したがって、子宮内膜症、子宮筋腫、PCOS及び腺筋症のため、特に、子宮内膜症、子宮筋腫、PCOS又は腺筋症に関連する疼痛、及び子宮内膜症、子宮筋腫、PCOS又は腺筋症に関連する重度の月経出血の管理のための、経口投与による新規な処置が当分野において必要とされている。さらに、このような処置剤、特に非ペプチドGnRHアンタゴニストを含む経口により生体利用可能な剤形を開発することが当分野において依然として必要とされている。
(発明の要旨)
本開示は、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を含む固形医薬組成物、このような組成物を使用する方法、及びこのような組成物中において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の高い薬物担持量を実現する方法を対象とする。
本出願は高い薬物担持量の化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む、固形医薬組成物を提供する。ある種の実施形態において、このような組成物は、溶融加工により製造される。従来の溶融加工は、少なくとも10%(w/w)の結合剤を含む組成物を利用する。したがって、従来の溶融加工は、組成物に含めることができるAPI及び/又はさらなる賦形剤の量を制限する。化合物A又は薬学的に許容されるその塩、特に、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムは、ポリエチレングリコール(PEG)などの薬学的に許容される溶融性結合剤と混和性であることが、本出願において判明した。PEG及び4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムの混和性は、製剤が、従来の溶融加工された製剤よりも、PEGなどのポリマーをより少なく用いて加工することが可能となる1つの要因である。したがって、ある種の態様において、本出願は、活性医薬成分(API)、好ましくは4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム、及び約10%(w/w)未満の薬学的に許容される溶融性結合剤を含む、薬物担持量の高い組成物を提供する。他の態様において、本出願は、固体マトリックス中に、結合剤と混和性の、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含む単相系を提供する。さらに他の態様において、本出願は、固体マトリックス中に、分子レベルで分散しているアモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム、及び該固体マトリックスと混合したアモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム粒子又はクラスターを含む多相系を提供する。さらに他の態様において、本出願は、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含有する固体マトリックスに分子レベルで分散している結合剤、及び該固体マトリックスと混合しているアモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム粒子又はクラスターを含む多相系を提供する。さらに他の態様において、本出願は、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含有する固体マトリックスに分散している結合剤、及び該固体マトリックスと混合したアモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム粒子又はクラスターを含む多相系を提供する。さらに他の態様において、本出願は、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含有する固体マトリックスに分散している結合剤、及び該固体マトリックスと混合している1種以上の賦形剤を含む多相系を提供する。さらに他の態様において、本出願は、固体マトリックス中に分散しているアモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムと混合している結合剤を含む多相系を提供する。さらに他の態様において、本出願は、1種以上の賦形剤を含有する固体マトリックス中に分散しているアモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムと混合している結合剤を含む多相系を提供する。
本出願は、活性医薬成分(API)、好ましくは4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム、より好ましくは、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含む薬物担持量の高い組成物を提供する。通常、高い薬物担持量は、とりわけ、化合物が低い圧縮性を有する場合、大きな剤形を必要とすることがある。このような大きな剤形は、患者の乏しい服薬遵守(例えば、嚥下困難のため)に関連する。アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムのバルク密度及び粒子サイズなどの物理特性は、バッチごとに様々となり得る。低いバルク密度を有するAPIは、流動特性に乏しいことがあり、この流動特性の乏しさは、ブレンド及び圧縮に難題を呈する。流動特性に乏しいAPIを用いて作業する公知技法(例えば、乾式造粒又はローラー圧縮)は、多くの場合、製剤の圧縮性を犠牲にする。したがって、ある種の態様において、本出願は、高い薬物担持量を有し、依然として、好適な剤形を実現するのに十分な圧縮性(例えば、総重量が約2g未満、好ましくは約1.6g未満を有する錠剤)を維持する、固形医薬組成物及びこのような組成物を作製する方法を提供する。
一態様において、開示された固形医薬組成物は、固体分散体などの固体マトリックスに分子レベルで分散している、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む。
一態様において、開示された固形医薬組成物は、固体マトリックスに分散している、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む。
ある種の実施形態において、化合物Aの塩は、一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムである。
ある種の実施形態において、固体分散体などの固体マトリックスは、薬学的に許容される溶融性結合剤などの、少なくとも1種の追加の賦形剤をさらに含む。
ある種の実施形態において、固体分散体などの固体マトリックスは、薬学的に許容される溶融性結合剤を含む。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリアルキレングリコールである。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、PEG3350である。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、溶融造粒によって調製される。ある種の実施形態において、溶融押出によって調製される押出物などの生成物は、裁断される、又は顆粒にミル粉砕される。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、崩壊剤をさらに含む。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、架橋ポリマーである。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンである。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、流動促進剤をさらに含む。いくつかのこのような実施形態において、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、pH調整剤、又はpH調整剤などのこの特性を有するもの(properties)をさらに含む。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、アルカリ若しくはアルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)、又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩(例えば、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸カリウム、酢酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウムなど)、又はアミノ酸塩基を含むpKa≧6を有する弱塩基、又は弱塩基ポリマー(例えば、アラニン、リシン、アルギニン、アミノメタクリレートコポリマーなど)である。
いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム一水和物又は無水炭酸ナトリウムなどの炭酸ナトリウムである。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩及び薬学的に許容される溶融性結合剤を含む固体分散体などの固体マトリックスを含み、本固形医薬組成物は、固体分散体などの固体マトリックスと混合されている化合物A又は薬学的に許容されるその塩をさらに含む。いくつかのこのような実施形態において、本固形医薬組成物は、二相系であって、化合物A又は薬学的に許容されるその塩が、固体マトリックス中、例えば固体分散体中に結合剤と混和性であり、化合物A又は薬学的に許容されるその塩が、固体分散体と混合されている、二相系を含む。いくつかのこのような実施形態において、本固形医薬組成物は、二相系であって、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムが、固体分散体などの固体マトリックス中に分子レベルで分散しており、追加の4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムが、該固体マトリックスと混合されている、二相系を含む。いくつかのこのような実施形態において、本固形医薬組成物は、二相系であって、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムが、固体分散体などの固体マトリックス中に分子レベルで分散しており、追加のアモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムが、該固体マトリックスと混合されている、二相系を含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、約100mg~約400mg、及び薬学的に許容される溶融性結合剤の約1重量%~約20重量%、好ましくは約2重量%~約10重量%、より好ましくは約4%~約6%である量の化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、PEG3350などのポリエチレングリコール(PEG)である。
本開示はまた、ある量の化合物A又は薬学的に許容されるその塩、及び少なくとも1種の薬学的に許容される溶融性結合剤、並びに任意選択的に崩壊剤及び/又は流動促進剤を含む固形医薬組成物を対象としている。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、固形医薬組成物の約20重量%~約90重量%、好ましくは約35重量%~約80%、好ましくは約50重量%~約70%、より好ましくは約55%~約60%の量で固形医薬組成物中に存在する。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量は、約175mg~約225mg、代替として、約190mg~約210mg、及び好ましくは約200mgである。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量は、約275mg~約325mg、代替として、約290mg~約310mg、及び好ましくは約300mgである。
ある種の実施形態において、化合物Aの塩は、一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムである。
ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩と混和性である。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量の少なくとも第1の部分は、固体マトリックス中に結合剤と混和性があり、この固体マトリックスは、薬学的に許容される溶融性結合剤を含む。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量の第2の部分は、固体マトリックスと混合されている。いくつかのこのような実施形態において、本固形医薬組成物は、固体マトリックス中に分子レベルで分散している化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量の第1の部分、及び該固体マトリックスと混合されている化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量の第2の部分を含む。いくつかのこのような実施形態において、本固形医薬組成物は、固体マトリックス中に分子レベルで分散している4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム、及び該固体マトリックスと混合されている4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含む。いくつかのこのような実施形態において、本固形医薬組成物は、固体マトリックス中に分子レベルで分散しているアモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム、及び該固体マトリックスと混合されているアモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含む。
ある種の実施形態において、固体マトリックスは、薬学的に許容される溶融性結合剤を含む。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、固形医薬組成物の約0.5%~約15%、好ましくは約2重量%~約10重量%の量で、固体マトリックス中に存在している。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、PEG3350などのポリエチレングリコール(PEG)である。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、崩壊剤を含む。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、固形医薬組成物の約2重量%~約30重量%の量で固形医薬組成物中に存在する。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンである。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、流動促進剤を含む。いくつかのこのような実施形態において、流動促進剤は、固形医薬組成物の約0.1重量%~約5重量、代替として、固形医薬組成物の約0.1重量%~約2重量%の量で固形医薬組成物中に存在する。いくつかのこのような実施形態において、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、pH調整剤をさらに含む。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、固体マトリックスと混合されている。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、化合物A又はその塩のpH調整剤に対する重量比が、約1:1~約10:1である量で存在する。代替として、この比は、約2:1~約10:1である。代替として、この比は、約2:1~約8:1である。代替として、この比は、約2:1~約6:1である。代替として、この比は、約2:1~約4:1である。代替として、この比は、約2:1~約1:1である。
いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム一水和物などの炭酸ナトリウムである。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、流動促進剤及び/又は滑沢剤をさらに含む。
本開示はまた、化合物A又は薬学的に許容されるその塩、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックス中に存在する薬学的に許容される溶融性結合剤、並びに任意選択的に、崩壊剤及び/又は流動促進剤を含む固形医薬組成物を対象としている。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、固形医薬組成物の約40重量%~約80重量%の量で、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックス中に存在している。
ある種の実施形態において、化合物Aの塩は、一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。
ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、固形医薬組成物の約0.5重量%~約15重量%、好ましくは約2重量%~約10重量%の量で、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックス中に存在している。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、固形医薬組成物の約0.5重量%~約15重量%、好ましくは約2重量%~約10重量%の量で、固形医薬組成物中に存在している。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、PEG3350などのポリエチレングリコール(PEG)である。
