JP7352596B2 - カテキン抱合体の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、非特許文献2には、下記式で示されるように、カテキンの水酸基をジ-tert-ブチルジクロロシランで保護することによりカテキンのメチル抱合体を製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法では反応で得られた3′置換体及び4′置換体の混合物としてその後の合成も行っており、分離性に欠けることが課題と考えられる。
1)上記式(I)で表されるカテキン化合物の3′位又は4′位の水酸基をアリル化して、アリル化カテキン化合物(II)とし、次いでフェノール性水酸基をベンジル化して、式(III)で表される化合物とし、次いで残余の水酸基をベンジルオキシカルボニル化する、式(IV)で表されるアリル化カテキン保護誘導体の製造方法。
2)1)の方法により得られた式(IV)で表されるアリル化カテキン保護誘導体のアリル基を脱離して式(V)で表されるカテキン保護誘導体とし、次いで、硫酸化、メチル化、グルクロン酸化及びグルコシル化から選ばれる抱合反応に付し、続いて保護基を脱離する、式(VI)で表されるカテキン抱合体の製造方法。
3)上記一般式(IV)で表されるアリル化カテキン保護誘導体又は一般式(V)で表されるカテキン保護誘導体。
本発明のカテキン抱合体の製造方法において、出発原料として用いられる下記式(I):
また、慣例に従い、フラバノール骨格の二つのベンゼン環をA環及びB環(カテコール部分)とし、両者を結ぶ3つの炭素原子と酸素原子から構成される環をC環と呼ぶ。
ここで用いられるアリル化試薬としては特に限定されないが、好ましくはハロゲン化アリルが挙げられる。ハロゲン化アリルとしては、好ましくは臭化アリル、塩化アリル、ヨウ化アリルが挙げられ、より好ましくは、臭化アリルである。
反応時間は、通常1~48時間が好ましく、より好ましくは18~24時間である。
ベンジル化は、公知の方法に従って又は準じて行うことができる。すなわち、アリル化体(II)を塩基の存在下でハロゲン化ベンジルと反応させることにより行うことができる。
ハロゲン化ベンジルの使用量は、アリル化体(II)1モルに対して、通常1~4.5モル、好ましくは2~4モル、さらに好ましくは2.5~3.5モル、さらに好ましくは3.1~3.3モルである。
Cbz化試薬としては、例えば、クロロギ酸ベンジル(塩化ベンジルオキシカルボニル(Z-Cl))を用いるSchotten-Baumann法のほか、p-ニトロフェニルエステル(Z-ONp)、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(Z-ONSu)を挙げることができるが、好ましくはクロロギ酸ベンジルである。
Cbz化試薬の使用量は、化合物(III)1モルに対して、通常0.5~10モル、好ましくは1~5モル、さらに好ましくは1.5~2.5モル、さらに好ましくは1.9~2.1モルである。
塩基の使用量は、化合物(III)1モルに対して、通常1~5モル、好ましくは1.5~2.5モル、さらに好ましくは1.9~2.1モルである。
反応時間は、通常0.5~24時間程度であり、2~3時間程度が好ましい。
アリル基の脱離は、例えば、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム等のパラジウム触媒存在下、ギ酸又はそのアンモニウム塩等の水素源やモルホリン等の求核試薬を用いることにより行うことができる。
触媒の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、好ましくは0.05~1モル、より好ましくは0.1~0.5モル、より好ましくは0.2~0.3モルである。
また、水素源やモルホリン等の求核試薬の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、好ましくは0.5~5モル、より好ましくは1~3モル、より好ましくは1.5~2.5モルである。
この工程で使用する溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランや1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒が例示される。
硫酸供与体としては、例えばネオペンチルクロロスルファート、トリクロロエチルクロロスルファート、2,2,2-トリクロロエトキシ-スルフリル-1,2-ジメチルイミダゾリウムトリフレート(2,2,2-trichloroethoxy-sulfuryl-1,2-dimethylimidazolium triflate;SDIS)等が挙げられる。
グルクロン酸供与体としては、2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-メチルグルクロノピラノシル-1-(N-フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトイミダート、2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-メチルグルコピラノシル-1-(N-4-メトキシフェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトイミダート、2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-メチルグルクロノピラノシル-1-O-(2,2,2-トリクロロアセトイミダート)、アセトブロモ-α-D-グルクロン酸メチルエステル等が挙げられる。
グルコース供与体としては、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-グルコピラノシル-1-(N-フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトイミダート、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-グルクロピラノシル-1-O-(2,2,2-トリクロロアセトイミダート)、α-アセトブロモグルコース等が挙げられる。
メチル供与体としては、例えば、ヨウ化メチル、ジメチル硫酸、p-トルエンスルホン酸メチルエステル、メタンスルホン酸メチルエステル等のメチル化剤が挙げられる。
反応温度は、通常23~27℃程度であり、反応時間は、通常1~12時間程度である。
ここで、メチル化剤としては、ヨードメタン、硫酸ジメチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、ジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン等を用いるのが好ましく、より好ましくはヨードメタン、硫酸ジメチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチルである。非プロトン性極性溶媒としては、N、N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドもしくはヘキサメチルリン酸トリアミド、又はこれらの混合物及びこれらと不活性溶媒(例えばテトラヒドロフラン、1.2-ジメトキシエタン等)との混合物が挙げられる。
塩基としては、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物等が使用できる。
溶媒としては、例えば、エタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水混和性有機溶媒が水と共に用いられる。
反応は、通常、約0~100℃、好ましくは室温~50℃で、0.5~3時間、好ましくは0.5~2時間行われる。
溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ギ酸、酢酸等の酸性溶媒及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
(1)化合物6及び化合物7の合成
[分取条件]
分取カラム:L-column ODS, size20mm x 259mm 5μm
溶離液:A(0.1%ギ酸水)、B (メタノール)
流速:20mL/min
注入量:500μL
温度:40℃
検出波長:280nm
グラジエント条件B(%):3%(5分)、3→45%(10分)
1H NMR(600MHz,MeOD):δ7.11(d,J=1.8Hz,1H),6.91(dd,J=8.2,1.7Hz,1H),6.80(d,J=8.2Hz,1H),6.13-6.60(m,1H),5.94(d,J=1.9Hz,1H),5.91(d,J=2.0Hz,1H),5.40(dd,J=19,1.5Hz,1H),5.24(dd,J=11,1.4Hz,1H),4.85-4.85(m,1H),4.60(d,J=5.5Hz,2H),4.17-4.17(m,1H),2.87(dd,J=17,4.9Hz,1H),2.72(dd,J=17,2.9Hz,1H)
1H NMR(600MHz,MeOD):δ 7.01 (d,J=1.6Hz,1H),6.90(s,1H),6.89(d,J=1.8Hz,1H),6.06-6.12(m,1H),5.94(d,J=2.2Hz,1H),5.92(d,J=2.2Hz,1H),5.40(dd,J=17,1.5Hz,1H),5.24(dd,J=10,1.5Hz,1H),4.84-4.84(m,1H),4.60(dd,J=5.2,1.5Hz,2H),4.18-4.19(m,1H),2.86(dd,J=18,4.5Hz,1H),2.73(dd,J=16,2.8Hz,1H)
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物6(500mg、1.5mmol)をとり、脱水N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、60%油性水素化ナトリウム(185mg、4.6mmol)を-50℃メタノール溶液での冷却下で加え、15分間撹拌後、臭化ベンジル(585μL、4.9mmol)を滴下し、さらに45分間撹拌した。その後、室温まで昇温し1時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、ヘキサン-酢酸エチル(1:1、v/v)にて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物8(596mg、0.97mmol、64%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物7(500mg、1.5mmol)をとり、N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、60%油性水素化ナトリウム(185mg、4.6mmol)を-50℃メタノール溶液での冷却下で加え、15分間撹拌後、臭化ベンジル(585μL、4.9mmol)を滴下し、さらに45分間撹拌した。その後、室温まで昇温し1時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物11(600mg、1.00mmol、66%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物8(550mg、0.92mmol)とN、N―ジメチルアミノピリジン(230mg、1.88mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(20mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、クロロギ酸ベンジル(264μL、1.88mmol)とジアザビシクロウンデセン(291μL, 1.88 mmol)を氷浴で冷却下で順次加え、16時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈した後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物9(700mg、0.92mmol、100%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物11(570mg、0.95mmol)とN、N―ジメチルアミノピリジン(238mg、1.94mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(20mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、クロロギ酸ベンジル(275μL、1.94mmol)とジアザビシクロウンデセン(300μL, 1.94mmol)を氷浴で冷却下で順次加え、16時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(40mL)で希釈した後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、ヘキサン-酢酸エチル(1:1、v/v)にて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルムー酢酸エチル(9:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物12(734mg、0.92mmol、92%)を得た。
(化合物13)の合成
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物9(690mg、0.94mmol)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(271mg、0.23mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、モルホリン(168μL、1.88mmol)を室温で加え、30分間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール(99:1、v/v))と分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物10(465mg、0.86mmol、91%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物12(660mg、0.90mmol)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(260mg、0.22mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、モルホリン(161μL、1.80mmol)を室温で加え、30分間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール(99:1、v/v))と分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサンー酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物13(530mg、0.76mmol、85%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物10(90mg、0.13mmol)とSDIS(119mg、0.26mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