JP7344845B2 - 鉄道車両用アクティブフィルタ装置およびそれを備える鉄道車両 - Google Patents

鉄道車両用アクティブフィルタ装置およびそれを備える鉄道車両 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両用アクティブフィルタ装置に関し、特に、可変電圧・可変周波数インバータ制御の誘導電動機により駆動する鉄道車両の運転時における誘導障害抑制技術に関するものである。
図1に、鉄道車両を駆動する誘導電動機を可変電圧・可変周波数インバータ(以下、VVVFインバータという。)により制御する、代表的な鉄道車両制御装置の主回路構成を示す。パンタグラフ501により集電した直流電圧は、インダクタ40及びコンデンサ70を接続して構成したローパスフィルタ回路を介してVVVFインバータであるモータ駆動用インバータ50に給電し、このモータ駆動用インバータ50により可変電圧・可変周波数の三相交流に変換して誘導電動機60を制御している。
鉄道車両においては、VVVFインバータに使用したスイッチング素子により断続制御された電流に起因する誘導障害、すなわち低周波から高周波までの幅広い可変周波数運転を行う際に生ずる帰線電流が、図1中のiに示す如く流れ、この高調波電流の誘導により信号機や踏切等の各種保安設備を誤動作させる問題がある。このため、例えば帰線電流iに含まれる交流成分で50Hz及び60Hzの商用周波数帯の場合は、0.7A以下に抑える必要がある。
したがって、従来のVVVFインバータ制御の誘導電動機により駆動する鉄道車両では、帰線電流に含まれるノイズ電流を低減するために、直流入力側にインダクタとコンデンサを用いたLCローパスフィルタが用いられている。この方式により商用周波数帯を前記の値以下に低減するためには、インダクタ及びコンデンサの値を大きくする必要がある。しかし、鉄道車両の場合は大電流・高耐圧用の素子が必要となり、インダクタ及びコンデンサの値を大きくすると各々の体積が増加し、取り付けスペースの制約等が課題となる。インダクタは大型かつ重量の大きい部品構成である。このインダクタは小型化すると、インダクタンスが低減しLCローパスフィルタのカットオフ周波数が上昇するため、ノイズ電流が増加する。このノイズ電流を低減するために、アクティブフィルタ装置を用いることが提案されている。
特許文献1には、「負荷から発生した高調波電流を、電源系統と負荷との間に接続した交流フィルタにより吸収し、且つ、上位系と下位系との高調波干渉を阻止するバッファリアクトルを交流フィルタと電源系統との間に挿入した高調波電流抑制装置において、上記バッファリアクトルの両端に変圧器を介して接続したPWMインバータを有することにより系統に直列に設置されたアクティブフィルタを具備し、上記インバータから変圧器を介して高調波電流と逆位相の電圧を系統に直列に発生してアクティブフィルタを所定次数の高調波に対して等価抵抗として作動させ、低次高調波電流を抑制して低次共振拡大発生を防止したことを特徴とする高調波電流抑制装置。」(特許請求の範囲参照)が開示されている。
特開平11-69627号公報
インバータ装置においては、上下アームのスイッチング素子が同時に導通しないように、デッドタイムが必要とされる。特許文献1に記載の高調波電流抑制装置において、高調波電流と逆位相の電圧を生成するPWMインバータの上下アーム間が導通しないようにデッドタイムを設けるとすると、デッドタイムにより出力電圧波形が歪み、所望の出力電圧波形が得られなくなり、高調波電流を抑制する効果が低減する虞がある。
本発明の目的は、鉄道車両の帰線電流に重畳されるノイズ電流分を抑圧するアクティブフィルタ装置において、インバータの上下アームのデッドタイムにより生じるインバータの出力電圧誤差を補償し、ノイズ電流低減能力を強化することである。
上記課題を解決するための、本発明の「鉄道車両用アクティブフィルタ装置」の一例を挙げるならば、
鉄道車両のモータを駆動するモータ駆動用インバータの直流入力側に設けるアクティブフィルタ装置であって、一次巻線と二次巻線を備え、前記一次巻線が前記モータ駆動用インバータの直流側線路に接続される変圧器と、半導体スイッチング素子の直列回路で構成されるアクティブフィルタインバータ回路と、前記アクティブフィルタインバータ回路の直流部に接続した直流電源と、前記アクティブフィルタインバータ回路と前記変圧器の二次巻線との間に接続される高周波フィルタ回路と、前記変圧器の一次巻線を通して前記モータ駆動用インバータに流れるノイズ電流を検出する第1の電流センサと、前記第1の電流センサの検出信号に基づいて前記アクティブフィルタインバータ回路のスイッチング信号を生成する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1の電流センサの検出信号に基づいて、前記アクティブフィルタインバータ回路の上下アームが同時に開放となるデッドタイムにより出力平均電圧が低下することを補償するデッドタイム補償ブロックを備えることを特徴とする。
