以下に示す本発明に係る実施形態の説明に用いる図面においてX軸、Y軸及びZ軸を示している場合がある。これらの図面において、X軸はスロットマシンにおける左右方向を示し、Y軸はスロットマシンにおける上下方向を示し、Z軸はスロットマシンにおける前後方向を示している。具体的には、X軸方向正側をスロットマシンの正面に向かって「右」側、X軸方向負側をスロットマシンの正面に向かって「左」側、Y軸方向正側をスロットマシンの「上」側、Y軸方向負側をスロットマシンの「下」側、Z軸方向正側をスロットマシンの「前(遊技者)」側、Z軸方向負側をスロットマシンの「後ろ(裏)」側とする。
本発明の第1実施形態に係るスロットマシン1について、図1~図8を参照して説明する。
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について図1~図3を参照して説明する。
この実施形態におけるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前扉5により開閉自在に閉塞され、この前扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、図1、図2に示すように、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。これら左・中・右リール13L,13M,13Rには、複数種類の図柄が合計20個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から19番までの図柄番号が順に付されている。そして、例えば、図柄番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成される。また、各リール13L,13M,13Rが回転すると、図柄番号19番、18番、…、0番、19番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、例えば、予め定められたライン(例えば中段ライン)が入賞ラインとして設定されている。
また、各リール13L,13M,13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成される図3に示すリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、演出に関与するために操作する演出ボタン42、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられている。また、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、後述のデザインパネル105を有するパネルユニット35が設けられ、このパネルユニット35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、パネルユニット35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。パネルユニット35については後に詳述する。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45、メダルの払出枚数を表示する払出表示器46が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。また、払出表示器46は、例えば2個の7セグメントディスプレイで構成され、2桁の払出枚数が表示可能になっている。なお、7セグメントディスプレイは、棒状に形成されるとともに、「8」の字状に配列された7つのセグメントと、小数点となる小さな丸い1つのセグメント(DP)とが組み合わされた計8つのセグメントを有するものであり、各セグメントは発光ダイオードにより構成されている。なお、払出表示器46は発生したエラーに対応するエラーコードの表示や役抽選の結果など、メイン制御基板63の制御に関する情報を報知(表示)するための報知用表示器としても用いられることがある。また、払出表示器46の上方には、有利区間ランプ47が配設されている。有利区間は、遊技者の操作態様により有利な結果が得られる役が当選したときに操作態様を報知することが許容された区間であり、有利区間ランプ47の点灯により、有利区間であることが確定する。この実施形態では、有利区間中に必ず有利区間ランプ47が点灯する訳ではなく、有利区間に移行してから、所定の点灯条件が成立したときに点灯する。ただし、一旦有利区間ランプ47が点灯した後は、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するまでは点灯が維持される。なお、有利区間ランプ47については、払出表示器46の小数点となるセグメントDPで代用してもよい。遊技者に有利な操作態様を報知しない遊技機については他の用途で用いる場合がある。
また、図2に示すように、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体13が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体13の下方には、図2に示すように、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、図2に示すように、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。また、メダルセレクタ48と図1のメダル払出口39の間には、図2のメダル通路100が設けられており、メダルセレクタ48において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット43から払い出されたメダルが、このメダル通路100を通過してメダル払出口39から払い出される。