JP7344813B2 - リニアモータ及びリニアモータを搭載した圧縮機、並びにこの圧縮機を備えた冷蔵庫及び車両用エアサスペンション - Google Patents

リニアモータ及びリニアモータを搭載した圧縮機、並びにこの圧縮機を備えた冷蔵庫及び車両用エアサスペンション Download PDF

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Description

本発明は、リニアモータ及びリニアモータを搭載した圧縮機、並びにこの圧縮機を備えた冷蔵庫及び車両用エアサスペンションに関する。
推力発生機構であるリニアモータは、固定子と可動子の各々に構成された磁極の間に働く磁力によって、可動子に推力を発生させる。このような技術として例えば特許文献1に記載されたリニアモータが知られている。
特許文献1のリニアモータでは、上下方向に空間を介して対向する二つの磁極歯からなる磁極歯組が前後方向に二つ並んでおり、上側磁極歯と下側磁極歯は磁性体(以後アームと呼称)でつながって第1の磁気回路を構成している。そして、前後に並んだ磁極歯組が磁性体(以後ブリッジと呼称)でつながって第2の磁気回路を構成している。なお、以後の説明では第1の磁気回路に沿う磁束を横磁束と呼称し、第2の磁気回路に沿う磁束を縦磁束と呼称する。
特許文献1のリニアモータでは、上下の磁極歯の外周表面から磁極歯の先端方向に向かいかつ可動子の進行方向に沿ったスリットを設けることで、特に縦磁束によって生じる渦電流路を分断または長くしている。また、特許文献1のリニアモータでは、スリットの幅及び間隔を変えることにより、縦磁束と横磁束の量を変えるようにしている。と述べられている。なお、スリット深さは巻線深さよりも大きくなるように設定されている。
特開2015-208173号公報
特許文献1のリニアモータでは、渦電流路を分断するためのスリットが横磁束のループまでも分断する位置に配置されており、左右端部のスリットより外側の部分のみが横磁束の磁気回路となっている。渦電流路を分断するためには多数のスリットを間隔を狭くして配置する必要があるため、横磁束の磁気回路が狭くなる。その結果、横磁束に対する磁気抵抗が大きくなり、横磁束量が低減して推力が低下してしまう。逆に、横磁束の磁気抵抗を小さくするためにスリットの間隔を広げた場合、渦電流の流れる領域が広がって電気抵抗が低下するために渦電流が増加し、渦電流損の増加や推力の低下を引き起こす。また、スリット深さが巻線深さよりも大きいことにより、ブリッジ部のコアを積層鋼板で構成している場合にブリッジ部のコアがスリットによって分断され、複数の小さいコアに分かれてしまう。その結果、前後の磁極歯の間にブリッジを固定するための取付作業が複雑化したり、取付精度が悪化したりする。
本発明の目的は、リニアモータの推力低下の抑制と、渦電流損の低減を両立させるリニアモータ及びリニアモータを搭載した圧縮機、並びにこの圧縮機を備えた冷蔵庫及び車両用エアサスペンションを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明のリニアモータは、界磁子と、前記界磁子の移動方向に電磁鋼板が積層されて構成された複数の電機子磁極を有し、前記界磁子の移動方向に対して平行方向及び直交方向に磁気回路を形成し、前記複数の電機子磁極が前記界磁子の進行方向に並んで備えられたリニアモータにおいて、前記電機子磁極には、前記界磁子との対向面の位置から反対向面側に延び、前記電機子磁極の外周表面の位置よりも対向面側の範囲内において形成されると共に、前記電磁鋼板を貫通した複数の第1スリットを設け、前記複数の第1スリットは、前記界磁子の移動方向と直交し前記電機子磁極の幅方向となる左右方向に並んで設けられ、前記界磁子との対向面の位置から反対向面側に延びた長さが異なるように設けたことを特徴とする。
本発明によれば、推力低下を抑制し、かつ渦電流損を低減させるリニアモータ及びリニアモータを搭載した圧縮機、並びにこの圧縮機を備えた冷蔵庫及び車両用エアサスペンションを提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1に係るリニアモータの斜視図である。 実施例1に係るリニアモータの左右方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。 実施例1に係るリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。 実施例1に係るリニアモータのコアの前後方向に対して垂直な断面図である。 実施例1と比較した比較例1であるスリットなしリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。 実施例1と比較した比較例2である従来スリットリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。 実施例1、比較例1及び比較例2において、巻線に交流電流を通電し、可動子を前後方向に動かした時の可動子に発生する推力の比較結果を示す図である。 実施例1、比較例1及び比較例2において、巻線に交流電流を通電し、可動子を前後方向に動かした時のコア及びブリッジに発生する渦電流損の比較結果を示す図である。 