JP7343060B2 - 集電シート用樹脂フィルム、集電シート、集電シート付き太陽電池素子、および太陽電池 - Google Patents

集電シート用樹脂フィルム、集電シート、集電シート付き太陽電池素子、および太陽電池 Download PDF

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Description

本開示は、集電シート用フィルム、集電シート、集電シート付き太陽電池素子、および太陽電池に関する。
近年、二酸化炭素が原因とされる地球温暖化が世界的に問題となっている。この問題に対し、環境にやさしく、クリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池が注目され、積極的な研究開発が進められている。
太陽電池は、例えば、複数の太陽電池素子を接続したモジュールの形態で用いられる。
太陽電池素子同士を接続する方法としては、例えば、バスバーと称される幅2mm~5mm程度の帯状の導線を用いて太陽電池素子同士を接続する方法が従来から用いられている。バスバーを用いた接続方法は、太陽電池モジュールにおいてバスバーが配置された領域では太陽光が物理的に遮断されるため、太陽電子素子への太陽光の入射量が減少してしまうという課題がある。
これに対し、近年、例えば、直径150μm以上300μm以下程度のワイヤ(細線状の導線)を用いて太陽電池素子同士を接続する、マルチワイヤ接続と称される方法が採用され始めている。マルチワイヤ接続において、ワイヤを太陽電池素子に固定する方法としては、例えば、熱溶着性を有する樹脂フィルムにワイヤを埋め込んで集電シートとし、上記集電シートを太陽電池素子に熱圧着することにより固定する方法が挙げられる(特許文献1および2)。
国際公開第2004/021455号 国際公開第2017/076735号
近年、太陽電池はさらなる発電効率の向上および高寿命化が求められている。これに伴い、マルチワイヤ接続に用いられる集電シートの樹脂フィルムとしては、紫外線透過率および紫外線耐性が良好であることが求められる。
本開示は上記実情に鑑みてなされた発明であり、紫外線透過率および紫外線耐性が良好な集電シート用樹脂フィルム、これを用いた集電シート、および集電シート付き太陽電池素子、ならびに光の利用効率が高い太陽電池を提供することを主目的とする。
本開示は、太陽電池の集電シートに用いられる集電シート用樹脂フィルムであって、耐熱層と、上記耐熱層の一方の面側に配置された封止層とを備え、上記耐熱層はポリプロピレン樹脂を含有する、集電シート用樹脂フィルムを提供する。
また、本開示は、太陽電池に用いられる集電シートであって、上述の集電シート用樹脂フィルムと、上記集電シート用樹脂フィルムの上記封止層側の面側に配置されたワイヤとを備える、集電シートを提供する。
また、本開示は、上述の集電シートと、上記集電シートの上記封止層側の面側に配置され、上記ワイヤと電気的に接続された太陽電池素子とを備える、集電シート付き太陽電池素子を提供する。
さらに、本開示は、透明基板、第1封止材、上記記載の集電シート付き太陽電池素子、第2封止材、および対向基板がこの順に配置された、太陽電池を提供する。
本開示の集電シート用樹脂フィルムは、紫外線透過率および紫外線耐性が良好であるといった効果を奏する。また、本開示の太陽電池は、光の利用効率が高いといった効果を奏する。
本開示の集電シート用樹脂フィルムを例示する概略断面図である。 本開示の集電シート用樹脂フィルムを例示する概略断面図である。 本開示の集電シートを例示する概略平面図および概略断面図である。 本開示の集電シートを例示する概略断面図である。 本開示の集電シートを例示する概略平面図である。 本開示の集電シート付き太陽電池素子を例示する概略斜視図および概略断面図である。 本開示の太陽電池を例示する概略平面図である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。同様に、本明細書において、「ある部材の面側に」と表記する場合、特段の断りのない限りは、ある部材の面に接するように直接、他の部材を配置する場合と、ある部材の面に別の部材の介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
また、本明細書において、「フィルム」、「シート」、「基板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。
上述したように、太陽電池モジュールにおいて、マルチワイヤ接続によって、複数の太陽電池素子を接続させる場合、太陽電池素子にワイヤを固定する方法としては、例えば、樹脂フィルムおよびワイヤを有する集電シートを太陽電池素子に熱圧着することにより、太陽電池素子にワイヤを固定する方法が挙げられる。集電シートに用いられる樹脂フィルムは、コネクティングフィルムとも称される。集電シートに用いられる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)を含む耐熱層と、ポリオレフィン樹脂を含む封止層とを有する樹脂フィルムが広く用いられている。
PET樹脂は融点が260℃程度であり耐熱性が高い。また、PET樹脂はフィルム状に成形したとき良好な剛性が得られる。そのため、PET樹脂を含む集電シートは、熱圧着時に樹脂フィルムによってワイヤを太陽電池素子に押し当てることができ、太陽電池素子に対しワイヤを良好に固定することができる。一方で、PET樹脂は紫外線透過率が悪く、紫外線を吸収して黄変しやすい。また、PET樹脂は紫外線のダメージにより、クラック、破断等が生じやすい。そのため、PET樹脂を含む集電シートは、太陽電池に組み込んだ際、例えば集電シートより外部側に配置される封止材に紫外線吸収剤を添加する必要がある。
ところで、太陽電池素子としては、太陽光の紫外線領域によっても発電可能な構成を有するものが広く用いられている。そのため、光の利用効率を高める観点からは、太陽電池素子とともに用いられる集電シートの樹脂フィルムとしては、紫外線透過率が高く、紫外線耐性が良好であることが求められる。そこで、PET樹脂を含む樹脂フィルムに紫外線耐性を付与する改良方法として、例えば、添加剤を加えるといった改良方法が検討されているが、所望の紫外線透過率および紫外線耐性を有する樹脂フィルムを得ることは難しいのが実情である。
上記実情に鑑みて、本開示の発明者らが鋭意研究を重ねたところ、耐熱層の樹脂として、PET樹脂の代わりにポリプロピレン樹脂(PP樹脂)を用いることで、集電シートとして利用可能な剛性を有し、紫外線透過率および紫外線耐性が良好な樹脂フィルムが得られることを知見し、発明を完成させるに至った。以下、本開示の樹脂フィルム、およびこれを用いた集電シート、集電シート付き太陽電池素子、および太陽電池の詳細を説明する。
なお、本明細書において、「紫外線」とは、波長400nm以下の波長の光線をいう。本明細書における「紫外線」は、エアマス1.5の太陽光スペクトルの中で紫外光となる300nm以上400nm以下の波長を含んだ光線である。
A.集電シート用樹脂フィルム
本開示の集電シート用樹脂フィルムは、太陽電池の集電シートに用いられる集電シート用樹脂フィルムであって、耐熱層と、上記耐熱層の一方の面側に配置された封止層とを備え、上記耐熱層はポリプロピレン樹脂を含有する。
本開示の集電シート用樹脂フィルムについて図を用いて説明する。図1は本開示の集電シート用樹脂フィルムを例示する概略断面図である。図1に示す集電シート用樹脂フィルム10は、耐熱層1と、耐熱層1の一方の面側に配置された封止層2とを有し、耐熱層1は、ポリプロピレン樹脂を含有する。後述する図3(a)~(b)で説明するように、樹脂フィルム10は、ワイヤ11とともに集電シート20を構成する。また、後述する図6(a)~(c)で説明するように、樹脂フィルム10は、太陽電池素子31に電気的に接続されたワイヤ11を固定するために用いられる。
本開示によれば、耐熱層がポリプロピレン樹脂を含有することから、紫外線透過率および紫外線耐性が良好であり、集電シートに利用可能な剛性を有する樹脂フィルムとなる。さらに、集電シート用樹脂フィルムは剛性を有することから、集電シート用樹脂フィルムを用いて太陽電池素子にワイヤを固定する等の加熱工程において、集電シート用樹脂フィルムの熱収縮を抑え、カール変形を抑制できる。
I.集電シート用樹脂フィルムの構成
本開示に用いられる集電シート用樹脂フィルムは、耐熱層と、封止層とを少なくとも有する。
1.耐熱層
上記耐熱層は、集電シート用樹脂フィルムに耐熱性を付与する層である。ここで、「耐熱性」とは、集電シート用樹脂フィルムを用いて太陽電池素子にワイヤを固定する等の太陽電池の製造工程において加わる熱、および太陽電池の使用環境における熱に対する耐久性をいう。
(1)耐熱層の特性
本開示に用いられる耐熱層は、以下の特性を有することが好ましい。
(a)融点
上記耐熱層を構成する樹脂の融点は、所望の耐熱性を示すことができれば特に限定されるものではないが、例えば、80℃以上であり、120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。また、耐熱層を構成する樹脂の融点の上限は、通常、200℃以下である。耐熱層を構成する樹脂の融点が低すぎる場合は太陽電池の製造工程中や太陽電池の使用中に集電シート用樹脂フィルムが著しく劣化する可能性があるからである。また、上記樹脂の融点が高すぎる場合は、フィルム状に成形することが困難となる可能性や、集電シート用樹脂フィルムの製造時において樹脂を融解するための温度を高くする必要があることから製造コストが増大する可能性があるからである。
本開示において、樹脂の融点は、プラスチックの転移温度測定方法(JIS K7121:1987)に準拠し、示差走査熱量分析(DSC)により行うことができる。なお、その際、融点ピークが2つ以上存在する場合は高い温度の方を融点とする。
(b)貯蔵弾性率