ある種の実施形態において、崩壊剤は、固形医薬組成物の約2重量%~約30重量%の量で固形医薬組成物中に存在する。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンである。
ある種の実施形態において、流動促進剤は、固形医薬組成物の約0.1重量%~約5重量%、代替として、固形医薬組成物の約0.1重量%~約2重量%の量で固形医薬組成物中に存在する。いくつかのこのような実施形態において、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、溶融加工によって、例えば溶融押出によって又は溶融造粒によって調製される。ある種の実施形態において、溶融押出によって調製される押出物は、裁断される、又は顆粒にミル粉砕される。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、pH調整剤をさらに含む。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスと混合されている。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、化合物A又はその塩のpH調整剤に対する重量比が、約1:1~約10:1である量で存在する。代替として、比は、約2:1~約10:1である。代替として、比は、約2:1~約8:1である。代替として、比は、約2:1~約6:1である。代替として、比は、約2:1~約4:1である。代替として、比は、約2:1~約1:1である。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム一水和物などの炭酸ナトリウムである。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、滑沢剤をさらに含む。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、粒内部分及び粒外部分を構成する。いくつかのこのような実施形態において、粒内部分は、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスを含む。いくつかのこのような実施形態において、粒外部分は滑沢剤を含む。
本開示はまた、(a)化合物A又は薬学的に許容されるその塩、(b)少なくとも1種の薬学的に許容される溶融性結合剤、並びに任意選択的に(c)pH調整剤、(d)崩壊剤及び/又は(e)流動促進剤からなる溶融加工済み混合物を含む固形医薬組成物を対象としている。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、溶融加工済み混合物の総重量の約20重量%~約90重量%の量で存在する。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、溶融加工済み混合物の総重量の約35重量%~約80重量%の量で存在する。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、溶融加工済み混合物の総重量の約50重量%~約70重量%の量で存在する。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、溶融加工済み混合物の総重量の約55重量%~約60重量%の量で存在する。
ある種の実施形態において、化合物Aの塩は、一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。
ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、溶融加工済み混合物の総重量の約2重量%~約10重量%の量で存在する。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、PEG3350などのポリエチレングリコール(PEG)である。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、(a)化合物A又は薬学的に許容されるその塩、及び(b)少なくとも1種の薬学的に許容される溶融性結合剤、任意選択的に(c)pH調整剤、(d)崩壊剤及び/又は(e)流動促進剤からなる溶融加工済み混合物を含む。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、化合物A又はその塩のpH調整剤に対する重量比が、約1:1~約10:1である量で存在する。代替として、この比は、約2:1~約10:1である。代替として、この比は、約2:1~約8:1である。代替として、この比は、約2:1~約6:1である。代替として、この比は、約2:1~約4:1である。代替として、この比は、約2:1~約1:1である。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム一水和物などの炭酸ナトリウムである。
ある種の実施形態において、崩壊剤は、溶融加工済み混合物の総重量の約2重量%~約10重量%の量で存在する。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンである。
ある種の実施形態において、流動促進剤は、溶融加工済み混合物の総重量の約0.1重量%~約5重量%、代替として、溶融加工済み混合物の総重量の約0.1重量%~約2重量%の量で存在する。いくつかのこのような実施形態において、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
ある種の実施形態において、溶融加工済み混合物は、溶融押出又は溶融造粒によって調製される。いくつかのこのような実施形態において、溶融加工済み混合物は、溶融押出によって調製される。いくつかのこのような実施形態において、溶融押出によって調製される押出物は、裁断される、又は顆粒にミル粉砕される。いくつかのこのような実施形態において、溶融加工済み混合物は、溶融造粒によって調製される。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、流動促進剤及び/又は滑沢剤をさらに含む。
本開示はまた、固体マトリックス中に分散されている、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む固体分散体であって、固体マトリックスが、少なくとも1種の薬学的に許容される溶融性結合剤を含む、固体分散体を対象とする。ある種の実施形態において、固体分散体は、実質的に非結晶性形態、例えばアモルファス形態にある。
ある種の実施形態において、化合物Aの塩は、一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。
ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、ポロキサマー188などのポロキサマー、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、又はPEG3350などのポリエチレングリコール(PEG)、モノステアリン酸グリセロール(glycerol monosteatrate)又はステアリン酸である。
ある種の実施形態において、固体分散体中の化合物A又は薬学的に許容されるその塩の薬学的に許容される溶融性結合剤に対する重量比は、約1:1~約15:1、代替として、約3:1~約12:1である。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の薬学的に許容される溶融性結合剤に対する重量比は、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1又は約12:1である。いくつかのこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の、薬学的に許容される溶融性結合剤に対する重量比は、約12:1である。
ある種の実施形態において、固体分散体は、溶融加工によって、例えば溶融押出によって又は溶融造粒によって調製される。ある種の実施形態において、溶融押出によって調製される押出物は、裁断される、又は顆粒にミル粉砕される。ある種の実施形態において、pH調整剤及び/又は崩壊剤などの1種以上の追加の賦形剤が、溶融造粒に含まれる。
本開示はまた、化合物A又は薬学的に許容されるその塩、薬学的に許容される溶融性結合剤を含む、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスを対象とする。
ある種の実施形態において、化合物Aの塩は、一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。
ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、ポロキサマー188などのポロキサマー、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、又はPEG3350などのポリエチレングリコール(PEG)である。
ある種の実施形態において、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックス中の化合物A又は薬学的に許容されるその塩の、薬学的に許容される溶融性結合剤に対する重量比は、約1:1~約15:1、代替として、約3:1~約12:1である。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の薬学的に許容される溶融性結合剤に対する重量比は、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1又は約12:1である。いくつかのこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の薬学的に許容される溶融性結合剤に対する重量比は約12:1である。
ある種の実施形態において、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスなどの固体マトリックスは、溶融加工によって、例えば溶融押出によって又は溶融造粒によって調製される。ある種の実施形態において、溶融押出によって調製される押出物は、裁断される、又は顆粒にミル粉砕される。ある種の実施形態において、pH調整剤及び/又は崩壊剤などの1種以上の追加の賦形剤が、溶融造粒に含まれる。
本開示はまた、(i)化合物A又は薬学的に許容されるその塩及び少なくとも1種の薬学的に許容される溶融性結合剤を含む固体分散体、及び(ii)該固体分散体の外側に1種以上の追加の構成成分を含む粒剤を含む医薬組成物を対象としている。
ある種の実施形態において、化合物Aの塩は、一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、本医薬組成物の約40重量%~約80重量%の量で粒剤中に存在する。
ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、医薬組成物の約0.5重量%~約15重量%、好ましくは約2重量%~約10重量%の量で、粒剤中に存在している。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、ポロキサマー188などのポロキサマー、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、又はPEG3350などのポリエチレングリコール(PEG)である。
ある種の実施形態において、固体分散体の外側の1種以上の追加の構成成分は、pH調整剤を含む。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、粒剤中に存在し、化合物A又はその塩のpH調整剤に対する重量比が、約1:1~約10:1である。代替として、この比は、約2:1~約10:1である。代替として、この比は、約2:1~約8:1である。代替として、この比は、約2:1~約6:1である。代替として、この比は、約2:1~約4:1である。代替として、この比は、約2:1~約1:1である。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム一水和物などの炭酸ナトリウムである。
ある種の実施形態において、固体分散体の外側の1種以上の追加の構成成分は、崩壊剤を含む。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、医薬組成物の約2重量%~約30重量%の量で粒剤中に存在する。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンである。
ある種の実施形態において、固体分散体の外側の1種以上の追加の構成成分は、流動促進剤を含む。いくつかのこのような実施形態において、流動促進剤は、医薬組成物の約0.1重量%~約5重量%、代替として、医薬組成物の約0.1重量%~約2重量%の量で粒剤中に存在する。いくつかのこのような実施形態において、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
ある種の実施形態において、粒剤は、溶融加工によって、例えば溶融造粒によって調製される。
本開示は、またさらに、経口剤形中に、高い薬物担持量の化合物A又は薬学的に許容されるその塩を実現する方法を対象としている。
ある種の実施形態において、本方法は、固体マトリックス、例えば、アモルファスの固体分散体中に化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を調製するステップを含む。
ある種の実施形態において、本方法は、溶融造粒又は溶融押出などによって、化合物A又は薬学的に許容されるその塩、及び少なくとも1種の薬学的に許容される溶融性結合剤を溶融加工するステップを含む。
本開示はまた、このような処置を必要とする対象における、子宮内膜症を処置する方法であって、本開示の固形医薬組成物の対象への投与を含む方法を対象としている。ある種の実施形態において、本方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の潜在的な副作用を低減又は軽減するよう、ホルモンの対象への投与をさらに含む。例えば、本方法は、エストロゲン、プロゲスチンなどのプロゲストーゲン、又はこれらの組合せ物の投与を含むことができる。このような処置は、「アドバック」療法と一般に呼ばれる。いくつかのこのような実施形態において、アドバック療法は、エストラジオール、及び酢酸ノルエチンドロンなどのノルエチステロンプロドラッグを含む。
本開示はまた、子宮内膜症を処置する際に使用するための固形医薬組成物を対象としている。
本開示はまた、このような処置を必要とする対象における、子宮筋腫を処置する方法であって、本開示の固形医薬組成物の対象への投与を含む方法を対象としている。ある種の実施形態において、本方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の潜在的な副作用を低減又は軽減するよう、ホルモンの対象への投与をさらに含む。例えば、本方法は、エストロゲン、プロゲスチン又はこれらの組合せ物の投与を含むことができる。このような処置は、「アドバック」療法と一般に呼ばれる。いくつかのこのような実施形態において、アドバック療法は、エストラジオール、及び酢酸ノルエチンドロンなどのノルエチステロンプロドラッグを含む。
本開示はまた、子宮筋腫を処置する際に使用するための固形医薬組成物を対象としている。
本発明のこれらの目的及び他の目的は、以下の段落に記載されている。これらの目的は、本発明の範囲を狭めるものと見なされるべきではない。
この詳細説明は、本発明、この原理及びこの実践的用途を当業者に知らしめるためのものに過ぎないことが意図されており、したがって、当業者は、本発明が特定の使用の要件に最良に適合され得るように、本発明をこの様々な形態で、適合及び適用することができる。本記載及びこの具体例は、例示目的に過ぎないことが意図されている。したがって、本発明は、本特許出願に記載されている実施形態に限定されず、様々に修正され得る。
<A.定義>
本明細書及び添付されている特許請求の範囲において使用される場合、特に逆のことを指定しない限り、以下の用語は、示されている意味を有する。
用語「API」は、本明細書において使用する場合、「活性医薬成分」を表す。本明細書において開示されている好ましいAPIは、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムである。
用語「固体マトリックス」とは、本明細書において使用する場合、API及び1種以上の溶融性結合剤の分子混合物を指す。一実施形態において、固体マトリックスは、アモルファス及び結晶性固体分散体とすることができる。APIは、マトリックス中のアモルファスクラスター又は結晶性粒子として分散し得、かつ/又はAPIは、分子レベルで分散し得る、及び/又はマトリックス全体に分散し得る。様々なタイプの固体分散体は、その分子配列に基づいて区別され得る。これらの様々なタイプの固体分散体には、以下に限定されないが、(1)共晶混合物、(2)マトリックスが結晶状態にある固溶体であって、連続固溶体、不連続固溶体、置換型固溶体及び侵入型固溶体を含めたもの、及び(3)ガラス溶液であって、マトリックスがアモルファス状態にあり、APIが、マトリックス全体に分子レベルで分散しているもの、が含まれる。用語「分子レベルで分散している」とは、本明細書において使用する場合、ポリマーを含む化合物(例えば、化合物A又はその塩)のランダム分布を指す。ある種の実施形態において、化合物は、この固体状態にあるポリマーによって形成されたマトリックス内に分散されていてもよく、こうして、化合物は、このアモルファス形態において固定化されている。
本明細書において使用する場合、用語「医薬組成物」は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩、及び任意選択的に1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を意味する。
用語「薬学的に許容される」とは、修飾された名詞が、ヒト使用のための医薬製品として、又はヒト使用のための医薬製品の一部としての使用に適切なものであることを意味するために、形容して使用される。
用語「対象」は、ヒト及び他の霊長類、並びに他の哺乳類を含む。対象という用語は、例えば、閉経前の健常な女性、及び、例えば、子宮内膜症又は子宮筋腫を有する女性患者を含む。ある種の実施形態において、対象はヒトである。ある種の実施形態において、対象は成人ヒト女性である。ある種の実施形態において、対象は、女性であり、通常、子宮内膜症を有する閉経前女性である。ある種の実施形態において、対象は、女性であり、通常、子宮筋腫を有する閉経前女性である。
