JP7347652B2 - フィルタ及びフィルタデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、フィルタ及びフィルタデバイスに関する。
例えば、特許文献1には、細胞凝集塊をサンプリングする濾過フィルタが開示されている。特許文献1の濾過フィルタは、複数の第1貫通孔が周期的に形成されており、複数の第1貫通孔のうち少なくとも1つが第1貫通孔より小さい複数の第2貫通孔によって分割されている。
国際公開第2018/042944号
しかしながら、特許文献1に記載のフィルタでは、耐久性を向上させるという点で未だ改善の余地がある。
本発明は、耐久性を向上させることができるフィルタ及びフィルタデバイスを提供することを目的とする。
本発明の一態様のフィルタは、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有するフィルタであって、
前記第1主面と前記第2主面とを貫通する複数の第1貫通孔と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通し、且つ前記複数の第1貫通孔の寸法より大きい1つ又は複数の第2貫通孔と、が設けられたフィルタ基体部を備え、
前記フィルタ基体部は、フィルタの中央側に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記フィルタの外周側に位置し、且つ前記フィルタの外周よりも中央側に位置する第2領域と、前記第2領域と前記フィルタの前記外周との間に位置する第3領域と、を有し、
前記1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2領域に設けられており、
前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合よりも小さい。
本発明の一態様のフィルタデバイスは、
1つ又は複数のフィルタと、
前記1つ又は複数のフィルタを保持する保持部と、
を備え、
前記1つ又は複数のフィルタは、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有するフィルタであって
前記第1主面と前記第2主面とを貫通する複数の第1貫通孔と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通し、且つ前記複数の第1貫通孔の寸法より大きい1つ又は複数の第2貫通孔と、が設けられたフィルタ基体部を備え、
前記フィルタ基体部は、フィルタの中央側に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記フィルタの外周側に位置し、且つ前記フィルタの外周よりも中央側に位置する第2領域と、前記第2領域と前記フィルタの前記外周との間に位置する第3領域と、を有し、
前記1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2領域に設けられており、
前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合よりも小さく、
前記保持部の内部には、前記1つ又は複数のフィルタを配置する流路が形成されている。
本発明によれば、耐久性を向上させることができるフィルタ及びフィルタデバイスを提供することができる。
本発明に係る実施の形態1のフィルタの一例の概略図である。 図1のフィルタをA-A線で切断した概略断面図である。 フィルタ部において複数の第1貫通孔が設けられた部分の概略斜視図である。 図3のフィルタ部を厚み方向から見た概略図である。 フィルタ部において第2貫通孔が設けられた部分の概略図である。 本発明に係る実施の形態1のフィルタデバイスの一例の概略図である。 フィルタデバイス内を流れる液体の流速分布及び流線の計算結果の一例を示す図である。 フィルタを通過する液体の流速の一例を示すグラフである。 濾過対象物を捕捉したフィルタデバイスの流速分布及び流線の計算結果の一例を示す図である。 フィルタにおいて液体から受ける応力の計算結果の一例を示す図である。 フィルタデバイスを用いた濾過の一例を説明するための概略図である。 フィルタデバイスを用いた濾過の一例を説明するための概略図である。 本発明に係る実施の形態1の変形例のフィルタの概略図である。 本発明に係る実施の形態2のフィルタの一例の概略図である。 図13のフィルタをB-B線で切断した概略断面図である。 本発明に係る実施の形態3のフィルタの一例の概略図である。 図15のフィルタをC-C線で切断した概略断面図である。 本発明に係る実施の形態4のフィルタデバイスの一例の概略図である。 比較例1のフィルタの概略図である。 実施例1及び比較例1における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。 比較例2のフィルタの概略図である。 実施例2及び比較例2における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。 比較例3のフィルタの概略図である。 実施例及び比較例3における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。 比較例4のフィルタ部において第2貫通孔が設けられた部分の概略斜視図である。 実施例4及び比較例4における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。 実施例5及び比較例5における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。
(本発明に至った経緯)
特許文献1に記載のフィルタは、複数の第1貫通孔が周期的に形成されており、複数の第1貫通孔のうち少なくとも1つが第1貫通孔より小さい複数の第2貫通孔によって分割されている。これにより、所望のサイズの細胞凝集塊をサンプリングしている。
しかしながら、特許文献1に記載のフィルタにおいては、濾過中に、複数の貫通孔が設けられたフィルタ部上に濾過対象物が堆積することによって目詰まりが生じる。濾過中に目詰まりが生じると、液体は目詰まりを起こしていない貫通孔に向かって流れる。このため、フィルタ部に局所的に圧力が増大する部分が生じ、当該部分からフィルタが破損するという問題がある。
本発明者らは、鋭意検討したところ、フィルタに目詰まりが生じた状態で濾過を続けると、フィルタの中央側に比べてフィルタの外周部側で破損が生じやすいことを発見した。これは、フィルタの中央側の流速が、フィルタの外周部側の流速に比べて速くなるためと考えられる。これにより、フィルタの中央側で濾過対象物が捕捉されやすく、フィルタの外周側の領域で濾過対象物が捕捉されにくいという現象が起こる。フィルタの中央側で目詰まりが生じると、濾過対象物を含む液体はフィルタの外周部側に向かって流れる。これにより、フィルタの外周部側にかかる圧力が増大し、外周部側でフィルタが破損する。
そこで、本発明者らは、フィルタの外周部側にかかる圧力を低減するために、フィルタ部に形成される複数の第1貫通孔よりも大きい1つ又は複数の第2貫通孔をフィルタの外周部側に設ける構成を見出し、以下の発明に至った。
本発明の一態様のフィルタは、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有するフィルタであって、
前記第1主面と前記第2主面とを貫通する複数の第1貫通孔と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通し、且つ前記複数の第1貫通孔の寸法より大きい1つ又は複数の第2貫通孔と、が設けられたフィルタ基体部を備え、
前記フィルタ基体部は、フィルタの中央側に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記フィルタの外周側に位置し、且つ前記フィルタの外周よりも中央側に位置する第2領域と、前記第2領域と前記フィルタの前記外周との間に位置する第3領域と、を有し、
前記1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2領域に設けられており、
前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合よりも小さい。
このような構成により、耐久性を向上させることができる。
前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合の6×10-6倍以上0.2倍以下であってもよい。
このような構成により、耐久性をさらに向上させることができる。
前記フィルタの第1主面において、
前記第1領域の占める面積の割合は、前記第2領域の占める面積の割合より大きく、
前記第1領域の占める面積の割合は、前記第3領域の占める面積の割合より大きくてもよい。
このような構成により、耐久性をさらに向上させることができる。
前記フィルタは、中心点を有する円形状を有し、
前記第1領域は、前記フィルタの前記中心点を中心とする円形状を有し、
前記第2領域は、前記フィルタの前記中心点を中心とする円環形状を有し、
前記第2領域の外径は、前記フィルタの直径の0.11倍以上0.84倍以下であってもよい。
このような構成により、耐久性をさらに向上させることができる。
前記複数の第2貫通孔は、前記複数の第1貫通孔を挟んで位置していてもよい。
このような構成により、回収率の低減を抑制しつつ、耐久性をさらに向上させることができる。
前記複数の第2貫通孔は、前記第1領域を基準として対称に設けられていてもよい。