(2.5mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、1,2-ジメチルイミダゾール(25mg、0.26mmol)を室温で加え、19時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(5mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物14(90mg、0.10mmol、77%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物10(100mg、0.14mmol)とSDIS(132mg、0.29mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(2.5mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、1,2-ジメチルイミダゾール(28mg、0.29mmol)を室温で加え、19時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(5mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物15(104mg、0.11mmol、79%)を得た。
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物14(87mg、0.10mmol)とギ酸アンモニウム(64mg、1.02mmol)をとり、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(8mL、3:1)を加えし、澄明な溶液を得た。続いて、パラジウム炭素(17mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、4時間激しく撹拌した。反応、. for C15H15O9S+ [M+H]+:371.0431;found:371.0426
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物15(98mg、0.11mmol)とギ酸アンモニウム(72mg、1.15mmol)をとり、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(8mL、3:1)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、パラジウム炭素(19mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、4時間激しく撹拌した。反応後、パラジウム炭素を濾過、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(32mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取逆相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:水-メタノール(9:1、v/v))により精製し、白色個体を得た。得られた個体を分取HPLCにより精製し、白色個体として化合物3(28mg、73μmol、61%)を得た。
分取カラム:L-column ODS, size20mm x 259mm 5μm
溶離液:A(10mM酢酸アンモニウム水溶液)、B (アセトニトリル)
流速:20mL/min
注入量:500μL
温度:40℃
検出波長:280nm
グラジエント条件B(%):10%(5分)、10→30%(8分)
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物10(100mg、0.14mmol)、2,3,4-トリ-O-アセチル-1-O-(トリクロロアセトイミドイル)-α-D-グルクロン酸メチル(207mg、0.43mmol)、そしてモレキュラーシーブス4Å(500mg)をとり、脱水ジクロロメタン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、トリフルオロボラン-エーテル錯体(365μL、8.64mmol)を0℃で加えた後、室温まで昇温し、18時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1、v/v))により粗精製し、白いアモルファスとして混合物(88mg)を得た。
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物10(100mg、0.14mmol)、2,3,4-トリ-O-アセチル-1-O-(トリクロロアセトイミドイル)-α-D-グルクロン酸メチル(207mg、0.43mmol)、そしてモレキュラーシーブス4Å(500mg)をとり、脱水ジクロロメタン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、トリフルオロボラン-エーテル錯体(365μL、8.64mmol)を0℃で加えた後、室温まで昇温し、18時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1、v/v))により粗精製し、白いアモルファスとして混合物(74mg)を得た。
100mL丸底フラスコに化合物16の合成で得られた混合物(88mg)をとり、テトラヒドロフラン-エタノール-精製水溶液(5mL、2:2:1)を加え撹拌し、な溶液を得た。続いて、1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を室温で加え、30分間撹拌した。反応後、Amberlyst(登録商標)15(H)と酢酸(200μL)を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、濾過、得られた濾液をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をアルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン-メタノール-酢酸溶液(4.2mL、30:10:2)を加え、撹拌し、澄明な液体を得た。続いて、パラジウム炭素(20mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、21時間激しく撹拌した。反応後、パラジウム炭素を濾過、テトラヒドロフラン-メタノール溶液(12mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取HPLCにより精製し、白色個体として化合物4(6.3mg、13μmol、9.3%(3行程収率))を得た。
分取カラム:L-column ODS, size20mm×259mm 5μm
溶離液:A(0.1%ギ酸水溶液)、B(アセトニトリル)
流速:20mL/min
注入量:500μL
温度:40℃
検出波長:280nm
グラジエント条件B(%):5→12%(5分)、12%(15分)