実施例2に係るリニアモータの斜視図である。 実施例2に係るリニアモータの左右方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。 実施例2に係るリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。 実施例2に係るリニアモータのコアの前後方向に対して垂直な断面図である。 実施例2との比較例1であるスリットなしリニアモータのブリッジとコアの渦電流分布を矢印ベクトルで示す図である。 実施例2のブリッジとコアの渦電流分布を矢印ベクトルで示す図である。 実施例2、比較例1及び比較例2において、巻線に交流電流を通電し、可動子を前後方向に動かした時の可動子に発生する推力の比較結果を示す図である。 実施例2、比較例1及び比較例2において、巻線に交流電流を通電し、可動子を前後方向に動かした時のコア及びブリッジに発生する渦電流損の比較結果を示す図である。 実施例3に係るリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。 実施例3に係るリニアモータのコアの前後方向に対して垂直な断面図である。 実施例4に係るリニアモータの斜視図である。 実施例4に係るリニアモータの左右方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。 実施例4に係るリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。 比較例のブリッジの上下方向に垂直な断面の模式図である。 実施例4のブリッジの上下方向に垂直な断面の模式図である。 比較例のブリッジの模式図である。 実施例4のブリッジの模式図である。 実施例5に係るリニアモータを用いた圧縮機を示す斜視図である。 図26の圧縮機の要部を示す断面図である。 実施例6に係る冷蔵庫の構成図である。 実施例7に係る車両用エアサスペンションの構成図である。
以下、本発明の実施例を、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。複数の実施例及び各実施例の変更例において、同様の構成要素には同様の符号を付し、説明を省略する。説明のため、互いに直交する前後方向、左右方向、及び上下方向という語を用いるが、必ずしも重力方向は下向きである必要はなく、上、右、左、前若しくは後方向又はそれ以外の方向が重力方向と平行であることを許容する。
なお、以下で説明する各実施例及び各変更例では、前後方向は可動子2の移動(駆動)方向に一致し、上下方向は永久磁石磁極210の磁極面(S,N極が生じる面)に垂直な方向に一致する。また、可動子2は前後方向を長手方向としており、左右方向を可動子2の幅方向と呼んで説明する場合がある。或いは、可動子2の移動方向(前後方向)に沿う方向、すなわち界磁子と電機子磁極とが相対変位する方向を第1方向、第1方向に垂直な界磁子の幅方向(左右方向)に沿う方向を第2方向、第1方向及び第2方向に垂直な界磁子の厚さ方向(上下方向)に沿う方向を第3方向として説明する場合もある。
図1乃至図8を参照して、本発明の実施例1に係るリニアモータについて、説明する。図1は、実施例1に係るリニアモータの斜視図である。図2は、実施例1に係るリニアモータの左右方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。図3は、実施例1に係るリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。
リニアモータ100は、固定子1及び可動子2からなる。以降の説明では、電機子側を地面に対して静止させる固定子、界磁子側を地面に対して前後方向に移動させる可動子として説明するが、固定子と可動子とは逆の関係であっても良い。すなわちリニアモータ100は、可動子2(界磁子)と電機子3とが相対変位するように構成され、可動子2(界磁子)の移動方向に対して平行方向及び直交方向に磁気回路を形成される。
〔固定子1の構成〕
固定子1は、電機子3と、電機子3の前側及び後側それぞれに配置された端部部材4と、巻線5と、を備える。電機子3は、軟磁性体のコア300を有し、コア300には上下に磁極歯301(電機子磁極)があり、それぞれ巻線5が巻回されている。ブリッジ部310は、軟磁性体または非磁性体からなり、複数のコア300はブリッジ部310で繋いで構成されている。電機子3は、2つ以上を前後方向に並べることができる。また、端部部材4は、最も前側の電機子3の前側及び/又は最も後側の電機子3の後側に設けることができる。
〔コア300の構成〕
コア300は、可動子2を上下方向から挟んで対向配置された磁極歯301と、これら2つの磁極歯301をつなぐアーム部302とを有する。磁極歯301及びアーム部302は、例えば、電磁鋼板を前後方向(可動子2の移動方向)に積層して構成できる。磁極歯301には巻線5を巻回している。
アーム部302は、巻線5及び可動子2の左右方向における両外側を上下方向に延設された軟磁性体であり、永久磁石磁極210から発せられ、磁極歯301に進入した磁束を、この磁極歯301に可動子2を介して対向する別の磁極歯301に導くことができる。これにより、コア300は、磁極歯301と、この磁極歯301に対向する永久磁石磁極210と、この永久磁石磁極210に前述の磁極歯301が対向する側とは反対側の面で対向する磁極歯301と、アーム部302と、を含む磁路を形成できる。この磁路を通る磁束を横磁束と呼称する。
