JP7339621B2 - 加熱処理用トレー - Google Patents
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Description
また加熱処理用トレーには、板厚方向に、蒸気や熱水等の加熱媒体を通過させるための通気孔が、多数開口されており、これにより処理対象物は、加熱媒体と効率的に接触し、均一に高温雰囲気に晒される。なお、加熱処理用トレーは、このように食品・食材を対象とすることが多いため、通常、ステンレス製の板材で形成される。
そして、このような加熱処理用トレーにも各種の改善・工夫が試みられている(例えば特許文献1・2参照)。
しかし、処理対象物は、必ずしも外装体がレトルトパウチのような丈夫なものだけではなく、例えば油揚げ等、外装体自体が極めて薄いフィルム状のものも存在し、これを通常の加熱処理用トレーに載せて加熱処理した場合には、薄い外装体に、加熱処理に伴う変形ジワが発生してしまい、商品価値を著しく損ねてしまうことがあった。このような変形ジワは、消費者が購入する際に、直接、目視する外観となるため、最悪の場合には商品として出荷できない事態となっていた。
そのため、上記通過孔として、既存のサイズの他に、これよりも小さいサイズの通気孔を多数開け、処理対象物を全体的に均一に加熱処理できる試みがなされた。因みに、小さい通気孔のサイズは、直径4mm程度であり、これを便宜上、小さな通気孔とし、一方、既存の通気孔を大きな通気孔とする。
このような対策によって外装体が薄いフィルム状の処理対象物であっても、これを均一に加熱処理することができ、変形ジワの発生を防ぐことができた。
ここで、実際のレトルト殺菌装置による殺菌処理は、段積みされた加熱処理用トレー1′の間隙からノズルNを差し込むようにし、このノズルNから蒸気や熱水などの加熱媒体Hを、ほぼ水平に噴出するような処理形態が採られており、例えば加熱処理用トレー1′の四隅から加熱媒体Hを中央に向けて噴き付けるようにしている。
この際、上述したように、処理対象物Wの重みで、加熱処理用トレー1′が垂れ下がった場合には、この垂れ下がりによって加熱媒体Hの噴出が阻害され(邪魔され)、垂れ下がりが大きいトレー中央部に載置される処理対象物Wは、加熱媒体Hとの接触が阻まれるようになり、殺菌処理自体が偏ったり、部分的に殺菌が不充分な部位が生じたりするという新たな問題が生じた。もちろん、これは加熱処理用トレー1′の垂れ下がりが特に大きくなるトレー中央部において顕著となっていた。
食品・食材が収容された処理対象物を載せ、加熱雰囲気中で支持するための金属製の加熱処理用トレーであって、
この加熱処理用トレーは、平面視、矩形状を成し、載置面には、その全域にわたり多数の通気孔が形成されるとともに、載置面には対向辺間にわたって複数の補強突部が設けられ、且つ載置面を取り囲む外周側には、枠状の周囲フレームを具えるものであり、
また前記補強突部は、載置面を構成する部材自体を凹凸させることによって形成され、載置面に補強突部段差が付与されて成り、
なお且つこの補強突部段差が、周囲フレームに突き当たる部位では、補強突部段差が存在しない応力除去弱化部が形成されるものであり、
更にこの応力除去弱化部は、当該突き当たり部位から載置面の内側に向けて切欠き状に形成された応力除去用スリットであることを特徴として成るものである。
前記補強突部は、載置面上部から載置面の板厚寸法と同じ高さ寸法分、上方に突出するように形成されていることを特徴として成るものである。
まず請求項1記載の発明によれば、処理対象物を載せる載置面には、対向辺間にわたって複数の補強突部が形成されるため、載置面の剛性を強化することができ、たとえ処理対象物の個々の重量が嵩張っても、この重量によって載置面が垂れ下がってしまうことを防止でき、処理対象物を均一に加熱処理することができる。
また本発明によれば、補強突部は、載置面を構成する部材そのものをプレス加工等で凹凸させることにより形成される。このため補強突部として載置面とは別の部材を用意する必要がなく、これらを別途、接合する加工等も省略することができる。また、別部材を用いないため、加熱処理用トレーの従来の製造工程を大幅に変更することなく、採用することができる。