また、ホッパーユニット43の左側には、図2に示すように、操作ボックス49が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り替える電源スイッチ50(図3参照)が設けられるとともに、オンとオフとが切り替えられる設定変更開始処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(図3参照)、設定変更時の設定値の切り替えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(図3参照)が設けられている。ただし、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源スイッチ50がオンにされると、リセットスイッチ52を用いた設定変更処理が開始される。なお、リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラーを解除するためのスイッチとしても用いられる。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3を参照して説明する。図3はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図3において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのものであり、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれ図柄番号19番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63に実装されたメインCPU61から送信された情報に基づき所定の演出(例えば、遊技の進行に合わせた演出)に関する制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について説明する。
メイン制御基板63に実装されたメインCPU61は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
メインCPU61は、当選した当選役グループ(1または複数の役を構成役として有する。)の種類や役の入賞・非入賞等により、スロットマシン1が備える複数の遊技状態のうちいずれか一つの遊技状態にスロットマシン1の遊技を制御する。
また、メインCPU61は、電源スイッチ50、変更処理開始スイッチ56、リセットスイッチ52に対する所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(獲得メダル数÷投入メダル数×100[%])の調整をするための設定(設定1~設定6)を変更する。
また、メインCPU61は、制御した遊技状態の種類、および、設定した設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の役抽選テーブルから1つの役抽選テーブルを選択する。この役抽選テーブルには、予め設定された複数の当選役グループそれぞれについて、当選役グループと当該当選役グループが役抽選において当選となる抽選値の範囲とが対応づけて記憶されている。
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、役抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させ、発生させた乱数値を抽選値としてスタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。そして、メインCPU61は、選択した役抽選値テーブルと抽出した抽選値とを用いて当選役グループの当選かどうかの決定を行う。
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、各リール13L,13M,13Rの回転を開始させ、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。メインCPU61は、全てのリール13L,13M,13Rが定速回転となったときに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効操作として受付ける状態となる。この状態で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が遊技者により行われると、メインCPU61は、検出した各左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置と、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(例えば押し順や操作タイミング)と、役抽選結果とに基づき、予め設定されているすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)の範囲内で各リール13L,13M,13Rが停止するように停止制御を行う。
全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止した後、メインCPU61は、リール13L,13M,13Rの入賞ラインの図柄組合せが、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に対応する図柄組合せであるかどうかの判定を行い、入賞ラインの図柄組合せが当該役に対応する図柄組合せである場合は、当該役に入賞したと判定し、そうでない場合はハズレと判定する。メインCPU61は、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に入賞したと判定したときに、それがメダル払い出しのある役の入賞であれば、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出すものである。ただし、メインCPU61はクレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達していない場合は、払出数分だけクレジットメダルの枚数を増加させる。