このような構成により、回収率の低減を抑制しつつ、耐久性をさらに向上させることができる。
前記フィルタは、さらに、
前記第2主面に設けられ、前記フィルタ基体部を支持する支持部を備え、
前記支持部は、
間隔を有して第1方向に延びる複数の第1支持部と、
間隔を有して前記第1方向と交差する第2方向に延び、前記複数の第1支持部と接続される複数の第2支持部と、
を有し、
前記フィルタの前記第2主面側から見て、前記フィルタ基体部において前記支持部から露出する複数の露出部が形成されており、
前記第2領域に形成される前記複数の露出部には、前記1つ又は複数の第2貫通孔が設けられていてもよい。
このような構成により、耐久性をさらに向上させることができる。
前記第2方向は、前記第1方向と直交していてもよい。
このような構成により、回収率の低減を抑制しつつ、耐久性をさらに向上させることができる。
前記支持部は、前記第2主面の前記第3領域に、前記複数の第1支持部と前記複数の第2支持部とに接続される補強部を備え、
前記補強部の開口率は、前記第1領域及び前記第2領域に配置される前記複数の第1支持部と前記複数の第2支持部とで形成される部分の開口率より小さくてもよい。
このような構成により、耐久性をさらに向上させることができる。
前記第3領域の開口率は、前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれの開口率よりも小さくてもよい。
このような構成により、耐久性をさらに向上させることができる。
前記フィルタは、金属製多孔膜であってもよい。
このような構成により、耐久性をさらに向上させることができる。
前記フィルタは、さらに、
前記フィルタ基体部が設けられるフィルタ部と、
前記フィルタ部の外周に設けられる枠部と、
を備えていてもよい。
このような構成により、耐久性をさらに向上させることができる。
本発明の一態様のフィルタデバイスは、
1つ又は複数のフィルタと、
前記1つ又は複数のフィルタを保持する保持部と、
を備え、
前記1つ又は複数のフィルタは、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有するフィルタであって
前記第1主面と前記第2主面とを貫通する複数の第1貫通孔と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通し、且つ前記複数の第1貫通孔の寸法より大きい1つ又は複数の第2貫通孔と、が設けられたフィルタ基体部を備え、
前記フィルタ基体部は、フィルタの中央側に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記フィルタの外周側に位置し、且つ前記フィルタの外周よりも中央側に位置する第2領域と、前記第2領域と前記フィルタの前記外周との間に位置する第3領域と、を有し、
前記1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2領域に設けられており、
前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合よりも小さく、
前記保持部の内部には、前記1つ又は複数のフィルタを配置する流路が形成されている。
このような構成により、耐久性を向上させることができる。
前記フィルタデバイスにおいて、前記複数のフィルタは、
第1フィルタと、
前記第1フィルタと間隔を有して直列に配置される第2フィルタと、
を備え、
前記第1フィルタと前記第2フィルタとが直列して配置される方向から見て、前記第1フィルタの1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2フィルタの1つ又は複数の第2貫通孔と重ならなくてもよい。
このような構成により、回収率の低減を抑制しつつ、耐久性をさらに向上させることができる。
以下、本発明に係る実施の形態1について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
(実施の形態1)
[フィルタ]
図1は、本発明に係る実施の形態1のフィルタ1Aの一例の概略図である。図2は、図1のフィルタ1AをA-A線で切断した概略断面図である。図中のX、Y、Z方向は、それぞれフィルタ1Aの縦方向、横方向、厚み方向を示している。
図1及び図2に示すように、フィルタ1Aは、フィルタ部10と、フィルタ部10の外周を囲むように配置される枠部20と、を備える。
実施の形態1では、フィルタ1Aは、金属製多孔膜である。具体的には、フィルタ1Aは、金属及び金属酸化物のうち少なくともいずれかを主成分とする。
実施の形態1において、フィルタ1Aの外形は、例えば、Z方向から見て、円形に形成されている。なお、フィルタ1Aの外形は、円形に限定されることなく、正方形、長方形、多角形、又は楕円形などであってもよい。
<フィルタ部>
フィルタ部10は、フィルタ1Aは、第1主面PS1と、第1主面PS1と反対側の第2主面PS2と、を有する。具体的には、フィルタ部10は、第1主面PS1と、第1主面PS1に対向する第2主面PS2とを有する板状構造体である。第1主面PS1には、液体に含まれる濾過対象物が捕捉される。
本明細書において、「濾過対象物」とは、液体に含まれる対象物のうち濾過されるべき対象物を意味している。例えば、濾過対象物は、例えば、細胞、細菌、ウィルス等の生物に由来する対象物を含む。細胞としては、例えば、卵、***、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、ES細胞、幹細胞、間葉系幹細胞、単核球細胞、単細胞、細胞塊、浮遊性細胞、接着性細胞、神経細胞、白血球、リンパ球、再生医療用細胞、自己細胞、がん細胞、血中循環がん細胞(CTC)、HL-60、HELA、酵母などを含む。細菌としては、例えば、グラム陽性菌、グラム陰性菌、大腸菌、ブドウ球菌、結核菌などを含む。ウィルスとしては、例えば、DNAウィルス、RNAウィルス、ロタウィルス、(鳥)インフルエンザウィルス、黄熱病ウィルス、デング熱病ウィルス、脳炎ウィルス、出血熱ウィルス、免疫不全ウィルスなどを含む。濾過対象物は、セラミック粒子、バインダー粒子、エアロゾル等の無機物、有機物、又は金属であってもよい。「液体」とは、例えば、電解質溶液、細胞懸濁液、細胞培養培地などである。
フィルタ部10は、複数の第1貫通孔11と複数の第2貫通孔12とが設けられたフィルタ基体部13を備える。
図3は、フィルタ部10において複数の第1貫通孔11が設けられた部分の概略斜視図である。図4は、図3のフィルタ部10を厚み方向から見た概略図である。図3及び図4に示すように、複数の第1貫通孔11は、第1主面PS1と第2主面PS2とを貫通する。複数の第1貫通孔11は、周期的に形成されている。具体的には、複数の第1貫通孔11は、マトリクス状に等間隔で形成されている。
実施の形態1では、図4に示すように、第1貫通孔11は、フィルタ部10の第1主面PS1側、即ちZ方向から見て、一辺D1の正方形の形状を有する。第1貫通孔11の一辺D1は、濾過対象物の大きさ、形態、性質、弾性又は量に応じて適宜設計される。また、第1貫通孔11の孔ピッチP1についても、濾過対象物の大きさ、形態、性質、弾性又は量に応じて適宜設計される。ここで、正方形の第1貫通孔11の孔ピッチP1とは、フィルタ部10の第1主面PS1側から見て、任意の第1貫通孔11の一辺と、隣接する第1貫通孔11の一辺との間の距離を意味する。
例えば、第1貫通孔11の一辺D1は4.5μmである。第1貫通孔11の孔ピッチP1は、6.5μmである。フィルタ部10の厚みTは、1.0μmである。
フィルタ部10の厚みTは、第1貫通孔11の大きさ(一辺D1)の0.01倍より大きく10倍以下が好ましい。より好ましくは、フィルタ部10の厚みTは、第1貫通孔11の大きさ(一辺D1)の0.05倍より大きく7倍以下である。このような構成により、フィルタ部10に対する液体の通過抵抗を低減することができ、処理時間を短くすることができる。
図3及び図4に示すように、第1貫通孔11は、第1主面PS1側の開口と第2主面PS2側の開口とが連続した壁面を通じて連通している。具体的には、第1貫通孔11は、第1主面PS1側の開口が第2主面PS2側の開口に投影可能に形成されている。即ち、フィルタ部10を第1主面PS1側から見た場合に、第1貫通孔11は、第1主面PS1側の開口が第2主面PS2側の開口と重なるように設けられている。実施の形態1において、第1貫通孔11は、その内壁が第1主面PS1及び第2主面PS2に対して概ね垂直となるように設けられている。
実施の形態1では、フィルタ部10の第1主面PS1に対して垂直な面に投影した第1貫通孔11の形状(断面形状)は、長方形である。なお、第1貫通孔11の断面形状は、長方形に限定されず、例えば、平行四辺形又は台形等であってもよい。
実施の形態1では、複数の第1貫通孔11は、フィルタ部10の第1主面PS1側(Z方向)から見て正方形の各辺と平行な2つの配列方向、即ち図4中のX方向とY方向に等しい間隔で形成されている。このように、複数の第1貫通孔11を正方格子配列で設けることによって、開口率を高めることが可能であり、フィルタ部10に対する液体の通過抵抗(圧力損失)を低減することができる。
なお、複数の第1貫通孔11の配列は、正方格子配列に限定されず、例えば、準周期配列、又は周期配列であってもよい。周期配列の例としては、方形配列であれば、2つの配列方向の間隔が等しくない長方形配列でもよく、三角格子配列又は正三角格子配列などであってもよい。