また、本開示の集電シート用樹脂フィルムは、太陽電池に用いられる際に集電シートとして太陽電池素子に密着して配置される。この際、集電シート用樹脂フィルムには、ワイヤを太陽電池素子に対して押し付けて電気的に接続させる程度の剛性を有することが好ましい。このような剛性は耐熱層により付与されるため、上記耐熱層は、所定の剛性を有することが好ましい。
このような剛性は、例えば、貯蔵弾性率により評価することができる。上記耐熱層の150℃における貯蔵弾性率は、例えば、0.1MPa以上1.0GPa以下であり、1.0MPa以上100MPa以下であることが好ましい。上記範囲より上記貯蔵弾性率が小さい場合は、耐熱層の剛性が充分ではないことから、集電シート用樹脂フィルムとしての剛性も不十分となり、太陽電池素子に集電シートを配置した際に、ワイヤと太陽電池素子との接触が不十分となるといった不具合が生じる可能性がある。一方、上記範囲より上記貯蔵弾性率が大きい場合は、集電シートを太陽電池素子に配置する際に、大きな圧力を加える必要が生じ、製造装置の大型化等の不要なコストがかかるといった不具合が生じる可能性がある。
ここで、貯蔵弾性率は、JIS K7244- 4:1999に準拠する方法により、動的粘弾性測定(DMA)により測定することができる。具体的には、まず、集電シート用樹脂フィルムを所望のサイズに切り出し、集電シート用樹脂フィルムから封止層を剥離して、または集電シート用樹脂フィルムから封止層を削り取って、耐熱層のサンプルを作製する。次に、引張方向がサンプルの長手方向となるように、動的粘弾性測定装置のチャックにサンプルの両端を取り付け、引張荷重をかけて、引張法で測定を行う。動的粘弾性測定装置としては、例えば、ユービーエム社製Rheogel-E4000を用いることができる。具体的な測定条件を下記に示す。
(貯蔵弾性率の測定条件)
・測定試料:5mm×20mmの矩形
・測定モード:引張法(正弦波歪み、引張モード、歪み量:自動歪み)
・昇温速度:3℃/min
・温度:-60℃以上150℃以下
・周波数:10Hz
・引張荷重(静荷重):100g
なお、耐熱層のサンプルの作製において、集電シート用樹脂フィルムから封止層を剥離するに際しては、例えば剥離試験機を用いてもよい。具体的には、所定のサイズの集電シート用樹脂フィルムを、耐熱層および封止層の界面に剥離のきっかけを付与した上で、剥離試験機に固定し、封止層を引っ張ることで、集電シート用樹脂フィルムから封止層を剥離することができる。
耐熱層の150℃における貯蔵弾性率は、例えば、耐熱層に含有されるポリプロピレン樹脂の種類、ポリプロピレン樹脂以外の材料の添加、材料組成等により調整することができる。例えば、フィラーを添加することにより、上記貯蔵弾性率を大きくすることができる。
(c)紫外線透過率
本開示における耐熱層は、上述したようにポリプロピレン樹脂を含有するものであり、従来のPET樹脂を用いたものより良好な紫外線透過率を有する。
上記耐熱層の紫外線透過率は、例えば波長350nmの光の透過率により評価できる。耐熱層の波長350nmの光の透過率としては、例えば、75%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましい。本開示に用いられる耐熱層の波長350nmの光の透過率が高いことにより、本開示の集電シート用樹脂フィルムを太陽電池素子に用いた場合に、紫外線領域を太陽電池素子の発電に寄与させることができる。
ここで、波長350nmの光の透過率は、例えば、分光光度計を用いて測定することができる。なお、耐熱層の波長350nmの光の透過率を測定するに際しては、測定用サンプルを作製し、測定に供する。測定用サンプルは、耐熱層の一方の面に、厚さ450μmのオレフィン樹脂を含有する封止材シート(大日本印刷社製「CVF2SS」)を積層し、設定温度150℃、真空引き5分、大気圧加圧9分、圧力100kPaの条件で真空ラミネートを行い、作製する。
(2)耐熱層の組成
本開示に用いられる耐熱層の組成は、ポリプロピレン樹脂を含有し、必要に応じて、光安定剤、封止層との密着性を向上させる密着性向上剤等が含有されていてもよい。
(a)ポリプロピレン樹脂
上記耐熱層は、少なくともポリプロピレン樹脂を含有する。
このようなポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体であるホモポリプロピレン樹脂(ホモPP)であってもよく、プロピレンとα-オレフィンとのランダム共重合体であるランダムポリプロピレン樹脂(ランダムPP)であってもよく、ブロック共重合体であるブロックポリプロピレン樹脂(ブロックPP)であってもよい。上記耐熱層は、上述した各種ポリプロピレン樹脂の1種単独または2種以上含んでいてもよい。
本開示においては、中でも、ポリプロピレン樹脂がホモポリプロピレン樹脂であることが好ましい。ホモポリプロピレン樹脂は剛性が高いことから、集電シート用樹脂フィルムを用いて太陽電池素子に対しワイヤを固定しやすくすることができるからである。
また、本開示における耐熱層は、樹脂としてポリプロピレン樹脂のみを含有していてもよく、ポリプロピレン樹脂を主成分とするように他の樹脂が含有されたものであってもよい。ここで、ポリプロピレン樹脂を主成分とするとは、全樹脂成分の中でもポリプロピレン樹脂の割合が最も多いことをいう。
上記耐熱層の全樹脂成分に対するポリプロピレン樹脂の割合は、例えば、50質量%以上であり、60質量%以上であってもよく、65質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよい。また、上記ポリプロピレン樹脂の割合は、100質量%以下であり、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよく、75質量%以下であってもよい。
ポリプロピレン樹脂がホモポリプロピレン樹脂である場合、耐熱層の全樹脂成分に対するホモポリプロピレン樹脂の割合は、例えば、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。ホモポリプロピレン樹脂の割合が少なすぎると、集電シート用樹脂フィルムに対し所望の耐熱性を付与することが困難となるからである。一方、ホモポリプロピレン樹脂は例えばランダムポリプロピレン樹脂と比較して透明性に劣るため、ホモポリプロピレン樹脂の割合が多すぎると、集電シート用樹脂フィルムの透明性が低下する可能性があるからである。
なお、集電シート用樹脂フィルムの各層に含有される各樹脂成分の割合は、例えば、示査走査熱量測定(DSC)、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴(NMR)で検出されるピーク比等から分析することができる。
(b)光安定剤
本開示における耐熱層は、光安定剤を含有していてもよい。耐熱層が光安定剤を含有することで、耐熱層の紫外線劣化をより抑制できるからである。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を用いることが好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、光安定作用を発揮できれば特に限定されないが、例えばエチレンと環状アミノビニル化合物(ヒンダードアミン系アクリレート)との共重合体であり、分子量が30000以上の分子構造を有する、高分子量タイプの光安定剤を好適に用いることができる。
高分子量タイプの光安定剤の具体例としては、エチレンと、下記化学式(1)で表される環状アミノビニル化合物(ヒンダードアミン系アクリレート)との共重合体が挙げられる。
Figure 0007343060000001
高分子量タイプのヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、例えば、日本ポリエチレン株式会社製の「XJ-100H(商品名)」(分子量:35000)を挙げることができる。
また、ヒンダードアミン系光安定剤の他の例としては、NOR型のヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の一例としては、一般式(1)で表される基を含む化合物が挙げられる。
Figure 0007343060000002
一般式(1)において、Rは置換または非置換の炭化水素基またはアシル基である。Rとしては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、フェニルアルキル基、アルキル基置換フェニル基、水酸基置換アルキル基、アシル基、アルコキシ置換アルキル基、チオアルコキシ基置換アルキル基等が挙げられる。なお、一般式(1)における*および**は、他の元素と結合可能な状態を示している。
NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の他の例としては、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007343060000003
一般式(2)において、RおよびRは、それぞれ独立に、上述した一般式(1)におけるRと同様に、置換または非置換の炭化水素基またはアシル基である。中でも、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数4以上20以下のアルキル基であることが好ましい。
一般式(3)において、RおよびRは、それぞれ独立に、上述した一般式(1)におけるRと同様に、置換または非置換の炭化水素基またはアシル基である。中でも、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数4以上20以下のアルキル基であることが好ましい。また、Rは、炭素数1以上8以下のアルキレン基である。
NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、例えば、アデカ社製の「アデカスタブLA-81(商品名)」、BASF社製の「チヌビン123(商品名)」(デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル)、BASF社製の「チヌビンXT850FF(商品名)」等が挙げられる。