100mL丸底フラスコに化合物16の合成で得られた混合物(74mg)をとり、テトラヒドロフラン-エタノール-精製水溶液(5mL、2:2:1)を加え撹拌し、な溶液を得た。続いて、1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を室温で加え、30分間撹拌した。反応後、Amberlyst(R)15(H)と酢酸(200μL)を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、濾過、得られた濾液をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をアルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン-メタノールー酢酸溶液(4.2mL、30:10:2)を加え、撹拌し、澄明な液体を得た。続いて、パラジウム炭素(20mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、21時間激しく撹拌した。反応後、パラジウム炭素を濾過、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(12mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取HPLCにより精製し、白色個体として化合物5(4.1mg、8.8μmol、6%(3行程収率))を得た。
分取カラム:L-column ODS, size20mm×259mm 5μm
溶離液:A(0.1%ギ酸水溶液)、B(アセトニトリル)
流速:20mL/min
注入量:500μL
温度:40℃
検出波長:280nm
グラジエント条件B(%):5→10%(5分)、10%(15分)
下記反応スキームに示す方法で、実施例1(1)で得られた化合物6からカテキン硫酸抱合体の合成を試みた。各工程の反応条件を併せて示す。
(a)BnBr,NaH,DMF,2時間、室温,81%
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物6(216mg、0.65mmol)をとり、N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、60%油性水素化ナトリウム(131mg、3.2mmol)を-50℃メタノール溶液での冷却下で加え、15分間撹拌後、臭化ベンジル(388μL、3.2mmol)を滴下し、室温まで昇温し2時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(6:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物18(366mg、0.53mmol、66%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物18(350mg、0.50mmol)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(292mg、0.25mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、モルホリン(91μL、1.00mmol)を室温で加え、1時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物19(330mg、0.50mmol、quant.)を得た。
アルゴン雰囲気下、20mL丸底フラスコに化合物19(71mg、0.10mmol)とSDIS(1240mg、0.5mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(3mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、1,2-ジメチルイミダゾール(26mg、0.25mmol)を室温で加え、1時間撹拌した。反応後、酢酸エチル(5mL)で希釈した後、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を分取順相薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(6:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物20(86mg、0.10mmol、quant.)を得た。
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物20(43mg、55μmol)とギ酸アンモニウム(56mg、0.55mmol)をとり、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(8mL、3:1)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、パラジウム炭素(10mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、4時間激しく撹拌した。反応後、パラジウム炭素を濾過、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(32mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を逆相分取薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:水-メタノール(9:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物14(16mg、33μmol、61%)を得た。
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物21(16mg、33μmol)をとり、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(8mL、3:1)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、水酸化パラジウム(30mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、1時間激しく撹拌した。反応後、水酸化パラジウムを濾過、テトラヒドロフラン-メタノール混合液(32mL、3:1)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を質量分析で解析を行ったところエピカテキンが得られていた。
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物20(219mg、0.28mmol)をとり、酢酸エチル(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、水酸化パラジウム(109mg)を室温で加え、フラスコ内を水素置換し、30分間激しく撹拌した。反応後、水酸化パラジウムを濾過、テトラメタノール(40mL)で洗浄、得られた有機層をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を質量分析で解析を行ったところエピカテキンが得られていた。
Claims (3)
- 請求項1記載の方法により得られた下記式(IV):
で表されるアリル化カテキン保護誘導体のアリル基を脱離して下記式(V):
で表されるカテキン保護誘導体とし、次いで、硫酸化、メチル化、グルクロン酸化及びグルコシル化から選ばれる抱合反応に付し、続いて保護基を脱離する、下記式(VI):
で表されるカテキン抱合体の製造方法。
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Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
ZHANG, Mingbao et al.,Chemical Synthesis and Characterization of Epicatechin Glucuronides and Sulfates: Bioanalytical Stan,Journal of Natural Products,2013年01月28日,Volume 76, Issue2,pp. 157-169 |
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