本発明によれば、アクティブフィルタ装置において、インバータの上下アームのデッドタイムにより生じるインバータの出力電圧誤差を補償し、ノイズ電流低減能力を強化することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は以下の実施例の説明により明らかにされる。
従来の直流架線を走行する鉄道車両の主回路構成を示す図である。 本発明の実施例1に係るアクティブフィルタを含む電力変換装置のシステム構成の一例を示す図である。 実施例1に係るアクティブフィルタの制御装置内のブロック構成を示す図である。 図2に示すシステム構成の等価回路を示す図である。 PWM演算器の動作波形を示す図である。 実施例1に係るPWM演算器の動作波形を示す図である。 実施例1に係るパルス幅補償電圧と電圧指令の関係の一例を示す図である。 実施例1に係るパルス幅補償電圧の有無によるインバータ出力平均電圧波形の一例を示す図である。 実施例2に係るアクティブフィルタを含む電力変換装置のシステム構成の一例を示す図である。 実施例2に係るアクティブフィルタの制御装置内のブロック構成を示す図である。 実施例2に係るパルス幅補償電圧と電流指令の関係の一例を示す図である。
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。実施の形態は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でもかまわない。なお、実施の形態を説明するための各図において、同一の構成要素には同一の名称、符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数又は順序を限定するものではない。
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特性の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
図2は、本発明の実施例1に係るアクティブフィルタ装置を含む電力変換装置のシステム構成の一例を示す図である。図2には、直流き電区間を走行する鉄道車両500に搭載される電力変換装置のシステムを示す。き電システム600は、直流電源Vsysとき電回路(インダクタンス成分Ls)の直列回路として等価回路で示す。また、き電システム600に、パンタグラフ501および車輪502を介して鉄道車両500が電気的に接続される。
鉄道車両500が搭載する車両電気回路80は、主に車両加減速用モータ60を駆動するモータ駆動用インバータ50、平滑コンデンサ70およびアクティブフィルタ1により構成され、アクティブフィルタ1は、モータ駆動用インバータ50に対して直列に接続される。
アクティブフィルタ1は、変圧器7、高周波フィルタ回路30、アクティブフィルタインバータ回路10を主回路構成とし、アクティブフィルタインバータ回路10の直流部に直流電源3を接続する。
また、アクティブフィルタ1は、変圧器7を介して、き電回路に接続される。高周波フィルタ回路30は、インダクタ31およびキャパシタ32のLCフィルタと、LCフィルタのダンピングキャパシタ33およびダンピング抵抗34で構成される。
更に、アクティブフィルタ1は、検出器として、帰線電流Isを検出する電流センサ20(第1の電流センサ)を備える。電流センサ20の検出値は、アクティブフィルタ1の制御装置100に入力される。
制御装置100は、電流センサ20の検出値を基にアクティブフィルタ1の出力電圧指令値を算出し、アクティブフィルタインバータ回路10内のU相アーム10uおよびV相アーム10v内の各半導体スイッチング素子のゲート信号を生成する。
アクティブフィルタインバータ回路10内のU相アーム10uおよびV相アーム10vそれぞれは、逆並列接続されるダイオードを備えるIGBTの直列回路により構成され、単相インバータを構成する。ただし、各相アームが備える半導体スイッチング素子をIGBTとして図示するが、これに限定されるものではなくMOSなど他の自己消弧型スイッチング素子を用いることができる。
