JP7341098B2 - 電動車両の駆動装置、および電動車両 - Google Patents

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Description

本開示は、例えば新交通システムの車両や電気自動車などの電動車両の駆動装置(駆動システム)に関する。
現状、新交通システムの車両(新交通車両)の駆動装置は、大型の可変速モータ(電動モータ)の動力を、大型ハイポイドギヤを介してデフギヤで左右の車軸に配分する構成である(図7A~図7B参照)。より詳細には、可変速モータはカップリングを介してデフギヤに取り付けられる。この際、可変速モータの回転方向と車軸の回転方向が異なるため、可変速モータとデフギヤとは、大型ハイポイドギヤにより可変速モータの回転方向を車軸の回転方向に変換した上で接続される。また、車軸は、駆動輪の有するホイール(ディスク部)にボルト締めされたタイヤ軸にスプラインで結合されるなどして、駆動輪に結合されることで、車軸の回転が駆動輪に伝達されるようになっている。
他方、電気自動車の駆動装置としては、電動モータの動力を2段の平行軸歯車を介してデフギヤで左右の車軸に配分するものが知られている。また、特許文献1には、インホイールモータ駆動装置のモータ回転軸の回転を複数の中間歯車で、出力軸の外周面に同軸に設けられる出力歯車に伝達する減速機が開示されており、駆動輪(車輪)は、ホイールと結合される車輪ハブ軸受部の内輪が出力軸と同じ回転数で回転されることにより駆動されるようになっている。特許文献2には、駆動輪(操舵輪)を油圧モータで駆動する装置において、油圧モータにより、複合遊星歯車列(減速機)を介して駆動輪(を駆動する構成が開示されている。
特開2019-172194号公報 実開平5-54042号公報
現状の新交通システムの電動モータ(動力源)はパワーケーブル(架線)から常時給電されているが(図7A~図7B参照)、新交通システムのコスト競争力強化などのため架線レス化(バッテリ車両化)が検討されている。架線レスシステムでは、駅に停車中のみ台車に設置されたバッテリに給電し、走行はバッテリで行う。しかしながら、現状の駆動装置の構成では可変速モータが台車のスペースを占めているため、台車にバッテリのスペースを十分に確保できない問題がある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、バッテリなどを設置するための十分なスペースを電動車両に確保することが可能な駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る電動車両の駆動装置は、
電動車両の駆動装置であって、
インホイールモータと、
前記インホイールモータの回転速度を減速して前記電動車両の駆動輪に伝達する減速機と、を備え、
前記減速機は、
前記インホイールモータによって駆動される太陽歯車と、
前記太陽歯車と噛み合わせて配置された第1歯数を有する第1遊星歯車と、
前記第1遊星歯車と噛み合わされて回転不能に配置された固定リングギヤと、
前記第1遊星歯車に結合された、前記第1歯数よりも少ない第2歯数を有する第2遊星歯車と、
前記第2遊星歯車と噛み合わされて回転可能に配置された可動リングギヤと、
前記可動リングギヤの回転を前記駆動輪に伝達するための伝達部材と、を有する。
本発明の少なくとも一実施形態に係る電動車両は、
上記の電動車両の駆動装置を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、バッテリなどを設置するための十分なスペースを電動車両に確保することが可能な駆動装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る電動車両の駆動装置の構成を概略的に示す図であり、電動車両は新交通車両である。 本発明の一実施形態に係る減速機の断面図である。 図2の減速機の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る電動車両の駆動装置の構成を概略的に示す図であり、電動車両は電気自動車である。 本発明の一実施形態に係る減速機の第2遊星歯車に対する減速比を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る新交通システムを説明するための図であり、新交通車両の正面からの概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係る新交通システムを説明するための図であり、図6Aの新交通車両を走行路と共に上方から見た図に対応する。 現状の新交通システムを説明するための図であり、新交通車両の正面からの概略を示す図である。 現状の新交通システムを説明するための図であり、図7Aの新交通車両を走行路と共に上方から見た図に対応する。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車で構成された減速機の断面図であり、キャリア部材の軸部に形成された油路を示す。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車で構成された減速機の断面図であり、キャリア部材の軸部の油路および第2連結部の油溝を有する。 図9Aの第2連結部の表面を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動車両9の駆動装置1の構成を概略的に示す図であり、電動車両9は新交通車両91である。図2は、本発明の一実施形態に係る減速機2の断面図である。図3は、図2の減速機2の構成を模式的に示す図である。図4は、本発明の一実施形態に係る電動車両9の駆動装置1の構成を概略的に示す図であり、電動車両9は電気自動車である。図5は、本発明の一実施形態に係る減速機2の第2遊星歯車42に対する減速比を示すグラフである。図6Aは、本発明の一実施形態に係る新交通システムを説明するための図であり、新交通車両91の正面からの概略を示す図である。また、図6Bは、本発明の一実施形態に係る新交通システムを説明するための図であり、図6Aの新交通車両91を走行路と共に上方から見た図に対応する。
図1、図4に示すように、電動車両9の駆動装置1(以下、単に駆動装置1)は、インホイールモータ12と、このインホイールモータ12の回転軸12rに接続され、この回転軸12rの回転速度を減速して駆動輪8に出力する減速機2と、を備える。インホイールモータ12および減速機2は、電動車両9が備える複数の駆動輪8の各々に対してそれぞれ設けられている。そして、駆動装置1は、減速機2によってインホイールモータ12の回転速度を所定の減速比Rで減速させることで駆動トルク(力)を増大させて、駆動輪8を駆動(回転)する。
上記のインホイールモータ12は例えば小型で高速回転可能な電動モータなどであり、図1、図4に示すように駆動輪8に隣接した位置に設置される。具体的には、図1に示すように、インホイールモータ12は、例えばその少なくとも一部が各駆動輪8の有するホイール空間V(後述)に位置するように、設置されても良い。図1に示す実施形態では、インホイールモータ12は、車幅方向におけるディスク部83(後述)の車両中央側および車両外側に形成されたホイール空間V(後述)に跨って設置されている。あるいは、インホイールモータ12は、ホイール空間Vと重ならない位置に設置されていても良い。図4に示す実施形態では、インホイールモータ12は、車幅方向におけるディスク部83(後述)の車両中央側に形成されたホイール空間V(後述)よりも、さらに車両中央側に位置するように設置されている。
上記のホイール空間Vは、ホイール81を構成するリム部82とディスク部83とで囲まれる空間である。すなわち、図1、図4に示すように、各駆動輪8は、減速機2の出力側(後述する伝達部材6)に結合されるホイール81と、ホイール81に取り付けられる例えばゴム製などのタイヤ86とを有している。このホイール81は、タイヤ86が取り付けられる上記のリム部82と、減速機2の出力側に結合される上記のディスク部83とを有している。そして、これらのリム部82とディスク部83とによってホイール空間Vが形成される。
ただし、図1、図4に示す実施形態に本発明は限定されない。例えば、他の幾つかの実施形態では、インホイールモータ12は、車幅方向におけるディスク部83の車両中央側にのみ、その一部が位置するように設置されても良い。あるいは、インホイールモータ12は、車幅方向におけるディスク部83の車両外側のホイール空間Vに、その大部分(例えば全体)が位置するように設置されても良い。
また、上記の駆動輪8は、減速機2の出力側と直接または他の部材を介して結合されることで、減速機2の出力が入力されるようになっている。例えば、図1、図4に示すように、ディスク部83と減速機2の出力側とを結合するための筒状(例えば円筒状。以下同様)の形状を有するタイヤ軸84を用いて駆動輪8と減速機2とを結合しても良い。図1、図4に示す実施形態では、ディスク部83の中央(回転中心)には、上記のタイヤ軸84を設置(挿入)するための貫通孔が形成されている。そして、この貫通孔に設置されたタイヤ軸84によって、ディスク部83と減速機2の出力側とが結合されている。