〔ブリッジ部310の構成〕
ブリッジ部310は、軟磁性体又は非磁性体で形成することができる。ブリッジ部310を軟磁性体で構成した場合は、隣接するコア300を流れる磁束を通過させる磁気回路とすることができる。ブリッジ部310は、例えば、打ち抜いた電磁鋼板を前後方向(可動子2の移動方向)に積層して構成できる。このため、2つのコア300の間にブリッジ部310を配した電機子3は、永久磁石磁極210の前後方向間隔等の設計に応じて、隣り合う2つのコア300及び永久磁石磁極210を含む磁路を形成できる。この磁路を通る磁束を縦磁束と呼称する。また、貫通ボルト6により端部部材4の間を締め付けることで、ブリッジ部310が前後に隣接するコア300とともに固定される。
〔端部部材4の構成〕
端部部材4は、軟磁性体又は非磁性体で形成することができる。端部部材4は、前後方向に延在する貫通ボルト6等の固定部材により、コア300及びブリッジ部310とともに固定されている。また、端部部材4には図示しない軸受等の支持部材が配置され、可動子2を支持している。
〔可動子2の構成〕
可動子2は、前後方向を長手方向としている。可動子2は、前後方向に複数の永久磁石を固定する非磁性体または軟磁性体からなる磁極フレーム200と、磁極フレーム200に設けられた永久磁石磁極210を有している。本実施例の可動子2は、永久磁石磁極210を3個固定した態様である。複数の永久磁石磁極210は、界磁子により構成される可動子2と磁極歯301により構成される固定子1とが相対変位する方向に沿って配列される。永久磁石磁極210は、3個以上でも以下でも良い。永久磁石磁極210はそれぞれ上下方向に磁化され、隣り合う永久磁石磁極210の上面は、N極とS極とが、交互になるように配されている。
また、可動子2は、上下方向において2つの磁極歯301の間、かつ左右方向において2つのアーム部302の間の空間に配されている。なお、永久磁石磁極210は上下方向に垂直な平板形状に形成することができる。すなわち本実施例では、永久磁石磁極210は、上下方向の厚み寸法に対して左右方向の幅寸法及び前後方向の長さ寸法が大きい平板形状である。本実施例では、上下方向とは、磁極歯301と可動子2の永久磁石磁極210とが対向している方向である。
なお、上述したように、本実施例では、可動子2は界磁子によって構成される。
〔磁極フレーム200の構成〕
磁極フレーム200は、永久磁石磁極210を嵌装する空隙201を複数備えたはしご状に形成している。永久磁石磁極210は空隙201に嵌入されることで、左右方向及び前後方向に抜けることなく、磁極フレーム200に固定される。磁極フレーム200は、永久磁石磁極を囲む、空隙201の縁部を有し、永久磁石磁極210を支持する。
空隙201は磁極フレーム200を上下方向に貫通する貫通孔として形成されており、永久磁石磁極210が上下方向に嵌入される嵌入部を構成する。永久磁石磁極210は空隙(嵌入部)201を埋めるように空隙(嵌入部)201に配置されることで、左右方向及び前後方向への位置ずれが防止される。また、永久磁石磁極210と空隙(嵌入部)201との接触面に接着剤を塗布することなどにより、上下方向への位置ずれが防止される。磁極フレーム200は、軟磁性体で形成しても良いし、非磁性体で形成しても良い。
なお、空隙(嵌入部)201は、永久磁石磁極210を貼付できる凹部で構成しても良い。この凹部は上下方向における磁極フレーム200の一端面に凹状に形成される。この凹部も永久磁石磁極210が嵌入される空隙(嵌入部)201の一種とみなすことができる。
〔永久磁石磁極210の構成〕
永久磁石磁極210は、ネオジム磁石等の希土類磁石で構成してもよいし、フェライト磁石等、他の素材による永久磁石を用いてもよい。
〔スリット320の構成〕
図4は、実施例1に係るリニアモータ100のコア300の前後方向に対して垂直な断面図である。
磁極歯301(電機子磁極)には、上下方向に延びた複数のスリット320(第1スリット)が設けられている。複数のスリット320は、可動子2(界磁子)に対して上下に位置する磁極歯301のそれぞれに設けられている。複数のスリット320は、磁極歯301の先端から上下方向に延びており、高さの異なる複数のものが左右に並んで配置されている。換言すると、複数のスリット320(第1スリット)は、可動子2(界磁子)との対向面の位置から反対向面側の方向に延びており、磁極歯301の外周表面の位置よりも対向面側の範囲内において形成されている。すなわち、可動子2(界磁子)との対向面の位置から反対向面側の方向に延びた複数のスリット320は、磁極歯301の外周表面の位置までは到達しないように形成されている。また、複数のスリット320は、磁極歯301を構成する電磁鋼板を前後方向に貫通するように形成されている。
さらに、複数のスリット320は、可動子2(界磁子)の移動方向と直交し磁極歯301の幅方向となる左右方向に並んで設けられ、可動子2(界磁子)との対向面の位置から反対向面側の方向に延びた長さが異なっている。磁極歯301の左右方向の外側に位置するスリット320は、磁極歯301の左右方向の内側に位置するスリット320よりも長くしている。換言するとスリット320の高さは、左右方向内側から外側に向かって徐々に高くなるようにしている。