用語「治療有効量」は、いかなる医療的処置にも適用可能な、妥当な利益/リスク比で、状態、障害又は疾患を処置するAPI又は医薬組成物の十分な量を意味する。
用語「処置する」、「処置すること」及び「処置」とは、状態、障害若しくは疾患、及び/又は兆候、及び/又は付随するこれらの症状を改善又は無効にする方法を指す。
<B.薬物>
本明細書に開示されている医薬組成物は、少なくとも1つの活性医薬成分:4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を含む。
化合物Aは、以下の式:
化合物Aは、経口により活性な、非ペプチドGnRHアンタゴニストであり、他のGnRHアゴニスト及び注射可能な(ペプチド)GnRHアンタゴニストとは異なる。化合物Aは、女性における、下垂体及び卵巣ホルモンの用量依存的抑制を生じる。化合物A及び薬学的に許容されるその塩、並びに類似化合物を作製する方法は、WO2001/055119、WO2005/007165及びPCT出願WO2017/221144に記載されており、その内容が参照により本明細書に組み込まれている。薬物の重水素型も、本発明の範囲内にあることがやはり企図されている。薬物の重水素型は、特許出願CN108129400(A)に記載されており、この内容が参照により本明細書に組み込まれている。エラゴリクス及びエラゴリクスナトリウムは、互換的に使用されて、薬物を指す。具体的に指示されていない場合、エラゴリクスは、その範囲内にエラゴリクスナトリウムを企図する。
ある種の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸は、双性イオン形態で存在する。例えば、カルボン酸と三級アミンの両方が、イオン化されており、したがって、この分子は、全体として電荷を有していないが、電荷分離を有する。このような双性イオン形態は、用語「化合物A又は薬学的に許容されるその塩」の範囲内に包含される。
酸解離定数は、電位差滴定方法によって決定された。エラゴリクスのpKa値は、4.0(A)及び7.9(B)である。pKa値及び分子構造に基づいて、エラゴリクスの場合、異なるpHにおいて存在し得る3つの化学種が存在する。第1は、XH2+であり、この場合、カルボン酸はイオン化していないが、二級アミンはイオン化しており、分子は、全体で+1の電荷を有しており、4.0未満のpHにおける主要な化学種である。第2は、XHであり、この場合、カルボン酸と三級アミンのどちらもイオン化している。分子の性質は、双性イオンであり、すなわち、分子は、全体として電荷を有していないが、電荷分離を有しており、これは、pH4.0~7.9の間におけるエラゴリクスの主要な化学種である。第3はX-であり、この場合、カルボン酸はイオン化しているが、三級アミンはイオン化していない。この分子は全体として、-1の電荷を有する。これは、pH約7.9におけるエラゴリクスの主要な化学種である。
化合物Aは、酸付加塩又は塩基付加塩の形態の医薬組成物中に存在してもよい。本発明の遊離アミノ化合物の酸付加塩は、当分野において周知の方法によって調製され得、有機酸及び無機酸から形成され得る。好適な有機酸は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、桂皮酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸を含む。好適な無機酸は、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及び硝酸を含む。好適な塩基付加塩には、カルボン酸陰イオンと形成する塩を含み、アルカリ及びアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム及びカルシウム)、並びにアンモニウムイオン及びこれらの置換されている誘導体(例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウムなど)から選択されるものなどの有機及び無機の陽イオンと形成される塩を含む。したがって、化合物Aの「薬学的に許容される塩」という用語は、ありとあらゆる許容可能な塩形態を包含することが意図されている。
ある種の実施形態において、化合物Aは、医薬組成物中に薬学的に許容される塩の形態で存在する。ある種の実施形態において、化合物Aの薬学的に許容される塩は、化合物Aのナトリウム塩である。化合物Aの一ナトリウム塩は、C32H29F5N3O5Naという分子式を有しており、これは、約653.6(塩)及び約631.6(遊離形態)の分子量に相当する。化合物Aの一ナトリウム塩は、以下の式:
ある種の実施形態において、一ナトリウム塩は、アモルファス固体の形態にある。ある種の実施形態において、一ナトリウム塩は、結晶又は部分結晶形態にある。
本明細書において使用する場合、及び化合物Aの特定の薬学的に許容される塩を具体的に参照しない場合、いずれの投与量も、ミリグラム若しくは重量百分率として、又は別の成分との比として表されているかどうかに関わらず、化合物Aの遊離形態の量を指すと見なされるべきである。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、約45mg~約450mgの化合物Aの量で、医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量は、約50mg~約400mgである。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量は、約100mg~約350mgである。他のこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量は、約190mg~約210mg、好ましくは約200mgである。さらに他の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量は、約290mg~約310mg、好ましくは約300mgである。
ある種の実施形態において、本医薬組成物は、高い薬物担持量を提供する。例えば、組成物が錠剤である実施形態において、錠剤は、少なくとも20%の薬物、少なくとも25%の薬物、少なくとも30%の薬物、少なくとも35%の薬物、少なくとも40%の薬物、少なくとも45%の薬物、少なくとも50%の薬物、少なくとも55%の薬物又は少なくとも60%の薬物を含有することができる。代替的に、錠剤は、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%又は約65%の薬物を含有することができる。別の例として、組成物が錠剤である実施形態において、本医薬組成物は、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%又は少なくとも60%の4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムなどの、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含む。代替的に、錠剤は、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%又は約65%の4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含有することができる。
<C.医薬組成物>
化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む固形医薬組成物は、子宮内膜症又は子宮筋腫を処置するために使用され得る。本明細書に記載されている固形医薬組成物又は剤形は、好ましくは、ヒトに投与され得る、経口剤形とすることができる。固形経口剤形は、例えば、カプセル剤、粒剤、顆粒剤、ペレット剤、丸剤、散剤及び/又は錠剤の形態にあってもよい。
本開示は、とりわけ、経口剤形中に高い薬物担持量の化合物A又は薬学的に許容されるその塩を与える機能的賦形剤を提供する。
ある種の実施形態において、開示されている固形医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される溶融性結合剤を含む。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、溶融性ポリマー、溶融性グリセリド誘導体、溶融性ポリオール、溶融性多糖、溶融性セルロース誘導体、溶融性ポビドン、溶融性両親媒性物質又はこれらの組合せを含む。いくつかのこのような実施形態において、本固形医薬組成物は、任意選択の可塑剤をさらに含む。
ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、溶融性ポリマーを含む。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、親水性溶融性ポリマーを含む。例えば、薬学的に許容される溶融性結合剤は、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリアルキレングリコール、又はポロキサマーとすることができる。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、PEG3350を含む。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、ポロキサマー188を含む。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性ポリマーは、両親媒性ポリマーを含む。例えば、薬学的に許容される溶融性結合剤は、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーとすることができる。いくつかのこのような実施形態において、溶融性ポリマーは、N-ビニルラクタム、ポリアルキレングリコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルポリマー又はこれらの組合せから選択されてもよい。
ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、ポリオキシルグリセリド、ベヘノイルポリオキシル-8グリセリド又はモノステアリン酸グリセリルなどの溶融性グリセリド誘導体を含む。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、マルチトール又はイソマルトなどの溶融性ポリオールを含む。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、マルトデキストリンなどの溶融性多糖を含む。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの、溶融性セルロース誘導体を含む。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、コポビドンなどの溶融性ポビドンを含む。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、d-αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネートなどの溶融性両親媒性物質を含む。
ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、固形医薬組成物の約0.1重量%~約20重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、固形医薬組成物の約2重量%~約10重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、固形医薬組成物の約3重量%~約8重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、固形医薬組成物の約4重量%~約6重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、約5重量%の薬学的に許容される溶融性結合剤を含む。
ある種の実施形態において、溶融性結合剤は、PEG1450、PEG3350、PEG4000、PEG6000又はPEG8000などのポリエチレングリコール(PEG)である。ある種の実施形態において、溶融性結合剤は、PEG3350である。ある種の実施形態において、ポリエチレングリコールは、固形医薬組成物の約0.1重量%~約20重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、ポリエチレングリコールは、固形医薬組成物の約2重量%~約10重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、ポリエチレングリコールは、固形医薬組成物の約3重量%~約8重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、ポリエチレングリコールは、固形医薬組成物の約4重量%~約6重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、約4.8重量%のPEG3350などのポリエチレングリコールを含む。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の薬学的に許容される溶融性結合剤に対する重量比は、約1:1~約15:1、代替として、約3:1~約12:1である。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の薬学的に許容される溶融性結合剤に対する重量比は、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1又は約12:1である。いくつかのこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の、薬学的に許容される溶融性結合剤に対する重量比は、約12:1である。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩、薬学的に許容される溶融性結合剤、及び任意選択的に1種以上の追加の賦形剤が、好ましくは溶融加工によって混合される。化合物A又は薬学的に許容されるその塩、薬学的に許容される溶融性結合剤及び任意選択の追加の賦形剤との間に、可能な少なくとも2つのタイプの相互作用が存在する。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩及び薬学的に許容される溶融性結合剤は、単相系を形成し、この場合、APIは、結合剤(binber)と混和性である。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩及び薬学的に許容される溶融性結合剤は、API-結合剤がマトリックス中において、他の賦形剤と物理的に混合している、多相系を形成する。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、以下の構成成分:化合物A又は薬学的に許容されるその塩、薬学的に許容される溶融性結合剤及び任意選択的に1種以上の追加の賦形剤を含む。ある種の実施形態において、組成物のうちの2種以上の構成成分が、互いに混和性である。いくつかのこのような実施形態において、混和性は、構成成分の特性、及び/又は加工条件(例えば、溶融時間及び/又は溶融温度)に依存する。いくつかのこのような実施形態において、組成物のうちの2種以上の構成成分が、互いに完全に混和性である。例えば、ある種の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム及び薬学的に許容される溶融性結合剤は、互いに完全に混和性である。いくつかのこのような実施形態において、混和性構成成分は、一緒にされて、単相系を形成することができる。他のこのような実施形態において、組成物のうちの2種以上の構成成分が、互いに部分的にしか混和性でない、又は互いに非混和性である。いくつかのこのような実施形態において、部分混和性又は非混和性構成成分は、一緒にされて、多相系を形成することができる。多相系は、例えば、2つの個別の相によって特徴付けられ得る。例えば、ある種の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム及び薬学的に許容される溶融性結合剤は、部分的にしか混和性でない。いくつかのこのような実施形態において、多相系は、マトリックス中に分子レベルで分散されているAPI、及び該マトリックスと混合されている個別の相中にAPIを含む。別の例として、ある種の実施形態において、炭酸ナトリウムなどのpH調整剤及び薬学的に許容される溶融性結合剤は、非混和性である。いくつかのこのような実施形態において、多相系は、マトリックス中に分子レベルで分散しているAPI、及び該マトリックスと混合されている個別の相中にpH調整剤を含む。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、固体分散体を含む。ある種の実施形態において、固体分散体は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩及び薬学的に許容される溶融性結合剤を含む。ある種の実施形態において、固体分散体は、アモルファス化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む。ある種の実施形態において、固体分散体は、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノル(ethylaminor))ブタン酸ナトリウムを含む。ある種の実施形態において、固体分散体は、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含む。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、PEG3350などのポリエチレングリコールである。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、固体分散体と混合されている薬物粒子をさらに含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、溶融性結合剤中に分子レベルで分散している化合物A又は薬学的に許容されるその塩を有する固体分散体、及び固体分散体と混合している化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、二相系などの多相系を構成する。ある種の実施形態において、多相系は、溶融性結合剤マトリックス中の分子分散系としてのAPIと、該溶融性結合剤マトリックスと混合している個別の相中のAPIとの両方を含む。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、溶融性結合剤マトリックスに分子レベルで分散している。ある種の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムは、溶融結合性マトリックス中に分子レベルで分散している。ある種の実施形態において、溶融性結合剤は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含有する(containging)固体マトリックス中に分子レベルで分散している。ある種の実施形態において、1種以上の追加の賦形剤はまた、(溶融性結合剤マトリックスと混合している)固形医薬組成物中に存在している。ある種の実施形態において、溶融性結合剤は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含有する(containging)固体マトリックス中に分子レベルで分散している。