図5は、フィルタ部10において第2貫通孔12が設けられた部分の概略斜視図である。図5に示すように、複数の第2貫通孔12は、第1主面PS1と第2主面PS2とを貫通する。また、複数の第2貫通孔12は、複数の第1貫通孔11の寸法より大きい。実施の形態1では、第2貫通孔12の形状は、寸法を除いて、第1貫通孔11の形状と同じである。
第2貫通孔12は、フィルタ部10の第1主面PS1側、即ちZ方向から見て、一辺D2の正方形の形状を有する。第2貫通孔12の一辺D2は、フィルタ部10の厚みTよりも大きい。また、第2貫通孔12の一辺D2は、第1貫通孔11の一辺D1よりも大きい。例えば、第2貫通孔12の一辺D2は、第1貫通孔11の一辺D1の2倍以上37倍以下である。好ましくは、第2貫通孔12の一辺D2は、第1貫通孔11の一辺D1の4倍以上26倍以下である。
例えば、第2貫通孔12の一辺D2は17.5μmである。
フィルタ1Aの厚み方向(Z方向)からフィルタ部10を見て、1つの第2貫通孔12の開口面積Sa2は、1つの第1貫通孔11の開口面積Sa1より大きい。
第1主面PS1において、複数の第2貫通孔12の開口面積Sa2の占める割合は、複数の第1貫通孔11の開口面積Saの占める割合よりも小さい。ここで、複数の第2貫通孔12の開口面積Sa2の占める割合とは、第1主面PS1側から見て、フィルタ部10の面積に対する複数の第2貫通孔12の開口面積Sa2の占める割合を意味する。複数の第1貫通孔11の開口面積Sa1の占める割合とは、第1主面PS1側から見て、フィルタ部10の面積に対する複数の第1貫通孔11の開口面積Sa1の占める割合を意味する。
例えば、第1主面PS1において、複数の第2貫通孔12の開口面積Sa2の占める割合は、複数の第1貫通孔11の開口面積Sa1の占める割合の6×10-6倍以上0.2倍以下である。好ましくは、第1主面PS1において、複数の第2貫通孔12の開口面積Sa2の占める割合は、複数の第1貫通孔11の開口面積Sa1の占める割合の2×10-5倍以上0.1倍以下である。
フィルタ部10を第1主面PS1側から見て、複数の第2貫通孔12は、フィルタ部10の中央側よりも、フィルタ部10の外周側に設けられている。
具体的に説明すると、図1及び図2に示すように、フィルタ部10は、第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3を有する。第1領域R1は、フィルタ1Aの中央側に位置する。第2領域R2は、第1領域R1よりもフィルタ1Aの外周側に位置し、且つフィルタ1Aの外周よりも中央側に位置する。第3領域R3は、第2領域R2とフィルタ1Aの外周との間に位置する。
フィルタ部10の第1主面PS1において、第1領域R1の占める面積の割合は、第2領域R2の占める面積の割合より大きい。また、フィルタ部10の第1主面PS1において、第1領域R1の占める面積の割合は、第3領域R3の占める面積の割合より大きい。ここで、第1領域R1の占める面積の割合とは、第1主面PS1側から見て、フィルタ部10の面積に対する第1領域R1の占める面積の割合を意味する。第2領域R2の占める面積の割合とは、第1主面PS1側から見て、フィルタ部10の面積に対する第2領域R2の占める面積の割合を意味する。第3領域R3の占める面積の割合とは、第1主面PS1側から見て、フィルタ部10の面積に対する第3領域R3の占める面積の割合を意味する。
例えば、フィルタ部10の第1主面PS1において、第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3の割合は、1:3:5以上1:0.21:0.23以下である。好ましくは、フィルタ部10の第1主面PS1において、第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3の割合は、1:1.25:1.75以上1:0.21:0.23以下である。
実施の形態1では、フィルタ部10は円形状を有する。第1領域R1は、円形状を有する。円形状の第1領域の外周は、第2領域R2に囲まれている。第2領域R2は、第1領域R1と第3領域R3とによって囲まれている。第3領域R3は、第2領域の第1領域R1と接しない外周と接している。
フィルタ1Aは、中心点を有する円形状を有する。フィルタ部10の第1領域R1は、フィルタ1Aの中心点を中心とする円形状を有する。第2領域R2は、フィルタ1Aの中心点を中心とする円環形状を有する。第2領域R2の外径は、フィルタ1Aの直径の0.11倍以上0.84倍以下である。
フィルタ部10は、フィルタの中心から直径D13の円形状の領域となる。フィルタ部10において、フィルタの中心を基準として、直径D13より小さい直径D11の仮想円C1と、直径D13より小さく、直径D11より大きい直径D12の仮想円C2を描く。例えば、直径D11は直径D13の0.67倍であり、直径D12は直径D13の0.83倍である。
実施の形態1では、フィルタ部10において、第1領域R1は、仮想円C1で囲まれた円形状の領域である。第2領域R2は、仮想円C1と仮想円C2とで挟まれた円環状の領域である。第3領域R3は、仮想円C2とフィルタ部10の外周とで挟まれた円環状の領域である。
なお、第1領域R1は円形に限定されない。第2領域R2及び第3領域R3は円環状に限定されない。フィルタ部10の外形形状に応じて、第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3は変更されてもよい。例えば、フィルタ部10の外形形状が長方形である場合、第1領域R1は長方形又は楕円形状であってもよく、第2領域R2及び第3領域R3は長方形の枠状又は楕円形の枠状であってもよい。
複数の第2貫通孔12は、第2領域R2に設けられている。実施の形態1では、複数の第1貫通孔11は、第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3に設けられている。
複数の第2貫通孔12は、複数の第1貫通孔11を挟んで位置している。複数の第2貫通孔12は、分散している。例えば、複数の第2貫通孔12は、所定の間隔を有して設けられている。
複数の第2貫通孔12は、第2領域R2内において均等に分布している。複数の第2貫通孔12は、第1領域R1を基準として対称に設けられている。具体的には、複数の第2貫通孔12は、円形の第1領域R1の中心点を基準として対称に設けられている。
実施の形態1では、フィルタ部10の第2領域R2には、4つの第2貫通孔12が第1領域R1を基準として対称に設けられている。具体的には、4つの第2貫通孔12は、同心円上に設けられている。また、4つの第2貫通孔12は、フィルタ部10の中心を基準として、90度ずつずらして設けらている。
第3領域R3の開口率は、第1領域R1及び第2領域R2のそれぞれの開口率よりも小さい。なお、開口率とは、第1主面PS1側からフィルタ部10を見て、(貫通孔が占める面積)/(貫通孔が空いていないと仮定したときの領域の投影面積)で計算される。
フィルタ基体部13は、金属及び/又は金属酸化物を主成分としている。フィルタ基体部13を構成する材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、これらの合金及びこれらの酸化物であってもよい。
<枠部>
枠部20は、フィルタ部10の外周を囲むように配置される部材である。枠部20は、フィルタ部10の第1主面PS1側から見て、円環状に形成されている。また、フィルタ1Aを第1主面PS1側から見て、枠部20の中心は、フィルタ部10の中心と一致する。即ち、枠部20は、フィルタ部10と同心円上に形成されている。
実施の形態1では、枠部20の厚みは、フィルタ部10の厚みT1と等しい。なお、枠部20の厚みは、フィルタ部10の厚みT1より大きくてもよい。このような構成により、フィルタ1Aの機械強度を高めることができる。
枠部20は、後述する保持部30によって保持される。
枠部20には、フィルタ1Aの情報、例えば、第1貫通孔11及び第2貫通孔12の寸法などを表示してもよい。これにより、測長などを行うことなくフィルタ孔寸法を把握したり、表裏を判別したりしやすくなる。
[フィルタデバイス]
図6は、本発明に係る実施の形態1のフィルタデバイス2の一例の概略図である。図6に示すように、フィルタデバイス2は、フィルタ1Aと、フィルタ1Aを保持する保持部30、とを有する。
<保持部>
保持部30は、フィルタ1Aを保持する。保持部30の内部には、フィルタ1Aを配置する流路が形成されている。例えば、保持部30は、第1流路部材31と、第2流路部材32と、を有する。保持部30は、第1流路部材31と第2流路部材32とによってフィルタ1Aの枠部20を挟持している。
第1流路部材31は、フィルタ1Aの第1主面PS1に接続される第1流路33を有する。第1流路部材31は、フィルタ1Aの第1主面PS1側に配置される。
第1流路部材31は、筒状体で形成されている。第1流路部材31の内部には中空部が形成されている。例えば、中空部は、貫通孔である。第1流路33は、第1流路部材31の中空部で形成されている。実施の形態1では、第1流路部材31は、円筒形状を有する。
第1流路33は、フィルタ1Aの第1主面PS1に接続される。第1流路33は、フィルタ1Aの第1主面PS1と対向している。言い換えると、第1流路33の延びる方向は、フィルタ1Aの第1主面PS1と交差する。図6においては、第1流路33はZ方向に延びており、フィルタ1Aの第1主面PS1はX方向及びY方向に延びている。実施の形態1では、第1流路33の延びる方向は、フィルタ1Aの第1主面PS1と直交する。
第1流路部材31には、例えば、チューブなどの管状部材が接続される。なお、第1流路部材31に接続される部材は、管状部材に限定されない。例えば、管状部材は、コネクタであってもよい。