次に、アクティブフィルタ装置の基本動作について説明する。はじめにアクティブフィルタ装置は、帰線電流Isに含まれるノイズ電流を電流センサ20にて検出する。電流センサ20は、例えば直流電流は検出しないで、交流電流を検出するロゴスキ型電流センサである。
電流センサ20の検出値は、制御装置100に入力される。制御装置100は、電流センサ20の検出値に基づいてアクティブフィルタインバータ回路10のゲート駆動信号を生成する。但し、制御装置100の詳細な動作は後述する。制御装置100から駆動信号を受けたアクティブフィルタインバータ回路10は、電源入力容量23に印加された電圧振幅のパルスを出力する。このとき、アクティブフィルタインバータ回路10の制御方式は例えばPWM制御を用いており、信号と搬送波を出力する。
アクティブフィルタインバータ回路10の出力するパルスは、高周波フィルタ30に入力される。高周波フィルタ30はインダクタ31とキャパシタ32により構成されるLCローパスフィルタによって、アクティブフィルタインバータ回路10が出力する搬送波を除去し、信号を取り出す。但し、LCローパスフィルタはLC共振により共振周波数近傍の信号を増幅してしまうため、ダンピングキャパシタ33とダンピング抵抗34により共振増幅を抑制する。
高周波フィルタ30の出力電圧波形は、変圧器7に印加される。変圧器7のパンタグラフと接続している1次側は、ノイズ電流を発生させる電位差が印加されているが、高周波フィルタと接続された2次側にはノイズ電流を発生される電位差を低減する電圧が印加されるため、ノイズ電流を変圧器7で抑圧することができる。
次に、アクティブフィルタ1を制御する制御装置100について説明する。
図3は、実施例1に係るアクティブフィルタ1の制御装置100内のブロック構成(演算器等を含む具体的構成)を示す図である。
電流センサ20で検出された信号は、帯域通過フィルタ1001に入力される。帯域通過フィルタ1001は、帰線電流Isの検出値から鉄道車両500の走行区間における通信周波数帯域を含んだ周波数帯域成分を抽出し、乗算器1002に出力する。乗算器1002(第1の乗算器)は、正の定数Kを帯域通過フィルタ1001の出力に乗算し、その積を加算器1103に出力する。さらに、乗算器1002の出力は乗算器1101(第2の乗算器)に入力され、正の定数Kを乗算する。乗算器1101の出力は、リミッタ1102に入力される。リミッタ1102の出力は加算器1103に入力され、乗算器1002の出力に加算される。乗算器1101、リミッタ1102および加算器1103は、後述するデッドタイム補償ブロックを構成している。
加算器1103の出力は、U相用PWM演算器1005uおよびV相用PWM演算器1005vに入力される。アクティブフィルタ1は、2相のアームにより構成される単相インバータであるため、V相用PWM演算器1005vには、乗算器1007により符号反転された出力電圧指令値が入力される。
PWM演算器1005uおよび1005vでは、入力された出力電圧指令値と搬送波算出器1006の出力である三角波とが大小比較され、U相アーム10uおよびV相アーム10vに出力するゲート信号(Gate UPとUN、およびGate VPとVN)が算出され出力される。
以上のように、本発明に係るアクティブフィルタ1は、ノイズ源であるモータ駆動用インバータ50に対して直列に接続されながら、電圧制御系で動作する。
次に、本発明により、モータ駆動用インバータ50が、き電システム600に流出するノイズ電流を低減できるメカニズムについて、図4を用いて説明する。
図4は、図2に示すシステム構成の等価回路を示す図である。説明の煩雑さを回避するため、ここでは変圧器7の巻数比を1:1として説明する。
モータ駆動用インバータ50を、ノイズ電流を出力する電流源Iinvとして表現する。
変圧器7を、漏れインダクタンスL1、L2および相互インダクタンスLmを備えるT型等価回路として表現する。すなわち、L1は、き電回路側巻線(一次巻線)の漏れインダクタンス、L2は、二次側巻線の漏れインダクタンス、Lmは、変圧器7の相互インダクタンスである。
Lsは、き電システム600のインダクタンス、Cfcは、平滑コンデンサ70の容量、Lfは、インダクタ31のインダクタンス、Cfは、フィルタコンデンサ32の容量、CdとRdはLfとCfによる共振利得を低減するためのダンピングコンデンサ容量とダンピング抵抗である。
また、アクティブフィルタインバータ回路10の出力電圧Vuvを、制御可能な電圧源として表現する。