より具体的には、タイヤ軸84の外周面にはフランジ84fが形成されている。このフランジ84fおよびディスク部83の上記の貫通孔の周縁部には、それぞれ複数箇所においてボルトを挿入するため貫通穴(ボルト穴)が形成されている。そして、フランジ84fおよびディスク部83の各々のボルト穴が合わされた状態でボルト穴に挿通されたボルトにナットを締結するなどしてボルト締めすることで、ディスク部83とタイヤ軸84とが結合されている。
なお、本明細書では、結合とは、一方の部材が回転すると他の方の部材も一体的に(一緒に)回転するなど、2つの部分(部材)が一体化されていることを意味するものとする。具体的には、この2つの部分がボルトなどの締結部材を用いて一体化されていても良いし、プラインなどにより嵌合される(スプライン結合)ことで一体化されていても良い。2つの部分が溶接や接着剤による接着により一体化されても良いし、一体化した部品として鋳造や3次元造形などにより製造されても良い。
(減速機2の構成)
次に、上記の減速機2の構成について、図2~図3を用いて詳細に説明する。
なお、図1および図4に示す減速機2は、後述する伝達部材6の形状以外は概ね同じ機構(構成)を有している。このため、図1の減速機2の拡大図に相当する図2を用いて、図1、図4の両方で共通する減速機2の構成を説明する。このように、図1の減速機2と図4の減速機2とは概ね同じ機構を有しているため、図3の減速機2の構成は、図1の減速機2のみならず、図4の減速機2にも共通してあてはまる。
図2~図3に示すように、減速機2は、太陽歯車3と、2種類の遊星歯車4(第1遊星歯車41、第2遊星歯車42)と、2種類のリングギヤ5(固定リングギヤ51、可動リングギヤ52)と、後段のリングギヤ5(可動リングギヤ52)の回転を駆動輪8に伝達するための伝達部材6と、を備える。これらの各歯車は、減速機ハウジング2hの内部に収容されており、その内部において以下で説明するように互いに噛み合わされるなどして連動するように連結される。
これらの構成についてそれぞれ説明する。
太陽歯車3は、インホイールモータ12によって駆動される歯車である。具体的には、インホイールモータ12の回転軸12rに直接あるいは他の部材を介して結合されることで、インホイールモータ12の回転軸12rの回転と共に、例えば同軸などで回転するように構成される。この太陽歯車3は外歯歯車であり、同じく外歯歯車である第1遊星歯車41と噛み合わされることで、第1遊星歯車41を回転させるように構成される。
第1遊星歯車41は、上記の太陽歯車3と噛み合わせて配置された歯車である。通常、複数の第1遊星歯車41が、キャリア部材44(後述)により、太陽歯車3の周囲に例えば等間隔に位置決めされる。第1遊星歯車41は外歯歯車であり、全ての第1遊星歯車41が、その外周側に配置された固定リングギヤ51と噛み合わされる。
固定リングギヤ51は、第1遊星歯車41と噛み合わされた状態で配置された歯車である。固定リングギヤ51は、環状の形状を有する内歯歯車であり、減速機ハウジング2hに固定されるなどして、減速機ハウジング2hに対して回転しないようになっている。このため、太陽歯車3が回転すると、第1遊星歯車41は太陽歯車3の回転方向と逆方向に自転しつつ、太陽歯車3の周囲を太陽歯車3の回転方向と同じ方向に、太陽歯車3の周囲を公転する。
また、第2遊星歯車42は、上記の第1遊星歯車41に結合された歯車であり、第1遊星歯車41と同軸で同じ方向に回転するように構成される。第2遊星歯車42は、第1遊星歯車41毎に設けられるため、第1遊星歯車41と同数存在する。そして、第2遊星歯車42は外歯歯車であり、全ての第2遊星歯車42が、その外周側に配置された可動リングギヤ52と噛み合わされる。
可動リングギヤ52は、第1遊星歯車41と同数存在する第2遊星歯車42と噛み合わされた状態で配置される歯車である。可動リングギヤ52は、環状の形状を有する内歯歯車である。この可動リングギヤ52は、上記の固定リングギヤ51とは異なり、減速機ハウジング2hなどに固定されていない。つまり、可動リングギヤ52は、回転可能(自転可能)に配置されている。このため、第2遊星歯車42が回転すると、可動リングギヤ52も同じ方向に回転する。
そして、伝達部材6は、この可動リングギヤ52に結合されることで可動リングギヤ52と一体的に回転するようになっている。つまり、伝達部材6が減速機2の出力軸の役割を担っている。具体的には、伝達部材6は、可動リングギヤ52に結合される例えば筒状の形状を有するリング側結合部61と、このリング側結合部61の他端側を閉じるように設けられた例えば板状(円板状)の駆動輪側結合部62とで構成されている(図1、図4参照)。そして、駆動輪側結合部62が直接または他の部材(本実施形態ではタイヤ軸84)を介して、ホイール81のディスク部83に結合される。伝達部材6のより詳細な構成については後述する。
ここで、一般的な遊星歯車装置は、外歯歯車である太陽歯車3と、この太陽歯車3の外歯にそれぞれ噛み合わされる複数(例えば3個)の外歯歯車である遊星歯車4(本実施形態の第1遊星歯車41に相当)と、このような太陽歯車3を中心に配置された複数の遊星歯車4をその内側に収めつつ、この複数の遊星歯車4と噛み合わされる内歯歯車であるリングギヤ5(インターナルギヤ。本実施形態の固定リングギヤ51に相当)と、リングギヤ5に結合された出力軸となるキャリアを有して構成される。
他方、上述した構成を有する減速機2(図1~図4参照)は、上記の一般的な構成の遊星歯車装置が備えるリングギヤ5を、固定リングギヤ51と可動リングギヤ52との2つに分割すると共に、この2つのリングギヤ5を、上記の遊星歯車4(第1遊星歯車41)と新たに導入した遊星歯車4(第2遊星歯車42)との2つを用いて連動させたような機構を有している。
そして、第1遊星歯車41の歯数を第1歯数Zp1とし、第2遊星歯車42の歯数を第2歯数Zp2とすると、第1歯数Zp1の方が第2歯数Zp2よりも大きくされている(Zp1>Zp2)。この際、固定リングギヤ51の歯数をZr1、可動リングギヤ52の歯数をZr2、太陽歯車3の歯数をZs1とすると(図3参照)、上記の構成によって減速機2の減速比Rは、R=(1+Zr1/Zs1)/{1-(Zr1×Zp2)/(Zp1×Zr2)}の関係を有する。
この式において、例えば、Zp1、Zr1、Zr2およびZs1を任意の値に固定した場合に、横軸を第2歯数Zp2、縦軸は減速比Rとしてグラフに表すと図5に示すようになる。図5の実線で示すように、第2遊星歯車42の第2歯数Zp2を変えることで、所望の減速比Rを有する減速機2をより容易に実現することが可能となる。また、上記の第2歯数Zp2を変えるだけで減速比Rを変化できるので、固定リングギヤ51の大きさ(直径)を変える必要がなく、減速機2の大きさ(減速機ハウジング2h)を変えることなく、減速比Rを調整することも可能となる。さらに、一般的な遊星歯車装置(図5の破線)よりも、減速比Rを大きくとることが可能となる。
図2に示す実施形態をより詳細に説明すると、上記の第2遊星歯車42の中央には貫通孔が形成されている。また、第2遊星歯車42は、この貫通孔の周縁から突出するように形成された筒状の結合部42pが形成されている。そして、この結合部42pが第1遊星歯車41の中央に形成された貫通孔に設置されることで、両者がスプライン結合されるようになっている。具体的には、上記の結合部42pの外周面に形成された等間隔の溝と、第1遊星歯車41の貫通孔(ボス)の内種面に等間隔で形成された溝とが嵌合するようになっている。このようなスプライン結合により、両者の径方向における相対変位の吸収が可能になる。
また、第1遊星歯車41の貫通孔と、第2遊星歯車42の貫通孔および結合部42pの内部とによって形成される孔には第1軸受65が設置されている(本実施形態では2個)。この第1軸受65は、キャリア部材44を回転させる軸部44sを回転可能に支持するように構成されている。このキャリア部材44の軸部44sは、一対の遊星歯車4(41、42)の各々の孔に設置される部分であり、全ての軸部44sの両端部はそれぞれ板状の連結部(第1連結部44a、第2連結部44b)に結合されている。この2枚の連結部は、それぞれ例えば円板状の形状を有しており、連結部の中心(重心)を中心として設置された筒状の突出部44pを有している。
そして、第2遊星歯車42側に位置する連結部(第2連結部44b)の突出部44pの外周は、伝達部材6(駆動輪側結合部62の中央に形成された薄肉部分)に設置された第2軸受66に支持される。また、第1遊星歯車41側に位置する連結部(第1連結部44a)の突出部44pの外周は、減速機ハウジング2hに、第3軸受67を介して支持される。これによって、キャリア部材44は、第1遊星歯車41の公転と共に回転するようになっている。なお、この第2連結部44bの中央には貫通孔が形成されており、この貫通孔に太陽歯車3の入力軸31が挿通されているが、第2連結部44bが上述したよう支持されることで、接触しないようになっている。