第2流路部材32は、フィルタ1Aの第2主面PS2に接続される第2流路34を有する。第2流路部材32は、フィルタ1Aの第2主面PS2側に配置される。
第2流路部材32は、筒状体で形成されている。第2流路部材32の内部には、中空部が形成されている。例えば、中空部は、貫通孔である。第2流路34は、第2流路部材32の中空部で形成されている。実施の形態1では、第2流路部材32は、円筒形状を有する。
第2流路34は、フィルタ1Aの第2主面PS2に接続される。第2流路34は、フィルタ1Aの第2主面PS2と対向している。言い換えると、第2流路34の延びる方向は、フィルタ1Aの第2主面PS2と交差する。図6においては、第2流路34はZ方向に延びており、フィルタ1Aの第2主面PS2はX方向及びY方向に延びている。実施の形態1では、第2流路34の延びる方向は、フィルタ1Aの第2主面PS2と直交する。
第2流路部材32には、例えば、チューブなどの管状部材が接続される。なお、第2流路部材32に接続される部材は、管状部材に限定されない。例えば、管状部材は、コネクタであってもよい。
第1流路部材31と第2流路部材32とは、フィルタ1Aの枠部20を挟持する。フィルタ1Aの枠部20は屈曲した状態で、第1流路部材31と第2流路部材32とに挟持される。例えば、第1流路部材31には凸部が設けられており、第2流路部材32には凹部が設けられている。凸部と凹部がフィルタ1Aの枠部20を挟んだ状態で勘合することによって、フィルタ1Aの枠部20が屈曲した状態で保持される。これにより、フィルタ1Aのフィルタ部10が第1流路33及び第2流路34に配置される。
図7は、フィルタデバイス2内を流れる液体の流速分布及び流線の計算結果の一例を示す図である。図8は、フィルタ1Aを通過する液体の流速の一例を示すグラフである。図7において、第1流路部材31には、第1チューブ41が接続されている。第1チューブ41の内部には、第1チューブ流路42が形成されている。第2流路部材32には、第2チューブ43が接続されている。第2チューブ43の内部には、第2チューブ流路44が形成されている。第1流路33、第2流路34、第1チューブ流路42及び第2チューブ流路44の断面形状は、それぞれ同じである。また、第1流路33、第2流路34、第1チューブ流路42及び第2チューブ流路44の流路断面積は、それぞれ等しい。なお、図7に示す計算は、有限要素法ソフト「COSMOL」(計測エンジニアリングシステム社製)を用いて行った。計算は、実寸法を用いた2次元モデルを作製して行った。計算条件については、液体を純水(300Kにおける密度0.99765×10[kg/m]、粘性係数8.5403×10-4[Pa・s])とし、流入口からの液体の流入速度は、0.01326[m/s]、排出口における気圧は大気圧とした。
図7に示すように、フィルタデバイス2では、第1流路33、第2流路34、第1チューブ流路42及び第2チューブ流路44を流れる液体の流速は、壁面部分に比べて中央部分で大きくなっている。このため、図8に示すように、フィルタ1Aの中央側の領域を通過する液体の流速が、フィルタ1Aの外周側の領域を通過する液体の流速よりも大きい。即ち、フィルタ部10の第1領域R1を通過する液体の流速が、フィルタ部10の第2領域R2及び第3領域R3を流れる液体の流速よりも大きい。このため、フィルタ部10において、液体は、第2領域R2及び第3領域R3よりも第1領域R1を流れやすくなっている。このことから、フィルタ1Aに目詰まりが生じていないとき、濾過対象物はフィルタ部10の第2領域R2及び第3領域R3に比べて、第1領域R1で捕捉されやすくなる。このため、フィルタ部10において、目詰まりは、フィルタ部10の第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3の順番で生じやすい。
図9は、濾過対象物50を捕捉したフィルタデバイス2の流速分布及び流線の計算結果の一例を示す図である。なお、図9に示す計算は、図7に示す計算に用いた有限要素法ソフト及び計算条件を用いて行った。図9においては、フィルタ1Aの第1領域R1に濾過対象物50が捕捉され、目詰まりが生じている。図9に示すように、第1流路33及び第2流路34を流れる液体の流速は、フィルタ1Aの中央側領域に比べて外周側領域で大きくなっている。即ち、フィルタ部10の第1領域R1で目詰まりが生じている場合、フィルタ部10の第2領域R2及び第3領域R3を流れる液体の流速は、第1領域R1を通過する液体の流速よりも大きくなっている。また、フィルタ部10の第1領域R1で目詰まりが生じているときの第2領域R2及び第3領域R3を流れる液体の流速、目詰まりが生じていないときの第1領域R1を流れる液体の流速よりも大きくなっている。このため、フィルタ部10の第2領域R2及び第3領域R3に局所的に圧力がかりやすくなる。
図10は、フィルタにおいて液体から受ける応力の計算結果の一例を示す図である。図10に示す計算に用いたフィルタは、7×7の第1貫通孔11が周期的に設けられた計算モデルを用いた。計算モデルの外周4側面は固定端とし、保持部30によってフィルタが固定されている状態を再現した。図10に示す計算においては、フィルタを液体が通過するときに、フィルタにおけるミーゼス応力を算出した。なお、図10に示す計算は、図7に示す計算に用いた有限要素法ソフト及び計算条件を用いて行った。また、フィルタの外周の境界条件を固定端にして計算した。図10に示すように、ミーゼス応力は、フィルタの中央側領域に比べて外周側領域で大きくなっている。
図11A及び図11Bは、フィルタデバイス2を用いた濾過の一例を説明するための概略図である。図11Aに示すように、フィルタ1Aで目詰まりが生じていない場合、フィルタ部10の第1領域R1を通過する液体の流速Vs1が、フィルタ部10の第2領域R2及び第3領域R3を流れる液体の流速Vs2よりも大きい。このため、第1領域R1にて濾過対象物50が捕捉される。
図11Bに示すように、濾過対象物50がフィルタ部10の第1領域R1で捕捉されてくると、第1領域R1において目詰まりが生じる。第1領域R1で目詰まりが生じると、液体はフィルタ部10の第2領域R2及び第3領域R3へ流れやすくなる。このとき、フィルタ部10の第2領域R2及び第3領域R3を流れる液体の流速Vs4は、第1領域R1を通過する液体の流速Vs3よりも大きくなる。
フィルタ1Aでは、フィルタ部10の第2領域R2に第1貫通孔11よりも大きい第2貫通孔12が設けられている。このため、第2領域R2を通過する液体は、第2貫通孔12を通過することによって、フィルタ部10の外周側領域にかかる圧力を低減することができる。
[効果]
実施の形態1に係るフィルタ1A及びフィルタデバイス2によれば、以下の効果を奏することができる。
フィルタ1Aは、第1主面PS1と、第1主面PS1と反対側の第2主面PS2と、を有する。フィルタ1Aは、第1主面PS1と第2主面PS2とを貫通する複数の第1貫通孔11と、第1主面PS1と第2主面PS2とを貫通し、且つ複数の第1貫通孔11の寸法より大きい複数の第2貫通孔12と、が設けられたフィルタ基体部13を備える。フィルタ基体部13は、フィルタ1Aの中央側に位置する第1領域R1と、第1領域R1よりもフィルタ1Aの外周側に位置し、且つフィルタ1Aの外周よりも中央側に位置する第2領域R2と、第2領域R2とフィルタ1Aの外周との間に位置する第3領域R3と、を有する。複数の第2貫通孔12は、第2領域R2に設けられている。第1主面PS1において、複数の第2貫通孔12の開口面積Sa2の占める割合は、複数の第1貫通孔11の開口面積Sa1の占める割合よりも小さい。
このような構成により、フィルタ1Aの耐久性を向上させることができる。例えば、フィルタ1Aで濾過対象物を含む液体を濾過する場合、液体は、フィルタ1Aの外周側領域である第2領域R2及び第3領域R3よりも中央側領域である第1領域R1に流れやすい。このため、第2領域R2及び第3領域R3よりも第1領域R1で目詰まりが生じやすいくなる。第1領域R1で目詰まりが生じると、第2領域R2及び第3領域R3においてフィルタ1Aにかかる圧力が増大していく。フィルタ1Aによれば、第2領域R2に設けられた複数の第2貫通孔12によって、フィルタ1Aにかかる圧力を低減することができる。これにより、フィルタ1Aの第1領域R1で目詰まりが生じた場合に、第2領域R2に生じる圧力損失の増大によるフィルタ1Aの破損を抑制することができる。
フィルタ1Aにおいては、複数の第2貫通孔12は、第1領域R1よりもフィルタ1Aの外周側に位置し、且つフィルタ1Aの外周よりも中央側に位置する第2領域R2に設けられている。このような構成により、濾過対象物の回収率の低下を抑制しつつ、フィルタ1Aの耐久性を向上させることができる。
第1主面PS1において、複数の第2貫通孔12の開口面積Sa2の占める割合は、複数の第1貫通孔11の開口面積Sa1の占める割合の6×10-6倍以上0.2倍以下である。このような構成により、濾過対象物の回収率の低下を抑制しつつ、フィルタ1Aの耐久性をさらに向上させることができる。
フィルタ1Aの第1主面PS1において、第1領域R1の占める面積の割合は、第2領域R2の占める面積の割合より大きい。第1領域R1の占める面積の割合は、第3領域R3の占める面積の割合より大きい。このような構成により、濾過対象物の回収率の低下を抑制しつつ、フィルタ1Aの耐久性をさらに向上させることができる。
複数の第2貫通孔12は、分散している。このような構成により、フィルタ1Aの第2領域R2にかかる圧力を低減しやすくなり、フィルタ1Aの耐久性をさらに向上させることができる。
複数の第2貫通孔12は、第1領域R1を基準として対称に設けられている。このような構成により、フィルタ1Aの耐久性をさらに向上させることができる。