経口固形剤形を介して投与される薬物は、全身性吸収が起こり得る前に、インビボにおいて溶解すべきである。薬物の物理化学特性を含めた、薬物溶解に影響を及ぼす、いくつかの因子が存在する。
ある種の実施形態において、溶解は、900mLのリン酸ナトリウム中、pH6.8、37℃及びパドル速度50rpmにおいて、米国薬局方装置IIを利用して評価される。ある種の実施形態において、溶解は、900mLの塩酸中、pH1.2、37℃及びパドル速度50rpmにおいて、米国薬局方装置IIを利用して評価される。分析面での終了は、紫外線(UV)検出を伴う高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムによるものであってもよい。
本明細書に記載されている固形医薬組成物は、通常、固形経口剤形であり、好ましくは、錠剤、より好ましくは即時放出錠剤の形態にある。ある種の実施形態において、即時放出錠剤は、900mLのリン酸ナトリウム中、pH6.8、37℃及びパドル速度50rpmにおいて、米国薬局方装置IIを使用して測定すると、少なくとも50%の化合物A又は薬学的に許容されるその塩を45分間で放出する。ある種の実施形態において、即時放出錠剤は、900mLのリン酸ナトリウム中、pH6.8、37℃及びパドル速度50rpmにおいて、米国薬局方装置IIを使用して測定すると、少なくとも80%の化合物A又は薬学的に許容されるその塩を60分間で放出する。ある種の実施形態において、pHは、900mlの0.1N HCl中、37℃において、米国薬局方装置IIを使用して測定すると、1.2である。
本明細書に記載されている固形経口剤形は、通常、錠剤の形態にある。特定の薬物動態パラメーターを有する錠剤の提供は、本発明によってもたらされる特有の利点である。薬物動態パラメーターとは、Tmax、Cmax及びAUCなどの任意の好適な薬物動態パラメーターを指す。パラメーターは、FDA、EMA、MHLW又はWHOなどの医薬品規制局に許容可能であると思われる、基準及び慣例に準拠して測定されるべきである。これらの値は、服用後、1時間毎又は2、4、6、8、10、12、16及び24時間などの、徐々に間隔を設けたサンプリング間隔といった、錠剤の服用時間の後の適切な間隔において行われる測定値に基づくことができる。薬物動態パラメーターは、薬物の単回用量後、又は定常状態のどちらかにおいて、好ましくは単回用量後に評価され得る。ある種の実施形態において、薬物動態パラメーターは、医薬組成物の単回用量後に決定される。ある種の実施形態において、薬物動態パラメーターは、複数の投与レジメンにおいて決定される。例えば、薬物動態パラメーターは、いくつかの投与間隔後、例えば、定常状態において決定され得る。薬物動態パラメーターは、絶食又は食事摂取条件下において、好ましくは絶食条件下において評価され得る。
Cmaxとは、ピーク濃度、特に、薬物の観察された血漿/血清中濃度の最大値を指す。Tmaxは、ピーク濃度に到達するまでの時間を指す。AUCtは、血漿中濃度-時間曲線下面積を指し、この場合、tは、その検討における、最後の測定可能な血漿中濃度の時間である。AUC∞は、単回投与後の時間0から無限までの血漿中濃度-時間曲線下面積を指す。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている固形経口剤形(特に、錠剤)であって、ヒト対象の集団における、化合物A又は薬学的に許容されるその塩に関する対数変換Cmax、対数変換AUCt及び/又は対数変換AUC∞の90%信頼区間が、それぞれ、参照錠剤の対数変換Cmax、対数変換AUCt及び/又は対数変換AUC∞の80~125%の範囲内に完全に収まり、参照錠剤が、約200mgの化合物Aに等価な量の4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール3350、炭酸ナトリウム一水和物、クロスポビドン、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及び任意選択のフィルムコーティング剤を含む、固形経口剤形が提供される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている固形経口剤形(特に、錠剤)であって、ヒト対象の集団における、化合物A又は薬学的に許容されるその塩に関する対数変換Cmax、対数変換AUCt及び/又は対数変換AUC∞の90%信頼区間が、それぞれ、参照錠剤の対数変換Cmax、対数変換AUCt及び/又は対数変換AUC∞の80~125%の範囲内に完全に収まり、参照錠剤が、約300mgの化合物Aに等価な量の4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール3350、炭酸ナトリウム一水和物、クロスポビドン、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム及び任意選択のフィルムコーティング剤を含む、固形経口剤形が提供される。
いくつかの実施形態において、固形経口剤形(特に、錠剤)は、本明細書に記載されている通りに提供され、この場合、投与量は、約300mgの化合物Aに等価な量の4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムを含み、この剤形は、ヒト対象の集団に単回用量として投与されると、ヒト対象の集団の場合、約1490ng/mL~約2340ng/mLである平均Cmax、約3770ng・時/mL~約5900ng・時/mLである平均AUCt、及び/又は約3780ng・時/mL~約5910ng・時/mLである平均AUC∞を与える。いくつかのこのような実施形態において、本固形経口剤形は、絶食条件下において投与される。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む固形医薬組成物の投与は、子宮内膜症又は子宮筋腫を有する女性患者における、黄体形成ホルモン(LH)及び/又は卵胞刺激ホルモン(FSH)のレベルの迅速な抑制をもたらす。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む固形医薬組成物の投与は、子宮内膜症又は子宮筋腫を有する女性患者における、部分的から、実質的に完全な、エストラジオールレベルの抑制をもたらす。いくつかのこのような実施形態において、エストラジオールのレベルは、約50pg/mL未満である。いくつかのこのような実施形態において、エストラジオールのレベルは、約20pg/mL~約50pg/mLの間である。いくつかのこのような実施形態において、エストラジオールのレベルは、約20pg/mL未満である。いくつかのこのような実施形態において、エストラジオールのレベルは、約12pg/mL未満(例えば、定量の最低限度未満)である。
本固形医薬組成物は、充填剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤及び滑沢剤として機能する賦形剤(excipent)などの他の賦形剤を含んでもよい。したがって、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む固形医薬組成物は、1種以上の慣用的な薬学的に許容される賦形剤を任意選択的にさらに含む。
ある種の実施形態において、開示されている固形医薬組成物は、充填剤として機能する少なくとも1種の賦形剤を含む。充填剤は、デキストロース、イソマルト、マンニトール、ソルビトール、ラクトース及びスクロースなどのポリオール;天然若しくはアルファ化ポテトデンプン又はトウモロコシデンプン;微結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標));又はこれらの組合せを含むことができる。好適な充填剤の例は、噴霧乾燥マンニトール(例えば、Pearlitol(登録商標)100SD、Pearlitol(登録商標)200SD)などのマンニトール、Starch1500(登録商標)などのアルファ化デンプン、Avicel(登録商標)などの微結晶セルロース、Foremost(登録商標)316 Fast Flo(登録商標)などのラクトース一水和物、galenIQ(商標)720などのイソマルツロース誘導体の混合物、及び他の好適な充填剤、並びにこれらの組合せを含むことができる。
ある種の実施形態において、充填剤は、本固形医薬組成物の約5重量%~約70重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、充填剤は、本固形医薬組成物の約10重量%~約60重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、充填剤は、本固形医薬組成物の約20重量%~約50重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、充填剤は、本固形医薬組成物の約30重量%~約45重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む固形医薬組成物は、pH調整剤を含む。
ある種の実施形態において、pH調整剤は、固形医薬組成物の約3重量%~約50重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、化合物A又はその塩のpH調整剤に対する重量比が、約1:1~約10:1である量で存在する。代替として、この比は、約2:1~約10:1である。代替として、この比は、約2:1~約8:1である。代替として、この比は、約2:1~約6:1である。代替として、この比は、約2:1~約4:1である。代替として、この比は、約2:1~約1:1である。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩のpH調整剤に対する重量比は、約1:1~約10:1である。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩のpH調整剤に対する重量比は、約2:1~約3:1である。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩のpH調整剤に対する重量比は約2:1である。
ある種の実施形態において、pH調整剤は、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸カリウム、酢酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム又はこれらの組合せを含む。
ある種の実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム一水和物又は無水炭酸ナトリウムなどの炭酸ナトリウムである。
ある種の実施形態において、炭酸ナトリウムは、固形医薬組成物の約3重量%~約50重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、炭酸ナトリウムは、化合物A又はその塩の炭酸ナトリウムに対する重量比が、約1:1~約10:1である量で固形医薬組成物中に存在する。代替として、この比は、約2:1~約10:1である。代替として、この比は、約2:1~約8:1である。代替として、この比は、約2:1~約6:1である。代替として、この比は、約2:1~約4:1である。代替として、この比は、約2:1~約1:1である。
本明細書において使用する場合、及び炭酸ナトリウムの特定の水和物(又は無水)形態を具体的に参照しない場合、いずれの量も、ミリグラム若しくは重量百分率で、又は別の成分との比として表されているかどうかに関わらず、炭酸ナトリウム一水和物の量を指すと見なされるべきである。
ある種の実施形態において、pH調整剤は、アルギニン、リシン、ヒスチジン又はこれらの組合せなどのpKa≧6を有する弱塩基を含む。ある種の実施形態において、pH調整剤は、ポリ(メタ)アクリレートポリマー(オイドラギットE100、オイドラギットE12、オイドラギットE5、オイドラギットE PO)又はこの組合せなどの、塩基性ポリマーを含む。ある種の実施形態において、pH調整剤は、Amberlite IRA96RF、Amberlite IRA67又はこれらの組合せなどのイオン交換樹脂を含む。
ある種の実施形態において、開示されている固形医薬組成物は、流動促進剤として機能する少なくとも1種の賦形剤を含む。流動促進剤は、例えば、高度に分散したシリカ(Aerosil(登録商標))などのコロイド状二酸化ケイ素、又は動物性若しくは植物性脂肪若しくはワックスなどの任意の他の好適な流動促進剤を含んでよい。
ある種の実施形態において、流動促進剤は、本固形医薬組成物の約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、流動促進剤は、本固形医薬組成物の約0.1重量%~約2重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、流動促進剤は、本固形医薬組成物の約0.3重量%~約3重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、流動促進剤は、固形医薬組成物の約1重量%~約3重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、流動促進剤は、固形医薬組成物の約1重量%~約2重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、約1.6重量%の流動促進剤を含む。ある種の実施形態において、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
ある種の実施形態において、流動促進剤は、固形医薬組成物の粒内部分に含まれている。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒内部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量で流動促進剤を含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒内部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.5重量%~約3重量%(w/w)の量で流動促進剤を含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒内部分は、全医薬組成物の重量に対して約1重量%(w/w)の流動促進剤を含む。
ある種の実施形態において、流動促進剤は、固形医薬組成物の粒外部分に含まれている。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒外部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量の流動促進剤を含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒外部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.5重量%~約2重量%(w/w)の量の流動促進剤を含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒外部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.6重量%(w/w)の流動促進剤を含む。
ある種の実施形態において、流動促進剤は、本固形医薬組成物の粒内部分及び粒外部分の両方に含まれている。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒内部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量の流動促進剤を含み、本固形医薬組成物の粒外部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量の流動促進剤を含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒内部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.5重量%~約3重量%(w/w)の量の流動促進剤を含み、本固形医薬組成物の粒外部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.5重量%~約2重量%(w/w)の量の流動促進剤を含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒内部分は、全医薬組成物の重量に対して、約1重量%(w/w)の量の流動促進剤を含み、本固形医薬組成物の粒外部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.6重量%(w/w)の量の流動促進剤を含む。ある種の実施形態において、コロイド状二酸化ケイ素は、粒内に添加された約1%、及び粒外に添加された約0.6%を含む、製剤の約1.6%重量/重量のレベルで流動促進剤として使用される。
ある種の実施形態において、開示されている固形医薬組成物は、滑沢剤として機能する少なくとも1種の賦形剤を含む。滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、又は他の好適な滑沢剤を含むことができる。
