JP7344252B2 - 摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合用治具、および摩擦攪拌接合装置 - Google Patents

摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合用治具、および摩擦攪拌接合装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合用治具、および摩擦攪拌接合装置に関する。
摩擦攪拌接合(FSW;Friction Stir Welding)においては、回転する工具の押圧力と回転力によって接合する部材(母材)の材料を塑性流動させる。
例えば、摩擦攪拌接合に用いられる工具には、円柱状の基部、基部の一方の端部に設けられたショルダ、及び、ショルダと同芯に設けられ、ショルダから突出する撹拌ピンが設けられている。一般的に攪拌ピンの側面にはねじ溝が設けられている。摩擦攪拌接合を行う際には、回転させた接合工具をショルダが母材表面に十分に接触するように接合する部材へ挿入し、接合する部材の表面と平行な方向へ移動させる。回転させたショルダと撹拌ピンが母材と接触して摩擦熱が発生し、この熱で軟化した母材が接合工具の押圧力と回転力によって塑性流動する。攪拌ピンの側面のねじ溝の働きにより、軟化した母材には回転方向および部材の裏面側(工具が挿入される側とは反対側)へ向かう螺旋軌道の塑性流動が生じる。ここで、母材の全板厚を接合する場合、塑性流動の範囲が母材の裏面側へ到達するように工具の母材への挿入深さや工具の回転数などを調整する。
ここで、接合する部材は、裏当て(例えば、摩擦攪拌接合装置のステージなど)に載置される。そのため、塑性流動させた材料が部材の裏面側に到達すると、部材の接合部分と、裏当てとが接合される場合がある。部材の接合部分と、裏当てとが接合されると、接合された部材を裏当てから取り外すのが困難となる。
そこで、部材の接合部分と、裏当てとの間に、板状の中間材を挿入する方法が提案されている。中間材が挿入されていれば、中間材と裏当ては接合されないため、接合された部材を裏当てから取り外すのが容易となる。
ところが、単に、部材の接合部分と、裏当てとの間に、中間材を挿入すると、摩擦攪拌接合を行った際の熱と圧力で、中間材と部材が接合してしまう。特に接合する部材と中間材が同じ材質か近い材質の場合、部材と中間材は強固に接合する。部材の接合部分に接合された中間材は、機械加工により除去する必要がある。そのため、生産性の向上に改善の余地があった。
特許第4599608号公報 特許第4543204号公報
本発明が解決しようとする課題は、生産性の向上を図ることができる摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合用治具、および摩擦攪拌接合装置を提供することである。
実施形態に係る摩擦攪拌接合方法は、裏当ての少なくとも1つの面に、無機材料と有機材料とを含む膜部を設ける工程と、前記膜部の上に接合する部材の付き合わせ部が載るように、前記接合する部材を前記裏当ての上へ搭載する工程と、前記部材の突き合わせ部分へ、前記膜部側とは反対側から、回転させた摩擦攪拌接合工具を挿入する工程と、を備えている。前記無機材料は層状結晶構造を有する。
(a)~(d)は、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合方法を例示するための模式工程断面図である。 (a)~(d)は、他の実施形態に係る摩擦攪拌接合方法を例示するための模式工程断面図である。 本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置を例示するための模式図である。 除去装置を例示するための模式図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(摩擦攪拌接合方法および摩擦攪拌接合用治具)
図1(a)~(d)は、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合方法を例示するための模式工程断面図である。
まず、図1(a)に示すように、裏当て101の表面に膜部1を形成する。
なお、一例として、2つの部材71、72を突き合わせ接合する場合を説明するが、1つの部材の一方の端部と、他方の端部とを突き合わせ接合してもよい。
膜部1は、例えば、無機材料、有機材料、および溶媒を混合して塗布液を生成し、生成した塗布液を裏当て101の表面に塗布し、塗布した塗布液を乾燥させることで形成することができる。形成された膜部1は、無機材料と、有機材料と、を含んでいる。