また、メインCPU61は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切り替える。
また、メインCPU61は、設定値、遊技状態、役抽選結果に関する情報、図柄判定結果に関する情報、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、メダルの払出状態、前扉5の開放または閉塞の状態、スロットマシン1のエラー状態などスロットマシン1の状態を表すデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成し、生成したコマンドをサブ制御基板73のサブCPU71に送信する。なお、コマンドはメイン制御基板63からサブ制御基板73に一方通行で送信される。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73に実装されたサブCPU71は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
サブCPU71は、メイン制御基板63(メインCPU61)により送信された種々のデータを含むコマンドを受信する。そして、サブCPU71は、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、決定した演出の内容に応じて、例えば、液晶表示器27に動画等の画像を表示する表示制御を行ったり、スピーカ31L,31Rからの音声の出力制御を行ったり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅させる制御を行ったり、演出ボタン42の操作に基づいた演出の制御を行ったりする。
前扉5の詳細について図4、図5を用いて説明する。
前扉5は、図4で示すように、金属性でシルバー色に形成されたドアフレーム101で支持されるとともに、熱可塑性樹脂(ABS)で黒色に形成されたドアベース部材102を備えており、このドアベース部材102のZ軸方向正側(前側)に図5に示すパネルユニット35が取り付けられている。
また、図4で示すように、前扉5には、そのZ軸方向負側(裏側)であって、図1のパネルユニット35に対応する位置(対応する位置について、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置のほか、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置と同時に視認可能な位置も含む)には、メダルセレクタ48、メダル通路100及び、スタートスイッチ19、演出ボタン42(図1参照)を振動させる振動発生装置103、メダルセレクタ48やスタートスイッチ19とメイン制御基板63とを中継する中継基板(図示省略)を収容した中継基板ユニット104、スピーカ31L、31R等の前扉装着物が取り付けられている。
図2のように、前扉5を開放することにより、図4に示すメダルセレクタ48、メダル通路100、スタートスイッチ19、振動発生装置103、中継基板ユニット104、スピーカ31L、31R等の前扉装着物の取り付け状態が確認可能となり、スロットマシン1は、前扉5の裏面を視認可能な目視点検状態となる。
また、図4に示すように、前扉5には、そのZ軸方向負側(裏側)であって、図1のパネルユニット35に対応する位置には、操作をすることでパネルユニット35を着脱可能にするパネルユニット用ネジ35a(本発明の特定操作部に相当する)が二か所配置されている。
また、図4に示すように、前扉5には、そのZ軸方向負側(裏側)であって、図1のパネルユニット35に対応する位置(対応する位置について、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置のほか、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置と同時に視認可能な位置も含む)には、操作をすることでメダルセレクタ48を着脱可能にするメダルセレクタ用ネジ48aが三箇所(本発明の非特定操作部に相当する)、操作をすることでメダル通路100を着脱可能にするメダル通路用ネジ100aが三箇所(本発明の非特定操作部に相当する)、操作をすることでスタートスイッチ19を着脱可能にするスタートスイッチ用ネジ19a(本発明の非特定操作部に相当する)が一箇所、操作をすることで振動発生装置103を着脱可能にする振動発生装置用ネジ103a(本発明の非特定操作部に相当する)が三箇所、操作をすることで中継基板ユニット104を着脱可能にする中継基板ユニット用ネジ104a(本発明の非特定操作部に相当する)が二箇所、操作をすることでスピーカ31Lを着脱可能にするスピーカ31L用ネジ31La(本発明の非特定操作部に相当する)が四箇所、操作をすることでスピーカ31Rを着脱可能にするスピーカ31R用ネジ31Ra(本発明の非特定操作部に相当する)が四箇所、それぞれが前扉5の開放時に、少なくとも一部が露出するように設けられている。
メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raは、ドアフレーム101と同じシルバー系統の色で形成されている(同じシルバー系統については、いわゆる銀色のほか、白銀色、灰色等、明度の違いなど若干の色合いが異なるものも含まれる)。
その一方で、パネルユニット用ネジ35aは、塗装により、二か所とも、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raとは異なる色であって、共通の色(赤色単色)で形成されている。
さらに、パネルユニット用ネジ35aは、二か所とも、その周囲が黒色に形成されたドアベース部材102に隣接している。そのため、マンセル色相環において近接していない赤色と黒色のコントラストの差により、パネルユニット用ネジ35aは、暗い状況下でも目視確認しやすいように形成されている。