フィルタ1Aは、金属製多孔膜である。このような構成により、フィルタ1Aの耐久性をさらに向上させることができる。
フィルタ1Aは、フィルタ基体部13が設けられるフィルタ部10と、フィルタ部10の外周に設けられる枠部20と、を備える。このような構成により、フィルタ1Aの耐久性をさらに向上させることができる。
フィルタデバイス2は、フィルタ1Aと、フィルタ1Aを保持する保持部30と、を備える。保持部30の内部には、複数のフィルタを配置する流路33,34が形成されている。このような構成により、濾過対象物の回収率の低下を抑制しつつ、フィルタデバイス2の耐久性を向上させることができる。
なお、実施の形態1では、フィルタ1Aが金属製多孔膜である例について説明したが、これに限定されない。フィルタ1Aは、金属以外の材料で作られていてもよい。例えば、フィルタ1Aは、メンブレンフィルタであってもよい。
実施の形態1では、フィルタ1Aには4つの第2貫通孔12が設けられる例について説明したが、これに限定されない。フィルタ1Aには、1つ又は複数の第2貫通孔12が設けられていればよい。
実施の形態1では、複数の第2貫通孔12が第1領域R1を基準として対称に設けられる例について説明したが、これに限定されない。複数の第2貫通孔12は分散して設けられていればよい。例えば、複数の第2貫通孔12は、規則的又は不規則的に間隔を有して設けられていてもよい。
実施の形態1において、第1貫通孔11及び第2貫通孔12が、Z方向から見て正方形の形状を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1貫通孔11及び第2貫通孔12は、Z方向から見て、長方形、多角形、円形又は楕円形などであってもよい。
実施の形態1では、フィルタ1Aが枠部20を備える例について説明したが、これに限定されない。フィルタ1Aは枠部20を備えていなくてもよい。図12は、本発明に係る実施の形態1の変形例のフィルタ1Bの概略図である。図12に示すように、フィルタ1Bは、枠部20を備えず、フィルタ部10で形成されている。このような構成においても、濾過対象物の回収率の低下を抑制しつつ、フィルタデバイス2の耐久性を向上させることができる。
実施の形態1では、フィルタデバイス2が1つのフィルタ1Aを備える例について説明したが、これに限定されない。フィルタデバイス2は1つ又は複数のフィルタ1Aを備えていてもよい。
(実施の形態2)
本発明に係る実施の形態2のフィルタについて説明する。
実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
実施の形態2では、フィルタ部の第2主面に設けられる支持部を備える点で、実施の形態1と異なる。
図13は、本発明に係る実施の形態2のフィルタ1Cの一例の概略図である。図13は、フィルタ1Cを第2主面PS2側から見た概略図を示す。図14は、図13のフィルタ1CをB-B線で切断した概略断面図である。図13及び図14に示すように、フィルタ1Cは、フィルタ部10の第2主面PS2に設けられる支持部14を備える。
支持部14は、板状構造体である。支持部14は、複数の第1支持部16と、複数の第2支持部17と、を有する。
複数の第1支持部16は、間隔を有して第1方向A1に延びる複数の板状部材である。複数の第2支持部17は、間隔を有して第1方向A1と交差する第2方向A2に延び、複数の第1支持部16と接続される複数の板状部材である。
実施の形態2では、第2方向A2は第1方向A1と直交する。第2主面PS2側から見て、複数の第1支持部16はX方向に延び、複数の第2支持部17はX方向に直交するY方向に延びている。
第1支持部16及び第2支持部17は、フィルタ部10と同じ材料で形成されている。例えば、第1支持部16及び第2支持部17は、金属及び/又は金属酸化物を主成分としている。フィルタ基体部13を構成する材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、これらの合金及びこれらの酸化物であってもよい。なお、第1支持部16及び第2支持部17は、フィルタ部10と異なる材料で形成されていてもよい。
フィルタ1Cの第2主面PS2側から見て、支持部14は、フィルタ基体部13の一部を露出している。即ち、フィルタ1Cの第2主面PS2側から見て、フィルタ基体部13において支持部14から露出する複数の露出部15が形成されている。具体的には、フィルタ1Cの第2主面PS2側から見て、複数の第1支持部16と複数の第2支持部17とで囲まれた複数の領域のそれぞれに、フィルタ基体部13を露出させる露出部15が形成されている。
フィルタ部10の第2領域R2に形成される複数の露出部15には、複数の第2貫通孔12が設けられている。即ち、フィルタ部10を第2主面PS2側から見て、第2貫通孔12は、露出部15が形成される領域に重なっている。
露出部15の形状は、複数の第1支持部16及び複数の第2支持部17の配置に基づいて画定される。実施の形態2では、複数の第1支持部16及び複数の第2支持部17が互いに直交すると共に、等間隔で配置されている。このため、露出部15の形状は、フィルタ部10を第2主面PS2側から見て、正方形状を有している。露出部15は、フィルタ部10の第2主面PS2側、即ちZ方向から見て、一辺D3の正方形の形状を有する。露出部15の一辺D3は、第2貫通孔12の一辺D2と等しい。
実施の形態2では、複数の露出部15は、フィルタ部10の第2主面PS2側から見て正方形の各辺と平行な2つの配列方向、即ち図13中のX方向とY方向に等しい間隔で形成されている。
なお、複数の露出部15の配列は、正方格子配列に限定されず、例えば、準周期配列、又は周期配列であってもよい。周期配列の例としては、方形配列であれば、2つの配列方向の間隔が等しくない長方形配列でもよく、三角格子配列又は正三角格子配列などであってもよい。
例えば、支持部14の厚みは、14μmである。支持部14の幅W1は、20μmである。露出部15の一辺D3は、240μmである。露出部15のピッチP2は260μmである。
[効果]
実施の形態2に係るフィルタ1Cによれば、以下の効果を奏することができる。
フィルタ1Cは、第2主面PS2に設けられ、フィルタ基体部13を支持する支持部14を備える。支持部14は、間隔を有して第1方向A1に延びる複数の第1支持部16と、間隔を有して第1方向A1と交差する第2方向A2に延び、複数の第1支持部16と接続される複数の第2支持部17と、を有する。フィルタ1Cの第2主面PS2側から見て、フィルタ基体部13において支持部14から露出する複数の露出部15が形成されている。第2領域R2に形成される複数の露出部15には、複数の第2貫通孔12が設けられている。
このように、フィルタ1Cの第2主面PS2側にフィルタ部10を支持する支持部14が設けられることによって、フィルタ1Cの耐久性を更に向上させることができる。
また、フィルタ1Cの第2主面PS2側から見て、複数の第2貫通孔12が、第2領域R2の複数の露出部15に設けられることによって、複数の第2貫通孔12近傍のフィルタ基体部13を支持部14によって支持することができる。このため、複数の第2貫通孔12近傍のフィルタ基体部13の耐久性をさらに向上させることができる。
第2方向A2は、第1方向A1と直交する。このような構成により、支持部14の開口率を大きくすることができる。これにより、濾過対象物の回収率の低下を抑制しつつ、フィルタ1Cの耐久性を更に向上させることができる。
なお、実施の形態2では、露出部15が、Z方向から見て正方形の形状を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、露出部15は、Z方向から見て、長方形、多角形、円形又は楕円形などであってもよい。
実施の形態2では、露出部15の寸法が第2貫通孔12の寸法と等しい例について説明したが、これに限定されない。例えば、露出部15の寸法は、第2貫通孔12の寸法より小さくてもよい。
(実施の形態3)
本発明に係る実施の形態3のフィルタについて説明する。
実施の形態3では、主に実施の形態2と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態2と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
実施の形態3では、支持部が補強部を備える点で、実施の形態2と異なる。
図15は、本発明に係る実施の形態3のフィルタ1Dの一例の概略図である。図16は、図15のフィルタ1DをC-C線で切断した概略断面図である。図15及び図16に示すように、フィルタ1Dにおいて、支持部14aは、フィルタ部10の第3領域R3に、補強部18を備える。
補強部18は、フィルタ部10の第2主面PS2の第3領域R3に配置される。補強部18は、複数の第1支持部16と複数の第2支持部17とに接続される。実施の形態3では、補強部18は、複数の第1支持部16と複数の第2支持部17とが形成されている部分の周囲を囲っている。例えば、補強部18は、円環形状を有する。
補強部18の開口率は、支持部14aにおいて第1領域R1及び第2領域R2に配置される部分の開口率より小さい。なお、開口率とは、第2主面PS2側から支持部14aを見て、(貫通孔が占める面積)/(貫通孔が空いていないと仮定したときの支持部14aの投影面積)で計算される。補強部18の開口率は、支持部14aにおいて、第3領域R3に配置される部分の開口率を意味する。第1領域R1及び第2領域R2に配置される部分の開口率とは、複数の第1支持部16と複数の第2支持部17とで形成される部分の開口率を意味する。