耐熱層の全固形分に対する光安定剤の割合は、例えば、3質量%以上10質量%以下であり、3.5質量%以上4.5質量%以下であることが好ましい。光安定剤の割合を上記範囲内とすることにより、集電シート用樹脂フィルムの紫外線耐性をより良好にすることができる。一方、上記光安定剤の割合が多すぎると、光安定剤のブリードアウトにより耐熱層の透明性が低下する可能性や、耐熱層および封止層の間の密着性が低下する可能性があるからである。
(c)密着性向上剤
本開示における耐熱層は、上記封止層との密着性、特に封止層がポリエチレン樹脂を含有する場合の密着性を向上させるために、密着性向上剤を含有してもよい。
このような密着性向上剤としては、例えば、ポリエチレン系エラストマーやポリエチレン系プラストマー等を挙げることができる。本開示においては、ポリエチレン系エラストマーやポリエチレン系プラストマーを耐熱層に含有させることにより、封止層との密着性を向上させるばかりでなく、集電シート用樹脂フィルムの耐久性を向上させることができる。
ポリエチレン系エラストマーおよびポリエチレン系プラストマーとしては、例えば、エチレンとエチレン以外のα-オレフィンとの共重合体(以下、エチレン-α-オレフィン共重合体と称する場合がある。)を挙げることができる。
エチレン-α-オレフィン共重合体を構成するポリエチレンとしては、特に限定されないが、低密度ポリエチレンであることが好ましい。また、低密度ポリエチレンとしては、例えば、密度0.870g/cm以上0.910g/cm以下の低密度ポリエチレンであることが好ましい。ポリエチレンの密度は、JIS K7112:1999に準拠した方法で測定することができる。
エチレン-α-オレフィン共重合体を構成するα-オレフィンとしては、例えば、炭素数3以上20以下のα-オレフィンが挙げられる。具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン等が挙げられる。これらは1種または2種以上が用いられる。
エチレン-α-オレフィン共重合体は、例えば、市販製品を用いてもよい。市販製品としては、例えば、三井化学社製の「タフマーDF-710(商品名)」、「タフマーDF-119(商品名)」、「タフマーDF-110(商品名)」、「タフマーA-1085S(商品名)」、「タフマーA-4070S(商品名)」、「タフマーA-4085S(商品名)」、「タフマーA-4090S(商品名)」を挙げることができる。また、日本ポリエチレン社製の「カーネルKF260T(商品名)」、「カーネルKF270(商品名)」、「カーネルKF370(商品名)」、「カーネルKF360T(商品名)」、「カーネルKS240T(商品名)」、「カーネルKS340T(商品名)」、「カーネルKS260(商品名)」を挙げることができる。さらにまた、住友化学社製の「エクセレンVL100(商品名)」、「エクセレンVL102(商品名)」、「エクセレンVL200(商品名)」、「エクセレンFX201(商品名)」、「エクセレンFX301(商品名)」、「エクセレンFX307(商品名)」、「エクセレンFX351(商品名)」、「エクセレンFX352(商品名)」、「エクセレンFX357(商品名)」を挙げることができる。
耐熱層の全樹脂成分に対する、密着性向上剤の割合は、例えば、5質量%以上であり、10質量%以上であってもよく、15質量%以上であってもよい。また、上記密着性向上剤の割合は、例えば、50質量%未満であり、40質量%以下であってもよく、30質量%以下であってもよく、20質量%以下であってもよい。密着性向上剤の割合が多すぎると、集電シート用樹脂フィルムの透明性が低下する可能性があるからである。また、集電シート用樹脂フィルムが所望の耐熱性を有することが出来なくなる可能性があるからである。
(d)その他
本開示おける耐熱層は、ポリプロピレン系エラストマー(PP系エラストマー)を含有していてもよい。上記耐熱層は、ポリプロピレン系エラストマーを含有することにより、耐熱層の透明性を高くすることができる。
ポリプロピレン系エラストマーとしては、例えば、プロピレンとプロピレン以外のα-オレフィンとの共重合体(以下、プロピレン-α-オレフィン共重合体と称する場合がある。)を挙げることができる。
プロピレン-α-オレフィン共重合体を構成するα-オレフィンとしては、例えば、炭素数2または4以上20以下のα-オレフィンが挙げられる。具体的には、エチレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等が挙げられる。これらは1種または2種以上が用いられる。
プロピレン-α-オレフィン共重合体は、中でも、プロピレンとエチレンとプロピレンおよびエチレン以外のα-オレフィンとの共重合体であることが好ましい。
プロピレン-α-オレフィン共重合体は、例えば、市販製品を用いてもよい。市販製品としては、例えば、三井化学社製のタフマーPN-3560(商品名)、タフマーPN-0040(商品名)、及びタフマーPN-2060(商品名)を挙げることができる。
耐熱層の全樹脂成分に対する、ポリプロピレン系エラストマーの割合は、例えば、5質量%以上であり、10質量%以上であってもよく、15質量%以上であってもよい。また、上記ポリプロピレン系エラストマーの割合は、例えば、50質量%未満であり、40質量%以下であってもよく、30質量%以下であってもよく、20質量%以下であってもよい。ポリプロピレン系エラストマーの割合が上記範囲より小さい場合は、集電シート用樹脂フィルムの透明性の向上の効果が得られない可能性があるからである。また、ポリプロピレン系エラストマーの割合が上記範囲を超える場合は、集電シート用樹脂フィルムが所望の耐熱性を有することが出来なくなる可能性があるからである。
(3)その他
上記耐熱層の厚さは、集電シート用樹脂フィルムが用いられる太陽電池の大きさ、用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、10μm以上であり、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよい。また、耐熱層の厚さは、例えば、50μm以下であり、45μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。
2.封止層
本開示における封止層は、熱溶着性を有し、集電シートに用いた際にワイヤを支持する層である。
上記封止層に用いられる樹脂は、通常、熱溶着性を有する樹脂である。また、封止層に用いられる樹脂としては、集電シートを太陽電池素子に熱圧着した際にワイヤの周囲に回りこむ性質を有することが好ましい。以下、上述の性質をモールディング性と称して説明する場合がある。
上記封止層は、上記耐熱層に対する密着性と、金属材料であるワイヤに対する密着性とを必要とする。このような封止層は、単層で構成されていてもよく、多層で構成されていてもよい。以下、封止層が単層である場合と、封止層が多層である場合とに分けて説明する。
(1)封止層が単層である場合
封止層が単層である場合、封止層は、通常、熱溶着性およびモールディング性を有する樹脂を含有する。このような樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、紫外線透過率や可視光線透過率等を考慮すると、ポリオレフィン樹脂、およびアイオノマー樹脂を用いることが好ましい。本開示においては、なかでも、ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。以下、ポリオレフィン樹脂の詳細を説明する。
(a)ポリオレフィン樹脂
封止層に用いられるポリオレフィン樹脂の融点は、所望の熱溶着性およびモールディング性を示すことができれば特に限定されない。ポリオレフィン樹脂の融点は、例えば、125℃以下であり、120℃以下であってもよく、110℃以下であってもよい。また、ポリオレフィン樹脂の融点は、例えば、80℃以上である。ポリオレフィン樹脂の融点が高すぎる場合は集電シートを太陽電池素子に熱圧着する際の温度を高くする必要があることから、製造コストが増大したり、太陽電池素子が劣化したりする可能性があるからである。一方、ポリオレフィン樹脂の融点が低すぎる場合は太陽電池の使用環境において封止層が融解し、ワイヤを固定することが困難となる可能性があるからである。
本開示においては、上記ポリオレフィン樹脂の中でも、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂が好ましく、特にポリエチレン樹脂であることが好ましい。モールディング性に優れるためである。
ポリエチレン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。本開示においては、中でも直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることが好ましい。耐熱層と封止層との密着性を良好にすることができるからである。
ポリエチレン樹脂の密度は、特に限定されないが、例えば、0.890g/cm以上0.930g/cm以下であることが好ましく、0.900g/cm以上0.925g/cm以下であることがより好ましい。ポリエチレン樹脂の密度は、JIS K7112:1999に準拠したピクノメーター法により測定することができる。
また、封止層は、ポリオレフィン樹脂として、上述したポリエチレン系エラストマーやポリエチレン系プラストマーを含有していることが好ましい。
封止層は、上述したポリオレフィン樹脂のみを含有していてもよく、ポリオレフィン樹脂に加えてポリオレフィン樹脂以外の樹脂をさらに含有していてもよい。後者の場合、封止層はポリオレフィン樹脂を主成分として含有することが好ましい。ポリオレフィン樹脂を主成分とするとは、全樹脂成分の中でもポリプロピレン樹脂の割合が最も多いことをいう。