また、マンセル色相環において近接していない赤色とシルバーのコントラストの差により、パネルユニット用ネジ35aは、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raとも見分けがつきやすいように形成されている。
なお、上述のように、パネルユニット用ネジ35aは、二か所とも共通の赤色で形成されているが、この赤色について、純粋な赤色には限定されず、いわゆる赤系の色、例えば、マンセル色相環における10RPから5YRまでの色相が含まれる。つまり、本発明の共通の特定色について、完全に一致するもの(例えば、マンセル色相環における5R同士)に限定されず、マンセル色相環における10RPから5YRまでの色相のように、同系統の色も含まれる。
パネルユニット35の詳細について、図5、図6を用いて説明する。
パネルユニット35は、図6に示すように、フィルムシートにメーカーロゴやキャラクター等の意匠が印刷されたデザインパネル105と、デザインパネル105をZ軸方向(前後方向)から保持する透明な熱可塑性樹脂(PC)によって形成された二つの保持パネル106と、複数のLEDが配置された発光基板107と、透明な熱可塑性樹脂(PC)によって形成されるとともに表面に粗面加工が施され、発光基板107からの光をデザインパネル105に向けて拡散させるリフレクタ108と、内部に保持パネル106と、リフレクタ108と、発光基板107を収容する不透明な熱可塑性樹脂(ABS)によって形成されたパネルベース109と、デザインパネル105の外周縁を装飾するとともに、保持パネル106と、リフレクタ108と、発光基板107をパネルベース109とともに挟みこむ枠体110を備える。
パネルベース109と枠体110は図示外のネジによって着脱可能に固定されており、デザインパネル105や、保持パネル106や、枠体110に破損や汚れが発生し、交換をする際には、パネルユニット35を前扉5から取り外し、パネルベース109と枠体110の固定を解除することでデザインパネル105や、保持パネル106や、枠体110を取り出し、代わりのものに交換可能となる。
また、パネルユニット35は、図5に示すように、ドアベース部材102にZ軸方向正側(前側)から配置され、ドアベース部材102のZ軸方向負側(裏側)からパネルユニット用ネジ35aを図示外のドライバーを用いて操作することでドアベース部材102に固定される。
より具体的には、図7に示すように、ドアベース部材102は、本体パネル111と、本体パネル111と図示外のネジによって接続されたグリルパネル112を備える。本体パネル111には、パネルユニット用ネジ35aのネジ頭よりも大きな開口部113が形成され、グリルパネル112にはネジ穴114が形成されている。パネルユニット用ネジ35aが開口部113を通り、グリルパネル112のネジ穴114を貫通してパネルベース109のボス115に螺合することで、パネルユニット35は、ドアベース部材102に固定される。
パネルユニット35をドアベース部材102から取り外す際には、ドアベース部材102のZ軸方向負側(裏側)からパネルユニット用ネジ35aを操作することで、パネルユニット用ネジ35aはボス115との螺合が解除され、パネルユニット35は、ドアベース部材102との固定が解除される。
パネルユニット35をドアベース部材102に取り付ける際には、パネルユニット35側のボス115をドアベース部材102側のネジ穴114に位置あわせし、パネルユニット用ネジ35aを操作することで、パネルユニット用ネジ35aはドアベース部材102を挟んでボス115と螺合され、パネルユニット35はドアベース部材102に固定される。
以上のように構成されたスロットマシンによれば以下の効果を奏する。
本実施の形態におけるスロットマシン1は、前扉5を備えたスロットマシンであって、前扉5は、その前面に、デザインパネル105を有するパネルユニット35を備える。
前扉5のZ軸方向負側(裏側)には、操作をすることでパネルユニット35が前扉5から着脱可能となる二か所のパネルユニット用ネジ35a(本発明の複数の特定操作部)を備える。
また、前扉5のZ軸方向負側(裏側)には、操作をすることでメダルセレクタ48、メダル通路100、スタートスイッチ19、振動発生装置103、中継基板ユニット104、スピーカ31L,31R(本発明のパネルユニットとは異なる前扉装着物)がドアベース部材102から着脱可能となるメダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Ra(本発明の非特定操作部)を備える。
そして、二か所のパネルユニット用ネジ35a(本発明の複数の特定操作部)は、共に赤色単色(本発明の共通の特定色)で形成されている。
さらに、本発明の非特定操作部である、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raは、いずれも赤色で形成されておらず、シルバー系の色によって形成されている。
かかる構成によれば、前扉5のZ軸方向負側(裏側)において、多数存在する前扉装着物を着脱させる際に操作する操作部、具体的には、パネルユニット用ネジ35a、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raから、デザインパネル105を有するパネルユニット35に対応するパネルユニット用ネジ35aを容易に見分けることができ、デザインパネル35の交換作業の作業性を向上することができる。
以上の実施形態においては、本発明にかかる特定操作部を、非特定操作部と操作態様が共通するネジについて採用した場合について説明したが、特定操作部を、非特定操作部と操作態様が異なる構造とし、本発明にかかる非特定操作部と更なる差別化を図ることができる。
以下においては、本発明にかかる非特定操作部を、操作態様が異なる構造の一例として、スライド操作体116を用いた構造について適用した例について、本発明の第2実施形態として説明する。