補強部18の開口率は、3%以上55%以下である。これに対し、複数の第1支持部16と第2支持部17とで形成される部分の開口率は、3%以上15%以下である。
例えば、補強部18は、板状部材で形成されている。補強部18は第1支持部16及び第2支持部17と一体で形成されている。例えば、補強部18の厚みは、第1支持部16及び第2支持部17の厚みと等しい。
[効果]
実施の形態3に係るフィルタ1Dによれば、以下の効果を奏することができる。
フィルタ1Dにおいて、支持部14aは、第2主面PS2の第3領域R3に、複数の第1支持部16と複数の第2支持部17とに接続される補強部18を備える。補強部18の開口率は、第1領域R1及び第2領域R2に配置される複数の第1支持部16と複数の第2支持部17とで形成される部分の開口率より小さい。
このような構成により、フィルタ1Dの耐久性を更に向上させることができる。フィルタ1Aの外周側領域では、中央側領域に比べて応力がかかりやすい領域である。フィルタ1Dによれば、フィルタ1Aの第3領域R3に配置した補強部18によって、フィルタ1Aの外周側領域を支持することができる。これにより、フィルタ1Aの外周側領域におけるフィルタ部10の破損を更に抑制することができる。
なお、実施の形態3では、補強部18が複数の第1支持部16と複数の第2支持部17とが形成されている部分の周囲を囲っている例について説明したが、これに限定されない。補強部18は、第3領域R3の少なくとも一部に設けられていればよい。例えば、補強部18は、第3領域R3に分散して設けられてもよい。
(実施の形態4)
本発明に係る実施の形態4のフィルタデバイスについて説明する。
実施の形態4では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態4においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態4では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
実施の形態4では、複数のフィルタを備える点で、実施の形態と異なる。
図17は、本発明に係る実施の形態4のフィルタデバイス2Aの一例の概略図である。図17に示すように、フィルタデバイス2Aは、複数のフィルタ1E,1Fを備える。実施の形態4では、複数のフィルタ1E,1Fは、第1フィルタ1Eと、第2フィルタ1Fと、を有する。なお、第1フィルタ1E及び第2フィルタ1Fは、実施の形態1のフィルタ1Aと同様の構成を有するため、詳細な説明を省略する。
第1フィルタ1Eと第2フィルタ1Fとは、間隔を有して直列に配置される。第1フィルタ1Eと第2フィルタ1Fとが直列して配置される方向(Z方向)から見て、第1フィルタ1Eの複数の第2貫通孔12は、第2フィルタ1Fの複数の第2貫通孔12と重ならない。
例えば、フィルタデバイス2Aを高さ方向(Z方向)から見て、第1フィルタ1Eの複数の第2貫通孔12のそれぞれが、第2フィルタ1Fの複数の第2貫通孔12の間に位置する。例えば、Z方向から見て、フィルタデバイス2Aの中心を基準として、第1フィルタ1Eの複数の第2貫通孔12を、第2フィルタ1Fの複数の第2貫通孔12に対して45°ずらしている。
フィルタデバイス2Aは、第1フィルタ1Eを保持する第1保持部30aと、第2フィルタ1Fを保持する第2保持部30bと、を備える。第1保持部30aと第2保持部30bとは、着脱可能に取り付けられる。具体的には、第1保持部30aと第2保持部30bとは、フィルタデバイス2Aの高さ方向(Z方向)に重ねて取り付けることができる。なお、第1保持部30a及び第2保持部30bは、着脱可能な取り付け機構を有する点を除いて、実施の形態1の保持部30と同様の構成を有するため、詳細な説明を省略する。
例えば、第1保持部30aと第2保持部30bとの取り付け機構としては、ねじ機構又は、凹部と凸部による勘合機構を採用することができる。
実施の形態では、第1保持部30aは、第2保持部30bの上に配置される。これにより、第1フィルタ1Eが第2フィルタ1Fの上流側に配置される。
[効果]
実施の形態4に係るフィルタデバイス2Aによれば、以下の効果を奏することができる。
フィルタデバイス2Aは、第1フィルタ1Eと、第1フィルタ1Eと間隔を有して直列に配置される第2フィルタ1Fと、を備える。第1フィルタ1Eと第2フィルタ1Fとが直列して配置される方向(Z方向)から見て、第1フィルタ1Eの複数の第2貫通孔12は、第2フィルタ1Fの複数の第2貫通孔12と重ならない。
このような構成により、第1フィルタ1E及び第2フィルタ1Fで濾過を行うことができる。これにより、濾過対象物の回収率の低下を更に抑制しつつ、フィルタデバイス2Aの耐久性を向上させることができる。
また、第1フィルタ1Eの複数の第2貫通孔12と第2フィルタ1Fの複数の第2貫通孔12とが重ならないことによって、第2フィルタ1Fによって濾過対象物を捕捉しやすくなる。これにより、濾過対象物の回収率の低下を更に抑制することができる。
なお、実施の形態4では、フィルタデバイス2Aが2つのフィルタ1E,1Fを備える例について説明したが、これに限定されない。フィルタデバイス2Aは、2つ以上のフィルタを備えていてもよい。
実施の形態4では、第1フィルタ1E及び第2フィルタ1Fが実施の形態1のフィルタ1Aと同じ構成を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1フィルタ1E及び第2フィルタ1Fは、実施の形態2及び3のフィルタであってもよい。
実施の形態4では、第1フィルタ1E及び第2フィルタ1Fに複数の第2貫通孔12が設けられている例について説明したが、これに限定されない。第1フィルタ1E及び第2フィルタ1Fには、1つ又は複数の第2貫通孔12が設けられていればよい。
実施の形態4では、第1フィルタ1E及び第2フィルタ1Fにおいて、第1貫通孔11及び/又は第2貫通孔12は、異なっていてもよいし、同じであってもよい。
実施例1~5と比較例1~5について説明する。
<実施例1>
実施例1は、実施の形態2のフィルタ1Cを備えるフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
実施例1で用いたフィルタ1Cの外形は、直径6mmの円形状である。フィルタ部10の厚みTは、1.0μmである。第1貫通孔11の一辺D1は4.5μm、孔ピッチP1は6.5μmである。第2貫通孔12の一辺D2は240μmである。露出部15の一辺D3は240μm、ピッチP2は260μmである。第1支持部16及び第2支持部17の幅W1は20μmである。支持部14の厚みは、15μmである。フィルタ1CはNiで構成されている。
保持部30は、外径14mm、厚み3mmのポリアセタールで形成されている。また、保持部30の第1流路33及び第2流路34の流路断面形状は、直径6mmの円形である。第1流路33の流路長は、1.5mmである。第2流路34の流路長は1.5mmである。
<比較例1>
比較例1は、第2貫通孔を設けていないフィルタを備えるフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
図18は、比較例1のフィルタ100Aの概略図である。図18に示すように、フィルタ100Aは、第2貫通孔が設けられていない点を除いて、実施例1のフィルタ1Cと同様の構成を有する。具体的には、フィルタ100Aは、フィルタ部110と、フィルタ部110の外周に配置される枠部120と、を有する。フィルタ部110は、複数の第1貫通孔111が設けられたフィルタ基体部113を備える。フィルタ部110の第2主面PS102側には、支持部114が配置されている。支持部114は、間隔を有して第1方向A1に延びる複数の第1支持部116と、間隔を有して第1方向A1と交差する第2方向A2に延び、複数の第1支持部116と接続される複数の第2支持部117と、を有する。フィルタ100Aの第2主面側から見て、フィルタ基体部113において支持部114から露出する複数の露出部115が形成されている。
実施例1及び比較例1においては、シリンジポンプを用いて、直径約13μmのHera細胞の細胞数濃度10個/mLのPBS溶液を流量20mL/minで通液した。実施例1及び比較例1において、フィルタの第1主面で捕捉されるHera細胞による圧力損失の変化を投入細胞数(=通液量×細胞数濃度)の関数として測定した。
図19は、実施例1及び比較例1における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。なお、圧力損失は、任意単位(arb.unit)とした。比較例1では、投入細胞数が増加するに従って、圧力損失が増大し、投入細胞数が約2.1×10[個]になった時点でフィルタ100Aが破断した。これに対して、実施例1では、投入細胞数が増えるに従って圧力損失は増大するものの、投入細胞数が1.5×10[個]付近から概ね一定値(比較例1の破断圧力損失の約70%)に漸近することがわかった。これらの結果から、実施例1では、比較例1に比べて、圧力損失の上昇がフィルタの破断圧力値以下に抑制できていることがわかる。
<実施例2>
実施例2は、実施例1のフィルタデバイスと同じフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
<比較例2>
比較例2は、複数の第2貫通孔を第3領域R3に設けたフィルタを備えるフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