ある種の実施形態において、滑沢剤は、本固形医薬組成物の約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、滑沢剤は、本固形医薬組成物の約0.3重量%~約3重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、滑沢剤は、本固形医薬組成物の約0.5重量%~約1.5重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、約1重量%の滑沢剤を含む。ある種の実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
ある種の実施形態において、滑沢剤は、固形医薬組成物の粒外部分に含まれている。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒外部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量の滑沢剤を含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物の粒外部分は、全医薬組成物の重量に対して、約0.3重量%~約3重量%(w/w)の量の滑沢剤を含む。ある種の実施形態において、ステアリン酸マグネシウムは、滑沢剤として使用され、ステアリン酸マグネシウムは、粒外部分に存在する。
ある種の実施形態において、開示されている固形医薬組成物は、崩壊剤として機能する少なくとも1種の賦形剤を含む。崩壊剤は、例えば、架橋修飾デンプン、クロスポビドンとしても知られている架橋ポリビニルピロリドンなどの架橋ポリマー、並びにクロスカルメロースとしても知られている架橋カルボキシメチルセルロースを含むことができる。
ある種の実施形態において、崩壊剤は、本固形医薬組成物の約0.1重量%~約30重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、崩壊剤は、固形医薬組成物の約2重量%~約8重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、崩壊剤は、固形医薬組成物の約4重量%~約6重量%(w/w)の量で固形医薬組成物中に存在する。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、約4.7重量%の崩壊剤を含む。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、約4.8重量%の崩壊剤を含む。ある種の実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンである。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は錠剤であり、これは、フィルムコーティングなどの任意の好適なコーティング剤によりコーティングされ得る。フィルムコーティング剤は、例えば、錠剤がのみ込まれ得るのに容易になるよう寄与するために使用され得る。フィルムコーティングはまた、味覚を改善し、洗練された外観をもたらすために使用されてもよい。フィルムコーティング剤は、Opadry(登録商標)II及びKollicoat(登録商標)IRなどの、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含むことができる。フィルムコーティング剤はまた、抗付着剤としてタルクを含んでもよい。フィルムコーティング剤は、錠剤の重量の約5重量%未満を占め得る。
少なくとも1つの態様において、本開示は、薬理学的に有効かつ身体上許容可能な、単一の安定な固形経口剤形の化合物A又は薬学的に許容されるその塩を提供することを対象とする。本明細書において開示されている固形経口剤形は、ヒト対象における医薬品使用が意図されている。したがって、上記の固形経口剤形は、治療的に有効であることに加えて、経口によるヒト投与に適切なサイズ及び重量となるべきである(例えば、これらは、約1.6g未満の総重量を有するべきである。)。哺乳動物によってこのような剤形の摂取を促進するため、剤形は、丸い形状又は細長い形状などの適切な形状に成形されてもよい。
本開示は、固体分散体において製剤化された化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む固形医薬組成物を提供する。ある種の実施形態において、固体分散体は、薬学的に許容される溶融性結合剤を含む。ある種の実施形態において、化合物Aの塩は、一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。いくつかのこのような実施形態において、化合物Aの塩は、アモルファスの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウムである。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスを含む錠剤であって、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスが、(i)化合物A又は薬学的に許容されるその塩及び(ii)薬学的に許容される溶融性結合剤を含む、錠剤である。いくつかのこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、化合物Aの一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。いくつかのこのような実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、PEG3350などのポリエチレングリコールである。ある種の実施形態において、固体マトリックス又はアモルファスの固体分散体は、流動促進剤をさらに含む。流動促進剤及び崩壊剤は、複数の相のマトリックス中に物理的に混合されていてもよい。いくつかのこのような実施形態において、流動促進剤は、二酸化ケイ素である。ある種の実施形態において、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスは、崩壊剤をさらに含む。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンである。
ある種の実施形態において、本発明の固形医薬組成物は、(i)ある量の化合物A又は薬学的に許容されるその塩及び、(ii)薬学的に許容される溶融性結合剤を含む錠剤である。いくつかのこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量は、約200mgである。いくつかのこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量は、約300mgである。いくつかのこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、化合物Aの一ナトリウム塩である(例えば、約207mgの量又は約310mgの量で錠剤中に存在する)。高い薬物担持量は、この薬物によって特定の課題であり、これは、配合中に特有の難題となる。ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスを含む。いくつかのこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量の少なくとも一部は、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックス中に分子レベルで分散している。いくつかのこのような実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量の少なくとも一部は、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスと混合している。いくつかのこのような実施形態において、pH調整剤は、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスと混合している。ある種の実施形態において、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスは、流動促進剤をさらに含む。いくつかのこのような実施形態において、流動促進剤は、二酸化ケイ素である。ある種の実施形態において、アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスは、崩壊剤をさらに含む。いくつかのこのような実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンである。ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、化合物Aの一ナトリウム塩(4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)ブタン酸ナトリウム)である。ある種の実施形態において、薬学的に許容される溶融性結合剤は、PEG3350などのポリエチレングリコールである。
例えば、表1及び表2に説明されている通り、開示されている固形医薬組成物は、1種以上の充填剤、崩壊剤、流動促進剤及び/又は滑沢剤を、活性剤及び薬学的に許容される溶融性結合剤と組み合わせて含むことができる。
下記表1及び表2中に参照されている化合物Aは、化合物Aのナトリウム塩であり、対応する重量パーセントは、その塩形態に基づいて提示されている。
a粒内の構成成分の重量に基づいて与えられる割合。百分率の合計は、四捨五入のために100%にならないことがある。
b非コーティング錠剤の重量に基づいて与えられる割合。百分率の合計は、四捨五入のために100%にならないことがある。
a粒内の構成成分の重量に基づいて与えられる割合。百分率の合計は、四捨五入のために100%にならないことがある。
b非コーティング錠剤の重量に基づいて与えられる割合。百分率の合計は、四捨五入のために100%にならないことがある。
以下の表中に参照されている化合物A又は薬学的に許容されるその塩の量(mg)は、化合物Aの遊離形態の量(mg)を指す(すなわち、薬学的に許容される塩の場合、遊離形態に等価な重量である。)。
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、以下を含む:
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、以下を含む:
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、以下を含む:
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、以下を含む:
ある種の実施形態において、本固形医薬組成物は、以下を含む:
<D.製造方法>
開示された固形医薬組成物は、任意の好適な方法によって調製されてもよい。ある種の実施形態において、固形医薬製剤は、溶融加工によって、例えば溶融造粒によって製造される。溶融加工は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩、及び薬学的に許容される溶融性結合剤などの1種以上の賦形剤を混合して加熱し、均質な成形可能な塊を得て、次に、この溶融物が固化するまでこれを冷却することにより行われ得る。溶融物は、ミル粉砕され得る、又は固化の前(例えば、ホットカット)若しくは固化後(例えば、コールドカット)のどちらかで、小片に裁断され得る。
「溶融する」又は「溶融性」は、1つの構成成分が、他の構成成分(単数又は複数)中に、埋もれた状態になる、好ましくは、均質に埋もれた状態になることが可能な、液体状態又はゴム状態への遷移を意味する。溶融は、通常、結合剤の軟化点超に加熱することを含む。ある種の実施形態において、活性成分は、薬学的に許容される溶融性結合剤と混和性である。いくつかのこのような実施形態において、活性成分は、溶融性結合剤内に分子レベルで分散している状態になる。ある種の実施形態において、活性成分は、薬学的に許容される溶融性結合剤と部分的にしか混和性でない。いくつかのこのような実施形態において、活性成分は、溶融性結合剤内に分子レベルで分散している状態になる、又は溶融性結合剤中に一部が分子レベルで分散している状態になる、及び/又は溶融性結合剤とやはり混合している。
ある種の実施形態において、1種以上の追加の賦形剤は、薬学的に許容される溶融性結合剤と混和性である。いくつかのこのような実施形態において、少なくとも1種の追加の賦形剤は、溶融性結合剤と混合されている。一実施形態において、追加の賦形剤は、溶融性結合剤と分子レベルで分散し得る。ある種の実施形態において、少なくとも1種の追加の賦形剤は、薬学的に許容される溶融性結合剤と部分的にしか混和性でない、又は非混和性である。いくつかのこのような実施形態において、少なくとも1種の追加の賦形剤は、溶融性結合剤と混合している。
溶融及び/又は混合は、高せん断ミキサー、押出成形器、射出成形器、スプレー凝固器(congealer)及び3Dプリンターなどの、この目的に慣用的な装置において行われ得る。特に、好適な装置は、押出成形器又は混錬器である。好適な押出成形器は、単軸押出成形器、噛み合い軸押出成形器又は多軸押出成形器を含み、好ましくは二軸押出成形器を含み、これらの成形器は、同方向の回転式又は反対方向の回転式とすることができ、任意選択的に、混錬用ディスクが装備され得る。作業温度は、押出成形器の種類、又は使用される押出成形器内部の構成の種類によって決定されることが理解される。押出成形器内における構成成分の溶融、混合及び溶解に必要なエネルギーの一部は、素子を加熱することにより供給され得る。しかし、押出成形器内の物質の摩擦及びせん断もやはり、上記の混合物にかなりの量のエネルギーを供給することができ、これらの構成成分の均質な溶融物の形成の一助となり得る。
溶融物の調製は、様々な方法において行われ得る。構成成分の混合は、溶融物の形成前、この最中又はこの後に行うことができる。例えば、構成成分は、最初に混合されて、次に、溶融され得る、又は混合と溶融が同時に行われ得る。活性成分を効率的に分散させるために、溶融物はまた、均質化され得る。さらに、ポリマーを最初に溶融し、次に、活性成分に入れて混合し、これらを均質化するのが好都合となることがある。溶融物に様々な添加剤、例えば、pH調整剤、流動促進剤、崩壊剤及び/又は充填剤もまた含まれ得る。
ある種の実施形態において、固化した溶融加工済み生成物は、さらにミル粉砕される、細砕される、又はそうでない場合、顆粒へとサイズが小さくされる。いくつかのこのような実施形態において、溶融加工済み生成物及び生成した各顆粒は、活性成分及び薬学的に許容される溶融性結合剤を含む固体分散体を構成する。いくつかのこのような実施形態において、溶融加工済み生成物及び生成した各顆粒は、活性成分及び薬学的に許容される溶融性結合剤を含む固体分散体を構成する。いくつかのこのような実施形態において、溶融加工済み生成物及び生成した各顆粒は、活性成分、及びPEG3350などのポリエチレングリコール(PEG)を含む固体分散体を構成する。いくつかのこのような実施形態において、溶融加工済み生成物及び生成した各顆粒は、活性成分、薬学的に許容される溶融性結合剤及び崩壊剤を含む固体分散体を構成する。いくつかのこのような実施形態において、溶融加工済み生成物及び生成した各顆粒は、活性成分、PEG3350などのポリエチレングリコール(PEG)、及び崩壊剤を含む固体分散体を構成する。
ある種の実施形態において、溶融加工済み生成物は、顆粒にミル粉砕される又は細砕される前に、他の賦形剤又は添加剤とブレンドされる。ある種の実施形態において、溶融加工済み生成物は、顆粒にミル粉砕される又は細砕された後に、他の賦形剤又は添加剤とブレンドされる。例えば、溶融加工済み生成物は、ミル粉砕されて、次に、流動促進剤及び/又は滑沢剤とブレンドされ得る。
一例において、API、ポリエチレングリコール、pH調整剤、崩壊剤及び滑沢剤は、ブレンドされて、次に、溶融加工が施される。こうして生成した生成物は、ミル粉砕されて、任意選択的に、さらなる賦形剤とブレンドされ得る。
アモルファスの固体分散体などの固体マトリックスは、非限定的に、溶融加工、噴霧乾燥、流動層造粒、共沈殿、凍結乾燥又は他の溶媒蒸発技法などの、様々な技法によって調製され得、溶融加工が、好ましい。
本明細書において開示されている通り、高い薬物担持量の製剤を開発するための障害の1つは、適切な圧縮性を有する製剤を得ることであった。ある種の実施形態において、本医薬組成物は、溶融加工により製造された錠剤である。いくつかのこのような実施形態において、溶融加工は、最終製剤の圧縮性を犠牲にすることなく、APIの流動特性をもたらす。
<E.使用法>
少なくとも1つの態様において、本発明は、患者に化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を投与するステップを含む、子宮内膜症を処置する方法を含む。ある種の実施形態において、子宮内膜症を処置する方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を約150mgの用量で投与することを含む。いくつかのこのような実施形態において、本組成物は、1日1回(「QD」)、投与される。ある種の実施形態において、子宮内膜症を処置する方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を約200mgの用量で投与することを含む。いくつかのこのような実施形態において、本組成物は、1日2回(「BID」)、投与される。ある種の実施形態において、子宮内膜症を処置する方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を約300mgの用量で投与することを含む。いくつかのこのような実施形態において、本組成物は、1日2回(「BID」)、投与される。ある種の実施形態において、子宮内膜症を処置する方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を約600mgの用量で投与することを含む。いくつかのこのような実施形態において、本組成物は、1日1回(QD)、投与される。