スライド操作体116を用いた構造について、図8~図10を用いて説明する。なお、スライド操作体116を用いた構造に関与しない構造については、前述の第1実施形態と共通であり、同一の符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図8に示すように、前扉5のZ軸方向負側(裏側)であって、図1のパネルユニット35に対応する位置(対応する位置について、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置のほか、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置と同時に視認可能な位置も含む)には、操作をすることでパネルユニット35を着脱可能にするスライド操作体116(本発明の特定操作部に相当する)が二か所配置されている。
また、図8に示すように、前扉5のZ軸方向負側(裏側)であって、図1のパネルユニット35に対応する位置(対応する位置について、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置のほか、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置と同時に視認可能な位置も含む)には、操作をすることでメダルセレクタ48を着脱可能にするメダルセレクタ用ネジ48a(本発明の非特定操作部に相当する)が三箇所、操作をすることでメダル通路100を着脱可能にするメダル通路用ネジ100a(本発明の非特定操作部に相当する)が三箇所、操作をすることでスタートスイッチ19を着脱可能にするスタートスイッチ用ネジ19a(本発明の非特定操作部に相当する)が一箇所、操作をすることで振動発生装置103を着脱可能にする振動発生装置用ネジ103a(本発明の非特定操作部に相当する)が三箇所、操作をすることで中継基板ユニット104を着脱可能にする中継基板ユニット用ネジ104a(本発明の非特定操作部に相当する)が二箇所、操作をすることでスピーカ31Lを着脱可能にするスピーカ31L用ネジ31La(本発明の非特定操作部に相当する)が四箇所、操作をすることでスピーカ31Rを着脱可能にするスピーカ31R用ネジ31Ra(本発明の非特定操作部に相当する)が四箇所、それぞれが前扉5の開放時に、少なくとも一部が露出するように設けられている。
メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raは、ドアフレーム101と同じシルバー系統の色で形成されている(同じシルバー系統については、いわゆる銀色のほか、白銀色、灰色等、明度の違いなど若干の色合いが異なるものも含まれる)。
その一方で、スライド操作体116は、二か所とも、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raとは異なる色であって、共通の色(赤色単色)で形成されている。
より具体的には、スライド操作体116は、熱可塑性樹脂(PC)を原材料とし、ここに赤色の着色剤を加えたものを図示外の射出成型機により成形することによって形成されており、表面だけではなく、断面を含んだ全体が赤色(特定色)に着色されている。そのため、表面に摩擦等による傷が出来たとしても、赤色からの変化は無いものとなっている。
さらに、スライド操作体116は、二か所とも、その周囲が黒色に形成されたドアベース部材102に隣接している。そのため、マンセル色相環において近接していない赤色と黒色のコントラストの差により、パネルユニット用ネジ35aは、暗い状況下でも目視確認しやすいように形成されている。
また、マンセル色相環において近接していない赤色とシルバーのコントラストの差により、スライド操作体116は、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raとも見分けがつきやすいように形成されている。
なお、上述のように、スライド操作体116は、二か所とも共通の赤色で形成されているが、この赤色について、純粋な赤色には限定されず、いわゆる赤系の色、例えば、マンセル色相環における10RPから5YRまでの色相が含まれる。つまり、本発明の共通の特定色について、完全に一致するもの(例えば、マンセル色相環における5R同士)に限定されず、マンセル色相環における10RPから5YRまでの色相のように、同系統の色も含まれる。
また、スライド操作体116は、中央に貫通孔117が形成された環状部118と、環状部118と一体的に形成された板状の従動部119を有する。
環状部118は、貫通孔117に作業者の指が入る大きさに形成され、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raよりも大きく形成されている。
従動部119には、図9に示すように、後述するパネルユニット35のフック部120が挿通し、フック部120のZ軸方向(前後方向)への移動を規制、或いは許容する規制穴121が形成されている。
さらに、スライド操作体116は、図9に示す規制位置と、図10に示す解除位置との間を移動可能になっており、規制位置にある時にはパネルユニット35のフック部120のZ軸方向(前後方向)への移動を規制し、解除位置にある時にはパネルユニット35のフック部120のZ軸方向(前後方向)への移動を許容する。
パネルユニット35と規制穴121の関係の詳細について、図9、図10を用いて説明する。
図9に示すように、ドアベース部材102は、本体パネル111と、本体パネル111と図示外のネジによって接続されたグリルパネル112を備える。
また、ドアベース部材102には、本体パネル111とグリルパネル112のZ軸方向(前後方向)に重なる位置に、同じ大きさで形成されたドアベース開口部122が形成されている。このドアベース開口部122は、フック部120よりも大きく、規制穴121よりも小さく形成されている。