そして、図4の矢印で示すように、一方の磁極歯301の先端から入ってアーム部302を通り他方の磁極歯301の先端へと通じる横磁束のループが、左右端部のスリットよりも外側の部分だけでなく、スリットの内側の部分においても形成される。その結果、横磁束が増加し、モータの推力が増加する。本実施例のスリットは特に、ブリッジ部310を非磁性体で形成した横磁束重視型のリニアモータにおいて優れた効果が得られる。
〔比較例1におけるリニアモータ100’の構成〕
図5は、本発明の実施例1と比較した比較例1であるスリットなしリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。スリットなしリニアモータ100’の構成は、磁極歯301にスリット320が設けられていない点を除き、実施例1と同様である。
〔比較例2におけるリニアモータ100”の構成〕
図6は、本発明の実施例1と比較した比較例2である特許文献1に記載のリニアモータ(従来スリットリニアモータと呼称)の前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。
従来スリットリニアモータ100”の構成は、磁極歯301の先端(可動子2との対向面の位置)からスリット320が設けられていない点と、磁極歯301の外周表面から磁極歯301の先端の手前まで同じ長さのスリット330が設けられている点と、ブリッジ部310の外周表面からスリット330が設けられている点を除き、実施例1と同様である。
〔リニアモータの推力と渦電流損の比較〕
図7は、実施例1、比較例1及び比較例2において、巻線5に交流電流を通電し、可動子2を前後方向に動かした時の可動子2に発生する推力の比較結果を示す図である。図8は、実施例1、比較例1及び比較例2において、巻線5に交流電流を通電し、可動子2を前後方向に動かした時のコア300及びブリッジ部310に発生する渦電流損の比較結果を示す図である。いずれも比較例1を基準とした比で示している。
図7の縦軸は推力比(Thrust force ratio)を示しており、比較例1の構成における推力比を1.0としている。また、図8の縦軸は渦電流損失比(Eddy current loss ratio)を示しており、比較例1の構成における渦電流損失比を1.0としている。
図7に示すように、ブリッジ部310に磁性体を用いた場合において、比較例1に対して比較例2及び実施例1の推力は増加している。これは、スリットを設けたことにより、図8に示すように比較例2及び実施例1の渦電流損が低減し、推力に寄与する有効磁束が増加したためである。一方、ブリッジ部310に非磁性体を用いた場合は、比較例2の推力が低減している。これは、ブリッジ部310が非磁性体の場合は縦磁束成分が非常に小さくなり、主に横磁束成分が推力に寄与するが、前述のように比較例2のスリットは横磁束を妨げるように配置されているため、推力低下が生じている。一方、実施例1ではスリットが横磁束を妨げないように配置されており、推力低下がほとんど生じていない。
以上のように実施例1によれば、推力低下を抑制し、かつ渦電流損を低減させるリニアモータを提供することができる。
図9乃至図16を参照して、本発明の実施例2に係るリニアモータについて、説明する。図9は、実施例2に係るリニアモータの斜視図である。図10は、実施例2に係るリニアモータの左右方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。図11は、実施例2に係るリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。図12は、実施例2に係るリニアモータ100のコア300の前後方向に対して垂直な断面図である。
実施例2の構成は、以下の点を除き実施例1と同様であり、以下の本実施例に係る構成を除いて実施例1で説明した構成を採用することができる。
本実施例の磁極歯301には、可動子2との対向面の位置(磁極歯301の先端)から上下方向である反対向面側に延びた複数のスリット320(第1スリット)に加え、コア300の上下に位置する外周表面の位置から可動子2との対向面に向かって延びた複数のスリット321(第2スリット)が設けられている。複数のスリット320(第1スリット)と複数のスリット321(第2スリット)とは、上下方向において互いが対向するように設けられている。
コア300の外周表面の位置から延びた複数のスリット321(第2スリット)は、可動子2(界磁子)との対向面の位置までは形成されていない。また、複数のスリット321は、コア300を構成する電磁鋼板を前後方向に貫通するように形成されている。
さらに、複数のスリット321は、可動子2(界磁子)の移動方向と直交し磁極歯301(電機子磁極)の幅方向となる左右方向に並んで設けられ、コア300の外周表面(上下方面)から可動子2との対向面に向かって延びた長さが異なっている。磁極歯301の左右方向の外側に位置するスリット321は、磁極歯301の左右方向の内側に位置するスリット321よりも短くしている。換言するとスリット321の高さは、左右方向内側から外側に向かって徐々に低くなるようにしている。