少なくとも1つの態様において、本発明は、患者に化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を投与するステップを含む、子宮筋腫を処置する方法を含む。ある種の実施形態において、子宮筋腫を処置する方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を約150mgの用量で投与することを含む。いくつかのこのような実施形態において、本組成物は、QDで投与される。ある種の実施形態において、子宮筋腫を処置する方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を約200mgの用量で投与することを含む。いくつかのこのような実施形態において、本組成物は、BIDで投与される。ある種の実施形態において、子宮筋腫を処置する方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を約300mgの用量で投与することを含む。いくつかのこのような実施形態において、本組成物は、BIDで投与される。ある種の実施形態において、子宮筋腫を処置する方法は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を約600mgの用量で投与することを含む。いくつかのこのような実施形態において、本組成物は、QDで投与される。
ある種の実施形態において、上記の方法のいずれも、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の潜在的な副作用を低減又は軽減するよう、対象にホルモンを投与するステップをさらに含む。例えば、本方法は、エストロゲン、プロゲスチン又はこれらの組合せ物の投与を含むことができる。このような処置は、「アドバック」療法と一般に呼ばれる。
いくつかのこのような実施形態において、アドバック療法は、プロゲスチンなどのプロゲストーゲンを含む。いくつかのこのような実施形態において、アドバック療法は、エストロゲンを含む。いくつかのこのような実施形態において、アドバック療法は、プロゲスチン及びエストロゲンを含む。
エストロゲン及び/又はプロゲストーゲンは、経口的に、経皮的に又は膣内に投与され得る。アドバック療法に使用するための好適なプロゲストーゲンは、例えば、プロゲステロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチマート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲストーゲンを含む。アドバック療法に使用するための好適なエストロゲンは、例えば、エストラジオール、エチニルエストラジオール及びコンジュゲートされているエストロゲンを含む。エストロゲン及びプロゲストーゲンを含有する一緒にされた経口用製剤は、当分野で公知であり、例えば、Activella(登録商標)、Angeliq(登録商標)、FemHRT(登録商標)、Jenteli(商標)、Mimvey(商標)、Prefest(商標)、Premphase(登録商標)及びPrempro(登録商標)を含む。
ある種の実施形態において、エストロゲンは、エストラジオール、エチニルエストラジオール又はコンジュゲートされているエストロゲンである。いくつかのこのような実施形態において、エストロゲンは、エストラジオールである。いくつかのこのような実施形態において、エストラジオールは、1日1回、投与される。いくつかのこのような実施形態において、エストラジオールの用量は0.5mgである。他のこのような実施形態において、エストラジオールの用量は1.0mgである。いくつかのこのような実施形態において、エストロゲンは、エチニルエストラジオールである。いくつかのこのような実施形態において、エチニルエストラジオールは、1日1回、投与される。いくつかのこのような実施形態において、エチニルエストラジオールの用量は2.5megである。他のこのような実施形態において、エチニルエストラジオールの用量は5.0megである。いくつかのこのような実施形態において、エストロゲンは、コンジュゲートされているエストロゲンである。いくつかのこのような実施形態において、コンジュゲートされているエストロゲンは、1日1回、投与される。いくつかのこのような実施形態において、コンジュゲートされているエストロゲンの用量は0.3mgである。他のこのような実施形態において、コンジュゲートされているエストロゲンの用量は、0.45mg又は0.625mgである。
ある種の実施形態において、プロゲストーゲンは、プロゲステロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチマート、メドロキシプロゲステロン又はドロスピレノンである。いくつかのこのような実施形態において、プロゲストーゲンは、経口プロゲステロンである。いくつかのこのような実施形態において、経口プロゲステロンは、周期的(28~30日間のサイクルの最後の12日間)に使用される。いくつかのこのような実施形態において、経口プロゲステロンの用量は、100mg又は200mgである。いくつかのこのような実施形態において、プロゲストーゲンは、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンである。いくつかのこのような実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。いくつかのこのような実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は0.1mgである。いくつかのこのような実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は0.5mgである。いくつかのこのような実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は1.0mgである。いくつかのこのような実施形態において、プロゲストーゲンは、ノルゲスチマートである。いくつかのこのような実施形態において、ノルゲスチマートは、1日1回、投与される。いくつかのこのような実施形態において、ノルゲスチマートの用量は0.09mgである。いくつかのこのような実施形態において、プロゲストーゲンは、メドロキシプロゲステロンである。いくつかのこのような実施形態において、メドロキシプロゲステロンは、1日1回、投与される。いくつかのこのような実施形態において、メドロキシプロゲステロンの用量は1.5mgである。いくつかのこのような実施形態において、メドロキシプロゲステロンの用量は、2.5mg又は5mgである。いくつかのこのような実施形態において、プロゲストーゲンは、ドロスピレノンである。いくつかのこのような実施形態において、ドロスピレノンは、1日1回、投与される。いくつかのこのような実施形態において、ドロスピレノンの用量は、0.25mgである。いくつかのこのような実施形態において、ドロスピレノンの用量は、0.5mgである。
ある種の実施形態において、アドバック療法は、酢酸ノルエチンドロンなどのノルエチステロンプロドラッグを含む。いくつかのこのような実施形態において、アドバック療法は、エストラジオールを含む。したがって、いくつかのこのような実施形態において、アドバック療法は、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロンを含む。いくつかのこのような実施形態において、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロンは、経口により1日1回、投与される。いくつかのこのような実施形態において、エストラジオールは、1日あたり約0.5mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.1mgの量で投与される。他のこのような実施形態において、エストラジオールは、1日あたり約1.0mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.5mgの量で投与される。代替的に、ある種の実施形態において、エストラジオールは、連続的に投与され、酢酸ノルエチンドロンは、月経周期の最後の12~14日の間に、1日1回、投与される。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩の用量は、1日2回、投与される。いくつかのこのような実施形態において、アドバック療法は、1日1回、投与される。化合物A又は薬学的に許容されるその塩の投与は、アドバック療法の実施前、その直前、その最中、その直後、又はその後であってもよい。
ある種の実施形態において、ある用量の化合物A又は薬学的に許容されるその塩(例えば、300mg)は、エストロゲンとプロゲストーゲン(例えば、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロン)との組合せ物などの、アドバック療法と一緒に午前中に投与され、ある用量の化合物A又は薬学的に許容されるその塩(例えば、300mg)は、アドバック療法なしに、夕刻に投与される。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、アドバック療法と共パッケージされる。例えば、ブリスターパックは、ある用量分の化合物A又は薬学的に許容されるその塩、及びある用量分のアドバック療法を含有することができる。
ある種の実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、アドバック療法との固定用量組合せ物中に存在する。例えば、カプセル剤は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を含むカプレット剤若しくは錠剤を含有することができ、エストロゲン及びプロゲストーゲン(例えば、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロン)の組合せ物などのアドバック療法を含むカプレット剤若しくは錠剤を含有することができる。いくつかのこのような実施形態において、カプセル剤は、300mgの化合物A又は薬学的に許容されるその塩、1mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンを含む。
本明細書に記載されている医薬組成物、方法及び使用は、以下の例示的な実施形態及び実施例を参照することにより、一層良好に理解され、上記の例示的な実施形態及び実施例は、本発明の範囲の例示として含まれており、これを限定するものではない。
F.実施例
以下の実施例は、製剤開発の間に直面したある種の難題を実証し、これらの難題を克服する製剤を記載する。
[実施例1] 製剤F1及びF2
表3は、開示した製剤の構成成分の追加的な非限定例、及び製剤の重量百分率(w/w)を示している。以下の表中に参照されている化合物Aは、化合物Aのナトリウム塩であり、対応する重量百分率は、その塩形態に基づいて示されている。
a非コーティング錠剤の重量に基づいて与えられる割合。百分率の合計は、四捨五入のために100%にならないことがある。
製剤F2は、900mLのリン酸ナトリウム中、pH6.8、37℃及びパドル速度50rpmにおいて、米国薬局方装置IIを使用して、溶解に関する試験を行った。製剤F2錠剤の溶解プロファイルが、図2に示されている。
[実施例2] 化学安定性に及ぼす抗ゲル化剤の影響の検討
製剤中の化合物Aの化学安定性に及ぼす抗ゲル化(pH調整)剤の影響を調査するため、様々な比の化合物Aと抗ゲル化剤、炭酸ナトリウムを含有する製剤を、以下の通り調製した:
95gの化合物A、9.5gの無水炭酸ナトリウム、7.66gのポリエチレングリコール3350及び7.66gのクロスポビドンを秤量して、事前にブレンドした。続いて、30メッシュのふるいにふるいがけした後、この粉末混合物に1.6gの二酸化ケイ素を加え、さらに5分間、ブレンドした。この粉末ブレンドは、200~600mg/時及び123~124℃において、400rpmの軸速度を用い、Thermo Scientific(商標)Pharma11二軸押出成形器を使用して溶融造粒した。この顆粒は、5000rpmにおいて、インパクトフォワード(Impact forward)及び0.033”の丸形ふるい付きフィッツミルを用いて、オフホワイトの不透明な押出物をミル粉砕することにより得た。ミル粉砕した造粒物は、残りのふるいがけした二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及び表xに示されている様々な量の炭酸ナトリウムと混合して、それぞれ、製剤#1~4に関する粉末ブレンドを生成した。個々の最終ブレンドはそれぞれ、1000~1400lbsの圧縮力によるカーバープレス(Carver press)を使用して錠剤に圧縮した。調製した最終錠剤製剤は、それぞれ、4:1、6:1、8:1及び10:1 w/wの比の化合物A対炭酸ナトリウムを含有する。2:1 w/wの比の化合物A対炭酸ナトリウムを有する対照製剤(#5)の錠剤を、パイロットスケールにおいて、Micro27PH二軸押出成形器において、同じ工程ステップを使用して調製した。
製剤#1~5の錠剤を、ねじ式栓を備えるガラス製シンチレーションバイアルに入れて、応力下、及び高温多湿(すなわち、それぞれ、50℃/75% RH又は40℃/75% RH)による加速試験条件下において保管した。2:1 w/wの比の化合物A対無水炭酸ナトリウムを含有する製剤#5は、適度な抗ゲル化特性及び許容可能な長期安定性をもたらすことが示されているので、対照として使用した。所定の時間間隔において錠剤試料を採取し、含有量、分解生成物及び水分含量について分析した。これらの安定性結果が、図10に示されている。分解生成物であるラクタムは、製剤中のpH変化に最も敏感であるので、安定性成績の指標として使用した。この検討により、すべての試験錠剤製剤は、一層高い水分含有率であるのも関わらず、対照製剤と同等の許容可能な安定性があることが実証された。化合物Aの10%という低い抗ゲル化剤(炭酸ナトリウム)レベルにおいて、アッセイ結果及びラクタム分解物のレベルは、それぞれ、90~110%及び0.5%という製品の規格制限値内に十分ある。化合物Aの分解生成物の1つは、ラクタム部分を有する化合物Bである。このラクタム部分は、多数の技法を使用して決定することができる。一実施形態において、ラクタム部分は、275nmにおいて、紫外線(UV)検出を伴う逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して決定する。HPLCシステムは、1.1mL/分の流速を用いるC8カラムからなる。カラム温度は、分析全体にわたり、50℃に維持する。移動相Aと移動相Bのどちらも、適用し、移動相Aは、水:トリエチルアミン:酢酸の比が100:0.1:0.06(v/v)を有するトリエチルアミン/酢酸緩衝溶液(pH5.3)であり、移動相Bは、アセトニトリルである。希釈液は、50:50(v/v)の比のトリエチルアミン/酢酸緩衝溶液及びアセトニトリルである。検出限界の標準品は、約0.06μgエラゴリクス遊離形態/mLの正確に既知の濃度を有する希釈液において調製する。ラクタム部分に関する典型的な相対保持時間(RRT)は、約1.48であり、正規化ファクター(NF)は、1.08である。
[実施例3] 様々な抗ゲル化(pH調整)剤を含む製剤の安定性検討
製剤中の化合物Aの化学安定性に及ぼす様々な抗ゲル化(pH調整)剤の影響を調査するため、様々な比の化合物Aと代わりのpH調整剤、アルギニン及びオイドラギットE POを含有する製剤を、以下の通り調製した:
9.3gの化合物A、0.75gのポリエチレングリコール3350、0.75gのクロスポビドン及び2.325gのアルギニン(製剤A)又は4.65gのオイドラギットE PO(製剤B)を秤量して、事前ブレンドした。続いて、30メッシュのふるいにふるいがけをした後に、この粉末混合物に0.09gの二酸化ケイ素を加え、10分間、ブレンドした。0.15gのステアリン酸マグネシウムを加え、さらに1分間、ブレンドした。各粉末ブレンドはそれぞれ、2000lbsの圧縮力によるカーバープレスを使用して錠剤に圧縮した。製剤A及びBの最終錠剤は、それぞれ、4:1及び2:1 w/wの比の化合物A対アルギニン及びオイドラギットEを含有する。製剤Cは、抗ゲル化剤を含有しない。
製剤A及びBの錠剤を、ねじ式栓を備えるガラス製シンチレーションバイアルに入れて、応力下、及び高温多湿(すなわち、それぞれ、50℃/75% RH又は40℃/75% RH)による加速試験条件下において保管した。pH調整剤を含有しない製剤Cを対照として使用した。所定の時間間隔において錠剤試料を採取し、含有量、分解生成物及び水分含量について分析した。これらの安定性結果が、図11に示されている。分解生成物であるラクタムは、製剤中のpH変化に最も敏感であるので、安定性成績の指標として使用した。
この検討により、製剤AとBのどちらも、対照製剤と同等な許容可能な安定性があることが実証された。pH調整剤として、アルギニン又はオイドラギットEを使用すると、アッセイ結果、錠剤水分及びラクタム分解物のレベルの変化は、対照製剤のレベルと類似している。ラクタムレベルは、生成物の規格制限値である0.5%の範囲内に十分にあった。
[実施例4] F2の薬物動態パラメーター
絶食条件において、F2、エストラジオール(E2)及び酢酸ノルエチンドロン(NETA)の固定用量組合せ物の単回用量分の生体利用率を評価するための検討を行った。300mgのF2錠剤及び1mg/0.5mgのE2/NETA錠剤を含有する単一カプセル剤を、健常な36名の成人閉経前女性に投与した。薬物動態パラメーターが、表4に示されている。Cmax、AUCt及びAUC∞に関するデータが、平均値(%CV)として表されている。Tmaxに関するデータは、中央値(分-max)として表されている。T1/2に関するデータは、協調平均値(偽sd)として表されている。
[実施例A-1] 子宮筋腫及び非優勢腺筋症を有する女性の部分群における、エラゴリクスの有効性及び安全性
腺筋症は、子宮筋組織内部における、子宮膜の良性組織の成長というエストロゲン依存性疾患であり、重度の月経出血(HMB)及び月経困難を伴う。腺筋症は、子宮を正常に覆っている子宮内膜の組織が、内部から飛び出し、子宮の筋壁にまで増殖している場合に起こる。場所を逸脱した子宮内膜組織が、各月経周期の間、通常(肥厚化、破壊及び出血)通り、働き続ける。大きくなった子宮、及び疼痛のある重度の生理をもたらす恐れがある。症状は、子供を出産後、出産年齢の後半に始まることが最も多い。腺筋症の原因は、依然として不明であるが、この疾患は、通常、更年期を過ぎるとなくなる。腺筋症に起因する重度の不快感を経験する女性の場合、ある処置が一助となり得るが、子宮摘出が唯一の治療法である。時として、腺筋症は、無症候性である、兆候又は症状を引き起こさない、又は、唯一軽度の不快感がある。他の例において、腺筋症は、以下:重度の又は長く続く月経出血、月経中の重度の痙攣、又は鋭い刃物で刺すような骨盤痛(月経困難)、生理期間にわたり続く月経痙攣及び年齢を重ねるにつれて起こる悪化、***中の疼痛、並びに月経期間に出る(pass)血栓を引き起こす恐れがある。