図4に示すアクティブフィルタ1の出力電流Ioutが、帰線電流IsのK倍である場合、変圧器7の相互インダクタンスLmで発生する電圧降下は、帰線電流IsだけがLmを流れる場合に比べて(1+K)倍になる。これは、き電システム600側からアクティブフィルタ1を見込んだ場合、相互インダクタンスLmが(1+K)倍になったことと等価である。そのため、インピーダンスが増加し、ノイズ電流が帰線に流出することを抑制することと同じ効果が得られ、き電システム600に流出するノイズ電流を抑制することができる。これが、本発明に係るアクティブフィルタ1によるノイズ低減の原理である。
以上のように、アクティブフィルタ1が、帰線電流Isのノイズ抑制対象となる周波数帯成分に対し、K倍の電流を出力することができれば、上述した原理によりき電システム600に流出するノイズ電流を抑制することができる。
次に、加算器1103によりリミッタ1102の出力と乗算器1002(第1の乗算器)の出力が加算される効果(デッドタイム補償ブロックの効果)について説明する。
アクティブフィルタインバータ回路10を構成するU相アーム10uおよびV相アーム10vには、上下アームが同時に導通することで生じる貫通電流により、半導体スイッチング素子が破壊されるのを保護するため、上下アームが同時に開放となるデッドタイムを設けている。デッドタイムは、PWM演算器1005u,1005vにより作成される。例えば図5に示すPWM演算器1005uの演算波形のように、三角波のCarrierとU相電圧指令のUrefが交差した時間にデッドタイムTdを追加して、U相アーム10uのゲート信号Up、Unを生成する。デッドタイムTdはアクティブフィルタインバータ回路10の出力であるパルス幅を狭め、出力平均電圧Vafが低下する。デッドタイムTdにより低下するデッドタイム電圧Vdは、直流電源3の電圧Ed、アクティブフィルタインバータ回路10のスイッチング周期Tc、デッドタイムTdを用いて次の(1)式で表すことができる。
Vd=Ed×Td/Tc (1)
デッドタイム電圧Vdは、ノイズ電流抑制効果を劣化させる原因となる。そこで図6に示すように、U相電圧指令Urefにパルス幅補償電圧Vcompを加えることで、デッドタイムTdにより狭まるパルス幅を補償する。パルス幅補償電圧Vcompは、乗算器1101(第2の乗算器)とリミッタ1102で計算する。図7に示すように、乗算器1002の出力であるU相電圧指令Urefが指令微小領域Vs1内では(1)式で計算されたVdよりも小さな電圧量を加え、その傾きは乗算器1101(第2の乗算器)で決まる。指令微小領域Vs1外では(1)式で計算された電圧Vdを加える。Vdを超えた電圧を加えないためにリミッタ1102を用いる。すると図8に示すように、出力平均電圧Vafはパルス幅を補償していないVkよりもパルス幅を補償したVjのように振幅を下げずに電圧を出力することができる。
本実施例によれば、乗算器1101、リミッタ1102および加算器1103で構成されるデッドタイム補償ブロックを設けることにより、電流センサ20の検出値に応じてデッドタイムにより低下する出力電圧を予め出力電圧指令値に加算することで、ノイズ電流低減効果の劣化を低減することができる。
図9は、実施例2に係るアクティブフィルタ装置を含む電力変換装置のシステム構成の一例を示す図である。図9には、直流き電区間を走行する鉄道車両500に搭載される電力変換装置のシステムを示す。き電システム600は、直流電源Vsysとき電回路(インダクタンス成分Ls)の直列回路として等価回路で示す。また、き電システム600に、パンタグラフ501および車輪502を介して鉄道車両500が電気的に接続される。
鉄道車両500が搭載する車両電気回路80は、主に車両加減速用モータ60を駆動するモータ駆動用インバータ50、平滑コンデンサ70およびアクティブフィルタ1により構成され、アクティブフィルタ1は、モータ駆動用インバータ50に対して直列に接続される。
更に、アクティブフィルタ1は、検出器として、帰線電流Isを検出する電流センサ20(第1の電流センサ)およびアクティブフィルタ1の出力電流Ioutを検出する電流センサ21(第2の電流センサ)を備える。電流センサ20および21の検出値は、アクティブフィルタ1の制御装置101に入力される。
制御装置101は、電流センサ20の検出値を元にアクティブフィルタ1の出力電流指令値を算出し、この出力電流指令値と電流センサ21からの検出値との偏差を低減するように、アクティブフィルタインバータ回路10内のU相アーム10uおよびV相アーム10v内の各半導体スイッチング素子のゲート信号を生成する。
