81,158.81,156.02,155.19,151.17,140.33,139.11,138.32,138.24,136.88,136.47,129.57,129.33,129.32,129.28,129.24,129.15,129.03,128.88,128.64,128.62,128.42,128.18,123.70,120.29,114.06,101.06,95.67,94.77,93.62,81.03,77.21,72.38,71.81,70.58,70.50,70.04,26.43
HRMS calcd. for C4640l311 [M+H]:905.1351;found:905.1407
(6)2-Hydroxy-5-((2′R,3′R)-3′,5′,7′-trihydroxychroman-2′-yl)phenyl ammonium sulfate(化合物2)及び2-Hydroxy-4-((2′R,3′R)-3′,5′,7′-trihydroxychroman-2′-yl)phenyl ammonium sulfate(化合物3)の合成
Figure 0007352596000014
(6-1)化合物2の合成
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物14(87mg、0.10mmol)とギ酸アンモニウム(64mg、1.02mmol)をとり、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(8mL、3:1)を加えし、澄明な溶液を得た。続いて、パラジウム炭素(17mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、4時間激しく撹拌した。反応、. for C1515 [M+H]:371.0431;found:371.0426
(6-1)化合物3の合成
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物15(98mg、0.11mmol)とギ酸アンモニウム(72mg、1.15mmol)をとり、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(8mL、3:1)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、パラジウム炭素(19mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、4時間激しく撹拌した。反応後、パラジウム炭素を濾過、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(32mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取逆相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:水-メタノール(9:1、v/v))により精製し、白色個体を得た。得られた個体を分取HPLCにより精製し、白色個体として化合物3(28mg、73μmol、61%)を得た。
[分取条件]
分取カラム:L-column ODS, size20mm x 259mm 5μm
溶離液:A(10mM酢酸アンモニウム水溶液)、B (アセトニトリル)
流速:20mL/min
注入量:500μL
温度:40℃
検出波長:280nm
グラジエント条件B(%):10%(5分)、10→30%(8分)
H NMR(600MHz,MeOD):δ7.27(d,J=8.3Hz,1H),7.08(d,J=2.0Hz,1H),6.93(dd,J=8.5,2.2Hz,1H),5.93-5.93(m,2H),4.89-4.89(m,1H),4.20-4.21(m,1H),2.87(dd,J=16,4.7Hz,1H),2.74(dd,J=17,2.3Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,MeOD):δ158.03,157.69,157.14,150.20,140.63,138.93,123.61,119.05,116.89,100.00,96.42,95.85,79.53,67.42,29.18
HRMS calcd. for C1515 [M+H]:371.0431;found:371.0434
実施例2 グルクロン酸抱合体の製造
(1)化合物16、17の合成
Figure 0007352596000015
(1-1)化合物16の合成
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物10(100mg、0.14mmol)、2,3,4-トリ-O-アセチル-1-O-(トリクロロアセトイミドイル)-α-D-グルクロン酸メチル(207mg、0.43mmol)、そしてモレキュラーシーブス4Å(500mg)をとり、脱水ジクロロメタン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、トリフルオロボラン-エーテル錯体(365μL、8.64mmol)を0℃で加えた後、室温まで昇温し、18時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1、v/v))により粗精製し、白いアモルファスとして混合物(88mg)を得た。
(1-2)化合物17の合成
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物10(100mg、0.14mmol)、2,3,4-トリ-O-アセチル-1-O-(トリクロロアセトイミドイル)-α-D-グルクロン酸メチル(207mg、0.43mmol)、そしてモレキュラーシーブス4Å(500mg)をとり、脱水ジクロロメタン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、トリフルオロボラン-エーテル錯体(365μL、8.64mmol)を0℃で加えた後、室温まで昇温し、18時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1、v/v))により粗精製し、白いアモルファスとして混合物(74mg)を得た。
(2)(2R,3R,4R,5S,6R)-3,4,5-Trihydroxy-6-(2-hydroxy-5-((2″R,3″R)-3″,5″,7″-trihydroxychroman-2″-yl)phenoxy)tetrahydro-2H-pyran-2-carboxylic acid(化合物4)及び(2R,3R,4R,5S,6R)-3,4,5-Trihydroxy-6-(2′-hydroxy-4′-((2″R,3″R)-3″,5″,7″-trihydroxychroman-2″-yl)phenoxy)tetrahydro-2H-pyran-2-carboxylic acid(化合物5)の合成
Figure 0007352596000016
(2-1)化合物4の合成