UF及び腺筋症を有する女性の部分群における、エラゴリクスの有効性及び安全性の解析を行った。
患者及び方法:HMB(≧80ml/月)及びUFを有する閉経前女性において、エラゴリクス(コホート1、300mgを1日2回[BID]及びコホート2、600mgを1日1回[QD])、エラゴリクスと0.5mgのエストラジオール(E2)/0.1mgの酢酸ノルエチンドロン(NETA)、及びエラゴリクスと1.0mgのE2/0.5mgのNETAの安全性及び有効性を評価する、6か月間の無作為化した、二重盲検のプラセボを対照とする2つのコホートの第2b相臨床試験を行った。この臨床試験において検討したエラゴリクスは、化合物Aのナトリウム塩を含んだ。
対象はすべて、超音波を用いて評価し、サブセットは、MRIによってやはり自発的に評価を受けた。女性が、優勢状態(超音波/MRIにより、子宮筋層の>50%)として、びまん性又は部分性腺筋症の形跡を有した場合、この検討から除外した。ベースラインにおいて、非優勢腺筋症(超音波/MRI)であると確認された女性の部分群において、有効性及び安全性を事後評価した。月経による血液喪失(MBL)は、生理用品から定量した(アルカリヘマチン)。複合一次エンドポイントは、最後の28日間の処置におけるベースラインからの、HMB及び<80mLであるMBLの≧50%低下を有した女性の割合とした。有害事象(AE)を記録した。
結果:この検討において処置した567名の女性のうち、86名の女性(15%;コホート1、n=32;コホート2、n=54)は、腺筋症であることが確認された(超音波及び/又はMRI)。確認された腺筋症を有する女性の大多数(72%)は黒人であり、87%が、ベースラインにおいて、≧25BMIを有した。処置の最後の28日間に、HMB及び<80mLの月経による血液喪失(MBL)がベースラインから≧50%の低下を有した、コホート1における女性の割合は、プラセボ(n=10)の場合、40%であり、エラゴリクス 300mg BID(n=5)の場合、80%であり、エラゴリクス 300mg BIDと0.5mg E2/0.1mg NETA(n=12)との場合、83%であり、エラゴリクス 300mg BIDと1.0mg E2/0.5mg NETA(n=5)との場合、100%であり、コホート2における女性の割合は、プラセボ(n=16)の場合、13%であり、エラゴリクス 600mg QD(n=13)の場合、92%であり、エラゴリクス 600mg QDと0.5mg E2/0.1mg NETA(n=14)との場合、93%であり、エラゴリクス 600mg QDと1.0mg E2/0.5mg NETA(n=9)との場合、89%であった。薬物検討に関連する又はこれに関連しない、少なくとも1つのAEは、コホート1において、プラセボ群(n=10)の90%、及びエラゴリクス処置群(n=22)の77%に報告があり、コホート2において、プラセボ群(n=16)の88%、及びエラゴリクス処置群(n=38)の67%に報告があった。
[実施例A-2] 症候性腺筋症を有する女性におけるエラゴリクスの安全性及び有効性
症候性腺筋症を有する年齢が18~51歳の閉経前女性において、プラセボに比べ、E2/NETA(エストラジオール1mg/酢酸ノルエチンドロン 0.5mg QD)と組み合わせたエラゴリクス300mg BIDの安全性、有効性及び耐容性を臨床試験において評価する。
アドバック処置と等価なエラゴリクス300mg BIDは、症候性腺筋症を有する女性において、重度の月経出血(HMB)及び骨盤痛を低減することが予期される。既に記載した通り、アドバック及びエラゴリクスの別の用量は、症候性腺筋症の処置にも使用することができる。
エラゴリクスが効果的かつ安全であることを見出すことができた評価の様々な態様は、以下を含むことができる:
(a)6か月時において、月経による血液喪失(MBL)がベースラインから>50%の低下を伴う、重度の月経出血の<80ml/月への低下。
(b)3か月時における、骨盤痛の臨床的に有意な低下(ベースラインからの>30%の低下として定義)。このアセスメントは、同様に、鎮痛剤などの他の共投薬を考慮に入れる。
(c)3か月時において、MBLがベースラインから>50%の低下を伴う、重度の月経出血の<80ml/月への低下、
(d)12か月時において、MLBがベースラインから>50%の低下を伴う、重度の月経出血の<80ml/月への低下、
(e)6か月時における、骨盤痛のベースラインからの臨床的に有意な低下(>30%の低下として定義)。このアセスメントは、同様に、鎮痛剤などの他の共投薬を考慮に入れる。
(f)プラセボに比べた、ベースラインからのMBL体積平均変化、
(g)無月経+/-点状出血により定義される出血の抑制、
(h)月経期の全体にわたって続く月経痙攣の抑制、
(i)***の間の疼痛の低減、又は
(j)月経期中に出る血栓の低下。
安全性評価は、身体検査、バイタルサイン、子宮内膜のアセスメント(子宮内膜の厚み及び生検)、骨盤の超音波[TAU(経腹超音波)/TVU(経膣超音波)]、臨床検査室検査及び有害事象のモニタリングを含むことができる。
[実施例A-3] 子宮内膜症に関連する状態における、エラゴリクスの安全性及び有効性
(I)エラゴリクスは、脳下垂体におけるGnRH受容体に競合的に結合することによって内因性GnRHシグナル伝達を遮断する、経口的に投与される短期作用型の選択的非ペプチド低分子GnRH受容体アンタゴニストである。エラゴリクスの投与は、黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルの用量依存的抑制をもたらし、卵巣の性ホルモンである、エストラジオール及びプロゲステロンの血中レベルの低下をもたらす。LH及びFSH抑制は、投与時間内に始まり、エラゴリクスの中止時に容易に反転可能である。
(a)薬力学:***及びエストラジオールに及ぼす影響
健常な女性における3回の月経周期の検討経過の間に、エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDにより、***率はそれぞれ、約50%及び32%になった。子宮内膜症を有する女性における第3相検討において、エストラジオールの約50pg/mLへの部分抑制が、エラゴリクス150mg QDの場合に観察された一方、エラゴリクス200mg BIDによる処置後に、エストラジオールの約12pg/mLまでのほぼ完全な抑制が観察された。
(b)QT間隔に及ぼすエラゴリクスの影響
エラゴリクスは、QTc間隔を延長しない。QTc間隔に及ぼすエラゴリクス(最大1200mg)の影響を、活性を制御(モキシフロキサシン400mg)した徹底的なQT検討において評価した。エラゴリクスの治療濃度の17~23倍(それぞれ、200mg BID及び150mg QDレジメンに対する)時において、エラゴリクスは、QTc間隔を延長しなかった。
(II)健常な対象におけるエラゴリクスの薬物動態特性が、表A-1に示されている。定常状態の薬物動態パラメーターが、表A-2に示されている。
(III)特定の集団における薬物動態
(a)腎臓障害
エラゴリクス曝露(Cmax及びAUC)は、腎臓障害によって調整されない。平均曝露は、正常な腎機能を有する女性と比べて、中度から重度の、又は末期の腎不全(透析を受けている女性を含む)を有する女性と類似している。
(b)肝障害
エラゴリクス曝露(Cmax及びAUC)は、正常な肝機能を有する女性と軽度の肝障害を有する女性との間において類似している。中度及び重度の肝障害を有する女性におけるエラゴリクス曝露は、正常な肝機能を有する女性からの曝露の、それぞれ、約3倍及び7倍である。
(IV)薬物の相互作用検討
薬物相互作用検討は、エラゴリクス、及び共投与される可能性が高い他の薬物、及び薬物動態相互作用に対するプローブとして一般に使用される薬物と共に行った。表A-3及びA-4は、エラゴリクスが、潜在的に臨床的に適切な変化を示した他の薬物と共投与された場合の、薬物動態影響を要約している。
(V)薬物相互作用
(a)エラゴリクスが他の薬物に影響を及ぼす可能性
エラゴリクスは、シトクロムP450(CYP)3A酵素の低度から中度の誘発物質である。エラゴリクスとの共投与により、CYP3Aの基質である薬物の血漿中濃度が低下し得る。
エラゴリクスは、300mg BID又は400mg QD又は600mg QDなどの、200mg BID以上において、排出トランスポーターP-グリコタンパク質(P-gp)の阻害剤となる。エラゴリクス200mg BIDとの共投与により、P-gpの基質である薬物の血漿中濃度が低下し得る。
(b)他の薬物がエラゴリクスに影響を及ぼす可能性
エラゴリクスは、CYP3A、P-gp及び有機陰イオン輸送ポリペプチド(OATP)1B1の基質である。エラゴリクスが、CYP3A又はP-gpを阻害する薬物と共投与される場合、臨床的に有意な相互作用は予期されない。
エラゴリクスを、CYP3Aを誘発する薬物と共投与すると、エラゴリクスの血漿中濃度が低下し得る。
エラゴリクスを、OATP1B1を阻害する薬物と共投与すると、エラゴリクスの血漿中濃度が向上し得る。強力なOATP1B1阻害剤とエラゴリクス200mg BIDレジメンとの使用は推奨されない。
(c)確定された、及び他の潜在的薬物相互作用
表A-5は、同時投与薬物の濃度に及ぼすエラゴリクスの共投与の影響、及びエラゴリクスに及ぼす同時投与薬物の影響を示している。
(d)エラゴリクスとの臨床的に有意な相互作用が観察されない薬物
エラゴリクスが、以下の医薬:ケトコナゾール、フルコナゾール、セルトラリン及びノルエチンドロン、又は他のプロゲスチン単独避妊薬と共投与された場合、用量調整は必要としない。
(VI)非臨床的毒性学
(a)発癌性
2年間の発癌性検討(マウス及びラットにおいて実施)により、いかなる用量においても、マウスに腫瘍の増大がないことが明らかになったが、高用量(女性において、200mg BIDに関すると、安全性の13倍の差)のラットにおいて、甲状腺(雄及び雌)及び肝臓(雄のみ)の腫瘍の増大が発生した。ラットの腫瘍は、種特異的なものとして特定され、ヒトにとって無視できる程度の関連性であった。この結論は、甲状腺及び肝臓の腫瘍がラットに特異的であり得、高用量における肝臓の薬物代謝酵素の誘発により発生した可能性を証明するために行った、甲状腺及び肝臓への影響に関連する継続探索検討に基づいたものである。
(b)突然変異誘発
変異原性検討は、インビトロ及びインビボにおける試験系を使用して、エラゴリクスを用いて行った。これらの検討により、突然変異性又は染色体異常誘発性の可能性の証拠はもたらされなかった。
(c)出産能の機能障害
出産能及び生殖器に及ぼす影響を、ラット及びサルを用いる検討において評価し、この検討は、GnRH受容体結合親和性における種の差異を調整すると、ラットの場合、MRHDにおいてAUC未満の血漿中濃度となること、及びサルの場合、約0.28倍~9.9倍となることが確立された。ラットにおいて、出産能検討(用量50、150、300mg/kg/日)において影響はないが、反復用量検討(600、800mg/kg/日の用量)において、卵巣における黄体の退行及び低下が観察された。サルの反復用量検討(75、150、300及び600mg/kg/日)において、すべての用量において、生殖器(子宮頚部、子宮及び膣)の可逆的な萎縮が観察された。ヒトにおけるエラゴリクスの薬理学的作用に基づくと、出産能に対する可逆的な影響が、女性において予期され得る。
(VII)臨床検討
関連疼痛を伴う子宮内膜症の管理における、エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDの有効性を、1686名の閉経前女性において、2つの国際的な二重盲検のプラセボ対照試験(検討EM-I及びEM-II)において、及び2つの非対照盲検拡張検討(検討EM-III及びEM-IV)において実証した。各プラセボ対照試験は、6か月間の処置にわたる、子宮内膜症関連疼痛の低下を評価した。EM-I及びEM-IIの検討を完了した女性の75%超が、追加の6か月間の処置期間の拡張検討に登録した。処置後の最大12か月間、対象を追跡した。図3~7を参照されたい。
(a)疼痛の低下
共主要有効性エンドポイントは、プラセボと比較した、3か月時における、月経困難、及び月経に関連しない骨盤痛(非月経骨盤痛[NMPP]としても知られている)に対する応答者の割合とした。一次解析は、前の24時間にわたり、疼痛、及び日常の活動に及ぼす影響を評価するよう患者に依頼した毎日の記録日誌を使用して、上記のエンドポイントを独立して評価した。毎日の子宮内膜症疼痛インパクトスケールは、患者が報告する疼痛レベルはない、軽度、中度又は重度(それぞれ、0~3のスコアに関連付ける)からなり、各スコアに対して、機能的な構成要素を含ませた。
女性が、子宮内膜症関連疼痛のために鎮痛剤の使用を増やすことなく、月経困難及び/又はNMPPの臨床的に有意な低下を経験した場合、その女性を応答者として定義した。
一層高い割合の、プラセボに比べ、エラゴリクス150mg QD又は200mg BIDにより処置された女性が、3か月時に、用量依存的に、月経困難及びNMPPに対する応答者となった。有効性の持続は、6か月にわたり観察された[表A-6を参照されたい。]。
***疼痛は、毎日の子宮内膜症疼痛インパクトスケールを使用して、二次エンドポイントとして評価した。
一層高い割合の、プラセボに比べ、エラゴリクス200mg BIDにより処置した女性が、3か月~6か月時に、***疼痛の臨床的に有意な低下を報告した。
エラゴリクス処置群はどちらも、月経困難スコアの平均値はベースラインから低下し、これは、1か月時点に開始したプラセボよりも統計学的に有意性が高く、6か月間にわたり持続した。
これらの検討における女性はまた、0(疼痛なし)~10(これまでで最悪の疼痛)までの範囲のスケールに関して、数値評点スケール(NRS)を使用して、子宮内膜症の疼痛の毎日の自己アセスメントを提出した。エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDを服用した女性は、3か月時及び6か月時に、プラセボと比べて、NRSスコアの統計学的に(p<0.001)非常に有意な低下を報告した。
対照検討EM-I及びEM-IIにおいて、元々、エラゴリクスを服用していた患者が、その用量を維持した、2つの盲検拡張検討EM-III及びEM-IVにおいて、月経困難、NMPP及び***疼痛が改善した持続期間が、合計で12か月となることが実証された。検討EM-IVにおいて、エラゴリクスが食物と共に服用される、及び食物と一緒に服用されない場合、有効性は維持された。
検討EM-IIからの有効性エンドポイントに関する結果は、検討EM-Iにおいて観察されたものと一致した。
(b)疼痛用医薬使用の低減
これらの検討において、エラゴリクス200mg BIDを服用した女性は、子宮内膜症関連疼痛を処置するために使用されるオピオイド(アセトアミノフェンを含むヒドロコドン)又はナプロキセンレスキュー薬の量を、ベースラインにおいて必要な量と比べて減量した。さらに、プラセボを服用した女性と比べると、エラゴリクス 200mg BIDを服用した女性の場合、オピオイド又はナプロキセンレスキュー薬を使用した、1か月あたりの日数の割合が有意に低下した。これらの効果は、エラゴリクス150mg QDを服用した女性の場合、それほど一貫して観察されなかった。図7を参照されたい。プラセボと比べると、200mg BIDエラゴリクス群は、3か月~6か月時に、1日あたりのオピオイド丸剤の平均数の変化率のベースラインからの有意な低下を有した。疼痛の低下は、例えば、処方され得る、又は一般市販薬に見出され得る、処方オピオイド又は非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、ナプロキセン又はアセトアミノフェン)などの、疼痛用医薬の低下によって反映され得る。150mgを1日1回又は1日2回にすると、疼痛用医薬の服用が低減することがやはり予期され、疼痛が低下したことを示し、同様に、1日1回又は1日2回の服用に関わらず、300mgの用量により、疼痛用医薬の摂取量が低下すること、及び疼痛の低下を示すことが予期される。プラセボと比較した、2つの第3相試験における、レスキュー鎮痛剤の使用のこのプールした解析において、(1)エラゴリクス 150 QD及び200 BIDの用量はどちらも、レスキューオピオイド医薬が服用された日数の割合の有意な低下を示した、(2)200mg BIDのエラゴリクス用量は、毎日のピル数の平均割合の有意な低下を示した、(3)各エラゴリクス群における女性は、オピオイド用量を増加したものはほとんどおらず、一層多くの女性が、オピオイド用量の減量、又は安定したオピオイド用量を有した。
EM-1及びEM-2において、患者の59%及び60%が、ベースライン時において、オピオイドレスキュー鎮痛剤を疼痛に使用した。ベースライン時に使用されたオピオイドレスキュー鎮痛剤は、主に、5/300~325mg及び30/300~500mgの強度のヒドロコドン/アセトアミノフェン(HC/APAP)及びコデイン/APAPであった。EM-1において、ベースライン時にオピオイドを服用している患者のすべてのうち、それぞれ、98%及び2%が、HC/APAP及びコデイン/APAPを服用した。EM-2において、ベースライン時にオピオイドを服用した患者のすべてのうち、50%が、HC/APAPを服用し、16%が、コデイン/APAPを服用し、3%が、コデインを服用し、32%が、トラマドール/APAPを服用した。
(c)出血パターンに及ぼす影響
月経出血パターンに及ぼす影響
月経出血に及ぼすエラゴリクスの影響を、毎日、電子記録日誌を使用して、最大12か月間、評価し、この場合、対象は、その月経出血流(最後の24時間にある場合)を、点状出血、軽度、中度又は重度として分類した。エラゴリクスは、月経出血を報告した対象において、出血及び点状出血した平均日数、並びに出血強度の用量依存的低下をもたらした。
エラゴリクスはまた、処置期間にわたり、無月経の女性(56日間の間隔において、出血又は点状出血がないものとして定義)の割合が、用量依存的に向上することも実証した。処置の最初の6か月の間の無月経の発生率は、エラゴリクス150mgを1日1回の場合、6~17%の範囲となり、エラゴリクス200mgを1日2回の場合、13~52%の範囲となり、プラセボの場合、1%未満の範囲となった。処置の第2の6か月の間、無月経の発生率は、エラゴリクス150mgを1日1回の場合、11~15%の範囲となり、エラゴリクス200mgを1日2回の場合、46~57%の範囲となった。