図20は、比較例2のフィルタ100Bの概略図である。図20に示すように、フィルタ100Bは、複数の第2貫通孔112が第3領域R3に設けられている点を除いて、実施例2のフィルタ1Cと同様の構成を有する。比較例2では、第3領域R3において、フィルタ100Bの中心を基準として、4つの第2貫通孔112が対称に設けられている。
実施例2及び比較例2においては、実施例1及び比較例1と同様にして、フィルタの第1主面で捕捉されるHera細胞による圧力損失の変化を投入細胞数(=通液量×細胞数濃度)の関数として測定した。なお、実施例2及び比較例2では、30sec毎の圧力損失を測定した。
図2は、実施例2及び比較例2における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。なお、圧力損失は、任意単位(arb.unit)とした。比較例2では、投入細胞数が増加するに従って、圧力損失が増大し、投入細胞数が約2.1×10[個]になった時点でフィルタ100Aが破断した。これに対して、実施例2では、投入細胞数が増えるに従って圧力損失は増大するものの、投入細胞数が1.5×10[個]付近から概ね一定値(比較例2の破断圧力損失の約90%)に漸近することがわかった。これらの結果から、実施例2では、比較例2に比べて、圧力損失の上昇がフィルタの破断圧力値以下に抑制できていることがわかる。
<実施例3>
実施例3は、実施例1のフィルタデバイスと同じフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
<比較例3>
比較例3は、複数の第2貫通孔を第1領域R1に設けたフィルタを備えるフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
図22は、比較例3のフィルタ100Cの概略図である。図22に示すように、フィルタ100Cは、複数の第2貫通孔112が第1領域R1に設けられている点を除いて、実施例2のフィルタ1Cと同様の構成を有する。比較例3では、第1領域R1において、フィルタ100Cの中心を基準として、4つの第2貫通孔112が対称に設けられている。
実施例3及び比較例3においては、実施例1及び比較例1と同様にして、フィルタの第1主面で捕捉されるHera細胞による圧力損失の変化を投入細胞数(=通液量×細胞数濃度)の関数として測定した。
図23は、実施例3及び比較例3における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。なお、圧力損失は、任意単位(arb.unit)とした。比較例3は、実施例1と比較して圧力損失が低く、比較例1及び比較例2で破断が生じた投入細胞数約2.1×10[個]より増えても破断が生じないことがわかった。
実施例3及び比較例3において、投入細胞数約2.1×10[個]のフィルタ1C及びフィルタ100Cを回収し、光学顕微鏡でフィルタ1C及びフィルタ100C上に捕捉されたHera細胞を観察した。比較例3では、フィルタ100Cの外周側領域ではHera細胞を捕捉している部分が少なかった。これに対して、実施例3では、複数の第2貫通孔12を除いて、フィルタ1Cのほぼ全面が細胞を捕捉していた。
また、観察後、ATPアッセイ試薬(東洋ビーネット社製)1mLとPBS1mLの混合液に浸漬し、室温で遮光しつつ約10minの揺動を行った。揺動後、フィルタ1C及びフィルタ100C上に捕捉されたHera細胞からATPの抽出とホタル・ルシフェラーゼ発光反応を行った。反応後の溶液を観察用ウェルに移し替え、ATPアッセイ装置(中立電機社製)で発光量の計測を行った。また、濃度既知のHera細胞溶液を5種類用意し、細胞数と発光量に関する検量線を作成した。ATPアッセイの結果、比較例3では1.4×10[個]、実施例3では1.9×10[個]のHera細胞が捕捉されていることがわかった。即ち、実施例3では比較例3の約1.4倍のHera細胞が捕捉されていることがわかった。これらの結果から、比較例3では、細胞の回収効率が低下したため、投入細胞数を増やしても圧力損失が増加する状態に至らないことがわかった。
<実施例4>
実施例4は、実施例1のフィルタデバイスと同じフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
<比較例4>
比較例4は、第1貫通孔より小さい第2貫通孔を設けたフィルタを備えるフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
図24は、比較例4のフィルタ部110において第2貫通孔112aが設けられた部分の概略斜視図である。図24に示すように、比較例のフィルタ100Dは、第1貫通孔11の寸法より小さい複数の第2貫通孔112aが設けられている。フィルタ100Dは、第2貫通孔112aが第1貫通孔111より小さい点を除いて、実施例4と同じ構成を有する。比較例4では、実施例4の1つの第2貫通孔12が設けられている位置に、4つの第2貫通孔112aが設けられている。具体的には、比較例4では、2×2格子で4つの第2貫通孔112aが設けられている。
比較例4では、第1貫通孔111の一辺D20が14μmであり、孔ピッチP20が20μmである。フィルタ部110の厚みは1.0μmである。第2貫通孔112aの一辺D30は4.5μmである。第2貫通孔112aを画定するフィルタ基体部113の幅W10は5μmである。
比較例4では、第1貫通孔111は、直径約13μmのHera細胞より大きいが、第2貫通孔112aはHera細胞より小さい。
実施例4及び比較例4においては、実施例1及び比較例1と同様にして、フィルタの第1主面で捕捉されるHera細胞による圧力損失の変化を投入細胞数(=通液量×細胞数濃度)の関数として測定した。
図25は、実施例4及び比較例4における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。なお、圧力損失は、任意単位(arb.unit)とした。図25に示すように、比較例4では、通液時間にかかわらず、ほぼゼロの値を示した。実施例4及び比較例4において、細胞投入数約2.5×10[個]の通液後、フィルタ1C及びフィルタ100Dを回収した。回収したフィルタ1C及びフィルタ100Dに対して、ATPアッセイ試薬(東洋ビーネット社製)1mLとPBS1mLの混合液に浸漬し、室温で遮光しつつ約10minの揺動を行った。揺動後、フィルタ1C及びフィルタ100D上に捕捉されたHera細胞からATPの抽出とホタル・ルシフェラーゼ発光反応を行った。反応後の溶液を観察用ウェルに移し替え、ATPアッセイ装置(中立電機社製)で発光量の計測を行った。また、濃度既知のHera細胞溶液を5種類用意し、細胞数と発光量に関する検量線を作成した。ATPアッセイの結果、比較例4では0.9×10[個]、実施例4では1.9×10[個]のHera細胞が捕捉されていることがわかった。実施例4では、比較例4の約210倍となる大量のHera細胞が捕獲されていることがわかった。
<実施例5>
実施例5は、実施例1のフィルタデバイスと同じフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
<比較例5>
比較例5は、第1貫通孔及び第2貫通孔の寸法が異なる点を除いて、比較例4と同様の構成を有するフィルタを備えるフィルタデバイスを用いて濾過を行った。
比較例5は、第1貫通孔111は、直径約13μmのHera細胞より小さい点で、比較例4と異なる。
比較例5では、第1貫通孔111の一辺D20が7μmであり、孔ピッチP20が10μmである。フィルタ部110の厚みは1.0μmである。第2貫通孔112aの一辺D30は2.25μmである。第2貫通孔112aを画定するフィルタ基体部113の幅W10は2.5μmである。
実施例5及び比較例5においては、実施例1及び比較例1と同様にして、フィルタの第1主面で捕捉されるHera細胞による圧力損失の変化を投入細胞数(=通液量×細胞数濃度)の関数として測定した。
図26は、実施例5及び比較例5における圧力損失の測定結果の一例を示す図である。なお、圧力損失は、任意単位(arb.unit)とした。図26に示すように、比較例5では、投入細胞数が増加するに従って、圧力損失が増大し、投入細胞数約2.5×10[個]でフィルタが破断することがわかった。これらの結果から、比較例5では、濾過対象物のサイズとフィルタの貫通孔のサイズを実施例4のように調整しないと圧力損失の上昇によるフィルタの破断を防ぐことが出来ないことがわかった。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明のフィルタ及びフィルタデバイスは、濾過対象物を含む液体を濾過する用途に有用である。
1A,1B,1C,1D,1E,1F フィルタ
2,2A フィルタデバイス
10 フィルタ部
11 第1貫通孔
12 第2貫通孔
13 フィルタ基体部
14 支持部
15 露出部
16 第1支持部
17 第2支持部
18 補強部
20 枠部
30 保持部
30a 第1保持部
30b 第2保持部
31 第1流路部材
32 第2流路部材
33 第1流路
34 第2流路
41 第1チューブ
42 第1チューブ流路
43 第2チューブ
44 第2チューブ流路
50 濾過対象物
100A,100B,100C,100D フィルタ
110 フィルタ部
111 第1貫通孔
112,112a 第2貫通孔
113 フィルタ基体部
114 支持部
115 露出部
116 第1支持部
117 第2支持部
120 枠部
A1 第1方向
A2 第2方向
PS1,PS101 第1主面
PS2,PS102 第2主面
R1 第1領域
R2 第2領域
R3 第3領域
C1,C2 仮想円

Claims (13)