スリット320の高さを左右方向内側から外側に向かって徐々に高くし、スリット321の高さを左右方向内側から外側に向かって徐々に低くすることで、図12の矢印で示すように、一方の磁極歯301の先端から入ってアーム部302を通り他方の磁極歯301の先端へと通じる横磁束のループが、左右端部のスリットよりも外側の部分だけでなく、スリットの内側の部分においても形成される。その結果、横磁束が増加し、モータの推力が増加する。
図13は、本発明の実施例2との比較例1であるスリットなしリニアモータのブリッジ部310とコア300の渦電流分布を矢印ベクトルで示す図である。図14は、本発明の実施例2のブリッジ部310とコア300の渦電流分布を矢印ベクトルで示す図である。
図13において、比較例1のブリッジ部310ならびにコア300内には大きな渦が発生し、渦電流損が大きく発生している。これに対し、図14の実施例2のブリッジ部310ならびにコア300では、渦電流のループを切断するようにスリット320、321が配置され、渦電流損の発生が低減される。
図15は、実施例2、比較例1及び比較例2において、巻線5に交流電流を通電し、可動子2を前後方向に動かした時の可動子2に発生する推力の比較結果を示す図である。図16は、実施例2、比較例1及び比較例2において、巻線5に交流電流を通電し、可動子2を前後方向に動かした時のコア300及びブリッジ部310に発生する渦電流損の比較結果を示している。いずれも比較例1を基準とした比で示している。
図15の縦軸は推力比(Thrust force ratio)を示しており、比較例1の構成における推力比を1.0としている。また、図16の縦軸は渦電流損失比(Eddy current loss ratio)を示しており、比較例1の構成における渦電流損失比を1.0としている。
図16に示すように、実施例2ではスリットを設けたことにより渦電流損が比較例1の半分以下に低減するとともに、図15に示すように、実施例2の推力は横磁束を妨げないようにスリットを配置したことにより、比較例1の推力と比べて最大5%近く増加している。
また図14に示すように、ブリッジ部310のスリット321は、ブリッジ上部からブリッジ下部の手前までに形成されているため、スリット321によってブリッジ部310が分断されることがなく、貫通ボルト6により前後の磁極歯の間にブリッジを固定することが容易であり、取付精度も損なわれない。
以上のように実施例2によれば、推力低下を抑制し、かつ渦電流損を低減させるリニアモータを提供することができる。
図17及び図18を参照して、本発明の実施例3に係るリニアモータについて、説明する。図17は、実施例3に係るリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。図18は、実施例3に係るリニアモータ100のコア300の前後方向に対して垂直な断面図である。
実施例3の構成は、以下の点を除き実施例1と同様であり、以下の本実施例に係る構成を除いて実施例1で説明した構成を採用することができる。
本実施例の磁極歯301には、可動子2との対向面の位置(磁極歯301の先端)から上下方向となる反対向面側に延びた複数のスリット320(第1スリット)と、コア300の上下表面(磁極歯301の外周表面)から可動子2との対向面に向かって延びた複数のスリット321(第2スリット)とが、左右方向において互い違いに配置されている。さらに、スリット320の高さを左右方向外側よりも内側の方を高くしている。その結果、磁極歯301の左右方向の内側に位置するスリット320の一部とスリット321の一部は、左右方向から見て互いが重なるようになっている。
スリット320の長さを左右方向外側よりも内側の方を長くすることで、U18の矢印で示すように、磁極歯301内の磁束のうち、左右方向外側の磁束はアーム部302を通って他方の磁極歯301へとループをなす横磁束となる。また、左右方向内側の磁束はブリッジ部310を通って前後方向に隣接した磁極歯301へと導かれる縦磁束となる。このように、スリット高さを調整することで横磁束と縦磁束の配分を設計することができる。また、左右方向中央部でスリット320とスリット321との間の左右方向の間隔が狭まり、渦電流の低減効果が増大する。
以上のように実施例3によれば、推力低下を抑制し、かつ渦電流損を低減させるリニアモータを提供することができる。
図19乃至図25を参照して、本発明の実施例4に係るリニアモータについて、説明する。図19は、実施例4に係るリニアモータの斜視図である。図20は、実施例4に係るリニアモータの左右方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。図21は、実施例4に係るリニアモータの前後方向に対して垂直な断面を示す斜視図である。
実施例4の構成は、以下の点を除き実施例1と同様であり、以下の本実施例に係る構成を除いて実施例1で説明した構成を採用することができる。
本実施例の電機子3におけるブリッジ部310は、例えば、凸型に打ち抜いた電磁鋼板を左右方向に積層し、中央の凸部311をモータの内側に向けた配置にして構成する。
コア300の上下には、ブリッジ部310を配置するための溝部303を設けている。