封止層中の全樹脂成分に対するポリオレフィン樹脂の割合は、例えば、50質量%以上であり、60質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよい。また、上記ポリオレフィン樹脂の割合は、例えば、99質量%以下であり、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。上記ポリオレフィン樹脂の割合は、100質量%であってもよい。
また、ポリオレフィン樹脂として、上述したポリエチレン系エラストマーやポリエチレン系プラストマーを含有する場合、封止層中の全樹脂成分に対するポリオレフィン樹脂の割合は、例えば、90質量%以上100質量%以下であることが好ましい。耐熱層と封止層との密着性を特に良好にすることができ、耐久性に優れた集電シート用樹脂フィルムとすることができるからである。また、集電シート用樹脂フィルムを用いて太陽電池素子にワイヤを固定する等の加熱工程において、集電シート用樹脂フィルムの熱収縮を抑え、カール変形を抑制できるからである。
(b)光安定剤
本開示における封止層は、熱可塑性樹脂を含有していれば特に限定されず、必要に応じてその他の成分を適宜選択して追加できる。このような成分としては、例えば、光安定剤を挙げることができる。光安定剤としては、上述した「1.耐熱層 (2)耐熱層の組成
(b)光安定剤」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
封止層の全固形成分に対する、光安定剤の割合は、例えば、0.2質量%以上5質量%以下であり、0.5質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
(c)接着性向上剤
また、本開示における封止層は、ワイヤや太陽電池素子との接着性を向上させる成分を含有するものであってもよい。
このような成分としては、例えば、シラン変性ポリエチレン樹脂が挙げられる。シラン変性ポリエチレン樹脂は、α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とがコモノマーとして共重合されたシラン共重合体である。本開示においては、シラン変性ポリエチレン樹脂として、主鎖として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)にエチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合させた樹脂であることが好ましい。
エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランを挙げることができる。
シラン変性ポリエチレン樹脂は、例えば、特開2003-46105号公報に記載されている製造方法により得ることができる。
封止層の全樹脂成分に対する、シラン変性ポリエチレン樹脂の割合は、特に限定されないが、例えば、5質量%以上25質量%以下が好ましい。また、エチレン性不飽和シラン化合物の含量であるグラフト量としては、例えば、封止層の全樹脂成分100重量部に対して、0.001重量部以上15重量部以下が好ましい。
(2)封止層が多層である場合
上記封止層は、複数の樹脂層が積層された多層であってもよい。封止層が多層である場合、例えば、図2に示すように、封止層2は、耐熱層1側の面側に配置された基材層2aと、基材層2aの耐熱層1とは反対側の面側に配置された接着層2bとを有することが好ましい。
本開示においては、上記接着層に上述した接着性向上剤を添加することが好ましい。接着層中に、上述した接着性向上剤を添加することで、上記接着性向上剤の使用量と少なくすることができるため、集電シート用樹脂フィルムの製造コストを抑えることができるからである。
基材層および接着層に用いられる樹脂および任意の成分については、上述した「(1)封止層が単層である場合」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(3)その他
本開示における封止層の厚さとしては、集電シートとした際にワイヤを支持することができれば特に限定されず、ワイヤの太さに応じて適宜選択することができる。封止層の厚さとしては、例えば、10μm以上であり、20μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、65μm以上であってもよい。また、耐熱層の厚さは、例えば、170μm以下であり、100μm以下であってもよく、45μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。
3.中間層
本開示の集電シート用樹脂フィルムは、耐熱層および封止層の間に中間層が配置されていてもよい。中間層としては、例えば、耐熱層および封止層を貼り合わせる接着剤を含有する接着剤層が挙げられる。接着剤としては、一般的なフィルムの貼り合わせに用いられる接着剤を挙げることができる。中間層の厚さは、集電シート用樹脂フィルムの透明性を過度に妨げない程度であれば特に限定されない。
また、上記耐熱層がポリプロピレン樹脂を有し、上記封止層がポリエチレン樹脂を有する場合は、中間層として、ポリプロピレン樹脂およびポリエチレン樹脂を混合した組成からなる層を設けてもよい。
4.その他
上記耐熱層および上記封止層の層間密着強度は、例えば、1.0N/15mm以上であることが好ましく、2.0N/15mm以上であることがより好ましく、5.0N/15mm以上であることがさらに好ましい。層間密着度が上記値以上であることにより、耐熱層および封止層間の密着性を良好にすることができ、両者の剥離を効果的に抑制できるからである。
層間密着強度は、例えば、以下の測定方法により測定できる。集電シート用樹脂フィルムを幅15mm×長さ100mmにカットしてサンプルを作製する。得られたサンプルの耐熱層および封止層の間に剥離のきっかけを付与する。次に、剥離試験機(エー・アンド・デイ社製のテンシロン万能試験機 RTF-1150-H)の上下10mmを治具で押さえ、チャック間距離30mm、引っ張り速度50mm/minの条件で剥離試験を行い、層間の剥離に必要な力を密着強度として測定する。
また、本開示における集電シート用樹脂フィルムの総厚さは、集電シートとした際に用いられるワイヤの太さ等に応じて適宜選択でき、特に限定されず、例えば、50μm以上200μm以下であってもよい。集電シート用樹脂フィルムが薄すぎる場合は、太陽電池素子に対しワイヤを十分に固定することが困難となる可能性があるからである。一方、集電シート用樹脂フィルムが厚すぎる場合は透明性が低下する可能性があるからである。
集電シート用樹脂フィルムにおいて、耐熱層と封止層との厚さについては、例えば、集電シートとした際に用いられるワイヤの太さ、配置、集電シートが配置される太陽電池素子の形態に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。耐熱層の厚さに対する封止層の厚さの比率(封止層の厚さ/耐熱層の厚さ)は、例えば、0.1以上2.4以下であり、0.2以上2.0以下であることが好ましく、0.4以上1.8以下であることがより好ましい。耐熱層の厚さに対する封止層の厚さの比率を上述した範囲内とすることにより、集電シートとして太陽電池素子に配置した場合に、太陽電池素子に対しワイヤを良好に固定することができるからである。
II.集電シート用樹脂フィルムの物性
1.紫外線透過率
本開示の集電シート用樹脂フィルムの紫外線透過率は、太陽電池素子が発電可能な程度に紫外線領域を透過させることが出来る程度であれば特に限定されない。集電シート用樹脂フィルムの紫外線透過率は、例えば波長350nmの光の透過率により評価できる。集電シート用樹脂フィルムの波長350nmの光の透過率としては、例えば、76%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。本開示の集電シート用樹脂フィルムは波長350nmの光の透過率が高いことにより、太陽光の紫外線領域を太陽電池素子の発電に寄与させることができる。
ここで、波長350nmの光の透過率は、例えば、分光光度計を用いて測定できる。なお、集電シート用樹脂フィルムの波長350nmの光の透過率を測定するに際しては、測定用サンプルを作製し、測定に供する。測定用サンプルは、集電シート用樹脂フィルムの耐熱層側の面に、厚さ450μmのオレフィン樹脂を含有する封止材シート(大日本印刷社製「CVF2SS」)を積層し、設定温度150℃、真空引き5分、大気圧加圧9分、圧力100kPaの条件で真空ラミネートを行い、作製する。なお、本開示における集電シート用樹脂フィルムでは紫外線耐性が良好であることから、上記封止材シートとしてUVスルータイプの封止材(大日本印刷社製「CVF2SS」)を用いているが、集電シート用樹脂フィルムが紫外線耐性に劣る場合には、上記封止材シートとしてUVカットタイプの封止材、例えば大日本印刷社製「CVF」を用いることとする。分光光度計としては、例えば、日本分光社製紫外可視近赤外分光光度計V-670を用いることができる。
2.全光線透過率
また、集電シート用樹脂フィルムの全光線透過率は、太陽電池素子が発電可能な程度に太陽光を透過させることが出来る程度であれば特に限定されない。集電シート用樹脂フィルムの全光線透過率は、例えば、75%以上であり、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。全光線透過率が上記範囲内であることにより、太陽電池素子の光の利用効率を高くすることができるからである。全光線透過率は、JIS
K7361- 1:1997に準拠して測定する。全光線透過率は、例えば、(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定することができる。
3.透明性