上述した構成を備える電動車両9の駆動装置1は、例えば従来型の電動車両9が備えるような大型の電動モータやデフギヤを備えておらず(図7A~図7B参照)、図6A~図6Bに示すように駆動装置1が駆動輪8の周辺に位置することによって、車体の中央にはスペースが形成される。これによって、例えば新交通車両91では台車93にバッテリ94(車上バッテリ)を搭載することが可能になるなど、この車体の中央に形成されたスペースにバッテリ94を設置し、バッテリ94から供給される電力によって駆動輪8を駆動することが可能となる。したがって、新交通システムでは、走行路に沿ってパワーケーブルを敷設することなく電動車両9のバッテリ94による走行が可能となる。同様に、電気自動車92では、エンジン駆動自動車に比べ航続距離が短いなどの課題があるが、より大きなバッテリ94を搭載することが可能になることで航続距離を延ばすことや、より広い車室を形成することが可能になるなど、性能の向上を図ることが可能となる。
上記の構成によれば、電動車両9を駆動する駆動装置1は、電動車両9が備える左右の駆動輪8を、各駆動輪8にそれぞれ設けられたインホイールモータ12により減速機2を介して個別に駆動するように構成される。この減速機2は、遊星歯車機構におけるリングギヤ5(インターナルギヤ)を、減速機ハウジング2hなどに固定された状態にある固定リングギヤ51と、固定されていない状態にある可動リングギヤ52とで2分割し、固定リングギヤ51および太陽歯車3に噛み合わされる第1遊星歯車41、およびこの第1遊星歯車41と一体的に結合された第2遊星歯車42とで連動させたような機構を有している。そして、第1遊星歯車41の歯数は第2遊星歯車42の歯数よりも少なく(第1歯数Zp1>第2歯数Zp2)、第2遊星歯車42によって回転される可動リングギヤ52の回転を駆動輪8に伝達するように構成される。
これによって、通常の遊星歯車機構(遊星歯車4およびリングギヤ5がそれぞれ1個)よりも大きな減速比を得ることができる。したがって、例えば大型の電動モータによってデフギヤを介して左右の駆動輪8を駆動する構成を採用することなく、例えば小型の高速モータで構成したインホイールモータ12で電動車両9を適切に駆動することができる。また、現状の新交通車両91が備えるデフギヤや大型ハイポトギヤ、大型の電動モータを廃することができるので、新交通車両91の台車93などにより広いスペースを確保することができるなど、電動車両9に十分なバッテリスペースを確保できるようになる。よって、例えば新交通システムの架線レス化の実現などを可能にすることができる。
次に、上述した構成を備える減速機2およびインホイールモータ12を各種の電動車両に搭載した場合の実施形態における伝達部材6について、図1~図4を用いて具体的に説明する。
(ダブルタイヤの場合)
例えば新交通システムの車両(新交通車両91)の各駆動輪8は、2つのホイール81およびタイヤ86が並列に並べられて構成されたダブルタイヤとなっている。
このようなダブルタイヤを採用した車両は、図1に示すように、上述したホイール空間Vがディスク部83を挟んだ両側に形成される。このため、減速機2を、ディスク部83よりも車両の外側に設置しても、ホイール空間Vに収めることが可能である。
このため、幾つかの実施形態では、減速機2をディスク部83における車両外側に設置しても良い。具体的には、幾つかの実施形態では、図1に示すように、駆動装置1は、インホイールモータ12を収容する車軸ハウジング12hと、減速機2を収容すると共に、車軸ハウジング12hと結合される減速機ハウジング2hと、駆動輪8(ディスク部83)と伝達部材6とを結合するための筒状の形状を有するタイヤ軸84と、をさらに備える。この場合において、上記の車軸ハウジング12hおよび減速機ハウジング2hは、タイヤ軸84の内部に設置されている。これによって、インホイールモータ12を備える駆動装置1を電動車両9に適切に設置することが可能となる。
また、幾つか実施形態では、図1~図2に示すように、駆動装置1は、上記の車軸ハウジング12hの外周面に設置され、上述したタイヤ軸84を内部から支持する支持部材7をさらに備えていても良い。この支持部材7は軸受であっても良い。また、上述したタイヤ軸84のフランジ84fは、タイヤ軸84の外周面における、タイヤ軸84の側壁を挟んだ支持部材7の反対側の位置など、その位置の近傍に設けられていても良い。これによって、車体重量を支持部材7で支えるように構成することができるので、減速機2に車体重量を作用しないように図ることができ、減速機2の信頼性の確保をすることができる。
幾つかの実施形態では、図1~図2に示すように、上述した伝達部材6とタイヤ軸84とはスプライン結合されていても良い。図1~図2に示す実施形態では、伝達部材6は、板状(円板状)の形状を有する車軸部64を有している。より詳細には、上述した伝達部材6の駆動輪側結合部62は、上述したリング側結合部61にその一端が結合された板状の中継部63と、この中継部63の他端に結合された上記の車軸部64とで構成されている。また、本実施形態では、車軸部64の全長(直径)は、駆動輪側結合部62のものよりも大きくなっている。そして、車軸部64の外周面には複数の等間隔の溝が設けられており、この溝と、タイヤ軸84の内周面の端部に設けられた溝とが嵌合することで、スプライン結合されている。
上記の構成によれば、例えば減速機2に車体重量が作用することで減速機2に変形が生じるようなことがあっても、その変形をスプライン結合により吸収することができ、構造変形が減速機2の強度に及ぼす影響を抑制することができる。
ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、伝達部材6とタイヤ軸84とはスプライン結合以外の他の方法により結合されても良い。
また、幾つかの実施形態では、図1~図2に示すように、減速機ハウジング2hは、車軸ハウジング12hに固定される第1ハウジング部21と、車軸ハウジング12hに固定されると共に、上述した固定リングギヤ51を固定する第2ハウジング部22とで構成されても良い。そして、第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とはスプライン結合されても良い。
図1~図2に示す実施形態では、第2ハウジング部22は筒状の形状を有している。そして、上記の伝達部材6(本実施形態ではリング側結合部61)は、第2ハウジング部22の端部の内周面に設置された第4軸受68により、第2ハウジング部22に対して回転可能に支持されている。また、第1ハウジング部21は、第2ハウジング部22の他方の端部を閉じるような板状(円板状)の形状を有している。第1ハウジング部21の中央部分には貫通孔が形成されており、インホイールモータ12の回転軸12rあるいは太陽歯車3の入力軸31が、この貫通孔に接触することなく設置可能に構成されている。そして、この第1ハウジング部21の貫通孔の内周面には、第3軸受67が設置されており、キャリア部材44の有する第1連結部44aの突出部44pの外周面を回転可能に支持するように構成されている。
上記の構成によれば、上述したのと同様に、減速機2の構造変形が減速機2の強度に及ぼす影響を抑制することができる。
ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とはスプライン結合以外の他の方法により結合されても良い。
また、幾つかの実施形態では、図1~図2に示すように、インホイールモータ12の回転軸12rと太陽歯車3とはスプライン結合されていても良い。図1~図2に示す実施形態では、インホイールモータ12の回転軸12rと太陽歯車3の入力軸31とがスプライン結合されている。より具体的には、インホイールモータ12の回転軸12rの端部には中空部が形成されており、この中空部に太陽歯車3の入力軸31の端部を挿入して設置するようになっている。そして、この中空部の周縁に形成された溝と、太陽歯車3の入力軸31の外周面に形成された溝とが嵌合することで、スプライン結合がなされるようになっている。
上記の構成によれば、インホイールモータの回転軸12rと太陽歯車との結合部に曲げ応力が作用した場合であってもスプライン結合により吸収することができ、構造変形の影響を抑制することができる。
ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、インホイールモータの回転軸と太陽歯車とはスプライン結合以外の他の方法により結合されても良い。
幾つかの実施形態では、図1~図2に示すように、駆動装置1は、車軸ハウジング12hと減速機ハウジング2hとの間に設置されるスペーサSをさらに備えても良い。そして、車軸ハウジング12hと減速機ハウジング2hとはスペーサSを介して結合されている。
図1~図2に示す実施形態では、スペーサSは筒状の形状を有しており、車軸ハウジング12hと減速機ハウジング2hとの間に設置されて、両者に挟まれた状態で、ボルトで締結されるようになっている。また、インホイールモータ12は、第1ハウジング部21にボルトで直接固定されるようになっている。これによって、組み立て時には、例えば減速機ハウジング2h(第1ハウジング部21)にインホイールモータ12を取り付けた後、スペーサSを減速機ハウジング2hに設置する。その後、インホイールモータ12を囲むようにスペーサSおよび車軸ハウジング12hを順番に設置し、車軸ハウジング12hと減速機ハウジング2hとでスペーサSを挟んだ状態にした上で、この3つの部材を一緒に固定(ボルト締め)する。こういった手順で駆動装置1を組み立てるなど、駆動装置1の組み立てを容易に行うことが可能となる。