ブリッジ部310は、隣接するコア300を流れる磁束を通過させることができる。ブリッジ部310は、例えば、凸型に打ち抜いた電磁鋼板を左右方向(可動子2の進行方向と直交方向)に積層し、中央の凸部311をモータの内側に向けた配置にして構成できる。複数の磁極歯301間に備えられるブリッジ部310は、複数の磁極歯301における可動子2の反対向面側の端部位置を超えるように伸長されている。実施例4においては、ブリッジ部310は、複数のコア300の外周表面まで伸長されている。このため、2つのコア300の間にブリッジ部310を配した電機子3は、永久磁石磁極210の前後方向間隔等の設計に応じて、隣り合う2つのコア300及び永久磁石磁極210を含む磁路を形成できる。また、貫通ボルト6により端部部材4の間を締め付けることで、ブリッジ部310の中央の凸部311が前後に隣接するコア300からの軸力を受け、ブリッジ部310が固定される。
〔ブリッジ内の磁束の流れ〕
図22は、比較例のブリッジの上下方向に垂直な断面の模式図である。ブリッジ部310は、複数の電磁鋼板3101が前後方向に積層されている。各電磁鋼板3101は、母材3102と、その両表面にコーティングした絶縁被膜3103で構成されている。母材3102は磁性体であるが、絶縁被膜3103は非磁性体である。比較例では、ブリッジ内の磁束は前後方向に発生するため、前後方向に積層された多数の非磁性層を貫通することとなる。その結果、ブリッジ内の磁気抵抗が大きくなり、発生する磁束量が低下し、推力の低下を引き起こしている。
これに対し実施例4は以下の通りである。図23は、実施例4のブリッジの上下方向に垂直な断面の模式図である。ブリッジ部310は、複数の電磁鋼板3101が左右方向に積層されている。各電磁鋼板3101は、母材3102と、その両表面にコーティングした絶縁被膜3103で構成されている。母材3102は磁性体であるが、絶縁被膜3103は非磁性体である。実施例4でも、ブリッジ内の磁束は前後方向に発生するため、ブリッジ内の磁束は、磁気抵抗の高い絶縁被膜3103の中ではなく、磁気抵抗の低い母材3102の中を貫通する。したがって、比較例と比べて、実施例4ではブリッジ内の発生磁束量が増大し、推力を向上することができる。
〔ブリッジ内の渦電流特性〕
図24は、比較例のブリッジの模式図である。比較例では、ブリッジ内の磁束は前後方向に積層された電磁鋼板の平面に対して垂直に貫通するため、磁束が交番する時に電磁鋼板の平面内に渦電流のループが発生する。電磁鋼板の平面内の電気抵抗は小さいため、電磁鋼板に大きな渦電流損を生じる。
図25は、実施例4のブリッジの模式図である。実施例4では、電磁鋼板が左右方向に積層されており、ブリッジ内の磁束は電磁鋼板の平面に平行である。積層された電磁鋼板は、絶縁被膜で互いに電気的に絶縁されているため、磁束が交番する時に生じる渦電流がごく小さく抑えられ、渦電流損を非常に小さくできる。渦電流損はリニアモータの推力特性を低下させる要因であるため、比較例と比べて実施例4では推力特性を向上することができる。
以上説明したように、実施例4によれば、推力を向上し、かつ渦電流損を低減させるブリッジ部を有するリニアモータを提供することができる。
図26は、本発明の実施例5に係るリニアモータを用いた圧縮機を示す斜視図である。図27は、図26の圧縮機の要部を示す断面図である。
実施例5の圧縮機1000は、空気や冷媒を圧縮する気体圧縮機として用いることができ、可動子2の往復動方向について電機子3の一方側に設けた共振ばね400及び電機子3の他方側に設けたピストン(シリンダ1200内に配置、図示せず)と、シリンダ1200と、電磁弁1400(1400A,1400B)と、排気弁1500と、ドライヤ1600と、及びインバータ1700と、を有する。
実施例5の圧縮機1000では、ピストンの駆動モータがリニアモータで構成されており、可動子2が扁平な板状(平板状)を成している。また、可動子2は端部部材4の後側端部から更に後方に突き出している。圧縮機1000を駆動する駆動モータとしては、上述した実施例1~4のいずれかのリニアモータ100を採用する。
シリンダ1200には、電機子3及び共振ばね400を収納するケーシング1800が取付けられている。実施例5では、ケーシング1800の前面として端部部材4を用いているが、端部部材4の前側にケーシング1800の前面を構成する部材を設けても良い。すなわち、端部部材4をケーシング1800の前面部材として兼用する代わりに、端部部材4とは別に前面部材を設けてもよい。
ケーシング1800は、筒状の側面1810(側面部材)と後面1820(後面部材、底面部材)とが別体で構成されており、前後に延在する挿通部材1830によって、後面1820がシリンダ1200にベース板1900を介して固定されている。これにより、側面1810は後面1820及びシリンダ1200に挟持されている。
ケーシング1800側から前方に向けて電極が突出し、電極の一端部に巻線5の引き出し端部が電気的に接続されている。電極の他端部はベース板1900に形成された貫通孔(図示せず)を貫通してインバータ1700の内部に挿入され、内部のインバータ回路と電気的に接続されている。
ベース板1900にはガスの吸入吐出口1910が設けられている。また、ベース板1900には2つの電磁弁1400A,1400Bが取り付けられ、各電磁弁1400A,1400Bに対応してガスが流れる2つの貫通孔(ガス通路)1920a,1920bが設けられている。