  1. 第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有するフィルタであって、
    前記第1主面と前記第2主面とを貫通する複数の第1貫通孔と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通し、且つ前記複数の第1貫通孔の寸法より大きい1つ又は複数の第2貫通孔と、が設けられたフィルタ基体部と、
    前記第2主面に設けられ、前記フィルタ基体部を支持する支持部と、
    を備え、
    前記フィルタ基体部は、フィルタの中央側に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記フィルタの外周側に位置し、且つ前記フィルタの外周よりも中央側に位置する第2領域と、前記第2領域と前記フィルタの前記外周との間に位置する第3領域と、を有し、
    前記1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2領域に設けられており、
    前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合よりも小さく、
    前記支持部は、
    間隔を有して第1方向に延びる複数の第1支持部と、
    間隔を有して前記第1方向と交差する第2方向に延び、前記複数の第1支持部と接続される複数の第2支持部と、
    を有し、
    前記フィルタの前記第2主面側から見て、前記フィルタ基体部において前記支持部から露出する複数の露出部が形成されており、
    前記第2領域に形成される前記複数の露出部には、前記1つ又は複数の第2貫通孔が設けられており、
    前記支持部は、前記第2主面の前記第3領域に、前記複数の第1支持部と前記複数の第2支持部とに接続される補強部を備え、
    前記補強部の開口率は、前記第1領域及び前記第2領域に配置される前記複数の第1支持部と前記複数の第2支持部とで形成される部分の開口率より小さい、
    フィルタ。
  2. 第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有するフィルタであって、
    前記第1主面と前記第2主面とを貫通する複数の第1貫通孔と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通し、且つ前記複数の第1貫通孔の寸法より大きい1つ又は複数の第2貫通孔と、が設けられたフィルタ基体部を備え、
    前記フィルタ基体部は、フィルタの中央側に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記フィルタの外周側に位置し、且つ前記フィルタの外周よりも中央側に位置する第2領域と、前記第2領域と前記フィルタの前記外周との間に位置する第3領域と、を有し、
    前記1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2領域に設けられており、
    前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合よりも小さく、
    前記第3領域の開口率は、前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれの開口率よりも小さい、
    フィルタ。
  3. 前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合の6×10-6倍以上0.2倍以下である、
    請求項1又は2に記載のフィルタ。
  4. 前記フィルタの第1主面において、
    前記第1領域の占める面積の割合は、前記第2領域の占める面積の割合より大きく、
    前記第1領域の占める面積の割合は、前記第3領域の占める面積の割合より大きい、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタ。
  5. 前記フィルタは、中心点を有する円形状を有し、
    前記第1領域は、前記フィルタの前記中心点を中心とする円形状を有し、
    前記第2領域は、前記フィルタの前記中心点を中心とする円環形状を有し、
    前記第2領域の外径は、前記フィルタの直径の0.11倍以上0.84倍以下である、
    請求項に記載のフィルタ。
  6. 前記複数の第2貫通孔は、前記複数の第1貫通孔を挟んで位置している、
    請求項1~のいずれか一項に記載のフィルタ。
  7. 前記複数の第2貫通孔は、前記第1領域を基準として対称に設けられている、
    請求項1~のいずれか一項に記載のフィルタ。
  8. 前記第2方向は、前記第1方向と直交する、
    請求項に記載のフィルタ。
  9. 前記フィルタは、金属製多孔膜である、
    請求項1~のいずれか一項に記載のフィルタ。
  10. さらに、
    前記フィルタ基体部が設けられるフィルタ部と、
    前記フィルタ部の外周に設けられる枠部と、
    を備える、
    請求項1~のいずれか一項に記載のフィルタ。
  11. 1つ又は複数のフィルタと、
    前記1つ又は複数のフィルタを保持する保持部と、
    を備え、
    前記1つ又は複数のフィルタは、
    第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有するフィルタであって
    前記第1主面と前記第2主面とを貫通する複数の第1貫通孔と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通し、且つ前記複数の第1貫通孔の寸法より大きい1つ又は複数の第2貫通孔と、が設けられたフィルタ基体部と、
    前記第2主面に設けられ、前記フィルタ基体部を支持する支持部と、
    を備え、
    前記フィルタ基体部は、フィルタの中央側に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記フィルタの外周側に位置し、且つ前記フィルタの外周よりも中央側に位置する第2領域と、前記第2領域と前記フィルタの前記外周との間に位置する第3領域と、を有し、
    前記1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2領域に設けられており、
    前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合よりも小さく、
    前記支持部は、
    間隔を有して第1方向に延びる複数の第1支持部と、
    間隔を有して前記第1方向と交差する第2方向に延び、前記複数の第1支持部と接続される複数の第2支持部と、
    を有し、
    前記フィルタの前記第2主面側から見て、前記フィルタ基体部において前記支持部から露出する複数の露出部が形成されており、
    前記第2領域に形成される前記複数の露出部には、前記1つ又は複数の第2貫通孔が設けられており、
    前記支持部は、前記第2主面の前記第3領域に、前記複数の第1支持部と前記複数の第2支持部とに接続される補強部を備え、
    前記補強部の開口率は、前記第1領域及び前記第2領域に配置される前記複数の第1支持部と前記複数の第2支持部とで形成される部分の開口率より小さく、
    前記保持部の内部には、前記1つ又は複数のフィルタを配置する流路が形成されている、
    フィルタデバイス。
  12. 1つ又は複数のフィルタと、
    前記1つ又は複数のフィルタを保持する保持部と、
    を備え、
    前記1つ又は複数のフィルタは、
    第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有するフィルタであって、
    前記第1主面と前記第2主面とを貫通する複数の第1貫通孔と、前記第1主面と前記第2主面とを貫通し、且つ前記複数の第1貫通孔の寸法より大きい1つ又は複数の第2貫通孔と、が設けられたフィルタ基体部を備え、
    前記フィルタ基体部は、フィルタの中央側に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記フィルタの外周側に位置し、且つ前記フィルタの外周よりも中央側に位置する第2領域と、前記第2領域と前記フィルタの前記外周との間に位置する第3領域と、を有し、
    前記1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2領域に設けられており、
    前記第1主面において、前記1つ又は複数の第2貫通孔の開口面積の占める割合は、前記複数の第1貫通孔の開口面積の占める割合よりも小さく、
    前記第3領域の開口率は、前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれの開口率よりも小さく、
    前記保持部の内部には、前記1つ又は複数のフィルタを配置する流路が形成されている、
    フィルタデバイス。
  13. 前記複数のフィルタは、
    第1フィルタと、
    前記第1フィルタと間隔を有して直列に配置される第2フィルタと、
    を備え、
    前記第1フィルタと前記第2フィルタとが直列して配置される方向から見て、前記第1フィルタの1つ又は複数の第2貫通孔は、前記第2フィルタの1つ又は複数の第2貫通孔と重ならない、
    請求項11又は12に記載のフィルタデバイス。
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