100mL丸底フラスコに化合物16の合成で得られた混合物(88mg)をとり、テトラヒドロフラン-エタノール-精製水溶液(5mL、2:2:1)を加え撹拌し、な溶液を得た。続いて、1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を室温で加え、30分間撹拌した。反応後、Amberlyst(登録商標)15(H)と酢酸(200μL)を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、濾過、得られた濾液をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をアルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン-メタノール-酢酸溶液(4.2mL、30:10:2)を加え、撹拌し、澄明な液体を得た。続いて、パラジウム炭素(20mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、21時間激しく撹拌した。反応後、パラジウム炭素を濾過、テトラヒドロフラン-メタノール溶液(12mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取HPLCにより精製し、白色個体として化合物4(6.3mg、13μmol、9.3%(3行程収率))を得た。
[分取条件]
分取カラム:L-column ODS, size20mm×259mm 5μm
溶離液:A(0.1%ギ酸水溶液)、B(アセトニトリル)
流速:20mL/min
注入量:500μL
温度:40℃
検出波長:280nm
グラジエント条件B(%):5→12%(5分)、12%(15分)
H NMR (600MHz,DO-acetone-d6(9:1)):δ7.16(s,1H),6.97(d,J=8.2Hz,1H),6.83(d,J=8.1Hz,1H),5.94(s,1H),5.92(s,1H),4.95(d,J=7.4Hz,1H),4.86(s,1H),4.20(s,1H),3.70(d,J=8.5Hz,1H),3.45-3.54(m,3H),2.77(dd,J=17,3.8Hz,1H),2.69(d,J=16Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,DO-acetone-d6(9:1)):δ175.63,155.69,155.54,155.49,146.10,144.98,131.11,122.60,116.77,115.54,101.52,100.02,96.32,95.63,78.39,76.75,75.59,73.05,72.13,65.82,27.80
HRMS calcd. for C212212Na [M+Na]:489.1003;found:489.1006
(2-2)化合物5の合成
100mL丸底フラスコに化合物16の合成で得られた混合物(74mg)をとり、テトラヒドロフラン-エタノール-精製水溶液(5mL、2:2:1)を加え撹拌し、な溶液を得た。続いて、1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を室温で加え、30分間撹拌した。反応後、Amberlyst(R)15(H)と酢酸(200μL)を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、濾過、得られた濾液をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をアルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン-メタノールー酢酸溶液(4.2mL、30:10:2)を加え、撹拌し、澄明な液体を得た。続いて、パラジウム炭素(20mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、21時間激しく撹拌した。反応後、パラジウム炭素を濾過、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(12mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取HPLCにより精製し、白色個体として化合物5(4.1mg、8.8μmol、6%(3行程収率))を得た。
[分取条件]
分取カラム:L-column ODS, size20mm×259mm 5μm
溶離液:A(0.1%ギ酸水溶液)、B(アセトニトリル)
流速:20mL/min
注入量:500μL
温度:40℃
検出波長:280nm
グラジエント条件B(%):5→10%(5分)、10%(15分)
H NMR(600MHz,DO-acetone-d6(9:1)):δ7.07(d,J=8.3Hz,1H),6.93(s,1H),6.87(d,J=8.4Hz,1H),5.94(s,1H),5.94(s,1H),4.94(d,J=9.0Hz,1H),4.83(s,1H),4.20(s,1H),3.73(d,J=9.0Hz,1H),3.46-3.55(m,3H),2.77(dd,J=16,4.2Hz,1H),2.61(d,J=16Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,DO-acetone-d6(9:1)):δ175.63,156.00,155.73,155.52,145.79,144.68,134.49,119.20,117.03,114.90,101.52,99.97,96.23,95.67,78.27,76.72,75.59,73.05,72.13,65.92,27.76
HRMS calcd. for C212212Na [M+Na]:489.1003;found:489.1023
比較例
下記反応スキームに示す方法で、実施例1(1)で得られた化合物6からカテキン硫酸抱合体の合成を試みた。各工程の反応条件を併せて示す。
Figure 0007352596000017
<反応条件>
(a)BnBr,NaH,DMF,2時間、室温,81%
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物6(216mg、0.65mmol)をとり、N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、60%油性水素化ナトリウム(131mg、3.2mmol)を-50℃メタノール溶液での冷却下で加え、15分間撹拌後、臭化ベンジル(388μL、3.2mmol)を滴下し、室温まで昇温し2時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(6:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物18(366mg、0.53mmol、66%)を得た。
(b)Pd(Ph,Mor,THF,30分,室温,quant.