電磁弁1400A,1400Bは三方弁であり、ガスの吸入吐出弁を構成する。一方の電磁弁1400Aが吸入状態にある場合、他方の電磁弁1400bは吐出状態となる。一方の電磁弁1400Aは吸入状態において吸入吐出口1910から吸入したガスを、貫通孔1920aを通じてケーシング1800の内部に流す。このとき、他方の電磁弁1400Bは吐出状態になっており、貫通孔1920bを通じたガスの流れを遮断する。
電磁弁1400Aを通じてケーシング1800の内部に流入したガスは、可動子2と端部部材4及びベース板1900との隙間を流れてシリンダ1200の内部に流れ、シリンダ1200を通じてドライヤ1600に流れる。更に、ガスはドライヤ1600からもう一方の電磁弁1400Bを通じて吐出される。電磁弁1400A及び電磁弁1400Bの吸入吐出の状態が入れ替わると、ガスの流れは上述した経路の逆を辿って流れる。シリンダ1200では必要に応じて流入したガスの圧縮を行う。ベース板1900の貫通孔1920bが設けられた側には、吸入吐出口1910に対応する位置に、図示しない吸入吐出口が設けられている。
シリンダ1200のシリンダヘッド1200Aには、ドライヤ1600がシリンダ1200の内部と連通可能な状態で取り付けられている。
実施例5によれば、推力を向上し、かつ渦電流損を低減させたリニアモータを用いるようにしているので、省エネルギー性に優れた圧縮機を提供することができる。
図28は、実施例6に係る冷蔵庫の構成図である。冷蔵庫2001は、冷蔵室2002の前面側に左右に分割された観音開きの冷蔵室扉2002aを備え、製氷室2003と、上段冷凍室2004と、下段冷凍室2005と、野菜室2006との前面側に、それぞれ引き出し式の製氷室扉2003a、上段冷凍室扉2004a、下段冷凍室扉2005a、野菜室扉2006aを備えている。
野菜室2006の背面側には、機械室2020が設けられ、機械室2020に圧縮機2024が配置されている。また、製氷室2003、上段冷凍室2004、及び下段冷凍室2005の背面側には、蒸発器室2008が設けられ、蒸発器室2008に蒸発器2007が設けられている。冷蔵庫2001では、圧縮機2024及び蒸発器2007のほか、図示しない放熱器、減圧手段であるキャピラリチューブ及び三方弁等が冷媒配管で接続され、冷凍サイクル2030が形成されている。
実施例6では、冷蔵庫2001の冷凍サイクル2030を構成する圧縮機2024に、上述した実施例1~4のいずれかのリニアモータ100を採用する。例えば、圧縮機2024として実施例5の圧縮機1000を採用するとよい。これにより、冷凍サイクル2030を構成する圧縮機2024の大形化を抑制することができる。そして冷蔵室及び冷凍室のために大きなスペースを確保することが可能になり、外形寸法を大きくすることなく大容量の冷蔵庫を提供することが可能になる。
実施例6によれば、冷凍サイクル2030を構成する圧縮機2024の大形化を抑制することができる。そして、実施例6によれば、冷蔵室及び冷凍室のために大きなスペースを確保することが可能になり、外形寸法を大きくすることなく大容量の冷蔵庫を提供することができる。さらに、実施例6によれば、推力を向上し、かつ渦電流損を低減させた圧縮機を用いるようにしているので、省エネルギー性に優れた冷蔵庫を提供することができ
る。
図29は、実施例7に係る車両用エアサスペンションの構成図である。実施例7では、4輪自動車等の車両に、車両用エアサスペンションを搭載した場合を例に挙げて説明する。
車体3002は、車両3001のボディを構成している。車体3002の下側には、左,右の前輪と左,右の後輪とからなる合計4個の車輪3003が設けられている。エアサスペンション3004は、車体3002と各車輪3003との間にそれぞれ設けられた4個の空気ばね3005と、空気圧縮機3006と、バルブユニット3008と、コントローラ3011とを備える。そして、エアサスペンション3004は、各空気ばね3005に対して空気圧縮機3006から圧縮空気が給排されることにより、車高調整を行う。
実施例7では、空気圧縮機3006の駆動モータとして、上述した実施例1~4のいずれかのリニアモータ100を採用する。例えば、空気圧縮機3006として実施例5の圧縮機1000を採用するとよい。空気圧縮機3006は、給排管路(配管)3007を通じてバルブユニット3008に接続されている。バルブユニット3008には、各車輪3003に対して設けられた、電磁弁からなる給排バルブ3008aが4個設けられている。バルブユニット3008と各車輪3003の空気ばね3005との間には、分岐管路3009(配管)が設けられている。空気ばね3005は、分岐管路3009、給排バルブ3008a、及び給排管路3007を介して、空気圧縮機3006に接続される。そして、バルブユニット3008は、コントローラ3011からの信号に応じて給排バルブ3008aを開,閉弁させることにより、各空気ばね3005に対して圧縮空気を給排し、車高調整を行う。
実施例7では、エアサスペンション3004を構成する空気圧縮機3006の大形化を抑制することができる。そして、車両3001における空気圧縮機3006の搭載スペースを小さくすることができ、空気圧縮機3006の配置の自由度が高まる。さらに、実施例7によれば、推力を向上し、かつ渦電流損を低減させた空気圧縮機を用いるようにしているので、燃費の悪化を抑制した車両用エアサスペンションを提供することができる。