また本発明によれば、補強突部段差が、周囲フレームに突き当たる部位では、スリット状の応力除去弱化部が形成されるため、当該部位で、載置面の端縁部を上向きに立ち上げる加工が、確実に且つ正確に行える。
また、上下の載置面同士に挟まれた空間は、加熱処理中、処理対象物を収める収納空間となるが、補強突部の突出寸法が板厚程度に抑えられると、この収納空間が大きく狭められることがなく、格別、設計変更・仕様変更を行うことなく、従来と同じ処理対象物を加熱処理することができる。
なお説明にあたっては、加熱処理用トレー1の説明に先立ち、まず加熱処理の概略から説明する。因みに、ここでは加熱処理として殺菌、特に蒸気による殺菌を例に挙げて説明する。より詳細には、加熱媒体Hとなる高温・高圧の蒸気を、レトルトパウチ食品や包装食品などの処理対象物Wに均一に作用させて殺菌する場合について説明する。
またレトルト殺菌装置R内に収納される処理対象物Wの荷姿について説明すると、一例として図1(b)に示すように、平面視、矩形状を成す金属製の加熱処理用トレー1に、多数の処理対象物Wが規則的に並べられ、この加熱処理用トレー1を下から上に適宜の間隔を隔てて、複数段積層するような状態で収納する。なお、一つの加熱処理用トレー1に多数の処理対象物を規則的に並べるように載せるのは、一回の殺菌処理(一回のバッチ処理)で、より多くの処理対象物Wを殺菌処理するためである。
また、加熱処理用トレー1は、通気構造を具えるものであり、この通気構造によって、加熱媒体Hが処理対象物Wを効率的に加熱殺菌するように構成されており、通気構造の具体的構成は後述する。
また加熱媒体Hとしては、蒸気の他に熱水も挙げられ、このような加熱媒体Hを、密閉したレトルト殺菌装置R内で処理対象物Wに、均一に作用させて、加熱・殺菌等の所望の処理を行うものである。
加熱処理用トレー1は、上述したように高温雰囲気となるレトルト殺菌装置R内において処理対象物Wを支持するためのトレーであり、ステンレス等の金属素材で形成されるのが一般的である。
この加熱処理用トレー1は、例えば図1(b)・図2(a)に示すように、平面視、矩形状に形成され、多数の処理対象物Wを載せるための載置面2と、この載置面2の外周側を枠状に取り囲む周囲フレーム3とを具えて成る。
載置面2は、略偏平の板状に形成される一方、周囲フレーム3は、載置面2の板厚方向に張り出すように形成され、これは剛性を確保するためである。
以下、載置面2と周囲フレーム3とについて更に詳細に説明する。
また通気孔21は、載置面2だけでなく、例えば図1(b)に示すように、立ち上げ状に形成された周囲フレーム3にも形成され得る。
更に、通気孔21の開口形成自体は、金型を適用したパンチングプレスによる打ち抜き加工によって形成することができ、この開口加工は、例えばステンレス板材から載置面2の出発素材をブランク取りした後に別途行うことができる。しかしながら、プレスの加工能力や載置面2の出発素材の大きさ等にもよるが、載置面2の出発素材をブランク取りする際に、併せて通気孔21も開口形成することができるのでれば、これらを一回のプレス加工で同時に行うことが好ましい。
この補強突部22は、載置面2の上部に載置された処理対象物Wによって、載置面2が垂れ下がることを防止するためのものであり、加熱処理用トレー1の対向辺間にわたって複数、並列状に設けられ、言わば幅広のリブ状を呈する。
ここで、本実施例では、一例として図1・図2に示すように、当該補強突部22は、横方向に設けられている。つまり補強突部22は、対向する縦辺3V間にわたって、横辺3Hに沿うように設けられている。
因みに、加熱処理用トレー1の垂れ下がり、とりわけ縦方向の撓みは、後述する側端補強材36や縦辺3Vに形成される上向きの立ち上げ(後述する縦辺立壁部35)によって防止される。
なお、載置面2を構成する加熱処理用トレー1と、通気孔21とは、図2(a)の平面図が、実際の形態(比率)をほぼ再現した一例であって、図1(b)の斜視図は、両者の関係を誇張したものである。そのため図1(b)の斜視図は、加熱処理用トレー1と通気孔21との比率等が実際の態様とは相違するが、これは載置面2の形状、換言すれば補強突部22の形状を分かり易く示すためである。