上記の構成によれば、車軸ハウジング12hと減速機ハウジング2hとはスペーサSを介して結合される。これによって、駆動装置1の組立の容易化を図ることができ、組み立て性およびメンテナンス性に優れた駆動装置1を提供することができる。
(シングルタイヤの場合)
他方、例えば電気自動車92の駆動輪8は、1つのホイール81およびタイヤ86で構成されたシングルタイヤを採用している場合が多い。このようなシングルタイヤを採用した車両は、図4に示すように、上述したホイール空間Vは、ディスク部83を挟んだ車両の中央側にのみ形成されるか、その反対側が極端に狭い場合がある。このため、減速機2を、ディスク部83よりも車両外側に設置すると、減速機2が車体の外側に突出してしまう。
このため、幾つかの実施形態では、減速機2をディスク部83よりも車両中央側に配置しても良い。具体的には、幾つかの実施形態では、図4に示すように、駆動装置1は、減速機2を収容するための減速機ハウジング2hをさらに備えている。そして、インホイールモータ12は、駆動輪8が有するホイール81のディスク部83よりも車幅方向における車両中央側に設置されており、減速機ハウジング2hは、インホイールモータ12とディスク部83との間に設置されている。つまり、車幅方向の中央側から外側に向かって、インホイールモータ12、減速機2、タイヤ軸84、ディスク部83の順番に並んでいる。
図4に示す実施形態では、駆動装置1は、上記のタイヤ軸84と、このタイヤ軸84の内部に設置された第4軸受68と、をさらに備えている。そして、本実施形態の伝達部材6は、駆動輪側結合部62として、棒状の形状を有する第1軸部64aと、この第1軸部64aの端部およびタイヤ軸84にそれぞれ結合された例えば板状(円板状)の形状を有する第2軸部64bを含む車軸部64を有している。また、減速機ハウジング2hは、タイヤ軸84の内部を延在する筒状(円筒状)の形状を有する軸受支持部23を有している。そして、上記の第4軸受68は、軸受支持部23の外周面に設置され、上記の伝達部材6における車軸部64の第1軸部64aを回転可能に支持するように構成されている。
より詳細には、伝達部材6は、上述したようにリング側結合部61と、駆動輪側結合部62と、を有しているが、この駆動輪側結合部62は、リング側結合部61にその一端が結合された板状の中継部63(前述)と、この中継部63の他端に結合された車軸部64とで構成されている。そして、この車軸部64が有する上記の第1軸部64aおよびその一端に結合された第2軸部64bは、第1軸部64aの他端側に結合された板状(円板状)の第3軸部64cを介して、上記の中継部63に結合されている。換言すれば、板状の2つの第2軸部64bおよび第3軸部64cが棒状の第1軸部64aによって結合されており、第3軸部64cが回転すると、第1軸部64aおよびこれに結合された第2軸部64bが回転する。
また、第2軸部64bがタイヤ軸84と結合されており、タイヤ軸84が上記の軸受支持部23の外周面に設置された第4軸受68により回転可能に支持されているため、タイヤ軸84が軸受支持部23に対して回転可能となっている。よって、第2軸部64bが回転するとタイヤ軸84も一体的に回転することで、タイヤ軸84に結合された駆動輪8も一体的に回転するようになっている。また、第4軸受68によって、車体重量を支持しており、減速機2に車体重量を作用しないように図られている。
なお、上記の実施形態において、幾つかの実施形態では、伝達部材6(第2軸部64b)とタイヤ軸84とは、スプライン結合されていても良い(図2参照)。同様に、幾つかの実施形態では、減速機ハウジング2hは、上述したように第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とで構成されており、両者がスプライン結合されていても良い。幾つかの実施形態では、インホイールモータ12の回転軸12rと太陽歯車3とはスプライン結合されていても良い。このようなスプライン結合によって、減速機2の構造変形の影響を抑制することが可能となる。
また、図4に示す実施形態では、インホイールモータ12は、減速機ハウジング2hに例えばボルトなどを用いて直接固定されている点で、図1~図2と同様であるが、図1~図2に示されるような車軸ハウジング12hのような部材は設けられていない。ただし、図4に示す実施形態でも、駆動装置1は車軸ハウジング12hを備えていても良い。この場合には、上述したように、車軸ハウジング12hは、スペーサSを介して車軸ハウジング12hと結合されるように構成されても良い。
上記の構成によれば、インホイールモータ12および減速機ハウジング2h(減速機2)は、駆動輪8が有するホイール81のディスク部83よりも電動車両の中央側に設置される。これによって、例えば電気自動車のように各駆動輪8がシングルタイヤで構成されている場合であっても、減速機2が車体の外側に突出しないようにすることができる。
ただし、図1~図4に示す実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、新交通車両91の駆動輪8はシングルタイヤであっても良い。また、電気自動車92の駆動輪8はダブルタイヤであっても良い。
次に、上述した駆動装置1の効率向上および振動低減を行うための実施形態について、図8~図9Bを用いて説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るはすば歯車で構成された減速機2の断面図であり、キャリア部材44の軸部44sに形成された油路を示す。図9Aは、本発明の一実施形態に係るはすば歯車で構成された減速機2の断面図であり、キャリア部材44の軸部44sの油路pおよび第2連結部44bの油溝44gを示す。また、図9Bは、図9Aの第2連結部44bの表面を示す図である。
上述したように、駆動装置1においては、インホイールモータ12の回転によって減速機2の太陽歯車3が回転されることで所定の減速比Rで伝達部材6が回転し、駆動輪8が回転される(図1~図5参照)。この際、インホイールモータ12の同一の出力によって、より低負荷(高回転)で駆動輪8を回転するためには、太陽歯車3と、2種類の遊星歯車4(第1遊星歯車41、第2遊星歯車42)と、2種類のリングギヤ5(固定リングギヤ51、可動リングギヤ52)とが、それぞれ平歯車ではなく、はすば歯車である方が良い。
しかしながら、はすば歯車の回転時には、その回転軸に沿った方向に働くスラスト力(接線力)が生じ、第1遊星歯車41および第2遊星歯車42をそれぞれ支持する軸受(第1軸受65)の負担が増大する。よって、第1遊星歯車41と固定リングギヤ51との噛み合いで生じるスラスト力である第1遊星歯車41側のスラスト力と、第2遊星歯車42と可動リングギヤ52との噛み合いで生じるスラスト力である第2遊星歯車42側のスラスト力とが、互いに逆向きで、かつ、同じような大きさとなるようにすれば、第1軸受65の負担を抑制しつつ、平歯車を採用するよりも、減速機2を、振動を抑制しつつ滑らかに回転することが可能になる。よって、駆動装置1の効率向上および振動低減を実現できる。
したがって、幾つかの実施形態では、図8に示すように上述した第1遊星歯車41および第2遊星歯車42は、互いにねじれ角が逆向きのはすば歯車であっても良い。この場合、太陽歯車3および固定リングギヤ51も第1遊星歯車41と噛み合うことが可能なはすば歯車であり、可動リングギヤ52も第2遊星歯車42と噛み合うことが可能なはすば歯車となる必要がある。これによって、第1遊星歯車41側のスラスト力と、第2遊星歯車42側のスラスト力は互いに逆向きとなる。
これと共に、第1遊星歯車41のねじれ角(以下、適宜、第1ねじれ角β)、および、第2遊星歯車42のねじれ角(以下、適宜、第2ねじれ角β)を、下記[1]式で示す関係式を満たすように定める。すなわち、第1遊星歯車41のねじれ角をβ、このねじれ角に応じて生じる接線力(以下、適宜、第1接線力)をP、第2遊星歯車42のねじれ角をβ、このねじれ角に応じて生じる接線力(以下、適宜、第2接線力)をPとすると、βおよびβは、下記の式[1]で示す関係を有する。
β=tan-1{(P/P)・tan(β)} [1]
上記の式[1]について詳細に説明する。例えば、第1歯数Zp1の歯数を有する第1遊星歯車41側のスラスト力をF、第2歯数Zp2の歯数を有する第2遊星歯車42側のスラスト力をFとすると、この各々のスラスト力とねじれ角との関係は下記式[2]、[3]で示すようになる。
=P・tan(β) [2]
=P・tan(β) [3]
また、上記の第1接線力および第2接線力は次のように求められる。
各回転軸に各軸に作用するモーメントの釣合い式は、Ts1を太陽歯車3に入力されるトルク、Tを伝達部材6のトルク、Tr2を可動リングギヤ52(2段目の内歯歯車)のトルク(出力トルク)とすると、これらの関係は下記の式[4]で表される。また、減速機2の減速比RをRとすると、上記のTr2は下記の式[5]で求められる。
s1+T=Tr2 [4]
r2=R・Ts1 [5]
そして、上記の式[4]、[5]から、上記の出力トルク(T)は式[6]で求められる。
=Tr2-Ts1=R・Ts1-Ts1=Ts1・(R-1) [6]