本開示の集電シート用樹脂フィルムの透明性としては、太陽電池素子が発電可能な程度に太陽光を透過させることができる程度であれば特に限定されない。集電シート用樹脂フィルムの透明性は、例えば、ヘイズによって評価することができる。集電シート用樹脂フィルムのヘイズは、例えば、1%以上20%以下であり、2%以上15%以下であってもよく、3%以上8%以下であってもよい。ヘイズは、JIS K7136:2000に準拠して測定する。
ここで、ヘイズは、例えば、(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定することができる。なお、集電シート用樹脂フィルムのヘイズを測定するに際しては、測定用サンプルを作製し、測定に供する。測定用サンプルは、以下の方法により作製する。まず、集電シート用樹脂フィルムを50mm×50mmにカットし試験片を作製する。次いで、ETFE(テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体)フィルムと試験片とETFEフィルムとをこの順に積層し、設定温度165℃、真空引き2分、プレス2.5分、圧力100kPaの条件で真空ラミネートを行う。これは、製膜段階での集電シート用樹脂フィルムの表面の微細な凹凸を排除するためである。続いて、試験片の両面からそれぞれETFEフィルムを除去し、測定用サンプルを作製する。
4.TMA曲線の傾き
本開示の集電シート用樹脂フィルムにおいては、温度90℃と100℃との間における下記定義によるTMA曲線の傾きが、-3.0以上-1.3以下であることが好ましい。
この場合、太陽電池モジュールとしての一体化時の熱ラミネーション処理時における材料樹脂の挙動が最適化されたものとなり、耐熱性とモールディング性との両立を、一般的な太陽電池モジュールの製造工程において更に安定的に発現させることができる。
ここで、本明細書における「TMA曲線の傾き」とは以下の定義によるものである。
「TMA曲線の傾き」
:下記の「熱機械分析(TMA)試験」によって得ることが出来る「TMA曲線」において、温度X1(℃)において押込み深さがY1(μm)であり、温度X2(℃)(>X1(℃))において押込み深さがY2(μm)であるとき、X1とX2との間における「TMA曲線の傾き(a)」とは、(a)=(Y2-Y1)/(X2-X1)で表される(a)の値のことを言うものとする。ただし、温度がX2に達する前に押込み深さが-150μmに達した場合(針が測定対象のフィルムを貫通した場合)には、温度X2を、押込み深さが-150μmに達した時点の温度に置き換える。
また、上記の「熱機械分析(TMA)試験」とは以下の条件により行われる試験のことを言う。
「熱機械分析(TMA)試験」
:熱機械分析(TMA)試験装置に厚さ150μmの集電シート用樹脂フィルムをセットし、φ1mmの針に押し込み圧力100kPaの一定圧とし、昇温速度5℃/分で室温から150℃まで昇温し、その時の針の押込み深さを測定する。この際、針の押込みは、集電シート用樹脂フィルムの封止層側の表面から行う。
また、上記の熱機械分析(TMA)試験によって得ることができる「TMA曲線」とは、上記熱機械分析(TMA)試験において、温度をX、当該温度における針の押込み深さをYとした場合のXY座標内において、温度と針の押込み深さとの相関を示す曲線のことを言うものとする。
熱機械分析(TMA)装置としては、例えば、SIIナノテクノロジー製TMA/SS7100等を用いることができる。
上記定義によるTMA曲線の傾きを-3.0以上とすることにより、太陽電池モジュールとしての一体化のための熱ラミネーション加工時に、集電シート用樹脂フィルムの封止層側の面において、集電シート用樹脂フィルムが同面側においてワイヤの外周形状に追従しつつ、太陽電池素子に密着するという、十分なモールディング性が発現する。
一方、このTMA曲線の傾きを-1.3以下とすることにより、上記の熱ラミネーション加工時に、集電シート用樹脂フィルム全体としては樹脂の過剰流動を抑制し、これにより、ワイヤが集電シート用樹脂フィルムを突き抜けて耐熱層側の面から露出するのを抑制できる。
III.製造方法
本開示の集電シート用樹脂フィルムの製造方法は、上述した各層が積層された集電シート用樹脂フィルムを得ることが出来れば特に限定されず、例えば、上述した各層を形成するための樹脂組成物を準備し、上記樹脂組成物を溶融成形する方法を挙げることができる。溶融成形法としては、公知の成形法を用いることができ、例えば、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等を挙げることができる。成形時の温度条件としては、例えば、樹脂組成物の融点以上であり、上限については樹脂組成物の種類に応じて適宜調整される。
集電シート用樹脂フィルムの製造方法においては、例えば、耐熱層および封止層をそれぞれ別個のフィルムとして成形した後、接着剤等を介して両者を接合させてもよく、また例えば、共押し出し法により耐熱層および封止層が積層された積層フィルムを成形してもよいが、後者がより好ましい。耐熱層および封止層の層間密着性を良好にすることができ、また、生産効率よく、集電シート用樹脂フィルムを製造することができるからである。
B.集電シート
本開示の集電シートは、太陽電池に用いられる集電シートであって、上述した「A.集電シート用樹脂フィルム」に記載の集電シート用樹脂フィルムと、上記集電シート用樹脂フィルムの上記封止層側の面側に配置されたワイヤとを備える。
本開示の集電シートについて図を用いて説明する。図3(a)は本開示の集電シートを例示する概略平面図であり、図3(b)は図3(a)のA-A線断面図である。図3(a)、(b)に示す集電シートは、集電シート用樹脂フィルム10と、集電シート用樹脂フィルム10の封止層2側の面側に配置されたワイヤ11とを有する。なお、図3(a)においては、集電シート用樹脂フィルムの封止層側から集電シートを見た概略平面図を示している。
本開示によれば、上述した「A.集電シート用樹脂フィルム」で説明した本開示の集電シート用樹脂フィルムを有することにより、ワイヤを十分な応力で太陽電池素子に接触させることが可能であり、かつ紫外線透過率および紫外線耐性が良好な集電シートとすることができる。
I.集電シートの構成
集電シートは、集電シート用樹脂フィルムと、ワイヤとを備える。
1.集電シート用樹脂フィルム
集電シート用樹脂フィルムは、ワイヤを支持する部材である。また、集電シート用樹脂フィルムは、太陽電池素子に対して熱溶着性を示し、太陽電池素子に対しワイヤを固定する部材である。集電シート用樹脂フィルムについては、上述した「A.集電シート用樹脂フィルム」で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
後述する「II.集電シートの構造」で説明するように、集電シートが複数枚の集電シート用樹脂フィルムを有する場合は、少なくとも1枚の集電シート用樹脂フィルムが、本開示の集電シート用樹脂フィルムであればよく、他の集電シート用樹脂フィルムを含んでいてもよいが、集電シートが有する複数枚の集電シート用樹脂フィルムの全てが本開示の集電シート用樹脂フィルムであることが好ましい。
2.ワイヤ
ワイヤは、集電シート用樹脂フィルムの封止層側の面側に配置される。ワイヤは、例えば太陽電池モジュールにおいて太陽電池素子同士を接続するために用いられる。また、ワイヤは例えば、単セル型の太陽電池において太陽電池素子で発生した電気を集電するために用いられる。ワイヤは、通常、太陽電池素子の電極と接続するように配置される。
ワイヤの断面形状は、典型的には、真円形状、楕円形状等の円形状であるが、これに限定されない。
ワイヤの太さ、すなわちワイヤの断面の大きさとしては、太陽電池素子への太陽光の入射を妨げない程度であれば、特に限定されないが、例えば、100μm以上200μm以下である。ワイヤの断面の大きさは、例えば、断面形状が円形状である場合は直径、楕円である場合は長径、多角形である場合は、最大の対角線を引いた場合の距離をいう。
ワイヤの材料としては、所望の導電性を示すことができれば特に限定されず、一般的な太陽電池素子の集電シートに用いられるワイヤの材料と同様とすることができる。ワイヤの材料としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属材料を用いることができる。
また、ワイヤは、例えば、コア部とコア部の外部側に配置された表皮部とを有していてもよい。この場合、例えば、コア部の材料として上述した金属材料を用いることができ、表皮部としてはんだを用いることができる。
本開示においては、上記はんだの融点が、例えば、70℃以上140℃以下であることが好ましく、80℃以上135℃以下であることがより好ましい。上記はんだの融点が上記範囲より高い場合は、太陽電池素子にワイヤを接続する際に上述したポリエチレン樹脂を用いた耐熱層を劣化させるおそれがあるからである。
このような融点の範囲とするためには、上記はんだとして、例えば、Sn、In、Ag、Biからなる化合物を用いることができる。
II.集電シートの構造
本開示の集電シートは、1枚の集電シート用樹脂フィルムに対し、少なくとも1本以上のワイヤが配置されていればよい。集電シートの導電性を高める観点からは、1枚の集電シート用樹脂フィルムに対し、複数本のワイヤが配置されていることが好ましい。
集電シートが複数本のワイヤを有する場合、平面視上のワイヤの配列としては、公知の集電シートにおけるワイヤの配列と同様とすることができ、特に限定されない。ワイヤの配列としては、例えば、図3(a)に示すようにライン状に配置されていてもよく、図示はしないが格子状に配列されていてもよい。
また、集電シートにおいて、ワイヤは集電シート用樹脂フィルムの封止層側に配置される。本開示においては、例えば、図3(b)に示すように、ワイヤ11の一部が集電シート用樹脂フィルム10の封止層2に埋め込まれ、ワイヤの一部が露出するように配置されていることが好ましい。ワイヤ11を良好に固定することができるからである。また、例えば、図3(b)に示すように、ワイヤ11が耐熱層1に接触しないように封止層2に埋め込まれていてもよく、図4に示すように、ワイヤ11が耐熱層1に接触するように封止層2に埋め込まれていてもよい。ワイヤが耐熱層に接触するように封止層に埋め込まれている場合には、集電シートの厚さをより薄くすることができるので、後述する太陽電池を薄型化することができる。ワイヤの埋め込みの程度(ワイヤの露出の程度)については、特に限定されず、封止層の材料、厚さ、ワイヤの太さ、および集電シートが配置される太陽電池素子の形態に応じて適宜選択できる。