この補強突部段差23は、一例として載置面2の板厚寸法に設定される(ここでは2mm)。すなわち補強突部22が形成されていない載置面2の上部を基準面2Sとすれば、補強突部22の上面たる補強突部段差23は、この基準面2Sから板厚寸法の2mm上方に位置するように設けられる。逆に言えば、載置面2の上部たる基準面2Sは、補強突部22の上面から板厚寸法の2mm下方に位置するように設けられる。このように載置面2は、補強突部22によって板厚寸法分、凹凸状態に形成される。ここで図1(c)において、載置面2において補強突部22が形成されていない部位に付した符号「t」は、載置面2の板厚を示しており、補強突部22が形成された部位に付した符号「t」は、補強突部段差23が載置面2の板厚寸法に設定されることを示している。
このため、本発明では、補強突部段差23が周囲フレーム3たる縦辺3Vに当接する端部では、補強突部段差23を部分的に除去するようにし、ここを応力除去弱化部24としている。より詳細には、本発明では、応力除去弱化部24として、補強突部段差23が縦辺3Vに当接する部位で、載置面2の内側に向けて切欠き状の応力除去スリットを形成している。そして、このような応力除去弱化部24を設けることによって、当該部位での端縁立ち上げ加工が円滑に且つ確実に行えるようにしている。
なお、応力除去弱化部24としての切欠きを形成する加工も、金型を適用したプレス加工で形成することができ、例えば載置面2のブランク取り時に併せて形成できるのであれば、同時に形成することが好ましい。
周囲フレーム3は、上述したように、矩形状の載置面2を枠状に取り囲む四辺で構成され、このものは便宜上、一対の横辺3Hと、一対の縦辺3Vとに区別できる。
また周囲フレーム3の四辺は、載置面2から四方に延展するように連続して一体的に立ち上げられた垂直部を具える。
以下、横辺3Hと縦辺3Vとについて説明する。
また縦辺3Vは、一例として図2(a)の拡大断面図に示すように、載置面2の端縁から略垂直上向きとなるように連続状に立ち上げられた縦辺立壁部35を具え、この縦辺立壁部35に、断面「コ」字状のチャンネル材が別途接合されて成る。このチャンネル材は、載置面2とは別の部材で形成され、縦辺3Vひいては載置面2の側端部を補強する部材であるため、これを側端補強材36とする。ここで図中符号361は、側端補強材36の「コ」字状断面における立壁部であり、また符号362は上側フラット部、符号363は下側フラット部である。
また、載置面2の縦辺立壁部35と側端補強材36とを接合するにあたっては、例えば図2(a)の拡大断面図に示すように、互いの垂直部同士、つまり縦辺立壁部35と立壁部361とを面合わせ状態に対向配置して接合するものであり、例えばボルト・ナットによる接合や溶接等による接合手法が採り得る。
また側端補強材36の上側フラット部362は、加熱処理用トレー1において最も高い位置で外側に張り出す部位であるため、加熱処理用トレー1を段積みする際や、この段積み状態から個々にばらす際などの持ち手(被保持部)にもなる。すなわち、このような作業は、通常、ハンドリングマシンによって自動的に行われるものであり、上側フラット部362を、上記のような構成とすることで加熱処理用トレー1のハンドリング保持が確実に行え、加熱処理用トレー1を目的の場所に正確に移送することができる。
当接体38は、上記図1・図2に示すように、比較的短寸の丸棒状に形成されており、一辺に二カ所、つまり一基の加熱処理用トレー1において計四カ所設けられる。
このガイドピン39とピン孔39hとは、複数の加熱処理用トレー1を段積みした際、下側に位置する加熱処理用トレー1のガイドピン39が、上側に位置する加熱処理用トレー1のピン孔39hに嵌まるようになっている。すなわち、ガイドピン39やピン孔39hは、加熱処理用トレー1を段積みする際のガイドとなり、またガイドピン39をピン孔39hに差し込むことによって、より安定した段重ね状態が得られるようになっている。なお、ガイドピン39の上方先端部が全周、面取りされているのは、このような差し込みを行い易くするためである。
(1)処理対象物を加熱処理用トレーに載置
加熱処理を行うにあたっては、まず加熱処理用トレー1の載置面2に、多数の処理対象物Wを規則的に並べるように載置する。これにはローダーと称される装置が適用され、自動的に載置作業が行われる。