また、接線力は、トルク/歯車ピッチ円半径で求まるため、上記の第1接線力および第2接線力は、Rs1を太陽歯車3のピッチ円半径、Rr2を、第2遊星歯車42と噛み合う可動リングギヤ52のピッチ円半径とすると、それぞれ下記の式[7]、[8]で求まる。
=Ts1/Rs1 [7]
=Tr2/Rr2 [8]
よって、P=Pの関係から、上記の式[1]で示す関係式が導出される。また、この関係式をみたすように、第1ねじれ角βおよび第2ねじれ角βを定める。例えば、最初に、太陽歯車3の第1歯数をZs1と、第1遊星歯車41の第1歯数Zp1と、第2遊星歯車42の第2歯数Zp2と、固定リングギヤ51の歯数であるZr1と、可動リングギヤ52の歯数であるZr2とを定めると共に(図3参照)、太陽歯車3のピッチ円半径であるRs1と、第2遊星歯車42と噛み合う可動リングギヤ52のピッチ円半径であるRr2と、太陽歯車3に入力されるトルクTs1とをそれぞれ定める。そして、式[7]および式[8]より第1接線力および第2接線力を求める。次に、第1遊星歯車41の第1ねじり角βを定め、上記の式[1]で示す関係式から第2遊星歯車42の第2ねじり角βを求める。これによって、第1遊星歯車41側のスラスト力と第2遊星歯車42側のスラスト力とが互いに打ち消し合う(キャンセルする)ように、両者のねじり角(β、β)を求めることができる。
上記の構成によれば、太陽歯車3、2種類の遊星歯車4(第1遊星歯車41、第2遊星歯車42)、および2種類のリングギヤ5(固定リングギヤ51、可動リングギヤ52)は、それぞれ、はすば歯車である。そして、第1遊星歯車41のねじり角、および第2遊星歯車42のねじり角は、その各々の噛み合いにより生じるスラスト力が互いに打ち消し合うように選定される。これによって、はすば歯車同士の噛み合いがより滑らか(噛み合い率が増大)になることで、歯車同士の噛み合いで生じる振動が平歯車よりも低減し、インホイールモータ12から入力によって太陽歯車3をより高速に回転させることができる。このため、第1遊星歯車41および第2遊星歯車42の各々貫通孔に延在するキャリア部材44の軸部44sを回転可能に支持する軸受(第1軸受65)の負担を低減することができ、第1軸受65の信頼性の向上や、第1軸受65の小型化も実現することができる。
また、幾つかの実施形態では、図8~図9Bに示すように、上述した減速機2へのはすば歯車の適用と共に、あるいはこれとは別に、減速機2において、互いに結合された第1遊星歯車41および第2遊星歯車42で構成される複合遊星歯車4Aの回転軸に沿って延在する上述したキャリア部材44の軸部44sを支持する第1軸受65に潤滑油を供給するように構成しても良い。
具体的には、幾つかの実施形態では、図8~図9Bに示すように、上述した減速機2は、互いに結合された第1遊星歯車41および第2遊星歯車42でそれぞれ形成される複数の複合遊星歯車4Aと、複数の複合遊星歯車4Aが太陽歯車3の周囲に配置された際の相互の間隔を規定(位置決め)する上述したキャリア部材44と、このキャリア部材44が有する上述した複数の軸部44sをそれぞれ回転可能に支持する上述した複数の第1軸受65と、をさらに有する。複数の複合遊星歯車4Aは、キャリア部材44によって、太陽歯車3の周囲に互いに間隔(等間隔)を空けた状態で配置される。なお、既に説明した通り、上記のキャリア部材44は、複数の複合遊星歯車4Aの各々の回転軸4rに沿って延在する複数の軸部44sと、この複数の軸部44sの各々の一方側の端部を連結する板状の第1連結部44aと、同様に複数の軸部44sの各々の他方側の端部を連結する板状の第2連結部44bと、を有している。
そして、上記のキャリア部材44が備える複数の軸部44sの各々の内部には、各軸部44sの端部に形成された給油口44mから供給される潤滑油Fを、この軸部44sを支持する第1軸受65に導くための油路pが形成されており、伝達部材6または減速機ハウジング2hの少なくとも一方は、給油口44mに対向する位置に設けられた、給油口44mに向けて潤滑油Fを噴射するノズル部44nを有する。
ノズル部44nの数は、軸部44sの数と同数であっても良いし、それよりも多いあるいは少ないなど異なっていても良く、1以上あれば良い。例えばノズル部44nの数が軸部44sの数と同数であれば、全ての第1軸受65に同じタイミングで潤滑油Fを供給することが可能となる。また、ノズル部44nの先端の開口(噴射口)の形状や給油口44mの形状は、円、あるいは例えば回転方向などに長手方向を有する楕円や円弧、四角形であっても良く、噴射口および給油口44mの形状は同じであっても異なっていても良い。給油口44mの面積は大きいほど、また、回転方向の長さが長いほど、ノズル部44nから噴射された潤滑油Fが給油口44mに直接供給され易くなる。
そして、図8に示すように、ノズル部44nは、その噴射口の側と反対側の端部に接続された潤滑油供給ライン95aにより、潤滑油Fを潤滑油供給ライン95aに圧送することが可能な例えばポンプなどを有する潤滑油ユニット95に接続されることで、潤滑油ユニット95からノズル部44nへ潤滑油Fが供給される。また、ノズル部44nに供給された潤滑油Fは、軸部44sの給油口44mに向けて噴射される。この際、ノズル部44nの噴射口と軸部44sの給油口44mは、互いに異なる速度や向きで回転しており、これらが回転軸4rの方向で視認した時に重なりを有するようなタイミングで主に、潤滑油Fが油路pに供給され、第1軸受65に供給される。
このようにして複数の第1軸受65に潤滑油Fの供給がなされることから、幾つかの実施形態では、第1連結部44aまたは第2連結部44bの少なくとも一方におけるノズル部44nに対面する表面には、図9A~図9Bに示すように、複数の軸部44sの各々の給油口44mを通過する円環状の油溝44gが形成されても良い。つまり、ノズル部44nと軸部44sの給油口44mとは、一方に対して他方が円形の軌跡で相対的に回転することになるので、この円形の軌跡と重なる(含む)ような円環状の油溝44gを上記の表面に形成すれば、ノズル部44nから噴射された潤滑油Fは、噴射のタイミングによらず、給油口44mまたは油溝44gの少なくとも一方に噴射(供給)される。そして、油溝44gに噴射された潤滑油Fは、油溝44gに沿って流れることで、いずれかの給油口44mに向かうので、潤滑油Fが油路pにより効率良く供給されるように図ることが可能となる。
図8~図9Bに示す実施形態では、ノズル部44nは、伝達部材6または減速機ハウジング2hに形成された孔部である。より詳細には、ノズル部44n(孔部)は、軸部44sの回転軸4rの延在方向に沿って伝達部材6または減速機ハウジング2hを貫通するようにして形成されている。ノズル部44nは、上記の孔部に筒状の部材を嵌合するなどして設置することで、噴射口が上記の孔部の端部から突出していても良い。
また、図8~図9Bに示す実施形態では、油路pの給油口44mは、軸部44sにおける伝達部材6側の端部にのみ設けられている。そして、ノズル部44nは伝達部材6に設けられている。他の幾つかの実施形態では、油路pの給油口44mは、減速機ハウジング2hの第1ハウジング部21側の端部にのみに設けられても良い。この場合には、ノズル部44nは第1ハウジング部21に設けられる。その他の幾つかの実施形態では、これらの実施形態を組み合わせても良く、油路pの給油口44mは軸部44sの両端に設けられ、ノズル部44nは伝達部材6および第1ハウジング部21に設けられる。また、油路pは、互いに連通しないように2つ設けられる。
図8~図9Bに示す実施形態では、第1軸受65は、複合遊星歯車4Aの貫通孔の内部に互いに離間して設置された2つの軸受で構成されている。より詳細には、上記の第1軸受65を構成する2つの軸受は、複合遊星歯車4Aを構成する第1遊星歯車41および第2遊星歯車42の各々の貫通孔の内部に設置されている。そして、油路pの出口はこの2つの軸受の間に設けられている。よって、2つの軸受の間から複合遊星歯車4Aの貫通孔に供給された潤滑油Fは、その位置から左右に存在する2つの軸受に向けてそれぞれ流れていくことにより、第1軸受65への潤滑油Fの供給がなされる。
また、幾つかの実施形態では、図8に示すように、伝達部材6または減速機ハウジング2hの少なくとも一方には、潤滑油循環用孔44rが形成されていても良い。この潤滑油循環用孔44rは、ノズル部44nよりも、インホイールモータ12の回転軸12rから径方向で離れた位置に形成された孔部である。そして、この潤滑油循環用孔44rは、潤滑油戻りライン95bにより潤滑油ユニット95に接続されることで、潤滑油循環用孔44rから排出された潤滑油Fが、潤滑油戻りライン95bを通って潤滑油ユニット95に流れるようになっている。
図8に示す実施形態では、伝達部材6とキャリア部材44の第2連結部44bとの間の空間は、既に説明した円環状のリング側結合部61の内側にあるため、ノズル部44nから噴射され、油路pに供給されなかった潤滑油Fは遠心力で、リング側結合部61の内壁面側に向かう。その途中には、潤滑油循環用孔44rが形成されており、潤滑油Fは、潤滑油循環用孔44r、潤滑油戻りライン95bの順番に流れた後、潤滑油ユニット95に戻るようになっている。