また、アクティブフィルタインバータ回路10内のU相アーム10uおよびV相アーム10vそれぞれは、逆並列接続されるダイオードを備えるIGBTの直列回路により構成され、単相インバータを構成する。ただし、各相アームが備える半導体スイッチング素子をIGBTとして図示するが、これに限定されるものではなくMOSなど他の自己消弧型スイッチング素子を用いることができる。
図10は、アクティブフィルタ1の制御装置101内のブロック構成(演算器等を含む具体的構成)を示す図である。
帯域通過フィルタ1008は、帰線電流Isの検出値から鉄道車両500の走行区間における通信周波数帯域を含んだ周波数帯域成分を抽出し、乗算器1009(第1の乗算器)に出力する。乗算器1009は、正の定数Kを帯域通過フィルタ1008の出力に乗算し、その積をアクティブフィルタ1の出力電流指令値として減算器1003に出力する。
電流センサ21で検出されたアクティブフィルタインバータ回路10の出力電流Ioutの検出値は減算器1003に入力され、出力電流制御値から減算される。減算器1003の出力は電流制御器1004に入力され、電流制御器1004はその偏差を低減すべく機能する。実施例2では、電流制御器1004を乗算器として示しているが、比例・積分器や微分・比例・積分器など、他の補償演算器であってもよい。電流制御器1004の出力は、アクティブフィルタ1の出力電圧指令値であり、加算器1106に入力される。また、乗算器1009の出力は乗算器1104(第3の乗算器)に入力されて正の定数Kを乗算され、乗算器1104の出力はリミッタ1105に入力される。リミッタ1105の出力は加算器1106に入力され、出力電圧指令値に加算される。乗算器1104、リミッタ1105および加算器1106は、デッドタイム補償ブロックを構成している。
加算器1106の出力はU相用PWM演算器1005uおよびV相用PWM演算器1005vに入力される。アクティブフィルタ1は、2相のアームにより構成される単相インバータであるため、V相用PWM演算器1005vには、乗算器1007により符号反転された出力電圧指令値が入力される。
PWM演算器1005uおよび1005vでは、入力された出力電圧指令値と搬送波算出器1006の出力である三角波とが大小比較され、U相アーム10uおよびV相アーム10vに出力するゲート信号(Gate UPとUN、およびGate VPとVN)が算出され出力される。
以上のように、本実施例に係るアクティブフィルタ1は、ノイズ源であるモータ駆動用インバータ50に対して直列に接続されながら、電流制御系で動作する。
次に、加算器1106によりリミッタ1105の出力と乗算器1004の出力が加算される効果(デッドタイム補償ブロックの効果)について説明する。
実施例1と同様にデッドタイムによるパルス幅を補償するためにU相電圧指令Urefにパルス幅補償電圧Vcompを加えることで、デッドタイムにより狭まるパルス幅を補償する。実施例2ではパルス幅補償電圧Vcompは乗算器1104とリミッタ1105で計算する。図11に示すように、乗算器1009の出力である電流指令Iafsが指令微小領域Vs2内では(1)式で計算されたVdよりも小さな電圧量を加え、その傾きは乗算器1104で決まる。指令微小領域Vs2外では(1)式で計算された電圧Vdを加える。Vdを超えた電圧を加えないためにリミッタ1105を用いる。すると実施例1と同様に図8に示すように、出力平均電圧Vafはパルス幅を補償していないVkよりもパルス幅を補償したVjのように振幅を下げずに電圧を出力することができる。
本実施例によれば、乗算器1104、リミッタ1105および加算器1106で構成されるデッドタイム補償ブロックを設けることにより、電流センサ20の検出値に応じてデッドタイムにより低下する出力電圧を予め出力電圧指令値に加算することで、ノイズ電流低減効果の劣化を低減することができる。また、電流センサ21で検出したアクティブフィルタインバータ回路の出力電流Ioutの検出値と、出力電流制御値とを減算するようにしたので、アクティブフィルタインバータ回路の出力電流Ioutを帰線電流Isに追従させることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。
1…アクティブフィルタ
3…直流電源
7…変圧器
10…アクティブフィルタインバータ回路
10u,10v…U相アーム、V相アーム
20,21…電流センサ
23…入力容量
30…高周波フィルタ回路
31…インダクタ
32…キャパシタ
33…ダンピングキャパシタ
34…ダンピング抵抗
40…インダクタ
50…モータ駆動用インバータ
60…車両加減速用モータ(誘導電動機)
70…コンデンサ
80…車両電気回路