1日1回の150mgのエラゴリクスによる治療の6か月後、停止後の月経の回復は、それぞれ、1か月、2か月及び6か月以内に、59%、87%及び95%の女性によって報告された。1日2回の200mgのエラゴリクスによる治療の6か月後、処置の停止後の月経の回復は、それぞれ、1か月、2か月及び6か月以内に、60%、88%及び97%の女性によって報告された。
1日1回の150mgのエラゴリクスによる治療の12か月後、処置の停止後の月経の回復は、それぞれ、1か月、2か月及び6か月以内に、77%、95%及び98%の女性により報告された。1日2回の200mgのエラゴリクスによる治療の12か月後、処置の停止後の月経の回復は、それぞれ、1か月、2か月及び6か月以内に、55%、91%及び96%の女性により報告された。
(VII)授乳
リスク要約:ミルク生成に及ぼすエラゴリクスの影響、母乳におけるその存在又は授乳された子供に及ぼすエラゴリクスの影響を評価するためのヒト検討は行われていない。エラゴリクス及びその代謝産物がヒトの母乳に存在するかどうかが、ヒトのミルク生成に影響を及ぼす、又は授乳を受けた幼児に影響を及ぼすことは知られていない。
(a)ラットにおいて、エラゴリクスは、ミルクを介して、最小限しか分泌されない。
授乳の発達上及び健康上の利益は、エラゴリクスに対する母体の臨床的必要性、及びエラゴリクスからの授乳を受けた児童に及ぼす任意の潜在的な有害作用と合わせて考慮されるべきである。
(b)データ:動物データ
妊娠ラットに、妊娠期間及び授乳期間全体にわたり、エラゴリクスを含有する食事を与えて、1日あたり、400mg/kgのエラゴリクス用量にした。看護中、母マウス及び同腹マウスを給餌制限群及び非制限群に分けて、母体のミルク中にエラゴリクスが分泌されたかどうかを決定した。出産して10日目及び20日目において、給餌の制限された餌を受けた同複マウスの子供におけるエラゴリクスの血漿中濃度は、測定不能であった。給餌の制限されない群の子供マウスにおいて、エラゴリクス血漿中濃度は測定可能であり、母体の血漿中濃度の約1%であった。授乳を介した曝露の代わりとして、同腹マウスにおける血漿中濃度を使用すると、エラゴリクスは、ミルク中に最小限しか分泌されないと考えられる。
(IX)有害反応
(a)臨床試験の経験
臨床試験は、幅広い様々な条件において行われるので、薬物の臨床試験に観察された有害反応の割合は、別の薬物の臨床試験における割合と直接、比較することができず、臨床実践において観察される割合を反映していない可能性がある。
エラゴリクスの安全性は、合計が952名の女性を150mg QD又は200mg BIDにより処置した、2つの6か月間のプラセボを対照とする臨床検討(検討EM-I及び検討EM-II)において評価した。集団の年齢範囲は、18~49歳であった。6か月間の処置を完了し、診断基準を満たした女性は、最大12か月間の全処置期間の間、2つの6か月間の拡張盲検検討において処置を継続した。
(b)検討中止に至る有害反応(>1%)
この2つの対照検討(EM-I及びEM-II)において、エラゴリクス150mg QDにより処置された患者の5.5%、及びエラゴリクス200mg BIDにより処置された患者の9.6%が、有害反応により治療を中止した。どちらの剤形の場合の中止も、一過性熱感(0.8%及び2.5%)及び吐き気(0.8%及び1.5%)によるものが最も共通するものであった。一過性熱感及び吐き気のために中止した大部分は、治療の最初の2か月以内に発生した。対照検討において6か月間、エラゴリクス150mgをQDで服用した後の拡張検討の間に、一過性熱感のためのこれを中止した女性は皆無であった。
(c)共通の有害反応:
エラゴリクス用量群のどちらか一方における、2つのプラセボ対照試験における女性の≧5%に報告され、プラセボよりも高い頻度の有害反応を以下の表A-7に明記する。
拡張検討において、有害反応プロファイルは、表A-7に明記されている通り、プラセボ対照試験において明記されたものと類似した。
(d)それほど共通していない有害反応:
EM-I及びEM-IIにおいて、エラゴリクス用量群のどちらか一方において≧3%及び<5%に報告された、プラセボより多い有害反応は、以下を含む:
a)検討:重量の増加
b)神経医学的障害:うつ病、過敏性、***の低下、情緒不安定;
c)胃腸障害:下痢、腹痛、便秘;
d)神経系障害:めまい、又は
e)皮膚及び皮下組織障害:寝汗。
一過性熱感の事象は、用量依存的であり、大部分は、軽度から中度として評価した。他のすべての有害事象は、エラゴリクスの両方の用量間において、同等であった。低用量ホルモンアドバック療法を追加すると、一過性熱感などのエストロゲン低下に関連する症状の発生が低減され得る。
(e)骨無機分の密度変化
プラセボ対照臨床検討及び拡張臨床検討において、BMDをDXAによって測定した。これらの検討からの腰椎のBMDデータを表A-8に示す。他の解剖学的部位(大腿部頚部、股関節)のBMDにおいて観察された変更は、腰椎よりも概して小さいものであった。
エラゴリクス処置の12か月後、毎日150mgの用量を服用した患者は、-2.0の正常下限値未満のZスコアを有するものはなく、200mg BIDの用量を服用した患者の1%未満しか、-2.0の正常下限値未満のZスコアを有するものはなかった。エラゴリクス処置群のどちらにおいても、6か月及び12か月の処置後に、3つのDXA部位:腰椎、股関節及び大腿部におけるBMDの進行性回復があった。
曝露-応答のモデル化からの追加解析により、エラゴリクス150mg QDの場合、12か月及び24か月時において、Zスコアの予測平均値(95%CI)は、それぞれ、0.23(0.01~0.45)及び0.18(-0.04~0.40)である。このモデルにより、3か月間、エラゴリクス150mg QDの処置を開始し、次に、200mg BIDまで用量を増加した対象において、6か月及び12か月時に、Zスコアの予測平均値(95%CI)は、それぞれ、0.23(-0.01~0.47)及び0.11(-0.13~0.36)であると予測される。
(f)処置の間の検査値の変化
(i)脂質
総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)及びトリグリセリドの用量依存的増加が、エラゴリクス処置の間に認められたが、これらの値は、概して、正常範囲内に留まった。
脂質増加は、エラゴリクス治療を開始した後の1~2か月以内に通常、発生し、これ以降、12か月にわたり、安定したままであった。脂質レベルの上昇は、処置を停止して1か月後にベースラインに戻った。
LDL-Cの処置前のベースラインからの平均上昇値は、150mg QDの場合、5.25mg/dLであり、200mg BIDの場合、13.10mg/dLであった。HDL-Cの処置前のベースラインからの平均上昇値は、150mg QDの場合、2.24mg/dLであり、200mg BIDの場合、4.16mg/dLであった。トリグリセリドの処置前のベースラインからの平均上昇値は、エラゴリクスの6か月間の処置後、150mg QDの場合、0.42mg/dLであり、200mg BIDの場合、11.08mg/dLであった。
脂質比の変化は、LDL-C及びHDL-Cのどちらも上昇するため最小限であった。
脂質プロファイルは、現在の臨床実践のガイドラインに準拠して、評価及び管理を行うべきである。
(ii)子宮内膜の安全性
子宮内膜の生検は、6か月及び12か月時に、EM-I検討及びその拡張検討において、対象に行った。これらの結果は、増殖性及び分泌生検パターンの用量依存的低下、及び休止/最小限の刺激生検パターンの増大を示している。子宮内膜過形成又はがんなどの、ベースライン後の異常な生検所見はなかった。
健常な女性における、3回の月経周期の検討の経過中の、経膣超音波に基づいて、エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDにより、処置前の値と比べて、子宮内膜の平均厚さの用量依存的低下がもたらされた。
(X)骨無機分の密度低下
エラゴリクスは、骨無機分の密度(BMD)の用量依存的低下にやはり関連し得る、血清エストラジオールのレベルを用量依存的に低下させる。処置停止後の6か月及び12か月時に、BMDの進行性回復がある[有害反応(6.1)を参照されたい。]。
12か月間の連続使用の後、二重エネルギーX線吸光光度定量法(DXA)によるBMDの評価。BMD Zスコアが、-2.0より低い場合、BMDが年齢に適切な範囲になるまで、エラゴリクスを中止する。
エラゴリクスの使用を、12か月より長く継続する場合、BMDは、臨床的に支持されている通り評価することが推奨される。継続的な長期間使用のためにエラゴリクスの投与を受けた女性にとって、利益/リスクのアセスメントにおいて、閉経前女性におけるBMDの喪失が考慮されるべきである。
低いBMDというより大きなリスクにある患者において、年に1回よりも早くBMDのアセスメントを考慮されたい。リスク因子には、以下:エラゴリクス 200mgを1日2回、服用すること、エラゴリクスによる処置の以前の経過後に、-2.0未満のZスコアとなること、GnRHアゴニストを以前に使用したこと、代謝性骨疾患、慢性的な飲酒及び/又は喫煙、神経性食欲不振症、骨粗鬆症の強固な家族歴、又は抗痙攣剤若しくはコルチコステロイドなどの骨質量を低下させる恐れのある薬物の慢性使用が含まれる。
エラゴリクスを使用している女性において、カルシウム及びビタミンDが、BMD喪失を低下させることがあるかどうかを取り扱った検討はないが、患者のすべてが、適切なカルシウム及びビタミンDの摂取をすべきである。
GnRHアナログ又はエラゴリクスを用いる臨床検討(他の集団中の場合)により、低用ホルモンのアドバック療法(エストロゲン/プロゲスチン又は酢酸ノルエチンドロン)の使用は、これらの薬剤単独の場合に起こる骨の無機分の喪失を低減するのに有効となり得ることを示唆する。
(XI)投与量及び投与
(a)投与情報
食物と共に又は食物なしに経口服用されるエラゴリクスは、150mgの錠剤(1日1回、QD)又は200mgの錠剤(1日2回、BID)、150mg BID、300mg BID又は400mg QD又は600mg QDのいずれかとして入手可能である。
(b)投与の推奨
症状の重症度及び処置目的に基づいて、最低量有効用量を使用する[臨床検討(VII)を参照されたい。]。エラゴリクスによる処置は、患者の月経周期の間のいずれの時に開始してもよい。
エラゴリクスの投与量調整は、軽度の肝障害(チャイルド-ピューA)を有する女性に必要ではない。
正常な肝機能を有する女性と比べると、中度の肝障害を有する女性は、約3倍高いエラゴリクス曝露を有し、重度な肝障害を有する女性は、約7倍高い、エラゴリクス曝露を有した。曝露及び骨量減少のリスクのこのような増大のため、中度の肝障害(チャイルド-ピューB)を有する女性の場合、1日1回のエラゴリクス150mgが推奨され、処置期間を6か月に限定する。エラゴリクス 200mgを1日2回使用することは、中度の肝障害を有する女性には推奨されない。重度の肝障害(チャイルド-ピューC)を有する女性において、エラゴリクスは禁忌される。
錠剤はそれぞれ、150mgのエラゴリクスに等価な155.2mgのエラゴリクスナトリウムを含む。錠剤はそれぞれ、200mgのエラゴリクスに等価な207.0mgのエラゴリクスナトリウムを含む。
(c)腎臓障害
いずれの程度の腎臓障害又は末期腎疾患(透析を受けている女性を含む)を有する女性において、エラゴリクスの用量調整は必要ではない[特定集団及び臨床的薬理学における使用を参照されたい。]。
(d)肝障害
エラゴリクスの投与量調整は、軽度の肝障害(チャイルド-ピューA)を有する女性において必要ではない。エラゴリクス150mg QDのレジメンは、中度の肝障害(チャイルド-ピューB)を有する女性に推奨される。200mgのBIDレジメンは推奨されない。
重度の肝障害(チャイルド-ピューC)を有する女性において、エラゴリクスは禁忌される。
肝臓トランスアミナーゼの増加
臨床試験において、基準範囲の上限値の少なくとも3倍の血清中アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の用量依存的増加が、エラゴリクスを用いると起こった。エラゴリクスの最低有効用量の使用が推奨される。さらに、患者は、黄疸などの肝臓損傷を反映し得る症状又は兆候がある場合、速やかに、医療的注意を求めるよう指示される。患者は、継続治療の利益がリスクを上回るかどうかを判定するため、肝検査値の上昇に関して速やかに評価を受ける。
プラセボ対象による臨床試験(検討EM-1及びEM-2)において、基準範囲の上限値の少なくとも3倍まで血清ALTの用量依存的な無症候性上昇が、ORILISSAによる処置(150mg、1日1回-1/450、0.2%;200mg、1日2回-5/443、1.1%;プラセボ-1/696、0.1%)の間に起こった。拡張試験(検討EM-3及びEM-4)において類似の上昇が見られた。
(e)自殺念慮、自殺挙動、及び気分障害の増悪
エラゴリクスを使用する対象は、プラセボと比べて、うつ病及び情緒変化の発生率が高く、自殺傾向又はうつ病の病歴を有するエラゴリクスの使用者対象は、このような病歴のない使用者対象と比べて、うつ病の発現率は高い。うつ症状を有する患者は、継続治療のリスクが、利益を勝るかどうかを判定するよう評価されるべきである。うつ病、不安症又は他の情緒変化を新しく有する患者、又はこれらが悪化している患者は、適宜、精神保健専門家に診てもらうべきである。自殺念慮及び自殺挙動を有する患者は、即時の医療的注意を求めるべきである。エラゴリクスを継続する利益及びリスクは、このような事象が発生するかどうかを評価すべきであり、任意選択的に、エラゴリクスは、悪化、又は深刻なうつ病、不安症、情緒変化若しくは自殺念慮が防止されるべきである。
プラセボ対照試験(検討EM-1及びEM-2)において、エラゴリクスは、特に、うつ病の病歴を有する女性において、有害な情緒変化を伴う。
[実施例A-4] 中度から重度の子宮内膜症による疼痛を有する患者において、エラゴリクスは倦怠感を低減する。
疼痛及び他の症状の臨床的に有意な低下に関するエラゴリクスの影響を評価するための第III相検討を行った。提示されたデータは、中度から重度の子宮内膜症関連疼痛を有する女性における、倦怠感に及ぼすエラゴリクスの影響を試験したものである。3つのコホートの検討において、第1のコホートは、プラセボを服用する女性を含み、第2のコホートは、150mgのエラゴリクスを1日1回、服用する女性を含み、第3のコホートは、200mgのエラゴリクスを1日2回、服用する女性を含んだ。300mgを1日1回若しくは1日2回、及び600mgを1日1回、又は類似用量が、同様に、倦怠感の低下を示すことが予期される。倦怠感は、患者報告アウトカム測定情報システム(PROMIS(登録商標))、倦怠感ショートフォーム(SF)6aを使用して評価した。6つの項目により、疲労の軽度から重症までの主観的感覚、日常の活動を行う能力を低下させる可能性が高い極度の疲労の持続的感覚、及び正常な機能に及ぶ自己報告症状の範囲が評価された。主要なものを、倦怠感の経験(頻度、期間及び強度)並びに身体的、精神的及び社会的活動に及ぼす倦怠感の影響に分類した。項目はすべて、前の7日間にわたり、倦怠感を評価した。5項目のリッカート尺度に関して、各質問への応答を取りまとめた。1は、「まったくない」、2は、「すこしある」、3は、「いくぶんある」、4は、「かなりある」、5は、「非常にある」である。質問は、ベースライン時、並びに1か月、3か月及び6か月時に行った。スコアが低いほど、倦怠感が少ないことを示した。事後の倦怠感SF-6a生スコアをTスコアに変換した。Tスコアは、5段階の生スコアを標準化したスコアに尺度変更し、こうして、一般集団は、50の平均値及び10の標準偏差(SD)を有することになる。
解析:PROMIS倦怠感SF-6a Tスコアのベースラインからの変化を、各活性剤処置(エラゴリクス 150mg QD及び200mg BID)及びプラセボの間で比較した。共分散(ANCOVA)の一元解析を利用した。ANCOVAは、処置を主要な影響として制御した。ベースライン倦怠感SF-6a Tスコアは、共変量として含んだ。
子宮内膜症関連疼痛を有する女性の間の倦怠感は、未だ満たされていない医療的必要性が残されたままである。ベースライン時において、この検討における女性は、一般集団における女性よりも平均で1SD悪化する倦怠感のレベルを有した。プラセボと比較すると、エラゴリクスは、子宮内膜症に関連する中度から重度の(sever)疼痛を有する女性において、用量依存的に倦怠感を改善した。図8を参照されたい。3か月及び6か月時にエラゴリクスの用量のどちらの場合にも、PROMIS倦怠感SF-6a Tスコアにおけるプラセボに比べた統計学的に有意な低下が観察された。エラゴリクス200mgにより、倦怠感の統計学的に有意な低下が、早くも1か月時にやはり観察された。図9を参照されたい。上記の治療用量のエラゴリクスはすべて、中度から重度の子宮内膜症に罹患している女性において、倦怠感を低減させることが予期される。
[実施例5] エラゴリクスナトリウム溶液のゲル形成及びpH
試験管中、1.23グラムのエラゴリクスナトリウムを2mLの精製水に加えた。溶解過程の間に、エラゴリクスナトリウムはゲルを形成し始めることが観察された。継続的な溶解を促進するため、この溶液を撹拌し、スパチュラを使用してゲルを連続的に分散させた。溶解しないで存在している固体を有する溶液のpHを、較正済みpH計を使用して測定した。溶液のpH値は、20℃において9.80であった。
上記の詳細説明及び添付の実施例は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲に関する限定として見なされるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びこの均等物によってしか規定されないことが理解される。開示された実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者に明白である。本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤若しくは方法、又は本発明の使用のこのような変更及び修正のいかなる組合せに関するものを非限定的に含めて、このような変更及び修正が、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなくなされてもよい。
上に引用された参照文献(特許及び非特許)はすべて、参照によりこの特許出願に組み込まれる。このような参照文献の考察は、これらの参照文献の著者によって行われた主張を単に要約することを意図しているに過ぎない。いずれの参照文献(又は、いかなる参照文献の一部)が、関連する従来技術(又は、完全な従来技術)であるということは認められない。本出願人は、引用された参照文献の正確さ及び適切性に異議を申し立てる権利を保有する。