ただし、他の幾つかの実施形態では、潤滑油循環用孔44rや潤滑油戻りライン95bはなくても良い。また、上述した図8~図9Bに示す実施形態では、潤滑油ユニット95および潤滑油供給ライン95aは、伝達部材6の外部に形成されているが、この実施形態に本発明は限定されない。例えば、第1ハウジング部21にノズル部44nに形成する場合や、図4に示す実施形態において伝達部材6にノズル部44nに形成する場合など、図8の例示の場合ほど潤滑油ユニット95をノズル部44nの近くに設置するのが難しい場合がある。このような場合には、第1ハウジング部21や伝達部材6や他の部材の内部に、貫通していな孔部であるノズル部44nに接続される他の孔を形成しても良い。そして、このような追加の孔や、複数の追加の孔を相互に接続するラインをさらに設けることで、潤滑油供給ライン95aの一部を形成しても良い。これによって、潤滑油ユニット95の設置箇所の自由度を高めることが可能となる。
上記の構成によれば、互いに結合された第1遊星歯車41および第2遊星歯車42でそれぞれ構成された複数の複合遊星歯車4Aの貫通孔(内側)には、この複数の複合遊星歯車4Aが太陽歯車3の周囲に配置された際の相互の間隔を規定するキャリア部材44の軸部44sを支持する軸受(第1軸受65)が設置されている。そして、この軸受には、軸部44sの内部に油路pが形成されていることにより、ノズル部44nから噴射された潤滑油Fが軸部44sの油路pを通って供給されるようになっている。これによって、上記の軸受に潤滑油Fを供給することができる。また、軸受に供給された潤滑油Fが、減速機2を構成する上述した様々な歯車にも流れていくことにより、これらの歯車同士の噛み合いも滑らかにすることができる。したがって、軸受や歯車を適切に潤滑することができ、その寿命の向上を図ることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
<付記>
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る電動車両(9)の駆動装置(1)は、
電動車両(9)の駆動装置(1)であって、
インホイールモータ(12)と、
前記インホイールモータ(12)の回転速度を減速して前記電動車両(9)の駆動輪(8)に伝達する減速機(2)と、
前記インホイールモータ(12)を収容する車軸ハウジング(12h)と、
前記減速機(2)を収容すると共に、前記車軸ハウジング(12h)と結合される減速機ハウジング(2h)と、
前記駆動輪(8)と前記減速機(2)とを結合するための筒状の形状を有するタイヤ軸(84)と、を備え、
前記減速機(2)は、
前記インホイールモータ(12)によって駆動される太陽歯車(3)と、
前記太陽歯車(3)と噛み合わせて配置された第1歯数(Zp1)を有する第1遊星歯車(41)と、
前記第1遊星歯車(41)と噛み合わされて回転不能に配置された固定リングギヤ(51)と、
前記第1遊星歯車(41)に結合された、前記第1歯数(Zp1)よりも少ない第2歯数(Zp2)を有する第2遊星歯車(42)と、
前記第2遊星歯車(42)と噛み合わされて回転可能に配置された可動リングギヤ(52)と、
前記可動リングギヤ(52)の回転を前記駆動輪(8)に伝達するための伝達部材(6)と、を有し、
前記車軸ハウジング(12h)および前記減速機ハウジング(2h)は、前記タイヤ軸(84)の内部に設置され、
前記タイヤ軸(84)は、前記駆動輪(8)と前記伝達部材(6)とを結合している。
上記(1)の構成によれば、電動車両(9)を駆動する駆動装置(1)は、電動車両(9)が備える左右の駆動輪(8)を、各駆動輪(8)にそれぞれ設けられたインホイールモータ(12)により減速機(2)を介して個別に駆動するように構成される。この減速機(2)は、遊星歯車(4)機構におけるリングギヤ(5)(インターナルギヤ)を、減速機ハウジング(2h)などに固定された状態にある固定リングギヤ(51)と、固定されていない状態にある可動リングギヤ(52)とで2分割し、固定リングギヤ(51)および太陽歯車(3)に噛み合わされる第1遊星歯車(41)、およびこの第1遊星歯車(41)と一体的に結合された第2遊星歯車(42)とで連動させたような機構を有している。そして、第1遊星歯車(41)の歯数は第2遊星歯車(42)の歯数よりも少なく(Zp1>Zp2)、第2遊星歯車(42)によって回転される可動リングギヤ(52)52の回転を駆動輪(8)8に伝達するように構成される。
これによって、通常の遊星歯車(4)機構(遊星歯車(4)およびリングギヤ(5)がそれぞれ1個)よりも大きな減速比(R)を得ることができる。したがって、例えば大型の電動モータによってデフギヤを介して左右の駆動輪(8)を駆動する構成(図7A~図7B参照)を採用することなく、例えば小型の高速モータで構成したインホイールモータ(12)で電動車両(9)を適切に駆動することができる。また、現状の新交通車両(91)が備えるデフギヤや大型ハイポトギヤ、大型の電動モータを廃することができるので、新交通車両(91)の台車(93)などにより広いスペースを確保することができるなど、電動車両(9)に十分なバッテリスペースを確保できるようになる(図6A~図6B参照)。よって、例えば新交通システムの架線レス化の実現などを可能にすることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記車軸ハウジング(12h)の外周面に設置され、前記タイヤ軸(84)を支持する支持部材(7)をさらに備える。
上記(2)の構成によれば、車体重量は、例えば減速機(2)よりも電動車両(9)の中央側に位置されるなどする支持部材(7)で支えるように構成される。これによって、減速機(2)に車体重量を作用しないように図ることができ、減速機(2)の信頼性の確保することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)~(2)の構成において、
前記伝達部材(6)と前記タイヤ軸(84)とはスプライン結合されている。
上記(3)の構成によれば、例えば減速機(2)に車体重量が作用することで減速機(2)に変形が生じるようなことがあっても、その変形をスプライン結合により吸収することができ、構造変形が減速機(2)の強度に及ぼす影響を抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)~(3)の構成において、
前記減速機ハウジング(2h)は、
前記車軸ハウジング(12h)に固定される第1ハウジング部(21)と、
前記車軸ハウジング(12h)に固定されると共に、前記固定リングギヤ(51)を固定する第2ハウジング部(22)とを有し、
前記第1ハウジング部(21)と前記第2ハウジング部(22)とはスプライン結合されている。
上記(4)の構成によれば、上記(2)と同様に、減速機(2)の構造変形が減速機(2)の強度に及ぼす影響を抑制することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)~(4)の構成において、
前記インホイールモータ(12)の回転軸(12r)と前記太陽歯車(3)とはスプライン結合されている。
上記(5)の構成によれば、インホイールモータ(12)の回転軸(12r)と太陽歯車(3)との結合部(42p)に曲げ応力が作用した場合であってもスプライン結合により吸収することができ、減速機(2)の構造変形の影響を抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)~(5)の構成において、
前記車軸ハウジング(12h)と前記減速機ハウジング(2h)との間に設置されるスペーサ(S)を有し、
前記車軸ハウジング(12h)と前記減速機ハウジング(2h)とは前記スペーサ(S)を介して結合されている。
上記(6)の構成によれば、車軸ハウジング(12h)と減速機ハウジング(2h)とはスペーサ(S)を介して結合される。これによって、駆動装置(1)の組立の容易化を図ることができ、組み立て性およびメンテナンス性に優れた駆動装置(1)を提供することができる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る電動車両(9)の駆動装置(1)は、
電動車両(9)の駆動装置(1)であって、
インホイールモータ(12)と、
前記インホイールモータ(12)の回転速度を減速して前記電動車両(9)の駆動輪(8)に伝達する減速機(2)と、
前記減速機(2)を収容するための減速機ハウジング(2h)と、を備え、
前記減速機(2)は、
前記インホイールモータ(12)によって駆動される太陽歯車(3)と、
前記太陽歯車(3)と噛み合わせて配置された第1歯数(Zp1)を有する第1遊星歯車(41)と、
前記第1遊星歯車(41)と噛み合わされて回転不能に配置された固定リングギヤ(51)と、
前記第1遊星歯車(41)に結合された、前記第1歯数(Zp1)よりも少ない第2歯数(Zp2)を有する第2遊星歯車(42)と、
前記第2遊星歯車(42)と噛み合わされて回転可能に配置された可動リングギヤ(52)と、
前記可動リングギヤ(52)の回転を前記駆動輪(8)に伝達するための伝達部材(6)と、を有し、
前記インホイールモータ(12)は、前記駆動輪(8)が有するホイール(81)のディスク部(83)よりも前記電動車両(9)の中央側に設置されており、