本開示においては、例えば、複数枚の集電シート用樹脂フィルムに対し、同一のワイヤが配置されていてもよい。例えば、図5に示す例では、2枚の集電シート用樹脂フィルム10Aおよび集電シート用樹脂フィルム10Bに対し、同一のワイヤ11が配置されている例を示している。また、図5に示すように隣接する集電シート用樹脂フィルム同士は、互いに封止層側の面側が逆の面方向となるように配置されていてもよい。すなわち、一方の集電シート用樹脂フィルム10Aの封止層2側の面と他方の集電シート用樹脂フィルム10Bの耐熱層1側の面とが同一の面方向に配置されていてもよい。集電シートが上記構造を有することにより、例えば、図6(a)に示すように、2つの太陽電池素子31を直列に配置することが可能な集電シート10とすることができる。なお、図示しないが、互いに封止層側の面が同一の面方向となるように配置されていてもよい。
III.製造方法
集電シートの製造方法としては、集電シート用樹脂フィルムの封止層側の面側にワイヤを固定できる程度に埋め込むことができれば特に限定されず、公知の方法を用いることができる。一例としては、集電シート用樹脂フィルムの封止層側の面側にワイヤを設置し、ワイヤを加熱することで、封止層中の樹脂成分の一部を溶融させてワイヤを埋め込む方法を挙げることができる。
C.集電シート付き太陽電池素子
本開示の集電シート付き太陽電池素子は、上述した「B.集電シート」に記載の集電シートと、上記集電シートの上記封止層側の面側に配置され、上記ワイヤと電気的に接続された太陽電池素子とを備えることを特徴とする。
本開示の集電シート付き太陽電池素子について図を用いて説明する。図6(a)は本開示の集電シート付き太陽電池素子を例示する概略斜視図であり、図6(b)は図6(a)のA-A線断面図、図6(c)は図6(a)のB-B線断面図である。図6(a)~(c)に示す集電シート付き太陽電池素子30は、集電シート10と、集電シート10の封止層2側の面側に配置され、ワイヤ11と電気的に接続された太陽電池素子31とを備える。図6(a)~(c)においては、集電シート20が2枚の集電シート用樹脂フィルム10を有し、それぞれの集電シート用樹脂フィルム10に太陽電池素子31が配置されている例について示している。
本開示によれば、上述した「B.集電シート」で説明した本開示の集電シートを有することにより、太陽電池素子の光の利用効率を高くできる。
I.集電シート付き太陽電池素子の構成
集電シート付き太陽電池素子は、集電シートと、太陽電池素子とを有する。
1.集電シート
集電シートについては、上述した「B.集電シート」で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。本開示において、集電シート付き太陽電池素子が複数枚の集電シートを有する場合、少なくとも1枚の集電シートが本開示の集電シートであればよく、他の集電シートを含んでいてもよい。本開示においては、全ての集電シートが本開示の集電シートであることが好ましい。また、本開示の集電シートは、太陽電池にとしたときに受光面側に位置するよう配置されることが好ましい。
2.太陽電池素子
太陽電池素子としては、一般的な太陽電池に用いられる素子と同様とすることができる。太陽電池素子としては、例えば、単結晶シリコーン型太陽電池素子、多結晶シリコーン型太陽電池素子、アモルファスシリコーン型太陽電池素子、化合物半導体型太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、量子ドット型太陽電池素子、有機薄膜型太陽電池素子等が挙げられる。太陽電池素子の大きさ、形態等については、太陽電池の用途に応じて適宜選択できる。
II.集電シート付き太陽電池素子の構造
集電シート付き太陽電池素子は、通常、集電シートと太陽電池素子とが積層された積層構造を有する。
集電シート付き太陽電池素子は、太陽電池素子の集電シートの配置面を基準として見たとき、例えば、図6(c)に示すように、配置面に対する垂直方向Dでの集電シート用樹脂フィルム10の厚さ、すなわち、太陽電池素子31の集電シート20が配置された面から、耐熱層1の太陽電池素子31とは反対側の面までの距離は、ワイヤ11が配置された領域が他の領域に対して厚い(距離が大きい)ことが好ましい。このような積層構造とすることにより、耐熱層1が効果的にワイヤ11を太陽電池素子31側に押圧でき、ワイヤ11の太陽電池素子31に対する接触不良等の不具合を防止できるからである。
この場合、配置面に対する垂直方向Dのワイヤ11の最大距離yが、すなわち、ワイヤ11の太陽電池素子31の集電シート20が配置された面からの最大距離yと、配置面に対する垂直方向Dの封止層2の最小距離x、すなわち、太陽電池素子31の集電シート20が配置された面から、耐熱層1の太陽電池素子31とは反対側の面までの距離のうちの最小距離xとの比率x/yは、2/3以下であることが好ましく、1/2以下であることがより好ましい。
なお、上記比率x/yの下限は、集電シートにおける封止層の厚さ、およびワイヤの太さに応じて適宜調整される値ではあるが、例えば、1/20以上である。上記比率がx/yが上記範囲内であることにより、太陽電池素子に対し、集電シートの集電シート用樹脂フィルムを用いてワイヤを良好に固定することができる。
このような比率x/yは、上述したワイヤの太さ(直径等)と、上記封止層の厚さを調整することにより得ることが可能である。また、後述する集電シート付き太陽電池素子の製造方法における上記集電シートを上記太陽電池素子に熱圧着させる際の圧力を調整することによっても得ることが可能となる。
また、例えば図6(c)に示すように、集電シート付き太陽電池素子30の断面視において、上記最大距離yとなる位置から上記最小距離xとなる位置に向かって、太陽電池素子31の集電シート20側の面から、耐熱層1の太陽電池素子31とは反対側の面までの距離が徐々に小さくなっていることが好ましい。
また、ワイヤが複数配置されている場合、例えば図6(c)に示すように、集電シート付き太陽電池素子30の断面視において、隣接するワイヤの間に、太陽電池素子31の集電シート20が配置された面から、耐熱層1の太陽電池素子31とは反対側の面までの距離のうち、最小の距離となる部分が配置されていることが好ましい。ワイヤ間に窪みができ、集電シートが凹凸形状を持つような構造になるので、耐熱層の太陽電池素子とは反対側の面の面積が大きくなる。したがって、耐熱層と後述する封止材との接触面積が大きくなるので、封止材との密着性を向上させることができる。
また、集電シート付き太陽電池素子においては、上述の「B.集電シート」の項にも記載したように、例えば図6(c)に示すように、ワイヤ11が耐熱層1に接触するように封止層2に埋め込まれていてもよい。これにより、集電シート付き太陽電池素子の厚さをより薄くできるので、太陽電池を薄型化することができる。
集電シート付き太陽電池素子は、少なくとも1つの太陽電池素子と、上記太陽電池素子の正極および負極の少なくとも一方の電極と接続された集電シートとを有していれば特に限定されない。例えば、1つの太陽電池素子の正極および負極のそれぞれに集電シートが配置された、単セル型の太陽電池を構成する集電シート付き太陽電池素子であってもよい。また、例えば、複数の太陽電池素子を集電シートを用いて並列または直列に接続した太陽電池モジュール型の太陽電池(太陽電池モジュール)を構成する集電シート付き太陽電池素子であってもよい。
III.その他
本開示の集電シート付き太陽電池素子の製造方法としては、太陽電池素子に対し、集電シートのワイヤを電気的に接続させて固定した構造を得ることができれば特に限定されない。例えば、太陽電池素子に対し、集電シートを仮接着する仮接着工程と、仮接着された集電シートを上記太陽電池素子に熱圧着させることにより、上記太陽電池素子に対し上記集電シートのワイヤを電気的に接続させて固定する固定工程とを有する製造方法を挙げることができる。仮接着方法、熱圧着方法については公知の方法を用いることができ、例えば、真空熱ラミネート法を挙げることができる。また、固定工程は、例えば後述する「D.太陽電池」の項で説明するように、太陽電池の各部材を積層させて一体化する一体化工程と同時に行ってもよい。
集電シート付き太陽電池素子は、通常、太陽電池を構成する部材として用いられる。なお、集電シート付き太陽電池素子が、例えば、1つの太陽電池素子と、上記太陽電池素子の正極または負極のうち、一方の電極のみと接続された集電シートとを有する場合、上記集電シート付き太陽電池素子は、例えば、上述した単セル型の太陽電池または太陽電池モジュールを構成する集電シート付き太陽電池素子の一部として用いることができる。
D.太陽電池
本開示の太陽電池は、透明基板、第1封止材、集電シート付き太陽電池素子、第2封止材、および対向基板を備え、上記集電シート付き太陽電池素子が、上述した集電シート付き太陽電池素子である。
本開示の太陽電池について図を用いて説明する。図7は本開示の太陽電池を例示する概略断面図である。図7に示す太陽電池40は、透明基板41、第1封止材42、集電シート付き太陽電池素子30、第2封止材43、および対向基板44を備える。また、上記集電シート付き太陽電池素子30は上述した「C.集電シート付き太陽電池素子」で説明した集電シートを含むものである。
本開示の太陽電池は、複数の上記集電シート付き太陽電池素子を備える太陽電池モジュールとして用いられてもよい。
本開示によれば、紫外線透過率および紫外線耐性が良好な集電シートが配置されていることから、光の利用効率が高い太陽電池とすることができる。
I.太陽電池の構成