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物18(350mg、0.50mmol)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(292mg、0.25mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、モルホリン(91μL、1.00mmol)を室温で加え、1時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物19(330mg、0.50mmol、quant.)を得た。
(c)SDIS,1,2-diMeIm,DCM,19時間,室温,quant.
アルゴン雰囲気下、20mL丸底フラスコに化合物19(71mg、0.10mmol)とSDIS(1240mg、0.5mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(3mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、1,2-ジメチルイミダゾール(26mg、0.25mmol)を室温で加え、1時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(5mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(6:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物20(86mg、0.10mmol、quant.)を得た。
(d)Pd/C,FANH,H,4時間,室温.61%
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物20(43mg、55μmol)とギ酸アンモニウム(56mg、0.55mmol)をとり、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(8mL、3:1)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、パラジウム炭素(10mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、4時間激しく撹拌した。反応後、パラジウム炭素を濾過、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(32mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を逆相分取薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:水-メタノール(9:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物14(16mg、33μmol、61%)を得た。
(e)Pd(OH),H,THF/MeOH,1時間,室温
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物21(16mg、33μmol)をとり、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(8mL、3:1)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、水酸化パラジウム(30mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、1時間激しく撹拌した。反応後、水酸化パラジウムを濾過、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(32mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を質量分析で解析を行ったところエピカテキンが得られていた。
(f)Pd(OH),H,AcOEt,30分,室温
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物20(219mg、0.28mmol)をとり、酢酸エチル(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、水酸化パラジウム(109mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、30分間激しく撹拌した。反応後、水酸化パラジウムを濾過、テトラメタノール(40mL)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を質量分析で解析を行ったところエピカテキンが得られていた。
すなわち、化合物6の3位水酸基を含むベンジル保護を行い、その後、アリル基の脱保護と硫酸ユニットを導入し、脱保護検討を行ったが、通常の脱保護条件では、3位ベンジル基が脱保護が困難であった。そこで、より高活性な水酸化パラジウムを用いたところ、硫酸基が脱離し、エピカテキンが得られた。また、化合物20に対して文献で報告(J. Nat. Prod. 2013, 76, 157-169)されている条件で実施した場合においても、同様な結果が得られた。

Claims (3)

  1. 下記式(I):
    Figure 0007352596000018
    で表されるカテキン化合物の3′位又は4′位の水酸基をアリル化して下記式(II):
    Figure 0007352596000019
    〔式中、R1a及びR2aはいずれか一方が水素原子で他方がアリル基を示す。〕
    で表されるアリル化カテキン化合物とし、次いでフェノール性水酸基をベンジル化して下記式(III):
    Figure 0007352596000020
    〔式中、R1b及びR2bはいずれか一方がベンジル基で他方がアリル基を示す。〕
    で表される化合物とし、次いで残余の水酸基をベンジルオキシカルボニル化する、下記式(IV):
    Figure 0007352596000021
    〔式中、R1b及びR2bはいずれか一方がベンジル基で他方がアリル基を示す。〕
    で表されるアリル化カテキン保護誘導体の製造方法。
  2. 請求項1記載の方法により得られた下記式(IV):
    Figure 0007352596000022
    〔式中、R1b及びR2bはいずれか一方がベンジル基で他方がアリル基を示す。〕
    で表されるアリル化カテキン保護誘導体のアリル基を脱離して下記式(V):
    Figure 0007352596000023
    〔式中、R1c及びR2cはいずれか一方がベンジル基で他方が水素原子を示す。〕
    で表されるカテキン保護誘導体とし、次いで、硫酸化、メチル化、グルクロン酸化及びグルコシル化から選ばれる抱合反応に付し、続いて保護基を脱離する、下記式(VI):
    Figure 0007352596000024
    〔式中、R1d及びR2dはいずれか一方が水素原子で他方がメチル基、グルクロノシル基、グルコシル基又は-SOM(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアンモニウムを示す。〕
    で表されるカテキン抱合体の製造方法。
  3. 下記一般式(IV)で表される化合物又は一般式(V)で表される化合物
    Figure 0007352596000025
    〔式中、R1b及びR2bはいずれか一方がベンジル基で他方がアリル基を示し、R1c及びR2cはいずれか一方がベンジル基で他方が水素原子を示す。〕
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