100,101…制御装置
600…き電システム
500…鉄道車両
501…パンタグラフ
502…車輪
1001,1008…帯域通過フィルタ
1002,1009…乗算器
1003…減算器
1004…電流制御器
1005u,1005v…U相PWM演算器、V相PWM演算器
1006…搬送波算出器
1101,1104…乗算器
1102,1105…リミッタ
1103,1106…加算器

Claims (7)

  1. 鉄道車両のモータを駆動するモータ駆動用インバータの直流入力側に設けるアクティブフィルタ装置であって、
    一次巻線と二次巻線を備え、前記一次巻線が前記モータ駆動用インバータの直流側線路に接続される変圧器と、
    半導体スイッチング素子の直列回路で構成されるアクティブフィルタインバータ回路と、
    前記アクティブフィルタインバータ回路の直流部に接続した直流電源と、
    前記アクティブフィルタインバータ回路と前記変圧器の二次巻線との間に接続される高周波フィルタ回路と、
    前記変圧器の一次巻線を通して前記モータ駆動用インバータに流れるノイズ電流を検出する第1の電流センサと、
    前記第1の電流センサの検出信号に基づいて前記アクティブフィルタインバータ回路のスイッチング信号を生成する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記第1の電流センサの検出信号に基づいて、前記アクティブフィルタインバータ回路の上下アームが同時に開放となるデッドタイムにより出力平均電圧が低下することを補償するデッドタイム補償ブロックを備えることを特徴とする鉄道車両用アクティブフィルタ装置。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両用アクティブフィルタ装置において、
    前記制御装置のデッドタイム補償ブロックは、
    前記第1の電流センサの検出信号を帯域通過した信号を乗算する乗算器と、
    前記乗算器の出力から所定の振幅以上を制限するリミッタと、
    前記リミッタの出力を前記第1の電流センサの検出信号を帯域通過した信号に加算して電圧指令値を出力する加算器と、
    で構成されることを特徴とする鉄道車両用アクティブフィルタ装置。
  3. 請求項2に記載の鉄道車両用アクティブフィルタ装置において、
    前記リミッタは、
    前記乗算器の出力から、デッドタイムに基づいて決まるデッドタイム電圧以上を制限することを特徴とする鉄道車両用アクティブフィルタ装置。
  4. 請求項1に記載の鉄道車両用アクティブフィルタ装置において、
    前記制御装置は、前記第1の電流センサの検出信号が入力される帯域通過フィルタと、前記帯域通過フィルタと直列接続した第1の乗算器と、前記第1の乗算器の出力と接続された第2の乗算器と、前記第2の乗算器と直列接続されたリミッタと、前記リミッタの出力と前記第1の乗算器の出力を加算する加算器を備え、
    前記加算器の出力信号に基づいて前記アクティブフィルタインバータ回路のスイッチング信号を生成することを特徴とする鉄道車両用アクティブフィルタ装置。
  5. 請求項4に記載の鉄道車両用アクティブフィルタ装置において、
    前記高周波フィルタ回路から前記変圧器の二次巻線に通電する電流を検出する第2の電流センサを備え、
    前記制御装置は、更に、前記第1の乗算器の出力と前記第2の電流センサの出力を入力する減算器と、前記減算器と直列接続され電圧指令値を出力する電流制御器とを備え、
    前記加算器は、第1の乗算器の出力に代えて、前記電流制御器の出力と前記リミッタの出力を加算し、前記加算器の出力信号に基づいて前記アクティブフィルタインバータ回路のスイッチング信号を生成することを特徴とする鉄道車両用アクティブフィルタ装置。
  6. 請求項2に記載の鉄道車両用アクティブフィルタ装置において、
    前記制御装置は、
    前記加算器の出力である出力電圧指令値と搬送波算出器の出力である三角波とを大小比較して、前記アクティブフィルタインバータ回路のスイッチング信号を生成することを特徴とする鉄道車両用アクティブフィルタ装置。
  7. 請求項1~6の何れか1項に記載の鉄道車両用アクティブフィルタ装置と、
    直流入力側に前記鉄道車両用アクティブフィルタ装置を接続したモータ駆動用インバータと、
    前記モータ駆動用インバータにより駆動される鉄道車両のモータと、
    を有する鉄道車両。
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