本開示の太陽電池は、透明基板、第1封止材、集電シート付き太陽電池素子、第2封止材、および対向基板を備える。
1.集電シート付き太陽電池素子
上記集電シート付き太陽電池素子については、上述した「C.集電シート付き太陽電池素子」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.透明基板および対向基板
上記透明基板は、上記対向基板とともに太陽電池素子を保護する部材である。また、透明基板は、通常、太陽電池の受光面側に配置され、受光面側の前面保護板として機能する。透明基板の透明性は、太陽電池素子の発電を阻害しない程度であれば特に限定されない。透明基板としては、一般的な太陽電池に用いられる透明基板と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記対向基板は、上述した透明基板とともに太陽電池素子を保護する部材である。対向基板は透明性を有していてもよく、透明性を有していなくてもよい。対向基板が透明性を有する場合は、太陽電池の両面を太陽光の受光面として用いることができる。対向基板としては、上述した透明基板を用いることができる。また、対向基板としては、太陽電池用の裏面保護シートを用いることもできる。
3.第1封止材および第2封止材
上記第1封止材は、第2封止材とともに太陽電池素子を封止する部材である。第1封止材は、通常、太陽電池の受光面側に配置される。
第1封止材は、熱可塑性樹脂を含有する。第1封止材に用いられる熱可塑性樹脂としては、一般的な太陽電池の封止材に用いられる熱可塑性樹脂と同様とすることができ、例えば、ポリエチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等の各種のオレフィン樹脂を主成分とする封止材を用いることができる。これらの樹脂を主成分とするとは、全樹脂成分の中でもこれらの樹脂の割合が最も多いことをいう。
本開示においては、上記第1封止材は、紫外線吸収剤を実質的に含有していないことが好ましい。
従来の太陽電池においては、上記耐熱層にポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられ、PETの紫外線による劣化を防止するために、上記第1封止材に紫外線吸収剤が含有されていた。したがって、このような太陽電池では紫外光領域での発電効率が低いものであった。
一方、本開示の太陽電池においては、上述した通り「C.集電シート付き太陽電池素子」の項で説明した集電シートを用いるものであるので、上記耐熱層の紫外線による劣化を抑えることができる。したがって、上記第1封止材に紫外線吸収剤を含有させる必要性が無く、実質的に紫外線吸収剤が含有されていない第1封止材を用いることにより、本開示の太陽電池は紫外領域での発電効率を向上させることが可能となることから、全体としての発電効率も向上させることが可能となる。
本開示における上記第1封止材は、上述した通り、実質的に紫外線吸収剤を含有しないものである。具体的には、第1封止材中の紫外線吸収剤の含有量が、3.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。
上記紫外線吸収剤の含有量は、例えば、赤外分光法(FTIR)により測定される。
上記紫外線吸収剤としては、一般的な太陽電池の封止材に用いられる紫外線吸収剤と同様とすることができるが、具体的には、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系を示すものであり、第1封止材が実質的に紫外線吸収剤を含有しないとは、上記紫外線吸収剤を実質的に含有しないことを示すものとする。
本開示における第2封止材は、第1封止材とともに太陽電池素子を封止する部材である。上述した対向基板が透明性を有する場合、第2封止材としては第1封止材と同様に紫外線吸収剤を含有していていないことか好ましい。
第1封止材および第2封止材の厚さは、太陽電池の種類、大きさに応じて適宜選択される。
II.太陽電池の物性
本開示の太陽電池は、紫外線透過率および紫外線耐性が良好な集電シートを有することから、紫外線を積極的に利用することができる。本開示の太陽電池は、紫外線領域に吸収感度を有することが好ましく、具体的には、100nm以上400nm以下に吸収感度を有することが好ましい。
III.製造方法
本開示の太陽電池の製造方法としては、一般的な太陽電池の製造方法と同様とすることができる。一例としては、透明基板、第1封止材、集電シート付き太陽電池素子、第2封止材および対向基板をこの順に積層した積層体を形成する積層体形成工程と、上記積層体に加熱および加圧処理することにより一体化して太陽電池とする一体化工程とを有する製造方法を挙げることができる。
加熱および加圧処理としては、一般的な太陽電池の製造時において行われる処理と同様とすることができ、特に限定されないが、例えば、真空熱ラミネート法であることが好ましい。真空熱ラミネート法の条件としては、太陽電池の大きさ、各部材の種類等に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、ラミネート温度は130℃以上170℃以下であることが好ましく、ラミネート時間は5分以上30分以下であることが好ましく、8分以上15分以下であることがより好ましい。
IV.用途
本開示の太陽電池は、例えば、電子機器用の太陽電池、屋外設置用の大型太陽電池等の種々の用途として用いることができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
[実施例1~10]
下記表1に示す樹脂成分および添加剤を用いて、耐熱層ならびに封止層を構成する基材層および接着層の各層を形成するための樹脂組成物を調製した。Tダイを設置した押出機を用い、上述した樹脂組成物を190℃で溶融し、共押し出しすることにより、耐熱層、基材層および接着層がこの順に積層された集電シート用樹脂フィルムを得た。集電シート用樹脂フィルムでは、総厚さ100μm、耐熱層の厚さ40μm、基材層の厚さ30μm、接着層の厚さ30μmとした。
[実施例11~20]
下記表1に示す樹脂成分および添加剤を用いて、耐熱層および封止層の各層を形成するための樹脂組成物を調製した。Tダイを設置した押出機を用い、上述した樹脂組成物を190℃で溶融し、共押し出しすることにより、耐熱層および封止層が積層された集電シート用樹脂フィルムを得た。集電シート用樹脂フィルムでは、総厚さ100μm、耐熱層の厚さ40μm、封止層の厚さ60μmとした。
[比較例1]
下記表1に示す樹脂成分および添加剤を用いて、耐熱層ならびに封止層を構成する基材層および接着層の各層を形成するための樹脂組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして集電シート用樹脂フィルムを得た。
[比較例2]
耐熱層を構成するフィルムとしてPETフィルム、封止層を構成するフィルムとしてLDPEフィルムを準備し、アクリル系接着剤によるドライラミネート法を用いてPETフィルムおよびLDPEフィルムと貼り合わせることにより、集電シート用樹脂フィルムを得た。
[評価]
(紫外線透過率)
まず、実施例1から20まで、および比較例1については、集電シート用樹脂フィルムの耐熱層側の面に、厚さ450μmのオレフィン樹脂を含有する封止材シート(大日本印刷社製「CVF2SS」)を積層し、設定温度150℃、真空引き5分、大気圧加圧9分、圧力100kPaの条件で真空ラミネートを行い、測定用サンプルを作製した。また、比較例2については、集電シート用樹脂フィルムの耐熱層側の面に、厚さ450μmのオレフィン樹脂を含有する封止材シート(大日本印刷社製「CVF」)を積層し、設定温度150℃、真空引き5分、大気圧加圧9分、圧力100kPaの条件で真空ラミネートを行い、測定用サンプルを作製した。次に、測定用サンプルの波長350nmの光の透過率を、分光光度計(日本分光社製「V-650」)により測定した。
(全光線透過率)
得られた集電シート用樹脂フィルムの全光線透過率を、JIS K7361- 1:1997に準拠して、(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定した。
(ヘイズ)
得られた集電シート用樹脂フィルムを50mm×50mmにカットし試験片を作製した。次いで、ETFE(テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体)フィルムと試験片とETFEフィルムとをこの順に積層し、設定温度165℃、真空引き2分、プレス2.5分、圧力100kPaの条件で真空ラミネートを行った。続いて、試験片の両面からそれぞれETFEフィルムを除去し、測定用サンプルを得た。そして、測定用サンプルのヘイズを、JIS K7136:2000に準拠して、(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定した。
(耐熱層および封止層の層間密着強度(共押し出し製膜適性))
得られた集電シート用樹脂フィルムを幅15mm×長さ100mmにカットしサンプルを作製した。得られたサンプルの耐熱層および封止層の界面に剥離のきっかけを付与した上で剥離試験機(エー・アンド・デイ社製のテンシロン万能試験機 RTF-1150-H)の上下10mmを冶具で押さえ、チャック間距離30mm、引っ張り強度50mm/minの剥離試験を行い、耐熱層および封止層の層間密着強度を測定した。
(耐熱層の貯蔵弾性率)
まず、集電シート用樹脂フィルムを5mm×20mmのサイズに切り出し、集電シート用樹脂フィルムから封止層を削り取って、耐熱層のサンプルを作製した。次に、耐熱層の貯蔵弾性率を、JIS K7244-4:1999に準拠する方法により、動的粘弾性測定(DMA)により測定した。具体的には、引張方向がサンプルの長手方向となるように、動的粘弾性測定装置(ユービーエム社製Rheogel-E4000)のチャックにサンプルの両端を取り付け、下記の測定条件にて、引張荷重をかけて、引張法で測定を行った。