多数の処理対象物Wを載せた載置面2には、当然、処理対象物Wの全重量が掛かるが、本発明では載置面2に補強突部22が形成されているため、載置面2が下方に垂れ下がることは、ほとんどないものである。もちろん、載置面2の垂れ下がりが防止されるのは、横辺立壁部31や横辺フラット部32、あるいは縦辺立壁部35や側端補強材36も寄与するが、これらの部材は、載置面2の周囲に形成されることから、載置面2の中央部における垂れ下がりは、主に補強突部22によって防止される。
その後、処理対象物Wを載せた加熱処理用トレー1を段重ね状態に積み重ねる。この際、本実施例では、その前に積んだ下側の加熱処理用トレー1のガイドピン39に、これから積む上側の加熱処理用トレー1のピン孔を嵌め込むようにして段積み作業が行われる。このためガイドピン39とピン孔39hが、積み重ねる加熱処理用トレー1の位置決め作用を担うことになり、段積み作業そのものが効率的に行える。すなわち、例えば段積みの際、単に下側に位置する加熱処理用トレー1の上側フラット部362に、上側に位置する加熱処理用トレー1の上側フラット部362を載せるように積み上げるだけでは、少しずつ載せる位置がずれていっただけでも、最終的に最上部に位置する加熱処理用トレー1は、最下部に位置する加熱処理用トレー1から大きくずれてしまうことがあり、荷姿として極めて不安定な状態となり、最悪の場合には倒れてしまうことも想定される。しかしながら、本実施例では、ガイドピン39とピン孔39hとが、積み上げ時において上下に位置する加熱処理用トレー1同士の位置決めとなるため、このような事態を防止することができる。因みに、加熱処理用トレー1は、例えば17段程度段積みされる。
また、ガイドピン39とピン孔39hを利用した段積みは、ガイドピン39がピン孔39hに掛止した状態であるため、処理中もズレを生じることがなく、安定した段積み状態が継続して得られるものである。
また段積み状態では、一例として図1(a)に示すように、横辺フラット部32に立設された当接体38同士が上下方向で当接し合い、あたかも一本の柱のような状態を呈する。これにより、段積み状態における加熱処理用トレー1の垂れ下がり、とりわけ横辺3H付近の撓み(つまり横方向の撓み)が効果的に防止される。
その後、段積みされた加熱処理用トレー1を、レトルト殺菌装置R内に搬入するが、この搬入にあたっては、例えばコンベヤを適用して自動搬入することができる。また例えば前述した段積み作業を適宜の台車上で行った場合には、この台車を人力などで押し込んで、レトルト殺菌装置R内に搬入することも可能である。もちろん各加熱処理用トレー1に処理対象物Wを並べるように載せたものから、順次、レトルト殺菌装置R内に段積みして行く態様も採り得る。
なお、レトルト殺菌装置R内に搬入される加熱処理用トレー1の荷姿としては、例えば10~20段程度の加熱処理用トレー1を段積みしたブロック状のものを、レトルト殺菌装置R内で直列に複数並べるような配置が可能である。
因みに、レトルト殺菌装置Rには、例えば前後に開閉自在の扉が設けられており、前方の扉を開けて、ここから処理対象物Wがレトルト殺菌装置R内に収納される。もちろん、搬入後は、レトルト殺菌装置Rの扉、例えば上述した前方の扉は閉鎖され、処理空間内は密閉状態とされる。
その後、密閉したレトルト殺菌装置R内で蒸気等の加熱媒体Hを処理対象物Wに満遍なく均一に作用させ、殺菌等の適宜の加熱処理を行う。
この際、本実施例では、上記図1(b)に示すように、段積みした加熱処理用トレー1の間隙、より詳細には横辺フラット部32の間隙からノズルNを差し込み、加熱媒体Hを適宜の時間、例えば数時間から十数時間、噴射する。なお、上記図1(b)では、ノズルNを加熱処理用トレー1の四隅から中央に向けて差し込み、加熱媒体Hも中央向きに噴出するように図示しているが、ノズルNの差し込み位置等は処理対象物Wや処理条件等によって適宜変更することができる。