形成される膜部1の平面形状や平面寸法には特に限定がない。例えば、膜部1は、裏当て101の、部材71、72が載置される領域を覆う様に設けることができる。膜部1の厚みには、特に限定がない。例えば、膜部1の厚みは、部材71、72が載置される領域に裏当て101の表面が露出しない程度であればよい。
ただし、膜部1の厚みのばらつきが大きくなると、載置された部材71、72の傾きが大きくなり、部材71、72の接合部分の品質が悪くなるおそれがある。そのため、膜部1の厚みは、なるべく均一となるようにすることが好ましい。例えば、スプレー法、コーター法などにより塗布液を塗布すれば、膜部1の厚みを均一にするのが容易となる。
塗布液に混合させる無機材料の形態には特に限定がない。無機材料は、例えば、粉状体などとすることができる。
無機材料は、部材71、72の材料の融点よりも高い融点を有する。無機材料は、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、層状結晶構造を有する固体潤滑剤などとすることができる。層状結晶構造を有する固体潤滑剤は、例えば、二硫化モリブデン(MoS)、窒化ホウ素(BN)、二硫化タングステン(WS)、石墨(C)などである。
層状結晶構造を有する固体潤滑剤は、層と層を繋ぐ結合が弱いので、せん断力が加わると層間に滑りが生じ易い。そのため、無機材料として層状結晶構造を有する固体潤滑剤を用いれば、後述する工程において、接合された部材71、72を裏当て101から取り外す際に、膜部1を容易に破断させることができる。そのため、接合された部材71、72を裏当て101から容易に分離させることができる。また、後述する工程において、部材71、72に付着した膜部1の一部1aを除去する際に、膜部1の一部1aに含まれている有機材料とともに無機材料を容易に除去することができる。
有機材料には特に限定がない。有機材料は、例えば、溶媒により溶解させたり、溶媒により軟化させたりすることができ、且つ、層状結晶構造を有する固体潤滑剤などの無機材料と親和性がある樹脂とすることができる。樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アクリル樹脂などとすることができる。
溶媒は、有機材料の種類などに応じて適宜選択することができる。
次に、図1(b)に示すように、摩擦攪拌接合により、部材71と部材72を突き合わせ接合する。
例えば、まず、膜部1の裏当て101側とは反対側に、部材71、72の突き合わせ部分を設ける。この際、部材71の側面と部材72の側面とを接触させる。
部材71、72の材料は、摩擦攪拌接合法により塑性流動させることができるものであれば特に限定はない。部材71、72の材料は、例えば、金属とすることができる。金属は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金、および鉄などとすることができる。また、部材72の材料は、部材71の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
部材71、72の形状には特に限定はない。例えば、図1(b)に示すように、板状の部材71、72とすることもできるし、ブロック状の部材71、72とすることもできる。
続いて、部材71、72の突き合わせ部分(部材71と部材72の接触部分)の、膜部1側とは反対側から、回転させた摩擦攪拌接合工具200(以下、単に、工具200と称する)を部材71、72の突き合わせ部分の内部に挿入する。例えば、工具200の端部に設けられたショルダ200aと撹拌ピン200bを突き合わせ部分の内部に挿入する。例えば、撹拌ピンの先端を、部材71、72の板厚の90%以上の深さまで挿入する。
回転する工具200の押圧力と回転力によって、接合する部材71、72の材料が塑性流動する。塑性流動した材料は、部材71、72の裏面側に向かう工具200を中心とする螺旋軌道で流動し、流動した材料が部材71、72の裏面側に到達すると、部材71、72の表面側に向かって流動する。部材71、72の表面側に向かって流動した材料は、ショルダ200aにより接合部外への流出を抑制されるが、一部は部材71,72の外へ流出し、接合部バリとなる。
続いて、回転させた工具200を、部材71、72の突き合わせ部分に沿って移動させ、所定の位置において、工具200を部材71、72から引き抜く。
回転させた工具200を、突き合わせ部分に沿って移動させることで、突き合わせ部分に線状の接合部70が形成される。
次に、図1(c)に示すように、突き合わせ接合された部材71、72を裏当て101から取り外す。例えば、突き合わせ接合された部材71、72を裏当て101から持ち上げる。