パネルユニット35は、フィルムシートにメーカーロゴやキャラクター等の意匠が印刷されたデザインパネル105と、デザインパネル105をZ軸方向(前後方向)から保持する透明な熱可塑性樹脂(PC)によって形成された保持パネル106と、複数のLEDが配置された発光基板107と、発光基板107からの光をデザインパネル105に向けて拡散させる透明な熱可塑性樹脂(PC)によって形成され、表面に粗面加工が施されたリフレクタ108と、内部に保持パネル106と、リフレクタ108と、発光基板107を収容する不透明な熱可塑性樹脂(ABS)によって形成されたパネルベース109と、デザインパネル105の外周縁を装飾する枠体110を備える。
なお、パネルユニット35について、パネルベース109は第1実施形態ではボス115を備えていたが、この第2実施形態では、ボス115を備えておらず、後述のフック部120を備えたものとなっている。これらボス115とフック部120以外の構造については、第2実施形態も、第1実施形態で説明した図5のものと同様である。
パネルベース109は、図9に示すように、ドアベース部材102側の面から、Z軸方向負側(後側)に向かって突出形成されたフック部120を備える。
フック部120は、その先端123がX軸方向正側(右側)に屈折しており、全体として逆L字型に形成されている。
フック部120は、規制穴121よりも小さく形成されているが、スライド操作体116が図9に示す規制位置にあるときには、フック部120の先端123と従動部119がZ軸方向(前後方向)で重なり、パネルユニット35のZ軸方向(前後方向)への移動が規制され、パネルユニット35は、ドアベース部材102に固定される。
一方、スライド操作体116が図10に示す解除位置にあるときには、フック部120の先端123と従動部119がZ軸方向(前後方向)で重ならず、パネルユニット35のZ軸方向(前後方向)への移動が許容され、パネルユニット35は、ドアベース部材102との固定が解除される。
具体的には、スライド操作体116を図9に示す規制位置から図10に示す解除位置に移動させる際には、作業者は、指Yを環状部118に入れて操作をすることが可能となっており、環状部118の一端面124を指先で押しながら図9の状態からX軸方向正側(右側)の方向にスライド移動するように操作する。
この場合において、スライド操作体116が上記のようにスライド移動する際には、作業者の指YのX軸方向正側(右側)の移動方向には、図9に示す規制位置から図10に示す解除位置までの間常に環状部118が介在することとなる。
パネルユニット35をドアベース部材102に取り付ける際には、図10に示すように、スライド操作体116を解除位置にし、フック部120を、ドアベース開口部122と規制穴121とに挿通させる。
そして、スライド操作体116を図9に示す規制位置に移動させることで、フック部120の先端123と従動部119がZ軸方向(前後方向)で重なり、パネルユニット35のZ軸方向(前後方向)への移動が規制され、パネルユニット35は、ドアベース部材102に再度固定される。
具体的には、スライド操作体116が図10に示す解除位置から図9に示す規制位置に操作する際には、作業者は、指Yを環状部118に入れて操作をすることが可能となっており、環状部118の他端面125を指先で押しながら図10の状態からX軸方向負側(左側)の方向にスライド移動するように操作する。
この場合において、スライド操作体116が上記のようにスライド移動する際には、作業者の指のX軸方向負側(左側)の移動方向には、図10に示す解除位置から図9に示す規制位置までの間常に環状部118が介在することとなる。
以上のように構成されたスロットマシンによれば以下の効果を奏する。
本実施の形態におけるスロットマシン1は、前扉5を備えたスロットマシンであって、前扉5は、その前面に、デザインパネル105を有するパネルユニット35を備える。
前扉5のZ軸方向負側(裏側)には、操作をすることでパネルユニット35が前扉5から着脱可能となる二か所のスライド操作体116(本発明の複数の特定操作部)を備える。
また、前扉5のZ軸方向負側(裏側)には、操作をすることでメダルセレクタ48、メダル通路100、スタートスイッチ19、振動発生装置103、中継基板ユニット104、スピーカ31L,31R(本発明のパネルユニットとは異なる前扉装着物)が前扉5から着脱可能となるメダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Ra(本発明の非特定操作部)を備える。
そして、スライド操作体116(本発明の複数の特定操作部)は、共に赤色単色(本発明の共通の特定色)で形成されている。
さらに、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Ra(本発明の非特定操作部)は、いずれも赤色で形成されておらず、シルバー系の色によって形成されている。
かかる構成によれば、前扉5のZ軸方向負側(裏側)において、多数存在する前扉装着物を着脱させる際に操作する操作部、具体的には、スライド操作体116、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raから、デザインパネル105を有するパネルユニット35に対応するスライド操作体116を容易に見分けることができ、デザインパネル35の交換作業の作業性を向上することができる。
この場合において、第2実施形態では、特定操作部を、ネジである非特定操作部と異なり、スライド操作体116としたことにより、第1実施形態のように、特定操作部もネジとした場合と比較して、特定操作部と非特定操作部の外観が大きく異なる。そのため、上記スライド操作体116の識別性がさらに向上することができ、デザインパネル35の交換作業の作業性をさらに向上することができる。
とくに、スライド操作体116が、ネジには無い構造である環状部118を備えたことで識別性の向上がより顕著なものとなる。なお、第2実施形態では、環状部118は円環状に形成されているが、これに限定されず、矩形枠型でも良く、C字状のように、環状の一部が連続しなくても良い。つまり、本発明の環状部は、貫通孔117のように、作業者の指を入れることが出来る孔(貫通していない窪み状のものでも良い)が形成されていれば、全体の形状は問わない。