〔その他の態様〕
各実施例では、電機子3を固定して界磁子(可動子2)が移動するムービングマグネット型を例示したが、界磁子を固定して電機子3を移動するムービングコイル型でもよい。
また、可動子2の上下方向それぞれに磁極歯301を設ける代わりに、可動子2の上下方向一方側に設ける構成でもよい。この場合、アーム部302は、一端が軟磁性体の床面に接触してコア300を支持することができる。
また、磁極歯301やアーム部302、ブリッジ部310はアモルファス金属を積層して構成してもよいし、圧粉磁心で構成してもよい。アモルファス金属を用いた場合は、磁極歯301やアーム部302、ブリッジ部310で発生する鉄損を低減する効果があり、圧粉磁心を用いた場合は、三次元的に任意な形状で構成することができる。
本発明は、モータ(リニアモータ)のほか、固定子1及び可動子2を相対移動させる種々の機器に適用できる。例えば、発電機、圧縮機、電磁サスペンション、位置決め装置等に用いても同様の効果が得られる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…固定子、2…可動子(界磁子)、3…電機子、4…端部部材、5…巻線、6…貫通ボルト、100…リニアモータ、200…磁極フレーム、210…永久磁石磁極、300…コア、301…磁極歯(電機子磁極)、302…アーム部、303…溝部、310…ブリッジ部、311…中央の凸部、320、321、330…スリット、1000…圧縮機、2001…冷蔵庫、3004…エアサスペンション

Claims (9)

  1. 界磁子と、前記界磁子の移動方向に電磁鋼板が積層されて構成された複数の電機子磁極を有し、前記界磁子の移動方向に対して平行方向及び直交方向に磁気回路を形成し、前記複数の電機子磁極が前記界磁子の進行方向に並んで備えられたリニアモータにおいて、
    前記電機子磁極には、前記界磁子との対向面の位置から反対向面側に延び、前記電機子磁極の外周表面の位置よりも対向面側の範囲内において形成されると共に、前記電磁鋼板を貫通した複数の第1スリットを設け
    前記複数の第1スリットは、前記界磁子の移動方向と直交し前記電機子磁極の幅方向となる左右方向に並んで設けられ、前記界磁子との対向面の位置から反対向面側に延びた長さが異なるように設けたことを特徴とするリニアモータ。
  2. 請求項に記載のリニアモータにおいて、
    前記複数の第1スリットは、前記電機子磁極の左右方向の外側に位置するスリットを、前記電機子磁極の左右方向の内側に位置するスリットよりも長くしたことを特徴とするリニアモータ。
  3. 請求項又はに記載のリニアモータにおいて、
    前記電機子磁極には、前記電機子磁極の外周表面の位置から前記界磁子との対向面に向かって延びた複数の第2スリットを設けたことを特徴とするリニアモータ。
  4. 請求項に記載のリニアモータにおいて、
    前記複数の第2スリットは、前記電機子磁極の左右方向の外側に位置するスリットを、前記電機子磁極の左右方向の内側に位置するスリットよりも短くしたことを特徴とするリニアモータ。
  5. 請求項に記載のリニアモータにおいて、
    前記複数の第1スリットと前記複数の第2スリットとは、前記電機子磁極の左右方向において互い違いに配置されたことを特徴とするリニアモータ。
  6. 界磁子と、前記界磁子の移動方向に電磁鋼板が積層されて構成された複数の電機子磁極を有し、前記界磁子の移動方向に対して平行方向及び直交方向に磁気回路を形成し、前記複数の電機子磁極が前記界磁子の進行方向に並んで備えられたリニアモータにおいて、
    前記電機子磁極には、前記界磁子との対向面の位置から反対向面側に延び、前記電機子磁極の外周表面の位置よりも対向面側の範囲内において形成されると共に、前記電磁鋼板を貫通した複数の第1スリットを設け、
    前記複数の電機子磁極間には、前記界磁子の進行方向と直交方向に積層された電磁鋼板からなるブリッジ部が備えられ、
    前記ブリッジ部は、前記複数の電機子磁極における前記界磁子の反対向面側の端部位置を超えるように伸長させたことを特徴とするリニアモータ。
  7. シリンダと、前記シリンダの内側で往復動するピストンとを備えると共に、前記ピストンを駆動する駆動モータを備えた圧縮機において、
    前記駆動モータとして前記請求項1乃至の何れか1項に記載のリニアモータを備えたことを特徴とする圧縮機。
  8. 冷蔵室、冷凍室を備え、圧縮機の駆動により冷凍サイクルが動作することで冷却される冷蔵庫において、
    前記圧縮機として、請求項に記載の圧縮機を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
  9. 車体と車輪との間に備えられた空気ばねと、前記空気ばねに圧縮空気を給排する空気圧縮機とを備えた車両に搭載される車両用エアサスペンションにおいて、
    前記空気圧縮機として、請求項に記載の圧縮機を備えたこと特徴とする車両用エアサスペンション。
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