そして、本発明では、補強突部22等が形成されているため、上述したように多数の処理対象物Wを載せた加熱処理用トレー1(載置面2)の垂れ下がりが防止される。特に、トレー中央部では、従来、大きく撓むことがあったが、本発明では、当該部位での大きな垂れ下がりが防止できるため、ノズルNから噴射された加熱媒体Hは、載置面2に阻害されることなく、処理対象物Wに満遍なく均一に作用し、ムラなく処理対象物Wを加熱処理することができる。
以上のようにして所定の加熱処理が終了したら、処理対象物Wを載せた加熱処理用トレー1をレトルト殺菌装置Rから搬出する。
この際、例えばレトルト殺菌装置Rの後方側の扉を開けて、ここから加熱処理用トレー1を段積みしたブロック状のまま、各ブロック毎に取り出す。因みに、処理後の処理対象物Wや加熱処理用トレー1をレトルト殺菌装置Rから取り出す装置はアンローダーと称される。
なお、このようなレトルト殺菌装置Rは、一つの搬送ラインに対し並列状に複数列、配置するようにすれば、より多くの処理能力が得られる。
その後、レトルト殺菌装置Rから搬出した、段積みブロック状の加熱処理用トレー1を一段ずつにばらし(いわゆる段ばらし)、各加熱処理用トレー1から殺菌処理済みの処理対象物Wを取り出す。なお、処理対象物Wは、その後、例えば出荷のための箱詰め工程等に送られる。
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず、上述した基本の実施例では、一対の縦辺3Vの間にわたって補強突部22を形成、つまり横辺3Hに沿うように補強突部22を形成した。これは横辺3Hが縦辺3Vに対し長いたことに起因する。しかしながら、横辺3Hと縦辺3Vの長さが、ほとんど変わらない場合等には、補強突部22は、どちらに形成しても構わず、例えば補強突部22を、一対の横辺3H間にわたって形成すること、つまり縦辺3Vに沿うように形成することも可能である。もちろん、その場合には、側端補強材36は、当該補強突部22に直交するように、横辺3Hに設けることが好ましく、このような構成によって、トータルで加熱処理用トレー1の垂れ下がりを効果的に抑えることができる。
これは、冒頭の〔背景技術〕で述べたように、従来のような大きな通気孔21Lだけを開口した加熱処理用トレー1においても、レトルトパウチ食品(処理対象物W)の一個当たりの重量が大きくなれば、加熱処理用トレー1に載せる処理対象物Wの総重量も相応に大きくなり、補強突部22を形成しないと垂れ下がりが生じる可能性があるためである。もちろん加熱処理用トレー1の載置面積が大きくなった場合でも、補強突部22を形成しないと垂れ下がりが生じる可能性があるため、補強突部22を設ける本発明は、このような載置面積が大きい加熱処理用トレー1においても効果的な対策である。
2 載置面
2S 基準面
3 周囲フレーム
21 通気孔
21L 大きな通気孔
21S 小さな通気孔
22 補強突部
23 補強突部段差
24 応力除去弱化部
3H 横辺
31 横辺立壁部
32 横辺フラット部
3V 縦辺
35 縦辺立壁部
36 側端補強材
361 立壁部
362 上側フラット部
363 下側フラット部
38 当接体
39 ガイドピン
39h ピン孔
H 加熱媒体
N ノズル
R レトルト殺菌装置
W 処理対象物
Claims (2)
- 食品・食材が収容された処理対象物を載せ、加熱雰囲気中で支持するための金属製の加熱処理用トレーであって、
この加熱処理用トレーは、平面視、矩形状を成し、載置面には、その全域にわたり多数の通気孔が形成されるとともに、載置面には対向辺間にわたって複数の補強突部が設けられ、且つ載置面を取り囲む外周側には、枠状の周囲フレームを具えるものであり、
また前記補強突部は、載置面を構成する部材自体を凹凸させることによって形成され、載置面に補強突部段差が付与されて成り、
なお且つこの補強突部段差が、周囲フレームに突き当たる部位では、補強突部段差が存在しない応力除去弱化部が形成されるものであり、
更にこの応力除去弱化部は、当該突き当たり部位から載置面の内側に向けて切欠き状に形成された応力除去用スリットであることを特徴とする加熱処理用トレー。
- 前記補強突部は、載置面上部から載置面の板厚寸法と同じ高さ寸法分、上方に突出するように形成されていることを特徴とする、請求項1記載の加熱処理用トレー。
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