前述したように、部材71、72と裏当て101との間には、膜部1が設けられている。膜部1が設けられていれば、部材71と部材72を接合した際の熱と圧力で、部材71、72が裏当て101に接合されるのを抑制することができる。そのため、接合された部材71、72を裏当て101から分離し易くなる。
ここで、膜部1が部材71、72に付着する場合がある。この場合、接合部70と裏当て101との間にある膜部1には、膜部1の他の部分に比べて、より多くの熱と、より高い圧力が加わる。そのため、接合部70には、膜部1が付着し易くなる。
しかしながら、膜部1は、有機材料を含み、厚みも薄いので強度が低い。そのため、部材71、72を裏当て101から取り外す際に、部材71、72に付着した膜部1を破断させることができる。そのため、膜部1が部材71、72に付着したとしても、接合された部材71、72を裏当て101から分離し易くなる。
また、膜部1が、層状結晶構造を有する固体潤滑剤を含んでいれば、膜部1をさらに容易に破断させることができる。そのため、接合された部材71、72を裏当て101からさらに分離し易くなる。
ここで、部材71、72に付着した膜部1を破断させれば、膜部1の一部1aが、部材71、72に付着することになる。図1(c)に例示をした膜部1の一部1aは、接合部70に付着している。
そのため、次に、図1(d)に示すように、接合された部材71、72に付着した膜部1の一部1aを除去する。
膜部1は、無機材料を保持するバインダとなる有機材料を含んでいる。有機材料は、無機材料よりも耐薬品性が低い。そのため、例えば、酸やアルカリなどの薬剤を用いて、有機材料を除去することができる。有機材料を除去すれば、有機材料に保持されている無機材料の大部分を除去することができる。薬剤は、有機材料の種類に応じて適宜選択することができる。
また、接合された部材71,72に付着した膜部1の一部1aへレーザ光Lを照射して膜部1の一部1aを除去できる。レーザ光Lとしては、例えば波長1μmの赤外パルスレーザ光を使用する。極短時間に光を発振させて放出するパルスレーザでは、連続発振するCWレーザよりも最大強度が高くなる。このパルスレーザ光をある程度光を吸収する物体へ照射すると、物体で昇華・蒸発が起こると共にレーザ光による衝撃で物体が損傷する。このようなパルスレーザ光を、光吸収率が異なる2つの物体へ照射した場合、光吸収率が高い物体だけを選択的に損傷させ、除去することができる。例えば部材71、72が銅で膜部1の材料が石墨である場合、銅の波長1μmの光の吸収率は約6%で、石墨の光吸収率は約85%である。このような場合に部材71、72に付着した膜部1の一部1aへパルスレーザ光を適切な出力で照射すると、部材71、72に損傷をほとんど与えずに膜部1の一部1aを除去できる。
ここで、薬剤を用いて、接合された部材71、72に付着した膜部1の一部1aを除去すると、部材71、72に付着した薬剤を除去する必要がある。また、部材71、72の材料によっては、薬剤が使えない場合がある。さらに、膜部1を構成する無機物のうち、部材71、72の表面に食い込んでいるものは部材71、72の表面に残り、完全に除去することは難しい。
この場合、レーザ光Lを照射して、接合された部材71、72に付着した膜部1の一部1aを除去すれば、部材71、72に付着している薬剤を洗浄などで除去するのを省くことができる。また、膜部1の一部1aを完全に除去できる。
以上の様にして、部材71と部材72を突き合わせ接合することができる。
本実施の形態に係る摩擦攪拌接合方法とすれば、接合された部材71、72に付着した膜部1の一部1aを容易に除去することができる。そのため、生産性の向上を図ることができる。
図2(a)~(d)は、他の実施形態に係る摩擦攪拌接合方法を例示するための模式工程断面図である。
まず、図2(a)に示すように、裏当て101の表面に、摩擦攪拌接合用治具3を設ける。摩擦攪拌接合用治具3は、例えば、基部2と、基部2の一方の面に設けられた膜部1と、を有する。この場合、膜部1が裏当て101側とは反対側になるように、摩擦攪拌接合用治具3を裏当て101の一方の側に設ける。摩擦攪拌接合用治具3は、裏当て101に着脱可能に設けることができる。例えば、摩擦攪拌接合用治具3は、裏当て101の表面に設けられた凹部101aの内部に設けることができる。凹部101aの深さは、例えば、基部2の厚みと略同じとすることができる。
ここで、図1(a)~(d)に例示をした摩擦攪拌接合方法においては、裏当て101の表面に膜部1を直接形成している。
これに対して、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合方法においては、膜部1を有する摩擦攪拌接合用治具3を用いる。前述したように、接合された部材71、72を裏当て101から分離した際に、膜部1の一部が破断する場合がある。膜部1の一部が破断すると、次の部材71、72を摩擦攪拌接合する前に、破断した膜部1を修復する必要がある。