前記減速機ハウジング(2h)は、前記インホイールモータ(12)と前記ディスク部(83)との間に設置されている。
上記(7)の構成によれば、インホイールモータ(12)および減速機ハウジング(2h)は、駆動輪(8)が有するホイール(81)のディスク部(83)よりも電動車両(9)の中央側に設置される。これによって、例えば電気自動車のように各駆動輪(8)がシングルタイヤ(86)で構成されている場合であっても、減速機(2)が車体の外側に突出しないようにすることができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記駆動輪(8)と前記伝達部材(6)とを結合するための筒状の形状を有するタイヤ軸(84)と、
前記タイヤ軸(84)の内部に設置された軸受と、をさらに備え、
前記伝達部材(6)は、棒状の第1軸部(64a)と、前記第1軸部(64a)の端部および前記タイヤ軸(84)にそれぞれ結合される第2軸部(64b)を含む車軸部(64)を有し、
前記減速機ハウジング(2h)は、前記タイヤ軸(84)の内部を延在する筒状の軸受支持部(23)を有しており、
前記軸受は、前記軸受支持部(23)の外周面に設置され、前記第1軸部(64a)を回転可能に支持する。
上記(8)の構成によれば、インホイールモータ(12)および減速機ハウジング(2h)をホイール(81)のディスク部(83)よりも電動車両(9)の中央側に設置することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)~(8)の構成において、
前記第1遊星歯車(41)および前記第2遊星歯車(42)は、互いにねじれ角が逆向きのはすば歯車であり、
前記第1遊星歯車(41)の第1ねじれ角をβ
前記第1ねじれ角に応じて生じる第1接線力をP
前記第2遊星歯車(42)の第2ねじれ角をβ
前記第2ねじれ角に応じて生じる第2接線力をPとすると、
前記第1ねじれ角(β)および前記第2ねじれ角(β)は、
β=tan-1{(P/P)・tan(β)}の関係を有する。
上記(9)の構成によれば、太陽歯車(3)、2種類の遊星歯車(4)(第1遊星歯車(41)、第2遊星歯車(42))、および2種類のリングギヤ(5)(固定リングギヤ(51)、可動リングギヤ(52))は、それぞれ、はすば歯車である。そして、第1遊星歯車(41)のねじり角(β)、および第2遊星歯車(42)のねじり角(β)は、その各々の噛み合いにより生じるスラスト力が互いに打ち消し合うように選定される。これによって、はすば歯車同士の噛み合いがより滑らか(噛み合い率が増大)になることで、歯車同士の噛み合いで生じる振動が平歯車よりも低減し、インホイールモータ(12)から入力によって太陽歯車(3)をより高速に回転させることができる。このため、第1遊星歯車(41)および第2遊星歯車(42)の各々貫通孔に延在するキャリア部材(44)の軸部(44s)を回転可能に支持する軸受(第1軸受(65))の負担を低減することができ、第1軸受(65)の信頼性の向上や、第1軸受(65)の小型化も実現することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)~(9)の構成において、
前記減速機(2)は、
互いに結合された前記第1遊星歯車(41)および前記第2遊星歯車(42)でそれぞれ形成される複数の複合遊星歯車(4A)と、
前記複数の複合遊星歯車(4A)が前記太陽歯車(3)の周囲に配置された際の相互の間隔を規定するキャリア部材(44)であって、前記複数の複合遊星歯車(4A)の各々の回転軸(4r)に沿って延在する複数の軸部(44s)、前記複数の軸部(44s)の各々の一方側の端部を連結する板状の第1連結部(44a)、および前記複数の軸部(44s)の各々の他方側の端部を連結する板状の第2連結部(44b)を有するキャリア部材(44)と、
前記複数の軸部(44s)をそれぞれ回転可能に支持する複数の軸受(第1軸受65)と、をさらに有し、
前記複数の軸部(44s)の各々の内部には、前記軸部(44s)の端部に形成された給油口(44m)から供給される潤滑油(F)を、該軸部(44s)を支持する前記軸受(65)に導くための油路(p)が形成されており、
前記伝達部材(6)または前記減速機ハウジング(2h)の少なくとも一方は、前記給油口(44m)に対向する位置に設けられた、前記給油口(44m)に向けて前記潤滑油(F)を噴射するノズル部(44n)を有する。
上記(10)の構成によれば、互いに結合された第1遊星歯車(41)および第2遊星歯車(42)でそれぞれ構成された複数の複合遊星歯車(4A)の貫通孔(内側)には、この複数の複合遊星歯車(4A)が太陽歯車(3)の周囲に配置された際の相互の間隔を規定するキャリア部材(44)の軸部(44s)を支持する軸受(第1軸受(65))が設置されている。そして、この軸受には、軸部(44s)の内部に油路(p)が形成されていることにより、ノズル部(44n)から噴射された潤滑油(F)が軸部(44s)の油路(p)を通って供給されるようになっている。これによって、上記の軸受(65)に潤滑油(F)を供給することができる。また、軸受(65)に供給された潤滑油(F)が、減速機(2)を構成する上述した様々な歯車(3、4、5)にも流れていくことにより、これらの歯車同士の噛み合いも滑らかにすることができる。したがって、軸受(65)や歯車(3、4、5)を適切に潤滑することができ、その寿命の向上を図ることができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、
前記第1連結部(44a)または前記第2連結部(44b)の少なくとも一方における前記ノズル部(44n)に対面する表面には、前記複数の軸部(44s)の各々の前記給油口(44m)を通過する円環状の油溝(44g)が形成されている。
上記(11)の構成によれば、ノズル部(44n)から噴射された潤滑油(F)は、軸部44sの給油口(44m)または油溝(44g)の少なくとも一方に噴射(供給)されており、油溝(44g)に噴射された潤滑油(F)が油溝(44g)を伝って最寄の給油口(44m)に向けて流れていくように構成される。これによって、油路(p)への潤滑油(F)の供給がより効率良く行われるように図ることができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る電動車両(9)は、
上記(1)~(11)のいずれか1項に記載の電動車両(9)の駆動装置(1)を備える。
上記(12)の構成によれば、上記(1)~(11)と同様の効果を奏する。
1 駆動装置
12 インホイールモータ
12h 車軸ハウジング
12r 回転軸
2 減速機
2h 減速機ハウジング
21 第1ハウジング部
22 第2ハウジング部
23 軸受支持部
3 太陽歯車
31 入力軸
4 遊星歯車
41 第1遊星歯車
42 第2遊星歯車
42p 結合部
44 キャリア部材
44s 軸部
44a 第1連結部
44b 第2連結部
44p 突出部
44m 給油口
44n ノズル部
44g 油溝
44r 潤滑油循環用孔
4A 複合遊星歯車
4r 回転軸
5 リングギヤ
51 固定リングギヤ
52 可動リングギヤ
6 伝達部材
61 リング側結合部
62 駆動輪側結合部
63 中継部
64 車軸部
64a 第1軸部
64b 第2軸部
64c 第3軸部
65 第1軸受
66 第2軸受
67 第3軸受
68 第4軸受
7 支持部材
8 駆動輪
81 ホイール
82 リム部
83 ディスク部
84 タイヤ軸
84f フランジ
86 タイヤ
9 電動車両
91 新交通車両
92 電気自動車
93 台車
95 潤滑油ユニット
95a 潤滑油供給ライン
95b 潤滑油戻りライン
R 減速比
S スペーサ
V ホイール空間
p 油路(キャリア部材の軸部の内部)
p1 第1歯数(第1遊星歯車)
p2 第2歯数(第2遊星歯車)
r1 固定リングギヤの歯数
r2 可動リングギヤの歯数
s1 太陽歯車の歯数
β第1ねじれ角(第1遊星歯車41のねじれ角)
β第2ねじれ角(第2遊星歯車42のねじれ角)

Claims (15)

  1. 電動車両の駆動装置であって、
    インホイールモータと、
    前記インホイールモータの回転速度を減速して前記電動車両の駆動輪に伝達する減速機と、
    前記インホイールモータを収容する車軸ハウジングと、
    前記減速機を収容すると共に、前記車軸ハウジングと結合される減速機ハウジングと、
    前記駆動輪と前記減速機とを結合するための筒状の形状を有するタイヤ軸と、を備え、
    前記減速機は、
    前記インホイールモータによって駆動される太陽歯車と、
    前記太陽歯車と噛み合わせて配置された第1歯数を有する第1遊星歯車と、
    前記第1遊星歯車と噛み合わされて回転不能に配置された固定リングギヤと、
    前記第1遊星歯車に結合された、前記第1歯数よりも少ない第2歯数を有する第2遊星歯車と、
    前記第2遊星歯車と噛み合わされて回転可能に配置された可動リングギヤと、
    前記可動リングギヤの回転を前記駆動輪に伝達するための伝達部材と、を有し、
    前記車軸ハウジングおよび前記減速機ハウジングは、前記タイヤ軸の内部に設置され、