また、第1実施形態のように、特定操作部がネジである場合には、ネジを操作する際に、特定操作部側の操作部位と、係合対象とが重なる方向(例えば、図7のパネルユニット用ネジ35aのネジ頭とパネルユニット35が重なる位置のZ軸方向負側方向)は、操作器具(例えばドライバー)を進入させるため、スペースを確保する必要があり、設計上のレイアウトに制約を受ける。
一方で、第2実施形態のように、特定操作部をスライド操作体116とし、係合対象との係合機構(規制穴121)を備えた係合部(従動部118)と、作業者が操作を行う操作部位(環状部118)を横方向(例えば、図9のX軸方向)にずらして配置した場合には、係合部(従動部118)と係合対象とが重なる方向(例えば、図9の従動部119とパネルユニット35が重なる位置のZ軸方向負側方向)にスペースを確保する必要は無く、設計上のレイアウトに制約を受けにくい。
つまり、特定操作部をスライド操作体116とした場合には、作業者が操作を行う操作部位(環状部118)と、係合対象との係合機構(121)を備えた係合部(従動部118)とを横方向(例えば、図9のX軸方向)に任意の距離で形成できることから、作業者が操作を行う操作部位(ネジ頭)と、係合対象との係合機構(ネジ溝)を備えた係合部(ネジ軸)とを横方向(例えば、図9のX軸方向)に任意の距離で形成できない第1実施形態のネジと比較して、設計上のレイアウトの自由度が向上する。
また、スライド操作体116がスライド移動する際には、上述のように、作業者の指Yの移動方向には、図9に示す規制位置から図10に示す解除位置までの間、或いは、図10に示す規制位置から図9に示す解除位置までの間常に環状部118が介在することとなる。
かかる構成によれば、作業者の指が前扉5のZ軸方向負側(裏側)において、他の部材に接触することを防止でき、作業者のケガを構造面で防止できる。作業者のケガを構造面で防止することにより、デザインパネル105の交換作業の作業性をより向上することができる。
上記した各実施の形態では、本発明の特定操作部を、非特定操作部と異なる色として、赤色を適用した例について記載したが、これに限定されず、例えば黄色等、非特定操作部とマンセル色相環において近接しない色相を適用することができる。
また、上記した各実施の形態では、本発明の特定操作部を、非特定操作部と異なる色として、赤色「単色」を適用した例について記載したが、これに限定されず、例えば、赤色と黄色等複数の色を組み合わせたものも適用できる。この場合において、組み合わせる色はいずれもマンセル色相環において、非特定操作部と近接しない色相とすることが望ましい。
また、上記した各実施の形態では、本発明のパネルユニットとは異なる前扉装着物として、メダルセレクタ48、メダル通路100、スタートスイッチ19、振動発生装置103、中継基板ユニット104、スピーカ31R、スピーカ31Lを例示して説明し、これら全てが該当する例を記載したが、これらのいずれかでもよく、これら以外の装置であっても良い。
また、上記した各実施の形態では、本発明の非特定操作部として、メダルセレクタ用ネジ48a、メダル通路用ネジ100a、スタートスイッチ用ネジ19a、振動発生装置用ネジ103a、中継基板ユニット用ネジ104a、スピーカ31L用ネジ31La、スピーカ31R用ネジ31Raを例示し、これら全てが該当する例を記載したが、これらのいずれかでもよく、これら以外のネジであってもよい。
例えば、上記した各実施の形態では図示を省略しているが、アース配線をアース用板金に接続するネジが、前扉5を開放した状態で(例えば図2の状態)、パネルユニット35に対応する位置(対応する位置について、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置のほか、パネルユニット35とZ軸方向(前後方向)で重なる位置と同時に視認可能な位置も含む)で視認可能であれば、非特定操作部に含まれる。
すなわち、前扉5を開放して前扉5の裏面を視認可能な目視点検状態にしたことにより、特定操作部が視認可能な時に、ハーネス等により部分的に隠された場合であっても、少なくとも一部が同時に見ることが出来るネジについては非特定操作部に含まれ、全てが同時に見ることが出来ないネジ(例えば、メダルセレクタ48の裏側にあるネジのように、図4の状態で全てが目視出来ないネジ)については非特定操作部に含まれない。
上記特定操作部が「視認可能」について、全てを視認可能ではなく、部分的に隠された状態でもよい。例えば、パネルユニット用ネジ35aの一部がハーネス等により隠された状態でもよい。例えば、スライド操作体116において、従動部119がハーネス等により全て隠されていたとしても、作業者が実際に操作する環状部118の一部が視認可能であればよい。
また、上記した各実施の形態では、実メダルを用いたスロットマシンについて説明したが、実メダルを用いない、いわゆるメダルレスタイプのスロットマシンにも適用できる。
また、上記した各実施の形態では、一つの前扉を備えたスロットマシンについて説明したが、上下に二つの前扉を備えたタイプのスロットマシンについても適用できる。
また、上記した各実施の形態では、パネルユニットに発光基板を内蔵したタイプのスロットマシンについて説明したが、発光基板をドアベース部材に直接取り付けるなど、パネルユニットに内蔵しないタイプのスロットマシンについても適用できる。本発明のパネルユニットは、デザインパネルを有し、前扉に着脱可能なものであれば適用できる。
ところで、図1で説明したスロットマシン1はスタートスイッチ19と最大ベットスイッチ17を備え、最大ベットスイッチ17の操作により1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数のメダルを投入され、スタートスイッチ19の操作により各リール13L,13M,13Rを回転させて遊技を開始していたが、スタートスイッチ19はメダルが投入されない限り有効にはならず、1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数のメダルを投入されてスタートスイッチ19が有効となった場合には最大ベットスイッチ17が有効とはならない。つまり、最大ベットスイッチ17とスタートスイッチ19が同時に有効とならないことから、両者の機能を兼用することが可能である。