裏当て101の表面に膜部1が直接形成されている場合には、例えば、破断した膜部1を裏当て101から剥がし、裏当て101の表面に膜部1を再度形成する。しかしながら、この様にすると生産性が低下するおそれがある。
本実施の形態に係る摩擦攪拌接合方法においては、膜部1を有する摩擦攪拌接合用治具3を用いるので、膜部1の一部が破断した際には、他の摩擦攪拌接合用治具3と交換すれば良い。摩擦攪拌接合用治具3は、予め作製しておくことができるので、摩擦攪拌接合用治具3の迅速な交換を行うことができる。そのため、生産性の向上を図ることができる。
また、裏当て101の表面に設けられた凹部101aの内部に、摩擦攪拌接合用治具3を設けるようにすれば、摩擦攪拌接合用治具3の位置決めと保持を行える。
基部2は、板状を呈している。基部2の平面形状と平面寸法には特に限定はない。基部2の平面形状と平面寸法は、例えば、接合された部材71、72の平面形状と平面寸法と略同じとすることができる。基部2の厚みは、ある程度の剛性を有することができれば特に限定がない。基部2の厚みは、例えば、部材71、72の厚みよりも薄くすることができる。
基部2の材料は、例えば、金属とすることができる。基部2の融点は、部材71、72の融点よりも高くすることができる。基部2の融点が、部材71、72の融点よりも高ければ、摩擦攪拌接合を行った際に、基部2が溶融するのを抑制できる。基部2の材料は、例えば、鉄、ステンレス、タングステンなどとすることができる。
次に、図2(b)に示すように、摩擦攪拌接合により、部材71と部材72を突き合わせ接合する。
例えば、まず、摩擦攪拌接合用治具3に設けられた膜部1の、裏当て101側とは反対側に、部材71、72の突き合わせ部分を設ける。この際、部材71の側面と部材72の側面とを接触させる。
続いて、回転させた工具200を、部材71、72の突き合わせ部分の内部に挿入して、摩擦攪拌接合を行う。摩擦攪拌接合の手順などは、前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
次に、図2(c)に示すように、突き合わせ接合された部材71、72を裏当て101から取り外す。部材71、72と裏当て101との間には、膜部1を有する摩擦攪拌接合用治具3が設けられているので、接合された部材71、72を裏当て101から分離し易くなる。なお、膜部1の作用および効果は、前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
次に、図2(d)に示すように、接合された部材71、72に付着した膜部1の一部1aを除去する。なお、膜部1の一部1aの除去は、前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る摩擦攪拌接合方法とすれば、接合された部材71、72に付着した膜部1の一部1aを容易に除去することができる。また、膜部1が破断した摩擦攪拌接合用治具3を、他の摩擦攪拌接合用治具3と容易に交換することができる。そのため、生産性のさらなる向上を図ることができる。
また、裏当て101の表面に設けられた凹部101aの内部に、摩擦攪拌接合用治具3を設けるようにすれば、摩擦攪拌接合用治具3の位置決めと保持を行うことができる。そのため、摩擦攪拌接合用治具3の交換が容易となる。
(摩擦攪拌接合装置)
次に、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置100について例示をする。
図3は、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置100を例示するための模式図である。 なお、図3中の矢印X、Y、Zは、互いに直交する三方向を表している。例えば、矢印Zは鉛直方向を表し、矢印Xと矢印Yは水平方向を表している。
図3に示す摩擦攪拌接合装置100は、部材71、72を突き合わせ、突き合わせた部分を接合する。
摩擦攪拌接合装置100は、例えば、床面などに設置することができる。
図3に示すように、摩擦攪拌接合装置100には、例えば、摩擦攪拌接合用治具3、ステージ103、加工部104、移動部105、およびフレーム106が設けられている。
摩擦攪拌接合用治具3は、裏当て101の表面に設けられた凹部101aの内部に設けられる。なお、摩擦攪拌接合用治具3に代えて、裏当て101の表面に膜部1を設けることもできる。すなわち、裏当て101の少なくとも1つの面に、無機材料と有機材料とを含む膜部1が設けられていればよい。ただし、前述したように、摩擦攪拌接合用治具3を設ければ生産性の向上を図ることができる。