<貯蔵弾性率の測定条件>
・測定試料:5mm×20mmの矩形
・測定モード:引張法(正弦波歪み、引張モード、歪み量:自動歪み)
・昇温速度:3℃/min
・温度:-60℃以上150℃以下
・周波数:10Hz
・引張荷重(静荷重):100g
(耐光性試験)
50mm×50mmにカットした集電シート用樹脂フィルムの試験片を、スーパーUV試験機(岩崎電気株式会社製「アイスーパーUVテスター」)に投入し、100mW/cmの照射条件にて、168時間、劣化促進試験を行った。168時間経過後、試験片の外観を目視により観察して耐光性を評価した。
A:特に外観上変化ないもの
B:細かなクラックが生じているもの
C:外観上完全にひび割れが生じているもの
(熱収縮率)
150mm×150mmにカットした集電シート用樹脂フィルムの試験片に、長さが100mmとなるように井桁の線を描いた後、150℃に設定したオーブン中、タルク上で10分加熱した。そして、加熱前後で、井桁の線の内側の距離をガラススケールで測定し、熱収縮率を求めた。なお、比較例1~2では、集電シート用樹脂フィルムが加熱により溶けるため、測定不可であった。
(カール試験)
得られた集電シート用樹脂フィルムを150mm×150mmにカットしてサンプルを作製した。上記サンプルを耐熱層側の表面を下方に向けて水平面に載置し、試験片の各側辺の水平面からの乖離距離の平均値を測定した。乖離距離の平均値が10mm未満である場合を「A」、乖離距離の平均値が40mmを超えた場合を「B」とした。
Figure 0007343060000004
Figure 0007343060000005
なお、表1および表2中、「S135」はプライムポリマー株式会社製のS135(商品名)(密度0.9g/cm、融点165℃、MFR(190℃)4.0g/10min)、「S235」はプライムポリマー株式会社製のS235(商品名)(密度0.900g/cm、融点135℃、MFR(230℃)10g/10min)、「PN3560」は三井化学株式会社製のタフマーPN3560(商品名)(密度0.866g/cm、融点160℃、MFR(190℃)2.8g/10min)、「PN0040」は三井化学株式会社製のタフマーPN0040(商品名)(密度0.868g/cm、融点160℃、MFR(190℃)2.0g/10min)、「DF110」は三井化学株式会社製のタフマーDF110(商品名)(密度0.905g/cm、融点94℃、MFR(190℃)1.2g/10min)、「A4090S」は三井化学株式会社製のタフマーA4090S(商品名)(密度0.893g/cm、融点77℃、MFR(190℃)3.6g/10min)、「XJ100H」は日本ポリエチレン株式会社製のXJ-100X(商品名)(密度0.93g/cm、融点115℃、MFR(190℃)3.0g/10min)、「KF260T」は日本ポリエチレン株式会社製のカーネルKF260T(商品名)(密度0.9g/cm、融点93℃、MFR(190℃)2.0g/10min)、「MF900N」は三菱ケミカル社製のリンクロンMF900N(商品名)(密度0.9g/cm、融点83℃、MFR(190℃)1.0g/10min)である。
実施例1~20の結果から、集電シート用樹脂フィルムの耐熱層にポリプロピレン樹脂を含有させることにより、紫外線透過率が良好であり、耐光性試験後も外観の劣化が少ない集電シート用樹脂フィルムとすることができることが確認された。
すなわち、本開示においては、以下の発明を提供できる。
[1]太陽電池の集電シートに用いられる集電シート用樹脂フィルムであって、耐熱層と、前記耐熱層の一方の面側に配置された封止層とを備え、前記耐熱層はポリプロピレン樹脂を含有する、集電シート用樹脂フィルム。
[2]前記耐熱層は光安定剤を含有する、[1]に記載の集電シート用樹脂フィルム。
[3]前記耐熱層に用いられる樹脂の融点が、80℃以上200℃以下である、[1]または[2]に記載の集電シート用樹脂フィルム。
[4]前記耐熱層の150℃における貯蔵弾性率が、0.1MPa以上1.0GPa以下である、[1]から[3]までのいずれかに記載の集電シート用樹脂フィルム。
[5]前記ポリプロピレン樹脂がホモポリプロピレン樹脂である、[1]から[4]までのいずれかに記載の集電シート用樹脂フィルム。
[6]前記耐熱層は、ポリエチレン系エラストマーおよびポリエチレン系プラストマーの少なくともいずれかを含有する、[1]から[5]までのいずれかに記載の集電シート用樹脂フィルム。
[7]前記封止層は、融点が80℃以上125℃以下であるポリオレフィン樹脂を含有する、[1]から[6]までのいずれかに記載の集電シート用樹脂フィルム。
[8]前記ポリオレフィン樹脂がポリエチレン樹脂である、[7]に記載の集電シート用樹脂フィルム。
[9]前記封止層は、シラン変性ポリエチレン樹脂を含有する、[8]に記載の集電シート用樹脂フィルム。
[10]太陽電池に用いられる集電シートであって、[1]から[9]までのいずれかに記載の集電シート用樹脂フィルムと、前記集電シート用樹脂フィルムの前記封止層側の面側に配置されたワイヤとを備える、集電シート。
[11][10]に記載の集電シートと、前記集電シートの前記封止層側の面側に配置され、前記ワイヤと電気的に接続された太陽電池素子とを備える、集電シート付き太陽電池素子。
[12]前記太陽電池素子の前記集電シートが配置された面から、前記耐熱層の前記太陽電池素子とは反対側の面までの距離のうちの最小距離が、前記ワイヤの前記太陽電池素子の前記集電シートが配置された面からの最大距離の、2/3以下である、[11]に記載の集電シート付き太陽電池素子。
[13]前記ワイヤを複数有し、前記集電シート付き太陽電池素子の断面視において、前記太陽電池素子の前記集電シートが配置された面から、前記耐熱層の前記太陽電池素子とは反対側の面までの距離のうち、最小の距離となる部分が、隣接するワイヤの間に位置する、[12]に記載の集電シート付き太陽電池素子。
[14]前記ワイヤが、前記耐熱層と接触している、[11]から[13]までのいずれかに記載の集電シート付き太陽電池素子。
[15]透明基板、第1封止材、[11]から[14]までのいずれかに記載の集電シート付き太陽電池素子、第2封止材、および対向基板がこの順に配置された、太陽電池。
[16]前記第1封止材は、前記第1封止材中の紫外線吸収剤の含有量が3.0質量%以下である、[15]に記載の太陽電池。
[17]前記太陽電池は、複数の前記集電シート付き太陽電池素子を備える太陽電池モジュールである、[15]または[16]に記載の太陽電池。
1 … 耐熱層
2 … 封止層
2a … 基材層
2b … 接着層
10、10A、10B … 集電シート用樹脂フィルム
11 … ワイヤ
20 … 集電シート
30 … 集電シート付き太陽電池素子
31 … 太陽電池素子
40 … 太陽電池
41 … 透明基板
42 … 第1封止材
43 … 第2封止材
44 … 対向基板

Claims (14)

  1. 太陽電池の集電シートに用いられる集電シート用樹脂フィルムであって、
    前記集電シート用樹脂フィルムの波長350nmの光の透過率が、76%以上であり、
    耐熱層と、前記耐熱層の一方の面側に配置された封止層とを備え、
    前記耐熱層はポリプロピレン樹脂を主成分として含有し、
    前記封止層はポリオレフィン樹脂を主成分として含有し、前記ポリオレフィン樹脂がポリエチレン樹脂であり、
    前記耐熱層は、ポリエチレン系エラストマーおよびポリエチレン系プラストマーの少なくともいずれかを含有する、集電シート用樹脂フィルム。
  2. 前記耐熱層は光安定剤を含有する、請求項1に記載の集電シート用樹脂フィルム。
  3. 前記耐熱層に用いられる樹脂の融点が、80℃以上200℃以下である、請求項1に記載の集電シート用樹脂フィルム。
  4. 前記耐熱層の150℃における貯蔵弾性率が、0.1MPa以上1.0GPa以下である、請求項1に記載の集電シート用樹脂フィルム。
  5. 前記ポリプロピレン樹脂がホモポリプロピレン樹脂である、請求項1に記載の集電シート用樹脂フィルム。
  6. 前記ポリオレフィン樹脂の融点が80℃以上125℃以下である、請求項1に記載の集電シート用樹脂フィルム。
  7. 太陽電池に用いられる集電シートであって、
    請求項1に記載の集電シート用樹脂フィルムと、前記集電シート用樹脂
    フィルムの前記封止層側の面側に配置されたワイヤと、を備える、集電シート。
  8. 請求項7に記載の集電シートと、前記集電シートの前記封止層側の面側に配置され、
    前記ワイヤと電気的に接続された太陽電池素子とを備える、集電シート付き太陽電池素子。
  9. 前記太陽電池素子の前記集電シートが配置された面から、前記耐熱層の前記太陽電池素子とは反対側の面までの距離のうちの最小距離が、前記ワイヤの前記太陽電池素子の前記集電シートが配置された面からの最大距離の、2/3以下である、請求項8に記載の集電シート付き太陽電池素子。
  10. 前記ワイヤを複数有し、
    前記集電シート付き太陽電池素子の断面視において、前記太陽電池素子の前記集電シートが配置された面から、前記耐熱層の前記太陽電池素子とは反対側の面までの距離のうち、最小の距離となる部分が、隣接するワイヤの間に位置する、請求項9に記載の集電シート付き太陽電池素子。
  11. 前記ワイヤが、前記耐熱層と接触している、請求項8に記載の集電シート付き太陽電池素子。
  12. 透明基板、第1封止材、請求項8に記載の集電シート付き太陽電池素子、第2封止材、および対向基板がこの順に配置された、太陽電池。
  13. 前記第1封止材は、前記第1封止材中の紫外線吸収剤の含有量が3.0質量%以下である、請求項12に記載の太陽電池。
  14. 前記太陽電池は、複数の前記集電シート付き太陽電池素子を備える太陽電池モジュールである、請求項12に記載の太陽電池。
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