例えば、図11(a)に示すように、ベットスイッチ15や最大ベットスイッチ17の操作がされることなく投入されているメダルの枚数が0枚である場合や、ベットスイッチ15の操作により、投入されているメダルの枚数が1枚や2枚である場合にスタートスイッチ19を操作され、スタートスイッチ19からメインCPU61へ操作信号が送信されると、メインCPU61では最大ベットスイッチ17が操作されたときと同様の処理(メダル投入処理)が行われる。具体的には、最大投入枚数である3枚となるまでメダル投入処理が行われる。
次に、投入されているメダルの枚数が最大投入枚数である3枚となった状態でスタートスイッチ19を操作され、スタートスイッチ19からメインCPU61へ操作信号が送信されると、メイン61では各リール13L,13M,13Rを回転させて遊技を開始する遊技開始処理が行われる。このような構成とすることにより、スタートスイッチ19の操作のみで遊技を進行することができる。
さらに、図11(b)に示すような構成とすれば、遊技の進行に関する操作をより簡素化することができる。図11(a)に示した実施形態では、スタートスイッチ19からの操作信号をメインCPU61が受信した際、投入されているメダルの枚数によりメダル投入処理か遊技開始処理かを選択して処理していたため、遊技を進行させるためにメダル投入処理に対応するスタートスイッチ19の操作と、遊技開始処理に対応するスタートスイッチ19の操作の合計2回操作を行う必要がある。これに対し、図11(b)に示す実施形態では、スタートスイッチ19からの操作信号をメインCPU61が受信すると、3枚のメダル投入処理と遊技開始処理を順番に行うようにし、スタートスイッチ19の1回の操作で遊技を進行できるようにしている。
ここで、図11で説明したスロットマシン1は3枚のメダル投入により各リール13L,13M,13Rが回転可能となり、投入されているメダルの枚数が1枚や2枚の状態ではメダル投入処理を行うようになっているが、機種によっては、投入されているメダルの枚数が1枚や2枚でも各リール13L,13M,13Rが回転可能となるものもある。こういった場合に対応するスタートスイッチ19の仕様について説明する。
図12に示すのは、投入されているメダルの枚数が1枚、または、3枚の場合に各リール13L,13M,13Rが回転可能となる例である。図12(a)に示すように、投入されているメダルの枚数が0枚である場合や、ベットスイッチ15の操作により、投入されているメダルの枚数が2枚である場合にスタートスイッチ19を操作され、スタートスイッチ19からメインCPU61へ操作信号が送信されると、メインCPU61では最大ベットスイッチ17が操作されたときと同様の処理を行う。具体的には、最大投入枚数である3枚となるまでメダル投入処理を行う。
次に、投入されているメダルの枚数が最大投入枚数である3枚となった状態でスタートスイッチ19を操作され、スタートスイッチ19からメインCPU61へ操作信号が送信されると、メイン61では各リール13L,13M,13Rを回転させて遊技を開始する遊技開始処理を行う。
ここで、投入されているメダルの枚数が1枚である場合にスタートスイッチ19を操作され、スタートスイッチ19からメインCPU61へ操作信号が送信されると、メダル投入処理ではなく、遊技開始処理を行う点で図11(a)と異なる。つまり、投入されているメダルの枚数が1枚である場合は、操作信号に対応して遊技開始処理を優先するものである。
図12(b)も同様に、スタートスイッチ19からメインCPU61へ操作信号が1回送信されると、3枚のメダル投入処理と遊技開始処理を順番に行うようにし、スタートスイッチ19の1回の操作で遊技を進行できるようにしているが、投入されているメダルの枚数が1枚である場合は遊技開始処理を優先するため、メダル投入処理を無効とし、メダル投入枚数が1枚の状態で遊技を開始する点で図11(a)と異なる。
図12(b)では、スタートスイッチ19からメインCPU61への操作信号に対応してメダル投入処理と遊技開始処理を順番に行う処理を説明したが、メダル投入処理と遊技開始処理の処理順を逆にしても良い。具体的には、図12(c)に示すように、メインCPU61が操作信号を受信した際、投入されているメダルの枚数が0枚または2枚の場合は投入メダル数が遊技開始できる枚数ではないため、遊技開始処理がキャンセルされ、3枚のメダル投入処理が行われる。メインCPU61が操作信号を受信した際、投入されているメダルの枚数が1枚または3枚の場合は投入メダル数が遊技開始できる枚数であるため、遊技開始処理が行われ、メダル投入処理はキャンセルされる。このような構成とすることにより、特に遊技開始できるメダル数が2種類以上ある場合と、1種類のみである場合とで同じ処理とすることができ、機種ごとに開発負荷を増大させることがなくなる。
なお、本実施形態では、メインCPU61の処理でスタートスイッチ19からメインCPU61への操作信号に対応する処理を制御するが、ユーザーの動作を求めたり、ハード構成を組み合わせて制御するようにしたりしてもよい。例えば、スタートスイッチ19が操作され、操作信号が送信された瞬間(換言すると操作信号の信号値が変わった瞬間)、メインCPU61では投入されているメダルの枚数によりメダル投入処理か遊技開始処理かを選択して処理し、規定時間の間、操作信号が送信され続けており(換言すると、操作信号の信号値が変わらず)、未だ遊技開始処理が行われていなければ、メインCPU61で遊技開始処理を行うようにしても良いし、スタートスイッチ19を一度操作すると、バネ等の付勢器具によってユーザーの操作でかける力を超える付勢力がかかり、操作信号が送信されない位置まで復帰して、その後付勢力が無くなることで再度のユーザー操作が自然に行われるようなものであってもよい。