裏当て101には、部材71、72を突き合わせた状態で載置する。
部材71、72は、例えば、アルミニウム合金、銅合金などから形成された板材とすることができる。
ステージ103は、裏当て101、および保持部102を有する。
裏当て101は、例えば、金属板とすることができる。例えば、裏当て101は、工具鋼や炭素鋼などから形成される。ただし、裏当て101の材料は例示をしたものに限定されるわけではない。摩擦攪拌接合用治具3を用いる場合には、裏当て101の表面に凹部101aが設けられる。摩擦攪拌接合用治具3を用いない場合には、裏当て101の表面に膜部1が設けられる。
保持部102は、例えば、裏当て101の、摩擦攪拌接合用治具3または膜部1が設けられる面に設けられる。保持部102は、部材71、72を互いに近接する方向(例えば、Y方向)に加圧するとともに、裏当て101に押し付ける。保持部102は、例えば、チャックなどとすることができる。
加工部104は、工具200を保持する。加工部104は、中心軸104aを中心として工具200を回転させる。また、加工部104は、回転させた工具200の位置を変化させる。例えば、加工部104は、回転させた工具200のZ方向における位置を変化させて、ショルダ200aと撹拌ピン200bを、部材71、72の突き合わせ部分の内部に挿入する。すなわち、加工部104は、膜部1の、ステージ103側(裏当て101側)とは反対側に設けられた部材71、72の突き合わせ部分に、回転させた工具200を挿入する。
加工部104は、例えば、サーボモータなどの制御モータ104bを備えている。
移動部105は、フレーム106に設けらる。移動部105の上には、ステージ103が取り付けられる。移動部105は、ステージ103のX方向における位置を変化させる。また、移動部105は、ステージ103のX方向およびY方向における位置を変化させるようにしてもよい。移動部105は、例えば、一軸テーブルや二軸テーブル(XYテーブル)などである。
移動部105は、ステージ103を介して、部材71、72の位置を変化させる。例えば、移動部105は、X方向における部材71、72の位置を変化させて、回転させた工具200が挿入された位置を移動させる。そのため、部材71、72の突き合わせ部分を線状に接合することができる。
フレーム106には、加工部104および移動部105が取り付けられる。例えば、加工部104は、移動部105の上方に取り付けられる。
図4は、除去装置300を例示するための模式図である。
除去装置300は、接合された部材71、72に付着した膜部1の一部1aにレーザ光Lを照射する。
例えば、除去装置300は、摩擦攪拌接合装置100のステージ103に設けることもできるし、摩擦攪拌接合装置100と離隔した位置に設けることもできる。
図4に示すように、除去装置300は、例えば、レーザ発振器301、光ファイバ302、および照射ヘッド303を有する。
レーザ発振器301は、例えば、近赤外波長のレーザ光Lを発振させる。例えばレーザ光Lの波長は1.06μmであり、繰り返し周波数は100kHzである。レーザ発振器301は、例えば、YAGレーザ発振器、ファイバーレーザ発振器などとすることができる。
光ファイバ302は、レーザ発振器301と照射ヘッド303との間に設けられている。光ファイバ302は、レーザ発振器301から出射されたレーザ光Lを照射ヘッド303に伝送する。
照射ヘッド303は、膜部1の一部1aに向けてレーザ光Lを照射する。
照射ヘッド303は、例えば、ケース303a、集光部303b、および照射位置制御部303cを有する。
ケース303aは、筒状を呈している。ケース303aの側面には、窓303a1が設けられている。窓303a1は、例えば、石英から形成される。
集光部303bは、ケース303aの内部に設けられている。集光部303bは、光ファイバ302から出射したレーザ光Lを集光する。集光部303bは、少なくとも1つのレンズを有する。図4に例示をした集光部303bには3つのレンズが設けられている。レンズは、例えば、凸レンズなどとすることができる。
照射位置制御部303cは、ケース303aの内部に設けられている。照射位置制御部303cは、集光部303bにより集光されたレーザ光Lを反射し、窓303a1を介して、膜部1の一部1aにレーザ光Lを照射する。また、照射位置制御部303cは、レーザ光Lの照射位置を制御する。
照射位置制御部303cは、例えば、ミラー303c1、および制御部303c2を有する。
ミラー303c1は、ケース303aの中心軸に対して傾いている。また、ミラー303c1は、ケース303aの中心軸に対して揺動可能に設けられている。