    前記タイヤ軸は、前記駆動輪と前記伝達部材とを結合している電動車両の駆動装置。
  2. 前記車軸ハウジングの外周面に設置され、前記タイヤ軸を支持する支持部材をさらに備える請求項1に記載の電動車両の駆動装置。
  3. 前記伝達部材と前記タイヤ軸とはスプライン結合されている請求項1または2に記載の電動車両の駆動装置。
  4. 前記減速機ハウジングは、
    前記車軸ハウジングに固定される第1ハウジング部と、
    前記車軸ハウジングに固定されると共に、前記固定リングギヤを固定する第2ハウジング部とを有し、
    前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とはスプライン結合されている請求項1~3のいずれか1項に記載の電動車両の駆動装置。
  5. 前記インホイールモータの回転軸と前記太陽歯車とはスプライン結合されている請求項1~4のいずれか1項に記載の電動車両の駆動装置。
  6. 前記車軸ハウジングと前記減速機ハウジングとの間に設置されるスペーサを有し、
    前記車軸ハウジングと前記減速機ハウジングとは前記スペーサを介して結合されている請求項1~5のいずれか1項に記載の電動車両の駆動装置。
  7. 電動車両の駆動装置であって、
    インホイールモータと、
    前記インホイールモータの回転速度を減速して前記電動車両の駆動輪に伝達する減速機と、
    前記減速機を収容するための減速機ハウジングと、を備え、
    前記減速機は、
    前記インホイールモータによって駆動される太陽歯車と、
    前記太陽歯車と噛み合わせて配置された第1歯数を有する第1遊星歯車と、
    前記第1遊星歯車と噛み合わされて回転不能に配置された固定リングギヤと、
    前記第1遊星歯車に結合された、前記第1歯数よりも少ない第2歯数を有する第2遊星歯車と、
    前記第2遊星歯車と噛み合わされて回転可能に配置された可動リングギヤと、
    前記可動リングギヤの回転を前記駆動輪に伝達するための伝達部材と、を有し、
    前記インホイールモータは、前記駆動輪が有するホイールのディスク部よりも前記電動車両の中央側に設置されており、
    前記減速機ハウジングは、前記インホイールモータと前記ディスク部との間に設置されており、
    前記駆動輪と前記伝達部材とを結合するための筒状の形状を有するタイヤ軸と、
    前記タイヤ軸の内部に設置された軸受と、をさらに備え、
    前記伝達部材は、棒状の第1軸部と、前記第1軸部の端部および前記タイヤ軸にそれぞれ結合される第2軸部を含む車軸部を有し、
    前記減速機ハウジングは、前記タイヤ軸の内部を延在する筒状の軸受支持部を有しており、
    前記軸受は、前記軸受支持部の外周面に設置され、前記第1軸部を回転可能に支持する電動車両の駆動装置。
  8. 前記第1遊星歯車および前記第2遊星歯車は、互いにねじれ角が逆向きのはすば歯車であり、
    前記第1遊星歯車の第1ねじれ角をβ
    前記第1ねじれ角に応じて生じる第1接線力をP
    前記第2遊星歯車の第2ねじれ角をβ
    前記第2ねじれ角に応じて生じる第2接線力をPとすると、
    前記第1ねじれ角および前記第2ねじれ角は、
    β=tan-1{(P/P)・tan(β)}の関係を有する請求項1~のいずれか1項に記載の電動車両の駆動装置。
  9. 前記減速機は、
    互いに結合された前記第1遊星歯車および前記第2遊星歯車でそれぞれ形成される複数の複合遊星歯車と、
    前記複数の複合遊星歯車が前記太陽歯車の周囲に配置された際の相互の間隔を規定するキャリア部材であって、前記複数の複合遊星歯車の各々の回転軸に沿って延在する複数の軸部、前記複数の軸部の各々の一方側の端部を連結する板状の第1連結部、および前記複数の軸部の各々の他方側の端部を連結する板状の第2連結部を有するキャリア部材と、
    前記複数の軸部をそれぞれ回転可能に支持する複数の軸受と、をさらに有し、
    前記複数の軸部の各々の内部には、前記軸部の端部に形成された給油口から供給される潤滑油を、該軸部を支持する前記軸受に導くための油路が形成されており、
    前記伝達部材または前記減速機ハウジングの少なくとも一方は、前記給油口に対向する位置に設けられた、前記給油口に向けて前記潤滑油を噴射するノズル部を有する請求項1~のいずれか1項に記載の電動車両の駆動装置。
  10. 電動車両の駆動装置であって、
    インホイールモータと、
    前記インホイールモータの回転速度を減速して前記電動車両の駆動輪に伝達する減速機と、
    前記減速機を収容するための減速機ハウジングと、を備え、
    前記減速機は、
    前記インホイールモータによって駆動される太陽歯車と、
    前記太陽歯車と噛み合わせて配置された第1歯数を有する第1遊星歯車と、
    前記第1遊星歯車と噛み合わされて回転不能に配置された固定リングギヤと、
    前記第1遊星歯車に結合された、前記第1歯数よりも少ない第2歯数を有する第2遊星歯車と、
    前記第2遊星歯車と噛み合わされて回転可能に配置された可動リングギヤと、
    前記可動リングギヤの回転を前記駆動輪に伝達するための伝達部材と、を有し、
    前記インホイールモータは、前記駆動輪が有するホイールのディスク部よりも前記電動車両の中央側に設置されており、
    前記減速機ハウジングは、前記インホイールモータと前記ディスク部との間に設置されており、
    前記第1遊星歯車および前記第2遊星歯車は、互いにねじれ角が逆向きのはすば歯車であり、
    前記第1遊星歯車の第1ねじれ角をβ
    前記第1ねじれ角に応じて生じる第1接線力をP
    前記第2遊星歯車の第2ねじれ角をβ
    前記第2ねじれ角に応じて生じる第2接線力をP とすると、
    前記第1ねじれ角および前記第2ねじれ角は、
    β =tan -1 {(P /P )・tan(β )}の関係を有する電動車両の駆動装置。
  11. 電動車両の駆動装置であって、
    インホイールモータと、
    前記インホイールモータの回転速度を減速して前記電動車両の駆動輪に伝達する減速機と、
    前記減速機を収容するための減速機ハウジングと、を備え、
    前記減速機は、
    前記インホイールモータによって駆動される太陽歯車と、
    前記太陽歯車と噛み合わせて配置された第1歯数を有する第1遊星歯車と、
    前記第1遊星歯車と噛み合わされて回転不能に配置された固定リングギヤと、
    前記第1遊星歯車に結合された、前記第1歯数よりも少ない第2歯数を有する第2遊星歯車と、
    前記第2遊星歯車と噛み合わされて回転可能に配置された可動リングギヤと、
    前記可動リングギヤの回転を前記駆動輪に伝達するための伝達部材と、を有し、
    前記インホイールモータは、前記駆動輪が有するホイールのディスク部よりも前記電動車両の中央側に設置されており、
    前記減速機ハウジングは、前記インホイールモータと前記ディスク部との間に設置されており、
    前記減速機は、
    互いに結合された前記第1遊星歯車および前記第2遊星歯車でそれぞれ形成される複数の複合遊星歯車と、
    前記複数の複合遊星歯車が前記太陽歯車の周囲に配置された際の相互の間隔を規定するキャリア部材であって、前記複数の複合遊星歯車の各々の回転軸に沿って延在する複数の軸部、前記複数の軸部の各々の一方側の端部を連結する板状の第1連結部、および前記複数の軸部の各々の他方側の端部を連結する板状の第2連結部を有するキャリア部材と、
    前記複数の軸部をそれぞれ回転可能に支持する複数の軸受と、をさらに有し、
    前記複数の軸部の各々の内部には、前記軸部の端部に形成された給油口から供給される潤滑油を、該軸部を支持する前記軸受に導くための油路が形成されており、
    前記伝達部材または前記減速機ハウジングの少なくとも一方は、前記給油口に対向する位置に設けられた、前記給油口に向けて前記潤滑油を噴射するノズル部を有する電動車両の駆動装置。
  12. 前記第1連結部または前記第2連結部の少なくとも一方における前記ノズル部に対面する表面には、前記複数の軸部の各々の前記給油口を通過する円環状の油溝が形成されている請求項9又は11に記載の電動車両の駆動装置。
  13. 前記駆動輪は、第1駆動輪と、前記第1駆動輪に対して車幅方向に並べられた第2駆動輪と、を含み、
    前記第1駆動輪のディスク部と、前記第2駆動輪のディスク部と、前記タイヤ軸のフランジとは、前記車幅方向における前記第1駆動輪と前記第2駆動輪との間において互いに結合されている
    請求項1~6の何れか1項に記載の電動車両の駆動装置。
  14. 前記減速機は、前記第1駆動輪の前記ディスク部および前記第2駆動輪の前記ディスク部よりも前記車幅方向の外側に設置された請求項13に記載の電動車両の駆動装置。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載の電動車両の駆動装置を備える電動車両。
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