制御部303c2は、ミラー303c1の傾斜角度を制御する。制御部303c2は、例えば、サーボモータなどの制御モータを備えたものとすることができる。制御部303c2により、ミラー303c1の傾斜角度を変えれば、接合された部材71、72の表面におけるレーザ光Lの照射位置を変えることができる。
照射位置制御部303cが設けられていれば、所望の範囲にレーザ光Lを照射することができる。
また、除去装置300には、ブロー装置304をさらに設けることができる。
ブロー装置304は、例えば、アルゴンガスなど不活性のガスGを、照射ヘッド303と、接合された部材71、72との間に供給する。ブロー装置304が設けられていれば、除去された有機材料、および除去された無機材料を外部に排出することができる。そのため、接合された部材71、72と窓303a1が汚れるのを抑制することができる。また、部材71、72の酸化を抑制できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 膜部、1a 膜部の一部、2 基部、3 摩擦攪拌接合用治具、70 接合部、71 部材、72 部材、100 摩擦攪拌接合装置、101 裏当て、101a 凹部、102 保持部、103 ステージ、104 加工部、200 摩擦攪拌接合工具、200a ショルダ、200b 撹拌ピン、300 除去装置、301 レーザ発振器、303 照射ヘッド、303c 照射位置制御部、304 ブロー装置、L レーザ光、G ガス

Claims (13)

  1. 裏当ての少なくとも1つの面に、無機材料と有機材料とを含む膜部を設ける工程と、
    前記膜部の上に接合する部材の付き合わせ部が載るように、前記接合する部材を前記裏当ての上へ搭載する工程と、
    前記部材の突き合わせ部分へ、前記膜部側とは反対側から、回転させた摩擦攪拌接合工具を挿入する工程と、
    を備え
    前記無機材料は層状結晶構造を有する摩擦攪拌接合方法。
  2. 板状の基部と、前記基部の少なくとも1つの面に設けられた無機材料と有機材料とを含む膜部と、を有する摩擦攪拌接合用治具を、前記膜部が裏当て側とは反対側になるように、前記裏当ての一方の側に設ける工程と、
    前記膜部の上に接合する部材の付き合わせ部が載るように、前記接合する部材を前記裏当ての上へ搭載する工程と、
    前記部材の突き合わせ部分へ、前記膜部側とは反対側から、回転させた摩擦攪拌接合工具を挿入する工程と、
    を備えた摩擦攪拌接合方法。
  3. 前記基部の融点は前記部材の融点よりも高い請求項に記載の摩擦攪拌接合方法。
  4. 前記無機材料は層状結晶構造を有する請求項2または記載の摩擦攪拌接合方法。
  5. 突き合わせ接合された前記部材に付着した前記膜部に、レーザ光を照射する工程をさらに備えた請求項1~4のいずれか1つに記載の摩擦攪拌接合方法。
  6. 前記層状結晶構造を有する前記無機材料は、二硫化モリブデン(MoS)、窒化ホウ素(BN)、二硫化タングステン(WS)、および石墨(C)の少なくともいずれかである請求項1または4に記載の摩擦攪拌接合方法。
  7. 摩擦攪拌接合を行う際に、裏当てと、部材の突き合わせ部分と、の間に設けられ、
    板状を呈する基部と、前記基部の面に設けられ、無機材料と有機材料とを含む膜部と、を有し、前記膜部が前記裏当て側とは反対側になるように、前記裏当ての一方の側に設けられる摩擦攪拌接合用治具。
  8. 前記基部の融点は前記部材の融点よりも高い請求項記載の摩擦攪拌接合用治具。
  9. 前記無機材料は層状結晶構造を有する請求項またはに記載の摩擦攪拌接合用治具。
  10. 前記層状結晶構造を有する前記無機材料は、二硫化モリブデン(MoS)、窒化ホウ素(BN)、二硫化タングステン(WS)、および石墨(C)の少なくともいずれかである請求項9記載の摩擦攪拌接合用治具。
  11. 裏当てと、
    前記裏当ての一方の側に設けられ、無機材料と有機材料とを含む膜部と、
    前記膜部の、前記裏当て側とは反対側に設けられる部材の突き合わせ部分に、回転させた摩擦攪拌接合工具を挿入可能な加工部と、
    を備え
    前記無機材料は層状結晶構造を有する摩擦攪拌接合装置。
  12. 板状を呈し、前記膜部が設けられ、前記裏当ての一方の側に着脱可能に設けられた基部をさらに備えた請求項11記載の摩擦攪拌接合装置。
  13. 前記層状結晶構造を有する前記無機材料は、二硫化モリブデン(MoS)、窒化ホウ素(BN)、二硫化タングステン(WS)、および石墨(C)の少なくともいずれかである請求項11または12に記載の摩擦攪拌接合装置。
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